(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162556
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】開口制限機構および建具
(51)【国際特許分類】
E05C 17/06 20060101AFI20241114BHJP
E05F 5/00 20170101ALI20241114BHJP
【FI】
E05C17/06 A
E05F5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078167
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 健太
(72)【発明者】
【氏名】溝口 麻美
(72)【発明者】
【氏名】西田 亘児
(72)【発明者】
【氏名】木下 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】松下 岳史
(57)【要約】
【課題】開閉される開口の開口開放量の制限を調節できる開口制限機構および建具を提供すること。
【解決手段】開口制限機構10は、窓枠5で区画され且つ障子6で開閉される開口2の開口開放量を制限する機構であって、窓枠5に設けられる第一連結部30と、障子6に設けられる第二連結部40と、第一連結部30および第二連結部40を解除可能に連結する長尺の連結部材20とを有する。連結部材20は、その基端部24が第一連結部30に取り付けられると共に、第二連結部40に係止可能な複数の被係止部22が当該連結部材20の長手方向に沿って並んで設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口区画部で区画され且つ開閉体で開閉される開口の開口開放量を制限する開口制限機構であって、
前記開口区画部に設けられる第一連結部と、
前記開閉体に設けられる第二連結部と、
前記第一連結部および前記第二連結部を解除可能に連結する長尺の連結部材とを有し、
前記連結部材は、その基端部が前記第一連結部および前記第二連結部のうち一方の連結部に取り付けられると共に、前記第一連結部および前記第二連結部のうち他方の連結部に係止可能な複数の被係止部が当該連結部材の長手方向に沿って並んで設けられる
ことを特徴とする開口制限機構。
【請求項2】
請求項1に記載の開口制限機構において、
前記一方の連結部は、前記連結部材の自由端部を取外し可能に保持する保持部を有する
ことを特徴とする開口制限機構。
【請求項3】
請求項2に記載の開口制限機構において、
前記保持部は、前記連結部材の基端部が前記一方の連結部に連結する連結位置から下方に離間して配置され、
前記一方の連結部は、前記連結位置と前記保持部の位置との間で上下方向に沿って前記連結部材を収容可能に配置される収容溝が形成される
ことを特徴とする開口制限機構。
【請求項4】
請求項1に記載の開口制限機構において、
前記一方の連結部には、前記複数の被係止部のうち前記基端部に位置する被係止部が連結される
ことを特徴とする開口制限機構。
【請求項5】
請求項1に記載の開口制限機構において、
前記第一連結部および前記第二連結部は、前記被係止部が連結可能に前記開口区画部および前記開閉体に形成される切欠部でそれぞれ構成される
ことを特徴とする開口制限機構。
【請求項6】
開口を区画する開口区画部と、前記開口を開閉する開閉体とを備え、
前記開口の開口開放量を制限する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の開口制限機構が構成される
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉可能な建具の開口開放量を制限する開口制限機構および建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室用ドアの開度制限装置が知られている(特許文献1参照)。この開度制限装置は、浴室用のドア本体に設けられた鉤状の被係止具と、浴室および脱衣室の間の仕切り壁に設けられた固定具と、一端に固定具が連結され且つ他端にリング状の係止具が連結された鎖状の連結具とを備えており、係止具を被係止具に係止することで、浴室用ドアで開閉する開口の開度(開口開放量)を制限する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の開度制限装置では、鎖状の連結具の一端に連結された係止具を被係止具に係止する構成とされているので、浴室用ドアの開度を、連結具の長さに応じた一定の開口開放量までに制限することしかできず、開口開放量の制限を調節することが困難である。
【0005】
本発明の目的は、開閉される開口の開口開放量の制限を調節できる開口制限機構および建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開口制限機構は、開口区画部で区画され且つ開閉体で開閉される開口の開口開放量を制限する開口制限機構であって、前記開口区画部に設けられる第一連結部と、前記開閉体に設けられる第二連結部と、前記第一連結部および前記第二連結部を解除可能に連結する長尺の連結部材とを有し、前記連結部材は、その基端部が前記第一連結部および前記第二連結部のうち一方の連結部に取り付けられると共に、前記第一連結部および前記第二連結部のうち他方の連結部に係止可能な複数の被係止部が当該連結部材の長手方向に沿って並んで設けられる。
本発明の建具では、開口を区画する開口区画部と、前記開口を開閉する開閉体とを備え、前記開口の開口開放量を制限する本発明の前述した開口制限機構が構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、開閉される開口の開口開放量の制限を調節できる開口制限機構および建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る開口制限機構が構成される内開き窓を示す内観姿図。
【
図2】前記実施形態に係る開口制限機構を示す説明図。
【
図3】前記実施形態に係る開口制限機構の第一の使用状態を示す説明図。
【
図4】前記実施形態に係る開口制限機構の第二の使用状態を示す説明図。
【
図6】第一変形例に係る開口制限機構の使用状態を示す横断面図。
【
図9】第二変形例の開口制限機構の切欠部を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本実施形態に係る開口制限機構10が構成される建具としての内開き窓1は、開口2を区画する開口区画部として窓枠5(枠体)と、開口2を開閉する開閉体としての障子6とを備えている。開口制限機構10は、長尺の連結部材20と、窓枠5に設けられる第一連結部30と、障子6に設けられる第二連結部40とを有しており、連結部材20によって第一連結部30および第二連結部40を解除可能に連結する構成とされている。
以下の説明において、内開き窓1の左右方向をX軸方向とし、内開き窓1の上下方向をY軸方向とし、内開き窓1の見込み方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0010】
窓枠5は、樹脂製押出形材で形成された上枠51、下枠52および左右の縦枠53,54を縦勝ちに枠組みしてなる。縦枠53は戸先側の縦枠であり、縦枠54は吊元側の縦枠である。また、障子6は、樹脂製押出形材で形成された上框61、下框62、左右の縦框63,64およびガラスパネル等からなる面材65を縦勝ちに框組みしてなる。縦框63は戸先側の縦框であり、縦框64は吊元側の縦框である。
【0011】
連結部材20は、
図2の(A)に示すように、紐状の長尺体21と、長尺体21に設けられた複数の被係止部22と、長尺体21の自由端部25に設けられた端部材23とを有しており、本実施形態では、長尺体21および複数の被係止部22はいわゆるボールチェーンによって構成されている。
長尺体21は、後述する取付部32から保持部33までの間隔寸法に対応した長さ寸法を有している。
複数の被係止部22は、それぞれ互いに所定間隔を隔てて長尺体21に沿って並んで配置されている。各被係止部22は、両端部分が半球状に形成され且つ中間部分が円柱状に形成されており、長尺体21の長手方向に直交する方向に膨出している。なお、複数の被係止部22のうち長尺体21の一端部に位置する被係止部には、説明の便宜上、符号22Aを付す。被係止部22Aは連結部材20の基端部24を構成する。
端部材23は、長尺体21の他端部、すなわち、連結部材20の自由端部25に設けられており、連結部材20を第二連結部40に係止する際に操作される取っ手として機能する。
【0012】
第一連結部30は、
図2の(B)に示すように、連結部材20を保持するホルダーとして構成されており、両面テープやねじで戸先側の縦枠53に取り付けられたY軸方向に延びた略矩形状の本体31と、連結部材20の基端部24を取付可能に本体31の上部に形成された取付部32と、本体31の下部に形成された保持部33と、取付部32および保持部33に連続し且つY軸方向に沿って本体31に形成された収容溝34とを有している。
取付部32は、連結部材20の被係止部22Aが嵌め込まれる有底の穴形状の嵌込部321と、嵌込部321を収容溝34の上端部に連通する連通溝322とを有しており、連通溝322は、長尺体21を配置可能にY軸方向に沿って形成されている。この取付部32は、被係止部22Aが嵌込部321に嵌め込まれることで取り付けられ、これにより、第一連結部30に対して連結部材20の基端部24を、専用の連結具などを用いずに固定的に連結できる。
保持部33は、端部材23を収容可能な有底の穴形状に形成されており、収容溝34の下端部に連通している。保持部33は、連結部材20の基端部24が取付部32に連結する連結位置Pから下方に離間して配置されており、当該離間する距離は、連結部材20の長さ寸法に対応する距離である。この保持部33は、端部材23を収容することで、連結部材20の自由端部25を取外し可能に保持する構成とされている。
また、取付部32と保持部33とを繋ぐ収容溝34は、連結位置Pと保持部33の位置との間でY軸方向に沿って連結部材20を収容可能に配置されている。
【0013】
第二連結部40は、
図2の(C)に示すように、両面テープやねじで戸先側の縦框63に取り付けられたブロック状の本体41と、連結部材20を係止する係止部42とを有しており、係止部42は、
図1に示すように取付部32と略同等の高さ位置に配置されている。
係止部42は、第一連結部30側で開口して溝形状に形成されており、
図3や
図4に示すように、長尺体21のうち互いに隣り合う被係止部22の間の部分が掛けられる凹部421を有している。
【0014】
ここで、本実施形態では、開口制限機構10は、第一連結部30および第二連結部40が両面テープやねじで縦枠53や縦框63に取り付けられるので、各種の建具に後付け可能な汎用性の高い構成となっている。
【0015】
以上の開口制限機構10が構成される内開き窓1は、次のように開口制限される。
まず、端部材23を第一連結部30の保持部33から取り出し、続いて、
図3の(A)に示すように端部材23を操作しながら連結部材20の長手方向に沿った任意の位置で当該連結部材20の長尺体21を第二連結部40の凹部421に掛けることで、被係止部22が係止部42に係止され、これにより、当該連結部材20を第二連結部40に連結する。なお、凹部421から長尺体21を取り外すことで連結部材20と第二連結部40との連結を解除可能である。
このようにして、障子6の開放移動することによる内開き窓1の開口2の開口開放量は制限される。例えば
図3の(B)に示すように障子6が開放移動すると、第一連結部30と第二連結部40との間で連結部材20が張られ、これにより、障子6の開放移動が規制されて開口2の開口開放量は任意量に制限される。
【0016】
また、
図4の(A)に示すように、第一連結部30の取付部32に近い位置にある連結部材20の被係止部22を第二連結部40の係止部42に係止させることで、例えば
図4の(B)に示すように障子6が開放移動することで連結部材20の張られる部分の長さ寸法を短くすることができ、このため、開口2の開口開放量を小さく制限できる。
このように、開口制限機構10によれば、開口2の開口開放量の制限を任意に調節可能である。
【0017】
なお、開口制限機構10による開口開放量の制限状態は、第二連結部40から連結部材を取り外すことで解除され、端部材23を保持部33に収めることで、端部材23よりも基端部24側の部分も収容溝34に収められる。このため、連結部材20は第一連結部30に保持され、当該連結部材20の揺動が抑制される。
【0018】
[変形例]
前記実施形態では、連結部材20は、長尺体21および複数の被係止部22がいわゆるボールチェーンで構成されるものとしたが、これに限らず、例えば
図5に示す第一変形例のように、複数の環状部材26をつなげて鎖状に構成してもよい。この場合、取付部32は鎖状の連結部材20の基端部24が取り付けられ、収容溝34にも当該鎖状の連結部材20が収容される。またこの場合、第二連結部40には、溝形状の係止部42に代えて、任意位置の環状部材26が通されるように上方に突出した係止突部43を有しており、環状部材26は、係止突部43に通されることで係止突部43に係止される被係止部として構成されている。
第一変形例に係る開口制限機構10では、
図6に示すように障子6が開放移動すると鎖状の連結部材20が張られて開口2の開口開放量を制限する。なお、開口開放量は、係止突部43に係止する任意位置の環状部材26に代えることで調節可能である。
【0019】
前記実施形態では、第一連結部30や第二連結部40は縦枠53や縦框63に対して別部材であってこれらに取り付けられるものであるが、これらに限らず、例えば
図7から
図9に示す第二変形例のように縦枠53や縦框63自体に孔等の加工を施して形成される第一連結部30Bや第二連結部40Bを構成してもよい。第二変形例では、第一連結部30Bおよび第二連結部40Bは同形状且つ同寸法に形成されており、それぞれにキャップ7が嵌め込まれている。
第一連結部30Bおよび第二連結部40Bの加工形状は、連結部材20の被係止部22が挿通可能な円弧状の円孔部31B,41Bと、円孔部31B,41Bの下部に長尺体21が入り込む切欠部32B,42Bとを有して形成されている。
第一連結部30Bには、連結部材20の基端部24にある被係止部22Aが円孔部31Bに挿通され、且つ、長尺体21のうち被係止部22Aとこれに隣り合う被係止部22との間の部分が切欠部32Bに配置されることで、連結部材20の基端部24と連結される。キャップ7は円孔部31Bを塞ぐために適宜取り付けられる。
また、第二連結部40Bには、任意位置の被係止部22が円孔部41Bに挿通され、且つ。長尺体21のうち互いに隣り合う被係止部22の間の部分が切欠部42Bに配置されることで、連結部材20と連結される。キャップ7は円孔部41Bを塞ぐために適宜取り付けられる。
なお、連結部材20は、キャップ7を外し、長尺体21を切欠部32B,42Bから上方に外して、被係止部22(22A)を円孔部31B,41Bから抜き出すことで、第一連結部30Bや第二連結部40Bから取り外すことができる。
前述したように、連結部材20と第一連結部30Bおよび第二連結部40Bとが連結された状態では、第二変形例に係る開口制限機構10は、開口2の開口開放量を制限する。開口開放量は連結部材20と第二連結部40Bとの連結位置を調節することで適宜変更可能である。なお、第二変形例に係る開口制限機構10では、連結部材20と第一連結部30Bとの連結位置も、連結部材20と第二連結部40Bとの連結と同様に連結位置を適宜変更することが可能である。
第二変形例に係る開口制限機構10では、窓枠5や障子6自体に第一連結部30Bや第二連結部40Bを加工形成するので、これらを構成するために窓枠5や障子6に別部材を取り付ける必要をなくすことができて、部品点数減少によるコスト削減を図れる。
【0020】
前記実施形態では、第一連結部30が開口区画部としての窓枠5に設けられ且つ第二連結部40が開閉体としての障子6に設けられているが、これに限らず、第一連結部30が障子6に設けられ且つ第二連結部40が開口区画部としての窓枠5に設けられてもよい。また、前述した第一連結部30が前述した第二連結部40の構成と同様の構成とされ、第二連結部40が前述した第一連結部30と同様の構成とされてもよい。
前記実施形態では、窓枠5を開口区画部として構成したが、例えば窓枠5やこれに相当する構成がなく建物自体が開口2を区画する場合には当該建物自体が開口区画部を構成し、これに第一連結部30または第二連結部40が設けられるようにしてもよい。
前記実施形態では、第一連結部30の取付部32は、連結部材20の被係止部22Aを直接に取付け可能に構成されているが、これに限らず、例えば他の部材としての連結具(図示省略)などを介して連結部材20の基端部24と連結可能に構成されていてもよい。
前記実施形態では、第一連結部30は、連結部材20の自由端部25を取外し可能に保持する保持部33を有して構成されているが、これに限らず、保持部33を有していなくてもよい。また、第一連結部30は、取付部32と保持部33との間で連結部材20を収容する収容溝34を有しているが、これに限らず、収容溝34の構成を省略してもよい。
前記実施形態では、第一連結部30には、連結部材20の基端部24が連結されているが、例えば、連結部材20の基端部24よりも自由端部25側の部分が連結されていてもよい。
前記実施形態では、連結部材20の被係止部22は、その両端部分が半球状に形成され且つその中間部分が円柱状に形成されているが、これに限らず、第二連結部40に係止可能に長尺体21の長手方向に直交する方向に膨出していれば、球状体などの各種形状で形成されていてもよい。
また、前記実施形態では、係止部42は、取付部32と略同等の高さ位置に配置されているが、これに限らず、高さ位置が互いにY軸方向にズレていてもよい。
前記実施形態では、内開き窓1を建具としたが外開き窓など面外方向に開く開き系窓でもよく、また、引き違い窓や片引き戸など面内方向に開くスライド系窓でもよい。
【0021】
[発明のまとめ]
(1)本発明の開口制限機構は、開口区画部で区画され且つ開閉体で開閉される開口の開口開放量を制限する開口制限機構であって、前記開口区画部に設けられる第一連結部と、前記開閉体に設けられる第二連結部と、前記第一連結部および前記第二連結部を解除可能に連結する長尺の連結部材とを有し、前記連結部材は、その基端部が前記第一連結部および前記第二連結部のうち一方の連結部に取り付けられると共に、前記第一連結部および前記第二連結部のうち他方の連結部に係止可能な複数の被係止部が当該連結部材の長手方向に沿って並んで設けられる。
本発明の開口制限機構によれば、連結部材の長手方向に沿って設けられる複数の被係止部のうち任意の被係止部を前述した他方の連結部に係止させられるので、例えば、前述した他方の連結部に係止される被係止部が連結部材の自由端部(基端部とは反対側の端部)のみに設けられる場合と比べて、連結部材をその長手方向に沿った任意の位置で他方の連結部に連結でき、このため、開閉体による開口開放量の制限を任意に調節できる。
(2)本発明の開口制限機構では、前記一方の連結部は、前記連結部材の自由端部を取外し可能に保持する保持部を有してもよい。
このような構成によれば、連結部材を他方の連結部に連結していない状態において、連結部材の自由端部を保持部で保持することで、当該自由端部が揺動することを抑制できる。
(3)本発明の開口制限機構では、前記保持部は、前記連結部材の基端部が前記一方の連結部に連結する連結位置から下方に離間して配置され、前記一方の連結部は、前記連結位置と前記保持部の位置との間で上下方向に沿って前記連結部材を収容可能に配置される収容溝が形成されてもよい。
このような構成によれば、保持部が前記連結位置から下方に離間して配置されているので、自由端部が保持部に保持された連結部材が弛んでしまうおそれを低減でき、また、前述した連結位置と保持部との間で連結部材を収納溝に収容することで当該連結部材が揺動することを抑制できる。
(4)本発明の開口制限機構では、前記一方の連結部には、前記複数の被係止部のうち前記基端部に位置する被係止部が連結されてもよい。
このような構成によれば、連結部材の基端部を前述した一方の連結部に連結する際に、被係止部を一方の連結部に連結すればよいので、被係止部のほかに他の部材などを用いる必要がなく、部品点数を減少できてコスト削減を図れる。
(5)本発明の開口制限機構では、前記第一連結部および前記第二連結部は、前記被係止部が連結可能に前記開口区画部および前記開閉体に形成される切欠部でそれぞれ構成されてもよい。
このような構成によれば、第一連結部および第二連結部を構成するために開口区画部や開閉体に他の部材を取り付けたりする必要をなくすことができ、このため、部品点数を減少できてコスト削減を図れる。
(6)本発明の建具では、開口を区画する開口区画部と、前記開口を開閉する開閉体とを備え、前記開口の開口開放量を制限する本発明の前述した開口制限機構が構成される。
本発明の建具によれば、前述した開口制限機構の作用効果と同様の作用効果を発揮可能な建具を構成できる。
【符号の説明】
【0022】
1…内開き窓(建具)、10…開口制限機構、2…開口、20…連結部材、21…長尺体、22…被係止部、22A…被係止部、23…端部材、24…基端部、25…自由端部、26…環状部材、30,30B…第一連結部、31,41…本体、31B,41B…円孔部、32…取付部、321…嵌込部、322…連通溝、32B,42B…切欠部、33…保持部、34…収容溝、40,40B…第二連結部、42…係止部、421…凹部、42B…切欠部、43…係止突部、5…窓枠(開口区画部)、51…上枠、52…下枠、53,54…縦枠、6…障子(開閉体)、61…上框、62…下框、63,64…縦框、65…面材、7…キャップ、P…連結位置。