(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162732
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】検知装置
(51)【国際特許分類】
F04D 25/08 20060101AFI20241114BHJP
F04D 27/00 20060101ALI20241114BHJP
F24F 11/79 20180101ALI20241114BHJP
【FI】
F04D25/08 307H
F04D27/00 D
F24F11/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078582
(22)【出願日】2023-05-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年11月9日~令和4年11月11日に東京で開催された「THREEUP 2023 SUMMER COLLECTION」にて機種CF-T2380を公開 〔刊行物等〕 令和4年11月16日~令和4年11月17日に大阪で開催された「THREEUP 2023 SUMMER COLLECTION」にて機種CF-T2380を公開 〔刊行物等〕 令和4年11月24日~令和4年11月25日に福岡で開催された「THREEUP 2023 SUMMER COLLECTION」にて機種CF-T2380を公開 〔刊行物等〕 令和5年4月12日にスリーアップ株式会社のウェブサイト(https://www.three-up.biz/products-datafiles/2023-23SS/index.htmlおよびhttps://three-up.co.jp/products/detail/CF-T2380?history=category-circulator)で機種CF-T2380を公開
(71)【出願人】
【識別番号】508256396
【氏名又は名称】スリーアップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110788
【弁理士】
【氏名又は名称】椿 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100124589
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 竜郎
(72)【発明者】
【氏名】辻野 真介
【テーマコード(参考)】
3H021
3H130
3L260
【Fターム(参考)】
3H021AA01
3H021AA09
3H021BA20
3H021CA07
3H021DA09
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC25
3H130BA97H
3H130BA98H
3H130CA24
3H130DA02Z
3H130DD01Z
3H130DF03X
3H130DF06X
3H130DJ03Z
3H130EA03A
3H130EA03H
3L260AB20
3L260BA08
3L260CA02
3L260CA03
3L260FA08
3L260FB47
3L260FC05
(57)【要約】
【課題】大型化および製造コストの増加を抑止することのできる検知装置を提供する。
【解決手段】検知装置は、検知領域GN1内の人の有無を検知するセンサー71と、検知領域GN2内の人の有無を検知するセンサー72と、特定の場所に対して所定の動作を行う動作部とを備える。検知領域GN1は、検知領域GN2と重複しない領域である左区域R1と、検知領域GN2と重複する領域である中央区域R2とを含む。検知領域GN2は、検知領域GN1と重複する領域である中央区域R2と、検知領域GN1と重複しない領域である右区域R3とを含む。センサー71で人を検知しセンサー72で人を検知しない第1のケースと、センサー71で人を検知せずセンサー72で人を検知する第2のケースと、センサー71で人を検知しセンサー72で人を検知する第3のケースとで互いに異なる方法で、動作部は所定の動作を行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の検知領域内の人の有無を検知する第1の検知部と、
第2の検知領域内の人の有無を検知する第2の検知部と、
特定の場所に対して所定の動作を行う動作部とを備え、
前記第1の検知領域は、前記第2の検知領域と重複しない領域である第1の区域と、前記第2の検知領域と重複する領域である第2の区域とを含み、
前記第2の検知領域は、前記第1の検知領域と重複する領域である前記第2の区域と、前記第1の検知領域と重複しない領域である第3の区域とを含み、
前記第1の検知部で人を検知し前記第2の検知部で人を検知しない第1のケースと、前記第1の検知部で人を検知せず前記第2の検知部で人を検知する第2のケースと、前記第1の検知部で人を検知し前記第2の検知部で人を検知する第3のケースとで互いに異なる方法で、前記動作部は前記所定の動作を行う、検知装置。
【請求項2】
前記動作部は、前記第1のケースと前記第2のケースと前記第3のケースとで、前記所定の動作の強度および前記所定の動作を行う区域のうち少なくともいずれか一方が互いに異なる方法で前記所定の動作を行う、請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
前記検知装置の動作モードが第1の動作モードである場合において、前記第1のケースのときは、前記動作部は、前記第1の区域に対して前記所定の動作を行い、前記第2および第3の区域に対して前記所定の動作を行わず、
前記検知装置の動作モードが前記第1の動作モードである場合において、前記第2のケースのときは、前記動作部は、前記第3の区域に対して前記所定の動作を行い、前記第1および第2の区域に対して前記所定の動作を行わない、請求項1に記載の検知装置。
【請求項4】
前記検知装置の動作モードが第1の動作モードである場合において、前記第3のケースのときは、
前記動作部は、前記第1、第2、および第3の区域に対して前記所定の動作を行う、または
前記動作部は、前記第2の区域に対して前記所定の動作を行い、前記第1および第3の区域に対して前記所定の動作を行わない、請求項1に記載の検知装置。
【請求項5】
前記検知装置の動作モードが第1の動作モードである場合において、前記第1の検知部で人を検知せず前記第2の検知部で人を検知しない第4のケースのときは、
前記動作部は、前記第1、第2、および第3の区域に対して前記所定の動作を行う、
前記動作部は、前記所定の動作を停止する、または
前記動作部は、前記第1、第2、および第3のケースのうち前記第4のケースに変化する直前のケースのときの前記所定の動作を継続する、請求項1に記載の検知装置。
【請求項6】
第1の動作モードでの動作を前記検知装置が開始した直後に、前記第1の検知部で人を検知せず前記第2の検知部で人を検知しない第4のケースとなったときは、前記動作部は、前記第1、第2、および第3の区域に対して前記所定の動作を行い、
前記検知装置の動作モードが前記第1の動作モードである場合において、前記第1、第2、または第3のケースから前記第4のケースに変化したときは、前記動作部は、前記第1、第2、および第3のケースのうち前記第4のケースに変化する直前のケースのときの前記所定の動作を継続する、請求項1に記載の検知装置。
【請求項7】
前記検知装置の動作モードが第2の動作モードである場合において、前記第1のケースのときは、前記動作部は、前記第1の区域に対する前記所定の動作の強度を、前記第2および第3の区域に対する前記所定の動作の強度よりも弱くし、
前記検知装置の動作モードが前記第2の動作モードである場合において、前記第2のケースのときは、前記動作部は、前記第3の区域に対する前記所定の動作の強度を、前記第1および第2の区域に対する前記所定の動作の強度よりも弱くする、請求項1に記載の検知装置。
【請求項8】
前記検知装置の動作モードが第2の動作モードである場合において、前記第3のケースのときは、
前記動作部は、前記第1、第2、および第3の区域に対して、所定の強度で前記所定の動作を行う、または
前記動作部は、前記第2の区域に対する前記所定の動作の強度を、前記第1および第3の区域に対する前記所定の動作の強度よりも弱くする、請求項1に記載の検知装置。
【請求項9】
前記検知装置の動作モードが第2の動作モードである場合において、前記第1の検知部で人を検知せず前記第2の検知部で人を検知しない第4のケースのときは、
前記動作部は、前記第1、第2、および第3の区域に対して、所定の強度で前記所定の動作を行う、
前記動作部は、前記所定の動作を停止する、または
前記動作部は、前記第1、第2、および第3のケースのうち前記第4のケースに変化する直前のケースのときの前記所定の動作を継続する、請求項1に記載の検知装置。
【請求項10】
第2の動作モードでの動作を前記検知装置が開始した直後に、前記第1の検知部で人を検知せず前記第2の検知部で人を検知しない第4のケースであるときは、前記動作部は、前記第1、第2、および第3の区域に対して、所定の強度で前記所定の動作を行い、
前記検知装置の動作モードが前記第2の動作モードである場合において、前記第1、第2、または第3のケースから前記第4のケースに変化したときは、前記動作部は、前記第1、第2、および第3のケースのうち前記第4のケースに該当する直前のケースのときの前記所定の動作を継続する、請求項1に記載の検知装置。
【請求項11】
前記第1および第2の検知部の各々の検知状態を表示する表示部をさらに備えた、請求項1に記載の検知装置。
【請求項12】
前記第1および第2の検知部を搭載する搭載平面を含む基板をさらに備え、
前記第1および第2の検知部の各々は、人を検知する検知平面を含み、
前記第1および第2の検知部の各々の前記検知平面は、前記搭載平面に対して傾斜する、請求項1に記載の検知装置。
【請求項13】
前記動作部は、前記特定の場所に対して送風する、請求項1に記載の検知装置。
【請求項14】
前記動作部は、前記特定の場所を照明する、請求項1に記載の検知装置。
【請求項15】
前記動作部は、前記特定の場所に対して暖房を行う、請求項1に記載の検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検知装置に関する。より特定的には、本発明は特定の場所に対して所定の動作を行う動作部を備えた検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サーキュレーター、扇風機、暖房機、または空気調和機などの送風機は、人を検知するセンサー(検知部)を搭載しており、センサーの検知結果に基づいて送風する範囲や送風の強度などを決定する。これにより、一定の範囲に一定の強度で送風し続ける場合と比較して、電力の消費量を低減することができ、使用者のニーズに合致した送風を行うことができる。
【0003】
たとえば下記特許文献1および2には、人を検知するセンサー搭載した従来の送風機が開示されている。下記特許文献1の空気調和機は、空気調和機が設置された室内を撮影して画像データを作成する画像センサーと、室内の代表的なポイントの温度を測定する温度センサーと、室内を撮影して得られた画像データと室内の温度とから画像データに含まれる人物の体感温度を算出する体感温度算出手段と、体感温度算出手段により算出された人物の体感温度を、予め設定された人物の嗜好温度に近づけるよう空調制御する空調制御手段とを備える。下記特許文献1の空気調和機では、二次元で(画像で)人を検知する画像センサーが必要であるため、大型化を招くという問題があった。
【0004】
下記特許文献2には、送風部と、送風部の送風方向を変更する首振り機構部と、人の存在を検知する人感センサーを複数備えた人感センサー部と、人感センサー部の検知結果に応じて送風部の送風方向を自動設定する制御部とを備えた扇風機が開示されている。人感センサーは5個の人感センサーを含んでいる。下記特許文献2の扇風機は、送風領域を5つの領域に区分し、5つの領域の各々における人の有無を5個の人感サンサーの各々で検知し、検知結果に基づいて送風を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-142517号公報
【特許文献2】特開2015-155654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2の技術によれば、二次元で人を検知する画像センサーを必要としないため、構成の小型化を図ることができる。一方、特許文献2の技術において、送風領域が広い場合や、人の位置の検知精度を高めるためにより送風領域をより多くの検知区域に区分した場合には、検知区域の数が増加する。特許文献2の技術では、検知区域の数と等しい数だけ人感センサーを設ける必要があり、検知区域の数が増加すると人感センサーの数が増加していた。その結果、部品点数の増加に伴う大型化および製造コストの増加を招いていた。大型化および製造コストの増加を招くという上記の課題は、送風機のみならず、特定の場所に対して所定の動作を行う動作部を備えた検知装置全般に共通するものであった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、大型化および製造コストの増加を抑止することのできる検知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に従う検知装置は、第1の検知領域内の人の有無を検知する第1の検知部と、第2の検知領域内の人の有無を検知する第2の検知部と、特定の場所に対して所定の動作を行う動作部とを備え、第1の検知領域は、第2の検知領域と重複しない領域である第1の区域と、第2の検知領域と重複する領域である第2の区域とを含み、第2の検知領域は、第1の検知領域と重複する領域である第2の区域と、第1の検知領域と重複しない領域である第3の区域とを含み、第1の検知部で人を検知し第2の検知部で人を検知しない第1のケースと、第1の検知部で人を検知せず第2の検知部で人を検知する第2のケースと、第1の検知部で人を検知し第2の検知部で人を検知する第3のケースとで互いに異なる方法で、動作部は所定の動作を行う。
【0009】
上記検知装置において好ましくは、動作部は、第1のケースと第2のケースと第3のケースとで、所定の動作の強度および所定の動作を行う区域のうち少なくともいずれか一方が互いに異なる方法で所定の動作を行う。
【0010】
上記検知装置において好ましくは、検知装置の動作モードが第1の動作モードである場合において、第1のケースのときは、動作部は、第1の区域に対して所定の動作を行い、第2および第3の区域に対して所定の動作を行わず、検知装置の動作モードが第1の動作モードである場合において、第2のケースのときは、動作部は、第3の区域に対して所定の動作を行い、第1および第2の区域に対して所定の動作を行わない。
【0011】
上記検知装置において好ましくは、検知装置の動作モードが第1の動作モードである場合において、第3のケースのときは、動作部は、第1、第2、および第3の区域に対して所定の動作を行う、または動作部は、第2の区域に対して所定の動作を行い、第1および第3の区域に対して所定の動作を行わない。
【0012】
上記検知装置において好ましくは、検知装置の動作モードが第1の動作モードである場合において、第1の検知部で人を検知せず第2の検知部で人を検知しない第4のケースのときは、動作部は、第1、第2、および第3の区域に対して所定の動作を行う、動作部は、所定の動作を停止する、または動作部は、第1、第2、および第3のケースのうち第4のケースに変化する直前のケースのときの所定の動作を継続する。
【0013】
上記検知装置において好ましくは、第1の動作モードでの動作を検知装置が開始した直後に、第1の検知部で人を検知せず第2の検知部で人を検知しない第4のケースとなったときは、動作部は、第1、第2、および第3の区域に対して所定の動作を行い、検知装置の動作モードが第1の動作モードである場合において、第1、第2、または第3のケースから第4のケースに変化したときは、動作部は、第1、第2、および第3のケースのうち第4のケースに変化する直前のケースのときの所定の動作を継続する。
【0014】
上記検知装置において好ましくは、検知装置の動作モードが第2の動作モードである場合において、第1のケースのときは、動作部は、第1の区域に対する所定の動作の強度を、第2および第3の区域に対する所定の動作の強度よりも弱くし、検知装置の動作モードが第2の動作モードである場合において、第2のケースのときは、動作部は、第3の区域に対する所定の動作の強度を、第1および第2の区域に対する所定の動作の強度よりも弱くする。
【0015】
上記検知装置において好ましくは、検知装置の動作モードが第2の動作モードである場合において、第3のケースのときは、動作部は、第1、第2、および第3の区域に対して、所定の強度で所定の動作を行う、または動作部は、第2の区域に対する所定の動作の強度を、第1および第3の区域に対する所定の動作の強度よりも弱くする。
【0016】
上記検知装置において好ましくは、検知装置の動作モードが第2の動作モードである場合において、第1の検知部で人を検知せず第2の検知部で人を検知しない第4のケースのときは、動作部は、第1、第2、および第3の区域に対して、所定の強度で所定の動作を行う、動作部は、所定の動作を停止する、または動作部は、第1、第2、および第3のケースのうち第4のケースに変化する直前のケースのときの所定の動作を継続する。
【0017】
上記検知装置において好ましくは、第2の動作モードでの動作を検知装置が開始した直後に、第1の検知部で人を検知せず第2の検知部で人を検知しない第4のケースであるときは、動作部は、第1、第2、および第3の区域に対して、所定の強度で所定の動作を行い、検知装置の動作モードが第2の動作モードである場合において、第1、第2、または第3のケースから第4のケースに変化したときは、動作部は、第1、第2、および第3のケースのうち第4のケースに該当する直前のケースのときの所定の動作を継続する。
【0018】
上記検知装置において好ましくは、第1および第2の検知部の各々の検知状態を表示する表示部をさらに備える。
【0019】
上記検知装置において好ましくは、第1および第2の検知部を搭載する搭載平面を含む基板をさらに備え、第1および第2の検知部の各々は、人を検知する検知平面を含み、第1および第2の検知部の各々の検知平面は、搭載平面に対して傾斜する。
【0020】
上記検知装置において好ましくは、動作部は、特定の場所に対して送風する。
【0021】
上記検知装置において好ましくは、動作部は、特定の場所を照明する。
【0022】
上記検知装置において好ましくは、動作部は、特定の場所に対して暖房を行う。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、大型化および製造コストの増加を抑止することのできる検知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における送風機1の構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における送風機1の構成を示す図であって、操作部22付近の拡大図である。
【
図3】支持部本体21からカバー24を取りはずした状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における、センサー71の検知領域GN1とセンサー72の検知領域GN2との関係を模式的に示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態において動作部5の動作モードが追尾モードである場合における、2つのセンサー71および72のオンオフの組合せと動作部5の動作との関係を記載した表である。
【
図6】動作部5の動作モードが追尾モードである場合において、第1のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
【
図7】動作部5の動作モードが追尾モードである場合において、第2のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
【
図8】動作部5の動作モードが追尾モードである場合において、第3のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す第1の図である。
【
図9】動作部5の動作モードが追尾モードである場合において、第3のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す第2の図である。
【
図10】動作部5の動作モードが追尾モードである場合において、第4のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態において動作部5の動作モードが回避モードである場合における、2つのセンサー71および72のオンオフの組合せと動作部5の動作との関係を記載した表である。
【
図12】動作部5の動作モードが回避モードである場合において、第1のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
【
図13】動作部5の動作モードが回避モードである場合において、第2のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
【
図14】動作部5の動作モードが回避モードである場合において、第3のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す第1の図である。
【
図15】動作部5の動作モードが回避モードである場合において、第3のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す第2の図である。
【
図16】動作部5の動作モードが回避モードである場合において、第4のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
【
図17】本発明の第1の実施の形態の第1の変形例における、センサー71~76の各々の検知領域GN1~GN6の関係を模式的に示す図である。
【
図18】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例における、センサー71の検知領域GN1とセンサー72の検知領域GN2との関係を模式的に示す図である。
【
図19】本発明の第2の実施の形態における暖房装置101の構成を示す斜視図である。
【
図20】本発明の第3の実施の形態における照明装置102の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
【0027】
本実施の形態では、検知装置として、特定の場所に対して送風を行う動作部を備えた送風機について説明する。
【0028】
(送風機の構成)
【0029】
図1および
図2は、本発明の第1の実施の形態における送風機1の構成を示す図である。
図1(a)は送風口43が左を向いた状態の斜視図であり、
図1(b)は送風口43が右を向いた状態の斜視図である。
図2は、操作部22付近の拡大図である。
【0030】
図1および
図2を参照して、送風機1(検知装置の一例)は、サーキュレーターであり、支持部2と、首部3と、筐体4と、動作部5(動作部の一例)と、制御部6とを備えている。支持部2は、首部3、筐体4、および動作部5を下方から支持している。
【0031】
支持部2は、静止部材であり、支持部本体21と、操作部22と、表示部23と、カバー24とを含んでいる。支持部本体21は略円筒状を有している。支持部本体21の前面には、操作部22と、表示部23と、カバー24とが設けられている。
【0032】
首部3は、支持部2と筐体4とを接続している。首部3は、土台部31と、延在部32とを含んでいる。土台部31は略円筒状を有しており、上方から見た場合に支持部本体21とほぼ同じ大きさの円の平面形状を有している。延在部32は、土台部31から上方に延在している。土台部31の上部は筐体4に接続されている。
【0033】
筐体4は、筐体本体41と、吸気口42と、送風口43とを含んでいる。筐体本体41は略円筒形状を有している。吸気口42は、筐体本体41の背面および後側面に設けられている。送風口43は、筐体本体41の前面に設けられている。
【0034】
動作部5は、特定の場所に対して所定の動作を行う。本実施の形態では、所定の動作は送風である。動作部5は筐体4の内部に収容されている。動作部5は、複数の羽根と、複数の羽根を回転駆動するモーターとで構成されている。動作部5は、複数の羽根の回転により、吸気口42から筐体4の内部に空気を吸い込み、送風口43から動作部5の外部に送風する。
【0035】
制御部6は、動作部5の送風を制御する。また制御部6は、送風機1全体の動作を制御する。制御部6は、支持部本体21の内部に収容されている。制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含んでいる。
【0036】
矢印AIは、動作部5による送風方向を示している。
【0037】
送風機1は、いわゆる左右方向および上下方向の首振り機能を有している。制御部6は、必要なタイミングで、支持部本体21の内部に収容されたモーター(図示無し)の動力により、首部3、筐体4、および動作部5を支持部2に対して回転する。首部3、筐体4、および動作部5は、回転軸AX1周りに任意の角度AGだけ回転し、それによって動作部5による送風方向(矢印AIで示す方向)も変化する(左右方向の首振り機能)。本実施の形態では、角度AGは120度である。回転軸AX1は鉛直方向に延在する軸である。首部3、筐体4、および動作部5は、角度AGを中心角とする一定の範囲を行き来する。
【0038】
また制御部6は、必要なタイミングで、モーター(図示無し)の動力により、筐体4を回転させる。筐体4は、回転軸AX2周りに首部3に対して回転する(上下方向の首振り機能)。筐体4は、回転軸AX2周りに任意の角度だけ回転する。回転軸AX2は水平方向に延在する軸である。
【0039】
特に
図2を参照して、操作部22は、操作ボタン221~226を含んでいる。操作ボタン221は、節電センサーモードをオンまたはオフするためのボタンである。節電センサーモードとは、一定時間人を検知しない場合に動作部5の送風を停止し、その後人を検知した場合に送風部の送風を再開する動作モードである。操作ボタン222は、送風機1をオンまたはオフするまでのタイマーを設定するボタンである。操作ボタン223は、左右方向および上下方向の首振り機能の各々の有無を設定するためのボタンである。操作ボタン224は、動作部5の動作モードを通常モード、追尾モード(第1のモードの一例)、および回避モード(第2のモードの一例)などの間で切り替えるボタンである。操作ボタン225は、ターボ、強、中、および弱(風の強度は、ターボ、強、中、および弱の順で強い)の間で送風機1の風の強度を設定するためのボタンである。操作ボタン226は、送風機1の電源をオンまたはオフするためのボタンである。
【0040】
表示部23は、センサーの検知状態を表示する。表示部23は、左ランプ231と、中央ランプ232と、右ランプ233とを含んでいる。左ランプ231、中央ランプ232、および右ランプ233は、表示部23およびカバー24の上部に設けられている。左ランプ231は、中央ランプ232の左側に設けられている。右ランプ233は、中央ランプ232の右側に設けられている。左ランプ231、中央ランプ232、および右ランプ233の各々は、制御部6の制御により点灯、点滅、または消灯する。
【0041】
図3は、支持部本体21からカバー24を取りはずした状態を示す斜視図である。
【0042】
図3を参照して、カバー24は、操作ボタン223と操作ボタン224との間に設けられている。カバー24は、支持部本体21の前面の中央部に設けられた凹部91を覆っている。
【0043】
送風機1は、基板92と、センサー71および72(第1および第2の検知部の一例)とをさらに備えている。基板92は、凹部91の内部に設けられており、2つのセンサー71および72を搭載している。基板92は、センサー71および72を搭載する搭載平面921を含んでいる。センサー71および72の各々は、所定の検知領域内の人の有無を検知する。センサー71および72の各々は、人を検知する検知平面711および721の各々を含んでいる。検知平面711および721の各々は、搭載平面921に対して傾斜しており、互いに異なる平面である。このように、1つの基板92に対して複数のセンサー71および72を搭載することで、基板への搭載面積を削減することができ、小型化を図ることができ、美感性を確保することができる。また、センサー71の検知平面711およびセンサー72の検知平面721の各々を搭載平面921に対して傾斜させることで、センサー71および72の各々の検知領域を意図した検知領域に調整することができる。
【0044】
センサー71および72の各々の検知方式は任意であり、人の有無を検知するものであればよい。センサー71および72の各々は、たとえば人の発する赤外線(熱源)を検知するものであってもよいし、超音波を使って人を検知するあってもよい。検知平面711および721は、たとえば赤外線や超音波を受信する平面である。
【0045】
(検知部の検知領域)
【0046】
図4は、本発明の第1の実施の形態における、センサー71の検知領域GN1とセンサー72の検知領域GN2との関係を模式的に示す図である。
【0047】
図3および
図4を参照して、センサー71および72は、回転軸AX1を中心とする中心角が角度AG(ここでは120度)であり、回転軸AX1からの距離が3mの扇形の形状の検知範囲内の人の有無を検知する。センサー71は、検知領域GN1(第1の検知領域の一例)を有しており、検知領域GN1内の人の有無を検知する。センサー72は、検知領域GN2(第2の検知領域の一例)を有しており、検知領域GN2内の人の有無を検知する。検知領域GN1およびGN2の形状およびサイズは任意である。本実施の形態では、検知領域GN1およびGN2の各々は、送風機1の上方から見た場合に、回転軸AX1を中心とする中心角が80度であり、回転軸AX1からの距離が3mの扇形の形状を有している。矢印DT1は、センサー71の検知平面711の法線方向に相当する方向を示しており、センサー71の検知領域GN1の中央部に相当する方向を示している。矢印DT2は、センサー72の検知平面721の法線方向に相当する方向を示しており、センサー72の検知領域GN2の中央部に相当する方向を示している。
【0048】
検知領域GN1は、左区域R1(第1の区域の一例)と、中央区域R2(第2の区域の一例)とを含んでいる。検知領域GN2は、中央区域R2と、右区域R3(第3の区域の一例)とを含んでいる。左区域R1は、センサー71の検知領域GN1におけるセンサー72の検知領域GN2と重複しない領域である。中央区域R2は、センサー71の検知領域GN1とセンサー72の検知領域GN2とが重複する領域である。中央区域R2は、左区域R1と右区域R3とに挟まれている。右区域R3は、センサー72の検知領域GN2におけるセンサー71の検知領域GN1と重複しない領域である。左区域R1、中央区域R2、および右区域R3の各々はいずれも、送風機1の上方から見た場合に、回転軸AX1を中心とする中心角が40度であり、回転軸AX1からの距離が3mの扇形の形状を有している。左区域R1、中央区域R2、および右区域R3の各々は任意の形状を有しており、互いに異なる形状を有していてもよい。
【0049】
(サーキュレーターの基本的な動作)
【0050】
送風機1は、操作部22を通じてユーザーから受け付けた設定に基づく強度で、送風を行う。また送風機1は、操作部22を通じてユーザーから受け付けた設定に基づいて、動作部5の動作モードを通常モード、追尾モード、および回避モードの間で切り替える。通常モード、追尾モード、および回避モードの各々は、節電センサーモードと併用可能である。
【0051】
通常モードは、操作部22を通じてユーザーから受け付けた設定に基づく強度で、操作部22を通じてユーザーから受け付けた首振り機能の有無の設定に従って送風を行う動作モードである。追尾モードは、人の動きに合わせて送風する範囲をコントロールすることで、人の存在する区域に優先的に送風を行う動作モードである。回避モードは、人の存在する区域の風の強度が人の存在しない区域の風の強度よりも相対的に弱くなるように送風を行う動作モードである。回避モードによれば、強い風を人が浴びることなく、効果的な空気循環を行うことができる。なお、動作部5の動作モードが回避モードである場合、ユーザーから受け付ける風の強度の設定は、ターボ、強、および中のうちいずれかであり、弱は設定不可とされる。人の存在しない区域の風の強度を相対的に弱くする必要があるためである。
【0052】
ところで、センサー71および72の検知状態には、次の第1~第4のケースが考えられる。第1のケースは、センサー71で人を検知しセンサー72で人を検知しないケースである。第2のケースは、センサー71で人を検知せずセンサー72で人を検知するケースである。第3のケースは、センサー71で人を検知しセンサー72で人を検知するケースである。第4のケースは、センサー71で人を検知せずセンサー72で人を検知しないケースである。
【0053】
動作部5は、制御部6の制御の下で、動作部5の動作モードが追尾モードまたは回避モードである場合に、少なくとも第1のケースと第2のケースと第3のケースとで、互いに異なる方法で所定の動作(本実施の形態では送風)を行う。動作部5は、少なくとも第1のケースと第2のケースと第3のケースとで、所定の動作の強度(本実施の形態では風の強さ)および所定の動作を行う区域(本実施の形態では送風する区域)のうち少なくともいずれか一方が互いに異なるように所定の動作(本実施の形態では送風)を行うことが好ましい。
【0054】
以降、動作部5の動作モードが追尾モードおよび回避モードの各々である場合の送風機1の動作の一例について、順に説明する。
【0055】
(追尾モード)
【0056】
図5は、本発明の第1の実施の形態において動作部5の動作モードが追尾モードである場合における、2つのセンサー71および72のオンオフの組合せと動作部5の動作との関係を記載した表である。
【0057】
図5を参照して、動作部5の動作モードが追尾モードである場合には、2つのセンサー71および72のオンオフの組合せに基づいて、動作部5は
図5に示す表のように動作する。以下、詳細に説明する。
【0058】
図6は、動作部5の動作モードが追尾モードである場合において、第1のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
図7は、動作部5の動作モードが追尾モードである場合において、第2のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
図8および
図9は、動作部5の動作モードが追尾モードである場合において、第3のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
図10は、動作部5の動作モードが追尾モードである場合において、第4のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
図6~
図10では、送風する区域にはハッチングが付されており、送風しない区域にはハッチングが付されていない。
【0059】
図5および
図6を参照して、センサーの検知状態が第1のケース(センサー71:検知、センサー72:非検知)であるときは、人は、左区域R1に存在しているものと推測される。このとき、動作部5は、40度の角度で回転(首振り)を行い、左区域R1に送風し、中央区域R2および右区域R3には送風しない。表示部23では、左区域R1に対応する左ランプ231が点灯し、中央ランプ232および右ランプ233は消灯したままである。なお、追尾モードでは、動作部5は、常に一定の強度(たとえばユーザーに設定された強度)で送風を行ってもよい。
【0060】
図5および
図7を参照して、センサーの検知状態が第2のケース(センサー71:非検知、センサー72:検知)であるときは、人は、右区域R3に存在しているものと推測される。このとき、動作部5は、40度の角度で回転(首振り)を行い、右区域R3に送風し、左区域R1および中央区域R2には送風しない。表示部23では、右区域R3に対応する右ランプ233が点灯し、左ランプ231および中央ランプ232は消灯したままである。
【0061】
図5、
図8、および
図9を参照して、センサーの検知状態が第3のケース(センサー71:検知、センサー72:検知)であるときは、人が中央区域R2にのみ存在している状況(
図8(a))と、人が左区域R1および中央区域R2に存在している状況(
図8(b))と、人が左区域R1および右区域R3に存在している状況(
図8(c))と、人が中央区域R2および右区域R3に存在している状況(
図9(a))と、人が左区域R1、中央区域R2、および右区域R3に存在している状況(
図9(b))とのいずれかの状況であるものと推測される。特に、センサーの検知状態が第3のケース(センサー71:検知、センサー72:検知)であるときは、人は少なくとも中央区域R2に存在している可能性が高いものと推測される。このとき、動作部5は、120度の角度で回転(首振り)を行い、左区域R1、中央区域R2、および右区域R3の全てに送風する。表示部23では、中央区域R2に対応する中央ランプ232が点灯し、左ランプ231および右ランプ233は消灯したままである。なお、表示部23では、左ランプ231、中央ランプ232、および右ランプ233の全てが点灯してもよい。
【0062】
なお、センサーの検知状態が第3のケースであるときは、動作部5は、中央区域R2に送風し、左区域R1および右区域R3には送風しないようにしてもよい。
【0063】
図5および
図10を参照して、センサーの検知状態が第4のケース(センサー71:非検知、センサー72:非検知)であるときは、左区域R1、中央区域R2、および右区域R3のいずれにも人が存在していない状況であるものと推測される。このとき、動作部5は、120度の角度で回転(首振り)を行い、左区域R1、中央区域R2、および右区域R3の全てに送風する。表示部23では、左ランプ231、中央ランプ232、および右ランプ233の全てが消灯する。
【0064】
なお、センサーの検知状態が第4のケースであるときは、動作部5は、送風を停止してもよい。送風とともに回転(首振り)も停止してもよい。また動作部5は、第1、第2、および第3のケースのうち第4のケースに該当する直前のケースのときの送風を継続してもよい。表示部23では、第4のケースに該当する直前のセンサーの検知状態を示すランプが点滅してもよい。第4のケースである場合に送風を停止することで、動作部5を節電センサーモードで機能させることができ、節電センサーモードへの移行タイミングを検知するためのセンサー(節電センサー)としてもセンサー71および72を使用することができる。
【0065】
さらに、動作部5は、第4のケースとなったタイミングに応じて送風方法を変えてもよい。具体的には、追尾モードでの動作を送風機1が開始した直後に第4のケースとなったときは、送風部は、
図10に示すように、120度の角度で回転(首振り)を行い、左区域R1、中央区域R2、および右区域R3の全てに送風してもよい。表示部23では、左ランプ231、中央ランプ232、および右ランプ233の全てが消灯してもよい。一方、追尾モードである場合において、センサーの検知状態が第1、第2、または第3のケースから第4のケースに変化したときは、動作部5は、第4のケースに変化する直前のケースのときの送風方法(
図6~
図8のいずれかの送風方法)を継続してもよい。表示部23では、第4のケースに変化する直前のセンサーの検知状態を示すランプが点滅してもよい。このように直前のケースのときの送風を継続することで、使用感を向上することができ、追尾モードの効果を担保することができる。
【0066】
(回避モード)
【0067】
図11は、本発明の第1の実施の形態において動作部5の動作モードが回避モードである場合における、2つのセンサー71および72のオンオフの組合せと動作部5の動作との関係を記載した表である。
【0068】
動作部5の動作モードが回避モードである場合には、2つのセンサー71および72のオンオフの組合せに基づいて、動作部5は
図11に示す表のように動作する。以下、詳細に説明する。
【0069】
図12は、動作部5の動作モードが回避モードである場合において、第1のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
図13は、動作部5の動作モードが回避モードである場合において、第2のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
図14および
図15は、動作部5の動作モードが回避モードである場合において、第3のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
図16は、動作部5の動作モードが回避モードである場合において、第4のケースであるときの人の位置と動作部5の動作とを示す図である。
図12~
図16では、ユーザーによって設定された強度で送風する区域には細いハッチングが付されており、ユーザーによって設定された強度より弱い強度で送風する区域には太いハッチングが付されている。
【0070】
図11および
図12を参照して、センサーの検知状態が第1のケース(センサー71:検知、センサー72:非検知)であるときは、人は、左区域R1に存在しているものと推測される。このとき、動作部5は、120度の角度で回転(首振り)を行い、左区域R1への送風の強度を、中央区域R2および右区域R3への送風の強度よりも弱くする。動作部5は、ユーザーによって設定された強度で中央区域R2および右区域R3への送風を行う。表示部23では、左区域R1に対応する左ランプ231が点滅し、中央ランプ232および右ランプ233は消灯したままである。なお、回避モードでは、動作部5は、ケース応じて回転(首振り)の角度を変更してもよい。動作部5は、回転角度(首振り)を80度に変更することで、中央区域R2および右区域R3にのみ送風を行い、左区域R1には送風を行わないようにしてもよい。
【0071】
図11および
図13を参照して、センサーの検知状態が第2のケース(センサー71:非検知、センサー72:検知)であるときは、人は、右区域R3に存在しているものと推測される。このとき、動作部5は、120度の角度で回転(首振り)を行い、右区域R3への送風の強度を、左区域R1および中央区域R2への送風の強度よりも弱くする。動作部5は、ユーザーによって設定された強度で左区域R1および中央区域R2への送風を行う。表示部23では、右区域R3に対応する右ランプ233が点滅し、左ランプ231および中央ランプ232は消灯したままである。なお、動作部5は、回転角度(首振り)を80度に変更することで、左区域R1および中央区域R2にのみ送風を行い、右区域R3には送風を行わないようにしてもよい。
【0072】
図11、
図14、および
図15を参照して、センサーの検知状態が第3のケース(センサー71:検知、センサー72:検知)であるときは、人が中央区域R2にのみ存在している状況(
図14(a))と、人が左区域R1および中央区域R2に存在している状況(
図14(b))と、人が左区域R1および右区域R3に存在している状況(
図14(c))と、人が中央区域R2および右区域R3に存在している状況(
図15(a))と、人が左区域R1、中央区域R2、および右区域R3に存在している状況(
図15(b))とのいずれかの状況であるものと推測される。特に、センサーの検知状態が第3のケース(センサー71:検知、センサー72:検知)であるときは、人は少なくとも中央区域R2に存在している可能性が高いものと推測される。このとき、動作部5は、120度の角度で回転(首振り)を行い、左区域R1、中央区域R2、および右区域R3の全てに、ユーザーによって設定された強度よりも弱い強度で送風を行う。表示部23では、中央区域R2に対応する中央ランプ232が点滅し、左ランプ231および右ランプ233は消灯したままである。なお、表示部23では、左ランプ231、中央ランプ232、および右ランプ233の全てが点滅してもよい。
【0073】
なお、センサーの検知状態が第3のケースであるときは、動作部5は、中央区域R2への送風の強度を、左区域R1および右区域R3への送風の強度よりも弱くしてもよい。動作部5は、ユーザーによって設定された強度で左区域R1および右区域R3への送風を行ってもよい。
【0074】
図11および
図16を参照して、センサーの検知状態が第4のケース(センサー71:非検知、センサー72:非検知)であるときは、左区域R1、中央区域R2、および右区域R3のいずれにも人が存在していない状況であるものと推測される。このとき、動作部5は、120度の角度で回転(首振り)を行い、ユーザーによって設定された強度よりも弱い強度で、左区域R1、中央区域R2、および右区域R3の全てに送風する。表示部23では、左ランプ231、中央ランプ232、および右ランプ233の全てが消灯する。
【0075】
なお、センサーの検知状態が第4のケースであるときは、動作部5は、送風を停止してもよい。送風とともに回転(首振り)も停止してもよい。また動作部5は、第1、第2、および第3のケースのうち第4のケースに変化する直前のケースのときの送風を継続してもよい。表示部23では、第4のケースに変化する直前のセンサーの検知状態を示すランプが点滅してもよい。第4のケースである場合に送風を停止することで、動作部5を節電センサーモードで機能させることができ、節電センサーモードへの移行タイミングを検知するためのセンサー(節電センサー)としてもセンサー71および72を使用することができる。
【0076】
さらに、動作部5は、第4のケースとなったタイミングに応じて送風方法を変えてもよい。具体的には、回避モードでの動作を送風機1が開始した直後に第4のケースとなったときは、送風部は、120度の角度で回転(首振り)を行い、ユーザーによって設定された強度よりも弱い強度で、左区域R1、中央区域R2、および右区域R3の全てに送風してもよい。表示部23では、左ランプ231、中央ランプ232、および右ランプ233の全てが消灯してもよい。一方、回避モードである場合において、センサーの検知状態が第1、第2、または第3のケースから第4のケースに変化したときは、動作部5は、第4のケースに変化する直前のケースのときの送風方法(
図12~
図14のいずれかの送風方法)を継続してもよい。表示部23では、第4のケースに変化する直前のセンサーの検知状態を示すランプが点滅してもよい。このように直前のケースのときの送風を継続することで、使用感を向上することができ、追尾モードの効果を担保することができる。
【0077】
(実施の形態の効果)
【0078】
上述の実施の形態においては、センサーの検知状態が第1のケース(センサー71:検知、センサー72:非検知)である場合と、第2のケース(センサー71:非検知、センサー72:検知)である場合と、第3のケース(センサー71:検知、センサー72:検知)である場合とで、互いに異なる方法で送風を行う。これにより、検知区域の数(すなわち、左区域R1、中央区域R2、および右区域R3の3つ)よりも少ない数のセンサー(すなわち、センサー71および72の2つ)で検知区域内の人の有無を検知し、検知結果に基づく送風を行うことができる。その結果、部品点数の増加に伴う大型化および製造コストの増加を抑止することができる。
【0079】
また、センサー71および72が設けられている支持部2は、首振り機能により回転しない部分である。このため、首振り機能の回転によりセンサー71および72の検知範囲が変動する事態を回避することができる。
【0080】
(第1の実施の形態の変形例)
【0081】
図17は、本発明の第1の実施の形態の第1の変形例における、センサー71~76の各々の検知領域GN1~GN6の関係を模式的に示す図である。
図18は、本発明の第1の実施の形態の第2の変形例における、センサー71の検知領域GN1とセンサー72の検知領域GN2との関係を模式的に示す図である。
【0082】
図17を参照して、送風機1は、3つ以上のセンサーを備えていてもよい。第1の変形例における送風機1は、6つのセンサー71~76を備えている。6つのセンサー71~76は、回転軸AX1を中心とする半径3mの円(言い換えれば、回転軸AX1を中心とする360度の中心角を有する扇形)の形状の検知範囲内の人の有無を検知する。センサー71(第1の検知部の一例)は、検知領域GN1(第1の検知領域の一例)を有しており、検知領域GN1内の人の有無を検知する。検知領域GN1は、区域R1(第1の区域の一例)と、区域R2(第2の区域の一例)とを含んでいる。センサー72(第2の検知部の一例)は、検知領域GN2(第2の検知領域の一例)を有しており、検知領域GN2内の人の有無を検知する。検知領域GN2は、区域R2と、区域R3(第3の区域の一例)とを含んでいる。センサー73は、検知領域GN3を有しており、検知領域GN3内の人の有無を検知する。検知領域GN3は、区域R4と、区域R5とを含んでいる。センサー74は、検知領域GN4を有しており、検知領域GN4内の人の有無を検知する。検知領域GN4は、区域R5と、区域R6とを含んでいる。センサー75は、検知領域GN5を有しており、検知領域GN5内の人の有無を検知する。検知領域GN5は、区域R7と、区域R8とを含んでいる。センサー76は、検知領域GN6を有しており、検知領域GN6内の人の有無を検知する。検知領域GN6は、区域R8と、区域R9とを含んでいる。センサー71~76は互いに同一の構成を有している。センサー71および72の組と、センサー72および74の組と、センサー75および76の組とは、上述の実施の形態におけるセンサー71および72の組と同様の方法で人を検知する。動作部5は、制御部6の制御の下で、動作部5の動作モードが追尾モードまたは回避モードである場合に、少なくとも第1のケースと第2のケースと第3のケースとで、互いに異なる方法で送風を行う。動作部5は、複数のセンサーの組で人を検知した場合には任意のセンサーの組の検知状態を優先して動作を行ってもよい。このように、送風機1が3つ以上のセンサーを備えることで、上述の実施の形態の検知範囲よりも広い検知範囲で人の有無を検知することができる。
【0083】
図18を参照して、第2の変形例における送風機1は、水平方向に延在する回転軸AX3を中心とする中心角が角度AG(ここでは120度)であり、回転軸AX3からの距離が3mの扇形の形状の検知範囲内の人の有無を検知する。センサー71(第1の検知部の一例)は、検知領域GN1(第1の検知領域の一例)を有しており、検知領域GN1内の人の有無を検知する。センサー72(第2の検知部の一例)は、検知領域GN2(第2の検知領域の一例)を有しており、検知領域GN2内の人の有無を検知する。検知領域GN1は、区域R1(第1の区域)と、区域R2(第2の区域)とを含んでいる。検知領域GN32は、区域R2と、区域R3(第3の区域)とを含んでいる。
【0084】
動作部5は、制御部6の制御の下で、動作部5の動作モードが追尾モードまたは回避モードである場合に、少なくとも第1のケースと第2のケースと第3のケースとで、互いに異なる方法で送風を行う。第2の変形例によれば、上下方向での人の検知結果に基づく送風を行うことができる。
【0085】
[第2の実施の形態]
【0086】
本実施の形態では、検知装置として、特定の場所に対して暖房を行う動作部を備えた暖房装置について説明する。
【0087】
図19は、本発明の第2の実施の形態における暖房装置101の構成を示す斜視図である。
【0088】
図19を参照して、本実施の形態における暖房装置101(検知装置の一例)は、支持部2と、首部3と、筐体4と、動作部5(動作部の一例)と、制御部6とを備えている。暖房装置101は送風を伴わない暖房を行う。支持部2は、首部3、筐体4、および動作部5を下方から支持している。
【0089】
支持部2は、静止部材であり、支持部本体21と、カバー24とを含んでいる。支持部本体21の前面にはカバー24が設けられている。カバー24の内部には、センサー71および72が設けられている。
【0090】
首部3は、支持部2と筐体4とを接続している。首部3は、土台部31と、延在部32と、操作部22とを含んでいる。土台部31の上面には操作部22が設けられている。延在部32は、土台部31から上方に延在している。土台部31の上部は筐体4に接続されている。
【0091】
筐体4は、筐体本体41を含んでいる。筐体本体41は略半円形状を有している。筐体本体41の内部における動作部5の後方には、反射板(図示無し)が設けられている。
【0092】
動作部5は、特定の場所に対して所定の動作を行う。本実施の形態では、所定の動作は暖房(より詳しくは、赤外線の放射)である。動作部5は筐体4の内部に収容されている。動作部5は、環状であり、ハロゲンヒーターなどの赤外線を放射する発熱体よりなっている。動作部5から放射された赤外線のうち動作部5の後方に放射された赤外線は、筐体本体41の反射板によって前方に反射される。その結果、動作部5は、主に前方に赤外線を放射し、動作部5の前方の物体を主に暖める。矢印AIは、動作部5による暖房方向(赤外線の主な放射方向)を示している。
【0093】
制御部6は、動作部5の暖房動作を制御する。また制御部6は、暖房装置101全体の動作を制御する。
【0094】
暖房装置101は、いわゆる左右方向の首振り機能を有している。制御部6は、必要なタイミングで、支持部本体21の内部に収容されたモーター(図示無し)の動力により、首部3、筐体4、および動作部5を支持部2に対して回転する。首部3、筐体4、および動作部5は、回転軸AX1周りに任意の角度AGだけ回転し、それによって動作部5による送風方向(矢印AIで示す方向)も変化する(左右方向の首振り機能)。首部3、筐体4、および動作部5は、角度AGを中心角とする一定の範囲を行き来する。
【0095】
動作部5は、制御部6の制御の下で、センサー71および72の検知結果に基づいて暖房を行う。動作部5は、動作部5の動作モードが追尾モードまたは回避モードである場合に、少なくとも第1のケースと第2のケースと第3のケースとで、互いに異なる方法で暖房を行う。動作部5は、少なくとも第1のケースと第2のケースと第3のケースとで、暖房(赤外線)の強さおよび暖房方向となる区域のうち少なくともいずれか一方が互いに異なるように暖房を行うことが好ましい。
【0096】
なお、本実施の形態における上述以外の暖房装置101の構成および動作は、第1の実施の形態における送風機の構成および動作とほぼ同様である。このため、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0097】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、検知区域の数よりも少ない数のセンサー(すなわち、センサー71および72の2つ)で検知区域内の人の有無を検知し、検知結果に基づく暖房を行うことができる。その結果、部品点数の増加に伴う大型化および製造コストの増加を抑止することができる。
【0098】
[第3の実施の形態]
【0099】
本実施の形態では、検知装置として、特定の場所に対して照明を行う動作部を備えた照明装置について説明する。
【0100】
図20は、本発明の第3の実施の形態における照明装置102の構成を示す斜視図である。
【0101】
図20を参照して、本実施の形態における照明装置102(検知装置の一例)は、支持部2と、首部3と、筐体4と、動作部5(動作部の一例)と、制御部6とを備えている。照明装置102は送風を行わない。支持部2は、首部3、筐体4、および動作部5を下方から支持している。
【0102】
支持部2は、静止部材であり、支持部本体21と、カバー24とを含んでいる。支持部本体21の前面にはカバー24が設けられている。カバー24の内部には、センサー71および72が設けられている。
【0103】
首部3は、支持部2と筐体4とを接続している。首部3は、土台部31と、延在部32と、操作部22とを含んでいる。土台部31の上面には操作部22が設けられている。延在部32は、土台部31から上方に延在している。土台部31の上部は筐体4に接続されている。
【0104】
筐体4は、環状の筐体本体41を含んでいる。
【0105】
動作部5は、特定の場所に対して所定の動作を行う。本実施の形態では、所定の動作は照明である。動作部5は筐体本体41の内部に収容されている。動作部5は、LED(Light Emitting diode)などの発光体よりなっている。動作部5は、前方に光を照射する。矢印AIは、動作部5による照明方向(光の照射方向)を示している。
【0106】
制御部6は、動作部5の照明動作を制御する。また制御部6は、照明装置102全体の動作を制御する。
【0107】
照明装置102は、いわゆる左右方向の首振り機能を有している。制御部6は、必要なタイミングで、支持部本体21の内部に収容されたモーター(図示無し)の動力により、首部3、筐体4、および動作部5を支持部2に対して回転する。首部3、筐体4、および動作部5は、回転軸AX1周りに任意の角度AGだけ回転し、それによって動作部5による照明方向(矢印AIで示す方向)も変化する(左右方向の首振り機能)。首部3、筐体4、および動作部5は、角度AGを中心角とする一定の範囲を行き来する。
【0108】
動作部5は、制御部6の制御の下で、センサー71および72の検知結果に基づいて照明を行う。動作部5は、動作部5の動作モードが追尾モードまたは回避モードである場合に、少なくとも第1のケースと第2のケースと第3のケースとで、互いに異なる方法で照明を行う。動作部5は、少なくとも第1のケースと第2のケースと第3のケースとで、照明(発光)の強さおよび照明方向となる区域のうち少なくともいずれか一方が互いに異なるように照明を行うことが好ましい。
【0109】
なお、本実施の形態における上述以外の照明装置102の構成および動作は、第1の実施の形態における送風機の構成および動作とほぼ同様である。このため、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0110】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、検知区域の数よりも少ない数のセンサー(すなわち、センサー71および72の2つ)で検知区域内の人の有無を検知し、検知結果に基づく照明を行うことができる。その結果、部品点数の増加に伴う大型化および製造コストの増加を抑止することができる。
【0111】
[その他]
【0112】
本発明の検知装置は、特定の場所に対して所定の動作を行う動作部を備えたものであればよい。第1の実施の形態のような動作部が送風を行うもの(送風機)である場合、検知装置は、扇風機、温かい空気を送風するファンヒーター、冷たい空気を送風する冷房装置、温かい空気および冷たい空気を送風する空気調和機、加湿空気を送風する加湿器、乾燥空気を送風する除湿機、衣類乾燥機、もしくは布団乾燥機、空気清浄機、または香り成分を含む空気を送風するアロマディヒューザーなどであってもよい。
【0113】
検知装置は、第1の実施の形態のような送風を行う動作部を備えたもの(送風機)、第2の実施の形態のような送風を伴わない暖房を行う動作部を備えたもの(暖房装置)、および第3の実施の形態のような照明を行う動作部を備えたもの(照明装置)以外のものであってもよい。検知装置は、送風を伴わない加湿を行う動作部を備えたもの(加湿機)、送風を伴わない除湿を行う動作部を備えたもの(除湿機)、送風を伴わない香りの拡散を行う動作部を備えたもの(アロマディヒューザー)、特定の場所(方向)の撮影を行う動作部を備えたもの(カメラ)、特定の場所(方向)に表示を行う動作部を備えたもの(ディスプレイ)、特定の場所(方向)に楽譜の表示を行う動作部を備えたもの(譜面台)、特定の場所(方向)からの音声を取得する動作部を備えたもの(マイク)、特定の場所(方向)へ音を放つ動作部を備えたもの(スピーカー)、または特定の場所(方向)へ水を放出する動作部を備えたもの(蛇口もしくはシャワー)などであってもよい。
【0114】
上述の実施の形態および変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
【0115】
上述の実施の形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
1 送風機(検知装置の一例)
2 支持部
3 首部
4 筐体
5 動作部(動作部の一例)
6 制御部
21 支持部の支持部本体
22 操作部
23 支持部の表示部
24 カバー
31 首部の土台部
32 首部の延在部
41 筐体の筐体本体
42 筐体の吸気口
43 筐体の送風口
71~76 センサー(第1および第2の検知部の一例)
91 凹部
92 基板
101 暖房装置(検知装置の一例)
102 照明装置(検知装置の一例)
221~226 操作部の操作ボタン
231 表示部の左ランプ
232 表示部の中央ランプ
233 表示部の右ランプ
711,721 センサーの検知平面
921 基板の搭載平面
AX1,AX2,AX3 回転軸
GN1~GN6 検知領域(第1および第2の検知領域の一例)
R1~R9 区域(第1~第3の区域の一例)