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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162587
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】男性用尿漏れ処理具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/453 20060101AFI20241114BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20241114BHJP
   A61F 13/471 20060101ALI20241114BHJP
   A61F 13/66 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61F5/453
A61F5/44 H
A61F13/471
A61F13/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078239
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】519433713
【氏名又は名称】株式会社GTアダム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】前田 暢俊
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA14
3B200BA01
3B200BB08
3B200EA01
3B200EA14
4C098AA09
4C098CC31
4C098CD01
4C098CE03
4C098CE13
(57)【要約】
【課題】陰茎に陰茎収容部材を装着することを容易に可能にした男性用尿漏れ処理具を提供すること。
【解決手段】男性用尿漏れ処理具1は、陰茎収容部材10と、陰茎収容部材10が収納される陰茎収容部材収納部23と、腰回りに装着され、陰茎収容部材収納部23を支持するブリーフ20と、陰茎収容部材収納部23に収納され、陰茎収容部材収納部23の内部に陰茎収容部材10を収納する空間を形成する略椀状のカップ部材30と、を備え、陰茎収容部材収納部23は、陰茎収容部材10を通す挿入口22aを有し、陰茎収容部材10は、液体浸透性の内面シート10aと液体不浸透性の外面シート10bとによって袋状に形成され、当該袋状の部分に陰茎を通す陰茎挿入口14aを有し、カップ部材30は、内面側が挿入口22aに対向するように、陰茎収容部材収納部23の内部に収納され、陰茎収容部材10は、カップ部材30の内面側に配置される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の陰茎が収容される陰茎収容部材と、
前記陰茎収容部材が収納される陰茎収容部材収納部と、
使用者の腰回りに装着され、前記陰茎収容部材収納部を陰部に当接させた状態で支持する装着部材と、
前記陰茎収容部材収納部に収納され、前記陰茎収容部材収納部の内部に前記陰茎収容部材が収納される空間を形成する略椀状のカップ部材と、を備え、
前記陰茎収容部材収納部は、前記陰茎収容部材を通す陰茎収容部材挿入口を有し、
前記陰茎収容部材は、液体浸透性の内面シートと液体不浸透性の外面シートとによって袋状に形成され、当該袋状の部分に陰茎を通す陰茎挿入口を有し、
前記カップ部材は、凹状に形成された内面側が前記陰茎収容部材挿入口に対向するように、前記陰茎収容部材収納部の内部に収納され、
前記陰茎収容部材は、前記カップ部材の内面側に配置されることを特徴とする男性用尿漏れ処理具。
【請求項2】
前記カップ部材は、内面に沿って延びる延在部を有し、
当該延在部は、前記陰茎収容部材挿入口の上部に対向することを特徴とする請求項1記載の男性用尿漏れ処理具。
【請求項3】
前記陰茎収容部材は、前記カップ部材の内面に対向する帯状の長尺部分と、当該長尺部分の下部から上方に延びる帯状の短尺部分と、を有し、前記長尺部分の両側部と前記短尺部分の両側部とを接合することによって内部が前記内面シートによって囲まれた袋状に形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の男性用尿漏れ処理具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中高年等の男性の尿漏れに対して普段の予防用及び外出時の装着用として使用される男性用尿漏れ処理具に関する。
【背景技術】
【0002】
中高年の男性の場合、排尿時の尿切れが悪く、排尿終了後に尿漏れが生じてパンツを汚し易くなることが従来から知られている。また、少量の尿漏れによってパンツを通してズボン等の表面にシミが滲んだりして、恥ずかしい思いをしている男性も多い。また、尿水が陰嚢に付着する状態が続けば細菌に侵され易く、皮膚病等を発症するおそれがある。
【0003】
そこで、出願人は、特許文献1に記載された男性用尿漏れ処理具を提案した。特許文献1に開示された男性用尿漏れ処理具は、陰茎が収容される陰茎収容部材と、陰茎収容部材が収納される陰茎収容部材収納部と、陰茎収容部材収納部を陰部に当接させた状態で支持する支持部材と、を備え、陰茎収容部材は、液体浸透性の内面シートと液体不浸透性の外面シートとによって袋状に形成されている、というものである。そして、使用者の陰茎を陰茎収容部材に手作業で挿入し、陰茎が挿入された状態の陰茎収容部材を陰茎収容部材収納部に収納することで、男性用尿漏れ処理具が使用者に装着される。この構成によれば、陰茎の全長のほぼ大半が陰茎収容部材に収容され、陰嚢部分が陰茎収容部材の外側に位置した状態に持っていくことが可能となる。その結果、漏れた尿が陰嚢に付着することはないので、陰嚢が細菌に侵されて皮膚病等を発症することを回避することができる。すなわち、外部に対してだけでなく、内部においても如何に清潔さを保持できるかという課題を解決することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3225186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された男性用尿漏れ処理具においては、陰茎収容部材収納部の材料が綿素材又はポリエステル系素材といった布地からなるため、男性用尿漏れ処理具を身につけた状態では陰茎収容部材収納部が両側部から引っ張られて陰茎収容部材収納部の内部スペースが小さくなる。ここで、陰茎収容部材収納部に陰茎収容部材に収納した状態では、陰茎収容部材が前後方向から押圧されて陰茎収容部材の挿入口が閉じてしまうおそれがある。このため、予め陰茎収容部材を陰茎に取り付けた状態で、陰茎収容部材を陰茎収容部材収納部に収納する必要があり、陰茎収容部材収納部に陰茎収容部材に収納した状態で陰茎収容部材に陰茎を挿入することは手間のかかる作業になる。つまり、片手で陰茎収容部材の挿入口を開いた状態を維持しつつ、もう片方の手で陰茎を陰茎収容部材に誘導する必要がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に対して鑑みなされたものであり、陰茎に陰茎収容部材を装着することを容易に可能にした男性用尿漏れ処理具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は次に記載する構成を備える。
【0008】
(1) 使用者の陰茎が収容される陰茎収容部材(例えば、陰茎収容部材10)と、
前記陰茎収容部材が収納される陰茎収容部材収納部(例えば、陰茎収容部材収納部23)と、
使用者の腰回りに装着され、前記陰茎収容部材収納部を陰部に当接させた状態で支持する装着部材(例えば、ブリーフ20)と、
前記陰茎収容部材収納部に収納され、前記陰茎収容部材収納部の内部に前記陰茎収容部材が収納される空間を形成する略椀状のカップ部材(例えば、カップ部材30)と、を備え、
前記陰茎収容部材収納部は、前記陰茎収容部材を通す陰茎収容部材挿入口(例えば、挿入口22a)を有し、
前記陰茎収容部材は、液体浸透性の内面シート(例えば、内面シート10a)と液体不浸透性の外面シート(例えば、外面シート10b)とによって袋状に形成され、当該袋状の部分に陰茎を通す陰茎挿入口(例えば、陰茎挿入口14a)を有し、
前記カップ部材は、凹状に形成された内面側が前記陰茎収容部材挿入口に対向するように、前記陰茎収容部材収納部の内部に収納され、
前記陰茎収容部材は、前記カップ部材の内面側に配置されることを特徴とする男性用尿漏れ処理具。
【0009】
(1)によれば、少なくとも陰茎の先端部が陰茎収容部材収納部に収納され、陰嚢部分が陰茎収容部材収納部の外側に位置した状態に持っていくことが可能となる。その結果、漏れた尿が陰嚢に付着することはないので、陰嚢が細菌に侵されて皮膚病等を発症することを回避することができる。すなわち、外部に対してだけでなく、内部においても清潔さを保持することができる。また、陰茎収容部材収納部にカップ部材を挿入することにより、陰茎収容部材収納部の内部にカップ部材によって囲まれた空間が形成される。この空間は、使用者が男性用尿漏れ処理具を装着しても大きさが維持されるため、陰茎挿入口が開いた状態の陰茎収容部材をカップ部材の内面側に配置しても、陰茎挿入口は開いた状態で維持される。このため、陰茎収容部材収納部の内部に、陰茎挿入口が開いた状態の陰茎収容部材を配置することが可能になり、陰茎を陰茎収容部材挿入口に挿入するとともに陰茎挿入口を介して陰茎収容部材に挿入することが容易に可能になる。このように、陰茎収容部材収納部の内部に陰茎収容部材を配置した状態で、陰茎を陰茎収容部材に挿入することが容易に可能になる。このように、陰茎に陰茎収容部材を装着することを容易に可能にした男性用尿漏れ処理具を提供することが可能になる。
【0010】
(2) (1)において、前記カップ部材は、内面に沿って延びる延在部(例えば、上部延在部33)を有し、
当該延在部は、前記陰茎収容部材挿入口の上部に対向することを特徴とする男性用尿漏れ処理具。
【0011】
(2)によれば、陰茎収容部材を陰茎収容部材挿入口から陰茎収容部材収納部の内部に通す際に、陰茎収容部材が延在部に当接し、延在部によるガイドに従って陰茎収容部材収納部の下部に移動させることができる。このように、陰茎に陰茎収容部材を装着することを容易に可能にした男性用尿漏れ処理具を提供することが可能になる。
【0012】
(3) (1)、(2)において、前記陰茎収容部材は、前記カップ部材の内面に対向する帯状の長尺部分と、当該長尺部分の下部から上方に延びる帯状の短尺部分と、を有し、前記長尺部分の両側部と前記短尺部分の両側部とを接合することによって内部が前記内面シートによって囲まれた袋状に形成されることを特徴とする男性用尿漏れ処理具。
【0013】
(3)によれば、短尺部分に使用者の陰茎の先端部を挿入することにより、陰茎に陰茎収容部材を装着することが完了する。このように、陰茎に陰茎収容部材を装着することを容易に可能にした男性用尿漏れ処理具を提供することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、陰茎に陰茎収容部材を装着することを容易に可能にした男性用尿漏れ処理具を提供する男性用尿漏れ処理具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1の構成部材を示す説明図である。
図2】本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1に係る陰茎収容部材10の外観を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1に係るブリーフ20の裏側の外観を示す正面図である。
図4】本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1に係るカップ部材30の外観を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1を使用者に装着した状態を示す右側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1の構成部材を示す説明図である。図2は、本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1に係る陰茎収容部材10の外観を示す斜視図である。図3は、本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1に係るブリーフ20の裏側の外観を示す正面図である。図4は、本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1に係るカップ部材30の外観を示す斜視図である。
【0018】
男性用尿漏れ処理具(以下、単に「尿漏れ処理具」と称する)は、図1に示すように、陰茎収容部材10と、ブリーフ20と、カップ部材30と、を備えている。陰茎収容部材10及びカップ部材30は、ブリーフ20の前側の裏面に配置される。
【0019】
陰茎収容部材10は、図2に示すように、液体浸透性の内面シート10aと液体不浸透性の外面シート10bとによって形成された帯状の吸水パッドによって構成されている。陰茎収容部材10は、吸水パッドの長尺方向の一端部をJ字形に曲げを施し、このJ字形の長尺部分12の両側部とJ字形の短尺部分13の両側部分とを重ねて長尺方向に沿って縫合することによって構成され、内側が内面シート10aによって囲まれているポケット部14を備えている。すなわち、ポケット部14は、長尺部分12の下部と、長尺部分12の下部から上方に延びる短尺部分13とによって構成されており、陰茎挿入口14aは、短尺部分13の上部に形成される。
【0020】
陰茎収容部材10の長手方向の長さは陰茎全体を覆うことが可能な長さに設定されており、ポケット部14は少なくとも陰茎の先端部が挿入可能な程度の大きさに設定されている。陰茎収容部材10は使い捨ての物品である。本実施形態における陰茎収容部材10は、尿の吸収量が標準で20ccであり、最大30ccまで吸収可能である吸水パッドを使用している。
【0021】
ブリーフ20は、図3に示すように、男性の使用者の陰部及び腰回りを覆う本体21と、本体21の裏側に縫い付けられる袋布22と、を備えている。
【0022】
本体21は、綿素材又はポリエステル系素材であることが好ましい。本体21は皮膚に触れるものであるため、アレルギー過敏症対策を考える上で好ましいからである。本体21は、若干の伸縮性を有する布地であることが更に好ましい。
【0023】
袋布22は、本体21の裏側における男性の陰部に対向する部位に配置される。袋布22は、本体21と同じ布地によって構成され、略長方形における一方の短辺の中央部から他方の短辺側に向かって蹄形に切り抜かれ、他方の短辺が円弧状に膨らんだ形状である。
【0024】
袋布22は、本体21の前側の上部に一方の短辺部分が配置され、蹄形状の切り抜き部分を本体21の裏面に対向させて配置され、袋布22の外周部分が本体21に縫い付けられる。これにより、本体21において袋布22が縫い付けられた部位が袋状に形成される。また、袋布22における蹄形の切り抜き部位が挿入口22aとなり、この挿入口22aを介して袋状部分の内部への陰茎収容部材10の出し入れが可能になる。このように、本体21における男性の陰部に対向する部位と袋布22とによって、陰茎収容部材10の出し入れが可能な陰茎収容部材収納部23が形成される。使用者がブリーフ20を着用した場合、挿入口22aは少なくとも使用者の陰茎の付け根部分を含む領域に対向する。
【0025】
カップ部材30は、図4に示すように、略椀状に形成されたクッション性を有する樹脂製部材(例えば、ウレタン)によって構成されており、弾性変形しても元の形状に戻る性質を備えている。カップ部材30は、陰茎収容部材10を収納可能な凹状に形成された内面部31と、凸状に形成された外面部32と、を備えている。カップ部材30は、吸水性が小さく、少なくとも内面部31の水滴が外面部32に滲み出ない部材であることが望ましい。
【0026】
カップ部材30は、正面視した場合に上下方向に長い卵形状であり、カップ部材30の上部から、内面部31の傾斜に沿って延びるV字形状の上部延在部33を更に備えている。また、カップ部材30の下部から、内面部31の傾斜に沿って延びる台形形状の下部延在部34を更に備えている。
【0027】
カップ部材30の外周部は、カップ部材30の中央部よりも薄手に形成されている。カップ部材30の外周部は厚さ方向のクッション性が小さく、カップ部材30の中央部は厚さ方向のクッション性が大きい。カップ部材30は、陰茎収容部材10とともに陰茎収容部材収納部23の内部に収納される。
【0028】
[男性用尿漏れ処理具の使用方法]
次に、本実施形態における男性用尿漏れ処理具1の使用方法について、図5を参照しながら説明する。
【0029】
図5は、本発明の一実施形態における男性用尿漏れ処理具1を使用者に装着した状態を示す右側面断面図である。
【0030】
使用者は、まず、ブリーフ20に脚を通しブリーフ20を太もも付近に引き上げる。次に使用者は、手作業でカップ部材30を下部延在部34から挿入口22aを挿入して、陰茎収容部材収納部23の内部に収納する。この時、陰茎収容部材収納部23の内部において、外面部32が本体21の裏面に当接し、内面部31が挿入口22aに対向し、カップ部材30の上部すなわち上部延在部33が陰茎収容部材収納部23の上部に位置し、カップ部材30の下部すなわち下部延在部34が陰茎収容部材収納部23の下部に位置する。
【0031】
陰茎収容部材収納部23の内部にカップ部材30が収納されることにより、陰茎収容部材収納部23の内部にカップ部材30の内面部31によって囲まれた空間35が形成される。この空間35は挿入口22aに連通する。ここで、カップ部材30は、使用者がカップ部材30が収納されたブリーフ20を着用した場合に、本体21からの陰部側への圧力によって陰茎収容部材収納部23の内部で内部変形しない程度の剛性を備えている。このため、この空間35は、ブリーフ20を使用者が着用した場合に縮小することなく維持される。
【0032】
次に使用者は、陰茎収容部材10を、手作業で挿入口22aに挿入して、陰茎収容部材収納部23の内部に収納する。この際、上部延在部33が挿入口22aに対向しているため、陰茎収容部材10を挿入口22aに通したときに陰茎収容部材10が上部延在部33に当接する。更に、上部延在部33は斜め下方に延びているため、陰茎収容部材10を押し込むことにより、上部延在部33によるガイドに従って下方に移動し、陰茎収容部材10の下部が陰茎収容部材収納部23の下部に配置される。
【0033】
次に使用者は、陰茎収容部材10の陰茎挿入口14aを手作業で開く。開かれた陰茎挿入口14aは空間35が安定しているため、開いた状態で維持され易くなる。なお、陰茎収容部材収納部23を収納する前にポケット部14の陰茎挿入口14aを予め開いてから、陰茎収容部材10を陰茎収容部材収納部23に収納してもよい。
【0034】
次に、ブリーフ20を太ももまで引き上げる。最後に、手作業で陰茎を挿入口22aに挿入し、更に陰茎の先端部をポケット部14に挿入することにより、男性用尿漏れ処理具1の装着作業が完了する。
【0035】
男性用尿漏れ処理具1が使用者に装着された際に、陰茎とともに陰茎収容部材10が空間35内で移動可能になる。また、陰茎と陰嚢との間に、短尺部分13と袋布22とが配置されるため、陰茎と陰嚢とが接触しない状態となる。
【0036】
男性用尿漏れ処理具1が使用者に装着された状態において、使用者の陰茎は、カップ部材30の内部において斜め下方を向いた状態で収納されている。このため、所謂チョイ漏れと称されている、放尿後も気付かないうちに尿道に溜まった尿がじわじわと漏れ出した場合に、その尿をポケット部14内に吸収することができる。
【0037】
尿漏れが生じた場合には、次の手順で陰茎収容部材10の交換を行う。
【0038】
まず、ブリーフ20の上部の両側部を左右の手で持って、ブリーフ20を太ももまで引き下げる。これにより、尿を吸収した陰茎収容部材10から陰茎が抜ける。
【0039】
次に、陰茎収容部材収納部23内の陰茎収容部材10の上端部を指で摘まんで、当該陰茎収容部材10を挿入口22aから陰茎収容部材収納部23の外部に引き出し、一般ゴミとして廃棄する。このようにして廃棄すれば、周りを汚すことがない。なお、陰茎収容部材10を引き出す際に、カップ部材30を陰茎収容部材収納部23の外部に引き出す必要はないが、カップ部材30が尿で濡れている場合や所定時間以上使用した場合には交換することが望ましい。
【0040】
次に、陰茎収容部材収納部23に未使用の陰茎収容部材10に手作業で挿入する。そして、陰茎が挿入された陰茎収容部材10を、挿入口22aを介して陰茎収容部材収納部23の内部の空間35に収納する。
【0041】
最後に、ブリーフ20の上部の両側部を左右の手で持って、ブリーフ20を腰まで引き上げ、挿入口22aを介して陰茎を陰茎収容部材10に挿入する。これにより、男性用尿漏れ処理具1が使用者に装着され、陰茎の先端部がポケット部14に包まれた状態で維持される。
【0042】
以上のように、陰茎収容部材10は、尿漏れが生じた場合に、手際よく簡単に取り換えることができる。
【0043】
なお、上述した使用方法によれば、使用者がブリーフ20を太ももまで上げた後に、陰茎収容部材収納部23の内部にカップ部材30及び陰茎収容部材10を収納しているが、それに限らず、陰茎収容部材収納部23の内部にカップ部材30及び陰茎収容部材10を収納してからブリーフ20を着用してもよい。また、ブリーフ20の洗濯時に、カップ部材30を陰茎収容部材収納部23の内部から取り出して、カップ部材30も洗濯することが望ましい。
【0044】
また、カップ部材30によって形成された陰茎収容部材収納部23の内部の空間35に、陰茎及び陰茎収容部材10が配置されているため、陰茎及び陰茎収容部材10が空間35の範囲で特に前後方向の移動が可能になり、陰茎の移動に伴って陰茎収容部材10が移動可能になる。これにより、ゴルフ、テニス、ジョギング等の運動時に、陰茎収容部材収納部23の内部空間の範囲で陰茎がどのような動きをしても、陰茎が陰茎収容部材10から抜け出ることが低減できる。
【0045】
このように構成された本実施形態によれば、陰茎の少なくとも先端部が陰茎収容部材10に収容され、陰嚢部分が陰茎収容部材10を収納する陰茎収容部材収納部23の外側に位置した状態に持っていくことが可能となる。その結果、漏れた尿が陰嚢に付着することはないので、陰嚢が細菌に侵されて皮膚病等を発症することを回避することができる。すなわち、外部に対してだけでなく、内部においても清潔さを保持することができる。また、陰茎収容部材収納部23にカップ部材30を挿入することにより、陰茎収容部材収納部23内に安定した空間35を形成することが可能になり、この空間35に陰茎収容部材10が配置される。これにより、陰茎収容部材10を、陰茎挿入口14aを開けた状態で陰茎収容部材収納部23の内部に収納することが可能になり、ブリーフ20を着用した後に、陰茎を、挿入口22aを介して陰茎収容部材10に挿入することが容易に可能になる。このように、陰茎収容部材10の交換を容易に可能にした男性用尿漏れ処理具を提供することが可能になる。
【0046】
また、陰茎収容部材10における尿の吸収量を20cc(最大30cc)までに抑えているため、陰茎収容部材10の重さを、運動や身体の動きに対して最も安定した重さに維持することができる。これにより、ゴルフ、テニス、ジョギング等の運動時に、所謂チョイ漏れがあって陰茎収容部材10の重さが増したとしても、運動の障害になることが低減される。
【0047】
なお、陰茎収容部材10の尿の吸収量については適宜設定可能である。例えば、前立腺患者や手術後の患者の場合には、尿の漏れ量が比較的多くなる。そこで、陰茎収容部材10の尿の吸収量を例えば80ccとすることによって、前立腺患者や手術後の患者によるチョイ漏れに対応することが可能になる。
【0048】
また、カップ部材30は、ウレタンによって構成されているため、運動時にカップ部材30が弾性変形することにより、使用者が運動時にカップ部材30の存在を意識することが低減され、運動を違和感なく行うことが可能になる。また、カップ部材30の軽量化が図れるため、使用者がカップ部材30の重さを感じることを低減することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した本実施形態によれば、ブリーフ20を例に説明したが、それに限らず、トランクス形のパンツ、Oバックパンツ、ふんどし等にも適用可能であり、要は、使用者の陰部を覆う下着であれば適用可能である。
【0050】
また、上述した本実施形態によれば、カップ部材30は、例えば、ウレタンのような樹脂によって構成されているが、それに限らず、要は、軽量でかつ弾性変形可能な材料で構成されたものであれば適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 男性用尿漏れ処理具
10 陰茎収容部材
10a 内面シート
10b 外面シート
14 ポケット部
14a 陰茎挿入口
20 ブリーフ
21 本体
22 袋布
22a 挿入口
23 陰茎収容部材収納部
30 カップ部材
31 内面部
32 外面部
33 上部延在部
35 空間
図1
図2
図3
図4
図5