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特開2024-162874シュリンクラベルおよびシュリンクラベル付き容器の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162874
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】シュリンクラベルおよびシュリンクラベル付き容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/04 20060101AFI20241114BHJP
   B65D 23/08 20060101ALI20241114BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20241114BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G09F3/04 C
B65D23/08
B65D25/20 N
G09F3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078827
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】童銅 はる香
(72)【発明者】
【氏名】土橋 英訓
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA09
3E062AB02
3E062AC02
3E062BB02
3E062DA07
3E062EA02
3E062EB01
3E062JA04
3E062JB05
3E062JC02
(57)【要約】
【課題】作業の円滑さを損なうことなく、用いる材料の量を減らすことができるシュリンクラベルを提供する。
【解決手段】シュリンクラベル101は、対象物に上から下に向かってまたは下から上に向かって被せるために扁平状態で供給される筒状のシュリンクラベルであって、本体層6と、本体層6よりも内側に配置された透明なメジウム層4とを備える。本体層6の内側の面は、上下方向に延在する第1領域41と、第2領域42と、シール領域とを有する。第1領域41においては、本体層6はメジウム層4によって覆われており、かつ、メジウム層4が最内層をなしており、第2領域42においては、本体層6はメジウム層4によって覆われていない。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に上から下に向かってまたは下から上に向かって被せるために扁平状態で供給される筒状のシュリンクラベルであって、
本体層と、
前記本体層よりも内側に配置された透明なメジウム層とを備え、
前記本体層の内側の面は、上下方向に延在する第1領域と、第2領域と、接合に用いるためのシール領域とを有し、前記第1領域においては、前記本体層は前記メジウム層によって覆われており、かつ、前記メジウム層が最内層をなしており、前記第2領域においては、前記本体層は前記メジウム層によって覆われていない、シュリンクラベル。
【請求項2】
前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際に既に折り返されている2本の第1折返し部と、
前記2本の第1折返し部に挟まれた領域を分割しつつ前記2本の第1折返し部とは平行になるように配置され、前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際には折り返されていないが前記対象物に被せられる際には折り目となる偶数本の第2折返し部とを有し、
前記第1領域は、
前記シュリンクラベルの上端部および下端部においてそれぞれ横方向に延在することによってそれぞれ環状となっている上端環状部および下端環状部と、
前記上端環状部と前記下端環状部とをつなぐように前記2本の第1折返し部に沿って帯状に配置された第1連結部と、
前記上端環状部と前記下端環状部とをつなぐように前記偶数本の第2折返し部に沿って帯状に配置された第2連結部とを含む、請求項1に記載のシュリンクラベル。
【請求項3】
前記本体層は、
樹脂からなる透明な基材層と、
前記基材層よりも内側において前記基材層の少なくとも一部を覆うように配置された白インキ層とを含み、
前記第2領域においては、前記白インキ層が露出している、請求項1または2に記載のシュリンクラベル。
【請求項4】
請求項1または2に記載のシュリンクラベルを用意する工程を含む、シュリンクラベル付き容器の製造方法であって、
前記シュリンクラベルは、前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際に既に折り返されている2本の第1折返し部と、前記2本の第1折返し部に挟まれた領域を分割しつつ前記2本の第1折返し部とは平行になるように配置され、前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際には折り返されていないが前記対象物に被せられる際には折り目となる偶数本の第2折返し部とを有し、
前記製造方法は、
前記2本の第1折返し部での折返し状態を解消して、前記偶数本の第2折返し部のうちの2本の前記第2折返し部において折り返されている状態となるように、前記シュリンクラベルを変形する工程を含む、シュリンクラベル付き容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュリンクラベルおよびシュリンクラベル付き容器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物に筒状のシュリンクラベルを被せることによって対象物を包装するという技術が知られている。対象物は、たとえば容器である。ここでいう容器は、たとえば飲み物、食品、薬、トイレタリー製品などの容器である。ここでいう容器とは、たとえばペットボトル、カップ、ガラス瓶、金属缶などである。
【0003】
このようなシュリンクラベルは、通常、筒状かつ長尺状であって、ロール状で供給され、これを切断することによって、所望の長さの筒状のシュリンクラベルが得られる。
【0004】
シュリンクラベルは、薄いものであり、筒が扁平に潰れた状態で供給されるが、これを対象物に被せるためには筒の入り口を広げる作業が必要である。この作業を円滑に行なえるようにするために、シュリンクラベル自体にある程度の強度を持たせる必要がある。
【0005】
また、シュリンクラベルの内面が帯電していると、内面同士が付着し、筒の入り口を円滑に開口させることができなくなるので、このような事態を防ぐために帯電防止層を設けることが、特許第5930760号(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5930760号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、シュリンクラベルを構成する材料の単価が高騰していることから、シュリンクラベルの製造コストを下げることが求められている。そのためには、シュリンクラベルの製造に用いる材料の量を減らすことが考えられる。ただし、シュリンクラベルを適切に搬送し、筒の入り口を開口し、対象物に被せる作業は円滑に行なえることが必要である。
【0008】
そこで、本発明は、作業の円滑さを損なうことなく、用いる材料の量を減らすことができるシュリンクラベルを提供することを目的とする。また、用いる材料の量を減らすことができれば、環境面に優れたシュリンクラベルとなることが期待できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に基づくシュリンクラベルは、対象物に上から下に向かってまたは下から上に向かって被せるために扁平状態で供給される筒状のシュリンクラベル、本体層と、上記本体層であってよりも内側に配置された透明なメジウム層とを備え、上記本体層の内側の面は、上下方向に延在する第1領域と、第2領域と、接合に用いるためのシール領域とを有し、上記第1領域においては、上記本体層は上記メジウム層によって覆われており、かつ、上記メジウム層が最内層をなしており、上記第2領域においては、上記本体層は上記メジウム層によって覆われていない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1領域においては本体層がメジウム層によって覆われており、かつ、第2領域においては本体層がメジウム層によって覆われていないので、作業の円滑さを損なうことなく、用いる材料の量を減らすことができるシュリンクラベルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルの使用方法のうち第1段階の状態を示す図である。
図2】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルの使用方法のうち第2段階の状態を示す図である。
図3】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルの使用方法のうち第3段階の状態を示す図である。
図4】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルの供給元となるロールの概念図である。
図5】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルがロールから切り分けられた状態の概念図である。
図6】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルの開口部を広げた状態の説明図である。
図7】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルを第2折返し部で折られた状態に変形した後の様子の説明図である。
図8】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルが搬送される様子の斜視図である。
図9】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルを対象物に被せるために再び広げた状態の斜視図である。
図10】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルを展開して内面が見えるようにした状態の平面図である。
図11】本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
(構成)
図1図11を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるシュリンクラベルについて説明する。
【0013】
まず、本実施の形態におけるシュリンクラベル101の使用方法について説明する。図1に示すように、シュリンクラベル101は、四角柱の筒状となっている。ここでは、一例として四角柱としているが、四角柱以外の多角形の柱であってもよい。シュリンクラベル101は、側面の1ヶ所にシール部11を備える。シュリンクラベル101は、上端および下端に開口部10を有する。図1に示すように、対象物としての容器5に上から被せられる。容器5は、たとえばペットボトルであってよい。容器5にシュリンクラベル101を被せた結果、図2に示すようになる。この状態で、全体に熱風、スチーム、過熱水蒸気などを吹き当てることによって、シュリンクラベル101が収縮し、図3に示すようになる。すなわち、容器5の外表面にシュリンクラベル101が装着された状態となる。
【0014】
シュリンクラベルは、元々、長尺状であり、図4に示すように、ロール501として供給される。ここでいう「長尺状」とは、複数の個別のシュリンクラベル101に相当するものが長手方向につながった状態を意味する。この状態の長尺状のシュリンクラベルを「原反」と呼ぶ場合もある。シュリンクラベルは、この長尺状の状態でも筒状であるが、扁平に折り畳まれた状態となっている。この時点で、ロール501から引き出されるラベルは、第1折返し部51a,51bを備える。図4では、説明の便宜のために開口部10をわずかに開いた状態で表示している。実際には、開口部10は全く開いていない状態であってもよい。図4に示されたロール501から個別のシュリンクラベル101として切り分けられた状態を図5に示す。
【0015】
図5に示すように、シュリンクラベル101は、第1折返し部51a,51bと、第2折返し部52a,52bとを備える。第1折返し部51a,51bは既に折られている部分である。第2折返し部52a,52bはこの時点ではまだ折られていない。第2折返し部52a,52bは、これから折られる予定の部分である。ここでは説明の便宜のために、シュリンクラベル101は、立てた状態で表示されている。図6に示すように、開口部10を広げる。矢印93に示すように、第1折返し部51a,51bを互いに近づけつつ、矢印94に示すように、第2折返し部52a,52bを互いに引き離す。この変形には、たとえばテトラガイドと呼ばれる折返し位置変更治具を用いてもよい。その結果、図7に示すようになる。この状態では、シュリンクラベル101は、第2折返し部52a,52bで折られることによって扁平な状態となっている。第1折返し部51a,51bは、直前まで折られていたので折り跡はついているが折られていない状態となっている。この状態のシュリンクラベル101は、図8に示すように、保持具12a,12bによって搬送される。保持具12a,12bの各々は、2本の棒状の部材を含む。保持具12aは2本の棒状の部材によってシュリンクラベル101を挟んで保持する。保持具12bも同様である。保持具12a,12bによる保持は、第1折返し部51a,51bにも第2折返し部52a,52bにも重ならない部位で行なわれる。図8に示した例では、第1折返し部51a,51bと第2折返し部52aとの間の中間部において保持具12aがシュリンクラベル101を保持し、第1折返し部51a,51bと第2折返し部52bとの間の中間部において保持具12bがシュリンクラベル101を保持している。保持具12a,12bによって搬送される間は、第2折返し部52a,52bの近傍はフリーの状態である。すなわち、第2折返し部52a,52bの近傍は多少変位することが可能である。保持具12aによって挟まれた部分においては、第2領域42同士が当接する領域が存在する。第2領域42については、後述する。保持具12bによって挟まれた部分においても同様である。
【0016】
このあと、シュリンクラベル101は、対象物に被せるために再び広げられる。その広げられた状態を図9に示す。図9に示されるように、筒状のシュリンクラベル101の内面には、第1領域41と第2領域42とが存在する。保持具12a,12bのシュリンクラベル101に当接する面には吸引機構が設けられていることが好ましい。シュリンクラベル101を広げて図9に示される状態にするためには、保持具12a,12bの吸引機構を用いてシュリンクラベル101の外側の表面を吸引しながら引っ張って広げることが好ましい。特に、外側の表面を吸引しながらラベル101を広げる場合、保持具12aによって挟まれた部分においては、第2領域42同士が当接する領域が存在し、第2領域42同士が当接する領域では白インキ層が露出する面同士が当接していることが好ましい。
【0017】
図9に示すように、2本の第1折返し部51a,51bと、2本の第2折返し部52a,52bとの合計4ヶ所でそれぞれ約90°折り返された状態の四角柱の筒状となってシュリンクラベルは、対象物に被せられる。
【0018】
既に図9に示したように、シュリンクラベル101の内面には、第1領域41と第2領域42とが存在する。この内面をより詳しく説明するために、シール部11における接合を解除してシュリンクラベル101の全体を展開した状態を図10に示す。図10は、図9における内面を見ている状態である。図10においてハッチングを付された領域の全てが第1領域41である。図10における左端部にはシール領域45が設けられている。シール領域45の範囲を明確に示すために、図10では、シール領域45にドットハッチングが付されている。シール領域45は、シール部11を形成するために溶剤が塗布される領域である。シュリンクラベル101の左端部にあるシール領域45に対して右端部が重ねられる。すなわち、シール領域45の内側に右端部が重ねられる。シール領域45を用いて接合されることによってシール部11が形成され、図9ではシュリンクラベル101は筒状となっている。シール領域45の全体が右端部の外側に重なる場合は、シュリンクラベル101が筒状となった際に、筒の内側にはシール領域45は露出せず、筒の内面は、第1領域41と第2領域42とによって構成される。第1折返し部51a,51bおよび第2折返し部52a,52bは、それぞれ上下方向に延在している。
【0019】
図10において、シール領域45以外の領域のうちハッチングを付されていない領域の全てが第2領域42である。ここで示す例では、第1領域41は、上端環状部411と、下端環状部412と、第1連結部415と、第2連結部416とを含む。上端環状部411は、図10においては、シュリンクラベル101の上端で幅W1で左右に線状に延在する領域として示されている。下端環状部412は、図10においては、シュリンクラベル101の下端で幅W2で左右に線状に延在する領域として示されている。第1連結部415および第2連結部416は、それぞれ上下方向に延在している。第2領域42は、第1領域41によって隔てられることによって、いくつかの長方形の領域に分かれている。第2領域42の分割された複数の領域のうちの1つおよびその近傍のいくらかの第1領域41の断面図を図11に示す。図11において、矢印91は、対象物に装着されたときの外側、矢印92は対象物に装着されたときの内側を意味する。
【0020】
本実施の形態におけるシュリンクラベル101は、以下のように表現することができる。シュリンクラベル101は、対象物に上から下に向かってまたは下から上に向かって被せるために扁平状態で供給される筒状のシュリンクラベルであって、本体層6と、本体層6よりも内側に配置された透明なメジウム層4とを備える。本体層6の内側の面は、第1領域41と、第2領域42と、接合に用いるためのシール領域45とを有する。第1領域41においては、本体層6はメジウム層4によって覆われており、かつ、メジウム層4が最内層をなしている。第2領域42においては、本体層6はメジウム層4によって覆われていない。
【0021】
なお、本体層6は、基材層1と、発色インキ層2と、白インキ層3とを含む。基材層1は、透明である。基材層1は樹脂によって形成されている。発色インキ層2は、商品に関する情報などを表示するために基材層1の内側の表面に印刷されて形成された層である。白インキ層3は、発色インキ層2を覆うように印刷された層である。発色インキ層2は、本体層6の必ずしも全域に存在するとは限らない。白インキ層3は、本体層6の必ずしも全域に存在するとは限らない。シール領域45においては、基材層1は存在するが、発色インキ層2および白インキ層3は存在しない。
【0022】
(作用・効果)
本実施の形態では、本体層6の内側の面に、第2領域42が存在する、すなわち、本体層6がメジウム層4によって覆われていない領域が存在するので、メジウム層4の材料の使用量を節減することができる。すなわち、用いる材料の量を減らすことができる。本体層6の内側の面には第1領域41も存在し、第1領域41においては、本体層6がメジウム層4によって覆われているので、シュリンクラベル101に一定の強度をもたせることができる。こうしてシュリンクラベル101に一定の強度をもたせることによって、筒の入り口を開口したり対象物に被せたりする作業も円滑に行なうことができる。
【0023】
以上のことから、本実施の形態では、作業の円滑さを損なうことなく、用いる材料の量を減らすことができるシュリンクラベルを提供することができる。
【0024】
なお、本実施の形態では、シュリンクラベル101は、対象物に対して上から下に向かって被せるためのものとして説明したが、これに限らない。たとえばシュリンクラベルは、対象物に対して下から上に向かって被せるためのものであってもよい。あるいは、さらに他の方向から被せるためのものであってもよい。
【0025】
なお、本実施の形態で示したように、シュリンクラベル101は、シュリンクラベル101が扁平状態で供給される際に既に折り返されている2本の第1折返し部51a,51bと、2本の第1折返し部51a,51bに挟まれた領域を分割しつつ2本の第1折返し部51a,51bとは平行になるように配置され、シュリンクラベル101が扁平状態で供給される際には折り返されていないが前記対象物に被せられる際には折り目となる偶数本の第2折返し部52a,52bとを有し、第1領域41は、シュリンクラベル101の上端部および下端部においてそれぞれ横方向に延在することによってそれぞれ環状となっている上端環状部411および下端環状部412と、上端環状部411と下端環状部412とをつなぐように2本の第1折返し部51a,51bに沿って帯状に配置された第1連結部415と、上端環状部411と下端環状部412とをつなぐように前記偶数本の第2折返し部52a,52bに沿って帯状に配置された第2連結部416とを含むことが好ましい。このような構成を採用することにより、効率良く、全体の強度を確保しつつ、メジウム層4に用いる材料の量を節減することができる。第1連結部415および第2連結部416は、筒状のシュリンクラベル101にとって柱のような存在となり、シュリンクラベル101の自立性を確保し、圧縮強度を高めることができる。なお、偶数本の第2折返し部による、2本の第1折返し部51a,51bに挟まれた領域の分割は、等分になるようになされることが好ましい。
【0026】
なお、第1連結部415は、前記第1折返し部を挟んで片側当たり1mm以上15mm以下の幅を有し、第2連結部416は、前記第2折返し部を挟んで片側当たり1mm以上15mm以下の幅を有することが好ましい。すなわち、C1が1mm以上15mm以下であり、C2も1mm以上15mm以下であることが好ましい。この構成を採用することにより、メジウム層4の材料の使用量を抑えつつ十分な強度を確保することができる。
【0027】
上端環状部411の幅W1は5mm以上であることが好ましい。この構成を採用することにより、シュリンクラベル101を対象物に装着する作業が行ないやすくなり、対象物に装着する際の上端近傍における折れ込み、シュリンク時のしわ発生を防ぐことができる。
【0028】
下端環状部412の幅W2は20mm以上であることが好ましい。この構成を採用することにより、シュリンクラベル101を対象物に装着する作業が行ないやすくなり、対象物に装着する際の下端近傍における折れ込み、シュリンク時のしわ発生を防ぐことができる。
【0029】
基材層1の厚みは、30μm以下であることが好ましい。基材層1がこのように薄い場合には、特にシュリンクラベル101の全体の強度が不足しがちとなるので、本実施の形態で示したような構成を採用することによって強度を確保することができ、効果をより大きく享受することができる。基材層1は、発色インキ層2および白インキ層3を支持することが可能な部材である。基材層1は、熱収縮性を有する材料で形成されている。基材層1を90℃の熱水に10秒間浸漬したときの基材層1の主収縮方向における熱収縮率は、たとえば30%以上であり、好ましくは50%以上である。
【0030】
基材層1に含まれる樹脂としては、たとえば、熱可塑性樹脂を用いることができる。基材層1は、たとえば、シュリンクフィルムである。基材層1に含まれる樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。基材層1に含まれる樹脂としては、ポリエステル系樹脂を用いることができる。ポリエステル系樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などを挙げることができる。基材層1に含まれる樹脂としては、スチレン-ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂を用いることができる。基材層1に含まれる樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などを用いることができる。基材層1は、たとえば、上述した樹脂のうちから選択される1種類以上を含む単一層から構成されていてもよく、このような単一層が複数積層された形の複数層から構成されていてもよい。
【0031】
基材層1は、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、またはこれらの樹脂の組合せで形成されていることが好ましい。ここでいう組合せとは、ポリエステル系樹脂層とポリスチレン系樹脂層の積層体を含む。基材層1は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、またはこれらの樹脂の組合せであることがより好ましい。ここでいうポリエチレンテレフタレート系樹脂は、変性ポリエチレンテレフタレートを含む。
【0032】
基材層1は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含むことが特に好ましい。
基材層1の厚みは、たとえば10μm以上50μm以下であることが好ましく、特に、10μm以上30μm以下であることが好ましい。
【0033】
本実施の形態で示したように、本体層6は、樹脂からなる透明な基材層1と、基材層1よりも内側において基材層1の少なくとも一部を覆うように配置された白インキ層3とを含み、第2領域42においては、白インキ層3が露出していることが好ましい。この構成を採用することにより、裏側に透けてしまうべきではない領域においては白インキ層3によって透けることを防ぐことができ、良好なラベルを実現することができる。
【0034】
より現実的には、本体層6は、基材層1よりも内側において基材層1の少なくとも一部を覆うように配置された発色インキ層2を含み、白インキ層3は、発色インキ層2よりも内側において発色インキ層2の少なくとも一部を覆うように配置されている。この構成を採用することにより、発色インキ層2によって必要な情報を発色インキ層2によって表現して外側に向けて表示しつつ、裏側に透けてしまうべきではない領域においては白インキ層3によって透けることを防ぐことができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、本体層6の一部である基材層1は透明であるものとして説明したが、これはあくまで一例である。基材層1は不透明であってもよい。基材層1が不透明である場合には、発色インキ層2は基材層1の外側の面に配置される。この場合には、白インキ層3は発色インキ層2と基材層1との間に配置されてもよく、白インキ層3は配置されなくてもよい。あるいは、基材層1が不透明で、発色インキ層2は基材層1の外側の面に配置されている構成において、白インキ層3は基材層1の内側の面に配置されてもよい。
【0036】
なお、本実施の形態では、第2領域42においては白インキ層3が露出しているものとして説明したが、これはあくまで一例である。
【0037】
本実施の形態で示したように、前記対象物は、ペットボトルであることが好ましい。この構成を採用することにより、効率良く作業してペットボトルに安定した包装をすることができる。
【0038】
なお、上記実施の形態では、対象物がペットボトルである例を示したが、対象物はペットボトル以外であってもよい。
【0039】
上記実施の形態では、シュリンクラベル101が四角柱の筒状である例を示したが、シュリンクラベルは、たとえば六角柱、八角柱などの筒状であってもよい。上記実施の形態では、第2折返し部の数が2である例を示したが、第2折返し部の数は4以上の偶数であってもよい。
【0040】
なお、対象物へのラベル装着適性の観点から、第1領域41の摩擦係数よりも第2領域42の摩擦係数の方が大きいことが好ましい。ここでいう摩擦係数は、静止摩擦係数である。ここでいう摩擦係数は、水を滴下しない乾燥状態で、シュリンクラベルの内面の同種領域同士を当接させるように重ね合わせてJIS K 7125に準拠して測定されるものである。第1領域41の摩擦係数は、0.1以上0.7以下であることが好ましい。第2領域42の摩擦係数は、0.2以上1.0未満であることが好ましい。第1領域41の第2領域42に対する面積比は、20/80以上90/10以下であることが好ましい。特に、20/80以上60/40であることが好ましい。
【0041】
(製造方法)
本実施の形態におけるシュリンクラベル付き容器の製造方法について説明する。本実施の形態におけるシュリンクラベル付き容器の製造方法は、上述のシュリンクラベルを用意する工程を含む。この製造方法においては、前記シュリンクラベルは、前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際に既に折り返されている2本の第1折返し部と、前記2本の第1折返し部に挟まれた領域を分割しつつ前記2本の第1折返し部とは平行になるように配置され、前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際には折り返されていないが前記対象物に被せられる際には折り目となる偶数本の第2折返し部とを有する。この製造方法は、前記2本の第1折返し部での折返し状態を解消して、前記偶数本の第2折返し部のうちの2本の前記第2折返し部において折り返されている状態となるように、前記シュリンクラベルを変形する工程を含む。
【0042】
この製造方法を採用することにより、シュリンクラベル付き容器を容易に得ることができる。
【0043】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0044】
(付記1)
対象物に上から下に向かってまたは下から上に向かって被せるために扁平状態で供給される筒状のシュリンクラベルであって、
本体層と、
前記本体層よりも内側に配置された透明なメジウム層とを備え、
前記本体層の内側の面は、上下方向に延在する第1領域と、第2領域と、シール領域とを有し、前記第1領域においては、前記本体層は前記メジウム層によって覆われており、かつ、前記メジウム層が最内層をなしており、前記第2領域においては、前記本体層は前記メジウム層によって覆われていない、シュリンクラベル。
【0045】
(付記2)
前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際に既に折り返されている2本の第1折返し部と、
前記2本の第1折返し部に挟まれた領域を分割しつつ前記2本の第1折返し部とは平行になるように配置され、前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際には折り返されていないが前記対象物に被せられる際には折り目となる偶数本の第2折返し部とを有し、
前記第1領域は、
前記シュリンクラベルの上端部および下端部においてそれぞれ横方向に延在することによってそれぞれ環状となっている上端環状部および下端環状部と、
前記上端環状部と前記下端環状部とをつなぐように前記2本の第1折返し部に沿って帯状に配置された第1連結部と、
前記上端環状部と前記下端環状部とをつなぐように前記偶数本の第2折返し部に沿って帯状に配置された第2連結部とを含む、付記1に記載のシュリンクラベル。
【0046】
(付記3)
前記本体層は、
樹脂からなる透明な基材層と、
前記基材層よりも内側において前記基材層の少なくとも一部を覆うように配置された白インキ層とを含み、
前記第2領域においては、前記白インキ層が露出している、付記1または2に記載のシュリンクラベル。
【0047】
(付記4)
付記1から3のいずれか1項に記載のシュリンクラベルを用意する工程を含む、シュリンクラベル付き容器の製造方法であって、
前記シュリンクラベルは、前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際に既に折り返されている2本の第1折返し部と、前記2本の第1折返し部に挟まれた領域を分割しつつ前記2本の第1折返し部とは平行になるように配置され、前記シュリンクラベルが扁平状態で供給される際には折り返されていないが前記対象物に被せられる際には折り目となる偶数本の第2折返し部とを有し、
前記製造方法は、
前記2本の第1折返し部での折返し状態を解消して、前記偶数本の第2折返し部のうちの2本の前記第2折返し部において折り返されている状態となるように、前記シュリンクラベルを変形する工程を含む、シュリンクラベル付き容器の製造方法。
【符号の説明】
【0048】
1 基材層、2 発色インキ層、3 白インキ層、4 メジウム層、5 容器、6 本体層、10 開口部、11 シール部、12a,12b 保持具、41 第1領域、42 第2領域、45 シール領域、51a,51b 第1折返し部、52a,52b 第2折返し部、91,92,93,94 矢印、101 シュリンクラベル、411 上端環状部、412 下端環状部、415 第1連結部、416 第2連結部、501 ロール。
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