IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -プロテクタ 図1
  • -プロテクタ 図2
  • -プロテクタ 図3
  • -プロテクタ 図4
  • -プロテクタ 図5
  • -プロテクタ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162853
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】プロテクタ
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20241114BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G3/04 037
B60R16/02 623T
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078789
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】菊田 高宗
(72)【発明者】
【氏名】須藤 博
(72)【発明者】
【氏名】北 幸功
(72)【発明者】
【氏名】藤高 綾那
【テーマコード(参考)】
5G357
【Fターム(参考)】
5G357DA10
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
5G357DE03
5G357DE10
(57)【要約】
【課題】乗員室内の外観性を向上させることを可能としたプロテクタを提供する。
【解決手段】プロテクタ10は、車両の乗員室内に配置されるワイヤハーネス13に取り付けられる。プロテクタ10は、ワイヤハーネス13を収容するワイヤハーネス収容部21と、発光部材22を収容する発光部材収容部23とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員室内に配置されるワイヤハーネスに取り付けられるプロテクタであって、
前記ワイヤハーネスを収容するワイヤハーネス収容部と、
発光部材を収容する発光部材収容部とを備える、
プロテクタ。
【請求項2】
前記発光部材収容部は、第1底壁を有し、
前記発光部材収容部は、前記第1底壁の上に前記発光部材が露出状態で配置されるように構成されている、
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項3】
前記発光部材収容部は、前記第1底壁からそれぞれ延出し、互いに対向する一対の第1側壁と、前記一対の第1側壁の各々における前記第1底壁とは反対側の端部によって形成される第1開口部とを有し、
前記発光部材収容部は、前記発光部材を前記第1開口部を通じて前記一対の第1側壁の間に収容可能に構成されている、
請求項2に記載のプロテクタ。
【請求項4】
前記一対の第1側壁の少なくとも一方は、前記発光部材の発光面に対向する対向面を有し、
前記対向面は、前記第1底壁から前記第1開口部に向かって前記発光面から離れるように傾斜している、
請求項3に記載のプロテクタ。
【請求項5】
前記一対の第1側壁の一方は、前記ワイヤハーネス収容部と前記発光部材収容部とを区切る区画壁をなしている、
請求項3に記載のプロテクタ。
【請求項6】
前記ワイヤハーネス収容部の少なくとも一部を構成するプロテクタ本体と、
前記プロテクタ本体に取り付けられる導光部材とを備え、
前記導光部材は、前記発光部材が前記発光部材収容部に収容された状態で前記発光部材の発光面に対向する対向部を有している、
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項7】
前記プロテクタ本体は、前記ワイヤハーネス収容部および前記発光部材収容部を有している、
請求項6に記載のプロテクタ。
【請求項8】
前記導光部材は、前記乗員室における内装部材に連結される連結部を有している、
請求項6に記載のプロテクタ。
【請求項9】
前記内装部材は、前記乗員室を形成する床部材に敷かれるフロアマットを含み、
前記連結部は、前記フロアマットの縁部に連結可能に構成されている、
請求項8に記載のプロテクタ。
【請求項10】
前記連結部は、前記フロアマットの縁部を前記フロアマットの厚さ方向に挟持する一対の挟持部を有している、
請求項9に記載のプロテクタ。
【請求項11】
前記乗員室を形成する床部材は、前記床部材の表面の一部を形成するフロアカーペットと、前記フロアカーペットの表面上に重なる重なり部を有する床形成部材とを含み、
前記発光部材収容部は、前記重なり部と前記フロアカーペットとの間に挿入可能に構成されている、
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項12】
前記発光部材収容部を有するプロテクタ本体と、
前記ワイヤハーネス収容部の一部を形成し、前記プロテクタ本体とは別体をなす別体部材とを備え、
前記別体部材は、第2開口部を含む溝部を有し、
前記プロテクタ本体は、前記第2開口部を塞ぐ蓋部を有している、
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項13】
前記別体部材は、第2底壁と、前記第2底壁からそれぞれ延出し、前記プロテクタの幅方向に互いに対向する一対の第2側壁とを有し、
前記第2底壁と前記一対の第2側壁とは、互いが協働して前記溝部を形成しており、
前記溝部の前記第2開口部は、前記一対の第2側壁の各々における前記第2底壁とは反対側の端部によって形成されている、
請求項12に記載のプロテクタ。
【請求項14】
前記プロテクタ本体は、前記蓋部からそれぞれ延出し、前記幅方向に互いに対向する一対の外壁部を有し、
前記別体部材が前記一対の外壁部の間に取り付けられた状態において、前記一対の外壁部は、前記幅方向に沿って、前記一対の第2側壁のそれぞれの外側に位置する、
請求項13に記載のプロテクタ。
【請求項15】
前記一対の外壁部の各々は、前記別体部材を支持する支持部を有している、
請求項14に記載のプロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロテクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両では、車両に対して電気機器を取り付ける場合、電気機器同士を繋ぐワイヤハーネスを、車両の乗員室内に配置することがある(例えば、特許文献1参照)。この場合、例えば、乗員室を構成する内装部材の内側などの露出しない位置にワイヤハーネスを配置することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-151778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、ワイヤハーネスを内装部材の内側に配置する際には、内装部材の着脱作業が必要となるため、ワイヤハーネスを配置する作業が煩雑となる問題があった。そこで、ワイヤハーネスを乗員室内に簡単に配置するには、ワイヤハーネスを乗員室内に露出した状態で配置することが考えられる。その場合には、ワイヤハーネスを如何にして保護するかを検討する必要がある。また、本発明者らは、ワイヤハーネスを保護することに加えて、乗員室内の外観性を向上させることを可能とする構成を検討した。
【0005】
本開示の目的は、乗員室内の外観性を向上させることを可能としたプロテクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のプロテクタは、車両の乗員室内に配置されるワイヤハーネスに取り付けられるプロテクタであって、前記ワイヤハーネスを収容するワイヤハーネス収容部と、発光部材を収容する発光部材収容部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示のプロテクタによれば、乗員室内の外観性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態におけるプロテクタを搭載した車両の模式図である。
図2図2は、第1実施形態におけるプロテクタの斜視図である。
図3図3は、第1実施形態におけるプロテクタの断面図である。
図4図4は、第2実施形態におけるプロテクタの斜視図である。
図5図5は、第2実施形態におけるプロテクタの分解斜視図である。
図6図6は、第2実施形態におけるプロテクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のプロテクタは、
[1]車両の乗員室内に配置されるワイヤハーネスに取り付けられるプロテクタであって、前記ワイヤハーネスを収容するワイヤハーネス収容部と、発光部材を収容する発光部材収容部とを備える。
【0010】
この構成によれば、乗員室内に配置されるワイヤハーネスをプロテクタによって保護することが可能となる。そして、プロテクタの発光部材収容部に収容された発光部材から発せられる光によって、乗員室内の外観性を向上させることが可能となる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記発光部材収容部は、第1底壁を有し、前記発光部材収容部は、前記第1底壁の上に前記発光部材が露出状態で配置されるように構成されていてもよい。
【0012】
この構成によれば、発光部材を露出状態で発光部材収容部に配置することで、発光部材の光を乗員室内に好適に照射させることが可能となる。
[3]上記[2]において、前記発光部材収容部は、前記第1底壁からそれぞれ延出し、互いに対向する一対の第1側壁と、前記一対の第1側壁の各々における前記第1底壁とは反対側の端部によって形成される第1開口部とを有し、前記発光部材収容部は、前記発光部材を前記第1開口部を通じて前記一対の第1側壁の間に収容可能に構成されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、発光部材収容部における一対の第1側壁によって、発光部材を安定して保持することが可能となる。
[4]上記[3]において、前記一対の第1側壁の少なくとも一方は、前記発光部材の発光面に対向する対向面を有し、前記対向面は、前記第1底壁から前記第1開口部に向かって前記発光面から離れるように傾斜していてもよい。
【0014】
この構成によれば、発光部材の光を対向面によって第1開口部が開口する側に反射させることができる。これにより、発光部材の光を乗員室内に好適に照射させることが可能となる。
【0015】
[5]上記[3]または[4]において、前記一対の第1側壁の一方は、前記ワイヤハーネス収容部と前記発光部材収容部とを区切る区画壁をなしていてもよい。
この構成によれば、ワイヤハーネス収容部と発光部材収容部とが区画壁を挟んで並設されるため、プロテクタの小型化に寄与できる。
【0016】
[6]上記[1]から[5]のいずれかにおいて、前記プロテクタは、前記ワイヤハーネス収容部の少なくとも一部を構成するプロテクタ本体と、前記プロテクタ本体に取り付けられる導光部材とを備え、前記導光部材は、前記発光部材が前記発光部材収容部に収容された状態で前記発光部材の発光面に対向する対向部を有していてもよい。
【0017】
この構成によれば、発光部材の光を、導光部材を通じて好適に照射させることが可能となる。
[7]上記[6]において、前記プロテクタ本体は、前記ワイヤハーネス収容部および前記発光部材収容部を有していてもよい。
【0018】
この構成によれば、ワイヤハーネス収容部および発光部材収容部を有するプロテクタ本体と、導光部材とによって、プロテクタを簡単な構成とすることが可能となる。また、プロテクタ本体は、ワイヤハーネスおよび発光部材の保護を主な役割とし、導光部材は、発光部材の光の導光を主な役割とする。このように、プロテクタ本体と導光部材の役割が分けられるため、導光部材に高い剛性を必要としない。これにより、導光部材の材料の選択自由度を向上させることが可能となる。
【0019】
[8]上記[6]または[7]において、前記導光部材は、前記乗員室における内装部材に連結される連結部を有していてもよい。
この構成によれば、導光部材の連結部にてプロテクタを乗員室の内装部材に取り付けることが可能となる。これにより、プロテクタおよびワイヤハーネスの配置作業性を向上させることが可能となる。また、対向部から導光部材に進入した発光部材の光の一部は、導光部材内を通って連結部から出射される。これにより、連結部が光って見えることで、乗員室内の外観性の向上に寄与できる。
【0020】
[9]上記[8]において、前記内装部材は、前記乗員室を形成する床部材に敷かれるフロアマットを含み、前記連結部は、前記フロアマットの縁部に連結可能に構成されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、ワイヤハーネスを収容するプロテクタをフロアマットの縁部に取り付けることが可能となる。したがって、内装部材を構成する例えばインテリアトリムなどを着脱することなく、ワイヤハーネスがプロテクタにて覆われて露出しない態様で、ワイヤハーネスを乗員室内に配置することが可能となる。
【0022】
[10]上記[9]において、前記連結部は、前記フロアマットの縁部を前記フロアマットの厚さ方向に挟持する一対の挟持部を有していてもよい。
この構成によれば、フロアマットの縁部を一対の挟持部の間に挟み込ませるだけで、導光部材を含むプロテクタをフロアマットに容易に取り付けることが可能となる。また、対向部から導光部材に進入した発光部材の光の一部は、フロアマットを挟む挟持部に導かれる。すなわち、発光部材の光をフロアマットの上面側に導くことが可能となる。したがって、乗員室内において発光部材の光をより明るく見せることが可能となる。
【0023】
[11]上記[1]から[10]のいずれかにおいて、前記乗員室を形成する床部材は、前記床部材の表面の一部を形成するフロアカーペットと、前記フロアカーペットの表面上に重なる重なり部を有する床形成部材とを含み、前記発光部材収容部は、前記重なり部と前記フロアカーペットとの間に挿入可能に構成されていてもよい。
【0024】
この構成によれば、フロアカーペットと床形成部材の重なり部との間に発光部材収容部を挿入するだけで、プロテクタを床部材に容易に取り付けることが可能となる。
[12]上記[1]から[11]のいずれかにおいて、前記プロテクタは、前記発光部材収容部を有するプロテクタ本体と、前記ワイヤハーネス収容部の一部を形成し、前記プロテクタ本体とは別体をなす別体部材とを備え、前記別体部材は、第2開口部を含む溝部を有し、前記プロテクタ本体は、前記第2開口部を塞ぐ蓋部を有していてもよい。
【0025】
この構成によれば、別体部材の溝部とプロテクタ本体の蓋部とによって、ワイヤハーネスを覆うことが可能となる。したがって、ワイヤハーネスがプロテクタから露出しないように構成することが可能となる。
【0026】
[13]上記[12]において、前記別体部材は、第2底壁と、前記第2底壁からそれぞれ延出し、前記プロテクタの幅方向に互いに対向する一対の第2側壁とを有し、前記第2底壁と前記一対の第2側壁とは、互いが協働して前記溝部を形成しており、前記溝部の前記第2開口部は、前記一対の第2側壁の各々における前記第2底壁とは反対側の端部によって形成されていてもよい。
【0027】
この構成によれば、第2底壁と一対の第2側壁とによって、別体部材の溝部を形成することが可能となる。
[14]上記[13]において、前記プロテクタ本体は、前記蓋部からそれぞれ延出し、前記幅方向に互いに対向する一対の外壁部を有し、前記別体部材が前記一対の外壁部の間に取り付けられた状態において、前記一対の外壁部は、前記幅方向に沿って、前記一対の第2側壁のそれぞれの外側に位置していてもよい。
【0028】
この構成によれば、別体部材の各第2側壁がプロテクタ本体の各外壁部によって覆われるため、ワイヤハーネス収容部の剛性を向上させることが可能となる。
[15]上記[14]において、前記一対の外壁部の各々は、前記別体部材を支持する支持部を有していてもよい。
【0029】
この構成によれば、各外壁部の支持部によって、別体部材が一対の外壁部の間から脱落することを抑制することが可能となる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のプロテクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。なお、本明細書の説明で使用される「筒状」は、周方向全周にわたって連続して周壁が形成されたものだけではなく、複数の部品を組み合わせて筒状をなすものや、C字状のように周方向の一部に切り欠きなどを有するものも含む。また、「筒状」の形状には、円形、楕円形、及び、尖ったまたは丸い角を有する多角形が含まれる。
【0030】
また、本明細書における「対向」とは、面同士又は部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方を含む。
【0031】
(第1実施形態)
以下、プロテクタの第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のプロテクタ10は、車両11の乗員室12内に配置されるワイヤハーネス13に取り付けられる。ワイヤハーネス13は、1本または複数本の電線14(図2参照)を含む。本実施形態では、ワイヤハーネス13は、3本の電線14を含む。ワイヤハーネス13は、共に車両11に取り付けられる第1電気機器E1と第2電気機器E2とを電気的に接続する。
【0032】
第1電気機器E1としては、例えば、撮像装置などのセンサ装置が挙げられる。第1電気機器E1は、例えば、車両11のバックドアなど、車両11における乗員室12の後方寄りの位置に設けられる。
【0033】
第2電気機器E2としては、例えば、電子制御ユニット(ECU)などが挙げられる。第2電気機器E2は、例えば、乗員室12の前方近傍の位置における乗員室12の内部または外部に設けられる。なお、乗員室12は、車両11において運転手を含む搭乗者が搭乗する部屋である。
【0034】
第1電気機器E1と第2電気機器E2とを接続するワイヤハーネス13は、乗員室12内に配索される。プロテクタ10は、ワイヤハーネス13の長さ方向の所定の範囲を覆うことで、乗員室12内に配索されるワイヤハーネス13を保護する。また、プロテクタ10は、乗員室12における内装部材15(図3参照)に取り付けられる。
【0035】
(内装部材15の構成)
図3に示すように、乗員室12の内装部材15は、例えば、乗員室12を形成する床部材16と、床部材16に敷かれるフロアマット17とを含む。床部材16は、床部材16の表面の一部を形成するフロアカーペット18と、床形成部材19とを含む。フロアカーペット18は、例えば、不織布にて形成されたサイレンサなどの吸遮音部材の上面に設けられる。床形成部材19としては、例えば、フロアカーペット18の縁部に設けられるステップトリムや、車両11のスライドシートにおけるレール形成部材などが挙げられる。床形成部材19は、フロアカーペット18の表面上に重なる重なり部19aを有する。本実施形態のプロテクタ10は、後述する発光部材収容部23を重なり部19aとフロアカーペット18との間に挿入する態様で、床部材16に取り付けられる。
【0036】
(プロテクタ10の構成)
図2および図3に示すように、プロテクタ10は、ワイヤハーネス13を収容するワイヤハーネス収容部21と、発光部材22を収容する発光部材収容部23とを備える。ワイヤハーネス収容部21と発光部材収容部23とは、例えば、プロテクタ10の幅方向において並設されている。
【0037】
ワイヤハーネス収容部21は、ワイヤハーネス13の長さ方向に沿った長尺状をなしている。すなわち、ワイヤハーネス収容部21は、ワイヤハーネス13の長さ方向における広い範囲を覆っている。
【0038】
プロテクタ10は、例えば、発光部材収容部23を有するプロテクタ本体30と、プロテクタ本体30とは別体をなす別体部材40とから形成されている。別体部材40は、ワイヤハーネス収容部21の一部を形成している。プロテクタ本体30および別体部材40の各々は、例えば合成樹脂にて形成されている。
【0039】
(プロテクタ本体30の構成)
図3に示すように、プロテクタ本体30の発光部材収容部23は、第1底壁31と、第1底壁31からそれぞれ延出し、互いに対向する一対の第1側壁32,33とを有している。すなわち、発光部材収容部23は、例えば、プロテクタ10の長さ方向に直交する横断面形状が略U字状をなしている。一対の第1側壁32,33は、例えば、プロテクタ10の高さ方向に沿って延びている。なお、プロテクタ10は、例えば、プロテクタ10の高さ方向が床部材16の表面に対して略垂直をなすように配置される。なお、以下の説明では、プロテクタ10の高さ方向およびプロテクタ10の幅方向について、それぞれ単に高さ方向および幅方向と呼称する場合がある。
【0040】
発光部材収容部23は、例えば高さ方向の上側に開口する第1開口部34を有している。第1開口部34は、一対の第1側壁32,33の各々における第1底壁31とは反対側の端部によって形成されている。発光部材22は、第1開口部34を通じて一対の第1側壁32,33の間に収容される。
【0041】
発光部材22は、例えば、バータイプのLEDライトである。発光部材22は、プロテクタ10の長さ方向に沿って延びる長尺状をなしている。発光部材22は略直方体をなし、その少なくとも一側面に発光面22aを有している。発光部材22は、通電により発光面22aにて発光する。発光部材22は、発光部材収容部23に取り付けられた状態で、プロテクタ10の外部に対して露出状態とされる。
【0042】
発光部材22が発光部材収容部23に取り付けられた状態において、例えば、一方の第1側壁33は、発光部材22に当接しており、他方の第1側壁32は、発光部材22に対して離れている。第1側壁32は、例えば、発光部材22の発光面22aに対してプロテクタ10の幅方向に対向している。第1側壁32と発光面22aとの間には、例えば、他の部材等が何も介在されていない。
【0043】
第1側壁32は、発光部材22の発光面22aに対向する対向面35を有している。対向面35は、第1開口部34に向かって発光面22aから離れるように傾斜している。本実施形態では、対向面35は、プロテクタ10の高さ方向の上方に向かって発光面22aから離れるように傾斜している。これにより、図3中の破線矢印で示すように、発光部材22の光が、対向面35にて第1開口部34が開口する側(本実施形態では、高さ方向の上側)に反射するようになっている。
【0044】
プロテクタ本体30は、蓋部36と、蓋部36からそれぞれ延出する一対の外壁部37,38とを有している。蓋部36および一対の外壁部37,38は、ワイヤハーネス収容部21の一部を構成している。外壁部37,38は、例えば、蓋部36の幅方向両端部から高さ方向に沿って下方それぞれ延出している。一対の外壁部37,38は、プロテクタ10の幅方向において互いに対向する。一対の外壁部37,38の間には別体部材40が設けられる。
【0045】
一対の外壁部37,38のうちの外壁部37は、発光部材収容部23の第1側壁32と一体をなしている。すなわち、外壁部37と第1側壁32とは、1つの壁として形成されている。1つの壁として形成される外壁部37および第1側壁32は、ワイヤハーネス収容部21と発光部材収容部23とを区切る区画壁をなしている。すなわち、ワイヤハーネス収容部21と発光部材収容部23とは、区画壁としての第1側壁32を挟んで並設されている。
【0046】
(別体部材40の構成)
ワイヤハーネス収容部21の一部を形成する別体部材40は、ワイヤハーネス13の長さ方向に沿った長尺状をなしている。別体部材40は、第2底壁41と、第2底壁41からそれぞれ延出する一対の第2側壁42とを有している。一対の第2側壁42は、プロテクタ10の幅方向に互いに対向する。第2底壁41と一対の第2側壁42とは、互いに協働して別体部材40における溝部43を形成している。第2底壁41および一対の第2側壁42の各々は、例えば、別体部材40の長さ方向の全体に設けられている。別体部材40の横断面形状は、例えば、別体部材40の長さ方向全体にわたって一様をなしている。なお、発光部材収容部23の第1底壁31は、プロテクタ10の高さ方向において、例えば別体部材40の第2底壁41と同位置に設けられている。
【0047】
別体部材40の溝部43内には、ワイヤハーネス13の各電線14が配置される。各電線14を含むワイヤハーネス13は、ワイヤハーネス収容部21の長さ方向における溝部43の両端からプロテクタ10の外部に引き出される。別体部材40の溝部43は、高さ方向の上方に開口する第2開口部44を有している。第2開口部44は、一対の第2側壁42の各々における第2底壁41とは反対側の端部によって形成されている。各電線14は、例えば、第2開口部44から溝部43に収容される。
【0048】
別体部材40は、一対の第2側壁42の間において第2底壁41から延出する延出壁45を有している。延出壁45は、例えば、別体部材40の長さ方向に沿って直線状をなしている。延出壁45は、プロテクタ10の幅方向において各第2側壁42と対向している。延出壁45は、例えば、プロテクタ10の幅方向における第2底壁41の中央部に設けられている。第2底壁41に延出壁45が形成されていることで、第2底壁41の剛性が向上されている。プロテクタ10の高さ方向において、延出壁45の高さは、例えば、各第2側壁42と同じ高さに設定されている。電線14は、溝部43内において、例えば、延出壁45の幅方向の両側にそれぞれ収容される。
【0049】
プロテクタ本体30の蓋部36は、別体部材40に対して高さ方向の上側に位置する。すなわち、蓋部36は、溝部43の第2開口部44を塞ぐ。蓋部36は、プロテクタ10の高さ方向において別体部材40の第2底壁41と対向している。ワイヤハーネス収容部21は、プロテクタ本体30の蓋部36と、別体部材40の第2底壁41および一対の第2側壁42とによって筒状をなしている。そして、筒状をなすワイヤハーネス収容部21の内部に電線14を含むワイヤハーネス13が収容される。したがって、別体部材40の溝部43とプロテクタ本体30の蓋部36とによって、ワイヤハーネス13の外周を覆うことが可能となる。
【0050】
別体部材40の延出壁45は、その延出方向の先端部が蓋部36に接触可能に構成されている。なお、蓋部36に外力が加わっていない状態において、延出壁45の先端部が蓋部36に接触していてもよい。また、蓋部36に外力が加わっていない状態において、延出壁45の先端部と蓋部36との間にクリアランスが設定されていてもよい。この場合、外力などによって蓋部36が別体部材40の溝部43に向かって撓んだときに、蓋部36が延出壁45の先端部に接触可能であればよい。
【0051】
別体部材40は、プロテクタ本体30における一対の外壁部37,38の間に取り付けられている。プロテクタ本体30の一対の外壁部37,38は、プロテクタ10の幅方向における一対の第2側壁42の外側にそれぞれ位置している。
【0052】
一対の外壁部37,38の各々は、別体部材40を支持する支持部39を有している。支持部39は、例えば、各外壁部37,38の下端部に設けられている。各支持部39は、各外壁部37,38から幅方向内側に突出している。各支持部39は、ワイヤハーネス収容部21の長さ方向に沿った長尺状をなしている。これにより、支持部39を含む各外壁部37,38は、ワイヤハーネス収容部21の長さ方向に沿ったレール状をなす。なお、各支持部39は、ワイヤハーネス収容部21の長さ方向の全体にわたって設けられていてもよいし、ワイヤハーネス収容部21の長さ方向に対して部分的に設けられていてもよい。
【0053】
別体部材40は、一対の外壁部37,38の間に対して、ワイヤハーネス収容部21の長さ方向に沿って組付可能である。別体部材40がワイヤハーネス収容部21に対して長さ方向に沿って組み付けられる場合には、別体部材40は、レール状をなす一対の外壁部37,38によってガイドされる。
【0054】
各支持部39は、別体部材40の各第2側壁42に対してワイヤハーネス収容部21の高さ方向に引っ掛かるように構成されている。各支持部39は、例えば、各第2側壁42の下端部に引っ掛かるようになっている。これにより、別体部材40が一対の外壁部37,38の間から高さ方向の下側に脱落することが抑制されている。
【0055】
第1実施形態の作用について説明する。
車両11に第1電気機器E1を取り付ける場合、第1電気機器E1から延びるワイヤハーネス13を乗員室12内に配置する際にプロテクタ10を用いる。
【0056】
ワイヤハーネス13にプロテクタ10を取り付ける際には、まず、プロテクタ本体30から取り外された状態の別体部材40の溝部43にワイヤハーネス13を収容する。その後、ワイヤハーネス13が収容された別体部材40をプロテクタ本体30の一対の外壁部37,38の間に組み付ける。これにより、筒状をなすワイヤハーネス収容部21の内部にワイヤハーネス13が収容される。
【0057】
また、プロテクタ10をワイヤハーネス13に取り付ける前、または、プロテクタ10をワイヤハーネス13に取り付けた後において、プロテクタ10の発光部材収容部23に発光部材22を取り付ける。このとき、発光部材22の発光面22aが発光部材収容部23の対向面35に対向するように、発光部材22を取り付ける。
【0058】
次に、ワイヤハーネス13および発光部材22が収容されたプロテクタ10を、乗員室12の内装部材15に取り付ける。このとき、図3に示すように、発光部材22が収容された状態の発光部材収容部23を、床形成部材19の重なり部19aとフロアカーペット18との間に挿入する。これにより、発光部材収容部23および発光部材22が、重なり部19aとフロアカーペット18とに挟まれて保持される。なお、発光部材収容部23を重なり部19aとフロアカーペット18との間に挿入する際には、対向面35を重なり部19aとフロアカーペット18との間に入れないようにする。また、例えば、ワイヤハーネス収容部21の上面には、フロアマット17の縁部17aが被せられる。これにより、ワイヤハーネス収容部21およびワイヤハーネス13が、フロアマット17の裏側に隠れた位置に配置される。
【0059】
プロテクタ10が上記のように乗員室12に取り付けられた状態において、発光部材22の発光面22aから発せられた光の一部は、前述の傾斜形状を有する対向面35に照射される。対向面35に照射された発光部材22の光は、対向面35にて第1開口部34が開口する側、すなわち、高さ方向の上側に反射する。そして、対向面35で反射した発光部材22の光は、フロアマット17の縁部17aと重なり部19aの縁部との間を通じて床上に照射される。これにより、発光部材22の光が乗員室12内により明るく照射される。
【0060】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)プロテクタ10は、ワイヤハーネス13を収容するワイヤハーネス収容部21と、発光部材22を収容する発光部材収容部23とを備える。この構成によれば、乗員室12内に配置されるワイヤハーネス13をプロテクタ10によって保護することが可能となる。そして、プロテクタ10の発光部材収容部23に収容された発光部材22から発せられる光によって、乗員室12内の外観性を向上させることが可能となる。
【0061】
(1-2)発光部材収容部23は、第1底壁31を有している。発光部材収容部23は、第1底壁31の上に発光部材22が露出状態で配置されるように構成されている。この構成によれば、発光部材22を露出状態で発光部材収容部23に配置することで、発光部材22の光を乗員室12内に好適に照射させることが可能となる。
【0062】
(1-3)発光部材収容部23は、第1底壁31と、第1底壁31からそれぞれ延出し、互いに対向する一対の第1側壁32,33と、一対の第1側壁32,33の各々における第1底壁31とは反対側の端部によって形成される第1開口部34とを有している。発光部材収容部23は、発光部材22を第1開口部34を通じて一対の第1側壁32,33の間に収容可能に構成されている。この構成によれば、発光部材収容部23における一対の第1側壁32,33によって、発光部材22を安定して保持することが可能となる。
【0063】
(1-4)一対の第1側壁32,33のうちの第1側壁32は、発光部材22の発光面22aに対向する対向面35を有している。対向面35は、第1底壁31から第1開口部34に向かって発光面22aから離れるように傾斜している。この構成によれば、発光部材22の光を対向面35によって第1開口部34が開口する側に反射させることができる。これにより、発光部材22の光を乗員室12内に好適に照射させることが可能となる。
【0064】
(1-5)一対の第1側壁32,33のうちの第1側壁32は、ワイヤハーネス収容部21と発光部材収容部23とを区切る区画壁をなしている。この構成によれば、ワイヤハーネス収容部21と発光部材収容部23とが区画壁としての第1側壁32を挟んで並設されるため、プロテクタ10の小型化に寄与できる。
【0065】
(1-6)内装部材15は、乗員室12を形成する床部材16を含む。床部材16は、床部材16の表面の一部を形成するフロアカーペット18と、フロアカーペット18の表面上に重なる重なり部19aを有する床形成部材19とを含む。発光部材収容部23は、重なり部19aとフロアカーペット18との間に挿入可能に構成されている。この構成によれば、フロアカーペット18と床形成部材19の重なり部19aとの間に発光部材収容部23を挿入するだけで、プロテクタ10を床部材16に容易に取り付けることが可能となる。
【0066】
(1-7)プロテクタ10は、発光部材収容部23を有するプロテクタ本体30と、ワイヤハーネス収容部21の一部を形成し、プロテクタ本体30とは別体をなす別体部材40とを備える。別体部材40は、第2開口部44を含む溝部43を有している。プロテクタ本体30は、第2開口部44を塞ぐ蓋部36を有している。この構成によれば、別体部材40の溝部43とプロテクタ本体30の蓋部36とによって、ワイヤハーネス13を覆うことが可能となる。したがって、ワイヤハーネス13がプロテクタ10から露出しないように構成することが可能となる。
【0067】
(1-8)別体部材40は、第2底壁41と、第2底壁41からそれぞれ延出し、プロテクタ10の幅方向に互いに対向する一対の第2側壁42とを有している。第2底壁41と一対の第2側壁42とは、互いが協働して溝部43を形成している。溝部43の第2開口部44は、一対の第2側壁42の各々における第2底壁41とは反対側の端部によって形成されている。この構成によれば、第2底壁41と一対の第2側壁42とによって、別体部材40の溝部43を形成することが可能となる。
【0068】
(1-9)プロテクタ本体30は、蓋部36からそれぞれ延出し、プロテクタ10の幅方向に互いに対向する一対の外壁部37,38を有している。別体部材40が一対の外壁部37,38の間に取り付けられた状態において、一対の外壁部37,38は、幅方向に沿って、一対の第2側壁42のそれぞれの外側に位置する。この構成によれば、別体部材40の各第2側壁42がプロテクタ本体30の各外壁部37,38によって覆われるため、ワイヤハーネス収容部21の剛性を向上させることが可能となる。
【0069】
(1-10)一対の外壁部37,38の各々は、別体部材40を支持する支持部39を有している。この構成によれば、各外壁部37,38の支持部39によって、別体部材40が一対の外壁部37,38の間から脱落することを抑制することが可能となる。
【0070】
(1-11)発光部材収容部23において、一対の第1側壁32,33の少なくとも一方(上記第1実施形態では、一対の第1側壁32,33の両方)における上端位置が、発光部材22の上面よりも上方に設定されている。このように上端位置が設定された一対の第1側壁32,33の少なくとも一方によって、発光部材22を保護することが可能となる。
【0071】
(第2実施形態)
以下、プロテクタの第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態との相違点について主に説明し、第1実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部又は全部を省略する場合がある。
【0072】
図4および図5に示すように、プロテクタ10Aは、プロテクタ本体30および別体部材40に加えて、プロテクタ本体30に取り付けられる導光部材50を備える。
導光部材50は、プロテクタ本体30の長さ方向に沿った長尺状をなしている。導光部材50は、光を透過可能な透光性材料にて形成されている。導光部材50は、例えば、全体として透明樹脂にて形成されている。導光部材50を形成する透明樹脂としては、例えば、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。
【0073】
導光部材50は、乗員室12における内装部材15に連結される連結部60と、プロテクタ本体30に固定される固定部70とを有している。
(連結部60の構成)
図6に示すように、連結部60は、例えば、フロアマット17の縁部17aに連結可能に構成されている。詳しくは、連結部60は、フロアマット17の縁部17aをフロアマット17の厚さ方向に挟持可能な第1挟持部61および第2挟持部62と、第1挟持部61と第2挟持部62とを繋ぐ基部63とを有している。基部63は、例えば、プロテクタ10Aの幅方向における第1挟持部61の一端から上方に延出している。第2挟持部62は、基部63から延びて第1挟持部61と対向する。第1挟持部61と第2挟持部62とは、例えば、プロテクタ10Aの高さ方向において互いに対向している。第1挟持部61、第2挟持部62および基部63を含む連結部60は、ワイヤハーネス13の長さ方向から見た形状が例えば略U字状をなしている。
【0074】
連結部60は、第1挟持部61と第2挟持部62とによって、フロアマット17の縁部17aをフロアマット17の厚さ方向に挟持可能に構成されている。第2挟持部62は、第1挟持部61から離れる方向に撓むことが可能である。これにより、第2挟持部62は、第1挟持部61との間でフロアマット17の縁部17aを弾性的に挟み込むようになっている。連結部60は、例えば、ワイヤハーネス13の長さ方向に沿った長尺状をなしている。なお、連結部60は、導光部材50の長さ方向の全体にわたって設けられていてもよいし、導光部材50の長さ方向に対して部分的に設けられていてもよい。
【0075】
(固定部70の構成)
固定部70は、例えば、プロテクタ本体30におけるワイヤハーネス収容部21を構成する部位に固定される。固定部70は、例えば、ワイヤハーネス収容部21の上方と幅方向両側とを覆っている。なお、ワイヤハーネス収容部21と連結部60とは、ワイヤハーネス収容部21の高さ方向において並設されている。
【0076】
連結部60の第1挟持部61は、例えば固定部70の一部を形成している。すなわち、第1挟持部61は、連結部60および固定部70の両方を兼ねる部位である。
固定部70は、第1挟持部61と、第1挟持部61からそれぞれ延出する第1延出部71および第2延出部72とを有している。第1挟持部61は、プロテクタ本体30の蓋部36に対して高さ方向の上側に位置する。すなわち、第1挟持部61と蓋部36とは、高さ方向に互いに対向している。
【0077】
第1延出部71および第2延出部72は、例えば、第1挟持部61の幅方向両端部からそれぞれ延出している。第1延出部71と第2延出部72とは、プロテクタ10Aの高さ方向に沿った同方向に延出している。第1延出部71と第2延出部72とは、例えば、プロテクタ10Aの幅方向において互いに対向している。
【0078】
第1延出部71と第2延出部72との間には、ワイヤハーネス収容部21が配置されている。第1延出部71は、プロテクタ本体30における外壁部37の幅方向外側に位置しており、第2延出部72は、外壁部38の幅方向外側に位置している。なお、前述のように、外壁部37と発光部材収容部23の第1側壁32とは、1つの壁として形成されているため、第1延出部71は、第1側壁32の幅方向外側に位置しているとも言える。
【0079】
固定部70の第1延出部71は、第1係止部73を有している。第1係止部73は、例えば、第1延出部71の下端部から外壁部37に向かって突出する。外壁部37には、第1係止部73が入り込む係止凹部74が設けられている。また、固定部70の第2延出部72は、第2係止部75を有している。第1係止部73は、係止凹部74に対してプロテクタ10Aの高さ方向に引っ掛かる。第2係止部75は、例えば外壁部38の下端部に対してプロテクタ10Aの高さ方向に引っ掛かる。このように、第1係止部73および第2係止部75のプロテクタ本体30に対する引っ掛かりによって、導光部材50がプロテクタ本体30に固定される。
【0080】
導光部材50の第1延出部71は、発光部材収容部23に収容された発光部材22の発光面22aに対向している。第1延出部71と発光面22aとの間には、例えば、他の部材等が何も介在されていない。すなわち、発光面22aから発せられた光は、第1延出部71に入射するようになっている。
【0081】
連結部60の基部63は、第1挟持部61から高さ方向の上方に延出している。第1挟持部61から延出する基部63の根元位置は、例えば、プロテクタ10Aの幅方向において第1延出部71と同位置に設定されている。すなわち、基部63の根元と第1延出部71とは、プロテクタ10Aの高さ方向において並設されている。
【0082】
なお、第2実施形態における発光部材収容部23は、上記第1実施形態と同様に、床形成部材19の重なり部19aとフロアカーペット18との間に挿入されていてもよいし、当該間に挿入せずに床上に露出されるようにしてもよい。
【0083】
第2実施形態の作用について説明する。
導光部材50は、その一部が発光部材22の発光面22aと対向するように構成されている。本実施形態では、導光部材50の第1延出部71が、発光部材22の発光面22aに対して幅方向に対向する。発光部材22の発光面22aから発せられた光の一部は、例えば、第1延出部71から導光部材50の内部に進入し、基部63を伝って第2挟持部62まで進み、第2挟持部62から外部に放出される。これにより、連結部60が光って見えることで、乗員室12内の外観性の向上に寄与できる。
【0084】
第2実施形態の効果について説明する。
(2-1)プロテクタ10は、ワイヤハーネス収容部21の少なくとも一部を構成するプロテクタ本体30と、プロテクタ本体30に取り付けられる導光部材50とを備える。導光部材50は、発光部材22が発光部材収容部23に収容された状態で発光部材22の発光面22aに対向する対向部としての第1延出部71を有している。この構成によれば、発光部材22の光を、導光部材50を通じて好適に照射させることが可能となる。
【0085】
(2-2)プロテクタ本体30は、ワイヤハーネス収容部21および発光部材収容部23を有している。この構成によれば、ワイヤハーネス収容部21および発光部材収容部23を有するプロテクタ本体30と、導光部材50とによって、プロテクタ10を簡単な構成とすることが可能となる。また、プロテクタ本体30は、ワイヤハーネス13および発光部材22の保護を主な役割とする。導光部材50は、発光部材22の光の導光を主な役割とする。このように、プロテクタ本体30と導光部材50の役割が分けられるため、導光部材50に高い剛性を必要としない。これにより、導光部材50の材料の選択自由度を向上させることが可能となる。
【0086】
(2-3)導光部材50は、乗員室12における内装部材15に連結される連結部60を有している。この構成によれば、導光部材50の連結部60にてプロテクタ10を乗員室12の内装部材15に取り付けることが可能となる。これにより、プロテクタ10およびワイヤハーネス13の配置作業性を向上させることが可能となる。また、第1延出部71から導光部材50に進入した発光部材22の光の一部は、導光部材50内を通って連結部60から出射される。これにより、連結部60が光って見えることで、乗員室12内の外観性の向上に寄与できる。
【0087】
(2-4)内装部材15は、乗員室12を形成する床部材16に敷かれるフロアマット17を含む。連結部60は、フロアマット17の縁部17aに連結可能に構成されている。この構成によれば、ワイヤハーネス13を収容するプロテクタ10をフロアマット17の縁部17aに取り付けることが可能となる。したがって、内装部材15を構成する例えばインテリアトリムなどを着脱することなく、ワイヤハーネス13がプロテクタ10にて覆われて露出しない態様で、ワイヤハーネス13を乗員室12内に配置することが可能となる。
【0088】
(2-5)連結部60は、フロアマット17の縁部17aをフロアマット17の厚さ方向に挟持する一対の挟持部(第1挟持部61および第2挟持部62)を有している。この構成によれば、フロアマット17の縁部17aを第1挟持部61と第2挟持部62との間に挟み込ませるだけで、導光部材50を含むプロテクタ10をフロアマット17に容易に取り付けることが可能となる。また、第1延出部71から導光部材50に進入した発光部材22の光の一部は、第2挟持部62に導かれる。すなわち、発光部材22の光をフロアマット17の上面側に導くことが可能となる。したがって、乗員室12内において発光部材22の光をより明るく見せることが可能となる。
【0089】
(2-6)フロアマット17の縁部17aに連結される連結部60は、ワイヤハーネス収容部21の高さ方向の上方に設けられている。これにより、ワイヤハーネス収容部21およびワイヤハーネス13を、フロアマット17の裏側に隠れた位置に配置することが可能となる。
【0090】
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第1実施形態において、発光面22aが第1側壁33を向くように発光部材22を取り付ける場合、第1側壁33に対向面35を設けてもよい。発光部材22が発光面22aを幅方向の両側に有する場合、一対の第1側壁32,33の両方に対向面35を設けてもよい。
【0091】
・上記第1実施形態では、プロテクタ10は、発光部材収容部23が床形成部材19の重なり部19aとフロアカーペット18との間に挿入される態様で床部材16に配置されるが、特にこれに限らない。例えば、プロテクタ10は、フロアカーペット18や床形成部材19などの上に単に載置される構成であってもよい。また、プロテクタ10は、床部材16の例えば床形成部材19に対して接着などにより固定されてもよい。
【0092】
・上記第1実施形態において、プロテクタ10を取り付ける対象は、乗員室12の床部材16に限定されない。例えば、プロテクタ10を取り付ける対象が、乗員室12の側壁や天井部材であってもよい。例えば、プロテクタ10を取り付ける対象が天井部材の場合、発光部材収容部23は、天井部材に含まれるルーフライニングとインテリアトリムとの間に挿入されてもよい。
【0093】
・上記第2実施形態では、プロテクタ本体30が発光部材収容部23を備えるが、これに限らず、例えば、導光部材50が発光部材収容部23を備えていてもよい。
・上記第2実施形態において、ワイヤハーネス収容部21と連結部60とが、プロテクタ10の幅方向において並設されていてもよい。
【0094】
・上記第2実施形態における導光部材50では、発光部材22の発光面22aに対向する対向部を第1延出部71としたが、これに限らず、発光部材22の発光面22aに対向する対向部を導光部材50における第1延出部71以外の部位に設定してもよい。
【0095】
・上記各実施形態の発光部材収容部23において、発光部材22を収容するための第1開口部34がプロテクタ10,10Aの幅方向に開口していてもよい。
・上記各実施形態の発光部材収容部23において、第1側壁33を省略してもよい。この場合、発光部材22を発光部材収容部23の第1底壁31に接着などにより固定してもよい。
【0096】
・上記各実施形態において、ワイヤハーネス収容部21と発光部材収容部23とは、プロテクタ10,10Aの幅方向において並設されていてもよい。
・上記各実施形態のプロテクタ10,10Aにおいて、別体部材40が省略された構成であってもよい。すなわち、ワイヤハーネス収容部21の全体がプロテクタ本体30に備えられる構成であってもよい。
【0097】
・上記各実施形態において、発光部材22は、バータイプのLEDライトに限定されない。例えば、バータイプではない複数のLEDライトを発光部材収容部23に対しプロテクタ10,10Aの長さ方向に並設してもよい。
【0098】
・ワイヤハーネス13に含まれる電線14の数は、上記各実施形態に限定されるものではなく、2本以下、または4本以上であってもよい。
・今回開示された各実施形態及び変更例はすべての点で例示であって、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0099】
10,10A プロテクタ
11 車両
12 乗員室
13 ワイヤハーネス
14 電線
15 内装部材
16 床部材
17 フロアマット
17a 縁部
18 フロアカーペット
19 床形成部材
19a 重なり部
21 ワイヤハーネス収容部
22 発光部材
22a 発光面
23 発光部材収容部
30 プロテクタ本体
31 第1底壁
32 第1側壁(区画壁)
33 第1側壁
34 第1開口部
35 対向面
36 蓋部
37,38 一対の外壁部
39 支持部
40 別体部材
41 第2底壁
42 第2側壁
43 溝部
44 第2開口部
45 延出壁
50 導光部材
60 連結部
61 第1挟持部(一対の挟持部の1つ)
62 第2挟持部(一対の挟持部の1つ)
63 基部
70 固定部
71 第1延出部(対向部)
72 第2延出部
73 第1係止部
74 係止凹部
75 第2係止部
E1 第1電気機器
E2 第2電気機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6