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特開2024-162704大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162704
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0585 20100101AFI20241114BHJP
【FI】
H01M10/0585
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078514
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】523174745
【氏名又は名称】株式会社アンパワー
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朝日 正雄
【テーマコード(参考)】
5H029
【Fターム(参考)】
5H029AJ14
5H029BJ12
5H029CJ30
5H029HJ12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大容量の重合物リチウムイオン電池のセルを生産するための大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機を提供する。
【解決手段】正極板供給機構110と、正極板整形機構120と、第1正極板マニピュレータ410と、負極板供給機構と、負極板整形機構と、第1負極板マニピュレータと、積層装置200と、セパレーターフィード機構とを含む。正極板供給機構及び負極板供給機構には、極板収納ケース320が設けられ、極板収納ケースの側面には、極板収納ケース内に収納されている複数の極板同士を分離する極板分離機構310が設けられる開口が設けられる。極板収納ケースの開口に極板分離機構を設けることで、極板と極板との間を離間させて極板の重なりを防止することにより、第1正極板マニピュレータ及び第1負極板マニピュレータは極板をより容易に吸引することができ、大容量のリチウムイオン電池のセルを生産するニーズを満たしている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板供給機構と、正極板整形機構と、第1正極板マニピュレータと、負極板供給機構と、負極板整形機構と、第1負極板マニピュレータと、積層装置と、セパレーターフィード機構とを含み、
前記第1正極板マニピュレータは、前記正極板供給機構上の正極板を前記正極板整形機構に移動するために用いられ、前記第1負極板マニピュレータは、前記負極板供給機構上の負極板を前記負極板整形機構に移動するために用いられ、
前記正極板供給機構及び前記負極板供給機構には、それぞれ、正極板又は負極板を収納するための極板収納ケースが設けられ、前記極板収納ケースの側面には、前記極板収納ケース内に収納されている複数の正極板同士又は負極板同士を分離するための極板分離機構が設けられる開口が設けられ、
前記積層装置は、スライドレール機構と、前記スライドレール機構に接続される積層ステージとを含み、前記スライドレール機構は、前記正極板整形機構と前記負極板整形機構との間に設けられ、前記積層ステージを前記正極板整形機構と前記負極板整形機構との間で往復移動させ、
前記セパレーターフィード機構は、前記正極板整形機構と前記負極板整形機構との間に設けられる、大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【請求項2】
第2正極板マニピュレータと第2負極板マニピュレータとをさらに含み、前記第2正極板マニピュレータは、前記正極板整形機構上の正極板を前記積層ステージに移動するために用いられ、前記第2負極板マニピュレータは、前記負極板整形機構上の負極板を前記積層ステージに移動するために用いられる、請求項1に記載の大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【請求項3】
前記セパレーターフィード機構は、コラムと、エアシャフトと、フィードモータと、フィードローラと、テンション機構とを含み、
前記エアシャフトは前記コラムと回動可能に接続され、前記フィードモータは前記エアシャフトと伝動可能に接続され、前記フィードローラは前記エアシャフトの下方に設けられ、前記テンション機構は前記フィードローラの下方に設けられ、前記積層ステージは前記テンション機構の下方に設けられる、請求項1に記載の大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【請求項4】
前記セパレーターフィード機構は、ズレ修正機構をさらに含み、前記ズレ修正機構は、ズレ修正センサと、ズレ修正スクリューと、ズレ修正モータとを含み、前記ズレ修正センサは前記ズレ修正モータと電気的に接続され、前記ズレ修正スクリューの両端は前記ズレ修正モータ及び前記フィードローラのそれぞれと接続され、前記フィードローラが前記ズレ修正スクリューの軸線に沿って移動するように駆動される、請求項3に記載の大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【請求項5】
前記極板収納ケースには、極板用ブラシが固定的に接続される、請求項1に記載の大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【請求項6】
前記積層ステージ上のセルを取り出すためのセルハンドクランプを有するセル取出機構をさらに含む、請求項1に記載の大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【請求項7】
前記セルハンドクランプは、前記正極板整形機構の、前記負極板整形機構から離れた側に設けられる、請求項6に記載の大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【請求項8】
前記第1正極板マニピュレータは、第1駆動機構と、第1吸盤機構とを含み、前記第1吸盤機構は、前記正極板供給機構の上方に設けられ、前記第1駆動機構は、第1シリンダと、第1モータと、第1スライドレールとを含み、前記第1シリンダはその一端が前記第1スライドレールとスライド可能に接続され、その他端が前記第1吸盤機構と固定的に接続され、前記第1シリンダは前記第1吸盤機構を上下移動させるように駆動し、前記第1モータは前記第1シリンダを前記第1スライドレールに沿って移動させるように駆動し、
前記第1負極板マニピュレータは、第2駆動機構と、第2吸盤機構とを含み、前記第2吸盤機構は、前記負極板供給機構の上方に設けられ、前記第2駆動機構は、第2シリンダと、第2モータと、第2スライドレールとを含み、前記第2シリンダはその一端が前記第2スライドレールとスライド可能に接続され、その他端が前記第2吸盤機構と固定的に接続され、前記第2シリンダは前記第2吸盤機構を上下移動させるように駆動し、前記第2モータは前記第2シリンダを前記第2スライドレールに沿って移動させるように駆動する、請求項1に記載の大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【請求項9】
前記積層装置は、さらに、前記積層ステージと移動可能に接続され、かつ、正極板又は負極板を固定するための押圧爪を複数含む、請求項1に記載の大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【請求項10】
前記押圧爪は、正極板を固定するための正極板押圧爪と、負極板を固定するための負極板押圧爪とを含み、前記正極板押圧爪及び前記負極板押圧爪は、それぞれ、前記積層ステージの両端に設けられる、請求項9に記載の大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池製造装置の技術分野に関し、具体的には、大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機に関する。
【背景技術】
【0002】
環境汚染の深刻化に伴い、近年、省エネ及び環境保護のため、新エネルギー車、特に電気自動車はますます発展している。電気自動車の主な動力源の一つであるリチウムイオン電池に対するニーズも年々増加している。
【0003】
リチウムイオン電池は、主にリチウムイオンが正極板と負極板との間を移動することで作動する。リチウムイオン電池のセルを製造する従来の積層装置は、主にスマートフォンなどの小型の電気機器に使用される小容量のリチウムイオン電池のセルを生産している。しかし、小容量のリチウムイオン電池は、電気自動車の電力のニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、大容量の重合物リチウムイオン電池のセルを生産するための大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は、以下のように実現される。
【0006】
大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機は、正極板供給機構と、正極板整形機構と、第1正極板マニピュレータと、負極板供給機構と、負極板整形機構と、第1負極板マニピュレータと、積層装置と、セパレーターフィード機構とを含み、前記第1正極板マニピュレータは、前記正極板供給機構上の正極板を前記正極板整形機構に移動するために用いられ、前記第1負極板マニピュレータは、前記負極板供給機構上の負極板を前記負極板整形機構に移動するために用いられ、前記正極板供給機構及び前記負極板供給機構には、それぞれ、正極板又は負極板を収納するための極板収納ケースが設けられ、前記極板収納ケースの側面には、前記極板収納ケース内に収納されている複数の正極板同士又は負極板同士を分離するための極板分離機構が設けられる開口が設けられ、前記積層装置は、スライドレール機構と、前記スライドレール機構に接続される積層ステージとを含み、前記スライドレール機構は、前記正極板整形機構と前記負極板整形機構との間に設けられ、前記積層ステージを前記正極板整形機構と前記負極板整形機構との間で往復移動させ、前記セパレーターフィード機構は、前記正極板整形機構と前記負極板整形機構との間に設けられる。
【0007】
前記大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機は、第2正極板マニピュレータと第2負極板マニピュレータとをさらに含み、前記第2正極板マニピュレータは、前記正極板整形機構上の正極板を前記積層ステージに移動するために用いられ、前記第2負極板マニピュレータは、前記負極板整形機構上の負極板を前記積層ステージに移動するために用いられる。
【0008】
前記セパレーターフィード機構は、コラムと、エアシャフトと、フィードモータと、フィードローラと、テンション機構とを含み、前記エアシャフトは前記コラムと回動可能に接続され、前記フィードモータは前記エアシャフトと伝動可能に接続され、前記フィードローラは前記エアシャフトの下方に設けられ、前記テンション機構は前記フィードローラの下方に設けられ、前記積層ステージは前記テンション機構の下方に設けられる。
【0009】
前記セパレーターフィード機構は、ズレ修正機構をさらに含み、前記ズレ修正機構は、ズレ修正センサと、ズレ修正スクリューと、ズレ修正モータとを含み、前記ズレ修正センサは前記ズレ修正モータと電気的に接続され、前記ズレ修正スクリューの両端は前記ズレ修正モータ及び前記フィードローラのそれぞれと接続され、前記フィードローラが前記ズレ修正スクリューの軸線に沿って移動するように駆動される。
【0010】
前記極板収納ケースには、極板用ブラシが固定的に接続される。
【0011】
前記大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機は、前記積層ステージ上のセルを取り出すためのセルハンドクランプを有するセル取出機構をさらに含む。
【0012】
上記セルハンドクランプは、前記正極板整形機構の、前記負極板整形機構から離れた側に設けられる。
【0013】
前記第1正極板マニピュレータは、第1駆動機構と、第1吸盤機構とを含み、前記第1吸盤機構は、前記正極板供給機構の上方に設けられ、前記第1駆動機構は、第1シリンダと、第1モータと、第1スライドレールとを含み、前記第1シリンダはその一端が前記第1スライドレールとスライド可能に接続され、その他端が前記第1吸盤機構と固定的に接続され、前記第1シリンダは前記第1吸盤機構を上下移動させるように駆動し、前記第1モータは前記第1シリンダを前記第1スライドレールに沿って移動させるように駆動し、前記第1負極板マニピュレータは、第2駆動機構と、第2吸盤機構とを含み、前記第2吸盤機構は、前記負極板供給機構の上方に設けられ、前記第2駆動機構は、第2シリンダと、第2モータと、第2スライドレールとを含み、前記第2シリンダはその一端が前記第2スライドレールとスライド可能に接続され、その他端が前記第2吸盤機構と固定的に接続され、前記第2シリンダは前記第2吸盤機構を上下移動させるように駆動し、前記第2モータは前記第2シリンダを前記第2スライドレールに沿って移動させるように駆動する。
【0014】
前記積層装置は、さらに、前記積層ステージと移動可能に接続され、かつ、正極板又は負極板を固定するための押圧爪を複数含む。
【0015】
前記押圧爪は、正極板を固定するための正極板押圧爪と、負極板を固定するための負極板押圧爪とを含み、前記正極板押圧爪及び前記負極板押圧爪は、それぞれ、前記積層ステージの両端に設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例の有益な効果は、以下のとおりである。
【0017】
本発明による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機は、正極板供給機構と、正極板整形機構と、第1正極板マニピュレータと、負極板供給機構と、負極板整形機構と、第1負極板マニピュレータと、積層装置と、セパレーターフィード機構とを含む。正極板供給機構及び負極板供給機構には、それぞれ、極板収納ケースが設けられ、極板収納ケースの側面には、極板分離機構が設けられる開口が設けられる。本発明による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機は、大容量のリチウムイオン電池のセルを生産するために用いられる。大容量のリチウムイオン電池のセルは、極板の面積が大きいため、極板と極板との間の吸着力も大きくなる。極板収納ケースの開口に極板分離機構を設けることで、極板と極板との間を離間させて極板の重なりを防止することにより、第1正極板マニピュレータ及び第1負極板マニピュレータは極板をより容易に吸引することができ、大容量のリチウムイオン電池のセルを生産するニーズを満たすとともに、自動的に積層することを実現でき、作動の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例に使用される必要な図面を簡単に説明する。以下の図面は、本発明のいくつかの実施例を例示するにすぎないため、本発明の範囲に対する限定と見なされるべきではなく、当業者にとって、創造的な労力を払わずにこれらの図面に基づいて他の関連図面を得ることもできると理解すべきである。
図1】本発明の実施例1による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機の全体的な配置の模式図である。
図2】本発明の実施例1による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機の第1視野角における全体構造の模式図である。
図3】本発明の実施例1による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機における極板収納ケースの構造の模式図である。
図4】本発明の実施例1による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機の第2視野角における全体構造の模式図である。
図5】本発明の実施例1による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機におけるズレ修正機構の構造の模式図である。
図6】本発明の実施例1による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機における積層ステージの構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明瞭、且つ、包括的に説明する。当然、記述された実施例は、本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。ここで図面において説明して示される本発明の実施例の構成要素は、様々な異なる配置でレイアウトして設計されてもよい。
【0020】
そのため、以下の図面において提供される本発明の実施例の詳細な説明は、保護しようとする本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の好ましい実施例を表すものに過ぎない。当業者が本発明における実施例に基づいて創造的な労力を払わずに得られたすべての他の実施例もすべて本発明の保護範囲に属する。
【0021】
類似の符号及びアルファベットは、以下の図面において類似の構成要素を示すため、ある構成要素が一つの図面において定義されると、その後の図面においてそれについてさらなる定義及び解釈が必要としないと注意すべきである。
【0022】
本発明の実施例の記述において、「第1」、「第2」などの用語は、単に表現を区別するために使用され、相対的な重要性を明示する、又は、暗示するとは理解されないと理解すべきである。
【0023】
<実施例1>
図1は、本実施例による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010の全体的な配置の模式図であり、図2は、本実施例による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010の第1視野角における全体構造の模式図である。図1及び図2を参照すると、本実施例は、正極板供給機構110と、正極板整形機構120と、第1正極板マニピュレータ410(図4参照)と、負極板供給機構130と、負極板整形機構140と、第1負極板マニピュレータ(図示なし)と、積層装置200(図4参照)と、セパレーターフィード機構500とを含む大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010を提供する。正極板供給機構110と負極板供給機構130とには、それぞれ、極板収納ケース320(図4参照)が設けられ、極板収納ケース320の側面には開口324(図3参照)が設けられ、開口324には極板収納ケース320内に収納されている複数の極板同士を分離するための極板分離機構310(図4参照)が設けられている。第1正極板マニピュレータ410は、正極板供給機構110上に載置される正極板を正極板整形機構120に移動するために用いられ、第1負極板マニピュレータは、負極板供給機構130上に載置される負極板を負極板整形機構140に移動するために用いられる。積層装置200は、積層ステージ210と、積層ステージ210を正極板整形機構120と負極板整形機構140との間で往復移動させるスライドレール機構220とを含む。セパレーターフィード機構500は、正極板整形機構120と負極板整形機構140との間に設けられ、積層ステージ210へセパレーター515(図4参照)を提供するために用いられる。
【0024】
以下は、本実施例による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010をさらに説明する。
【0025】
具体的には、本実施例では、極板分離機構310は、送風ファンである。
【0026】
引き続いて図1及び図2を参照すると、本実施例では、大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010は、フレーム100をさらに含む。正極板供給機構110と、正極板整形機構120と、第1正極板マニピュレータ410と、負極板供給機構130と、負極板整形機構140と、第1負極板マニピュレータと、積層装置200と、セパレーターフィード機構500とは、いずれもフレーム100に固定的に接続される。
【0027】
図3は、本実施例による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010の極板収納ケースの構造の模式図である。図3を参照すると、本実施例では、正極板供給機構110と負極板供給機構130とには、それぞれ極板収納ケース320(図4参照)が設けられている。極板収納ケース320は、正極板供給機構110と負極板供給機構130とのいずれに対しても着脱可能に接続される。使用時に、極板を極板収納ケース320内に事前に収納してもよく、正極板供給機構110、負極板供給機構130に載置される極板がなくなった後、大量の極板を収納している極板収納ケース320を正極板供給機構110、負極板供給機構130に取付けることで、時間を短縮し、作動効率を向上させることができる。極板収納ケース320は、底板321と、底板321の幅方向の一端に設けられた第1分岐板322と、底板321の長手方向の両端に対向して設けられた第2分岐板323とを含む。極板収納ケース320の開口324は、第1分岐板322と対向する側にある。さらに、本実施例では、極板収納ケース320の第1分岐板322には、さらに極板用ブラシ325が設けられている。第1正極板マニピュレータ410が正極板を上へ移動して又は第1負極板マニピュレータが負極板を上へ移動して極板収納ケース320から離間させる時に、極板用ブラシ325は、極板の辺縁部を軽くブラッシングし、極板が重なることを一層防止することができる。
【0028】
図4は、本実施例による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010の第2視野角における全体構造の模式図である。図4を参照すると、本実施例では、大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010は、第2正極板マニピュレータ430と、第2負極板マニピュレータ420(図2参照)とをさらに含む。第2正極板マニピュレータ430は、正極板整形機構120上の正極板を積層ステージ210に移動させるために用いられ、第2負極板マニピュレータ420は、負極板整形機構140上の負極板を積層ステージ210に移動させるために用いられる。第1正極板マニピュレータ410と第2正極板マニピュレータ430との協働、及び、第1負極板マニピュレータと第2負極板マニピュレータ420との協働により、大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010の作動効率の向上に寄与する。
【0029】
なお、本実施例では、第1正極板マニピュレータ410及び第2正極板マニピュレータ430の両方が設けられたが、他の具体的な実施例では、ユーザのニーズに応じて、第1正極板マニピュレータ410のみが設けられてもよく、第1正極板マニピュレータ410は、正極板を正極板供給機構110から正極板整形機構120に移動し、そして、正極板整形機構120により正極板が整形された後に正極板を正極板整形機構120から積層ステージ210に移動することができると理解できる。同様に、他の具体的な実施例では、第1負極板マニピュレータのみを設けて負極板を移動してもよい。
【0030】
本実施例では、第1正極板マニピュレータ410は、第1駆動機構と、第1吸盤機構413とを含む。第1駆動機構は、第1シリンダ411と、第1モータと、第1スライドレール412とを含む。第1スライドレール412は、正極板の移動方向に沿って正極板供給機構110及び正極板整形機構120の上方に設けられるとともに、積層ステージ210まで延びる。第1シリンダ411は、第1スライドレール412にスライド可能に接続されるとともに、第1モータと接続して駆動され、第1モータにより駆動されて第1スライドレール412に沿って正極板供給機構110の上方及び正極板整形機構120の上方で往復移動する。第1吸盤機構413は、第1シリンダ411に固定的に接続され、第1シリンダ411は、第1吸盤機構413を上下移動させるために用いられる。作動時に、第1吸盤機構413は、下へ移動して正極板供給機構110に載置される正極板を吸着した後、上へ移動して正極板を正極板供給機構110から離間し、第1モータにより駆動されて第1スライドレール412に沿って移動し、正極板を正極板整形機構120に載置する。第2正極板マニピュレータ430の構造は、第1正極板マニピュレータ410の構造と同じであり、モータにより駆動されてスライドレールに沿って正極板整形機構120の上方と積層ステージ210の上方で往復移動し、整形された正極板を積層ステージ210に移動する。
【0031】
本実施例では、第1負極板マニピュレータは、第2駆動機構と、第2吸盤機構とを含む。第2駆動機構は、第2シリンダと、第2モータと、第2スライドレールとを含む。第2スライドレールは、負極板の移動方向に沿って負極板供給機構130及び負極板整形機構140の上方に設けられるとともに、積層ステージ210まで延びる。第2シリンダは、第2スライドレールにスライド可能に接続されるとともに、第2モータと接続して駆動され、第2モータにより駆動されて第2スライドレールに沿って負極板供給機構130の上方と負極板整形機構140の上方で往復移動する。第2吸盤機構は、第2シリンダに固定的に接続され、第2シリンダは、第2吸盤機構を上下移動させるために用いられる。作動時、第2吸盤機構は、下へ移動して負極板供給機構130に載置される負極板を吸着した後、上へ移動して負極板を負極板供給機構130から離間し、第2モータにより駆動されてスライドレールに沿って移動し、負極板を負極板整形機構140に載置する。第2負極板マニピュレータ420の構造は、第1負極板マニピュレータの構造と同じであり、モータにより駆動されてスライドレールに沿って負極板整形機構140の上方と積層ステージ210の上方で往復移動し、整形された負極板を積層ステージ210に移動する。
【0032】
図2を参照すると、本実施例では、セパレーターフィード機構500は、コラム511と、エアシャフト512と、フィードローラ513と、テンション機構514とを含む。コラム511は、フレーム100に設けられ、正極板整形機構120と負極板整形機構140との間に位置する。エアシャフト512は、コラム511に貫通して設けられるとともに、コラム511と回動可能に接続される。上から下への方向に沿って、エアシャフト512、フィードローラ513、テンション機構514と積層ステージ210の順に設けられる。使用時、セパレーター515は、エアシャフト512、フィードローラ513及びテンション機構514にこの順に巻き付けられ、最終的に積層ステージ210まで延びる。テンション機構514を設置することにより、セパレーター515を一定の張力で巻き出すことができる。
【0033】
図5は、本実施例による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010におけるズレ修正機構520の構造の模式図である。図5を参照すると、セパレーターフィード機構500は、ズレ修正機構520をさらに含む。ズレ修正機構520は、ズレ修正センサ523と、ズレ修正スクリュー522と、ズレ修正モータ521とを含む。ズレ修正センサ523は、ズレ修正モータ521と電気的に接続される。ズレ修正スクリュー522の両端は、ズレ修正モータ521とフィードローラ513とそれぞれ接続され、フィードローラ513が駆動されてズレ修正スクリュー522の軸線に沿って移動する。ズレ修正スクリュー522の軸線は、セパレーター515の幅方向に沿って設けられる。ズレ修正センサ523は、積層ステージ210に設けられ、セパレーター515の位置を検出するために用いられ、ズレ修正センサ523がセパレーター515の位置が予め設定された位置からずれたことを検出すると、ズレ修正信号をズレ修正モータ521に送信し、ズレ修正モータ521が回動してズレ修正スクリュー522を回動し、フィードローラ513を予め設定された位置に徐々近づく方向に移動させ、これにより、ズレ修正機能を実現し、作動中に、セパレーター515の積層ステージ210上の位置を一定にし、セパレーター515の位置合わせをより良くすることを確保する。具体的には、ズレ修正センサ523は、光電センサである。
【0034】
図4を参照すると、本実施例では、積層装置200は、積層ステージ210と、スライドレール機構220(図2参照)とを含む。スライドレール機構220は、取付け板221と、第1サーボモータ222と、第2サーボモータ223と、水平ガイドレール224と、鉛直ガイドレール225と、第1スクリューと、第2スクリュー226とを含む。水平ガイドレール224は、フレーム100に固定的に接続され、取付け板221は、水平ガイドレール224とスライド可能に接続される。第1スクリューは、第1サーボモータ222と伝動可能に接続され、取付け板221は、第1サーボモータ222の駆動により、水平ガイドレール224に沿って正極板整形機構120と負極板整形機構140との間で往復移動する。鉛直ガイドレール225は、取付け板221に取付けられ、積層ステージ210は、鉛直ガイドレール225とスライド可能に接続され、第2スクリュー226は、第2サーボモータと伝動可能に接続される。積層の高さの増加に伴い、積層ステージ210は、第2サーボモータ223の駆動により、鉛直ガイドレール225に沿って下へ移動し、積層の高さが第2正極板マニピュレータ430と第2負極板マニピュレータ420の作動の高さに対応することを確保する。
【0035】
図6は、本実施例による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010における積層ステージ210の構造の模式図である。図6を参照すると、本実施例では、積層装置200(図4参照)は、積層ステージ210に設けられる複数の押圧爪をさらに含み、複数の押圧爪は、対となって積層ステージ210に設けられ、極板を固定するために用いられる。さらに、押圧爪は、正極板押圧爪211と、負極板押圧爪212とを含む。第2正極板マニピュレータ430が正極板を積層ステージ210に移動すると、正極板押圧爪211は下へ移動して正極板を積層ステージ210に押し付け、第2負極板マニピュレータ420が負極板を積層ステージ210に移動すると、負極板押圧爪212は下へ移動して負極板を積層ステージ210に押し付けるとともに、正極板押圧爪211は上へ移動して正極板から離間する。正極板押圧爪211と負極板押圧爪212とをそれぞれ設けて正・負極板を固定することにより、正・負極板を混同する問題を効果的に回避することができる。
【0036】
図2を参照すると、本実施例では、大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010は、セル取出機構600をさらに含む。セル取出機構600は、セルハンドクランプ610を含む。積層が完了した後、セルハンドクランプ610は、積層ステージ210まで伸びて、セルを取り出す。さらに、セルハンドクランプ610は、正極板整形機構120の、負極板整形機構140から離れる側に設けられ、セパレーター515を余計に重ねることを回避し、セパレーター515の無駄を減少し、セルをより平坦にすることができる。
【0037】
図4を参照すると、本実施例では、大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010は、2つの位置決め板330をさらに含み、2つの位置決め板330が正極板整形機構120と負極板整形機構140とにそれぞれ設けられることにより、極板の正確な位置決めを実現し、正・負極板が積層ステージ210に移動されると、位置を一定にして、セルがより整う。具体的には、位置決め板330は、極板の大きさに応じて該当する規格部品を作成し、異なる寸法の極板のニーズを満たすことができる。
【0038】
本発明の実施例による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機010は、使用時に、極板収納ケース320が正極板供給機構110、負極板供給機構130に取付けられ、第1負極板マニピュレータが負極板供給機構130上の負極板を吸着し、負極板を負極板整形機構140に移動して整形するとともに、積層ステージ210が負極板整形機構140へ移動し、それに伴い、セパレーター515が積層ステージ210に敷設され、第2負極板マニピュレータ420が負極板整形機構140上の負極板を吸着して積層ステージ210に載置し、負極板押圧爪212が負極板を固定する。第1正極板マニピュレータ410が正極板供給機構110上の正極板を吸着して正極板整形機構120に移動して整形するとともに、積層ステージ210が正極板整形機構120へ移動し、セパレーター515がフィードされて負極板を覆い、第2正極板マニピュレータ430が正極板整形機構120上の正極板を吸着して積層ステージ210に載置し、正極板押圧爪211が正極板を固定するとともに、負極板押圧爪212が上へ移動して負極板から離れる。積層が完了し、セルハンドクランプ610がセルを取り出すまで、以上のように繰り返す。
【0039】
以上をまとめると、本発明の実施例による大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機は、極板分離機構を設けることで、隣接する極板を離間させて極板の重なりを防止することにより、マニピュレータが極板を吸着する難易度を低減するとともに、極板収納ケース内に極板用ブラシを設け、極板の吸着時の極板の重なりを一層効果的に防止し、大容量のリチウムイオン電池のセルを製造するニーズに適応することがでる。正極板マニピュレータと負極板マニピュレータとをそれぞれ設けることにより、使用時に必要に応じてマニピュレータを調節することができ、また、ズレ修正機構を設けることにより、セパレーターの位置を一定に確保し、位置合わせを良くすることを確保する。
【0040】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するものではなく、当業者にとって、本発明は、様々な変更及び変化が可能である。本発明の精神及び原則内で行われた任意の修正、同等の置換、改良などはいずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0041】
010 大容量重合物リチウムイオン電池セル積層機
100 フレーム
110 正極板供給機構
120 正極板整形機構
130 負極板供給機構
140 負極板整形機構
200 積層装置
210 積層ステージ
211 正極板押圧爪
212 負極板押圧爪
220 スライドレール機構
221 取付け板
222 第1サーボモータ
223 第2サーボモータ
224 水平ガイドレール
225 鉛直ガイドレール
226 第2スクリュー
310 極板分離機構
320 極板収納ケース
321 底板
322 第1分岐板
323 第2分岐板
324 開口
325 極板用ブラシ
330 位置決め板
410 第1正極板マニピュレータ
411 第1シリンダ
412 第1スライドレール
413 第1吸盤機構
420 第2負極板マニピュレータ
430 第2正極板マニピュレータ
500 セパレーターフィード機構
511 コラム
512 エアシャフト
513 フィードローラ
514 テンション機構
515 セパレーター
520 ズレ修正機構
521 ズレ修正モータ
522 ズレ修正スクリュー
523 ズレ修正センサ
600 セル取出機構
610 セルハンドクランプ

図1
図2
図3
図4
図5
図6