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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162582
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】端末装置、方法、および集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20241114BHJP
   H04W 80/00 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20241114BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W80/00
H04W36/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078230
(22)【出願日】2023-05-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人情報通信研究機構、「革新的情報通信技術研究開発委託研究/日米豪国際連携を通じた超カバレッジBeyond 5G無線通信・映像符号化標準化技術の研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157200
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 茂孝
(72)【発明者】
【氏名】坪井 秀和
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】河野 拓真
(72)【発明者】
【氏名】野村 昂生
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率的な通信制御処理を実現する端末装置、方法及び集積回路を提供する。
【解決手段】方法は、端末装置が、第1の情報及び/又は第2の情報を基地局装置から受信する。第1の情報は、一つ又は複数の、第1の識別子によって識別されるセルに関する情報要素を含み、第2の情報は、同期付再設定のための、パラメータを含むRRC再設定情報要素を含む。方法はまた、第2の情報に第1の識別子が含まれるか否かを判断し、第2の情報に第1の識別子が含まれる場合に、第1の識別子で示されるセルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ及び/又はPHYレイヤの設定を行い、第2の情報に第1の識別子が含まれない場合に、第2の情報にセルに関する情報要素が含まれるなら、第2の情報に含まれるセルに関する情報要素に従い、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ及び/又はPHYレイヤの設定を行う。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
第1の情報、および/または第2の情報を基地局装置から受信する受信部と、
RRCレイヤの処理を行う処理部とを備え、
前記第1の情報には、一つまたは複数の、セルに関する情報要素が含まれ、前記セルに関する情報要素のそれぞれは第1の識別子によって識別され、
前記第2の情報には、同期付再設定のための一部または全てのパラメータを含むRRC再
設定情報要素が含まれ、
前記処理部は、
前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれるか否かを判断し、
前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれる場合に、
前記第1の識別子で示される前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ
、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定を行い、
前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれない場合に、
前記第2の情報に前記セルに関する情報要素が含まれるなら前記第2の情報に含まれる前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定を行う
端末装置。
【請求項2】
前記処理部が、
受信した第2の情報に第1の識別子が含まれ、前記第1の識別子によって識別される第1の情報を保持していないことに基づき、
前記第2の情報に含まれるRRC再設定情報要素の設定を適用せず、前記基地局装置にRRCシグナリングを送信する
請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
端末装置に適用される方法であって、
第1の情報、および/または第2の情報を基地局装置から受信するステップと、
前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれるか否かを判断するステップと、
前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれる場合に、
前記第1の識別子で示される前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ
、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定をおこなうステップと、
前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれない場合に、
前記第2の情報に前記セルに関する情報要素が含まれるなら前記第2の情報に含まれる前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定をおこなうステップとを備え、
第1の情報には、一つまたは複数の、セルに関する情報要素が含まれ、前記セルに関する情報要素のそれぞれは第1の識別子によって識別され、
第2の情報には、同期付再設定のための一部または全てのパラメータを含むRRC再設定
情報要素が含まれる
方法。
【請求項4】
端末装置に実装される集積回路であって、
第1の情報、および/または第2の情報を基地局装置から受信する機能と、
前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれるか否かを判断する機能と、
前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれる場合に、
前記第1の識別子で示される前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ
、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定をおこなう機能と、
前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれない場合に、
前記第2の情報に前記セルに関する情報要素が含まれるなら前記第2の情報に含まれる前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定をおこなう機能とを前記端末装置に発揮させ、
第1の情報には、一つまたは複数の、セルに関する情報要素が含まれ、前記セルに関する情報要素のそれぞれは第1の識別子によって識別され、
第2の情報には、同期付再設定のための一部または全てのパラメータを含むRRC再設定
情報要素が含まれる
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、方法、および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ移動通信システムの標準化プロジェクトである、第3世代パートナーシッププロ
ジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)において、無線アクセス、コア網
、サービス等を含む、セルラ移動通信システムの技術検討および規格策定が行われている。
【0003】
例えば、E-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は、3GPPにおいて、第3.9世代および第4世代向けセルラ移動通信システム向け無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)として、技術検討および規格策定が開始された。現在も3GPPにおいて、E-UTRAの拡張技術の技術検討および規格策定が行われている。なお、E-UTRAは、Long Term
Evolution(LTE:登録商標)とも称し、拡張技術をLTE-Advanced(LTE-A)、LTE-Advanced Pro(LTE-A Pro)と称することもある。
【0004】
また、NR(New Radio、またはNR Radio access)は、3GPPにおいて、第5世代(5th Generation:5G)向けセルラ移動通信システム向け無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)として、技術検討および規格策定が開始された。現在も3GPPにおいて、NRの拡張技術
の技術検討および規格策定が行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 38.331 v17.0.0,"Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA);Radio Resource Control (RRC);Protocol specifications" pp70-116,pp218-223,pp316-1107
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
3GPPにおいて、NRの拡張技術として、セル全体のシグナリングオーバヘッドを削減するために、セル内の複数の端末装置に対して共通の設定を基地局装置が報知し、ハンドオーバの際にその設定を用いることが検討されているが、設定の詳細については検討されていない。
【0007】
本発明の一態様は、上記した事情に鑑みてなされたもので、通信制御を効率的に行うことができる端末装置、基地局装置、通信方法、集積回路を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、以下のような手段を講じた。すなわち本発明の一態様は、端末装置であって、第1の情報、および/または第2の情報を基地局装置から受信する受信部と、RRCレイヤの処理を行う処理部とを備え、前記第1の情報
には、一つまたは複数の、セルに関する情報要素が含まれ、前記セルに関する情報要素のそれぞれは第1の識別子によって識別され、前記第2の情報には、同期付再設定のための一部または全てのパラメータを含むRRC再設定情報要素が含まれ、前記処理部は、前記第
2の情報に前記第1の識別子が含まれるか否かを判断し、前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれる場合に、前記第1の識別子で示される前記セルに関する情報要素に従いPD
CPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定を行い、前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれない場合に、前記第2の情報に前記セルに関する情報要素が含まれるなら前記第2の情報に含まれる前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定を行う。
【0009】
また本発明の一態様は、端末装置に適用される方法であって、第1の情報、および/または第2の情報を基地局装置から受信するステップと、前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれるか否かを判断するステップと、前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれる場合に、前記第1の識別子で示される前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定をおこなうステップと、前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれない場合に、前記第2の情報に前記セルに関する情報要素が含まれるなら前記第2の情報に含まれる前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定をおこなうステップとを備え、第1の情報には、一つまたは複数の、セルに関する情報要素が含まれ、前記セルに関する情報要素のそれぞれは第1の識別子によって識別され、第2の情報には、同期付再設定のための一部または全てのパラメータを含むRRC再設定情報要素が含まれる。
【0010】
また本発明の一態様は、端末装置に実装される集積回路であって、第1の情報、および/または第2の情報を基地局装置から受信する機能と、前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれるか否かを判断する機能と、前記第2の情報に前記第1の識別子が含まれる場合に、前記第1の識別子で示される前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLCレ
イヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定をおこなう機能と、前記第2の情報に
前記第1の識別子が含まれない場合に、前記第2の情報に前記セルに関する情報要素が含まれるなら前記第2の情報に含まれる前記セルに関する情報要素に従いPDCPレイヤ、RLC
レイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定をおこなう機能とを前記端末装置に
発揮させ、第1の情報には、一つまたは複数の、セルに関する情報要素が含まれ、前記セルに関する情報要素のそれぞれは第1の識別子によって識別され、第2の情報には、同期付再設定のための一部または全てのパラメータを含むRRC再設定情報要素が含まれる。
【0011】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、端末装置、方法、および集積回路は、効率的な通信制御処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る通信システムの概略図。
図2】本実施形態に係るE-UTRAプロトコル構成の一例の図。
図3】本実施形態に係るNRプロトコル構成の一例の図。
図4】本実施形態に係るRRCにおける、各種設定のための手順のフローの一例を示す図。
図5】本実施形態における端末装置の構成を示すブロック図。
図6】本実施形態における基地局装置の構成を示すブロック図。
図7】本実施形態におけるNRでのRRCコネクションの再設定に関するメッセージのASN.1記述の一例。
図8】本実施形態におけるNRでのRRCコネクションの再設定に関するメッセージのASN.1記述の一例。
図9】本実施形態におけるRRC再設定処理の一例。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
LTE(およびLTE-A、LTE-A Pro)とNRは、異なる無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)として定義されてよい。また、NRとMulti-Radio Dual Connectivity(MR-DC)で接続可能なLTEは、従来のLTEと区別されてよい。また、コア網(コアネットワーク、Core Network:CN)に5GCを用いるLTEは、コア網にEPCを用いる従来のLTEと区別されてよい。なお
従来のLTEとは、3GPPにおけるリリース15以降に規格化された技術を実装していないLTEの事であってよい。本実施形態はNR、LTEおよび他のRATに適用されてよい。以下の説明では、LTEおよびNRに関連する用語を用いて説明するが、本実施形態は他の用語を用いる技術
、および/または他の無線アクセス技術に適用されてもよい。また本実施形態でのE-UTRA
という用語と、LTEという用語は互いに換言されてよい。
【0016】
なお、本実施形態では、無線アクセス技術がE-UTRAまたはNRである場合の各ノードやエンティティの名称、および各ノードやエンティティにおける処理等について説明するが、本実施形態は他の無線アクセス技術に適用されてもよい。本実施形態における各ノードやエンティティの名称は、別の名称であってよい。
【0017】
図1は本実施形態に係る通信システムの概略図である。なお図1を用いて説明する各ノード、無線アクセス技術、コア網、インタフェース等の機能は、本実施形態に密接に関わる一部の機能であり、他の機能を持ってよい。
【0018】
E-UTRA100は無線アクセス技術であってよい。またE-UTRA100は、UE122とeNB102との間
のエアインタフェース(air interface)であってよい。UE122とeNB102との間のエアインタフェースをUuインタフェースと呼んでよい。eNB(E-UTRAN Node B)102は、E-UTRA100の基
地局装置であってよい。eNB102は、後述のE-UTRAプロトコルを持ってよい。E-UTRAプロトコルは、後述のE-UTRAユーザプレーン(User Plane:UP)プロトコル、および後述のE-UTRA
制御プレーン(Control Plane:CP)プロトコルから構成されてもよい。eNB102は、UE122に
対し、E-UTRAユーザプレーン(User Plane:UP)プロトコル、およびE-UTRA制御プレーン(Control Plane:CP)プロトコルを終端してよい。eNBで構成される無線アクセスネットワークをE-UTRANと呼んでもよい。
【0019】
EPC(Evolved Packet Core)104は、コア網であってよい。インタフェース112はeNB102とEPC104の間のインタフェース(interface)であり、S1インタフェースと呼ばれてよい。イ
ンタフェース112には、制御信号が通る制御プレーンインタフェース、および/または(and/or)ユーザデータが通るユーザプレーンインタフェースが存在してよい。インタフェース112の制御プレーンインタフェースはEPC104内のMobility Management Entity(MME:不図示)で終端してよい。インタフェース112のユーザプレーンインタフェースはEPC104内のサービングゲートウェイ(S-GW:不図示)で終端してよい。インタフェース112の制御プレーンインタフェースをS1-MMEインタフェースと呼んでよい。インタフェース112のユーザプレー
ンインタフェースをS1-Uインタフェースと呼んでよい。
【0020】
なお、一つまたは複数のeNB102がEPC104にインタフェース112を介して接続されてよい
。EPC104に接続する複数のeNB102の間に、インタフェースが存在してよい(不図示)。EPC104に接続する複数のeNB102間のインタフェースを、X2インタフェースと呼んでよい。
【0021】
NR106は無線アクセス技術であってよい。またNR106は、UE122とgNB108との間のエアイ
ンタフェース(air interface)であってよい。UE122とgNB108との間のエアインタフェース
をUuインタフェースと呼んでよい。gNB(g Node B)108は、NR106の基地局装置であってよ
い。gNB108は、後述のNRプロトコルを持ってよい。NRプロトコルは、後述のNRユーザプレーン(User Plane:UP)プロトコル、および後述のNR制御プレーン(Control Plane:CP)プロ
トコルから構成されてよい。gNB108は、UE122に対し、NRユーザプレーン(User Plane:UP)プロトコル、およびNR制御プレーン(Control Plane:CP)プロトコルを終端してよい。
【0022】
5GC110は、コア網であってよい。インタフェース116はgNB108と5GC110の間のインタフ
ェース(interface)であり、NGインタフェースと呼ばれてよい。インタフェース116には、制御信号が通る制御プレーンインタフェース、および/またはユーザデータが通るユーザ
プレーンインタフェースが存在してよい。インタフェース116の制御プレーンインタフェ
ースは5GC110内のAccess and mobility Management Function(AMF:不図示)で終端してよ
い。インタフェース116のユーザプレーンインタフェースは5GC110内のUser Plane Function(UPF:不図示)で終端してよい。インタフェース116の制御プレーンインタフェースをNG-Cインタフェースと呼んでよい。インタフェース116のユーザプレーンインタフェースをNG-Uインタフェースと呼んでよい。
【0023】
なお、一つまたは複数のgNB108が5GC110にインタフェース116を介して接続されてよい
。5GC110に接続する複数のgNB108の間に、インタフェースが存在してよい(不図示)。5GC110に接続する複数のgNB108間のインタフェースをXnインタフェースと呼んでよい。
【0024】
eNB102は5GC110に接続する機能を持ってよい。5GC110に接続する機能をもつeNB102を、ng-eNBと呼んでよい。インタフェース114はeNB102と5GC110の間のインタフェースで、NG
インタフェースと呼ばれてよい。インタフェース114には、制御信号が通る制御プレーン
インタフェース、および/またはユーザデータが通るユーザプレーンインタフェースが存
在してよい。インタフェース114の制御プレーンインタフェースは5GC110内のAMFで終端してよい。インタフェース114のユーザプレーンインタフェースは5GC110内のUPFで終端してよい。インタフェース114の制御プレーンインタフェースをNG-Cインタフェースと呼んで
よい。インタフェース114のユーザプレーンインタフェースをNG-Uインタフェースと呼ん
でよい。ng-eNBまたはgNBで構成される無線アクセスネットワークをNG-RANと称してもよ
い。NG-RAN、E-UTRANなどを単にネットワークと称してもよい。また、ネットワークには
、eNB、ng-eNBおよびgNBなどが含まれてよい。
【0025】
なお、一つまたは複数のeNB102が5GC110にインタフェース114を介して接続されてよい
。5GC110に接続する複数のeNB102の間に、インタフェースが存在してよい(不図示)。5GC110に接続する複数のeNB102の間のインタフェースは、Xnインタフェースと呼ばれてよい。また5GC110に接続するeNB102と、5GC110に接続するgNB108は、インタフェース120で接続
されてよい。5GC110に接続するeNB102と、5GC110に接続するgNB108の間のインタフェース120は、Xnインタフェースと呼ばれてよい。
【0026】
gNB108はEPC104に接続する機能を持ってよい。EPC104に接続する機能をもつgNB108を、en-gNBと呼んでよい。インタフェース118はgNB108とEPC104の間のインタフェースで、S1
インタフェースと呼ばれてよい。インタフェース118には、ユーザデータが通るユーザプ
レーンインタフェースが存在してよい。インタフェース118のユーザプレーンインタフェ
ースはEPC104内のS-GW(不図示)で終端してよい。インタフェース118のユーザプレーンイ
ンタフェースはS1-Uインタフェースと呼ばれてよい。またEPC104に接続するeNB102と、EPC104に接続するgNB108は、インタフェース120で接続されてよい。EPC104に接続するeNB102と、EPC104に接続するgNB108の間のインタフェース120はX2インタフェースと呼ばれてよい。
【0027】
インタフェース124はEPC104と5GC110間のインタフェースであり、CPのみ、またはUPの
み、またはCPおよびUP両方を通すインタフェースであってよい。また、インタフェース114、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、およびインタフェース124等のうちの一部または全てのインタフェースは、通信事業者等が提供する通信システ
ムに応じて存在しない場合があってよい。
【0028】
UE122はeNB102、および/またはgNB108から送信されるシステム情報や、ページングメッセージを受信する事が可能な端末装置であってよい。またUE122は、eNB102、および/またはgNB108との無線接続が可能な端末装置であってよい。またUE122は、eNB102との無線接
続、およびgNB108と無線接続を同時に行う事が可能な端末装置であってよい。UE122はE-UTRAプロトコル、および/またはNRプロトコルを持ってよい。なお、無線接続とは、Radio Resource Control(RRC)接続であってよい。
【0029】
またUE122は、eNB102および/またはgNB108を介して、EPC104、および/または5GC110と
の接続が可能な端末装置であってよい。UE122が通信を行うeNB102、および/またはgNB108の接続先コア網がEPC104である場合、UE122と、eNB102、および/またはgNB108との間に確立された後述の各データ無線ベアラ(DRB:Data Radio Bearer)は、更にEPC104内を経由す
る各EPS(Evolved Packet System)ベアラと一意に紐づけられてよい。各EPSベアラは、EPSベアラ識別子(Identity、またはID)で識別されてよい。また同一のEPSベアラを通るIPパ
ケットや、イーサネット(登録商標)フレーム等のデータには同一のQoSが保証されてよい
【0030】
また、UE122が通信を行うeNB102、および/またはgNB108の接続先コア網が5GC110である場合、UE122と、eNB102、および/またはgNB108との間に確立された各DRBは、更に5GC110
内に確立されるPDU(Packet Data Unit)セッションの一つに紐づけられてよい。各PDUセッションには、一つまたは複数のQoSフローが存在してよい。各DRBは、一つまたは複数のQoSフローと対応付け(map)されてよいし、何れのQoSフローとも対応づけられなくてもよい
。各PDUセッションは、PDUセッション識別子(Identity、またはID)で識別されてよい。また各QoSフローは、QoSフロー識別子(Identity、またはID)で識別されてよい。また同一のQoSフローを通るIPパケットや、イーサネットフレーム等のデータに同一のQoSが保証されてよい。
【0031】
EPC104には、PDUセッションおよび/またはQoSフローは存在しなくてよい。また5GC110
にはEPSベアラは存在しなくてよい。UE122がEPC104と接続している際、UE122はEPSベアラの情報を持つが、PDUセッションおよび/またはQoSフローの内の情報は持たなくてよい。
またUE122が5GC110と接続している際、UE122はPDUセッションおよび/またはQoSフローの
内の情報を持つが、EPSベアラの情報は持たなくてよい。
【0032】
なお、以下の説明において、eNB102および/またはgNB108を単に基地局装置とも称し、UE122を単に端末装置またはUEとも称する。
【0033】
図2は本実施形態に係るE-UTRAプロトコル構成(protocol architecture)の一例の図である。また図3は本実施形態に係るNRプロトコル構成の一例の図である。なお図2および/ま
たは図3を用いて説明する各プロトコルの機能は、本実施形態に密接に関わる一部の機能
であり、他の機能を持っていてよい。なお、本実施形態において、上りリンク(uplink:UL)とは端末装置から基地局装置へのリンクであってよい。また本実施形態において、下り
リンク(downlink:DL)とは基地局装置から端末装置へのリンクであってよい。
【0034】
図2(A)はE-UTRAユーザプレーン(UP)プロトコルスタックの図である。図2(A)に示す通り、E-UTRA UPプロトコルは、UE122とeNB102の間のプロトコルであってよい。即ちE-UTRA UPプロトコルは、ネットワーク側ではeNB102で終端するプロトコルであってよい。図2(A)
に示す通り、E-UTRAユーザプレーンプロトコルスタックは、無線物理層(無線物理レイヤ)であるPHY(Physical layer)200、媒体アクセス制御層(媒体アクセス制御レイヤ)であるMAC(Medium Access Control)202、無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)であるRLC(Radio Link Control)204、およびパケットデータ収束プロトコル層(パケットデータ収束プロトコルレイヤ)であるPDCP(Packet Data Convergence Protocol)206から構成されてよい。
【0035】
図3(A)はNRユーザプレーン(UP)プロトコルスタックの図である。図3(A)に示す通り、NR
UPプロトコルは、UE122とgNB108の間のプロトコルであってよい。即ちNR UPプロトコル
は、ネットワーク側ではgNB108で終端するプロトコルであってよい。図3(A)に示す通り、NRユーザプレーンプロトコルスタックは、無線物理層であるPHY300、媒体アクセス制御層であるMAC302、無線リンク制御層であるRLC304、パケットデータ収束プロトコル層である、PDCP306、およびサービスデータ適応プロトコル層(サービスデータ適応プロトコルレイヤ)であるSDAP(Service Data Adaptation Protocol)310であるから構成されてよい。
【0036】
図2(B)はE-UTRA制御プレーン(CP)プロトコル構成の図である。図2(B)に示す通り、E-UTRA CPプロトコルにおいて、無線リソース制御層(無線リソース制御レイヤ)であるRRC(Radio Resource Control)208は、UE122とeNB102の間のプロトコルであってよい。即ちRRC208は、ネットワーク側ではeNB102で終端するプロトコルであってよい。またE-UTRA CPプロ
トコルにおいて、非AS(Access Stratum)層(非ASレイヤ)であるNAS(Non Access Stratum)210は、UE122とMMEとの間のプロトコルであってよい。即ちNAS210は、ネットワーク側ではMMEで終端するプロトコルであってよい。
【0037】
図3(B)はNR制御プレーン(CP)プロトコル構成の図である。図3(B)に示す通り、NR CPプ
ロトコルにおいて、無線リソース制御層であるRRC308は、UE122とgNB108の間のプロトコ
ルであってよい。即ちRRC308は、ネットワーク側ではgNB108で終端するプロトコルであってよい。またNR CPプロトコルにおいて、非AS層であるNAS312は、UE122とAMFとの間のプ
ロトコルであってよい。即ちNAS312は、ネットワーク側ではAMFで終端するプロトコルで
あってよい。
【0038】
なおAS(Access Stratum)層とは、UE122とeNB102および/またはgNB108との間で終端する層であってよい。即ちAS層とは、PHY200、MAC202、RLC204、PDCP206、およびRRC208の一
部または全てを含む層、および/またはPHY300、MAC302、RLC304、PDCP306、SDAP310、お
よびRRC308の一部または全てを含む層であってよい。
【0039】
なお本実施形態において、以下E-UTRAのプロトコルとNRのプロトコルを区別せず、PHY(PHY層)、MAC(MAC層)、RLC(RLC層)、PDCP(PDCP層)、RRC(RRC層)、NAS(NAS層)と言う用語を用いる場合がある。この場合、PHY(PHY層)、MAC(MAC層)、RLC(RLC層)、PDCP(PDCP層)、RRC(RRC層)、NAS(NAS層)は其々E-UTRAプロトコルのPHY(PHY層)、MAC(MAC層)、RLC(RLC層)、PDCP(PDCP層)、RRC(RRC層)、NAS(NAS層)であってよいし、NRプロトコルの、PHY(PHY層)、MAC(MAC層)、RLC(RLC層)、PDCP(PDCP層)、RRC(RRC層)、NAS(NAS層)であってよい。またSDAP(SDAP層)は、NRプロトコルのSDAP(SDAP層)であってよい。
【0040】
また本実施形態において、以下E-UTRAのプロトコルとNRのプロトコルを区別する場合、PHY200、MAC202、RLC204、PDCP206、およびRRC208を、それぞれE-UTRA用PHYまたはLTE用PHY、E-UTRA用MACまたはLTE用MAC、E-UTRA用RLCまたはLTE用RLC、E-UTRA用PDCPまたはLTE
用PDCP、およびE-UTRA用RRCまたはLTE用RRCと呼ぶ事もある。またPHY200、MAC202、RLC204、PDCP206、およびRRC208を、それぞれE-UTRA PHYまたはLTE PHY、E-UTRA MACまたはLTE
MAC、E-UTRA RLCまたはLTE RLC、E-UTRA PDCPまたはLTE PDCP、およびE-UTRA RRCまたはLTE RRCなどと記述する場合もある。また、E-UTRAのプロトコルとNRのプロトコルを区別
する場合、PHY300、MAC302、RLC304、PDCP306、RRC308を、それぞれNR用PHY、NR用MAC、N
R用RLC、NR用RLC、およびNR用RRCと呼ぶ事もある。またPHY300、MAC302、RLC304、PDCP306、およびRRC308を、それぞれNR PHY、NR MAC、NR RLC、NR PDCP、NR RRCなどと記述する場合もある。
【0041】
E-UTRAおよび/またはNRのAS層におけるエンティティ(entity)について説明する。MAC層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをMACエンティティと呼んでよい。RLC層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをRLCエンティティと呼んでよい。PDCP層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをPDCPエンティティと呼んでよ
い。SDAP層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをSDAPエンティティと呼んでよい。RRC層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをRRCエンティティと呼んでよい。MACエンティティ、RLCエンティティ、PDCPエンティティ、SDAPエンティティ、RRCエンティティを、其々MAC、RLC、PDCP、SDAP、RRCと言い換えてよい。
【0042】
なお、MAC、RLC、PDCP、SDAPから下位層に提供されるデータ、および/またはMAC、RLC
、PDCP、SDAPに下位層から提供されるデータのことを、それぞれMAC PDU(Protocol Data Unit)、RLC PDU、PDCP PDU、SDAP PDUと呼んでよい。また、MAC、RLC、PDCP、SDAPに上位層から提供されるデータ、および/またはMAC、RLC、PDCP、SDAPから上位層に提供するデ
ータのことを、それぞれMAC SDU(Service Data Unit)、RLC SDU、PDCP SDU、SDAP SDUと
呼んでよい。また、セグメントされたRLC SDUのことをRLC SDUセグメントと呼んでよい。
【0043】
ここで、基地局装置と端末装置は、上位層(上位レイヤ:higher layer)において信号を
やり取り(送受信)する。higher layerは、upper layerと称してもよく、互いに換言され
てよい。例えば、基地局装置と端末装置は、無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)層において、RRCメッセージ(RRC message、RRC signallingとも称される)を送受信
してもよい。また、基地局装置と端末装置は、MAC(Medium Access Control)層において、MACコントロールエレメントを送受信してもよい。また、端末装置のRRC層は、基地局装置から報知されるシステム情報を取得する。ここで、RRCメッセージ、システム情報、およ
び/または、MACコントロールエレメントは、上位層の信号(上位レイヤ信号:higher layer
signaling)または上位層のパラメータ(上位レイヤパラメータ:higher layer parameter)とも称される。端末装置が受信した上位レイヤ信号に含まれるパラメータのそれぞれが上位レイヤパラメータと称されてもよい。例えば、PHY層の処理において上位層とは、PHY層から見た上位層を意味するため、MAC層、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS(Non Access Stratum)層などの一つまたは複数を意味してよい。例えば、MAC層の処理において上位層とは、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS層などの一つまたは複数を意味してよい。
【0044】
以下、「Aは、上位層で与えられる(提供される)」や「Aは、上位層によって与えられる(提供される)」の意味は、端末装置の上位層(主にRRC層やMAC層など)が、基地局装置からAを受信し、その受信したAが端末装置の上位層から端末装置の下位層(主にMAC層や物
理層)に与えられる(提供される)ことを意味してもよい。例えば、端末装置において「上
位レイヤパラメータが提供される」とは、基地局装置から上位レイヤ信号を受信し、受信した上位レイヤ信号に含まれる上位レイヤパラメータが端末装置の上位層から端末装置の下位層に提供されることを意味してもよい。端末装置に上位レイヤパラメータが設定されるとは、端末装置に対して上位レイヤパラメータが与えられる(提供される)ことを意味してもよい。例えば、端末装置に上位レイヤパラメータが設定されることとは、端末装置が基地局装置から上位レイヤ信号を受信し、受信した上位レイヤパラメータを上位層で設定することを意味してもよい。ただし、端末装置に上位レイヤパラメータが設定されることには、端末装置の上位層に予め与えられているデフォルトパラメータが設定されることが含まれてもよい。端末装置から基地局装置にRRCメッセージを送信することを説明する際
に、端末装置のRRCエンティティから下位層(下位レイヤ:lower layer)にメッセージを提
出(submit)するという表現を使用する場合がある。端末装置において、RRCエンティティ
から「下位層にメッセージを提出する」とは、PDCP層にメッセージを提出することを意味してもよい。端末装置において、RRC層から「下位層にメッセージを提出(submit)する」
とは、RRCのメッセージは、SRB (SRB0, SRB1, SRB2, SRB3など)を使って送信されるため
、それぞれのSRBに対応したPDCPエンティティにメッセージを提出することを意味しても
よい。端末装置のRRCエンティティが下位層から通知(indication)を受ける際、その下位
層は、PHY層、MAC層、RLC層、PDCP層、などの一つまたは複数を意味してもよい。
【0045】
PHYの機能の一例について説明する。端末装置のPHYは基地局装置のPHYから、下りリン
ク(Downlink:DL)物理チャネル(Physical Channel)を介して伝送されたデータを受信する
機能を有してよい。端末装置のPHYは基地局装置のPHYに対し、上りリンク(Uplink:UL)物
理チャネルを介してデータを送信する機能を有してよい。PHYは上位のMACと、トランスポートチャネル(Transport Channel)で接続されてよい。PHYはトランスポートチャネルを介してMACにデータを受け渡してよい。またPHYはトランスポートチャネルを介してMACから
データを提供されてよい。PHYにおいて、様々な制御情報を識別するために、RNTI(Radio Network Temporary Identifier)が用いられてよい。
【0046】
ここで、物理チャネルについて説明する。端末装置と基地局装置との無線通信に用いられる物理チャネルには、以下の物理チャネルが含まれてよい。
【0047】
PBCH(物理報知チャネル:Physical Broadcast CHannel)
PDCCH(物理下りリンク制御チャネル:Physical Downlink Control CHannel)
PDSCH(物理下りリンク共用チャネル:Physical Downlink Shared CHannel)
PUCCH(物理上りリンク制御チャネル:Physical Uplink Control CHannel)
PUSCH(物理上りリンク共用チャネル:Physical Uplink Shared CHannel)
PRACH(物理ランダムアクセスチャネル:Physical Random Access CHannel)
【0048】
PBCHは、端末装置が必要とするシステム情報を報知するために用いられてよい。
【0049】
また、NRにおいて、PBCHは、同期信号のブロック(Synchronization Signal Block:SSB)の周期内の時間インデックス(SSB-Index)を報知するために用いられてよい。
【0050】
PDCCHは、下りリンクの無線通信(基地局装置から端末装置への無線通信)において、下
りリンク制御情報(Downlink Control Information:DCI)を送信する(または運ぶ)ために用いられてよい。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、一つまたは複数のDCI(DCI
フォーマットと称してもよい)が定義されてよい。すなわち、下りリンク制御情報に対す
るフィールドがDCIとして定義され、情報ビットへマップされてよい。PDCCHは、PDCCH候
補(candidate)において送信されてよい。端末装置は、サービングセルにおいてPDCCH候補のセットをモニタしてよい。PDCCH候補のセットをモニタするとは、あるDCIフォーマットに応じてPDCCHのデコードを試みることを意味してよい。また、端末装置は、サーチスペ
ース設定によって設定された、一つまたは複数の設定された制御リソースセット(CORESET: Control Resource Set)内の設定されたモニタ機会(monitoring occasions)において、PDCCH候補をモニタしてよい。DCIフォーマットは、サービングセルにおけるPUSCHのスケジューリングのために用いられてもよい。PUSCHは、ユーザデータの送信や、後述するRRCメッセージの送信などのために使われてよい。
【0051】
PUCCHは、上りリンクの無線通信(端末装置から基地局装置への無線通信)において、上
りリンク制御情報(Uplink Control Information:UCI)を送信するために用いられてよい。ここで、上りリンク制御情報には、下りリンクのチャネルの状態を示すために用いられるチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)が含まれてもよい。また、上りリン
ク制御情報には、UL-SCH(UL-SCH:Uplink Shared CHannel)リソースを要求するために用い
られるスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)が含まれてもよい。また、上りリ
ンク制御情報には、HARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement)が含
まれてもよい。
【0052】
PDSCHは、MAC層からの下りリンクデータ(DL-SCH:Downlink Shared CHannel)の送信に用いられてよい。またPDSCHは、下りリンクの場合にはシステム情報(SI:System Information)やランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)などの送信に用いられてよい。
【0053】
PUSCHは、MAC層からの上りリンクデータ(UL-SCH:Uplink Shared CHannel)または上りリンクデータと共にHARQ-ACKおよび/またはCSIを送信するために用いられてもよい。またPUSCHは、CSIのみ、または、HARQ-ACKおよびCSIのみを送信するために用いられてもよい。
すなわちPUSCHは、UCIのみを送信するために用いられてもよい。また、PDSCHまたはPUSCHは、RRCメッセージ、および後述するMAC CEを送信するために用いられてもよい。ここで
、PDSCHにおいて、基地局装置から送信されるRRCメッセージは、セル内における複数の端末装置に対して共通のシグナリングであってもよい。また、基地局装置から送信されるRRCメッセージは、ある端末装置に対して専用のシグナリング(dedicated signaling)であってもよい。すなわち、端末装置固有(UE specific)の情報は、ある端末装置に対して専用
のシグナリングを用いて送信されてもよい。また、PUSCHは、上りリンクにおいてUEの能
力(UE Capability)の送信に用いられてもよい。
【0054】
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられてもよい。PRACHは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャ、ハンドオーバプロシージャ、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャ、上
りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、およびUL-SCHリソースの要求を示すために用いられてもよい。
【0055】
MACの機能の一例について説明する。MACは、MAC副層(サブレイヤ)と呼ばれてもよい。MACは、多様な論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical Channel)を、対応するトランスポートチャネルに対してマッピングを行う機能を持ってよい。論理チャネルは、論理チャネル識別子(Logical Channel Identity、またはLogical Channel ID)によって識別されてよい。MACは上位のRLCと、論理チャネル(ロジカルチャネル)で接続されてよい。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって、制御情報を伝送する制御チャネルと、ユーザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられてよい。また論理チャネルは、上りリンク論理チャネルと、下りリンク論理チャネルに分けられてよい。MACは、一つまたは複数の異
なる論理チャネルに所属するMAC SDUを多重化(multiplexing)して、PHYに提供する機能を持ってよい。またMACは、PHYから提供されたMAC PDUを逆多重化(demultiplexing)し、各MAC SDUが所属する論理チャネルを介して上位レイヤに提供する機能を持ってよい。またMACは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)を通して誤り訂正を行う機能を持ってよい。またMACは、スケジューリング情報(scheduling information)をレポートする、スケジ
ューリングレポート機能を持ってよい。MACは、動的スケジューリングを用いて、端末装
置間の優先処理を行う機能を持ってよい。またMACは、一つの端末装置内の論理チャネル
間の優先処理を行う機能を持ってよい。MACは、一つの端末装置内でオーバーラップした
リソースの優先処理を行う機能を持ってよい。MACはMultimedia Broadcast Multicast Services(MBMS)を識別する機能を持ってよい。またNR MACは、マルチキャスト/ブロードキ
ャストサービス(Multicast Broadcast Service:MBS)を識別する機能を持ってよい。MACは、トランスポートフォーマットを選択する機能を持ってよい。MACは、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)および/または間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)を行う
機能、ランダムアクセス(Random Access:RA)手順を実行する機能、送信可能電力の情報を通知する、パワーヘッドルームレポート(Power Headroom Report:PHR)機能、送信バッフ
ァのデータ量情報を通知する、バッファステイタスレポート(Buffer Status Report:BSR)
機能、などを持ってよい。NR MACは帯域適応(Bandwidth Adaptation:BA)機能を持ってよ
い。またE-UTRA MACで用いられるMAC PDUフォーマットとNR MACで用いられるMAC PDUフォーマットは異なってよい。またMAC PDUには、MACにおいて制御を行うための要素である、MAC制御要素(MACコントロールエレメント:MAC CE)が含まれてよい。
【0056】
E-UTRAおよび/またはNRで用いられる、上りリンク(UL:Uplink)、および/または下りリ
ンク(DL:Downlink)用論理チャネルについて説明する。
【0057】
BCCH(Broadcast Control Channel)は、システム情報(SI:System Information)等の、制御情報を報知(broadcast)するための下りリンク論理チャネルであってよい。
【0058】
PCCH(Paging Control Channel)は、ページング(Paging)メッセージを運ぶための下りリンク論理チャネルであってよい。
【0059】
CCCH(Common Control Channel)は、端末装置と基地局装置との間で制御情報を送信するための論理チャネルであってよい。CCCHは、端末装置が、RRC接続を有しない場合に用い
られてよい。またCCCHは基地局装置と複数の端末装置との間で使われてよい。
【0060】
DCCH(Dedicated Control Channel)は、端末装置と基地局装置との間で、1対1(point-to-point)の双方向(bi-directional)で、専用制御情報を送信するための論理チャネルであ
ってよい。専用制御情報とは、各端末装置専用の制御情報であってよい。DCCHは、端末装置が、RRC接続を有する場合に用いられてよい。
【0061】
DTCH(Dedicated Traffic Channel)は、端末装置と基地局装置との間で、1対1(point-to-point)で、ユーザデータを送信するための論理チャネルであってよい。DTCHは専用ユー
ザデータを送信するための論理チャネルであってよい。専用ユーザデータとは、各端末装置専用のユーザデータであってよい。DTCHは上りリンク、下りリンク両方に存在してよい。
【0062】
E-UTRAおよび/またはNRにおける上りリンクの、論理チャネルとトランスポートチャネ
ルのマッピングについて説明する。
【0063】
CCCHは、上りリンクトランスポートチャネルである、UL-SCH(Uplink Shared Channel)
にマップされてよい。
【0064】
DCCHは、上りリンクトランスポートチャネルである、UL-SCH(Uplink Shared Channel)
にマップされてよい。
【0065】
DTCHは、上りリンクトランスポートチャネルである、UL-SCH(Uplink Shared Channel)
にマップされてよい。
【0066】
E-UTRAおよび/またはNRにおける下りリンクの、論理チャネルとトランスポートチャネ
ルのマッピングについて説明する。
【0067】
BCCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるBCH(Broadcast Channel)、および/
またはDL-SCH(Downlink Shared Channel)にマップされてよい。
【0068】
PCCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるPCH(Paging Channel)にマップされ
てよい。
【0069】
CCCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるDL-SCH(Downlink Shared Channel)
にマップされてよい。
【0070】
DCCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるDL-SCH(Downlink Shared Channel)
にマップされてよい。
【0071】
DTCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるDL-SCH(Downlink Shared Channel)
にマップされてよい。
【0072】
RLCの機能の一例について説明する。RLCは、RLC副層(サブレイヤ)と呼ばれてもよい。E-UTRA RLCは、上位レイヤのPDCPから提供されたデータを、分割(Segmentation)および/または結合(Concatenation)し、下位層(下位レイヤ)に提供する機能を持ってよい。E-UTRA RLCは、下位レイヤから提供されたデータに対し、再組立て(reassembly)およびリオーダ
リング(re-ordering)を行い、上位レイヤに提供する機能を持ってよい。NR RLCは、上位
レイヤのPDCPから提供されたデータに、PDCPで付加されたシーケンス番号とは独立したシーケンス番号を付加する機能を持ってよい。またNR RLCは、PDCPから提供されたデータを分割(Segmentation)し、下位レイヤに提供する機能を持ってよい。またNR RLCは、下位レイヤから提供されたデータに対し、再組立て(reassembly)を行い、上位レイヤに提供する機能を持ってよい。またRLCは、データの再送機能および/または再送要求機能(Automatic
Repeat reQuest:ARQ)を持ってよい。またRLCは、ARQによりエラー訂正を行う機能を持ってよい。ARQを行うために、RLCの受信側から送信側に送られる、再送が必要なデータを示す制御情報を、ステータスレポートと言ってよい。またRLCの送信側から受信側に送られ
る、ステータスレポート送信指示のことをポール(poll)と言ってよい。またRLCは、デー
タ重複の検出を行う機能を持ってよい。またRLCはデータ破棄の機能を持ってよい。RLCには、トランスパレントモード(TM:Transparent Mode)、非応答モード(UM:Unacknowledged Mode)、応答モード(AM:Acknowledged Mode)の3つのモードがあってよい。TMでは上位層から受信したデータの分割は行わず、RLCヘッダの付加は行わなくてよい。TM RLCエンティ
ティは単方向(uni-directional)のエンティティであって、送信(transmitting)TM RLCエ
ンティティとして、または受信(receiving)TM RLCエンティティとして設定されてよい。UMでは上位層から受信したデータの分割および/または結合、RLCヘッダの付加等は行うが
、データの再送制御は行わなくてよい。UM RLCエンティティは単方向のエンティティであってもよいし双方向(bi-directional)のエンティティであってもよい。UM RLCエンティティが単方向のエンティティである場合、UM RLCエンティティは送信UM RLCエンティティとして、または受信UM RLCエンティティとして設定されてよい。UM RLCエンティティが双方向のエンティティである場合、UM RRCエンティティは送信(transmitting)サイドおよび受信(receiving)サイドから構成されるUM RLCエンティティとして設定されてよい。AMでは
上位層から受信したデータの分割および/または結合、RLCヘッダの付加、データの再送制御等を行ってよい。AM RLCエンティティは双方向のエンティティであって、送信(transmitting)サイドおよび受信(receiving)サイドから構成されるAM RLCとして設定されてよい
。なお、TMで下位層に提供するデータ、および/または下位層から提供されるデータのこ
とをTMD PDUと呼んでよい。またUMで下位層に提供するデータ、および/または下位層から提供されるデータのことをUMD PDUと呼んでよい。またAMで下位層に提供するデータ、ま
たは下位層から提供されるデータのことをAMD PDUと呼んでよい。E-UTRA RLCで用いられ
るRLC PDUフォーマットとNR RLCで用いられるRLC PDUフォーマットは異なってよい。またRLC PDUには、データ用RLC PDUと制御用RLC PDUがあってよい。データ用RLC PDUを、RLC DATA PDU(RLC Data PDU、RLCデータPDU)と呼んでよい。また制御用RLC PDUを、RLC CONTROL PDU(RLC Control PDU、RLCコントロールPDU、RLC制御PDU)と呼んでよい。
【0073】
PDCPの機能の一例について説明する。PDCPは、PDCP副層(サブレイヤ)と呼ばれてよい。PDCPは、シーケンス番号のメンテナンスを行う機能を持ってよい。またPDCPは、IPパケッ
ト(IP Packet)や、イーサネットフレーム等のユーザデータを無線区間で効率的に伝送す
るための、ヘッダ圧縮・解凍機能を持ってもよい。IPパケットのヘッダ圧縮・解凍に用いられるプロトコルをROHC(Robust Header Compression)プロトコルと呼んでよい。またイ
ーサネットフレームヘッダ圧縮・解凍に用いられるプロトコルをEHC(Ethernet(登録商標)
Header Compression)プロトコルと呼んでよい。また、PDCPは、データの暗号化・復号化の機能を持ってもよい。また、PDCPは、データの完全性保護・完全性検証の機能を持ってもよい。またPDCPは、リオーダリング(re-ordering)の機能を持ってよい。またPDCPは、PDCP SDUの再送機能を持ってよい。またPDCPは、破棄タイマー(discard timer)を用いたデータ破棄を行う機能を持ってよい。またPDCPは、多重化(Duplication)機能を持ってよい
。またPDCPは、重複受信したデータを破棄する機能を持ってよい。PDCPエンティティは双方向のエンティティであって、送信(transmitting)PDCPエンティティ、および受信(receiving)PDCPエンティティから構成されてよい。またE-UTRA PDCPで用いられるPDCP PDUフォーマットとNR PDCPで用いられるPDCP PDUフォーマットは異なってよい。またPDCP PDUに
は、データ用PDCP PDUと制御用PDCP PDUがあってよい。データ用PDCP PDUを、PDCP DATA PDU(PDCP Data PDU、PDCPデータPDU)と呼んでよい。また制御用PDCP PDUを、PDCP CONTROL PDU(PDCP Control PDU、PDCPコントロールPDU、PDCP制御PDU)と呼んでよい。
【0074】
SDAPの機能の一例について説明する。SDAPは、サービスデータ適応プロトコル層(サー
ビスデータ適応プロトコルレイヤ)である。SDAPは、5GC110から基地局装置を介して端末
装置に送られるダウンリンクのQoSフローとデータ無線ベアラ(DRB)との対応付け(マッピ
ング:mapping)、および/または端末装置から基地局装置を介して5GC110に送られるアップリンクのQoSフローと、DRBとのマッピングを行う機能を持ってよい。またSDAPはマッピングルール情報を格納する機能を持ってよい。またSDAPはQoSフロー識別子(QoS Flow ID:QFI)のマーキングを行う機能を持ってよい。なお、SDAP PDUには、データ用SDAP PDUと制御用SDAP PDUがあってよい。データ用SDAP PDUをSDAP DATA PDU(SDAP Data PDU、SDAPデー
タPDU)と呼んでよい。また制御用SDAP PDUをSDAP CONTROL PDU(SDAP Control PDU、SDAP
コントロールPDU、SDAP制御PDU)と呼んでよい。なお端末装置のSDAPエンティティは、PDUセッションに対して一つ存在してよい。
【0075】
RRCの機能の一例について説明する。RRCは、報知(ブロードキャスト:broadcast)機能を持ってよい。RRCは、EPC104および/または5GC110からの呼び出し(ページング:Paging)機
能を持ってよい。RRCは、gNB108または5GC110に接続するeNB102からの呼び出し(ページング:Paging)機能を持ってよい。またRRCは、RRC接続管理機能を持ってよい。またRRCは、
無線ベアラ制御機能を持ってよい。またRRCは、セルグループ制御機能を持ってよい。ま
たRRCは、モビリティ(mobility)制御機能を持ってよい。またRRCは端末装置測定レポーティングおよび端末装置測定レポーティング制御機能を持ってよい。またRRCは、QoS管理機能を持ってよい。またRRCは、無線リンク失敗の検出および復旧の機能を持ってよい。RRCは、RRCメッセージを用いて、報知、ページング、RRC接続管理、無線ベアラ制御、セルグループ制御、モビリティ制御、端末装置測定レポーティングおよび端末装置測定レポーティング制御、QoS管理、無線リンク失敗の検出および復旧等を行ってよい。なお、E-UTRA RRCで用いられるRRCメッセージやパラメータは、NR RRCで用いられるRRCメッセージやパ
ラメータと異なってよい。
【0076】
RRCメッセージは、論理チャネルのBCCHを用いて送られてよいし、論理チャネルのPCCH
を用いて送られてよいし、論理チャネルのCCCHを用いて送られてよいし、論理チャネルのDCCHを用いて送られてよい。また、DCCHを用いて送られるRRCメッセージのことを、専用RRCシグナリング(Dedicated RRC signaling)、またはRRCシグナリングと称する。
【0077】
BCCHを用いて送られるRRCメッセージには、例えばマスター情報ブロック(Master Information Block:MIB)が含まれてよいし、各タイプのシステム情報ブロック(System Informa
tion Block:SIB)が含まれてよいし、他のRRCメッセージが含まれてよい。PCCHを用いて送られるRRCメッセージには、例えばページングメッセージが含まれてよいし、他のRRCメッセージが含まれてよい。
【0078】
CCCHを用いてアップリンク(UL)方向に送られるRRCメッセージには、例えばRRCセットアップ要求メッセージ(RRC Setup Request)、RRC再開要求メッセージ(RRC Resume Request)、RRC再確立要求メッセージ(RRC Reestablishment Request)、RRCシステム情報要求メッ
セージ(RRC System Info Request)などが含まれてよい。また例えばRRC接続要求メッセージ(RRC Connection Request)、RRCコネクション再開要求メッセージ(RRC Connection Resume Request)、RRC接続再確立要求メッセージ(RRC Connection Reestablishment Request)などが含まれてよい。また他のRRCメッセージが含まれてよい。
【0079】
CCCHを用いてダウンリンク(DL)方向に送られるRRCメッセージには、例えばRRC接続拒絶メッセージ(RRC Connection Reject)、RRC接続セットアップメッセージ(RRC Connection Setup)、RRCコネクション再確立メッセージ(RRC Connection Reestablishment)、RRCコネクション再確立拒絶メッセージ(RRC Connection Reestablishment Reject)などが含まれ
てよい。また例えばRRC拒絶メッセージ(RRC Reject)、RRCセットアップメッセージ(RRC Setup)などが含まれてよい。また他のRRCメッセージが含まれてよい。
【0080】
DCCHを用いてアップリンク(UL)方向に送られるRRCシグナリングには、例えば測定報告
メッセージ(Measurement Report)、RRC接続再設定完了メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Complete)、RRC接続セットアップ完了メッセージ(RRC Connection Setup Complete)、RRC接続再確立完了メッセージ(RRC Connection Reestablishment Complete)、セキュリティモード完了メッセージ(Security Mode Complete)、UE能力情報メッセージ(UE Capability Information)などが含まれてよい。また例えば測定報告メッセージ(Measurement Report)、RRC再設定完了メッセージ(RRC Reconfiguration Complete)、RRCセットア
ップ完了メッセージ(RRC Setup Complete)、RRC再確立完了メッセージ(RRC Reestablishment Complete)、RRC再開完了メッセージ(RRC Resume Complete)、セキュリティモード完
了メッセージ(Security Mode Complete)、UE能力情報メッセージ(UE Capability Information)などが含まれてよい。また他のRRCシグナリングが含まれてよい。
【0081】
DCCHを用いてダウンリンク(DL)方向に送られるRRCシグナリングには、例えばRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration)、RRC接続解放メッセージ(RRC Connection Release)、セキュリティモードコマンドメッセージ(Security Mode Command)、UE能力照会メッセージ(UE Capability Enquiry)などが含まれてよい。また例えばRRC再設定メッセージ(RRC Reconfiguration)、RRC再開メッセージ(RRC Resume)、RRC解放メッセージ(RRC Release)、RRC再確立メッセージ(RRC Reestablishment)、セキュリティモードコマンドメッセージ(Security Mode Command)、UE能力照会メッセージ(UE Capability Enquiry)などが含まれてよい。また他のRRCシグナリングが含まれてよい。
【0082】
NASの機能の一例について説明する。NASは、認証機能を持ってよい。またNASは、モビ
リティ(mobility)管理を行う機能を持ってよい。またNASは、セキュリティ制御の機能を
持ってよい。
【0083】
前述のPHY、MAC、RLC、PDCP、SDAP、RRC、NASの機能は一例であり、各機能の一部ある
いは全てが実装されなくてもよい。また、各層の機能の一部あるいは全部が他層に含まれてもよい。
【0084】
次にLTEおよびNRにおけるUE122の状態遷移について説明する。EPC、または5GCに接続するUE122は、RRC接続が確立されている(RRC connection has been established)とき、UE1
22はRRC_CONNECTED状態であってよい。RRC接続が確立されている状態とは、UE122が、後
述のUEコンテキストの一部または全てを保持している状態を含んでよい。またRRC接続が
確立されている状態とは、UE122がユニキャストデータを送信、および/または受信できる状態を含んでよい。またUE122は、RRC接続が休止(サスペンド:suspend)しているとき、UE122はRRC_INACTIVE状態であってよい。また、UE122がRRC_INACTIVE状態になるのは、UE122が5GCに接続している場合で、RRC接続が休止しているときであってよい。UE122が、RRC_CONNECTED状態でも、RRC_INACTIVE状態でも無いとき、UE122はRRC_IDLE状態であってよい。
【0085】
なお、UE122がEPCに接続している場合、RRC_INACTIVE状態を持たないが、E-UTRANによ
ってRRCコネクションの休止が開始されてもよい。UE122がEPCに接続している場合、RRCコネクションが休止されるとき、UE122はUEのASコンテキストと復帰(リジューム:resume)に用いる識別子(resumeIdentity)を保持してRRC_IDLE状態に遷移してよい。UE122のRRCレイヤの上位レイヤ(例えばNASレイヤ)は、UE122がUEのASコンテキストを保持しており、かつE-UTRANによってRRCコネクションの復帰が許可(Permit)されており、かつUE122がRRC_IDLE状態からRRC_CONNECTED状態に遷移する必要があるとき、休止されたRRCコネクションの
復帰を開始してもよい。
【0086】
EPC104に接続するUE122と、5GC110に接続するUE122とで、休止の定義が異なってよい。また、UE122がEPCに接続している場合(UE122がRRC_IDLE状態で休止している場合)と、UE122が5GCに接続している場合(UE122がRRC_INACTIVE状態で休止している場合)とで、UE122
が休止から復帰する手順の一部または全部が異なってよい。
【0087】
なお、RRC_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、RRC_IDLE状態のことをそれぞれ、接続
状態(connected mode)、不活性状態(inactive mode)、アイドル状態(idle mode)と称してよいし、RRC接続状態(RRC connected mode)、RRC不活性状態(RRC inactive mode)、RRCアイドル状態(RRC idle mode)と称してもよい。
【0088】
UE122が保持するUEのASコンテキストは、現在のRRC設定、現在のセキュリティコンテキスト、ROHC(RObust Header Compression)状態を含むPDCP状態、接続元(Source)のPCellで使われていたC-RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)、セル識別子(cellIdentity)、接続元のPCellの物理セル識別子、のすべてあるいは一部を含む情報であってよい。なお、eNB102およびgNB108の内のいずれかまたは全ての保持するUEのASコンテキストは、UE122が保持するUEのASコンテキストと同じ情報を含んでもよいし、UE122が保持するUEのASコンテキストに含まれる情報とは異なる情報が含まれてもよい。
【0089】
セキュリティコンテキストとは、ASレベルにおける暗号鍵、NH(Next Hop parameter)、次ホップのアクセス鍵導出に用いられるNCC(Next Hop Chaining Counter parameter)、選択されたASレベルの暗号化アルゴリズムの識別子、リプレイ保護のために用いられるカウンタ、のすべてあるいは一部を含む情報であってよい。
【0090】
次にサービングセル(Serving Cell)について説明する。後述するCAおよび/またはDCが
設定されていないRRC接続状態の端末装置において、サービングセルは、一つのプライマ
リセル(Primary Cell:PCell)から構成されてよい。また、後述するCAおよび/またはDCが
設定されているRRC接続状態の端末装置において、複数のサービングセルは、一つまたは
複数のスペシャルセル(Special Cell:SpCell)と、一つまたは複数のすべてのセカンダリ
セル(Secondary Cell:SCell)から構成される複数のセルの集合(set of cell(s))を意味してよい。SpCellはPUCCH送信およびコンテンション基準ランダムアクセス(contention-based Random Access:CBRA)をサポートしてよいし、またSpCellは常に活性化されてよい。PCellはRRCアイドル状態の端末装置がRRC接続状態に遷移する際の、RRC接続確立手順に用い
られるセルであってよい。またPCellは、端末装置がRRC接続の再確立を行う、RRC接続再
確立手順に用いられるセルであってよい。またPCellは、ハンドオーバの際のランダムア
クセス手順に用いられるセルであってよい。PSCellは、後述するセカンダリノード追加の際に、ランダムアクセス手順に用いられるセルであってよい。またSpCellは、上述の用途以外の用途に用いられるセルであってよい。
【0091】
端末装置に対して設定されたサービングセルのグループが、SpCellおよび一つ以上のSCellから構成されることは、端末装置に対してキャリアアグリゲーション(carrier aggregation:CA)が設定されているとみなされてよい。また、CAが設定されている端末装置に対
して、SpCellに対して追加の無線リソースを提供しているセルはSCellを意味してもよい
【0092】
端末装置に対し基地局装置から設定される、セルグループ(Cell Group)について説明する。セルグループは、一つのSpCellで構成されてよい。またセルグループは、一つのSpCellと、一つまたは複数のSCellから構成されてよい。即ちセルグループは、一つのSpCell
と、必要に応じて(optionally)一つまたは複数のSCellから構成されてよい。またセルグ
ループは、セルの集合(set of cell(s))と表現されてよい。
【0093】
Dual Connectivity(DC)とは、第一の基地局装置(第一のノード)と第二の基地局装置(第二のノード)がそれぞれ構成するセルグループの無線リソースを利用してデータ通信を行
う技術であってよい。DCや、後述するMR-DCが行われる場合、端末装置に対し基地局装置
からセルグループの追加が行われてよい。DCを行うために、第一の基地局装置が第二の基地局装置を追加してよい。第一の基地局装置のことをマスターノード(Master Node:MN)と呼んでよい。またマスターノードが構成するセルグループをマスターセルグループ(Master Cell Group:MCG)と称してよい。第二の基地局装置のことをセカンダリノード(Secondary Node:SN)と呼んでよい。またセカンダリノードが構成するセルグループをセカンダリセルグループ(Secondary Cell Group:SCG)と称してよい。なお、マスターノードとセカンダリノードは同じ基地局装置内に構成されてもよい。
【0094】
また、DCが設定されていない場合において、端末装置に設定されるセルグループのことをMCGと呼んでよい。また、DCが設定されていない場合において、端末装置に設定されるSpCellはPCellであってよい。また、DCが設定されていないNRを、NRスタンドアロン(NR SA)と呼んでよい。
【0095】
なお、Multi-Radio Dual Connectivity(MR-DC)とは、MCGにE-UTRA、SCGにNRを用いたDCを行う技術であってよい。またMR-DCとは、MCGにNR、SCGにE-UTRAを用いたDCを行う技術
であってよい。またMR-DCとは、MCGおよびSCGの両方に、NRを用いたDCを行う技術であっ
てよい。MR-DCはDCに含まれる技術であってよい。MCGにE-UTRA、SCGにNRを用いるMR-DCの例として、コア網にEPCを用いるEN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)があってよいし、
コア網に5GCを用いるNGEN-DC(NG-RAN E-UTRA-NR Dual Connectivity)があってよい。またMCGにNR、SCGにE-UTRAを用いるMR-DCの例として、コア網に5GCを用いるNE-DC(NR-E-UTRA Dual Connectivity)があってよい。またMCGおよびSCGの両方にNRを用いるMR-DCの例とし
て、コア網に5GCを用いるNR-DC(NR-NR Dual Connectivity)があってよい。
【0096】
なお端末装置において、MACエンティティは各セルグループに対して一つ存在してよい
。例えば端末装置にDCまたはMR-DCが設定される場合において、MCGに対する一つのMACエ
ンティティ、およびSCGに対する一つのMACエンティティが存在してよい。端末装置におけるMCGに対するMACエンティティは、全ての状態(RRCアイドル状態、RRC接続状態、およびRRC不活性状態など)の端末装置において、常に確立されていてよい。また端末装置におけ
るSCGに対するMACエンティティは、端末装置にSCGが設定される際、端末装置によってク
リエイト(create)されてよい。また端末装置の各セルグループに対するMACエンティティ
は、端末装置が基地局装置からRRCシグナリングを受け取ることにより設定が行われてよ
い。MACエンティティがMCGに関連付けられている場合、SpCellはPCellを意味してよい。
またMACエンティティがSCGに関連付けられている場合、SpCellはプライマリSCGセル(Primary SCG Cell:PSCell)を意味してよい。またMACエンティティがセルグループに関連付け
られていない場合、SpCellはPCellを意味してよい。PCell、PSCellおよびSCellはサービ
ングセルである。EN-DC、およびNGEN-DCにおいて、MCGに対するMACエンティティはE-UTRA
MACエンティティであってよいし、SCGに対するMACエンティティはNR MACエンティティであってよい。また、NE-DCにおいて、MCGに対するMACエンティティはNR MACエンティティ
であってよいし、SCGに対するMACエンティティはE-UTRA MACエンティティであってよい。またNR-DCにおいて、MCGおよびSCGに対するMACエンティティは共にNR MACエンティティであってよい。なお、MACエンティティが各セルグループに対して一つ存在することを、MACエンティティが各SpCellに対して一つ存在すると言い換えてもよい。また、各セルグループに対する一つのMACエンティティを、各SpCellに対する一つのMACエンティティと言い換えてもよい。
【0097】
端末装置と基地局装置との間で送受信される、RRCシグナリングのフローについて説明
する。図4は、本実施形態に係るRRCにおける、各種設定のための手順(procedure)のフロ
ーの一例を示す図である。図4は、基地局装置(eNB102、および/またはgNB108)から端末装置(UE122)にRRCシグナリングが送られる場合のフローの一例である。
【0098】
図4において、基地局装置はRRCメッセージを作成する(ステップS400)。基地局装置におけるRRCメッセージの作成は、基地局装置がシステム情報(SI:System Information)やページングメッセージを配信するために行われてよい。また基地局装置におけるRRCメッセー
ジの作成は、基地局装置が特定の端末装置に対して処理を行わせるRRCシグナリングを送
信するために行われてよい。特定の端末装置に対して行わせる処理は、例えばセキュリティに関する設定、RRCコネクションの再設定、異なるRATへのハンドオーバ、RRCコネクシ
ョンの休止、RRCコネクションの解放などの処理を含んでよい。RRCコネクションの再設定処理には、例えば無線ベアラの制御(確立、変更、解放など)、セルグループの制御(確立
、追加、変更、解放など)、測定設定、ハンドオーバ、セキュリティ鍵更新、などの処理
が含まれてよい。また基地局装置におけるRRCメッセージの作成は、端末装置から送信さ
れたRRCシグナリングへの応答のために行われてもよい。端末装置から送信されたRRCシグナリングへの応答は、例えばRRCセットアップ要求への応答、RRC再接続要求への応答、RRC再開要求への応答などを含んでよい。RRCメッセージには各種情報通知や設定のための情報(パラメータ)が含まれる。これらのパラメータは、RRCメッセージおよび/または情報要素のフィールド、またはフィールドの値(情報要素を含む)であってよい。RRCメッセージ
の構造は、ASN.1(Abstract Syntax Notation One)という記述方式を用いて記述されてよ
い。
【0099】
図4において、次に基地局装置は、作成したRRCシグナリングを端末装置に送信する(ス
テップS402)。次に端末装置は受信した上述のRRCシグナリングに従って、設定などの処理が必要な場合には処理を行う(ステップS404)。処理を行った端末装置は、基地局装置に対し、応答のためのRRCシグナリングを送信してよい(不図示)。
【0100】
RRCシグナリングは、上述の例に限らず、他の目的に使われてよい。
【0101】
なおMR-DCにおいて、SCG側の設定(セルグループ設定、無線ベアラ設定、測定設定など)のためのRRCシグナリングを、端末装置との間で転送するのに、マスターノード側のRRCが用いられてよい。例えばEN-DC、またはNGEN-DCにおいて、eNB102とUE122との間で送受信
されるE-UTRAのRRCシグナリングに、NRのRRCシグナリングがコンテナの形で含まれてよい
。またNE-DCにおいて、gNB108とUE122との間で送受信されるNRのRRCシグナリングに、E-UTRAのRRCシグナリングがコンテナの形で含まれてよい。SCG側の設定のためのRRCシグナリングは、マスターノードとセカンダリノードの間で送受信されてよい。
【0102】
なお、MR-DCを利用する場合に限らず、eNB102からUE122に送信されるE-UTRA用RRCシグ
ナリングに、NR用RRCシグナリングが含まれていてよいし、gNB108からUE122に送信されるNR用RRCシグナリングに、E-UTRA用RRCシグナリングが含まれていてよい。
【0103】
RRCコネクションの再設定に関するメッセージに含まれる、パラメータの一例を図7および図8を用いて説明する。
【0104】
図7および図8において、RRCコネクションの再設定に関するメッセージには、NRのMCGまたはSCGのセルグループの設定、変更、解放等に用いられる情報要素(CellGroupConfig情
報要素)が含まれてよい。RRCコネクションの再設定に関するメッセージには、MCGの設定
のためのCellGroupConfig情報要素と、SCGの設定のためのCellGroupConfig情報要素とが
独立して含まれてよい。CellGroupConfig情報要素は、セルグループ設定情報要素、また
はセルグループ設定と称されてもよい。
【0105】
CellGroupConfig情報要素には、このセルグループを識別するための識別子情報として
、cellGroupId情報要素が含まれてよい。
【0106】
CellGroupConfig情報要素には、RLCエンティティの設定に用いられる情報として、RLC-BearerConfig情報要素が含まれてよい。
【0107】
CellGroupConfig情報要素には、そのセルグループにおけるMACのパラメータの設定に用いられる情報として、MAC-CellGroupConfig情報要素が含まれてよい。
【0108】
CellGroupConfig情報要素には、そのセルグループ特有のPHY(L1)パラメータの設定に用いられる情報として、PhysicalCellGroupConfig情報要素が含まれてよい。
【0109】
CellGroupConfig情報要素には、そのセルグループのSpCellに対するパラメータの設定
に用いられる情報として、SpCellConfig情報要素が含まれてよい。SpCellConfig情報要素は、SpCell設定情報要素、またはSpCell設定と称されてもよい。
【0110】
CellGroupConfig情報要素には、そのセルグループの一つまたは複数のSCellに対するパラメータの設定に用いられる情報として、SCell毎にSCellConfig情報要素が含まれてよい。SCellConfig情報要素は、SCell設定情報要素、またはSCell設定と称されてもよい。
【0111】
SpCellConfig情報要素には、SpCellに関する端末装置特有(UE specific)のパラメータ
の設定に用いられる情報として、ServingCellConfig情報要素が含まれてよい。また、SCellConfig情報要素には、SCellに関する端末装置特有(UE specific)のパラメータの設定に用いられる情報として、このServingCellConfig情報要素が含まれてよい。CellGroupConfig情報要素には、SpCellと各SCellに関する端末装置特有のパラメータの設定のために、
サービングセル毎にServingCellConfig情報要素が含まれてよい。
【0112】
SpCellConfig情報要素には、ソースSpCellからターゲットSpCellへの同期付再設定(synchronous reconfiguration)の処理のために必要なパラメータを含む情報として、ReconfigurationWithSync情報要素が含まれてよい。ReconfigurationWithSync情報要素は、同期
付再設定情報要素と称されてもよい。MCGのSpCellConfig情報要素にReconfigurationWithSync情報要素が含まれる場合、ターゲットSpCellへの同期付再設定の処理はハンドオーバ
であってよい。SCGのSpCellConfig情報要素にReconfigurationWithSync情報要素が含まれる場合、ターゲットSpCellへの同期付再設定の処理はPSCell追加またはPSCell変更であってよい。
【0113】
ReconfigurationWithSync情報要素、およびSCellConfig情報要素には、サービングセルのセル特有(cell specific)のパラメータの設定に用いられる情報として、ServingCellConfigCommon情報要素が含まれてよい。ServingCellConfigCommon情報要素には、通常(typically)端末装置がアイドル状態からセルにアクセスするときに、そのセルのSSB、MIB、または一つまたは複数のSIBから取得するパラメータが含まれてよい。
【0114】
ReconfigurationWithSync情報要素には、例えば、ターゲットSpCellのセルグループで
用いられるC-RNTIの値の情報が含まれてよい。ReconfigurationWithSync情報要素には、
例えば、ターゲットSpCellにおける非衝突ランダムアクセス手順の実行に必要な情報が含まれてよい。
【0115】
ServingCellConfigCommon情報要素には、そのセルの物理セル識別子(physCellId)が含
まれてよい。
【0116】
ServingCellConfigCommon情報要素には、セル特有(セル共通)の下りリンクパラメータ
を提供する情報として、DownlinkConfigCommon情報要素が含まれてよい。DownlinkConfigCommon情報要素を、下りリンク共通設定とも称する。
【0117】
ServingCellConfigCommon情報要素には、セル特有(セル共通)の上りリンクパラメータ
を提供する情報として、UplinkConfigCommon情報要素が含まれてよい。UplinkConfigCommon情報要素を、上りリンク共通設定とも称する。
【0118】
ServingCellConfigCommon情報要素には、そのセルにおけるすべての上りリンク送信に
対して適用されるN_{TA,offset}の値が含まれてよい。
【0119】
DownlinkConfigCommon情報要素には、下りリンクキャリアとその下りリンクキャリアでの送信に関する基本的な情報として、FrequencyInfoDL情報要素が含まれてよい。例えば
、FrequencyInfoDL情報要素には、SSBの周波数情報が含まれてよい。
【0120】
DownlinkConfigCommon情報要素には、そのセルの初期下りリンクBWP(initial downlink
BWP)の設定として、BWP-DownlinkCommon情報要素が含まれてよい。BWP-DownlinkCommon
情報要素を、下りリンクBWP共通設定とも称する。
【0121】
BWP-DownlinkCommon情報要素には、BWPの一般的(generic)なパラメータを設定するための情報として、BWP情報要素が含まれてよい。
【0122】
BWP-DownlinkCommon情報要素には、このBWPのPDCCHのためのセル特有のパラメータを設定するための情報として、PDCCH-ConfigCommon情報要素が含まれてよい。PDCCH-ConfigCommon情報要素を、PDCCH共通設定とも称する。
【0123】
BWP-DownlinkCommon情報要素には、このBWPのPDSCHのためのセル特有のパラメータを設定するための情報として、PDSCH-ConfigCommon情報要素が含まれてよい。PDSCH-ConfigCommon情報要素を、PDSCH共通設定とも称する。
【0124】
PDCCH-ConfigCommon情報要素には、共通サーチスペース(common search space:CSS)#0
のパラメータを設定するための情報として、SearchSpaceZero情報要素が含まれてよい。
このSearchSpaceZero情報要素は、BWPが初期下りリンクBWPである場合にのみPDCCH-ConfigCommon情報要素に含まれてもよい。
【0125】
PDCCH-ConfigCommon情報要素には、一つまたは複数の共通サーチスペース(common search spaces)、および一つまたは複数のUE特有サーチスペース(UE-specific search spaces)で用いられる共通CORESET#0のパラメータを設定するための情報として、ControlResourceSetZero情報要素が含まれてよい。このControlResourceSetZero情報要素は、BWPが初期
下りリンクBWPである場合にのみPDCCH-ConfigCommon情報要素に含まれてもよい。
【0126】
PDCCH-ConfigCommon情報要素には、追加の共通CORESETのパラメータを設定するための
情報として、ControlResourceSet情報要素が含まれてよい。
【0127】
PDCCH-ConfigCommon情報要素には、追加の一つまたは複数のCSSの設定を示す情報要素(SearchSpace情報要素)のリスト(commonSearchSpaceList)が含まれてよい。
【0128】
PDCCH-ConfigCommon情報要素には、システム情報(SIB1)のためのサーチスペースの設定が前記commonSearchSpaceListの何れのCSSの設定であるかを示す情報(searchSpaceSIB1)
が含まれてよい。
【0129】
PDCCH-ConfigCommon情報要素には、システム情報(SIB2以降)のためのサーチスペースの設定が前記commonSearchSpaceListの何れのCSSの設定であるかを示す情報(searchSpaceOtherSystemInformation)が含まれてよい。
【0130】
PDCCH-ConfigCommon情報要素には、ページングメッセージのためのサーチスペースの設定が前記commonSearchSpaceListの何れのCSSの設定であるかを示す情報(pagingSearchSpace)が含まれてよい。
【0131】
なお、上記各情報要素には、説明した情報以外のその他の情報が含まれてよい。
【0132】
端末装置は、同期付再設定を実行(execute)するために、下記の処理RWSの(A)から(E)の一部または全部を実施(perform)してよい。「同期付再設定を実行する」は、「同期付再
設定を実施する」または「同期付再設定をトリガする」と言い換えられてよい。
(処理RWS)
(A)もし、同期付再設定情報要素にfrequencyInfoDL情報要素が含まれていたら、ターゲットSpCellが、frequencyInfoDL情報要素で示されるSSB周波数にある、同期付再設定情報要素に含まれる物理セル識別子で示されるセルであると判断する。もし、同期付再設定情報要素にfrequencyInfoDL情報要素が含まれていなければ、ターゲットSpCellが、ソー
スSpCellと同じSSB周波数にある、同期付再設定情報要素に含まれる物理セル識別子で示
されるセルであると判断する。
(B)ターゲットSpCellへの下りリンク同期を開始する。
(C)ランダムアクセス手順に必要なタイミング情報を保持していない場合、ターゲッ
トSpCellのMIBを取得する。
(C)同期付再設定の対象となるセルグループのMACエンティティをリセットする。
(D)同期付再設定情報要素に含まれる新しいUE識別子(newUE-Identity)の値を、同期
付再設定の対象となるセルグループのためのC-RNTIとして適用する。
(E)SpCell共通設定(ServingCellConfigCommon情報要素)に従ってRRCレイヤの下位レ
イヤ(PHY等)を設定する。
【0133】
測定について説明する。なお、以下の説明において基地局装置はネットワークと読み替えられてもよい。基地局装置は、測定を実行(perform)するようRRC接続状態の端末装置を
設定してよい。基地局装置は、測定結果を報告するよう端末装置を設定してよい。基地局装置は、測定結果に基づき後述する条件付再設定を実行するよう端末装置を設定してよい。測定設定(Measurement configuration)は、RRCシグナリング(例えばRRC再設定(RRCReconfiguration)メッセージやRRC再開(RRCResume)メッセージ)によって基地局装置から端末
装置に提供されてよい。
【0134】
基地局装置は例えば以下のタイプの測定を実行するよう端末装置を設定してよい。
(a) NR測定
(b) E-UTRA周波数の無線アクセス技術間測定(Inter-RAT)測定
(c) UTRA-FDD周波数の無線アクセス技術間測定(Inter-RAT)測定
【0135】
基地局装置は例えばSSBに基づいて、以下の測定情報を報告するよう端末装置を設定し
てよい。
(a) SSBごとの測定結果
(b) SSBに基づいたセルごとの測定結果
(c) SSBインデックス
【0136】
基地局装置は例えばCSI-RSに基づいて、以下の測定情報を報告するよう端末装置を設定してよい。
(a) CSI-RSリソースごとの測定結果
(b) CSI-RSに基づいたセルごとの測定結果
(c) CSI-RSリソース測定識別子
【0137】
測定設定は、RRCシグナリングの情報要素(Information Element:IE)によって端末装置
に通知されてよい。測定設定を示すIE(測定設定IE)には、測定対象(Measurement Objects)を示す一つまたは複数の測定対象IE、報告設定(Reporting configuration)を示す一つまたは複数の報告設定IE、測定対象と報告設定とを紐づけるために用いられる一つまたは複数の測定識別子(Measurement identities)、量設定(Quantity Configuration)を示す量設定IE、測定ギャップ設定(Measurement gap configuration)を示す測定ギャップ設定IE、
サービングセル品質閾値設定(s-Measure configuration)、の一部あるいは全部が含まれ
てよい。
【0138】
<量設定(quantityConfig)>
量設定(quantityConfig)は、測定対象(Measurement objects)がNRおよび/またはE-UTRAの場合、第3層フィルタ係数(L3 filtering coefficient)を指定する。第3層フィルタ係数(L3 filtering coefficient)は、最新の測定結果と、過去のフィルタリング測定結果との比(割合)を規定(specify)する。フィルタリング結果は、端末装置でイベント評価に利用
されてよい。
【0139】
<測定ギャップ設定(measGapConfig)>
測定ギャップ設定は、測定ギャップの長さや周期の情報が含まれる。測定ギャップ設定は端末装置ごと、あるいは既定の周波数範囲ごとに独立して設定されてもよい。
【0140】
<測定識別子(measId)>
測定識別子は、測定対象と、報告設定とを紐づける(または対応付ける、またはリンクさせる)ために利用される。具体的には、各測定対象を一意に識別するための測定対象識別子(measObjectId)と各報告設定を一意に識別するための報告設定識別子(reportConfigId)とをリンクさせる。測定識別子には、一つの測定対象識別子と一つの報告設定識別子が対応付けられる。測定設定は、測定識別子、測定対象、および/または報告設定を追加・
修正・削除できるよう構成されてよい。
【0141】
<測定対象(Measurement objects)>
測定対象は、RAT、周波数、および/またはサブキャリア間隔ごとに規定されてよい。
【0142】
測定対象IEには、測定対象識別子と対応付けられた測定対象がNRである測定対象の情報を示す測定対象NR(measObjectNR) IE、測定対象がE-UTRAである測定対象の情報を示す測
定対象EUTRA(measObjectEUTRA) IEが含まれてよい。また、測定対象には、測定対象がUTRAである測定対象の情報を示す測定対象UTRA(measObjectUTRA) IE、測定対象がGERANであ
る測定対象の情報を示す測定対象GERAN(measObjectGERAN) IE、測定対象がCDMA2000であ
る測定対象の情報を示す測定対象CDMA2000(measObjectCDMA2000) IE、の一部あるいは全
部が含まれてよい。
【0143】
測定対象NR IEには、同期信号を含むブロック(SSB)の周波数情報(ssbFrequency)、SSB
のサブキャリア間隔(ssbSubcarrierSpacing)、測定対象とするセルのリストに関する情報、測定から除外するブラックリストに関する情報、測定を行うホワイトリストに関する情報、の一部あるいは全部が含まれてよい。
【0144】
測定対象とするセルのリストに関する情報は、イベント評価、および測定報告の対象となるセルに関する情報を含む。測定対象とするセルのリストに関する情報としては、物理セル識別子(physical cell ID)や、セル固有オフセット(cellIndividualOffset、隣接セ
ルに対して適用する測定オフセット値を示す)などが含まれてよい。
【0145】
<報告設定(Reporting configurations)>
報告設定IEには、報告設定識別子(reportConfigId)と対応付けられた、報告設定NR(reportConfigNR)IE、および/または報告設定InterRAT(reportConfigInterRAT) IEなどが含まれてよい。
【0146】
報告設定識別子は、測定に関する報告設定を識別するために使用する識別子である。測定に関する報告設定IEには、NRの測定のための情報、NR以外のRAT(UTRA、GERAN、CDMA2000、E-UTRA、の一部あるいは全部)の測定のための情報、およびNRのSidelinkの測定のための情報などが含まれてよい。NRに対する報告設定である報告設定NR(reportConfigNR)IEには、NRにおける測定の報告のために使用されるイベントのトリガ条件(triggering criteria)などが含まれてよい。また報告設定NR IEには、NRにおける条件付再設定に使用されるイベントのトリガ条件などが含まれてよい。
【0147】
また、報告設定NR IEには、イベント識別子(eventId)、トリガ量(triggerQuantity)、
ヒステリシス(hysteresis)、トリガ時間(timeToTrigger)、報告量(reportQuantity)、最
大報告セル数(maxReportCells)、報告間隔(reportInterval)、報告回数(reportAmount)、の一部あるいは全部が含まれてよい。
【0148】
<イベントトリガ条件について>
測定報告をするためのイベントトリガ条件が複数定義されており、それぞれ加入条件(entering condition)と離脱条件(leaving condition)があってよい。基地局装置から指定
されたイベントに対する加入条件を満たした端末装置は、基地局装置に対して測定報告を送信してよい。また、基地局装置から指定されたイベントに対する離脱条件を満たした端末装置は、基地局装置から離脱条件を満たす場合に報告をトリガするように設定されていた場合(報告設定IEにreportOnLeaveが含まれる場合)に、基地局装置に対して測定報告を
送信してよい。
【0149】
また、NR以外のRATに対する報告設定(Reporting configurations)のために、NR以外のR
ATにおける測定の報告に利用するイベントのトリガ条件(triggering criteria)が複数定
義されてよい。例えば、隣接セル(他のRAT)の測定結果が、各パラメータの適用後、RAT毎に設定される閾値b1_Thresholdより良い場合、イベントB1が発生する。また、PCellの測
定結果が、各パラメータの適用後、閾値b2_Threshold1より悪い且つ隣接セル(他のRAT)の測定結果が、各パラメータの適用後、RAT毎に設定される閾値b2_Threshold2より良い場合、イベントB2が発生してよい。これらのイベントに関する情報は、報告設定InterRAT(reportConfigInterRAT) IEに含まれてよい。
【0150】
条件付再設定(conditional reconfiguration)について説明する。ネットワークは、端
末装置に対して、一つまたは複数の条件付再設定情報要素を設定し、それによって、ネットワークは、端末装置に対して、条件付再設定情報要素にそれぞれ対応づけられた候補ターゲットSpCellを設定する。端末装置は、設定された前記候補ターゲットSpCellの状態を評価する。端末装置は、前記評価を行い、実行条件を満たした一つまたは複数の候補ターゲットSpCellに関連づけられた条件付再設定情報要素に含まれる条件付きRRC再設定情報
要素のうちの一つを適用する。また、端末装置は、条件付再設定のために、後述するエントリのリスト(VarConditionalReconfig)を保持してよい。
【0151】
条件付再設定は、候補ターゲットSpCellがMCGのSpCell(すなわちPCell)である場合、条件付きハンドオーバと称されてよい。また、条件付再設定は、候補ターゲットSpCellがSCG
のSpCell(すなわちPSCell)である場合、条件付きPSCell追加、および/または条件付きPSCell変更と称されてよい。
【0152】
端末装置は、条件付再設定の設定処理として、条件付再設定に関する情報(例えば条件
付再設定情報要素)を受け取ったことに基づいて、前記条件付再設定に関する情報に、エ
ントリの削除リスト(condReconfigToRemoveList)が含まれる場合、エントリの削除リストで指定された条件付再設定の設定を端末装置の保持する設定から削除(remove)してよい。具体的には、前記エントリの削除リストに含まれる、エントリの識別子(condReconfigId)が、端末装置が保持しているエントリのリストに含まれる場合、端末装置が、前記端末装置が保持しているエントリのリストから前記エントリの識別子に対応するエントリを削除することであってよい。
【0153】
なお、以下の説明において、端末装置が保持している条件付再設定のエントリのリストのことを単にエントリリストとも称する。すなわち、以下の説明における「エントリリスト」は、特に明示しない限り、端末装置が保持している条件付再設定のエントリのリストのことを指す。また、条件付再設定のエントリリストは、VarConditionalReconfigという名称の変数であってもよい。また、エントリの識別子のことを単にエントリ識別子とも称する。
【0154】
端末装置は、条件付再設定の設定処理として、前記条件付再設定に関する情報に、エントリの追加修正リスト(condReconfigToAddModList)が含まれる場合、エントリの追加修正リストに含まれる条件付再設定の設定を端末装置の保持する設定に追加または修正してよい。エントリの追加修正リストは、一つまたは複数の条件付再設定情報要素のリストであってよい。各エントリは条件付再設定情報要素によって設定されてよい。条件付再設定情報要素は、エントリ識別子、実行条件、および条件付きRRC再設定情報要素が含まれてよ
い。
【0155】
具体的には、エントリの追加修正リストに含まれる各エントリ識別子が、エントリリストのエントリに存在する場合に、端末装置は、以下の処理(A)及び、または(B)を実施してよい。
(A)エントリの追加修正リストに含まれるエントリに、実行条件(condExecutionCond)
が含まれる場合、このエントリのエントリ識別子と合致する、エントリリストのエントリの実行条件を、そのエントリの追加修正リストに含まれる実行条件で置き換える。
(B)エントリの追加修正リストに含まれるエントリに、条件付きRRC再設定情報要素(condRRCReconfig)が含まれる場合、このエントリのエントリ識別子と合致する、エントリ
リストの条件付きRRC再設定情報要素を、そのエントリの追加修正リストに含まれる条件
付きRRC再設定情報要素で置き換える。
【0156】
また、エントリの追加修正リストに含まれるエントリ識別子が、エントリリストに含まれない場合、端末装置は、エントリリストに含まれないエントリ識別子に対応する新しいエントリをエントリリストに追加してよい。
【0157】
なお、エントリの削除リストとは、削除される一つまたは複数のエントリ識別子のリストであってよい。エントリの追加修正リストに含まれる各エントリはエントリ識別子を含み、それに加えて、実行条件および/または条件付きRRC再設定情報要素を含んでよい。各エントリは一つまたは複数の候補ターゲットSpCellのうちの一つの候補ターゲットSpCellに関連付けられてよい。エントリ識別子とは、CHO、CPA及びCPCの各エントリの識別に使
用される識別子であってよい。エントリリストは、一つまたは複数のエントリを含んでよい。各エントリは、一つのエントリ識別子、一つまたは複数の実行条件、および一つの条件付きRRC再設定情報要素を含んでよい。端末装置が保持しているエントリリストがエン
トリを含まない場合、端末装置は空のリストを保持してもよい。
【0158】
実行条件とは、条件付再設定の実行をトリガするために満たす必要のある条件であってよい。例えば、実行条件として測定識別子が指定されてよい。また、測定イベントの条件付きRRC再設定情報要素とは、前記実行条件が満たされた際に適用されるRRCコネクションの再設定に関するメッセージであってよい。前記RRCコネクションの再設定に関するメッ
セージは、候補ターゲットSpCellに接続するために用いられるメッセージであってよい。
【0159】
端末装置は、端末装置が保持しているエントリリストに含まれるエントリの実行条件を評価してよい。端末装置が保持しているエントリリストが空である場合、またはエントリリストを保持していない場合、実行条件の評価を行わなくてよい。
【0160】
条件付再設定の実行とは、例えば、端末装置が、端末装置が保持しているエントリリストに含まれるエントリの実行条件で指示される測定識別子に対応づけられた測定イベントの加入条件または離脱条件が満たされているかを評価して、一つまたは複数の測定イベントの加入条件が満たされた場合に、その実行条件を含むエントリに含まれる、条件付きRRC再設定情報要素を適用することであってよい。条件付きRRC再設定情報要素を適用するとは、その条件付きRRC再設定情報要素を用いてRRC再設定手順を実行することであってよい。
【0161】
なお、端末装置は、エントリ識別子で識別される各エントリの条件付きRRC再設定情報
要素が同期付再設定情報要素を含む場合に、前記同期付再設定情報要素で示される物理セル識別子と値がマッチするセルを適用可能セル(applicable cell)であると判断してよい
【0162】
端末装置は、前記適用可能セルに対して、ある実行条件で指示される測定識別子に対応付けられた測定イベントの加入条件が満たされた場合に、その測定識別子に対応付けられた測定イベントが満たされたと判断してよい。また、端末装置は、前記適用可能セルに対して、ある実行条件で指示される測定識別子に対応付けられた測定イベントの離脱条件が満たされた場合に、その測定識別子に対応付けられた測定イベントが満たされていないと判断してよい。端末装置は、ある適用可能セルに対するすべての測定イベントが満たされ
たと判断した場合に、このセルをトリガされたセルとみなして条件付再設定を実行してよい。
【0163】
実行条件を満たした複数のエントリが存在する場合、端末装置は、前記複数のエントリの中から一つのエントリを選択し、選択したエントリの条件付きRRC再設定情報要素を適
用してよい。
【0164】
以上の説明をベースとして、様々な本実施形態を説明する。なお、以下の説明で省略される処理については上述の各処理が適用されてよい。
【0165】
図5は本実施形態における端末装置(UE122)の構成を示すブロック図である。なお、説明が煩雑になることを避けるために、図5では、本実施形態と密接に関連する主な構成部の
みを示す。
【0166】
図5に示すUE122は、基地局装置より制御情報(DCI、MAC制御要素、RRCシグナリング等)
を受信する受信部500、および受信した制御情報に含まれるパラメータに従って処理を行
う処理部502、および基地局装置に制御情報(UCI、MAC制御要素、RRCシグナリング等)を送信する送信部504、を備える。この基地局装置とは、eNB102であってよいし、gNB108であ
ってよい。また、処理部502には様々な層(例えば、物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、SDAP層、RRC層、およびNAS層)の機能の一部または全部が含まれてよい。すなわち、処理部502には、物理層処理部(PHY処理部)、MAC層処理部(MAC処理部)、RLC層処理部(RLC処理部)、PDCP層処理部(PDCP処理部)、SDAP処理部(SDAP処理部)、RRC層処理部(RRC処理部)、およびNAS層処理部(NAS処理部)の一部または全てが含まれてよい。
【0167】
図6は本実施形態における基地局装置の構成を示すブロック図である。なお、説明が煩
雑になることを避けるために、図6では、本実施形態と密接に関連する主な構成部のみを
示す。この基地局装置は、eNB102であってよいし、gNB108であってよい。
【0168】
図6に示す基地局装置は、UE122へ制御情報(DCI、RRCシグナリング等)を送信する送信部600、および制御情報(DCI、パラメータを含むRRCシグナリング等)を作成し、UE122に送信する事により、UE122の処理部502に処理を行わせる処理部602、およびUE122から制御情報(UCI、RRCシグナリング等)を受信する受信部604から成る。また、処理部602には様々な層(例えば、物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、SDAP層、RRC層、およびNAS層)の機能の一部または全部が含まれてよい。すなわち、処理部602には、物理層処理部、MAC層処理部、RLC
層処理部、PDCP層処理部、SDAP処理部、RRC層処理部、およびNAS層処理部の一部または全部が含まれてよい。
【0169】
図9を用いて本実施形態における、端末装置の処理の一例を説明する。
【0170】
図9は本実施形態における、端末装置(UE122)の処理の一例を示す図である。UE122の処
理部502は、基地局装置から第一の情報および/または第2の情報を受信する(ステップS900)。UE122の処理部502は、受信した第2の情報に含まれるRRC再設定情報要素に第1の識
別子が含まれるか否かを判断する(ステップS902)。UE122の処理部502は、前記判断に基づき、動作を行う(ステップS904)。
【0171】
前記第1の情報は、一つまたは複数の、セルに関する情報要素が含まれ、前記セルに関する情報要素のそれぞれは第1の識別子によって識別されてよい。例えば、前記セルに関する情報要素は、セル特有のパラメータを設定するために用いられる情報要素であってよい。例えば、前記セルに関する情報要素には、端末装置がアイドル状態からセルにアクセスするときに、そのセルのSSB、MIB、または一つまたは複数のSIBから通常(typically)取
得するパラメータが含まれてよい。例えば、前記セルに関する情報要素とは、ServingCellConfigCommon情報要素であってもよい。また例えば、前記セルに関する情報要素とは、reconfigurationWithSync情報要素に含まれる一つまたは複数の情報要素であってもよい。また、前記第1の情報は、BCCHを用いて報知される情報であってもよいし、DCCHを用いて端末装置に通知される情報であってもよい。例えば、前記第1の情報は、隣接セルに関する情報を報知するSIBであるSIB3、および/またはSIB4を用いて報知されてもよい。この
場合、SIB3および/またはSIB4には隣接セル情報のリストが含まれてよく、各隣接セル情報に前記セルに関する情報要素の一つが含まれてよい。また例えば、前記第1の情報は、その他のSIBを用いて報知されてもよい。
【0172】
前記第1の識別子は、前記セルに関する情報要素の中に含まれる識別子であってもよい。また、前記第1の識別子は、前記セルに関する情報要素の中に含まれず、前記セルに関する情報要素と対応付けられて前記第1の情報に含められて通知される識別子であってもよい。また、前記第1の識別子は、前記第1の情報の中に含まれず、設定された一つまたは複数の、前記セルに関する情報要素の何番目かを示す識別子であってもよい。例えば、前記第1の識別子は、物理セル識別子であってもよい。また例えば、前記第1の識別子は、物理セル識別子、周波数、およびサブキャリア間隔の何れかの組み合わせまたはすべての組み合わせ、で構成されてもよい。また例えば、前記第1の識別子は、物理セル識別子、周波数、およびサブキャリア間隔の何れかの組み合わせまたはすべての組み合わせと一意に対応づけられる識別子であってもよい。また例えば、前記第1の情報に含まれるセルに関する情報要素の最大数が2つ以内であるとき、前記第1の識別子は1ビットの情報であってもよいし、前記第1の情報に含まれるセルに関する情報要素の最大数が4つ以内であるとき、前記第1の識別子は2ビットの情報であってもよい。
【0173】
前記第2の情報は、RRC再設定情報要素を含むメッセージであってよく、それに加えて
、例えばRRC再設定メッセージであってよい。第2の情報には、同期付再設定情報要素が
含まれてよい。例えば、前記第2の情報は、RRC再設定メッセージであってもよい。また
例えば、前記第2の情報は、条件付再設定で用いられる条件付きRRC再設定情報要素であ
ってもよい。また例えば、前記第2の情報は、その他のRRCシグナリングによって端末装
置に通知される情報要素またはRRCメッセージであってもよい。
【0174】
ステップS904におけるUE122の動作の一例を説明する。UE122の処理部502は、受信した
第2の情報に含まれるRRC再設定情報要素に第1の識別子が含まれると判断した場合、前
記第1の識別子で示される前記第1の情報のセルに関する情報要素に従いRRCレイヤの下
位レイヤ(例えばPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤ)を設定してよい。また、UE122の処理部502は、受信した第2の情報に含まれるRRC再設定情報要素
に第1の識別子が含まれないと判断した場合、前記第2の情報に前記セルに関する情報要素が含まれるなら前記第2の情報に含まれる前記セルに関する情報要素に従いRRCレイヤ
の下位レイヤ(例えばPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤ)を設定してよい。また、UE122の処理部502は、受信したRRCシグナリングに含まれるRRC再設定情報要素に第1の識別子が含まれるか否かにかかわらず、前記第2の情報の同期付再設定情報要素に含まれる新しいUE識別子(newUE-Identity)の値を、同期付再設定の対象となるセルグループのためのC-RNTIとして適用してよい。また、UE122の処理部502は、受信した第2の情報に含まれるRRC再設定情報要素に第1の識別子が含まれると判断した場合、前
記第1の識別子で示される前記セルに関する情報要素を保持していなければ、下記処理(A)から(D)の一部または全部を行ってよい。
(A)前記第2の情報に含まれるすべてのRRC再設定情報要素を適用しない(無視する)。
(B)RRCシグナリングを生成して基地局装置に送信する。
(C)再設定失敗(Reconfiguration failure)、またはハンドオーバ失敗(handover failure)が発生したと判断する。
(D)RRC再確立手順を開始する。
【0175】
上記処理(B)において、RRCシグナリングは、例えばRRC再設定完了をネットワークに通
知するために用いられるメッセージ(RRCReconfigurationCompleteメッセージ)であってもよい。この場合、UE122の処理部502は、RRCReconfigurationCompleteメッセージに前記第2の情報に含まれる第1の識別子で示されたセルに関する情報要素を保持していないことを示す情報を含めてよい。また、RRCシグナリングは、例えばUEの補助情報をネットワー
クに通知するために用いられるメッセージ(UEAssistanceInformationメッセージ)であっ
てもよい。この場合、UE122の処理部502は、UEAssistanceInformationメッセージに前記
第2の情報に含まれる第1の識別子で示されたセルに関する情報要素を保持していないことを示す情報を含めてよい。また、前記第2の情報に含まれる第1の識別子で示されたセルに関する情報要素を保持していないことを示す情報は、前記第2の情報に含まれる第1の識別子で示されたセルに関する情報要素を取得していないことを示す情報であってもよい。
【0176】
ステップS904におけるUE122の動作の別の一例を説明する。UE122の処理部502は、受信
したRRCシグナリングに含まれるRRC再設定情報要素に第1の識別子が含まれると判断した場合、前記第2の情報に前記セルに関する情報要素が含まれないなら、前記第1の識別子で示される前記第1の情報のセルに関する情報要素に従いRRCレイヤの下位レイヤ(例えばPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤ)を設定し、前記第2の情
報に前記セルに関する情報要素が含まれるなら、前記第2の情報に含まれる前記セルに関する情報要素に従いRRCレイヤの下位レイヤ(例えばPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤ)を設定してよい。また、UE122の処理部502は、受信したRRCシグナリングに含まれるRRC再設定情報要素に第1の識別子が含まれないと判断した場合、前
記第2の情報に前記セルに関する情報要素が含まれるなら前記第2の情報に含まれる前記セルに関する情報要素に従いRRCレイヤの下位レイヤ(例えばPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤ)を設定してよい。また、UE122の処理部502は、受信し
たRRCシグナリングに含まれるRRC再設定情報要素に第1の識別子が含まれるか否かにかかわらず、前記第2の情報の同期付再設定情報要素に含まれる新しいUE識別子(newUE-Identity)の値を、同期付再設定の対象となるセルグループのためのC-RNTIとして適用してよい。
【0177】
上記説明で示したように、端末装置は、前記第1の識別子によって特定されるセルが、何れの「セルに関する情報要素」と対応付けられているかを判断し、特定したセルに対応付けられた「セルに関する情報要素」に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/またはPHYレイヤの設定をおこなってもよい。また、端末装置は、前記第1の識別子によって何れの「セルに関する情報要素」が用いられるかを特定し、特定したセルに対応付けられた「セルに関する情報要素」に従いPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、および/ま
たはPHYレイヤの設定をおこなってもよい。
【0178】
上記説明において、UE122の処理部502は、RRCレイヤの処理を行う処理部であってよい
【0179】
また上記説明における無線ベアラとは、特に明記しない限り、DRBであってよいし、SRBであってよいし、DRBおよびSRBであってよい。
【0180】
また上記説明において、「紐づける(link to)」、「対応付ける(corresponding to)」
、「関連付ける(associate with)」等の表現は、互いに換言されてもよい。
【0181】
また上記説明において、「Aと確定した」、「Aが設定されている」、「Aが含まれる」
等の表現は、互いに換言されてもよい。
【0182】
上記説明において、「XからYに遷移する」を「XからYとなる」と言い換えてよい。また上記説明において、「遷移させる」は「遷移を決定する」と言い換えられてよい。
【0183】
また上記説明における各処理の例、または各処理のフローの例において、ステップの一部または全ては実行されなくてもよい。また上記説明における各処理の例、または各処理のフローの例において、ステップの順番は異なってもよい。また上記説明における各処理の例、または各処理のフローの例において、各ステップ内の一部または全ての処理は実行されなくてもよい。
【0184】
なお、上記説明において、「AをBと言い換えてよい」は、AをBと言い換えることに加え、BをAと言い換える意味も含んでよい。また上記説明において、「CはDであってよい」と「CはEであってよい」とが記載されている場合には、「DはEであってよい」ことを含んでもよい。また上記説明において、「FはGであってよい」と「GはHであってよい」とが記載されている場合には、「FはHであってよい」ことを含んでもよい。
【0185】
本実施形態に関わる装置で動作するプログラムは、本実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであってもよい。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、処理時に一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリに読み込まれ、あるいはフラッシュ
メモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)に格納され、必要に応じてCPUによ
って読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0186】
なお、上述した実施形態における装置の一部、をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現されてもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体等のいずれであってもよい。
【0187】
さらに「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュ-タシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含
んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュ-タシステムにすでに記録されているプログラム
との組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0188】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、すなわち典型的には集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブ
ルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。汎用用途プロセッサ、または前述した各回路は
、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0189】
なお、本実施形態は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
【0190】
以上、この実施形態に関して、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この実施形態の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本実施形態は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本実施形態の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0191】
100 E-UTRA
102 eNB
104 EPC
106 NR
108 gNB
110 5GC
112、114、116、118、120、124 インタフェース
122 UE
200、300 PHY
202、302 MAC
204、304 RLC
206、306 PDCP
208、308 RRC
310 SDAP
210、312 NAS
500、604 受信部
502、602 処理部
504、600 送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9