(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016285
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】ソフトウェアアップグレード方法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20240130BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023198586
(22)【出願日】2023-11-22
(62)【分割の表示】P 2021576058の分割
【原出願日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】201910545209.9
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ガンリン
(72)【発明者】
【氏名】マ、タオ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ソフトウェアアップグレードプロセスにおいてセキュリティ上の脅威を招く確率を低減する方法を提供する。
【解決手段】方法は、第1ソフトウェアパッケージと関連する第1アップグレード要件情報を取得する段階と、第2ソフトウェアパッケージと関連する第1アップグレード要件情報とは異なる第2アップグレード要件情報を取得する段階と、第1アップグレード要件情報に基づいて、車両が第1ソフトウェアパッケージを用いて第1無線アップグレードを開始するか否かを判定する段階と、第2アップグレード要件情報に基づいて、車両が第2ソフトウェアパッケージを用いて第2無線アップグレードを開始するか否かを判定する段階と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対するアップグレード方法であって、
第1ソフトウェアパッケージと関連する第1アップグレード要件情報を取得する段階であって、前記第1アップグレード要件情報は、第1判断条件を示す、取得する段階と、
第2ソフトウェアパッケージと関連する第2アップグレード要件情報を取得する段階であって、前記第2アップグレード要件情報は、第2判断条件を示しており、前記第1判断条件は、前記第2判断条件とは異なる、段階と、
前記第1判断条件に基づいて、前記車両が前記第1ソフトウェアパッケージを用いて第1無線(OTA)アップグレードを開始するか否かを判定する段階と、
前記第2判断条件に基づいて、前記車両が前記第2ソフトウェアパッケージを用いて第2無線(OTA)アップグレードを開始するか否かを判定する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記第1判断条件は、第1状況および/または第2状況を含み、前記第1判断条件に基づいて、前記車両が前記第1ソフトウェアパッケージを用いて第1無線(OTA)アップグレードを開始するか否かを前記判定する段階は、
前記車両の状況が前記第1状況と関連していることに応答して、前記第1ソフトウェアパッケージを用いて前記車両に対する前記第1OTAアップグレードを開始する段階、または、前記車両の前記状況が前記第2状況と関連していることに応答して、前記第2ソフトウェアパッケージを用いて前記車両に対する前記第2OTAアップグレードを開始しないと判定する段階を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両の前記状況が前記第1状況と関連することは、
前記車両の前記状況が前記第1状況に類似していること、または、前記第1状況が基準として用いられる状況範囲内に前記車両の前記状況があり、かつ、予め設定された状況閾値がオフセットとして用いられること、または、前記車両の前記状況が前記第1状況であることを含み、
前記車両の前記状況が前記第2状況と関連することは、
前記車両の前記状況が前記第2状況に類似していること、または、前記第2状況が基準として用いられる状況範囲内に前記車両の前記状況があり、かつ、予め設定された状況閾値がオフセットとして用いられること、または、前記車両の前記状況が前記第2状況であることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1状況は、複数の状況を有する第1状況セットであり、前記車両の前記状況が前記第1状況と関連していることは、
前記車両の前記状況が前記第1状況セット内の状況と関連していること、
前記車両の前記状況が前記第1状況セット内の全ての状況と関連していること、または、
前記第1状況セット内の前記車両の前記状況と関連する状況の数量が数量閾値を超えていること
を含む、
または、
前記第2状況は、複数の状況を有する第2状況セットであり、前記車両の前記状況が前記第2状況と関連していることは、
前記車両の前記状況が前記第2状況セット内の状況と関連していること、
前記車両の前記状況が前記第2状況セット内の全ての状況と関連していること、または、
前記第2状況セット内の前記車両の前記状況と関連する状況の数量が数量閾値を超えていること
を含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1判断条件は、前記車両の地理的位置、前記車両が位置している環境、または、前記車両の走行状況を示し、前記第2判断条件は、前記車両の地理的位置、前記車両が位置している環境、または、前記車両の走行状況を示す、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記地理的位置は、駐車場、都市部の道路、交通規制道路区間、または高速道路区間であり、前記環境は、日中、夜間、混雑した道路区間、または前記車両の車体温度であり、前記走行状況は、制動状態、移動状態、高速状態、低速状態、または駐車状態である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1判断条件に基づいて、前記車両が前記第1ソフトウェアパッケージを用いて第1無線(OTA)アップグレードを開始するか否かを前記判定する段階は、
ヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースを用いることにより、ユーザにアップグレード判定を要求する段階と、
前記ユーザがアップグレードを認めることを示す、前記ユーザにより入力された命令を受信することにより、前記車両の状況が前記第1判断条件を満たすと判定する段階と、
前記第1ソフトウェアパッケージを用いて前記第1OTAアップグレードを開始する段階と
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1判断条件に基づいて、前記車両が前記第1ソフトウェアパッケージを用いて第1無線(OTA)アップグレードを開始するか否かを前記判定する段階は、
前記車両の状況が前記第1判断条件を満たすと判定する段階と、
ヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースを用いることにより、ユーザにアップグレード判定を要求する段階と、
前記ユーザがアップグレードを認めることを示す、前記ユーザにより入力された命令を受信することにより、前記第1ソフトウェアパッケージを用いて前記第1OTAアップグレードを開始する段階と
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1アップグレード要件情報を前記取得する段階は、
前記第1ソフトウェアパッケージを取得した後の前記第1ソフトウェアパッケージにあるソフトウェアパッケージ識別子、アップグレード要件情報または記述情報に基づいて、前記第1アップグレード要件情報を取得する段階、または、
ソフトウェアサーバからの通知メッセージに基づいて、前記ソフトウェアサーバに要求することにより、前記第1アップグレード要件情報を取得する段階
を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法における段階を実行するように構成されているユニットを備える、車両に対するアップグレード装置。
【請求項11】
プロセッサに、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は通信分野に関し、具体的には、ソフトウェアアップグレード方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車車間/路車間通信(vehicle to everything、V2X)時代の到来に伴って、無線(over the air、OTA)でソフトウェアを更新する車載端末デバイスがますます増えており、OTAベースのソフトウェア更新は通常、無線によるソフトウェア更新(software over the air、SOTA)と呼ばれている。
【0003】
現在、車載端末デバイスがSOTAによってソフトウェアをアップグレードする場合、アップグレードソフトウェアパッケージを取得した後に且つアップグレードソフトウェアパッケージのインストールを開始する前に、車載端末デバイスは、ヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースを用いてユーザにアップグレード可否判断を要求する。ユーザがアップグレードを認めた場合、ソフトウェアアップグレードプロセスが開始される。これに対して、ユーザがアップグレードを承諾しない場合、ソフトウェアアップグレードプロセスは開始されない。
【0004】
しかしながら、ユーザは、ソフトウェアアップグレードプロセスにおける関連情報を十分に理解することなく、アップグレードを認めると直接判断することがある。その結果、アップグレードプロセスにセキュリティリスクが生じるおそれがあり、ユーザ体験が悪化する。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施形態が、ソフトウェアアップグレード方法、装置、およびシステムを提供することで、ソフトウェアアップグレードプロセスにおいてセキュリティ上の脅威を招く確率を低減し、ユーザ体験を向上させる。
【0006】
前述の目的を達成するために、以下に挙げる技術的ソリューションが本願の実施形態に用いられる。
【0007】
第1態様によれば、ソフトウェアアップグレード方法および対応する通信装置が提供される。このソリューションでは、車載端末デバイスがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報と車載端末デバイスに対応する車両状況とを取得し、アップグレード要件情報は第1状況および/または第2状況を示す。車両状況が第1状況と関連している場合、車載端末デバイスはソフトウェアパッケージのアップグレードを開始する。または、車両状況が第2状況と関連している場合、車載端末デバイスはソフトウェアパッケージのアップグレードプロセスを開始しないと判定する。本願の本実施形態において、車載端末デバイスは、アップグレード要件情報および車両状況に基づいて、ソフトウェアアップグレードを開始すべきかどうかを判定し、車両状況が第1状況と関連している場合にはアップグレードを開始してよい。このように、アップグレードプロセスにおいてセキュリティ上の脅威を招く確率が低減でき、ユーザ体験を向上させることができる。
【0008】
実行可能な一設計例において、第1状況は、車両の地理的位置、車両が位置している環境、または車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示す。
【0009】
実行可能な一設計例において、第2状況は、車両の地理的位置、車両が位置している環境、または車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示す。
【0010】
実行可能な一設計例において、本願の本実施形態で提供されるソフトウェアアップグレード方法はさらに、車載端末デバイスがソフトウェアパッケージをソフトウェアサーバから受信する段階を含む。
【0011】
実行可能な一設計例において、車載端末デバイスがソフトウェアサーバから受信するソフトウェアパッケージは、アップグレード要件情報を含む。車載端末デバイスがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得することは、車載端末デバイスがソフトウェアパッケージ内のアップグレード要件情報を取得することを含む。
【0012】
実行可能な一設計例において、ソフトウェアパッケージがアップグレード要件情報を含むことは、ソフトウェアパッケージがソフトウェアパッケージの記述情報を含み、記述情報がアップグレード要件情報を含むことを含む。車載端末デバイスがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得することは、車載端末デバイスが記述情報内のアップグレード要件情報を取得することを含む。
【0013】
実行可能な一設計例において、車載端末デバイスがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得することは、車載端末デバイスが、予め設定されたアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定することを含む。
【0014】
第2態様によれば、通信装置が提供され、通信装置は前述の方法を実施するように構成される。通信装置は、第1態様における車載端末デバイスでも、車載端末デバイスを含む装置でも、車載端末デバイスに含まれている装置でもよい。通信装置は、前述の方法を実施するための対応するモジュール、機器、または手段(means)を含む。このモジュール、機器、または手段は、ハードウェア、ソフトウェア、または対応するソフトウェアを実行するハードウェアで実現されてよい。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1つまたは複数のモジュールもしくは機器を含む。
【0015】
第3態様によれば、通信装置が提供され、ここにはプロセッサおよびメモリが含まれる。メモリはコンピュータ命令を格納するように構成され、プロセッサが命令を実行すると、通信装置は前述の態様のうちのいずれか1つにおける方法を行うことが可能になる。通信装置は、第1態様における車載端末デバイスでも、車載端末デバイスを含む装置でも、車載端末デバイスに含まれている装置でもよい。
【0016】
第4態様によれば、通信装置が提供され、ここにはプロセッサが含まれる。プロセッサはメモリに連結され、メモリ内の命令を読み出して、前述の態様のうちのいずれか1つにおける方法を命令に従って実行するように構成される。通信装置は、第1態様における車載端末デバイスでも、車載端末デバイスを含む装置でも、車載端末デバイスに含まれている装置でもよい。
【0017】
第5態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は命令を格納し、命令は、コンピュータ上で動作すると、コンピュータが前述の態様のうちのいずれか1つにおける方法を行うことが可能になる。
【0018】
第6態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。命令がコンピュータ上で動作すると、コンピュータは前述の態様のうちのいずれか1つにおける方法を行うことが可能になる。
【0019】
第7態様によれば、通信装置(例えば、通信装置はチップでもチップシステムでもよい)が提供される。通信装置はプロセッサを含み、前述の態様のうちのいずれか1つにおける機能を実装するように構成される。実行可能な一設計例において、通信装置はさらにメモリを含み、メモリは必要なプログラム命令および必要なデータを格納するように構成される。通信装置がチップシステムである場合、通信装置はチップを含んでもよく、チップおよび別の個別素子を含んでもよい。
【0020】
第2態様~第7態様の任意の設計方式によりもたらされる技術的効果については、第1態様の様々な設計方式によりもたらされる技術的効果を参照されたい。詳細については、再度ここで説明しない。
【0021】
第8態様によれば、通信システムが提供される。通信システムは、ソフトウェアサーバと、前述の態様で説明した車載端末デバイスとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本願の一実施形態による通信システムの概略構造図である。
【0023】
【
図2】本願の一実施形態による車載端末デバイスの第1の概略構造図である。
【0024】
【
図3】本願の一実施形態による車載端末デバイスの第2の概略構造図である。
【0025】
【
図4】本願の一実施形態による車載端末デバイスの第3の概略構造図である。
【0026】
【
図5】本願の一実施形態によるソフトウェアアップグレード方法の第1の概略フローチャートである。
【0027】
【
図6a】本願の一実施形態によるソフトウェアアップグレード方法の第2の概略フローチャートである。
【0028】
【
図6b】本願の一実施形態によるソフトウェアアップグレード方法の第3の概略フローチャートである。
【0029】
【
図7A】本願の一実施形態によるソフトウェアアップグレード方法の第4の概略フローチャートである。
【
図7B】本願の一実施形態によるソフトウェアアップグレード方法の第4の概略フローチャートである。
【0030】
【
図8】本願の一実施形態による車載端末デバイスの第4の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、本願の実施形態における技術的ソリューションを、本願の実施形態における添付図面を参照して説明する。本願の説明では、別途指定されない限り、記号「/」は関連する対象物同士の「or(または)」の関係を表し、例えば、A/BはAまたはBを表してよい。本願における用語「and/or(および/または)」は、関連する対象物を説明するための対応関係のみ記述しており、3つの関係が存在し得ることを表している。例えば、Aおよび/またはBは以下に挙げる3つのケースを表してよい。すなわち、Aだけが存在する、AおよびBが両方とも存在する、Bだけが存在するというケースである。AおよびBは単数形でも複数形でもよい。さらに本願の説明では、「a plurality of(複数の)」が意味するのは、2つ以上である。「At least one of the following items(以下に挙げる項目のうちの少なくとも1つ)」または類似表現が意味することは、これらの項目のあらゆる組み合わせであり、1つの項目または複数の項目のあらゆる組み合わせが含まれる。例えば、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」が表すのは、「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」、または「aとbとc」であってよく、a、b、およびcは単数のものでも複数のものでもよい。さらに、本願の実施形態における技術的ソリューションを明確に説明するために、「first(第1)」および「second(第2)」などの用語を本願の実施形態に用いて、基本的に同じ機能または目的を有する同じ項目同士または類似項目同士を区別する。当業者であれば、「第1」および「第2」などの用語は数または実行順序を限定するものではなく、また「第1」および「第2」などの用語は全く異なることを意味するものでもないことを理解するであろう。
【0032】
本願の実施形態における技術的ソリューションは、様々な通信システムに適用されてよく、そのような通信システムには、例えば、直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency-division multiple access、OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(single carrier FDMA、SC-FDMA)システム、および別のシステムがある。用語「system(システム)」および「network(ネットワーク)」は互いに置き換えられ得る。OFDMAシステムは、進化型汎用地上波無線アクセス(evolved universal terrestrial radio access、E-UTRA)およびウルトラモバイルブロードバンド(ultra mobile broadband、UMB)などの無線技術を実装してよい。E-UTRAは、汎用移動体通信システム(universal mobile telecommunications system、UMTS)の進化版である。第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project、3GPP)は、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)においてE-UTRAの新バージョンおよびLTEの進化に基づく様々なバージョンを用いている。第5世代(5th generation、5G)通信システムが、研究中の次世代通信システムである。5G通信システムには、ノンスタンドアローン(non-standalone、略してNSA)ネットワーク構成の5G移動体通信システム、スタンドアローン(standalone、SA)ネットワーク構成の5G移動体通信システム、またはNSAネットワーク構成の5G移動体通信システムおよびSAネットワーク構成の5G移動体通信システムが含まれる。その他にも、通信システムはさらに、本願の実施形態で提供される技術的ソリューションが適用可能な未来志向の通信技術に適用されてよい。本願に適用可能な前述の通信システムは、単なる説明のための一例にすぎず、本願に適用可能な通信システムはこれに限定されない。本明細書では一元的な方式で説明が与えられるので、詳細に関しては以下で再度説明することはない。
【0033】
図1は、本願の一実施形態による通信システム10を示している。通信システム10は、車載端末デバイス20およびソフトウェアサーバ30を含む。
【0034】
任意選択的に、本願の本実施形態におけるソフトウェアサーバ30は、ネットワーク側デバイスとして理解されてよく、車載端末デバイスに対してソフトウェアパッケージを提供できる。
【0035】
任意選択的に、本願の本実施形態における車載端末デバイスは車両(vehicle)でもよく、走行している車両を支援するために車両に搭載された端末でも、端末内のチップでもよい。端末は、5Gネットワークまたは将来の進化型PLMNにおけるユーザ機器(user equipment、UE)、アクセス端末、端末機器、端末局、移動局、モバイルコンソール、遠隔局、遠隔端末、移動体デバイス、無線通信デバイス、端末エージェント、または端末装置などでもよい。アクセス端末は、携帯電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)電話、無線ローカルループ(wireless local loop、WLL)局、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、無線通信機能を有するハンドヘルドデバイス、コンピューティングデバイス、無線モデムに接続された別の処理デバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、仮想現実(virtual reality、VR)の端末デバイス、拡張現実(augmented reality、AR)の端末デバイス、産業管理(industrial control)における無線端末、自動運転(self driving)における無線端末、遠隔医療(remote medical)における無線端末、スマートグリッド(smart grid)における無線端末、輸送安全(transportation safety)における無線端末、スマートシティ(smart city)における無線端末、またはスマートホーム(smart home)における無線端末などでもよい。車載端末は、固定式でも移動式でもよい。
【0036】
任意選択的に、本願の本実施形態における車載端末デバイス20またはソフトウェアサーバ30は、通信装置とも呼ばれることがあり、汎用デバイスでも専用デバイスでもよい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0037】
任意選択的に、
図1の車載端末デバイス20またはソフトウェアサーバ30は、
図2の通信デバイス(または通信装置)40を用いて実装されてよい。
図2は、本願の一実施形態による通信デバイス40の概略構造図である。通信デバイス40は、1つまたは複数のプロセッサ401と、通信バス402と、少なくとも1つの通信インタフェースとを含み(
図2では、通信インタフェース404およびプロセッサ401が含まれる一例が説明に用いられている)、任意選択的に、さらにメモリ403を含んでもよい。
【0038】
プロセッサ401は、汎用中央演算処理装置(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、または本願におけるソリューションのプログラム実行を制御するための1つまたは複数の集積回路でもよい。
【0039】
通信バス402は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(peripheral component interconnect、PCI)バス、および拡張業界標準アーキテクチャ(extended industry standard architecture、EISA)バスなどでよい。バスは、アドレスバス、データバス、および制御バスなどに分類されてよい。説明しやすいように、
図2では1本の太線だけを用いてバスを表しているが、これは、バスが1本しかない、またはバスの種類が1つしかないことを意味しているわけではない。通信バス402は、通信デバイス40の中にある様々な構成要素を接続するように構成され、こうした様々な構成要素が互いに通信できるようになる。
【0040】
通信インタフェース404は、別のデバイスまたは通信ネットワークと通信するように構成された送受信モジュールでよく、そのような通信ネットワークには、イーサネット(登録商標)型ネットワーク、無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)、または無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks、WLAN)などがある。例えば、送受信モジュールは、送受信機などの装置でよい。任意選択的に、通信インタフェース404は、プロセッサ401の中に配置された送受信回路でよく、プロセッサの信号入力および信号出力を実施するように構成される。
【0041】
メモリ403は、記憶機能を有する装置でよい。例えば、メモリ403は、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)または静的な情報および命令を格納できる別の種類の静的な記憶デバイスでも、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)または情報および命令を格納できる別の種類の動的な記憶デバイスでもよく、電気的消去可能プログラム可能型読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)もしくは別のコンパクトディスクストレージ、光ディスクストレージ(コンパクトディスク、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク、またはブルーレイディスクなどを含む)、磁気ディスク記憶媒体もしくは別の磁気記憶デバイス、または期待されるプログラムコードを命令もしくはデータ構造体の形態で搬送もしくは格納するのに用いることができ且つコンピュータがアクセスできる任意の他の媒体でもよい。しかしながら、このことに関してはこれに限定されることはない。メモリは独立して存在してよく、通信回線402によってプロセッサに接続される。あるいは、メモリはプロセッサと一体化されてもよい。
【0042】
メモリ403は、本願におけるソリューションを実行するためのコンピュータ実行可能命令を格納するように構成され、プロセッサ401はその実行を制御する。プロセッサ401は、メモリ403に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行して、本願の実施形態において提供されるソフトウェアアップグレード方法を実施するように構成される。
【0043】
あるいは任意選択的に、本願の本実施形態では、プロセッサ401は本願の以下に挙げる実施形態において提供されるソフトウェアアップグレード方法の関連処理機能を実行してもよい。通信インタフェース404は、別のデバイスまたは通信ネットワークとの通信を担う。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0044】
任意選択的に、本願の本実施形態におけるコンピュータ実行可能命令は、アプリケーションプログラムコードとも呼ばれることがある。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0045】
具体的な実装の際に、一実施形態において、プロセッサ401は1つまたは複数のCPU(
図2のCPU0およびCPU1など)を含んでよい。
【0046】
具体的な実装の際に、一実施形態において、通信デバイス40は複数のプロセッサ(
図2のプロセッサ401およびプロセッサ408など)を含んでよい。これらのプロセッサのそれぞれは、シングルコア(single-CPU)プロセッサでもよく、マルチコア(multi-CPU)プロセッサでもよい。本明細書におけるプロセッサは、データ(コンピュータプログラム命令など)を処理するための1つまたは複数のデバイス、回路、および/または処理コアでよい。
【0047】
具体的な実装の際に、一実施形態において、通信デバイス40はさらに、出力デバイス405および入力デバイス406を含んでよい。出力デバイス405はプロセッサ401と通信し、複数の方式で情報を表示してよい。例えば、出力デバイス405は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、発光ダイオード(light emitting diode、LED)表示デバイス、ブラウン管(cathode ray tube、CRT)表示デバイス、またはプロジェクタ(projector)でもよい。入力デバイス406はプロセッサ401と通信し、複数の方式でユーザの入力を受信してよい。例えば、入力デバイス406は、マウス、キーボード、タッチスクリーンデバイス、またはセンサデバイスでもよい。
【0048】
図2に示す通信デバイス40の概略構造図に関連して、例えば
図3は、本願の一実施形態による車載端末デバイス20の具体的な構造形態である。
【0049】
いくつかの実施形態では、
図2のプロセッサ401の機能が
図3のプロセッサ110により実装されてよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、
図2の通信インタフェース404の機能が、
図3のアンテナ1、アンテナ2、移動体通信モジュール150、および無線通信モジュール160などにより実装されてよい。
【0051】
アンテナ1およびアンテナ2は、電磁波信号を送信し且つ受信するように構成される。車載端末デバイス20の各アンテナは、1つまたは複数の通信周波数帯域をカバーするように構成されてよい。異なるアンテナが、アンテナの利用率を向上させるために多重化されてよい。例えば、アンテナ1は、無線ローカルエリアネットワークのダイバーシティアンテナとして多重化されてよい。いくつかの他の実施形態において、アンテナはチューニングスイッチと組み合わせて用いられてよい。
【0052】
移動体通信モジュール150は、車載端末デバイス20に適用される2G/3G/4G/5Gなどの無線通信に対するソリューションを提供してよい。移動体通信モジュール150は、少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、および低雑音増幅器(low noise amplifier、LNA)などを含んでよい。移動体通信モジュール150は、アンテナ1で電磁波を受信し、受信した電磁波に対してフィルタリングおよび増幅などの処理を行い、処理した電磁波を復調のためにモデムプロセッサに送信してよい。移動体通信モジュール150はさらに、モデムプロセッサによって変調された信号を増幅し、その信号をアンテナ1で放射するために電磁波に変換してよい。いくつかの実施形態では、移動体通信モジュール150の少なくともいくつかの機能モジュールがプロセッサ110に配置されてよい。いくつかの実施形態では、移動体通信モジュール150の少なくともいくつかの機能モジュールと、プロセッサ110の少なくともいくつかのモジュールとが、同じ構成要素に配置されてよい。
【0053】
無線通信モジュール160は、車載端末デバイス20に適用される無線通信に対するソリューションを提供してよく、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks、WLAN)(例えば、WiFiネットワーク)、ブルートゥース(登録商標)(blue tooth(登録商標)、BT)、全球測位衛星システム(global navigation satellite system、GNSS)、周波数変調(frequency modulation、FM)、近距離無線通信(near field communication、NFC)、および赤外線(infrared、IR)技術といったものがある。無線通信モジュール160は、少なくとも1つの通信処理モジュールが統合される1つまたは複数の構成要素でよい。無線通信モジュール160は、アンテナ2で電磁波を受信し、電磁波信号に対して周波数変調およびフィルタリング処理を行い、処理した信号をプロセッサ110に送る。無線通信モジュール160はさらに、プロセッサ110から送信予定の信号を受け取り、その信号に対して周波数変調および増幅を行い、信号をアンテナ2で放射するために電磁波に変換してよい。車載端末デバイス20が第1デバイスである場合、無線通信モジュール160は車載端末デバイス20に適用されるNFC無線通信に対するソリューションを提供してよい。これは、第1デバイスがNFCチップを含むことを意味する。NFCチップによって、NFC無線通信機能を向上させることができる。車載端末デバイス20が第2デバイスである場合、無線通信モジュール160は、車載端末デバイス20に適用されるNFC無線通信に対するソリューションを提供してよい。これは、第1デバイスが電子ラベル(例えば、無線自動識別(radio frequency identification、RFID)ラベル)を含むことを意味する。別のデバイスのNFCチップがこの電子ラベルに近い場合、別のデバイスは第2デバイスとNFC無線通信を行ってよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、車載端末デバイス20のアンテナ1および移動体通信モジュール150は連結され、またアンテナ2および無線通信モジュール160も連結されるので、車載端末デバイス20は無線通信技術を用いてネットワークおよび別のデバイスと通信できるようになる。無線通信技術には、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)、BT、GNSS、WLAN、NFC、FM、またはIR技術などが含まれてよい。GNSSには、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、全球測位衛星システム(global navigation satellite system、GLONASS)、北斗衛星導航系統(beidou navigation satellite system、BDS)、準天頂衛星システム(quasi-zenith satellite system、QZSS)、および/または静止衛星型補強システム(satellite based augmentation systems、SBAS)が含まれてよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、
図2のメモリ403の機能が、
図3の内蔵メモリ121、または外部メモリインタフェース120に接続された外部メモリ(例えば、マイクロSDカード)などで実装されてよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、
図2の出力デバイス405の機能が、
図3の表示画面194で実装されてよい。表示画面194は、画像および映像などを表示するように構成される。表示画面194は、表示パネルを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、
図2の入力デバイス406の機能が、
図3のマウス、キーボード、タッチスクリーンデバイス、またはセンサモジュール180で実装されてよい。例えば、
図3に示すように、センサモジュール180は、圧力センサ180A、ジャイロスコープセンサ180B、気圧センサ180C、磁気センサ180D、加速度センサ180E、距離センサ180F、光学式近接センサ180G、指紋センサ180H、温度センサ180J、タッチセンサ180K、環境光センサ180L、骨伝導センサ180Mのうちの1つまたは複数を含んでよい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0058】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、車載端末デバイス20はさらに、オーディオモジュール170、カメラ193、インジケータ192、モータ191、ボタン190、SIMカードインタフェース195、USBインタフェース130、充電管理モジュール140、電源管理モジュール141、およびバッテリ142のうちの1つまたは複数を含んでよい。オーディオモジュール170は、スピーカ170A(「拡声器」とも呼ばれる」)、電話受話器170B(「イヤホンとも呼ばれる」)、マイクロホン170C(「受信機」または「マイク」とも呼ばれる)、またはヘッドセットジャック170Dなどに接続されてよい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0059】
図3に示す構造は、車載端末デバイス20に対する具体的限定とはならないことが理解されるであろう。例えば、本願のいくつかの他の実施形態において、車載端末デバイス20は、図に示すよりも多いまたは少ない構成要素を含んでも、いくつかの構成要素を組み合わせても、いくつかの構成要素を分割しても、異なる構成要素配置にしてもよい。図に示す構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装されてもよい。
【0060】
任意選択的に、実行可能な一設計例では、本願の本実施形態における車載端末デバイス20の構造形態が、代替的に
図4に示されてよく、車載端末デバイス20は、ソフトウェア提供モジュール、ソフトウェアアップグレード制御モジュール、および車両状況監視モジュールを含む。ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェアパッケージをソフトウェアサーバから取得し、取得したソフトウェアパッケージをソフトウェアアップグレード制御モジュールに提供するように構成される。ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェア提供モジュールからソフトウェアパッケージを受け取り、車載端末デバイスのソフトウェアアップグレードを管理するように構成される。車両状況監視モジュールは、車両状況要求を受け取り、車両状況を検出し、ソフトウェアアップグレード制御モジュールに車両状況情報を提供するように構成される。ソフトウェア提供モジュール、ソフトウェアアップグレード制御モジュール、および車両状況監視モジュールは、論理的な機能の観点から車載端末デバイスを分割したものとして理解されてよく、これらのモジュールが物理的に分離されてもよく、一緒に利用されてもよいことに留意されたい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0061】
現在は、車載端末デバイスがソフトウェアをSOTAでアップグレードする場合、アップグレードを行うべきかどうかの判断が、完全にユーザに委ねられている。ユーザはソフトウェアアップグレードプロセスの関連情報(例えば、ソフトウェアアップグレードに必要な時間、または車載端末デバイスがソフトウェアアップグレードプロセスで正常に機能できるかどうか)を十分に理解していないかもしれないので、ユーザはアップグレードを認めると直接判断することがある。その結果、アップグレードプロセスにセキュリティリスクが生じるおそれがあり、ユーザ体験が悪化する。これに基づいて、本願の一実施形態がソフトウェアアップグレード方法を提供する。本方法では、車載端末デバイスが、ソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報と、車載端末デバイスに対応する車両状況とを取得する。アップグレード要件情報は、第1状況および/または第2状況を示す。車両状況が第1状況と関連している場合、車載端末デバイスはソフトウェアパッケージのアップグレードを開始する。または、車両状況が第2状況と関連している場合、車載端末デバイスはソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。本願の本実施形態において、車載端末デバイスは、アップグレード要件情報および車両状況に基づいて、ソフトウェアアップグレードを開始すべきかどうかを判定し、車両状況が第1状況と関連している場合にはアップグレードを開始してよい。このように、アップグレードプロセスにおいてセキュリティ上の脅威を招く確率が低減でき、ユーザ体験を向上させることができる。
【0062】
図1~
図4に関連して、以下では、具体的な実施形態を用い、本願において提供されるソフトウェアアップグレード方法を詳細に説明する。
【0063】
本願の以下に挙げる実施形態では、デバイスまたはモジュール同士で交わされるメッセージの名称、またはメッセージ内のパラメータの名称などは単なる一例にすぎず、具体的な実装の際には他の名称でもよいことに留意されたい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0064】
実行可能な一実装例において、
図5は、本願の一実施形態によるソフトウェアアップグレード方法を示している。このソフトウェアアップグレード方法は、以下に挙げる段階を含む。
【0065】
S501:車載端末デバイスがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得する。
【0066】
任意選択的に、車載端末デバイスは、ソフトウェアパッケージに関する情報を最初に判定し、ソフトウェアパッケージと関連しているアップグレード要件情報を取得し、次いでソフトウェアパッケージのアップグレードを開始してもよいと判定した後にソフトウェアパッケージを取得してもよい。または、車載端末デバイスは、ソフトウェアパッケージを最初に取得し、次いでソフトウェアパッケージと関連しているアップグレード要件情報を取得してもよい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0067】
実行可能な一実装例において、車載端末デバイスはソフトウェアサーバから通知メッセージを受信してよい。この通知メッセージは、ソフトウェアパッケージ識別子などの情報を搬送し、ソフトウェアパッケージ識別子で示されたソフトウェアが更新版を有することを車載端末デバイスに通知する。車載端末デバイスは、通知メッセージを受信した後に、ソフトウェアパッケージ識別子と関連しているアップグレード要件情報をソフトウェアサーバに要求して、ソフトウェアパッケージ識別子で示されたソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得してよい。
【0068】
任意選択的に、車載端末デバイスがソフトウェアパッケージ識別子で示されたソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を要求しない場合、予め設定されたアップグレード要件情報が、ソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定されてよい。
【0069】
あるいは、別の実行可能な実装例において、車載端末デバイスはソフトウェアパッケージをソフトウェアサーバから受信してよい。ソフトウェアパッケージは、ソフトウェアパッケージ識別子を含む。車載端末デバイスは、ソフトウェアパッケージを受信した後に、ソフトウェアパッケージからソフトウェアパッケージ識別子を取得し、ソフトウェアパッケージ識別子と関連しているアップグレード要件情報をソフトウェアサーバに要求して、ソフトウェアパッケージ識別子で示されたソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得してよい。代替的に、ソフトウェアパッケージはアップグレード要件情報を含む。車載端末デバイスは、ソフトウェアパッケージを受信した後に、ソフトウェアパッケージに含まれているアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定してよい。代替的に、ソフトウェアパッケージはソフトウェアパッケージ記述情報を含み、ソフトウェアパッケージ記述情報はアップグレード要件情報を含む。車載端末デバイスは、ソフトウェアパッケージを受信した後に、ソフトウェアパッケージ記述情報に含まれているアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定してよい。ソフトウェアパッケージに含まれているソフトウェアパッケージ識別子、アップグレード要件情報、またはソフトウェアパッケージ記述情報は、ソフトウェアパッケージのヘッダに含まれてもよく、ソフトウェアパッケージの末尾に含まれてもよく、ソフトウェアパッケージの別の位置に含まれてもよい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0070】
任意選択的に、車載端末デバイスがソフトウェアパッケージ識別子で示されたソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を要求しない場合、または車載端末デバイスがソフトウェアサーバから受信したソフトウェアパッケージが、アップグレード要件情報を含まない場合、予め設定されたアップグレード要件情報がソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定されてよい。
【0071】
あるいは、さらに別の実行可能な実装例において、車載端末デバイスは、ソフトウェアパッケージまたはソフトウェアパッケージに関する情報を取得した後に、予め設定されたアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として直接決定してよい。
【0072】
ソフトウェアパッケージに関する、前述の実行可能な実装例における車載端末デバイスにより取得されたアップグレード要件情報は、第1状況および/または第2状況を示す。第1状況は、ソフトウェアアップグレードを開始することが認められる状態でよく、第2状況は、ソフトウェアアップグレードを開始することが認められない状態でよい。
【0073】
任意選択的に、第1状況は、車両の地理的位置、車両が位置している環境、または車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示してよい。第2状況も、車両の地理的位置、車両が位置している環境、または車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示してよい。車両の地理的位置は、例えば、駐車場、都市部の道路、交通規制道路区間、または高速道路区間でもよい。車両が位置している環境は、例えば、日中、夜間、混雑した道路区間、または車両の車体温度でもよい。車両の走行状況は、例えば、制動状態、移動状態、高速状態、低速状態、または駐車状態でもよい。
【0074】
任意選択的に、アップグレード要件情報は、フィールドを用いて第1状況および/または第2状況を示してよい。例えば、アップグレード要件情報は2つのフィールドを含んでよく、第1フィールドが第1状況を示し、第2フィールドが第2状況を示す。アップグレード要件情報が第1状況を示す場合、第2フィールドは空欄でよい。例えば、アップグレード要件情報は、「{駐車場,日中,低速状態},{}」でよい。あるいは、アップグレード要件情報が第2状況を示す場合、第1フィールドは空欄でよい。例えば、アップグレード要件情報は「{},{高速道路区間,夜間,高速状態}」でよい。あるいは、アップグレード要件情報が第1状況および第2状況を示す場合、アップグレード要件情報は、例えば「{駐車場,日中,低速状態},{高速道路区間,夜間,高速状態}」でよい。車載端末デバイスは、アップグレード要件情報を取得した後に、アップグレード要件情報のフィールド位置に基づいて第1状況および/または第2状況を判定してよい。
【0075】
例えば、前述のフィールドのそれぞれは、6ビットを用いて表されてよい。最初の2ビットの異なる値で車両の地理的位置を示し、中央の2ビットの異なる値で車両が位置している環境を示し、最後の2ビットの異なる値で車両の走行状況を示す。例えば、最初の2ビットの値「11」で、車両の地理的位置が「駐車場」であることを示し、または最初の2ビットの値「01」で、車両の地理的位置は「高速道路区間」であることを示し、中央の2ビットの値「11」で、車両が位置している環境が「日中」であることを示し、または中央の2ビットの値「10」で、車両が位置している環境が「夜間」であることを示し、最後の2ビットの値「11」で低速状態を示し、または最後の2ビットの値「10」で高速状態を示す。具体的には、最初の2ビット、中央の2ビット、または最後の2ビットの値が「00」である場合、フィールドにより示される状況が、車両の地理的位置、車両が位置している環境、または車両の走行状況に何も限定を課していないことを示している。この場合、アップグレード要件情報「{駐車場,日中,低速状態},{}」が「{111111},{000000}」として表されてよく、アップグレード要件情報「{}、{高速道路区間,夜間,高速状態}」が「{000000},{011010}」として表されてよく、アップグレード要件情報「{駐車場,日中,低速状態}、{高速道路区間,夜間,高速状態}」が「{111111},{011010}」として表されてよい。
【0076】
あるいは、前述のフィールドのそれぞれは別の方式で示されてもよく、第1フィールドおよび第2フィールドは合わせて示されてもよい。例えば、3つのビットによる異なる値が、8個の異なる状況に対応し、8個の状況には、第1状況および第2状況の両方が含まれる。各フィールドの表現方式が、本願の本実施形態で特に限定されることはない。
【0077】
あるいは、アップグレード要件情報は、第1状況および/または第2状況をマッピングで示してよい。例えば、アップグレード要件情報は、「第1状況:駐車場、日中、および低速状態、第2状況:高速道路区間、夜間、および高速状態」でよい。
【0078】
例えば、アップグレード要件情報が第1状況または第2状況を示す場合、第1状況または第2状況は7ビットを用いて示されてよい。ここで、最初のビットの値がアップグレード要件情報により示される状況を示す。例えば、最初のビットの値が「1」である場合、アップグレード要件情報が第1状況を示すことを表しており、または最初のビットの値が「0」である場合、アップグレード要件情報が第2状況を示すことを表している。7ビットのうち残りの6ビットは第1状況または第2状況の内容を示し、最初の2ビットの異なる値で車両の地理的位置を示し、中央の2ビットの異なる値で車両が位置している環境を示し、最後の2ビットの異なる値で車両の走行状況を示す。表現方法が前述の例と類似している。関連説明については、前述の例を参照されたい。詳細については、再度ここで説明しない。この場合、アップグレード要件情報「第1状況:駐車場、日中、低速状態」が「1111111」と表されてよく、またはアップグレード要件情報「第2状況:高速道路区間、夜間、高速状態」が「0011010」と表されてよい。
【0079】
あるいは、例えば、アップグレード要件情報が第1状況および第2状況を示す場合、第1状況および第2状況は14ビットを用いて示されてよい。ここで、最初のビットおよび8番目のビットはアップグレード要件情報により示される状況を示すのに用いられ、2番目のビット~7番目のビットは最初のビットにより示される状況の内容を表し、9番目のビット~14番目のビットは8番目のビットにより示される状況の内容を表す。例えば、アップグレード要件情報「第1状況:駐車場、日中、低速状態、第2状況:高速道路区間、夜間、高速状態」が、「11111110011010」と表現されてよい。
【0080】
アップグレード要件情報が第1状況および/または第2状況を示す方式は本願における説明のための単なる一例にすぎず、アップグレード要件情報の形態は本願の本実施形態において特に限定されないことが理解されるであろう。
【0081】
S502:車載端末デバイスは車両状況を取得する。
【0082】
車両状況は、車載端末デバイスに対応する車両の状況でよく、車載端末デバイスに対応する車両は、車載端末デバイスを搬送する車両として理解されてよい。
【0083】
任意選択的に、車載端末デバイスは、車載端末デバイスにより制御され且つ車載端末デバイスに対応する車両に搭載されたセンサを用いて、車両状況を取得してよい。
【0084】
S503:車載端末デバイスは、車両状況が第1状況と関連しているかどうかを判定するか、または車載端末デバイスは、車両状況が第2状況と関連しているかどうかを判定する。
【0085】
任意選択的に、車両状況が第1状況と関連しているということは、車両状況が第1状況と類似していると理解されてよい。例えば、第1状況は「車両が駐車場にある」であり、車載端末デバイスにより取得された車両状況は「車両が路上の駐車スペースにある」である。車載端末デバイスに対応する車両は駐車場にはないが、車両は駐車場と類似した機能を有する地理的領域にある。この場合、車載端末デバイスは依然として、車両状況が第1状況と関連していると判定してよい。
【0086】
あるいは、車両状況が第1状況と関連しているということは、第1状況が基準として用いられ且つ予め設定された状況限界がオフセットとして用いられる状況範囲内に車両状況があると理解されてよい。例えば、第1状況は「車両の車体温度が30度である」ということであり、予め設定された状況限界は5度である。この場合には、車両の車体温度が25度から35度である場合、車両状況は第1状況と関連しているとみなされてよい。
【0087】
あるいは、車両状況が第1状況と関連しているということは、車両状況が第1状況であると理解されてよい。例えば、第1状況は「低速状態」である。車載端末デバイスにより取得された車両状況が、「車両の現在の速度が現在の道路区間の最高速度制限より低い」であるならば、車両が低速状態にある(すなわち、車両状況が第1状況である)とみなされてよい。あるいは、例えば、第1状況は「車両が駐車場にある」である。車載端末デバイスにより取得された車両状況が、「車両が駐車場にある」であるならば、車両状況が第1状況であるとみなされてもよい。
【0088】
車両状況が第2状況と関連しているということも、車両状況が第2状況に類似している、または第1状況が基準として用いられ且つ予め設定された状況限界がオフセットとして用いられる状況範囲内に車両状況がある、または車両状況が第1状況であると理解され得ることが理解されるであろう。関連説明については、車両状況と第1状況との間の関連性に関する前述の説明を参照されたい。詳細については、再度ここで説明しない。
【0089】
任意選択的に、第1状況が複数の状況を含む状況セットであるならば、車両状況が第1状況に含まれている状況セット内のいずれかの状況と関連している場合、車載端末デバイスは車両状況が第1状況と関連していると判定する、または、車両状況が第1状況に含まれている状況セット内の全ての状況と関連している場合、車載端末デバイスは車両状況が第1状況と関連していると判定する、または第1状況に含まれている状況セット内の車両状況と関連している状況の数が限界数を超えている場合、車載端末デバイスは車両状況が第1状況と関連していると判定する。
【0090】
例えば、第1状況に含まれている複数の状況は、「{駐車場,日中,制動状態}」である。車載端末デバイスにより取得される車両状況が「{駐車場,夜間,低速状態}」である場合、車両状況「駐車場」が第1状況に含まれている状況セット内の状況「駐車場」と関連しており、車載端末デバイスは車両状況が第1状況と関連していると判定してよい。あるいは、車載端末デバイスにより取得される車両状況が「{駐車場,日中,制動状態}」である場合、車両状況は第1状況に含まれている状況セット内の全ての状況と関連しており、車載端末デバイスは車両状況が第1状況と関連していると判定する。あるいは、限界数が2であり且つ車載端末デバイスにより取得される車両状況が「{駐車場,日中,低速状態}」である場合、車両状況「駐車場、日中」が第1状況に含まれている状況セット内の「駐車場、日中」と関連しており、車載端末デバイスは車両状況が第1状況と関連していると判定する。
【0091】
第2状況が複数の状況を含む状況セットである場合、車載端末デバイスは、車両状況が第1状況と関連していると判定するための前述の方法を用いて、車両状況が第2状況と関連しているかどうかも判定してよいことが理解されるであろう。詳細については、再度ここで説明しない。
【0092】
任意選択的に、車載端末デバイスは、ヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースを用いて、アップグレード可否判断をユーザに要求してよく、ユーザがアップグレードを認めた後に、車載端末デバイスはユーザが入力した命令を受信することにより段階S503を行う。これにより、車載端末デバイスが最初に段階S503を行い、車両状況が第1状況と関連していると判定するが、ユーザが入力した命令はユーザがアップグレードを承諾していないことを示すという場合を回避することができるので、車載端末デバイスにより行われる不要な判定が減少し、車載端末デバイスの消費電力が削減される。あるいは、車載端末デバイスが最初に段階S503を行ってよく、車載端末デバイスは、車両状況が第1状況と関連していると判定した場合、ヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースの出力を用いて、ユーザにアップグレード可否判断を要求する。これにより、ユーザがアップグレードを承諾しているが、車両状況が第2状況と関連しており、アップグレードを開始できないという場合を回避することができるので、ヒューマンコンピュータインタラクションの回数が減少し、ユーザ体験が向上する。車載端末デバイスが段階S503を実行し、ヒューマンコンピュータインタラクションインタフェースを用いてユーザにアップグレード可否判断を要求するという一連の段階は、本願における説明のための単なる一例にすぎないことに留意されたい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0093】
任意選択的に、車両状況がアップグレード要件情報により示される第1状況と関連していると車載端末デバイスが判定した場合、段階S504aが行われる。または、車両状況がアップグレード要件情報により示される第2状況と関連していると車載端末デバイスが判定した場合、段階S504bが行われる。
【0094】
S504a:ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始する。
【0095】
任意選択的に、車両状況が第1状況と関連している場合、車載端末デバイスは、車載端末デバイスに対応する車両の状況により、ソフトウェアパッケージのアップグレードが認められると判定できるので、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始する。ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始するプロセスについては、先行技術を参照されたい。詳細については、ここで説明しない。
【0096】
S504b:ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。
【0097】
任意選択的に、車両状況が第2状況と関連している場合、車載端末デバイスは、車載端末デバイスに対応する車両の状況により、ソフトウェアパッケージのアップグレードが認められないと判定できるので、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。
【0098】
本願の本実施形態において提供されるソフトウェアアップグレード方法に基づいて、車載端末デバイスは、ソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報と車載端末デバイスに対応する車両状況とを取得し、車両状況がアップグレード要件情報により示される第1状況と関連している場合、車載端末デバイスはソフトウェアパッケージのアップグレードを開始するか、または車両状況が第2状況と関連している場合、車載端末デバイスはソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。本願の本実施形態において、車載端末デバイスは、アップグレード要件情報および車両状況に基づいて、ソフトウェアアップグレードを開始すべきかどうかを判定し、車両状況が第1状況と関連している場合にはソフトウェアアップグレードを開始してよい。このように、アップグレードプロセスにおいてセキュリティ上の脅威を招く確率が低減でき、ユーザ体験を向上させることができる。
【0099】
段階S501~S504aまたは段階S501~S504bにおける車載端末デバイスの動作が、
図2に示す通信デバイス40の中にあるプロセッサ401がメモリ403に格納されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことにより行われてよい。これについては、本願の本実施形態において限定されることはない。
【0100】
別の実行可能な実装例では、車載端末デバイスの構造が
図4に示されているものである場合、例えば、本願は、
図5に示すソフトウェアアップグレード方法を車載端末デバイスの内部で実施するためのソリューションを提供する。
図6aに示すように、このソリューションは以下に挙げる段階を含む。
【0101】
S601:ソフトウェアアップグレード制御モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得する。
【0102】
任意選択的に、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージと関連しているアップグレード要件情報を最初に取得し、次いで、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始してもよいと判定した後にソフトウェアパッケージを取得してよい。または、ソフトウェアアップグレード制御モジュールはソフトウェアパッケージを最初に取得し、次いでソフトウェアパッケージと関連しているアップグレード要件情報を取得してもよい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0103】
例えば、
図6bに示すように、ソフトウェアアップグレード制御モジュールが段階S601においてソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得することは、以下に挙げる段階を含んでよい。
【0104】
S601a:ソフトウェア提供モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報をソフトウェアアップグレード制御モジュールに送る。それに対応して、ソフトウェアアップグレード制御モジュールはソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報をソフトウェア提供モジュールから受け取る。
【0105】
この場合、段階S601aの前に、本願の本実施形態において提供されるソフトウェアアップグレード方法はさらに、ソフトウェア提供モジュールがソフトウェアサーバから通知メッセージを受信する段階を含み、通知メッセージは、ソフトウェアパッケージ識別子などの情報を搬送して、ソフトウェアパッケージ識別子で示されるソフトウェアが更新版を有することを車載端末デバイスに通知する。ソフトウェア提供モジュールは、通知メッセージを受信した後に、ソフトウェアパッケージ識別子と関連しているアップグレード要件情報をソフトウェアサーバに要求し、ソフトウェアパッケージ識別子と関連している要求したアップグレード要件情報をソフトウェアアップグレード制御モジュールに送ってよい。
【0106】
あるいは、例えば、
図6bに示すように、ソフトウェアアップグレード制御モジュールが段階S601においてソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得することは、以下に挙げる段階を含んでよい。
【0107】
S601b:ソフトウェア提供モジュールがソフトウェアパッケージを取得する。
【0108】
任意選択的に、ソフトウェア提供モジュールはソフトウェアパッケージをソフトウェアサーバから受信してよい。
【0109】
実行可能な一実装例において、ソフトウェアパッケージはソフトウェアパッケージ識別子を含む。ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェアパッケージを受信した後に、ソフトウェアパッケージからソフトウェアパッケージ識別子を取得し、ソフトウェアパッケージ識別子と関連しているアップグレード要件情報をソフトウェアサーバに要求してよい。
【0110】
別の実行可能な実装例において、ソフトウェアパッケージはアップグレード要件情報を含むか、またはソフトウェアパッケージはソフトウェアパッケージ記述情報を含み、ソフトウェアパッケージ記述情報はアップグレード要件情報を含む。
【0111】
S601c:ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェアアップグレード制御モジュールにソフトウェア送信メッセージを送る。それに対応して、ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェア送信メッセージをソフトウェアアップグレード制御モジュールから受け取る。
【0112】
実行可能な一実装例では、ソフトウェア提供モジュールにより取得されたソフトウェアパッケージがアップグレード要件情報を含んでいない場合、ソフトウェア送信メッセージは、ソフトウェア提供モジュールにより取得されたソフトウェアパッケージと、ソフトウェアパッケージと関連しているアップグレード要件情報とを含む。任意選択的に、この実装例において、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェア送信メッセージに含まれているソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定する。
【0113】
別の実行可能な実装例では、ソフトウェア提供モジュールにより取得されたソフトウェアパッケージがアップグレード要件情報またはソフトウェアパッケージ記述情報を含む場合、ソフトウェア送信メッセージは、ソフトウェア提供モジュールにより取得されたソフトウェアパッケージを含む。任意選択的に、この実装例において、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージに含まれているアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定してよい。
【0114】
S601d:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェア提供モジュールにソフトウェア送信完了メッセージを送る。それに対応して、ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェア送信完了メッセージをソフトウェアアップグレード制御モジュールから受け取る。
【0115】
ソフトウェア送信完了メッセージは、ソフトウェアパッケージの送信に成功したことをソフトウェア提供モジュールに通知するのに用いられる。
【0116】
任意選択的に、
図6bに示す前述の2つの方式に加えて、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは代替的に、予め設定されたアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定してよい。
【0117】
ソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報は第1状況および/または第2状況を示し、第1状況は、ソフトウェアアップグレードの開始が認められる状況でよく、第2状況は、ソフトウェアアップグレードの開始が認められない状況でよい。アップグレード要件情報の説明については、段階S401における関連説明を参照されたい。詳細については、再度ここで説明しない。
【0118】
S602:ソフトウェア管理モジュールは、車両状況要求メッセージを車両状況監視モジュールに送る。それに対応して、車両状況監視モジュールはソフトウェア管理モジュールから車両状況要求メッセージを受け取る。
【0119】
車両状況要求メッセージは、車載端末デバイスに対応する車両の状況を要求するのに用いられ、車載端末デバイスに対応する車両は、車載端末デバイスを搬送する車両として理解されてよい。
【0120】
S603:車両状況監視モジュールは、車両状況を取得する。
【0121】
任意選択的に、車両状況監視モジュールは、車両状況要求メッセージを受け取った後に、車両状況監視モジュールにより制御されるセンサを用いて車両状況を収集してよい。
【0122】
S604:車両状況監視モジュールは、ソフトウェアアップグレード制御モジュールに車両状況フィードバックメッセージを送る。それに対応して、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車両状況監視モジュールから車両状況フィードバックメッセージを受け取る。
【0123】
車両状況フィードバックメッセージは、車両状況監視モジュールにより収集された車両状況を含む。
【0124】
S605:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車両状況が第1状況と関連しているかどうかを判定するか、またはソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車両状況が第2状況と関連しているかどうかを判定する。
【0125】
車両状況が第1状況と関連しているかどうか、または車両状況が第2状況と関連しているかどうかに関する説明については、段階S403における関連説明を参照されたい。詳細については、再度ここで説明しない。
【0126】
任意選択的に、車両状況がアップグレード要件情報により示される第1状況と関連しているとソフトウェアアップグレード制御モジュールが判定した場合に、段階S606aが行われるか、または車両状況がアップグレード要件情報により示される第2状況と関連しているとソフトウェアアップグレード制御モジュールが判定した場合に、段階S606bが行われる。
【0127】
S606a:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始する。
【0128】
任意選択的に、車両状況が第1状況と関連している場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車載端末デバイスに対応する車両の状況により、ソフトウェアパッケージのアップグレードが認められると判定できるので、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始する。ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始するプロセスについては、先行技術を参照されたい。詳細については、ここで説明しない。
【0129】
任意選択的に、ソフトウェアアップグレード制御モジュールが段階S601aの前述の方式でソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得する場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、この時点でソフトウェアパッケージをまだ取得していない。したがって、段階S606aが行われる前に、本願の本実施形態において提供されるソフトウェアアップグレード方法はさらに、以下に挙げる段階を含む。
【0130】
ソフトウェア提供モジュールは、通知メッセージに含まれているソフトウェアパッケージ識別子に対応するソフトウェアパッケージを取得する。
【0131】
ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェア提供モジュールにソフトウェア送信メッセージを送る。ここで、ソフトウェア送信メッセージは、ソフトウェアパッケージ識別子に対応するソフトウェアパッケージを含む。それに対応して、ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェア送信メッセージをソフトウェアアップグレード制御モジュールから受け取る。
【0132】
ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェア提供モジュールにソフトウェア送信完了メッセージを送る。ソフトウェア送信完了メッセージは、ソフトウェアパッケージの送信に成功したことをソフトウェア提供モジュールに通知するのに用いられる。それに対応して、ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェア送信完了メッセージをソフトウェアアップグレード制御モジュールから受け取る。
【0133】
S606b:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。
【0134】
任意選択的に、車両状況が第2状況と関連している場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車載端末デバイスに対応する車両の状況により、ソフトウェアパッケージのアップグレードが認められないと判定できるので、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。
【0135】
本願の本実施形態において提供されるソフトウェアアップグレード方法に基づいて、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報と、車載端末デバイスに対応する車両状況とを取得し、車両状況がアップグレード要件情報により示される第1状況と関連している場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールはソフトウェアパッケージのアップグレードを開始するか、または車両状況が第2状況と関連している場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールはソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。本願の本実施形態において、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、アップグレード要件情報および車両状況に基づいて、ソフトウェアアップグレードを開始すべきかどうかを判定し、車両状況が第1状況と関連している場合にはアップグレードを開始してよい。このように、アップグレードプロセスにおいてセキュリティ上の脅威を招く確率が低減でき、ユーザ体験を向上させることができる。
【0136】
図6aおよび
図6bに示すソリューションは、
図5に示す本願によるソフトウェアアップグレード方法を車載端末デバイスが行うという、単なる内部実施ソリューションにすぎないことに留意されたい。実際の適用の際には、
図5に示すソフトウェアアップグレード方法はさらに、別の内部実施ソリューションを有してよい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0137】
段階S601~S609aまたは段階S601~S609bにおける車載端末デバイスの動作が、
図2に示す通信デバイス40の中にあるプロセッサ401がメモリ403に格納されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことにより行われてよい。これについては、本願において限定されることはない。
【0138】
さらに別の実行可能な実装例では、車載端末デバイスの構造が
図4に示されているものである場合、例えば、本願は、
図5に示すソフトウェアアップグレード方法を車載端末デバイスの内部で実施するための別のソリューションを提供する。
図7Aおよび
図7Bに示すように、このソリューションは以下に挙げる段階を含む。
【0139】
S701:ソフトウェア提供モジュールがソフトウェアパッケージの記述情報を取得する。
【0140】
記述情報には、ソフトウェアパッケージ識別子およびアップグレード要件情報などが含まれてよい。
【0141】
実行可能な一実装例において、ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェアサーバから通知メッセージを受信してよい。この通知メッセージは、ソフトウェアパッケージ識別子などの情報を搬送し、ソフトウェアパッケージ識別子で示されたソフトウェアが更新版を有することを車載端末デバイスに通知する。車載端末デバイスは、通知メッセージを受信した後に、ソフトウェアパッケージ識別子に対応するソフトウェアパッケージの記述情報をソフトウェアサーバに要求してよい。
【0142】
別の実行可能な実装例において、ソフトウェア提供モジュールはソフトウェアパッケージをソフトウェアサーバから受信してよく、ソフトウェアパッケージは記述情報を含む。
【0143】
S702:ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェア記述メッセージをソフトウェアアップグレード制御モジュールに送る。それに対応して、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェア記述メッセージをソフトウェア提供モジュールから受け取る。
【0144】
ソフトウェア記述メッセージは、ソフトウェア提供モジュールにより取得されたソフトウェアパッケージの記述情報を含む。
【0145】
S703:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェア提供モジュールにソフトウェア記述送信完了メッセージを送る。それに対応して、ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェア記述送信完了メッセージをソフトウェアアップグレード制御モジュールから受け取る。
【0146】
ソフトウェア記述送信完了メッセージは、ソフトウェアパッケージの記述情報の送信に成功したことをソフトウェア提供モジュールに通知するのに用いられる。
【0147】
S704:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得する。
【0148】
任意選択的に、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージの記述情報に含まれているアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定してよく、またはソフトウェアパッケージの記述情報がアップグレード要件情報を含んでいない場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、予め設定されたアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定してよく、またはソフトウェアパッケージの記述情報がアップグレード要件情報を含んでいるかどうかに関係なく、ソフトウェア管理モジュールは、予め設定されたアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定する。
【0149】
ソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報は第1状況および/または第2状況を示し、第1状況は、ソフトウェアアップグレードの開始が認められる状況でよく、第2状況は、ソフトウェアアップグレードの開始が認められない状況でよい。アップグレード要件情報の説明については、段階S401における関連説明を参照されたい。詳細については、再度ここで説明しない。
【0150】
S705:ソフトウェア管理モジュールは、車両状況要求メッセージを車両状況監視モジュールに送る。それに対応して、車両状況監視モジュールは車両状況要求メッセージをソフトウェア管理モジュールから受け取る。
【0151】
車両状況要求メッセージは、車載端末デバイスに対応する車両の状況を要求するのに用いられ、車載端末デバイスに対応する車両は、車載端末デバイスを搬送する車両として理解されてよい。
【0152】
S706:車両状況監視モジュールは、車両状況を取得する。
【0153】
任意選択的に、車両状況監視モジュールは、車両状況要求メッセージを受け取った後に、車両状況監視モジュールにより制御されるセンサを用いて車両状況を収集してよい。
【0154】
S707:車両状況監視モジュールは、ソフトウェアアップグレード制御モジュールに車両状況フィードバックメッセージを送る。それに対応して、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車両状況監視モジュールから車両状況フィードバックメッセージを受け取る。
【0155】
車両状況フィードバックメッセージは、車両状況監視モジュールにより収集された車両状況を含む。
【0156】
S708:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車両状況が第1状況と関連しているかどうかを判定するか、またはソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車両状況が第2状況と関連しているかどうかを判定する。
【0157】
車両状況が第1状況と関連しているかどうか、または車両状況が第2状況と関連しているかどうかに関する説明については、段階S403における関連説明を参照されたい。詳細については、再度ここで説明しない。
【0158】
任意選択的に、車両状況がアップグレード要件情報により示される第1状況と関連しているとソフトウェアアップグレード制御モジュールが判定した場合に、段階S709~S712が行われるか、または車両状況がアップグレード要件情報により示される第2状況と関連しているとソフトウェアアップグレード制御モジュールが判定した場合に、段階S713が行われる。
【0159】
S709:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェア提供モジュールにソフトウェア送信要求メッセージを送る。それに対応して、ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェア送信要求メッセージをソフトウェアアップグレード制御モジュールから受け取る。
【0160】
ソフトウェア送信要求メッセージは、ソフトウェアパッケージに関する、ソフトウェア記述メッセージに含まれている記述情報に対応するソフトウェアパッケージをソフトウェア提供モジュールに要求するのに用いられる。
【0161】
S710:ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェアアップグレード制御モジュールにソフトウェア送信メッセージを送る。それに対応して、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェア送信メッセージをソフトウェア提供モジュールから受け取る。
【0162】
ソフトウェア送信メッセージは、ソフトウェアパッケージに関する、ソフトウェア記述メッセージに含まれている記述情報に対応するソフトウェアパッケージを含む。
【0163】
任意選択的に、段階S701では、ソフトウェア提供モジュールがサーバからの通知メッセージを用いてソフトウェアパッケージの記述情報を取得する場合、段階S710が行われる前に、本願の本実施形態において提供されるソフトウェアアップグレード方法はさらに、ソフトウェア提供モジュールが通知メッセージに含まれているソフトウェアパッケージ識別子に対応するソフトウェアパッケージを取得する段階を含む。
【0164】
S711:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェア提供モジュールにソフトウェア送信完了メッセージを送る。それに対応して、ソフトウェア提供モジュールは、ソフトウェア送信完了メッセージをソフトウェアアップグレード制御モジュールから受け取る。
【0165】
ソフトウェア送信完了メッセージは、ソフトウェアパッケージの送信に成功したことをソフトウェア提供モジュールに通知するのに用いられる。
【0166】
S712:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始する。
【0167】
任意選択的に、車両状況が第1状況と関連している場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車載端末デバイスに対応する車両の状況により、ソフトウェアパッケージのアップグレードが認められると判定できるので、ソフトウェアパッケージの記述情報に対応するソフトウェアパッケージを取得して、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始する。ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始するプロセスについては、先行技術を参照されたい。詳細については、ここで説明しない。
【0168】
S713:ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。
【0169】
任意選択的に、車両状況が第2状況と関連している場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車載端末デバイスに対応する車両の状況により、ソフトウェアパッケージのアップグレードが認められないと判定できるので、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。
【0170】
本願の本実施形態において提供されるソフトウェアアップグレード方法に基づいて、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、ソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報と、車載端末デバイスに対応する車両状況とを取得する。車両状況がアップグレード要件情報により示される第1状況と関連している場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールはソフトウェアパッケージをソフトウェア提供モジュールから取得し、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始するか、または車両状況が第2状況と関連している場合、ソフトウェアアップグレード制御モジュールはソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する。本願の本実施形態において、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、アップグレード要件情報および車両状況に基づいて、ソフトウェアアップグレードを開始すべきかどうかを判定し、車両状況が第1状況と関連している場合にはアップグレードを開始してよい。このように、アップグレードプロセスにおいてセキュリティ上の脅威を招く確率が低減でき、ユーザ体験を向上させることができる。さらに、ソフトウェアアップグレード制御モジュールは、車両状況が第1状況と関連していると判定した場合、ソフトウェアパッケージを送信するようソフトウェア提供モジュールに要求することにより、車両状況が第2状況と関連している場合にソフトウェア提供モジュールとソフトウェアアップグレード制御モジュールとの間で不要なソフトウェアパッケージが送信されるのを回避する。
【0171】
図7Aおよび
図7Bに示すソリューションは、
図5に示す本願によるソフトウェアアップグレード方法を車載端末デバイスが行うという、単なる実行可能な内部実施ソリューションにすぎないことに留意されたい。実際の適用の際には、
図5に示すソフトウェアアップグレード方法はさらに、別の内部実施ソリューションを有してよい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0172】
段階S701~S712または段階S701~S713における車載端末デバイスの動作が、
図2に示す通信デバイス40の中にあるプロセッサ401がメモリ403に格納されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことにより行われてよい。これについては、本願の本実施形態において限定されることはない。
【0173】
前述の実施形態において、車載端末デバイスにより実施される方法および/または段階は代替的に、車載端末デバイスに用いられ得る構成要素(例えば、チップまたは回路)で実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0174】
前述のことは主に、本願の実施形態において提供されるソリューションを、ネットワークエレメント同士のやり取りの観点から説明している。それに対応して、本願の一実施形態がさらに通信装置を提供し、この通信装置は前述の方法を実施するように構成される。通信装置は、前述の方法の実施形態における車載端末デバイスでも、車載端末デバイスを含む装置でも、車載端末デバイスに用いられ得る構成要素でもよい。前述の機能を実装するために、通信装置は、各機能を実行するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含むことが理解されるであろう。当業者であれば、本明細書で開示される実施形態で説明される実施例に関する機器およびアルゴリズム段階と組み合わせて、本願がハードウェアまたはハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせで実現され得ることを容易に認識するはずである。ある機能がハードウェアで実行されるのか、またはコンピュータソフトウェアで動くハードウェアで実行されるのかは、技術的ソリューションの特定の用途および設計上の制約で決まる。当業者であれば、異なる方法を用いて、説明した機能を特定の用途ごとに実装するかもしれないが、こうした実装例が本願の範囲を超えるものとみなされるべきではない。
【0175】
本願の実施形態において、通信装置が前述の方法の実施形態に基づいて複数の機能モジュールに分割されてよい。例えば、各機能モジュールがそれぞれの対応する機能に基づく分割によって取得されてもよく、2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよく、またはソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。本願の実施形態では、モジュール分割は例示的であり、単なる論理的な機能分割であることに留意されたい。実際の実装では、別の分割方式が用いられてもよい。
【0176】
例えば、通信装置は、前述の方法の実施形態における車載端末デバイスである。
図8は、車載端末デバイス80の概略構造図である。車載端末デバイス80は、取得モジュール801と処理モジュール802とを含む。
【0177】
実行可能な一実装例において、取得モジュール801は、ソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報と車載端末デバイスに対応する車両状況とを取得するように構成され、アップグレード要件情報は第1状況および/または第2状況を示す。車両状況が第1状況と関連している場合、処理モジュール802はソフトウェアパッケージのアップグレードを開始するように構成される。または、車両状況が第2状況と関連している場合、処理モジュール802はさらに、ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定するように構成される。
【0178】
任意選択的に、車載端末デバイス80はさらに、送受信モジュール803を含んでもよい。送受信モジュール803は、送受信機器とも呼ばれることがあり、送信機能および/または受信機能を実装するように構成される。例えば、送受信モジュール803は、送受信回路でも、送受信機でも、通信インタフェースでもよい。
【0179】
任意選択的に、送受信モジュール803は、ソフトウェアパッケージをソフトウェアサーバから受信するように構成される。
【0180】
任意選択的に、送受信モジュール803がソフトウェアサーバから受信するソフトウェアパッケージは、アップグレード要件情報を含み、取得モジュール801がソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成されることは、取得モジュール801が、ソフトウェアパッケージに含まれているアップグレード要件情報を取得するように構成されることを含む。
【0181】
任意選択的に、送受信モジュール803がソフトウェアサーバから受信するソフトウェアパッケージが、アップグレード要件情報を含むことは、ソフトウェアパッケージがソフトウェアパッケージの記述情報を含み、記述情報がアップグレード要件情報を含むことを含む。取得モジュール801がソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成されることは、取得モジュール801が記述情報内のアップグレード要件情報を取得するように構成されることを含む。
【0182】
任意選択的に、取得モジュール801がソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成されることは、取得モジュール801が、予め設定されたアップグレード要件情報をソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報として決定するように構成されることを含む。
【0183】
前述の方法の実施形態における各段階に関連した全ての内容は、対応する機能モジュールの機能説明に引用されてよい。詳細については、再度ここで説明しない。
【0184】
本実施形態において、車載端末デバイス80は、統合によって取得された機能モジュールの形態で提示されている。本明細書における「モジュール」は、特定のASIC、回路、1つまたは複数のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行するためのプロセッサおよびメモリ、集積論理回路、並びに/または前述の機能を提供できる他の構成要素でよい。簡単な一実施形態では、当業者が、車載端末デバイス80は
図2に示す通信デバイス40の形態でよいと理解するであろう。
【0185】
例えば、
図2に示す通信デバイス40の中にあるプロセッサ401は、メモリ403に格納されたコンピュータ実行可能命令を呼び出してよく、これにより、車載端末デバイス80は前述の方法の実施形態におけるソフトウェアアップグレード方法を行う。
【0186】
具体的には、
図8の取得モジュール801、処理モジュール802、および送受信モジュール803の機能/実装プロセスは、
図2示す通信デバイス40の中にあるプロセッサ401がメモリ403に格納されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことにより実現されてよい。あるいは、
図8の取得モジュール801および処理モジュール802の機能/実装プロセスは、
図2に示す通信デバイス40の中にあるプロセッサ401がメモリ403に格納されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことにより実現されてよく、また
図8の送受信モジュール803の機能/実装プロセスは、
図2に示す通信デバイス40の中にある通信インタフェース404を用いて実現されてよい。
【0187】
本実施形態において提供される車載端末デバイス80は前述のソフトウェアアップグレード方法を行うことができるので、車載端末デバイス80が取得できる技術的効果については、前述の方法の実施形態を参照されたい。詳細については、再度ここで説明しない。
【0188】
任意選択的に、本願の一実施形態がさらに、通信装置を提供する(例えば、通信装置はチップでもチップシステムでもよい)。通信装置は、前述の方法の実施形態のうちのいずれか1つにおける方法を実施するように構成されたプロセッサを含む。実行可能な一設計例において、通信装置はさらにメモリを含む。メモリは、必要なプログラム命令および必要なデータを格納するように構成される。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムコードを呼び出して、前述の方法の実施形態のうちのいずれか1つにおける方法を行うよう通信装置に指示してよい。当然ながら、メモリは代替的に、通信装置に含まれなくてもよい。通信装置がチップシステムである場合、通信装置はチップを含んでもよく、チップおよび別の個別素子を含んでもよい。これについては、本願の本実施形態において特に限定されることはない。
【0189】
前述の実施形態の全てまたは一部が、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこのあらゆる組み合わせを用いて実現されてもよい。ソフトウェアプログラムを用いて実施形態を実現する場合、これらの実施形態は、完全にまたは部分的にコンピュータプログラム製品の形態で実現されてよい。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータに読み込まれて実行されると、本願の実施形態による手順または機能が全てまたは部分的に生み出される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能型装置でもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよく、またはあるコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者回線(digital subscriber line、DSL))または無線(例えば、赤外線、電波、またはマイクロ波)による方式で送信されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセス可能なあらゆる使用できる媒体でも、1つまたは複数の使用できる媒体を統合した、サーバまたはデータセンタなどのデータ記憶デバイスでもよい。使用できる媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、または半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid state disk、SSD))などでもよい。本願の実施形態において、コンピュータは前述の装置を含んでよい。
【0190】
本願は各実施形態を参照して説明されているが、保護を主張する本願を実現する過程において、当業者であれば、添付図面、開示内容、および添付した特許請求の範囲を考察することにより、開示された実施形態の別の変形例を理解して実現するであろう。特許請求の範囲では、「comprising(含む)」が別の構成要素または別の段階を除外することはなく、「a(1つ)」または「one(1つ)」が複数の意味を除外することはない。1つのプロセッサまたは別の機器が、特許請求の範囲に列挙されるいくつかの機能を実装してよい。いくつかの手段が、互いに異なる複数の従属クレームに記載されているが、これで、これらの手段を組み合わせても、より優れた効果を生み出すことはできないことを意味しているわけではない。
【0191】
本願は、具体的な特徴およびその実施形態に関連して説明されているが、こうした特徴およびその実施形態に対して、本願の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な修正および組み合わせが行われてよいことは明らかである。それに対応して、本明細書および添付図面は、添付した特許請求の範囲により定められる本願の単なる例示的な説明にすぎず、本願の範囲をカバーする修正、変形、組み合わせ、または均等物のうちのいずれかまたは全てとみなされる。当業者であれば、本願の趣旨および範囲から逸脱することなく、本願に対して様々な修正および変形を行うことができるのは明らかである。本願は、本願のこうした修正および変形を、それが以下の特許請求の範囲およびその均等な技術により定められる保護の範囲に含まれる場合に限り、カバーすることが意図されている。
[他の考え得る項目]
(項目1)
ソフトウェアアップグレード方法であって、
車載端末デバイスがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得する段階であって、上記アップグレード要件情報は第1状況および/または第2状況を示す、取得する段階と、
上記車載端末デバイスが上記車載端末デバイスに対応する車両状況を取得する段階と、
上記車両状況が上記第1状況と関連している場合、上記車載端末デバイスが上記ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始する段階、または
上記車両状況が上記第2状況と関連している場合、上記車載端末デバイスが上記ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定する段階と
を備える、方法。
(項目2)
上記第1状況が、車両の地理的位置、上記車両が位置している環境、または上記車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示し、
上記第2状況が、車両の地理的位置、上記車両が位置している環境、または上記車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示す、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記方法がさらに、
上記車載端末デバイスが上記ソフトウェアパッケージをソフトウェアサーバから受信する段階を備える、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
上記ソフトウェアパッケージが上記アップグレード要件情報を含み、
車載端末デバイスがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得する上記段階が、
上記車載端末デバイスが上記ソフトウェアパッケージ内の上記アップグレード要件情報を取得する段階を含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
上記ソフトウェアパッケージが上記アップグレード要件情報を含むことが、
上記ソフトウェアパッケージが上記ソフトウェアパッケージの記述情報を含み、上記記述情報が上記アップグレード要件情報を含むことを含み、
車載端末デバイスがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得する上記段階が、
上記車載端末デバイスが上記記述情報内の上記アップグレード要件情報を取得する段階を含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
車載端末デバイスがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得する上記段階が、
上記車載端末デバイスが、予め設定されたアップグレード要件情報を上記ソフトウェアパッケージの上記アップグレード要件情報として決定する段階を含む、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
取得モジュールと処理モジュールとを備える通信装置であって、
上記取得モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成され、上記アップグレード要件情報が第1状況および/または第2状況を示し、
上記取得モジュールがさらに、上記通信装置に対応する車両状況を取得するように構成され、
上記車両状況が上記第1状況と関連している場合、上記処理モジュールが上記ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始するように構成される、または
上記車両状況が上記第2状況と関連している場合、上記処理モジュールがさらに上記ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定するように構成される、通信装置。
(項目8)
上記第1状況が、車両の地理的位置、上記車両が位置している環境、または上記車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示し、
上記第2状況が、車両の地理的位置、上記車両が位置している環境、または上記車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示す、項目7に記載の通信装置。
(項目9)
上記通信装置がさらに送受信モジュールを備え、
上記送受信モジュールが上記ソフトウェアパッケージをソフトウェアサーバから受信するように構成される、項目7または8に記載の通信装置。
(項目10)
上記ソフトウェアパッケージが上記アップグレード要件情報を含み、
上記取得モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成されることが、
上記取得モジュールが上記ソフトウェアパッケージ内の上記アップグレード要件情報を取得するように構成されることを含む、項目9に記載の通信装置。
(項目11)
上記ソフトウェアパッケージが上記アップグレード要件情報を含むことが、
上記ソフトウェアパッケージが上記ソフトウェアパッケージの記述情報を含み、上記記述情報が上記アップグレード要件情報を含むことを含み、
上記取得モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成されることが、
上記取得モジュールが上記記述情報内の上記アップグレード要件情報を取得するように構成されることを含む、項目10に記載の通信装置。
(項目12)
上記取得モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成されることが、
上記取得モジュールが、予め設定されたアップグレード要件情報を上記ソフトウェアパッケージの上記アップグレード要件情報として決定するように構成されることを含む、項目7から9のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目13)
ソフトウェアアップグレード制御モジュールと車両状況監視モジュールとを備える通信装置であって、
上記ソフトウェアアップグレード制御モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成され、上記アップグレード要件情報が第1状況および/または第2状況を示し、
上記車両状況監視モジュールが上記通信装置に対応する車両状況を取得するように構成され、
上記車両状況が上記第1状況と関連している場合、上記ソフトウェアアップグレード制御モジュールがさらに、上記ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始するように構成される、または
上記車両状況が上記第2状況と関連している場合、上記ソフトウェアアップグレード制御モジュールがさらに、上記ソフトウェアパッケージのアップグレードを開始しないと判定するように構成される、通信装置。
(項目14)
上記第1状況が、車両の地理的位置、上記車両が位置している環境、または上記車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示し、
上記第2状況が、車両の地理的位置、上記車両が位置している環境、または上記車両の走行状況のうちの少なくとも1つを示す、項目13に記載の通信装置。
(項目15)
上記通信装置がさらにソフトウェア提供モジュールを備え、
上記ソフトウェア提供モジュールが上記ソフトウェアパッケージをソフトウェアサーバから受信するように構成される、項目13または14に記載の通信装置。
(項目16)
上記ソフトウェアパッケージが上記アップグレード要件情報を含み、
上記ソフトウェアアップグレード制御モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成されることが、
上記ソフトウェアアップグレード制御モジュールが上記ソフトウェアパッケージ内の上記アップグレード要件情報を取得するように構成されることを含む、項目15に記載の通信装置。
(項目17)
上記ソフトウェアパッケージが上記アップグレード要件情報を含むことが、
上記ソフトウェアパッケージが上記ソフトウェアパッケージの記述情報を含み、上記記述情報が上記アップグレード要件情報を含むことを含み、
上記ソフトウェアアップグレード制御モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成されることが、
上記ソフトウェアアップグレード制御モジュールが上記記述情報内の上記アップグレード要件情報を取得するように構成されることを含む、項目16に記載の通信装置。
(項目18)
上記ソフトウェアアップグレード制御モジュールがソフトウェアパッケージのアップグレード要件情報を取得するように構成されることが、
上記ソフトウェアアップグレード制御モジュールが、予め設定されたアップグレード要件情報を上記ソフトウェアパッケージの上記アップグレード要件情報として決定するように構成されることを含む、項目13から15のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目19)
プロセッサとメモリとを備える通信装置であって、
上記メモリがコンピュータ実行可能命令を格納するように構成され、上記プロセッサが上記コンピュータ実行可能命令を実行すると、上記通信装置が項目1から6のいずれか一項に記載の方法を行うことが可能になる、通信装置。
(項目20)
命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、上記命令が通信装置で動作すると、上記通信装置が項目1から6のいずれか一項に記載の方法を行うことが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【外国語明細書】