(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162749
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A63F5/04 661
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078613
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】深堀 早太
(72)【発明者】
【氏名】前原 正典
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 智明
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518CA03
2C518EA13
2C518EB16
2C518EC22
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】本発明の遊技機は、特典に関する演出画像を表示する表示手段13と、演出操作手段25と、演出の実行を制御する演出制御手段100と、を備え、演出制御手段100は、演出操作手段25の操作を促す所定の操作表示を表示手段13に表示させるとともに、演出操作手段25に対する操作を有効とする第1の演出と、第1の演出よりも特典に関する期待度が高い第2の演出と、の実行を制御し、第2の演出は、所定の操作表示が表示手段13に表示されていない状態での演出操作手段25に対する操作が有効である。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特典に関する演出画像を表示する表示手段と、
演出操作手段と、
演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作を促す所定の操作表示を前記表示手段に表示させるとともに、前記演出操作手段に対する操作を有効とする第1の演出と、
前記第1の演出よりも特典に関する期待度が高い第2の演出と、の実行を制御し、
前記第2の演出は、前記所定の操作表示が前記表示手段に表示されていない状態での前記演出操作手段に対する操作が有効である
遊技機。
【請求項2】
演出画像を表示する表示手段と、
演出操作手段と、
演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作を促す所定の操作表示を前記表示手段に表示させるとともに、前記演出操作手段に対する第1の回数の操作を有効とする第1の演出と、
前記演出操作手段に対する前記第1の回数よりも多い第2の回数の操作を有効とする第2の演出と、の実行を制御し、
前記第2の演出は、前記所定の操作表示が前記表示手段に表示されていない状態での前記演出操作手段に対する操作が有効である
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機においては、操作部の操作を促す表示がされ、遊技者が操作部を操作すると、所定の演出画像が表示されるようになっているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機では、遊技の興趣を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
特典に関する演出画像を表示する表示手段(例えば、液晶ディスプレイ13)と、
演出操作手段(例えば、演出ボタン25)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(例えば、演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作を促す所定の操作表示を前記表示手段に表示させるとともに、前記演出操作手段に対する操作を有効とする第1の演出と、
前記第1の演出よりも特典に関する期待度が高い第2の演出と、の実行を制御し、
前記第2の演出は、前記所定の操作表示が前記表示手段に表示されていない状態での前記演出操作手段に対する操作が有効である。
【0007】
本発明においては、第1の演出に比べて特典に関する期待度が高い第2の演出について、所定の操作表示が表示手段に表示されていない状態での演出操作手段に対する操作が可能となっている。そのため、特典に関する期待度の高い第2の演出について、遊技者のはやる気持ちに合わせて演出の迅速な進行を可能としたり、所定の操作表示が表示されていない状態での操作が可能であるという意外性と特典に関する期待度の高さとの相乗効果により特典に対する遊技者の期待感を向上させたりすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0008】
また、前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
演出画像を表示する表示手段(例えば、液晶ディスプレイ13)と、
演出操作手段(例えば、演出ボタン25)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(例えば、演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作を促す所定の操作表示を前記表示手段に表示させるとともに、前記演出操作手段に対する第1の回数の操作を有効とする第1の演出と、
前記演出操作手段に対する前記第1の回数よりも多い第2の回数の操作を有効とする第2の演出と、の実行を制御し、
前記第2の演出は、前記所定の操作表示が前記表示手段に表示されていない状態での前記演出操作手段に対する操作が有効である。
【0009】
本発明においては、第1の演出に比べて多くの回数の演出操作手段に対する操作が有効な第2の演出について、所定の操作表示が表示手段に表示されていない状態での演出操作手段に対する操作が可能となっている。そのため、遊技者は、操作表示を待つことなく演出操作手段に対する操作を連続的に行って、演出を迅速に進行させること等ができ、演出操作手段の操作に係る操作性を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
【
図3】同、受皿とキャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)は受皿とキャンセルシュートを近接させた状態を示し、(b)は受皿とキャンセルシュートを離間させた状態を示す。
【
図4】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)はキャンセルシュートを前方から見たもので、(b)はキャンセルシュートを後方から見たものである。
【
図5】同、ホッパーユニットを前方から見た図である。
【
図7】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)はキャンセルシュートを上方から見た図であり、(b)はキャンセルシュートを左側方から見た図である。
【
図8】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)はキャンセルシュートの前部材を透視した状態を示し、(b)はキャンセルシュートの後部材のみを示す。
【
図9】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第1仮想直線を示す。
【
図10】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第2仮想直線を示す。
【
図11】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第3仮想直線を示す。
【
図12】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第1仮想直線の一端を示す。
【
図13】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第1仮想直線の他端を示す。
【
図14】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
【
図18】同、リール支持部と電源ボックスとの関係について説明するための図であり、(a)は筐体を前方から見た図であり、(b)は(a)のC-C線に沿って切断した断面図である。
【
図19】同、電源ボックスおよびリール支持部を上方から見た図である。
【
図21】同、異物侵入防止部を備える放熱口について説明するための図である。
【
図22】同、筐体背面の孔と電源ボックスとリール支持部との関係の変形例について説明するための図である。
【
図23】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図25】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図26】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図27】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図28】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図29】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図30】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図32】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図33】同、特定ナビ演出について説明するための図である。
【
図34】同、液晶ディスプレイ上における第1の演出の態様を示す図である。
【
図35】同、液晶ディスプレイ上における第2の演出の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0013】
図1は、スロットマシン100を示す斜視図である。また、
図2は、スロットマシン100の筐体1の内部を示す斜視図である。このスロットマシン100は、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。なお、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっていてもよい。
【0014】
以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶことがある。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶことがある。筐体1は、木製、合成樹脂製、または金属製等となっている。また、筐体1の材料は1種類に限らず、例えば一部(天板2)が木製であり、その他(背板3、底板4および左右の側板5,6)が樹脂製となっていてもよい。また、例えば天板2が2種類の材料(樹脂と金属)で構成されていてもよい。
【0015】
筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分(上扉)と下側部分(下扉)とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシン100は、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能な、いわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。前扉20が、上扉と下扉とに分割されている場合、上扉および下扉はそれぞれ筐体1に対して開閉自在となっている。すなわち、上扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0016】
前扉20の上部側には、平板状のパネル21が設けられている。パネル21の背面(奥側)には演出装置としての表示装置(表示手段、液晶ディスプレイ)が設けられている。液晶ディスプレイには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。
【0017】
また、前扉20の中央部には、透明な表示窓(窓部)22が設けられている。表示窓22の奥には、3個のリール15a~15c(
図2参照)が横一列に設けられている。そして、表示窓22を介してリール15a~15cの一部が視認可能となっている。各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配列されており、リール15a~15cが停止すると、表示窓22を介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)が表示される。また、表示窓22には、リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、第1リール15aの中段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの中段と、によって有効ラインが構成されている。
【0018】
本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が「3」に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。3個のリール15a~15cが停止したときに、表示窓22を介して表示される図柄の組合せによって当選役が入賞したか否かが表示される。スロットマシン100では、遊技開始に伴ってリール15a~15cが回転を開始するとともに、内部抽選が実行され、当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。そして、リール15a~15cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0019】
前扉20には、演出(報知)等を行う演出装置としての照明装置(照明手段)24,25、スピーカ(音出力手段)等が設けられている。照明装置24は、前扉20のパネル21の上部側に設けられている。また、照明装置25,25は、前扉20の左右両端部に設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられ、遊技機の前面側の外形は凹凸を有するものとなっている。すなわち装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。
【0020】
スピーカ(図示せず)は、前扉20に複数設けられ、例えば上部および下部に設けられている。スピーカは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種演出用の音(音楽、BGM、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、液晶ディスプレイ、照明装置24,25およびスピーカの他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等が設けられていてもよい。
【0021】
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシン100を操作するための操作部30が設けられている。この操作部30には、メダル(遊技メダル、遊技媒体、遊技価値)を精算する際に操作される精算ボタン60、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32、3個のリール15a~15cのそれぞれの回転を停止させる際に操作されるストップボタン33(3個のストップボタン33a,33b,33c)、メダルを投入するためのメダル投入口34、メダル投入口34の下方で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン70、クレジットされたメダルをベット(投資)する際に操作される(最大の賭数を設定する際に操作される)MAXベットボタン35(ベットボタン)、等が設けられている。なお、ベットボタンとして、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン35(第1ベットボタン)の他に、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)が設けられていてもよい。また、前扉20には、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される演出ボタン36(演出操作部)が設けられている。
【0022】
また、操作部30には、遊技の演出等を選択する際に操作される操作盤57や、遊技情報が表示される表示ユニット58等が設けられている。操作盤57は操作部30の幅方向(左右方向)の略中央部に設けられており、表示ユニット58は、メダル投入口34の右側に設けられている。なお、操作盤57は、例えば、十字キー、決定ボタンおよびキャンセルボタン等を備えている。
【0023】
また、前扉20の下部には、スロットマシン100の内部よりメダルを排出する(送り出す)ための払出口50と、払出口50から排出された(払い出された)メダルを溜めておくことが可能な受皿38と、が設けられている。また、操作部30と受皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。この下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。なお、下パネル39は、押し込み可能に形成され、演出ボタンと同等の機能を有する演出操作部となっていてもよい。
【0024】
図2に示すように、筐体1の内部には、リールユニット14が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cや、リール15a~15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)等を備えている。なお、各リールは、各ステッピングモータの出力軸に固定されている。
【0025】
また、筐体1の内部における、底板4の上面には、各部品に電力を供給する電源ユニット(電源手段)10、メダルを貯蔵するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット(メダル払出装置11)11(払出装置)、メダル払出装置11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。なお、筐体1の内部(内側)に電源ユニット10等の部品が配置されたものを、裏箱ユニットと称してもよい。電源ユニット10は、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニット10から各部品に電力が供給される。なお、一部の部品には、電源ユニット10がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
【0026】
前扉20には、ドアキーシリンダ66が設けられており、ドアキーをドアキーシリンダ66に挿入して前扉20を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、前扉20の解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。
【0027】
スロットマシン100は、メダル投入口34にメダルが投入されると、規定枚数(規定投入数)を限度として、投入されたメダルが投入状態に設定される。また、スロットマシン100は、最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、メダルがクレジット記憶された状態でMAXベットボタン35が操作されると、規定枚数を限度として、クレジット記憶されたメダルが投入状態に設定される。
【0028】
スロットマシン100では、メダル投入口34を介してメダルが投入され、またはMAXベットボタン35が操作されて規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー32の操作が有効化され、遊技を開始することが可能な状態となる。また、有効化されたスタートレバー32が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リールが回転を開始し、各リールの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン33の操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン33が操作されると、操作されたストップボタン33に対応するリールの回転が停止する。すべてのリールが停止すると、遊技の結果に応じてメダルを払い出す処理やメダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0029】
スロットマシン100の内部には、主制御基板(主制御手段)と、副制御基板(副制御手段)と、が設けられている。副制御基板は、前扉20の背面側に設けられていてもよい。主制御基板は、MAXベットボタン35、スタートレバー32、ストップボタン33等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット14や、ホッパーユニット11等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号(情報)を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイおよびスピーカ等の各種演出装置の制御を行う。
【0030】
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0031】
主制御基板には、設定変更キーシリンダ(図示せず)や設定変更ボタン(図示せず)等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット10に設けられていてもよい。
【0032】
図1で示したように、前扉20の下部には、受皿38と、払出口50と、が設けられている。また、
図3(a)に示すように、受皿38の後方側にはキャンセルシュート40が設けられている。図示を省略するが、キャンセルシュート40の後方側(背面側)に、ホッパーユニット11(
図2)が配置されている。
【0033】
図3(b)は、受皿38とキャンセルシュート40を離間させた状態を示す図である。受皿38は、左右方向に長尺な略四角形状(略長方形状)の皿状に形成されている。受皿38は、底部381と、底部381を囲むように起立して形成された(立設された)縁部(壁部)382と、後方側の縁部382に形成された払出口50と、を主に備えている。なお、本実施形態では、受皿38は、メダル等を収容可能な凹状の収容部383を備えているが、収容部383は設けられていなくてもよい。換言すると、収容部383が設けられておらず、底部381がより大きく確保されていてもよい。
【0034】
縁部382は、払出口50から払い出されたメダルが受皿38からこぼれ落ちるのを防ぐ機能を有している。縁部382は、底部381の前側に設けられている前側縁部(前壁部382a)と、底部381の右側に設けられている右側縁部と、底部381の左側に設けられている左側縁部と、底部381の後ろ側に設けられている後側縁部と、からなっている。本実施形態では、前側縁部の高さ(底部381からの高さ)が最も低くなっているが、その高さは、メダルの直径以上の寸法となっている。
【0035】
キャンセルシュート40は、内側(内部)に空間を有するように形成されており、内側をメダルが通過可能となっている。キャンセルシュート40は、内部に侵入したメダルを受皿38に導くメダル通路(案内通路)として機能する。本実施形態では、キャンセルシュート40を「メダル通路」と言う場合がある。キャンセルシュート40は、複数の開口部(後述する)を備えている。換言すると、キャンセルシュート40は、メダルの入口部と出口部とを備えている。本実施形態では、キャンセルシュート40は、第1部材(前部材)と第2部材(後部材)とを前後から合わせて2部材で構成されているが、これに限らず1部材で構成されていてもよく、2部材以上の部材で構成されていてもよい。
【0036】
メダル通路(すなわちキャンセルシュート40)は、通路内でのメダル詰まりを防止する観点から、メダルをスムーズに流下(通過)可能に形成することが求められている。しかし、メダル詰まりを防止するため、メダル通路を、メダルのスムーズな流下を優先し過ぎた形状としてしまうと、後方に位置するホッパーユニット11等に対する不正行為を行いやすくなるという問題が生じる(不正対策性能が低下する)。また、不正対策性能を向上させるため、メダル通路の形状を複雑な形状とした場合には、メダルのスムーズな流下が実現されにくいものとなり、さらに、複雑な形状となる分、前扉20への他の部材の設置(配置)の妨げとなる(他の部材の設置スペースを圧迫する)という問題が生じる。
【0037】
本実施形態では、メダルのスムーズな流下の実現と、不正対策性能の向上と、他部材の設置の妨げの抑制と、をバランスよく達成(実現)することが可能なメダル通路の形状について説明する。
【0038】
(第2開口部402)
図3(b)に示すように、キャンセルシュート40の前方側下部には、前後方向に開口する第2開口部402(受皿側開口部)が設けられている。
図4(a)は、キャンセルシュート40を前方側から見た図である。第2開口部402は、前方から見て略四角形状となっている。
図3(a)に示すように、第2開口部402は、受皿38の払出口50と接している。なお、接しているとは、近接している場合と当接している場合とを含む。第2開口部402は、払出口50に対応(対向)する位置に設けられている。前後方向において、第2開口部402と払出口50とが重なるように形成されていると言うこともできる。第2開口部402は、キャンセルシュート40からのメダルの出口部となっている。
【0039】
キャンセルシュート40は、前後方向において、受皿38とメダル払出装置11(
図2)との間に設けられており、メダル払出装置11から送り出されたメダルを受皿38へ導くことが可能となっている(詳細は後述する)。
【0040】
図5は、メダル払出装置11(ホッパー)を前方側から見た図である。メダル払出装置11の前方側(前面側)には、メダル払い出し部111(払出部、発射口部)が設けられている。メダル払い出し部111は、メダルを通過させることが可能に形成されており、例えば、小役が入賞した場合や、クレジットされたメダルが存在する状態で精算ボタン60が押下された場合等に、メダル払い出し部111からメダルが送り出される(発射される)。メダル払い出し部111の開口は、略長方形状となっており、前方から見た場合に、斜め右下がりとなっている。
【0041】
メダル払い出し部111の周辺には周辺壁部112が設けられている。周辺壁部112は、メダル払出装置11の前面のうち、メダル払い出し部111の周辺の所定範囲の部分(壁部分)となっている。所定範囲とは、少なくとも、次に説明する第1開口部401(第1開口部401の開口面積)と対向する範囲を含む範囲(例えば、
図5における破線Qの内側の範囲)となっている。周辺壁部112は、前後方向に対して垂直または略垂直な面となっている。
【0042】
(第1開口部401)
図4(b)は、キャンセルシュート40を後方側(背面側)から見た図である。キャンセルシュート40の後方側には、前後方向に開口する第1開口部401(ホッパー側開口部)が設けられている。第1開口部401は、略長方形状となっており、後方から見た場合には左下がり(前方から見た場合には右下がり)となっている。第1開口部401は、前扉20を閉じた状態で、メダル払出装置11のメダル払い出し部111と接している。なお、接しているとは、近接している場合と当接している場合とを含む。
【0043】
前扉20を閉じた状態で、第1開口部401とメダル払い出し部111とは互いに向かい合った状態となる。開口の大きさは、第1開口部401の方が、メダル払い出し部111(の開口)よりも大きくなっている。第1開口部401は、メダル払い出し部111に対応(対向)する位置に設けられている。前後方向において、第1開口部401とメダル払い出し部111とが重なるように形成されていると言うこともできる。第1開口部401は、キャンセルシュート40へのメダルの入口部(第1の入口部)となっている。
【0044】
図6は、前扉20(下扉)を背面側から見た図である。前扉20におけるメダル投入口34(
図1)の下方には、メダルセレクタ(セレクタ)90が設けられている。メダルセレクタ90は、キャンセルシュート40よりも上方に設けられている。メダルセレクタ90は、メダル投入口34から投入されたメダルを選別する機能を有している。例えば、投入されたメダルが正規のメダルではない場合や、メダルの投入タイミングが適切なタイミングでない場合等に、メダルセレクタ90は、投入されたメダルを下方のキャンセルシュート40へ導く(下方のキャンセルシュート40に向けてメダルを落下させる)。
【0045】
(第3開口部403)
図7(a)は、キャンセルシュート40を上方から見た図である。キャンセルシュート40の上方側(上方の右側)には、第3開口部403(セレクタ側開口部)が設けられている。第3開口部403は、上下方向に開口している。第3開口部403は、メダルセレクタ90の下端部と接している。なお、接しているとは、近接している場合と当接している場合とを含む。第3開口部403は、略四角形状となっている。第3開口部403は、キャンセルシュート40へのメダルの入口部(第2の入口部)となっている。
【0046】
(各開口部の位置関係)
図7(b)は、キャンセルシュート40を左側から見た図(左側面図)である。第1開口部401と第2開口部402とは、上下方向において、異なる高さ(ずれた高さ)に設けられている。第1開口部401は、第2開口部402よりも上方に設けられている。
第3開口部403と第2開口部402とは、上下方向において、異なる高さに設けられている。第3開口部403は、第2開口部402よりも上方に設けられている。
第1開口部401と第3開口部403とは、上下方向において、異なる高さに設けられている。第3開口部403は、第1開口部401よりも上方に設けられている。
【0047】
メダル払出装置11のメダル払い出し部111から発射されたメダルは、第1開口部401を介してキャンセルシュート40(メダル通路)の内部に入る。そして、キャンセルシュート40は、第1開口部401から内部へ侵入したメダルを、前方へ導く(案内する)。第1開口部401からキャンセルシュート40の内部に入ったメダルは、キャンセルシュート40の内部を通過(流下、スライド)して進み、第2開口部402からキャンセルシュート40の外に出るようになっている。
【0048】
また、メダルセレクタ90から送り出された(メダルセレクタ90を通過した)メダルは、第3開口部403を介してキャンセルシュート40の内部に入る。そして、キャンセルシュート40は、第3開口部403から内部へ侵入したメダルを、下方へ導く(案内する)。第3開口部403からキャンセルシュート40の内部に入ったメダルは、キャンセルシュート40の内部を通過して進み、第2開口部402からキャンセルシュート40の外に出るようになっている。
【0049】
図8(a)は、キャンセルシュート40を前方から見た図であって、キャンセルシュート40の前方側を構成する部材を透視(透明化)したものである。第1開口部401と第2開口部402とは、左右方向において、異なる位置(ずれた位置)に設けられている。第1開口部401は、第2開口部402よりも左側に設けられている。また、第3開口部403と第2開口部402とは、左右方向において、異なる位置(ずれた位置)に設けられている。第3開口部403は、第2開口部402よりも右側に設けられている。また、第1開口部401と第3開口部403とは、左右方向において、異なる位置(ずれた位置)に設けられている。
【0050】
本実施形態では、第1開口部401の左端は、第2開口部402の左端よりも左側に位置しているが、第1開口部401の右端は、第2開口部402の左端と第2開口部402の右端との間に位置している。第1開口部401と第2開口部402とは、前方から見た場合における、左右方向のずれ量が比較的小さいが、上下方向(高さ方向)のずれ量が比較的大きいため、前方から見た場合に、重複する範囲(重なる部分)が存在していない。本実施形態では、第1開口部401と第2開口部402は、前方から見て重ならない位置に設けられている。
【0051】
第3開口部403の左端は、第2開口部402の右端よりも右側に設けられている。第3開口部403と第2開口部402とは、左右方向および上下方向(高さ方向)のずれ量が比較的大きく、前方から見た場合に重複する範囲(重なる部分)が存在しない。なお、第3開口部403と第2開口部402とは、開口方向(開口の向き)が異なっている。本実施形態では、第3開口部403と第2開口部402は、前方から見て重ならない位置に設けられている。
【0052】
第1開口部401と第3開口部403とは、左右方向および上下方向(高さ方向)のずれ量が比較的大きく、前方から見た場合に重複する範囲(重なる部分)が存在しない。なお、第1開口部401と第3開口部403とは、開口方向(開口の向き)が異なっている。本実施形態では、第1開口部401と第3開口部403は、前方から見て重ならない位置に設けられている。
【0053】
図8(b)は、キャンセルシュート40の後方側を構成する部材(のみ)を示す図である。キャンセルシュート40の内側の面(メダル通路を構成している面)には、第1傾斜面411と、第2傾斜面412と、第3傾斜面413と、が含まれる。
【0054】
第1傾斜面411は、左右方向において、右側ほど下方となるように傾斜する面(右下がりの傾斜面)となっている。第1傾斜面411は、第1開口部401から入ったメダルと接触し得るように形成されており、メダルが接触した場合には、そのメダルを右下(第2傾斜面412)に導く。
【0055】
第3傾斜面413は、左右方向において、左側に向かうほど下方となるように傾斜する面(左下がりの傾斜面)となっている。第3傾斜面413は、第3開口部403から入ったメダルと接触し得るように形成されており、メダルが接触した場合には、そのメダルを左下(第2傾斜面412)に導く。
【0056】
第2傾斜面412は、第1傾斜面411および第3傾斜面413よりも下方に設けられている。第2傾斜面412は、前後方向において、前側ほど下方となるように傾斜する面となっている。なお、本実施形態では、第2傾斜面412は、勾配(傾き)が異なる2つの斜面からなり、手前側の斜面の方が後方側の斜面よりも傾斜(水平面に対する傾斜)が大きくなっている。
【0057】
第2傾斜面412は、上方から落下してきたメダルと接触し得るように形成されており、接触したメダルを前方側(すなわち第2開口部402)へ導く。第2傾斜面412は、第2開口部402へ続くように形成されており、斜面を下って第2開口部402に到達したメダルは、第2開口部402から外(すなわち受皿38)へ排出される。
【0058】
ここで、第1開口部401から第2開口部402に至る(第1開口部401と第2開口部402を結ぶ)メダル通路を第1通路F1とし、第3開口部403から第2開口部402に至る(第3開口部403と第2開口部402とを結ぶ)メダル通路を第2通路F2とする。
【0059】
第1通路F1は、メダルが進む方向(進行方向)を変更させることが可能な形状を有している。第1通路F1は、少なくとも1つの曲がり部(屈曲部)を有していると言うこともできる。換言すると、第1通路F1は、クランク状となっている。
第2通路F2は、メダルが進む方向(進行方向)を変更させることが可能な形状を有している。第2通路F2は、少なくとも1つの曲がり部(屈曲部)を有していると言うこともできる。換言すると、第2通路F2は、クランク状となっている。
【0060】
第1開口部401から第2開口部402に至る第1通路F1は、矢印F1に示すように、後方から前方に進み、曲がり部(第1曲がり部)で曲がって右側(右下側)に進み、次の曲がり部(第2曲がり部)で曲がって前方側(前方下側)に進む通路となっている。
第1開口部401を介して後方から前方に発射されたメダルは、通路内の平面状の前面(
図12で符号Pを付した面)に衝突し得る。そして、メダルが衝突する前面には、メダル衝突による衝撃を緩和するための、金属板(緩衝部材)が配置されていてもよい。換言すると、メダル通路の(内面の)一部が金属板で形成されていてもよい。金属板を配置することで、メダルの衝突によって通路の内面が変形、破損等するのを防止できる。金属板は、例えば厚さ約0.4mmのステンレス鋼板であってもよい。なお、緩衝部材として金属板の代わりゴム(弾性体)を用いてもよい。
上記では、後方から前方に発射されたメダルが、通路内の平面状の前面に衝突するとしたが、これに限らず、当該メダルが通路内の曲面状の前面に衝突するようになっていてもよい。換言すると、当該前面が湾曲していてもよい。曲面状とは、例えば、前方に向かって凹となっている(窪んでいる)形状であってもよい。メダルが衝突する前面が曲面状となっている場合、平面状である場合に比べてメダル衝突による衝撃が緩和される。これにより、メダルを受皿38へ、よりスムーズに案内できる。
【0061】
第3開口部403から第2開口部402に至る第2通路F2は、矢印F2に示すように、上方から下方に進み、曲がり部(第3曲がり部)で曲がって左側(左下側)に進み、次の曲がり部(第2曲がり部)で曲がって前方側(前方下側)に進む通路となっている。
【0062】
また、第3開口部403から第1開口部401に至る通路を第3通路F3とする。図示を省略するが、第3通路F3は、第1通路F1および第2通路F2と同様に、少なくとも1つの曲がり部を有している。
【0063】
仮に、第1通路F1および第2通路F2が、メダルが進む方向を変更させることが可能な形状となっておらず、直線状である場合(曲がり部が設けられていない場合)、遊技者側から器具(棒状の部材)等を差し込み、不正(いたずら)を行うことが容易となる。本実施形態では、上述のとおり、第1通路F1および第2通路F2が、メダルが進む方向を変更させることが可能な形状となっているため(曲がり部を有しているため)、遊技者側からの器具(部材)等の差し込みが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。なお、不正対策性能を向上できるとは、器具等の差し込みにより部品が壊されるリスクが低減されていることを含む。
【0064】
ここで、
図9に示すように、第1開口部401と第2開口部402とを通過する(通る)仮想直線を第1仮想直線Xとする。本実施形態では、第1仮想直線Xを、メダル通路(第1通路F1)の内面と接触することなく引く(描出する)ことが可能となっている。換言すると、第1仮想直線Xは、メダル通路の内面に接触することなく描出することが可能な線である。さらに換言すると、第1開口部401と第2開口部402とを、メダル通路の内面と接触しない直線(第1仮想直線X)で結ぶことができる。
このような構成によれば、メダル通路(第1通路F1)は、メダル通路の内面と接触することなく第1仮想直線Xを引くことが可能な形状(直線状に連通する空間を有する形状)となっているため、メダルのスムーズな通過(払い出し)を実現できる。また、メダル通路(第1通路)を、第1仮想直線Xを引くことができないほどの複雑な形状とした場合に比べるとシンプルな形状である分、他部材の設置の妨げとなるのを防止できる。
【0065】
図10に示すように、第1開口部401と第3開口部403とを通過する(通る)仮想直線を第3仮想直線Zとする。本実施形態では、第3仮想直線Zを、メダル通路(第3通路F3)の内面と接触することなく引く(描出する)ことは不可能となっている。換言すると、第3仮想直線Zは、メダル通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。さらに換言すると、第1開口部401と第3開口部403とを、メダル通路の内面と接触しない直線(第3仮想直線Z)で結ぶことができない。第3仮想直線Zは、メダル通路の内面と接触する(当該直線上にメダル通路の内面が存在する)と言うこともできる。
このような構成によれば、メダル通路(第3通路F3)は、第3仮想直線Zを引くことができない形状となっているため、例えば、第3開口部403から器具(棒状の部材)等を差し込み、第1開口部401(メダル払い出し部111)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
また、第3仮想直線Zを引くことができない形状となっているので(直線状ではないため)、第3開口部403からキャンセルシュート40内に入ったメダルが、第1開口部401に向かって流下するという変則的な移動を防止できる。
【0066】
図11に示すように、第2開口部402と第3開口部403とを通過する(通る)仮想直線を第2仮想直線Yとする。本実施形態では、第2仮想直線Yを、メダル通路(第2通路F2)の内面と接触することなく引く(描出する)ことは不可能となっている。換言すると、第2仮想直線Yは、メダル通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。さらに換言すると、第2開口部402と第3開口部403とを、メダル通路の内面と接触しない直線(第2仮想直線Y)で結ぶことができない。第2仮想直線Yは、メダル通路の内面と接触する(当該直線上にメダル通路の内面が存在する)と言うこともできる。
このような構成によれば、メダル通路(第2通路F2)は、第2仮想直線Yを引くことができない形状となっているため、第2開口部402から器具(棒状の部材)等を差し込み、第3開口部403(メダルセレクタ90)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
【0067】
本実施形態では、第1通路F1の方が、第2通路F2よりもメダルが通過する頻度が高いものとなっている。第1通路F1は、不正対策を強化しつつ、メダルが高頻度で通過することを踏まえ、第1仮想直線Xを引くことができる形状とし、メダルのスムーズな通過を実現している。一方、第2通路F2は、メダルが通過する頻度が低い分、不正対策をより強化させ、第2仮想直線Yを引くことができない形状としている、と言える。
【0068】
図12に示すように、第1仮想直線Xにおける前方側(手前側)の端部を一端X1(一端部)とする。第1仮想直線Xは、一端X1が、受皿38の前側縁部(前壁部382a)に接触せず、受皿38の底部381に接触するように引くことが可能となっている。換言すると、第1仮想直線Xは、一端X1が、受皿38の前壁部382aに接触することなく、底部381に接触することが可能な線となっている。
このような構成によれば、一端X1が前壁部382aではなく底部381に接触するため、メダル通路を通過したメダルは、前壁部382aではなく底部381に接触する。これにより、メダルが前壁部382aを乗り越えて受皿38の外にこぼれ落ちるのをより確実に防止できる。
また、一端X1が前壁部382aに接触する場合よりも底部381に接触する場合の方(一旦X1がより奥側に位置している方)が、底部381が妨げとなるため、手前側から第1通路に器具(棒状の部材)等を差し込むことがより困難となる。これにより不正対策性能を向上させることができる。
【0069】
図13に示すように、第1仮想直線Xにおける後方側(奥側)の端部を他端X2(他端部)とする。第1仮想直線Xは、他端X2が、メダル払出装置11のメダル払い出し部111に接触せず、周辺壁部112(
図5)に接触するように引くことが可能となっている。換言すると、第1仮想直線Xは、他端X2が、メダル払出装置11のメダル払い出し部111に接触することなく、周辺壁部112に接触することが可能な線となっている。
このような構成によれば、他端X2がメダル払い出し部111ではなく周辺壁部112に接触するため、仮に第1通路F1に器具(棒状の部材)等が差し込まれた場合であっても、その先端がメダル払い出し部111に接触するのを(メダル払い出し部111にアクセスすることを)(その先端がメダル払い出し部111内に挿入されるのを)困難にすることができる。これにより、不正対策性能をさらに向上させることができる。
【0070】
(部材G)
ここで、所定の直径(例えば約5mm)を有し、かつ、所定の長さを有する棒状の部材を部材Gとする。所定の長さは、例えば、第3開口部403から第2開口部402までの直線距離よりも長い長さとする。
【0071】
前扉20が開いた状態で、背面側から第1開口部401に部材Gを差し込んだ場合、部材Gを第1通路F1に、第1通路F1の内面に接触することなく挿し通すことができ、第2開口部402から出た部材Gの先端は、受皿38の底部381に接触する。
また、前扉20が閉じた状態で、かつ受皿38が存在していない状態において、第2開口部402に部材Gを差し込んだ場合、部材Gを第1通路F1に、第1通路F1の内面に接触することなく挿し通すことができ、第1開口部401から出た部材Gの先端は、メダル払出装置11の周辺壁部112に接触する。なお、実際には受皿38の存在が妨げとなるため、手前側から第1通路F1に部材Gを差し込むことは困難である。
【0072】
また、前扉20が開いた状態で、背面側の第3開口部403に部材Gを差し込んだ場合、部材Gの先端を、第2開口部402から出すことはできない。換言すると、部材Gを第2通路F2に挿し通すことはできない。
また、前扉20が閉じた状態で、かつ受皿38が存在していない状態において、第2開口部402に部材Gを差し込んだ場合、部材Gの先端を、第3開口部403から出すことはできない。換言すると、部材Gを第2通路F2に挿し通すことはできない。
また、前扉20が開いた状態で、背面側の第3開口部403に部材Gを差し込んだ場合、部材Gの先端を、第1開口部401から出すことはできない。換言すると、部材Gを第3通路F3に挿し通すことはできない。
【0073】
本実施形態では、前扉20が開いた状態で、第1開口部401(ホッパー側開口部)から第2開口部402(受皿側開口部)を視認しようとした場合(覗き込んだ場合)、受皿38の底部381を視認可能であり、受皿38の前壁部382aを視認可能であるが、前壁部382aの上端までは視認不能となっている。また、前扉20が開いた状態で、第1開口部401(ホッパー側開口部)から第2開口部402(受皿側開口部)を視認しようとした場合に、受皿38の底部381を視認可能であるが、前壁部382aは視認不能となっていてもよい。これにより、遊技価値のスムーズな通過を実現できる。
なお、変形例として、前扉20が開いた状態で、第1開口部401(ホッパー側開口部)から第2開口部402(受皿側開口部)を視認しようとした場合に、受皿38の底部381も前壁部382aも視認不能となっていてもよい。
【0074】
本実施形態の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、前扉(例えば前扉20)と、を備える遊技機であって、
前記筐体は、ホッパー(例えばホッパーユニット11)を備え、
前記前扉は、受皿(例えば受皿38)と、案内通路(例えばキャンセルシュート40)と、を備え、
前記ホッパーは、遊技価値が発射される発射口部(例えばメダル払い出し部111)と、前記発射口部の周辺壁部(例えば周辺壁部112)と、を備え、
前記受皿は、底部(例えば底部381)と、前記底部の前側に設けられた前壁部(例えば前壁部382a)と、を備え、
前記案内通路は、ホッパー側開口部(例えば第1開口部401)と、受皿側開口部(例えば第2開口部402)と、を備え、
前記ホッパー側開口部から前記受皿側開口部に至る通路を第1通路(例えば第1通路F1)とすると、
前記第1通路は、前記発射口部から発射された遊技価値を前記受皿に案内可能であり、
前記第1通路は、遊技価値が進む方向を変更させることが可能な形状を有しており、
前記ホッパー側開口部と前記受皿側開口部とを通る仮想直線を第1仮想直線(例えば第1仮想直線X)とすると、
前記第1仮想直線は、前記第1通路の内面に接触することなく描出することが可能な線である。
このような構成によれば、第1通路が、遊技価値が進む方向を変更させることが可能な形状となっているため、遊技者側からの器具等の差し込みが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。換言すると、器具等の差し込みにより部品が破損するリスクを低減できる。
また、第1通路は、第1仮想直線を第1通路の内面に接触することなく描出可能となっている。これにより、遊技価値のスムーズな通過を実現できる。また、第1通路は、第1仮想直線を描出できないほど複雑な形状とした場合に比べるとシンプルな形状となっている。これにより、他部材の設置の妨げとなるのを防止できる。
【0075】
また、本実施形態の遊技機において、
前記第1仮想直線は、一端(例えば一端X1)が前記底部に接触し、他端(例えば他端X2)が前記周辺壁部に接触するように描出することが可能な線である。
このような構成によれば、案内通路を通過した遊技価値は、前壁部ではなく底部に接触する。これにより、遊技価値が前壁部を乗り越えて受皿の外にこぼれ落ちるのをより確実に防止できる。また、底部が妨げとなるため、手前側から第1通路に器具等を差し込むことがより困難となる。これにより、不正対策性能をより向上させることができる。
また、仮に第1通路に器具等が差し込まれた場合であっても、その先端は発射口部ではなく周辺壁部に接触する。このため、当該先端が発射口部に接触するのを(発射口部にアクセスすることを)(当該先端が発射口部内に挿入されるのを)困難にすることができる。これにより、不正対策性能をさらに向上させることができる。
【0076】
また、本実施形態の遊技機は、
前記前扉は、セレクタ(例えばメダルセレクタ90)をさらに備え、
前記案内通路は、セレクタ側開口部(例えば第3開口部403)をさらに備え、
前記セレクタ側開口部から前記受皿側開口部に至る通路を第2通路(例えば第2通路F2)とすると、
前記第2通路は、前記セレクタから送られた遊技価値を前記受皿に案内可能であり、
前記第2通路は、遊技価値が進む方向を変更させることが可能な形状を有しており、
前記受皿側開口部と前記セレクタ側開口部とを通る仮想直線を第2仮想直線(例えば第2仮想直線Y)とすると、
前記第2仮想直線は、前記第2通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。
このような構成によれば、第2通路は、第2仮想直線を第2通路の内面に接触することなく描出不可能となっている。このため、受皿側開口部から器具等を差し込み、セレクタ側開口部(セレクタ)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態の遊技機において、
前記セレクタ側開口部から前記ホッパー側開口部に至る通路を第3通路(例えば第3通路F3)とし、
前記セレクタ側開口部と前記ホッパー側開口部とを通る仮想直線を第3仮想直線(例えば第3仮想直線Z)とすると、
前記第3仮想直線は、前記第3通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。
このような構成によれば、第3通路は、第3仮想直線を第3通路の内面に接触することなく描出不可能となっている。このため、例えば、セレクタ側開口部から器具等を差し込み、ホッパー側開口部(発射口部)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
また、第3通路は、第3仮想直線を描出できない形状となっているので(直線状ではないため)、セレクタ側開口部から案内通路内に入った遊技価値が、ホッパー側開口部に向かって流下するという変則的な移動を防止できる。
【0078】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0079】
図14は、スロットマシン100を示す斜視図である。また、
図15は、スロットマシン100の筐体1の内部を示す斜視図である。このスロットマシン100は、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。なお、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっていてもよい。
【0080】
以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶことがある。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶことがある。筐体1は、木製、合成樹脂製、または金属製等となっている。また、筐体1の材料は1種類に限らず、例えば一部(天板2)が木製であり、その他(背板3、底板4および左右の側板5,6)が樹脂製となっていてもよい。また、例えば天板2が2種類の材料(樹脂と金属)で構成されていてもよい。
【0081】
筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分(上扉)と下側部分(下扉)とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシン100は、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能な、いわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。前扉20が、上扉と下扉とに分割されている場合、上扉および下扉はそれぞれ筐体1に対して開閉自在となっている。すなわち、上扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0082】
前扉20の上部側には、平板状のパネル21が設けられている。パネル21の背面(奥側)には演出装置としての表示装置(表示手段、液晶ディスプレイ)が設けられている。液晶ディスプレイには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。
【0083】
また、前扉20の中央部には、透明な表示窓(窓部)22が設けられている。表示窓22の奥には、3個のリール15a~15c(
図15参照)が横一列に設けられている。そして、表示窓22を介してリール15a~15cの一部が視認可能となっている。各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配列されており、リール15a~15cが停止すると、表示窓22を介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)が表示される。また、表示窓22には、リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、第1リール15aの中段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの中段と、によって有効ラインが構成されている。
【0084】
本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が「3」に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。3個のリール15a~15cが停止したときに、表示窓22を介して表示される図柄の組合せによって当選役が入賞したか否かが表示される。スロットマシン100では、遊技開始に伴ってリール15a~15cが回転を開始するとともに、内部抽選が実行され、当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。そして、リール15a~15cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0085】
前扉20には、演出(報知)等を行う演出装置としての照明装置(照明手段)24,25、スピーカ(音出力手段)等が設けられている。照明装置24は、前扉20のパネル21の上部側に設けられている。また、照明装置25,25は、前扉20の左右両端部に設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられ、遊技機の前面側の外形は凹凸を有するものとなっている。すなわち装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。
【0086】
スピーカ(図示せず)は、前扉20に複数設けられ、例えば上部および下部に設けられている。スピーカは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種演出用の音(音楽、BGM、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、液晶ディスプレイ、照明装置24,25およびスピーカの他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等が設けられていてもよい。
【0087】
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシン100を操作するための操作部30が設けられている。この操作部30には、メダル(遊技メダル、遊技媒体、遊技価値)を精算する際に操作される精算ボタン60、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32、3個のリール15a~15cのそれぞれの回転を停止させる際に操作されるストップボタン33(3個のストップボタン33a,33b,33c)、メダルを投入するためのメダル投入口34、メダル投入口34の下方で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン70、クレジットされたメダルをベット(投資)する際に操作される(最大の賭数を設定する際に操作される)MAXベットボタン35(ベットボタン)、等が設けられている。なお、ベットボタンとして、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン35(第1ベットボタン)の他に、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)が設けられていてもよい。また、前扉20には、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される演出ボタン36(演出操作部)が設けられている。
【0088】
また、操作部30には、遊技の演出等を選択する際に操作される操作盤57や、遊技情報が表示される表示ユニット58等が設けられている。操作盤57は操作部30の幅方向(左右方向)の略中央部に設けられており、表示ユニット58は、メダル投入口34の右側に設けられている。なお、操作盤57は、例えば、十字キー、決定ボタンおよびキャンセルボタン等を備えている。
【0089】
また、前扉20の下部には、スロットマシン100の内部よりメダルを排出する(送り出す)ための払出口50と、払出口50から排出された(払い出された)メダルを溜めておくことが可能な受皿38と、が設けられている。また、操作部30と受皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。この下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。なお、下パネル39は、押し込み可能に形成され、演出ボタンと同等の機能を有する演出操作部となっていてもよい。
【0090】
図15に示すように、筐体1の内部には、リールユニット14が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cや、リール15a~15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)等を備えている。なお、各リールは、各ステッピングモータの出力軸に固定されている。
【0091】
また、筐体1の内部における、底板4の上面には、各部品に電力を供給する電源ユニット(電源手段)10、メダルを貯蔵するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット(メダル払出装置11)11(払出装置)、メダル払出装置11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。なお、筐体1の内部(内側)に電源ユニット10等の部品が配置されたものを、裏箱ユニットと称してもよい。電源ユニット10は、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニット10から各部品に電力が供給される。なお、一部の部品には、電源ユニット10がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
【0092】
前扉20には、ドアキーシリンダ66が設けられており、ドアキーをドアキーシリンダ66に挿入して前扉20を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、前扉20の解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。
【0093】
スロットマシン100は、メダル投入口34にメダルが投入されると、規定枚数(規定投入数)を限度として、投入されたメダルが投入状態に設定される。また、スロットマシン100は、最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、メダルがクレジット記憶された状態でMAXベットボタン35が操作されると、規定枚数を限度として、クレジット記憶されたメダルが投入状態に設定される。
【0094】
スロットマシン100では、メダル投入口34を介してメダルが投入され、またはMAXベットボタン35が操作されて規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー32の操作が有効化され、遊技を開始することが可能な状態となる。また、有効化されたスタートレバー32が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リールが回転を開始し、各リールの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン33の操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン33が操作されると、操作されたストップボタン33に対応するリールの回転が停止する。すべてのリールが停止すると、遊技の結果に応じてメダルを払い出す処理やメダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0095】
スロットマシン100の内部には、主制御基板(主制御手段)と、副制御基板(副制御手段)と、が設けられている。副制御基板は、前扉20の背面側に設けられていてもよい。主制御基板は、MAXベットボタン35、スタートレバー32、ストップボタン33等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット14や、ホッパーユニット11等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号(情報)を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイおよびスピーカ等の各種演出装置の制御を行う。
【0096】
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0097】
主制御基板には、設定変更キーシリンダ(図示せず)や設定変更ボタン(図示せず)等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット10に設けられていてもよい。
【0098】
図15に示すように、電源ユニット10は、筐体1内部の下方における左奥側(側板5側)に設けられている。電源ユニット10は直方体箱状に形成されており、幅方向(左右方向)よりも奥行き方向(前後方向)が長くなっている。以下、電源ユニット10の上面を天面10aと言う。
【0099】
図16は、電源ユニット10の斜視図である。電源ユニット10は、複数の部品が配置された電源基板(図示せず)、電源基板を覆う電源ケース91、電源(電源基板)のONまたはOFFを切り替え可能な電源スイッチ(図示せず)、電源スイッチを覆い開閉可能に設けられた電源スイッチカバー92、前面パネル93、コネクタ94等を備えている。なお、本実施形態では、コネクタ94として、第1コネクタ94aと第2コネクタ94bとが設けられている。電源基板を備える電源ユニット10は、基板ユニットと言うことができる。電源ユニット10には、電源ケーブル(図示せず)が接続されており、電源ケーブルは、商用電源(AC100V)を供給するコンセントに接続される。電源基板は、遊技機の外部から電源ケーブルを介して送られる電力から直流電源(例えば、5V、12V、24V等)を作り、遊技機の各部品に電力を供給する。
【0100】
本実施形態では、電源ケース91は金属で形成されている。電源ケース91の天面10aには、複数の放熱口95(放熱孔)が、所定の間隔をあけて設けられている。本実施形態では、放熱口95は、前後方向に長尺な長孔(長穴)となっている。なお、放熱口95の形状は、略長方形状であってもよく、略楕円形状であってもよい。また、放熱口95は、前後方向に長尺な開口ではなく、左右方向に長尺な開口であってもよい。
【0101】
放熱口95は、電源ユニット10の内部で発生した熱を逃がすため(放熱効果を実現するため)に設けられている。したがって、放熱口95を多く設けるほど、放熱効果を高くすることができる。また、放熱口95は、電源ユニット10の側面に設けるよりも電源ユニット10の天面10aに設けた方が放熱効率を高めることができる。
【0102】
また、電源ユニット10の天面10aには、コネクタ94を露出させるための開口が設けられており、当該開口からコネクタ94が露出している。図示を省略しているが、コネクタ94には、相手側コネクタが接続されている。
【0103】
図15に示すように、筐体1内部であって上下方向における略中央部には、板状のリール支持部13(センターベース、中板、板金部材)が設けられている。リール支持部13は、ねじ締め等により筐体1の内面(側板の内側の面)に固定されている。リール支持部13には、リールユニット14が配置(載置)されている。換言すると、リール支持部13は、リールユニット14を支持している。リール支持部13は、例えば、金属で形成されている。
【0104】
図17は、リール支持部13(支持部)を示す図である。リール支持部13は、少なくとも一部がくり抜かれている(肉抜きされている)。換言すると、リール支持部13には、上下方向に貫通する、くり抜き部が少なくとも1つ設けられている。くり抜き部とは、孔(貫通孔)であってもよく、切り欠きであってもよい。剛性を確保しつつ、くり抜き部を設けることで、リール支持部13の軽量化、低コスト化を実現できる。
【0105】
本実施形態では、電源ユニット10(の天面10a)の上方に、少なくとも1つのくり抜き部が設けられている。換言すると、リール支持部13における所定のくり抜き部の下方に、電源ユニット10(天面10a)が配置されている。リール支持部13における、電源ユニット10の天面10aと対向する範囲を特定範囲とすると、特定範囲に、少なくとも1つのくり抜き部が設けられている。
【0106】
図17における破線は、天面10aを所定の距離だけ上方に移動させたもので、本実施形態では、電源ユニット10(の天面10a)の上方に、くり抜き部131、くり抜き部132、くり抜き部133およびくり抜き部134の4つのくり抜き部が設けられている。くり抜き部131およびくり抜き部132は、長方形状の切り欠きである。くり抜き部133およびくり抜き部134は、円形状の貫通孔である。
【0107】
くり抜き部133およびくり抜き部134が挿通部材を有さないくり抜き部であるのに対し、くり抜き部131およびくり抜き部132は、挿通部材を有するくり抜き部となっている。以下、具体的に説明する。
図18(b)は、
図18(a)のC-C線に沿って切断した状態を示す断面図である。
【0108】
(くり抜き部131)
くり抜き部131は、リール支持部13における左端側に形成されている。
図15に示すように、筐体1の側面(両側面)には把手200が設けられている。本実施形態では、上下方向(高さ方向)において、把手200とリール支持部13とが略同じ高さに設けられている(
図18(a)参照)。
図18(b)に示すように、把手200は、筐体1の内側に向かって所定の長さ膨出しており、その部分がくり抜き部131に収まるようになっている。換言すると、くり抜き部131には、挿通部材としての把手200が(上下方向に)挿通されている。くり抜き部131は、挿通部材(遮蔽部材)によって塞がれている(他部材が介在している)。くり抜き部131が設けられていることで、リール支持部13と把手200との干渉が回避されている。なお、本実施形態において、挿通部材とは、孔(切り欠き)を貫くように通されている部材を指す。
【0109】
(くり抜き部132)
くり抜き部132は、リール支持部13における後端の左側(隅部)に形成されている。図示を省略(簡略)しているが、くり抜き部132には、挿通部材としてのハーネス(ハーネス群)が(上下方向に)挿通されている。くり抜き部132は、挿通部材(遮蔽部材)によって塞がれている(他部材が介在している)。くり抜き部132が設けられていることで、電源ユニット10から延びるハーネスを上方に導くことが可能となっている。当該ハーネスには、リールユニット14に接続されるものや、主制御基板に接続されるもの等がある。
【0110】
(くり抜き部133およびくり抜き部134)
くり抜き部133およびくり抜き部134には、部材が挿通されていない。換言すると、くり抜き部133およびくり抜き部134は、挿通部材(遮蔽部材)によって塞がれていない。くり抜き部133およびくり抜き部134は、部材を挿し通すために設けられた孔ではない。
【0111】
以下、挿通部材を有さないくり抜き部133およびくり抜き部134を第1くり抜き部135(貫通くり抜き部)とし、挿通部材を有するくり抜き部131およびくり抜き部132を第2くり抜き部136(非貫通くり抜き部)とする。なお、第1くり抜き部135および第2くり抜き部136を構成するくり抜き部の数は、これに限るものではない。
【0112】
例えば、筐体1を遊技場の島設備に取り付ける作業等を行う場合に、筐体1の内部においてネジや鉄粉等が下方に落下する可能性がある。仮に、リール支持部13のくり抜き部の下方(鉛直下方)に電源ユニット10の放熱口95が設けられている場合、ネジや鉄粉等の異物(落下物)がくり抜き部を通過し、さらに放熱口95を通過して、電源ユニット10の内部に侵入し、電源ユニット10が破損等する可能性がある。
【0113】
図19は、電源ユニット10の天面10aとリール支持部13との位置関係を説明するための図(上方から見た図)であり、リール支持部13を透視している。
本実施形態では、(1)第1くり抜き部135の下方に、放熱口95が設けられていない。換言すると、上方(上下方向)から見て、挿通部材を有さないくり抜き部と放熱口95とは、重ならない位置に設けられている。このため、上方から異物が落下し、その異物が第1くり抜き部135を通過した場合であっても、その異物がさらに放熱口95を通過することはない。(2)一方、第2くり抜き部136の下方には、放熱口95が設けられている。換言すると、上方(上下方向)から見て、挿通部材を有するくり抜き部と放熱口95とは、重なる位置に設けられている。上方から異物が落下した場合であっても第2くり抜き部136には挿通部材が存在するため、当該異物がくり抜き部を通過する可能性が低い。このため、挿通部材を有する第2くり抜き部136の下方に放熱口95を設けることで、電源ユニット10の放熱効率を向上させることができる。
【0114】
本実施形態の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
上方から見て、前記第1くり抜き部と前記放熱口とが、重ならない位置に設けられている。
【0115】
ネジや鉄粉等の異物が上方から落下した場合であっても、当該異物が、挿通部材が存在しない第1くり抜き部を通過し、さらに放熱口を通過して、基板ユニットの内部に侵入するのを防ぐことができる。これにより、基板ユニット(部品)の破損を抑制することができる。
【0116】
また、本実施形態の遊技機において、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在する第2くり抜き部(例えば第2くり抜き部136)があり、
前記第2くり抜き部の下方には、前記放熱口が設けられている。
【0117】
第2くり抜き部は、挿通部材が存在するため異物の通過が困難である。そこで、第2くり抜き部の下方には放熱口を設けることで、放熱口の数を増やし、放熱効率を向上させることができる。これにより、基板ユニット内部が高温になることによる部品(電子部品等)の破損を抑制できる。
【0118】
図19に示すように、電源ユニット10の天面10aには、上下方向において、リール支持部13のくり抜き部と重なる、第1範囲Aと、第2範囲Bと、がある。第1範囲Aは、第1くり抜き部135と重なる(対向する)範囲である。第2範囲Bは、第2くり抜き部136と重なる(対向する)範囲である。第1範囲Aの上方には、異物(ごみ)の侵入を防止する部材(挿通部材、異物侵入防止部材、遮蔽部材)が設けられていないが、第2範囲Bの上方には、異物侵入防止部材が設けられる。異物侵入防止部材としては、例えば、把手200、ハーネス、その他の部材等がある。第1範囲Aには、放熱口95が設けられていない。一方、第2範囲Bには、放熱口95が設けられている。
【0119】
本実施形態の遊技機において、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)と、挿通される部材が存在する第2くり抜き部(例えば第2くり抜き部136)と、があり、
前記天面には、前記第1くり抜き部と対向する第1範囲(例えば第1範囲A)と、前記第2くり抜き部と対向する第2範囲(例えば第2範囲B)と、があり、
前記第1範囲の上方には、異物侵入防止部材が設けられていないが、前記第2範囲の上方には、異物侵入防止部材が設けられており、
前記第1範囲には、前記放熱口が設けられていないが、前記第2範囲には、前記放熱口が設けられている。
上方に異物侵入防止部材が存在し、異物が落下する可能性が低い第2範囲には放熱口を設けることで、基板ユニットの放熱効率を向上させることができる。
【0120】
図20に示すように、筐体1の背板3には、前後方向に貫通する貫通孔3a(孔3a)が設けられている。この貫通孔3aは、リール支持部13よりも上方に設けられている。貫通孔3aは、放熱を目的とする孔であってもよく、ケーブル(電源ケーブル)を挿通させるための孔であってもよい。
【0121】
図20に示すように、第1くり抜き部135を通過し、上下方向に引いた直線(底面に垂直な直線)を第1仮想直線Xとする。また、放熱口95を通過し、上下方向に引いた直線を第2仮想直線Yとする。前方から見て、貫通孔3aは第1仮想直線X上に位置(存在)している。一方、前方から見て、貫通孔3aは第2仮想直線Y上に位置(存在)していない。貫通孔3aと放熱口95とは、奥行き方向(紙面前後方向)においてずれた位置に設けられており、さらに、左右方向においてもずれた位置に設けられている。
【0122】
本実施形態の遊技機において、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記孔は、前記支持部よりも上方に設けられており、
前記第1くり抜き部を通過し、上下方向に引いた直線を第1仮想直線(例えば第1仮想直線X)とし、
前記放熱口を通過し、上下方向に引いた直線を第2仮想直線(例えば第2仮想直線Y)とすると、
前記筐体を前方から見た場合に、前記孔は、前記第1仮想直線上に位置しているが、前記第2仮想直線上には位置していない。
筐体背面の孔から筐体の内部に異物が侵入し、その異物がまっすぐ(直線上に)落下した場合に、その異物が第1くり抜き部を通過する可能性がある。そこで、当該孔と放熱口の位置(左右方向の位置)をずらすことで、筐体外部からの異物が第1くり抜き部を通過して放熱口に侵入するのを防止できる。これにより、基板ユニットが破損するのをより抑制できる。
【0123】
(変形例1)
上方から見て、第1くり抜き部135と、放熱口95の一部とが、重なる位置に設けられていてもよい。その場合、少なくとも当該一部の放熱口95は、次のように構成されていることが好ましい。
図21に示すように、放熱口95は、異物侵入防止部96を備えている。異物侵入防止部96は、例えば、屋根状(ドーム状、蓋状)に形成され、開口の上方(上側)を覆いつつ、空気を外側(後方側)に通過させることが可能となっている。異物侵入防止部96は、上方から落下してきた異物の侵入を防止する機能を有する。なお、異物侵入防止部96は、断面L字状に形成されていてもよい。また、異物侵入防止部91は、天面10aと一体に設けられていてもよく、別体(着脱可能)として設けられていてもよい。
【0124】
本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
上方から見て、前記第1くり抜き部と前記放熱口の一部とが重なる位置に設けられているが、前記放熱口には、開口の上方側を覆う形状(例えば異物侵入防止部96)が設けられている。
【0125】
(変形例2)
図20では、下から上に向かって、放熱口95、第1くり抜き部135、孔3a、の順に高い位置となるように設けられている。このとき、放熱口95、第1くり抜き部135および孔3aが、前方から見て、第2仮想直線Y上に配置されるように設けられていてもよい(すなわち一直線上に位置するように設けられていてもよい)。その場合、放熱口95と第1くり抜き部135との間に異物侵入防止部材150が設けられていることが好ましい。換言すると、放熱口95と第1くり抜き部135との間に異物侵入防止部材150が介在(存在)していることが好ましい。異物侵入防止部材150は、放熱口95の開口の上方側を覆う部材であればよく、例えば、板状のカバー部材等であってもよい。
【0126】
本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記孔は、前記支持部よりも上方に設けられており、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
前方から見た場合に、上下方向に引いた仮想直線上に、前記放熱口と前記第1くり抜き部と前記孔とが位置しているが、前記放熱口と前記第1くり抜き部との間に、前記放熱口の開口を覆う部材(例えば異物侵入防止部材150)が設けられている。
筐体背面の孔から筐体の内部に異物が侵入し、その異物がまっすぐ(直線上に)落下し、第1くり抜き部を通過した場合であっても、その異物が放熱口を通過するのを抑制できる。これにより、基板ユニットが破損するのを抑制できる。
【0127】
なお、異物侵入防止部材150の代わりに、上述の異物侵入防止部96が設けられていてもよい。「放熱口95の開口の上方側に、前記開口を覆う部材が設けられている」とは、異物侵入防止部96であってもよく、異物侵入防止部材150であってもよい。
換言すると、本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記孔は、前記支持部よりも上方に設けられており、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
前方から見た場合に、上下方向に引いた仮想直線上に、前記放熱口と前記第1くり抜き部と前記孔とが位置しているが、前記放熱口の開口の上方側に、前記開口を覆う部材(例えば異物侵入防止部96、異物侵入防止部材150)が設けられている。
【0128】
(変形例3)
変形例2では、孔3aが、リール支持部13(第1くり抜き部135)よりも上方に設けられているとしたが、本変形例では、孔3aがリール支持部13(第1くり抜き部135)よりも下方に設けられている。なお、リール支持部13よりも下方とは、少なくとも孔3aの一部(下端)がリール支持部13よりも下方に位置していればよい。孔3aは、電源ユニット10の天面10a(放熱口95)よりも上方に設けられている。
本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記孔は、前記支持部よりも下方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
前方から見た場合に、上下方向に引いた仮想直線上に、前記放熱口と前記孔と前記第1くり抜き部とが位置しているが、前記放熱口には、開口の上方側を覆う形状(例えば異物侵入防止部96)が設けられている。
筐体背面の孔から筐体の内部に異物が侵入し、その異物がまっすぐ(直線上に)落下した場合であっても、その異物が放熱口を通過するのを抑制できる。これにより、基板ユニットが破損するのを抑制できる。
【0129】
(変形例4)
図22は、電源ユニット10の天面10aと、リール支持部13と、筐体1の背板3に形成された孔3aと、の位置関係について説明するための図(上方から見た図)であり、リール支持部13を透視している。
電源ユニット10の天面10aについて、リール支持部13と対向する領域を第1領域Lとし、リール支持部13と対向しない領域を第2領域Mとする。換言すると、電源ユニット10の天面10aには、上方から見て、リール支持部13と重なる第1領域Lと、リール支持部13と重ならない第2領域Mと、が存在する。第2領域Mの方が、第1領域Lよりも孔3aまでの距離が小さくなっている。第1領域Lには、複数の放熱口95が設けられているが、第2領域Mには、放熱口95が設けられていない。
【0130】
また、前方から見た場合に、上下方向に引いた仮想直線上に、電源ユニット10と孔3aの少なくとも一部とが存在する位置関係となっている。本変形例では、変形例3と同様に、孔3aの高さ(上下方向の位置)がリール支持部13よりも下方となっているものとするが、孔3aは、リール支持部13と同じ(または略同じ)高さであってもよく、リール支持部13よりも上方に設けられていてもよい。第1領域Lに設けられている放熱口95には、上述の異物侵入防止部96が設けられている。なお、異物侵入防止部96の代わりに、異物侵入防止部材150が設けられていてもよい。「放熱口95の開口の上方側に、前記開口を覆う部材が設けられている」とは、異物侵入防止部96であってもよく、異物侵入防止部材150であってもよい。
【0131】
本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前方から見た場合に、前記基板ユニットと前記孔の少なくとも一部とが、上下方向に引いた仮想直線上に位置しており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、上方から見た場合に前記支持部と重なる第1領域(例えば第1領域L)と、上方から見た場合に前記支持部と重ならない第2領域(例えば第2領域M)と、があり、
前記第2領域は、前記第1領域よりも前記孔までの距離が小さく、
前記第1領域には複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられているが、前記第2領域には前記放熱口が設けられておらず、
前記第1領域の前記放熱口の開口の上方側に、前記開口を覆う部材(例えば異物侵入防止部96、異物侵入防止部材150)が設けられている。
【0132】
基板ユニットの天面について、上方から見て支持部と重ならず、かつ、筐体背面の孔から相対的に近い位置にある第2領域には放熱口が設けられていない。一方、上方から見て支持部と重なり、かつ、筐体背面の孔から相対的に遠い位置にある第1領域には放熱口が設けられている。本構成によれば、筐体背面の孔から侵入した異物が放熱口を介して基板ユニットの内部に入るのを防ぎつつ、異物の侵入可能性が低い箇所には放熱口を設けることで、基板ユニットの放熱性能を実現できる。また、当該放熱口の開口の上方側に、当該開口を覆う部材を設けることで、異物が基板ユニットの内部に入る可能性をより低減できる。
【0133】
なお、本実施形態では、電源ユニット10を基板ユニットとしたが、基板ユニットは電源ユニット10に限らず、例えば中継基板ユニット等であってもよい。
【0134】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0135】
図23に示すように、本実施形態に係るスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉(前扉)12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0136】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けてもよい。
【0137】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cは、外周面が一定の間隔で20コマ(20の領域)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。換言すると、各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。また、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態では、第1リール20aの下段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの上段とによって有効ラインが構成されている。
【0138】
各リール20a~20cの外周面には、
図24に示すように、プラム図柄「PL」、リプレイ図柄「RP」、特殊図柄A「SPA」、赤7図柄「赤7」、ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、金7図柄「金7」、チェリー図柄「CH」、黒BAR図柄「黒BAR」および特殊図柄B「SPB」の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。なお、ベル図柄A「BLA」およびベル図柄B「BLB」をまとめてベル図柄「BL」と呼ぶ場合があってもよい。また、単にベル図柄「BL」と言う場合、ベル図柄A「BLA」およびベル図柄B「BLB」の両方を指すものであってもよく、いずれか一方を指すものであってもよい。
【0139】
本実施形態では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、3枚に設定されており、規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。すなわち、リール20a~20cが停止したときに表示窓16を介して表示される図柄の組合せによって当選役が入賞したか否かが表示される。有効ラインは、当選役の入賞を判定するためのラインということができる。
【0140】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、表示窓16の下方に、有利区間表示器18が設けられていて、有利区間表示器18がLEDを有し、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっていてもよい。
【0141】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダル(遊技メダル、遊技価値)をベット(投入)する際に操作されるベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26(26a,26b,26c)、ホッパー装置によりメダルを払い出す払出口27、払出口27から払い出されたメダルを受ける受皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図25参照)が設けられている。
なお、ベットボタン23として、3枚(規定枚数)の遊技価値をベットする際に操作されるMAXベットボタン(第1ベットボタン)と、1枚の遊技価値をベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)と、が設けられていてもよい。
【0142】
また、下扉12bには、演出操作手段としての演出ボタン25が設けられている。演出ボタン25は、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作され、一例として、液晶ディスプレイ13に所定の演出画像を表示させる遊技者からの操作を受け付ける。本実施形態において、演出ボタン25は、押下操作可能に形成されており、押下されると、例えば液晶ディスプレイ13に表示される演出画像の態様が変化する。演出ボタン25を設け、所定の契機でその操作を有効にすることで、遊技者の遊技への参加意識を高めるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。演出ボタン25は、例えば、遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出の実行中に操作が有効な状態となり、その操作を遊技者に指示する画像(例えば、後述する操作表示)が液晶ディスプレイ13に表示される。そして、演出ボタン25が操作されると、遊技の結果(例えば有利な状態へ移行するか否か)等が報知される。なお、演出操作手段は、演出ボタン25のようなボタン状のものに限らず、レバー状や、所定の物体(例えば銃や剣)を模したもの等であってもよく、その操作形態も押下に限定されない。また、演出操作手段は、遊技者の操作を検知可能に構成されていればよい。
【0143】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされる(投入状態に設定される)ことで、スタートレバー24の操作が有効化される。すなわち、遊技を開始可能な状態となる。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cの回転が停止する。すべてのリール20a~20cの回転が停止すると、遊技の結果に応じて、所定数のメダルを払い出す(付与する)処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理(リプレイ処理)等が行なわれ、1回の遊技(1遊技)が終了する。
【0144】
図25に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御手段)31と、サブ制御基板(副制御手段)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号や演出ボタン25等の入力手段からの入力信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0145】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0146】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60(主記憶手段)と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段(サブメモリ)72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0147】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出の実行を制御する演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0148】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0149】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0150】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0151】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0152】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、
図26に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0153】
図26に示すように、本実施形態では、小役として、小役1~小役20が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「1枚ALL」、「弱チェリー1」、「弱チェリー2」、「打順プラムA1」~「打順プラムA4」、「打順プラムB1」~「打順プラムB4」、「共通プラム1」~「共通プラム2」、「1枚プラム1」、「1枚1」、「1枚プラム2」および「1枚2」が用意されている。小役1~小役4は入賞すると8枚のメダルが払い出される8枚役となっている。また、小役5および小役6は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっている。また、小役7~小役20は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
【0154】
以下では、当選エリア「打順プラムA1」~「打順プラムA4」および「打順プラムB1」~「打順プラムB4」をまとめて当選エリア「打順プラム」と呼ぶことがある。また、当選エリア「共通プラム1」および「共通プラム2」をまとめて当選エリア「共通プラム」と呼ぶことがある。また、当選エリア「1枚1」および「1枚2」をまとめて当選エリア「1枚」と呼ぶことがあってもよい。また、当選エリア「1枚プラム1」および「1枚プラム2」をまとめて当選エリア「1枚プラム」と呼ぶことがあってもよい。
【0155】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役20)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役7~小役20が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱チェリー1」は、小役5が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱チェリー2」は、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順プラム」は、1種類の8枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通プラム1」は、1種類の8枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通プラム2」は、1種類の8枚役と1種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚プラム1」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚1」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚プラム2」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚2」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0156】
また、本実施形態では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ23が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイ1」~「リプレイ4」、「平行ベル」、「斜めベル」、「リーチ目リプレイ1」~「リーチ目リプレイ9」、「強チェリーハサミ2確」、「強チェリー」および「チャンスリプレイ」が用意されている。
【0157】
当選エリア「リプレイ1」~「リプレイ4」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「平行ベル」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「斜めベル」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「リーチ目リプレイ1」~「リーチ目リプレイ9」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強チェリーハサミ2確」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強チェリー」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンスリプレイ」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0158】
また、本実施形態では、ボーナスとして、ビッグボーナス(RBB:特別役)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「1枚プラム1」、「1枚1」、「1枚プラム2」および「1枚2」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「1枚プラム1」、「1枚1」、「1枚プラム2」および「1枚2」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようになっている。
なお、本実施形態では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0159】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0160】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図26では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「◎」印または「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「弱チェリー1」、「弱チェリー2」、「打順プラム」、「共通プラム」、「リプレイ1」~「リプレイ4」、「平行ベル」、「斜めベル」、「リーチ目リプレイ1」~「リーチ目リプレイ9」、「強チェリーハサミ2確」、「強チェリー」、「チャンスリプレイ」、「1枚プラム1」、「1枚1」、「1枚プラム2」および「1枚2」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0161】
また、本実施形態では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0162】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0163】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0164】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0165】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0166】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10は遊技モードで起動する。本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。メイン制御基板31は、設定確認手段を備えていてもよい。設定確認手段は、電源が投入された状態における遊技モードにおいて、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入され、設定キーが初期位置から時計回りに90度だけ回転されると、遊技機10を遊技モードから設定確認モード(設定参照モード)へ移行させ、液晶ディスプレイ13や遊技情報表示部17等を介して現在の設定値を報知する処理(設定報知処理)を行う。設定確認モードでは、液晶ディスプレイ13に設定確認モードである旨を報知する画像(例えば「設定参照中」という文字)が表示される。また、設定確認モードでは、遊技情報表示部17における第1メイン表示器に、現在設定されている設定値が表示される。設定確認モードでは現在の設定値を参照(報知)することはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。また、設定確認モードでは設定値を参照することはできるが、設定値の変更を行うことはできないようになっている。
【0167】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0168】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0169】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0170】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また、打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0171】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」と呼び、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」と呼び、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し(逆押し)」と呼ぶ。また、「中押し」と「右押し」とをまとめて「変則押し」と呼ぶことがある。
【0172】
また、本実施形態では、第1リール20a~第3リール20cについて、ストップボタン26a~26cが操作された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。また、各ストップボタン26a~26cの操作時点から各リール20a~20cが停止するまでに最大で4コマ分(4図柄分)リールが回転可能となっている。そして、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cの外周面上において、当選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が、停止操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)内に位置する場合に、当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上に表示されるように、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを停止させる制御を行う。換言すると、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを、停止操作が行われた時点で有効ライン上に位置している図柄から4個隣にある図柄までのいずれかの図柄が有効ライン上に表示されるように停止させる。
【0173】
本実施形態では、
図24に示すように、リール20a~20cの外周面に複数種類の図柄が配列されており、押下検出位置(ストップボタンの押下が検出された時点におけるリールの位置)から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、押下検出位置に関わらずに、任意の表示位置に表示させることができるようになっている。
【0174】
また、ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0175】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める方法(個数優先制御)と、メダルの払出数に応じて優先順位を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める個数優先制御を実行する場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置(図柄)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める枚数優先制御を実行する場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。なお、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0176】
図27は、RBB内部中状態において各当選エリア(打順プラム)が当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
図27に示すように、当選エリア「打順プラム」には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。打順プラムの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順(正解操作態様)で操作がされると8枚役(正解役)が入賞するようになっており、不正解打順(不正解操作態様)で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順プラムが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、8枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位(優先度)が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、1枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位(優先度)が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0177】
各打順プラムの正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「打順プラムA」および「打順プラムB」はそれぞれ、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「打順プラムA」および「打順プラムB」はそれぞれ、打順3から打順6のうちのいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。
【0178】
なお、
図27における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0179】
当選エリア「打順プラムA」は、正解打順で操作がされると8枚役が入賞し、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞するようになっている。当選エリア「打順プラムB」は、正解打順で操作がされると8枚役が入賞し、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。なお、当選エリア「打順プラムA」は、一般中状態において当選した場合、RBB内部中状態であれば8枚役が入賞する打順で停止操作がされたとしても、1枚役が入賞するようになっている。
また、当選エリア「共通プラム」は、いずれの打順で停止操作された場合であっても、8枚役が入賞するようになっている。なお、当選エリア「共通プラム1」は、一般中状態において当選した場合には、いずれの打順で停止操作がされた場合であっても、1枚役が入賞するようになっている。
【0180】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。本実施形態における有効ライン上に表示される図柄組合せと入賞となる役との対応関係を
図28、
図29および
図30に示す。
図29に示すように、例えば、第1リール20aの下段にプラム図柄「PL」が停止し、第2リール20bの中段にプラム図柄「PL」が停止し、第3リール20cの上段にプラム図柄「PL」が停止した場合(右上がりラインにプラム図柄「PL」が揃った場合)には、小役2が入賞となる。
【0181】
メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0182】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0183】
本実施形態では、小役1~小役4に入賞すると8枚のメダルが払い出され、小役5~小役6に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役7~小役20に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0184】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0185】
遊技状態制御手段49は、
図31に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0186】
また、上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0187】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0188】
RBB内部中状態(第1遊技状態)は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0189】
RBB作動中状態(第2遊技状態)は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。また、RBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0190】
図25に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば打順プラムが当選した場合に、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。また、指示機能制御手段51は、打順ナビ演出を行う場合、遊技情報表示部17の7セグメント表示器に正解打順を示す情報を表示させる。
【0191】
遊技区間制御手段80は、
図32に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは4000回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である4000回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0192】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0193】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「4000」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が4000回に設定されており、有利区間において4000回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0194】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。
本実施形態では、差枚数カウンタ64の記憶値は有利区間移行時(有利区間開始時)の初期値「0」を下回ることがあるように制御される。例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回る。本実施形態では、有利区間において獲得可能なメダル数には上限値が設定されていて、有利区間移行時(有利区間開始時)を基準として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了する(有利区間の終了条件が成立する)ようになっている。なお、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0195】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっていてもよい。なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0196】
演出状態制御手段81は、
図32に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、CZ演出状態、AT演出状態、特別CZ演出状態および特別演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0197】
(非有利区間演出状態)
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。なお、有利区間への移行が決定されたことに基づき、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態以外の演出状態(例えば特別CZ演出状態)へ移行させる場合があってもよい。
【0198】
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。また、通常演出状態は、CZ演出状態(CZ演出状態および特別CZ演出状態)やAT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている(遊技価値の獲得に対する期待度が低くなっている)。
【0199】
通常演出状態では、演出状態制御手段81は、CZ演出状態への移行条件が成立したことに基づき、演出状態をCZ演出状態へ移行させる。通常演出状態において、特典付与手段82は、内部抽選で所定の結果(所定の役(当選エリア)の当選)が得られたことに基づきCZ演出状態への移行可否を決定する抽選(CZ抽選)を行う。演出状態制御手段81は、CZ抽選に当選したことに基づきCZ演出状態への移行条件が成立したものとし、演出状態をCZ演出状態へ移行させる。
【0200】
なお、通常演出状態における遊技回数に上限(いわゆる天井)が設定されていて、演出状態制御手段81は、通常演出状態における遊技回数が所定回数(天井)に到達した場合に、CZ演出状態への移行条件が成立したものとしてもよい。また、通常演出状態において、特典付与手段82が所定の契機で(例えば遊技の実行を契機として)ポイントを付与し得るようになっていて、ポイントが付与された場合に当該ポイントに相当する値が記憶手段60のRAMに設けられたカウンタ(図示せず)の記憶値に加算され、演出状態制御手段81は、当該カウンタの記憶値が所定値に到達した場合に、CZ演出状態への移行条件が成立したものとしてもよい。
【0201】
(CZ演出状態)
CZ演出状態(チャンス演出状態)では、特典付与手段82は、内部抽選で所定の結果(所定の役(当選エリア)の当選)が得られたことに基づきAT演出状態への移行可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。特典付与手段82は、AT抽選に当選すると、特典としてのAT演出状態への移行の権利を付与する。演出状態制御手段81は、AT演出状態への移行の権利が付与されたことに基づき、演出状態をAT演出状態へ移行させる。CZ演出状態において、演出状態制御手段81は、所定の契機で演出状態をAT演出状態へ移行させ得る。
【0202】
演出状態制御手段81は、CZ演出状態の終了条件が成立したことに基づき(例えばCZ演出状態において所定回数の遊技が行われたことに基づき)、CZ演出状態を終了させる。演出状態制御手段81は、CZ演出状態の終了条件が成立した際にAT演出状態への移行の権利が付与されているか否かを判定し、AT演出状態への権利が付与されている場合には演出状態をAT演出状態へ移行させる。一方、AT演出状態への移行の権利が付与されていない場合には演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。なお、当該AT演出状態への移行の権利が付与されていない場合に、演出状態を通常演出状態へ移行させることがあってもよい。
【0203】
本実施形態では、CZ演出状態において打順ナビ演出が実行され得るが、AT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度は低くなっている。なお、頻度が低くなっているとは全く行われない場合を含むものとする。
【0204】
特典付与手段82は、通常演出状態においてAT抽選を行い、当該AT抽選の当選に基づきAT演出状態への移行の権利を付与する場合があってもよい。また、その場合に、CZ演出状態におけるAT抽選でAT演出状態への移行が決定される確率(期待度)が、通常演出状態におけるAT抽選でAT演出状態への移行が決定される確率よりも高く設定されていてもよい。また、通常演出状態におけるAT抽選に基づきAT演出状態への移行の権利が付与された場合、演出状態制御手段81は、CZ演出状態を経由させてからAT演出状態へ移行させてもよく、CZ演出状態を経由させずに直接AT演出状態へ移行させてもよい。また、本実施形態において、ある演出状態から他の演出状態へ移行する場合に、別の演出状態を経由してから移行するようになっていてもよい。例えば、CZ演出状態においてAT抽選に当選した場合に、CZ演出状態からAT演出状態の準備演出状態(AT準備演出状態)を経由し、AT演出状態へ移行するようになっていてもよい。
【0205】
(AT演出状態)
AT演出状態では、指示機能制御手段51は、内部抽選で所定の結果(当選エリア「打順プラム」の当選)が得られたことに基づき、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。打順ナビ演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する打順ナビ演出を実行する。演出制御手段100は、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる。また、正解打順に対応する表示(打順ナビ演出で報知されるストップボタンの操作態様に対応する表示)を遊技情報表示部17に表示させる。遊技者は、打順ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cを押下すると、8枚役が入賞し、8枚のメダルを獲得できる。打順ナビ演出が実行されるAT演出状態は、通常演出状態やCZ演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。
【0206】
本実施形態では、AT演出状態の継続は、AT演出状態における遊技回数により管理されている。具体的には、AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ67の記憶値に基づき管理されている。特典付与手段82は、AT演出状態の開始時にAT終了判定カウンタ67に設定する値を決定する(AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる)。本実施形態では、特典付与手段82は、AT演出状態の開始時にAT終了判定カウンタ67の記憶値として「50」を設定する。なお、当該値は、抽選等により複数の値の中から決定されるものであってもよい。本実施形態では、AT演出状態の開始時にAT演出状態において実行可能な遊技回数に相当する値がAT終了判定カウンタ67に設定され、AT演出状態において遊技が行われるごとにAT終了判定カウンタ67の記憶値が更新され、AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達したことに基づき、AT演出状態が終了するようになっている。
【0207】
特典付与手段82は、AT演出状態において、所定の契機で(例えば所定の役(当選エリア)の当選を契機として)、上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、AT終了判定カウンタ67の記憶値(すなわちAT演出状態の継続期間)を増加させるか否かを決定する抽選である。上乗せ抽選では、所定の乱数値を取得し、取得した乱数値を記憶手段60のROMに記憶された上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて上乗せ抽選の当選の有無およびAT終了判定カウンタ67の記憶値の増加数を決定する。特典付与手段82は、上乗せ抽選に当選すると、決定された増加数分、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。
【0208】
演出状態制御手段81は、AT演出状態において1回の遊技が行われるごとに(例えばスタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として)、AT終了判定カウンタ67の記憶値から、1回分の遊技に相当する「1」を減算する処理を行う。演出状態制御手段81は、AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件が成立したとして、AT演出状態を終了させる。
【0209】
本実施形態では、AT演出状態の継続をAT演出状態における遊技回数により管理するものとしたが、例えば、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数(枚数)に基づき管理してもよい。また、AT演出状態の継続をAT演出状態において実行される打順ナビ演出の回数等に基づき管理してもよい。AT終了判定カウンタ67の記憶値は、AT演出状態において獲得可能なメダルの差枚数(枚数)を表すものとしてもよく、AT演出状態において実行可能な打順ナビ演出の回数(ナビ回数)を表すものとしてもよく、実行可能なAT演出状態のセット数(ATセット数)を表すものとしてもよい。AT演出状態が開始される際にAT終了判定カウンタ67に、獲得可能なメダルの差枚数(枚数)、ナビ回数あるいはATセット数等が設定されるとともに、AT演出状態において、メダルが払い出される毎、打順ナビ演出が行われる毎あるいは1セットのAT演出状態が行われる毎等の所定契機でAT終了判定カウンタ67の記憶値が更新され、AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達したことに基づいて、AT演出状態の終了条件が成立するようになっていてもよい。
【0210】
演出状態制御手段81は、AT演出状態の終了条件が成立したことに基づき演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。なお、当該AT演出状態の終了条件が成立したことに基づき演出状態を通常演出状態へ移行させることがあってもよい。
【0211】
特典付与手段82は、AT演出状態において、所定の契機で(例えば差枚数カウンタ64の記憶値が所定の値(例えば「2400」)に到達したことに基づき)、特別CZ演出状態への移行可否を決定する。特典付与手段82は、例えば所定の抽選で、特定の結果が得られたことに基づき、特別CZ演出状態への移行を決定する。演出状態制御手段81は、特典付与手段82が特別CZ演出状態への移行を決定したことに基づき、演出状態を特別CZ演出状態へ移行させる。本実施形態では、所定の契機で(例えばAT演出状態の終了に基づき)、特別CZ演出状態へ移行し得るようになっている。なお、演出状態制御手段81は、他の演出状態を経由させてから特別CZ演出状態へ移行させてもよい。
【0212】
(特別CZ演出状態)
特別CZ演出状態では所定回数(例えば30回)の遊技が行われ、後述する特別演出状態への移行可否が決定されるようになっている。特別CZ演出状態において特典付与手段82が特別演出状態への移行を決定した場合、演出状態制御手段81は、演出状態を特別演出状態へ移行させる。なお、特別CZ演出状態では打順ナビ演出が実行され得るが、AT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度は低くなっている。
【0213】
特別CZ演出状態では、内部抽選で所定の結果(例えば所定の当選エリアの当選)が得られたことに基づき、演出制御手段100が狙え演出を実行させる。狙え演出は、遊技者に、所定の操作態様で停止操作を行うことを指示する(促す)演出となっている。狙え演出が実行された当該遊技において、所定の操作態様で停止操作が行われた場合、所定の停止態様でリール20a~20cが停止し得るようになっている。狙え演出では、所定の打順でストップボタン26a~26cを押下することを指示する表示(例えば「逆押し」という文字)と、リール20a~20cについて所定の図柄(例えば金7図柄「金7」)が所定の表示位置に表示されるように所定のタイミングでストップボタンを押下することを指示する表示と、が液晶ディスプレイ13に表示される。所定の操作態様とは、所定の打順で停止操作を行うとともに、停止操作を所定のタイミングで(所定の図柄を表示させることを狙って)行う操作態様である。
【0214】
また、所定の停止態様とは、例えば、3つのリール20a~20cについて所定の表示位置(例えば中段)に所定図柄(例えば金7図柄「金7」)が表示され、一直線上に3つの所定図柄が並んで(揃って)停止する停止態様である。特典付与手段82は、リール20a~20cが所定の停止態様で停止したこと(所定の表示位置に所定の図柄組合せが表示されたこと)に基づき、特別演出状態への移行を決定する。演出状態制御手段81は、当該決定に基づき演出状態を特別演出状態へ移行させる。なお、特典付与手段82は、当該遊技でリール20a~20cが所定の停止態様で停止したか否かに関わらず、所定の当選エリアの当選に基づき特別演出状態への移行を決定してもよい。
【0215】
特別演出状態への移行が決定することなく、特別CZ演出状態の終了条件が成立した場合(例えば所定回数(30回)の遊技が行われた場合)、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。本実施形態では、特別演出状態への移行が決定せずに特別CZ演出状態が終了した場合、AT演出状態が開始されるようになっている。なお、当該AT演出状態が開始される際に所定の値がAT終了判定カウンタ67の記憶値に設定されてもよい。また、特別CZ演出状態の終了に基づきAT演出状態へ移行(復帰)せず、非有利区間演出状態(または通常演出状態)へ移行するようになっていてもよい。
【0216】
(特別演出状態)
特別演出状態は、打順ナビ演出に係る特典(利益)が付与される期待度がAT演出状態よりも高く設定されており、遊技者にとって有利な演出状態となっている。特別演出状態は、AT終了判定カウンタ67の記憶値の増加に関する期待値がAT演出状態よりも高く設定されている。特別演出状態は、例えば、上乗せ抽選が実行される頻度がAT演出状態よりも高く設定されていてもよく、上乗せ抽選に当選する確率がAT演出状態よりも高く設定されていてもよく、上乗せ抽選に当選した際にAT終了判定カウンタ67の記憶値に設定される値の期待値がAT演出状態よりも高く設定されていてもよい。特別演出状態は例えば、所定回数(例えば30回)の遊技が行われると終了するようになっている。演出状態制御手段81は、特別演出状態の終了条件が成立したことに基づき、演出状態をAT演出状態へ移行させる。
【0217】
本実施形態では、通常演出状態からAT演出状態または特別CZ演出状態へ直接移行することがあってもよい。例えば、通常演出状態でのCZ抽選において、単にCZ演出状態への移行可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態へ移行させるか、特別CZ演出状態へ移行させるか、CZ演出状態へ移行させるか、それとも通常演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。
【0218】
また、本実施形態において、非有利区間演出状態からCZ演出状態、AT演出状態または特別CZ演出状態へ直接移行することがあってもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(通常演出状態)への移行可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態へ移行させるか、特別CZ演出状態へ移行させるか、CZ演出状態へ移行させるか、通常演出状態へ移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。
【0219】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がRBB内部中状態である場合にAT演出状態への移行を可能とし、一般中状態やRBB作動中状態においてはAT演出状態への移行を不可能としてもよい。換言すると、一般中状態やRBB作動中状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0220】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がRBB内部中状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するRBB作動中状態の終了後に一般中状態を経由して再びRBB内部中状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると打順ナビ演出を止め、再びRBB内部中状態に移行すると打順ナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0221】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)およびAT終了判定カウンタ67の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能(指示演出)に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示機能(指示演出)に係る情報も初期化されるようになっている。
【0222】
本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態である場合には、指示機能に係る抽選(例えばAT演出状態への移行に関する抽選)や、打順ナビ演出に関する特典(例えばAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態である場合には、指示機能に係る抽選や、打順ナビ演出に関する特典の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。
【0223】
本実施形態では、RBB内部中状態(ボーナス内部中状態)においては、内部抽選の結果に関わらず(かつ停止操作の態様に関わらず)ビッグボーナス(RBB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがないようにリール20a~20cの停止制御が実行されるようになっている。すなわち、本実施形態では、遊技状態が一度RBB内部中状態に設定されると、以降はRBB内部中状態での遊技が継続するようになっている。このため、本実施形態では、基本的にRBB内部中状態で遊技が行われるようになっている。以下では、基本的に遊技状態はRBB内部中状態であることを前提として説明する。
【0224】
本実施形態では、一般中状態およびRBB内部中状態では、当選エリア「打順プラム」のそれぞれについて8枚役が互いに重複せずに当選するように設定する一方で、RBB作動中状態(ボーナス作動中状態)では、当選エリア「小役ALL」について8枚役が重複して当選するように設定している。そして、RBB作動中状態における当選エリア「小役ALL」の当選確率を、他の遊技状態における当選エリア「打順プラム」のそれぞれの当選確率よりも高く設定している。また、RBB作動中状態において当選エリア「小役ALL」に当選する確率を、他の遊技状態において当選エリア「打順プラム」のいずれかに当選する確率よりも低く設定している。そして、これによりRBB作動中状態において8枚役の入賞が可能な機会を他の遊技状態に比べて減少させ、ボーナスが作動している状況における出玉率の期待値を低くしている。
【0225】
図25に示すように、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブメモリ(副記憶手段)72と、を備えている。演出サブ制御手段70は、サブメモリ72に記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ13を用いて行う演出や、スピーカ14を用いて行う演出や、ランプ(照明装置)を用いて行う演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入、ベットボタン23、スタートレバー24およびストップボタン26a~26cに対する操作や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生に応じて照明装置を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ13の表示内容を変化させたり、スピーカ14から音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0226】
遊技において実行される演出の内容は、遊技状態、演出状態および内部抽選の結果等に対応してメイン制御基板31から送信されるコマンド(情報)に応じて、サブメモリ72に記憶されている演出抽選テーブルを用いて決定される。本実施形態では、サブメモリ72のROMに記憶されている画像データをサブメモリ72に設けられたイメージバッファに読み込んで、イメージバッファに読み込まれた画像データに基づく画像が液晶ディスプレイ13に出力(表示)される。また、サブメモリ72のROMに記憶されているサウンドデータをサブメモリ72に設けられたサウンドバッファに読み込んで、サウンドバッファに読み込まれたサウンドデータに基づく音がスピーカ14から出力される。
【0227】
遊技機は、メダルの獲得性能に関する指標である出玉率(メダルの投入数に対するメダルの払出数の割合)が所定の範囲内に収まるように設計する必要がある。本実施形態の遊技機は、左押しで遊技を続けられた場合における出玉率の期待値を、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技を続けられた場合のものよりも低く設定し、基本的に左押しでの遊技を推奨し、出玉率(出玉性能)を適切なものとしている。
【0228】
本実施形態では、RBB内部中状態について、中押しが正解打順の打順プラムと、右押しが正解打順の打順プラムとを用意するとともに、左押しが正解打順の打順プラムを用意していない。換言すると、本実施形態では、常に左押しで遊技を行った場合の方が、常に中押しで遊技を行った場合または常に右押しで遊技を行った場合に比べ、打順プラムに当選し、8枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が低くなっている。換言すると、変則押しで停止操作して遊技を続ける場合の方が、左押しで停止操作して遊技を続ける場合に比べ、8枚役が入賞する確率が高くなっている。
なお、8枚役は、入賞した場合に1遊技に対しベットされるメダル(遊技価値)よりも多数の遊技価値を獲得できる役と言うことができる。また、8枚役は、遊技の開始に必要となるメダル(遊技価値)の投入数よりも入賞した場合のメダルの払出数が大きい役と言うことができる。また、1枚役は、入賞した場合に1遊技に対しベットされる遊技価値以下の(よりも少ない)数の遊技価値を獲得できる役ということができる。
【0229】
なお、他の手法により、所定の操作順序(左押し)で遊技を行う場合の出玉率の期待値が、他の操作順序(中押しまたは右押し)で遊技を行う場合のものよりも低くなるように設定されていてもよい。例えば、左押しが正解打順の打順プラムも用意され、内部抽選において左押しが正解打順の打順プラムに当選する確率が、中押しが正解打順の打順プラムに当選する確率よりも低く、かつ右押しが正解打順の打順プラムに当選する確率よりも低く設定されていてもよい。
【0230】
本実施形態では、
図27に示すように、打順プラムは、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。換言すると、打順プラムを全体で見た場合、正解打順の設定に偏りが生じている。打順プラムは、左押しで停止操作された場合には、1枚役(不正解役)が入賞し、中押しまたは右押しで停止操作された場合には、正解打順であれば8枚役(正解役)が入賞し、不正解打順であれば1枚役(不正解役)が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しない。打順プラムは、打順(ストップボタン26a~26cの操作態様(操作順序))に応じてメダルの払出数が異なる(変化する)当選エリアとなっている。
【0231】
通常演出状態は、打順プラムに当選した場合であっても打順ナビ演出の実行が決定される頻度が低く設定されており、8枚役が入賞する確率が低い演出状態となっている。その通常演出状態において、変則押しでの遊技を続けられた場合、左押しでの遊技を続けられた場合に比べ、8枚役が入賞する確率が高くなるため、遊技機の出玉性能が過大となるおそれがある。本実施形態では、通常演出状態は左押しでの遊技が推奨される期間(左押し推奨期間)となっている。なお、左押し推奨期間は、上述のCZ演出状態を含むものであってもよい。本実施形態では、打順ナビ演出が実行されない遊技では、左押しで遊技を行うことが推奨されている。
【0232】
左押し推奨期間において変則押しで遊技が行われた場合、遊技者に対し、左押しでの遊技を促す報知が実行されるようになっている。具体的には、演出制御手段100は、左押し推奨表示を液晶ディスプレイ13に表示させる。左押し推奨表示は、ストップボタン26a~26cを左押しで操作することを促す表示であり、「左押し推奨です」という文字(白色文字)を含む、横長の長方形状の表示となっている。演出制御手段100は、左押し推奨期間における所定の遊技において変則押しで遊技が行われた場合、当該遊技の第3停止操作に基づき、左押し推奨表示を表示させる。なお、「第3停止操作に基づき」とは、最後のストップボタンの押下の開放が検知されたことに基づくものであってもよく、最後のストップボタンの押下が検知されたことに基づくものであってもよい。演出制御手段100は、左押し推奨表示を表示させた状態で一定時間(例えば7秒)が経過すると、左押し推奨表示を表示させない状態とする。すなわち左押し推奨表示は、第3停止操作後、一定時間表示され、非表示となる。
【0233】
なお、左押し推奨期間において変則押しで遊技が行われた場合、遊技者に、打順ナビ演出に関する所定の処理が実行されないという不利益(ペナルティ)が付与される(課される)ようになっていてもよい。また、左押しで遊技を行っていれば不利益を受けず、遊技者に有利となるように設定されていてもよい。換言すると、左押しで遊技が行われた場合の方が、変則押しで遊技が行われた場合に比べて、打順ナビ演出に関する所定の処理が実行(所定の利益が付与)される確率が高くなっていてもよい。
【0234】
具体的には、ボーナス内部中状態における通常演出状態やCZ演出状態では、左押しで遊技が行われた場合には、打順ナビ演出に係る所定の処理が実行されるのに対し、変則押しで遊技が行われた場合には、当該所定の処理が実行されないようになっていてもよい。換言すると、打順ナビ演出が実行されない所定の遊技では、左押しで遊技を行った方が、変則押しで遊技を行う場合に比べ、打順ナビ演出(演出状態の移行等)に関して遊技者に有利となっていてもよい。さらに換言すると、本実施形態では、打順ナビ演出が実行されない所定の遊技において、左押し以外の操作態様で遊技を行う遊技者に対し、所定のペナルティを付与するようになっていてもよい。打順ナビ演出に係る所定の処理は、例えば、CZ抽選やAT抽選等の所定の抽選であってもよい。また、通常演出状態について、CZ演出状態(またはAT演出状態)への移行に係る所定のポイントを蓄積する遊技性を持たせ、特典付与手段82が、所定契機で当該ポイントを特典として付与する場合に、打順ナビ演出に係る所定の処理を、当該ポイントを付与する処理(更新されると遊技者に有利となるカウンタを更新する処理)としてもよい。また、所定の演出状態(例えば通常演出状態)における遊技回数に上限(いわゆる天井)を設け、当該上限となる回数の遊技が実行された場合に他の演出状態(例えばCZ演出状態やAT演出状態)への移行が可能となる遊技性を持たせた場合に、打順ナビ演出に係る所定の処理を、天井までの残り遊技回数を減少させる処理(所定の演出状態における遊技回数をカウントする処理)としてもよい。
【0235】
図26に示すように、当選エリア「リプレイ1」は、リプレイ1とリプレイ19とリプレイ21が重複して当選する当選エリアとなっている。当選エリア「リプレイ2」は、リプレイ1とリプレイ5とリプレイ19が重複して当選する当選エリアとなっている。当選エリア「リプレイ1」と「リプレイ2」とでは、重複するリプレイ(役)が異なっている。また、当選エリア「リプレイ1」と「リプレイ2」とは、当選する役として特定の(同一の)リプレイ(リプレイ1)を含み、特定のリプレイ(リプレイ1)を入賞させることが可能な当選エリアとなっている。
【0236】
本実施形態では、当選エリア「リプレイ1」に当選した遊技と当選エリア「リプレイ2」に当選した遊技とは、打順(ストップボタンの停止操作の態様)に関わらず、特定の(同一の)リプレイ(リプレイ1)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるようになっている。
【0237】
内部抽選テーブルでは、当選エリアごとに値数(置数)が定められている。「値数」とは乱数値の全範囲(例えば「65536」)に対して当選となる範囲を示す数値である。換言すると、値数とは、各当選エリアに対応付けられている乱数の数を示すものである。一般中状態では、当選エリア「RBB」に割り当てられている値数は例えば「4」となっている。この場合、内部抽選において当選エリア「RBB」に当選する確率は「4/65536」となる。また、一般中状態では、当選エリア「リプレイ1」に割り当てられている値数は例えば「4」となっている。この場合、内部抽選において当選エリア「リプレイ1」に当選する確率は「4/65536」となる。また、一般中状態では、当選エリア「リプレイ2」に割り当てられている値数は例えば「7000」となっている。この場合、内部抽選において当選エリア「リプレイ2」に当選する確率は「7000/65536」となる。なお、値数として設定される「4」は、内部抽選テーブルにおいて所定の当選エリアに設定可能な値数のうち、最小の値数である。
【0238】
一般中状態において、当選エリア「リプレイ1」に割り当てられている値数は、当選エリア「RBB」に割り当てられている値数以上の値数となっている。また、一般中状態において、当選エリア「リプレイ2」に割り当てられている値数は、当選エリア「リプレイ1」に割り当てられている値数よりも大きい値数となっている。一般中状態では、当選エリア「RBB」、当選エリア「リプレイ1」、当選エリア「リプレイ2」の順に値数が大きくなっている。なお、「大きくなっている」とは値数が同数であってもよいものとする。
【0239】
図26に示すように、当選エリア「RBB」(エリア番号37の単独RBB)は、遊技状態が一般中状態(第1遊技状態)の場合に当選し、RBB内部中状態(第2遊技状態)では当選しないようになっている。換言すると、RBB内部中状態において当選エリア「RBB」に値数が割り当てられていない。本実施形態では、一般中状態において当選エリア「RBB」に割り当てられていた値数「4」が、RBB内部中状態における当選エリア「リプレイ1」の値数に加算されている。換言すると、RBB内部中状態における当選エリア「リプレイ1」の値数は、一般中状態における当選エリア「リプレイ1」の値数と一般中状態における当選エリア「RBB」の値数の合計となっている。RBB内部中状態では当選エリア「リプレイ1」の値数は「8」となる。このため、当選エリア「リプレイ1」は、一般中状態とRBB内部中状態とで値数が異なっている。換言すると、当選エリア「リプレイ1」は、一般中状態の値数に対しRBB内部中状態の値数が変化する当選エリアとなっている。
【0240】
図26において、一般中状態における当選エリア「リプレイ1」の欄に「〇」が付されている。これは、一般中状態において、内部抽選で当選エリア「リプレイ1」に当選した場合(当選エリア「リプレイ1」に当選した遊技において)、指示機能に係る抽選を実行することが可能であり、かつ有利区間移行抽選を実行することが不可能であることを意味する。また、RBB内部中状態における当選エリア「リプレイ1」の欄にも「〇」が付されている。これは、RBB内部中状態において、内部抽選で当選エリア「リプレイ1」に当選した場合(当選エリア「リプレイ1」に当選した遊技において)、指示機能に係る抽選を実行することが可能であり、かつ有利区間移行抽選を実行することが不可能であることを意味する。
【0241】
一方、当選エリア「リプレイ2」は、一般中状態とRBB内部中状態とで値数が同じとなっている(同じ値数が割り当てられている)。換言すると、当選エリア「リプレイ2」は、一般中状態とRBB内部中状態とで値数が変化しない当選エリアとなっている。
図26において、一般中状態およびRBB内部中状態における当選エリア「リプレイ2」の欄に「◎」が付されている。これは、一般中状態およびRBB内部中状態において当選エリア「リプレイ2」に当選した場合(当選エリア「リプレイ2」に当選した遊技において)、指示機能に係る抽選を実行することが可能であり、かつ有利区間移行抽選を実行することが可能であることを意味する。
【0242】
すなわち、リプレイに係る当選エリアのうち、一般中状態とRBB内部中状態とで値数が変化する当選エリア(当選エリア「リプレイ1」)については、当選時の有利区間移行抽選の実行が禁止されている。一方、リプレイに係る当選エリアのうち、一般中状態とRBB内部中状態とで値数が変化しない当選エリア(当選エリア「リプレイ2」)については、当選時の有利区間移行抽選の実行が禁止されていない。
【0243】
図26において、一般中状態における当選エリア「RBB」(エリア番号37の単独RBB)の欄に「◎」が付されている。これは、一般中状態において当選エリア「RBB」に当選した場合(当選エリア「RBB」に当選した遊技において)、指示機能に係る抽選を実行することが可能であり、かつ有利区間移行抽選を実行することが可能であることを意味する。
【0244】
ここで、当選エリア「リプレイ1」と当選エリア「リプレイ2」の2種類の当選エリアが設けられておらず、1つの当選エリア「リプレイX」のみが設けられているものとし、一般中状態において当選エリア「リプレイX」に割り当てられている値数が例えば「7004」であるとする。この場合に、一般中状態において当選エリア「RBB」に割り当てられている値数「4」が、RBB内部中状態において当選エリア「リプレイX」の値数に加算されると、RBB内部中状態において当選エリア「リプレイX」の値数は「7008」となる。当選エリア「リプレイX」は、一般中状態とRBB内部中状態とで値数が異なる当選エリアとなる。このため、上述の当選エリア「リプレイ1」と同様に(換言すると、一般中状態とRBB内部中状態とで値数の異なるリプレイに係る当選エリアでは有利区間移行抽選を実行しないこととした場合と同様に)、一般中状態およびRBB内部中状態において、内部抽選で当選エリア「リプレイX」に当選した場合(当選エリア「リプレイX」に当選した遊技において)、有利区間移行抽選を実行することが不可能となる。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態において、当選エリア「リプレイX」に当選した遊技では非有利区間から有利区間への移行が決定されることがない。
【0245】
例えばRBB内部中状態では、内部抽選において当選エリア「リプレイX」に当選する確率が「7008/65536」となるが、その確率分、有利区間への移行が決定されない確率が増加することとなる。換言すると、内部抽選において有利区間移行抽選が実行されない当選エリアに当選する確率が高くなる。これにより、有利区間の開始が比較的遅くなる(有利区間へ移行するまでに要する遊技回数が増加する)という問題が生じる。
【0246】
本実施形態では、上述のとおり当選エリア「リプレイ1」と当選エリア「リプレイ2」の2種類の当選エリアを設け、一方(当選エリア「リプレイ1」)の値数を他方(当選エリア「リプレイ2」)の値数よりも(極めて)小さくし、一般中状態において当選エリア「RBB」に割り当てられている値数「4」が、RBB内部中状態において当選エリア「リプレイ1」(値数が小さい方の当選エリア)の値数に加算されるようにした。このため、有利区間移行抽選が実行されない当選エリア「リプレイ1」の値数を小さくすることができる。換言すると、内部抽選において有利区間移行抽選が実行されない当選エリアに当選する確率を低くすることができる。これにより、有利区間の開始が遅くなるのを抑制できる。
なお、一般中状態において当選エリア「リプレイ1」に割り当てられる値数は、当選エリア「RBB」に割り当てられている値数以上であって、かつ小さいほど好ましく、本実施形態では、設定可能な値数のうち最も小さい「4」が割り当てられている。また、一般中状態において当選エリア「リプレイ1」に割り当てられている値数は、一般中状態においてRBB(ビッグボーナス)が重複して当選する当選エリア(当選エリア「1枚プラム1」、「1枚1」、「1枚プラム2」または「1枚2」)のそれぞれに割り当てられている値数未満の値数となっており、かつ、一般中状態において当選エリア「打順プラム」(当選エリア「打順プラムA1」、「打順プラムA2」、「打順プラムA3」、「打順プラムA4」、「打順プラムB1」、「打順プラムB2」、「打順プラムB3」または「打順プラムB4」)のそれぞれに割り当てられている値数未満の値数となっている。
【0247】
本実施形態では、一般中状態およびRBB内部中状態において、当選エリア「リプレイ1」に当選した場合(当選エリア「リプレイ1」に当選した遊技)と当選エリア「リプレイ2」に当選した場合(当選エリア「リプレイ2」に当選した遊技)とで、同じ指示機能に係る抽選が実行されるようになっている。換言すると、当選エリア「リプレイ1」と当選エリア「リプレイ2」とは、当選を契機として実行される指示機能に係る抽選が同一となっている。指示機能に係る抽選としては、例えば、打順ナビ演出が実行される演出状態(遊技価値の獲得に対する期待度が高い演出状態)への移行可否を決定する抽選や、当該演出状態の継続期間を増加させるか否かを決定する抽選等がある。すなわち、当選エリア「リプレイ1」と当選エリア「リプレイ2」とは、当選した場合に同一の役(リプレイ1)が入賞する当選エリアであって、指示機能に係る同一の抽選を受けられる当選エリアとなっている。本実施形態では、このような遊技者にとって当選エリア「リプレイ2」と判別のし難い(判別が不可能な場合も含む)当選エリア「リプレイ1」によって有利区間の開始が遅くなることが抑制されている。
【0248】
本実施形態では、当選エリア「リプレイ1」に当選した遊技と当選エリア「リプレイ2」に当選した遊技とは、打順(ストップボタンの停止操作の態様)に関わらず、特定の(同一の)リプレイ(リプレイ1)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるものとしたが、これに限るものではない。例えば、当選エリア「リプレイ1」に当選した遊技と当選エリア「リプレイ2」に当選した遊技とで、所定の打順(左押し)で停止操作された場合には、各遊技で特定のリプレイの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される(同一のリプレイが入賞する)が、当選エリア「リプレイ1」に当選した遊技と当選エリア「リプレイ2」に当選した遊技とで、当該所定の打順とは異なる打順(中押しまたは右押し)で停止操作された場合に、各遊技で異なるリプレイの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され得る(異なるリプレイが入賞し得る)ようになっていてもよい。例えば、次のように構成されていてもよい。当選エリア「リプレイ1」に当選した遊技では、いずれの操作態様(打順)で停止操作された場合であっても特定のリプレイの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される。一方、当選エリア「リプレイ2」に当選した遊技では、特定の打順(例えば右押し)で、かつ所定の図柄を所定の表示位置に表示させることが可能なタイミングで停止操作された場合に(正解操作態様で停止操作された場合に)、特定のリプレイの入賞形態を示す図柄組合せとは異なる図柄組合せが有効ライン上に表示され、正解操作態様とは異なる操作態様(不正解操作態様)で停止操作された場合に、特定のリプレイの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される。
【0249】
当選エリア「リプレイ1」に当選した場合と当選エリア「リプレイ2」に当選した場合とで、実行される指示機能に係る抽選が異なる場合があってもよい。例えば演出状態が所定の演出状態(例えばAT演出状態)である場合に、所定の指示機能に係る抽選が、当選エリア「リプレイ1」に当選した際には実行されないが、当選エリア「リプレイ2」に当選した際には実行され得るように構成されていてもよい。当該所定の指示機能に係る抽選としては、例えば、上述の正解操作態様を報知する演出(遊技者に対し、正解操作態様での停止操作を促す演出)の実行可否を決定する抽選がある。この場合、当選エリア「リプレイ2」に当選した遊技で、当該抽選に当選した場合、正解操作態様を報知する演出が実行される。なお、正解操作態様で停止操作されて所定の図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づき、打順ナビ演出に係る特典が付与(例えば有利な演出状態への移行が決定)されるようになっていてもよい。すなわち、当選エリア「リプレイ1」と当選エリア「リプレイ2」とで、当選した場合に指示機能に係る同一の抽選が受けられるとは、必ずしもすべての演出状態において(換言すると、状況に関わらず)同一の抽選を受けられるものでなくてもよく、少なくともいずれかの演出状態において同一の抽選を受けられない場合があってもよい。また、当選エリア「リプレイ1」と当選エリア「リプレイ2」とで、当選した場合に指示機能に係る同一の抽選が受けられるとは、一方の当選エリアについては当該同一の抽選に加え、さらに別の抽選が受けられるもの等であってもよい。
【0250】
次に、本実施形態において、AT抽選に当選しAT演出状態への移行の権利が付与されたことに基づき、演出状態制御手段81が、演出状態をCZ演出状態からAT準備演出状態へ移行させ、AT準備演出状態において特定条件が成立したことに基づきAT演出状態へ移行させる場合について説明する。
【0251】
本実施形態では、AT準備演出状態において、内部抽選で当選エリア「打順プラム」に当選した場合に(当選エリア「打順プラム」に当選した遊技において)、特定ナビ演出(後述する)が実行され得るようになっている。当選エリア「打順プラム」に当選した遊技では、正解打順(正解操作態様)で停止操作がされると8枚役(正解役)が入賞し、不正解打順(不正解操作態様)で停止操作がされると1枚役(不正解役)が入賞し得るようになっている。
図27に示すように、当選エリア「打順プラム」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。当選エリア「打順プラム」は、左押しがされた場合には1枚役(不正解役)が入賞し、中押しまたは右押しがされた場合には正解打順であれば8枚役(正解役)が入賞し、不正解打順であれば1枚役(不正解役)が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。当選エリア「打順プラム」は、不正解打順で停止操作された場合、各停止操作のタイミングに関わらず正解役が入賞することがないように構成されている。
【0252】
(特定ナビ演出)
AT準備演出状態において、指示機能制御手段51は、内部抽選で当選エリア「打順プラム」に当選した場合に(当選エリア「打順プラム」に当選した遊技において)、特定ナビ演出の実行を決定する場合がある。特定ナビ演出は、不正解打順を報知する演出となっている。特定ナビ演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に不正解打順を表示させる。具体的には、
図33に示すように液晶ディスプレイ13において、不正解打順の第1停止操作に係るストップボタン26aに対応する位置に1番目の停止操作の回避を促す表示としての「×」の文字が表示され、残りの2つのストップボタン26(ストップボタン26bおよびストップボタン26c)に対応する位置に「?」の文字が表示される。なお、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも、特定ナビ演出で報知される操作態様に対応する表示(ナビ表示)が表示される。なお、AT準備演出状態において当選エリア「打順プラム」に当選した場合には必ず特定ナビ演出が実行されるようになっていてもよい。
【0253】
当該「×」の表示は、特定のストップボタン(例えばストップボタン26a)について、最初に(1番目に)停止操作することの回避を促す表示となっている。また、当該「?」の文字は、当該特定のストップボタン以外のストップボタン(例えばストップボタン26bおよびストップボタン26c)について、最初に(1番目に)停止操作することを促す表示となっている。
【0254】
また、
図33に示す例では、「×」の表示は、左押し(打順1および打順2)での停止操作が不正解打順であることを報知する表示(左押しでの停止操作が正解打順ではないことを示す表示)となっている。換言すると、「×」の表示は、不正解打順に係る第1停止操作であることを示す表示となっている。また、「?」の文字は、中押しまたは右押しで停止操作をした場合に、正解打順(打順3から打順6のいずれか)の停止操作となる可能性があることを報知する表示と言うことができる。換言すると、「?」の表示は、正解打順に係る第1停止操作である可能性と不正解打順に係る第1停止操作である可能性の両方の可能性があることを示す表示となっている。
【0255】
特定ナビ演出が実行され、複数種類の不正解打順のうちの一部(例えば打順1および打順2)が報知されることで、正解打順での停止操作(正解役を入賞させること)が補助されるようになっている。特定ナビ演出は、6通りの打順のうちの不正解となる打順を報知することにより正解役の入賞を補助する演出と言うことができる。
【0256】
AT準備演出状態において、内部抽選で当選エリア「打順プラム」に当選し、特定ナビ演出が実行された遊技において、特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作(第1停止操作)された場合、演出状態制御手段81は、特定条件が成立したものとし、例えば当該遊技の終了を契機として、演出状態をAT演出状態へ移行させる(AT演出状態を開始させる)。当該遊技において当該第1停止操作がされた場合、AT演出状態へ移行するが、当該遊技の結果には、正解打順で停止操作されて8枚役が入賞する場合(プラム図柄「PL」が一直線上に並ぶ停止態様でリール20a~20cが停止する場合)と、不正解打順で停止操作されて1枚役が入賞する場合と、不正解打順で停止操作されて1枚役が入賞しない場合(いずれの役も入賞しない場合)と、がある。以下、AT準備演出状態において内部抽選で当選エリア「打順プラム」に当選し、特定ナビ演出が実行された遊技を「特定遊技」と称する。
【0257】
特典付与手段82は、特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作(第1停止操作)されたことに基づき、特典付与条件が成立したものとし、打順ナビ演出に係る特典(以下、特典)の付与の可否を決定する抽選(特典付与抽選)を実行する。特典付与手段82は、当該抽選に当選した場合、特典を付与する。特典としては、例えば、AT演出状態の継続期間を増加させる特典(いわゆる上乗せ)がある。なお、特典付与手段82は、特典付与条件の成立に基づき必ず特典を付与することとしてもよい。その場合、当該抽選の当選確率を100%としてもよく、当該抽選を実行することなく必ず特典を付与することとしてもよい。
【0258】
本実施形態では、特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタン26が最初に停止操作された場合には、AT演出状態が開始され、かつ特典が付与され得るようになっている。この場合における当該特典の付与は、特定ナビ演出に従って停止操作をしたことに対する恩恵と言うことができる。
【0259】
一方、特定遊技において特定ナビ演出に従わず、特定ナビ演出に係る「×」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作された場合には、特定条件が成立しない(特定条件が不成立となる)。この場合、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させず、AT準備演出状態を継続させる。なお、演出状態制御手段81は、特定遊技において特定ナビ演出に従わず、特定条件が成立しなかった場合に、当該特定遊技の終了を契機として、演出状態を通常演出状態等の他の演出状態へ移行させてもよい。
【0260】
また、特典付与手段82は、特定遊技において特定ナビ演出に従わず、特定ナビ演出に係る「×」の表示に対応するストップボタン26を最初に停止操作された場合、特典付与条件が成立していないものとし、特典付与抽選を実行しない(特典を付与しない)。
【0261】
本実施形態の遊技機は、特定遊技において特定ナビ演出に従わずに停止操作がされ、AT準備演出状態において(例えば、最初の当該特定遊技から)特定条件が成立することなく所定回数(例えば1650回)の遊技が実行されたことに基づき、必ずAT演出状態が開始されるようになっている。遊技回数が当該所定回数に到達したことに基づきAT演出状態が開始される場合、特典付与手段82は、当該AT演出状態の開始(当該所定回数への到達)を契機として特典付与抽選を実行しない(特典を付与しない)。遊技回数が当該所定回数に到達したことに基づき(強制的に)AT演出状態が開始される場合には特典が付与されないようになっている。なお、本実施形態では、AT準備演出状態において特定条件が成立することなく(特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが第1停止操作されることなく)所定回数(例えば1650回)の遊技が実行されたことに基づきAT演出状態が開始されるとしたが、これに加えて(これに代えて)、AT準備演出状態において特定条件が成立することなく所定の条件が成立したことに基づきAT演出状態が開始されるように構成されていてもよい。当該所定の条件が成立した場合としては、例えば、有利区間の継続期間を管理する差枚数カウンタ64の記憶値が所定値未満となった場合がある。また、記憶手段60に差枚数カウンタ64とは異なる差枚数カウンタ(所定の区間における差枚数を管理するカウンタ)が設けられている場合に、当該差枚数カウンタの記憶値が所定値未満となった場合がある。また、AT準備演出状態において一定区間(連続する所定回数の遊技の間)における特定の役(例えば8枚役)の入賞回数が所定回数未満となった場合がある。
【0262】
本実施形態では、特定遊技において特定ナビ演出に従わず、特定ナビ演出に係る「×」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作された場合、AT演出状態が開始されず、かつ特典が付与されないようになっている。また、AT準備演出状態において、AT演出状態へ移行することなく所定回数の遊技が実行されたことに基づきAT演出状態が開始されるが、当該AT演出状態の開始時にも特典が付与されないようになっている。
【0263】
(変形例)
次に、特定条件の成立の別の例について説明する。本例では、特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作された場合であって、かつ正解打順で停止操作がされた場合、演出状態制御手段81は、特定条件が成立したものとし、例えば当該遊技の終了を契機として、演出状態をAT演出状態へ移行させる。
【0264】
なお、特典付与手段82は、上述の場合と同様に、特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作されたことに基づき(正解打順で操作された否かに関わらず)、特典付与条件が成立したものとし、特典付与抽選を実行する。特典付与手段82は、特典付与条件の成立に基づき必ず特典を付与することとしてもよい。
【0265】
特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作された場合であって、かつ正解打順で停止操作がされた場合には、AT演出状態が開始され、かつ特典が付与され得るようになっている。この場合における当該特典の付与は、特定ナビ演出に従って停止操作をしたことに対する恩恵と言うことができる。
【0266】
一方、特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作されたが、不正解打順で停止操作がされた場合、特定条件が成立しない(特定条件が不成立となる)。この場合、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させず、AT準備演出状態を継続させる。
【0267】
特定条件は成立しないが、特典付与手段82は、特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作されていることから、特典付与条件が成立したものとし、特典付与抽選を実行する。特典付与手段82は、特典付与条件の成立に基づき必ず特典を付与することとしてもよい。
【0268】
特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作されたが、不正解打順で停止操作がされた場合、AT演出状態は開始されないが、特典は付与され得るようになっている。この場合の当該特典の付与は、特定ナビ演出に従って停止操作をしたがAT演出状態が開始せずに喪失感を抱く遊技者に対しての穴埋めと言うことができる。
【0269】
また、本変形例においても、AT準備演出状態において(例えば、最初の特定遊技から)特定条件が成立することなく所定回数(例えば1650回)の遊技が実行されたことに基づき、必ずAT演出状態が開始されるようになっている。遊技回数が当該所定回数に到達したことに基づきAT演出状態が開始される場合、特典付与手段82は、当該AT演出状態への移行を契機として特典付与抽選を実行しない(特典を付与しない)。遊技回数が当該所定回数に到達したことに基づき(強制的に)AT演出状態が開始される場合には特典は付与されないようになっている。なお、本変形例においても、AT準備演出状態において特定条件が成立することなく上述の所定の条件が成立したことに基づきAT演出状態が開始されるように構成されていてもよい。
【0270】
なお、特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作されたが不正解打順で停止操作がされ、特定条件が成立しなかった場合に特典付与条件が成立したものとする一方で、特定遊技において特定ナビ演出に従い、特定ナビ演出に係る「?」の表示に対応するストップボタンが最初に停止操作されかつ正解打順で停止操作がされて特定条件が成立した場合に特典付与条件が成立しないものとし、特典が付与されないようにしてもよい。
【0271】
(操作表示)
AT演出状態において、演出制御手段100は、特典の付与に関連して演出ボタン25の操作を遊技者に指示する(促す)操作表示を液晶ディスプレイ13に表示させるようになっている。ここで、付与される特典は、例えば、一例として、上乗せ抽選に当選して得られたAT演出状態の継続期間の増加(換言すると、上乗せされる遊技)であってもよい。また、付与される特典は、例えば、特定の演出状態への移行の権利であってもよい。換言すると、付与される特典は、指示機能に係る特典であってもよい。また、このような特典の付与に関連する操作表示は、演出ボタン25の操作を遊技者に促す演出ともいえる。なお、操作表示に伴う演出ボタン25の操作がされる際(換言すると、演出ボタン25の操作に伴う演出画像の表示の際)に特典が付与されてもされなくてもよい。
【0272】
また、AT演出状態において、演出制御手段100は、演出ボタン25の操作を遊技者に指示する操作表示を液晶ディスプレイ13に表示させるとともに、演出ボタン25に対する第1の回数(例えば、1回)の操作を有効とする第1の演出と、演出ボタン25に対する第1の回数よりも多い第2の回数(換言すると、複数回)の操作を有効とする第2の演出と、の実行を制御するようになっている。また、第2の演出は、演出ボタン25が液晶ディスプレイ13に表示されていない状態での演出ボタン25に対する操作が有効となっている。
【0273】
一例として、第1の演出は、具体的には例えば
図34に示されるようになっていてもよい。すなわち、上乗せ抽選に当選して、AT演出状態においてAT演出状態の継続期間の増加(換言すると、AT終了判定カウンタ67の記憶値の増加)が決定されると、演出制御手段100は、その継続期間の増加(換言すると、特典の付与)に関連する操作表示120(換言すると、特典の付与に関連する演出画像を液晶ディスプレイ13に表示させるための操作を指示する表示)として、演出ボタン25の操作(換言すると、押下)を遊技者に指示する操作手段画像120を液晶ディスプレイ13上に表示させる。操作手段画像120は、演出操作手段としての演出ボタン25を模した画像となっている。また、演出ボタン25には「PUSH」という文字が含まれており、操作手段画像120も「PUSH」という文字を含む。換言すると、操作表示120には、演出操作手段に対する操作を促す文字が含まれる。
【0274】
そして、この第1の演出では、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13上における操作表示120の出現に伴って演出ボタン25に対する操作を有効化する。操作表示120が出現し、遊技者が演出ボタン25を押下操作すると、演出制御手段100は、所定の演出画像を液晶ディスプレイ13上に表示させる。なお、第1の演出において、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13上における操作表示120の表示が開始された以降に演出ボタン25に対する操作を有効化してもよく、液晶ディスプレイ13上における操作表示120の表示が開始されるよりも前に演出ボタン25に対する操作を有効化してもよい。換言すると、第1の演出では、演出ボタン25が液晶ディスプレイ13に表示されていない状態での演出ボタン25に対する操作が無効となっていてもよい。
【0275】
具体的には、例えば、特典付与手段82は、AT演出状態において、上乗せ抽選(指示機能に係る抽選)の一種として、所定の特典をストックするか否かを決定するストック抽選を行うこととする。ストック抽選に当選すると、所定の特典(指示機能に係る特典)としてのAT演出状態の継続期間の増加に係る権利がストック(蓄積)される。そして、特典付与手段82は、所定の契機で(例えば、AT終了判定カウンタ67の記憶値が「0」に達すると)、ストックされた特典を開放(換言すると、顕在化)し、ストックされた特典に基づいてAT演出状態の継続期間(換言すると、AT終了判定カウンタ67の記憶値)を増加させる。このような構成において、第1の演出は、ストック抽選に当選し、特典のストック数が増加したことを報知する演出であって、操作表示120が出現し、演出ボタン25が押下されると、ストック数が増加したことを報知する画像を液晶ディスプレイ13上に表示させる演出としてもよい。具体的には、例えば、AT演出状態においては、蓄積された各ストック(ストックされる各特典)に対応するストック画像(アイコン)124が液晶ディスプレイ13に表示され、ストック数に応じた数のストック画像124が表示されることとする(
図35参照)。この場合に、第1演出では、
図34に示されるように、操作手段画像120が出現し、演出ボタン25が押下されると、獲得した特典に対応するストック画像124が液晶ディスプレイ13に出現し、表示されるストック画像124の数が増加する演出がされてもよい。すなわち、第1の演出は、所定の特典を示す画像としてのストック画像124が液晶ディスプレイ13に蓄積表示される構成において、演出ボタン25に対する操作に基づいてストック画像124のストック数が増加する表示がされる演出であってもよい。
【0276】
第1の演出においては、演出ボタン25に対する操作は1回に限り有効となっている。すなわち、第1の演出においては、演出ボタン25に対する操作により液晶ディスプレイ13に表示される画像が変化するようになっているが、当該変化は、第1の演出中における1回目の演出ボタン25に対する操作のときにのみ起こり、2回目以降の演出ボタン25に対する操作のときには起こらない。
【0277】
なお、ストック抽選および第1の演出は、特別CZ演出状態や特別演出状態において実行されてもよい。
【0278】
一方、第2の演出は、具体的には例えば
図35に示されるようになっていてもよい。すなわち、ストック抽選に複数回当選して、複数のストック画像124が液晶ディスプレイ13上に蓄積された状態において(換言すると、複数の特典がストックされた状態において)、演出制御手段100は、所定の契機で(例えば、AT終了判定カウンタ67の記憶値が「0」に達すると)、液晶ディスプレイ13上に操作表示120を出現させる。具体的には、演出制御手段100は、AT演出状態の継続期間の増加(換言すると、特典の付与)に関連する操作表示120(換言すると、特典の付与に関連する演出画像を液晶ディスプレイ13に表示させるための操作を指示する表示)として、演出ボタン25の操作(換言すると、押下)を遊技者に指示する操作手段画像120を液晶ディスプレイ13上に表示させる。
【0279】
第2の演出では、演出制御手段100は、例えば1回の遊技中に、演出ボタン25の操作を遊技者に指示する操作表示120を、蓄積されたストック画像124(換言すると、特典)の数に対応する数だけ順次に液晶ディスプレイ13上に出現させ得る。換言すると、演出ボタン25を押下操作して、ストックされた特典(換言すると、上乗せされるべき回数の遊技)を利用可能にするストック開放を行うように遊技者に促す演出が行われる。
【0280】
また、第2の演出において、演出制御手段100は、操作表示120が表示されるよりも前に演出ボタン25に対する操作を有効化する。すなわち、第2の演出においては、液晶ディスプレイ13上における操作表示120の出現の有無にかかわらず演出ボタン25に対する操作が既に有効化されている。したがって、遊技者は、この第2の演出において順次に出現する個々の操作表示120を待つことなく、演出ボタン25を連続的に押下操作して、操作に対応する一連の演出画像を液晶ディスプレイ13に迅速に表示させることができる。例えば、演出ボタン25に対する各操作により、それに対応するストック画像124(特典)のストックが開放される。
【0281】
具体的には、第2の演出においては、演出ボタン25に対する各操作により、対応するストック画像124(特典)が消える表示(換言すると、ストック数が減少する表示)がされるとともに、当該ストック画像124(特典)の消費によるAT演出状態の継続期間の増加量(例えば、増加する遊技回数)を示す(報知する)画像が表示される。
図35には、1個のストックの消費によりAT演出状態において実行可能な遊技の回数が100回増加する場合の、当該増加量を報知する表示例が示されている。第2の演出においては、ストック画像124(特典)のストック数に応じた回数の演出ボタン25に対する操作が有効となっており、演出ボタン25に対する操作がされる毎にストックが開放され、AT演出状態の継続期間(AT演出状態において実行可能な遊技回数)が増加する。このように、第2の演出においては、演出ボタン25に対する操作が複数回(例えば、ストックの数だけ)可能となる。換言すると、第2の演出は、第1の演出よりも多い回数の演出ボタン25に対する操作が可能となっている。ただし、ストック画像124(特典)のストック数が1個の場合には、演出ボタン25に対する操作は1回に限り有効となる。
【0282】
なお、各ストックの開放により増加するAT演出状態の継続期間の増加量(例えば、増加する遊技回数)は、ストック時(換言すると、上乗せ抽選に当選した際)に決定されてもよく、ストックの開放時(換言すると、第2の演出の実行時)に決定されてもよい。なお、ストックやストックの開放は、第1の演出や第2の演出がされた際に演出ボタン25に対する操作がされなくても行われる。すなわち、第1の演出においては、有効化された演出ボタン25に対する操作をすることで、ストックの増加に係る所定の表示(増加する様子を示す表示)が液晶ディスプレイ13に表示されるが、例えば、演出ボタン25に対する操作を行わずに遊技が進行された場合(例えば、次遊技を開始させるための遊技開始操作がされた場合)であっても、当該所定の表示が省略されるだけであり、特典が内部的にストックされるとともに、液晶ディスプレイ13の表示がストック画像124の数が増加した状態に変化する。また、第2の演出においては、演出ボタン25に対する操作をする毎に、各ストックの開放により増加するAT演出状態の継続期間の増加量を報知する所定の表示が液晶ディスプレイ13に表示されるが、例えば、演出ボタン25に対する操作を行わずに遊技が進行された場合(例えば、次遊技を開始させるための遊技開始操作がされた場合)であっても、当該所定の表示が省略されるだけであり、AT演出状態の継続期間は、各ストックの開放による増加量分だけ増加する。
【0283】
なお、第2の演出において、操作表示120を待つことなく演出ボタン25に対する操作がされた場合、その操作を事前に指示すべき操作表示120やそれに関連する演出の一部または全部が省かれてもよい。また、第2の演出において、演出ボタン25に対する操作がされ、AT演出状態の継続期間の増加量を報知する所定の表示がされている間あるいはされる前に、更に演出ボタン25に対する操作(次のストックを開放する操作)がされた場合、当該所定の表示の一部または全部が省かれてもよい。
【0284】
また、第2の演出において、1つのストック画像124(特典)の開放(換言すると、1回の演出ボタン25に対する操作)で増加するAT演出状態の継続期間の増加量が所定の閾値を超える場合(例えば、増加する遊技回数が100回以上の場合)に、その増加量の多さを遊技者に報知して高揚感を与えるべく、ストック開放時に操作される演出ボタン25を振動させる(換言すると、演出ボタン25に所定の動きを与える)ようにしてもよい。この場合、具体的には、例えば、演出制御手段100は、演出ボタン25を振動させるバイブレータ128(
図25参照)を駆動させる。なお、演出ボタン25の振動は、演出ボタン25に対する操作が行われる前に行われてもよく、操作が行われた後に行われてもよい。また、操作が行われた後に行う場合の一例としては、操作が行われると即座に振動が行われる場合や、操作が行われ所定の期間が経過してから(例えば、AT演出状態の継続期間の増加量が所定の閾値を超えることを認識可能な表示が液晶ディスプレイ13に表示されてから)振動が行われる場合等が挙げられる。
【0285】
また、このようなバイブレータ128によるバイブレーション機能を有する場合、バイブレーションの頻度によっては、遊技機自体に負担をかけたり、遊技者に不快感を生じさせたり、あるいは騒音の問題も生じ得る。また、バイブレーションが多用されると、遊技者は、バイブレーションに慣れてしまい、興趣向上効果が薄れてしまう虞もある。そのため、第2の演出において演出ボタン25を振動させる場合には、その振動(演出ボタン25の動き)に関して制限を行なうようにしてもよい。例えば、第2の演出中において、連続するまたは累積の所定期間内における振動回数あるいは振動時間が所定の閾値を超えた場合に、その後の演出ボタン25の振動回数を減らす、振動時間を短くする、あるいは振動幅を小さくする等してもよい。あるいは、第2の演出において、AT演出状態の継続期間の増加量が所定の閾値(例えば、遊技回数100回)を超えるストック画像124(特典)が複数あった場合、そのストック開放のための演出ボタン25の操作が所定回数(例えば、3回)行われた後は、その後の演出ボタン25の操作の際(換言すると、4個目以降の当該所定の閾値を超えるストック画像124の開放の際)において振動を伴わないようにしてもよい。また、演出制御手段100は、第1の演出においても、演出ボタン25を振動させてもよい。この場合に、第1の演出においては、演出ボタン25の振動に関する制限(例えば、振動時間や振動幅の減縮等)がかからないようになっていてもよい。なお、第2の演出においては、所定の条件が成立した場合に振動に関する制限がかかるのではなく、最初から制限がかかっていてもよい。具体的には、例えば、第2の演出における演出ボタン25の振動は、第1の演出における演出ボタン25の振動に比べ、振動回数が少なくなっていたり、振動時間が短くなっていたり、あるいは振動幅が小さくなっていてもよい。換言すると、第2の演出においては演出ボタン25の動きに関する制限であって、第1の演出においてはかからない制限がかかるようになっていてもよい。
【0286】
なお、第1の演出や第2の演出は、上述のものに限られない。例えば、本実施形態では、第1の演出をストックの蓄積に係る演出とし、第2の演出をストックの開放に係る演出としたが、第1の演出と第2の演出とは互いに無関係の演出であってもよい。例えば、第1の演出は、所定の遊技において、上乗せ抽選等によりAT終了判定カウンタ67の記憶値の増加が決定された場合であって、ストックをせずに当該所定の遊技において即座にAT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる場合における、当該増加に係る報知を行う演出であってもよい。また、第1の演出や第2の演出は、AT演出状態以外の演出状態で実行される演出であってもよい。また、本実施形態では、第2の演出は、操作表示120が表示されるよりも前に演出ボタン25に対する操作が有効化されることにより、操作表示120が液晶ディスプレイ13に表示されていない状態での演出ボタン25に対する操作が有効となっているが、第2の演出は、操作表示120が表示されることのない演出(換言すると、演出ボタン25の操作が指示されない(促されない)演出)であって、操作表示120が液晶ディスプレイ13に表示されていない状態での演出ボタン25に対する操作が有効な演出であってもよい。
【0287】
なお、第2の演出は、第1の演出よりも特典に関する期待度が高い演出であってもよい。ここで、特典に関する期待度が高いとは、例えば、演出が実行された場合における付与される(獲得が報知される)特典の量(例えば、上乗せされる遊技回数)の期待値が高いものであってもよく、演出が実行された場合において遊技者にとっての有利度合いの高い特典(有利度合いの異なる複数種類の特典のうちの有利度合いが高い特典)の付与される(獲得の報知がされる)確率が高いものであってもよく、演出が実行された場合における特典が付与される(特典の獲得が報知される)確率が高いものであってもよい。
【0288】
本実施形態の遊技機は、
特典に関する演出画像を表示する表示手段(液晶ディスプレイ13)と、
演出操作手段(演出ボタン25)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作を促す所定の操作表示を前記表示手段に表示させるとともに、前記演出操作手段に対する操作を有効とする第1の演出と、
前記第1の演出よりも特典に関する期待度が高い第2の演出と、の実行を制御し、
前記第2の演出は、前記所定の操作表示が前記表示手段に表示されていない状態での前記演出操作手段に対する操作が有効である。
【0289】
本実施形態においては、第1の演出に比べて特典に関する期待度が高い第2の演出について、所定の操作表示が表示手段に表示されていない状態での演出操作手段に対する操作が可能となっている。そのため、特典に関する期待度の高い第2の演出について、遊技者のはやる気持ちに合わせて演出の迅速な進行を可能としたり、所定の操作表示が表示されていない状態での操作が可能であるという意外性と特典に関する期待度の高さとの相乗効果により特典に対する遊技者の期待感を向上させたりすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0290】
また、本実施形態の遊技機は、
演出画像を表示する表示手段(液晶ディスプレイ13)と、
演出操作手段(演出ボタン25)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作を促す所定の操作表示を前記表示手段に表示させるとともに、前記演出操作手段に対する第1の回数の操作を有効とする第1の演出と、
前記演出操作手段に対する前記第1の回数よりも多い第2の回数の操作を有効とする第2の演出と、の実行を制御し、
前記第2の演出は、前記所定の操作表示が前記表示手段に表示されていない状態での前記演出操作手段に対する操作が有効である。
【0291】
本実施形態においては、第1の演出に比べて多くの回数の演出操作手段に対する操作が有効な第2の演出について、所定の操作表示が表示手段に表示されていない状態での演出操作手段に対する操作が可能となっている。そのため、遊技者は、操作表示を待つことなく演出操作手段に対する操作を連続的に行って、演出を迅速に進行させること等ができ、演出操作手段の操作に係る操作性を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0292】
(他の遊技機への適用)
本実施形態では、遊技価値として物理的な遊技メダルを用いるスロットマシン10に、本発明を適用する例について説明した。本発明は、物理的な遊技メダルを用いずに電子的情報としての遊技価値を用い、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技が行われる遊技機(メダルレス遊技機)に適用してもよい。メダルレス遊技機は、遊技を行う際に物理的なメダルを投入し、役の入賞によって物理的なメダルが払い出される従来のスロットマシンとは異なり、電子的情報としての遊技価値を用い、遊技によって遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりする遊技機となっている。なお、メダルレス遊技機における遊技価値は、従来のスロットマシンにおける遊技価値であるメダルに対応し、メダルレス遊技機における遊技価値は仮想的なメダル(電子化メダル)と解すことができる。
【0293】
メダルレス遊技機は、ベットボタン23に相当するベットボタン、スタートレバー24に相当するスタートレバー、ストップボタン26a~26cに相当するストップボタン、リール20a~20cに相当するリール、メイン制御基板31に相当するメイン制御基板、サブ制御基板32に相当するサブ制御基板、等を備えている。メダルレス遊技機では、スロットマシン10における上述の制御と同様の制御が行われる。
【0294】
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
また、本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形や省略が可能である。
【符号の説明】
【0295】
13 液晶ディスプレイ(表示手段)
25 演出ボタン(演出操作手段)
100 演出制御手段