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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162828
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】車両用制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/26 20220101AFI20241114BHJP
   B60R 1/25 20220101ALI20241114BHJP
   B60R 1/20 20220101ALI20241114BHJP
【FI】
B60R1/26 200
B60R1/25
B60R1/20 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078748
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 鮎美
(72)【発明者】
【氏名】井上 嘉亮
(57)【要約】
【課題】周辺監視用のサイドカメラを後側方監視にも用いることができる。
【解決手段】本開示にかかる車両用制御装置は、車両の側部に設けられ広角レンズを有するカメラから、車両の側方画像が入力される入力部と、側方画像からそれぞれ一部領域を切り出して、車内モニタに表示させる第1及び第2の画像を生成する生成部と、を備え、生成部は、第1の画像を生成する場合には、車両の前後方向におけるカメラの取り付け位置を起点として、側方画像の水平方向における切り出し中心が車両の後側方となるように一部領域を切り出し、切り出した一部領域を鏡像反転させるとともに、広角レンズによる側方画像の歪みを補正し、第2の画像を生成する場合には、車両の前後方向におけるカメラの取り付け位置を起点として、側方画像の水平方向における切り出し中心が、車両の前後端を結ぶ線に対して垂直な線上に一致するように一部領域を切り出す。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の側部に設けられ広角レンズを有するカメラから、前記車両の側方画像が入力される入力部と、
前記側方画像からそれぞれ一部領域を切り出して、車内モニタに表示させる第1及び第2の画像を生成する生成部と、を備え、
前記生成部は、
前記第1の画像を生成する場合には、前記車両の前後方向における前記カメラの取り付け位置を起点として、前記側方画像の水平方向における切り出し中心が前記車両の後側方となるように前記一部領域を切り出し、切り出した前記一部領域を鏡像反転させるとともに、前記広角レンズによる前記側方画像の歪みを補正し、
前記第2の画像を生成する場合には、前記車両の前後方向における前記カメラの取り付け位置を起点として、前記側方画像の水平方向における切り出し中心が、前記車両の前後端を結ぶ線に対して垂直な線上に一致するように前記一部領域を切り出す、
車両用制御装置。
【請求項2】
前記カメラは、
前記車両の右側部に設けられる第1のカメラと、
前記車両の左側部に設けられる第2のカメラと、を含み、
前記入力部には、
前記車両の進路を周囲に示すためのターンスイッチからの信号が入力されるよう構成されており、
前記生成部は、
前記第1及び第2のカメラからの前記側方画像のうち、前記ターンスイッチからの信号が示す進路側の側方画像に基づいて前記第1の画像を生成する、
請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の画像を前記車内モニタに出力する出力部を更に備え、
前記入力部には、
前記車内モニタへの前記第1または第2の画像の表示を開始させる表示スイッチからの信号と、
前記車両が備える車輪速センサからの車輪速の検出結果と、が入力されるよう構成されており、
前記出力部は、
前記車両が所定速度以上で走行中であって、前記ターンスイッチからの信号が入力された場合または前記表示スイッチからの信号が入力された場合には、前記第1の画像を出力し、
前記車両が前記所定速度未満となったことが検出された場合には、前記第2の画像を出力する、
請求項2に記載の車両用制御装置。
【請求項4】
前記車内モニタは、
運転に必要ではない情報を表示する第1のモニタと、
運転に必要な情報が示されるメータ及び画像を表示する機能を有する第2のモニタと、を含み、
前記出力部は、
前記車両が所定速度以上で走行中であって、前記ターンスイッチからの信号が入力された場合には、前記第1の画像を少なくとも前記第2のモニタに出力する、
請求項3に記載の車両用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の後側方確認用のサイドミラー等に替えて、カメラ画像を表示可能な電子サイドミラーが開発されている。また、車両の側方を含む周辺監視用に複数台のカメラが車両に搭載される場合がある。
【0003】
例えば、後側方確認用のカメラを制御して車両の後側方監視を行う装置と、周辺監視用のサイドカメラを制御して車両の周辺監視を行う装置との一部機能を共用する技術がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-069075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、後側方確認用のカメラと周辺監視用のサイドカメラとを併用する必要があり、コストが増大してしまう。
【0006】
本開示は、周辺監視用のサイドカメラを後側方監視にも用いることができる車両用制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる車両用制御装置は、車両の側部に設けられ広角レンズを有するカメラから、前記車両の側方画像が入力される入力部と、前記側方画像からそれぞれ一部領域を切り出して、車内モニタに表示させる第1及び第2の画像を生成する生成部と、を備え、前記生成部は、前記第1の画像を生成する場合には、前記車両の前後方向における前記カメラの取り付け位置を起点として、前記側方画像の水平方向における切り出し中心が前記車両の後側方となるように前記一部領域を切り出し、切り出した前記一部領域を鏡像反転させるとともに、前記広角レンズによる前記側方画像の歪みを補正し、前記第2の画像を生成する場合には、前記車両の前後方向における前記カメラの取り付け位置を起点として、前記側方画像の水平方向における切り出し中心が、前記車両の前後端を結ぶ線に対して垂直な線上に一致するように前記一部領域を切り出す。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる車両用制御装置によれば、周辺監視用のサイドカメラを後側方監視にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかるECUを備える車両の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態にかかるECUの機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態にかかるECUが後側方監視用の画像を生成する際にサイドカメラの画角から切り出す画角の範囲について説明する図である。
図4図4は、実施形態にかかるECUが後側方監視用の画像を生成する様子を示す図である。
図5図5は、実施形態にかかるECUが周辺監視用の画像を生成する様子を示す図である。
図6図6は、実施形態にかかるECUによる画像生成処理の手順の一例を示すフロー図である。
図7図7は、実施形態にかかるCIDに表示される各種画像の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示にかかる車両用制御装置の実施形態について説明する。
【0011】
(ECUの構成例)
図1は、実施形態にかかるECU(Electronic Control Unit)20を備える車両10の構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態の車両10は、フロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、バックカメラ11B、メータディスプレイ12M、センターインフォメーションディスプレイ(CID:Center Information Display)12C、車輪速センサ13、舵角センサ14、シフトセンサ15、ターンスイッチ16、イグニッションスイッチ17、及びECU20を備える。
【0013】
ECU20と、フロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、バックカメラ11B、メータディスプレイ12M、及びCID12Cとは、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)ケーブル等のディスプレイケーブルで接続されている。これにより、例えばフロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11Bが撮影した画像等をデジタル信号に変換して伝送することができる。
【0014】
ECU20と、車輪速センサ13、舵角センサ14、シフトセンサ15、ターンスイッチ16、及びイグニッションスイッチ17とは、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークで接続されている。これにより、ECU20は、後述するように、例えば車輪速センサ13及びターンスイッチ16等からの信号を受信することができる。
【0015】
フロントカメラ11Fは、例えばフロントバンパ等の車両10の前部に設けられ、車両10の前方画像を撮影する。第1のカメラとしてのサイドカメラ11Rは、運転席から見て例えば右側のドアミラー等の車両10の右側部に設けられ、車両10の右側方画像を撮影する。第2のカメラとしてのサイドカメラ11Lは、運転席から見て例えば左側のドアミラー等の車両10の左側部に設けられ、車両10の左側方画像を撮影する。バックカメラ11Bは、例えばリヤバンパ等の車両10の後部に設けられ、車両10の後方画像を撮影する。
【0016】
これらのフロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11Bが撮影した周辺画像は、例えば駐車または出車の際などに車両10の周辺監視に用いられる。このため、死角を極力減らすことを目的として、これらのフロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11Bには例えば魚眼レンズなどの広角レンズが用いられる。
【0017】
メータディスプレイ12Mは、メータパネル型の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等であり、例えば運転席前面のインストルメントパネルであって、ステアリングホイールの背後に設けられている。メータディスプレイ12Mは、例えば速度計、エンジン回転計、燃料計、水温計、距離計、並びに各種の警告灯および表示灯の少なくともいずれかのメータをデジタル表示するとともに、例えばサイドカメラ11R,11Lにより撮影された車両10の側方画像等を表示することが可能に構成されている。
【0018】
なお、メータディスプレイ12Mにデジタル表示されるメータは、上記の計器類のほか、各種の警告灯または表示灯等を提示するものであってもよい。このように、メータディスプレイ12Mのメータは、専ら、車両10の運転に必要な情報を運転者に提示することが可能に構成される。
【0019】
CID12Cは、LCD等であり、例えば運転席前面のインストルメントパネルの中央付近に設けられている。CID12Cは、例えばフロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11Bにより撮影された車両10の周辺画像を表示したり、これらの周辺画像を合成して得られる俯瞰画像を表示したりするほか、運転者に各種情報を提示することが可能に構成されている。
【0020】
この他、CID12Cが、ナビゲーションシステムに供用されることにより、ナビゲーション画面を表示可能に構成されていてもよい。また、CID12Cが、放送信号等の受信機に接続されることにより、放送番組等を表示可能に構成されていてもよい。このように、CID12Cは、専ら、車両10の運転に必ずしも必要ではない情報を表示可能に構成される。
【0021】
なお、メータディスプレイ12Mは第2のモニタの一例であり、CID12Cは第1のモニタの一例であり、メータディスプレイ12MとCID12Cとは車内モニタの一例である。
【0022】
CID12Cには、例えばCID12Cの表示を開始し、表示内容を変更し、あるいは、メータディスプレイ12MとCID12Cとの間で表示先を切り替える等の各種操作に用いられる機能スイッチ12sが設けられている。CID12Cの表示には、上述のように、周辺画像および俯瞰画像の表示、並びに各種情報の表示等が含まれる。このように、機能スイッチ12sは、フロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11Bのカメラ機能をオンして、画像表示を開始させる表示スイッチの一例である。
【0023】
車輪速センサ13は、例えばホール素子などを用いて構成され、車両10が備える車輪の回転量または単位時間当たりの回転数等から、車輪速を表す車輪速パルスを検出結果として出力する。
【0024】
舵角センサ14は、ステアリングホイールの角度を検出し、舵角信号を検出結果として出力する。
【0025】
シフトセンサ15は、例えば変位センサ等を含んで構成され、車両10の変速操作を行うためのレバー、アーム、またはボタン等の位置を検出し、シフト位置を表す信号を検出結果として出力する。
【0026】
ターンスイッチ16は、車両10の右左折または車線変更等の進路変更の際に、車両10の進路を示す方向指示灯を点滅させるためのレバー、アーム、またはボタン等であり、これらの操作が行われると方向指示灯を点灯させるための制御信号を出力する。
【0027】
イグニッションスイッチ17は、エンジンもしくはモータ並びに電気系統を始動させるスイッチであり、エンジンキーによりキーシリンダが回転され、または、ボタンが押下されること等により作動する。イグニッションスイッチ17は、スイッチ操作が行われるとエンジン等を始動させるための制御信号を出力する。
【0028】
ECU20は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータとして構成され、フロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11B等から取得した周辺画像から各種加工を施した画像を生成し、メータディスプレイ12M及びCID12Cに適宜出力する。このとき、ECU20は、そのときの車両10の状態および運転者の指示にしたがって、時々の状況に即した画像を生成し、また、画像の出力先を変更する。
【0029】
このように、ECU20は、各種の周辺画像を加工してメータディスプレイ12M及びCID12Cに出力する車両用制御装置として構成されている。
【0030】
なお、ECU20が、カメラECU、メータECU、及び表示ECU等の複数のECUから構成されていてもよい。カメラECUは、例えばフロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11B等を制御し、これらから取得した周辺画像に対して各種加工を施す。メータECUは、メータディスプレイ12Mを制御して、カメラECUにより加工された画像、及び各種メータのデジタル表示を含む各種情報を、メータディスプレイ12Mに表示させる。表示ECUは、CID12Cを制御して、カメラECUにより加工された画像を含む各種情報をCID12Cに表示させる。
【0031】
また、ECU20が、各種センサからの信号をボディECU及びブレーキECU等の他のECUを介して取得してもよい。ボディECUは、車両1のイグニッションスイッチがオフの状態でも動作の必要があるターンスイッチ16、図示しないヘッドライトスイッチ、及びドアロックモータ等を制御する。ブレーキECUは、例えば車輪速センサ13の車速パルスをカウントすることによって車両10の車速を求め、また、各車輪に設けられたブレーキによって駆動輪を含む車輪に制動をかける。
【0032】
図2は、実施形態にかかるECU20の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、ECU20は、機能構成として、入力部21、判定部22、生成部23、検出部24、出力部25、及び記憶部26を備える。これらの機能部は、例えばECU20が備える図示しないCPUが、ROM等に格納されている制御プログラムをRAMに展開して実行することで実現される。
【0033】
入力部21は、フロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11Bから、上述のディスプレイケーブル等を介して、これらにより撮影された周辺画像を取得する。また、入力部21は、車輪速センサ13及びターンスイッチ16から、上述の車載ネットワーク等を介して、車輪速の検出結果、及び方向指示灯を点滅させる制御信号をそれぞれ取得する。また、入力部21は、機能スイッチ12sによる画像表示機能のオン操作等が行われると、機能スイッチ12sからCID12Cの本体を介して、上記オン操作等が行われたことを示す制御信号を取得する。
【0034】
判定部22は、車輪速センサ13の検出結果に基づいて、そのときの車両10の速度が所定速度未満であるか否かを判定する。判定部22が判定に用いる車両10の上記所定速度は、例えば10km/h~15km/h未満のごく低速とすることができる。
【0035】
また、判定部22は、ターンスイッチ16の操作により方向指示灯の制御信号が生じたことに基づいて、車両10の進路変更が行われようとしているとの判定を行う。また、判定部22は、CID12Cに設けられた機能スイッチ12sによって、画像表示機能をオンする操作が行われたか否かを判定する。
【0036】
生成部23は、フロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11Bが撮影した画像に基づいて、車両10の周辺監視用の画像、後側方監視用の画像、及び俯瞰画像等を生成する。
【0037】
周辺監視用の画像は、上述のように、例えば駐車または出車の際などに、車両10の周囲に存在する障害物または歩行者等、車両10の周辺の様子を運転者に示すための画像である。周辺監視用画像は、フロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11Bのそれぞれが撮影した画像のいずれかに基づいて生成される。これらの周辺監視用画像のうち、サイドカメラ11R,11Lの側方画像に基づいて生成される側方監視用の画像は、例えば駐車スペースに車両10を横付けした際などに、駐車スペースの状態確認等のために表示される場合がある。側方監視用画像は、第2の画像の一例である。
【0038】
俯瞰画像は、自車アイコンを中心に置く車両10の周囲360°を示す合成画像であり、例えば駐車または出車の際の運転支援等に用いられる。
【0039】
第1の画像としての後側方監視用の画像は、例えば車両10の進路変更を行う際に後側方の様子を運転者に示すための画像である。
【0040】
生成部23は、判定部22が判定した車両10の各種状態に応じて適宜、生成すべき画像を決定する。
【0041】
より具体的には、生成部23は、ターンスイッチ16が操作されるなどして、車両10の進路変更が行われようとしている場合等には、例えば後側方監視用の画像を生成する。また、生成部23は、車両10の速度が所定速度未満の場合等には、例えば周辺監視用の画像を生成する。CID12Cの機能スイッチ12sによって駐車または出車の支援制御が開始された場合等には、生成部23が、周辺監視用の画像に加えて俯瞰画像等を生成してもよい。
【0042】
検出部24は、車両10の進路変更の際に生成された後側方監視用の画像から、車両10の後側方に、他の車両もしくはモータバイク等の後続車両、自転車、または歩行者等が車両10の所定距離内に近接して存在する等、車両10の走行に影響を与えうる事象を検出する。検出部24による検出は、画像認識技術等を用いて行うことができる。
【0043】
車両10の走行に影響を与えうる事象があるときは、検出部24は、生成部23が生成した後側方監視用画像に紐づけて警告情報を生成する。警告情報は、例えば車両10の走行に影響を与えうる事象が存在することを示すマーク、文字、その他の記号等である。これらは、後側方監視用画像とともに、メータディスプレイ12MまたはCID12Cに適宜表示される。このとき、これらが後側方監視用画像に重畳されて表示されてもよい。
【0044】
また、警告情報が、上記表示に替えて、あるいは加えて、警報、ブザー音、またはアナウンス等の警告音等を含んでいてもよい。警告音等は、例えばCID12Cに設けられた図示しないスピーカ等から出力されてよい。
【0045】
出力部25は、生成部23が生成した周辺監視用の画像、後側方監視用の画像、及び俯瞰画像、並びに後側方監視用画像に紐づけられた警告情報等を、上述のディスプレイケーブル等を介して適宜、メータディスプレイ12MまたはCiD12Cに出力する。このとき、周辺監視用の画像および俯瞰画像は、例えばCiD12Cに出力される。また、後側方監視用の画像は、状況に応じて、メータディスプレイ12MまたはCiD12Cに出力されうる。これにより、これらの各種画像等が適宜、メータディスプレイ12MまたはCiD12Cに表示されることとなる。
【0046】
記憶部26は、ECU20の各種機能の実現に用いられる制御パラメータ及び制御プログラムを記憶する。記憶部26が、フロントカメラ11F、サイドカメラ11R,11L、及びバックカメラ11Bから取得した周辺画像を記憶していてもよい。また、記憶部26が、生成部23により生成された周辺監視用の画像、後側方監視用の画像、及び俯瞰画像等を記憶していてもよい。後側方監視用画像に紐づけられた警告情報があるときは、記憶部26は、警告情報を後側方監視用画像とともに記憶してもよい。
【0047】
(ECUの機能例)
次に、図3図5を用いて、実施形態のECU20の詳細の機能例について説明する。
【0048】
図3は、実施形態にかかるECU20が後側方監視用の画像を生成する際にサイドカメラ11R,11Lの画角から切り出す画角の範囲について説明する図である。より詳細には、図3(a)は車両10の上面から見た切り出し画角を示し、図3(b)は車両10の左側面から見た切り出し画角を示し、図3(c)は車両10の右側面から見た切り出し画角を示している。
【0049】
図3に示すように、サイドカメラ11Rは、例えば運転席から見て車両10の右側のドアミラーに、画角を若干下方に向けて取り付けられている。サイドカメラ11Lは、例えば運転席から見て車両10の左側のドアミラーに、サイドカメラ11Rと同様、画角を若干下方に向けて取り付けられている。サイドカメラ11R,11Lを含む周辺監視用のカメラには、上述のように、例えば広角レンズが用いられている。このため、サイドカメラ11R,11Lにより撮影される車両10の側方画像を含めた周辺画像には、例えばヒトの視野よりも広い範囲が含まれている。
【0050】
図3(a)に示すように、サイドカメラ11R,11Lの水平方向のそれぞれの画角VArh,VAlhは例えば共に190°程度であり、サイドカメラ11R,11Lのそれぞれの光軸VXrt,VXltはいずれも、水平方向において、これらのサイドカメラ11R,11Lの車両10の前後方向における取り付け位置を起点として、車両10の前後端を結ぶ線に対して垂直な線上を車両10の側方に向かって延びている。
【0051】
すなわち、サイドカメラ11Rの光軸VXrtは、車両10の右側部のドアミラー付近を起点として、車両10の右側面に対して垂直に車両10の右側方へと延びる。また、サイドカメラ11Lの光軸VXltは、車両10の左側部のドアミラー付近を起点として、車両10の左側面に対して垂直に車両10の左側方へと延びる。
【0052】
図3(b)(c)に示すように、サイドカメラ11R,11Lの垂直方向のそれぞれの画角VArv,VAlvは例えば共に160°程度であり、サイドカメラ11R,11Lのそれぞれの光軸VXrt,VXltはいずれも、垂直方向において、サイドカメラ11R,11Lのそれぞれの取り付け高さにおいて車両10の左右端を結ぶ線上の斜め下方に向けられている。
【0053】
これに対して、後側方監視用の画像を生成する際には、ECU20の生成部23は、上記画角内から所定範囲を切り出して、例えば通常のドアミラーに映る画角と同程度の画角範囲内を捉えた画像とする。これにより、例えばメータディスプレイ12MまたはCID12Cに後側方監視用画像を表示した場合、運転者が、あたかも通常の鏡を用いたドアミラーを通して見るように、違和感なく後側方監視を行うことができる。
【0054】
図3(a)に示すように、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から所定範囲を切り出す際、生成部23は、一例として、切り出し範囲の水平方向のそれぞれの画角FArh,FAlhを共に60°以上110°以下とし、切り出し範囲におけるそれぞれの中心軸FXrt,FXltを、水平方向においては、いずれも車両10の後側方となるように切り出しを行う。
【0055】
すなわち、生成部23は、サイドカメラ11Rの右側方画像に基づいて右後側方監視用画像を生成するときは、右側方画像からの切り出し中心が車両10の右後側方となるように一部領域を切り出す。また、生成部23は、サイドカメラ11Lの左側方画像に基づいて左後側方監視用画像を生成するときは、左側方画像からの切り出し中心が車両10の左後側方となるように一部領域を切り出す。
【0056】
これにより、サイドカメラ11R,11Lの側方画像からの切り出し中心はそれぞれ、サイドカメラ11R,11Lの光軸VXrt,VXltから、車両10の後方寄りにずれることとなる。
【0057】
図3(b)(c)に示すように、生成部23は、サイドカメラ11R,11Lの側方画像における切り出し範囲の垂直方向のそれぞれ画角FArv,FAlvを共に45°以上70°以下とし、切り出し範囲におけるそれぞれの中心軸FXrt,FXltを、垂直方向においてはいずれも、サイドカメラ11R,11Lの取り付け高さにおいて車両10の前後端を結ぶ線上、または、その線上より若干下方に位置するよう、画像の切り出しを行うことができる。
【0058】
これにより、サイドカメラ11R,11Lの側方画像からの切り出し中心は、サイドカメラ11R,11Lの光軸VXrt,VXltよりも上方にずれることとなる。一例として、生成部23は、サイドカメラ11R,11Lの取り付け高さにおいて車両10の前後端を結ぶ線上にある側方画像内の車両10の後方位置を、後側方監視用画像の上端部から30%以上60%以下の領域に配置することができる。
【0059】
なお、生成部23が、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から周辺監視用の画像を生成する際にも、これらの側方画像の画角内から所定範囲の領域を切り出してもよい。
【0060】
この場合、サイドカメラ11R,11Lの側方画像からの切り出し範囲における水平方向の画角を、例えば後側方監視用画像を生成するときと同様、60°以上110°以下としつつ、周辺監視用画像の中心軸を、サイドカメラ11R,11Lの光軸VXrt,VXltとそれぞれ一致させることができる。
【0061】
また、サイドカメラ11R,11Lの側方画像からの切り出し範囲における垂直方向の画角を、例えば後側方監視用画像を生成するときと同様、45°以上70°以下としつつ、周辺監視用画像の中心軸が、サイドカメラ11R,11Lの取り付け高さにおいて車両10の左右端を結ぶ線より下方に位置するよう、画像の切り出しを行うことができる。このとき、周辺監視用画像の中心軸を、例えばサイドカメラ11R,11Lの光軸VXrt,VXltとそれぞれ一致させてもよい。
【0062】
上記の場合、サイドカメラ11R,11Lの取り付け高さにおいて車両10の左右端を結ぶ線上にある側方画像内の車両10の側方位置が、切り出し範囲における垂直方向の中心位置より上方に位置することとなる。一例として、生成部23は、車両10の左右端を結ぶ線上にある側方画像内の車両10の側方位置を、周辺監視用画像の上端部から10%以上20%以下の領域に配置することができる。
【0063】
図4は、実施形態にかかるECU20が後側方監視用の画像を生成する様子を示す図である。
【0064】
図4の例では、例えばターンスイッチ16が操作され、車両10が自車線の左隣りの車線へと車線変更を行おうとしているものとする。この場合、ECU20の生成部23により、サイドカメラ11Lにより撮影された車両10の左側方画像に基づく左後側方画像が生成される。左後側方画像は、以下に説明するように、あたかも左側のドアミラーを介して見る鏡像であるかのように生成される。
【0065】
図4(a)は、サイドカメラ11Lにより撮影された車両10の側方画像の一例である。図4(a)の例では、この側方画像に、路上を走行中の車両10前後の自車線と、自車線の左側に隣接する車線と、隣接車線を走行中の後続車両と、が映る様子を示す。図4(a)の側方画像下方側の像は、車両10の車体である。
【0066】
図4(a)に示すように、未処理の側方画像には、サイドカメラ11Lの取り付け位置を中心とする車両10の前後側方を含み、例えばヒトの視野よりも広い範囲が映り込んでおり、また、広角レンズによる歪みが生じている。
【0067】
ECU20の生成部23は、このような図4(a)の側方画像から所定範囲を切り出して、ドアミラーを介して見るような後側方監視用の画像を生成する。このため、車両10の前後側方を含む側方画像からの切り出し範囲は主に、車両10の後側方である隣接車線と、その隣接車線を走行中の後続車両とを含む領域となりうる。
【0068】
図4(b)~図4(d)は、図4(a)の側方画像から後側方監視用の画像が生成される様子を示している。
【0069】
図4(b)に示すように、生成部23は、サイドカメラ11Lにより撮影された側方画像を鏡像反転させる。ドアミラーを介して見る像は、サイドカメラ11Lにより撮影された側方画像の鏡像となるはずだからである。また、生成部23は、後側方監視用画像に用いる切り出し領域CAbとして、水平方向および垂直方向ともに、例えば鏡像反転させた側方画像全体よりも狭い範囲を切り出す。
【0070】
このとき、生成部23は、水平方向における切り出し中心が車両10の後側方となるように、鏡像反転させた側方画像中、車両10の後方寄りの領域を切り出す。また、生成部23は、垂直方向における切り出し中心が、サイドカメラ11Lの取り付け高さにおいて車両10の前後端を結ぶ線上、もしくはそれより若干下方に位置するよう、鏡像反転させた側方画像中の領域を切り出す。
【0071】
図4(c)は、生成部23が、後側方監視用画像に用いる切り出し領域CAbにおける広角レンズによる歪みを補正する様子を示している。
【0072】
図4(c)に示すように、生成部23は、例えばワーピング等の画像処理技術を用いて、切り出し領域CAbにおける画像の歪みを補正する。例えばワーピング処理により画像の歪みを補正する場合には、生成部23は、切り出し領域CAbの画像をメッシュ状に分割し、メッシュの各交点に存在する複数の特徴点FPをそれぞれ所定の座標に移動させる。このとき、個々の特徴点FPの移動距離を適宜異ならせることで、切り出し領域CAbにおける画像の歪みが補正される。
【0073】
図4(d)は、生成部23が、サイドカメラ11Lの側方画像から生成した後側方監視用画像の一例である。図4(d)に示すように、図4(b)の切り出し領域CAbの範囲が歪み補正された状態で、後側方監視用画像が生成される。
【0074】
生成部23が生成した後側方監視用画像には、車両10の左側の後側方部分が映り込んでいる。上述のように、図4(b)の切り出し領域CAbは、水平方向における切り出し中心が車両10の後側方となるよう設定されている。このため、車両10の後側方部分が占める割合は、後側方監視用画像中、例えば20%以上30%以下となっている。
【0075】
また、上述のように、図4(b)の切り出し領域CAbは、垂直方向における切り出し中心が、サイドカメラ11Lの取り付け高さにおいて車両10の前後端を結ぶ線上、もしくはそれより若干下方に位置するよう設定されている。このため、サイドカメラ11Lの取り付け高さにおいて車両10の前後端を結ぶ線に対して水平な線上にある側方画像内の車両10の後方位置が、後側方監視用画像の上端部から30%以上60%以下の領域内に位置することとなっている。
【0076】
ECU20の検出部24は、例えば画像認識技術等を用いて、生成部23が生成した後側方監視用画像内の、車両10の走行に影響を与えうる事象を検出する。すなわち、後側方監視用画像内において、車両10の進路変更先の路面等に、他の車両、モータバイク、自転車、あるいは歩行者等が、車両10の所定距離内に近接して存在する場合等には、検出部24は、これらを車両10の走行に影響を与えうる事象として検出する。
【0077】
図4(d)の例では、後側方監視用画像内において、車両10の進路変更先である左側の隣接車線に、車両10に充分接近して後続車両が検出されたものとする。この場合、検出部24は、この後続車両を車両10の走行に影響を与えうる事象として、この後側方画像に紐づく警告情報を生成する。
【0078】
図4(e)は、生成部23が生成した後側方画像が、車両10のCID12Cに表示される様子を示す。図4(e)に示すように、後側方画像内の後続車両には、検出部24が生成した警告情報に基づいて、車両10の走行に影響を与えうる事象であることを示す三角形のマーク29cが付されている。
【0079】
図4(f)は、生成部23が生成した後側方画像が、車両10のメータディスプレイ12Mに表示される様子を示す。図4(f)に示すように、メータディスプレイ12Mには、速度計121及び燃料計122等の各種メータがデジタル表示され、また、各種情報を表示可能なLCD等の表示部123が設けられている。
【0080】
メータディスプレイ12Mの表示部123には、生成部23が生成した後側方画像が表示され、後側方画像内の後続車両には、検出部24が生成した警告情報に基づいて、車両10の走行に影響を与えうる事象であることを示す三角形のマーク29mが付されている。
【0081】
なお、CID12Cまたはメータディスプレイ12Mに後側方画像を表示する際には、上述のように、検出部24が生成した警告情報に基づいて、警告音等が発せられてもよい。
【0082】
また、図4に示した後側方監視用画像の生成手法は、生成部23が、車両10の右側部のサイドカメラ11Rの右側方画像に基づいて右後側方監視用の画像を生成する場合にも適用される。この場合、右後側方画像は、あたかも右側のドアミラーを介して見る鏡像であるかのように生成される。
【0083】
すなわち、生成部23は、サイドカメラ11Rが撮影した車両10の右側の側方画像を鏡像反転させ、車両10の右後側方寄りの領域を切り出し、広角レンズによる歪みを補正する。
【0084】
これにより、車両10の右側の後側方部分が、例えば20%以上30%以下の範囲で含まれ、サイドカメラ11Rの取り付け高さにおいて車両10の前後端を結ぶ線に対して水平な線上にある側方画像内の車両10の後方位置が、上端部から30%以上60%以下の領域内に位置する右後側方監視用画像が生成される。
【0085】
検出部24は、右後方監視用画像内に車両10の走行に影響を与えうる事象が検出された場合には、右後方監視用画像に紐づく警告情報を生成する。
【0086】
図5は、実施形態にかかるECU20が周辺監視用の画像を生成する様子を示す図である。
【0087】
図5(a)は、サイドカメラ11Lにより撮影された車両10の側方画像の一例である。図5(a)の側方画像は、上述の図4(a)に示した側方画像と同じものである。すなわち、図5(a)の側方画像には、路上を走行中の車両10前後の自車線と、自車線の左側に隣接する車線と、隣接車線を走行中の後続車両とが、側方画像下方側に位置する車両10の車体とともに映っている。
【0088】
図5(a)に示すように、ECU20の生成部23は、周辺監視用画像に用いる切り出し領域CAsとして、水平方向および垂直方向ともに、例えばサイドカメラ11Lによる側方画像全体よりも狭い範囲を切り出す。また、車両10の左右端を結ぶ線上の側方画像内の位置が、周辺監視用画像の上端部から10%以上20%以下の領域に配置されることとなるよう、生成部23は、サイドカメラ11Lによる側方画像中の領域を切り出す。
【0089】
図5(b)は、生成部23が、サイドカメラ11Lの側方画像から生成した周辺監視用画像の一例である。図5(b)に示すように、図5(a)の切り出し領域CAsが、そのまま周辺監視用画像が生成される。
【0090】
図5(c)は、生成部23が生成した周辺監視用画像が、車両10のCID12Cに表示される様子を示している。
【0091】
なお、図5に示した周辺監視用画像の生成手法は、生成部23が、車両10の右側部のサイドカメラ11Rの右側方画像に基づいて周辺監視用の画像を生成する場合にも適用される。
【0092】
上述のように、例えばターンスイッチ16からの制御信号等が入力されて、車両10が進路変更を行おうとしていると判定部22が判定した場合等には、生成部23は、サイドカメラ11R,11Lの側方画像のうち、車両10の進路側の側方画像に基づいて、上述の図4(d)に示すような後側方監視用画像を生成し、出力部25は、例えばそれをメータディスプレイ12Mに出力し、図4(f)に示すように表示させる。
【0093】
ただし、例えばCID12Cの機能スイッチ12s等により、表示先を指定する操作が行われた場合には、出力部25は、生成部23が生成した後側方監視用画像を、上述のメータディスプレイ12Mに加えてCID12Cにも出力し、図4(e)に示すように表示させてもよい。
【0094】
また、例えばターンスイッチ16からの制御信号等が入力されない場合であっても、例えばCID12Cの機能スイッチ12s等により、画像表示機能をオンする操作が行われた場合には、出力部25は、生成部23が生成した後側方監視用画像をCID12Cに出力し、図4(e)に示すように表示させてもよい。
【0095】
このように、車両10の進路変更に伴って、あるいは、画像表示機能がオンされたタイミングで、後側方画像をメータディスプレイ12MまたはCID12Cに表示する際に、検出部24が生成した警告情報に基づく表示または警告音等が運転者に提示されてもよい。
【0096】
また、例えば車輪速センサ13の検出結果から車両10が所定の速度未満に減速したと判定部22が判定した場合等には、生成部23は、例えば図5(b)に示すような周辺監視用画像を生成し、出力部25は、それをCID12Cに出力して、図5(c)に示すように表示させる。
【0097】
(ECUの処理例)
次に、図6を用いて、実施形態のECU20による処理例について説明する。図6は、実施形態にかかるECU20による画像生成処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0098】
図6に示すように、ECU20の判定部22は、例えばターンスイッチ16からの制御信号の入力部21への入力を監視する(ステップS101)。
【0099】
ターンスイッチ16からの制御信号が入力部21に入力されるなどして、車両10が進路変更を行おうとしていると判定部22が判定すると(ステップS101:Yes)、入力部21は、サイドカメラ11R,11Lの側方画像のうち、車両10の進路側の側方画像の取得を開始する(ステップS102)。
【0100】
生成部23は、いずれかのサイドカメラ11R,11Lが撮影した側方画像から後側方監視用画像を生成する(ステップS103)。すなわち、生成部23は、上述のように、いずれかのサイドカメラ11R,11Lの側方画像を鏡像反転させ、後方監視用画像に用いる切り出し領域CAbを切り出し、切り出し領域CAbにおける画像の歪みを補正する。
【0101】
検出部24は、生成部23が生成した後側方監視用画像から、車両10の走行に影響を与えうる事象の検出を試みる(ステップS104)。車両10の走行に影響を与えうる事象が検出された場合には(ステップS104:Yes)、検出部24は、後側方監視用画像に紐づく警告情報を生成する(ステップS105)。車両10の走行に影響を与えうる事象が検出されなかった場合には(ステップS104:No)、検出部24による警告情報の生成処理はスキップされる。
【0102】
判定部22は、CID12Cに設けられた機能スイッチ12sから、画像の表示先を指定する操作を示す信号が入力部21に入力されていないかどうかを判定する(ステップS106)。
【0103】
表示先を指定する指示が行われていない場合には(ステップS106:No)、出力部25は、生成部23が生成した後側方監視用画像をメータディスプレイ12Mに出力する(ステップS107)。表示先の切り替え指示が行われていた場合には(ステップS106:Yes)、出力部25は、生成部23が生成した後側方監視用画像を、メータディスプレイ12MとCID12Cとの両方に出力する(ステップS108)。このとき、ステップS107,S108の処理において、検出部24が生成した警告情報が紐づけられている場合には、その警告情報に基づく表示等を併せて行う。
【0104】
その後、ターンスイッチ16がオフされるなどして車両10の進路変更が終了する(ステップS109)。
【0105】
ターンスイッチ16からの制御信号の入力がない場合には(ステップS101:No)、判定部22は、例えば機能スイッチ12sからの、いずれかのサイドカメラ11R,11Lの画像の表示機能をオンする制御信号の入力部21への入力を監視する(ステップS201)。
【0106】
機能スイッチ12sからの制御信号が入力部21に入力されるなどして、画像表示機能がオンされたと判定部22が判定すると(ステップS201:Yes)、入力部21は、サイドカメラ11R,11Lの側方画像のうち、機能スイッチ12sの制御信号が示す側の側方画像の取得を開始する(ステップS202)。
【0107】
生成部23は、いずれかのサイドカメラ11R,11Lが撮影した側方画像から後側方監視用画像を生成する(ステップS203)。すなわち、生成部23は、上述のように、いずれかのサイドカメラ11R,11Lの側方画像を鏡像反転させ、後方監視用画像に用いる切り出し領域CAbを切り出し、切り出し領域CAbにおける画像の歪みを補正する。
【0108】
検出部24は、生成部23が生成した後側方監視用画像から、車両10の走行に影響を与えうる事象の検出を試みる(ステップS204)。車両10の走行に影響を与えうる事象が検出された場合には(ステップS204:Yes)、検出部24は、後側方監視用画像に紐づく警告情報を生成する(ステップS205)。車両10の走行に影響を与えうる事象が検出されなかった場合には(ステップS204:No)、検出部24による警告情報の生成処理はスキップされる。
【0109】
出力部25は、生成部23が生成した後側方監視用画像をCID12Cに出力する(ステップS207)。このとき、検出部24が生成した警告情報が紐づけられている場合には、その警告情報に基づく表示等を併せて行う。
【0110】
その後、機能スイッチ12sが操作されるなどして画像表示機能がオフされる(ステップS209)。
【0111】
ターンスイッチ16からの制御信号の入力がなく(ステップS101:No)、さらに機能スイッチ12sからの画像表示機能をオンする制御信号の入力もない場合には(ステップS201:No)、判定部22は、入力部21に入力された車輪速センサ13の検出結果から、車両10の速度が所定速度未満であるか否かを判定する(ステップS301)。
【0112】
判定部22が、車両10の速度が所定速度以上であると判定した場合には(ステップS301:No)、ステップS101からの処理を繰り返す。
【0113】
判定部22が、車両10の速度が所定速度未満であると判定した場合には(ステップS301:Yes)、入力部21は、サイドカメラ11R,11Lの側方画像を含む周辺画像の取得を開始する(ステップS302)。
【0114】
生成部23は、サイドカメラ11R,11Lの側方画像を含む周辺画像から周辺監視用画像を生成する(ステップS303)。
【0115】
すなわち、生成部23は、上述のように、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から、周辺監視用画像に用いる切り出し領域CAsを切り出して、周辺監視用画像を生成する。また、生成部23は、必要に応じて、フロントカメラ11F及びバックカメラ11Bの他の周辺画像に基づく周辺監視用画像、または、これらを合成した俯瞰画像を生成してもよい。
【0116】
出力部25は、生成部23が生成した周辺監視用画像をCID12Cに出力する(ステップS307)。
【0117】
判定部22は、車輪速センサ13の検出結果から、車両10がゼロとなり、あるいは所定速度以上となった場合等には、車両10の駐車が終了して車両10が停止し、あるいは車両10の出車が終了して車両10が通常走行を開始したものと判定する(ステップS309)。
【0118】
以上により、実施形態のECU20による画像生成処理が終了する。
【0119】
(概括)
運転者にとって車両の後側方は視認し難いため、例えば車両後方に向けて照射したレーザ等により後続車両等を検出し、インジケータまたは警告音等で運転者に知らせるブラインドスポットモニタ(BSM)等が開発されている。しかしながら、インジケータまたは警告音等では、後続車両等の状況を運転者に視覚的に提示することができない。また、レーザを用いたBSMはコスト高である。
【0120】
一方で、車両側部に取り付けたカメラの画像を電子サイドミラー等に表示して、運転者による後側方監視を可能とする技術が用いられてきている。また、車両の駐車または出車時等に、車両の側方を撮影するサイドカメラ等の周辺監視用の画像を車室内のモニタに表示して、運転支援が行われることがある。しかしながら、後側方監視用のカメラと周辺監視用のサイドカメラとを併設する必要があり、この場合においてもコストが増大してしまう。
【0121】
実施形態のECU20によれば、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から一部領域を切り出して、メータディスプレイ12MまたはCID12Cに表示させる後側方監視用の画像と、CID12Cに表示させる周辺監視用の画像とを生成する。このように、周辺監視用のサイドカメラ11R,11Lを後側方監視にも用いることで、コストを削減することができる。
【0122】
実施形態のECU20によれば、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から後側方監視用画像を生成する場合には、車両10の前後方向におけるサイドカメラ11R,11Lの取り付け位置を起点として、側方画像の水平方向における切り出し中心が車両10の後側方となるように側方画像の一部領域を切り出し、切り出した一部領域を鏡像反転させる。
【0123】
これにより、運転者が、あたかもドアミラー等の光学ミラーを通して見るように後側方監視を行うことができる。また、運転者の死角となりやすい車両10の後側方の状況を、運転者に視覚的に提示することができ、運転者の負担を軽減することができる。後側方監視用のレーザ等を設ける必要もなく、コストの削減を図ることができる。
【0124】
実施形態のECU20によれば、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から後側方監視用画像を生成する場合には、サイドカメラ11R,11Lの広角レンズによる側方画像の歪みを補正する。これにより、後側方監視用画像に対する運転者の違和感をいっそう軽減することができる。
【0125】
実施形態のECU20によれば、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から周辺監視用画像を生成する場合には、車両10の前後方向におけるサイドカメラ11R,11Lの取り付け位置を起点として、側方画像の水平方向における切り出し中心が、車両10の前後端を結ぶ線に対して垂直な線上に一致するように側方画像の一部領域を切り出す。これにより、車両10の前後側方を含む広い範囲の画像が得られ、車両10の周辺監視が容易となる。
【0126】
実施形態のECU20によれば、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から後側方監視用画像を生成する場合には、車両10の後側方部分が占める割合が、後側方監視用画像中の20%以上30%以下となるように側方画像の一部領域を切り出す。これにより、後側方監視用画像を、ドアミラーを通して見た鏡像にいっそう近づけることができ、運転者がより違和感なく後側方確認を行うことができる。
【0127】
実施形態のECU20によれば、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から後側方監視用画像を生成する場合には、サイドカメラ11R,11Lの取り付け高さにおいて車両10の前後端を結ぶ線に対して水平な線上にある側方画像内の車両10の後方位置が、後側方監視用画像の上端部から30%以上60%以下の領域内に位置することとなるよう側方画像の一部領域を切り出す。これにより、後側方監視用画像を、ドアミラーを通して見た鏡像にいっそう近づけることができ、運転者がより違和感なく後側方確認を行うことができる。
【0128】
実施形態のECU20によれば、サイドカメラ11R,11Lの側方画像から周辺監視用画像を生成する場合には、サイドカメラ11R,11Lの取り付け高さにおいて車両10の左右端を結ぶ線に対して水平な線上にある側方画像内の車両10の側方位置が、周辺監視用画像の上端部から10%以上20%以下の領域内に位置することとなるよう側方画像の一部領域を切り出す。これにより、例えば車両10の駐車または出車に際し、車両10の側部近傍の路面を含む側方を確認することが容易となる。
【0129】
実施形態のECU20によれば、サイドカメラ11R,11Lからの側方画像のうち、ターンスイッチ16からの信号が示す進路側の側方画像に基づいて後側方監視用画像を生成する。これにより、車両10の進路変更時に、例えば運転者が画像表示機能をオンする等の操作を行うことなく、車両10の進路変更先の状況を示す後側方画像を表示させることができ、運転者の利便性を向上させることができる。
【0130】
実施形態のECU20によれば、車両10が所定速度以上で通常走行中(例えば前進走行中や後進走行中など)であって、ターンスイッチ16からの信号が入力された場合には後側方監視画像をメータディスプレイ12Mに出力する。また、車両10が上記所定速度未満となったことが検出された場合には、周辺監視用画像をCID12Cに出力する。
【0131】
このように、車両10の速度等に応じて、後側方監視用と周辺監視用とで生成画像を切り替えることにより、車両10の運転状況に即した画像を運転者に提示することができる。
【0132】
また、上述のように、メータディスプレイ12Mには、車両10の運転に必要な情報が示されるメータが表示されており、車両10の運転中、運転者はメータディスプレイ12Mを適宜注視しているものと考えられる。例えばターンスイッチ16をオンしたタイミングで、このようなメータディスプレイ12Mに後側方監視画像を表示させることで、車両10の進路変更時に重要となる視覚情報を、より効果的に運転者に提示することができる。
【0133】
実施形態のECU20によれば、車両10の走行に影響を与えうる事象を後側方監視用画像から検出し、運転者への警告を含む警告情報を生成する。これにより、運転者が、車両10の後側方の状況をいっそう把握しやすくなる。
【0134】
なお、上述の実施形態では、CID12Cに設けられた機能スイッチ12sが、サイドカメラ11R,11L等の画像の表示を開始する表示スイッチとしての機能を有することとした。しかし、表示スイッチは、機能スイッチ12sに替えてあるいは加えて、例えばインストルメントパネルのメータディスプレイ12M近傍を含む他の部分等の、運転者による操作が可能な車室内の他の位置に設けられていてもよい。
【0135】
また、上述の実施形態では、メータディスプレイ12Mには専ら後方監視用画像を表示させ、CID12Cには専ら周辺監視用画像を表示させることとしたが、メータディスプレイ12M及びCID12Cにおける後側方監視用画像を含む各種画像の表示形態は種々に変更可能である。CID12Cにおける画像の他の表示例を図7に示す。
【0136】
図7は、実施形態にかかるCID12Cに表示される各種画像の他の例を示す図である。
【0137】
図7に示す例では、CID12Cの表示部が3分割され、車両10の後方画像、左後側方画像、及び右後側方画像の3種類の画像が表示されている。車両10の後方画像は表示部の上部に表示されている。車両10の左後側方画像は、車両10の左側方画像の下方左側に表示され、車両10の右後側方画像は、車両10の左側方画像の下方右側に表示されている。
【0138】
また、車両10の左後側方画像の後続車両には、検出部24が生成した警告情報に基づいて、三角形のマーク29cが付されている。一方、車両10の右後側方画像には、自車線の右隣りの車線上を走るモータバイクが映り込んでいる。しかし、車両10からの距離が充分に離れているため、モータバイクには警告情報に基づくマーク等は付されていない。
【0139】
このように、機能スイッチ12sの操作等に基づいて、車両10の左右の後側方画像を同時に表示してもよい。これにより、運転者は、あたかも左右のドアミラーを通して見るように、車両10の左右両側の後側方を監視することができる。
【符号の説明】
【0140】
10 車両
11B バックカメラ
11L,11R サイドカメラ
11F フロントカメラ
12C CID
12M メータディスプレイ
12s 機能スイッチ
13 車輪速センサ
16 ターンスイッチ
20 ECU
21 入力部
22 判定部
23 生成部
24 検出部
25 出力部
26 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7