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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162711
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】部材供給装置
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/00 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
B23P19/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078533
(22)【出願日】2023-05-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 工場見学の実施日:令和4(2022)年10月7日、同月13日、同月26日、11月7日、同月9日、同月29日、令和5(2023)年2月13日、同月27日、3月3日、同月9日、同月15日、同月24日、4月17日、同月21日、5月9日 工場の場所:シヤチハタエンジニアリング株式会社 山形工場 (山形県山形市くぬぎざわ西2番1)
(71)【出願人】
【識別番号】390017891
【氏名又は名称】シヤチハタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】230117259
【弁護士】
【氏名又は名称】綿貫 敬典
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】高山 凌駕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 愛輔
(72)【発明者】
【氏名】矢口 隼人
(72)【発明者】
【氏名】半澤 貴久
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 宣幸
(72)【発明者】
【氏名】安孫子 茂宣
(72)【発明者】
【氏名】東海林 達也
(72)【発明者】
【氏名】大沼 瑞基
(72)【発明者】
【氏名】荻野 和彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友一
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030AA03
(57)【要約】
【課題】振動だけでは解消しにくい部材同士の重なりを容易に解消できる部材供給装置を提供すること。
【解決手段】複数の部材91を収容し、収容した部材91を供給する部材供給手段30と、部材供給手段30から供給された部材91を載置する載置面211を備えた部材載置手段21と、部材載置手段21を振動させる振動発生手段とを備えた部材供給装置10であって、載置面211と対向する位置に配置され、載置面211上の部材91の重なりを解消するスクレーパー50を備えた部材供給装置10とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部材を収容し、収容した前記部材を供給する部材供給手段と、
前記部材供給手段から供給された部材を載置する載置面を備えた部材載置手段と、
前記部材載置手段を振動させる振動発生手段とを備えた部材供給装置であって、
前記載置面と対向する位置に配置され、前記載置面上の前記部材の重なりを解消するスクレーパーを備えた部材供給装置。
【請求項2】
前記スクレーパーが可撓性部材からなる請求項1に記載の部材供給装置。
【請求項3】
前記載置面に載置された前記部材を撮影可能な撮影手段と、
前記撮影手段の撮像結果に基づいて前記部材を把持して前記載置面以外の場所に供給可能な部材把持手段とを備えた請求項1または2に記載の部材供給装置。
【請求項4】
前記部材供給手段が、前記載置面に前記部材を複数回に分けて投入することが可能な分割投入手段を備えている請求項1または2に記載の部材供給装置。
【請求項5】
前記部材が繊維加工体を含むペン芯である請求項1または2に記載の部材供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部材が収容されたホッパーから載置面上に部材を供給する部材供給装置が知られている。このような部材供給装置では、載置面上の部材の重なりを解消するために載置面を振動させる機構が設けられることがある。特許文献1には、周囲を壁部で囲まれたトレーにボルト等の軸状部品が供給される部品供給装置において、前記トレーを十分な距離で往復移動させ、トレー上の軸状部品を前記壁部に衝突させることにより軸状部品の重なりを解消することが記載されている。
【0003】
このように、重なった部材に振動を与えてばらす従来技術では、部材表面の摩擦力が小さい場合はスムーズに重なりを解消できるが、部材の素材や表面形状によってはバラシが不完全となることがあった。例えば、フェルト製のペン芯などは表面の摩擦力が高いため、振動だけでは部材同士の重なりを解消することが容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-235398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記した従来の問題点を解決し、振動だけでは解消しにくい部材同士の重なりを容易に解消できる部材供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、複数の部材を収容し、収容した前記部材を供給する部材供給手段と、前記部材供給手段から供給された部材を載置する載置面を備えた部材載置手段と、前記部材載置手段を振動させる振動発生手段とを備えた部材供給装置であって、前記載置面と対向する位置に配置され、前記載置面上の前記部材の重なりを解消するスクレーパーを備えた部材供給装置とする。
【0007】
また、前記スクレーパーが可撓性部材からなる構成とすることが好ましい。
【0008】
また、前記載置面に載置された前記部材を撮影可能な撮影手段と、前記撮影手段の撮像結果に基づいて前記部材を把持して前記載置面以外の場所に供給可能な部材把持手段とを備えた構成とすることが好ましい。
【0009】
また、前記部材供給手段が、前記載置面に前記部材を複数回に分けて投入することが可能な分割投入手段を備えた構成とすることが好ましい。
【0010】
また、前記部材が繊維加工体を含むペン芯であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、振動だけでは解消しにくい部材同士の重なりを容易に解消できる部材供給装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の部材供給装置の平面図である。なお、2つのテーブルが部材供給位置にある状態を表している。
図2図1のA-A断面図である。
図3】実施形態の部材供給装置の平面図である。なお、右側のテーブルが撮像・ピッキング位置にある状態を表している。
図4】実施形態のスクレーパーを表す斜視図である。
図5図2の部分拡大図である。
図6図3のB-B断面図の部分拡大図である。
図7】実施形態のピッキング装置を表す模式図である。
図8】実施形態の部材供給装置における部材供給の流れを表す模式図である。
図9】実施形態のペン芯が用いられている筆記具の中央縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(部材)
以下に本発明の実施形態を説明するが、まず、実施形態の部材供給装置10にて供給される部材について説明する。実施形態の部材供給装置10にて供給される部材は、図9に示す筆記具90に用いられるフェルト製のペン芯91である。ペン芯91の材質はフェルトに限定されず、他の繊維加工体を含むものであってもよい。実施形態の部材供給装置10は、筆記具90の組立ラインの一部を構成するものである。
【0014】
(部材供給装置)
実施形態の部材供給装置10の構造について説明する。本明細書においては、図1などに示したとおり、部材供給装置10の設置面側すなわち鉛直下側を部材供給装置10の下側とし、その反対側を上側とする。また、部材供給装置10のピッキングエリア側を前側とし、その反対側を後側とする。さらに、上下方向及び前後方向に対して直角となる方向を、部材供給装置10の左右方向とする。
【0015】
図1及び図2に示されるように、実施形態の部材供給装置10は、ベース11と、ベース11の上に固定されたレール台12と、レール台12の上に固定されたガイドレール13とを備えている。本実施形態では、部材供給装置10の前後方向にわたって延びる一対のガイドレール13が、左右に隣り合うように2組設けられている。
【0016】
これらのガイドレール13には、1組のガイドレール13に対して1つの可動部20が前後方向にスライド可能に取り付けられている。実施形態の可動部20は、ペン芯91が載置されるテーブル21と、テーブル21の底部に設けられたスライド部材22とを備えている。これらのスライド部材22がガイドレール13にスライド可能に組み付けられ、所定の位置に停止できるように制御されている。テーブル21の構成については後段で詳述する。
【0017】
実施形態のベース11には、4本の脚部14が立設されている。脚部14の上部に固定され平面視略コ字状に組まれた3本のフレームが、フレーム構造体15を形成している。さらに、実施形態のフレーム構造体15は、そのコ字状の内側空間において左右方向に架け渡された複数の横フレームを備えている。実施形態のフレーム構造体15には、図1に示されるように、前側の第1横フレーム151と、第1横フレーム151の後ろ側に間隔を空けて取り付けられた第2横フレーム152と、第2横フレーム152の後ろ側に間隔を空けて取り付けられた第3横フレーム153とが設けられている。
【0018】
第2横フレーム152と第3横フレーム153の上面には、2つのホッパー30が左右に並んで取り付けられている。ホッパー30は、複数のペン芯91を収容し、収容したペン芯91をテーブル21の上に供給する部材供給手段である。図1及び図2に示されるように、実施形態のホッパー30は、平面視で前後方向に長い形状を有し、ペン芯91がばら積みされる箱型の部材であって、第2横フレーム152と第3横フレーム153に架け渡されるように取り付けられている。
【0019】
なお、図1は、ホッパー30の構造を見やすくするために、部材供給装置10の右側のホッパー30にペン芯91が収容されている状態を示し、左側のホッパー30に収容されたペン芯91は図示を省略している。
【0020】
実施形態のホッパー30は、底面と、左右両側面と、背面とに囲まれた平面視略矩形の箱型形状を備え、前側が開口している。底面の前端である前端部31の下方には、前方に向かって斜め下向きに傾斜したスライダ32が設けられている。ホッパー30に収容されたペン芯91は、スライダ32の上を滑り降りてテーブル21の上に落下する。
【0021】
ホッパー30は、テーブル21上にペン芯91を複数回に分けて供給可能とする分割投入手段を備えていることが好ましい。実施形態のホッパー30の底面には、収容されたペン芯91を前方へ送る搬送コンベア33を備えている。実施形態の搬送コンベア33はピッチ送りコンベアであり、ペン芯91を複数回に分けて前端部31から送り出し、テーブル21に投入することができる。このように、分割投入手段を備えたホッパー30とすれば、ペン芯91をテーブル21に複数回に分けて少しずつ供給することができ、テーブル21上におけるペン芯91の初期の重なりを抑制することができる。
【0022】
なお、ホッパー30の構造は実施形態のものに限定されず、他の構成であってもよい。
【0023】
さらに、実施形態の部材供給装置10では、スライダ32の前方に、ペン芯91の投入位置をガイドする傾斜ガイド40が設けられている。図1及び図2に示されるように、実施形態の傾斜ガイド40は、第1横フレーム151に取り付けられた断面略コ字状の板状部材であり、スライダ32と対向するように配置され、後方に向かって斜め下向きに傾斜している。スライダ32を滑り下りてきたペン芯91は、傾斜ガイド40に当たってからテーブル21上に落下する。
【0024】
次に、テーブル21について説明する。前述したように、実施形態のテーブル21は、ガイドレール13に沿って前後方向にスライド可能であって、かつ、所定の位置に停止可能に制御されている。図1及び図2に示されるように、実施形態のテーブル21は、前後方向に長い平面視略矩形に形成され、その上面はペン芯91を載置する平滑面である載置面211となっている。載置面211の左右両側の端部には、載置面211から立ち上がる壁部212が設けられている。実施形態の壁部212は、外側に向かって高くなる傾斜面を備え、ペン芯91の落下を抑制している。
【0025】
実施形態のテーブル21は、透光性を有する照光テーブルであり、内部に照明手段214を備えている。実施形態の照明手段214はテーブル21の中心より前側の位置に配置された面状発光体である。実施形態の照明手段214は、撮像・ピッキング位置にあるテーブル21(図3の右側のテーブル21)の前側半分程度の領域全体を下側から照らすことができる。なお、後述するように、テーブル21の前側領域において、ピッキング装置の動作領域と重なる部分が、図3において点線で示したピッキングエリアA1となる。ピッキングエリアA1が下から照明されると、ピッキングエリアA1上に散在するペン芯91が相対的に暗くなり、撮像データ上の認識が容易となる。
【0026】
実施形態のテーブル21の前端にはシューター213が設けられていることが好ましい。実施形態のシューター213は、略中央に開口部を有し、この開口に向かって斜め下向きに傾斜する板部を備えている。シューター213は、後述するペン芯91の排出時にペン芯91の排出をガイドする部材である。
【0027】
また、部材供給装置10には、部材載置手段であるテーブル21に振動を発生させることが可能な振動発生手段が設けられている。前記振動発生手段がペン芯91を載せたテーブル21を振動させることにより、ペン芯91の重なりの少なくとも一部をバラすことができる。実施形態の振動発生手段は、テーブル21を水平方向に往復移動させる移動機構であるが、テーブル21に上下方向の振動を与える振動発生手段が設けられていても良い。
【0028】
また、本実施形態の部材供給装置10は、各テーブル21の載置面211と対向する位置に、載置面211上のペン芯91の重なりを解消する前側スクレーパー50を備えている。図4に示されるように、実施形態の前側スクレーパー50は可撓性部材からなり、ペン芯91と干渉して撓む際の応力によりペン芯91の重なりを解消するものである。前側スクレーパー50には、図4に示されるように、複数の切込みが設けられていてもよい。これにより、重なったペン芯91と干渉したときに柔軟に撓みやすくなる。
【0029】
実施形態の前側スクレーパー50は、金属製の取付部材51に固定されており、図2及び図5に示されるように、この取付部材51を介して第1横フレーム151に固定されている。前側スクレーパー50の下端と、載置面211との間にはペン芯91の直径よりわずかに大きい隙間が設けられている。これにより、図6に示されるように、ペン芯91が載置されたテーブル21がスライドして前側スクレーパー50の下を通る際に、重なったペン芯91に前側スクレーパー50が干渉して確実に重なりを解消することができる。テーブル21の挙動については後段で詳述する。
【0030】
さらに、部材供給装置10には、部材排出用のスクレーパーが設けられていることが好ましい。実施形態の部材供給装置10では、図2及び図5に示されるように、
載置面211上におけるペン芯投入位置の後方に部材排出用の後側スクレーパー60が設けられている。実施形態の後側スクレーパー60は、図4に示す前側スクレーパー50と同じ形状であり、第2横フレーム152に取り付けられている。部材供給装置10におけるペン芯91の排出動作については後段で詳述する。
【0031】
また、部材供給装置10は、載置面211に載置されたペン芯91を撮影する撮影手段と、この撮影手段の撮像結果に基づいてペン芯91を把持し、把持したペン芯91を載置面211以外の場所に移動させることができる部材把持手段とを備えることが好ましい。
【0032】
実施形態の部材供給装置10には、図7に示されるように、左右のテーブル21の前側の位置にピッキング装置70が配置されている。実施形態のピッキング装置70は、カメラ71と、ワークを保持可能なワーク保持部72と、ワーク保持部72を移動させるロボットアーム73とを備えている。ピッキング装置70の動作領域を可動域A3とすると、載置面211のうち可動域A3内に含まれる領域がピッキングエリアA1となる。
【0033】
ピッキング装置70は、カメラ71が撮影したピッキングエリアA1の撮像結果に基づき、ピッキングエリアA1に散在するペン芯91にワーク保持部72を接近させて把持する。ピッキング装置70は、把持したペン芯91を、可動域A3内にある移送エリアA2に移送する。実施形態のピッキング装置70は、移送エリアA2に移送したペン芯91の姿勢を一定の向きとなるように揃え、図示しないラインフィーダに供給してペン芯91を筆記具90の組立ラインに流す。
【0034】
(動作)
次に、実施形態の部材供給装置10の動作について、図8等を参照して説明する。なお、図8は模式図であり、傾斜ガイド40など一部の図示を省略している。
【0035】
(ペン芯投入開始)
実施形態においては、図3に示される左側のテーブル21の位置がペン芯供給位置となる。図8(1)(2)に示されるように、ペン芯供給位置にて停止しているテーブル21上に、ホッパー30からペン芯91が供給される。このとき、前述したように、ホッパー30から複数回に分けてペン芯91が投入されることが好ましい。
【0036】
(ペン芯バラシ)
所定の量のペン芯91が載置面211に供給されると、図8(3)に示されるように、前記振動発生手段である移動機構がテーブル21を往復移動させ、テーブル21が前後方向に揺すられる。テーブル21の振動に伴い、ペン芯91の重なりの少なくとも一部が解消される。なお、実施形態では、テーブル21の前進と後退を各1回ずつ行っているが、部材の種類によって前進と後退の数や移動距離を増減させることができる。
【0037】
また、このペン芯バラシ工程において、テーブル21の水平移動距離を、テーブル21の少なくとも一部が前側スクレーパー50の下を通過する程度に設定すると、重なったペン芯91の少なくとも一部と前側スクレーパー50とが干渉して重なりを解消することが可能である。
【0038】
ところで、後側スクレーパー60と載置面211との距離はペン芯91の直径より小さいため、載置面211上のペン芯91は後側スクレーパー60の下を通過して後方に移動することができない。これにより、テーブル21の振動に伴ってペン芯91がピッキングエリアを外れて後方に転がり出てしまうことを防ぎ、ペン芯91をピッキングエリア内に保持しておくことができる。
【0039】
(撮像・ピッキング)
次に、テーブル21は、図8(4)に示されるように所定の撮像・ピッキング位置まで前進して停止する。このとき、ピッキングエリアA1上に重なったペン芯91と前側スクレーパー50とが干渉し、ペン芯91同士の重なりが解消される。前述したように、実施形態の前側スクレーパー50は可撓性を有しており、当接したペン芯91に追従して撓み、摩擦力の大きいペン芯91を効率的にならすことができる。なお、少なくともピッキングエリアA1となる領域全体が前側スクレーパー50の下を通過する位置までテーブル21を前進させることが好ましい。
【0040】
テーブル21が撮像・ピッキング位置にて停止すると、照光手段214が発光して載置面211が照らされ、撮影とピッキングが行われる。このとき、載置面211上の全てのペン芯91がピッキングされなくてもよく、例えばピッキングエリアA1からはみ出すなどした一部のペン芯91が載置面211上に残される場合もある。
【0041】
(ペン芯排出)
所定の数量または所定の時間のピッキングが終了したら、図8(5)に示されるように、テーブル21が後退する。このとき、載置面211上に残ったペン芯91は、テーブル21の後退に伴い後側スクレーパー60に突き当たって掻き集められる。
【0042】
実施形態のレール台12には、後側スクレーパー60の前側の位置に、図示しないペン芯排出口が形成されている。図8(6)に示されるように、後退したテーブル21の前端またはその近傍の部分が後側スクレーパー60の下を通過すると、後側スクレーパー60に堰き止められたペン芯91が載置面211から落下し、ペン芯排出口から排出される。実施形態ではペン芯排出口の下にペン芯回収ボックス16が設けられており、落下したペン芯91を回収することができる。
【0043】
載置面211上のペン芯91が排出されたテーブル21は、再び図8(1)に示すペン芯供給位置に戻る。
【0044】
このように、本発明の部材供給装置10では、振動だけでは解消しにくい部材同士の重なりを確実に解消することが可能となる。また、実施形態の部材供給装置10では、部材載置手段であるテーブル21がペン芯供給位置と撮像・ピッキング位置との間を移動するのに伴って自動的に部材の重なりを解消することが可能であるため、装置自体の構成を簡素化することができる。
【0045】
また、実施形態の部材供給装置10は、2台のホッパー30と、2台のテーブル21とが1つのフレーム構造体15に組付けられてユニットを形成している。これにより、製品組立ラインにおいて部材供給装置10をユニットとして配置することが可能となり、部材の種類に応じたカスタマイズが容易となる。
【0046】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、テーブル21のペン芯供給位置は図1及び図3に図示した位置に限定されず、例えばテーブル21の前端または可動部20の前端が第1横フレーム151の前端とほぼ揃う位置であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 部材供給装置
12 レール台
13 ガイドレール
15 フレーム構造体
151 第1横フレーム
152 第2横フレーム
153 第3横フレーム
20 可動部
21 テーブル
211 載置面
212 壁部
213 シューター
214 照明手段
30 ホッパー
32 スライダ
33 搬送コンベア
40 傾斜ガイド
50 前側スクレーパー
60 後側スクレーパー
91 ペン芯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9