(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162636
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241114BHJP
H04N 1/34 20060101ALI20241114BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241114BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 387
G06F3/12 303
H04N1/34 200
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078352
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 颯
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 パブリックプリントサービス(PPS)では、画像形成装置のオーナーが複数種類の画像形成装置の機能と印刷コストを考慮して印刷単価の設定を行う作業は繁雑であった。
【解決手段】 本発明は、情報処理装置102、PPS111及び画像形成装置101がネットワークにより接続されたシステムにおける情報処理装置であって、画像形成装置の管理者が前記PPSに登録されている各画像形成装置の利益を設定する印刷単価設定の画面を表示する表示手段S602と、画像形成装置の機種ごと用紙ごとの印刷コストを前記PPSから取得する取得手段S604と、前記印刷単価設定の画面でユーザーによる利益の設定を受付ける受付手段S603と、前記印刷コストと前記受付手段により受付けられた利益と前記取得手段により取得された印刷コストを加算することにより印刷単価を計算する計算手段S605と、該印刷単価を前記PPSに登録する登録手段S606と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置、パブリックプリントサービス及び画像形成装置がネットワークにより接続されたシステムにおける情報処理装置であって、
画像形成装置の管理者が前記パブリックプリントサービスに登録されている各画像形成装置の利益を設定する印刷単価設定の画面を表示する表示手段と、
画像形成装置の機種ごと用紙ごとの印刷コストを前記パブリックプリントサービスから取得する取得手段と、
前記印刷単価設定の画面でユーザーによる利益の設定を受付ける受付手段と、
前記印刷コストと前記受付手段により受付けられた利益と前記取得手段により取得された印刷コストを加算することにより印刷単価を計算する計算手段と、
該印刷単価を前記パブリックプリントサービスに登録する登録手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記印刷単価設定の画面に印刷コストと利益の内訳を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記印刷単価設定の画面に、他のユーザーによって設定されている利益の平均を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記利益の平均のうち、管理者により選択された印刷用紙に対応する利益の平均を、前記画像形成装置の利益として適用する適用手段
を更に有することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記計算手段は、計算された印刷単価に対して端数の切り上げ処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置、パブリックプリントサービス及び画像形成装置がネットワークにより接続されたシステムにおける情報処理装置の制御方法であって、
画像形成装置の管理者が前記パブリックプリントサービスに登録されている各画像形成装置の利益を設定する印刷単価設定の画面を表示手段に表示する表示工程と、
画像形成装置の機種ごと用紙ごとの印刷コストを前記パブリックプリントサービスから取得する取得工程と、
前記印刷単価設定の画面でユーザーによる利益の設定を受付ける受付工程と、
前記印刷コストと前記受付手段により受付けられた利益と前記取得手段により取得された印刷コストを加算することにより印刷単価を計算する計算工程と、
該印刷単価を前記パブリックプリントサービスに登録する登録工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パブリックプリントサービスにおける精算情報の設定を容易にする情報処理装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウド経由で印刷ジョブを投入し、画像形成装置に印刷ジョブを送信するクラウドプリントサービスが普及し始めている。このような印刷システムではユーザーと、画像形成装置のオーナー(管理者)のアカウントをクラウドプリントサービス上で管理している。管理者が画像形成装置を、クラウドプリントサービスへ登録することで、ユーザーがその画像形成装置から印刷ジョブを出力することができるようになる。
また、働き方の多様化により、情報処理装置であるクライアント端末にある文書をコンビニエンスストア、図書館や駅などのパブリックスペースに設置されている画像形成装置から印刷したいという需要がある。
その需要に対応するため、パブリックスペースで印刷を行うためのクラウドプリントサービスも普及している。以下では、これを「パブリックプリントサービス」(PPS)と呼ぶ。
さらに、パブリックプリントサービスでは、ユーザーが一定期間行った印刷に要した費用を、ユーザー個人やその所属企業単位でまとめて請求・回収し、利益の一部を画像形成装置の管理者が得ることができるといったビジネスモデルがある。
その中で、管理者は、自身が提供する画像形成装置で行われる印刷に対して、提供する機能に応じて印刷単価を設定し所望の利益を得るというユースケースが存在する。
例えば、特許文献1では、パブリックプリントサービスに登録したプリンターそれぞれに対して、機能に応じた印刷単価設定をあらかじめ保持しておき、その設定を参照することで、ユーザーが利用した機能に応じた柔軟な費用算出を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パブリックプリントサービスで印刷単価の設定を行う場合、それぞれの画像形成装置において、画像形成装置の保守料金や用紙、トナーなど、印刷にかかるコストと、管理者が望む利益を足し合わせて算出することになる。ところが、複数種類の画像形成装置を保有している場合、それぞれにおいて機能と印刷コストの組み合わせを把握した上で単価の設定を行う必要があり、作業が繁雑である。
本発明は、複数種類の画像形成装置を保有する管理者が、パブリックプリントサービスに対して印刷単価の設定を容易に行うための仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、情報処理装置、パブリックプリントサービス及び画像形成装置がネットワークにより接続されたシステムにおける情報処理装置であって、画像形成装置の管理者が前記パブリックプリントサービスに登録されている各画像形成装置の利益を設定する印刷単価設定の画面を表示する表示手段と、画像形成装置の機種ごと用紙ごとの印刷コストを前記パブリックプリントサービスから取得する取得手段と、前記印刷単価設定の画面でユーザーによる利益の設定を受付ける受付手段と、前記印刷コストと前記受付手段により受付けられた利益と前記取得手段により取得された印刷コストを加算することにより印刷単価を計算する計算手段と、該印刷単価を前記パブリックプリントサービスに登録する登録手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、複数種類の画像形成装置を保有する管理者が、パブリックプリントサービスに対して印刷単価の設定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本実施形態におけるハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】本実施形態におけるPPSのソフトウェア構成を示すブロック図
【
図4】本実施形態における画像形成装置のソフトウェア構成を示すブロック図
【
図5】本実施形態におけるジョブ実行と精算情報の登録の流れを示すシーケンス図
【
図6】本実施形態の印刷単価の設定を行う際のフローチャート
【
図8】本実施形態の機種ごとの印刷単価設定ページ画面
【
図9】本実施形態の機種ごとの単価内訳表示・設定ページ画面
【
図10】本実施形態の印刷単価の設定を調整した画面の例
【
図11】本実施形態の印刷単価の設定を調整する処理のフローチャート
【
図12】本実施形態の他の管理者が設定している平均金額の情報を表示する画面
【
図13】本実施形態に係る印刷コストに対する割合による印刷単価設定ページ画面
【
図14】本実施形態に係るコインベンダー対応印刷単価設定ページ画面
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔実施形態1〕
・システムの全体構成
図1は、本発明における実施形態に係るシステムの全体構成図である。
ネットワーク100はインターネットであり、ネットワーク100にはパブリックプリントサービス(以下「PPS」という。)、画像形成装置101、情報処理装置であるクライアント端末102が接続されている。
PPS111は、クライアント端末102から印刷ジョブを受信し保存する。また、PPS111は、印刷ジョブに対しユニークな識別子であるジョブコードを発行する。また、PPS111は、画像形成装置101から印刷ジョブ要求を受信すると、画像形成装置101へ印刷ジョブを送信する。
画像形成装置101は、PPS111から印刷ジョブを受信した後に、ユーザーによる設定変更等を受け付けて、印刷を実行する。
以下、画像形成装置101、クライアント端末102は、各々が複数台存在してもよいものとする。
【0009】
・ハードウェア構成
図2は、
図1に示したPPS111、画像形成装置101及び情報処理装置であるクライアント端末102のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態のクライアント端末(PC)、PPSサーバ及び画像形成装置には一般的な情報処理装置のハードウェア構成を適用できる。
図2では、代表例として画像形成装置101を例にとり説明する。
CPU201は、各ハードウェアの全体を統括的に制御し、バス200に接続された各部を制御して、印刷やスキャン等の各機能を実行する。
ROM202は、データ読出専用のメモリであり、例えば画像形成装置の基本制御プログラムを記憶する。
RAM203は、データの読出/書込が可能なメモリであり、例えばCPU201のワーキングメモリとして用いられる。
記憶装置204は、各プログラムを実行中の一時データや、永続的なデータの記憶領域として用いられる。例えば、記憶装置204は、HDDや、SSDが用いられることが多いが、外部メディアを装填してデータの読出/書込が可能な装置であってもよい。
通信装置205は、画像形成装置101、クライアント端末102、PPS111を、LANやインターネットに接続し装置間でデータ通信を可能とする。
入力装置206は、ユーザーによる文字やデータの入力操作を受け付けるための操作部である。例えば、キーボード、マウス、ハードキー、タッチパネル等である。
表示装置207は、各種画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイやタッチパネルである。ユーザーは、表示装置207に表示されたユーザーインタフェース画面上で入力装置206を介して指示を行うことで、画像形成装置101へのジョブ実行指示や、PPS111の設定指示等を行う。
画像形成装置101には、その他に、スキャナー装置208、プリンター装置209が、バス200に接続されている。
また、PPS111又はクライアント端末102においては、スキャナー装置208、プリンター装置209は含まない構成でもよい。
【0010】
・PPSのソフトウェア構成
図3は、実施形態1におけるPPS111のソフトウェア構成の例を示すブロック図である。
図3に記載のソフトウェア構成は、CPU201がROM202又は記憶装置204に記憶されているプログラムをRAM203に読み出して実行することにより実現される。
設定管理部301は、PPS111の各種機能に関する設定をRAM203、記憶装置204等の各記憶装置に格納し、また各記憶装置から読み出す。設定管理部301はアカウント設定管理部3011、管理者設定管理部3012から構成される。アカウント設定管理部3011は、利用ユーザーの登録時にユーザーの情報をデータ保存部304のアカウントデータ保存部3043に保存する。ユーザーの情報としては、アカウント名、ログインパスワード、PPS111に登録されているデバイスの情報等があるがそれに限定されるものではない。
デバイス連携部302は、PPS111に登録されている画像形成装置101の管理を行う。デバイス連携部302はデバイス管理部3021、印刷ジョブ管理部3022から構成される。デバイス管理部3021は、PPS111に登録された画像形成装置101の状態を管理する。印刷ジョブ管理部3022は、画像形成装置101から印刷要求が行われた際に、データ保存部304の印刷ジョブ保存部3044から対象のジョブデータを読み出して、画像形成装置101に送信する。
UI制御部303は、画像形成装置101又はクライアント端末102からの要求に応じて画面を生成し送信する。UI制御部303は、ユーザーポータル3031、管理者ポータル3032から構成される。ユーザーポータル3031では、クライアント端末102の表示装置207で表示された印刷ジョブをドラッグアンドドロップで投入したり、印刷ジョブの状況を確認したりできる。管理者ポータル3032では、クライアント端末102の表示装置207で表示されて登録デバイスの設定変更や、印刷単価設定変更を行うことができる。
データ保存部304は、管理者設定管理部3012又は印刷ジョブ管理部3022からの要求に応じて各データを保存する。データ保存部304は、印刷単価データベース3041、デバイス印刷コストデータベース3042、アカウントデータ保存部3043、印刷ジョブ保存部3044から構成される。印刷単価データベース3041は、管理者によって設定された印刷単価を保存する。デバイス印刷コストデータベース3042は、画像形成装置の機種や設定ごとの印刷コストを保存する。アカウントデータ保存部3043は、ユーザーや管理者の情報を保存する。印刷ジョブ保存部は、投入された印刷ジョブや、ジョブの実行履歴などを保存する。
精算システム連携部305は、ユーザーが行った印刷ジョブに関して、データ保存部304の印刷単価データベース3041や、印刷ジョブ保存部3044の情報を参照し、費用を算出して請求システムに通知する。精算システム連携部305は、請求システム連携部3051、費用計算部3052から構成される。
【0011】
・画像形成装置のソフトウェア構成
図4は、実施形態1における画像形成装置101のソフトウェア構成を示すブロック図である。
図4に記載のソフトウェア構成は、CPU201が例えばROM202に記憶されているプログラムをRAM203に読み出して実行することにより実現される。
パブリックプリント連携管理部401は、通信部403を介して画像形成装置101とPPS111との連携を管理する。具体的には、画像形成装置101のステータスなどをPPS111のデバイス連携部302に対して送信したり、PPS111に対してジョブの要求を行ったりする。
ジョブ制御部402は、ユーザーによって投入されたジョブキーが入力された際にパブリックプリント連携管理部401を介してPPS111に対応する印刷ジョブのリクエストを行う、又は取得したジョブの設定変更を実行する。ここで、ジョブキーはPPS111に投入されたジョブと紐づけられた一意の値である。
通信部403は、画像形成装置101のステータス情報や、ジョブ履歴情報、印刷ジョブそのものの送受信を行う。
ジョブ履歴情報制御部404は、ジョブ制御部402によって実行された印刷ジョブの情報を収集し、パブリックプリント連携管理部401を介してPPS111への送信行う。印刷ジョブの情報は例えば実行ユーザーや場所、利用した画像形成装置101の情報の他に、印刷ジョブの設定情報や、精算の有無の情報などがあるが、それに限定されるものではない。
画面制御部405は、画像形成装置101の画面を表示するほか、ユーザーによるジョブキーの入力や、印刷ジョブの設定の変更の表示を行う。
【0012】
・ジョブ実行と精算情報の登録の流れを示すシーケンス
本発明におけるジョブ実行と精算情報の登録処理の流れを示すシーケンスについて
図5を参照し説明する。
S501で、クライアント端末102は、ユーザーによるジョブ投入操作を受け付ける。
S502で、クライアント端末102は、PPS111の印刷ジョブ管理部3022に対してジョブ登録要求を行う。
S503で、PPS111は、印刷ジョブ管理部3022においてジョブキーを発行し、クライアント端末102から受信した印刷ジョブと紐づけて印刷ジョブ保存部3044に保存する。
S504で、PPS111は、クライアント端末102に対して、S503で発行したジョブキーを送信する。
S505で、画像形成装置101は、ユーザーによるジョブキーの入力を受け付ける。
S506で、画像形成装置101は、PPS111に対して、S505で受付けたジョブキーに対応する印刷ジョブの要求を行う。
S507で、PPS111は、画像形成装置101に要求された印刷ジョブを送信する。
S508で、画像形成装置101は、PPS111からのジョブを受信し、表示装置207へ表示を行う。
S509で、画像形成装置101は、ユーザーによる印刷設定変更指示を受け付ける。
S510で、画像形成装置101は、S507で受信した印刷ジョブに対して印刷設定の変更処理を行う。
S511で、画像形成装置101は、ユーザーによる印刷実行指示を受け付ける。
S512で、画像形成装置101は、S507で受信して、S510において設定を行い、S511で印刷実行指示を受けた印刷ジョブを実行する。
S513で、画像形成装置101は、S512で実行したジョブ実行情報をPPS111の印刷ジョブ管理部3022に送信する。
S514で、PPS111は、S513で受信したジョブ実行情報の精算処理を行う。詳細には、印刷ジョブ管理部3022は、S513で受信したジョブ履歴を印刷ジョブ保存部3044に保存し、精算システム連携部305に対して精算要求を行う。精算システム連携部305の費用計算部3052は、印刷ジョブ保存部3044に保存されたジョブ実行情報と、印刷単価データベース3041を参照し、ジョブ実行情報に記載された画像形成装置101や、印刷設定に対応した印刷単価から費用を算出する。費用計算部3052は、請求システム連携部3051に対して、費用とジョブ実行情報に記載されているジョブ実行ユーザーの情報と併せて請求システムの登録を要求する。その後、本処理を終了する。
【0013】
・印刷単価の設定処理
図6は、クライアント端末102が、PPS111に対して印刷単価の設定を行う際のフローチャートである。本処理は、クライアント端末102のCPU201がROM202又は記憶装置204に格納されたプログラムをRAM203上に展開して実行することにより実現される。
S601で、クライアント端末102のCPU201はPPS111の管理者ポータル3032を表示装置207に表示させる。
S602で、クライアント端末102のCPU201は、PPS111の管理者ポータル3032から印刷単価設定ページ700(
図7)を表示させる。
S603で、クライアント端末102のCPU201は、入力装置206を介して、ユーザによる印刷単価設定ページ700の入力フォーム701へのページ当たりの利益の入力、および印刷単価設定対象デバイス702の指定を受け付ける。
S604で、クライアント端末102のCPU201は、印刷単価設定対象デバイス702の指定に基づいて、PPS111のデバイス印刷コストデータベース3042から印刷単価設定対象デバイスの印刷コストを取得する。
S605で、クライアント端末102のCPU201は、印刷単価設定対象デバイス702ごと、印刷設定ごとに、S603で受け付けたページ当たりの利益とデバイス印刷コストデータベース3042の値を足し合わせて印刷単価の計算を行う。また、印刷単価の計算は、上記加算のほか、デバイス印刷コストデータベース3042の印刷単価に対して指定割合を利益として足し合わせるようにしてもよい。また、端数が出る場合は、切り上げ等の処理を追加してもよい。
S606で、CPU201は、S605で計算した印刷単価を、PPS111の印刷単価データベース3041に登録し、本処理を終了する。
なお、上記処理フローの説明では、印刷単価設定におけるS604~S606の処理は、クライアント端末102で行われることとしたが、PPS111上で行われるようにしもよい。
【0014】
(印刷単価設定ページ)
図7に、
図6のS602において、PPS111が提供し、クライアント端末102に表示される印刷単価設定ページ700の画面例を示す。
印刷単価設定ページ700において、入力装置206を介してユーザーが入力した設定値は、S606でクライアント端末102の通信部403が、PPS111の管理者ポータル3032を介して印刷単価データベース3041に保存する。
入力フォーム701は、印刷単価設定ページ700で設定可能な印刷用紙の種類数分存在し、印刷用紙に対応する入力フォーム701に、印刷1枚毎の利益を入力する。入力フォーム701に列挙される印刷用紙の種類は、印刷単価設定対象デバイス702で使用可能な印刷用紙である。
印刷単価設定対象デバイス702には、管理者が保有する画像形成装置101の一覧が表示され、印刷単価設定ページ700において、印刷単価の設定を行うデバイスをチェックボックスなどの指定方法で指定することができる。印刷単価設定対象デバイス702において、各デバイス名は機種ごとの印刷単価設定ページ800へのリンクとなっていてもよい。
[登録]ボタン703は、印刷単価の設定保存するボタンである。このボタンの押下を契機にS605の印刷単価計算処理が実行され、PPS111の印刷単価データベース3041に設定対象となった印刷単価が保存される。
[キャンセル]ボタン704は、印刷単価の設定を保存せずに管理者ポータル3032へ戻るボタンである。
【0015】
(機種ごとの印刷単価設定ページ)
図8は、実施形態1に係るPPS111が提供し、クライアント端末102に表示される機種ごとの印刷単価設定ページ画面の例である。
機種ごとの印刷単価設定ページ800において、入力装置206を介してユーザーが入力した設定値をS605で処理する。そして、S606でクライアント端末102の通信部403が、PPS111の管理者ポータル3032を介して印刷単価データベース3041に保存する。
機種ごとの印刷単価設定ページ800は、入力フォーム801、[登録]ボタン802、[キャンセル]ボタン803で構成され、各機能は印刷単価設定ページ700と同様である。
印刷単価設定ページ700、機種ごとの印刷単価設定ページ800の差分として、印刷単価設定ページ700では、印刷単価設定対象デバイス702で指定されている画像形成装置101すべてに対して印刷単価の設定を行う。これに対して、機種ごとの印刷単価設定ページ800では、対象機種のみに対して印刷単価の設定が行われる。機種ごとの印刷単価設定ページ800での印刷単価設定対象は、機種ごとに複数デバイスを対象とするほか、デバイス1台のみを対象としてもよい。
【0016】
(印刷単価と利益を示す単価内訳表示・設定ページ)
次に、印刷コストと利益の額それぞれを表示し、利益の調整が行える表示画面の例について説明する。
図9は、実施形態1に係るPPS111が提供し、クライアント端末102に表示される機種ごとの印刷単価と利益を示す単価内訳表示・設定ページ画面である。
単価内訳表示・設定ページ900は、印刷単価設定ページ700及び機種ごとの印刷単価設定ページ800の拡張として表示されるものである。
単価内訳表示・設定ページ900は、リンク901、単価内訳表示・設定ペイン902を有する。単価内訳表示・設定ペイン902には、単価内訳スライダー903、単価内訳表示904を有している。また、[登録]ボタン905、[キャンセル]ボタン906がページ内に設けられている。
リンク901は、単価内訳表示・設定ページ900における各入力フォームに設定された単価内訳表示・設定ペイン902を表示するためのリンクである。
単価内訳表示・設定ペイン902は、リンク901に対し、クライアント端末102からクリックやタップ等の入力操作が行われた際に表示される。
単価内訳スライダー903は、管理者が保有する画像形成装置101ごとに表示され、PPS111の印刷単価データベース3041に保存された印刷コストと利益の内訳を示している。単価内訳スライダーはつまみによって印刷単価を調整することができ、調整した値は単価内訳表示904に反映される。
単価内訳表示904は、単価内訳スライダー903で示されている印刷コストと利益の内訳を額面で表示する。
[登録]ボタン905は、押下されることで単価内訳スライダー903に示されている印刷コストと利益をPPS111の印刷単価データベース3041に保存する処理を呼び出す。
[キャンセル]ボタン906は、押下されることで単価内訳表示・設定ペイン902の表示を解除し、印刷単価設定ページ700に戻る処理を呼び出す。
【0017】
図10は、実施形態1に係るPPS111が提供し、クライアント端末102に表示される単価内訳表示・設定ページ900において印刷単価の設定を調整した後の画面である。
印刷単価の設定を調整した画面1000には、単価内訳表示・設定ペイン902において単価調整後を行った単価内訳表示・設定ペイン1001が表示されている。単価内訳表示・設定ペイン1001は、単価内訳スライダー903を操作した単価内訳スライダー1002、単価内訳表示904に対して単価内訳スライダー1002の値が反映された単価内訳表示1003で構成される。
単価内訳スライダー1002による設定により、利益が0を下回る場合は印刷単価が印刷コストを上回っている旨を示すメッセージを表示する。
【0018】
・印刷単価の調整処理
図11は、クライアント端末102が、印刷単価設定ページ700から単価内訳表示・設定ページ900を表示し、PPS111に対して印刷単価の調整を行う際のフローチャートである。本処理は、クライアント端末102のCPU201がROM202又は記憶装置204に格納されたプログラムをRAM203に展開して実行することにより実現される。
S1101で、クライアント端末102のCPU201は、PPS111の管理者ポータル3032を表示する。
S1102で、クライアント端末102のCPU201は、PPS111の管理者ポータル3032から印刷単価設定ページ700を表示する。
S1103で、クライアント端末102のCPU201は、入力装置206を介してユーザーによる印刷単価設定ページ700の各印刷用紙ごとに設定されたリンク901の選択を受付ける。
S1104で、クライアント端末102のCPU201は、単価内訳表示・設定ページ900を表示する。CPU201は、画像形成装置101ごとの印刷単価はPPS111の印刷単価データベース3041から取得し、単価内訳表示・設定ペイン902に表示する。
S1105で、クライアント端末102のCPU201は、入力装置206を介してユーザーによる単価内訳表示・設定ペイン902の単価内訳スライダー903の値の調整を受付ける。そして、CPU201は、印刷単価の設定を調整した画面1000を表示する。
S1106で、CPU201は、単価内訳表示・設定ページ900における[登録]ボタン905が押下されたことを検知すると、単価内訳スライダー903の値をPPS111の印刷単価データベース3041に保存する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0019】
(平均利益設定表示ページ)
次に、印刷単価設定ページ700のバリエーションとして印刷単価を設定する際に画像形成装置の他のオーナーが設定している額を参考にする例について説明する。
PPS111が提供し、クライアント端末102に表示される1枚あたりの利益の管理者全体での平均を表示する平均利益設定表示ページ1200の画面を
図12に示す。
平均利益設定表示ページ1200は、印刷単価設定ページ700の拡張として表示され、印刷単価設定ページ700の構成に加え、[平均利益表示]ボタン1201と、平均利益表示ペイン1202を有する。また、平均利益表示ペイン1202には、印刷用紙選択チェックボックス1203、平均利益表示1204、平均利益適用ボタン1205が表示される。
平均利益表示ペイン1202は、平均利益設定表示ページ1200の[平均利益表示]ボタン1201を押下することで表示される。平均利益表示ペイン1202には、印刷単価設定ページ700に表示されている各印刷用紙に対応した設定に全オーナーが設定している平均利益表示1204が表示される。
平均利益設定表示ページ1200では、対応する印刷用紙選択チェックボックス1203を選択した上で、平均利益適用ボタン1205を押下することで、入力フォーム701に平均利益表示1204の値を適用することができる。
【0020】
(印刷コストに対する割合による印刷単価設定ページ)
次に利益を金額でなく、印刷コストに対して利益割合で設定する例を説明する。
図13は、PPS111が提供し、クライアント端末102に表示される、印刷コストに対する割合による印刷単価設定ページ画面の例である。
印刷単価割合設定ページ1300は、印刷単価設定ページ700の構成に加えて、割合指定表示ボタン1301及び1枚あたりの利益割合を入力する入力フォーム1302で構成される。
印刷単価割合設定ページ1300において、割合指定表示ボタン1301を押下することで、入力フォーム701から入力フォーム1302に表示が切り替わる。
入力フォーム1302に対して所望の利益割合を入力後、[登録]ボタン1305を押下することで、デバイス印刷コストデータベース3042の値と、その入力された利益割合に対応する利益幅を加算した値を印刷単価データベース3041に保存する。
【0021】
(コインベンダー対応印刷単価設定ページ)
次にコインベンダー対応の画像形成装置における印刷単価を設定する例について説明する。コインベンダーでは、画像形成装置の利用者が支払いの際、1円硬貨など少額の硬貨を使用できない場合がある。
図14は、PPS111が提供し、クライアント端末102に表示される、コインベンダー対応印刷単価設定ページの例である。
コインベンダー対応印刷単価設定ページ1400は、印刷単価設定ページ700の構成に加えて、コインベンダー設定切り替えトグルボタン1401で構成される。
コインベンダー設定切り替えトグルボタン1401がONになっている場合、[登録]ボタン1405が押下されると、入力フォーム701とデバイス印刷コストデータベース3042の値を加算し印刷単価データベース3041に保存される。その際、実際に支払いが可能な額にするために、計算された印刷単価に対して端数(例えば5円単位)の切り上げ処理を行う。
【0022】
本発明は、以下の構成、方法及びプログラムを含む。
(構成1)
情報処理装置、パブリックプリントサービス及び画像形成装置がネットワークにより接続されたシステムにおける情報処理装置であって、
画像形成装置の管理者が前記パブリックプリントサービスに登録されている各画像形成装置の利益を設定する印刷単価設定の画面を表示する表示手段と、
画像形成装置の機種ごと用紙ごとの印刷コストを前記パブリックプリントサービスから取得する取得手段と、
前記印刷単価設定の画面でユーザーによる利益の設定を受付ける受付手段と、
前記印刷コストと前記受付手段により受付けられた利益と前記取得手段により取得された印刷コストを加算することにより印刷単価を計算する計算手段と、
該印刷単価を前記パブリックプリントサービスに登録する登録手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
(構成2)
前記表示手段は、前記印刷単価設定の画面に印刷コストと利益の内訳を表示する
ことを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
(構成3)
前記表示手段は、前記印刷単価設定の画面に、他のユーザーによって設定されている利益の平均を表示する
ことを特徴とする構成1~2のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成4)
前記利益の平均のうち、管理者により選択された印刷用紙に対応する利益の平均を、前記画像形成装置の利益として適用する適用手段
を更に有することを特徴とする構成3に記載の情報処理装置。
(構成5)
前記計算手段は、計算された印刷単価に対して端数の切り上げ処理を行う
ことを特徴とする構成1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(方法1)
情報処理装置、パブリックプリントサービス及び画像形成装置がネットワークにより接続されたシステムにおける情報処理装置の制御方法であって、
画像形成装置の管理者が前記パブリックプリントサービスに登録されている各画像形成装置の利益を設定する印刷単価設定の画面を表示手段に表示する表示工程と、
画像形成装置の機種ごと用紙ごとの印刷コストを前記パブリックプリントサービスから取得する取得工程と、
前記印刷単価設定の画面でユーザーによる利益の設定を受付ける受付工程と、
前記印刷コストと前記受付手段により受付けられた利益と前記取得手段により取得された印刷コストを加算することにより印刷単価を計算する計算工程と、
該印刷単価を前記パブリックプリントサービスに登録する登録工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
(プログラム1)
方法1に記載の情報処理装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【0023】
以上印刷単価の設定処理を情報処理装置であるクライアント端末で処理する例を説明したが、これに限らず処理をパブリックプリントサービスが全て行い、クライアント端末は、webベースでの入力画面等を表示するようにしてもよい。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0024】
101 画像形成装置
102 クライアント端末
111 パブリックプリントサービス
700 PPSの印刷単価設定ページ
3032 PPSの管理者ポータル
3041 PPSの印刷単価データベース
3042 PPSのデバイス印刷コストデータベース