(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162879
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241114BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241114BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20241114BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 386
G06F3/12 304
G06F3/12 353
G06F3/12 373
H04N1/00 127B
H04N1/00 127A
G06F21/31
B41J29/38 201
B41J29/38 203
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078836
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP04
2C061AP07
2C061AR01
2C061AR03
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN08
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC30
5C062AC34
5C062AF12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能な画像形成システムを提供する。
【解決手段】サーバー、ユーザー端末および画像形成装置からなる画像形成システムであって、前記サーバーは、前記ユーザー端末にコードを送信し、前記画像形成装置からユーザー認証情報を受信した場合、前記ユーザー認証情報と関連付けられた印刷データをサーバー記憶部から取得して、前記画像形成装置に送信し、前記ユーザー端末は、前記コードを端末表示部に表示させ、前記画像形成装置は、コードを読み取って前記コードに含まれる前記ユーザー認証情報を取得し、前記サーバーに前記ユーザー認証情報を送信し、前記サーバーから前記印刷データを受信し印刷設定画面を表示し、操作部がユーザーからの印刷設定を受け付け、前記印刷データの印刷設定完了画面を表示し、前記操作部が前記印刷データの印刷指令を受け、前記印刷データに基づく画像を形成させる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたサーバー、ユーザー端末および画像形成装置からなる画像形成システムであって、
前記サーバーは、予めアップロードされた印刷データをユーザー認証情報と関連付けて記憶するサーバー記憶部と、前記ユーザー認証情報を含むコードを発行するコード発行部とを備え、前記ユーザー端末の要求に対し前記コードを送信し、前記画像形成装置から前記ユーザー認証情報を受信した場合、前記ユーザー認証情報と関連付けられた前記印刷データを前記サーバー記憶部から取得して、前記画像形成装置に送信し、
前記ユーザー端末は、ユーザーに各種情報を表示する端末表示部を備え、前記サーバーから前記コードを受信すると、前記コードを前記端末表示部に表示させ、
前記画像形成装置は、前記コードを読み取って前記コードに含まれる前記ユーザー認証情報を取得するコード読取部と、ユーザーに各種情報を表示する表示部と、ユーザーの指令を受け付ける操作部と、前記サーバーから受信した印刷データに基づき画像を形成する画像形成部とを備え、前記コード読取部が前記ユーザー認証情報を取得した場合、前記サーバーに前記ユーザー認証情報を送信し、前記サーバーから前記ユーザー認証情報と関連付けられた前記印刷データを受信した場合、前記表示部に前記印刷データの印刷設定画面を表示させ、前記操作部がユーザーからの印刷設定を受け付けた場合、前記表示部に前記印刷設定を反映させた前記印刷データの印刷設定完了画面を表示させ、前記操作部が前記印刷データの印刷指令を受け付けた場合、前記画像形成部に前記印刷データに基づく画像を形成させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記サーバー記憶部は、予めアップロードされた印刷データに印刷設定が付加されている場合、前記印刷データおよび前記印刷設定をユーザー認証情報と関連付けて記憶し、
前記サーバーは、前記画像形成装置から前記ユーザー認証情報を受信した場合、前記ユーザー認証情報と関連付けられた前記印刷データおよび前記印刷設定を前記サーバー記憶部から取得して、前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置は、前記サーバーから前記印刷データおよび前記印刷設定を受信した場合、前記表示部に前記印刷設定を反映させた前記印刷データの印刷設定完了画面を表示させ、前記操作部がユーザーからの印刷指令を受け付けた場合、前記画像形成部に前記印刷データに基づく画像を形成させる、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記サーバー記憶部は、前記ユーザー認証情報ごとに印刷履歴を記憶し、予めアップロードされた印刷データに印刷設定が付加されていない場合、前記印刷データに関連する前記印刷履歴に基づく印刷設定を前記印刷データとともにユーザー認証情報と関連付けて記憶し、
前記画像形成装置は、前記画像形成部に前記印刷データに基づく画像を形成させた後、前記サーバーに前記印刷データの印刷履歴を送信する、請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記サーバー記憶部は、予めアップロードされた複数の印刷データをユーザー認証情報と関連付けて記憶し、
前記サーバーは、前記画像形成装置から前記ユーザー認証情報を受信した場合、前記ユーザー認証情報と関連付けられた前記複数の印刷データを前記サーバー記憶部から取得して、前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置は、前記サーバーから前記複数の印刷データを受信した場合、前記表示部に前記複数の印刷データのリストを表示させ、前記操作部が前記複数の印刷データのうち印刷すべき前記印刷データの選択を受け付けた場合、前記表示部に前記印刷データの印刷設定画面を表示させる、請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記サーバー記憶部は、予めアップロードされた印刷データを複数のユーザー認証をグループ化したグループ認証情報と関連付けて記憶し、
前記コード発行部は、前記グループ認証情報を含むコードを発行し、
前記サーバーは、前記画像形成装置から前記グループ認証情報を受信した場合、前記グループ認証情報と関連付けられた前記印刷データを前記サーバー記憶部から取得して、前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置は、前記サーバーから前記印刷データを受信した場合、前記表示部に前記グループ認証情報に予め関連付けられた共有フォルダを表示させ、前記操作部が前記共有フォルダの選択を受け付けた場合、前記表示部に前記印刷データの印刷設定画面を表示させる、請求項1または2に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク上のプリントサービスシステムにアクセスして印刷を行う際に、ユーザー情報に対応付けられて予め登録されたMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)等の画像形成装置のリストから、ユーザーが利用したい画像形成装置を選択して印刷を行うプリントサービスが提供されている。
【0003】
このようなプリントサービスにおいて、画像形成装置においてユーザーがユーザー認証に成功した場合に、ネットワーク上のプリントサービスシステムから、前記ユーザーが使用する画像形成装置として前記プリントサービスシステムに登録されている各画像形成装置の登録名称のリストを取得して表示し、当該リストの中から印刷出力先の画像形成装置の選択を受け付け、一致するものがある場合に、当該画像形成装置が印刷出力先として選択状態とする画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、認証されたユーザー情報に対応付けられた印刷設定をネットワークプリントサービスシステムから取得して印刷を行う画像形成装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、コンビニエンスストア等のパブリックスペースに設置されたマルチコピー機等の画像形成装置は、現在さまざまな種類のものが出回っており、その種類によって使える機能も異なる。
【0007】
それゆえ、ある店舗のマルチコピー機で利用した機能が、別の店舗のマルチコピー機で利用できないこともあり、認証されたユーザー情報に基づく印刷履歴・印刷設定を異なる種類のマルチコピー機の間で活用できないという問題があった。
【0008】
また、同じ種類のマルチコピー機で印刷を行う場合であっても、印刷データを保存するユーザーと、印刷を行うユーザーが異なる場合もあり、印刷データを保存したユーザーがどのような意図で印刷設定を行ったのか、印刷を行うユーザーが把握しづらいという問題もあった。
【0009】
この開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能な画像形成システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この開示による画像形成システムは、ネットワークを介して接続されたサーバー、ユーザー端末および画像形成装置からなる画像形成システムであって、前記サーバーは、予めアップロードされた印刷データをユーザー認証情報と関連付けて記憶するサーバー記憶部と、前記ユーザー認証情報を含むコードを発行するコード発行部とを備え、前記ユーザー端末の要求に対し前記コードを送信し、前記画像形成装置から前記ユーザー認証情報を受信した場合、前記ユーザー認証情報と関連付けられた前記印刷データを前記サーバー記憶部から取得して、前記画像形成装置に送信し、前記ユーザー端末は、ユーザーに各種情報を表示する端末表示部を備え、前記サーバーから前記コードを受信すると、前記コードを前記端末表示部に表示させ、前記画像形成装置は、前記コードを読み取って前記コードに含まれる前記ユーザー認証情報を取得するコード読取部と、ユーザーに各種情報を表示する表示部と、ユーザーの指令を受け付ける操作部と、前記サーバーから受信した印刷データに基づき画像を形成する画像形成部とを備え、前記コード読取部が前記ユーザー認証情報を取得した場合、前記サーバーに前記ユーザー認証情報を送信し、前記サーバーから前記ユーザー認証情報と関連付けられた前記印刷データを受信した場合、前記表示部に前記印刷データの印刷設定画面を表示させ、前記操作部がユーザーからの印刷設定を受け付けた場合、前記表示部に前記印刷設定を反映させた前記印刷データの印刷設定完了画面を表示させ、前記操作部が前記印刷データの印刷指令を受け付けた場合、前記画像形成部に前記印刷データに基づく画像を形成させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この開示によれば、画像形成装置のコード読取部にコードを読み取らせるだけで、印刷設定画面が表示されるため、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能な画像形成システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この開示の実施形態1に係る画像形成システムの一例を示す説明図である。
【
図2】
図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1のサーバーの概略構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1のユーザー端末からサーバーへの印刷データの登録、サーバーによるユーザー番号・QRコード(登録商標)の発行・送信およびデジタル複合機への印刷データの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図1の画像形成システムのQRコードを用いた印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図1のデジタル複合機の表示部に表示された初期画面の一例である。
【
図8】
図1のデジタル複合機の表示部に表示されたネットワークプリントのユーザー番号入力画面の一例である。
【
図9】
図1のユーザー端末の表示部に表示されたQRコードの一例である。
【
図10】
図1のデジタル複合機の表示部に表示されたネットワークプリントの印刷設定完了画面の一例である。
【
図11】
図1のデジタル複合機の表示部に表示されたネットワークプリントの印刷設定画面の一例である。
【
図12】
図1のデジタル複合機の表示部に表示されたネットワークプリントの印刷完了画面の一例である。
【
図13】この開示の実施形態2に係る画像形成システムにおいて、ユーザー端末からサーバーへの印刷データの登録、サーバーによるユーザー番号・QRコードの発行・送信およびデジタル複合機への印刷データの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】この開示の実施形態2に係る画像形成システムにおいて、あるユーザーの過去の印刷履歴のリストの一例である。
【
図15】この開示の実施形態2に係る画像形成システムのQRコードを用いた印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】この開示の実施形態3に係る画像形成システムのQRコードを用いた印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】この開示の実施形態3に係る画像形成システムにおいて、複数の印刷ファイルがある場合の選択画面の一例である。
【
図18】この開示の実施形態4に係る画像形成システムにおいて、ユーザー端末からサーバーへの印刷データの登録、サーバーによるユーザー番号・QRコードの発行・送信およびデジタル複合機への印刷データの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図19】この開示の実施形態4に係る画像形成システムのQRコードを用いた印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図20】この開示の実施形態4に係る画像形成システムにおいて、複数の共有フォルダがある場合の選択画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この開示において、「画像形成装置」は、複写(コピー機能)機能を有する複写機や複合機、または複写以外の機能をも含むMFPなど、画像を形成して出力する装置である。
「ユーザー端末」は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯情報端末である。
「予めアップロードされた印刷データ」は、ユーザー端末からのアップロードに限られず、他の端末からアップロードされた印刷データであってもよい。
「コード」は、例えば、バーコード等の1次元コードや、QRコード(登録商標)等の2次元コードである。
【0014】
さらに、この開示の好ましい態様について説明する。
【0015】
この開示による画像形成システムにおいて、前記サーバー記憶部は、予めアップロードされた印刷データに印刷設定が付加されている場合、前記印刷データおよび前記印刷設定をユーザー認証情報と関連付けて記憶し、前記サーバーは、前記画像形成装置から前記ユーザー認証情報を受信した場合、前記ユーザー認証情報と関連付けられた前記印刷データおよび前記印刷設定を前記サーバー記憶部から取得して、前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置は、前記サーバーから前記印刷データおよび前記印刷設定を受信した場合、前記表示部に前記印刷設定を反映させた前記印刷データの印刷設定完了画面を表示させ、前記操作部がユーザーからの印刷指令を受け付けた場合、前記画像形成部に前記印刷データに基づく画像を形成させるものであってもよい。
【0016】
このようにすれば、印刷設定がされた印刷データがサーバーにアップロードされた場合は、画像形成装置のコード読取部にコードを読み取らせるだけで、当該印刷設定が自動で付加されるため、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能な画像形成システムを実現できる。
【0017】
この開示による画像形成システムにおいて、前記サーバー記憶部は、前記ユーザー認証情報ごとに印刷履歴を記憶し、予めアップロードされた印刷データに印刷設定が付加されていない場合、前記印刷データに関連する前記印刷履歴に基づく印刷設定を前記印刷データとともにユーザー認証情報と関連付けて記憶し、前記画像形成装置は、前記画像形成部に前記印刷データに基づく画像を形成させた後、前記サーバーに前記印刷データの印刷履歴を送信するものであってもよい。
【0018】
「前記印刷データに関連する前記印刷履歴」は、例えば、ファイル拡張子が同じか否か、直近(例えば、過去1週間)の印刷時期に印刷された印刷ジョブか否か、ファイル名の構成がある程度(例えば、50%以上)同じか否かなどの予め定められた判断基準に基づいて判断する。
【0019】
このようにすれば、印刷設定がされていない印刷データがサーバーにアップロードされた場合は、過去の印刷履歴に基づく印刷設定が付加されるため、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能な画像形成システムを実現できる。
【0020】
この開示による画像形成システムにおいて、前記サーバー記憶部は、予めアップロードされた複数の印刷データをユーザー認証情報と関連付けて記憶し、前記サーバーは、前記画像形成装置から前記ユーザー認証情報を受信した場合、前記ユーザー認証情報と関連付けられた前記複数の印刷データを前記サーバー記憶部から取得して、前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置は、前記サーバーから前記複数の印刷データを受信した場合、前記表示部に前記複数の印刷データのリストを表示させ、前記操作部が前記複数の印刷データのうち印刷すべき前記印刷データの選択を受け付けた場合、前記表示部に前記印刷データの印刷設定画面を表示させるものであってもよい。
【0021】
このようにすれば、複数の印刷ファイルを印刷する場合においても、画像形成装置のコード読取部にコードを読み取らせるだけで、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能な画像形成システムを実現できる。
【0022】
この開示による画像形成システムにおいて、前記サーバー記憶部は、予めアップロードされた印刷データを複数のユーザー認証をグループ化したグループ認証情報と関連付けて記憶し、前記コード発行部は、前記グループ認証情報を含むコードを発行し、前記サーバーは、前記画像形成装置から前記グループ認証情報を受信した場合、前記グループ認証情報と関連付けられた前記印刷データを前記サーバー記憶部から取得して、前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置は、前記サーバーから前記印刷データを受信した場合、前記表示部に前記グループ認証情報に予め関連付けられた共有フォルダを表示させ、前記操作部が前記共有フォルダの選択を受け付けた場合、前記表示部に前記印刷データの印刷設定画面を表示させるものであってもよい。
【0023】
このようにすれば、企業などのグループの共有フォルダに印刷データをサーバーにアップロードして画像形成装置のコード読取部にコードを読み取らせるだけで、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能な画像形成システムを実現できる。
【0024】
以下、図面を用いてこの開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この開示を限定するものと解されるべきではない。
【0025】
〔実施形態1〕
図1~
図4に基づき、この開示の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機1から構成される画像形成システム100について説明する。
【0026】
図1は、この開示の実施形態1に係る画像形成システム100の一例を示す説明図である。
【0027】
図1に示すように、画像形成システム100は、ネットワーク4を介して互いに接続されたデジタル複合機1、ユーザー端末2およびサーバー3から構成される。
【0028】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、コピー機能やプリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を有する複合機やMFPなどの装置である。
【0029】
ユーザー端末2は、スマートフォン等の携帯端末である。
ユーザー端末2は、ネットワーク4を通じて、サーバー3に印刷データを送信してQRコードを受信し、当該QRコードをデジタル複合機1に読み取らせて、サーバー3から印刷データを取得して印刷ジョブを実行させる。
【0030】
サーバー3は、ネットワークプリントに必要な印刷データを記憶し、当該印刷データに紐づけられたQRコードを発行する装置である。
また、サーバー3は、クラウド上で構成されるクラウドサーバーであってもよい。
【0031】
ネットワーク4は、デジタル複合機1、ユーザー端末2およびサーバー3を相互に接続する広域ネットワーク(WAN)などのネットワークであり、有線・無線のいずれであってもよい。
【0032】
図2は、
図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像データ取得部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、ユーザー認証部16、操作パネル17およびコード読取部18を備える。
【0034】
以下、デジタル複合機1の各構成要素について説明する。
【0035】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read only memory)、各種のインターフェース回路等からなる。
【0036】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0037】
画像データ取得部11は、ネットワーク4を通じて外部のサーバー等から画像データを取得する部分である。
【0038】
画像形成部12は、画像データ取得部11によって取得され、画像処理部14によって処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分である。
【0039】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体が用いられる。
【0040】
記憶部13は、印刷等のジョブに関する情報や画像データなどジョブの実行に必要なデータを記憶する。
また、記憶部13は、ユーザー認証用に記憶されたユーザーのログイン名やパスワードなどの情報を記憶する。
【0041】
なお、データを保持する領域をハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域をフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0042】
画像処理部14は、操作部172やサーバー3を通じて取得された印刷等のジョブの指令の解析結果に基づき、画像データ取得部11から入力された画像データを適正な電気信号に変換して拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0043】
通信部15は、ネットワークを介して、外部のサーバー3等と通信を行い、印刷データやジョブの履歴など、種々の情報を送受信する部分である。
【0044】
ユーザー認証部16は、操作部172から入力されたログイン名やパスワード等の情報と、記憶部13またはサーバー3から取得した対応情報とを比較することによって、当該ユーザーが正規ユーザーであるか否かの認証を行う部分である。
【0045】
操作パネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部171および操作部172を備える。
【0046】
表示部171は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
【0047】
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0048】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0049】
コード読取部18は、ユーザー端末2の表示部251に表示されたQRコード等のネットワークプリントサービスのコードを取得する部分である。
【0050】
<ユーザー端末2の概略構成>
図3は、
図1のユーザー端末2の概略構成を示すブロック図である。
【0051】
図3に示すように、ユーザー端末2は、制御部20、記憶部21、画像処理部22、通信部23、ユーザー認証部24および操作パネル25を備える。
【0052】
制御部20は、ユーザー端末2を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
【0053】
記憶部21は、ユーザー端末2の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
【0054】
画像処理部22は、操作部252の指令に基づき、表示部251に表示される画像の拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0055】
通信部23は、ネットワークを介して、デジタル複合機1やサーバー3等と通信を行い、印刷データやQRコード等の各種データを送受信する部分である。
【0056】
ユーザー認証部24は、操作部252から入力されたログイン名やパスワード等の情報と、記憶部21に予め記録された対応情報とを比較することによって、当該ユーザーが正規ユーザーであるか否かの認証を行う部分である。
【0057】
操作パネル25は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部251および操作部252を備える。
【0058】
表示部171は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
【0059】
制御部10は、表示部171を通じて、ユーザー端末2の動作および状態の表示を行う。
【0060】
操作部172は、ユーザー端末2を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0061】
<サーバー3の概略構成>
次に、
図4に基づき、サーバー3の概略構成を説明する。
図4は、
図1のサーバー3の概略構成を示すブロック図である。
【0062】
図4に示すように、サーバー3は、制御部30、記憶部31、画像処理部32、通信部33、表示部34、操作部35およびコード発行部36を備える。
【0063】
以下、サーバー3の各構成要素について説明する。
【0064】
制御部30は、サーバー3を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
【0065】
記憶部31は、サーバー3の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
【0066】
記憶部31は、ユーザー端末2から受信したネットワークプリント用の印刷データを記憶する。
【0067】
画像処理部32は、操作部35の指令に基づき、表示部34に表示される画像の拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0068】
通信部33は、ネットワークを介して、デジタル複合機1およびユーザー端末2等と通信を行い、印刷データやQRコード等の各種データを送受信する部分である。
【0069】
表示部34は、液晶パネル等から構成された表示パネルを有し、各種情報の表示を行う部分である。
表示部34は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
【0070】
制御部30は、表示部34を通じて、サーバー3の動作および状態の表示を行う。
【0071】
操作部35は、サーバー3を操作するためのインターフェースであり、サーバー3の管理ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0072】
<この開示の実施形態1のサーバー3への印刷データの登録およびデジタル複合機1への送信処理の一例>
次に、
図5に基づき、この開示の実施形態1のサーバー3への印刷データの登録、サーバー3によるユーザー番号・QRコードの発行・送信およびデジタル複合機1への送信処理の一例について説明する。
【0073】
図5は、
図1のユーザー端末からサーバーへの印刷データの登録、QRコードの発行・送信およびデジタル複合機への印刷データの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
図5のステップS1において、サーバー3は、ユーザー端末2からネットワークプリント用の印刷データがアップロードされたか否かを判定する(ステップS1)。
【0075】
なお、印刷データをアップロードするユーザー端末2と、デジタル複合機1にQRコードを読み取らせるユーザー端末2は同一である必要はない。
【0076】
例えば、ユーザーのパーソナルコンピューターから印刷データをサーバー3にアップロードし、ユーザーの携帯端末に当該印刷データに対して発行されたQRコードを取得してデジタル複合機1に読み取らせるようにしてもよい。
【0077】
印刷データがアップロードされた場合(ステップS1の判定がYesの場合)、ステップS2において、サーバー3の制御部30は、当該印刷データに印刷設定が付加されているか否かを判断する(ステップS2)。
【0078】
印刷データに印刷設定が付加されている場合(ステップS2の判定がYesの場合)、ステップS3において、制御部30は、当該印刷データに対し、ユーザー番号を発行し、また、コード発行部36にQRコードを発行させ、当該印刷データおよび印刷設定を関連付けて記憶部31に保存する(ステップS3)。
【0079】
一方、印刷データに印刷設定が付加されていない場合(ステップS2の判定がNoの場合)、ステップS4において、制御部30は、当該印刷データに対し、ユーザー番号を発行し、また、コード発行部36にQRコードを発行させ、当該印刷データを関連付けて記憶部31に保存する(ステップS4)。
【0080】
その後、ステップS5において、制御部30は、デジタル複合機1から問い合わせがあったか否かを判定する(ステップS5)。
【0081】
デジタル複合機1から問い合わせがあった場合(ステップS5の判定がYesの場合)、ステップS6において、制御部30は、デジタル複合機1から取得したユーザー番号に基づき、印刷データを特定する(ステップS6)。
【0082】
続くステップS7において、制御部30は、当該印刷データに印刷設定が付加されているか否かを判定する(ステップS7)。
【0083】
印刷データに印刷設定が付加されている場合(ステップS7の判定がYesの場合)、ステップS8において、制御部30は、当該印刷データおよび印刷設定をデジタル複合機1に送信して(ステップS8)、処理を終了する。
【0084】
一方、印刷データに印刷設定が付加されていない場合(ステップS7の判定がNoの場合)、ステップS9において、制御部30は、当該印刷データをデジタル複合機1に送信して(ステップS9)、処理を終了する。
【0085】
<この開示の実施形態1のデジタル複合機1のQRコードを用いた印刷処理の一例>
次に、
図6~
図12に基づき、この開示の実施形態1のデジタル複合機1のQRコードを用いた印刷処理の一例について説明する。
【0086】
図6は、
図1の画像形成システム100のQRコードを用いた印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0087】
図6のステップS11において、デジタル複合機1の制御部10は、コード読取部18がQRコードを取得したか否かを判定する(ステップS11)。
【0088】
図7は、
図1のデジタル複合機1の表示部171に表示された初期画面の一例である。
【0089】
ユーザーは、ネットワークプリントによる印刷を行う場合、
図7に示すように、「ネットワークプリント」ボタンを選択する。
【0090】
図8は、
図1のデジタル複合機1の表示部171に表示されたネットワークプリントのユーザー番号入力画面の一例である。
【0091】
図7の初期画面において、「ネットワークプリント」ボタンが選択されると、
図8に示すユーザー番号入力画面が表示部171に表示される。
【0092】
従来の方法では、ユーザーは、サーバー3によって発行されたユーザー番号を
図8に示される所定の入力フォームに入力していた。
【0093】
一方、この開示の実施形態1では、ユーザー番号を入力する代わりに、サーバー3によって発行されたQRコードをデジタル複合機1に読み取らせる。
【0094】
図9は、
図1のユーザー端末2の表示部251に表示されたQRコードの一例である。
【0095】
図9の例において、表示部251に「QRコードをマルチコピー機にかざしてください。」というメッセージとともにQRコードが表示される。
ユーザーは、指示どおりにコード読取部18にQRコードをかざして読み取らせる。
【0096】
図6のステップS11において、コード読取部18がQRコードを取得した場合(ステップS11の判定がYesの場合)、ステップS12において、制御部10は、当該QRコードから取得したユーザー番号に基づき、サーバー3に印刷データの問い合わせを行う(ステップS12)。
【0097】
次に、ステップS13において、制御部10は、サーバー3から印刷データ/印刷設定を受信したか否かを判定する(ステップS13)。
【0098】
サーバー3から印刷データ/印刷設定を受信した場合(ステップS13の判定がYesの場合)、ステップS14において、制御部10は、当該印刷データ/印刷設定を表示部171に表示させ、印刷設定・印刷実行指令を受け付ける(ステップS14)。
【0099】
具体的には、サーバー3から印刷データおよび印刷設定を受信した場合は、制御部10は、当該印刷設定を反映した印刷設定完了画面を表示部171に表示させ、設定変更・印刷実行指令を受け付ける。
【0100】
図10は、
図1のデジタル複合機1の表示部171に表示されたネットワークプリントの印刷設定完了画面の一例である。
【0101】
図10の例において、印刷データ「製菓メーカー_20181003.pdf」および「フルカラー」「両面設定しない」「1部」等の印刷設定が表示部171に表示されている。
【0102】
なお、この画面において、ユーザーは設定変更を行ってもよい。
一方、設定に問題がない場合は、ユーザーは、右下の「スタート」ボタンを押下して印刷を実行する。
【0103】
一方、サーバー3から印刷設定なしで印刷データのみを受信した場合は、制御部10は、当該印刷データの印刷設定画面を表示部171に表示させ、設定指令を受け付ける。
【0104】
図11は、
図1のデジタル複合機1の表示部171に表示されたネットワークプリントの印刷設定画面の一例である。
この画面において、ユーザーは印刷設定を行った後、「つぎへ」ボタンを押下すると、
図10の印刷設定完了画面に遷移する。
【0105】
次に、
図6のステップS15において、制御部10は、印刷実行指令を受け付けたか否かを判定する(ステップS15)。
【0106】
印刷実行指令を受け付けた場合(ステップS15の判定がYesの場合)、ステップS16において、制御部10は、画像形成部12に印刷設定を反映した印刷データの印刷を実行させる(ステップS16)。
【0107】
印刷が完了すると、続くステップS17において、制御部10は、表示部171に印刷完了画面を表示させて(ステップS17)、処理を終了する。
【0108】
図12は、
図1のデジタル複合機1の表示部171に表示されたネットワークプリントの印刷完了画面の一例である。
【0109】
このようにして、QRコードを読み取らせるだけで、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0110】
〔実施形態2〕
次に、
図13~
図15に基づき、この開示の実施形態2の画像形成システム100において、サーバー3への印刷データの登録およびデジタル複合機1への送信処理の別の一例について説明する。
【0111】
実施形態1では、印刷設定がされていない印刷データがアップロードされた場合、当該印刷データをそのままデジタル複合機1に送信し、ユーザーに印刷設定させる点に特徴があった。
【0112】
一方、実施形態2では、印刷設定がされていない印刷データがアップロードされた場合、当該印刷データに関連する過去の印刷履歴データがある場合は、当該印刷データに
過去の印刷履歴に基づく印刷設定を付加してデジタル複合機1に送信する点に特徴がある。
【0113】
実施形態2に係る画像形成システム100の概略構成は、
図1~
図4(実施形態1)と同様であるため、説明を省略する。
【0114】
図13は、この開示の実施形態2に係る画像形成システム100において、ユーザー端末2からサーバー3への印刷データの登録、サーバー3によるユーザー番号・QRコードの発行・送信およびデジタル複合機1への印刷データの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0115】
図13のステップS21~S28の処理は、
図5(実施形態1)のステップS1~S8の処理にそれぞれ対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図5に記載のない
図13のステップS29~S33の処理について説明する。
【0116】
図13のステップS27において、印刷データに印刷設定が付加されていない場合(ステップS27の判定がNoの場合)、ステップS29において、サーバー3の制御部30は、当該印刷データに関連する過去の印刷履歴データがあるか否かを判定する(ステップS29)。
【0117】
図14は、この開示の実施形態2に係る画像形成システム100において、あるユーザーの過去の印刷履歴のリストの一例である。
【0118】
図14の例において、「ファイル拡張子」、「印刷時期」、「ファイル名」、「印刷設定」の履歴が記憶部31に記憶される。
【0119】
「ファイル拡張子」としては、例えば、「docx」、「xlsx」、「pptx」などがあげられる。
【0120】
「印刷設定」としては、例えば、「カラー/モノクロ」、「用紙サイズ」、「両面/片面」、「印刷部数」などがあげられる。
【0121】
過去の印刷履歴がアップロードされた印刷データに関連するか否かの判断基準としては、例えば、ファイル拡張子が同じか否か、直近(例えば、過去1週間)の印刷時期に印刷された印刷ジョブか否か、ファイル名の構成がある程度(例えば、50%以上)同じか否かなどに基づいて判断する。
【0122】
そして、関連する印刷履歴があれば、当該印刷設定をアップロードされた印刷データに付加する。
なお、関連する印刷履歴が複数あり、それらの印刷設定が異なる場合は、もっとも直近の印刷設定を付加する。
【0123】
また、関連する印刷履歴において、10件中8件が「モノクロ」で、残り2件が「カラー」である場合は、「カラー」の設定を付加するなど、利用頻度が高いほうの印刷設定を付加するようにしてもよい。
【0124】
図13のステップS29において、アップロードされた印刷データに関連する過去の印刷履歴データがある場合(ステップS29の判定がYesの場合)、ステップS30において、制御部30は、当該印刷データに当該印刷履歴データに基づく印刷設定をデジタル複合機1に送信する。
【0125】
(実施例1)
例えば、2022年4月7日にユーザーが拡張子「docx」、ファイル名「〇〇仕様書Ver.3」の印刷データを印刷設定なしでアップロードした場合、そのユーザーの過去1週間の印刷履歴のうち、2022年4月1日付けの拡張子「docx」、ファイル名「〇〇仕様書Ver.2」の印刷履歴データが見つかる(
図14の2行目)。
そこで、この印刷履歴データの印刷設定「カラー、A4用紙、両面、5部」をアップロードされた印刷データに付加してデジタル複合機1に送信する。
【0126】
一方、ステップS29において、アップロードされた印刷データに関連する過去の印刷履歴データない場合(ステップS29の判定がNoの場合)、ステップS31において、制御部30は、当該印刷データをデジタル複合機1に送信する。
【0127】
(実施例2)
例えば、2022年4月7日にユーザーが拡張子「jpeg」、ファイル名「市場写真」の印刷データを印刷設定なしでアップロードした場合、そのユーザーの過去1週間の印刷履歴には、同じ「jpeg」のファイル拡張子の印刷履歴データがないため、当該印刷データをデジタル複合機1に送信してユーザーに設定させる。
【0128】
そして、ステップS28,S30またはS31の処理が終わった後、ステップS32において、制御部30は、デジタル複合機1から印刷履歴を受信したか否かを判定する(ステップS32)。
【0129】
デジタル複合機1から印刷履歴を受信した場合(ステップS32の判定がYesの場合)、ステップS33において、制御部30は、当該印刷履歴を記憶部31に記憶させた後に(ステップS33)、処理を終了する。
【0130】
一方、デジタル複合機1から印刷履歴を受信していない場合(ステップS32の判定がNoの場合)、制御部30は、そのまま処理を終了する。
【0131】
図15は、この開示の実施形態2に係る画像形成システム100のQRコードを用いた印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0132】
図15のステップS41~S47の処理は、
図6(実施形態1)のステップS11~S17の処理にそれぞれ対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図6に記載のない
図15のステップS48の処理について説明する。
【0133】
図15のステップS47において、表示部171に印刷完了画面を表示させた後(ステップS47)、ステップS48において、デジタル複合機1の制御部10は、サーバー3に印刷履歴を送信して(ステップS48)、処理を終了する。
【0134】
このようにして、印刷設定がされていない印刷データがアップロードされた場合は、過去の印刷履歴に基づく印刷設定が付加されるため、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0135】
〔実施形態3〕
次に、
図16および
図17に基づき、この開示の実施形態3の画像形成システム100において、デジタル複合機1のQRコードを用いた印刷処理の別の一例について説明する。
【0136】
実施形態3では、ユーザーが複数の印刷データをサーバー3にアップロードした場合を想定する。
【0137】
実施形態3に係る画像形成システム100の概略構成は、
図1~
図4(実施形態1)と同様であるため、説明を省略する。
【0138】
図16は、この開示の実施形態3に係る画像形成システム100のQRコードを用いた印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0139】
図16のステップS51~S53およびS56~S59の処理は、
図6(実施形態1)のステップS11~S17の処理にそれぞれ対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図6に記載のない
図16のステップS54およびS55の処理について説明する。
【0140】
図16のステップS53において、サーバー3から印刷データ/印刷設定を受信した場合(ステップS53の判定がYesの場合)、ステップS54において、制御部10は、複数の印刷データがあるか否かを判定する(ステップS54)。
【0141】
複数の印刷データがある場合(ステップS54の判定がYesの場合)、ステップS55において、制御部10は、印刷ファイルの選択を受け付ける(ステップS55)。
【0142】
図17は、この開示の実施形態3に係る画像形成システム100において、複数の印刷ファイルがある場合の選択画面の一例である。
【0143】
図17の例において、「登録名称02.pdf」および「登録名称05.pdf」の2つの印刷ファイルが選択されている。
ユーザーは、印刷ファイルを選択した後、「つぎへ」ボタンを押下すると、印刷設定完了画面に遷移する。
この場合、すべてのファイルについて、印刷設定は共通となる。
【0144】
一方、ステップS54において、印刷データが1つのみの場合(ステップS54の判定がNoの場合)、ステップS56において、制御部10は、当該印刷データ/印刷設定を表示部171に表示させ、印刷設定・印刷実行指令を受け付ける(ステップS56)。
【0145】
このようにして、複数の印刷ファイルを印刷する場合においても、QRコードを読み取らせるだけで、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0146】
〔実施形態4〕
次に、
図18~
図20に基づき、この開示の実施形態4の画像形成システム100において、デジタル複合機1のQRコードを用いた印刷処理の別の一例について説明する。
【0147】
実施形態1~3では、個人ユーザーが印刷データをサーバー3にアップロードした場合を想定した。
【0148】
一方、実施形態4では、企業のファイル登録者が印刷データをサーバー3の共有フォルダにアップロードする場合を想定する。
【0149】
実施形態4に係る画像形成システム100の概略構成は、
図1~
図4(実施形態1)と同様であるため、説明を省略する。
【0150】
図18は、この開示の実施形態4に係る画像形成システム100において、ユーザー端末2からサーバー3の共有フォルダへの印刷データの登録、サーバー3によるグループ番号・QRコードの発行・送信およびデジタル複合機1への印刷データの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0151】
図18のステップS61において、サーバー3は、ユーザー端末2からネットワークプリント用の印刷データが共有フォルダにアップロードされたか否かを判定する(ステップS61)。
【0152】
印刷データが共有フォルダにアップロードされた場合(ステップS61の判定がYesの場合)、ステップS62において、サーバー3の制御部30は、当該印刷データに印刷設定が付加されているか否かを判断する(ステップS62)。
【0153】
印刷データに印刷設定が付加されている場合(ステップS62の判定がYesの場合)、ステップS63において、制御部30は、当該印刷データに対し、グループ番号を発行し、また、コード発行部36にQRコードを発行させ、当該印刷データおよび印刷設定を関連付けて記憶部31に保存する(ステップS63)。
【0154】
一方、印刷データに印刷設定が付加されていない場合(ステップS62の判定がNoの場合)、ステップS64において、制御部30は、当該印刷データに対し、グループ番号を発行し、また、コード発行部36にQRコードを発行させ、当該印刷データを関連付けて記憶部31に保存する(ステップS64)。
【0155】
その後、ステップS65において、制御部30は、デジタル複合機1から問い合わせがあったか否かを判定する(ステップS65)。
【0156】
デジタル複合機1から問い合わせがあった場合(ステップS65の判定がYesの場合)、ステップS66において、制御部30は、デジタル複合機1から取得したグループ番号に基づき、印刷データを特定する(ステップS66)。
【0157】
続くステップS67において、制御部30は、当該印刷データに印刷設定が付加されているか否かを判定する(ステップS67)。
【0158】
印刷データに印刷設定が付加されている場合(ステップS67の判定がYesの場合)、ステップS68において、制御部30は、当該印刷データおよび印刷設定をデジタル複合機1に送信して(ステップS68)、処理を終了する。
【0159】
一方、印刷データに印刷設定が付加されていない場合(ステップS67の判定がNoの場合)、ステップS69において、制御部30は、当該印刷データをデジタル複合機1に送信して(ステップS69)、処理を終了する。
【0160】
図19は、この開示の実施形態4に係る画像形成システム100のQRコードを用いた印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0161】
図19のステップS75~S78の処理は、
図6(実施形態1)のステップS14~S17の処理にそれぞれ対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図6に記載のない
図19のステップS72およびS73の処理について説明する。
【0162】
図19のステップS71において、デジタル複合機1の制御部10は、コード読取部18がQRコードを取得したか否かを判定する(ステップS71)。
【0163】
コード読取部18がQRコードを取得した場合(ステップS71の判定がYesの場合)、ステップS72において、制御部10は、当該QRコードから取得したグループ番号に基づき、サーバー3に印刷データの問い合わせを行う(ステップS72)。
【0164】
次に、ステップS73において、制御部10は、サーバー3から印刷データ/印刷設定を受信したか否かを判定する(ステップS73)。
【0165】
サーバー3から印刷データ/印刷設定を受信した場合(ステップS73の判定がYesの場合)、ステップS74において、制御部10は、共有フォルダおよび印刷ファイルの選択を受け付ける(ステップS74)。
【0166】
図20は、この開示の実施形態4に係る画像形成システム100において、複数の共有フォルダがある場合の選択画面の一例である。
【0167】
図20の例において、各ユーザー固有の「マイフォルダ」の他に、「開発グループ」、「製造グループ」および「管理グループ」等の共有フォルダが表示部171に表示されている。
【0168】
ユーザーは、該当する共有フォルダを選択すると、
図17のような印刷ファイルの選択画面に遷移する。当該印刷ファイルの選択画面において、所望の印刷ファイルを選択し、「つぎへ」ボタンを押下すると、印刷設定完了画面に遷移する。
【0169】
このようにして、企業などのグループの共有フォルダに印刷データをアップロードしてQRコードを読み取らせるだけで、従来よりも簡便かつ迅速にネットワークプリントによる印刷を実行可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0170】
この開示の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
【0171】
前述した実施の形態の他にも、この開示について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。この開示には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0172】
1:デジタル複合機、 2:ユーザー端末、 3:サーバー、 4:ネットワーク、 10,20,30:制御部、 11:画像データ取得部、 12:画像形成部、 13,21,31:記憶部、 14,22,32:画像処理部、 15,23,33:通信部、 16,24:ユーザー認証部、 17,25:操作パネル、 18:コード読取部、 36:コード発行部、 100:画像形成システム、 171,251:表示部、 172,252:操作部