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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162564
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】資産管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078188
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】518236605
【氏名又は名称】株式会社Social Area Networks
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】森田 高明
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 真
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 忠昭
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】資産の読み取り作業を行うことなく資産の位置情報をリアルタイムに把握することができ、資産管理に要する作業負担の軽減を図ることが可能な資産管理システムを提供する。
【解決手段】資産管理システム1は、資産ASに取り付けられるビーコンタグ10と、ビーコン信号を中継するビーコン信号中継器20と、資産ASを位置情報と共に管理する資産管理サーバ30と、から構成されている。ビーコンタグ10は、ビーコンタグ10を識別可能な発振器識別情報を出力する。ビーコン信号中継器20は、ビーコン信号を受信し、発振器識別情報と中継器識別情報を対応付けた資産位置情報を含む中継信号を出力する。資産管理サーバ30は、中継信号に含まれる資産位置情報を取得して資産管理情報記憶部に記憶する。ビーコンタグ10は、通常動作状態よりも低消費電力で動作する省電力動作状態に遷移することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象の資産に取り付けられて、ビーコン信号を出力するビーコン信号発振器と、前記ビーコン信号を中継するビーコン信号中継器と、前記資産を位置情報と対応付けて管理する資産管理装置と、を備えた資産管理システムであって、
前記ビーコン信号発振器は、前記ビーコン信号発振器を識別可能な発振器識別情報を含む前記ビーコン信号を出力し、
前記ビーコン信号中継器は、前記ビーコン信号を受信し、該ビーコン信号に含まれる前記発振器識別情報と、前記ビーコン信号中継器を識別可能な中継器識別情報と、を対応付けた資産位置情報を含む中継信号を出力し、
前記資産管理装置は、前記資産位置情報を取得し、該資産位置情報に基づいて、前記資産を管理するための資産管理情報を生成して資産管理情報記憶部に記憶し、
前記ビーコン信号発振器は、第一の消費電力で動作する通常動作状態と、前記第一の消費電力よりも低い第二の消費電力で動作する省電力動作状態と、の間を所定の周期で遷移し、前記通常動作状態において、前記ビーコン信号を、複数回送信することを特徴とする資産管理システム。
【請求項2】
前記ビーコン信号発振器は、互いに異なる複数の送信周波数を所定の順序で選択し、該選択された前記送信周波数で前記ビーコン信号を複数回送信することを特徴とする請求項1に記載の資産管理システム。
【請求項3】
前記ビーコン信号発振器は、無作為な送信間隔を有する送信タイミングで前記ビーコン信号を複数回送信することを特徴とする請求項1に記載の資産管理システム。
【請求項4】
前記ビーコン信号発振器は、前記省電力動作状態に関する設定情報を受け付ける発振器設定情報受付部を有し、
前記発振器設定情報受付部は、前記省電力動作状態の動作時間に関する設定情報である第一設定時間と、該第一設定時間より長い第二設定時間と、の選択を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の資産管理システム。
【請求項5】
前記ビーコン信号発振器は、前記発振器識別情報が格納された携帯可能な電子媒体であって、
前記ビーコン信号中継器は、
衛星測位信号を受信する衛星測位信号受信機を有し、前記衛星測位信号に基づいて現在位置情報を取得し、
前記資産に取り付けられた前記ビーコン信号発振器が出力する前記発振器識別情報と、前記資産を搬送する者が携帯する前記ビーコン信号発振器が出力する前記発振器識別情報と、前記中継器識別情報と、前記現在位置情報と、を対応付けた動的資産位置情報を含む中継信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の資産管理システム。
【請求項6】
前記ビーコン信号中継器は、
前記衛星測位信号受信機の有効化又は無効化に関する設定情報を受け付ける中継器設定情報受付部を有し、
前記中継器設定情報受付部が前記衛星測位信号受信機を無効化する設定情報を受け付けると、前記衛星測位信号受信機を無効化し、前記資産位置情報を含む中継信号を出力し、
前記中継器設定情報受付部が前記衛星測位信号受信機を有効化する設定情報を受け付けると、前記衛星測位信号受信機を有効化し、前記動的資産位置情報を含む中継信号を出力する請求項5に記載の資産管理システム。
【請求項7】
前記資産管理装置は、前記資産管理情報記憶部から前記資産の位置情報を取得し、前記資産を、地図画像又は施設のレイアウト画像に重畳して出力することを特徴とする請求項1に記載の資産管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資産管理システムに係り、特に、ビーコン信号を利用した資産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業が保有する資産(主に、備品及び固定資産)を管理するために資産管理システムが利用されている。資産管理システムを用いることにより、資産の購入、利用、及び処分に関する状況を、容易に把握することが可能となる。
また、近年、ある支店(営業所)から別の支店(営業所)に持ち運んで利用する移動資産について、その位置情報の管理の重要性が指摘されている。
【0003】
特許文献1には、資産の保管位置を管理することができる資産管理システムが開示されている。特許文献1で開示された資産管理システムは、資産に貼付される非接触ICタグと、非接触ICタグを読み取った際の位置情報を、GPS信号に基づいて取得するICタグリーダと、資産管理サーバと、から構成されている。資産管理サーバは、非接触ICタグが取り付けられた資産を識別可能な情報と、ICタグリーダが取得した位置情報と、を対応付けて記憶している。これにより、企業が保有する資産の保管位置を管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-316996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、位置情報を取得するためには、資産に貼付された非接触ICタグを、ICタグリーダで読み取る作業が必要であり、移動資産の場合には、資産が持ち運ばれる毎に読み取り作業が必要となっていた。
そのため、多くの資産を保有する企業の資産管理担当者にとって、ICタグの読み取りに要する作業負担が大きく、特に移動資産について、資産管理に係る作業負担の軽減が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、資産の読み取り作業を行うことなく資産の位置情報をリアルタイムに把握することができ、資産管理に要する作業負担の軽減を図ることが可能な資産管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明の資産管理システムによれば、管理対象の資産に取り付けられて、ビーコン信号を出力するビーコン信号発振器と、前記ビーコン信号を中継するビーコン信号中継器と、前記資産を位置情報と対応付けて管理する資産管理装置と、を備えた資産管理システムであって、前記ビーコン信号発振器は、前記ビーコン信号発振器を識別可能な発振器識別情報を含む前記ビーコン信号を出力し、前記ビーコン信号中継器は、前記ビーコン信号を受信し、該ビーコン信号に含まれる前記発振器識別情報と、前記ビーコン信号中継器を識別可能な中継器識別情報と、を対応付けた資産位置情報を含む中継信号を出力し、前記資産管理装置は、前記資産位置情報を取得し、該資産位置情報に基づいて、前記資産を管理するための資産管理情報を生成して資産管理情報記憶部に記憶し、前記ビーコン信号発振器は、第一の消費電力で動作する通常動作状態と、前記第一の消費電力よりも低い第二の消費電力で動作する省電力動作状態と、の間を所定の周期で遷移し、前記通常動作状態において、前記ビーコン信号を、複数回送信することにより解決される。
【0008】
上記構成によれば、管理対象の資産には、ビーコン信号発振器が取り付けられており、ビーコン信号発振器が出力するビーコン信号を中継するビーコン信号中継器の位置に基づいて資産位置情報が生成される。そのため、非接触ICタグをICタグリーダで読み取ることなく、ビーコン信号によって資産の位置情報を取得することができる。また、資産の持ち運びのたびに読取作業を行う必要がないため、資産管理に要する作業負担の軽減を図ることが可能となる。
また、ビーコン信号発振器は、通常動作状態と、省電力動作状態を有している。そのため、ビーコン信号発振器とビーコン信号中継器の間の無線通信の機会を確保しつつ、ビーコン信号発振器の省電力性を向上させ、ビーコン信号発振器の電池交換に係る作業負担の軽減を図ることが可能となる。
また、ビーコン信号発振器は、通常動作状態において、ビーコン信号を複数回送信する。これにより、無線電波が輻輳する電波環境において、ビーコン信号発振器とビーコン信号中継器の間の無線通信の信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0009】
また、前記ビーコン信号発振器は、互いに異なる複数の送信周波数を所定の順序で選択し、該選択された前記送信周波数で前記ビーコン信号を複数回送信するとよい。
上記構成によれば、無線電波が輻輳する電波環境において、他の送信周波数を選択してビーコン信号を送信することにより、ビーコン信号発振器とビーコン信号中継器の間の通信の信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0010】
また、前記ビーコン信号発振器は、無作為な送信間隔を有する送信タイミングで前記ビーコン信号を複数回送信するとよい。
上記構成によれば、複数のビーコン信号発振器が送信するビーコン信号が輻輳した場合、無作為に定められた送信間隔の経過後にビーコン信号が再送される。そのため、複数のビーコン信号発振器が送信するビーコン信号が再び輻輳することを抑制することが可能となる。
【0011】
また、前記ビーコン信号発振器は、前記省電力動作状態に関する設定情報を受け付ける発振器設定情報受付部を有し、前記発振器設定情報受付部は、前記省電力動作状態の動作時間に関する設定情報である第一設定時間と、該第一設定時間より長い第二設定時間と、の選択を受け付けるとよい。
上記構成によれば、持ち運びの機会が少ないビーコン信号発振器に対して、頻繁に持ち運んで利用されるビーコン信号発振器よりも、その省電力動作状態が長い時間継続するように設定することができる。そのため、持ち運びの機会が少ない資産に取り付けられるビーコン信号発振器の省エネルギー性の向上を図ることが可能となる。
【0012】
また、前記ビーコン信号発振器は、前記発振器識別情報が格納された携帯可能な電子媒体であって、前記ビーコン信号中継器は、衛星測位信号を受信する衛星測位信号受信機を有し、前記衛星測位信号に基づいて現在位置情報を取得し、前記資産に取り付けられた前記ビーコン信号発振器が出力する前記発振器識別情報と、前記資産を搬送する者が携帯する前記ビーコン信号発振器が出力する前記発振器識別情報と、前記中継器識別情報と、前記現在位置情報と、を対応付けた動的資産位置情報を含む中継信号を出力するとよい。
上記構成によれば、ビーコン信号中継器は、衛星測位信号に基づいて現在位置情報を取得し、資産に取り付けられたビーコン信号発振器が出力する発振器識別情報と、資産を搬送する者が携帯するビーコン信号発振器が出力する発振器識別情報と、中継器識別情報と、現在位置情報と、を対応付けた動的資産位置情報を含む中継信号を出力する。このため、現在位置に加えて搬送中の資産の搬送者を特定することができ、重要な資産に対する監視力とセキュリティ性の向上を図ることが可能となる。
【0013】
また、前記ビーコン信号中継器は、前記衛星測位信号受信機の有効化又は無効化に関する設定情報を受け付ける中継器設定情報受付部を有し、前記中継器設定情報受付部が前記衛星測位信号受信機を無効化する設定情報を受け付けると、前記衛星測位信号受信機を無効化し、前記資産位置情報を含む中継信号を出力し、前記中継器設定情報受付部が前記衛星測位信号受信機を有効化する設定情報を受け付けると、前記衛星測位信号受信機を有効化し、前記動的資産位置情報を含む中継信号を出力するとよい。
上記構成によれば、衛星測位信号受信機を無効化又は有効化するための設定情報を入力することにより、ビーコン信号中継器を、予め定められた位置に設置して用いる場合と、車両等の移動手段に搭載して用いる場合の両方に適用することが可能となる。
【0014】
また、前記資産管理装置は、前記資産管理情報記憶部から前記資産の位置情報を取得し、前記資産を、地図画像又は施設のレイアウト画像に重畳して出力するとよい。
上記構成によれば、地図画像、又はオフィスレイアウト画像に資産が重畳表示されるため、視覚的に資産の位置を把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る資産管理システムによれば、資産の読み取り作業を行うことなく資産の位置情報をリアルタイムに把握することができ、資産管理に要する作業負担の軽減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】資産管理システムの全体構成を示す図である。
図2】ビーコンタグと資産の関係を説明するための図である。
図3】移動中の資産管理を説明するための図である。
図4】ビーコンタグの機能構成を示す図である。
図5】ビーコン信号の動作状態とビーコン信号の周波数マップを説明する図である。
図6】資産管理サーバの機能構成を示す図である。
図7】ビーコンタグDBのデータ構造の一例を示す図である。
図8】ビーコン中継器DBのデータ構造の一例を示す図である。
図9】資産情報DBのデータ構造の一例を示す図である。
図10】広域資産マップ画面を示す図である。
図11】詳細資産マップ画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1乃至図11を参照しながら、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る資産管理システム1について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。つまり、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0018】
本実施形態に係る資産管理システム1は、法人又は個人の資産ASを、位置情報と共に管理するために用いられる。本実施形態に係る資産管理システム1により、資産ASの位置情報をリアルタイムに把握することができ、資産管理に要する作業負担の軽減を図ることができる。
【0019】
以下の説明中、「資産」とは、法人又は個人が保有する有形資産であって、流動資産を除くものをいう。具体例として、長期間(例えば一年以上)にわたって利用される備品及び有形固定資産を挙げることができる。
また、以下の説明中、「ビーコン信号」とは、機器の位置を特定するために用いられる無線信号であって、通信周波数や、通信方式を問わない。また、通話やデータ通信を主目的として用いられる移動体無線通信信号は、「ビーコン信号」に含まれないこととする。
また、以下の説明中、「リアルタイム」とは、検出された信号又はデータが、長い時間に亘って蓄積されることなく随時加工され、又は処理されて出力されることを意味する。信号又はデータが検出されるタイミングと、出力されるタイミングが、厳密に一致している必要はない。
【0020】
<<資産管理システム1の概要>>
最初に、図1及び図2を参照して、資産管理システム1の概要について説明する。
図1は、資産管理システム1の全体構成を示している。図2は、ビーコンタグ10と資産ASの関係を説明するための図である。
資産管理システム1は、ビーコンタグ10と、ビーコン信号中継器20と、資産管理サーバ30と、管理者端末40と、を主な構成として有している。
【0021】
ビーコンタグ10は、管理対象とする資産ASに取り付けられて用いられる。より具体的には、ビーコンタグ10は、オフィスOF内の部屋RM(会議室、休憩室、執務室等)に設置された資産AS、及び車両CRで搬送中の資産ASの位置を特定するために、資産ASに取り付けられている。ビーコンタグ10が出力するビーコン信号には、ビーコンタグ10を識別可能な発振器識別情報が含まれている。そのため、後述する資産管理サーバ30は、発振器識別情報に基づいて、ビーコンタグ10が取り付けられた資産ASを識別することができる。
【0022】
図2に示すように、ビーコンタグ10は、第一ビーコンタグ10Aと、第二ビーコンタグ10Bと、に分類することができる。第一ビーコンタグ10Aは、ノート型パソコンAS1や、アタッシュケースAS2のように、頻繁に持ち運ばれて利用される資産ASに貼付される。一方、第二ビーコンタグ10Bは、プロジェクタAS3、計測機器であるデジタルカウンタAS4又はアナログメータAS5のように、持ち運びの機会が比較的少ない資産ASに貼付される。資産ASの管理担当者(以下、資産管理担当者と称する)は、ビーコンタグ10に所定の設定情報を入力することにより、ビーコンタグ10を、第一ビーコンタグ10A、又は第二ビーコンタグ10Bのいずれかに設定することができる。ビーコンタグ10が取り付けられる資産ASは、図2に示す資産ASに限定されない。法人又は個人が保有する有形資産であればよく、固定資産、又は備品が含まれる。オフィスOFは施設に相当し、ビーコンタグ10はビーコン信号発振器に相当する。
【0023】
図1に戻って、ビーコン信号中継器20は、ビーコンタグ10が出力するビーコン信号を受信し、ビーコン信号に含まれる発振器識別情報を取得する。また、ビーコン信号中継器20は、ビーコン信号中継器20を識別可能な中継器識別情報を記憶しており、発振器識別情報及び中継器識別情報を含む中継信号を生成する。
ビーコン信号中継器20は、LTE(Long-Term Evolution)通信インターフェースを有し、携帯電話基地局BSを介して中継信号を資産管理サーバ30に送信する。またビーコン信号中継器20は、LPWA(Low Power Wide Area)通信インターフェースを有していてもよい。これにより、ビーコン信号中継器20は、遠隔地に設置された資産管理サーバ30に中継信号を送信することができる。なお、図1において図示されていないものの、ビーコン信号中継器20と資産管理サーバ30の間に、ゲートウェイ装置が介在していてもよい。
【0024】
ビーコン信号中継器20は、車載型ビーコン信号中継器20Aと、固定型ビーコン信号中継器20Bと、に分類することができる。
図3は、車両CRに搭載される車載型ビーコン信号中継器20Aを示している。車載型ビーコン信号中継器20Aは、GPS衛星STが送信するGPS信号(衛星測位信号)を受信するGPS受信機(衛星測位信号受信機)を有している。そのため、車載型ビーコン信号中継器20Aは、GPS信号に基づいて、車両CRの現在位置情報を取得することができる。また、車載型ビーコン信号中継器20Aは、車両CRに搭載されたナビゲーション装置が出力する現在位置情報を取得することとしてもよい。
【0025】
また、車載型ビーコン信号中継器20Aは、車両CRに積載されて搬送中の資産ASに取り付けられたビーコンタグ10が出力するビーコン信号を受信し、発振器識別情報を取得する。また、車載型ビーコン信号中継器20Aは、運転席に着座する運転手(資産ASを搬送する者)が携帯するビーコンタグ10が出力するビーコン信号を受信し、発振器識別情報を取得する。そして、車載型ビーコン信号中継器20Aは、資産ASに取り付けられたビーコンタグ10の発振器識別情報と、運転手が携帯するビーコンタグ10の発振器識別情報と、中継器識別情報と、車両CRの現在位置情報と、を含む動的資産位置情報を生成する。動的資産位置情報は、中継信号として資産管理サーバ30に送信される。そのため、資産管理サーバ30は、発振器識別情報に基づいて、資産ASと、資産ASを搬送する従業員を識別し、資産ASの位置をリアルタイムで管理することが可能となる。
【0026】
従来、資産ASが持ち運ばれると、ICタグリーダで資産ASに取り付けられた非接触ICタグを読み取る作業が行われていた。これに対して、本実施形態の資産管理システム1によれば、車両CRに取り付けられた車載型ビーコン信号中継器20Aによってビーコン信号が受信される。このため、資産ASの位置情報を、移動中も含めてリアルタイムに取得して管理することが可能となる。また、車載型ビーコン信号中継器20Aは、資産ASを搬送する従業員が携帯するビーコンタグ10から出力されるビーコン信号も受信することができる。このため、資産ASの現在位置情報と共に、資産ASを搬送する従業員を監視することが可能となり、企業にとって特に重要な資産ASを持ち運ぶ際の監視力とセキュリティ性の向上を図ることが可能となる。
【0027】
図1に戻って、オフィスOF内の決められた部屋RMには、固定型ビーコン信号中継器20Bが設置されている。固定型ビーコン信号中継器20Bは、ビーコン信号を受信し、ビーコン信号のRSSI(受信信号強度)に基づいて、ビーコンタグ10の位置を判定する。より詳細には、固定型ビーコン信号中継器20Bは、ビーコン信号のRSSIを予め定められた閾値と比較する。そして、ビーコン信号のRSSIが閾値より大きい場合、固定型ビーコン信号中継器20Bは、ビーコンタグ10が同じ部屋RMに位置していると判定し、ビーコン信号に含まれる発振器識別情報を取得する。そして、固定型ビーコン信号中継器20Bは、発振器識別情報と中継器識別情報を含む資産位置情報を生成する。資産位置情報は、中継信号として資産管理サーバ30に送信される。そのため、資産管理サーバ30は、資産ASの位置(部屋RM)をリアルタイムで管理することが可能となる。
【0028】
資産管理サーバ30は、資産AS、ビーコンタグ10、及びビーコン信号中継器20の登録を受け付けて、資産ASに関する情報を管理するサーバ装置である。資産管理サーバ30は、車載型ビーコン信号中継器20A及び固定型ビーコン信号中継器20Bが送信する中継信号を受信すると、動的資産位置情報及び資産位置情報に基づいて資産管理情報を更新する。資産管理情報は、資産ASの取得、利用、及び処分に関する情報と共に、資産ASのリアルタイムの位置情報を含んでいる。資産管理情報の詳細については、後述する。資産管理サーバ30は、資産管理装置に相当する。
【0029】
管理者端末40は、資産ASの資産管理担当者が操作する情報通信機器である。資産管理担当者は、管理者端末40を操作することによって、後述する広域資産マップ画面33又は詳細資産マップ画面34を表示し、資産ASの取得、利用、及び処分に関する情報と共に、資産ASの位置情報を確認することができる。
また、資産管理担当者は、管理者端末40を操作することによって、資産ASの一覧を示す資産管理台帳を確認することができる。
【0030】
以上のように、資産ASに取り付けられたビーコンタグ10とビーコン信号中継器20によって、資産ASのリアルタイムの位置情報を取得することができるため、資産管理担当者は、非接触ICタグ又はバーコード等の識別情報の読み取り作業が不要となる。これにより、資産管理に要する作業負担の軽減を図ることが可能となる。
【0031】
<<ビーコンタグ10>>
次に、ビーコンタグ10について説明する。なお、以下の説明において、第一ビーコンタグ10Aと第二ビーコンタグ10Bを特に区別する必要がない場合には、単に「ビーコンタグ10」として説明する。
ビーコンタグ10は、長さ40mm、幅25mm、高さ5mmの寸法と、4gの重量を有し、上述した発振器識別情報を記憶する可搬型電子媒体である。ただし、ビーコンタグ10の寸法及び重量は、上述した寸法及び重量に限定されない。
【0032】
ビーコンタグ10は、ビーコンタグ10は、ビーコンタグ10を収容可能な収容ケースを介して資産ASに取り付けられる。また、ビーコンタグ10は、資産ASに直接貼付されて取り付けられてもよい。
また、ビーコンタグ10は、資産ASを利用する者(従業員など)の社員証と共に携帯することができる。これにより、ビーコンタグ10は、資産ASを利用し、又は搬送する者を特定し、その位置を管理することが可能となる。
上述したように、ビーコンタグ10は、頻繁に持ち運ばれる資産ASに取り付けられる第一ビーコンタグ10Aと、持ち運びの機会が比較的少ない資産ASに取り付けられる第二ビーコンタグ10Bに分類することができる。第一ビーコンタグ10A及び第二ビーコンタグ10Bは、資産管理担当者によって設定される。
【0033】
図4は、ビーコンタグ10の構成を示している。図4に示すように、ビーコンタグ10は、通信回路11と、空中線12と、電源回路13と、を主な構成として有している。
通信回路11は、ビーコンタグ10の通信制御回路である。通信回路11は、ビーコン信号送信ユニット111と、計時ユニット112と、設定受付ユニット113と、通信制御ユニット114と、を主な構成として有している。
【0034】
ビーコン信号送信ユニット111は、空中線12に対してビーコン信号を出力する無線通信回路である。ビーコン信号送信ユニット111は、周波数変換回路、フィルタ回路、及び増幅回路等を含んでいる。ビーコン信号送信ユニット111は、具体的には、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))の通信規格に準拠した通信ユニットである。
【0035】
計時ユニット112は、クロック発振器と、クロック発振器の出力を計数するカウンタを有している。クロック発振器は、例えば水晶発振器や、セラミック発振器を採用することができる。
計時ユニット112は、後述する通信期間とスリープ期間を計時する。また、計時ユニット112は、ビーコン信号を出力する送信タイミングを計時する。また、計時ユニット112は、無作為な送信間隔を有する送信タイミングを生成するための疑似乱数生成器を有していてもよい。
【0036】
設定受付ユニット113は、外部端末と無線通信を行うことにより、ビーコンタグ10のスリープ期間(省電力動作状態の動作時間に相当する)に関する設定情報の入力を受け付ける。上述したように、ビーコンタグ10は、第一ビーコンタグ10Aと、第二ビーコンタグ10Bと、に分類することができる。そして、第二ビーコンタグ10Bのスリープ期間は、第一ビーコンタグ10Aのスリープ期間よりも、長い時間継続するように設定される。換言すると、設定受付ユニット113は、スリープ期間に関する設定情報である第一設定時間と、第一設定時間より長い第二設定時間と、の選択を受け付ける。これにより、持ち運びの機会が比較的少ない資産ASに取り付けられる第二ビーコンタグ10Bがビーコン信号を出力する機会を減少させ、省エネルギー性の向上を図ることが可能となる。また、これにより、後述する電源回路13の電池を交換する手間を抑制することが可能となる。設定受付ユニット113は、発振器設定情報受付部に相当する。
【0037】
設定受付ユニット113が入力を受け付ける設定情報は、スリープ期間に限定されない。設定受付ユニット113は、後述するビーコン信号の送信タイミングに関する設定情報の入力を受け付けることとしてもよい。また、設定受付ユニット113は、ビーコン信号の送信電力に関する設定情報の入力を受け付けることとしてもよい。
【0038】
通信制御ユニット114は、ビーコンタグ10が第一の消費電力で動作する通常動作状態と、第一の消費電力よりも小さい第二の消費電力で動作する省電力動作状態との間で遷移するように制御する。換言すると、通信制御ユニット114は、通常動作状態においてビーコン信号を送信する一方で、省電力動作状態においてビーコン信号の送信を行わない。ビーコンタグ10がビーコン信号を送信する期間(通常動作状態に遷移された期間)を、通信期間と称する。一方、ビーコンタグ10がビーコン信号を送信しない期間(省電力動作状態に遷移された期間)を、スリープ期間と称する。
【0039】
図5は、ビーコンタグ10の動作状態を示す図である。図5に示すように、ビーコンタグ10は、通信期間とスリープ期間の間を、周期的に交互に遷移する。スリープ期間において、ビーコンタグ10のビーコン信号送信ユニット111に対する電源供給は停止される。これにより、増幅器等による電力消費を抑制することができ、省エネルギー性の向上を図ることが可能となる。そして、通信期間及びスリープ期間を交互に制御することにより、ビーコンタグ10とビーコン信号中継器20の通信の機会を確保しつつ、消費電力の抑制を図ることが可能となる。なお、通信期間は、例えば1秒間である。また、第一ビーコンタグ10Aのスリープ期間は、例えば5秒である。また、第二ビーコンタグ10Bのスリープ期間は、例えば10分である。ただし、スリープ期間は、これに限定されない。第二ビーコンタグ10Bのスリープ期間は、1時間であってもよい。
【0040】
また、ビーコンタグ10は、通信期間において、ビーコン信号を複数回、送信する。より詳細に説明すると、ビーコンタグ10は、送信周波数F1、送信周波数F2、及び送信周波数F3をこの順序で選択し、選択された送信周波数で、ビーコン信号を、それぞれ時刻T11、時刻T12、時刻T13において送信する。このように複数の送信周波数を所定の順序で選択してビーコン信号を送信することにより、同じ周波数帯域を利用した他の無線通信との輻輳を抑制することができる。
【0041】
また、ビーコンタグ10は、無作為に定められた送信間隔を有する送信タイミングでビーコン信号を送信する。詳細には、ビーコンタグ10は、時刻T11、時刻T12、及び時刻T13から、無作為に定められた送信間隔を隔てた時刻T21、時刻T22、及び時刻T23において、再び送信周波数F1、F2、F3で、ビーコン信号を送信する。
同様に、ビーコンタグ10は、時刻T21、時刻T22、及び時刻T23から無作為に定められた送信間隔を隔てた時刻T31、時刻T32、及び時刻T33において、再び送信周波数F1、F2、F3で、ビーコン信号を送信する。このように、無作為に定められた送信間隔を有する送信タイミングでビーコン信号を送信することにより、ビーコン信号の輻輳が発生した後の再送タイミングにおいて、再び輻輳が発生することを抑制することが可能となる。
無作為に定められる送信間隔は、例えば、ビーコンタグ10を識別可能な発振器識別情報に基づいて、疑似乱数生成器によって生成される。
【0042】
ビーコンタグ10は、通信期間において、送信周波数F1、送信周波数F2、送信周波数F3で、ビーコン信号を10回ずつ送信する。ただし、送信回数は10回に限定されない。送信回数を10回より少ない回数とすることにより、省エネルギー性の向上を図ることが可能となる。また、送信回数を10回より多い回数とすることにより、ビーコンタグ10とビーコン信号中継器20の通信の信頼性を向上することが可能となる。
【0043】
図4に戻って、空中線12は、ビーコン信号送信ユニット111が出力するビーコン信号を送信する。空中線12は、小型化が可能なチップアンテナである。ただし、空中線12は、チップアンテナに限定されない。空中線12は、通信回路11を搭載する基板に実装可能な寸法と形状を有していればよく、パッチアンテナであってもよい。
【0044】
電源回路13は、通信回路11が必要とする電力エネルギーを供給する一次電池を有している。一次電池は、コイン型リチウム電池であるが、これに限定されない。一次電池は、アルカリボタン電池であってもよい。また、電源回路13は、二次電池を有していてもよいし、太陽光発電フィルムを有していてもよい。
電源回路13は、ビーコンタグ10が必要とする電力エネルギーを、資産ASの耐用年数よりも長期間において供給することが可能な電源容量を有していると好適である。そのため、上述したように、ビーコンタグ10は、送信期間とスリープ期間との間で定期的に遷移するように制御されて、省電力性の向上が図られている。
【0045】
<<ビーコン信号中継器20>>
次に、ビーコン信号中継器20について説明する。
ビーコン信号中継器20は、ビーコン信号を受信するビーコン信号受信ユニットと、中継信号を送信する中継信号送信ユニットを有し、ビーコンタグ10が送信するビーコン信号を受信し、中継信号を生成して資産管理サーバ30に送信する。
ビーコン信号受信ユニットは、受信したビーコン信号のRSSI(受信信号強度)を予め定められた閾値と比較し、RSSIが閾値より大きいと判定された際に、ビーコン信号に含まれる発振器識別情報を取得する。ただし、これに限定されることなく、複数のビーコン信号を受信した場合には、RSSIが大きい所定数のビーコン信号の発振器識別情報が取得されてもよい。
【0046】
また、ビーコン信号中継器20は、GPS信号(衛星測位信号)を受信するGPS受信機と、位置情報取得ユニットと、を有し、GPS信号に基づいて現在位置情報を取得することができる。ただし、位置情報取得ユニットは、車両CRに搭載されたナビゲーション装置から現在位置情報を取得してもよい。
【0047】
また、ビーコン信号中継器20は、GPS受信機に関する設定情報を受け付ける中継器設定受付ユニットを有している。上述したように、ビーコン信号中継器20は、車載型ビーコン信号中継器20Aと、固定型ビーコン信号中継器20Bと、に分類することができる。ビーコン信号中継器20は、GPS受信機を有効化する設定情報の入力を受け付けることによって、車載型ビーコン信号中継器20Aとして用いられる。車載型ビーコン信号中継器20Aは、ビーコンタグ10が出力する発振器識別情報と、中継器識別情報と、現在位置情報と、を対応付けた動的資産位置情報を生成して資産管理サーバ30に送信する。ここで、ビーコンタグ10が出力する発振器識別情報は、資産ASに取り付けられたビーコンタグ10が出力する発振器識別情報と、資産ASを搬送する者(例えば、車両CRの運転手)が携帯するビーコンタグ10が出力する発振器識別情報を含んでいる。
【0048】
一方、ビーコン信号中継器20は、GPS受信機を無効化する設定情報の入力を受け付けることによって、固定型ビーコン信号中継器20Bとして用いられる。固定型ビーコン信号中継器20Bは、資産ASに取り付けられたビーコンタグ10が出力する発振器識別情報と、中継器識別情報と、を対応付けた資産位置情報を生成して資産管理サーバ30に送信する。なお、GPS受信機の無効化とは、GPS受信機に対する電力供給を停止することを意味するが、これに限定されない。GPS受信機の無効化は、GPS受信機が出力する衛星測位信号を利用しないことを意味することとしてもよい。中継器設定受付ユニットは、中継器設定情報受付部に相当する。
【0049】
<<資産管理サーバ30>>
次に、資産管理サーバ30について説明する。
図6は、資産管理サーバ30の構成を示している。図6に示すように、資産管理サーバ30は、資産管理サーバ30全体の制御を司るサーバ制御部31と、記憶部32と、を主な構成として有している。
【0050】
記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等からなる不揮発性の補助記憶装置である。
記憶部32は、ビーコンタグDB321と、ビーコン中継器DB322と、資産情報DB323と、レイアウト画像DB324と、地図画像DB325と、を有している。
【0051】
図7は、ビーコンタグDB321のデータ構造の一例を示している。図7に示すように、ビーコンタグDB321は、「ビーコンID」、「種別」、「対象1」、及び「対象2」の項目を有するビーコンタグ情報のレコードが格納されている。ビーコンタグDB321は、後述するビーコンタグ登録受付部311によって更新される。
「ビーコンID」は、ビーコンタグ10を識別可能な発振器識別情報であって、英数字からなる文字列である。
【0052】
「種別」は、ビーコンタグ10が第一ビーコンタグ10A又は第二ビーコンタグ10Bのいずれであるかを示す情報である。上述したように、第一ビーコンタグ10Aは、頻繁に持ち運ばれて利用される資産ASに取り付けられて、資産ASの位置をリアルタイムで管理するために用いられる。また、第二ビーコンタグ10Bは、持ち運びの機会が比較的少ない資産ASに取り付けられて、資産ASの設置場所、又は保管場所を確認するために用いられる。
【0053】
「対象1」及び「対象2」は、ビーコンタグ10が取り付けられる資産AS、又はビーコンタグ10を携帯する者(従業員等)を特定可能な情報である。「対象1」は、資産ASの種別を示す情報(例えば、ノート型パソコンAS1、アタッシュケースAS2、プロジェクタAS3、デジタルカウンタAS4、アナログメータAS5)又は資産ASの携帯者の役職を示す情報(役員、従業員、アルバイト)が格納される。「対象2」は、資産AS又は携帯者を特定可能な識別情報であって、資産識別情報又は従業員番号である。
【0054】
図8は、ビーコン中継器DB322のデータ構造の一例を示している。図8に示すように、ビーコン中継器DB322は、「中継器ID」、「種別」、「位置1」、及び「位置2」の項目を有する中継器登録情報のレコードが格納されている。ビーコン中継器DB322は、後述する中継器登録受付部312によって更新される。
「中継器ID」は、ビーコン信号中継器20を識別可能な中継器識別情報であって、英数字からなる文字列である。
【0055】
「種別」は、ビーコン信号中継器20が車載型ビーコン信号中継器20A又は固定型ビーコン信号中継器20Bのいずれであるかを示す情報である。上述したように、車載型ビーコン信号中継器20Aは、車両CRに車載されて、ビーコンID、中継器ID、及び車両CRの現在位置情報を対応付けた動的資産位置情報を中継信号として出力する。また、固定型ビーコン信号中継器20Bは、オフィスOF内に設置されて、中継器ID及びビーコンIDを対応付けた資産位置情報を中継信号として出力する。
【0056】
「位置1」及び「位置2」は、ビーコン信号中継器20が取り付けられている位置を特定可能な情報である。例えば、「位置1」は、ビーコン信号中継器20が取り付けられるオフィスOF(支店)であり、「位置2」は、部屋RMを特定可能な情報である。また、「位置1」は、ビーコン信号中継器20が車載される車両CRを特定可能な情報であり、「位置2」は、車両CRの現在位置情報(緯度Lat、経度Lon、及び高度H)であってもよい。
【0057】
図9は、資産情報DB323のデータ構造の一例を示している。図9に示すように、資産情報DB323は、「資産ID」、「資産名」、「ビーコンID」、「ビーコン種別」、「購入日」、「保管状態」、「位置情報」、「位置1」、「位置2」、「関連情報」の項目を有するレコードが格納されている。
【0058】
「資産ID」及び「資産名」は、資産ASを識別可能な資産識別情報である。「資産ID」は、所定の規則に従って機械的に付与される文字列であり、「資産名」は、資産ASの名称を示す文字列である。
「ビーコンID」及び「ビーコン種別」には、図7を参照して説明した「ビーコンID」及び「種別」が格納される。換言すると、「ビーコンID」及び「ビーコン種別」は、「資産ID」及び「資産名」で特定される資産ASに取り付けられたビーコンタグ10の発振器識別情報及び種別を示している。
【0059】
「購入日」は、資産ASを購入した年月日である。資産ASを管理する資産管理担当者は、「購入日」の情報に基づいて資産ASの減価償却費や、使用可能期間を管理することができる。
「保管状態」は、資産ASが移動中か保管中か否かを示す情報である。資産ASが車載されている場合には、「保管状態」は「移動中」であると判定される。より詳細には、資産ASに取り付けられたビーコンタグ10のビーコン信号が車載型ビーコン信号中継器20Aによって受信された場合、資産ASは、「移動中」であると判定される。一方、資産ASがオフィスOFに設置されている場合、資産ASは「保管中」であると判定される。より詳細には、資産ASに取り付けられたビーコンタグ10のビーコン信号が固定型ビーコン信号中継器20Bによって受信された場合、資産ASは、「保管中」であると判定される。
【0060】
「位置情報」、「位置1」及び「位置2」は、資産ASの位置を特定可能な情報であって、図8を参照して説明した「位置1」及び「位置2」が格納される。より詳細には、「位置1」及び「位置2」は、「ビーコンID」で特定されるビーコンタグ10のビーコン信号を受信したビーコン信号中継器20の現在位置を特定可能な情報を示している。
【0061】
「関連情報」は、資産ASの保管状態が「移動中」である場合に、その資産ASを持ち運んで移動する者(従業員)を特定可能な情報を示している。
なお、資産情報DB323のデータ構造は、図9に示すデータ構造に限定されない。資産情報DBは、資産ASの廃棄予定日に関する項目を有していてもよい。
【0062】
図6に戻って、レイアウト画像DB324は、オフィスOFの間取りを示すオフィスレイアウト画像341を格納している。オフィスレイアウト画像341は、図11を参照して後述する詳細資産マップ画面34で、オフィスOFを構成する部屋RMと、部屋RMに設置された資産ASの位置を表示するために用いられる。
【0063】
地図画像DB325は、地図画像331を格納している。地図画像331は、図10を参照して後述する広域資産マップ画面33で、資産ASを有するオフィスOFの位置を表示するために用いられる。
【0064】
図6に戻って、サーバ制御部31には、一以上の制御回路が組み込まれており、プログラムを実行するプロセッサと、不揮発性記憶媒体と、揮発性記憶媒体と、から構成されている。そして、プロセッサが、不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムをロードして実行することにより、ビーコンタグ登録受付部311、中継器登録受付部312、資産位置情報取得部313、資産マップ出力部314、及び資産台帳出力部315として機能する。
【0065】
ビーコンタグ登録受付部311は、管理者端末40を操作する資産管理担当者からビーコンタグ10のビーコン登録情報の入力を受け付けて、ビーコンタグDB321に格納する。
中継器登録受付部312は、管理者端末40を操作する資産管理担当者からビーコン信号中継器20の中継器登録情報の入力を受け付けて、ビーコン中継器DB322に格納する。
【0066】
資産位置情報取得部313は、車載型ビーコン信号中継器20Aが送信する動的資産位置情報と、固定型ビーコン信号中継器20Bが送信する資産位置情報を、ネットワークNWを介して取得し、資産情報DB323に格納する。資産情報DB323は、資産管理情報記憶部に相当する。
【0067】
資産マップ出力部314は、資産情報DB323から資産ASの位置情報を取得し、管理者端末40の表示装置に、広域資産マップ画面33及び詳細資産マップ画面34を出力する。より詳細には、資産マップ出力部314は、地図画像331上に資産ASの位置示す広域資産マップ画面33と、オフィスレイアウト画像341上に資産ASの位置を示す詳細資産マップ画面34と、を出力する。
【0068】
図10は、広域資産マップ画面33を示している。図10に示すように、資産マップ出力部314は、資産ASが設置されたオフィスOFを特定可能なオフィス位置アイコン332を、地図画像331に重畳して表示する。そのため、資産管理担当者は、広域資産マップ画面33を介して、資産ASが設置された位置を確認することが可能となる。また、資産管理担当者は、オフィス位置アイコン332を操作することにより、図11を参照して後述する詳細資産マップ画面34を表示させることができる。
また、図10に図示されていないが、移動中の資産ASを搬送する車両CRを特定可能な車両特定情報が、地図画像331に重畳して表示されてもよい。これにより、資産管理担当者は、従業員によって持ち運ばれて、移動中の資産ASの位置をリアルタイムで把握することが可能となる。
【0069】
図11は、詳細資産マップ画面34を示している。図11に示すように、資産マップ出力部314は、資産ASの位置を特定可能な資産位置アイコン342を、オフィスレイアウト画像341に重畳して表示する。そのため、資産管理担当者は、詳細資産マップ画面34を介して、資産ASが設置されたオフィスOF内の部屋RMを確認することが可能となる。
また、資産管理担当者は、マウス等を操作して、資産位置アイコン342を指定することにより、資産位置アイコン342に対応する資産詳細情報343を表示させることができる。資産詳細情報343は、資産情報DBから取得される資産情報であって、資産ASの購入、利用、及び処分に関する情報を含んでいる。したがって、資産管理担当者は、詳細資産マップ画面34を介して、資産ASの詳細な状況を把握することが可能となる。
【0070】
図6に戻って、資産台帳出力部315は、資産情報DBに格納された資産情報を、資産管理台帳として出力する。より詳細には、資産台帳出力部315は、資産管理担当者の操作により、管理者端末40の表示装置に資産情報を一覧表示するように制御する。
【0071】
また、資産台帳出力部315は、資産管理システム1とは異なる既存の資産プログラムに対して資産ASの位置情報を出力することとしてもよい。これにより、資産管理システム1と既存の資産プログラムを連携させて、既存の資産プログラムに資産ASの位置管理機能を付加することが可能となる。
【0072】
以上、本発明の一実施形態に係る資産管理システム1の構成について説明してきたが、上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0073】
上述した実施形態において、設置型の資産ASは、オフィスOFに設置されることとして説明したが、これに限定されない。資産ASは、工場、店舗、公共機関等の施設に設置されてもよいことはもちろんである。
また、上述した実施形態において、車載型ビーコン信号中継器20Aは、車両CRに車載されることとして説明したが、これに限定されない。車載型ビーコン信号中継器20Aは、二輪自動車や、電車や、船舶等に搭載されてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態において、ビーコンタグ10は、第一ビーコンタグ10A及び第二ビーコンタグ10Bに分類されることとして説明したが、ビーコンタグ10の種類は、第一ビーコンタグ10Aと第二ビーコンタグ10Bに限定されない。ビーコンタグ10は、その移動頻度に応じて三以上に分類されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 資産管理システム
10 ビーコンタグ(ビーコン信号発振器)
10A 第一ビーコンタグ
10B 第二ビーコンタグ
11 通信回路
111 ビーコン信号送信ユニット
112 計時ユニット
113 設定受付ユニット(発振器設定情報受付部)
114 通信制御ユニット
12 空中線
13 電源回路
20 ビーコン信号中継器
20A 車載型ビーコン信号中継器
20B 固定型ビーコン信号中継器
30 資産管理サーバ(資産管理装置)
31 サーバ制御部
311 ビーコンタグ登録受付部
312 中継器登録受付部
313 資産位置情報取得部
314 資産マップ出力部
315 資産台帳出力部
32 記憶部
321 ビーコンタグDB
322 ビーコン中継器DB
323 資産情報DB(資産管理情報記憶部)
324 レイアウト画像DB
325 地図画像DB
33 広域資産マップ画面
331 地図画像
332 オフィス位置アイコン
34 詳細資産マップ画面
341 オフィスレイアウト画像
342 資産位置アイコン
343 資産詳細情報
40 管理者端末
NW ネットワーク BS 携帯電話基地局
AS 資産
AS1 ノート型パソコン
AS2 アタッシュケース
AS3 プロジェクタ
AS4 デジタルカウンタ
AS5 アナログメータ
OF オフィス(施設)
RM 部屋
CR 車両
ST GPS衛星
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11