(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162764
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】止水装置
(51)【国際特許分類】
E06B 5/00 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078636
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】安西 利樹
(72)【発明者】
【氏名】小縣 剛士
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】 支柱に物等が接触するのを阻む。
【解決手段】 横幅方向に間隔を置いた二つの支柱10,10に止水板20を係止した止水板係止状態と、二つの支柱10,10から止水板20を外した止水板離脱状態とを有する止水装置おいて、前記止水板離脱状態の二つの支柱10,10をそれぞれ覆う二つのカバー部材30,30を具備している。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横幅方向に間隔を置いた二つの支柱に止水板を係止した止水板係止状態と、前記二つの支柱から前記止水板を外した止水板離脱状態とを有する止水装置おいて、前記止水板離脱状態の前記二つの支柱をそれぞれ覆う二つのカバー部材を具備していることを特徴とする止水装置。
【請求項2】
前記二つのカバー部材の各々は、前記二つの支柱のうち、その一方に対し前記止水板離脱状態で装着可能であって、且つ他方に対しては前記止水板係止状態で装着可能であることを特徴とする請求項1記載の止水装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記二つの支柱のうちのいずれに対しても、前記止水板離脱状態で装着可能であって、且つ止水板係止状態でも装着可能であることを特徴とする請求項1記載の止水装置。
【請求項4】
前記二つの支柱の各々には、前記止水板を係止したり離脱したりするための止水板係脱部が設けられ、
前記カバー部材は、前記止水板離脱状態において前記止水板係脱部を覆った状態で前記支柱に装着されることを特徴とする請求項1記載の止水装置。
【請求項5】
前記二つの支柱の各々には、前記止水板を係止したり離脱したりするための止水板係脱部が設けられ、
前記カバー部材は、前記止水板係止状態において前記止水板係脱部による係止部分を止水板離脱方向側から覆って前記支柱に装着されることを特徴とする請求項1記載の止水装置。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記止水板離脱状態で前記支柱における開口部幅方向内側に装着され、前記止水板係止状態では前記支柱における開口部幅方向外側に装着されることを特徴とする請求項1記載の止水装置。
【請求項7】
前記止水板係止状態では、前記支柱の開口部幅方向内側において前記カバー部材が外されることで形成されたスペースに、前記止水板の横幅方向端部側が位置することを特徴とする請求項6記載の止水装置。
【請求項8】
前記二つの支柱の各々は、不動部位に固定された固定支柱と、前記固定支柱から手前に突出して前記止水板を支持する支持支柱とを備え、
前記支持支柱に、前記カバー部材が装着されるようにしたことを特徴とする請求項1~7何れか1項記載の止水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増水時に建物や地下道の開口部を止水板により閉鎖して水の侵入を阻む止水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
台風や集中豪雨などによる増水が建物や地下道の開口部に侵入すると、浸水による甚大な被害を及ぼすおそれがある。そこで、このような事態に備えて、建物や地下道などの開口部の両側に、止水板を支持するための支柱(スペーサ部材)を常設しておき、増水が発生したときには、常設の前記支柱に止水板を接続することで、前記開口部を塞ぎ、水の侵入を阻むようにした止水装置が従来知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術によれば、増水等のない通常時において、止水板を支持するための前記支柱が屋外側へ露出する。このため、露出した前記支柱に対し、物等が接触して傷つけられてしまうおそれがある。また、突出した前記支柱によって建物等の意匠性が損なわれてしまう場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
横幅方向に間隔を置いた二つの支柱に止水板を係止した止水板係止状態と、前記二つの支柱から前記止水板を外した止水板離脱状態とを有する止水装置おいて、前記止水板離脱状態の前記二つの支柱をそれぞれ覆う二つのカバー部材を具備していることを特徴とする止水装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、支柱に物等が接触するのを阻むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る止水装置の一例における止水板離脱状態を示す斜視図である。
【
図2】同止水装置における止水板係止状態を示す斜視図である。
【
図3】同止水装置において、支柱に対し支持板とカバー部材を装着している様子を示す要部斜視図である。
【
図4】カバー部材の一例を示す斜視図であり、長手方向の途中部分を省略している。
【
図5】
図1の(V)-(V)線に沿う横断面図である。
【
図6】同断面位置において支柱に止水板を装着しようとしている様子を示す横断面図である。
【
図7】同断面位置において支柱に止水板及びカバー部材を装着した状態を示す横断面図であり、二点鎖線は装着前のカバー部材を示している。
【
図8】カバー部材の他例を装着した止水装置を示す要部横断面図であり、二点鎖線は、装着前のカバー部材を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本明細書中、上流側とは、想定される水の流れ方向の上流側を意味し、図示例によれば、止水装置の設置対象となる構築物の屋外側が上流側であり、同構築物の屋内側が下流側である。なお、他例としては、上流側を屋内側とし、下流側を屋外側とすることも可能である。
【0009】
また、本明細書中、「開口部幅方向外側」とは、開口部Aの横幅方向に沿って外側へ向かう方向を意味する。例えば、
図5において右側の支持支柱12を基準に開口部幅方向外側とは、右側の支持支柱12の右方向側を意味する。
また、本明細書中、「開口部幅方向内側」とは、開口部Aの横幅方向に沿って内側へ向かう方向を意味する。例えば、
図5において右側の支持支柱12を基準に開口部幅方向内側とは、右側の支持支柱12の左方向側を意味する。
【0010】
<第1実施形態>
図1~
図7は、本発明に係る止水装置の第1実施形態を示す。
この止水装置1は、開口部Aを間にして横幅方向に間隔を置いた二つの支柱10,10と、これら二つの支柱10,10に係止されて開口部Aを覆う複数(図示例によれば三つ)の止水板20と、二つの支柱10,10にそれぞれ装着される二つのカバー部材30,30とを備える。
この止水装置1は、二つの支柱10,10に止水板20を係止して開口部Aを閉鎖した止水板係止状態(
図2及び
図7参照)と、二つの支柱10,10から止水板20を外して開口部Aを開放した止水板離脱状態(
図1及び
図5参照)と有する。
【0011】
各支柱10は、不動部位Xに固定された固定支柱11と、固定支柱11から手前に突出して止水板20を支持する支持支柱12とを備える。
【0012】
不動部位Xは、例えば、開口部Aの両側に立設する壁や柱等である。
この不動部位Xは、その見付け面(図示例によれば、上流側を臨む面)を、固定支柱11を装着するための被装着面X1としている。この被装着面X1は、床面や地面等の下方側不動面に対し略直立している。
【0013】
固定支柱11は、将来の増水に備えて、支持支柱12の設置時期よりも前に、予め設置される。
二つの固定支柱11,11は、開口部Aを挟む左右両側において、不動部位Xの被装着面X1に止着される。
【0014】
各固定支柱11は、上下方向にわたる中空柱状に構成され、被装着面X1に対しシール材13等(例えばシリコン等)を介して水密に固定される。
なお、図示例の固定支柱11は、上流側と下流側に位置する二部材から一体的に構成されるが、この固定支柱11の他例としては、単一の部材や、三以上の部材から構成することが可能である。
【0015】
図中、符号17は、固定支柱11を不動部位Xに止着固定するアンカー部材である。
【0016】
固定支柱11の内部には、支持支柱12を止着している止着具14の突出部分を囲むようにして筒状部材15が設けられ、この筒状部材15と止着具14の前記突出部分の間に、シール材16(例えばシリコン等)が充填されている。
【0017】
止着具14は、固定支柱11の上流側の壁部に底部を下流側へ向けて貫通状に固定された有底筒状の基部材14aと、この基部材14aに対し上流側から螺合する螺合部材14bとから構成される。
基部材14aには、ポップシールドナットと呼称されるものを用いることが可能である。螺合部材14bは、頭部の前側に雄ネジ部を有するネジやボルト等であり、その頭部を支持支柱12に係止して、基部材14aに締め付けられる。
【0018】
各支持支柱12は、増水が予想される時期が比較的近い場合等に、予め固定された固定支柱11に対し、止着具14によって止着される。
この支持支柱12は、固定支柱11の上流側面に固定された支柱本体部12aと、止水板20を係止したり離脱したりするための上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cとを一体的に具備する。
【0019】
支柱本体部12aは、固定支柱11の上流側面に重なり合って止着される止着片部12a1と、この止着片部12a1の手前側に間隔を置いた手前側片部12a2と、止着片部12a1と手前側片部12a2を開口部幅方向外側で接続する側片部12a3とによって、開口部幅方向内側を開口した横断面略コ字状に形成される(
図5及び
図6参照)。この支柱本体部12aは、固定支柱11に沿って上下方向へわたる長尺柱状に連続している。
【0020】
手前側片部12a2には、上下方向に間隔を置いて、切欠状の開口12a21が複数設けられる(
図3参照)。これら開口12a21は、上側止水板係脱部12bと下側止水板係脱部12cに対応するように配置される。各開口12a21は、上側止水板係脱部12b又は下側止水板係脱部12cを上流側へ向けて露出する。
【0021】
側片部12a3は、上下方向へわたる平板状に形成される。この側片部12a3の開口部幅方向内側には、上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cが設けられる。
【0022】
上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cは、上下方向に並ぶ複数の止水板20に対応して、上下方向に複数組設けられる。
上側止水板係脱部12bと下側止水板係脱部12cの各々は、上流側を開口した側面視横向き凹状に形成され、図示例によれば、側片部12a3に対し、側面視凹状の部材を止着することで構成される。
【0023】
これら上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cには、上流側から止水板20の上側係合突部22と下側係合突部23が嵌り合う(
図3参照)。
上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cは、上側係合突部22と下側係合突部23を下方へ押圧することで、止水板20下端の横方向水密材27を下方側の不動面(床面、又は下方に隣接する止水板20の上端面)に押し付ける。
【0024】
止水板20は、両側の支持支柱12,12に対し、開口部貫通方向(
図6によれば紙面の上方)に嵌り合って装着される。
【0025】
詳細に説明すれば、各止水板20は、本体板21と、この本体板21の上側で左右側方へそれぞれ突出する上側係合突部22,22と、同本体板21の上側係合突部22よりも下側で左右側方へそれぞれ突出する下側係合突部23,23と、同本体板21の左右両側でそれぞれ支持支柱12,12に係脱するラッチ装置24,24と、同本体板21の一方(図示例によれば上流側)の面に設けられた複数(図示例によれば四つ)の取手25とを一体的に具備する。
【0026】
さらに、各止水板20は、本体板21の横幅方向の両側でそれぞれ上下方向に連続する縦方向水密材26と、本体板21の下端部で横幅方向へ連続する横方向水密材27とを一体的に具備する。
【0027】
本体板21は、金属等の硬質材料により横長矩形状に形成され、その長手方向の一端側と他端側が、それぞれ、縦方向水密材26を介して、固定支柱11の上流側面に重なり合う(
図7参照)。
【0028】
上側係合突部22と下側係合突部23は、それぞれ、上側止水板係脱部12b内と下側止水板係脱部12c内に転動しながら挿入可能なローラ状に構成されている(
図3及び
図7参照)。
【0029】
ラッチ装置24は、手動操作されることで、本体板21から側方へ棒状の係脱部材24aを出没させる機構である。このラッチ装置24は、係脱部材24aを支持支柱12の手前側片部12a2に係合することで、止水板20が上流側へ外れたり倒れたりするのを防ぐ。
【0030】
取手25は、止水板20を両側の支持支柱12に装着する作業等において、上流側から握られる部材である。この取手25は、本体板21の上流側の面に、横幅方向及び上下方向に適宜間隔を置いて複数配設される。
【0031】
縦方向水密材26は、本体板21の下流側の面における左端側と右端側に、それぞれ設けられる。
各縦方向水密材26は、ゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料から本体板21の上下方向の全長にわたって連続する長尺状に形成される。
この縦方向水密材26は、止水板20が支持支柱12に装着された状態で、固定支柱11の上流側面に圧接されて、止水板20と固定支柱11の間に水が通過するのを阻む。
【0032】
横方向水密材27は、本体板21の下端部に装着されている。
この横方向水密材27は、縦方向水密材26と同様にゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料により形成され、本体板21の横幅方向にわたって連続する長尺状に形成される。
この横方向水密材27は、止水板20が支持支柱12に装着された状態で、下方側の不動面(床面、又は下方に隣接する止水板20の上端面)に圧接されて、止水板20と前記不動面との間に水が通過するのを阻む。
【0033】
各カバー部材30は、二つの支柱10のうち、その一方の支柱10に対し止水板離脱状態(
図1、
図3、
図5及び
図6参照)で装着可能であって、且つ他方の支柱10に対しては止水板係止状態(
図2及び
図7参照)で装着可能に構成される。
【0034】
各カバー部材30は、支持支柱12の上流側面に重ね合わせられる手前側片部31と、止水板離脱状態において開口部幅方向内側に位置し止水板係止状態においては開口部幅方向外側に位置する側片部32と、止水板離脱状態において固定支柱11の上流側面に重なり合う奥側片部33とを一体に有し、側方を開口した横断面略凹状に形成される(
図4及び
図5等参照)。
【0035】
このカバー部材30は、手前側片部31に挿通される止着具41(例えば、ネジやボルト等)によって、支持支柱12の手前側片部12a2に対し、脱着可能に止着される。
【0036】
<作用効果>
次に、上記構成の止水装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
上記止水板離脱状態において、各カバー部材30は、
図5に示すように、一方の支持支柱12における開口部幅方向内側に装着される。この装着状態では、カバー部材30が、上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cを覆う(
図5参照)。
このため、上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cが露出して通行物等に接触するのを防ぐことができる上、意匠上の体裁も良好である。
【0037】
止水板20を左右の支柱10,10間に装着する場合には、左右各々において、止着具41が緩められて、カバー部材30が支持支柱12から外される(
図5参照)。
【0038】
次に、カバー部材30が外された状態の左右の支持支柱12,12に対し、止水板20が装着される(
図6参照)。この際、止水板20の左端側と右端側において、上側係合突部22と下側係合突部23が、それぞれ、上側止水板係脱部12bと下側止水板係脱部12cに嵌め合わせられる。
この止水板係止状態では、各支持支柱12の開口部幅方向内側においてカバー部材30が外されることで形成されたスペースに、止水板20の横幅方向端部側が位置する(
図7参照)。
【0039】
次に、右側の支持支柱12から外されたカバー部材30が、左側の支持支柱12に装着され、左側の支持支柱12から外されたカバー部材30は、右側の支持支柱12に嵌め合わせられ、止着具41によって止着される(
図7参照)。
【0040】
これによって、各カバー部材30は、支持支柱12における開口12a21(
図3参照)を含む手前側片部12a2、及び開口部幅方向外側の側片部12a3を覆う。
【0041】
このため、上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cが露出して通行物等に触れるのを防ぐことができる上、意匠性も良好である。
また、上側係合突部22及び下側係合突部23が、上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cから上流側へ抜け出てしまうのを、カバー部材30によって阻むことができる。
しかも、外したカバー部材30の保管場所を、当該止水装置1とは別の箇所に確保しなくても済む。
【0042】
<第2実施形態>
上記実施形態によれば、左右の支柱10,10から外したカバー部材30,30を、それぞれ、左右逆側の支柱10,10に装着するようにしたが、他例としては、
図8に示すように、左右の支柱10,10から外したカバー部材30’,30’を、同じ側の支柱10,10に装着できるようにすることも可能である。
【0043】
図8に示すカバー部材30’は、二つの支柱10,10のうちのいずれに対しても、止水板離脱状態で装着可能であって、且つ止水板係止状態でも装着可能に形成される。
【0044】
具体的に説明すれば、各カバー部材30’は、上記カバー部材30と同様に手前側片部31、側片部32及び奥側片部33を有する横断面形状を呈するとともに、上下対称に形成される。
したがって、各カバー部材30’は、開口部貫通方向の軸を中心に回転させて(
図8の二点鎖線参照)、上下を逆にして用いると、支持支柱12に対し側片部32及び奥側片部33が突出する方向が左右逆になる。
【0045】
よって、
図8に示す第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cが露出して通行物等に触れるのを防ぐことができる上、上側係合突部22及び下側係合突部23が上側止水板係脱部12b及び下側止水板係脱部12cから上流側へ抜け出てしまうのを防ぐことができる。
【0046】
<変形例>
上記実施形態によれば、特に好ましい一例として、上記カバー部材を、上記止水板離脱状態と上記止水板係止状態のいずれの状態であっても上記支柱に対し装着可能にしたが、図示例以外の他例としては、上記カバー部材を上記止水板離脱状態においてのみ上記支柱に対し装着可能にすることも可能である。
【0047】
上記実施形態によれば、特に好ましい一例として、上記止水板離脱状態で支柱10の開口部幅方向内側に装着される上記カバー部材を、上記止水板係止状態で支柱10の開口部幅方向外側に装着するようにしたが、他例としては、カバー部材が、上記止水板離脱状態と上記止水板係止状態のいずれにおいても開口部幅方向外側に装着されるようにすることも可能である。
【0048】
上記実施形態によれば、上記支柱10を固定支柱11と支持支柱12から構成したが、この支柱10の他例としては、一部部材からなる態様や、図示例以外の複数の部材からなる態様とすることが可能である。
【0049】
上記実施形態によれば、カバー部材30を支柱10に対し着脱可能に装着する手段として、止着具41を用いたが、他例としては、カバー部材30を嵌合接続によって支柱10に着脱可能に固定する構成とすることも可能である。
【0050】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0051】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
横幅方向に間隔を置いた二つの支柱に止水板を係止した止水板係止状態と、前記二つの支柱から前記止水板を外した止水板離脱状態とを有する止水装置おいて、前記止水板離脱状態の前記二つの支柱をそれぞれ覆う二つのカバー部材を具備していることを特徴とする止水装置(
図1~
図8参照)。
(2)
前記二つのカバー部材の各々は、前記二つの支柱のうち、その一方に対し前記止水板離脱状態で装着可能であって、且つ他方に対しては前記止水板係止状態で装着可能であることを特徴とする(1)に記載の止水装置(
図1~
図7参照)。
(3)
前記カバー部材は、前記二つの支柱のうちのいずれに対しても、前記止水板離脱状態で装着可能であって、且つ止水板係止状態でも装着可能であることを特徴とする(1)に記載の止水装置(
図8参照)。
(4)
前記二つの支柱の各々には、前記止水板を係止したり離脱したりするための止水板係脱部が設けられ、前記カバー部材は、前記止水板離脱状態において前記止水板係脱部を覆った状態で前記支柱に装着されることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の止水装置(
図5参照)。
(5)
前記二つの支柱の各々には、前記止水板を係止したり離脱したりするための止水板係脱部が設けられ、前記カバー部材は、前記止水板係止状態において前記止水板係脱部による係止部分を止水板離脱方向側から覆って前記支柱に装着されることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の止水装置(
図7及び
図8参照)。
(6)
前記カバー部材は、前記止水板離脱状態で前記支柱における開口部幅方向内側に装着され、前記止水板係止状態では前記支柱における開口部幅方向外側に装着されることを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載の止水装置(
図7及び
図8参照)。
(7)
前記止水板係止状態では、前記支柱の開口部幅方向内側において前記カバー部材が外されることで形成されたスペースに、前記止水板の横幅方向端部側が位置することを特徴とする(6)に記載の止水装置(
図2、
図7及び
図8参照)。
(8)
前記二つの支柱の各々は、不動部位に固定された固定支柱と、前記固定支柱から手前に突出して前記止水板を支持する支持支柱とを備え、前記支持支柱に、前記カバー部材が装着されるようにしたことを特徴とする(1)~(7)のいずれかに載の止水装置(
図3、及び
図5~
図8参照)。
【符号の説明】
【0052】
1:止水装置
10:支柱
11:固定支柱
12:支持支柱
12a:支柱本体部
12b:上側止水板係脱部
12c:下側止水板係脱部
20:止水板
22:上側係合突部
23:下側係合突部
30,30’:カバー部材
A:開口部
X:不動部位