(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016275
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】端末デバイスで実施される方法及び端末デバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 36/26 20090101AFI20240130BHJP
【FI】
H04W36/26
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023196504
(22)【出願日】2023-11-20
(62)【分割の表示】P 2022500087の分割
【原出願日】2019-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示の実施形態は、条件付きハンドオーバ(CHO)の試行失敗を報告するための方法、デバイス及びコンピュータ可読媒体を提供する。
【解決手段】障害レポートの新たな仕組みを実現する方法は、端末デバイスの条件付きハンドオーバのための候補セルに関する設定情報を取得することと、少なくとも1つの候補セルに対し、少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行を開始することと、条件付きハンドオーバ手順における前記少なくとも1つの候補セルへの少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行が失敗したことに応じて、前記少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報を格納することと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットセルへの条件付きハンドオーバ(CHO)試行を実行することと、
前記CHO試行が失敗したことに応じて、前記CHO試行が、無線リンク障害(RLF)又はハンドオーバ失敗によってトリガされるかを判定することと、
前記CHO試行が、前記RLF又は前記ハンドオーバ失敗によってトリガされないことに応じて、前記CHO試行のハンドオーバ失敗情報をRLFレポートに格納することと、
を含む、端末デバイスで実施される方法。
【請求項2】
前記CHO試行が、前記RLF又は前記ハンドオーバ失敗によってトリガされることに応じて、前記CHO試行のハンドオーバ失敗情報を無視することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CHO試行の失敗が、前記CHO試行のためのタイマの満了に基づいて判定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記CHO試行が成功したことに応じて、成功したCHO試行の情報を含むメッセージを送信することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記成功したCHO試行の情報は、前記ターゲットセルの識別子、又はロケーション情報の少なくとも一つを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ターゲットセルへの条件付きハンドオーバ(CHO)試行を実行するための手段と、
前記CHO試行が失敗したことに応じて、前記CHO試行が、無線リンク障害(RLF)又はハンドオーバ失敗によってトリガされるかを判定するための手段と、
前記CHO試行が、前記RLF又は前記ハンドオーバ失敗によってトリガされないことに応じて、前記CHO試行のハンドオーバ失敗情報をRLFレポートに格納するための手段と、
を備える、端末デバイス。
【請求項7】
前記CHO試行が、前記RLF又は前記ハンドオーバ失敗によってトリガされることに応じて、前記CHO試行のハンドオーバ失敗情報を無視するための手段をさらに備える、
請求項6に記載の端末デバイス。
【請求項8】
前記CHO試行の失敗を、前記CHO試行のためのタイマの満了に基づいて判定するための手段をさらに備える、
請求項6に記載の端末デバイス。
【請求項9】
前記CHO試行が成功したことに応じて、成功したCHO試行の情報を含むメッセージを送信するための手段をさらに備える、
請求項6に記載の端末デバイス。
【請求項10】
前記成功したCHO試行の情報は、前記ターゲットセルの識別子、又はロケーション情報の少なくとも一つを含む、
請求項9に記載の端末デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は全体として通信分野に関し、より具体的には、条件付きハンドオーバ(CHO)の試行失敗を報告するための通信方法、デバイス、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、端末デバイスは、ハンドオーバ(HO)手順が成功した場合、ソースセルからターゲットセルにハンドオーバすることができる。しかしながら、主にハンドオーバコマンドの送信失敗によってハンドオーバの失敗が発生する。ハンドオーバの信頼性を向上させるために、Rel-16 LTE及びNRでは、条件付きハンドオーバ(CHO)を適用することが合意されている。
【0003】
ソースネットワークデバイス(gNB又はeNB)と端末デバイスとの間のチャネルがまだ良好な状態にある場合、ソースネットワークデバイスは、複数のCHO候補セルに関連付けられるCHO設定を端末デバイスに送信することができる。CHO設定は、CHO候補セルの設定及びCHO実行条件を含む。CHO実行条件を満たすCHO候補セルがあれば、例えば、ターゲットセル(CHO候補セル)と端末デバイスとの間のチャネル状態は、サービングセル(serving cell)と端末デバイスとの間のチャネル状態よりもオフセットが良好であれば、端末デバイスは、ターゲットセルと自律的に接続を行うことができる。この場合、ソースネットワークデバイスがメッセージを送信してCHO実行開始を指示する必要はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全体として、本開示の例示的な実施形態は、条件付きハンドオーバ(CHO)の試行失敗を報告するための方法、デバイス、及びコンピュータ可読媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、端末デバイスで実施される方法が提供される。前記方法は、前記端末デバイスの条件付きハンドオーバについての候補セルに関する設定情報を取得することを備える。前記方法はさらに、少なくとも1つの候補セルに対し、少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行を開始することを備える。前記方法はさらに、条件付きハンドオーバ手順における前記少なくとも1つの候補セルへの少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行が失敗したことに応じて、前記少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報を格納することを含む。
【0006】
第2の態様において、端末デバイスで実施される方法が提供される。前記方法は、前記端末デバイスの条件付きハンドオーバについての候補セルに関する設定情報を取得することを備える。前記方法はさらに、少なくとも1つの候補セルに対し、少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行を開始することを備える。前記方法はさらに、条件付きハンドオーバ手順における前記少なくとも1つの候補セルへの少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行が失敗したことに応じて、前記少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行の失敗を無視することを含む。
【0007】
第3の態様では、端末デバイスが提供される。前記端末デバイスは、プロセッサと、前記プロセッサユニットに結合され命令が格納されているメモリとを備え、前記命令が前記プロセッサユニットによって実行される場合に、前記端末デバイスに前記第1の態様にかかる動作を実行させる。
【0008】
第4の態様では、端末デバイスが提供される。前記端末デバイスは、プロセッサと、前記プロセッサユニットに結合され命令が格納されているメモリとを備え、前記命令は前記プロセッサユニットによって実行される場合に、前記端末デバイスに前記第2の態様にかかる動作を実行させる。
【0009】
第5の態様では、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに前記第1の態様にかかる方法を実行させる命令が格納されている、コンピュータ可読媒体が提供される。
【0010】
第6の態様では、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに前記第2の態様にかかる方法を実行させる命令が格納されている、コンピュータ可読媒体が提供される。
【0011】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下、図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明し、本開示の上述の及びその他の目的、特徴、利点をさらに明らかにする。
【0013】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な通信環境の模式図である。
【0014】
【
図2】本開示の例示的な実施形態にかかる、条件付きハンドオーバ(CHO)の試行失敗を報告するためのプロセス200の模式図を示す。
【0015】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法300のフローチャートを示す。
【0016】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法400のフローチャートを示す。
【0017】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法500のフローチャートを示す。
【0018】
【
図6】本開示の実施形態を実現するのに適したデバイスの概略ブロック図である。
【0019】
全ての図において、同一又は類似の図面符号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、いくつかの例示的実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。理解すべき点として、これらの実施形態は、単に説明のために記述され、当業者が本開示を理解し実施するのをサポートするものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を暗示するものではない。本明細書で説明する本開示は、以下に説明する方法以外に、さまざまな方法で実施可能である。
【0021】
以下の説明及び請求項において、別途定義しない限り、文中で使用される全ての技術用語・科学用語は、本開示が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。
【0022】
文中で使用される用語「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS)とは、端末デバイスが通信できるセル又はカバレッジ(coverage)を、提供又はホスト可能なデバイスを指す。ネットワークデバイスの例には、ノードB(NodeB又はNB)、進化型NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、リモートラジオユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノード等のような低電力ノードが含まれるが、これらに限定されない。議論を目的として、以下では、ネットワークデバイスの例としてgNBを参照しつついくつかの実施形態を説明する。
【0023】
文中で使用される用語「端末デバイス」は、無線での通信能力又は有線での通信能力を有する全てのデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ端末(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯コンピュータ、デジタルカメラのような画像取込デバイス、ゲーム機器、音楽保存再生装置、又は無線若しくは有線によるインターネットへのアクセス・閲覧が可能なインターネットデバイス等が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
文中で使用される場合、文脈の中で他に明記しない限り、単数形式である「1つ」、「1つの」及び「当該」は、複数形式を含むことを意味する。用語「含む」及びその変形は、「…を含むが、これらに限定されない」という意味の、開放式の用語であると理解されるべきである。用語「…に基づいて」は、「少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。用語「実施形態」及び「1つの実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。用語「他の実施形態」は、「少なくとも1つの他の実施形態」と理解されるべきである。用語「第1」、「第2」等は、異なるか又は同一の対象を指すことができる。以下の文中では、その他の明確な定義及び暗黙の定義が含まれる可能性がある。
【0025】
いくつかの例示において、値、プロセス又は装置は、「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解すべき点として、こうした説明は、使用される複数の機能の代替案から、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又はより好ましかったりする必要はない。
【0026】
図1は、その中で本開示の実施形態を実施可能な例示的通信ネットワーク100を示す。ネットワーク100は、端末デバイス110と、ネットワークデバイス120-1~120-4(ネットワークデバイス120と総称する)とを含む。例えば、端末デバイス110は、ネットワークデバイス120-1からサービスを受けることができる。ネットワークデバイス120-1のサービングエリアはセル101と称される。ネットワークデバイス及び端末デバイスの数は、説明を目的としたものにすぎず、何らかの限定を暗示するものではないことは理解できるはずである。ネットワーク100は、本開示の実施形態の実施に適した任意の適切な数のネットワークデバイス及び端末デバイスを含むことができる。図示されてはいないが、理解すべき点として、セル101内に1つ又は複数の端末デバイスが位置し、ネットワークデバイス120-1からサービスを受けることができる。
【0027】
通信ネットワーク100において、ネットワークデバイス120は、データ及び制御情報を端末デバイス110に送ることができ、端末デバイス110も、データ及び制御情報をネットワークデバイス120に送ることができる。ネットワークデバイス120から端末デバイス110へのリンクは、ダウンリンク(DL)又はフォワードリンクと称され、一方、端末デバイス110からネットワークデバイス120へのリンクは、アップリンク(UL)又はリバースリンクと称される。
【0028】
1つの実施形態において、端末デバイスは、第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスと接続することができる。第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスのうち、一方はマスターノードであり、他方はセカンダリノードであり得る。第1ネットワークデバイスと第2ネットワークデバイスは、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用することができる。1つの実施形態において第1ネットワークデバイスは、第1RATデバイスであり、第2ネットワークデバイスは、第2RATデバイスであり得る。1つの実施形態では、第1RATデバイスはeNBであり、第2RATデバイスはgNBである。異なるRATに関連する情報は、第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスの少なくとも一方から端末デバイスに送信することができる。1つの実施形態において、第1情報は、第1ネットワークデバイスから端末デバイスに送信されてもよく、第2情報は、第2ネットワークデバイスから、直接又は第1ネットワークデバイスを介して送信されてもよい。1つの実施形態では、第2ネットワークデバイスによって設定される端末デバイスの設定と関連する情報が、第2ネットワークデバイスから第1ネットワークデバイスを介して送信されてもよい。また、第2ネットワークデバイスによって設定される端末デバイスの再設定と関連する情報が、第2ネットワークデバイスから、直接又は第1ネットワークデバイスを介して端末デバイスに送信されてもよい。
【0029】
ネットワーク100は、通信技術に応じて、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)ネットワーク又は任意の他のネットワークであり得る。ネットワーク100に関し論じる通信としては、任意の適切な規格に適合するものを用いることができ、それには新無線アクセス(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE エボリューション、LTE-アドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、cdma2000、移動通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)等が含まれ得るが、これらに限定されない。また、現在既知の又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに基づき、通信を実行することができる。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で説明する技術は、上述した無線ネットワーク及び無線技術並びに他の無線ネットワーク及び無線技術において用いることができる。明確性の観点から、以下ではLTEについてこれらの技術のいくつかの面を説明しており、以下の説明の大部分において、LTEの技術用語が使用されている。
【0030】
通信ネットワーク100において、端末デバイス110とネットワークデバイス120-1との間のチャネル状態が悪化している場合、ネットワークデバイス120-1は、ハンドオーバ(HO)手順を開始し、端末デバイス110に、そのサービングセルからターゲットセルへのハンドオーバを通知することができる。ハンドオーバ手順の間、端末デバイス110は、ターゲットセルへのアクセスを試行することができる。ハンドオーバ手順の実行が成功した場合、端末デバイス110は、他のサービングエリアからサービスを受けることができ、例えば、ネットワークデバイス120-2のサービングセル102からサービスを受けることができる。
【0031】
しかしながら、ハンドオーバ手順のタイマ満了までに、アクセス試行が成功したことを示す応答を端末デバイス110がネットワークデバイス120-2から受信しなかった場合、アクセス試行は失敗する。この失敗したアクセス試行(ハンドオーバ失敗(HOF)と称することができる)の失敗情報は、端末デバイス110に記録することができる。
【0032】
また、端末デバイス110とそのサービングネットワークデバイス120-1との間の接続が失敗した場合、その失敗した接続(無線リンク障害(RLF)と称することができる)の失敗情報も、端末デバイス110に記録することができる。
【0033】
端末デバイス110は、その後のRRC接続の確立(再確立)及びターゲットセルへのハンドオーバにおいて、RLFレポート情報の利用可能性を示すことができる。上位デバイスがRLFレポートを必要とする場合、新たに接続されたネットワークデバイス(例えば、ネットワークデバイス120-2)は、UEInformationRequestメッセージを送信して端末デバイス110にRLFレポート情報をフィードバックすることを要求することができる。端末デバイス110はUEInformationResponseメッセージを用いて応答する。
【0034】
記録された失敗情報は、RLFレポート変数に導入することができる。現在の失敗記録の仕組みによれば、端末デバイス110は、最新の無線リンク障害又はハンドオーバ失敗の情報しか格納できない。端末デバイス110は、情報フィールドを設定する前に、現在のRLFレポート変数に含まれる情報を常にクリアする。
【0035】
上述したように、ハンドオーバの信頼性を向上させるために、条件付きハンドオーバ(CHO)が提案されている。条件付きハンドオーバ手順では、ネットワークデバイス120-1と端末デバイス110との間のチャネルがまだ良好な状態にある場合、ネットワークデバイス120-1は、複数のCHO候補セル(例えば、
図1に示すセル102~104)に関連付けられるCHO設定を端末に送信することができる。CHO設定にはCHO候補セルの設定及びCHO実行条件が含まれる。
【0036】
オプションとして、いずれかのCHO候補セルがCHO実行条件を満たすと、端末デバイス110は、CHO候補セルに対し自律的なアクセス試行を実行することができ、ネットワークデバイス120-1がメッセージを送信してCHO実行開始を指示する必要はない。候補セルのセットを端末デバイス110に提供して条件付きハンドオーバ手順を実行できるため、ハンドオーバが成功するまでに、複数のアクセス試行が実行される可能性がある。
【0037】
別のオプションとして、RLF又はCHOがすでに発生した場合、CHO候補セルがCHO実行条件を満たしていなくても、端末デバイス110はCHO手順を開始してもよい。
【0038】
上述したような失敗記録の仕組みによれば、新しい失敗情報が記録される前には常に、以前の失敗情報が削除され得る。この場合、RLFレポートが、ネットワーク全体の状態を反映できない可能性がある。例えば、CHO実行前に記録されたRLF及びHOFに関する情報は、CHOの失敗情報を記録する際に削除されてしまう可能性がある。また、複数のCHO候補セルに対するCHO試行がすべて失敗した場合、端末デバイス110は、最後のCHO実行に関連するRLFレポートしか提出できない。さらに、CHO手順においてハンドオーバの失敗をどのように示すかについては、まだ議論が尽くされていない。
【0039】
このため本開示では、条件付きハンドオーバ(CHO)の試行失敗を報告するための方法について議論する。
【0040】
以下、図面を参照しつつ原理及び例示的な実施形態を詳細に説明する。しかし当業者であれば、本開示がこれらの限定された実施形態を超えており、したがって、ここで図面に関して詳述する内容は、説明のためのものであることを容易に理解するはずである。
【0041】
図2は、本開示の例示的な実施形態にかかる、CHOの試行失敗を報告するためのプロセス200の模式図を示す。議論を目的として、
図1を参照しつつプロセス200を説明する。プロセス200は、
図1に示す端末デバイス110及びネットワークデバイス120-1~120-4に関わることができる。
【0042】
図2に示すように、端末デバイス110はネットワークデバイス120-1から、CHO用の候補セルに関する設定情報を取得する(205)。ネットワークデバイス120-1と端末デバイス110との間のチャネルがまだ良好な状態にあるときに、ネットワークデバイス120-1から設定情報を送信することができる。設定情報は、各候補セルのセルIDと、CHO用のその他の関連設定とを含むことができる。例えば、候補セルは、
図1に示すセル102~104を指すことができる。
【0043】
CHOをトリガするための条件に達した場合、例えば、ネットワークデバイス120-2~120-4と端末デバイス110との間のチャネル状態は、ネットワークデバイス120-1と端末デバイス110との間のチャネル状態よりもオフセットが良好である場合、端末デバイス110は、条件付きハンドオーバを開始することができる(210)。端末デバイス110は、候補セルに対し条件付きハンドオーバ試行を少なくとも1回実行することができる。
【0044】
第1の条件付きハンドオーバ試行において、端末デバイス110は、例えば、候補セルの1つ(例えば、ネットワークデバイス120-2のセル102)にアクセス要求を送信することができる(215)。条件付きハンドオーバ試行のためのタイマが満了し、ネットワークデバイス120-2から応答が受信されなかった場合は、ハンドオーバ試行を、失敗した試行とみなすことができる。セル102へのハンドオーバ試行が失敗すると、端末デバイス110は、失敗した条件付きハンドオーバ試行の失敗情報を格納する(220)。
【0045】
いくつかの例示的な実施形態では、端末デバイス110は、CHO手順におけるセル102への第1のハンドオーバ試行の失敗が、端末デバイス110が現在のサービングセル(すなわちセル102)と接続した(この状況では、端末デバイス110とネットワークデバイスとの間の接続は失敗しない)後の第1の接続失敗であるか否かを判定してもよい。セル102への第1のハンドオーバ試行の失敗が第1の接続失敗である場合、端末デバイス110は、以前に格納した失敗情報を削除することができる。例えば、セル101~104以外の他のセルに関連する失敗情報の履歴を削除することができる。
【0046】
別のオプションとして、端末デバイス110は、RLF又はHOFによってセル102へのハンドオーバ試行がトリガされるかどうかを判定してもよい。端末デバイス110が、RLF又はHOFによってセル102へのハンドオーバ試行がトリガされると判定した場合、端末デバイス110は、失敗情報を無視することができる。
【0047】
いくつかの例示的な実施形態では、端末デバイス110は、さらなる条件付きハンドオーバ試行を実行することができる。例えば、端末デバイス110は、候補セルの1つ(例えばネットワークデバイス120-3のセル103)にアクセス要求を送信することができる(225)。同様に、条件付きハンドオーバ試行のタイマが満了し、ネットワークデバイス120-3から応答を受信しなかった場合は、ハンドオーバ試行を失敗した試行とみなすことができる。
【0048】
セル103へのハンドオーバ試行が失敗した場合、この失敗した条件付きハンドオーバ試行の失敗情報も、端末デバイス110に格納することができる。上述したように、第1の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報はすでに格納されている。
【0049】
いくつかの例示的な実施形態において、端末デバイス110は、第1の条件付きハンドオーバ試行及び第2の条件付きハンドオーバ試行の開始時点に基づいて、セル102に対する第1の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報、及びセル103に対する第2の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報の両方を格納することができる(230)。
【0050】
いくつかの例示的な実施形態では、セル102に対する第1の条件付きハンドオーバ試行が、条件付きハンドオーバ手順における1回目の条件付きハンドオーバ試行である場合、端末デバイス110は、当該第1の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報のみを格納してもよい。
【0051】
いくつかの例示的な実施形態では、セル103に対する第2の条件付きハンドオーバ試行が、当該条件付きハンドオーバ手順における最後の条件付きハンドオーバ試行である場合、端末デバイス110は、当該第2の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報のみを格納してもよい。
【0052】
いくつかの例示的な実施形態では、端末デバイス110は、失敗した条件付きハンドオーバ試行の所定の回数を格納してもよい。
【0053】
例えば、所定の回数が2であり、端末デバイス110が最も早い失敗を格納できる場合、第1の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報及び第2の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報のみを格納することができる。すなわち、第1の条件付きハンドオーバ試行及び第2の条件付きハンドオーバ試行の後に発生した、その他の失敗した条件付きハンドオーバ試行は、格納されなくなる。
【0054】
別のオプションとして、所定の回数が2で端末デバイスが直近の失敗を格納することが可能であり、第1の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報及び第2の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報が既に格納されている場合、さらなる失敗情報を格納する際に、端末デバイス110は、以前に格納された失敗情報の失敗回数と、さらなる失敗情報の失敗回数との合計が閾値回数を超えるか否かを判定してもよい。前記合計が閾値回数を超える場合、さらなる条件付きハンドオーバ試行の失敗情報を格納できるように、以前に格納された失敗情報の一部を削除することができる。
【0055】
端末デバイス110によって開始された少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行の前に、いくつかの以前の失敗情報が既に端末デバイス110に格納されている可能性がある。こうした以前の失敗情報は、RLF、HOF、又は別のCHO失敗と称してもよい。RLFは、端末デバイス110とネットワークデバイス120-1との間の接続が失敗したことを示すことができ、HOFは、端末デバイスがCHOの前に専用セルへのアクセスを試行したがそのアクセス試行が失敗したことを示すことができる。
【0056】
オプションとして、以前の失敗情報を削除せずに、少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報を格納してもよい。
【0057】
さらなるオプションとして、端末デバイス110が、失敗した条件付きハンドオーバ試行の所定の回数を格納する場合、端末デバイス110は、以前の失敗情報に関連付けられる失敗回数と、失敗情報に関連付けられる失敗回数との合計が、格納が許容される失敗イベントの閾値回数を超えるか否かを判定してもよい。前記合計が閾値回数を超えていないと端末デバイス110が判定した場合、端末デバイス110は、以前の失敗情報を削除することなく、失敗情報を格納することができる。
【0058】
端末デバイス110が、前記合計が閾値回数を超えると判定した場合、端末デバイス110は、失敗情報が格納できるように、以前の失敗情報の一部を削除することができる。
【0059】
図2に戻って、端末デバイス110はさらに、条件付きハンドオーバ手順において、ネットワークデバイス120-4の別のセル104にアクセス要求を送信することができる(235)。端末デバイス110が前記ネットワークデバイスから、アクセスが許容可能であることを示す応答を受信した場合(240)、端末デバイス110は、セル104に対する条件付きハンドオーバの試行が成功したと判定することができる(245)。
【0060】
別のオプションとして、セル104へのハンドオーバ試行が失敗する可能性もある。しかし端末デバイス110は、利用可能なセルに成功にアクセスする可能性がある。すなわち、端末デバイス110とネットワークとの間の接続を再度確立する可能性がある。
【0061】
セル104と利用可能なセルはいずれも、以下の文中でターゲットセルと称することができる。
【0062】
端末デバイス110は、端末デバイスで発生した少なくとも1回の接続失敗の情報が利用可能であることを示すメッセージを、ターゲットセルに送信することができる(250)。
【0063】
例えば、当該メッセージは、少なくとも1回の接続失敗の失敗タイプ(すなわちRLF、HOF及びCHOFのうちの1つ)、少なくとも1回の接続失敗の回数、及びターゲットセルへのハンドオーバ試行成功の情報、のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、失敗レポートはさらに、CHO手順で発生した失敗回数を示してもよい。少なくとも1回の接続失敗に関する情報(すなわち端末デバイスのRLF変数)の例示は、以下の表で表すことができる。
表1:RLF変数
【0064】
端末デバイス110が、少なくとも1回の接続失敗に関する情報の要求を受信した場合(255)、端末デバイス110は、失敗レポートを生成することができる(260)。失敗レポートは、以前の失敗情報、失敗情報、及び、ターゲットセルへの成功したハンドオーバ試行に関する情報、のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、ターゲットセルへの成功したハンドオーバ試行に関する情報は、ターゲットセルの識別子、ターゲットセルへのアクセスのタイムスタンプ、ターゲットセルのロケーション、ターゲットセルのチャネル状況、及びターゲットセルの少なくとも1つの隣接セルのチャネル状況のうち、1つ又は複数のパラメータを含むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、失敗レポートは、端末デバイスで発生した失敗のタイプと、各タイプの失敗情報とを示すことができる。失敗レポートの例は、以下の表で表すことができる。
表2:失敗レポート
【0067】
その後、端末デバイス110は、失敗レポートをターゲットセルに送信することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、CHO手順で発生したいかなる失敗も、端末デバイス110に格納されない。言い換えれば、CHO手順に関連する失敗は無視される。
【0069】
いくつかの実施形態では、端末デバイス110は、少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行の前に、無線リンク障害又は従来のハンドオーバ失敗(legacy handover failure)が発生していたかどうかを判定してもよい。少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行の前に、無線リンク障害又は従来のハンドオーバ失敗が発生していたと端末デバイス110が判定した場合、端末デバイス110は、CHO手順における失敗を無視することができる。
【0070】
このようにして、失敗レポートの新たな仕組みを実現することができる。
【0071】
図3から
図5を参照しつつ本開示の例示的実施形態にかかるより詳細な内容を説明する。
【0072】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法300のフローチャートを示す。方法300は、
図1に示すように、端末デバイス110において実施することができる。議論しやすいように、
図1を参照して方法300を説明する。
【0073】
310において端末デバイス110は、前記端末デバイスの条件付きハンドオーバのための少なくとも1つの候補セルに関する設定情報を取得する。
【0074】
320において端末デバイス110は、前記少なくとも1つの候補セルに対し、少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行を開始する。
【0075】
330において、条件付きハンドオーバ手順における前記少なくとも1つの候補セルへの少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行が失敗した場合、端末デバイス110は340において、前記少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行の失敗情報を格納する。
【0076】
330において、条件付きハンドオーバ手順における前記少なくとも1つの候補セルへの少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行が失敗した場合、端末デバイスの動作について
図4を参照して以下のように説明することができる。
【0077】
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法400のフローチャートを示す。方法400は例えば、
図1に示す端末デバイス110において実施することができる。議論しやすいように、
図1を参照して方法400を説明する。
【0078】
410において端末デバイス110は、前記端末デバイスで発生した少なくとも1回の接続失敗の情報が利用可能であることを示すメッセージを、ターゲットセルに送信する。前記ターゲットセルは、少なくとも1つの候補セル、又は前記少なくとも1つの候補セル以外の利用可能なセルのうちの1つの利用可能なセルを含むことができる。
【0079】
420において、端末デバイス110が情報についての要求をターゲットセルから受信すると、端末デバイス110は430において、以前の失敗情報、失敗情報、及び、成功した条件付きハンドオーバ試行に関する情報、のうちの少なくとも1つを含む失敗レポートを生成する。
【0080】
440において端末デバイス110は、失敗レポートを前記ターゲットセルに送信する。
【0081】
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法500のフローチャートを示す。方法500は例えば、
図1に示す端末デバイス110において実施することができる。議論しやすいように、
図1を参照して方法500を説明する。
【0082】
510において端末デバイス110は、前記端末デバイスの条件付きハンドオーバのための少なくとも1つの候補セルに関する設定情報を取得する。
【0083】
520において端末デバイス110は、前記少なくとも1つの候補セルに対し、少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行を開始する。
【0084】
530において、条件付きハンドオーバ手順における前記少なくとも1つの候補セルへの少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行が失敗した場合、端末デバイス110は540において、前記少なくとも1回の条件付きハンドオーバ試行の失敗を無視する。
【0085】
図6は、本開示の実施形態を実施するのに適したデバイス600の概略ブロック図である。デバイス600は、
図1に示す端末デバイス110のさらなる例示の実施形態であるとみなすことができる。したがって、デバイス600は、端末デバイス110において実現することができ、又は端末デバイス110の少なくとも一部として実現することができる。
【0086】
図6に示すように、デバイス600は、プロセッサ610、プロセッサ610に結合されるメモリ620、プロセッサ610に結合される適切な送信機(TX)及び受信機(RX)640、並びにTX/RX640に結合される通信インタフェースを備える。メモリ620は、プログラム630の少なくとも一部を格納する。TX/RX 640は双方向通信に用いられる。TX/RX640は、通信のための少なくとも1つのアンテナを有し、実際には、本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有することができる。通信インタフェースは、他のネットワーク部材と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、eNB間の双方向通信用のX2インタフェース、モビリティ マネージメント エンティティ(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信用のS1インタフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインタフェースを表すことができる。
【0087】
プログラム630がプログラム命令を含むと仮定すると、プログラム命令が、関連するプロセッサ610によって実行されると、デバイス600は、文中で
図2~
図5を参照して述べた本開示の実施形態に基づいて操作を行うことができるようになる。本明細書の実施形態は、デバイス600のプロセッサ610が実行可能なコンピュータソフトウェアによって実現してもよいし、ハードウェアによって実現してもよいし、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せによって実現してもよい。プロセッサ610は、本開示の各実施形態を実施するように設定することができる。また、プロセッサ610及びメモリ620の組合せは、本開示の各実施形態を実施するのに適した処理部材650を構成することができる。
【0088】
メモリ620は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、任意の適切なデータ記憶技術(例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体による記憶装置、磁気記憶装置及びシステム、光学記憶装置及びシステム、固定メモリ及び移動可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない)によって実現することができる。デバイス600には1つのメモリ620しか示されていないが、デバイス600には複数の物理上異なるメモリモジュールを設置することができる。例として、プロセッサ610は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、一つ又は複数を含むことができるが、これらに限定されない。デバイス600は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有することができる。
【0089】
通常、本開示の各実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、ロジック又はそれらの任意の組合せにおいて実施することができる。いくつかの態様はハードウェアによって実現し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピュータデバイスが実行するファームウェア又はソフトウェアによって実現することができる。本開示の実施形態の各態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他のいくつかの図形によって示されているが、理解すべき点として、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくはロジック、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピュータデバイス、又はそれらの組合せにおいて実現することができるが、これらに限定されない。
【0090】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に、有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。該コンピュータプログラム製品は、コンピュータが実行可能な命令を含む。当該コンピュータが実行可能な命令は、対象の現実のプロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行され、例えばプログラムモジュールに含まれて、
図2を参考に上述したプロセス又は方法を実行する。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。プログラムモジュールの機能は、各実施形態での必要に応じて、プログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割することができる。プログラムモジュールのマシンが実行可能な命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイスにおいて実行することができる。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカルの記憶媒体及びリモートの記憶媒体の両方に置くことができる。
【0091】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、一種類又は複数種類のプログラミング言語の任意の組合せによって記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供可能であり、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/操作を実現することができる。プログラムコードは全てマシン上で実行してもよいし、部分的にマシン上で実行してもよいし、独立したソフトウェアパッケージとして実行してもよいし、マシン上で部分的に実行するとともに、リモートのマシン上で部分的に実行してもよいし、又は完全にリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0092】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で実施することができ、該マシン可読媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスによって使用されるプログラム、又は、それらと結合して使用されるプログラムを含むか又は格納する任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシンが読み取り可能な信号媒体又はマシンが読み取り可能な記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線又は半導体のシステム、装置又はデバイス、又は前述の任意の適切な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のさらに具体的な例には、一つ若しくは複数のケーブルの電気的接続、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は前述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0093】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を示された特定の順序で実行するか若しくは順に実行するか、又は、示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、複数のタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論では、いくつかの特定の実施の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する限定であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態が持つ特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の背景において説明したいくつかの特徴は、ある一つの実現形態において組み合わせて実施されてもよい。逆に、一つの実施形態の背景において説明された各種特徴は、複数の実施形態において単独で、又は任意の適切なサブ的な組合せによって、実現されてもよい。
【0094】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法・動作の専門用語で説明したが、添付の請求項によって限定される本開示は、必ずしも上述の具体的な特徴又は動作に限定されないと理解されるべきである。上述の具体的な特徴や動作はむしろ、請求項を実施する例示的形態として開示されている。