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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162673
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電気コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6474 20110101AFI20241114BHJP
【FI】
H01R13/6474
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078414
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138140
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 努
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 洋平
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FB02
5E021FC23
5E021LA10
5E021LA15
(57)【要約】
【課題】高速信号が伝送される場合において、リターンロスの発生を低減できるとともに、低速信号が伝送される場合において、コネクタ嵌合接続方向における回路基板同士の距離の変更に柔軟に対処する。
【解決手段】プラグ弾性部1211Eは、プラグ被保持部1211Bの最大の断面積よりも小さい断面積で形成され、ソケット弾性部111Eは、ソケット被保持部111Bの最大の断面積よりも小さい断面積で形成されており、コネクタ嵌合状態にて、プラグ接点部1211E-1がソケット弾性部111Eに接触するときには、ソケット接点部111E-1がプラグ弾性部1211Eに接触し、コネクタ嵌合状態にて、プラグ接点部1211E-1とソケット被保持部111Bとが接触するときには、ソケット接点部111E-1がプラグ被保持部1211Bに接触するようになっている。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の実装面に配置されるプラグコネクタと、他の回路基板の実装面に配置され前記プラグコネクタが嵌合接続されるソケットコネクタとを有する電気コネクタ組立体において、
前記プラグコネクタは、嵌合接続方向に対して直角な一方向を端子配列方向として配列された複数のプラグ端子と、前記複数のプラグ端子を保持するプラグハウジングとを有しており、
前記ソケットコネクタは、端子配列方向に配列された複数のソケット端子と、前記複数のソケット端子を保持するソケットハウジングとを有しており、
前記プラグ端子は、嵌合接続方向における少なくとも一部の範囲で前記プラグハウジングに保持されるプラグ被保持部と、嵌合接続方向で前記プラグ被保持部よりも前記ソケットコネクタ側に位置し、嵌合接続方向および端子配列方向の両方向に対して直角なコネクタ幅方向に弾性変形可能なプラグ弾性部とを有し、
前記プラグ弾性部は、前記プラグ被保持部の最大の断面積よりも小さい断面積で形成されているとともに、コネクタ幅方向に突出し前記ソケット端子に接触可能なプラグ接点部を有しており、
前記ソケット端子は、嵌合接続方向における少なくとも一部の範囲で前記ソケットハウジングに保持されるソケット被保持部と、嵌合接続方向で前記ソケット被保持部よりも前記プラグコネクタ側に位置し、コネクタ幅方向に弾性変形可能なソケット弾性部とを有し、
前記ソケット弾性部は、前記ソケット被保持部の最大の断面積よりも小さい断面積で形成されているとともに、コネクタ幅方向に突出し前記プラグ端子に接触可能なソケット接点部を有しており、
前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとは、予め設定された嵌合深さで嵌合接続されるようになっており、
前記プラグ接点部と前記ソケット弾性部とが接触可能な範囲に嵌合深さが設定されているときには、コネクタ嵌合状態にて、前記プラグ接点部が前記ソケット弾性部に接触するととともに前記ソケット接点部が前記プラグ弾性部に接触し、
前記プラグ接点部と前記ソケット被保持部とが接触可能な範囲に嵌合深さが設定されているときには、コネクタ嵌合状態にて、前記プラグ接点部が前記ソケット被保持部に接触するととともに前記ソケット接点部が前記プラグ被保持部に接触するようになっていることを特徴とする電気コネクタ組立体。
【請求項2】
前記プラグ端子と前記ソケット端子とは、互いに同じ形状をなして形成されていることとする請求項1に記載の電気コネクタ組立体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板の実装面に配置されるプラグコネクタと、他の回路基板の実装面に配置されプラグコネクタが嵌合接続されるソケットコネクタとを有する電気コネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回路基板の実装面に配置されるコネクタと、他の回路基板の実装面に配置され上記コネクタに上方から嵌合接続される相手側コネクタとを有する電気コネクタ組立体が開示されている。コネクタに設けられている端子は、回路基板に対して平行な一方向を端子配列方向として配列されている。各端子は、金属帯状片をその板厚方向に屈曲して形成されており、一端側で回路基板の実装面に接続可能となっているとともに、他端側で相手側コネクタの相手側端子(相手側コンタクト)に接触可能となっている。
【0003】
端子の一端側には、その板厚方向に弾性変形可能な略逆V字状の主部が形成されている。主部は、その全長にわたって同じ太さ、換言すると、同じ断面積(端子の長手方向に対して直角な断面の面積)で形成されており、ハウジングに保持されている第2被保持部から上方へ延びる第1バネ部と、第1バネ部の上端で折り返された突出部と、突出部から斜め下方へ延びる第2バネ部とを有している。突出部には第1接点部が形成され、第2バネ部の下端部には第2接点部が形成されおり、第1接点部および第2接点部で相手側端子に接触するようになっている。
【0004】
相手側コネクタに設けられている相手側端子は、上記端子の主部を上下反転したような形状の相手側主部を有している。コネクタ嵌合状態にて、相手側主部に形成された相手側第1接点部が上記端子の第2接点部に接触し、相手側第2接点部が上記端子の第1接点部に接触する。つまり、端子と相手側端子とは、2つの接触位置で接触する2点接触の状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-035300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、主部および相手側主部によって形成される信号伝送経路は、上述した2つの接触位置の間の範囲では、2本の第2バネ部によって形成されている。また、この範囲の両外側では1本の第1バネ部によって信号伝送経路が形成される。つまり、この信号伝送経路では、上記範囲の内外でその断面積が大きく変化する。具体的には、信号伝送経路の断面積は、2つの接触位置同士間の範囲においては、2本の第2バネ部(端子の第2バネ部および相手側端子の第2バネ部)の断面積の合計であり、上記範囲外においては、1本の第1バネ部の断面積である。上述したように、主部および相手側主部はその全長にわたって同じ断面積で形成されている。したがって、信号伝送経路は、上記範囲における断面積が上記範囲外における断面積の2倍となっている。また、上記範囲の長さは、第2バネ部のほぼ全長に等しく、比較的長くなっている。
【0007】
伝送される信号が高速信号である場合、信号伝送経路における断面積の変化が小さく抑えられてインピーダンスマッチングが図られていることが非常に重要となる。特許文献1では、上述したように上記2つの接触位置同士の間という比較的長い範囲にわたって信号伝送経路の断面積が他の範囲よりも大きくなっている。その結果、上記範囲の内外でインピーダンスが大きく変化することとなり、良好なインピーダンスマッチングを取りにくくなってしまう。したがって、仮に電気コネクタ組立体で高速信号を伝送した場合、上記範囲において生じるリターンロスが大きくなり、信号に及ぼされるノイズの影響が増大してしまい、その結果、信号伝送特性が低下するおそれがある。
【0008】
一方、伝送される信号が低速信号である場合には、上記範囲において生じるリターンロスが大きくなってなっても、信号に及ぼされるノイズの影響がさほど大きくないので、上記範囲の内外で信号伝送経路の断面積が急激に変化することは信号伝送特性において問題となりにくい。
【0009】
ところで、特許文献1では、コネクタ同士は所定の嵌合深さで嵌合されることにより接続される。仮に、電気コネクタ組立体が設けられている電子機器の設計変更により、コネクタ嵌合接続方向における回路基板同士間の距離が増減したときには、コネクタ自体の形状を変更させて上記距離の増減に対処しなければならない。このとき、形状が変更された電気コネクタ組立体を新たに製造する必要が生じるので、その分、製造時間や製造コストがかかってしまう。これに対し、1種類の電気コネクタ組立体で上記距離の変更に対処できれば、製造時間や製造コストの増大を回避できるという点で非常に有利である。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑み、高速信号が伝送される場合において、リターンロスの発生を低減できるとともに、低速信号が伝送される場合において、コネクタ嵌合接続方向における回路基板同士の距離の変更に柔軟に対処できる電気コネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1) 本発明に係る電気コネクタ組立体は、回路基板の実装面に配置されるプラグコネクタと、他の回路基板の実装面に配置され前記プラグコネクタが嵌合接続されるソケットコネクタとを有する。
【0012】
かかる電気コネクタ組立体において、本発明では、前記プラグコネクタは、嵌合接続方向に対して直角な一方向を端子配列方向として配列された複数のプラグ端子と、前記複数のプラグ端子を保持するプラグハウジングとを有しており、前記ソケットコネクタは、端子配列方向に配列された複数のソケット端子と、前記複数のソケット端子を保持するソケットハウジングとを有しており、前記プラグ端子は、嵌合接続方向における少なくとも一部の範囲で前記プラグハウジングに保持されるプラグ被保持部と、嵌合接続方向で前記プラグ被保持部よりも前記ソケットコネクタ側に位置し、嵌合接続方向および端子配列方向の両方向に対して直角なコネクタ幅方向に弾性変形可能なプラグ弾性部とを有し、前記プラグ弾性部は、前記プラグ被保持部の最大の断面積よりも小さい断面積で形成されているとともに、コネクタ幅方向に突出し前記ソケット端子に接触可能なプラグ接点部を有しており、前記ソケット端子は、嵌合接続方向における少なくとも一部の範囲で前記ソケットハウジングに保持されるソケット被保持部と、嵌合接続方向で前記ソケット被保持部よりも前記プラグコネクタ側に位置し、コネクタ幅方向に弾性変形可能なソケット弾性部とを有し、前記ソケット弾性部は、前記ソケット被保持部の最大の断面積よりも小さい断面積で形成されているとともに、コネクタ幅方向に突出し前記プラグ端子に接触可能なソケット接点部を有しており、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとは、予め設定された嵌合深さで嵌合接続されるようになっており、前記プラグ接点部と前記ソケット弾性部とが接触可能な範囲に嵌合深さが設定されているときには、コネクタ嵌合状態にて、前記プラグ接点部が前記ソケット弾性部に接触するととともに前記ソケット接点部が前記プラグ弾性部に接触し、前記プラグ接点部と前記ソケット被保持部とが接触可能な範囲に嵌合深さが設定されているときには、コネクタ嵌合状態にて、前記プラグ接点部が前記ソケット被保持部に接触するととともに前記ソケット接点部が前記プラグ被保持部に接触するようになっていることを特徴としている。
【0013】
本発明では、プラグ端子とソケット端子は互いに2点で接触するようになっている。具体的には、プラグ接点部とソケット弾性部とが接触可能な範囲に嵌合深さが設定されているときには(ここでは説明の便宜上、この嵌合深さを「浅い嵌合深さ」という)、コネクタ嵌合状態にて、プラグ接点部がソケット弾性部に接触するととともにソケット接点部がプラグ弾性部に接触する。したがって、信号伝送経路の断面積は、2つの接触位置同士の間の範囲では、2本の弾性部(プラグ弾性部およびソケット弾性部)の断面積の合計となる。
【0014】
したがって、本発明においても、上記範囲において信号伝送経路の断面積が大きくなるという点では従来と同様である。しかし、本発明では、プラグ弾性部は断面積がプラグ被保持部の最大の断面積よりも小さくなっており、また、ソケット弾性部は断面積がソケット被保持部の最大の断面積よりも小さくなっている。したがって、2つの接触位置同士の間の範囲における信号伝送経路の断面積の合計は、上記範囲外における信号伝送経路(1本のプラグ被保持部あるいは1本のソケット被保持部)の断面積の2倍よりも小さい。その結果、上記範囲の内外における信号伝送経路の断面積の変化、ひいてはインピーダンスの変化が従来よりも小さくなる。
【0015】
したがって、本発明では、高速信号を伝送する場合には、コネクタ同士の嵌合深さを浅い嵌合深さとして設定することにより、上記範囲において生じるリターンロスが低減されるので、信号に及ぼされるノイズの影響が減少し、その結果、信号伝送特性の低下が回避される。
【0016】
一方、プラグ接点部とソケット被保持部とが接触可能な範囲に嵌合深さを設定し(ここでは説明の便宜上、この嵌合深さを「深い嵌合深さ」という)、コネクタ嵌合状態にて、プラグ接点部がソケット被保持部に接触するととともにソケット接点部がプラグ被保持部に接触するようにしたとき、信号伝送経路における2つの接触部同士間の範囲では、信号伝送経路の断面積は、1本の弾性部および1本の被保持部の断面積の合計、あるいは2本の被保持部(プラグ被保持部およびソケット被保持部)の断面積の合計となる。被保持部は最大の断面積が弾性部の断面積よりも大きくなるように形成されているので、この信号伝送経路では、上述した浅い嵌合深さの場合と比較して、上記範囲の内外における信号伝送経路の断面積の変化、ひいてはインピーダンスの変化が大きくなる。また、浅い嵌合深さの場合よりも深く嵌合している分、上記範囲が長く形成されることとなる。したがって、深い嵌合接続状態では、インピーダンスの変化により上記範囲で生じるリターンロスが、浅い嵌合状態と比べて大きくなる。
【0017】
しかし、低速信号を伝送する場合には、信号の乱れが伝送に及ぼす影響は小さい。したがって、深い嵌合深さにおける信号伝送経路、すなわち、2つの接触位置同士の間の範囲での断面積が大きく、かつ、該範囲にわたって長く形成された信号伝送経路であっても、低速信号を伝送することは十分に可能である。つまり、低速信号を伝送する場合には、浅い嵌合深さおよび深い嵌合深さのいずれの嵌合深さであっても、信号特性の低下が生じにくい。したがって、低速信号の伝送に関して嵌合深さの設定の自由度が向上するので、回路基板同士の距離の変更に柔軟に対処することができる。
【0018】
(2) (1)の発明において、プラグ端子とソケット端子とは、互いに同じ形状をなして形成されていてもよい。このようにすることにより、1種類の形状の端子をプラグ端子およびソケット端子のいずれにも利用することができるので、その分、コネクタの製造が簡単になるとともに、製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、高速信号が伝送される場合において、リターンロスの発生を低減できるとともに、低速信号が伝送される場合において、コネクタ嵌合接続方向における回路基板同士の距離の変更に柔軟に対処できる電気コネクタ組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るコネクタ連結体、およびこれに嵌合接続される相手コネクタ連結体の嵌合接続前の状態を示した斜視図である。
図2図1のコネクタ連結体の組立前の状態を示した斜視図である。
図3】高速ソケットコネクタ単体の斜視図であり、(A)はコネクタ幅方向での一方の側から見た状態、(B)はコネクタ幅方向での他方の側から見た状態を示している。
図4】(A)は図3(A)に示される高速ソケットコネクタの高速ソケット端子および固定金具を示した斜視図であり、(B)は高速信号端子の側面図である。
図5図4(A)に示される高速ソケット端子の下部をコネクタ幅方向での一方の側から見て示した正面図である。
図6】高速プラグコネクタ単体の斜視図であり、(A)はコネクタ幅方向での一方の側から見た状態、(B)はコネクタ幅方向での他方の側から見た状態を示している。
図7】高密度ソケットコネクタ単体の斜視図であり、(A)はコネクタ幅方向での一方の側から見た状態、(B)はコネクタ幅方向での他方の側から見た状態を示している。
図8】(A)は図7(A)に示される高速ソケットコネクタの高密度ソケット端子および固定金具を示した斜視図であり、(B)は高密度ソケット端子の端子列の側面図である。
図9】高密度プラグコネクタ単体の斜視図であり、(A)はコネクタ幅方向での一方の側から見た状態、(B)はコネクタ幅方向での他方の側から見た状態を示している。
図10】電源ソケットコネクタ単体の斜視図であり、(A)はコネクタ幅方向での一方の側から見た状態、(B)はコネクタ幅方向での他方の側から見た状態を示している。
図11】電源ソケットコネクタの電源ソケット端子を示した図であり、(A)はコネクタ幅方向での一方の側から見た状態の斜視図、(B)はコネクタ幅方向での他方の側から見た状態の斜視図、(C)は側面図である。
図12】電源プラグコネクタ単体の斜視図であり、(A)はコネクタ幅方向での一方の側から見た状態、(B)はコネクタ幅方向での他方の側から見た状態を示している。
図13】(A)はコネクタ連結体の側面図であり、(B)は(A)の下部の一部を拡大して示した拡大図である。
図14】(A)は図13(A)のXIIIA-XIIIA断面の下部を示す一部断面図であり、(B)は図13(B)のXIIIB-XIIIB断面の下部を示す一部断面図である。
図15】(A)は高速ソケットコネクタと高速プラグコネクタとが浅い嵌合状態にあるときの端子位置での断面図であり、(B)は(A)の高速ソケット端子と高速プラグ端子のみを示した断面図である。
図16】(A)は高速ソケットコネクタと高速プラグコネクタとが深い嵌合状態にあるときの端子位置での断面図であり、(B)は(A)の高速ソケット端子と高速プラグ端子のみを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るコネクタ連結体1およびこれに嵌合接続される相手コネクタ連結体2の斜視図であり、嵌合接続直前の状態を示している。コネクタ連結体1および相手コネクタ連結体2は、それぞれ異なる回路基板(図示せず)の実装面上に配される回路基板用電気コネクタであり、各回路基板の実装面に対して直角な上下方向(Z軸方向)を嵌合接続方向として互いに嵌合接続される。具体的には、コネクタ連結体1に対して上方(Z2側)から相手コネクタ連結体2が嵌合接続されるようになっている。
【0023】
コネクタ連結体1は、回路基板の実装面に配置されて実装される回路基板用電気コネクタである複数のコネクタ10,20,30,40,50,60(以下、「コネクタ10~60」と表記する)と、回路基板の実装面に対して平行な一方向(X軸方向)をコネクタ配列方向として配列されたコネクタ10~60を連結する金属製の連結部材70とを有している。このとき、コネクタ10~60はそれらの幅方向(コネクタ幅方向)がコネクタ配列方向(X軸方向)に一致する姿勢で配置されている。コネクタ10~60は、複数種のコネクタ、具体的には、高速ソケットコネクタ10、高速プラグコネクタ20、高密度ソケットコネクタ30、高密度プラグコネクタ40、電源ソケットコネクタ50、電源プラグコネクタ60を含んでいる。
【0024】
以下、高速ソケットコネクタ10および高速プラグコネクタ20について、特に区別する必要がない場合には「高速コネクタ10,20」と総称し、高密度ソケットコネクタ30および高密度プラグコネクタ40について、特に区別する必要がない場合には「高密度コネクタ30,40」と総称し、電源ソケットコネクタ50および電源プラグコネクタ60について、特に区別する必要がない場合には「電源コネクタ50,60」と総称する。
【0025】
本実施形態では、コネクタ連結体1には、図1に示されているように、コネクタ配列方向(X軸方向)でX2側から順に、高速ソケットコネクタ10、高速プラグコネクタ20、高速ソケットコネクタ10、高速プラグコネクタ20、高密度ソケットコネクタ30、高密度プラグコネクタ40、高密度ソケットコネクタ30、高密度プラグコネクタ40、電源ソケットコネクタ50、電源プラグコネクタ60が配置されており、合計10個のコネクタが設けられている。
【0026】
本実施形態では、高速ソケットコネクタ10と高速プラグコネクタ20、高密度ソケットコネクタ30と高密度プラグコネクタ40、電源ソケットコネクタ50と電源プラグコネクタ60は、それぞれ互いに嵌合接続可能な構成を有している。高速コネクタ10,20は、高速差動信号を伝送する電気コネクタである。高密度コネクタ30,40は、高速差動信号よりも低速な信号を伝送する電気コネクタであり、高速コネクタ10,20よりも多くの端子が高密度に配列されている。電源コネクタ50,60は、電源信号を伝送する電気コネクタである。
【0027】
図2は、コネクタ連結体1の組立前の状態を示した斜視図である。コネクタ連結体1は、連結部材70にコネクタ10~60が下方から取り付けられることにより組み立てられる。コネクタ連結体1の組立要領の詳細については後述する。
【0028】
図3(A)は、高速ソケットコネクタ10単体をコネクタ幅方向(X軸方向)での一方の側(X2側)から見た状態で示した斜視図であり、図3(B)は、高速ソケットコネクタ10単体をコネクタ幅方向での他方の側(X1側)から見た状態で示した斜視図である。図4(A)は、図3(A)に示される高速ソケットコネクタ10の高速ソケット端子110および固定金具150を示した斜視図であり、図4(B)は高速ソケット端子110の後述する高速信号端子111の側面図である。高速ソケットコネクタ10は、図3(A),(B)に示されているように、金属製の複数の高速ソケット端子110と、複数の高速ソケット端子110を保持する樹脂等の電気絶縁材製のソケットハウジング120,130(後述の「固定ソケットハウジング120」および「可動ソケットハウジング130」)と、可動ソケットハウジング130に保持される金属製のグランド板140と、固定ソケットハウジング120に保持される金属製の固定金具150(図4(A)参照)とを有している。
【0029】
高速ソケット端子110は、回路基板の実装面に対して平行な一方向、具体的には、コネクタ配列方向(X軸方向)および上下方向(Z軸方向)の両方に対して直角な方向(Y軸方向)を端子配列方向として配列されている。高速ソケット端子110は、金属帯条片を板厚方向に屈曲して形成されており、その端子幅方向が端子配列方向と一致する姿勢で配置されている。図4(A)に示されているように、複数の高速ソケット端子110は高速信号端子111およびグランド端子112を混在した状態で有している。高速ソケット端子110の端子列において、互いに隣接して対をなす2本の高速信号端子111の両側に1本のグランド端子112が隣接するように配置されている。本実施形態では、対をなす2本の高速信号端子111は高速差動信号を伝送可能なペアをなしている。
【0030】
高速信号端子111は、図4(A),(B)に示されるように、固定ソケットハウジング120に保持される固定側被保持部111Aと、可動ソケットハウジング130に保持される可動側被保持部(ソケット被保持部)111Bと、固定側被保持部111Aと可動側被保持部111Bの間に位置するフローティング部111Cと、固定側被保持部111Aの下端から延びる接続部111Dと、可動側被保持部111Bの上端から延びる弾性部(ソケット弾性部)111Eとを有している。
【0031】
固定側被保持部111Aは、図4(A),(B)に示されるように、端子配列方向(Y軸方向)に見て略クランク状をなしており、固定ソケットハウジング120に一体モールド成形により埋設保持されている(図3(A),(B)参照)。可動側被保持部111Bは、上下方向に直状に延びている。可動側被保持部111Bの上下方向での複数位置には、可動側被保持部111Bにおける他部よりも端子幅寸法(端子配列方向での寸法)が若干小さい幅狭部111B-1が形成されており、この幅狭部111B-1で可動ソケットハウジング130に一体モールド成形により保持されている。このとき、図3(A)に示されているように、幅狭部111B-1は、端子配列方向での両側縁部およびコネクタ幅方向におけるX1側の板面が覆われて保持されている。換言すると、幅狭部111B-1のコネクタ幅方向におけるX2側の板面は可動ソケットハウジング130から露出している。したがって、固定側被保持部111AのX2側の板面は、上下方向での全範囲にわたって露出しており、相手コネクタ連結体2に設けられた相手端子に接触可能な接触面をなしている。
【0032】
接続部111Dは、固定側被保持部111Aの下端で屈曲されてコネクタ幅方向でX2側へ向けて延びており、その下面で回路基板の実装面の回路部に半田接続される。
【0033】
フローティング部111Cは、固定側被保持部111Aの上端と可動側被保持部111Bの下端とを連結しており、コネクタ幅方向(X軸方向)でX1側、すなわち接続部111Dが設けられている側(X2側)とは反対側へ膨出して形成されている。図4(B)に示されているように、フローティング部111Cは、端子配列方向に見て、コネクタ幅方向におけるX1側に突湾曲するとともにX2側に開口した略横U字状をなしている。
【0034】
本実施形態では、フローティング部111Cがこのような形状をなしているので、従来のようにフローティング部が上下方向に延びる直状をなしている場合と比較して、高速信号端子111の上下方向寸法を大きくすることなくフローティング部111Cを長く形成して、そのばね長を大きく確保でき、その結果、フローティング部111Cの変形量、ひいては可動ソケットハウジング130のフローティング量を大きくすることができる。また、フローティング部111Cが接続部111Dとは反対側へ膨出していることにより、上方(Z1側)から高速信号端子111を見たときに、フローティング部111Cと接続部111Dとが重複しないので、実装面に対する接続部111Dの半田接続状態を容易に視認することができる。
【0035】
フローティング部111Cは、その湾曲頂部111C-1を支点として2つの脚部111C-2の間隔を増減するように弾性変形可能となっており、さらに、固定側被保持部111Aの上端との連結位置および可動側被保持部111Bの下端との連結位置のそれぞれを支点として弾性変形可能となっている。このフローティング部111Cは、コネクタ幅方向(X軸方向)、端子配列方向(Y軸方向)および上下方向(Z軸方向)のいずれの方向にも弾性変形であり、これらの方向で固定ソケットハウジング120に対する可動ソケットハウジング130の相対移動が許容される。したがって、従来と比べて可動ソケットハウジング130のフローティングの方向における自由度を向上させることができる。
【0036】
図5は、図4(A)に示される高速ソケット端子110の下部をコネクタ幅方向(X軸方向)でX2側から見て示した正面図である。図4(A)および図5に示されているように、フローティング部111Cは、弾性変形時において支点となる部分、具体的には、湾曲頂部111C-1、固定側被保持部111Aの上端との連結部分、および可動側被保持部111Bの下端との連結部分に切欠部111C-3が形成されており、これらの部分がフローティング部111Cにおける他部よりも端子配列方向で小さく、すなわち幅狭となっている。したがって、これらの幅狭の部分、ひいてはフローティング部111C全体が弾性変形しやすくなり、その結果、可動ソケットハウジング130の良好なフローティングが実現される。
【0037】
また、本実施形態では、図5に示されるように、隣接して対をなす2つの高速信号端子111のフローティング部111Cにおいて、切欠部111C-3は、互いに離反する側に位置する側縁部に形成されている。つまり、その結果、フローティング部111Cは端子配列方向で互いに対称な形状をなしている。したがって、切欠部111C-3は、互いに近接する側縁部には形成されておらず、図5に示されるように、端子配列方向におけるフローティング部111C同士間の寸法Gがフローティング部111Cの全長範囲にわたって等しくなっている。したがって、対をなす2つの高速信号端子111において、より適切な差動インピーダンスを確保することができる。
【0038】
弾性部111Eは、可動ソケットハウジング130に支持されておらず、その板厚方向で弾性変形可能となっている。弾性部111EのX2側の板面は、相手コネクタ連結体2に設けられた相手端子に接触可能な接触面をなしている。弾性部111Eは、図4(B)に示されているように、可動側被保持部111Bの上端から、上方へ向かうにつれてコネクタ幅方向(X軸方向)でX2側へ若干傾斜するように延び、さらに屈曲され、上方へ向かうにつれてX1側へ傾斜するように延びている。この屈曲した部分、すなわち、X2側に突出した部分は、相手端子に接触可能なソケット接点部111E-1として形成されている。
【0039】
本実施形態では、弾性部111Eの端子幅寸法、すなわち端子配列方向での寸法は、可動側被保持部111Bの最大の幅寸法、可動側被保持部111Bにおける幅狭部111B-1を除いた部分の幅寸法よりも小さくなっている。換言すると、弾性部111Eの断面積(高速信号端子111の長手方向に対して直角な断面の面積)が可動側被保持部111Bにおける最大の断面積よりも小さくなっている。具体的には、弾性部111Eは、可動側被保持部111Bの上端から上方に向かうにつれて徐々に幅狭となり、ソケット接点部111E-1で最小幅となっている。また、ソケット接点部111E-1よりも上端側の部分は該ソケット接点部111E-1と同じ端子幅で形成されている。
【0040】
グランド端子112は、固定側被保持部112Aと、可動側被保持部112Bと、フローティング部112Cと、接続部112Dと、弾性部112Eとを有している。このグランド端子112は、可動側被保持部112Bおよびフローティング部112Cを除き、高速信号端子111と同じ形状をなしている。可動側被保持部112Bは、高速信号端子111の可動側被保持部111Bよりも、端子幅寸法(端子配列方向)での寸法が小さく、すなわち細くなっている。フローティング部112Cは、端子配列方向に見て、コネクタ幅方向におけるX1側に突湾曲する略横U字状をなしていて湾曲頂部112C-1および2つの脚部112C-2を有している点、また、湾曲頂部112C-1、固定側被保持部112Aの上端との連結部分、および可動側被保持部112Bの下端との連結部分に切欠部112C-3が形成されている点においては、高速信号端子111のフローティング部111Cと同じである。しかし、図5に示されているように、フローティング部112Cでは、切欠部112C-3がフローティング部112Cの両側の側縁部に形成されている点で、フローティング部111Cと異なっている。
【0041】
ソケットハウジング120,130は、図3(A),(B)に示されているように、高速ソケット端子110を介して回路基板に固定される固定ソケットハウジング120と、固定ソケットハウジング120に対して相対移動可能な可動ソケットハウジング130とを有している。固定ソケットハウジング120は、端子配列方向における固定ソケットハウジング120の両端に設けられた端部としての固定側端壁部121と、端子配列方向に延び2つの固定側端壁部121を連結する固定側保持部123とを有している。
【0042】
固定側端壁部121は、端子配列方向における端子配列範囲外に位置し固定金具150の一部を一体モールド成形により埋設保持している。また、固定側端壁部121は、端子配列方向で外側に位置する外壁面(端子配列方向に対して直角な面)から突出する圧入部122を有している。連結部材70の後述の長溝部72A(図13(A),(B)参照)によって圧入保持されるようになっている。
【0043】
また、固定側保持部123は、端子配列方向で端子配列範囲にわたって延びており、高速ソケット端子110の固定側被保持部111A,112Aを一体モールド成形により埋設保持している。
【0044】
可動ソケットハウジング130は、図3(A),(B)に示されているように、端子配列方向での端子配列範囲の両外側に位置し上下方向に延びる可動側端壁部131と、端子配列方向における端子配列範囲で高速ソケット端子110に沿って設けられ2つの可動側端壁部131を連結する複数の可動側側壁部としての延在部135とを有している。可動ソケットハウジング130は、上下方向に延びるとともに上方に開口した受入空間136が形成されており、該受入空間136で相手コネクタである高速プラグコネクタ1020を受け入れるようになっている。
【0045】
可動側端壁部131の下部には、端子配列方向で外側に位置する外壁面(端子配列方向に対して直角な面)から突出する被規制部132を有している。被規制部132は、上下方向に延びる略四角柱状をなしている。被規制部132は、連結部材70の後述の長溝部72A(図13(A),(B)参照)内に収容されるとともに、該長溝部72Aの内縁部によってコネクタ幅方向(X1方向およびX2方向)および上方(Z1方向)における移動の規制を受けるようになっている。
【0046】
可動側端壁部131には、端子配列方向での内面から没するとともに上下方向に延びる溝状の案内部133が、受入空間136の一部をなして形成されている。案内部133は、相手コネクタ連結体2との嵌合接続時に該相手コネクタ連結体2に設けられた高速プラグコネクタ1020の可動プラグハウジング1230の端部を上下方向で案内するようになっている。また、可動側端壁部131は、端子配列方向(Y軸方向)で案内部133と同じ範囲にて、コネクタ幅方向(X軸方向)で案内部133よりもX1側に位置し、案内部133に沿って上下方向に延びる端支持部134を有している。端支持部134は、相手コネクタ連結体2との嵌合状態にて、案内部133内に収容された可動プラグハウジング230の端部である被案内部231AをX1側へ、すなわち高速ソケット端子110側へ向けて支持するようになっている。このように、本実施形態では、可動側端壁部131が可動プラグハウジング1230の案内および支持に利用されている。
【0047】
また、図3(A),(B)に示されているように、可動側端壁部131の上端部には、可動プラグハウジング1230を案内部133へ案内するための傾斜面137,138が形成されている。具体的には、傾斜面137は、下方に向かうにつれてコネクタ幅方向(X軸方向)で案内部133側へ傾斜しており、可動プラグハウジング1230の端部をコネクタ幅方向で案内する。傾斜面138は、下方に向かうにつれて端子配列方向(Y軸方向)で案内部133側へ傾斜しており、可動プラグハウジング1230の端部を端子配列方向で案内する。
【0048】
延在部135は、コネクタ幅方向(X軸方向)で案内部133よりもX1側の位置で、端子配列範囲わたって延びている。本実施形態では、5つの延在部135が上下方向で間隔をもって設けられており、隣接する延在部135同士の間にはコネクタ幅方向に貫通する窓部(図示せず)が形成されている。その結果、高速ソケット端子110の可動側被保持部111Bは、上記窓部が形成されている範囲で該窓部を介してX1側へ向けて可動ソケットハウジング130から露出している。本実施形態では、上下方向における大部分に上記窓部が形成されており、その結果、可動側被保持部111Bが広い範囲で露出している。
【0049】
また、本実施形態では、5つの延在部135のうち、上下方向で可動側被保持部111Bの範囲内の複数位置に形成されている4つの延在部135は、可動側被保持部111Bを保持するための可動側保持部として機能している。具体的には、上記4つの延在部135のうち、最下位置にある延在部135は、可動側被保持部111Bの下端部を埋設保持している。その他の3つの延在部135は、上下方向で幅狭部111B-1(図4(A)参照)に対応する位置に設けられており、端子配列方向で隣接する幅狭部111B-1同士間に対応する位置にてX2側へ突出する突部135Aを有している。これらの延在部135は、幅狭部111B-1のX1側の板面を支持するともに、突部135Aによって幅狭部111B-1の両側縁部を保持している。
【0050】
受入空間136は、コネクタ幅方向(X軸方向)では、案内部133の範囲、端子配列方向(Y軸方向)では、2つの案内部133の内壁面(端子配列方向に対して直角な面)同士間の範囲、上下方向(Z軸方向)では、可動ソケットハウジング130の上端から最下位置の延在部135の上面の位置にわたる範囲で形成されている。また、受入空間136は、図3(A)に示されているように、端子配列方向における端子配列範囲、かつ上下方向における全範囲にて、コネクタ幅方向で高速ソケット端子110とは反対側、すなわちX2側に向けて開放されている。
【0051】
グランド板140は、略長方形の外形を有する金属板部材に切り起こし加工を部分的に施して形成されており、全ての高速ソケット端子110の可動側被保持部111Bおよび弾性部111Eをコネクタ幅方向でX1側から覆うように設けられている。本実施形態では、グランド板140は、X1側に向けて切り起こされた複数の被取付部(図示せず)で、延在部135に形成された取付孔部(図示せず)へX1側から圧入されることにより、可動ソケットハウジング130に保持されている。
【0052】
また、グランド板140には、端子配列方向でグランド端子112に対応する位置で、X1側に向けて切り起こされたグランド接触片(図示せず)が設けられている。該グランド接触片は、上下方向で複数位置に形成されており、これらの位置でグランド端子112にX1側から接触するようになっている。
【0053】
固定金具150は、図4(A)に示されているように、金属板部材を板厚方向に屈曲して形成されており、高速ソケット端子110の端子配列範囲の両外側に1つずつ設けられている。固定金具150は、隣接する3つの高速ソケット端子110の下部(固定側被保持部111Aおよび接続部111D)同士を、その長手方向での中間位置で連結したような形状をなしている。固定金具150は、固定側被保持部111Aと同じ形状をなす被保持部151と、接続部111Dと同じ形状をなす固定部152と、隣接する被保持部151同士を連結する連結部153とを有している。固定金具150は、高速ソケット端子110の下部と同列をなすように配置されており、被保持部151が固定ソケットハウジング120の固定側端壁部121によって一体モールド成形されて埋設保持されている。
【0054】
図6(A),(B)は高速プラグコネクタ20単体の斜視図であり、図6(A)はコネクタ幅方向での一方の側(X2側)から見た状態、図6(B)はコネクタ幅方向での他方の側(X1側)から見た状態を示している。図6(A),(B)の高速プラグコネクタ20において、高速ソケットコネクタ10と対応する部分には、高速ソケットコネクタ10における符号に「100」を加えた符号が付されている。高速プラグコネクタ20は、高速プラグ端子210と、プラグハウジング220,230(「固定プラグハウジング220」および「可動プラグハウジング230」)と、グランド板240と、固定金具250とを有している。
【0055】
高速プラグコネクタ20は、相手コネクタ連結体2に設けられた相手コネクタとしての高速ソケットコネクタ1010の受入空間内に嵌入して、該高速ソケットコネクタ1010と接続可能となっている。高速プラグコネクタ20は、可動プラグハウジング230の形状が高速ソケットコネクタ10と異なっている。ここでは、高速プラグコネクタ20については、可動プラグハウジング230の構成を中心に説明する。また、高速プラグコネクタ20の高速プラグ端子210、固定プラグハウジング220、グランド板240、固定金具250については、それぞれ高速ソケットコネクタ10の高速ソケット端子110、固定ソケットハウジング120、グランド板140、固定金具150と同じ形状なので、ここでは詳細な構成の説明を省略する。なお、高速プラグ端子210は、プラグ被保持部としての可動側被保持部211B、およびプラグ接点部211E-1が形成されたプラグ弾性部としての弾性部211Eで相手端子に接触可能となっている。
【0056】
可動プラグハウジング230は、図6(A),(B)に示されているように、可動側端壁部231の形状が可動ソケットハウジング130の可動側端壁部231と異なっている。可動側端壁部231は、その下部を除いた部分が、コネクタ幅方向(X軸方向)および端子配列方向(Y軸方向)で該下部よりも小さくなっており、上下方向(Z軸方向)に延びる略角柱状の被案内部231Aとして形成されている。被案内部231Aは、コネクタ嵌合過程にて可動ソケットハウジング130の案内部133内へ進入し上下方向に案内されるとともに、コネクタ嵌合状態にて、コネクタ幅方向でX2側の外壁面が可動ソケットハウジング130の端支持部134により支持されるようになっている。
【0057】
可動側端壁部231の下部は、端子配列方向での外側の端部、すなわち被案内部231Aよりも外側に位置する部分が、被規制部232をなしている。被規制部232は、可動プラグハウジング230が連結部材70に取り付けられた状態において、連結部材70の後述のプラグ規制部73Cの直下に位置し、該プラグ規制部73Cにより上方へ向けた移動の規制を受けるようになっている(図14(B)参照)。
【0058】
図7(A),(B)は高密度ソケットコネクタ30単体の斜視図であり、図7(A)はコネクタ幅方向での一方の側(X2側)から見た状態、図7(B)はコネクタ幅方向での他方の側(X1側)から見た状態を示している。高密度ソケットコネクタ30は、図7(A),(B)に示されているように、金属製の複数の高密度ソケット端子310と、複数の高密度ソケット端子310を保持する樹脂等の電気絶縁材製のソケットハウジング320,330(後述の「固定ソケットハウジング320」および「可動ソケットハウジング330」)と、固定ソケットハウジング320に保持される金属製の固定金具350および補強金具360(図8(A)参照)とを有している。
【0059】
図7(A)および図8(A)に示されているように、高密度ソケット端子310は、高速ソケットコネクタ10の高速ソケット端子110よりも細く形成されており、高速ソケット端子110よりも多くの本数が配列されている。高密度ソケット端子310は、金属帯条片を板厚方向に屈曲して形成されており、その端子幅方向が端子配列方向と一致する姿勢で配置されている。図8(A)に示されているように、複数の高密度ソケット端子310は、接続部の延びる向きが互いに異なる2種類の端子、具体的には、第一高密度端子311および第二高密度端子312を有している。高密度ソケット端子310の端子列では、第一高密度端子311と第二高密度端子312とが交互に配置されている。
【0060】
第一高密度端子311は、図8(A),(B)に示されるように、固定ソケットハウジング320に保持される固定側被保持部311Aと、可動ソケットハウジング330に保持される可動側被保持部(ソケット被保持部)311Bと、固定側被保持部311Aと可動側被保持部311Bの間に位置するフローティング部311Cと、固定側被保持部311Aの下端から延びる接続部311Dと、可動側被保持部311Bの上端から延びる弾性部(ソケット弾性部)311Eとを有している。
【0061】
固定側被保持部311Aは、図8(A),(B)に示されるように、端子配列方向(Y軸方向)に見て略クランク状をなしており、固定ソケットハウジング320に一体モールド成形により埋設保持されている。可動側被保持部311Bは、上下方向に直状に延びている。可動側被保持部311Bの上下方向での複数位置には、可動側被保持部311Bにおける他部よりも端子幅寸法(端子配列方向での寸法)が若干小さい幅狭部111B-1が形成されており、この幅狭部311B-1で可動ソケットハウジング330に一体モールド成形により保持されている。幅狭部311B-1は、高速信号端子111の幅狭部111B-1よりも上下方向に大きく形成されている点で幅狭部111B-1と異なっているが、可動ソケットハウジング330による保持形態は可動ソケットハウジング130による幅狭部111B-1の保持形態と同じである。可動側被保持部311BのX2側の板面は、上下方向での全範囲にわたって露出しており、相手コネクタ連結体2に設けられた相手端子に接触可能な接触面をなしている。
【0062】
接続部311Dは、固定側被保持部311Aの下端で屈曲されてコネクタ配列方向でX2側へ向けて延びており、その下面で回路基板の実装面の回路部に半田接続される。
【0063】
フローティング部311Cは、固定側被保持部311Aの上端と可動側被保持部311Bの下端とを連結しており、高速信号端子111のフローティング部111Cと同様に、コネクタ幅方向でX1側、すなわちコネクタ幅方向で接続部311Dとは反対側へ膨出して突湾曲する略横U字状をなしている。フローティング部311Cは、コネクタ幅方向(X軸方向)、端子配列方向(Y軸方向)および上下方向(Z軸方向)のいずれの方向にも弾性変形可能となっている。また、フローティング部311Cはその全長にわたって同じ幅寸法で形成されており、この点で、フローティング部111Cと異なっている。
【0064】
弾性部311Eは、可動ソケットハウジング330に支持されておらず、その板厚方向で弾性変形可能となっている。弾性部311EのX2側の板面は、相手コネクタ連結体2に設けられた相手端子に接触可能な接触面をなしている。弾性部311Eは、図8(B)に示されているように、可動側被保持部311Bの上端から、上方へ向かうにつれてX2側へ若干傾斜するように延び、さらに屈曲され、上方へ向かうにつれてX1側へ傾斜するように延びてから、さらに上端で折り返されて下方へ向けて延びている。X2側に突出するように屈曲した部分は、相手端子に接触可能なソケット接点部311E-1として形成されている。また、弾性部311Eの先端部(自由端部)は、図8(B)に示されるように、可動側被保持部311BにX1側から接面している。
【0065】
第二高密度端子312は、図8(B)に示されているように、接続部312DがX1側へ向けて屈曲されて延びている点のみで第一高密度端子311と形状が異なっており、その他の形状は同じである。図8(A),(B)では、第二高密度端子312において、第一高密度端子311の各部と対応する部分に、第一高密度端子311における符号に「1」を加えた符号を付している。
【0066】
固定ソケットハウジング320は、図7(A),(B)に示されているように、既述した高速ソケットコネクタ10の固定ソケットハウジング120(図3(A),(B)参照)とほぼ同じ形状である。ここでは、固定ソケットハウジング320については、固定ソケットハウジング120の各部と対応する部分に、固定ソケットハウジング120における符号に「200」を加えた符号を付して説明を省略する。
【0067】
可動ソケットハウジング330は、図7(A),(B)に示されているように、高密度ソケット端子310の可動側被保持部311B,312Bを保持する突部335Aが上下方向に大きく形成されている点を除き、既述した高速ソケットコネクタ10の可動ソケットハウジング130(図3(A),(B)参照)とほぼ同じ形状である。図7(A),(B)では、可動ソケットハウジング330については、可動ソケットハウジング130の各部と対応する部分に、可動ソケットハウジング130における符号に「200」を加えた符号を付している。図7(B)に示されているように、可動ソケットハウジング330においても、既述した可動ソケットハウジング130と同様に、隣接する延在部335同士の間にはコネクタ幅方向に貫通する窓部335Bが形成されており、高密度ソケット端子310の可動側被保持部311B,312Bが窓部335Bを介してX1側へ向けて可動ソケットハウジング130から露出している。
【0068】
固定金具350は、図8(A)に示されているように、金属帯状片を板厚方向に屈曲して形成されており、高密度ソケット端子310の端子配列範囲の両外側で該高密度ソケット端子310に隣接して1つずつ設けられている。固定金具350は、第一高密度端子311の固定側被保持部311Aおよび接続部311Dと同じ形状をなしている。具体的には、略クランク状に屈曲された被保持部351と、略クランク状に屈曲され被保持部351の下端からX2方向へ延びる固定部352とを有している。固定金具350は、固定側被保持部311Aおよび接続部311Dと同列をなすように配置されており、被保持部351で固定ソケットハウジング320の固定側端壁部321に一体モールド成形により埋設保持されるとともに、固定部352で回路基板の対応部に半田接続により固定される。
【0069】
補強金具360は、図8(A)に示されているように、金属帯状片を板厚方向に屈曲して形成されており、端子配列方向における固定金具350の外側で該固定金具350に隣接して3つ設けられている。補強金具360は、第一高密度端子311の固定側被保持部311Aと同じ形状をなしている。補強金具360は、固定側被保持部311Aおよび被保持部351と同列をなすように配置されており、固定ソケットハウジング320の固定側端壁部321に一体モールド成形により埋設保持される。
【0070】
図9(A),(B)は高密度プラグコネクタ40単体の斜視図であり、図9(A)はコネクタ幅方向での一方の側(X2側)から見た状態、図9(B)はコネクタ幅方向での他方の側(X1側)から見た状態を示している。図9(A),(B)において、高密度ソケットコネクタ30と対応する部分には、高密度ソケットコネクタ30における符号に「100」を加えた符号が付されている。高密度プラグコネクタ40は、高密度プラグ端子410と、プラグハウジング420,430(「固定プラグハウジング420」および「可動プラグハウジング430」)と、固定金具450と、補強金具460とを有している。
【0071】
高密度プラグコネクタ40は、相手コネクタ連結体2に設けられた相手コネクタとしての高密度ソケットコネクタ1030の受入空間内に嵌入して、該高密度ソケットコネクタ1030と接続可能となっている。高密度プラグコネクタ40は、可動プラグハウジング430の形状が高密度ソケットコネクタ30と異なっている。ここでは、高密度プラグコネクタ40については、可動プラグハウジング430の構成を中心に説明する。また、高密度プラグコネクタ40の高密度プラグ端子410、固定プラグハウジング420、固定金具450、補強金具460については、それぞれ高密度ソケットコネクタ30の高密度ソケット端子310、固定ソケットハウジング320、固定金具350、補強金具360と同じ形状なので、ここでは説明を省略する。
【0072】
可動プラグハウジング430は、図9(A),(B)に示されているように、高密度プラグ端子410を保持する突部435Aが上下方向に大きく形成されている点を除き、既述した高速プラグコネクタ20の可動プラグハウジング230(図6(A),(B)参照)とほぼ同じ形状である。図9(A),(B)では、可動プラグハウジング430については、可動プラグハウジング230の各部と対応する部分に、可動プラグハウジング230における符号に「200」を加えた符号を付して説明を省略する。また、図9(B)に示されているように、可動プラグハウジング430においても、既述した可動ソケットハウジング330(図7(B)参照)と同様に、隣接する延在部435同士の間にはコネクタ幅方向に貫通する窓部435Bが形成されており、高密度プラグ端子410の可動側被保持部411B,412Bが窓部435Bを介してX1側へ向けて可動プラグハウジング430から露出している。
【0073】
図10(A),(B)は電源ソケットコネクタ50単体の斜視図であり、図10(A)はコネクタ幅方向での一方の側(X2側)から見た状態、図10(B)はコネクタ幅方向での他方の側(X1側)から見た状態を示している。電源ソケットコネクタ50は、図10(A),(B)に示されているように、金属製の複数の電源ソケット端子510と、複数の電源ソケット端子510を保持する樹脂等の電気絶縁材製のソケットハウジング520,530(後述の「固定ソケットハウジング520」および「可動ソケットハウジング530」)とを有している。
【0074】
電源ソケット端子510は、金属板部材を板厚方向に屈曲して形成されており、その端子幅方向が端子配列方向と一致する姿勢で配置されている。図10(A),(B)に示されているように、複数の電源ソケット端子510は、互いに形状が異なる第一電源端子511および第二電源端子512をそれぞれ2つずつ有している(図11(A),(B)も参照)。
【0075】
第一電源端子511は、図11(A),(B)に示されるように、固定ソケットハウジング520に保持される固定側被保持部511Aと、可動ソケットハウジング530に保持される可動側被保持部(ソケット被保持部)511Bと、固定側被保持部511Aと可動側被保持部511Bの間に位置するフローティング部511Cと、固定側被保持部511Aの下端から延びる接続部511Dと、可動側被保持部511Bから延びる弾性部(ソケット弾性部)511Eとを有している。
【0076】
固定側被保持部511Aは、図11(A)~(C)に示されるように、上下方向に延びる直状をなしており、固定ソケットハウジング520に一体モールド成形により埋設保持されている。可動側被保持部511Bは、固定側被保持部511A、フローティング部511Cおよび接続部511Dよりも端子配列方向(Y軸方向)で大きく形成されており、その一部が固定側被保持部511A、フローティング部511Cおよび接続部511Dよりも端子配列方向で外側に位置している。可動側被保持部511Bの略上半部には、略四角状の窓部511B-1がその板厚方向に貫通して形成されている。可動側被保持部511Bは、その周縁部で可動ソケットハウジング530に一体モールド成形により埋設保持されている。また、可動ソケットハウジング530から露出した可動側被保持部511BのX2側の板面は、相手コネクタ連結体2に設けられた相手端子に接触可能な接触面をなしている。
【0077】
接続部511Dは、固定側被保持部111Aよりも端子配列方向で小さく形成されており、固定側被保持部511Aの下端で屈曲されてコネクタ幅方向(X軸方向)でX2側へ向けて延び、その下面で回路基板の実装面の回路部に半田接続される。
【0078】
フローティング部511Cは、固定側被保持部511Aの上端と可動側被保持部511Bの下端とを連結しており、高速信号端子111のフローティング部111Cと同様に、コネクタ幅方向でX1側、すなわちコネクタ幅方向で接続部511Dとは反対側へ膨出して突湾曲する略横U字状をなしている。フローティング部511Cは、高速ソケット端子110のフローティング部111Cや高密度ソケット端子310のフローティング部311Cよりも端子配列方向で大きくなっており、その全長にわたって同じ幅寸法で形成されている。
【0079】
フローティング部511Cは、コネクタ幅方向(X軸方向)、端子配列方向(Y軸方向)および上下方向(Z軸方向)のいずれの方向にも弾性変形可能となっている。また、フローティング部511Cには、端子配列方向での中央位置で該フローティング部511Cの全長範囲にわたって延びるスリット状の長孔部511C-1が形成されている。このように長孔部511C-1が形成されていることにより、フローティング部511Cが弾性変形しやすくなっている。
【0080】
弾性部511Eは、可動ソケットハウジング530に支持されておらず、その板厚方向で弾性変形可能となっている。弾性部511EのX2側の板面は、相手コネクタ連結体2に設けられた相手端子に接触可能な接触面をなしている。本実施形態では、可動側被保持部511Bの窓部511B-1の下縁から2つの弾性部511Eが上方へ向けて延びている。具体的には、それぞれの弾性部511Eは、図11(A)~(C)に示されているように、端子配列方向で外側に寄った位置で、窓部511B-1の下縁から上方へ向かうにつれてX2側へ若干傾斜するように延び、さらに屈曲され、上方へ向かうにつれてX1側へ傾斜するように延びている。この屈曲した部分、すなわち、X2側に突出した部分は、相手端子に接触可能なソケット接点部511E-1として形成されている。
【0081】
本実施形態では、2つの弾性部511Eは、端子幅方向(Y軸方向)において第一電源端子511の中心に対して対称をなす位置に設けられている。したがって、コネクタ嵌合接続状態にてそれぞれの弾性部511Eが相手端子との接触によりX1方向へ向けた押圧力を受けたとき、その押圧力は上記中心に対して対称をなす位置で均等に作用する。その結果、第一電源端子511を上下方向に延びる軸線まわりに該第一電源端子511を回転させるような外力が作用することがないので、該第一電源端子511を正規の姿勢に維持しやすくなる。
【0082】
第二電源端子512は、図11(A),(B)に示されるように、固定ソケットハウジング520に保持される固定側被保持部512Aと、可動ソケットハウジング530に保持される可動側被保持部512Bと、固定側被保持部512Aと可動側被保持部512Bの間に位置するフローティング部512Cと、固定側被保持部512Aの下端から延びる接続部512Dと、可動側被保持部512Bから延びる弾性部512Eとを有している。第二電源端子512の各部については、第一電源端子511における対応部分の符号に「1」を加えた符号を付している。
【0083】
固定側被保持部512A、フローティング部512C、接続部512Dは、第一電源端子511の固定側被保持部511A、フローティング部511C、接続部511Dとほぼ同じ形状であり、端子配列方向で固定側被保持部511A、フローティング部511C、接続部511Dよりも外側に位置している。可動側被保持部512Bは、第一電源端子511の可動側被保持部511Bと形状が異なっている。また、弾性部512Eは、第一電源端子511の弾性部511Eとほぼ同じ形状をなしているが、端子配列方向での位置が異なっている。
【0084】
可動側被保持部512Bは、固定側被保持部512A、フローティング部512Cおよび接続部512Dよりも端子配列方向で大きく形成されており、その一部が固定側被保持部512A、フローティング部512Cおよび接続部512Dよりも端子配列方向で内側に位置している。また、可動側被保持部512Bは、端子配列方向では第一電源端子511の可動側被保持部511Bと同じ範囲に、また、上下方向では可動側被保持部511Bにおける略下半部に対応する範囲に形成されており、可動側被保持部511BにX1側から重ねられた状態で配置されている。
【0085】
図11(B)に示されているように、可動側被保持部512Bの上部には、両側縁部(上下方向に延びる縁部)から端子配列方向で内方へ延びる切込部512B-1が形成されており、該切込部512B-1の上方には、その板厚方向に弾性変形可能な接触片512B-2が設けられている。接触片512B-2は、その板厚方向でX2側へ向けて若干傾斜するように延びており、可動側被保持部512Bが可動側被保持部511Bに重ねられた状態において、可動側被保持部511Bの上部の板面にX1側から接圧をもって接触しており、その結果、第一電源端子511と第二電源端子512とが電気的に導通可能となっている。可動側被保持部512Bにおける上部以外の部分、すなわち切込部512B-1よりも下方に位置する部分は、可動側被保持部511Bとの間に若干の隙間を形成して位置していてもよく、また、可動側被保持部511Bに接触していてもよい。
【0086】
弾性部512Eは、第一電源端子511の弾性部511Eと同じ形状をなし、可動ソケットハウジング530に支持されずに、その板厚方向で弾性変形可能となっている。本実施形態では、図11(A),(B)に示されているように、2つの弾性部512Eが互いに隣接した状態で、端子配列方向における2つの弾性部511Eの間の位置で、固定側被保持部511Aの窓部511B-1の下縁から2つの弾性部511Eが上方へ向けて延びている。図11(A)に示されているように、弾性部512Eのソケット接点部512E-1は、上下方向において弾性部511Eのソケット接点部511E-1と同じ高さに位置している。また、弾性部512Eは、その下端部でクランク状に屈曲されていることにより、端子配列方向に見て第一電源端子511の弾性部511Eと同位置に設けられている。
【0087】
本実施形態では、2つの弾性部512Eは、端子幅方向(Y軸方向)において第二電源端子512の中心に対して対称をなす位置に設けられている。したがって、第一電源端子511の弾性部511Eについて既述したのと同様に、コネクタ嵌合接続状態にて第二電源端子512を正規の姿勢に維持しやすくなる。
【0088】
フローティング部512Cは、既述したように、第一電源端子511のフローティング部511Cと同じ形状をなしているが、可動側被保持部511Bの下端部がクランク状に屈曲されていることにより、端子配列方向に見て第一電源端子511のフローティング部511Cと同位置に設けられている。このようにフローティング部511C,512Cが端子配列方向に見て同位置に設けられていることにより、フローティング部511C,512Cが弾性変形しやすくなっている。
【0089】
本実施形態では、図11(A),(B)に示されているように、隣接する2つの可動側被保持部511B同士、および隣接する2つの可動側被保持部512B同士は、下端部を除く上下方向の範囲において端子配列方向で大きい隙間をもって位置している。具体的には、この隙間は、隣接する2つの固定側被保持部511A同士、可動側被保持部511Bの下端部同士、フローティング部511C同士のそれぞれの間に形成される隙間よりも大きくなっている。
【0090】
本実施形態では、このように可動側被保持部511Bにおける下端部を除く部分同士、および可動側被保持部512Bにおける下端部を除く部分同士に大きい隙間が形成されているので、コネクタ嵌合接続状態において、仮に相手コネクタ、すなわち電源プラグコネクタ1060が端子配列方向(Y軸方向)で正規の位置からずれていても、相手端子(電源プラグ端子)が本来接触すべきでない側の電源ソケット端子510に接触してしまうことを回避しやすくなる。具体的には、相手コネクタが端子配列方向でY1側にずれていたとき、Y2側に位置する相手端子がY1側に位置する電源ソケット端子510に接触することを回避でき、また、相手コネクタが端子配列方向でY2側にずれていたとき、Y1側に位置する相手端子がY2側に位置する電源ソケット端子510に接触することを回避できる。
【0091】
固定ソケットハウジング520は、図10(A),(B)に示されているように、既述した高速ソケットコネクタ10の固定ソケットハウジング120(図3(A),(B)参照)や、高密度ソケットコネクタ30の固定ソケットハウジング320(図7(A),(B)参照)とほぼ同じ形状である。ここでは、固定ソケットハウジング520については、固定ソケットハウジング320の各部と対応する部分に、固定ソケットハウジング320における符号に「200」を加えた符号を付して説明を省略する。
【0092】
可動ソケットハウジング530は、図10(A),(B)に示されているように、コネクタ幅方向(X軸方向)における両側(X1側およびX2側)に、受入空間536を挟んで位置する可動側側壁部535が形成されており、この点で、既述した高速ソケットコネクタ10の固定ソケットハウジング120(図3(A),(B)参照)や、高密度ソケットコネクタ30の固定ソケットハウジング320(図7(A),(B)参照)と異なっている。X1側の可動側側壁部535には、可動側被保持部511Bの窓部511B-1に対応する範囲で、可動側側壁部535を貫通する2つの窓部535Aが形成されている。また、X2側の可動側側壁部535は、略上半部の端子配列方向での中央域に上側切欠部535Bが形成され、略下半部の端子配列方向での両側域に下側切欠部535Cが1つずつ形成されている。つまり、X2側の可動側側壁部532は、上側切欠部535Bおよび下側切欠部535Cの位置でコネクタ幅方向に開放されている(図10(A)参照)。
【0093】
また、可動ソケットハウジング530の上端部には、端子配列方向で可動側側壁部535および可動側端壁部531を含む範囲にわたって、相手コネクタ(プラグ電源コネクタ1060)の可動プラグハウジングを受入空間536へ案内するための傾斜面537が形成されている。具体的には、傾斜面537は、下方に向かうにつれてコネクタ幅方向(X軸方向)で受入空間536側へ傾斜しており、可動プラグハウジングをコネクタ幅方向で案内する。
【0094】
また、可動側端壁部531の上部における側方の内壁面(端子配列方向に対して交差する面)は、上下方向に対して傾斜することなく延びている。つまり、可動側端壁部531の上部には、相手コネクタ(プラグ電源コネクタ1060)の可動プラグハウジングを端子配列方向に案内するための傾斜面は形成されておらず、この点で、傾斜面138,338(図3(A),(B)および図7(A),(B)参照)が形成されている可動ソケットハウジング130,330と異なっている。その結果、受入空間536は、可動ソケットハウジング130,330の受入空間136,336と比べて、端子配列方向で大きく形成されている。したがって、コネクタ嵌合過程において相手コネクタが端子配列方向で正規の位置からずれた状態で嵌合されても、該相手コネクタがそのまま受入空間536に進入することが可能となっている。
【0095】
また、可動ソケットハウジング530におけるその他の部分の形状は、既述した高速ソケットコネクタ10の可動ソケットハウジング130や高密度ソケットコネクタ30の可動ソケットハウジング330とほぼ同じ形状である。ここでは、可動ソケットハウジング530におけるその他の部分の形状については、可動ソケットハウジング330の各部と対応する部分に、可動ソケットハウジング330における符号に「200」を加えた符号を付して説明を省略する。
【0096】
本実施形態では、ソケット電源端子510における2つの弾性部511Eおよび2つの弾性部512Eは、ソケット電源端子510の中心位置に対して対称をなす位置に設けられている。しかし、相手端子と接触した状態においてソケット電源端子510が正規の姿勢に維持しやすい構成が確保されているのであれば、弾性部511E,512Eが上述したような対称な位置にあることは必須ではない。その場合、例えば、弾性部511Eと弾性部512Eとが交互に配置されていてもよい。このように弾性部511Eと弾性部512Eとを交互に配置することにより、端子配列方向における弾性部同士の間隔を小さくすることができ、その結果、端子配列方向でソケット電源端子を小型化できる。
【0097】
本実施形態では、図11(A),(B)に示されているように、2つの第一電源端子511では、固定側被保持部511A、可動側被保持部511Bの下端部、フローティング部511Cおよび接続部511Dが、端子配列方向で第一電源端子511の中心よりも内側に寄った位置に設けられている。また、2つの第二電源端子512では、固定側被保持部512A、可動側被保持部512Bの下端部、フローティング部512Cおよび接続部512Dが、端子配列方向で第二電源端子512の中心よりも外側に寄った位置に設けられている。
【0098】
これに替わる変形例として、例えば、それぞれの第一電源端子において、固定側被保持部、可動側被保持部の下端部、フローティング部および接続部を端子配列方向で中心よりも一方の側に寄った位置に設けるとともに、それぞれの第二電源端子において、固定側被保持部、可動側被保持部の下端部、フローティング部および接続部を端子配列方向で中心よりも他方の側に寄った位置に設けてもよい。このような構成とすることにより、2つの第一電源端子同士を同じ形状で作るとともに、2つの第二電源端子同士を同じ形状で作ることが可能となり、その結果、部品点数を減らすことができる。
【0099】
電源プラグコネクタ60は、相手コネクタ連結体2に設けられた相手コネクタとしての電源ソケットコネクタ1050の受入空間536内に嵌入して、該電源ソケットコネクタ1050と接続可能となっている。電源プラグコネクタ60は、可動プラグハウジング630の形状が電源ソケットコネクタ50と異なっている。ここでは、電源プラグコネクタ60については、可動プラグハウジング630の構成を中心に説明する。また、電源プラグコネクタ60の電源プラグ端子610および固定プラグハウジング620については、それぞれ電源ソケットコネクタ50の電源ソケット端子510および固定ソケットハウジング520と同じ形状なので、ここでは説明を省略する。
【0100】
可動プラグハウジング630は、図12(A),(B)に示されているように、該可動プラグハウジング630の下部における端子配列方向での両端側に設けられた可動側端壁部631と、これらの可動側端壁部631同士を連結するととともに上下方向に延びる略四角板状の可動側保持部635を有している。
【0101】
可動側端壁部631は、端子配列方向での外側の端部、すなわち可動側保持部635よりも外側に位置する部分が、被規制部632をなしている。被規制部632は、可動プラグハウジング630が連結部材70に取り付けられた状態において、連結部材70の後述のプラグ規制部73Cの直下に位置し、該プラグ規制部73Cにより上方へ向けた移動の規制を受けるようになっている。
【0102】
可動側保持部635は、電源プラグ端子610を一体モールド成形により保持している。可動側保持部635には、電源プラグ端子610の可動側被保持部611Bの窓部611B-1に対応する範囲で、可動側保持部635を貫通する窓部635Aが形成されている(図12(B)参照)。図12(A)に示されているように、可動側被保持部611Bは、周縁部を除く部分のX2側の板面が可動側保持部635から露出している。また、弾性部611E,612Eは、図12(A),(B)に示されているように、窓部635Aを介して可動側保持部635から露出している。
【0103】
可動側保持部635における端子配列方向での両端部は、上下方向に延びる被案内部635Bとして形成されている。被案内部635Bは、コネクタ嵌合過程にて可動ソケットハウジング530の案内部533内へ進入し上下方向に案内されるとともに、コネクタ嵌合状態にてコネクタ幅方向におけるX2側の外壁面が可動ソケットハウジング530の端支持部534により支持されるようになっている。
【0104】
連結部材70は、金属板部材を打ち抜くとともに板厚方向に屈曲して作られており、図2に示されるように、コネクタ配列方向(X軸方向)に延びる2つの連結部71と、2つの連結部71同士を繋ぐ架橋部74と、各連結部71の下端部から延びる複数の固定部77とを有している。連結部71は、端子配列方向(Y軸方向)に対して直角をなす板面を有しており、端子配列方向におけるコネクタ10~60のハウジングの端部に沿って、コネクタ配列方向で全てのコネクタ10~60を含む範囲にわたって延びている。連結部71は、コネクタ配列方向でソケットコネクタ10,30,50に対応して位置するソケット保持部72と、プラグコネクタ20,40,60に対応して位置するプラグ保持部73とを有しており、ソケット保持部72とプラグ保持部73とが交互に設けられている。
【0105】
ソケット保持部72は、その全域にわたり端子配列方向に対して直角な板面をもつ板状をなしており、プラグ保持部73よりも上方まで延びている。ソケット保持部72には、上下方向に延び下端で開口するとともに上端で閉塞された長溝部72Aが形成されている。図13(A),(B)に示されているように、長溝部72Aは、その下部で固定ソケットハウジング120,320,520の圧入部122,322,522を圧入保持するととともに、その上部で可動ソケットハウジング130,330,530の被規制部132,332,532を収容するようになっている。この長溝部72Aの上部は、その内縁部で被規制部132,332,532の上方(Z1方向)およびコネクタ配列方向(X1方向およびX2方向)での移動を規制するソケット規制部として機能している(図14(A)も参照)。
【0106】
本実施形態では、ソケット規制部としての長溝部72Aを有するソケット保持部72は、その全域にわたり端子配列方向に対して直角な板面をもつ板状をなして形成されているので、端子配列方向におけるソケット保持部72の寸法はその板厚寸法となる。したがって、ソケット保持部72において端子配列方向での大型化を回避できる。
【0107】
プラグ保持部73は、端子配列方向に対して直角な板面をもつ短板部73Aと、短板部73Aの上端で屈曲されて端子配列方向で内方へ向けて延びるプラグ規制部73Cとを有している。短板部73Aは、上下方向においてソケット保持部72よりも小さく形成されており、上下方向に延び下端で開口するとともに上端で閉塞された短溝部73Bが形成されている。短溝部73Bは、上下方向で長溝部72Aよりも短く形成されており、図13(A),(B)に示されているように、固定プラグハウジング220,420,620の圧入部222,422,622を圧入保持するようになっている。プラグ規制部73Cは、可動プラグハウジング230,430,630の被規制部232,432,632の上方(Z1方向)への移動を規制するようになっている(図14(B)参照)。
【0108】
架橋部74は、図2に示されているように、コネクタ配列方向における複数位置、具体的には、各コネクタ10~60の両側の位置で、端子配列方向に延びて連結部71同士を連結している。隣接する2つの架橋部74の間には各コネクタ10~60の可動ハウジング130~630を下方から受け入れ可能なスロット75,76が、端子配列方向に延びる長孔状をなして形成されている。具体的には、スロット75,76は、可動ソケットハウジング130,330,530を受け入れるソケットスロット75と、可動プラグハウジング230,430,630を受け入れるプラグスロット76とを有している。ソケットスロット75とプラグスロット76とは、コネクタ配列方向で交互に形成されている。本実施形態では、各スロット75,76の内縁部を形成する各架橋部74の側縁部(端子配列方向に延びる縁部)は、可動ハウジング130~630にコネクタ配列方向で当接可能となっており、コネクタ配列方向における可動ハウジング130~630の所定量以上の移動を規制する規制部としての機能を有している。
【0109】
図2に示されているように、連結部71において、コネクタ配列方向でソケットスロット75と対応する位置には、ソケット保持部72が設けられており、プラグスロット76と対応する位置には、プラグ保持部73が設けられている。本実施形態では、プラグ保持部73には、端子配列方向でソケット保持部72よりも内側へ延びるプラグ規制部73Cが形成されているので、プラグスロット76は、プラグ規制部73Cの分だけ、端子配列方向でソケットスロット75よりも小さくなっている。
【0110】
固定部77は、端子配列方向において架橋部74に対応する位置で連結部71の下端で屈曲されて端子配列方向で外方へ向けて延びている。固定部77は、その下面で回路基板の対応部に半田接続されて固定されるようになっている。このように、連結部材70を固定部77で回路基板に固定することにより、連結部材70で可動ハウジング130~630の被規制部132~632の移動をより強固に規制することができる。
【0111】
相手コネクタ連結体2は、図2にて矢印に示されているように、連結部材70へコネクタ10~60を下方から取り付けることにより組み立てられる。具体的には、ソケット保持部72の長溝部72Aに、それぞれ対応するソケットコネクタ10,30,50の圧入部122,322,522を下方から圧入し、また、プラグ保持部73の短溝部73Bに、それぞれ対応するプラグコネクタ20,40,60の圧入部222,422,622を下方から圧入する。その結果、コネクタ10~60が圧入部122~622で連結部材70に保持され、相手コネクタ連結体2が完成する。このとき、ソケットコネクタ10,30,50の可動ソケットハウジング130,330,530が、それぞれ対応するソケットスロット75へ下方から挿通されているとともに、プラグコネクタ20,40,60の可動プラグハウジング230,430,630が、それぞれ対応するプラグスロット76へ下方から挿通されている(図1参照)。
【0112】
なお、本実施形態では、コネクタ連結体1のコネクタ10~60は図1および図2に示された順に配列されているが、この順に配列されていることは必須ではなく、コネクタ連結体の設計に応じてコネクタ10~60の配列の順序を適宜設定することができる。その場合、ソケットスロット75にはソケットコネクタ10,30,50のいずれかが配置され、プラグスロット76にはプラグコネクタ20,40,60のいずれかが配置される。このとき、相手コネクタ連結体2においては、コネクタ連結体1におけるコネクタ10~60の配置に応じた順序で、これらに嵌合接続可能な相手コネクタ1010~1060が配列されて設けられる。
【0113】
また、図13(A),(B)に示されているように、ソケット保持部72の長溝部72Aの上部に、それぞれ対応するソケットコネクタ10,30,50の被規制部132,332,532が収容される(被規制部132について示されている図14(A)も参照)。このとき、被規制部132,332,532は、上下方向およびコネクタ配列方向で長溝部72Aの内縁部との間に隙間をもって位置している。この結果、上方(Z1方向)およびコネクタ配列方向(X1方向およびX2方向)における被規制部132,332,532ひいては可動ソケットハウジング130,330,530の移動(フローティング)が上記隙間の範囲で許容され、それ以上の移動は被規制部132,332,532が長溝部72Aの内縁部に当接することで規制される。
【0114】
また、本実施形態では、可動ソケットハウジング130,330,530がソケットスロット75の内縁部、換言すると架橋部74の側縁部(端子配列方向に延びる縁部)にコネクタ配列方向で当接可能となっており、この内縁部によっても、コネクタ配列方向(X1方向およびX2方向)における可動ソケットハウジング130,330,530の所定量以上の移動(フローティング)が規制されている。
【0115】
また、プラグコネクタ20,40,60の被規制部232,432,632は、プラグ保持部73のプラグ規制部73Cの直下に位置する(被規制部232について示されている図14(B)参照)。このとき、被規制部232,432,632は、上下方向で該プラグ規制部73Cとの間に隙間をもって位置している。その結果、および上方(Z1方向)における被規制部232,432,632ひいては可動プラグハウジング230,430,630の移動(フローティング)が上記隙間の範囲で許容され、それ以上の移動は被規制部232,432,632がプラグ規制部73Cの下面に当接することで規制される。
【0116】
また、本実施形態では、可動プラグハウジング230,430,630がプラグスロット76の内縁部、換言すると架橋部74の側縁部にコネクタ配列方向で当接可能となっており、この内縁部によって、コネクタ配列方向(X1方向およびX2方向)での可動プラグハウジング230,430,630の所定量以上の移動(フローティング)が規制されている。
【0117】
このように、本実施形態では、可動ハウジング130~630の所定量以上の移動が連結部材70に設けられた各規制部により規制されている。したがって、可動ハウジング130~630が過大に移動することがなく、これによって、端子110~610のフローティング部111C~611Cの過大な変形が防止され、該フローティング部111C~611Cにかかる負担が軽減される。
【0118】
また、本実施形態では、連結部材70が金属製であるので、該連結部材70によって可動ハウジング130~630の被規制部132~632の移動を強固に規制することができる。なお、連結部材70が金属製であることは必須ではなく、被規制部の移動を規制できる十分な強度を有しているのであれば、例えば、樹脂等の電気絶縁材製であってもよい。
【0119】
また、本実施形態では、高速コネクタ10,20、高密度コネクタ30,40、電源コネクタ50,60のそれぞれにおいて、ソケット端子とプラグ端子とは、互いに同じ形状をなして形成されている。したがって、高速コネクタ10,20、高密度コネクタ30,40、電源コネクタ50,60のそれぞれにおいて、1種類の形状の端子をプラグ端子およびソケット端子のいずれにも利用することができるので、その分、コネクタの製造が簡単になるとともに、製造コストを低減することができる。
【0120】
相手コネクタ連結体2は、図1に示されているように、既述したコネクタ連結体1の各コネクタ10~60(相手接続体)に嵌合接続される相手コネクタである高速ソケットコネクタ1010、高速プラグコネクタ1020、高密度ソケットコネクタ1030、高密度プラグコネクタ1040、電源ソケットコネクタ1050および電源プラグコネクタ1060(以下、必要に応じて「相手コネクタ1010~1060」と総称する)がコネクタ配列方向に配列された状態で連結部材1070に保持されることにより構成されている。相手コネクタ1010~1060の構成は、コネクタ連結体1のコネクタ10~60の構成と全く同じであるので、相手コネクタ1010~1060における各部については、コネクタ10~60における符号に「1000」を加えた符号を付して説明を省略する。
【0121】
相手コネクタ連結体2は、図1に示されるようなコネクタ嵌合接続の直前の状態において、相手コネクタ1010~1060がコネクタ連結体1のコネクタ10~60に対して上下反転した姿勢とされる。本実施形態では、相手コネクタ1010~1060において、図1に示されるように、コネクタ連結体1のコネクタ10~60に対応してコネクタ配列方向(X軸方向)でX2側から順に、高速プラグコネクタ1020、高速ソケットコネクタ1010、高速プラグコネクタ1020、高速ソケットコネクタ1010、高密度プラグコネクタ1040、高密度ソケットコネクタ1030、高密度プラグコネクタ1040、高密度ソケットコネクタ1030、電源プラグコネクタ1060、電源ソケットコネクタ1050が配置されており、合計10個の相手コネクタが設けられている。
【0122】
次に、図1図15(A),(B)および図16(A),(B)に基づいて、コネクタ連結体1と相手コネクタ連結体2との嵌合接続動作について説明する。まず、コネクタ連結体1および相手コネクタ連結体2をそれぞれ対応する回路基板(図示せず)の実装面に半田接続により実装する。そして、図1に示されるように、相手コネクタ連結体2を、コネクタ連結体1に対して上下反転した姿勢とするとともに、対応するコネクタ10~60に相手コネクタ1010~1060が上下方向で対向するように該コネクタ連結体1の上方に位置させる。次に、相手コネクタ連結体2を下方へ移動させ、それぞれ相手コネクタ1010~1060をコネクタ10~60に嵌合接続させる。
【0123】
本実施形態では、コネクタ連結体1と相手コネクタ連結体2は、2種類の嵌合深さ、具体的には、図15(A),(B)に示される浅い嵌合深さ、および図16(A),(B)に示される深い嵌合深さでの嵌合接続が可能となっており、後述するように、端子同士は2点で弾性接触するようになっている。コネクタ連結体1,2同士の嵌合深さは、コネクタ連結体1,2が設けられる機器の設計段階で予め選択されており、例えば、上記機器の筐体の形状やコネクタ連結体1,2の外部で回路基板に取り付けられるスペーサ(図示せず)の長さ等により規定される。
【0124】
本実施形態では、コネクタ同士の嵌合過程においては、プラグコネクタ1020,1040,1060の被案内部(プラグコネクタ20,40,60の被案内部231A,431A、635Bに相当する部分)が、ソケットコネクタ10,30,50の案内部133,333,533内に上方から進入し、該案内部133,333,533によって下方へ案内される。また、プラグコネクタ20,40,60の被案内部231A,431A、635Bは、ソケットコネクタ1010,1030,1050の案内部(ソケットコネクタ10,30,50の案内部133,333,533に相当する部分)内に下方から進入し、該案内部によって上方へ案内される。
【0125】
また、コネクタ同士の嵌合深さが浅い場合および深い場合のいずれであっても、コネクタ嵌合接続状態において、ソケットコネクタ10,30,50の端支持部134,334,534がプラグコネクタ1020,1040,1060の被案内部をX1側へ向けて支持する。また、ソケットコネクタ1010,1030,1050の端支持部がプラグコネクタ20,40,60の被案内部231A,431A、635BをX2側へ向けて支持する。この結果、端子同士の接圧をもった接触状態が良好に維持される。
【0126】
本実施形態では、ソケットコネクタ10,30,50,1010,1030,1050の端支持部は、可動ソケットハウジングの端壁部で嵌合接続方向に延びて形成されているので、該端支持部を嵌合接続方向で大きく形成することができる。したがって、端支持部において、プラグハウジングの被案内部との接触面積、すなわちプラグハウジングを支持するための面積を大きく確保することにより、プラグハウジングを安定した状態で支持することができる。
【0127】
本実施形態では、ソケットコネクタ10,30,1010,1030において、ソケット端子は、コネクタ幅方向(X軸方向)における両側の面の大部分が可動ソケットハウジングから露出し、プラグコネクタ20,40,1020,1040において、プラグ端子は、コネクタ幅方向における両側の面の大部分が可動プラグハウジングから露出している。また、ソケットコネクタ10,30,1010,1030の可動ソケットハウジングの受入空間は、端子配列範囲において、コネクタ幅方向でソケット端子とは反対側に向けて開放されている。したがって、嵌合深さが浅い場合(図15(A),(B)参照)および深い場合(図16(A),(B)参照)のいずれであっても、コネクタ嵌合状態、すなわちプラグコネクタ20,40,1020,1040がソケットハウジング10,30,1010,1030の受入空間内に受け入れられた状態において、プラグ端子はソケット端子とは反対側で、ソケットハウジングに覆われることなく、プラグハウジングから外部に向けて露出している。また、ソケット端子はプラグ端子とは反対側でソケットハウジングから外部に向けて露出している。
【0128】
このように、本実施形態では、プラグ端子およびソケット端子において、樹脂部分であるプラグハウジングおよびソケットハウジングから露出する部分が大きく確保されており、その結果、プラグハウジングおよびソケットハウジングに接触し得る部分が最小限に留められている。したがって、プラグ端子およびソケット端子での信号伝送におけるインサーションロスを良好に低減することができる。
【0129】
嵌合深さを浅くするか深くするかについては、例えば、高速ソケットコネクタ10,1010と高速プラグコネクタ20,1020とで伝送される信号が高速信号(高速差動信号)か低速信号のいずれであるかに基づいて決定することができる。具体的には、高速信号を伝送する場合には、コネクタ連結体1,2は浅い嵌合深さで嵌合接続される。一方、低速信号を伝送する場合には、コネクタ連結体1,2同士の嵌合深さは深くても浅くてもよい。
【0130】
以下、嵌合接続状態における端子同士の接続形態について、高速信号(本実施形態では高速差動信号)を伝送する場合と低速信号を伝送する場合とに分けて説明する。
【0131】
まず、高速信号を伝送する場合について説明する。既述したように、高速信号を伝送する場合には、コネクタ連結体1,2同士の嵌合深さは浅い嵌合深さとして設定される。図15(A)は、高速ソケットコネクタ10と高速プラグコネクタ1020とが浅い嵌合状態にあるときの、高速信号端子111と高速信号端子1211における位置での断面図を示している。また、図15(B)は、図15(A)の高速信号端子111と高速信号端子1211のみを示した断面図である。この図15(A),(B)では、高速信号端子同士の接続状態を一例として示しているが、グランド端子同士の接続形態もこれと同様である。また、図15(A),(B)では、嵌合接続される複数のコネクタ同士の組み合わせのうち、高速ソケットコネクタ10と高速プラグコネクタ1020との組み合わせを一例として示しているが、端子の接続形態は他のコネクタ同士の組み合わせでも同様である。
【0132】
図15(A),(B)に示されているように、浅い嵌合接続状態においては、高速ソケットコネクタ10に設けられた高速信号端子111のソケット接点部111E-1は、高速プラグコネクタ1020に設けられた高速信号端子1211の弾性部(プラグ弾性部)1211Eにおける上端側部分(弾性部1211Eの根元側の部分)に接触する。一方、高速信号端子1211のプラグ接点部1211E-1は高速信号端子111の弾性部111Eにおける下端側部分(弾性部111Eの根元側の部分)に接触している。
【0133】
このように、高速信号端子111と高速信号端子1211とは2点で接触している。このとき、信号伝送経路は、2つの接触位置同士間の範囲P2(図15(B)参照)においては、1本の弾性部111Eおよび1本の弾性部(プラグ弾性部)1211Eによって形成されている。一方、上記範囲Pよりも上方の範囲P1(図15(B)参照)における信号伝送経路は、1本の可動側被保持部(プラグ被保持部)1211Bのみで形成されており、上記範囲Pよりも下方の範囲P3(図15(B)参照)における信号伝送経路は、1本の可動側被保持部111Bのみで形成されている。したがって、信号伝送経路の断面積は、上記範囲P2においては、2本の弾性部(弾性部111Eおよび弾性部1211E)の断面積の合計であり、上記範囲P1においては1本の可動側被保持部1211Bの断面積であり、上記範囲P3においては1本の可動側被保持部111Bの断面積である。
【0134】
したがって、本実施形態においても、上記範囲P2において信号伝送経路の断面積が上記範囲P1,P3における断面積よりも大きくなるという点では従来と同様である。しかし、本実施形態では、弾性部111E,1211Eは断面積が可動側被保持部111B,1211Bの最大の断面積よりも小さくなっている。したがって、上記範囲P2における信号伝送経路の断面積の合計は、上記範囲P1,P3における信号伝送経路の断面積の2倍よりも小さい。その結果、上記範囲P2の内外における信号伝送経路の断面積の変化、ひいてはインピーダンスの変化が従来よりも小さくなる。
【0135】
したがって、本実施形態では、高速信号を伝送する場合には、嵌合深さを浅く設定することにより、上記範囲P2において生じるリターンロスが低減されるので、信号に及ぼされるノイズの影響が減少し、その結果、信号伝送特性の低下が回避される。なお、上記範囲P1,P3自体においても、端子幅寸法、ひいては断面積が若干変化している部分が存在するが、その変化量は範囲P1,P3に対する範囲P2の断面積の変化量と比較して非常に小さく、また、範囲P1,P3における上記部分の長さが範囲P2における長さと比較して非常に小さいので、発生するリターンロスは無視してもよい程度に小さく、問題となりにくい。
【0136】
次に、低速信号を伝送する場合について説明する。既述したように、低速信号を伝送する場合には、コネクタ連結体1,2同士の嵌合深さは、深い嵌合深さおよび浅い嵌合深さのいずれに設定してもよい。
【0137】
まず、深い嵌合深さの場合について説明する。図16(A)は、高速ソケットコネクタ10と高速プラグコネクタ1020とが深い嵌合状態にあるときの、高速信号端子111と高速信号端子1211における位置での断面図を示している。また、図16(B)は、図16(A)の高速信号端子111と高速信号端子1211のみを示した断面図である。この図16(A),(B)では、高速信号端子同士の接続状態を一例として示しているが、グランド端子同士の接続形態もこれと同様である。また、図16(A),(B)では、嵌合接続される複数のコネクタ同士の組み合わせのうち、高速ソケットコネクタ10と高速プラグコネクタ1020との組み合わせを一例として示しているが、端子の接続形態は他のコネクタ同士の組み合わせでも同様である。
【0138】
図16(A),(B)に示されているように、深い嵌合接続状態においては、高速ソケットコネクタ10に設けられた高速信号端子111のソケット接点部111E-1は、高速プラグコネクタ1020に設けられた高速信号端子1211の可動側被保持部1211Bに接触する。一方、高速信号端子1211のプラグ接点部1211E-1は高速信号端子111の可動側被保持部111Bに接触している。
【0139】
このような接続形態において、既述した浅い嵌合接続状態の場合と同様に、高速信号端子111と高速信号端子1211とは2点で接触している。このとき、信号伝送経路は、2つの接触位置同士間の範囲Q2(図16(B)参照)において、上側の範囲Q2Aでは、1本の弾性部111Eおよび1本の可動側被保持部1211Bによって形成され、中間の範囲Q2Bでは、1本の可動側被保持部111Bおよび1本の可動側被保持部1211Bによって形成され、下側の範囲Q2Cでは、1本の可動側被保持部111Bおよび1本の弾性部1211Eによって形成されている。また、上記範囲Q2よりも上方の範囲Q1(図16(B)参照)における信号伝送経路は、1本の可動側被保持部1211Bのみで形成されており、上記範囲Q2よりも下方の範囲Q3(図16(B)参照)における信号伝送経路は、1本の可動側被保持部111Bのみで形成されている。
【0140】
したがって、信号伝送経路の断面積は、上記範囲Q2Aにおいては1本の弾性部111Eおよび1本の可動側被保持部1211Bの断面積の合計であり、上記範囲Q2Bにおいては1本の可動側被保持部111Bおよび1本の可動側被保持部1211Bの断面積の合計であり、上記範囲Q2Cにおいては1本の可動側被保持部111Bおよび1本の弾性部1211Eの断面積の合計である。また、信号伝送経路の断面積は、上記範囲Q1においては、1本の可動側被保持部1211Bの断面積であり、上記範囲Q3においては1本の可動側被保持部111Bの断面積である。
【0141】
したがって、本実施形態においても、上記範囲Q2において信号伝送経路の断面積が上記範囲Q1,Q3における断面積よりも大きくなるという点では従来と同様である。しかも、この深い嵌合接続状態では、被保持部111B,1211Bの最大の断面積は弾性部111E,1211Eの断面積よりも大きくなっている。つまり、上記範囲Q2における断面積は、浅い嵌合状態における上記範囲P2(図15(B)参照)における断面積より大きい。したがって、上記範囲Q2の内外における信号伝送経路の断面積の変化、ひいてはインピーダンスの変化が、浅い嵌合状態の場合と比較して大きくなっている。また、上記範囲Q2は上記範囲P2よりも上下方向に長く延びている。その結果、深い嵌合状態では、インピーダンスの変化により上記範囲Q2内で生じるリターンロスが、浅い嵌合状態と比較して大きくなる。しかし、低速信号を伝送する場合には、リターンロスが多少大きくても信号へのノイズの影響は、高速信号を伝送する場合よりも小さい。したがって、深い嵌合状態であっても低速信号を伝送することは十分に可能である。
【0142】
また、深い嵌合状態において、電源プラグコネクタ1060の電源プラグ端子のプラグ接点部は、電源ソケットコネクタ50に設けられた第一電源端子511の固定側被保持部511B(図11(A)~(C)参照)の略下半部(弾性部511E,512Eよりも下方に位置する部分)に接触している。このとき、固定側被保持部511Bの略下半部には、第二電源端子512の固定側被保持部512Bが重ねられており、該固定側被保持部512Bの接触片512B-2が接触している。
【0143】
一方、電源ソケット端子510のソケット接点部511E-1,512E-1は、電源プラグコネクタ1060に設けられた電源プラグ端子の固定側被保持部の略上半部(図1の姿勢にあるときに弾性部よりも上方に位置する部分)に接触している。このとき、上記電源プラグ端子において、固定側被保持部の略上半部には、第二電源端子の固定側被保持部が重ねられており、該固定側被保持部の接触片が接触している。
【0144】
したがって、電源電流信号の伝送経路の断面積は、4つの弾性部(第一電源端子の2つの弾性部および第二電源端子の2つの弾性部)の断面積と、これらの弾性部が接触する第一電源端子の固定側被保持部の断面積と、該第一電源端子の固定側被保持部に接触する第二電源端子の固定側被保持部の断面積との和(合計)となる。このように、本実施形態では、2つの固定側被保持部が電気的に導通可能な状態で重ねられていることにより、電源電流信号の伝送経路の断面積が大きくなっているので、大きい電源電流を流すことが可能となっている。
【0145】
次に、浅い嵌合深さの場合について説明する。嵌合深さを浅い嵌合深さとした場合(図15(A),(B)参照)においては、深い嵌合深さの場合と比較して、接触位置同士の間の範囲の内外における信号伝送経路の断面積の変化が小さく、また、該範囲の長さが短くなっており、既述したように、高速信号の伝送が可能となっている。したがって、浅い嵌合接続状態において、低速信号を伝送しても信号特性の低下が生じにくく、低速信号の伝送が十分に可能であることは言うまでもない。
【0146】
このように、低速信号を伝送する場合には、深い嵌合深さおよび浅い嵌合深さのいずれであっても、信号特性の低下が生じにくい。したがって、低速信号の伝送に関して嵌合深さの設定の自由度が向上するので、例えば、コネクタが設けられる電子機器の設計変更等により回路基板同士の距離が変更することになっても、その変更に柔軟に対処することができる。その結果、コネクタの製造時間や製造コストの増大を回避しやすくなる。
【符号の説明】
【0147】
1 コネクタ連結体
2 相手コネクタ連結体
10,1010 高速ソケットコネクタ
20,1020 高速プラグコネクタ
30,1030 高密度ソケットコネクタ
40,1040 高密度プラグコネクタ
50,1050 電源ソケットコネクタ
60,1060 電源プラグコネクタ
70,1070 連結部材
71 連結部
72A 長溝部(溝部)
73C プラグ規制部
77 固定部
110 高速ソケット端子
111 高速信号端子
111A 固定側被保持部
111B 可動側被保持部(ソケット被保持部)
111C フローティング部
111C-1 湾曲頂部
111E 弾性部(ソケット弾性部)
111E-1 ソケット接点部
120 固定ソケットハウジング
121 固定側端壁部
122 圧入部
130 可動ソケットハウジング
132 被規制部
133 案内部
134 端支持部
136 受入空間
210 高速プラグ端子
211,1211 高速信号端子
211A 固定側被保持部
211B,1211B 可動側被保持部(プラグ被保持部)
211C フローティング部
211C-1 湾曲頂部
211E,1211E 弾性部(プラグ弾性部)
211E-1,1211E-1 プラグ接点部
220 固定プラグハウジング
221 固定側端壁部
222 圧入部
230 可動プラグハウジング
231 可動側端壁部
231A 被案内部
232 被規制部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16