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特開2024-162703単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162703
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/609 20210101AFI20241114BHJP
   H01M 50/673 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20241114BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M50/609
H01M50/673
H01M50/184 C
H01M10/058
H01M50/627
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078513
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】523174745
【氏名又は名称】株式会社アンパワー
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朝日 正雄
【テーマコード(参考)】
5H011
5H023
5H029
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD13
5H011DD26
5H023AA03
5H023AS01
5H023BB01
5H023BB05
5H023BB10
5H023CC14
5H023CC19
5H023CC27
5H029AJ14
5H029AM01
5H029BJ04
5H029BJ22
5H029CJ05
5H029CJ13
5H029CJ28
5H029CJ30
5H029DJ02
5H029EJ01
5H029EJ12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構造がコンパクトで、1台に複数のステーションが備わり、真空環境でのフィード、注液、静置及びパッケージングの操作を実現可能であり、電解液の浸潤時間を短縮して生産効率を向上させることで、上記問題を改善する単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機を提供する。
【解決手段】単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100は、フレーム1と、移動機構2と、モジュール基盤3と、第1所定方向に沿って配置される3つのモジュール4と、3つのモジュール4のそれぞれと1対1で協働する注液アセンブリ、静置アセンブリ及びパッケージングアセンブリとを含み、各モジュール4は、昇降機構9を介してフレーム1とスライド可能に接続され、昇降機構9は、モジュール4を第2所定方向に沿って往復動させるように移動可能であり、移動機構2は、モジュール基盤3を第1所定方向に沿って往復動させるように駆動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに取付けられる移動機構と、
前記移動機構と伝動可能に接続され、真空引きアセンブリが設けられ、かつ、電池を載置するためのモジュール基盤と、
第1所定方向に沿って順次間隔をあけて配置される3つのモジュールと、
前記3つのモジュールのそれぞれと1対1で協働する注液アセンブリ、静置アセンブリ及びパッケージングアセンブリと、を含み、
前記モジュールは、それぞれ、昇降機構を介して前記フレームとスライド可能に接続され、前記昇降機構は、前記モジュールと前記モジュール基盤とが結合するために、対応するモジュールを前記フレームに対して第2所定方向に沿って往復動させるように移動可能であり、
前記移動機構は、前記モジュール基盤が前記3つのモジュールのうちの1つのモジュールと選択的に対応するために、前記モジュール基盤を前記第1所定方向に沿って往復動させるように駆動可能であり、
前記モジュール基盤が前記注液アセンブリと協働するモジュールに対向するまで移動すると、当該モジュールに対応する昇降機構は、前記モジュール基盤内の電池へ注液を行うために、前記モジュールが前記モジュール基盤と結合して密閉空間を形成するまで移動するように駆動可能であり、前記モジュール基盤が前記静置アセンブリと協働するモジュールに対向するまで移動すると、当該モジュールに対応する昇降機構は、前記モジュール基盤内の電池に対し電解液の浸透を行うために、前記モジュールが前記モジュール基盤と結合して密閉空間を形成するまで移動するように駆動可能であり、前記モジュール基盤が前記パッケージングアセンブリと協働するモジュールに対向するまで移動すると、当該モジュールに対応する昇降機構は、前記モジュール基盤内の電池をパッケージングするために、前記モジュールが前記モジュール基盤と結合して密閉空間を形成するまで移動するように駆動可能である、
単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。
【請求項2】
前記フレームには、前記第1所定方向に沿って順次配置されるフィードステーション、注液ステーション、静置ステーション及びパッケージングステーションが設けられ、前記注液アセンブリは前記注液ステーションに位置し、前記静置アセンブリは前記静置ステーションに位置し、前記パッケージングアセンブリは前記パッケージングステーションに位置し、初期状態において、前記モジュール基盤は前記フィードステーションに位置する、請求項1に記載の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。
【請求項3】
前記モジュール基盤は、モジュール基盤筐体と、前記モジュール基盤筐体に取付けられる第1の伝動部材とを含み、前記第1の伝動部材は前記移動機構と伝動可能に接続され、前記モジュール基盤筐体は前記フレームとスライド可能に接続され、前記移動機構は作動すると前記第1の伝動部材を前記フレームに対して前記第1所定方向に沿って移動させるように駆動可能であり、前記モジュール基盤筐体は、電池を載置するための、一端が開口した第1の収容キャビティを有し、前記第1の収容キャビティの開口端は前記第2所定方向において前記モジュール基盤筐体の前記モジュールに近い端部に位置し、前記真空引きアセンブリは、前記第1の収容キャビティと連通し、前記モジュール基盤は、前記3つのモジュールのうちの1つのモジュールと結合されると、当該モジュールと密閉空間を形成し、前記真空引きアセンブリは、前記密閉空間を真空引きする、請求項1に記載の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。
【請求項4】
前記移動機構は、駆動部材と、第2の伝動部材とを含み、前記駆動部材は、前記フレームに取付けられ、前記第2の伝動部材は、前記駆動部材の出力端と伝動可能に接続され、前記第2の伝動部材は、前記第1の伝動部材と伝動可能に接続され、前記フレームには、前記第1所定方向に沿って延びる第1のスライド部材が設けられ、前記モジュール基盤筐体の外面には、前記第1のスライド部材と合わせるための第2のスライド部材が設けられ、前記モジュール基盤筐体と前記フレームとは、前記第2のスライド部材及び前記第1のスライド部材を介してスライド可能に接続され、前記駆動部材は、作動すると、前記第2の伝動部材を前記フレームに対して回動させるように駆動可能であり、前記第2の伝動部材の回動により、前記モジュール基盤筐体が前記フレームに対して前記第1所定方向に沿って移動するように前記第1の伝動部材を前記第1所定方向に沿って前記フレームに対して移動させる、請求項3に記載の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。
【請求項5】
前記駆動部材は、駆動モータであり、前記第1の伝動部材はネジ座であり、前記第2の伝動部材はネジ棒であり、前記ネジ座は、前記ネジ棒の外部を嵌め込むことで前記ネジ棒と嵌め合い、前記ネジ棒は、その一端が前記駆動モータの出力端と伝動可能に接続され、その他端が前記フレームに対して回動可能に接続され、前記第1のスライド部材はスライドレールであり、前記第2のスライド部材はスライダであり、前記スライダと前記スライドレールとはスライド可能に接続される、請求項4に記載の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。
【請求項6】
各前記モジュールは、モジュール筐体と、前記モジュール筐体に取付けられるガイドアセンブリとを含み、前記モジュール筐体は、一端が開口した第2の収容キャビティを有し、前記第2の収容キャビティの開口端は前記第2所定方向において前記モジュール筐体の前記モジュール基盤に近い端部に位置し、前記ガイドアセンブリは、前記第2所定方向に沿って延び、かつ、前記フレームとスライド可能に接続され、前記ガイドアセンブリは、前記モジュールが前記第2所定方向に沿って移動する時にガイドし、前記昇降機構は、前記フレームに取付けられ、前記昇降機構の突出端は、前記モジュール筐体と着脱可能に接続され、前記モジュール基盤が前記3つのモジュールのうちの1つのモジュールと結合されると、前記第1の収容キャビティは前記第2の収容キャビティと連通し、前記モジュール基盤と前記モジュールとは前記密閉空間を形成するように囲む、請求項3に記載の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。
【請求項7】
前記注液アセンブリに対応するモジュールは、注液モジュールであり、前記注液アセンブリは、注液シリンダと、注液ヘッド接続座と、前記注液ヘッド接続座に取付けられる注液ヘッドとを含み、前記注液シリンダは、前記第2所定方向に沿って設けられ、前記注液モジュールのモジュール筐体と接続され、かつ、前記注液モジュールの第2の収容キャビティの外部に位置し、前記注液シリンダの突出端は、前記第2の収容キャビティ内に延伸し、前記注液ヘッド接続座及び前記注液ヘッドは、前記第2の収容キャビティ内に位置し、前記注液ヘッド接続座は、前記注液シリンダの突出端と着脱可能に接続され、前記注液ヘッドは前記第2所定方向に沿って延び、前記注液ヘッドの入液端は注液ポンプと接続されるために用いられ、前記注液ヘッドの送液端は、前記電池へ注液するために用いられ、前記注液シリンダの突出端は、前記注液ヘッドを前記第2所定方向に沿って往復動させるように駆動可能である、請求項6に記載の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。
【請求項8】
前記注液アセンブリは、2つの吸盤シリンダをさらに含み、前記2つの吸盤シリンダは、前記注液モジュールのモジュール筐体の対向する2つの筐体壁に設けられ、前記吸盤シリンダの突出端は、前記注液モジュールの第2の収容キャビティ内に位置し、前記吸盤シリンダの突出端には、真空吸盤が接続され、前記真空吸盤は、前記電池のアルミプラスチックフィルムに吸着されるとともに、2つの前記アルミプラスチックフィルムの間に前記注液ヘッドが入り込むための開口が形成されるように対応する前記アルミプラスチックフィルムを引き離す、請求項7に記載の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。
【請求項9】
前記静置アセンブリに対応するモジュールは、静置モジュールであり、前記静置アセンブリは、前記静置モジュールのモジュール筐体に取付けられる窒素充填機構を含み、前記窒素充填機構は、前記静置モジュールの第2の収容キャビティと連通し、前記第2の収容キャビティ内に窒素ガスを充填する、請求項6に記載の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。
【請求項10】
前記パッケージングアセンブリに対応するモジュールは、パッケージングモジュールであり、前記パッケージングアセンブリは、2つのパッケージングシリンダを含み、前記2つのパッケージングシリンダは、前記パッケージングモジュールのモジュール筐体の対向する2つの筐体壁に取付けられ、前記パッケージングシリンダの突出端は、前記パッケージングモジュールの第2の収容キャビティ内に位置し、前記パッケージングシリンダの突出端には、加熱部品付きのヘッドが接続され、前記パッケージングシリンダは、2つの前記ヘッドが共同で前記電池の2つのアルミプラスチックフィルムに作用して前記2つのアルミプラスチックフィルムを押圧して溶融するように、対応する一方の前記ヘッドを他方の前記ヘッドに向かって移動させるように駆動可能である、請求項6に記載の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注液機の技術分野に関し、具体的には、単体大容量固体重合物リチウムイオン電池の注液機に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池の研究開発及び生産において、電池の容量を向上させるための方法の1つは、電池のエネルギー密度を向上させることである。エネルギー密度を向上させるために、極板の活物質の圧縮密度を向上させることで、極板の負荷量を増加させる必要がある。しかしながら、圧縮密度の向上に伴い、極板の空隙率が低減してしまい、これに起因して電解液が極板を十分に浸潤しにくくなる。また、リチウムイオン電池内部のセルは層状の構造で、比較的緻密であり、通常の注液方法を使用すると、注液の後、セルの中間層に空気が残留しやすいため、電解液が速やかにセルに浸透できない。電解液が極板を十分に浸潤できないと、電池を化成した後、陽極に、黒ずみやリチウム析出などの問題が生じる。
【0003】
現在のリチウムイオン電池の生産プロセスでは、電解液の浸透が遅いという問題を解決するために、注液の後に電解液の十分な浸潤吸収を確保するために、電池を一般的に24時間、ひいては、より長い時間で静置する必要があり、生産効率が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、構造がコンパクトで、1台に複数のステーションが備わり、真空環境でのフィード、注液、静置及びパッケージングの操作を実現可能であり、電解液の浸潤時間を短縮して生産効率を向上させることで、上記問題を改善する単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、フレームと、前記フレームに取付けられる移動機構と、前記移動機構と伝動可能に接続され、真空引きアセンブリが設けられ、かつ、電池を載置するためのモジュール基盤と、第1所定方向に沿って順次間隔をあけて配置される3つのモジュールと、前記3つのモジュールのそれぞれと1対1で協働する注液アセンブリ、静置アセンブリ及びパッケージングアセンブリと、を含み、前記モジュールは、それぞれ、昇降機構を介して前記フレームとスライド可能に接続され、前記昇降機構は、前記モジュールと前記モジュール基盤とが結合するために、対応するモジュールを前記フレームに対して第2所定方向に沿って往復動させるように移動可能であり、前記移動機構は、前記モジュール基盤が前記3つのモジュールのうちの1つのモジュールと選択的に対応するために、前記モジュール基盤を前記第1所定方向に沿って往復動させるように駆動可能であり、前記モジュール基盤が前記注液アセンブリと協働するモジュールに対向するまで移動すると、当該モジュールに対応する昇降機構は、前記モジュール基盤内の電池へ注液を行うために、前記モジュールが前記モジュール基盤と結合して密閉空間を形成するまで移動するように駆動可能であり、前記モジュール基盤が前記静置アセンブリと協働するモジュールに対向するまで移動すると、当該モジュールに対応する昇降機構は、前記モジュール基盤内の電池に対し電解液の浸透を行うために、前記モジュールが前記モジュール基盤と結合して密閉空間を形成するまで移動するように駆動可能であり、前記モジュール基盤が前記パッケージングアセンブリと協働するモジュールに対向するまで移動すると、当該モジュールに対応する昇降機構は、前記モジュール基盤内の電池をパッケージングするために、前記モジュールが前記モジュール基盤と結合して密閉空間を形成するまで移動するように駆動可能である。
【0006】
本発明の実施例の単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機によれば、フレーム上に機能の異なる3つのモジュールを設けることで、モジュール基盤は、3つのモジュールのそれぞれと選択的に協働することができ、この単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機は、構造がコンパクトで、体積が小さく、複数のプロセスを同一のフレームで完了し、真空引きアセンブリにより真空環境での注液、静置及びパッケージング操作を実現し、電解液を十分に浸潤するための所要時間を短縮し、生産効率を向上させることができる。
【0007】
また、本発明の実施例による単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機は、さらに以下のような付加的な技術的特徴を有する。
【0008】
前記フレームには、前記第1所定方向に沿って順次配置されるフィードステーション、注液ステーション、静置ステーション及びパッケージングステーションが設けられ、前記注液アセンブリは前記注液ステーションに位置し、前記静置アセンブリは前記静置ステーションに位置し、前記パッケージングアセンブリは前記パッケージングステーションに位置し、初期状態において、前記モジュール基盤は前記フィードステーションに位置する。フィードステーション、注液ステーション、静置ステーション及びパッケージングステーションを設けることで、電池のフィード、注液、静置及びパッケージングをそれぞれ実現し、フレームの構造空間を合理的に利用し、生産効率を向上しやすい。
【0009】
前記モジュール基盤は、モジュール基盤筐体と、前記モジュール基盤筐体に取付けられる第1の伝動部材とを含み、前記第1の伝動部材は前記移動機構と伝動可能に接続され、前記モジュール基盤筐体は前記フレームとスライド可能に接続され、前記移動機構は作動すると前記第1の伝動部材を前記フレームに対して第1所定方向に沿って移動させるように駆動可能であり、前記モジュール基盤筐体は、電池を載置するための、一端が開口した第1の収容キャビティを有し、前記第1の収容キャビティの開口端は前記第2所定方向において前記モジュール基盤筐体の前記モジュールに近い端部に位置し、前記真空引きアセンブリは、前記第1の収容キャビティと連通し、前記モジュール基盤は、前記3つのモジュールのうちの1つのモジュールと結合されると、当該モジュールと密閉空間を形成し、前記真空引きアセンブリは、前記密閉空間を真空引きする。
【0010】
上記の方式では、第1の伝動部材が移動機構の動力によりモジュール基盤筐体を第1所定方向に沿って移動させることで、モジュール基盤筐体の開口は、モジュールに対向し、電池はモジュール基盤筐体の第1の収容キャビティ内に位置し、昇降機構がモジュールを駆動してモジュール基盤と結合されると、第1の収容キャビティは、モジュールによって密閉され、モジュール基盤とモジュールとは、密閉空間を形成し、真空引きアセンブリは、注液、静置又はパッケージングを真空環境で行うように、前記密閉空間を真空引きすることができる。
【0011】
前記移動機構は、駆動部材と、第2の伝動部材とを含み、前記駆動部材は、前記フレームに取付けられ、前記第2の伝動部材は、前記駆動部材の出力端と伝動可能に接続され、前記第2の伝動部材は、前記第1の伝動部材と伝動可能に接続され、前記フレームには、前記第1所定方向に沿って延びる第1のスライド部材が設けられ、前記モジュール基盤筐体の外面には、前記第1のスライド部材と合わせるための第2のスライド部材が設けられ、前記モジュール基盤筐体と前記フレームとは、前記第2のスライド部材及び前記第1のスライド部材を介してスライド可能に接続され、前記駆動部材は、作動すると、前記第2の伝動部材を前記フレームに対して回動させるように駆動可能であり、前記第2の伝動部材の回動により、前記モジュール基盤筐体が前記フレームに対して前記第1所定方向に沿って移動するように前記第1の伝動部材を前記第1所定方向に沿って前記フレームに対して移動させる。
【0012】
上記の方式では、第2の伝動部材と第1の伝動部材との協働により、駆動部材の動力を第1の伝動部材に伝え、同時に、フレーム及びモジュール基盤筐体にはそれぞれ第1のスライド部材及び第2のスライド部材が設けられ、駆動部材の動力出力により、駆動部材は、モジュール基盤筐体がフレームに対して第1所定方向に沿って移動するために、第1の伝動部材がフレームに対して移動するように駆動可能であり、モジュール基盤筐体は、フレームに対して安定に移動する。
【0013】
前記駆動部材は、駆動モータであり、前記第1の伝動部材はネジ座であり、前記第2の伝動部材はネジ棒であり、前記ネジ座は、前記ネジ棒の外部を嵌め込むことで前記ネジ棒と嵌め合い、前記ネジ棒は、その一端が前記駆動モータの出力端と伝動可能に接続され、その他端が前記フレームに対して回動可能に接続され、前記第1のスライド部材はスライドレールであり、前記第2のスライド部材はスライダであり、前記スライダと前記スライドレールとはスライド可能に接続される。
【0014】
上記形態では、ネジ棒とネジ座との協働により、駆動モータの回動をネジ座の直線 運動に変換することを容易にし、これにより、モジュール基盤が第1所定方向に沿って移動することを実現し、スライダとライドレールとの協働により、モジュール基盤の移動が柔軟になり、作動効率を向上させることができる。
【0015】
各前記モジュールは、モジュール筐体と、前記モジュール筐体に取付けられるガイドアセンブリとを含み、前記モジュール筐体は、一端が開口した第2の収容キャビティを有し、前記第2の収容キャビティの開口端は前記第2所定方向において前記モジュール筐体の前記モジュール基盤に近い端部に位置し、前記ガイドアセンブリは、前記第2所定方向に沿って延び、かつ、前記フレームとスライド可能に接続され、前記ガイドアセンブリは、前記モジュールが前記第2所定方向に沿って移動する時にガイドし、前記昇降機構は、前記フレームに取付けられ、前記昇降機構の突出端は、前記モジュール筐体と着脱可能に接続され、前記モジュール基盤が前記3つのモジュールのうちの1つのモジュールと結合されると、前記第1の収容キャビティは前記第2の収容キャビティと連通し、前記モジュール基盤と前記モジュールとは前記密閉空間を形成するように囲む。
【0016】
上記形態では、モジュール筐体には、第2の収容キャビティが開口して設けられ、モジュールとモジュール基盤とを結合させると、第1の収容キャビティと第2の収容キャビティとは、互いに密閉されて密閉空間を形成し、この密閉空間内で注液、静置又はパッケージング操作を行いやすい。ガイドアセンブリを設けることで、モジュールが正確に移動し、モジュール基盤と結合させやすく、モジュールとモジュール基盤とのマッチング・シール性を確保することができる。
【0017】
前記注液アセンブリに対応するモジュールは、注液モジュールであり、前記注液アセンブリは、注液シリンダと、注液ヘッド接続座と、前記注液ヘッド接続座に取付けられる注液ヘッドとを含み、前記注液シリンダは、前記第2所定方向に沿って設けられ、前記注液モジュールのモジュール筐体と接続され、かつ、前記注液モジュールの第2の収容キャビティの外部に位置し、前記注液シリンダの突出端は、前記第2の収容キャビティ内に延伸し、前記注液ヘッド接続座及び前記注液ヘッドは、前記第2の収容キャビティ内に位置し、前記注液ヘッド接続座は、前記注液シリンダの突出端と着脱可能に接続され、前記注液ヘッドは前記第2所定方向に沿って延び、前記注液ヘッドの入液端は注液ポンプと接続されるために用いられ、前記注液ヘッドの送液端は、前記電池へ注液するために用いられ、前記注液シリンダの突出端は、前記注液ヘッドを前記第2所定方向に沿って往復動させるように駆動可能である。
【0018】
上記形態では、注液シリンダが注液ヘッドを電池と接触するように駆動することにより、注液ヘッドは、柔軟に移動し、異なる電池の注液操作を実現しやすい。
【0019】
前記注液アセンブリは、2つの吸盤シリンダをさらに含み、前記2つの吸盤シリンダは、前記注液モジュールのモジュール筐体の対向する2つの筐体壁に設けられ、前記吸盤シリンダの突出端は、前記注液モジュールの第2の収容キャビティ内に位置し、前記吸盤シリンダの突出端には、真空吸盤が接続され、前記真空吸盤は、前記電池のアルミプラスチックフィルムに吸着されるとともに、2つの前記アルミプラスチックフィルムの間に前記注液ヘッドが入り込むための開口が形成されるように対応する前記アルミプラスチックフィルムを引き離す。
【0020】
上記形態では、対向して設置される2つの真空吸盤により、それぞれ電池のアルミプラスチックフィルムに作用し、吸盤シリンダの移動により電池のアルミプラスチックフィルムを引き離して注液用開口を形成し、注液ヘッドが電解液を電池の内部に注入することを容易にする。
【0021】
前記静置アセンブリに対応するモジュールは、静置モジュールであり、前記静置アセンブリは、前記静置モジュールのモジュール筐体に取付けられる窒素充填機構を含み、前記窒素充填機構は、前記静置モジュールの第2の収容キャビティと連通し、前記第2の収容キャビティ内に窒素ガスを充填する。
【0022】
上記形態では、充電窒素機構を介して送り込まれた窒素ガスにより、密閉空間内の圧力が変化することによって、電解液の電池内部への浸透を加速し、静置の効率を向上させた。
【0023】
前記パッケージングアセンブリに対応するモジュールは、パッケージングモジュールであり、前記パッケージングアセンブリは、2つのパッケージングシリンダを含み、前記2つのパッケージングシリンダは、前記パッケージングモジュールのモジュール筐体の対向する2つの筐体壁に取付けられ、前記パッケージングシリンダの突出端は、前記パッケージングモジュールの第2の収容キャビティ内に位置し、前記パッケージングシリンダの突出端には、加熱部品付きのヘッドが接続され、前記パッケージングシリンダは、2つの前記ヘッドが共同で前記電池の2つのアルミプラスチックフィルムに作用して前記2つのアルミプラスチックフィルムを押圧して溶融するように、対応する一方の前記ヘッドを他方の前記ヘッドに向かって移動させるように駆動可能である。
【0024】
上記形態では、パッケージングシリンダが加熱部品付きのヘッドをアルミプラスチックフィルムに密着させて押圧するまで移動させることにより、電池のパッケージングを実現しやすく、電池のパッケージングの効率を向上させた。
【0025】
本発明の付加態様及び利点は、以下の記述においてその一部が示され、一部が以下の記述から明らかになり、又は本発明を実施することで得られる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、構造がコンパクトで、1台に複数のステーションが備わり、真空環境でのフィード、注液、静置及びパッケージングの操作を実現可能であり、電解液の浸潤時間を短縮して生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例に使用される必要な図面を簡単に説明する。以下の図面は、本発明のいくつかの実施例を例示するにすぎないため、本発明の範囲に対する限定と見なされるべきではなく、当業者にとって、創造的な労力を払わずにこれらの図面に基づいて他の関連図面を得ることもできると理解すべきである。
図1】本発明の実施例による単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機の構造の模式図である。
図2図1のモジュール基盤の構造の模式図である。
図3図1の注液ステーションのモジュールの構造の模式図である。
図4図1の静置ステーションのモジュールの構造の模式図である。
図5図1のパッケージングステーションのモジュールの構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明瞭、且つ、包括的に説明し、当然、記述された実施例は、本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。一般的には、ここで図面において説明して示される本発明の実施例の構成要素は、様々な異なる配置でレイアウトして設計されてもよい。
【0029】
そのため、以下の図面において提供される本発明の実施例の詳細な説明は、保護しようとする本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の好ましい実施例を表すものに過ぎない。当業者が本発明における実施例に基づいて創造的な労力を払わずに得られたすべての他の実施例もすべて本発明の保護範囲に属する。
【0030】
類似の符号及びアルファベットは、以下の図面において類似の構成要素を示すため、ある構成要素が1つの図面において定義されると、その後の図面においてそれについてさらなる定義及び解釈が必要としないと注意すべきである。
【0031】
本発明の実施例の説明において、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係、又は、この発明製品の使用時に通常配置される方位又は位置関係であり、本発明を説明しやすく、かつ、説明を簡略化するためのものにすぎず、かかる装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを明示する、又は、暗示するものではないため、本発明を制限するためのものと解釈されることができないと理解すべきである。なお、「第1」、「第2」などの用語は、単に表現を区別するために使用され、相対的な重要性を明示する、又は、暗示すると理解されることができない。
【0032】
本発明の実施例の説明において、さらに、説明すべきことは、特に明確に規定や限定されない限り、「設け」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続又は電気的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体に介する間接的な繋がりであってもよく、2つの要素内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本発明の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0033】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例による単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100を説明する。
【0034】
図1図5に示すように、本発明の実施例による単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100は、フレーム1と、フレーム1に取付けられる移動機構2と、移動機構2と伝動可能に接続されるモジュール基盤3と、第1所定方向に沿って順次間隔をあけて配置される3つのモジュール4と、注液アセンブリ5と、静置アセンブリ6と、パッケージングアセンブリ7とを含む。
【0035】
具体的には、フレーム1は作動場内に設置され、収納・支持する機能を果たす。移動機構2はフレーム1に取付けられ、モジュール基盤3は移動機構2と伝動可能に接続され、電池01を載置するために使用され、モジュール基盤3には、モジュール基盤3内を真空環境にするために、真空引きアセンブリ8が設けられる。
【0036】
図1に示すように、3つのモジュール4は、紙面左右方向である単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100の幅方向(第1所定方向)に沿って間隔をあけて配置されており、各モジュール4は、昇降機構9によってフレーム1に対してスライド可能に接続され、昇降機構9は、モジュール4とモジュール基盤3とが結合するために、対応するモジュール4をフレーム1に対して紙面上下方向である単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100の高さ方向(第2所定方向)に沿って往復動するように移動させることが可能である。
【0037】
注液アセンブリ5、静置アセンブリ6及びパッケージングアセンブリ7は、それぞれ3つのモジュール4と1対1で協働する。移動機構2は、モジュール基盤3を3つのモジュール4のうちの1つのモジュール4と選択的に対向させるために、モジュール基盤3を第1所定方向に沿って往復動するように駆動可能である。モジュール基盤3が異なるモジュール4に対向すると、昇降機構9により対応するモジュール4がモジュール基盤3と結合するまで移動するように駆動されるとともに、密閉空間が形成される。具体的には、モジュール基盤3が注液アセンブリ5と協働するモジュール4に対向するまで移動すると、当該モジュール4に対応する昇降機構9は、モジュール基盤3内の電池01へ注液を行うために、モジュール4がモジュール基盤3と結合して密閉空間を形成するまで移動するように駆動可能である。モジュール基盤3が静置アセンブリ6と協働するモジュール4に対向するまで移動すると、当該モジュール4に対応する昇降機構9は、モジュール基盤3内の電池01に対し電解液の浸透を行うために、モジュール4がモジュール基盤3と結合して密閉空間を形成するまで移動するように駆動可能である。モジュール基盤3がパッケージングアセンブリ7と協働するモジュール4に対向するまで移動すると、当該モジュール4に対応する昇降機構9は、モジュール基盤3内の電池01をパッケージングするために、モジュール4がモジュール基盤3と結合して密閉空間を形成するまで移動するように駆動可能である。真空引きアセンブリ8は、密閉空間を真空引きすることで、異なる機能を有するアセンブリ(注液アセンブリ5、静置アセンブリ6及びパッケージングアセンブリ7)は、対応する密閉空間内において注液、静置又はパッケージングの操作を完了する。フレーム1上に機能の異なる3つのモジュール4を設けることで、モジュール基盤3は、3つのモジュール4のそれぞれと選択的に協働させることができる。単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100は、構造がコンパクトで、体積が小さく、1台に複数のステーションが備わり、複数のプロセスを同一のフレーム1で完了し、真空引きアセンブリ8により真空環境でのフィード、注液、静置及びパッケージング操作を実現し、電解液を十分に浸潤するための所要時間を短縮し、生産効率を向上させることができる。
【0038】
本発明の実施例による単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100は、1つのモジュール基盤3を共用して3つのモジュール4と選択的に結合させることによって、1台に複数の機能を備えることを実現し、フレーム1の空間を合理的に利用し、構造をコンパクトとし、生産効率を向上させることができる。
【0039】
本発明のいくつかの実施例によれば、フレーム1には、第1所定方向に沿って順次配列されるフィードステーション11、注液ステーション12、静置ステーション13及びパッケージングステーション14が設けられ、注液アセンブリ5に対応するモジュール4は注液モジュール4であり、静置アセンブリ6に対応するモジュール4は静置モジュール4であり、パッケージングアセンブリ7に対応するモジュール4はパッケージングモジュール4であり、注液モジュール4は注液ステーション12に位置し、静置モジュール4は静置ステーション13に位置し、パッケージングモジュール4はパッケージングステーション14に位置する。フィードステーション11はフレーム1の一端に位置し、初期状態において、モジュール基盤3は、電池01がモジュール基盤3内に送り込まれることを待つようにフィードステーション11に位置する。フィードステーション11、注液ステーション12、静置ステーション13及びパッケージングステーション14を設けることで、電池01のフィード、注液、静置及びパッケージングをそれぞれ実現し、フレーム1の構造空間を合理的に利用し、生産効率を向上しやすい。異なる機能に応じて異なるステーションを分けることにより、対応するステーションで所要のプロセス操作を実現しやすく、フレーム1の利用率を向上させることができる。
【0040】
本発明のいくつかの実施例によれば、図2に示すように、モジュール基盤3は、モジュール基盤筐体31と、モジュール基盤筐体31に取付けられる第1の伝動部材32とを含み、第1の伝動部材32は移動機構2と伝動可能に接続され、モジュール基盤筐体31はフレーム1とスライド可能に接続され、移動機構2が作動すると、移動機構2は、第1の伝動部材32がフレーム1に対して第1所定方向に沿って移動するように駆動することができる。使用者の操作を容易にし、かつ、構造空間を合理的に利用するために、第1の伝動部材32は、モジュール基盤筐体31の側壁に位置し、真空引きアセンブリ8は、モジュール基盤筐体31の底壁に位置する。モジュール基盤筐体31は、一端が開口した第1の収容キャビティ311を有し、第1の収容キャビティ311の開口端は第2所定方向においてモジュール基盤3のモジュール4に近い端部(モジュール基盤筐体31の上端)に位置する。第1の収容キャビティ311は、電池01を載置するために用いられ、真空引きアセンブリ8は、第1の収容キャビティ311と連通する。モジュール基盤3が3つのモジュール4のうちの1つのモジュール4に結合する場合には、第1の収容キャビティ311の開口端が対応するモジュール4によって密閉され、密閉空間が形成され、真空引きアセンブリ8は、電池01を真空環境に置くために、密閉空間を真空引きする。第1の伝動部材32が移動機構2の動力によりモジュール基盤筐体31を第1所定方向に沿って移動させることで、モジュール基盤筐体31の開口は、モジュール4に対向し、電池01はモジュール基盤筐体31の第1の収容キャビティ311内に位置し、昇降機構9がモジュール4を駆動してモジュール基盤3と結合されると、第1の収容キャビティ311は、モジュール4によって密閉され、モジュール基盤3とモジュール4とは、密閉空間を形成し、真空引きアセンブリ8は、注液、静置又はパッケージングを真空環境で行うように、前記密閉空間を真空引きすることができる。
【0041】
なお、真空引きアセンブリ8は、当該真空引きアセンブリ8の交換及びメンテナンスを行いやすいようにモジュール基盤筐体31と着脱可能に接続される。本発明の他の実施の形態では、真空引きアセンブリ8の位置は、モジュール基盤筐体31の側壁に位置してもよく、使用者は、実際の状況に応じて真空引きアセンブリ8の異なる取付け位置を選択してもよい。第1の伝動部材32の位置は、モジュール基盤筐体31の底壁に位置してもよく、使用者は、実際の状況に応じて第1の伝動部材32の異なる取付け位置を選択してもよい。
【0042】
電池01の規格が比較的大きい場合、電池01を縦置きにすると、その重心が不安定で倒れやすいため、選択的にモジュール基盤3が傾斜して設置されることで、電池01をモジュール基盤筐体31の内壁に当接させ、電池01を支持しやすくする。
【0043】
本発明のいくつかの実施例によれば、移動機構2は、駆動部材21と、第2の伝動部材22とを含み、駆動部材21は、フレーム1の一端(フィードステーション11から離れた端部)に取付けられることで、モジュール基盤3の移動を容易にし、部材間の干渉が防止される。駆動部材21の出力端は、フレーム1に対して回動可能であり、第2の伝動部材22は、駆動部材21の出力端と伝動可能に接続され、第2の伝動部材22と第1の伝動部材32との協働により、駆動部材21の動力を第1の伝動部材32に伝える。フレーム1には、第1所定方向に沿って延びる第1のスライド部材15が設けられ、モジュール基盤筐体31の外面には、第1のスライド部材15と合わせるための第2のスライド部材33が設けられ、モジュール基盤筐体31とフレーム1とは、第2のスライド部材33及び第1のスライド部材15を介してスライド可能に接続される。駆動部材21が作動すると、駆動部材21の出力端は、第2の伝動部材22をフレーム1に対して回動させるように駆動することができ、第2の伝動部材22の回動は、モジュール基盤筐体31がフレーム1に対して第1所定方向に沿って移動するために、第1の伝動部材32を第1所定方向に沿ってフレーム1に対して移動させることが可能である。第1のスライド部材15と第2のスライド部材33を設けることは、ガイドする機能を果たすとともに、モジュール基盤筐体31の移動の安定性を確保することができる。第2の伝動部材22と第1の伝動部材32との協働により、駆動部材21の動力を第1の伝動部材32に伝え、同時に、フレーム1及びモジュール基盤筐体31にはそれぞれ第1のスライド部材15及び第2のスライド部材33が設けられ、駆動部材21の動力出力により、駆動部材21は、モジュール基盤筐体31がフレーム1に対して第1所定方向に沿って移動するために、第1の伝動部材32がフレーム1に対して移動するように駆動可能であり、モジュール基盤筐体31は、フレーム1に対して安定に移動する。
【0044】
本発明のいくつかの具体的な実施例では、駆動部材21は、駆動モータであり、選択的に、駆動モータは、サーボモータであり、駆動モータの回転速度の調節を容易にする。駆動モータのケースは、駆動モータのメンテナンス及び交換を行いやすいように、フレーム1に着脱可能に接続される。第1の伝動部材32は、ネジ座であり、第2の伝動部材22は、ネジ棒であり、ネジ座は、ネジ棒の外部を嵌め込むことでネジ棒と嵌め合い、ネジ棒は、その一端が駆動モータの出力端と伝動可能に接続され、その他端がフレーム1に対して回動可能に接続される。ネジ棒とネジ座との協働により、駆動モータの回動をネジ座の直線運動に変換し、駆動モータによってネジ棒の回転速度を制御することによって、ネジ座がネジ棒上の移動速度を制御する。第1のスライド部材15はスライドレールであり、第2のスライド部材33はスライダであり、スライダとスライドレールとはスライド可能に接続される。ネジ棒とネジ座との協働により、駆動モータの回動をネジ座の直線運動に変換することを容易にし、モジュール基盤3が第1所定方向に沿って移動することを実現し、スライダとスライドレールとの協働により、スライダとスライドレールとが一定の接触面積を有することを確保し、これにより、モジュール基盤3の移動が柔軟になり、作動効率を向上させることができる。なお、本発明の他の実施の形態では、駆動部材21(駆動モータ)はモジュール基盤筐体31に取付けられ、第1の伝動部材32はピニオンであり、第1の伝動部材32は駆動部材21と伝動可能に接続され、第2の伝動部材22はラックであり、第2の伝動部材22はフレーム1に取付けられ、第1の伝動部材32(ピニオン)は第2の伝動部材22(ラック)と噛合い、駆動部材21は第1の伝動部材32を第2の伝動部材で移動させるように第1の伝動部材32を回動させることによって、モジュール基盤3を移動させることができるように構成されてもよい。
【0045】
本発明のいくつかの実施例によれば、各モジュール4は、いずれもモジュール筐体41と、モジュール筐体41に取付けられるガイドアセンブリ42とを含む。ガイドアセンブリ42は、第2所定方向に沿って延び、フレーム1とスライド可能に接続される。ガイドアセンブリ42は、モジュール4とモジュール基盤3とが正確に結合するように、モジュール4を第2所定方向に沿って移動させるようにガイドするためのものである。モジュール筐体41は、一端が開口した第2の収容キャビティ411を有し、第2の収容キャビティ411の開口端は、第2所定方向においてモジュール筐体41のモジュール基盤3に近い端部に位置する。図3図5に示すように、モジュール4は、第2所定方向に沿って設けられ、第2の収容キャビティ411の開口端は、モジュール筐体41の底部に位置する。昇降機構9はフレーム1に取付けられ、昇降機構9の突出端は、モジュール筐体41と着脱可能に接続される。昇降機構9は、シリンダを採用してもよく、本発明の他の実施の形態では、昇降機構9は、油圧シリンダなどであってもよい。モジュール基盤3が3つのモジュール4のうちの1つのモジュール4と結合されると、第1の収容キャビティ311と第2の収容キャビティ411とは連通して互いに密閉され、モジュール基盤3と対応するモジュール4とは、密閉空間を囲み(結合して形成し)、真空引きアセンブリ8は、この密閉空間を真空引きすることができる。モジュール筐体41には、第2の収容キャビティ411が開口して設けられ、モジュール4とモジュール基盤3とを結合させると、第1の収容キャビティ311と第2の収容キャビティ411とは、互いに密閉されて密閉空間を形成し、この密閉空間内で注液、静置又はパッケージング操作を行いやすい。ガイドアセンブリ42を設けることにより、モジュール4が正確に移動し、モジュール基盤3と結合させやすく、モジュール4とモジュール基盤3とのマッチング・シール性を確保した。
【0046】
選択的に、図1に示すように、フレーム1には、昇降機構9を支持するためのクロスメンバ16が設けられ、クロスメンバ16は、第1所定方向に沿って延び、昇降機構9は、クロスメンバ16と着脱可能に接続される。ガイドアセンブリ42は、4つのガイド棒421を含み、4つのガイド棒421は、モジュール筐体41の四隅に配置されていることで、モジュール4の安定な移動を容易にする。ガイド棒421は、クロスメンバ16に貫通するとともに、リニアベアリング43を介してクロスメンバ16とスライド可能に接続される。
【0047】
本発明のいくつかの具体的な実施例では、図3に示すように、注液アセンブリ5は、注液シリンダ51と、注液ヘッド接続座52と、注液ヘッド接続座52に取付けられる注液ヘッド53とを含む。注液シリンダ51は、第2所定方向に沿って設けられ、注液モジュール4のモジュール筐体41と接続される。注液シリンダ51のシリンダ本体は、注液シリンダ51のメンテナンス及び交換を行いやすいように注液モジュール4のモジュール筐体41と着脱可能に接続され、例えばボルトによる接続、係止、接着などによって接続される。本発明の他の実施の形態では、注液シリンダ51のシリンダ本体は、注液モジュール4のモジュール筐体41に固定して接続されてもよく、例えば溶接やかしめなどによって接続されてもよい。注液シリンダ51は、第2の収容キャビティ411の外部に位置し、注液シリンダ51の突出端(ピストンロッドの先端)は、第2の収容キャビティ411内に延伸し、注液ヘッド接続座52及び注液ヘッド53は、第2の収容キャビティ411内に位置する。注液ヘッド接続座52は、注液シリンダ51の突出端と着脱可能に接続され、注液シリンダ51の突出端は、注液ヘッド53を第2所定方向に沿って往復動させるように駆動可能であり、これにより、注液ヘッド53と電池01とを接続する。注液ヘッド53は、注液ヘッド53の交換及びメンテナンスを行いやすいように注液ヘッド接続座52と着脱可能に接続される。注液ヘッド53は、第2所定方向に沿って延び、注液ヘッド53の入液端は、注液ポンプと接続されるために用いられ、注液ヘッド53の送液端は、電池01へ注液するために用いられ、注液ヘッド53が注液ポンプと接続されると、注液ポンプを起動し、注液ヘッド53は、電池01に注液可能である。注液シリンダ51が注液ヘッド53を電池01と接触するように駆動することにより、注液ヘッド53は、柔軟に移動し、異なる電池01の注液操作を実現しやすい。
【0048】
さらに、注液アセンブリ5は、2つの吸盤シリンダ54をさらに含む。2つの吸盤シリンダ54は、注液モジュール4のモジュール筐体41の対向する2つの筐体壁に設置され、吸盤シリンダ54の突出端は、第2の収容キャビティ411内に位置し、吸盤シリンダ54の突出端には、真空吸盤55が接続されている。吸盤シリンダ54のシリンダ本体は、吸盤シリンダ54の交換及びメンテナンスを行いやすいようにモジュール筐体41と着脱可能に接続され、例えばボルトによる接続、係止などによって接続される。本発明の他の実施の形態では、吸盤シリンダ54のシリンダ本体は、モジュール筐体41と固定して接続されてもよく、例えば溶接やかしめなどによって接続されてもよい。真空吸盤55は、電池01の外装のアルミプラスチックフィルム02に吸着されるとともに、2つのアルミプラスチックフィルム02の間に注液ヘッド53が入り込むための開口が形成されるように、真空吸盤55に対応するアルミプラスチックフィルム02を引き離すことができる。吸盤シリンダ54は、真空吸盤55と協働し、真空吸盤55の吸引力により、2つのアルミプラスチックフィルム02の間を比較的大きい開口まで引き離すことで、注液ヘッド53は、電池01内に入り込み、注液操作を実現しやすくする。注液操作が真空環境で行われるため、注液操作が完了した後、注液モジュール4がモジュール基盤3から分離し、その後、電解液は、重力により電池01の内部に浸透することができ、浸透効果を向上させた。対向して設置される2つの真空吸盤55により、それぞれ電池01のアルミプラスチックフィルム02に作用し、吸盤シリンダ54の移動により電池01のアルミプラスチックフィルム02を引き離して注液用開口を形成し、注液ヘッド53が電解液を電池01の内部に注入することを容易にする。
【0049】
本発明のいくつかの実施例によれば、図4に示すように、静置アセンブリ6は、窒素充填機構を含む。窒素充填機構は、静置モジュール4のモジュール筐体41に取付けられ、静置モジュール4の第2の収容キャビティ411と連通し、第2の収容キャビティ411内に窒素ガスを充填する。窒素充填機構は、窒素ガス貯蔵コンテナ(未図示)と、エアポンプ(未図示)とを含み、エアポンプは、窒素ガス貯蔵コンテナ内の窒素ガスを、静置モジュール4とモジュール基盤3とが結合されて形成された密閉空間内に流れ込むようにすることによって、この密閉空間の気圧を変化させて、電池01を圧迫し、電解液を電池01内部に浸透させる。窒素充填機構を介して送り込まれた窒素ガスにより、密閉空間内の圧力が変化することによって、電解液の電池01内部への浸透を加速し、静置の効率を向上させることができる。窒素充填機構による窒素ガスの送り込み、及び真空引きアセンブリ8の間欠動作により、密閉空間内で真空及び窒素充填の2つの状態を交互に切り替えることを実現し、電解液の電池01内部への浸透を加速し、静置の効率を向上させた。
【0050】
本発明のいくつかの実施例によれば、図5に示すように、パッケージングアセンブリ7は、2つのパッケージングシリンダ71を含む。2つのパッケージングシリンダ71は、パッケージングモジュール4のモジュール筐体41の対向する2つの筐体壁に取付けられ、2つのパッケージングシリンダ71は、電池01の2つのアルミプラスチックフィルム02と1対1で対応する。パッケージングシリンダ71は、モジュール筐体41に取付けられ、パッケージングシリンダ71の交換及びメンテナンスを行いやすいようにモジュール筐体41と着脱可能に接続される。パッケージングシリンダ71は、パッケージングモジュール4の第2の収容キャビティ411外に位置し、パッケージングシリンダ71の突出端は、第2の収容キャビティ411内に位置し、パッケージングシリンダ71の突出端には、加熱部品72付きヘッド73が接続されている。パッケージングシリンダ71の作動は、2つのヘッド73が共同で電池01の2つのアルミプラスチックフィルム02に作用して2つのアルミプラスチックフィルム02を押圧して溶融するように、それぞれ、対応する一方のヘッド73を他方のヘッド73に向かって移動させるように駆動可能であり、これにより、電池01のパッケージングを実現する。パッケージングシリンダ71により加熱部品72付きヘッド73はアルミプラスチックフィルム02に密着して押圧するまで移動し、電池01のパッケージングを実現しやすく、電池01のパッケージングの効率を向上させた。
【0051】
選択的に、加熱部品72は、加熱管であってもよく、加熱管は、ヘッド73の加熱効率を向上させ、アルミプラスチックフィルム02のパッケージングを実現しやすい。パッケージングモジュール4とモジュール基盤3とが結合することで密閉空間を形成した後、真空引きアセンブリ8は、密閉空間を真空引きすることによって、パッケージング操作が真空環境で行われることを確保する。
【0052】
また、フレーム1には、さらに各電気部品と接続されるための制御パネル17が設けられ、使用者は、制御パネル17を操作することにより、電気部品に対する制御を実現する。また、各シリンダは、いずれも外部ガス源と連通し、各シリンダの制御端は、いずれも制御パネル17に設けられ、且つ、該当するボタンに対応し、使用者は、対応するボタンを押下することにより、異なるシリンダの制御を実現する。
【0053】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例による単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100の作動原理を説明する。
【0054】
図1に示すように、フレーム1には、第1所定方向に沿って、フィードステーション11、注液ステーション12、静置ステーション13及びパッケージングステーション14が設置され、モジュール基盤3には、真空引きアセンブリ8が配置され、モジュール基盤3は、3つのモジュール4と選択的に協働して密閉空間を形成し、真空引きアセンブリ8が密閉空間を真空引きすることにより、密閉空間を真空環境にし、これにより、注液、静置及びパッケージングが真空環境で行われる。この単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100は、構造がコンパクトで、1台に複数の機能が備わり、フィード、注液、静置及びパッケージング操作を実現することができ、生産効率を向上させることができる。また、静置モジュール4は、モジュール基盤3と結合する場合に、密閉空間に窒素を充填することにより、静置の効率を向上させることができ、静置時間を大幅に短縮することができる。
【0055】
本発明による単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機100は、構造が簡略化で、コストが低く、電池01の生産効率を向上させることができ、1台に複数のステーションが備わり、フレーム1の空間利用率を向上させることができる。
【0056】
本発明における実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができると理解すべきである。
【0057】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するものではなく、当業者にとって、本発明は、様々な変更及び変化が可能である。本発明の精神及び原則内で行われた任意の修正、同等の置換、改良などはいずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0058】
100 単体大容量固体重合物リチウムイオン電池注液機
01 電池
02 アルミプラスチックフィルム
1 フレーム
11 フィードステーション
12 注液ステーション
13 静置ステーション
14 パッケージングステーション
15 第1のスライド部材
16 クロスメンバ
17 制御パネル
2 移動機構
21 駆動部材
22 第2の伝動部材
3 モジュール基盤
31 モジュール基盤筐体
311 第1の収容キャビティ
32 第1の伝動部材
33 第2のスライド部材
4 モジュール
41 モジュール筐体
411 第2の収容キャビティ
42 ガイドアセンブリ
421 ガイド棒
43 リニアベアリング
5 注液アセンブリ
51 注液シリンダ
52 注液ヘッド接続座
53 注液ヘッド
54 吸盤シリンダ
55 真空吸盤
6 静置アセンブリ
7 パッケージングアセンブリ
71 パッケージングシリンダ
72 加熱部品
73 ヘッド
8 真空引きアセンブリ
9 昇降機構

図1
図2
図3
図4
図5