(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162609
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078298
(22)【出願日】2023-05-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】レ カン フック
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】シオー ジョズエ
(72)【発明者】
【氏名】ポティセップ カール
(72)【発明者】
【氏名】マラギャル カンブラ マニュエル
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】特定の属性を有するアイテムを除外して、ユーザに対して適切にアイテムを提示できる技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置が第1属性を有するアイテムの提示を制限するための方法であって、複数のアイテムを抽出することであって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出することと、ラベルに関する情報に基づいて、抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定することと、抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定することと、複数のアイテムのうち、第1属性を有しないと判定されたアイテムと、第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示することと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が第1属性を有するアイテムの提示を制限するための方法であって、
複数のアイテムを抽出することであって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出することと、
前記ラベルに関する情報に基づいて、前記抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定することと、
前記抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定することと、
前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記ラベルに関する情報は、ユーザからの報告、商品の画像から算出されたスコア、又は、商品が属するジャンル、の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のアイテムとして、前記ユーザが閲覧しているアイテムに関連する複数のアイテムが抽出され、
前記ユーザが閲覧しているアイテムが表示されるページにおいて、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、前記ユーザに提示する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のアイテムは、前記ユーザの閲覧履歴と、購買履歴と、プロファイル情報との少なくともいずれかに基づいて抽出される、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記推定することは、前記抽出された複数のアイテムに基づいて生成されたグラフ情報をもとに、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かの推定が行われ、
前記グラフ情報は、前記各アイテムに対応するノードと、任意の2つのノードを接続するエッジとからなり、
前記ノードは、対応するアイテムに含まれる商品に関する情報から生成される特徴ベクトルを含み、
前記エッジは、当該エッジの両端に接続されたノードに対応するアイテム同士の類似度に関する情報を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記特徴ベクトルは、前記商品に関するテキスト情報から生成される分散表現と、前記商品に関する画像情報から生成される分散表現との少なくともいずれかを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記推定することは、前記グラフ情報の各ノードに含まれる前記特徴ベクトルを、より低次元の特徴ベクトルに変換した後に、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かの推定が行われる、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記推定することは、前記グラフ情報にコミュニティ抽出手法又はノード分類を適用することによって、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かの推定が行われる、
請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記アイテム同士の類似度に関する情報は、複数のユーザの閲覧履歴と購買履歴との少なくともいずれかに基づいて算出される、
請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記提示することは、前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有すると判定されたアイテムと、前記第1属性を有すると推定されたアイテムとを、ユーザに提示しないことを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記提示することは、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとのうち、所定数のアイテムをユーザに提示することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1属性は、閲覧に注意を要する商品の属性である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
第1属性を有するアイテムの提示を制限するための情報処理装置であって、
複数のアイテムを抽出する抽出部であって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出部と、
前記ラベルに関する情報に基づいて、前記抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定する判定部と、
前記抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定する推定部と、
前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示する提示部と、
を備える情報処理装置。
【請求項14】
第1属性を有するアイテムの提示を制限するためのプログラムであって、
コンピュータに、
複数のアイテムを抽出することであって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出することと、
前記ラベルに関する情報に基づいて、前記抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定することと、
前記抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定することと、
前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適切にアイテムを提示するための情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オンライン上での電子商取引サービスが提供されてきている。電子商取引のウェブサイトでは、ユーザに対する商品の推奨が行われる。例えば、特許文献1には、複数の商品の各々に対応する複数のノードが、商品の類似性に応じて連結されたグラフ情報と、商品の購入を要求する注文情報とにより、購入する商品に類似する商品を抽出し、抽出された類似商品に基づき適切な商品の推奨を行う技術が開示されている。また、特許文献2には、ユーザに関する推奨情報の候補となる商品群から、ユーザへの贈答非推奨一覧中の商品等を除外してユーザに表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-125257号公報
【特許文献2】特開2017-228157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザに関する推奨情報の候補となる商品群に、贈答品として不適切な商品が含まれていても、特許文献2に記載の技術によっては、予め贈答非推奨一覧に含まれていない商品については、それらの商品を除外することができない。
【0005】
本発明の所定の実施形態は、ユーザに対して適切にアイテムを提示できる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る方法は、情報処理装置が第1属性を有するアイテムの提示を制限するための方法であって、複数のアイテムを抽出することであって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出することと、ラベルに関する情報に基づいて、抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定することと、抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定することと、複数のアイテムのうち、第1属性を有しないと判定されたアイテムと、第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示することと、を備える。
【0007】
本開示の他の一態様は、第1属性を有するアイテムの提示を制限するための情報処理装置であって、複数のアイテムを抽出する抽出部であって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出部と、ラベルに関する情報に基づいて、抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定する判定部と、抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定する推定部と、複数のアイテムのうち、第1属性を有しないと判定されたアイテムと、第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示する提示部と、を備える。
【0008】
本開示のさらに他の一態様は、第1属性を有するアイテムの提示を制限するためのプログラムであって、コンピュータに、複数のアイテムを抽出することであって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出することと、ラベルに関する情報に基づいて、抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定することと、抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定することと、複数のアイテムのうち、第1属性を有しないと判定されたアイテムと、第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示することとを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の所定の実施形態によれば、ユーザに対して適切にアイテムを提示できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係る情報処理装置100の機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係る情報処理装置100の物理的構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態に係る情報処理装置100により実行される処理の概要を示す。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係る推定処理の一例を説明する図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に係る閲覧画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に係る閲覧画面の比較例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態に係る閲覧画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、類似するアイテムを抽出する処理の一例を説明する図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態により実行される情報処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る、情報処理装置が第1属性を有するアイテムの提示を制限するための方法、情報処理装置、及びプログラムを説明する。各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0012】
なお、本実施形態において「アイテム」とは、個々の商品及びサービスを示すものであり、例えば、オンラインショッピング等の電子商取引サービスで取引される対象である商品及びサービスは、アイテムの一例である。もっとも、アイテムは、各商品及びサービスそのものに限られず、当該商品及びサービスを示すデータ、画像、その他当該商品及びサービスに関連する各種の情報等を含むものとして捉えてもよい。以下では、主に商品を対象として、本実施形態に係るアイテムの提示を制限するための方法等を実施する場合を例に説明する。従って、アイテムと商品がほぼ同義で使われることもある。
【0013】
図1は、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を示す図である。
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置100と、複数のユーザ端末200-1、200-2、…200-n(nは自然数)とを備え、情報処理装置100と、複数のユーザ端末200-1~200-nとは、例えばインターネットや電話網などのネットワーク20を介して有線または無線によって接続される。以下、ユーザ端末200-1~200-nのうちの任意のユーザ端末をユーザ端末200とも記載する。情報処理システム1は、さらにデータベースDBを備えていてもよい。
【0014】
情報処理装置100は、例えば、ユーザ端末200にオンラインショッピングサイトのウェブページを提供し、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて商品の閲覧や購入を実行する電子商取引サーバであってもよく、例えば1又は複数の物理的なサーバ等から構成されてもよいし、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されてもよいし、クラウドサーバを用いて構成されてもよい。
【0015】
ユーザ端末200は、例えば、情報処理装置100より提供されるオンラインショッピングサイトのウェブページをユーザに表示し、表示されたウェブページに対するユーザの操作を受け付けるように構成されてもよい。ユーザ端末200としては、例えば、ウェブブラウザの機能を有する電子機器が用いられてもよい。ユーザ端末200として、具体的には、例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話端末、携帯電話機等を用いることができる。ユーザは、オンラインショッピングサイトのウェブページが表示されるユーザ端末200を介して、例えば、購入を希望する商品の検索条件の入力、閲覧中の複数の商品からの購入を希望する商品の選択、決済や発送方法の入力等の商品の購入手続きを行うことができる。
【0016】
データベースDBは、例えば、任意のアイテムについて、各アイテムの商品に関する情報とラベルに関する情報とを格納するデータベースであってもよい。以下、各アイテムの商品に関する情報とラベルに関する情報とをまとめて「商品情報」ともいう。データベースDBは、例えば、本実施形態の情報処理システム1により実現される電子商取引プラットフォームにおいて取り扱われる全商品についての商品情報を格納してもよいし、一部の商品について商品情報を格納してもよい。なお、ここでは、商品情報が、外部のデータベースDBに格納される場合を例に説明するが、商品情報は、例えば情報処理装置100のメモリ(後述のメモリ10b(
図3参照))に保存されてもよい。
【0017】
図2は、本開示の実施形態に係る情報処理装置100の機能ブロック図の一例である。情報処理装置100は、抽出部12と、判定部14と、推定部16と、提示部18と、を備える。
【0018】
抽出部12は、例えば情報処理装置100の外部にあるデータベースDBから複数のアイテムを抽出する。抽出される各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む。なお、ここでは、抽出部12が、外部のデータベースDBからアイテムを取得するものとして説明するが、アイテムが情報処理装置100のメモリに保存されている場合には、当該メモリからアイテムを取得してもよい。
【0019】
本開示の実施形態において、商品に関する情報は、個々の商品に関する任意の情報を含むものとしてよく、例えば、商品のタイトル、商品説明、価格、状態、商品画像等を含んでもよい。商品のタイトルは、商品名、ブランド名、製造元、輸入元、色、形、大きさ、その他の商品の特色が含まれ得る。商品に関する情報は、例えば電子商取引のプラットフォームに出品者が出品した際に付されるものであってよく、また、人工知能(AI)によって付与されるものであってもよい。
【0020】
また、ラベルに関する情報は、ユーザからの報告、商品の画像から算出されたスコア、又は、商品が属するジャンル、の少なくともいずれかであってよい。ユーザからの報告については、例えば、ユーザから、気持ち悪い等の理由で、表示しないでほしいとの要望があったか否かに関する情報であってもよい。商品の画像から算出されるスコアは、例えば、機械学習モデルにより算出されてもよく、刺激の強さや低俗さ等の観点でのスコアを、商品の画像に基づいて算出する。画像のスコアを機械学習モデルにより算出する場合、例えば、商品の画像と当該商品に対して予め付与されたスコアとを含む学習データにより学習された学習モデルを用いて、商品の画像のスコアを算出してもよい。商品が属するジャンルとしては、例えば電子部品、文房具、調理器具、介護用品、葬儀用品等、複数の商品の分類に対応する情報であってもよい。
【0021】
判定部14は、抽出部12により抽出された各アイテムのラベルに関する情報に基づいて、抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定する。本実施形態において、第1属性は、任意の属性であってもよく、例えば、成人向け、暴力的、グロテスク、ユーザが不快に感じる等、閲覧に注意を要するセンシティブなアイテムであることを示す属性であってもよい。
【0022】
推定部16は、抽出部12により抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定する。
【0023】
提示部18は、抽出部12により抽出された複数のアイテムのうち、第1属性を有しないと判定されたアイテムと、第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示する。
【0024】
本実施形態の情報処理装置100においては、例えば電子商取引におけるユーザへのアイテムの提示に際し、特定の属性を有しないと判定または推定されたアイテムを、ユーザに提示する。すなわち、特定の属性を有するアイテム、及び、特定の属性を有するか否か不明なアイテムについては、特定の属性を有すると推定される場合には、ユーザに提示しないので、例えば、閲覧に注意を要するセンシティブなアイテムについては、ユーザへ提示される対象から除外することができる。従って、ユーザに対して適切にアイテムを提示することができる。
【0025】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置100の物理的構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、演算部に相当するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ10aと、メモリ10bと、通信部10cと、入力部10dと、表示部10eと、を有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、本例では情報処理装置100が一台のコンピュータで構成される場合について説明するが、情報処理装置100は、複数のコンピュータが組み合わされて実現されてもよい。また、
図3で示す構成は一例であり、情報処理装置100はこれら以外の構成を有してもよいし、これらの構成のうち一部を有さなくてもよい。
【0026】
プロセッサ10aは、メモリ10bに記憶されたプログラムの実行に関する制御やデータの演算、加工を行う制御部である。プロセッサ10aは、各データ等を用いて特定の属性(第1属性)を有するアイテムの提示を制限するためのプログラムを実行する演算部である。プロセッサ10aは、入力部10dや通信部10cから種々のデータを受け取り、データの演算結果を表示部10eに表示したり、メモリ10bに格納したりする。
【0027】
メモリ10bは、例えばRAM(Random Access Memory)と、記憶部に相当するROM(Read only Memory)とを有していてもよい。RAMは、記憶部のうちデータの書き換えが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。RAMは、プロセッサ10aが実行するプログラムや、学習に用いられるデータ(例えば商品情報)を記憶してもよい。なお、これらは例示であって、RAMには、これら以外のデータが記憶されていてもよいし、これらの一部が記憶されていなくてもよい。
【0028】
ROMは、記憶部のうちデータの読み出しが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されていてもよい。ROMは、例えば学習実行プログラムや、書き換えが行われないデータを記憶してもよい。
【0029】
通信部10cは、情報処理装置100を他の機器に接続するインターフェースである。通信部10cは、インターネット等の通信ネットワークに接続されてよい。
【0030】
入力部10dは、ユーザからデータの入力を受け付けるものであり、例えば、キーボード及びタッチパネルの少なくともいずれかを含んでよい。
【0031】
表示部10eは、プロセッサ10aによる演算結果を視覚的に表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されてよい。表示部10eは、例えば、本実施形態に係るアイテムの提示処理プロセスにおいて出力されるアイテム等を表示してもよい。
【0032】
特定の属性(第1属性)を有するアイテムの提示を制限するためのプログラムは、メモリ10b(例えばRAMやROM)等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部10cにより接続される通信ネットワークを介して提供されてもよい。情報処理装置100では、プロセッサ10aが学習プログラムを実行することにより、
図1及び
図2を用いて説明した種々の動作が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、情報処理装置100は、プロセッサ10aとメモリ10bとが一体化したLSI(Large-Scale Integration)を備えていてもよい。また、情報処理装置100は、プロセッサ10aとしてGPU(Graphical Processing Unit)を備えていてもよく、GPUが上記の特定の属性を有するアイテムの提示を制限するためのプログラムを実行することにより、
図1及び
図2を用いて説明した種々の動作が実現されてもよい。
【0033】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置100により実行される処理の概要を示す。本実施形態において、
図4に示されるプロセスは、情報処理装置100がユーザに複数のアイテムをおすすめする際に実行される。例えば、情報処理装置100は、ユーザがユーザ端末200を用いて、ある商品をオンラインショッピングサイトで閲覧しているときに、当該商品に関連する複数のおすすめアイテムを提示することができる。また、例えば、情報処理装置100は、ユーザがユーザ端末200を用いてオンラインショッピングサイトのトップページやマイページ等を開いたときに、当該ユーザが関心等を持つと推定される複数のおすすめアイテムを提示することができる。
【0034】
図4に示すように、本開示の実施形態に係るプロセスにおいては、まず、アイテムの情報が格納されたデータベースDBより、複数のアイテムX1、X2、X3、X4、X5、及びX6を、抽出部12が抽出する(S401)。抽出部12により抽出された複数のアイテムは、ユーザに提示されるアイテムの候補である。抽出される各アイテムX1~X6は、商品に関する情報と、ラベルに関する情報とを含む。なお、
図4では、抽出部12において6個のアイテムを抽出する場合を例示しているが、抽出されるアイテムの数はこれに限られず、任意の個数のアイテムを抽出してよい。
【0035】
本実施形態において、抽出部12において抽出されるアイテムとしては、例えば、ユーザが閲覧しているアイテムに関連するアイテムが抽出されてもよい。具体的には、例えば、ユーザがスマートフォンの購入を検討し、スマートフォンを閲覧している場合に、複数の製造元の複数のモデルのスマートフォンが関連するアイテムとして抽出されてもよい。また、スマートフォンのアクセサリ等が関連するアイテムとして抽出されてもよい。
【0036】
また、抽出部12において抽出されるアイテムは、ユーザの閲覧履歴と、購買履歴と、プロファイル情報との少なくともいずれかに基づいて抽出されてもよい。例えば、ユーザが過去に閲覧したアイテムに関連するアイテムや、ユーザが過去に購買したアイテムに関連するアイテムが抽出されてもよい。あるいは、ユーザの年齢、性別、居住地域、職業、年収等のユーザのプロファイル情報に基づき、アイテムが抽出されてもよい。このとき、例えば、プロファイル情報の類似する他のユーザの閲覧履歴や購買履歴の情報に基づき、アイテムの抽出が行われてもよい。
【0037】
図4に戻り、次にステップS402において、抽出された各アイテムX1~X6について、各アイテムX1~X6のラベルに関する情報に基づき、第1属性を有するか、第1属性を有しないか、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを、判定部14が判定する。本実施形態においては、例えば、ユーザの閲覧に適さない場合に、当該アイテムは第1属性を有すると判定される。言い換えると、本実施形態においては、例えば、ユーザの閲覧に適する場合に、当該アイテムは第1属性を有しないと判定される。
図4では、X1、X2、及びX3は第1属性を有すると判定され、X5及びX6は第1属性を有しないと判定され、X4は第1属性を有するか否か不明と判定される。
【0038】
ラベルの一例は、ユーザからの報告である。例えば、ユーザから表示しないでほしいとの報告があったという情報がラベルとして付されているアイテムは、第1属性を有すると判定されてもよい。ラベルの他の一例は、商品の画像である。例えば、商品の画像から求められたスコアが所定の閾値を超えている(あるいは下回る)アイテムは、第1属性を有すると判定されてもよい。
【0039】
ラベルのさらに他の一例は、各アイテムが属するジャンルである。すなわち、各アイテムに付されている当該アイテムのジャンルに基づいて、判定部14が第1属性を有するか否かを判定してもよい。例えば、データベースDBに、各アイテムに対し、当該アイテムが属するジャンルに関する情報が格納され、また、各ジャンルに対し、当該ジャンルが、ユーザへの提示が適切であるか不適切であるかに関する情報が格納されてもよい。このとき、判定部14は、データベースDBを参照することにより、各アイテムのジャンルと、そのジャンルがユーザへの提示が適切であるか否かの情報とを取得し、ユーザへの提示が不適切なジャンルに属するアイテムは第1属性を有すると判定する。例えば、介護用品や葬儀用品の閲覧を好まないユーザにとっては、これらの商品の属するジャンルが不適切なジャンルとされてもよく、これらの介護用品や葬儀用品以外の電子部品、文房具、調理器具等は閲覧しても支障のない適切なジャンルとされてもよい。
【0040】
本実施形態においては、オンラインショッピングのウェブサイトのユーザの個人設定の画面等において、ジャンルの設定が可能であってもよい。例えば、ジャンルごとに閲覧に適切か、不適切かのラベルを付すことができるように、トグルボタン、チェックボックス、ラジオボタン、ドロップダウンリスト等がジャンルごとに付され、ユーザが選択可能に構成されてもよい。また、ジャンルが階層的に用意されている場合には、閲覧に適切か否かについて、所定の階層において設定するようにしてもよいし、または、異なる階層において設定できるようにしてもよい。例えば、ある上位の階層のジャンル全体について適切または不適切であると設定したい場合には、上位の階層のジャンルについて設定し、下位の階層のジャンルごとに適切または不適切であると設定したい場合には、上位の階層のジャンルでの設定はせず、下位の階層のジャンルに対する設定が行われるように構成されてもよい。
【0041】
ユーザへの提示が適切なジャンルまたは不適切なジャンルは、ユーザによる指定のほか、管理者により予め設定されてもよい。例えば、オンラインショッピングのサイトを運営する管理者により、ユーザへの提示が適切なジャンルまたは不適切なジャンルが予め設定されてもよい。また、管理者は、例えば、ユーザの性別、年齢、職業等、ユーザの属性に応じてユーザへの提示が適切なジャンルまたは不適切なジャンルを設定してもよい。管理者により設定されたユーザへの提示が適切または不適切であるとの情報は、ユーザにより変更できるように構成されてもよい。管理者によりジャンルの設定が行われる態様においても同様に、管理者の設定ページ等において管理者からの選択を受け付けることができるように構成されてもよい。なお、適切なジャンル及び不適切なジャンルの両方が設定されてもよいし、いずれか一方が設定されてもよい。
【0042】
また、判定部14は、ラベルに関する情報に基づいて第1属性の有無の判定ができない場合に、当該アイテムは第1属性を有するか否か不明と判定する。例えば、同一のアイテムに対し、ユーザからの報告が複数回行われており、複数の報告が適切及び不適切の両方を含む場合に、当該アイテムは第1属性を有するか否か不明と判定されてもよい。また、例えば、画像スコアが第1閾値より高い場合に第1属性を有すると判定され、第2閾値より低い場合に第1属性を有しないと判定される場合に、画像スコアが第1閾値より低く、かつ、第2閾値より高い場合に、当該アイテムは第1属性を有するか否か不明と判定されてもよい。また、例えば、当該アイテムに付されたジャンルが、データベースDBにおいて、閲覧に適切か不適切かのいずれとも示されていない場合に、当該アイテムは第1属性を有するか否か不明と判定されてもよい。その他、例えば、ラベルに関する情報が付されていないアイテムについては、第1属性を有するか否か不明と判定されてもよい。なお、あるラベルの判定結果と、他のラベルの判定結果とが異なる場合、判定部14は予め定めておいたルールに基づいて、第1属性を有するか否かを判定してよい。例えば、予め定めておいたラベル間の優先順位に基づいていずれかのラベルの判定結果に従って第1属性の有無を判定してもよいし、複数のラベル間の多数決で判定してもよい。また、ラベル間の判定結果が異なる場合には、第1属性を有するか否か不明と判定してもよい。
【0043】
図4に戻り、次にステップS403において、抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定部16が推定する。
図4に示される例においては、アイテムX4は第1属性を有するか否か不明と判定されており、ステップS403では、アイテムX4が第1属性を有するか否かが推定される。
【0044】
次に、複数のアイテムのうち、第1属性を有しないと判定されたアイテムと、第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、提示部18によりユーザに提示する。
図4に示す例においては、第1属性を有するか否か不明と判定されたアイテムX4が、第1属性を有すると推定された場合(S404)、アイテムX1~X6のうち、第1属性を有しないと判定されたアイテムX5及びX6をユーザに提示する(S405)。すなわち、このとき、第1属性を有すると判定されたアイテムX1、X2、及びX3と、第1属性を有すると推定されたアイテムX4とを、ユーザに提示しない。他方、第1属性を有するか否か不明と判定されたアイテムX4が、第1属性を有しないと推定された場合(S406)、アイテムX1~X6のうち、第1属性を有しないと判定されたアイテムX5及びX6と、第1属性を有しないと推定されたアイテムX4とを、ユーザに提示する(S407)。すなわち、このとき、第1属性を有すると判定されたアイテムX1、X2、及びX3をユーザに提示しない。
【0045】
本実施形態においては、例えば電子商取引においてユーザへアイテムをおすすめするに際し、複数のアイテムの中から、特定の属性を有しないと判定または推定されるアイテムをユーザに提示することとなる。従って、特定の属性を有するか否か不明なアイテムであっても、特定の属性を有すると推定される場合にはユーザに提示しない。これにより、例えば、閲覧に注意を要するセンシティブなアイテムについては、ユーザへ提示する対象から除外することができる。
【0046】
次に、ステップS403における推定処理について説明する。ステップS403において、推定部16は、例えば、抽出された複数のアイテムに基づいて生成されたグラフ情報をもとに、推定処理を行う。このとき、グラフ情報は、各アイテムに対応するノードと、任意の2つのノードを接続するエッジとからなるものを用いることができる。本実施形態においては、グラフ情報は、GNN(Graph Neural Network)により扱われてもよい。GNNは、グラフ構造におけるノードやエッジの特徴量を表現するためのニューラルネットワークである。GNNでは、グラフ構造における各ノードの隣接するノードとエッジの情報を取り入れた特徴表現を学習する。本実施形態においては、例えば、GNNを用いてノード分類を実行することにより、グラフ構造を持つデータに対して、対象となるノードの特徴量とその周辺のノードの情報(特徴量等)を考慮して、各ノードのラベルを予測することができる。例えば、分散表現と第1属性の有無との情報を含むノードと、両端に接続されるノードに対応するアイテム同士の類似度に関する情報を含むエッジとを含むグラフ構造を持つデータに対して、推定部16はGNNを用いたノード分類を実行する。このノード分類の結果に基づいて、推定部16は、第1属性を有するか否か不明のアイテムに対応するノードについて、第1属性を有するか否かの推定を行ってもよい。
【0047】
図5を参照して、グラフ情報に基づくアイテムの第1属性の有無の推定処理について説明する。
図5は、
図4の例と同様に、アイテムXに対し関連するアイテムとして抽出されたアイテムX1~X6について、X1、X2、及びX3は第1属性を有すると判定され、X5及びX6は第1属性を有しないと判定され、X4は第1属性を有するか否か不明と判定され、アイテムX4について、第1属性を有するか否かを推定する場合を例示する。
【0048】
図5に示されるように、推定部16は、まず、グラフ構造を表現するための隣接行列Aを作成する(S501)。隣接行列Aは、例えば、アイテムX1~X6のそれぞれについての、アイテム同士の類似度に基づき構築される。
図5に示す例においては、隣接行列Aの行は、上から順に、アイテムX1、X2、X3、X4、X5、及びX6を表し、同様に、隣接行列Aの列は、左から順に、アイテムX1、X2、X3、X4、X5、及びX6を表す。アイテム同士の類似度に関する情報は、例えば、複数のユーザの閲覧履歴と購買履歴との少なくともいずれかに基づいて算出される関連性のスコアを適用可能であり、関連性のスコアに基づき、隣接行列Aが構築されてもよい。関連性のスコアについては、
図9に一例を示しているが、詳細は後述する。
図5に示す例では、関連性のスコアが所定の閾値よりも高いアイテムに対応するノード間にエッジが接続される。
図5に示されるように、グラフにおいて、アイテムX1、X2、及びX3に対応するノード間、アイテムX3及びアイテムX4に対応するノード間、アイテムX4及びアイテムX5に対応するノード間、及びアイテムX5及びX6に対応するノード間がエッジにより接続される。隣接行列Aによれば、例えば、行と列との交点に0または1が配置され、アイテム間の関連性が高くエッジで接続されるノードの交点には隣接行列Aにおいて1が配置され、これら以外の交点には0が配置されている。
【0049】
各アイテムに対応するノードは、対応するアイテムに含まれる商品に関する情報から生成される特徴ベクトルを含んでいてもよい。本実施形態において、ノードに含まれる特徴ベクトルは、例えば、商品に関するテキスト情報から生成される分散表現と、商品に関する画像情報から生成される分散表現との少なくともいずれかを含んでいてもよい。商品に関するテキスト情報から生成される分散表現は、例えば、fastText等のテキスト埋め込み(Text Embedding)技術を用いて生成されてもよい。また、商品に関する画像情報から生成される分散表現は、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional neural network)等の深層学習を行うことにより生成されてもよい。
【0050】
次に、
図5に示されるように、各アイテムX1~X6に対応するノードに付与された特徴を表現するための特徴行列Fを作成する(S502)。
図5に示される例においては、各アイテムX1~X6に対応するノードに対し、それぞれ、特徴F1…Fmに対応する、x
11~x
1m、x
21~x
2m、x
31~x
3m、x
41~x
4m、x
51~x
5m、x
61~x
6m(mは自然数)で表されるm個の特徴を含む、特徴ベクトルが付与されている。各アイテムの特徴F1…Fmは、商品に関する情報であってもよく、例えば、商品のタイトル、価格、等であってもよい。なお、ここでは特徴F1…Fmとして各アイテムの商品に関する情報を用いる場合を例に説明されているが、商品に関する情報に代えてまたは加えて、各アイテムのラベルに関する情報を特徴F1…Fmとしてもよい。特徴F1…Fmは、商品に関する情報に基づき生成された分散表現を含んでもよい。
【0051】
こうして、各アイテムX1~X6をノードとし、各アイテムに対応するノードを接続するエッジにより構成される、アイテムX1~X6同士の関係のグラフ情報が、生成された隣接行列A及び特徴行列Fに基づき表現される。
【0052】
次に、集約関数を用いて、隣接するノードからの特徴量の集約を行う(S503)。集約関数としては、例えば、隣接するノードの特徴量について、特徴F1…Fmごとに総和を算出する関数や平均を算出する関数が用いられる。
【0053】
続いて、更新関数を用いて、特徴行列Fを更新する(S504)。前のステップにおいて集約された特徴量は、例えば、更新関数としてシグモイド関数やソフトマックス関数等の活性化関数を用いて更新される。
図5に示されるように、更新された特徴行列F´は、特徴F´1…F´kを有する(kはk<mの自然数)。従って、更新後の特徴行列F´においては、各アイテムX1~X6に対応するノードに対する特徴ベクトルが更新され、各ノードは、x´
11~x´
1k、x´
21~x´
2k、x´
31~x´
3k、x´
41~x´
4k、x´
51~x´
5k、x´
61~x´
6kで表されるk個の特徴を含む。
【0054】
本実施形態の特徴量の集約及び特徴行列の更新においては、例えば、グラフ構造とノードの特徴とを入力として、メッセージパッシング(message passing)が実行される。メッセージパッシングを実行して特徴量の集約及び特徴行列の更新を行うことにより、グラフ情報の各ノードの特徴F1…Fmに含まれる分散表現は、より低次元の分散表現に変換される。なお、本実施形態においては、メッセージパッシングが複数回実行されることにより、分散表現が低次元化されてもよい。例えば、メッセージパッシングが3回または4回実行されてもよい。
【0055】
次に、各ノードの更新された特徴ベクトルに基づき、ノード分類(node classification)を実行する(S505)。本実施形態においては、第1属性を有するか否か不明なアイテムX4についての低次元化された特徴ベクトルx′41~x′4kを用いて、ノード分類を実行する。ノード分類を適用することにより、第1属性を有するか否か不明のアイテムに対応するノードについて、第1属性を有すると判断されたアイテムのノードカテゴリか、第1属性を有しないと判断されたアイテムのノードカテゴリか、いずれに属するかを推定することができる。こうして、グラフ情報の各ノードに含まれる特徴ベクトルを、より低次元のベクトルに変換した後に、第1属性を有するか否か不明のアイテムX4が第1属性を有するか否かの推定が行われる。
【0056】
本実施形態においては、ノード分類に代えて、グラフ情報にコミュニティ抽出手法(community detection)を適用してもよい。コミュニティ抽出手法により、複数のノードにつき、互いに類似性の高いノード同士が属する複数のコミュニティを検出することができる。本実施形態においては、例えば、コミュニティ抽出手法を適用することにより、第1属性を有するか否か不明のアイテムに対応するノードについて、第1属性を有すると判断されたアイテムのコミュニティか、第1属性を有しないと判断されたアイテムのコミュニティか、いずれに属するかを推定することができる。
【0057】
次に、
図6乃至
図8を参照して、本実施形態の適用例を説明する。
【0058】
図6は、ユーザがある商品をオンラインショッピングサイトで閲覧しているときに、当該商品に関連する複数のアイテムを提示する場合に本実施形態を適用したときの閲覧画面の一例を示す図である。これに対し、
図7は従来技術を適用した場合の閲覧画面の比較例を示す図である。
図6及び7の例はいずれも、ユーザが商品Xを閲覧しているときに、ユーザが閲覧している商品Xに関連するアイテムがp個(X1~Xp)抽出され、そのうちアイテムX1~X3は第1属性を有すると判定または推定されたものとする。
【0059】
このとき、本実施形態における提示技術を用いると、
図6に示されるように、第1属性を有すると判定または推定されたアイテムX1~X3は、おすすめから除外されユーザには提示されず、第1属性を有しないと判定または推定されたアイテムが所定数(ここでは6アイテム)、おすすめのアイテムとしてユーザに提示される。なお、抽出されたアイテム数pが多く、第1属性を有しないと判定または推定されたアイテムが上記所定数より多い場合は、ユーザの操作等により、おすすめアイテムを順番に提示してもよい。これに対し、従来技術を用いた比較例は、
図7に示されるように、第1属性を有すると判定または推定されるアイテムX1~X3も含めて、おすすめのアイテムとしてユーザに提示されてしまう。
【0060】
図8は、ユーザがオンラインショッピングサイトのトップページやマイページ等を開いたときに、当該ユーザが関心等を持つと推定される複数のアイテムを提示する場合に本実施形態を適用したときの閲覧画面の一例を示す図である。同図に示されるように、ユーザがこれまでに閲覧してきた商品の履歴に基づいて、当該ユーザにおすすめのアイテムが複数提示される。同図においては、第1属性を有すると判定または推定されたアイテムX1~X3はおすすめアイテムから除外されユーザには提示されず、第1属性を有しないと判定または推定されたアイテムが所定数、おすすめのアイテムとして、ユーザに提示される。
【0061】
なお、
図6及び
図8に記載した例において、おすすめのアイテムとしてユーザに提示されるアイテム数は、電子商取引サービスの提供者や管理者により設定されてもよいし、あるいは、ユーザにより設定されてもよい。例えば、電子商取引のウェブページにおいて、ユーザに推奨商品を提示する場合に、最多で5つの商品を表示するように設定しておき、第1属性を有しないと判定または推定されたアイテムの合計が5未満である場合には全てのアイテムを提示し、合計が5以上である場合には、5つのアイテムを提示してもよい。
【0062】
次に、
図9を参照して、抽出部12において実行される、アイテムを抽出する処理の例を説明する。
【0063】
図9に示されるように、まず、複数のユーザの閲覧履歴及び購入履歴に関する情報を収集する(S901)。同図では、例えば、ユーザAは、アイテムX1、X2、X3、X4、及びX5をこの順で閲覧し、ユーザBは、アイテムX6、X1、X2、X7、及びX3をこの順で閲覧し、ユーザCは、アイテムX1、X8、X2、X3、及びX9をこの順で閲覧した場合が例示される。
【0064】
次に、複数のユーザA~Cが閲覧または購入したアイテムを特定する(S902)。
図9に示される例においては、ユーザA~Cのいずれもが、アイテムX1、X2、及びX3を閲覧しているので、アイテムX1、X2、及びX3が特定される。
【0065】
続いて、複数のアイテム間の関連性のスコアを算出する(S903)。関連性のスコアは、例えば、任意の2つのアイテムについて、当該アイテムのそれぞれを閲覧または購入したユーザの総数に対する、両方のアイテムを閲覧または購入したユーザの総数の割合を算出することにより、求められてもよい。ここで例示するスコアを用いることにより、ある2つのアイテムについて、両方のアイテムを閲覧したユーザの比率が多い程、関連性のスコアが高くなる。
【0066】
例えば、
図9に示す例では、アイテムX1~X9のうち、アイテムX1とX2、X2とX3、及びX1とX3の間の関連性のスコアが、他の任意の2つのアイテムの間の関連性のスコアよりも高い値となる。そのため、他のユーザDが、アイテムX1を閲覧したとき、抽出部12は、アイテムX1との間の関連性のスコアが他よりも高いアイテムX2とX3を、アイテムX1と関連性の高いアイテムとして抽出する。なお、上記の例では、各ユーザの閲覧履歴が5つの場合を示したが、これに限られないことは言うまでもない。
【0067】
ユーザの閲覧履歴または購入履歴としては、例えば、所定期間内の閲覧履歴または購入履歴が用いられてもよい。用いられる閲覧履歴または購入履歴の期間は、例えば同一セッション内や同日中であってもよい。同一セッション内において閲覧される商品は互いに関連性が高いと推定されるので、同一セッション内の閲覧履歴に基づき関連性を算出することにより、算出される関連性の精度を向上することができる。また、同一セッションではなく、例えば通信の中断や、ブラウザの一時的な終了及び再開等が発生したとしても、同日中に閲覧される商品についても互いに関連性が高いと推定されるので、同日中の閲覧履歴に基づき関連性のスコアを算出することによっても、関連性の精度を向上することができる。
【0068】
また、提示部18は、抽出されたアイテムをユーザに提示するとき、関連性のスコアに基づきアイテムが提示される順番を決定してもよい。例えば、閲覧中のアイテムXに関連するアイテムとしてアイテムX1、X2、及びX3が抽出されたとき、アイテムXと、アイテムX1、X2、及びX3との間の関連性のスコアをそれぞれ算出し、アイテムX1、X2、及びX3が、アイテムXとの関連性の高い順に並べて提示部18により提示されてもよい。なお、本実施形態において、関連性の高さの順に提示されるアイテムX1、X2、及びX3は、第1属性を有しないと判定または推定されたアイテムである。
【0069】
図10を参照して、本実施形態に係る情報処理装置100により実行される特定の属性(第1属性)を有するアイテムの提示を制限するための情報処理を説明する。
図10は、本実施形態により実行される情報処理のフローチャートの一例である。
【0070】
まず、抽出部12が複数のアイテムを抽出する(S1001)。複数のアイテムに含まれる各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む。
【0071】
次に、判定部14が、ラベルに関する情報に基づいて、抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定する(S1002)。
【0072】
続いて、推定部16が、抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定する(S1003)。
【0073】
次に、提示部18が、複数のアイテムのうち、第1属性を有しないと判定されたアイテムと、第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示する(S1004)。
【0074】
従って、本実施形態においては、ユーザへのおすすめのアイテムの候補として抽出された複数のアイテムの中に特定の属性を有するアイテムが含まれている場合に、当該アイテムをユーザに提示する対象から除外することができる。加えて、特定の属性を有するか否か不明なアイテムについても、特定の属性を有すると推定される場合には、ユーザに提示する対象から除外することができる。これにより、ユーザにおすすめのアイテムを提示する際に、閲覧に注意を要するセンシティブなアイテムについては、ユーザへの提示を控えることができる。従来の電子商取引サービスにおいては、ユーザが閲覧を望まない商品がおすすめのアイテムに含まれて提示される可能性があり、その場合、ユーザからの電子商取引サービスに対する印象の悪化が誘発され、利用ユーザの減少の原因となる可能性が考えられる。本開示の実施形態に係るアイテムの提示を制限する処理を適用することにより、ユーザが閲覧を望まない商品の提示を制限することができるので、利用ユーザに対し魅力的な電子商取引サービスの提供が可能となる。
【0075】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【0076】
(付記1)
情報処理装置が第1属性を有するアイテムの提示を制限するための方法であって、
複数のアイテムを抽出することであって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出することと、
前記ラベルに関する情報に基づいて、前記抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定することと、
前記抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定することと、
前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示することと、
を備える方法。
【0077】
(付記2)
前記ラベルに関する情報は、ユーザからの報告、商品の画像から算出されたスコア、又は、商品が属するジャンル、の少なくともいずれかを含む、付記1に記載の方法。
【0078】
(付記3)
前記複数のアイテムとして、前記ユーザが閲覧しているアイテムに関連する複数のアイテムが抽出され、
前記ユーザが閲覧しているアイテムが表示されるページにおいて、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、前記ユーザに提示する、
付記1または2に記載の方法。
【0079】
(付記4)
前記複数のアイテムは、前記ユーザの閲覧履歴と、購買履歴と、プロファイル情報との少なくともいずれかに基づいて抽出される、
付記1乃至3のいずれかに記載の方法。
【0080】
(付記5)
前記推定することは、前記抽出された複数のアイテムに基づいて生成されたグラフ情報をもとに、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かの推定が行われ、
前記グラフ情報は、前記各アイテムに対応するノードと、任意の2つのノードを接続するエッジとからなり、
前記ノードは、対応するアイテムに含まれる商品に関する情報から生成される特徴ベクトルを含み、
前記エッジは、当該エッジの両端に接続されたノードに対応するアイテム同士の類似度に関する情報を含む、
付記1乃至4のいずれかに記載の方法。
【0081】
(付記6)
前記特徴ベクトルは、前記商品に関するテキスト情報から生成される分散表現と、前記商品に関する画像情報から生成される分散表現との少なくともいずれかを含む、
付記5に記載の方法。
【0082】
(付記7)
前記推定することは、前記グラフ情報の各ノードに含まれる分散表現を、より低次元の分散表現に変換した後に、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かの推定が行われる、
付記5または6に記載の方法。
【0083】
(付記8)
前記推定することは、前記グラフ情報にコミュニティ抽出手法又はノード分類を適用することによって、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かの推定が行われる、
付記5乃至7のいずれかに記載の方法。
【0084】
(付記9)
前記アイテム同士の類似度に関する情報は、複数のユーザの閲覧履歴と購買履歴との少なくともいずれかに基づいて算出される、
付記5乃至8のいずれかに記載の方法。
【0085】
(付記10)
前記提示することは、前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有すると判定されたアイテムと、前記第1属性を有すると推定されたアイテムとを、ユーザに提示しないことを含む、
付記1乃至9のいずれかに記載の方法。
【0086】
(付記11)
前記提示することは、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとのうち、所定数のアイテムをユーザに提示することを含む、
付記1乃至10のいずれかに記載の方法。
【0087】
(付記12)
前記第1属性は、閲覧に注意を要する商品の属性である、付記1乃至11のいずれかに記載の方法。
【0088】
(付記13)
第1属性を有するアイテムの提示を制限するための情報処理装置であって、
複数のアイテムを抽出する抽出部であって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出部と、
前記ラベルに関する情報に基づいて、前記抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定する判定部と、
前記抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定する推定部と、
前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示する提示部と、
を備える情報処理装置。
【0089】
(付記14)
第1属性を有するアイテムの提示を制限するためのプログラムであって、
コンピュータに、
複数のアイテムを抽出することであって、各アイテムは商品に関する情報とラベルに関する情報とを含む、抽出することと、
前記ラベルに関する情報に基づいて、前記抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定することと、
前記抽出された複数のアイテムそれぞれの商品に関する情報に少なくとも基づいて、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定することと、
前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示することと、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0090】
1 情報処理システム
10a プロセッサ
10b メモリ
10c 通信部
10d 入力部
10e 表示部
12 抽出部
14 判定部
16 推定部
18 提示部
20 ネットワーク
100 情報処理装置
200 ユーザ端末
200-1、200-2、200-n ユーザ端末
200-1 ユーザ端末
200-2 ユーザ端末
DB データベース
【手続補正書】
【提出日】2024-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が第1属性を有するアイテムの提示を制限するための方法であって、
商品に関する情報とラベルに関する情報とが付された、複数のアイテムを抽出することと、
前記ラベルに関する情報に基づいて、前記抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定することと、
前記第1属性を有するか否か不明と判定されたアイテムの商品に関する情報に基づいて、前記第1属性を有するか否か不明と判定されたアイテムが第1属性を有するか否かを推定することと、
前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示することと、
を備え、
前記ラベルに関する情報は、ユーザからの報告、商品の画像から算出されたスコア、又は、商品が属するジャンル、の少なくともいずれかを含み、
前記判定することにおいては、
前記ラベルに関する情報が、前記ユーザからの報告である場合には、ユーザから表示しないでほしいとの報告があるか否かに基づいて、
前記ラベルに関する情報が、前記商品の画像から算出されたスコアである場合には、前記商品の画像から算出されたスコアが所定の閾値を超えているか否かに基づいて、または、
前記ラベルに関する情報が、前記商品が属するジャンルである場合には、前記ジャンルが予め設定された、ユーザへの提示が適切なジャンルか不適切なジャンルかに基づいて、
前記抽出された各アイテムが前記第1属性を有する、有しない、又は第1属性を有するか否か不明、のいずれかが判定され、
前記推定することにおいては、前記抽出された各アイテムに対応するノードを含むグラフニューラルネットワークを用いて、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムに対応するノードの特徴量と、周辺のノードの特徴量とに基づき、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かが推定され、 前記第1属性は、閲覧に注意を要する商品の属性である方法。
【請求項2】
前記複数のアイテムとして、前記ユーザが閲覧しているアイテムに関連する複数のアイテムが抽出され、
前記ユーザが閲覧しているアイテムが表示されるページにおいて、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、前記ユーザに提示する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のアイテムは、前記ユーザの閲覧履歴と、購買履歴と、プロファイル情報との少なくともいずれかに基づいて抽出される、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記グラフニューラルネットワークは、前記グラフニューラルネットワークに含まれる前記抽出された各アイテムに対応するノードと、任意の2つのノードを接続するエッジとからなるグラフ構造を有し、
前記ノードは、対応するアイテムに含まれる商品に関する情報から生成される特徴ベクトルを含み、
前記エッジは、当該エッジの両端に接続されたノードに対応するアイテム同士の類似度に関する情報を含み、
前記推定することにおいては、
前記グラフ構造を表現するための隣接行列を作成することと、
前記抽出された各アイテムに対応するノードに付与された特徴を表現する特徴行列を作成することと、
集約関数を用いて、隣接するノードからの特徴量を集約することと、
更新関数を用いて、前記特徴行列を更新することと、が実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特徴ベクトルは、前記商品に関するテキスト情報から生成される分散表現と、前記商品に関する画像情報から生成される分散表現との少なくともいずれかを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記推定することは、前記グラフ構造の各ノードに含まれる前記特徴ベクトルを、より低次元の特徴ベクトルに変換した後に、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かの推定が行われる、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記推定することは、前記グラフ構造にコミュニティ抽出手法又はノード分類を適用することによって、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かの推定が行われる、
請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記アイテム同士の類似度に関する情報は、複数のユーザの閲覧履歴と購買履歴との少なくともいずれかに基づいて算出される、
請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記提示することは、前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有すると判定されたアイテムと、前記第1属性を有すると推定されたアイテムとを、ユーザに提示しないことを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記提示することは、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとのうち、所定数のアイテムをユーザに提示することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1属性を有するアイテムの提示を制限するための情報処理装置であって、
商品に関する情報とラベルに関する情報とが付された、複数のアイテムを抽出する抽出部と、
前記ラベルに関する情報に基づいて、前記抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定する判定部と、
前記第1属性を有するか否か不明と判定されたアイテムの商品に関する情報に基づいて、前記第1属性を有するか否か不明と判定されたアイテムが第1属性を有するか否かを推定する推定部と、
前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示する提示部と、
を備え、
前記ラベルに関する情報は、ユーザからの報告、商品の画像から算出されたスコア、又は、商品が属するジャンル、の少なくともいずれかを含み、
前記判定部は、
前記ラベルに関する情報が、前記ユーザからの報告である場合には、ユーザから表示しないでほしいとの報告があるか否かに基づいて、
前記ラベルに関する情報が、前記商品の画像から算出されたスコアである場合には、前記商品の画像から算出されたスコアが所定の閾値を超えているか否かに基づいて、または、
前記ラベルに関する情報が、前記商品が属するジャンルである場合には、前記ジャンルが予め設定された、ユーザへの提示が適切なジャンルか不適切なジャンルかに基づいて、
前記抽出された各アイテムが前記第1属性を有する、有しない、又は第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定し、
前記推定部は、前記抽出された各アイテムに対応するノードを含むグラフニューラルネットワークを用いて、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムに対応するノードの特徴量と、周辺のノードの特徴量とに基づき、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かを推定し、
前記第1属性は、閲覧に注意を要する商品の属性である情報処理装置。
【請求項12】
第1属性を有するアイテムの提示を制限するためのプログラムであって、
コンピュータに、
商品に関する情報とラベルに関する情報とが付された、複数のアイテムを抽出することと、
前記ラベルに関する情報に基づいて、前記抽出された各アイテムが第1属性を有する、第1属性を有しない、又は、第1属性を有するか否か不明、のいずれかを判定することと、
前記第1属性を有するか否か不明と判定されたアイテムの商品に関する情報に基づいて、前記第1属性を有するか否か不明と判定されたアイテムが第1属性を有するか否かを推定することと、
前記複数のアイテムのうち、前記第1属性を有しないと判定されたアイテムと、前記第1属性を有しないと推定されたアイテムとを、ユーザに提示することと、
を実行させるためのプログラムであり、
前記ラベルに関する情報は、ユーザからの報告、商品の画像から算出されたスコア、又は、商品が属するジャンル、の少なくともいずれかを含み、
前記判定することにおいては、
前記ラベルに関する情報が、前記ユーザからの報告である場合には、ユーザから表示しないでほしいとの報告があるか否かに基づいて、
前記ラベルに関する情報が、前記商品の画像から算出されたスコアである場合には、前記商品の画像から算出されたスコアが所定の閾値を超えているか否かに基づいて、または、
前記ラベルに関する情報が、前記商品が属するジャンルである場合には、前記ジャンルが予め設定された、ユーザへの提示が適切なジャンルか不適切なジャンルかに基づいて、
前記抽出された各アイテムが前記第1属性を有する、有しない、又は第1属性を有するか否か不明、のいずれかが判定され、
前記推定することにおいては、前記抽出された各アイテムに対応するノードを含むグラフニューラルネットワークを用いて、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムに対応するノードの特徴量と、周辺のノードの特徴量とに基づき、前記第1属性を有するか否か不明のアイテムが第1属性を有するか否かが推定され、
前記第1属性は、閲覧に注意を要する商品の属性である、プログラム。