(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162629
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20241114BHJP
F21V 21/30 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
F21V23/00 130
F21V23/00 160
F21V21/30 300
F21V23/00 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078338
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】粟野 孝司
(72)【発明者】
【氏名】小野 隆
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】点灯装置を外部電源と電気的に接続するリード線に対するノイズを抑制する。
【解決手段】光を照射する複数の光源ユニットと、前記複数の光源ユニットのそれぞれに電力を供給する複数の点灯装置と、前記複数の光源ユニットが外部に配置されるとともに前記複数の点灯装置が内部に配置される金属筺体と、前記複数の点灯装置のそれぞれを外部電源と電気的に接続させる複数のリード線と、前記複数のリード線の一部を覆うシールドと、を備え、前記シールドは、前記複数のリード線のうち、接続される点灯装置とは異なる他の点灯装置と対向する部分を持つリード線の少なくとも前記対向する部分を覆う。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する複数の光源ユニットと、
前記複数の光源ユニットのそれぞれに電力を供給する複数の点灯装置と、
前記複数の光源ユニットが外部に配置されるとともに前記複数の点灯装置が内部に配置される金属筺体と、
前記複数の点灯装置のそれぞれを外部電源と電気的に接続させる複数のリード線と、
前記複数のリード線の一部を覆うシールドと、を備え、
前記シールドは、前記複数のリード線のうち、接続される点灯装置とは異なる他の点灯装置と対向する部分を持つリード線の少なくとも前記対向する部分を覆う
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記シールドは、接地されている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記シールドは、前記対向する部分からはみ出す部分も覆う
ことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、工場等の建築物の高天井に設置する照明装置として、水銀灯を用いた照明装置が主流であった。しかし、近年、水銀灯を用いた照明装置に替わり、LEDを用いた照明装置が増加してきている。このような照明装置として、例えば、特許文献1に記載されている照明装置は、光を照射する光源(LED)と、光源に電力を供給する点灯装置と、光源を外部に実装するとともに点灯装置を内部に実装する本体部(ケース)と、を備えている(同文献の段落0014~0016、0036参照)。
【0003】
また、同文献の段落0037に「電源基板30は、第1接続部31と、第2接続部32と、電源部である変圧器33と、を有している。第1接続部31は、内部配線である第1リード線37を介して接続端子35(
図1参照)と接続される。これにより、電源基板30は、図示せぬ外部電源と電気的に接続される」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同文献の照明装置では、同文献の
図7に記載されているように、2枚の点灯装置30は並べられて収納部11の内部に配置され、接続端子35が一方の点灯装置30側に配置されている。そのため、接続端子35と離れた他方の点灯装置30と、接続端子35とを第1リード線37で接続する場合、第1リード線が接続端子35側の点灯装置30と対向することになる。そして、このように第1リード線37が点灯装置30と対向する場合、対向する点灯装置30から第1リード線37に対してノイズが発生してしまうという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、点灯装置を外部電源と電気的に接続するリード線に対するノイズを抑制することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の照明装置は、例えば、光を照射する複数の光源ユニットと、前記複数の光源ユニットのそれぞれに電力を供給する複数の点灯装置と、前記複数の光源ユニットが外部に配置されるとともに前記複数の点灯装置が内部に配置される金属筺体と、前記複数の点灯装置のそれぞれを外部電源と電気的に接続させる複数のリード線と、前記複数のリード線の一部を覆うシールドと、を備え、前記シールドは、前記複数のリード線のうち、接続される点灯装置とは異なる他の点灯装置と対向する部分を持つリード線の少なくとも前記対向する部分を覆う。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、点灯装置を外部電源と電気的に接続するリード線に対するノイズを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図8】照明装置の内部をY軸正方向側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0011】
<照明装置の概要>
本実施形態に係る照明装置1は、部品点数を低減すること、装置の軽量化を図ること、装置の冷却効率を向上させること、後記する本体部10を製造し易くすること等を意図した構造になっている。
【0012】
以下、
図1~
図7を参照して、本実施形態に係る照明装置1の概要につき説明する。本実施形態では、照明装置1が図示せぬ工場等の建築物の天井に設置されているものとして説明する。ただし、照明装置1の設置場所は、この限りでない。
図1は、本実施形態に係る照明装置1の天井方向から見た斜視図である。
図2は、照明装置1の側面図である。
図3は、照明装置1の床面方向から見た斜視図である。
図4は、照明装置1の下面図である。
図5は、照明装置1の断面図であり、
図2に示す線X1-X1に沿って切断した照明装置1の切断面の形状を示している。
図6は、照明装置1の本体部10の説明図である。
図7は、照明装置1の分解斜視図である。
【0013】
本実施形態に係る照明装置1は、本体部10(収納部11、載置部15)と、LED(LightEmittingDiode)41と、電源基板30(後述の
図5参照)と、光源基板40と、透光カバー60、アーム70と、を備えている。
【0014】
<<本体部10>>
本体部10は、LED41が外部に配置される(
図3参照)とともに、後述の電源基板30(
図5参照)が内部に配置されるケースである。
【0015】
本体部10は、電源基板30(
図5参照)を収納する収納部11と、下面側にLED41を載置する載置部15と、を有している。本実施形態では、収納部11と載置部15とは、金属材による押出成型で一体に成型されており、本体部10は、金属筺体として機能する。
【0016】
収納部11は、側面視で長方形の右下角部と左下角部とを切り欠くことによって形成された五角形の形状を呈している(
図5参照)。収納部11は、中空な筒状になっている(
図5参照)。
【0017】
図1に示すように、収納部11の正面側(又は背面側)の壁面には、接続端子35が取り付けられている。接続端子35には、外部配線である口出し線36が接続されている。
【0018】
載置部15は、収納部11の底面部分に配置されている。載置部15は、側面視で、複数のフィン17が上方向に突出するように形成された上面と、平坦面状に形成された下面と、を有する板状の形状を呈している(
図5参照)。フィン17は、放熱用のヒートシンクとして機能する板状の突起部である。フィン17は、収納部11の筒の延在方向に沿って形成されている。フィン17は、放熱性の良い材料で形成することが望ましい。また、フィン17は、なるべく軽い材料で形成することが望ましい。そのため、フィン17(つまり、フィン17を一体に有する本体部10)は、アルミニウム合金等の材料で形成することが望ましい。
【0019】
図2に示すように、収納部11の筒の両端部には、側板20が取り外し自在な状態で取り付けられている。収納部11の内部は、Oリング81a(
図7参照)等の封止部材を介して側板20が収納部11の両端部に取り付けられることによって、密封されている。側板20は、好ましくは、重量を軽減することができるように、樹脂材で作られているとよい。ただし、側板20は、金属材で作ることも可能である。
【0020】
<<LED41、光源基板40>>
LED41は、光を照射する光源である。本実施形態では、光源がLED41で構成されているものとして説明する。しかしながら、光源はLED以外の発光部品で構成することができる。LED41は、光源基板40(
図3及び
図4参照)に実装されており、光源基板40を介して絶縁された状態で載置部15に載置されている。
【0021】
図3及び
図4に示すように、本体部10の載置部15の下面には、光源基板40が実装されている。光源基板40は、多数のLED41が下面側に実装された基板である。光源基板40は、下面側に各LED41と電気的に接続された接続部42を備えている。光源基板40は、配線パターンを内蔵しており、接続部42から入力される電力を配線パターンでLED41に供給する。
【0022】
本実施形態では、光源基板40の下面視形状が略正方形になっている(
図4参照)。また、光源基板40を実装する載置部15の下面視形状は長方形になっている(
図4参照)。しかしながら、光源基板40や載置部15の下面視形状は、長方形に限らず、正方形や、円形、楕円形等の任意の形状にすることができる。
【0023】
また、本実施形態では、光源基板40の下面側に実装された各LED41によって、4つの光源の集合体(以下、「光源群」と称する)が形成されている(
図4参照)。ただし、光源群の数は、4つに限らず、増減することができる。また、本実施形態では、各光源群の下面視形状が円形になっている(
図4参照)。しかしながら、各光源群の下面視形状は、円形に限らず、矩形や楕円形等の任意の形状にすることができる。
【0024】
光源基板40には、上面側から下面側に貫通する開口部16が形成されている。後記する第2リード線38は、開口部16(
図6参照)を介して載置部15の下面側から本体部10の外部に出て、接続部42に接続されている。照明装置1は、第2リード線38を介して電源基板30(
図5参照)から電力を光源基板40に供給して各LED41を点灯させる。
【0025】
LED41は、点灯時に熱を発する。LED41が発した熱は、光源基板40を介して載置部15に伝わる。載置部15に伝わった熱は、載置部15に形成されたフィン17が外部空気に触れることにより、放熱される。これにより、載置部15の周囲の空気の温度が上昇する。温度が上昇した空気は、熱対流を起こし、フィン17の煙突効果により、載置部15の上方に誘導される。
【0026】
<<透光カバー60>>
図1~4に示す透光カバー60は、光を透過するカバーである。透光カバー60は、Oリング81b(
図5及び
図7参照)等の封止部材を介して、光源基板40の四辺を覆うように、載置部15の下面側に実装されている。本実施形態では、透光カバー60は、ガラスやプラスチック等の透光性を有する材料で作られているものとして説明する。
【0027】
なお、照明装置1は、内面が反射面(鏡面)状になっている反射筒(図示せず)を各光源群の周囲に備えていてもよい。照明装置1は、図示せぬ反射筒を備えることによって、各光源群から照射された光を反射させながら下方(床面方向)に導くことができる。
【0028】
<<アーム70>>
収納部11の筒の両端部の側板20の外側には、アーム70が取り付けられている。アーム70は、リベット71(
図1参照)等の締結部材によって本体部10に形成されたアーム取付け部14(
図6参照)に締結されている。
図1に示すアーム70は、高天井等の設置場所に照明装置1を取り付けるための取付け部材である。
【0029】
アーム70は、正面視で上下方向を逆向きにした略U字状の形状を呈している。照明装置1は、アーム70を介してLED41や電源基板30(
図5参照)から発せられた熱を建築物に伝える。そのため、アーム70は、伝熱性の良い材料で形成することが望ましい。また、アーム70は、照明装置1全体の重さを支えるために、重量に耐えうる材料で形成することが望ましい。伝熱性が良く、また、重量に耐えうることを考慮すると、アーム70は、鉄等の材料で形成することが望ましい。また、アーム70は、塩や錆等による腐食を防止する構成であることが好ましい。本実施形態では、アーム70は、腐食防止用の塗装が施された鋼板で作られているものとして説明する。
【0030】
照明装置1は、工場等の建築物の天井にアーム70によって取り付けられる。また、照明装置1は、口出し線36が建築物に設けられた図示せぬ屋内配線器具に接続されることによって、図示せぬ外部電源と電気的に接続される。
【0031】
<リフレクタ50>
照明装置1は、光を反射させるリフレクタ50を取り付けてもよい。リフレクタは、内面側に反射面が配置された部材である。照明装置1は、リフレクタ50を取り付けることにより、光の照射角度を変更することができる。
【0032】
<照明装置の詳細説明>
以下、
図5~
図7を参照して、照明装置1について詳細に説明する。
【0033】
<電源基板30>
図5に示すように、照明装置1は、本体部10の収納部11の内部に、電源基板30を備えている。電源基板30は、LED41(
図3及び
図4参照)に電力を供給する点灯装置として機能する基板である。収納部11の内壁面には、電源基板30が差し込まれるレール12(
図6参照)が形成されている。電源基板30は、側板20(
図1参照)が収納部11の片側の端部から取り外された状態で収納部11の内部に挿入される。このとき、電源基板30は、レール12(
図6参照)に差し込まれることによって、所定の位置に円滑に実装される。側板20の内壁面には、リブ22が形成されている(
図7参照)。そのリブ22には、溝が形成されている。電源基板30は、その溝に嵌め込まれることによって、収納部11の内部で固定される。
【0034】
電源基板30は、第1接続部31と、第2接続部32と、電源部である変圧器33と、を有している。第1接続部31は、内部配線である第1リード線37を介して接続端子35(
図1参照)と接続される。これにより、電源基板30は、図示せぬ外部電源と電気的に接続される。一方、第2接続部32は、内部配線である第2リード線38を介して接続部42(
図3参照)と接続される。これにより、電源基板30は、光源基板40と電気的に接続される。
【0035】
<本体部10>
<<収納部11>>
図6に示すように、本体部10の載置部15の水平方向の幅は、本体部10の収納部11の水平方向の幅よりも広くなっている。本体部10の収納部11は、側面視で長方形の右下角部と左下角部とを切り欠くことによって形成された五角形の形状を呈している。そのため、収納部11は、内側から外側に向けて斜め上方向に延在する2つの傾斜部13を有している。
【0036】
<<載置部15>>
載置部15は、収納部11の2つの傾斜部13に対向する2つの水平部を有している。それぞれの水平部の上面には、複数のフィン17が形成されている。各フィン17の高さは、フィン17の配置位置に応じて変更されている。このようなフィン17は、隣接するもの同士で重ならない部分が増えるため、外部空気と接する面積が増え、高い放熱性を得ることができる。したがって、照明装置1は、LED41で発生した熱を効率よく放熱することができる。
【0037】
また、破線L1で示すように、片側の複数のフィン17の全体の形状は、山型形状となっている。ここで、山型形状とは、フィン17の高さ(載置部15の水平部の上面からのフィン17の突出量)を1つずつ変更し、中程に形成されたフィン17dから両端部に形成されたフィン17a,17zに行くに従って高さが低くなる形状を意味している。
【0038】
このフィン17の山型形状の作用効果について、以下に詳述する。
【0039】
仮に、破線L2で示すように、フィン17の全体の形状を平型にした形状を想定した場合に、つまり各フィン17の高さをほぼ同じ高さにした形状を想定した場合に、例えばフィン17dのように、傾斜部13の傾斜面とフィン17の先端との間の離間距離が大きくなる箇所が発生する。傾斜部13の傾斜面とフィン17の先端との間の離間距離が大きくなると、フィン17の煙突効果が損なわれ易くなる。そのため、この形状では、フィン17の煙突効果により載置部15の上方に誘導された空気が、載置部15の上方で滞留してしまう可能性がある。その結果、放熱効率が低下する可能性がある。
【0040】
これに対し、照明装置1では、破線L1で示すように、フィン17の全体の形状が山型形状になっている。この形状の照明装置1では、フィン17a~17dに亘って、傾斜部13の傾斜面とフィン17の先端との間の離間距離が比較的近くなっている。したがって、フィン17の煙突効果が損なわれない。そのため、この形状の照明装置1では、フィン17の煙突効果により載置部15の上方に誘導された空気が、載置部15の上方で滞留することなく、傾斜部13の傾斜面とフィン17との間に形成された隙間sp内を傾斜部13の傾斜面に沿って排出方向(矢印A1の方向)に円滑に流動する。このような照明装置1は、傾斜部13の傾斜面とフィン17との間の隙間spを空気の誘導部として機能させることができるため、空気を載置部15の上方からその外側に円滑に排出することができる。これにより、照明装置1は、載置部15の熱を空気に効率よく吸収させて排出することができるため、放熱効率を向上させることができる。
【0041】
また、照明装置1は、傾斜部13の傾斜面に沿って空気を流動させる際に、収納部11の熱も空気に吸収させて排出することができる。そのため、照明装置1は、載置部15のフィン17だけでなく収納部11もヒートシンクとして機能させることができ、その結果、本体部10の全体での放熱効率を向上させることができる。また、これにより、照明装置1は、放熱のための本体部10の全体のサイズ(特に高さ)を小型化することができる。
【0042】
実験によれば、傾斜部13の傾斜面とフィン17との間の最短離間距離tが例えば10~15mm程度あれば、隙間sp内の空気を外に良好に排出することが確認できた。なお、最短離間距離tの値は、本体部10のサイズによらないものであり、例えば本体部10のサイズが大型化した場合であっても、同様の値となる。ただし、最短離間距離tの値は、一例に過ぎず、この値に限定されるものではない。
【0043】
なお、フィン17は、山型形状(つまり、中程に形成されたフィン17dから両端部に形成されたフィン17a,17zに行くに従って高さが低くなる形状)になっているため、押出成型にて容易に成型することができる。
【0044】
<照明装置1の組立方法>
図7に照明装置1を分解した構成を示す。組立作業者は、例えば、以下のようにして照明装置1を組み立てる。
【0045】
まず、組立作業者は、後述するシールド90(
図7では不図示)で覆われた第1リード線37を第1接続部31に接続し、第2リード線38を第2接続部32に接続する。次に、組立作業者は、第1リード線37を接続端子35に接続し、載置部15の開口部16を介して第2リード線38を載置部15の外部に出す。開口部16は、光源基板40の開口部46と重なる位置に、載置部15の上面側から下面側に貫通するように形成されている。
【0046】
次に、組立作業者は、電源基板30をレール12に沿って収納部11の内部に差し込む。次に、組立作業者は、Oリング81a等の封止部材を介して側板20を本体部10の側面に取り付ける。
【0047】
次に、組立作業者は、第2リード線38を光源基板40の開口部16に通し、光源基板40を載置部15の下面に取り付ける。次に、組立作業者は、Oリング81b等の封止部材を介して透光カバー60を載置部15の下面に取り付け、第2リード線38を光源基板40の接続部42に接続する。次に、組立作業者は、リベット71等の締結部材でアーム70を本体部10のアーム取付け部14に取り付ける。これにより、照明装置1の組立が完了する。
【0048】
<照明装置の主な特徴>
(1)
図7に示すように、照明装置1は、光を照射する光源(LED41)と、光源(LED41)に電力を供給する点灯装置(電源基板30)と、光源(LED41)が外部に配置されるとともに点灯装置(電源基板30)が内部に配置される本体部10(金属筺体)と、を備えている。点灯装置(電源基板30)は、外部から電力の供給を受ける外部配線側接続部(第1接続部31)と、光源(LED41)に電力を供給する内部配線側接続部(第2接続部32)と、を有している。本体部10の内部には、内部配線(第2リード線38)が点灯装置(電源基板30)の内部配線側接続部(第2接続部32)から光源(LED41)に向けて配設されている(
図5参照)。
【0049】
この点について、従来技術の照明装置は、本体部内の点灯装置と本体部外の光源とを電気的に接続する配線が本体部の側面から外部に出る構造になっていた。そのため、従来技術の照明装置は、配線の端子部等を本体部の側面に設ける必要があった。これにより、従来技術の照明装置は、端子部等の分だけ部品点数が増加し、また組立の作業時間が長期化していた。
【0050】
これに対し、本実施形態に係る照明装置1は、点灯装置(電源基板30)と光源(LED41)とを電気的に接続する配線(第2リード線38)が本体部10の側面から外部に出ない構造になっている。そのため、照明装置1は、従来技術の照明装置と異なり、端子部や防水用部品等を設ける必要がなくなり、これらの部品点数を低減することができる。また、照明装置1は、組立の作業時間を低減することができる。
【0051】
また、従来技術の照明装置は、本体部内の点灯装置と本体部外の光源とを電気的に接続する配線が本体部の側面から外部に出る構造になっていた。そのため、従来技術の照明装置は、例えば屋外に設置された場合に、その配線が断線する可能性が生じる。
【0052】
これに対し、照明装置1は、点灯装置(電源基板30)と光源(LED41)とを電気的に接続する配線(第2リード線38)が本体部10の内部を通る構造になっている。そのため、照明装置1は、その配線(第2リード線38)が断線する可能性を低減することができる。
【0053】
(2)
図1に示すように、照明装置1の本体部10は、光源(LED41)を載置する載置部15を一体に有している。載置部15には、複数のフィン17が形成されている。このような照明装置1は、複数のフィン17が形成された載置部15を有する本体部10を押出成型にて容易に成型することができる。
【0054】
(3)
図6に示すように、照明装置1の本体部10は、一部のフィン17と対向する側に傾斜部13を有している。このような照明装置1は、傾斜部13の傾斜面に沿って空気を流動させることができるため、高い放熱性を得ることができる。しかも、照明装置1は、傾斜部13の傾斜面に沿って空気を流動させる際に、収納部11の熱も空気に吸収させて排出することができる。そのため、照明装置1は、載置部15のフィン17だけでなく収納部11もヒートシンクとして機能させることができ、その結果、本体部10の全体での放熱効率を向上させることができる。また、これにより、照明装置1は、放熱のための本体部10の全体のサイズ(特に高さ)を小型化することができる。
【0055】
(4)
図6に示すように、照明装置1の各フィン17の高さは、フィン17の配置位置に応じて変更されている。このようなフィン17は、隣接するもの同士で重ならない部分が増えるため、外部空気と接する面積が増え、高い放熱性を得ることができる。したがって、照明装置1は、LED41で発生した熱を効率よく放熱することができる。
【0056】
(5)
図6に示すように、照明装置1の各フィン17による全体の形状は、山型形状になっている。このような照明装置1は、フィン17の煙突効果により載置部15の上方に誘導された空気を、載置部15の上方で滞留させることなく、傾斜部13の傾斜面に沿って排出方向(
図6の矢印A1の方向)に円滑に流動させることができる。その結果、照明装置1は、載置部15の熱を空気に効率よく吸収させて排出することができるため、放熱効率を向上させることができる。
【0057】
(6)
図4に示すように、照明装置1の光源(LED41)は、光源基板40の上に形成されている。光源基板40は、光源(LED41)の集合体である光源群を1枚で複数有している。このような照明装置1は、光源群の数の分だけ光源基板40等の部品を設ける必要がないため、部品点数を低減することができ、また組立の作業時間を短縮することができ、さらに、装置の軽量化を図ることができる。
【0058】
(7)
図3に示すように、照明装置1の本体部10は、光を反射させるリフレクタ50を取り付け可能な構造になっている。このような照明装置1は、運用に応じて、例えば、リフレクタ50がない状態(特広角の照射角度の状態)、広角リフレクタ50aが取り付けられている状態(広角の照射角度の状態)、及び、中角リフレクタ50bが取り付けられている状態(中角の照射角度の状態)のいずれかの状態に設定することによって、任意の光の照射角度を容易に設定することができる。
【0059】
(8)
図6に示すように、本体部10には、アーム取付け部14が設けられている。アーム70(
図1参照)は、リベット71等の取付け部材でアーム取付け部14に締結されている。アーム取付け部14は、全体が閉じられた円形状ではなく、一部分が開口する半円状に形成されている。そのため、本体部10は、開口部分の重量だけ軽量に形成することができる。また、このような形状のアーム取付け部14は、本体部10を押出成型で作成する際に、容易に作成することができる。
【0060】
本実施形態では、1枚の光源基板40の載置部15には、光源(LED41)の集合体である光源群を4つ有している。これを光源ユニット400と称する。本体部10には、2つの光源ユニット400が載置されている。また、本体部10の内部には、それぞれの光源ユニット400に対応する2つの電源基板30および、それぞれ2本の配線(第1リード線37、第2リード線38)が設けられている。
【0061】
ここで、光源ユニット400は略正方形状である。前述の通り、本実施形態のように2つの光源ユニット400を載置するために、載置部15が略長方形状となるよう本体部10は押出成型で成型されている。これに伴い、それぞれの光源ユニット400を点灯させるための電源基板30も本体部10の長手方向(押出し方向)と同じ方向に2つ並べて配置されている。
【0062】
アーム70は、本体部10の長手方向の両端部に位置するアーム取付け部14に取付けられる。
【0063】
光源ユニット400を複数配置する場合でも、アルミ押出しによる筐体(本体部10)で同一断面を伸ばすことにより、ひとつの本体部10に光源ユニット400を複数配置することが出来、アルミ部材により放熱性を兼ね、同一断面の延長により、機械的強度が保持出来る。また、光源ユニット400に電力を供給する電源基板30も同一の本体部10内に配置することが出来る。さらに、アーム70を本体部10の長手方向の両端部に取付けることにより、1つのアームで複数の光源ユニット400が設けられた照明装置を天井等に取付けることができる。そのため、従来技術では必要な複数の光源ユニット400を保持する保持部材が不要となる。また、筐体が同一断面を延長し、また、光源ユニット400へ電力を供給する配線も、本体外部へ出ない構造となっている。その結果、部品点数を低減するとともに、組立作業を短縮することができる。
【0064】
以上の通り、本実施形態に係る照明装置1によれば、機械的強度を保つ部品点数を低減するとともに、組立の作業時間を短縮することができる。
【0065】
<シールド90>
また、本実施形態に係る照明装置1は、第1リード線37を覆うシールド90をさらに備える。
図8および
図9を用いてシールド90について説明する。
【0066】
図8は、照明装置1の内部をY軸正方向から見た図である。なお、
図8では、X軸正方向側の電源基板30を電源基板30aとし、X軸負方向側の電源基板30を電源基板30bとして説明する。また、電源基板30aの第1接続部31aに接続する第1リード線37を第1リード線37aとし、電源基板30aの第2接続部32aに接続する第2リード線38を第2リード線38aとする。同様に、電源基板30bの第1接続部31bに接続する第1リード線37を第1リード線37bとし、電源基板30bの第2接続部32bに接続する第2リード線38を第2リード線38bとする。
【0067】
口出し線36は、2本の電源線と1本のアース線とを含む。口出し線36に含まれる2本の電源線は、1本がコネクタ39aに接続され、もう1本がコネクタ39bに接続される。また、口出し線36に含まれるアース線は、コネクタ39cに接続される。
【0068】
第1リード線37aは、2本の電源線と1本のアース線とを含む。第1リード線37aの電源線は、1本がコネクタ39aに接続され、もう一本がコネクタ39bに接続される。アース線はコネクタ39cに接続される。第1リード線37bも同様の構成である。
【0069】
第1リード線37aは、接続される電源基板30aと異なる他の電源基板30bと対向する部分を持つ。絶縁チューブ92に覆われたシールド90(
図9参照)は、第1リード線37aの少なくとも電源基板30bと対向する部分を覆う。
【0070】
図9は、シールド90を説明する図である。シールド90は絶縁チューブ92に覆われ、その内部でアース線91と接続される。そして、シールド90と接続するアース線91は、
図8に示すコネクタ39cに接続される。このような構成により、シールド90は接地される。なお、シールド90としては、例えばアルミ膜を用いる。また、絶縁チューブ92としては、例えばガラスチューブを用いる。
【0071】
本発明のように接地されたシールド90で第1リード線37aを覆うことで、電源基板を外部電源と電気的に接続する第1リード線37aに対するノイズを抑制することができる。
【0072】
さらに、シールド90は、第1リード線37aの電源基板30bと対向する部分からはみ出す部分も覆ってもよい。これにより、第1リード線37aのノイズをさらに抑制することができる。
【0073】
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 照明装置
10 本体部
11 収納部
12 レール
13 傾斜部
14 アーム取付け部
15 載置部
16 開口部
17(17a,17d,17z) フィン
20 側板
22 リブ
30 電源基板(点灯装置)
31 第1接続部(外部配線側接続部)
32 第2接続部(内部配線側接続部)
33 変圧器(電源部)
35 接続端子
36 口出し線(外部配線)
37 第1リード線
38 第2リード線(内部配線)
39 コネクタ
40 光源基板
41 LED(光源)
42 接続部
46 開口部
50(50a,50b) リフレクタ
51a,51b 反射面
60 透光カバー
70 アーム(取付け部材)
71 リベット(締結部材)
81a,81b Oリング(封止部材)
90 シールド
91 アース線
92 絶縁チューブ
sp 隙間(誘導部)
t 最短離間距離