IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田自動織機の特許一覧 ▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-蓄電モジュール 図1
  • 特開-蓄電モジュール 図2
  • 特開-蓄電モジュール 図3
  • 特開-蓄電モジュール 図4
  • 特開-蓄電モジュール 図5
  • 特開-蓄電モジュール 図6
  • 特開-蓄電モジュール 図7
  • 特開-蓄電モジュール 図8
  • 特開-蓄電モジュール 図9
  • 特開-蓄電モジュール 図10
  • 特開-蓄電モジュール 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162815
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/184 20210101AFI20241114BHJP
   H01M 50/193 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20241114BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20241114BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20241114BHJP
   H01G 11/80 20130101ALI20241114BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 50/129 20210101ALI20241114BHJP
   H01M 50/121 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M50/184 A
H01M50/193
H01M10/04 Z
H01M10/052
H01M10/0585
H01G11/80
H01M50/103
H01M50/129
H01M50/121
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078727
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100190470
【弁理士】
【氏名又は名称】谷澤 恵美
(72)【発明者】
【氏名】岡山 泰彰
(72)【発明者】
【氏名】中村 知広
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
(72)【発明者】
【氏名】大薮 剛志
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5E078AA14
5E078AB01
5E078BA05
5E078EA04
5E078EA07
5E078HA04
5E078JA06
5H011AA09
5H011FF00
5H011GG01
5H011JJ02
5H011JJ12
5H011KK00
5H011KK01
5H028AA07
5H028AA08
5H028BB05
5H028CC08
5H028CC11
5H028CC19
5H028HH05
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029AM16
5H029BJ12
5H029BJ17
5H029CJ05
5H029CJ06
5H029EJ12
5H029HJ04
5H029HJ12
(57)【要約】
【課題】生産性の低下を抑制することができる蓄電モジュールを提供する。
【解決手段】蓄電モジュールは、集電体を有する複数の電極が積層された積層体と、集電体の周縁部に設けられた樹脂製の封止部と、を備える。封止部は、矩形枠状の複数のシール層と、矩形枠状の複数のスペーサ層33とを含む。複数のシール層は、複数の電極のそれぞれの集電体の周縁部において第1面及び第2面に接合されている。複数のスペーサ層33のそれぞれは、積層方向に隣り合うシール層の間に位置して、積層方向に隣り合う集電体の間に形成される内部空間を複数のシール層と共に封止し、積層方向から見て互いに離間して配置され、それぞれ直線状に延在する領域を有する複数の直線部材41、及び、隣り合う直線部材41の端縁41a同士の隙間を埋めるように端縁41aに接合された接合部材42を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが矩形状かつ金属製の集電体を有する複数の電極が積層された積層体と、
前記複数の電極の積層方向から見て前記積層体を取り囲むように前記集電体の周縁部に設けられた樹脂製の封止部と、を備え、
前記複数の電極のそれぞれは、前記集電体の第1面、及び、前記第1面とは逆側の第2面にそれぞれ活物質層を有し、
前記封止部は、矩形枠状の複数のシール層と、矩形枠状の複数のスペーサ層とを含み、
前記複数のシール層は、前記複数の電極のそれぞれの前記集電体の周縁部において前記第1面及び前記第2面に接合され、
前記複数のスペーサ層のそれぞれは、
前記積層方向に隣り合う前記シール層の間に位置して、前記積層方向に隣り合う前記集電体の間に形成される内部空間を前記複数のシール層と共に封止し、
前記積層方向から見て互いに離間して配置され、それぞれ直線状に延在する領域を有する複数の直線部材、及び、隣り合う前記直線部材の端縁同士の隙間を埋めるように前記端縁に接合された接合部材を有する、
蓄電モジュール。
【請求項2】
前記接合部材は、射出成形部材であって、
前記スペーサ層のそれぞれは、前記接合部材と前記直線部材の前記端縁との接合部に形成された、前記接合部材と前記直線部材とが互いに溶け合う溶着層を備える、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記接合部材は、射出成形部材であって、
前記接合部材のメルトフローレートは、前記直線部材のメルトフローレートよりも大きい、請求項1又は2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記積層方向から見て、前記接合部材の面積は、前記直線部材の面積よりも小さい、請求項3に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
前記接合部材の厚さは、前記直線部材の厚さと同等又はそれ以下である、請求項1又は2に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記複数の直線部材は、前記積層方向から見て第1方向において互いに対向する矩形状の一対の第1直線部材と、前記積層方向から見て前記第1方向と直交する第2方向において互いに対向する矩形状の一対の第2直線部材と、を含み、
前記接合部材は、前記端縁のうち前記第1直線部材の長辺をなす領域と、前記端縁のうち前記第2直線部材の短辺をなす領域とを接合している、請求項1又は2に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】
前記複数の直線部材は、前記積層方向から見て第1方向において互いに対向する矩形状の一対の第1直線部材と、前記積層方向から見て前記第1方向と直交する第2方向において互いに対向する矩形状の一対の第2直線部材と、を含み、
前記接合部材は、前記端縁のうち前記第1直線部材の短辺をなす領域と、前記端縁のうち前記第2直線部材の短辺をなす領域とを接合している、請求項1又は2に記載の蓄電モジュール。
【請求項8】
前記複数の直線部材は、前記積層方向から見て長手方向が互いに一致すると共に、前記長手方向において互いに隣り合う一対の直線部材を含む、
請求項1又は2に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バイポーラ電池が開示されている。このバイポーラ電池は、集電体の一面に正極を設け、他面に負極を設けたバイポーラ電極と、正極と負極との間にはさまれたゲル電解質と、正極、負極及びゲル電解質によって構成された単電池の周囲を囲み集電体の間に設けられたシール層と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-158343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の電池(蓄電モジュール)では、集電体が矩形状の金属箔によって構成されており、樹脂で構成される矩形枠状のシール層が、この集電体の周縁部に設けられている。矩形枠状のシール層は、例えば、原反ロールから繰り出される長尺のシート材を矩形枠状に打ち抜いて形成される。しかし、シート材を打ち抜いてシール層を形成する場合、シート材の廃棄率が大きくなるため、蓄電モジュールの生産性が低下する。特に、蓄電モジュールが大型化すると、シート材の廃棄率が増大するので、蓄電モジュールの生産性の低下がより顕著となる。
【0005】
本開示の目的は、生産性の低下を抑制することができる蓄電モジュールの提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る蓄電モジュールは、それぞれが矩形状かつ金属製の集電体を有する複数の電極が積層された積層体と、複数の電極の積層方向から見て積層体を取り囲むように集電体の周縁部に設けられた樹脂製の封止部と、を備え、複数の電極のそれぞれは、集電体の第1面、及び、第1面とは逆側の第2面にそれぞれ活物質層を有し、封止部は、矩形枠状の複数のシール層と、矩形枠状の複数のスペーサ層とを含み、複数のシール層は、複数の電極のそれぞれの集電体の周縁部において第1面及び第2面に接合され、複数のスペーサ層のそれぞれは、積層方向に隣り合うシール層の間に位置して、積層方向に隣り合う集電体の間に形成される内部空間を複数のシール層と共に封止し、積層方向から見て互いに離間して配置され、それぞれ直線状に延在する領域を有する複数の直線部材、及び、隣り合う直線部材の端縁同士の隙間を埋めるように端縁に接合された接合部材を有する。
【0007】
上記蓄電モジュールでは、樹脂製の封止部に含まれる各スペーサ層は、直線状に延在する直線部材の端縁同士を接合部材により接合することにより矩形枠状に形成されている。このため、原反ロールから繰り出しされる長尺のシート材を矩形枠状に打ち抜く必要がなく、シート材を無駄なく利用し易い。このようなスペーサ層によれば、シート材の廃棄率の増加を抑制することができる。よって、蓄電モジュールの生産性の低下を抑制することができる。
【0008】
接合部材は、射出成形部材であって、スペーサ層のそれぞれは、接合部材と直線部材の端縁との接合部に形成された、接合部材と直線部材とが互いに溶け合う溶着層を備えてもよい。
【0009】
接合部材は、射出成形部材であって、接合部材のメルトフローレートは、直線部材のメルトフローレートよりも大きくてもよい。
【0010】
積層方向から見て、接合部材の面積は、直線部材の面積よりも小さくてもよい。
【0011】
接合部材の厚さは、直線部材の厚さと同等又はそれ以下であってもよい。
【0012】
複数の直線部材は、積層方向から見て第1方向において互いに対向する矩形状の一対の第1直線部材と、積層方向から見て第1方向と直交する第2方向において互いに対向する矩形状の一対の第2直線部材と、を含み、接合部材は、端縁のうち第1直線部材の長辺をなす領域と、端縁のうち第2直線部材の短辺をなす端縁とを接合していてもよい。
【0013】
複数の直線部材は、積層方向から見て第1方向において互いに対向する矩形状の一対の第1直線部材と、積層方向から見て第1方向と直交する第2方向において互いに対向する矩形状の一対の第2直線部材と、を含み、接合部材は、端縁のうち第1直線部材の短辺をなす領域と、端縁のうち第2直線部材の短辺をなす領域とを接合してもよい。
【0014】
複数の直線部材は、積層方向から見て長手方向が互いに一致すると共に、長手方向において互いに隣り合う一対の直線部材を含んでもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、生産性の低下を抑制することができる蓄電モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一例の蓄電モジュールを示す模式的な平面図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿った模式的な断面図である。
図3図3は、スペーサ層を示す模式的な平面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線に沿った模式的な断面図である。
図5図5は、スペーサ層を形成する方法を示すフローチャートである。
図6図6は、スペーサ層を形成する方法について説明するための模式的な平面図である。
図7図7は、スペーサ層を形成する方法について説明するための模式的な側面図である。
図8図8は、比較例のスペーサ層を示す模式的な平面図である。
図9図9は、図8のIX-IX線に沿った模式的な断面図である。
図10図10は、第1変形例に係るスペーサ層を示す模式的な平面図である。
図11図11は、第2変形例に係るスペーサ層を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。説明に際しては、X軸、Y軸、Z軸によって規定される直交座標系が参照され得る。
【0018】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る蓄電モジュールの模式的な平面図である。図1に示す蓄電モジュール11は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられ得る。蓄電モジュール11は、例えばニッケル水素二次電池又はリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電モジュール11は、電気二重層キャパシタであってもよいし、全固体電池であってもよい。ここでは、蓄電モジュール11がリチウムイオン二次電池である場合を示す。
【0019】
図2は、図1のII-II線に沿った断面図であり、蓄電モジュール11の層構成を模式的に示す。蓄電モジュール11は、Z軸方向に扁平な直方体形状をなす単電池である。本実施形態では、蓄電モジュール11として、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池を例示する。蓄電モジュール11は、複数の電極が積層された電極積層体(積層体)12と、樹脂製の封止部30とを含んで構成されている。複数の電極は、複数のバイポーラ電極14を含む。複数の電極の積層方向は、Z軸方向に沿っており、蓄電モジュール11が積層されてなるモジュール積層体における蓄電モジュール11の積層方向と一致している。
【0020】
バイポーラ電極14は、集電体21と、正極活物質層22と、負極活物質層23とを備えている。集電体21は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、正極活物質層22及び負極活物質層23に電流を流し続けるための化学的に不活性な電気伝導体である。
【0021】
集電体21は、平面視において矩形状をなすシート状の導電部材である。集電体21は、第1面21a及び第1面21aの逆側に位置する第2面21bを有している。集電体21は、金属製であり、例えば金属箔又は合金箔によって構成されている。金属箔としては、例えば銅箔、アルミニウム箔、チタン箔、ニッケル箔等が挙げられる。合金箔としては、例えばステンレス鋼箔(例えばJIS G 4305:2015にて規定されるSUS304、SUS316、SUS301等)、メッキ処理が施された鋼箔やステンレス鋼箔などが挙げられる。合金箔は、上記金属箔の材料として例示した金属の合金箔であってもよい。集電体21は、複数の金属箔が一体化又は積層貼付けされて形成されていてもよく、1つの金属箔の表面に別の金属層をメッキすることで形成されていてもよい。
【0022】
図示例における集電体21は、第1面21aがアルミニウム層となり、第2面21bが銅層となるように、アルミニウム箔21Aと銅箔21Bとが接合されたものである。集電体21は、例えば、アルミニウム箔21Aと銅箔21Bとを重ねて圧延接合したクラッド箔であってもよい。集電体21は、貼り合わせ箔であってもよい。すなわち、集電体21は、第1面21aがアルミニウム層となり、第2面21bが銅層となるように、アルミニウム箔21Aと銅箔21Bとが導電性接着樹脂(接着層)により接合され、一体化されることで形成されもよい。集電体21は、第1面21aがアルミニウム層となり、第2面21bが銅層となるように、アルミニウム箔の片面が銅蒸着又は銅メッキされることで形成されてもよい。なお、集電体21の第1面21aでは、アルミニウム層にクロメート処理が施されていてもよい。また、集電体21の第2面21bでは、銅層にニッケルメッキが施されていてもよい。この場合、ニッケルメッキ層は、表面に微細突起が設けられた突起状メッキ面である粗化面であってよい。なお、粗化面は、未加工の金属箔に比べて表面が粗く加工されていればよく、例えば、エッチング加工、電界メッキ加工等の粗さ加工によって形成されてもよい。例えば、集電体21の厚さは、30μm~150μm程度であってよいが、これに限定されない。
【0023】
正極活物質層22は、集電体21の第1面21aに設けられている。集電体21と当該集電体21の第1面21aに設けられた正極活物質層22とは、バイポーラ電極14の正極を構成している。正極活物質層22は、集電体21の周縁部21cが露出されるように、第1面21aの中央において矩形状に形成されている。
【0024】
一例の正極活物質層22は、集電体21の第1面21aに対して接着層を介して設けられている。例えば、接着層は、アセチレンブラック等の接着剤によって形成されていてもよい。一例の接着層は、集電体21の第1面21aの全面に設けられていてもよい。また接着層の端縁は、積層方向から見て、正極活物質層22を囲繞する負極活物質層23の端縁に沿って形成されていてもよい。
【0025】
正極活物質層22は、正極活物質と導電助剤と結着剤とを含む層状部材である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウム、及び硫黄等が挙げられる。複合酸化物の組成には、例えば鉄、マンガン、チタン、ニッケル、コバルト、及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとが含まれる。複合酸化物としては、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)、LiCoO、LiNiMnCoO等が挙げられる。
【0026】
結着剤は、活物質又は導電助剤を集電体21の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、アクリル酸やメタクリル酸などのモノマー単位を含むアクリル系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン-アクリル酸グラフト重合体等が挙げられる。これらの結着剤は、単独又は複数で用いることができる。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。正極活物質層22には、例えばN-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の粘度調整溶媒が用いられていてもよい。
【0027】
負極活物質層23は、集電体21の第2面21bに設けられている。集電体21と当該集電体21の第2面21bに設けられた負極活物質層23とは、バイポーラ電極14の負極を構成している。負極活物質層23は、集電体21の周縁部21cが露出されるように、第2面21bの中央において矩形状に形成されている。一例では、積層方向から見て、正極活物質層22は負極活物質層23の領域内に収まっている。すなわち、正極活物質層22の外縁は、負極活物質層23の外縁よりも一回り小さくなっている。
【0028】
負極活物質層23は、負極活物質と導電助剤と結着剤とを含む層状部材である。負極活物質としては、例えば黒鉛、人造黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、金属化合物、リチウムと合金化可能な元素若しくは当該元素の化合物、ホウ素添加炭素等が挙げられる。リチウムと合金化可能な元素としては、シリコン(ケイ素)及びスズが挙げられる。導電助剤及び結着剤は、正極活物質層22に用いられるものと同様のものを用いることができる。
【0029】
正極活物質層22及び負極活物質層23を集電体21に形成するには、例えばロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法等の従来から公知の方法が用いられる。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び導電助剤を混合してスラリー状の活物質層形成用組成物を製造し、当該活物質層形成用組成物を第1面21a及び第2面21bに塗布後、乾燥する。溶剤は、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水である。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮してもよい。
【0030】
電極積層体12において、積層方向に隣り合うバイポーラ電極14,14は、一方のバイポーラ電極14の正極活物質層22と他方のバイポーラ電極14の負極活物質層23とが向かい合うように配置されている。積層方向に隣り合うバイポーラ電極14,14間には、セパレータ15が配置されている。本実施形態では、セパレータ15は、平面視において矩形状をなすシート状部材であり、積層方向に隣り合うバイポーラ電極14,14間の短絡を防止する。
【0031】
セパレータ15は、積層方向から見て、正極活物質層22及び負極活物質層23よりも大きく、かつ集電体21よりも小さい、矩形状をなしている。セパレータ15の端部15aは、積層方向から見て、正極活物質層22及び負極活物質層23の外側に位置している。すなわち、セパレータ15の端部15aは、積層方向から見て、正極活物質層22及び負極活物質層23のいずれとも重ならない。
【0032】
セパレータ15は、例えばシート状に形成されている。セパレータ15は、例えば、電解質を吸収保持するポリマーを含む多孔性シート又は不織布である。セパレータ15を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステルなどが挙げられる。セパレータ15は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。多層構造の場合、セパレータ15は、例えば、基材層及び一対の接着層を含み、一対の接着層により正極活物質層22及び負極活物質層23に接着固定されてもよい。セパレータ15は、耐熱層となるセラミック層を含んでもよい。セパレータ15は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されていてもよい。
【0033】
セパレータ15は、乾式プロセス又は湿式プロセスによって、溶融された樹脂が延伸されて形成されている。この場合、延伸のプロセスに応じて、セパレータ15は収縮量の大きい方向と小さい方向とを有する。セパレータ15は、収縮量の大きい方向が短辺に沿い、収縮量の小さい方向が長辺に沿った、矩形状をなしていてよい。一例のセパレータ15は、湿式プロセスによって形成されており、収縮量の大きいTD(Transverse Dirrection)方向が短辺に沿い、収縮量小さいMD(Machine Dirrection)方向が長辺に沿っている。
【0034】
セパレータ15に含浸される電解質としては、例えば、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む液体電解質(電解液)、又はポリマーマトリックス中に保持された電解質を含む高分子ゲル電解質などが挙げられる。セパレータ15に電解質が含浸される場合、その電解質塩として、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiFSi、LiN(CFSO等の公知のリチウム塩を使用できる。また、非水溶媒として、環状カーボネート類、環状エステル類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類等の公知の溶媒を使用できる。なお、これら公知の溶媒材料を二種以上組合せて用いてもよい。
【0035】
電極積層体12は、バイポーラ電極14の他に、正極終端電極16及び負極終端電極17を有している、正極終端電極16は、集電体21と、集電体21の第1面21aに設けられた正極活物質層22とによって構成されている。正極終端電極16は、第1面21aの正極活物質層22が末端のバイポーラ電極14の負極活物質層23と向かい合うように、電極積層体12における積層方向の一端側に配置されている。正極終端電極16では、集電体21の第2面21bには正極活物質層22及び負極活物質層23が設けられておらず、当該第2面21bは、隣接する導電板(不図示)に対して電気的に接続されている。正極終端電極16に用いられる集電体21は、アルミニウム箔で構成されていてもよい。
【0036】
負極終端電極17は、集電体21と、集電体21の第2面21bに設けられた負極活物質層23とによって構成されている。負極終端電極17は、第2面21bの負極活物質層23が末端のバイポーラ電極14の正極活物質層22と向かい合うように、電極積層体12における積層方向の他端側に配置されている。負極終端電極17では、集電体21の第1面21aには正極活物質層22及び負極活物質層23が設けられておらず、当該第1面21aは、隣接する導電板(不図示)に対して電気的に接続されている。負極終端電極17に用いられる集電体21は、銅箔で構成されていてもよい。
【0037】
上述したセパレータ15は、積層方向に隣り合うバイポーラ電極14,14に加え、バイポーラ電極14と正極終端電極16との間、及びバイポーラ電極14と負極終端電極17との間にも配置されている。セパレータ15の配置により、バイポーラ電極14と正極終端電極16との間の短絡、及びバイポーラ電極14と負極終端電極17との間の短絡が防止される。
【0038】
封止部30は、積層方向に隣り合う集電体21間の内部空間Sを封止する部材である。封止部30は、電気絶縁性を有する。封止部30は、集電体21の縁部に接着(接合)されている。封止部30は、積層方向から見て、正極活物質層22及び負極活物質層23から離間している。封止部30は、積層方向から見て枠状であり、正極活物質層22及び負極活物質層23の周囲を囲むように、積層方向に隣り合う集電体21間に配置されている。封止部30は、積層方向から見て、電極積層体12を取り囲むように集電体21の周縁部21cに設けられている。蓄電モジュール11では、積層方向に隣り合う集電体21と封止部30とにより内部空間Sが画定されている。内部空間Sには、電解質を含んだ電解液(不図示)が収容されている。封止部30は、積層方向に隣り合う集電体21同士の間に配置されることにより、隣り合う集電体21同士の間隔を保持するスペーサとしても機能する。
【0039】
一例の封止部30は、複数の第1シール層31、複数の第2シール層32及び複数のスペーサ層33を有している。第1シール層31、第2シール層32及びスペーサ層33は、積層方向から見てそれぞれ矩形枠状をなしている。例えば、第1シール層31及び第2シール層32の厚さ(積層方向の長さ)は、50μm~200μm程度であってよい。第1シール層31の厚さと第2シール層32の厚さとは、互いに同じであってよい。また、スペーサ層33の厚さは、第1シール層31及び第2シール層32の厚さよりも厚くてよく、例えば、200μm~500μm程度であってよい。スペーサ層33の厚さは、後述の直線部材41の厚さT1とする。
【0040】
第1シール層31は、集電体21の周縁部21cに沿って、第1面21aに接合されている。一例において、積層方向から見て、第1シール層31の外縁31bは、集電体21の端縁21dよりも大きく、集電体21を囲んでいる。また、積層方向から見て、集電体21の端縁21dは、第1シール層31の内縁31aよりも大きく、第1シール層31の内縁31aを囲んでいる。第1シール層31と集電体21とは、積層方向から見て互いに重複した領域において互いに接合されている。すなわち、第1シール層31と集電体21とは、第1シール層31の内縁31aから集電体21の端縁21dまでの領域において互いに接合されている。積層方向から見て、第1シール層31の内縁31aは正極活物質層22から離間している。第1シール層31は、集電体21の周縁部21cにおいて、集電体21の端縁21dからはみ出すように第1面21aに接合されている。
【0041】
第2シール層32は、集電体21の周縁部21cに沿って、第2面21bに接合されている。一例において、積層方向から見て、第2シール層32の外縁32bは、集電体21の端縁21dよりも大きく、集電体21を囲んでいる。例えば、第2シール層32と集電体21とは、互いに重複した領域において互いに接合されている。すなわち、第2シール層32と集電体21とは、第2シール層32の内縁32aから集電体21の端縁21dまでの領域において互いに接合されている。積層方向から見て、第2シール層32の内縁32aは負極活物質層23から離間している。第2シール層32は、集電体21の周縁部21cにおいて、集電体21の端縁21dからはみ出すように第2面21bに接合されている。
【0042】
スペーサ層33は、積層方向に隣り合う第1シール層31と第2シール層32との間に位置している。スペーサ層33は、積層方向に隣り合う集電体21の間に形成される内部空間Sを第1シール層31及び第2シール層32と共に封止している。
【0043】
図3は、スペーサ層を示す模式的な平面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿った模式的な断面図である。図3及び図4に示すように、スペーサ層33は、複数の直線部材41及び複数の接合部材42を有している。複数の直線部材41は、積層方向から見て互いに離間して配置されている。直線部材41は、直線状に延在する領域を有する樹脂部材である。直線部材41は、一方向に延在している領域を有する。一方向に延在している領域の一端又は両端に屈曲部や湾曲部を設けてもよい。直線部材41は、異なる方向に延在している2つの直線領域を有し、その2つの直線領域が交わる交点に屈曲部や湾曲部を設けてもよい。
【0044】
接合部材42は、積層方向から見て隣り合う直線部材41の端縁41a同士の隙間を埋めるように直線部材41の端縁41aに接合される。接合部材42は、積層方向から見て隣り合う直線部材41の端縁41a同士を互いに接合している。積層方向から見て、接合部材42の面積は、直線部材41の面積よりも小さい。接合部材42は、隣り合う直線部材41の間を埋めるように形成されるため、直線部材41に比べて接合部材42の方が小さい形状となり易い。本実施形態において、端縁41aのうち、直線部材41の長手方向の両端部における領域が接合部材42と接合される。本実施形態では、スペーサ層33は、4つの直線部材41及び4つの接合部材42を有している。矩形枠状のスペーサ層33の4つの辺部のそれぞれは、1つの直線部材41により構成されている。
【0045】
複数の直線部材41は、Y軸方向において直線状に延在する一対の直線部材43、及び、X軸方向において直線状に延在する一対の直線部材44を含んでいる。複数の直線部材41は、直線部材43及び直線部材44が互いに隣り合うように配置されている。一対の直線部材43のそれぞれは、積層方向から見て、Y軸方向を長手方向(又は長辺方向)とする矩形状である。積層方向から見て、直線部材43の端縁41aは、直線部材43の長辺をなす領域43Lと、直線部材43の短辺をなす領域43Sとを含んでいる。一対の直線部材43は、積層方向から見て、X軸方向において互いに対向している。一方の直線部材43は、後述の注液口辺を構成し、他方の直線部材43よりも、幅広に形成されている。つまり、一方の直線部材43の領域43Sは、他方の直線部材43の領域43Sよりも長い。
【0046】
一対の直線部材44のそれぞれは、積層方向から見て、X軸方向を長手方向(又は長辺方向)とする矩形状である。つまり、本実施形態において、隣り合う直線部材41の長手方向は、互いに直交している。積層方向から見て、直線部材44の端縁41aは、直線部材44の長辺をなす領域44Lと、直線部材44の短辺をなす領域44Sとを含んでいる。一対の直線部材44は、互いに同じ形状を有している。一対の直線部材44の領域44Sは、例えば、他方の直線部材43の領域43Sと同じ長さを有している。一対の直線部材44は、Y軸方向において互いに対向している。
【0047】
本実施形態では、スペーサ層33のX軸方向における長さは、スペーサ層33のY軸方向における長さよりも長い。同様に、集電体21のX軸方向における長さは、集電体21のY軸方向における長さよりも長い。X軸方向は、スペーサ層33及び集電体21の長手方向(又は長辺方向)であると言える。Y軸方向は、スペーサ層33及び集電体21の短手方向(又は短辺方向)であると言える。なお、スペーサ層33のX軸方向における長さは、スペーサ層33のY軸方向における長さ以下であってもよい。同様に、集電体21のX軸方向における長さは、集電体21のY軸方向における長さ以下であってもよい。
【0048】
接合部材42は、積層方向から見て端縁41aのうち直線部材43の長辺をなす側面である領域43Lと、端縁41aのうち直線部材44の短辺をなす側面である領域44Sとを接合している。つまり、矩形枠状のスペーサ層33の4つの角部33cは、いずれも直線部材43により構成されている。図3に破線で示されるように、角部33cは、積層方向から見て、直線部材43と、直線部材44をX軸方向に延長した領域とが重なる矩形状の部分である。角部33cのX軸方向における長さは、直線部材43のX軸方向における長さと等しい。角部33cのY軸方向における長さは、直線部材44のY軸方向における長さと等しい。
【0049】
本実施形態では、直線部材44の長手方向(X軸方向)の長さL2は、直線部材43の長手方向(Y軸方向)の長さL1よりも長い。接合部材42の厚さT2は、直線部材41の厚さT1の2倍よりも薄い。接合部材42の厚さT2は、直線部材41の厚さT1と同等又はそれ以下である。本実施形態では、接合部材42の厚さT2は、直線部材41の厚さT1と同等である。接合部材42は、直線部材41の端縁41aのみと接合し、積層方向において直線部材41と重ならないように設けられている。
【0050】
図4に示されるように、本実施形態では、接合部材42と直線部材41の端縁41aとの間、すなわち互いに接する接合部材42と直線部材41の界面には、接合部材42と直線部材41とが互いに溶け合う溶着層40がある。すなわち、スペーサ層33は、接合部材42と直線部材41の端縁41aとの接合部に形成された、接合部材42と直線部材41とが互いに溶け合う溶着層40を備える。
【0051】
図1及び図2に示すように、第1シール層31、第2シール層32及びスペーサ層33は端面溶着部R1によって互いに溶着されている。スペーサ層33の外縁33bは、積層方向から見て第1シール層31の外縁31b及び第2シール層32の外縁32bと同じ位置であってよい。スペーサ層33の外縁33bは、積層方向から見て、集電体21の端縁21dよりも外側において第1シール層31の外縁31bに溶着されていればよい。また、スペーサ層33の外縁33bは、積層方向から見て、集電体21の端縁21dよりも外側において第2シール層32の外縁32bに溶着されていればよい。すなわち、第1シール層31、第2シール層32及びスペーサ層33は、集電体21の端縁21dよりも外側の領域において、端面溶着部R1によって互いに一体化しており、溶着されている。
【0052】
端面溶着部R1は、複数の第1シール層31と複数の第2シール層32と複数のスペーサ層33とにおける内部空間Sとは反対側の端部(外周縁)が互いに溶着されて一体化されることにより形成されている。換言すれば、第1シール層31とスペーサ層33とは、端面溶着部R1以外の部分では溶着されておらず、互いに接触のみしている。同様に、第2シール層32とスペーサ層33とは、端面溶着部R1以外の部分では溶着されておらず、互いに接触のみしている。このように、スペーサ層33が端面溶着部R1によって第1シール層31及び第2シール層32に接続されているため、スペーサ層33の膨張収縮による応力は、第1シール層31及び第2シール層32が溶融して接合された集電体21に影響を与え得る。
【0053】
端面溶着部R1は、積層方向から見て、電極積層体12を取り囲むように矩形枠状を呈している。端面溶着部R1は、積層方向から見て、集電体21の端縁21dよりも外側に形成されている。すなわち、第1シール層31、第2シール層32及びスペーサ層33は、積層方向から見て集電体21に重なる重複部分と、集電体21の端縁21dよりも外側に延在する延在部分とを備えている。端面溶着部R1は、延在部分に設けられている。端面溶着部R1における内部空間Sとは反対側の側面は、積層方向に沿って延びており、封止部30の外側面を構成している。換言すれば、封止部30は、内部空間Sに面する内側面と、内側面とは反対側の外側面とを含む。
【0054】
封止部30には、複数の内部空間Sのそれぞれに連通する連通孔35が形成されている。一例として、連通孔35は、スペーサ層33を部分的に切り欠いて形成されており、スペーサ層33及び端面溶着部R1を貫通している。連通孔35は、内部空間Sに一方の開口を有するとともに、封止部30の外側面に他方の開口を有している。蓄電モジュール11では、隣り合う一対の集電体21の間に、1つの内部空間Sを含むセルが形成されている。ここでは、1つのセルに対して1つの連通孔35が形成されている。連通孔35は、内部空間Sに電解液を注液するための注液口として利用され得る。すなわち、封止部30の外側面には注液口(連通孔35の開口)が設けられている。積層方向から見て矩形状の蓄電モジュール11において、連通孔35が設けられた辺を注液口辺と呼ぶ。
【0055】
積層方向から見て、注液口辺におけるスペーサ層33の内縁33aは、第1シール層31の内縁31a及び第2シール層32の内縁32aよりも内側(内部空間S側)に位置している。本実施形態の注液口辺におけるスペーサ層33の内縁33aは、内縁31a,32aよりも、例えば1mm以上内側に位置しており、内部空間Sに面するように第1シール層31及び第2シール層から露出している。なお、積層方向から見て、注液口辺以外におけるスペーサ層33の内縁33aは、第1シール層31の内縁31a及び第2シール層32の内縁32aよりも外側に位置していてもよいし、第1シール層31の内縁31a及び第2シール層32の内縁32aよりも内側に位置していてもよい。
【0056】
上述のセパレータ15の端部15aは、第2シール層32とスペーサ層33との間において、第2シール層32に固定される。積層方向から見て第2シール層32の内縁32aの近傍で、セパレータ15の端部15aが固定されていればよい。端部15aは、例えば、スポット溶着等により、部分的に第2シール層32に接着(溶着)されていてもよい。
【0057】
積層方向から見て、第1シール層31は正極活物質層22から離間し、内縁31aは正極活物質層22の外側に位置している。積層方向から見て、第2シール層32は負極活物質層23から離間し、内縁32aは負極活物質層23の外側に位置している。本実施形態では、積層方向から見て、第1シール層31は負極活物質層23からも離間しているが、第1シール層31は、正極活物質層22から離間していれば、負極活物質層23と重なっていてもよい。
【0058】
積層方向において、第1シール層31の厚さ及び第2シール層32の厚さは、例えば、スペーサ層33の厚さよりも薄い。スペーサ層33の厚さは、上述のように、直線部材41の厚さT1である。第1シール層31の厚さは、第1シール層31における、集電体21とスペーサ層33とにより挟まれた部分の厚さである。第2シール層32の厚さは、第2シール層32における、集電体21とスペーサ層33とにより挟まれた部分の厚さである。
【0059】
スペーサ層33の厚さは、直線部材41における、第1シール層31と第2シール層32とにより挟まれた部分の厚さである。第1シール層31及び第2シール層32の厚さは、例えば、スペーサ層33の厚さの1/10以上1/2以下であってもよいし、互いに同等であってもよい。第1シール層31及び第2シール層32の厚さは、互いに同等であってもよいし、互いに異なっていてもよい。第1シール層31及び第2シール層32の厚さは、スペーサ層33の厚さよりも厚くてもよい。
【0060】
第1シール層31、第2シール層32、及びスペーサ層33は、例えば、酸変性ポリエチレン(酸変性PE)、酸変性ポリプロピレン(酸変性PP)、ポリエチレン、又は、ポリエチレン等の耐電解質性を有する樹脂材料により構成される。第1シール層31、第2シール層32、及びスペーサ層33を構成する樹脂材料は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。ここで、樹脂材料が同じとは、例えば、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン、ポリエチレン、又は、ポリエチレンといった樹脂材料の種類が同じであることを意味する。樹脂材料の種類が同じであれば、平均分子量やメルトフローレートが異なる場合も同じ樹脂材料として扱う。
【0061】
メルトフローレートとは、溶融樹脂の流動性を表す指標の一つである。メルトフローレートは、JIS K7210では、g/10minで表すメルトマスフローレイト(MFR)と、cm/10minで表すメルトボリュームフローレイト(MVR)の2種類がある。本実施形態で採用するメルトフローレートは、メルトマスフローレート(以下、MFR)である。本実施形態では、第1シール層31及び第2シール層32は、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンにより形成されている。スペーサ層33は、ポリエチレン又はポリプロピレンにより形成されている。
【0062】
直線部材41及び接合部材42は、接合部材42のMFRが直線部材41のMFRよりも大きくなるように形成されている。MFRは、JIS K7210に準じて求められる。各MFRは、例えば、構成材料の分子量によって調整される。直線部材41のMFRは、例えば、温度190℃及び荷重2.16kgfにおいて、0.5g/10min以上であり、接合部材42のMFRは、例えば、温度190℃及び荷重2.16kgfにおいて、20g/10min以下である。
【0063】
直線部材41及び接合部材42は、例えば、互いに同じ樹脂材料からなってもよい。すなわち、直線部材41及び接合部材42はいずれも、例えば、ポリエチレンにより形成されていてもよいし、ポリプロピレンにより形成されていてもよい。この場合、直線部材41及び接合部材42は、例えば、接合部材42の平均分子量が直線部材41の平均分子量よりも小さくなるように形成されていればよい。これにより、接合部材42のMFRが直線部材41のMFRよりも大きくなる構成が容易に実現される。
【0064】
直線部材41は、例えば、原反ロールから繰り出される長尺のシート材を打ち抜いたり、切断したりすることによって得られる。接合部材42は、例えば、射出成形部材であり、射出成形により形成される。隣り合う直線部材41の端縁41a間(本実施形態では、直線部材43の領域43Lと直線部材44の領域44Sとの間)に接合部材42を形成することにより、直線部材41同士が接続され、スペーサ層33が形成される。
【0065】
図5図7を参照して、スペーサ層33を形成する方法について説明する。図5は、スペーサ層33を形成する方法を示すフローチャートである。図6は、スペーサ層33を形成する方法について説明するための模式的な平面図である。図7は、スペーサ層33を形成する方法について説明するための模式的な側面図である。
【0066】
図5に示すように、スペーサ層33を形成する方法は、第1準備工程S1、配置工程S2、第2準備工程S3、第3準備工程S4、射出成形工程S5、及び、取り出し工程S6を含んでいる。第1準備工程S1は、図6に示すように、下型M1上の所定位置に、第1中型M3a及び第2中型M3bのいずれかの金型を配置する工程である。下型M1は、載置台として機能する金型である。第1中型M3a及び第2中型M3bは、例えば、直線部材41と同じ厚さを有する金型である。本実施形態では、第1中型M3aに、樹脂を注入する注入口Mhが設けられている。注入口Mhは、第2中型M3bに設けられていてもよい。
【0067】
配置工程S2は、第1準備工程S1で配置した第1中型M3a及び第2中型M3bのいずれかの金型により位置合わせをしながら、下型M1上の所定位置に複数の直線部材41を配置する工程である。第2準備工程S3は、下型M1上の所定位置に、第1中型M3a及び第2中型M3bのうちの残りの金型を配置する工程である。第3準備工程S4は、図7に示すように、複数の直線部材41、第1中型M3a、及び第2中型M3bを挟むように、下型M1上に上型M2を配置する工程である。
【0068】
射出成形工程S5は、複数の直線部材41、第1中型M3a、第2中型M3b、下型M1、及び、上型M2により画定された空間を樹脂で埋め、接合部材42を形成する工程である。樹脂は、溶融した状態で注入口Mhから注入される。射出された樹脂によってできる接合部材42は、複数の直線部材41の端縁41a同士を接合するように形成される。これにより、複数の直線部材41が接合部材42により接合されてなるスペーサ層33が形成される。なお、複数の接合部材42が同時に形成されてもよいし、順次形成されてもよい。取り出し工程S6は、上型M2、第1中型M3a、及び、第2中型M3bを取り外し、スペーサ層33を取り出す工程である。
【0069】
接合部材42の厚さT2は、上型M2の下面の形状によって適宜設定可能である。図7に示されるように、上型M2の下面を平面とすることにより、厚さT2を直線部材41の厚さT1と同等にすることができる。上型M2の下面に凸部を設けることにより、厚さT2を厚さT1よりも薄くすることができる。上型M2の下面に凹部を設けることにより、厚さT2を厚さT1よりも厚くすることができる。
【0070】
蓄電モジュール11の製造方法は、以上のようにしてスペーサ層33を形成する工程を含む。
【0071】
以上説明したように、蓄電モジュール11では、樹脂製の封止部30に含まれる各スペーサ層33は、直線部材41の端縁41a同士を接合部材42により接合することで矩形枠状に形成されている。直線状に延在する領域を有する直線部材41は、長尺のシート材を一定間隔で切り取ることで形成される樹脂部材である。原反ロールから繰り出される長尺のシート材を矩形枠状に打ち抜く場合、打ち抜いた中央のシート材は廃棄ロスとなる。しかし、本実施形態のように直線部材41の端縁41a同士を接合部材42により接合して矩形枠状のスペーサ層33を形成する場合、長尺のシート材を矩形枠状に打ち抜く必要がなく、廃棄ロスが低減される。特に電極のサイズが大型化すると、矩形枠状に打ち抜く場合に比較して、廃棄ロスの低減効果は大きくなる。すなわち、本実施形態では、シート材を無駄なく利用し易い。このようなスペーサ層33によれば、シート材の廃棄率の増加を抑制することができる。よって、蓄電モジュール11の生産性の低下を抑制することができる。
【0072】
図8及び図9を参照して、比較例のスペーサ層50について説明する。図8は、比較例のスペーサ層を示す模式的な平面図である。図9は、図8のIX-IX線に沿った模式的な断面図である。図8及び図9に示すように、比較例のスペーサ層50は、4つの矩形状の樹脂部材51を溶着部52により接続することで矩形枠状に形成されている。溶着部52は、隣り合う樹脂部材51の長手方向の端部同士を重ね合わせて溶着することにより形成されている。よって、溶着部52は、他の部分よりも厚くなる。このため、積層された複数のスペーサ層50を含む封止部によれば、溶着部52に起因して厚さバラツキが大きくなり、封止性が低下するおそれがある。また、溶着部52には、上方に突出する凸部だけでなく、下に配置された樹脂部材51の端縁と、上に配置された樹脂部材51との間に凹部ができるおそれがある。
【0073】
これに対し、本実施形態の蓄電モジュール11では、封止部30に含まれる各スペーサ層33は、直線部材41の長手方向の端部同士を重ね合わせて溶着して形成されるのではなく、直線部材41の端縁41a同士を接合部材42により接合して形成されている。このようなスペーサ層33によれば、封止部30の厚さバラツキを抑制することができる。よって、封止部30の封止性の低下を抑制することができる。
【0074】
接合部材42は、射出成形部材であって、接合部材42と直線部材41の端縁41aとの間には、接合部材42と直線部材41とが互いに溶け合う溶着層40がある。このため、直線部材41の端縁41aがどのような形状でも、直線部材41の端縁41a同士の隙間に樹脂を射出成形して接合部材42を作成することができる。溶着層40では、接合部材42と直線部材41とが互いに溶け合っているので、直線部材41と接合部材42との接合性を高めることができる。よって、直線部材41と接合部材42との接合不足による蓄電モジュール11の不良を抑制することができる。
【0075】
接合部材42のMFRは、直線部材41のMFRよりも大きい。このため、例えば、隣り合う直線部材41の端縁41a同士の隙間に、射出成形やポッティングにより樹脂を流し込み接合部材42を形成する際、隣り合う直線部材41の端縁41a同士の隙間を小さくしても、射出成形で形成される接合部材42のMFRが大きいため、接合部材42が隙間を埋めやすくなる。よって、このようなスペーサ層33によれば、接合部材42が精度よく配置される。
【0076】
直線部材41及び接合部材42は、互いに同じ樹脂材料からなってもよい。また、接合部材42の平均分子量は、直線部材41の平均分子量よりも小さくてもよい。接合部材42の平均分子量が直線部材41の平均分子量よりも小さい場合、接合部材42のMFRが直線部材41のMFRよりも大きくなる構成を容易に実現することができる。
【0077】
接合部材42の厚さT2は、直線部材41の厚さT1と同等又はそれ以下である。このため、スペーサ層33には、樹脂部材51の端部同士を重ね合わせて溶着して形成された比較例のスペーサ層50と異なり、局所的に厚い部分が存在しない。よって、封止部30の厚さバラツキを抑制することができる。接合部材42の厚さT2が直線部材41の厚さT1より薄い場合、接合部材42の樹脂の量が減少するので、コスト増加抑制が期待できる。
【0078】
複数の直線部材41は、一対の直線部材43と、一対の直線部材44と、を含む。接合部材42は、端縁41aのうち直線部材43の長辺をなす領域43Lと、端縁41aのうち直線部材44の短辺をなす領域44Sとを接合している。このため、4つの直線部材41と、4つの接合部材42とによりスペーサ層33を形成することができる。
【0079】
長さL2は、長さL1よりも長い。このため、直線部材44の長手方向(X軸方向)の熱収縮は、直線部材43の長手方向(Y軸方向)の熱収縮よりも大きくなる。接合部材42は、領域43Lと領域44Sとを接合している。このため、短い直線部材43により矩形枠状のスペーサ層33の角部33cが構成される。
【0080】
(第1変形例)
図10は、第1変形例に係るスペーサ層を示す模式的な平面図である。上記実施形態では、図3に示されるように、矩形枠状のスペーサ層33の各辺部は、1つの直線部材41により構成されている。これに対し、第1変形例では、図10に示されるように、矩形枠状のスペーサ層33Aの各辺部は、複数の直線部材41により構成されている。本変形例では、スペーサ層33Aの各辺部は、一対の直線部材41により構成されている。スペーサ層33Aは、合計で8つの直線部材41を有している。
【0081】
8つの直線部材41は、Y軸方向において直線状に延在する4つの直線部材45と、X軸方向において直線状に延在する4つの直線部材46とを含む。直線部材45は、積層方向から見て、Y軸方向を長手方向(又は長辺方向)とする矩形状である。積層方向から見て、直線部材45の端縁41aは、直線部材45の長辺をなす領域45Lと、直線部材45の短辺をなす領域45Sとを含んでいる。直線部材46は、積層方向から見て、X軸方向を長手方向(又は長辺方向)とする矩形状である。積層方向から見て、直線部材46の端縁41aは、直線部材46の長辺をなす領域46Lと、直線部材46の短辺をなす領域46Sとを含んでいる。
【0082】
スペーサ層33Aの各辺部は、一対の直線部材45、又は、一対の直線部材46のいずれかにより構成されている。つまり、複数の直線部材41は、積層方向から見て長手方向(長辺方向)が互いに一致すると共に、長手方向(長辺方向)において互いに隣り合っている二対の直線部材45と、積層方向から見て長手方向(長辺方向)が互いに一致すると共に、長手方向(長辺方向)において互いに隣り合っている二対の直線部材46と、を有する。スペーサ層33の同じ辺部を構成する一対の直線部材41、すなわち、一対の直線部材45又は一対の直線部材46は、互いに同じ形状を有している。スペーサ層33の同じ辺部を構成する一対の直線部材45では、領域45S同士が接合部材42により接合されている。スペーサ層33の同じ辺部を構成する一対の直線部材46では、領域46S同士が接合部材42により接合されている。隣り合う直線部材45及び直線部材46では、領域45Lと領域46Sが接合部材42により接合されている。
【0083】
上記実施形態と異なり、本変形例では、隣り合う直線部材41の長手方向が互いに直交している場合と、隣り合う直線部材41の長手方向が互いに一致している場合とがある。本変形例によれば、短い直線部材45,46を繋ぎ合わせて大型のスペーサ層33Aを形成することができる。ここでは、スペーサ層33Aの各辺部が複数の直線部材41により構成されている場合を例示したが、スペーサ層33Aの一つの辺部が複数の直線部材41により構成されていてもよい。また、スペーサ層33Aの同じ辺部を構成する一対の直線部材41は、互いに異なる形状を有していてもよい。
【0084】
(第2変形例)
図11は、第2変形例に係るスペーサ層を示す模式的な平面図である。図11に示されるように、第2変形例に係るスペーサ層33Bは、接合部材42が、スペーサ層33の角部33c全体を構成している点で、スペーサ層33(図3参照)と相違している。積層方向から見て、接合部材42の形状は、角部33cの形状と一致している。スペーサ層33Bでは、複数の直線部材41は、一対の直線部材47、及び、一対の直線部材48を含んでいる。直線部材47は、角部33cを構成していない点で、直線部材43(図3参照)と相違している。直線部材47の長手方向(Y軸方向)の長さL5は、直線部材43の長さL1よりも角部33cの分だけ短い。直線部材48は、角部33cまで至っている点で、直線部材44(図3参照)と相違している。直線部材48の長手方向(X軸方向)の長さL6は、直線部材44の長さL2よりも長い。長さL6は、長さL5よりも長い。
【0085】
積層方向から見て、直線部材47の端縁41aは、直線部材47の長辺をなす領域47Lと、直線部材47の短辺をなす領域47Sとを含んでいる。積層方向から見て、直線部材48の端縁41aは、直線部材48の長辺をなす領域48Lと、直線部材48の短辺をなす領域48Sとを含んでいる。接合部材42は、端縁41aのうち直線部材47の短辺をなす領域47Sと、端縁41aのうち直線部材48の短辺をなす領域48Sとを接合している。本変形例においても、直線部材41の数が最小となるので、蓄電モジュール11の生産性を向上させることができる。
【0086】
以上、本開示の一例の形態について詳細に説明されたが、本開示は上記形態及び変形例に限定されない。
【0087】
接合部材42は、射出成形部材ではなく、射出成形以外で形成された部材であってもよい。例えば、図6に示されるように、直線部材41を第1中型M3a及び第2中型M3bと共に下型M1上に配置した後、上型M2を配置せず、直線部材41の端縁41a間に隙間に上方から樹脂を流し込み、接合部材42を形成してもよい。この場合、注入口Mhが設けられていない第1中型M3a及び第2中型M3bを用いることができる。
【0088】
スペーサ層33において、一対の直線部材43は、互いに同じ形状を有していてもよい。一対の直線部材43の領域43Sの長さは、一対の直線部材44の領域44Sの長さと同等であってもよい。
【0089】
直線部材41の数は、複数であればよい。接合部材42は、直線部材43の領域43Sと直線部材44の領域44Lとを接合していてもよい。直線部材44の長手方向の長さL2は、直線部材43の長手方向の長さL1よりも短くてもよい。直線部材41及び接合部材42は、互いに異なる樹脂材料からなってもよい。直線部材41は、直線状に延在する領域を有していればよく、例えば、L字形状、コの字型形状等の矩形状以外の形状を有していてもよい。
【0090】
スペーサ層33の構成は、第1シール層31及び第2シール層32にも適用可能である。すなわち、第1シール層31及び第2シール層32のそれぞれは、積層方向から見て互いに離間して配置された複数の直線部材、及び、隣り合う直線部材の端縁同士を接合する接合部材を含んでいてもよい。
【0091】
本開示の形態は以下のように示され得る。
[1]
それぞれが矩形状かつ金属製の集電体を有する複数の電極が積層された積層体と、
前記複数の電極の積層方向から見て前記積層体を取り囲むように前記集電体の周縁部に設けられた樹脂製の封止部と、を備え、
前記複数の電極のそれぞれは、前記集電体の第1面、及び、前記第1面とは逆側の第2面にそれぞれ活物質層を有し、
前記封止部は、矩形枠状の複数のシール層と、矩形枠状の複数のスペーサ層とを含み、
前記複数のシール層は、前記複数の電極のそれぞれの前記集電体の周縁部において前記第1面及び前記第2面に接合され、
前記複数のスペーサ層のそれぞれは、
前記積層方向に隣り合う前記シール層の間に位置して、前記積層方向に隣り合う前記集電体の間に形成される内部空間を前記複数のシール層と共に封止し、
前記積層方向から見て互いに離間して配置され、それぞれ直線状に延在する領域を有する複数の直線部材、及び、隣り合う前記直線部材の端縁同士の隙間を埋めるように前記端縁に接合された接合部材を有する、
蓄電モジュール。
[2]
前記接合部材は、射出成形部材であって、
前記スペーサ層のそれぞれは、前記接合部材と前記直線部材の前記端縁との接合部に形成された、前記接合部材と前記直線部材とが互いに溶け合う溶着層を備える、[1]に記載の蓄電モジュール。
[3]
前記接合部材は、射出成形部材であって、
前記接合部材のメルトフローレートは、前記直線部材のメルトフローレートよりも大きい、[1]又は[2]に記載の蓄電モジュール。
[4]
前記積層方向から見て、前記接合部材の面積は、前記直線部材の面積よりも小さい、[1]~[3]のいずれかに記載の蓄電モジュール。
[5]
前記接合部材の厚さは、前記直線部材の厚さと同等又はそれ以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の蓄電モジュール。
[6]
前記複数の直線部材は、前記積層方向から見て第1方向において互いに対向する矩形状の一対の第1直線部材と、前記積層方向から見て前記第1方向と直交する第2方向において互いに対向する矩形状の一対の第2直線部材と、を含み、
前記接合部材は、前記第1直線部材の長辺をなす端縁と前記第2直線部材の短辺をなす端縁とを接合している、[1]~[5]のいずれかに記載の蓄電モジュール。
[7]
前記複数の直線部材は、前記積層方向から見て第1方向において互いに対向する矩形状の一対の第1直線部材と、前記積層方向から見て前記第1方向と直交する第2方向において互いに対向する矩形状の一対の第2直線部材と、を含み、
前記接合部材は、前記端縁のうち前記第1直線部材の短辺をなす領域と、前記端縁のうち前記第2直線部材の短辺をなす領域とを接合している、[1]~[5]のいずれかに記載の蓄電モジュール。
[8]
前記複数の直線部材は、前記積層方向から見て長手方向が互いに一致すると共に、前記長手方向において互いに隣り合う一対の直線部材を含む、
[1]~[7]のいずれかに記載の蓄電モジュール。
【符号の説明】
【0092】
11…蓄電モジュール、12…電極積層体(積層体)、14…バイポーラ電極、21…集電体、21a…第1面、21b…第2面、21c…周縁部、22…正極活物質層、23…負極活物質層、30…封止部、31…第1シール層、32…第2シール層、33,33A,33B…スペーサ層、40…溶着層、41…直線部材、41a…端縁、42…接合部材、43…直線部材、43L…領域、43S…領域、44…直線部材、44L…領域、44S…領域、45…直線部材、45L…領域、45S…領域、46…直線部材、46L…領域、46S…領域、47…直線部材、47L…領域、47S…領域、48…直線部材、48L…領域、48S…領域、S…内部空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11