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特開2024-162644ワイヤハーネス製造装置及びワイヤハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162644
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス製造装置及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/012 20060101AFI20241114BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20241114BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01B13/012 Z
H02G3/04
H01B7/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078367
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 勇貴
【テーマコード(参考)】
5G309
5G357
【Fターム(参考)】
5G309AA09
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD01
5G357DD02
5G357DD14
5G357DG04
(57)【要約】
【課題】ワイヤハーネスを適正に製造することができるワイヤハーネス製造装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係るワイヤハーネス製造装置1において、第1突出部12,12は、上金型M1の第1設置面11aから第1法線方向N1に沿って突出し且つ延在方向Xに沿って延在し、幅方向Yにおいて電線Wを挟んで両側に設けられる。第2突出部22,22は、第2設置面21aから第2法線方向N2に沿って突出し且つ延在方向Xに沿って延在し、幅方向Yにおいて電線Wを挟んで両側に設けられる。第1突出部12,12は、外装部材に当接し、押圧方向Zに対して傾斜する第1当接面121を有する。第2突出部22,22は、外装部材に当接し、押圧方向Zに対して第1当接面121とは逆向きに傾斜する第2当接面221を有する。第1突出部12,12及び第2突出部22,22は、それぞれが角部において間隔をあけて設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の延在方向に交差する押圧方向に沿って1対のシート状の外装部材により前記電線を両側から挟んだ状態で、前記押圧方向に沿って前記1対の外装部材を押圧して溶着する第1金型及び第2金型を備え、
前記第1金型及び前記第2金型は、前記延在方向に沿って並んで設けられ前記外装部材を溶着する第1溶着部及び第2溶着部を有し、
前記第1溶着部は、一方が前記第1金型に設けられ且つ他方が前記第2金型に設けられ前記外装部材を設置する1対の第1設置面、前記第1金型及び前記第2金型の一方の前記第1設置面から当該第1設置面の法線に沿った第1法線方向に沿って突出し且つ前記延在方向に沿って延在し、前記延在方向に交差する幅方向において前記電線を挟んで両側に設けられる第1突出部、及び、前記第1金型及び前記第2金型の他方の前記第1設置面に設けられ、前記電線を挟んで前記幅方向の両側に位置し、前記押圧方向に沿って前記第1突出部と対向する第1受け面を有し、
前記第2溶着部は、一方が前記第1金型に設けられ且つ他方が前記第2金型に設けられ前記外装部材を設置する1対の第2設置面、前記第1金型及び前記第2金型の一方の前記第2設置面から当該第2設置面の法線に沿った第2法線方向に沿って突出し且つ前記延在方向に沿って延在し、前記幅方向において前記電線を挟んで両側に設けられる第2突出部、及び、前記第1金型及び前記第2金型の他方の前記第2設置面に設けられ、前記電線を挟んで前記幅方向の両側に位置し、前記押圧方向に沿って前記第2突出部と対向する第2受け面を有し、
前記第1突出部は、前記外装部材に当接し前記押圧方向に対して傾斜する第1当接面を有し、
前記第2突出部は、前記外装部材に当接し前記押圧方向に対して前記第1当接面とは逆向きに傾斜する第2当接面を有し、
前記第1金型及び前記第2金型は、前記延在方向において前記第1設置面と前記第2設置面との間に角部を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、それぞれが前記角部において間隔をあけて設けられることを特徴とするワイヤハーネス製造装置。
【請求項2】
前記第1当接面及び前記第2当接面は、前記延在方向に沿って延在し且つ前記幅方向に沿って交互に並んで設けられる凹部及び凸部により構成される凹凸面である請求項1に記載のワイヤハーネス製造装置。
【請求項3】
前記第1当接面が、前記押圧方向に直交する直交面に対して傾斜する傾斜角度と、前記第2当接面が、前記直交面に対して、前記第1当接面が傾斜する向きとは逆向きに傾斜する傾斜角度とは、同等である請求項1又は2に記載のワイヤハーネス製造装置。
【請求項4】
導電性を有する電線と、
電線の延在方向に交差する押圧方向に沿って1対のシート状の外装部材により前記電線を両側から挟んだ状態で、前記外装部材において前記延在方向及び前記押圧方向に交差する幅方向に沿って前記電線の両側に位置する溶着部位が溶着されて前記電線に外装されているプロテクタと、を備え、
前記プロテクタは、前記延在方向に沿って順に、第1外装部、屈曲部、第2外装部が設けられ、
前記第1外装部、前記屈曲部、及び、第2外装部は、前記電線を外装し、
前記屈曲部は、前記第1外装部と前記第2外装部とを屈曲させた状態で連結し、
前記第1外装部及び前記第2外装部は、前記外装部材において前記電線の前記幅方向の両側に位置する前記溶着部位を有し、
前記屈曲部は、前記外装部材において前記電線の前記幅方向の両側に位置し前記外装部材が溶着していない非溶着部位を有するワイヤハーネス。
【請求項5】
前記1対の外装部材は、一方の前記外装部材が他方の前記外装部材よりも硬い材料で形成され、
前記一方の前記外装部材は、前記第1外装部及び前記第2外装部において平面状に形成された平面形状であり、
前記他方の前記外装部材は、前記第1外装部、前記屈曲部、及び、前記第2外装部において前記電線の外周面に沿って湾曲状に形成された湾曲形状である請求項4に記載のワイヤハーネス。
【請求項6】
前記屈曲部は、前記延在方向に沿って収縮したしわ状の収縮部を屈曲内側に有する請求項4又は5に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス製造装置及びワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤハーネスは、例えば、プロテクタによって電線の配索経路を規制している場合がある。この場合、プロテクタは、例えば、特許文献1に記載のように、配索経路に応じて予め立体的な形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-034821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のプロテクタは、例えば、予め立体的な形状に形成されている。このため、従来のプロテクタは、当該プロテクタを輸送する際に、より多くのスペースを確保する必要があり、輸送効率の低下を招いている。従って、輸送効率の低下を抑制するプロテクタを製造することが求められている。ここで、プロテクタは、例えば、シート状の外装部材を電線の両側から挟んだ状態で当該外装部材を溶着することで、輸送効率の低下を抑制することができる。しかしながら、ワイヤハーネスは、溶着により外装部材を複雑な立体形状に形成する場合、溶着の過不足が生じる課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ワイヤハーネスを適正に製造することができるワイヤハーネス製造装置、及び、当該ワイヤハーネス製造装置によって適正に製造されるワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネス製造装置は、電線の延在方向に交差する押圧方向に沿って1対のシート状の外装部材により前記電線を両側から挟んだ状態で、前記押圧方向に沿って前記1対の外装部材を押圧して溶着する第1金型及び第2金型を備え、前記第1金型及び前記第2金型は、前記延在方向に沿って並んで設けられ前記外装部材を溶着する第1溶着部及び第2溶着部を有し、前記第1溶着部は、一方が前記第1金型に設けられ且つ他方が前記第2金型に設けられ前記外装部材を設置する1対の第1設置面、前記第1金型及び前記第2金型の一方の前記第1設置面から当該第1設置面の法線に沿った第1法線方向に沿って突出し且つ前記延在方向に沿って延在し、前記延在方向に交差する幅方向において前記電線を挟んで両側に設けられる第1突出部、及び、前記第1金型及び前記第2金型の他方の前記第1設置面に設けられ、前記電線を挟んで前記幅方向の両側に位置し、前記押圧方向に沿って前記第1突出部と対向する第1受け面を有し、前記第2溶着部は、一方が前記第1金型に設けられ且つ他方が前記第2金型に設けられ前記外装部材を設置する1対の第2設置面、前記第1金型及び前記第2金型の一方の前記第2設置面から当該第2設置面の法線に沿った第2法線方向に沿って突出し且つ前記延在方向に沿って延在し、前記幅方向において前記電線を挟んで両側に設けられる第2突出部、及び、前記第1金型及び前記第2金型の他方の前記第2設置面に設けられ、前記電線を挟んで前記幅方向の両側に位置し、前記押圧方向に沿って前記第2突出部と対向する第2受け面を有し、前記第1突出部は、前記外装部材に当接し前記押圧方向に対して傾斜する第1当接面を有し、前記第2突出部は、前記外装部材に当接し前記押圧方向に対して前記第1当接面とは逆向きに傾斜する第2当接面を有し、前記第1金型及び前記第2金型は、前記延在方向において前記第1設置面と前記第2設置面との間に角部を有し、前記第1突出部及び前記第2突出部は、それぞれが前記角部において間隔をあけて設けられることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るワイヤハーネスは、導電性を有する電線と、電線の延在方向に交差する押圧方向に沿って1対のシート状の外装部材により前記電線を両側から挟んだ状態で、前記外装部材において前記延在方向及び前記押圧方向に交差する幅方向に沿って前記電線の両側に位置する溶着部位が溶着されて前記電線に外装されているプロテクタと、を備え、前記プロテクタは、前記延在方向に沿って順に、第1外装部、屈曲部、第2外装部が設けられ、前記第1外装部、前記屈曲部、及び、第2外装部は、前記電線を外装し、前記屈曲部は、前記第1外装部と前記第2外装部とを屈曲させた状態で連結し、前記第1外装部及び前記第2外装部は、前記外装部材において前記電線の前記幅方向の両側に位置する前記溶着部位を有し、前記屈曲部は、前記外装部材において前記電線の前記幅方向の両側に位置し前記外装部材が溶着していない非溶着部位を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るワイヤハーネス製造装置は、第1当接面及び第2当接面が押圧方向に対して傾斜して設けられているので、第1当接面又は第2当接面の一方が押圧方向に対して直交する場合と比較して、応力が一部(例えば、押圧方向に直交する外装部材)に集中することを抑制できる。また、ワイヤハーネス製造装置は、第1設置面と第2設置面との間に位置する角部において、第1突出部と第2突出部との間に間隔が設けられているので、第1突出部と第2突出部とが連結される場合と比較して外装部材の角部に応力が集中することを抑制することができ、これにより角部以外の部分に応力を分散することができる。この結果、ワイヤハーネス製造装置は、第1溶着部及び第2溶着部により外装部材を均一に溶着することができるので、ワイヤハーネスを適正に製造することができる。ワイヤハーネスは、ワイヤハーネス製造装置によって適正に製造されるので、外装部材が均一に溶着され、この結果、外装部材から成るプロテクタにより電線の配索経路を適正に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るワイヤハーネス製造装置の構成例(溶着前)を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るワイヤハーネス製造装置の構成例(溶着後)を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るワイヤハーネス製造装置の構成例(溶着後)を示す側面図である。
図4図4は、実施形態に係る上金型の構成例を示す斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る上金型の突出部の構成例を示す正面図である。
図6図6は、実施形態に係る下金型の構成例を示す斜視図である。
図7図7は、実施形態に係るワイヤハーネスの構成例を示す斜視図である。
図8図8は、実施形態に係るプロテクタの溶着部位及び非溶着部位を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0011】
図面を参照しながら実施形態に係るワイヤハーネス製造装置1及びワイヤハーネスWHについて説明する。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の電線Wを各機器に電気的に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、導電性を有する電線Wと、当該電線Wの配索経路を規制するプロテクタPとを備える。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、コルゲートチューブ、樹脂テープ、電気接続箱、固定具など種々の構成部品を含んで構成されてもよい。ワイヤハーネス製造装置1は、ワイヤハーネスWHを製造する装置であり、この例では、1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを両側から挟んだ状態で、当該1対の外装部材Sを押圧して溶着することでワイヤハーネスWHを製造する。ここで、外装部材Sは、例えば、塩化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等を原材料にして成形される。以下、ワイヤハーネス製造装置1及びワイヤハーネスWHについて詳細に説明する。
【0012】
なお、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「延在方向X」といい、第2方向を「幅方向Y」といい、第3方向を「押圧方向Z」という。ここでは、延在方向Xと幅方向Yと押圧方向Zとは、相互に交差し、典型的には直交する。延在方向Xは、電線Wが延在する方向である。幅方向Yは、後述の1対の第1突出部12,12が並ぶ方向である。押圧方向Zは、後述の上金型M1及び下金型M2により1対のシート状の外装部材Sを押圧して溶着する方向、上金型M1と下金型M2とを互いに組み合わせる方向である。
【0013】
ワイヤハーネス製造装置1は、例えば、図1図3に示すように、第1金型としての上金型M1と、第2金型としての下金型M2と、電源部(図示省略)とを備える。ワイヤハーネス製造装置1は、電源部により上金型M1及び下金型M2に高周波の電圧を印加することで、高周波エネルギーの電界作用によって外装部材Sを溶着する。なお、ワイヤハーネス製造装置1は、このような高周波溶着に限定されず、例えば、超音波を用いて溶着する超音波溶着等のその他の溶着方法であってもよい。
【0014】
上金型M1及び下金型M2は、図4図6に示すように、第1溶着部10と、第2溶着部20と、第3溶着部30とを有する。第1溶着部10、第2溶着部20、及び、第3溶着部30は、電線Wの延在方向Xに沿って並んで設けられ、それぞれが外装部材Sを溶着する。
【0015】
第1溶着部10は、1対の第1設置面11a,11bと、1対の第1突出部12,12と、1対の第1受け面13,13とを有する。
【0016】
1対の第1設置面11a,11bは、一方の第1設置面11aが上金型M1に設けられ、且つ、他方の第1設置面11bが下金型M2に設けられる。例えば、上金型M1の第1設置面11aは、平面状に形成され、押圧方向Zに沿って下金型M2の第1設置面11bと対向している。下金型M2の第1設置面11bは、上金型M1の第1設置面11aと同じ大きさの平面状に形成され、幅方向Yの中央に電線Wを収容するための電線収容溝40が延在方向Xに沿って形成されている。そして、下金型M2の第1設置面11bは、押圧方向Zに沿って上金型M1の第1設置面11aと対向している。1対の第1設置面11a,11bは、1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを押圧方向Zに沿って両側から挟んだ状態の外装部材S及び電線Wが、当該第1設置面11a,11bの間に設置される。
【0017】
1対の第1突出部12,12は、外装部材Sを押圧方向Zの一方側から押圧するものである。1対の第1突出部12,12は、図3図4に示すように、上金型M1に設けられ、当該上金型M1の第1設置面11aから当該第1設置面11aの法線に沿った第1法線方向N1に沿って突出し、且つ、延在方向Xに沿って延在し、延在方向Xに交差する幅方向Yにおいて電線Wを挟んで両側に設けられる。1対の第1突出部12,12は、図5に示すように、外装部材Sに当接する第1当接面121を有する。第1当接面121は、延在方向Xに沿って延在し、且つ、幅方向Yに沿って交互に並んで設けられる凹部121a及び凸部121bにより構成される凹凸面である。具体的には、第1当接面121は、第1法線方向N1に沿って窪んで形成され且つ延在方向Xに沿って延在する凹部121a、及び、幅方向Yに沿って凹部121aと並んで設けられ、第1法線方向N1に沿って突出して形成され且つ延在方向Xに沿って延在する凸部121bにより構成される凹凸面である。1対の第1突出部12,12は、このような凹凸面が外装部材Sに当接するように構成されているので、外装部材Sを押圧する押圧力が偏ることを抑制できる。
【0018】
1対の第1受け面13,13は、1対の第1突出部12,12により押圧される外装部材Sを受け止める部位である。1対の第1受け面13,13は、図6に示すように、下金型M2の第1設置面11bに設けられ、平面状に形成されている。1対の第1受け面13,13は、電線収容溝40(電線W)を挟んで幅方向Yの両側に設けられ、押圧方向Zに沿って第1突出部12,12と対向している。1対の第1受け面13,13は、外装部材Sを溶着する際に1対の第1突出部12,12により押圧される外装部材Sを受け止める。
【0019】
上述のように構成される第1溶着部10は、1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを押圧方向Zに沿って両側から挟んだ状態の外装部材Sを、上金型M1の第1突出部12,12及び下金型M2の第1受け面13,13により押圧して溶着する。
【0020】
第2溶着部20は、電線Wの延在方向Xに沿って第1溶着部10と並んで設けられ、第1溶着部10と同様に構成されている。すなわち、第2溶着部20は、1対の第2設置面21a,21bと、1対の第2突出部22,22と、1対の第2受け面23,23とを有する。
【0021】
1対の第2設置面21a,21bは、一方の第2設置面21aが上金型M1に設けられ、且つ、他方の第2設置面21bが下金型M2に設けられる。例えば、上金型M1の第2設置面21aは、平面状に形成され、押圧方向Zに沿って下金型M2の第2設置面21bと対向している。下金型M2の第2設置面21bは、上金型M1の第2設置面21aと同じ大きさの平面状に形成され、幅方向Yの中央に電線Wを収容するための電線収容溝40が延在方向Xに沿って形成されている。そして、下金型M2の第2設置面21bは、押圧方向Zに沿って上金型M1の第2設置面21aと対向している。1対の第2設置面21a,21bは、1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを押圧方向Zに沿って両側から挟んだ状態の外装部材S及び電線Wが、当該第2設置面21a,21bの間に設置される。
【0022】
1対の第2突出部22,22は、外装部材Sを押圧方向Zの一方側から押圧するものである。1対の第2突出部22,22は、図3図4に示すように、上金型M1に設けられ、当該上金型M1の第2設置面21aから当該第2設置面21aの法線に沿った第2法線方向N2に沿って突出し、且つ、延在方向Xに沿って延在し、延在方向Xに交差する幅方向Yにおいて電線Wを挟んで両側に設けられる。1対の第2突出部22,22は、図5に示すように、外装部材Sに当接する第2当接面221を有する。第2当接面221は、延在方向Xに沿って延在し、且つ、幅方向Yに沿って交互に並んで設けられる凹部221a及び凸部221bにより構成される凹凸面である。具体的には、第2当接面221は、第2法線方向N2に沿って窪んで形成され且つ延在方向Xに沿って延在する凹部221a、及び、幅方向Yに沿って凹部221aと並んで設けられ、第2法線方向N2に沿って突出して形成され且つ延在方向Xに沿って延在する凸部221bにより構成される凹凸面である。1対の第2突出部22,22は、このような凹凸面が外装部材Sに当接するように構成されているので、外装部材Sを押圧する押圧力が偏ることを抑制できる。なお、1対の第2突出部22,22は、第1設置面11aの面積よりも広い第2設置面21aに設けられることから、第1突出部12,12よりも延在方向Xの長さが2倍程度長く形成されており、第1突出部12,12と長さを合わせるために、延在方向Xの中央にスリット221cが形成されている(図3図4参照)。すなわち、1対の第2突出部22,22は、それぞれがスリット221cを挟んで、分割突出部22aと分割突出部22bとから構成されている。1対の第2突出部22,22は、第1突出部12,12と長さを合わせることで、外装部材Sを押圧する押圧力が偏ることを抑制できる。
【0023】
1対の第2受け面23,23は、1対の第2突出部22,22により押圧される外装部材Sを受け止める部位である。1対の第2受け面23,23は、図6に示すように、下金型M2の第2設置面21bに設けられ、平面状に形成されている。1対の第2受け面23,23は、電線収容溝40(電線W)を挟んで幅方向Yの両側に設けられ、押圧方向Zに沿って第2突出部22,22と対向している。1対の第2受け面23,23は、外装部材Sを溶着する際に1対の第2突出部22,22により押圧される外装部材Sを受け止める。
【0024】
上述のように構成される第2溶着部20は、1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを押圧方向Zに沿って両側から挟んだ状態の外装部材Sを、上金型M1の第2突出部22,22及び下金型M2の第2受け面23,23により押圧して溶着する。
【0025】
第3溶着部30は、電線Wの延在方向Xに沿って第2溶着部20と並んで設けられ、第2溶着部20と同様に構成されている。すなわち、第3溶着部30は、1対の第3設置面31a,31bと、1対の第3突出部32,32と、1対の第3受け面33,33とを有する。
【0026】
1対の第3設置面31a,31bは、一方の第3設置面31aが上金型M1に設けられ、且つ、他方の第3設置面31bが下金型M2に設けられる。例えば、上金型M1の第3設置面31aは、平面状に形成され、押圧方向Zに沿って下金型M2の第3設置面31bと対向している。下金型M2の第3設置面31bは、上金型M1の第3設置面31aと同じ大きさの平面状に形成され、幅方向Yの中央に電線Wを収容するための電線収容溝40が延在方向Xに沿って形成されている。そして、下金型M2の第3設置面31bは、押圧方向Zに沿って上金型M1の第3設置面31aと対向している。1対の第3設置面31a,31bは、1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを押圧方向Zに沿って両側から挟んだ状態の外装部材S及び電線Wが、当該第3設置面31a,31bの間に設置される。
【0027】
1対の第3突出部32,32は、外装部材Sを押圧方向Zの一方側から押圧するものである。1対の第3突出部32,32は、図3図4に示すように、上金型M1に設けられ、当該上金型M1の第3設置面31aから当該第3設置面31aの法線に沿った第3法線方向N3に沿って突出し、且つ、延在方向Xに沿って延在し、延在方向Xに交差する幅方向Yにおいて電線Wを挟んで両側に設けられる。1対の第3突出部32,32は、図5に示すように、外装部材Sに当接する第3当接面321を有する。第3当接面321は、延在方向Xに沿って延在し、且つ、幅方向Yに沿って交互に並んで設けられる凹部321a及び凸部321bにより構成される凹凸面である。具体的には、第3当接面321は、第3法線方向N3に沿って窪んで形成され且つ延在方向Xに沿って延在する凹部321a、及び、幅方向Yに沿って凹部321aと並んで設けられ、第3法線方向N3に沿って突出して形成され且つ延在方向Xに沿って延在する凸部321bにより構成される凹凸面である。1対の第3突出部32,32は、このような凹凸面が外装部材Sに当接するように構成されているので、外装部材Sを押圧する押圧力が偏ることを抑制できる。
【0028】
1対の第3受け面33,33は、1対の第3突出部32,32により押圧される外装部材Sを受け止める部位である。1対の第3受け面33,33は、図6に示すように、下金型M2の第3設置面31bに設けられ、平面状に形成されている。1対の第3受け面33,33は、電線収容溝40(電線W)を挟んで幅方向Yの両側に設けられ、押圧方向Zに沿って第3突出部32,32と対向している。1対の第3受け面33,33は、外装部材Sを溶着する際に1対の第3突出部32,32により押圧される外装部材Sを受け止める。
【0029】
上述のように構成される第3溶着部30は、1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを押圧方向Zに沿って両側から挟んだ状態の外装部材Sを、上金型M1の第3突出部32,32及び下金型M2の第3受け面33,33により押圧して溶着する。
【0030】
ここで、第1当接面121、第2当接面221、及び、第3当接面321は、それぞれが押圧方向Zに対して傾斜しており、それぞれの傾斜角度が同等である。具体的には、図3に示すように、第1当接面121が、押圧方向Zに直交する直交面Qに対して傾斜する傾斜角度θ1と、第2当接面221が、直交面Qに対して、第1当接面121が傾斜する向きとは逆向きに傾斜する傾斜角度θ2とは、同等である。また、第2当接面221が、直交面Qに対して傾斜する傾斜角度θ2と、第3当接面321が、直交面Qに対して、第2当接面221が傾斜する向きとは逆向きに傾斜する傾斜角度θ3とは、同等である。また、第3当接面321が、直交面Qに対して傾斜する傾斜角度θ3と、第1当接面121が、直交面Qに対して、第3当接面321が傾斜する向きと同じ向きに傾斜する傾斜角度θ1とは、同等である。なお、第1受け面13は、第1当接面121の傾斜角度θ1に合わせて傾斜し、第2受け面23は、第2当接面221の傾斜角度θ2に合わせて傾斜し、第3受け面33は、第3当接面321の傾斜角度θ3に合わせて傾斜している。
【0031】
上金型M1は、図4に示すように、延在方向Xにおいて第1設置面11aと第2設置面21aとの間、及び、第2設置面21aとの第3設置面31aとの間にそれぞれ角部Cを有する。第1突出部12,12及び第2突出部22,22は、それぞれが角部Cにおいて間隔をあけて設けられており、同様に、第2突出部22,22及び第3突出部32,32も、それぞれが角部Cにおいて間隔をあけて設けられる。すなわち、第1突出部12,12と第2突出部22,22との間の角部Cには、隙間が設けられており、同様に、第2突出部22,22と第3突出部32,32との間の角部Cにも、隙間が設けられている。これにより、上金型M1及び下金型M2は、1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを押圧方向Zに沿って両側から挟んだ状態の外装部材Sを溶着する際に、押圧力がかかり易い角部Cを非溶着部位とすることで、角部Cが過溶着となることを抑制することができ、これにより全体的に均一に溶着することができる。
【0032】
次に、ワイヤハーネス製造装置1によって製造されるワイヤハーネスWHの構成について説明する。ワイヤハーネスWHは、図7に示すように、電線Wと、プロテクタPとを備える。
【0033】
プロテクタPは、電線Wの配索経路を規制するものであり、電線Wの配索経路に合わせた形状に形成されている。プロテクタPは、例えば、図7に示すように、電線Wの延在方向Xに沿ってジグザグ状に形成されている。プロテクタPは、1対のシート状の外装部材S1,S2により電線Wを両側から押圧方向Zに沿って挟んだ状態で、外装部材S1,S2において幅方向Yに沿って電線Wの両側に位置する溶着部位106が溶着されて電線Wに外装されている。
【0034】
1対の外装部材S1,S2は、一方の外装部材S1が他方の外装部材S2よりも硬い材料で形成されている。すなわち、1対の外装部材S1,S2は、一方の外装部材S1が他方の外装部材S2よりも硬度が高い。
【0035】
外装部材S2よりも硬い外装部材S1は、電線Wを覆い且つ当該電線Wの配索経路を規制するものであり、第1外装部101、第2外装部103、及び、第3外装部105において、平面状に形成された平面形状である。外装部材S1よりも軟らかい外装部材S2は、外装部材S1とは反対側から電線Wを覆うものであり、第1外装部101、第1屈曲部102、第2外装部103、第2屈曲部104、第3外装部105において、電線Wの外周面に沿って湾曲状に形成された湾曲形状に形成されている。
【0036】
プロテクタPは、上述のようにジグザグ状に形成されており、延在方向Xに沿って順に、第1外装部101、第1屈曲部102、第2外装部103、第2屈曲部104、第3外装部105が設けられている。これらの第1外装部101、第1屈曲部102、第2外装部103、第2屈曲部104、及び、第3外装部105は、電線Wを外装する。
【0037】
第1外装部101、第2外装部103、及び、第3外装部105は、硬い外装部材S1により電線Wを直線状に規制した状態で当該電線Wを外装している。第1屈曲部102は、第1外装部101と第2外装部103とを屈曲させた状態で連結している。第2屈曲部104は、第2外装部103と第3外装部105とを上記第1屈曲部102とは逆向きに屈曲させた状態で連結している。
【0038】
第1外装部101、第2外装部103、及び、第3外装部105は、図8に示すように、幅方向Yにおいて電線Wの両側に位置し外装部材S1,S2が溶着した溶着部位106を有する。第1屈曲部102及び第2屈曲部104は、幅方向Yにおいて電線Wの両側に位置し外装部材Sが溶着していない非溶着部位107を有する。非溶着部位107は、各屈曲部102,104の角部に設けられている。言い換えれば、非溶着部位107は、延在方向Xにおいて、一方の溶着部位106と他方の溶着部位106との間に位置している。
【0039】
第1屈曲部102は、図7に示すように、延在方向Xに沿って収縮したしわ状の第1収縮部108を屈曲内側に有する。第1収縮部108は、例えば、外装部材S1が内側に屈曲されることで、幅方向Yに沿って線状のしわが形成された部位であり、非溶着部位107に形成されている。第2屈曲部104は、延在方向Xに沿って収縮したしわ状の第2収縮部109を屈曲内側に有する。第2収縮部109は、例えば、外装部材S2が内側に屈曲されることで、幅方向Yに沿って線状のしわが形成された部位であり、非溶着部位107に形成されている。
【0040】
以上のように、実施形態に係るワイヤハーネス製造装置1は、電線Wの延在方向Xに交差する押圧方向Zに沿って1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを両側から挟んだ状態で、押圧方向Zに沿って1対の外装部材Sを押圧して溶着する上金型M1及び下金型M2を備える。上金型M1及び下金型M2は、延在方向Xに沿って並んで設けられ外装部材Sを溶着する第1溶着部10及び第2溶着部20を有する。第1溶着部10は、1対の第1設置面11a,11b、第1突出部12,12、及び、第1受け面13,13を有する。1対の第1設置面11a,11bは、一方が上金型M1に設けられ且つ他方が下金型M2に設けられ外装部材Sを設置する。第1突出部12,12は、上金型M1の第1設置面11aから当該第1設置面11aの法線に沿った第1法線方向N1に沿って突出し且つ延在方向Xに沿って延在し、延在方向Xに交差する幅方向Yにおいて電線Wを挟んで両側に設けられる。第1受け面13,13は、下金型M2の第1設置面11bに設けられ、電線Wを挟んで幅方向Yの両側に位置し、押圧方向Zに沿って第1突出部12,12と対向する。第2溶着部20は、1対の第2設置面21a,21b、第2突出部22,22、及び、第2受け面23,23を有する。1対の第2設置面21a,21bは、一方が上金型M1に設けられ且つ他方が下金型M2に設けられ外装部材Sを設置する。上金型M1の第2突出部22,22は、第2設置面21aから当該第2設置面21aの法線に沿った第2法線方向N2に沿って突出し且つ延在方向Xに沿って延在し、幅方向Yにおいて電線Wを挟んで両側に設けられる。第2受け面23,23は、下金型M2の第2設置面21bに設けられ、電線Wを挟んで幅方向Yの両側に位置し、押圧方向Zに沿って第2突出部22,22と対向する。第1突出部12,12は、外装部材Sに当接し、押圧方向Zに対して傾斜する第1当接面121を有する。第2突出部22,22は、外装部材Sに当接し、押圧方向Zに対して第1当接面121とは逆向きに傾斜する第2当接面221を有する。上金型M1及び下金型M2は、延在方向Xにおいて第1設置面11aと第2設置面21aとの間に角部Cを有する。第1突出部12,12及び第2突出部22,22は、それぞれが角部Cにおいて間隔をあけて設けられる。
【0041】
この構成により、ワイヤハーネス製造装置1は、第1当接面121及び第2当接面221が押圧方向Zに対して傾斜して設けられているので、第1当接面121又は第2当接面221の一方が押圧方向Zに対して直交する場合と比較して、外装部材Sへの応力が一部(例えば、押圧方向Zに直交する外装部材S)に集中することを抑制でき、応力を均一にできる(図8参照)。また、ワイヤハーネス製造装置1は、第1設置面11aと第2設置面21aとの間に位置する角部Cにおいて、第1突出部12,12と第2突出部22,22との間に間隔が設けられているので、第1突出部12,12と第2突出部22,22とが連結される場合と比較して外装部材Sの角部に応力が集中することを抑制することができ、これにより角部以外の部分(第1外装部101及び第2外装部103)に応力を分散することができ、外装部材Sを均一に溶着できる(図8参照)。この結果、ワイヤハーネス製造装置1は、第1溶着部10及び第2溶着部20により外装部材Sを均一に溶着することができるので、ワイヤハーネスWHを適正に製造することができる。
【0042】
上記ワイヤハーネス製造装置1において、第1当接面121及び第2当接面221は、延在方向Xに沿って延在し且つ幅方向Yに沿って交互に並んで設けられる凹部211a及び凸部221bにより構成される凹凸面である。この構成により、ワイヤハーネス製造装置1は、凹凸面が外装部材Sに当接するので、外装部材Sを押圧する押圧力が偏ることを抑制でき、この結果、外装部材Sを均一に溶着することができる。
【0043】
上記ワイヤハーネス製造装置1において、第1当接面121が、押圧方向Zに直交する直交面Qに対して傾斜する傾斜角度θ1と、第2当接面221が、直交面Qに対して、第1当接面121が傾斜する向きとは逆向きに傾斜する傾斜角度θ2とは、同等である。この構成により、ワイヤハーネス製造装置1は、第1突出部12,12と第2突出部22,22とが等しく外装部材Sを押圧することができるので、外装部材Sを均一に溶着することができる。
【0044】
ワイヤハーネスWHは、電線Wと、プロテクタPとを備える。プロテクタPは、電線Wの延在方向Xに交差する押圧方向Zに沿って1対のシート状の外装部材Sにより電線Wを両側から挟んだ状態で、外装部材Sにおいて延在方向X及び押圧方向Zに交差する幅方向Yに沿って電線Wの両側に位置する溶着部位106が溶着されて電線Wに外装されている。このプロテクタPは、延在方向Xに沿って順に、第1外装部101、第1屈曲部102、第2外装部103が設けられる。第1外装部101、屈曲部102、及び、第2外装部103は、電線Wを外装する。第1屈曲部102は、第1外装部101と第2外装部103とを屈曲させた状態で連結する。第1外装部101及び第2外装部103は、外装部材Sにおいて電線Wの幅方向Yの両側に位置する溶着部位106を有する。第1屈曲部102は、電線Wの幅方向Yの両側に位置し外装部材Sが溶着していない非溶着部位107を有する。
【0045】
この構成により、ワイヤハーネスWHは、外装部材Sの第1屈曲部102(角部)に非溶着部位107を有するので、応力が生じやすい第1屈曲部102が過溶着になることを抑制できる。これにより、ワイヤハーネスWHは、第1屈曲部102以外の部分(第1外装部101及び第2外装部103)に応力を分散することができ、外装部材Sを均一に溶着できる(図8参照)。この結果、ワイヤハーネスWHは、溶着により外装部材Sを複雑な立体形状に形成しても、溶着の過不足が生じることを抑制することができ、外装部材Sから成るプロテクタPにより電線Wの配索経路を適正に規制することができる。
【0046】
上記ワイヤハーネスWHにおいて、1対の外装部材S1,S2は、一方の外装部材S1が他方の外装部材S2よりも硬い材料で形成される。一方の外装部材S1は、第1外装部101及び第2外装部103において平面状に形成された平面形状である。他方の外装部材S2は、第1外装部101、屈曲部102、及び、第2外装部103において電線Wの外周面に沿って湾曲状に形成された湾曲形状である。この構成により、ワイヤハーネスWHは、硬い外装部材S1によって電線Wの配索経路を規制しつつ、軟らかい外装部材S2により電線Wの外周面を保護することで、電線Wと外装部材S(S1,S2)との隙間を埋めた状態で電線Wを外装することができる。これにより、ワイヤハーネスWHは、当該ワイヤハーネスWHを輸送する際のスペースを少なくすることができ、輸送効率が低下することを抑制できる。
【0047】
上記ワイヤハーネスWHにおいて、第1屈曲部102は、延在方向Xに沿って収縮したしわ状の第1収縮部108を屈曲内側に有する。この構成により、ワイヤハーネスWHは、しわ状の第1収縮部108を第1屈曲部102の非溶着部位107に逃がすことができるので、しわ状の第1収縮部108を溶着することによる溶着不良を抑制できる。
【0048】
なお、上記説明では、第1当接面121、第2当接面221、及び、第3当接面321は、凹部及び凸部により構成される凹凸面である例について説明したが、これに限定されず、例えば、平面であってもよい。
【0049】
1対の第1設置面11a,11b、1対の第2設置面21a,21b、及び、1対の第3設置面31a,31bは、それぞれの傾斜角度が同等である例について説明したが、これに限定されず、それぞれの傾斜角度が異なっていてもよい。
【0050】
1対の外装部材S1,S2は、一方の外装部材S1が他方の外装部材S2よりも硬い材料で形成される例について説明したが、これに限定されず、例えば、それぞれが同じ硬さの材料で形成されてもよい。
【0051】
第1屈曲部102及び第2屈曲部104は、しわ状の各収縮部108,109を有する例について説明したが、これに限定されず、このようなしわ状の各収縮部108,109を有していなくてもよい。
【0052】
各突出部12,22,32は、全て上金型M1に設けられる例について説明したが、これに限定されず、例えば、第1突出部12が上金型M1に設けられ、第2突出部22が下金型M2に設けられ、第3突出部32が上金型M1に設けられるような構成としてもよい。この場合、各受け面13,23,33は、第1受け面13が下金型M2に設けられ、第2受け面23が上金型M1に設けられ、第3受け面33が下金型M2に設けられる。
【符号の説明】
【0053】
1 ワイヤハーネス製造装置
10 第1溶着部
11a,11b 第1設置面
12 第1突出部
13 第1受け面
121 第1当接面
20 第2溶着部
21a,21b 第2設置面
22 第2突出部
23 第2受け面
221 第2当接面
121a,221a 凹部
121b,221b 凸部
101 第1外装部
102 第1屈曲部(屈曲部)
103 第2外装部
106 溶着部位
107 非溶着部位
108 第1収縮部(収縮部)
θ1,θ2 傾斜角度
C 角部
M1 上金型(第1金型)
M2 下金型(第2金型)
N1 第1法線方向
N2 第2法線方向
P プロテクタ
Q 直交面
S,S1,S2 外装部材
W 電線
X 延在方向
Y 幅方向
Z 押圧方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8