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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162733
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電気掃除装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20241114BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A47L9/00 104
A47L9/00 Z
A47L5/24 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078584
(22)【出願日】2023-05-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山谷 直輝
(72)【発明者】
【氏名】市野 雄之
【テーマコード(参考)】
3B006
【Fターム(参考)】
3B006GA02
3B006MA03
(57)【要約】
【課題】収納台に収納されている電気掃除機の扱い易さ、および収納台に収納されている電気掃除機の付属品の取り扱い易さの両方に優れる、利便性の高い電気掃除装置を提供する。
【解決手段】収納具3は、設置場所に配置される基部41と、基部41から上へ向かって延びる支柱部42と、支柱部42に設けられて収納姿勢の電気掃除機2、および電気掃除機2の付属品5を個別に支持可能な支持部43と、を備えている。支持部43は、水平方向へ開放される、電気掃除機2を配置可能な掃除機配置部61と、水平方向へ開放される、付属品5を配置可能な付属品配置部62と、を有し、掃除機配置部61の開放端61oと付属品配置部62の開放端62oとは、横並びに配置されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負圧を発生させる電動送風機と、前記電動送風機を収容する本体と、前記電動送風機の吸込側に接続されて前記本体から延びる管と、を有する電気掃除機と、
前記管が前記本体より下方に位置する姿勢で前記電気掃除機を支えることが可能な収納具と、を備え、
前記収納具は、
設置場所に配置される基部と、
前記基部から上へ向かって延びる支柱部と、
前記支柱部に設けられて前記姿勢の前記電気掃除機、および前記電気掃除機の付属品を個別に支持可能な支持部と、を備え、
前記支持部は、
水平方向へ開放される、前記電気掃除機を配置可能な掃除機配置部と、
水平方向へ開放される、前記付属品を配置可能な付属品配置部と、を有し、
前記掃除機配置部の開放端と前記付属品配置部の開放端とは、横並びに配置されている電気掃除装置。
【請求項2】
前記付属品配置部は、前記開放端から閉鎖端へ向かって下り傾斜する上縁部を有する請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項3】
前記掃除機配置部の開放方向と前記付属品配置部の開放方向とがなす角度は、45度以下である請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項4】
前記掃除機配置部は、前記管に接して前記電気掃除機を前記姿勢で支える請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項5】
前記掃除機配置部の開放方向において、前記付属品配置部の閉鎖端は、前記掃除機配置部の閉鎖端よりも前記掃除機配置部の開放端に近い請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項6】
前記支持部は一体成型品であって前記支柱部の頂部に配置されている請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項7】
前記支持部は、前記電気掃除機と前記掃除機配置部とが接触する箇所における前記電気掃除機の材質、および前記付属品と前記付属品配置部とが接触する箇所における前記付属品の材質と同等、またはより軟質な材質製である請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項8】
前記付属品は、前記付属品配置部の開口幅より小さい直径の管部と、前記付属品配置部の開口幅より大きい外径を有する環状のフランジ部と、を有する請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項9】
前記付属品を前記収納具に収納した際に前記フランジ部は、前記付属品配置部の上縁部に接触し、
前記フランジ部と前記付属品配置部の上縁部との接触箇所を通る断面における前記フランジ部および前記上縁部の断面形状の少なくとも一方は、接触する相手方へ向かって膨出する円弧形状である請求項8に記載の電気掃除装置。
【請求項10】
前記付属品は、前記電気掃除機に連結可能な継手構造を有する根元部と、前記根元部を前記電気掃除機に連結し前記電動送風機を運転すると前記負圧が作用する吸込口と、を有し、
前記付属品配置部は、前記吸込口が前記根元部より下方に位置する姿勢で前記付属品を支持する請求項9に記載の電気掃除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、電気掃除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機と、電気掃除機が収納される充電台とが知られている。電気掃除機には、隙間・ブラシ切替ノズル、延長管、標準吸口、小型吸口、ほうき型吸口などの付属品が付属する。
【0003】
充電台は、設置場所に配置されるベース部材を備えている。ベース部材は、付属品を収納する凹部を有している。付属品を収納する凹部は、収納状態の電気掃除機を支える柱状のスタンド部材の左右それぞれの側方に配置されている。
【0004】
付属品は、掃除機本体の接続口に連結可能な管状の部位を有している。付属品は、ベース部材の凹部に嵌め込まれた付属品の管状の部位が状態で充電台に収納される。充電台に収納される付属品は、吸込口を上方へ向けている。付属品を使う場合には、使用者は、ベース部材の凹部から管状の部位を引き抜きようにして付属品をベース部材の上方へ向けて取り上げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-017663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の充電台に収納した付属品を使おうとすると、使用者は、先ず腰を屈め、またはしゃがみ込んで付属品を手に取り、手に取った付属品をベース部材の上方へ取り上げるようにして腰を伸ばすことになる。また、従来の充電台に収納した付属品を使おうとすると、使用者は、充電台から取り上げた付属品の天地をひっくり返す必要がある。
【0007】
それらの動作は、使用者に過度の動作を要求するものであって、利便性に欠ける。そのような不便さは、付属品の利用に係る使用者の心的な抵抗感を増大させ、付属品の利用頻度を低下させる虞がある。
【0008】
そこで、本発明は、収納具に収納されている電気掃除機の扱い易さ、および収納具に収納されている電気掃除機の付属品の取り扱い易さの両方に優れる、利便性の高い電気掃除装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電気掃除装置は、負圧を発生させる電動送風機と、前記電動送風機を収容する本体と、前記電動送風機の吸込側に接続されて前記本体から延びる管と、を有する電気掃除機と、前記管が前記本体より下方に位置する姿勢で前記電気掃除機を支えることが可能な収納具と、を備えている。前記収納具は、設置場所に配置される基部と、前記基部から上へ向かって延びる支柱部と、前記支柱部に設けられて前記姿勢の前記電気掃除機、および前記電気掃除機の付属品を個別に支持可能な支持部と、を備えている。前記支持部は、水平方向へ開放される、前記電気掃除機を配置可能な掃除機配置部と、水平方向へ開放される、前記付属品を配置可能な付属品配置部と、を有し、前記掃除機配置部の開放端と前記付属品配置部の開放端とは、横並びに配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の使用形態の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納形態の斜視図。
図3】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具の支持部の斜視図。
図4】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具の支持部の平面図。
図5】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具の支持部の正面図。
図6】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具の支持部の右側面図。
図7】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具に支持部に付属品を収納した状態の斜視図。
図8】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具に支持部に付属品を収納した状態の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る電気掃除装置について図1から図8を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の使用形態の斜視図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1は、負圧で塵埃を吸い込むことが可能な電気掃除機2と、電気掃除機2を収納可能な収納具3と、を備えている。
【0014】
電気掃除機2は、二次電池11が蓄える電力で駆動される負荷、例えば電動機12を備えている。二次電池11は、蓄電池、充電式電池、および充電池とも呼ばれる。電気掃除機2は、例えばスティック型の電気掃除機2であって、電動機12が一体化された負荷としての電動送風機13を備えている。
【0015】
電気掃除機2は、把手15を有して手持ち操作可能な本体16と、本体16に着脱可能な二次電池11と、本体16に接続される管としての延長管17と、延長管17に接続される吸込口体18と、を備えている。
【0016】
電気掃除機2は、延長管17、および吸込口体18に代えて種々の付属品5を利用することができる。付属品5は、例えば吸込口体18よりも極めて横幅が小さく、居室に設置されるベッドの下方空間に容易に差し込むことが可能な丸ブラシ6、吸込口体18を小型化したような小型吸込口体、および吸込口に向かうほど細く絞られた風路断面を有する隙間ノズル7である。
【0017】
また、電気掃除機2、および本体16は、本体16を手に持つ使用者によって、様々な姿勢で利用される。そこで、図1中、実線矢印P方向視を電気掃除機2の平面視(上面視)とし、実線矢印Pの反対方向視を電気掃除機2の底面視とする。図1中、実線矢印F方向視を電気掃除機2の正面視(前面視)とし、実線矢印Fの反対方向視を電気掃除機2の背面視とする。図1中、実線矢印L方向視を電気掃除機2の左側面視とし、実線矢印Lの反対方向視を電気掃除機2の右側面視とする。
【0018】
本体16は、把手15を有する本体ケース21と、本体ケース21に収容されて吸込負圧を生じさせる電動送風機13と、本体ケース21に着脱自在に設けられる塵埃分離集塵部22と、主に電動送風機13の駆動および二次電池11の充放電を制御する本体制御部23と、を備えている。
【0019】
本体16は、二次電池11が蓄える電力によって電動送風機13を駆動させ、電動送風機13の駆動によって負圧を発生させ、発生した吸込負圧を塵埃分離集塵部22に作用させる。塵埃分離集塵部22に作用する吸込負圧は、延長管17、および吸込口体18に順次に作用する。吸込口体18に達した吸込負圧は、吸込口体18の吸込口25に作用する。吸込口25に作用する吸込負圧は、床面から塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸込口25に吸い込む。吸込口25に吸い込まれた含塵空気は、吸込口体18および延長管17を通じて塵埃分離集塵部22へ流入する。塵埃分離集塵部22は、吸込負圧によって吸い込まれる含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに塵埃が分離された空気を電動送風機13へ送る。電動送風機13は、塵埃が分離された空気を本体ケース21外へ排気する。
【0020】
さらに、本体16は、把手15を握った使用者が、その手指を動かせる範囲に配置される入力部26を備えている。
【0021】
本体ケース21は、延長管17の延長線上に配置され、かつ延長管17の延長線に沿って延びる柱状の前部21aと、前部21aから下斜め後方へ垂れ下がる中央部21bと、中央部21bの背面の下半部から後方へ延びる筒状の後部21cと、中央部21bの背面の上半部から後方へ延び、円弧形状に湾曲して後部21cの上面の後端に繋がる把手15と、を備えている。
【0022】
本体ケース21の前部21aと中央部21bとは、協働して塵埃分離集塵部22を着脱可能に保持している。塵埃分離集塵部22は、全体で筒状の外観を有する。前部21aと中央部21bとは、塵埃分離集塵部22の中心線C、換言すると長手方向を延長管17の中心線の延長線に平行させて塵埃分離集塵部22を保持している。本体ケース21に延長管17および塵埃分離集塵部22が装着された状態では、延長管17の中心線の延長線および塵埃分離集塵部22の中心線Cは、本体ケース21を左右に実質的に均等に分断する中央縦断面上に配置されている。長手状の前部21aと筒状の塵埃分離集塵部22とは、中心線が平行するように併設されている。
【0023】
本体ケース21の前部21aは、延長管17の長手方向、つまり延伸方向の延長上に配置されて管状に延びている。前部21aは、延長管17を着脱可能な継手構造を備えている。この継手構造は、延長管17、吸込口体18、および付属品5のいずれであっても連結可能な構造を有している。つまり、延長管17、吸込口体18、および付属品5は、共通の継手構造を有している。前部21aは、本体16の流体的な入口である本体接続口28を有し、かつ延長管17と塵埃分離集塵部22とを流体的に接続している。本体16から延長管17を取り外すことによって、本体接続口28は、本体16を単体で使用する際の吸込口としても機能する。
【0024】
本体ケース21の後部21cは、電動送風機13および本体制御部23を収容している。後部21cは、電動送風機13の排気を本体ケース21内から吐出させる排気口29を有している。後部21cの底部には、二次電池11を着脱可能な電池装着部31が設けられている。
【0025】
本体ケース21の中央部21bは、前部21aに併設される塵埃分離集塵部22の後端部の一部を覆い隠すように保持し、かつ塵埃分離集塵部22と電動送風機13とを繋ぐ風路を収容している。中央部21bは、実質的に直線状に延びる前部21aの後端部に連接して本体ケース21の下斜め後方へ向かって膨らんでいる。中央部21bは、本体ケース21の後方へ向かって後ろ下がりに傾斜する外観を有している。
【0026】
把手15は本体ケース21に一体に設けられている。把手15は、使用者が手で把持する部分である。そのため、把手15は、人の手指で把持し易い適宜の形状を有することが好ましい。
【0027】
把手15は、本体ケース21の前部21aと後部21cとの間に架設されている。把手15は、前部21aの後端から延長管17の延長方向へ延び、かつ弧状に湾曲して後部21cの後端部に繋がっている。把手15と本体ケース21の中央部21bの背面との間、および把手15と本体ケース21の後部21cの天面との間には、一続きの空間が、本体ケース21の左右方向(幅方向)へ貫通している。この空間には、把手15を握る使用者の手指、もっぱら人差し指、中指、薬指、および小指を含む四指が配置される。
【0028】
入力部26は、把手15の近傍であって、把手15を握った使用者がその手指を動かせる範囲に設けられている。入力部26は、電動送風機13の動作要求を受け付けるスイッチを備えている。このスイッチは、本体制御部23に電気的に接続されている。電気掃除機2の使用者は、入力部26を操作して電動送風機13の運転と停止とを交互に切り換えることができる。
【0029】
入力部26は、電動送風機13の運転モードを切り換えるスイッチを備えていても良い。この場合、本体制御部23は、運転モード切替スイッチから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、入力部26は、運転モード切替スイッチに代えて、強運転スイッチ、中運転スイッチ、および弱運転スイッチを個別に備えていても良い。
【0030】
塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前部21aと本体ケース21の中央部21bとが成すL文字形状の収容空間に配置されている。塵埃分離集塵部22は、本体16に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機13へ送る。塵埃分離集塵部22は、塵埃と空気との質量の差異を利用して塵埃と空気とを遠心分離する遠心分離方式である。塵埃分離集塵部22の下流側に含塵空気から塵埃を濾し取る濾過分離方式のフィルターが設けられていても良い。
【0031】
また、塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前後方向に沿って筒状に延伸している。換言すると、塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前後方向に延びる中心線Cを有する筒形状の容器である。塵埃分離集塵部22の中心線Cに沿う方向、塵埃分離集塵部22の延伸方向、塵埃分離集塵部22の長手方向は、実質的に同意であり、本体ケース21の前後方向に実質的に一致している。したがって、塵埃分離集塵部22の中心線Cは、延長管17の中心線に実質的に平行している。また、塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前部21aに併設されている。つまり、塵埃分離集塵部22の長手方向は、本体ケース21の前部21aの長手方向に倣っている。塵埃分離集塵部22の直径は、本体ケース21の前部21aの幅寸法よりも大きく、塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前部21aよりも本体16の左右方向(幅方向)に突出している。なお、本体16の左右方向は、本体16の中央縦断面の法線方向に相当する。筒状の塵埃分離集塵部22の中心線Cは、本体16の中央縦断面に実質的に含まれている。
【0032】
本体ケース21の中央部21bは、塵埃分離集塵部22の排気側に流体的に接続される連結口と、連結口と電動送風機13とを流体的に接続する分離部下流風路管と、を備えている。中央部21bは、塵埃分離集塵部22と本体ケース21の後部21cとの間に挟み込まれている部位を含んでいる。この部位に連結口および分離部下流風路管が配置されている。
【0033】
連結口は、中央部21bの正面を臨む部位に配置されている。連結口は、塵埃分離集塵部22が本体ケース21に装着された状態で、塵埃分離集塵部22の後ろ側の端面に正対する。したがって、連結口は、塵埃分離集塵部22が本体ケース21に装着された状態で、塵埃分離集塵部22の中心線Cの延長線上に配置される。
【0034】
電動送風機13の吸込側は、連結口および分離部下流風路管を介して塵埃分離集塵部22に接続される。電動送風機13は、塵埃分離集塵部22から空気を吸い込んで吸込負圧を発生させる。電動送風機13は、羽根車と、羽根車の回転駆動力を発生する電動機12と、電動機12から羽根車へ回転駆動力を伝達する回転軸と、を備えている。
【0035】
羽根車は、例えばターボファンであり、複数の羽根を備えている。それぞれの羽根は、円錐状のハブの中心部からハブの外縁部へ向かって徐々にハブの径方向へ向かって起立する、捻れた形状を有している。換言すると、それぞれの羽根は、前縁から後縁に掛けて翼型(airfoil)または翼断面(wing section)が変化する、いわゆる3次元翼である。羽根車は、吸込口を有するケースに覆われている。
【0036】
電動送風機13は、回転軸を中心とする円筒状、または円柱状の形状を有している。回転軸の中心線を本体ケース21の前後方向へ向け、かつ吸込口を前方へ向けて本体ケース21に収容されている。また、電動送風機13の回転軸の中心線は、実質的に塵埃分離集塵部22の中心線Cの延長線上に配置されている。
【0037】
本体制御部23は、電動送風機13の真後ろに配置されている。本体制御部23は、マイクロプロセッサー、およびマイクロプロセッサーが実行する各種演算プログラム、パラメーターなどを記憶する記憶部としての記憶装置を備えている。複数の運転モードから電動送風機13の運転モードを択一的に選択可能な制御を実装する場合には、記憶装置は、予め設定される複数の運転モードに関連する種々の設定(引数)を記憶する。複数の運転モードは電動送風機13の出力に関連付けられている。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値(電動送風機13の入力値、電動送風機13に流れる電流目標値)が設定されている。それぞれの運転モードは、入力部26が受け付ける動作要求に関連付けられている。本体制御部23は、入力部26の動作要求に対応する任意の運転モードを、予め設定される複数の運転モードから択一的に選択し、選択した運転モードの設定を記憶装置から読み出し、読み出した運転モードの設定にしたがって電動送風機13を運転する。
【0038】
なお、電動送風機13の入力値は、二次電池11の放電量に相当する。二次電池11の放電量は、二次電池11の放電電流または放電電圧の高低によって制御される。二次電池11の放電電流の高低によって二次電池11の放電量を制御することが簡便で好ましい。
【0039】
二次電池11は、いわゆるバッテリーパックである。二次電池11が蓄える電力を放電することによって、電動送風機13や本体制御部23が駆動され、二次電池11へ電力を充電することによって、電動送風機13や本体制御部23で消費される電力が二次電池11に蓄えられる。二次電池11は、本体ケース21に着脱できる。換言すると、電気掃除機2は、複数の二次電池11を適宜に交換して利用できる。電気掃除機2に装着されている二次電池11の充電率が低下した場合には、この二次電池11を、充電済みの二次電池11に交換することによって、電気掃除機2は、運転を継続できる。つまり、二次電池11は、本体ケース21に装着したまま充電することもできるし、本体ケース21から一旦取り外し、電気掃除機2とは異なる充電器に装着して充電し、充電後に本体ケース21へ再装着することもできる。なお、電気掃除機2は、二次電池11を容易に交換自在なものであっても良いし、二次電池11を交換するために本体16の分解をともなうような、二次電池11を交換可能なものであっても良い。
【0040】
延長管17および吸込口体18は、電動送風機13から作用する負圧によって、床面上の塵埃を空気とともに吸い込んで本体16へ案内する。
【0041】
延長管17は、本体ケース21の本体接続口28および塵埃分離集塵部22を介して電動送風機13の吸込側に流体的に接続されている。延長管17は、使用者が本体16の把手15を把持した状態で実質的に床面に届く長さを有する。延長管17の一方の端部は、本体16の本体接続口28に着脱自在な継手構造を有している。延長管17の他方の端部は、本体16の吸込口体18を着脱自在な継手構造を有している。延長管17は、伸縮可能であっても良いし、伸縮不能な一定の長さを有していても良い。
【0042】
吸込口体18は、木床やカーペットなどの床面上を走行自在または滑走自在であり、走行状態または滑走状態において床面に対向する底面に吸込口25を有する。また、吸込口体18は、吸込口25に配置される回転自在な回転清掃体32と、回転清掃体32を駆動させる電動機33と、を備えている。吸込口体18の一方の端部は、延長管17の他方の端部に着脱自在な継手構造を有している。吸込口体18は、延長管17を介して電動送風機13の吸込側に流体的に接続されている。吸込口体18、延長管17、および塵埃分離集塵部22は、電動送風機13から吸込口25へ至る吸込風路である。
【0043】
なお、吸込口体18は、電動機33に代えて回転清掃体32を駆動させる風車を備えていても良い。この風車は、電気掃除機2に吸い込まれる空気の流動によって回転し、回転清掃体32を駆動させる。
【0044】
電気掃除機2は、電動送風機13が停止している状態で入力部26が操作されると、電動送風機13を始動させる。運転モード切替スイッチが実装されている場合には、電気掃除機2は、先ず電動送風機13を強運転モードで始動させ、運転モード切替スイッチが操作されると電動送風機13の運転モードを中運転モードに変更し、再度、運転モード切替スイッチが操作されると電動送風機13の運転モードを弱運転モードに変更し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モード、および弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードである。電動送風機13に対する入力値は、強運転モードが最も大きく、弱運転モードが最も小さい。始動した電動送風機13は、塵埃分離集塵部22から空気を吸込み、塵埃分離集塵部22内を負圧にする。
【0045】
塵埃分離集塵部22内の負圧は、本体接続口28、延長管17、および吸込口体18を順次に通じて吸込口25に作用する。電気掃除機2は、吸込口25に作用した負圧によって、被掃除面上の塵埃を空気とともに吸い込んで被掃除面を掃除する。塵埃分離集塵部22は、電気掃除機2に吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を電動送風機13へ送る。電動送風機13は、塵埃分離集塵部22から吸い込んだ空気を本体16外へ排気する。
【0046】
図2は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納形態の斜視図である。
【0047】
図1に加えて図2に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の収納具3は、いわゆる収納台である。収納具3は、電気掃除機2の延長管17が本体16より下方に位置する収納姿勢で電気掃除機2を支える。収納具3は、電気掃除機2を立て掛けるようにして収納することが可能である。収納具3は、電気掃除機2のいずれかの箇所を引っ掛けて収納できるものであっても良いし、電気掃除機2を吊り下げて収納することができるものであっても良い。
【0048】
収納具3は、設置場所に配置される基部41と、基部41から上へ向かって延びる支柱部42と、支柱部42に設けられて収納姿勢の電気掃除機2、および付属品5を個別に支持可能な支持部43と、を備えている。
【0049】
なお、収納具3は、一般的に水平な設置面に設置されるものであって、電気掃除機2のように様々な姿勢で利用されるものではない。そこで、収納具3の正面、側面、平面などの呼び方は第三角法による。
【0050】
基部41は、平坦な設置場所に接地される底面と、設置場所の上方を臨む上面51と、を有している。収納具3の平面視における基部41の形状は、実質的に矩形状である。基部41は、上面51の前縁部から上方に突出して基部41の幅方向へ延びるフランジ状の下支持部52と、下支持部52の後方に配置され、下方に窪んで基部41の幅方向へ延びる溝部53と、溝部53に続いて基部41の左右幅方向における中央部分を基部41の後方へ向かって延びる中央膨出部55と、を備えている。中央膨出部55の左右それぞれの側方は、中央膨出部55より一段下がった平坦面である。この平坦面および中央膨出部55と溝部53との間には、溝部53の一部を確定する堤のような部位が基部41の幅方向へ延びている。
【0051】
支柱部42は、電気掃除機2を支持可能な強度および剛性を有する鋼線の曲げ加工品である。支柱部42は、基部41の中央膨出部55の後端部上面から上方へ向かって左右一対に立ち上がり、基部41の正面に近づく方向へ傾斜してさらに上方へむかって左右一対に延び、頂部において基部41の後方側へ屈曲して基部41の前方へ向かって解放されたU字形状を描いて一本に合流する形状を有している。支柱部42の下端は、左右一対あって、中央膨出部55の後端部上面に設けられる差込孔に着脱可能に差し込まれている。
【0052】
支柱部42は、基部41の設置面を基準に50センチメートルから55センチメートルの高さを有している。
【0053】
支持部43は、支柱部42の頂部に配置されている。支持部43は、実質的に収納具3の頂部に配置されている。支持部43は、電気掃除機2を配置可能な掃除機配置部61と、付属品5を配置可能な付属品配置部62と、を有している。掃除機配置部61および付属品5は、水平方向へ開放される、U字形状の窪み形状であり、凹没形状である。
【0054】
電気掃除機2は、延長管17の吸込端に連結されている吸込口体18を収納具3の基部41の下支持部52に当てて溝部53に配置し、延長管17の中途部分を収納具3の支持部43の掃除機配置部61に配置することで、収納具3に立て掛けられるようにして収納される。つまり、掃除機配置部61は、延長管17に接して電気掃除機2を収納姿勢で支え、下支持部52および溝部53は、吸込口体18に接して電気掃除機2を収納姿勢で支えている。
【0055】
次いで、収納具3の支持部43について詳細に説明する。
【0056】
図3は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具の支持部の斜視図である。
【0057】
図4は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具の支持部の平面図である。
【0058】
図5は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具の支持部の正面図である。
【0059】
図6は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具の支持部の右側面図である。
【0060】
図1および図2に加えて、図3から図6に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の収納具3の支持部43は、収納具3の正面に向かって解放される、収納具3の平面視でU字形状を有する掃除機配置部61と、掃除機配置部61の左右それぞれの側方に配置されて、収納具3の平面視でU字形状を有する複数の付属品配置部62と、を有している。支持部43は、樹脂の一体成型品である。複数の付属品配置部62は、掃除機配置部61を中心に左右対称に複数、例えば2つ設けられている。左右対称な複数の付属品配置部62は、複数の付属品5を収納具3に収納した状態で、支柱部42および支持部43のねじれを軽減し、収納具3に電気掃除機2を収納する際の幾何的な不整合を低減する。そうすることで収納具3は、電気掃除機2の収納の円滑を保つ。
【0061】
U字形状の掃除機配置部61は、開放端61oから閉鎖端61cへ向かって実質的に一様な幅で延び、半円弧状の閉鎖端61cで行き止まる。U字形状の付属品配置部62は、開放端62oから閉鎖端62cへ向かって実質的に一様な幅で延び、半円弧状の閉鎖端62cで行き止まる。なお、一様な幅部分を二分して閉鎖端61cから開放端61oへ向かう方向を掃除機配置部61の開放方向d1とする。掃除機配置部61の開放方向d1は、収納具3の真正面を向いていることが好ましい。また、一様な幅部分を二分して閉鎖端62cから開放端62oへ向かう方向を付属品配置部62の開放方向d2とする。
【0062】
掃除機配置部61の開放端61oと複数の付属品配置部62の開放端62oとは、横並びに配置されている。複数の付属品配置部62の開放端62oは、掃除機配置部61の開放端61oを中心に左右対称に配置されている。それら複数の開放端61o、62oは、収納具3の正面から見て横並びに一覧できるよう配置されている。つまり、電気掃除装置1の使用者は、収納具3の正面から手を伸ばすことで掃除機配置部61に延長管17を支えられる電気掃除機2も、それぞれの付属品配置部62に支えられる付属品5も、その手に取ることができる。また、電気掃除装置1の使用者は、収納具3の正面に立ったまま手を伸ばすことで掃除機配置部61に延長管17を支えられる電気掃除機2も、それぞれの付属品配置部62に支えられる付属品5も、その手に容易に取ることができる。
【0063】
掃除機配置部61の開放方向d1と付属品配置部62の開放方向d2とがなす角度θは、45度以下であることが好ましい。そのような角度範囲に配置される掃除機配置部61および付属品配置部62は、収納具3の幅方向へ支持部43が大きく拡大することを抑え、かつ掃除機配置部61の開放端61oと複数の付属品配置部62の開放端62oとを無理なく横並びに配列させる。
【0064】
なお、掃除機配置部61の開放方向d1と付属品配置部62の開放方向d2とがなす角度θを45度以下に抑えつつ、隣り合う配置部61、62の間隔は、人の手指をスムーズに挿し入れることが可能な程度に確保されていることが好ましい。そのような間隔で配置される掃除機配置部61および付属品配置部62は使用者に取り上げられる電気掃除機2および付属品5のいずれかと、収納具3に残留し、残置される電気掃除機2および付属品5の他のいずれかと、の干渉を防止する。仮にそれらが干渉すると、取り上げようとする物品以外の物品を収納具3から脱落させかねず、利便性を損なうことになる。
【0065】
また、支持部43の全幅(左右方向の最大幅)は、基部41の幅寸法よりも狭いことが好ましい。そのような支持部43と基部41との寸法関係は、収納具3のフットプリント、接地面積を基部41の占有面積程度に抑える。
【0066】
それら掃除機配置部61と付属品配置部62との開放方向d1、d2、および開放間隔の関係は、掃除機配置部61の左右それぞれに2つ以上の付属品配置部62が設けられている場合であっても同様であることが好ましい。
【0067】
掃除機配置部61の開放方向d1において、二点鎖線αに示すように、付属品配置部62の閉鎖端62cは、掃除機配置部61の閉鎖端61cよりも掃除機配置部61の開放端61oに近いことが好ましい。つまり、付属品配置部62に収納される付属品5は、掃除機配置部61を縦に貫く電気掃除機2の延長管17よりも収納具3の手前側に収納されていることが好ましい。
【0068】
電気掃除機2が収納具3から取り出されて離れている場合には、掃除機配置部61の閉鎖端61cと付属品配置部62の閉鎖端62cとの位置の関係は、利便性に大きく影響しない。一方、電気掃除機2が収納具3に収納されている場合には、電気掃除機2の延長管17が掃除機配置部61を縦に貫き、電気掃除機2の本体16が支持部43の上方に在る。そのような場合には、付属品5が電気掃除機2よりも手前に在った方が、付属品5を取り出し易く利便性に優れる。また、電気掃除機2の本体16と延長管17とを分離し、延長管17および吸込口体18を収納具3に収納したまま本体16に付属品5を直接連結して利用する態様では、付属品5が延長管17よりも手前に在った方が、付属品5を取り出し易く利便性にさらに優れる。
【0069】
図7は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具に支持部に付属品を収納した状態の斜視図である。
【0070】
図8は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納具に支持部に付属品を収納した状態の断面図である。
【0071】
図3から図6に加えて、図7および図8に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の収納具3の付属品配置部62は、開放端62oから閉鎖端62cへ向かって下り傾斜する上縁部65を有している。また、付属品配置部62は、上縁部65に連なる上面部66を有している。付属品配置部62は、図7に示すように、上縁部65を付属品5に接触させている。つまり、付属品5は、付属品配置部62の上縁部65に引っ掛かるようにして保持されている。
【0072】
一方、付属品5は、電気掃除機2の本体16および延長管17のいずれにも連結可能な継手構造を有する根元部71と、付属品配置部62の開口幅より小さい直径の管部72と、付属品配置部62の開口幅より大きい外径を有する環状のフランジ部73と、根元部71を電気掃除機2の本体16または延長管17に連結した状態で電動送風機13を運転すると負圧が作用して空気や塵埃を吸い込む吸込口75と、を備えている。
【0073】
フランジ部73は、根元部71と管部72との境界部分に設けられている。
【0074】
吸込口75は、管部72の自由端の開口に相当する。
【0075】
付属品5は、吸込口75が根元部71より下方に位置する付属品収納姿勢で付属品配置部62に収納される。換言すると、付属品配置部62は、付属品5の吸込口75が根元部71より下方に位置する付属品収納姿勢で付属品5を支持する。なお、付属品5の重心は、フランジ部73を基準にすると、根元部71側ではなく、管部72側に位置している。これは、付属品5の隣接構造体(本体16または延長管17)との継手構造である根元部71よりも、家具の隙間やベッドの下方空間に差し込まれる管部72の方がより長尺であったり、ブラシ毛を設けておくためのヘッド部分を有していたりして、より重たいからである。したがって、付属品収納姿勢の付属品5の重心は、フランジ部73より下方に配置される。
【0076】
付属品5が収納具3に収納されている場合には、付属品5のフランジ部73が付属品配置部62の上縁部65に引っ掛かり、管部72が付属品配置部62を縦に貫いている。そして、フランジ部73は、付属品配置部62の上縁部65のうち、掃除機配置部61に近い方の縁65aと掃除機配置部61から遠い方の縁65bとに架け渡されるようにして付属品配置部62に引っ掛かっている。フランジ部73が引っ掛かっている付属品配置部62の上縁部65は、付属品配置部62の開放端62oから閉鎖端62cへ向かって下り傾斜する一方、付属品収納姿勢の付属品5の重心は、フランジ部73より下方に配置されている。そのため、付属品5は、図7に示すように、フランジ部73と付属品配置部62の上縁部65との接触箇所を支点にしてフランジ部73より上方に位置する根元部71が付属品配置部62の閉鎖端62cから開放端62oへ向かうように起き上がり、立ち上がってくる。つまり、フランジ部73は、付属品配置部62の上縁部65に線接触的に触れているのではなく、比較的狭い範囲で点接触的に付属品配置部62の上縁部65に触れている。このとき、付属品収納姿勢の付属品5の重心は、フランジ部73と付属品配置部62の上縁部65との点接触的な接触位置のほぼ真下に位置することになる。
【0077】
ところで、仮にフランジ部73が付属品配置部62の上縁部65に線接触的に触れている場合には、付属品5にはフランジ部73と上縁部65との接触箇所に周りに偶力を生じることになる。また、丸ブラシ6のような付属品5の重心は、必ずしも環状のフランジ部73の中心をとおり、かつ付属品5の長手方向へ延びる線分上に位置するものではない。したがって、付属品配置部62の上縁部65が、水平面であったとしても、付属品5にはフランジ部73と上縁部65との接触箇所に周りに偶力を生じる場合がある。
【0078】
一方、本実施形態に係る支持部43は、付属品5のフランジ部73と付属品配置部62の上縁部65とを比較的狭い範囲で点接触的に接触させ、かつ付属品収納姿勢の付属品5の重心を、フランジ部73と付属品配置部62の上縁部65との接触位置の実質的に真下に配置することができる。そのため、電気掃除装置1の使用者は、収納具3から付属品5を取り上げるときに、付属品5による偶力の影響をほとんど感じることなく、付属品5を円滑に取り上げることができる。
【0079】
なお、付属品5のフランジ部73と付属品配置部62の上縁部65とを比較的狭い範囲で点接触的に接触するよう、フランジ部73と付属品配置部62の上縁部65との接触箇所を通る断面(図8)におけるフランジ部73および上縁部65の断面形状の少なくとも一方は、接触する相手方へ向かって膨出する円弧形状であることが好ましい。図8は、付属品5のフランジ部73と付属品配置部62の上縁部65との接触箇所を通る断面であって、必ずしも付属品5の管部72の中心を通らない。
【0080】
また、支持部43は、電気掃除機2と掃除機配置部61とが接触する箇所における電気掃除機2の材質、および付属品5と付属品配置部62とが接触する箇所における付属品5の材質と同様、またはより軟質な材質製であることが好ましい。電気掃除機2が掃除機配置部61に接触する箇所は、例えば延長管17であり、付属品5が付属品配置部62に接触する箇所は、例えばフランジ部73である。延長管17は、例えばアルミニウム合金製であり、付属品5のフランジ部73は、樹脂、例えばABS樹脂の成型品である。したがって、支持部43は、これらと同等。またはより軟質な材質製、例えばABS樹脂、ポリプロピレン(PP樹脂)、またはポリウレタン(ウレタン樹脂)の成型品であることが好ましい。
【0081】
以上のように、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、水平方向へ開放される、電気掃除機2を配置可能な掃除機配置部61と、水平方向へ開放される、付属品5を配置可能な付属品配置部62と、を有して支柱部42に設けられる支持部43を備えている。掃除機配置部61の開放端61oと付属品配置部62の開放端62oとは、横並びに配置されている。そのため、電気掃除装置1の使用者は、電気掃除機2および付属品5を収納具3の同じ方向から、本実施形態においては収納具3の正面から、起立したまま容易に手にすることができる。
【0082】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、開放端62oから閉鎖端62cへ向かって下り傾斜する上縁部65を有する付属品配置部62を備えている。そのため、電気掃除装置1は、付属品配置部62に収納される付属品5が付属品配置部62から脱落することを防ぐことができる。また、電気掃除装置1は、付属品配置部62に収納される付属品5の延伸方向を鉛直方向に近づけて付属品5の取り上げ易さを向上させる。
【0083】
さらに、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、相互の開放方向d1、d2のなす角度θが45度以下である掃除機配置部61および付属品配置部62を備えている。そのため、電気掃除装置1は、収納具3の幅方向へ支持部43が大きく拡大することを抑え、かつ掃除機配置部61の開放端61oと複数の付属品配置部62の開放端62oとを無理なく横並びに配列できる。
【0084】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、延長管17に接して電気掃除機2を収納姿勢で支える掃除機配置部61を備えている。そのため、電気掃除装置1は、電気掃除機2の手に取りやすさと付属品5の手に取りやすさとを両立できる。
【0085】
さらに、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、掃除機配置部61の開放方向において、掃除機配置部61の閉鎖端61cよりも掃除機配置部61の開放端62oに近い閉鎖端62cを有する付属品配置部62を備えている。そのため、電気掃除装置1は、電気掃除機2が収納具3に収容されていようがいまいが、付属品5を収納具3から容易に取り上げることができる。
【0086】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、支柱部42の頂部に配置される一体成型品の支持部43を備えている。そのため、電気掃除装置1は、電気掃除機2および付属品5を取り上げる際に、電気掃除機2および付属品5の相互の干渉のみに注意すれば良く、収納具3が電気掃除機2および付属品5を取り上げる行為を邪魔することはない。
【0087】
さらに、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、電気掃除機2と掃除機配置部61とが接触する箇所における電気掃除機2との材質、および付属品5と付属品配置部62とが接触する箇所における付属品5の材質と同等、またはより軟質な材質製の支持部43を備えている。そのため、電気掃除装置1は、収納にともなう電気掃除機2および付属品5のこすり傷やひっかき傷などの傷が付くことを防ぐことができる。
【0088】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、付属品配置部62の開口幅より小さい直径の管部72と、付属品配置部62の開口幅より大きい外径を有する環状のフランジ部73と、を有する付属品5を収納する。そのため、電気掃除装置1は、付属品5のごく限られた部位、つまりフランジ部73を引っ掛けるようにして収納することができる。
【0089】
さらに、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、付属品5を収納具3に収納した際に付属品5のフランジ部73を付属品配置部62の上縁部65に接触させる。そして、フランジ部73と付属品配置部62の上縁部65との接触箇所を通る断面におけるフランジ部73および上縁部65の断面形状の少なくとも一方は、接触する相手方へ向かって膨出する円弧形状であることが好ましい。そのような電気掃除装置1は、収納具3の付属品配置部62のごく限られた部位、つまり上縁部65に付属品5のごく限られた部位、つまりフランジ部73を引っ掛けるようにして収納することができる。そのような収納具3と付属品5との接触の関係は、付属品配置部62に収納される付属品5の延伸方向を鉛直方向に確実に近づけて付属品5の取り上げ易さを向上させる。
【0090】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、電気掃除機2に連結可能な継手構造を有する根元部71と、根元部71を電気掃除機2に連結し電動送風機13を運転すると負圧が作用する吸込口75と、を有する付属品5を収納する。付属品配置部62は、付属品5の吸込口75が根元部71より下方に位置する付属品収納姿勢で付属品5を支持する。そのような電気掃除装置1は、収納具3から取り上げた付属品5の上下をひっくり返すことなく、電気掃除機2の本体16の継手構造や延長管17の先端の継手構造に一連の連続動作で装着できて利便性に勝る。
【0091】
以上のように、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1は、収納具3に収納されている電気掃除機2の扱い易さ、および収納具3に収納されている付属品5の取り扱い易さの両方に優れて、高い利便性を有する。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1…電気掃除装置、2…電気掃除機、3…収納具、5…付属品、6…丸ブラシ、7…隙間ノズル、11…二次電池、12…電動機、13…電動送風機、15…把手、16…本体、17…延長管、18…吸込口体、21…本体ケース、21a…前部、21b…中央部、21c…後部、22…塵埃分離集塵部、23…本体制御部、25…吸込口、26…入力部、28…本体接続口、29…排気口、31…電池装着部、32…回転清掃体、33…電動機、41…基部、42…支柱部、43…支持部、51…上面、52…下支持部、53…溝部、55…中央膨出部、61…掃除機配置部、61o…開放端、61c…閉鎖端、62…付属品配置部、62o…開放端、62c…閉鎖端、65…上縁部、65a…上縁部の掃除機配置部に近い縁、65b…上縁部の掃除機配置部から遠い縁、66…上面部、71…根元部、72…管部、73…フランジ部、75…吸込口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負圧を発生させる電動送風機と、前記電動送風機を収容する本体と、前記電動送風機の吸込側に接続されて前記本体から延びる管と、を有する電気掃除機と、
前記管が前記本体より下方に位置する姿勢で前記電気掃除機を支えることが可能な収納具と、を備え、
前記収納具は、
設置場所に配置される基部と、
前記基部から上へ向かって延びる支柱部と、
前記支柱部に設けられて前記姿勢の前記電気掃除機、および前記電気掃除機の付属品を個別に支持可能な支持部と、を備え、
前記付属品は、前記電気掃除機に連結可能な継手構造を有する根元部と、前記根元部を前記電気掃除機に連結し前記電動送風機を運転すると前記負圧が作用する吸込口と、を有し、
前記支持部は、
水平方向へ開放される、前記電気掃除機を配置可能な掃除機配置部と、
水平方向へ開放される、前記付属品を配置可能な付属品配置部と、を有し、
前記掃除機配置部の開放端と前記付属品配置部の開放端とは、横並びに配置され
前記付属品配置部は、前記付属品の前記吸込口が前記根元部より下方に位置する付属品収納姿勢で前記付属品を引っ掛けるように支持し、かつ前記開放端を通じて前記付属品を開放方向へ取り外し可能に支持する電気掃除装置。
【請求項2】
前記付属品配置部は、前記開放端から閉鎖端へ向かって下り傾斜する上縁部を有する請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項3】
前記掃除機配置部の開放方向と前記付属品配置部の開放方向とがなす角度は、45度以下である請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項4】
前記掃除機配置部は、前記管に接して前記電気掃除機を前記姿勢で支える請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項5】
前記掃除機配置部の開放方向において、前記付属品配置部の閉鎖端は、前記掃除機配置部の閉鎖端よりも前記掃除機配置部の開放端に近い請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項6】
前記支持部は一体成型品であって前記支柱部の頂部に配置されている請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項7】
前記支持部は、前記電気掃除機と前記掃除機配置部とが接触する箇所における前記電気掃除機の材質、および前記付属品と前記付属品配置部とが接触する箇所における前記付属品の材質と同等、またはより軟質な材質製である請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項8】
前記付属品は、前記付属品配置部の開口幅より小さい直径の管部と、前記付属品配置部の開口幅より大きい外径を有する環状のフランジ部と、を有する請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項9】
前記付属品を前記収納具に収納した際に前記フランジ部は、前記付属品配置部の上縁部に接触し、
前記フランジ部と前記付属品配置部の上縁部との接触箇所を通る断面における前記フランジ部および前記上縁部の断面形状の少なくとも一方は、接触する相手方へ向かって膨出する円弧形状である請求項8に記載の電気掃除装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
付属品は、掃除機本体の接続口に連結可能な管状の部位を有している。付属品は、付属品の管状の部位がベース部材の凹部に嵌め込まれた状態で充電台に収納される。充電台に収納される付属品は、吸込口を上方へ向けている。付属品を使う場合には、使用者は、ベース部材の凹部から管状の部位を引き抜きようにして付属品をベース部材の上方へ向けて取り上げる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電気掃除装置は、負圧を発生させる電動送風機と、前記電動送風機を収容する本体と、前記電動送風機の吸込側に接続されて前記本体から延びる管と、を有する電気掃除機と、前記管が前記本体より下方に位置する姿勢で前記電気掃除機を支えることが可能な収納具と、を備えている。前記収納具は、設置場所に配置される基部と、前記基部から上へ向かって延びる支柱部と、前記支柱部に設けられて前記姿勢の前記電気掃除機、および前記電気掃除機の付属品を個別に支持可能な支持部と、を備えている。前記付属品は、前記電気掃除機に連結可能な継手構造を有する根元部と、前記根元部を前記電気掃除機に連結し前記電動送風機を運転すると前記負圧が作用する吸込口と、を有している。前記支持部は、水平方向へ開放される、前記電気掃除機を配置可能な掃除機配置部と、水平方向へ開放される、前記付属品を配置可能な付属品配置部と、を有し、前記掃除機配置部の開放端と前記付属品配置部の開放端とは、横並びに配置されている。前記付属品配置部は、前記付属品の前記吸込口が前記根元部より下方に位置する付属品収納姿勢で前記付属品を引っ掛けるように支持し、かつ前記開放端を通じて前記付属品を開放方向へ取り外し可能に支持する。