IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧

特開2024-162886評価プログラム、評価装置及び評価システム
<>
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図1
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図2
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図3
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図4A
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図4B
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図5
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図6
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図7
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図8
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図9
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図10
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図11
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図12
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図13
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図14
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図15
  • 特開-評価プログラム、評価装置及び評価システム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162886
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】評価プログラム、評価装置及び評価システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/12 20220101AFI20241114BHJP
   H04L 41/147 20220101ALI20241114BHJP
   H04L 45/02 20220101ALI20241114BHJP
   H04L 43/12 20220101ALI20241114BHJP
【FI】
H04L41/12
H04L41/147
H04L45/02
H04L43/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078857
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中津川 恵一
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA15
5K030LE16
(57)【要約】
【課題】データ送信前に通信経路の信用性を評価できる評価プログラム等を提供する。
【解決手段】評価プログラムでは、コンピュータに、データの送信元の位置と、当該データの宛先の位置とを推定し、前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在するルータを取得し、取得された前記ルータの位置を推定する処理を実行させる。コンピュータに、前記通信経路上の前記送信元、前記宛先及び前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する処理を実行させる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの送信元の位置と、当該データの宛先の位置とを推定し、
前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在するルータを取得し、
取得された前記ルータの位置を推定し、
前記通信経路上の前記送信元、前記宛先及び前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする評価プログラム。
【請求項2】
前記送信元、前記宛先及び前記ルータの位置を推定する処理として、
地理的な位置が取得済のノードから前記送信元、前記宛先及び前記ルータに信号を送信し、前記送信元、前記宛先及び前記ルータからの前記信号に対する応答信号に基づき、前記送信元、前記宛先及び前記ルータの通信機器毎に、当該通信機器の位置を含む推定範囲を推定することを特徴とする請求項1に記載の評価プログラム。
【請求項3】
前記評価値を算出する処理として、
前記通信経路として許容できる地理的な許容範囲を指定し、前記推定範囲毎に、当該推定範囲内で指定された前記許容範囲が占める面積の割合を算出し、前記推定範囲毎の面積の割合に基づき、前記通信経路の評価値を算出することを特徴とする請求項2に記載の評価プログラム。
【請求項4】
前記推定範囲毎に、当該推定範囲内で指定された前記許容範囲からはみ出す範囲がある場合に、当該はみ出す範囲の属性に応じた係数及び、前記推定範囲毎の前記はみ出す範囲のはみ出し面積に基づき、ペナルティ面積を算出し、前記推定範囲毎の全面積及び前記ペナルティ面積に基づき、前記許容範囲が占める面積の割合を算出することを特徴とする請求項3に記載の評価プログラム。
【請求項5】
前記はみ出す範囲の属性として、
前記許容範囲が属する国とは異なる地域又は海域を設定することを特徴とする請求項4に記載の評価プログラム。
【請求項6】
前記属性の内、前記許容範囲が属する国とは異なる他国の係数において、設定操作に応じて、前記許容範囲が属する国との所定の関係国に比較して前記許容範囲が属する国との非関係国の係数を大きくすることを特徴とする請求項4に記載の評価プログラム。
【請求項7】
設定操作に応じて前記属性毎の係数を変更することを特徴とする請求項4に記載の評価プログラム。
【請求項8】
データの送信元の位置と、当該データの宛先の位置とを推定する第1の推定部と、
前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在するルータを取得する取得部と、
取得された前記ルータの位置を推定する第2の推定部と、
前記通信経路上の前記送信元、前記宛先、前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する算出部と、
を有することを特徴とする評価装置。
【請求項9】
通信網に配置された各ノードの位置情報と、前記通信網内のデータの送信元、当該データの宛先及び複数のルータの通信機器毎の信号に対する応答信号とに基づき、前記通信網内に配置された前記送信元、前記宛先、前記ルータの位置を推定するプローブ管理装置と、前記プローブ管理装置と通信接続する評価装置とを有する評価システムであって、
前記評価装置は、
前記プローブ管理装置の推定結果から前記送信元及び前記宛先の位置を推定する第1の推定部と、
前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在する前記ルータを取得する取得部と、
前記プローブ管理装置の推定結果から、取得された前記ルータの位置を推定する第2の推定部と、
前記通信経路上の前記送信元、前記宛先、前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する算出部と、
を有することを特徴とする評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価プログラム、評価装置及び評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、個人情報や国家安全保障に関わる重要な機密データが利用者の意図しない国や地域に置かれることで情報流出の問題が発生している。このような問題に対する新たな取り組みとして、通信網のフィジカル情報、例えば、データ送信のエンドポイントの地理的な位置による裏付けでサイバー空間で行うデータ送受信に対する信用性を強化する方法が知られている。
【0003】
例えば、通信網上のエンドポイントの地理的な位置を管理するデータベースや、エンドポイントの地理的な位置を推定する推定サービスを使用してエンドポイントの地理的な位置を推定する。その結果、エンドポイントの地理的な位置に基づき、サイバー空間で行うデータ送受信の信用性を強化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2015-515764号公報
【特許文献2】特開2015-002378号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0232565号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2017/0353435号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、データ送信に使用する通信経路が利用者の意図しない国や地域を通過する場合に予期せぬ傍受や改ざん等のリスクが発生し得る。そこで、例えば、データ送信に使用する通信経路が利用者の意図する地理的な範囲をどの程度通っているのかを定量的に通信経路の信用性を評価する方法が求められているのが実情である。
【0006】
一つの側面では、データ送信前に通信経路の信用性を評価できる評価プログラム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの側面の評価プログラムでは、コンピュータに、データの送信元の位置と、当該データの宛先の位置とを推定し、前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在するルータを取得し、取得された前記ルータの位置を推定する処理を実行させる。コンピュータに、前記通信経路上の前記送信元、前記宛先及び前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
1つの側面によれば、データ送信前に通信経路の信用性を評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例1の評価システムの一例を示す説明図である。
図2図2は、送信元ホストのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、送信元ホストの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4A図4Aは、デフォルト状態の重み係数テーブルの一例を示す説明図である。
図4B図4Bは、ユーザ設定後の重み係数テーブルの一例を示す説明図である。
図5図5は、位置推定結果テーブルの一例を示す説明図である。
図6図6は、通信経路の許容範囲の一例を示す説明図である。
図7図7は、評価要求から位置推定までの動作の一例を示す説明図である。
図8図8は、送信元ホスト、宛先ホスト、各ルータの位置推定の一例を示す説明図である。
図9図9は、はみ出し部分の一例を示す説明図である。
図10図10は、推定範囲の一例を示す説明図である。
図11図11は、評価システムの通信経路の評価に関わる処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図12図12は、評価処理に関わる評価エージェントの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、算出処理に関わる評価エージェントの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、実施例2の評価システムの一例を示す説明図である。
図15図15は、実施例3の評価システムの一例を示す説明図である。
図16図16は、評価プログラムを実行するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本願の開示する評価プログラム等の実施例を詳細に説明する。尚、各実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例0011】
図1は、実施例1の評価システム1の一例を示す説明図である。図1に示す評価システム1は、通信網2と、データ送信時の送信元ホスト3と、宛先ホスト4と、複数のルータ5と、プローブシステム6とを有する。送信元ホスト3は、データを送信する送信元の通信機器であるコンピュータである。宛先ホスト4は、送信元ホスト3から送信されたデータを受信する受信元の通信機器であるコンピュータである。ルータ5は、通信網2に配置され、通信機器と通信網2とを通信接続する通信機器である。プローブシステム6は、通信網2上に配置された複数のプローブノード11(11A,11B,11C…)と、複数のプローブノード11の地理的な位置、例えば、緯度経度を管理するプローブ管理装置12とを有する。プローブ管理装置12は、各プローブノード11を使用して送信元ホスト3、宛先ホスト4、各ルータ5の地理的位置を推定する。尚、送信元ホスト3、宛先ホスト4、各ルータ5、各プローブノード11は、夫々、地理的な範囲、例えば、国や地域に属するものである。
【0012】
図2は、送信元ホスト3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示す送信元ホスト3は、第1のインタフェース21と、メモリ23と、プロセッサ24とを有する。第1のインタフェース21は、通信網2と接続する通信インタフェースである。メモリ23は、送信元ホスト3に関わる各種情報やプログラム等を記憶する。プロセッサ24は、送信元ホスト3全体を制御する。プロセッサ24は、メモリ23に記憶中の評価プログラムを実行することで、後述する評価処理を実行する評価エージェント50を機能として有する。
【0013】
図3は、送信元ホスト3の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すプロセッサ24は、評価エージェント50として、推定部31と、取得部32と、評価部33とを機能として有する。推定部31は、第1の推定部31Aと、第2の推定部31Bと、連携部31Cとを有する。評価部33は、推定範囲算出部33Aと、許容範囲判定部33Bと、はみ出し面積算出部33Cと、属性判定部33Dと、評価値算出部33Eとを有する。
【0014】
評価エージェント50は、データ送信する際の送信元ホスト3及び宛先ホスト4の所在地及び、後述する許容範囲を含む評価要求を検出した場合、送信元ホスト3と宛先ホスト4との間の通信経路の評価値を算出する。通信経路の評価値とは、データ送信前に通信経路の信用性を評価する値である。第1の推定部31Aは、連携部31Cを使用してプローブ管理装置12からのプローブ結果として、送信元ホスト3及び宛先ホスト4の推定位置を含む、例えば、後述する図6に示すSrc推定範囲やDst推定範囲を推定する。尚、Src推定範囲は、送信元ホスト3の推定位置を含む範囲である。Dst推定範囲は、宛先ホスト4の推定位置を含む範囲である。
【0015】
第2の推定部31Bは、連携部31Cを使用してプローブ管理装置12からのプローブ結果として、送信元ホスト3と宛先ホスト4との間の通信経路上の各ルータ5の推定位置を含む、例えば、後述するR1~R4推定範囲を推定する。R1推定範囲はルータ5Aの推定位置を含む範囲、R2推定範囲はルータ5Bの推定位置を含む範囲、R3推定範囲はルータ5Cの推定位置を含む範囲、R4推定範囲はルータ5D(図7参照)の推定位置を含む範囲である。尚、説明の便宜上、通信経路は、通信経路上の各ルータ5の地理的な位置で考え、通信経路上のルータ5間のリンクの敷設ルートを考慮するものではない。
【0016】
連携部31Cは、プローブシステム6内のプローブ管理装置12と通信接続し、プローブ管理装置12に対してプローブ要求を送信すると共に、プローブ管理装置12からプローブ要求に対するプローブ結果を受信する。連携部31Cは、送信元ホスト3及び宛先ホスト4の所在地情報をプローブ管理装置12に通知する。プローブ管理装置12は、例えば、送信元ホスト3の所在地情報に近いプローブノード11に対してプローブ要求を通知する。
【0017】
そして、プローブノード11は、プローブ要求に応じてプローブパケットを送信元ホスト3に送信する。プローブノード11は、送信元ホスト3からのプローブパケットに応じた応答信号を受信した場合、プローブパケット送信から応答信号を受信するまでの送信元ホスト3の遅延時間をプローブ管理装置12に通知する。そして、プローブ管理装置12は、送信元ホスト3の遅延時間に基づき、プローブノード11を中心にした送信元ホスト3の位置を含むSrc推定範囲を推定する。
【0018】
また、プローブ管理装置12は、例えば、宛先ホスト4の所在地情報に近いプローブノード11に対してプローブ要求を通知する。そして、プローブノード11は、プローブ要求に応じてプローブパケットを宛先ホスト4に送信する。プローブノード11は、宛先ホスト4からのプローブパケットに応じた応答信号を受信した場合、プローブパケット送信から応答信号を受信するまでの宛先ホスト4の遅延時間をプローブ管理装置12に通知する。そして、プローブ管理装置12は、宛先ホスト4の遅延時間に基づき、プローブノード11を中心にした宛先ホスト4の位置を含むDst推定範囲を推定する。
【0019】
取得部32は、通信網2上の各ルータ5に対して、送信元ホスト3と宛先ホスト4との間を接続する通信経路に使用するルータ5の探索依頼を送信すると共に、探索依頼に対する、通信経路に使用するルータ5のIPアドレスを含む探索結果を受信する。
【0020】
連携部31Cは、探索結果で得た通信経路上の各ルータ5の所在地情報やIPアドレスをプローブ管理装置12に通知する。プローブ管理装置12は、例えば、各ルータ5の所在地情報に近いプローブノード11に対してプローブ要求を通知する。
【0021】
そして、プローブノード11は、プローブ要求に応じてプローブパケットをルータ5に送信する。プローブノード11は、ルータ5からのプローブパケットに応じた応答信号を受信した場合、プローブパケット送信から応答信号を受信するまでのルータ5の遅延時間をプローブ管理装置12に通知する。そして、プローブ管理装置12は、ルータ5の遅延時間に基づき、プローブノード11を中心にしたルータ5の位置を含む推定範囲を推定する。つまり、プローブ管理装置12は、探索結果である通信経路上のルータ5毎の推定範囲を推定する。
【0022】
推定範囲算出部33Aは、第1の推定部31A又は第2の推定部31Bで推定された推定範囲の全面積を算出する。つまり、推定範囲算出部33Aは、例えば、送信元ホスト3、宛先ホスト4、通信経路上の各ルータ5の推定範囲毎の全面積を算出する。推定範囲算出部33Aは、第1の推定部31Aで推定されたSrc推定範囲及びDst推定範囲の全面積を算出する。推定範囲算出部33Aは、第2の推定部31Bで推定されたR1~R4の推定範囲の全面積を算出する。
【0023】
許容範囲判定部33Bは、推定範囲毎に許容範囲に占める面積割合を算出し、推定範囲の面積割合が閾値以上であるか否かを判定する。尚、閾値は、例えば、通信機器が許容範囲内にあるとほぼ見込まれる、例えば、80%である。許容範囲は、データ送信元の利用者が指定する送信元ホスト3から宛先ホスト4までのデータ通信の通信経路として、利用者が許容できる地理的範囲、例えば、国や地域である。
【0024】
はみ出し面積算出部33Cは、推定範囲毎に、許容範囲からはみ出すはみ出し面積を算出する。はみ出し面積は、推定範囲と許容範囲からはみ出したはみ出し部分の範囲から算出した面積である。はみ出し面積は、はみ出し面積算出部33Cで算出した送信元ホスト3、宛先ホスト4、通信経路上の各ルータ5の推定範囲の内、許容範囲からはみ出した範囲の推定範囲毎のはみ出し面積である。図10に示す宛先ホスト4の推定範囲のはみ出し範囲に着目した場合、はみ出し範囲は属性毎に区分し、属性が他国のはみ出し面積は2000km、属性が海のはみ出し面積は1500kmである。
【0025】
属性判定部33Dは、重み係数テーブル43を参照し、推定範囲毎のはみ出し範囲のペナルティ属性及び、ペナルティ属性に応じた重み係数を決定する。ペナルティ属性は、許容範囲を基準にして許容範囲からはみ出し範囲の属性であって、例えば、海、他国、地域等である。ペナルティ属性は、例えば、送信元ホスト3の利用者が指定した許容範囲からはみ出す部分の利用者が指定する属性である。図10に示す宛先ホスト4に着目した場合、ペナルティ属性は、海と、他国とがあり、重み係数テーブル43の海に応じた重み係数はペナルティ小の0.5、他国に応じた重み係数はペナルティ大の1.0である。更に、属性判定部33Dは、推定範囲のはみ出し範囲のペナルティ属性に応じた重み係数をはみ出し面積に乗算することで重み付け後のペナルティ面積を算出する。
【0026】
評価値算出部33Eは、例えば、(推定範囲の全面積-推定範囲のペナルティ面積)÷推定範囲の全面積に基づき、推定範囲毎の合致率を算出する。尚、合致率は、推定範囲に占める許容範囲の面積の割合である推定範囲毎の合致率である。評価値算出部33Eは、通信経路上の推定範囲毎の全ての合致率に基づき、通信経路の評価値を算出する。合致率は、許容範囲からはみ出し範囲がない場合、例えば、(推定範囲の全面積÷推定範囲の全面積)で算出できる。送信元ホスト3に着目した場合、合致率は、(31400÷31400)=1.0である。また、合致率は、許容範囲からはみ出し範囲がある場合、例えば、(推定範囲の全面積-(はみ出し面積×重み係数))÷推定範囲の全面積で算出できる。宛先ホスト4に着目した場合、合致率は、(45216-(2000×1.0)-(1500×0.5))÷45216=0.94である。
【0027】
メモリ23は、地図DB(Database)41と、位置推定結果テーブル42と、重み係数テーブル43とを有する。地図DB41は、国や地域を含む地図情報を保持するDBである。位置推定結果テーブル42は、評価要求の通信経路に関わる通信機器、例えば、送信元ホスト3、宛先ホスト4及び各ルータ5の位置に関わる位置推定結果を記憶するテーブルである。重み係数テーブル43は、通信経路の評価値を算出する際に使用する、ペナルティ属性の重み係数を管理するテーブルである。
【0028】
図4Aは、デフォルト状態の重み係数テーブル43の一例を示す説明図である。図4Aに示す重み係数テーブル43は、許容範囲からはみ出した部分の属性43A毎に、ペナルティの有無43B及び重み係数43Cを記憶する。図4Aに示す重み係数テーブル43は、デフォルト状態のテーブルである。はみ出し部分の属性43Aは、例えば、海や許容範囲外の他国、所定条約に基づく加盟国等の地域の各種属性である。ペナルティの有無43Bは、属性に応じたペナルティの有無を示す情報である。重み係数43Cは、属性に応じたペナルティ面積を算出する際の係数である。例えば、属性が海の場合、重み係数43Cは、例えば、0.5、例えば、属性が他国の場合、重み係数43Cは、例えば、1.0である。
【0029】
図4Bは、ユーザ設定後の重み係数テーブル43の一例を示す説明図である。図4Bに示す重み係数テーブル43は、デフォルト状態の重み係数を利用者が設定変更した後のテーブルである。重み係数テーブル43のテーブル内容は利用者の設定操作に応じて変更可能である。例えば、属性が海の場合、ペナルティの有無43Bは、ペナルティなしとしても良い。属性が許容範囲外の他国で所定の関係国の場合、重み係数43Cは、例えば、0.2、属性が許容範囲外の他国で所定の関係国以外の場合、重み係数43Cは、例えば、1.0としても良く、適宜変更可能である。
【0030】
図5は、位置推定結果テーブル42の一例を示す説明図である。位置推定結果テーブル42は、評価要求の通信経路に配置される各通信機器の機器情報42A毎に推定範囲42Bを含む位置推定結果を記憶するテーブルである。
【0031】
推定範囲42Bは、プローブシステム6で得たプローブノード11の中心から得る通信機器の推定位置を含む範囲である。推定範囲42Bは、第1の推定部31Aで得た送信元ホスト3のSrc推定範囲及び宛先ホスト4のDst推定範囲である。例えば、Src推定範囲は、例えば、P1のプローブノード11Aから半径100km以内の範囲である。例えば、Dst推定範囲は、例えば、P4のプローブノード11Dから半径120km以内の範囲である。また、推定範囲42Bは、第2の推定部31Bで得た通信経路上の各ルータ5(5A~5D)の推定範囲である。例えば、R1推定範囲は、例えば、P1のプローブノード11Aから半径70km以内の範囲、R2推定範囲は、例えば、P2のプローブノード11Bから半径60km以内の範囲である。また、R3推定範囲は、例えば、P3のプローブノード11Cから半径80km以内の範囲、R4推定範囲は、例えば、P4のプローブノード11Dから半径70km以内の範囲である。
【0032】
図6は、通信経路の許容範囲の一例を示す説明図である。図6に示す許容範囲は、データ送信元の利用者が指定する送信元ホスト3から宛先ホスト4までのデータ送信に使用する通信経路として、利用者が許容できる地理的範囲である。図6に示す許容範囲としては、例えば、日本及び米国を指定しているものとする。
【0033】
図7は、評価要求から位置推定までの動作の一例を示す説明図である。送信元ホスト3内の評価エージェント50は、評価要求に応じて送信元ホスト3のIPアドレスIP及び宛先ホスト4のIPアドレスIPを取得する。取得部32は、送信元ホスト3と宛先ホスト4との間の通信経路上のルータ5を探索する探索依頼に応じて通信経路に使用する各ルータ5のIPアドレスを含む探索結果を得る。取得部32は、図7に示す例の場合、通信経路上のR1のルータ5AのIPアドレスIP、R2のルータ5BのIPアドレスIP、R3のルータ5CのIPアドレスIP及びR4のルータ5DのIPアドレスIPを取得する。そして、評価エージェント50は、通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト4、ルータ5A~5DのIPアドレスを取得する。そして、評価エージェント50は、IPアドレスを使用してプローブシステム6内のプローブ管理装置12に対して通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト4及びルータ5A~5Dの推定範囲を要求するプローブ要求を送信する。
【0034】
図8は、送信元ホスト3、宛先ホスト4、各ルータ5の位置推定の一例を示す説明図である。評価エージェント50内の第1の推定部31Aは、送信元ホスト3及び宛先ホスト4のIPアドレスを用いて、送信元ホスト3及び宛先ホスト4のプローブ要求をプローブ管理装置12に送信する。プローブ管理装置12は、送信元ホスト3に地理的に近いP1のプローブノード11Aから送信元ホスト3のIPアドレスを用いてプローブパケットを送信元ホスト3に送信し、送信元ホスト3からのプローブパケットの応答信号の遅延時間に基づき、プローブノード11Aの位置から送信元ホスト3の位置を含むSrc推定範囲を得る。
【0035】
プローブ管理装置12は、宛先ホスト4のIPアドレスを用いて各プローブノード11からプローブパケットを宛先ホスト4に送信する。プローブ管理装置12は、宛先ホスト4に地理的に近いP4のプローブノード11Dから宛先ホスト4のIPアドレスを用いてプローブパケットを宛先ホスト4に送信し、宛先ホスト4からのプローブパケットの応答信号の遅延時間に基づき、プローブノード11Dの位置から宛先ホスト4の位置を含むDst推定範囲を得る。
【0036】
また、評価エージェント50内の第2の推定部31Bは、通信経路上の各ルータ5A~5DのIPアドレスを用いて、各ルータ5A~5Dのプローブ要求をプローブ管理装置12に送信する。プローブ管理装置12は、R1のルータ5Aに地理的に近いP1のプローブノード11Aからルータ5AのIPアドレスを用いてプローブパケットをルータ5Aに送信し、ルータ5Aからのプローブパケットの応答信号の遅延時間に基づき、プローブノード11Aの位置からR1のルータ5Aの位置を含むR1推定範囲を得る。プローブ管理装置12は、R2のルータ5Bに地理的に近いP2のプローブノード11Bからルータ5BのIPアドレスを用いてプローブパケットをルータ5Bに送信し、ルータ5Bからのプローブパケットの応答信号の遅延時間に基づき、プローブノード11Bの位置からR2のルータ5Bの位置を含むR2推定範囲を得る。プローブ管理装置12は、R3のルータ5Cに地理的に近いP3のプローブノード11Cからルータ5CのIPアドレスを用いてプローブパケットをルータ5Cに送信し、ルータ5Cからのプローブパケットの応答信号の遅延時間に基づき、プローブノード11Cの位置からR3のルータ5Cの位置を含むR3推定範囲を得る。プローブ管理装置12は、R4のルータ5Dに地理的に近いP4のプローブノード11Dからルータ5DのIPアドレスを用いてプローブパケットをルータ5Dに送信し、ルータ5Dからのプローブパケットの応答信号の遅延時間に基づき、プローブノード11Dの位置からR4のルータ5Dの位置を含むR4推定範囲を得る。
【0037】
その結果、評価エージェント50は、プローブ管理装置12から通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト4、R1~R4のルータ5A~5Dの推定範囲を夫々取得する。
【0038】
図9は、はみ出し部分の一例を示す説明図である。評価エージェント50は、送信元ホスト3のSrc推定範囲に着目した場合、Src推定範囲が全て許容範囲内の場合、Src推定範囲ははみ出し部分なしと判断する。評価エージェント50は、R1のルータ5AのR1推定範囲に着目した場合、R1推定範囲が全て許容範囲内の場合、R1推定範囲ははみ出し部分なしと判断する。評価エージェント50は、R2のルータ5BのR2推定範囲に着目した場合、R2推定範囲が全て許容範囲内の場合、R2推定範囲ははみ出し部分なしと判断する。
【0039】
評価エージェント50は、R3のルータ5CのR3推定範囲に着目した場合、R3推定範囲が許容範囲からはみ出しているため、R3推定範囲ははみ出し部分ありと判断する。尚、評価エージェント50は、はみ出し部分が他国のカナダであるため、重み係数テーブル43に応じて他国と判断する。
【0040】
評価エージェント50は、R4のルータ5DのR4推定範囲に着目した場合、R4推定範囲が全て許容範囲内の場合、R4推定範囲ははみ出し部分なしと判断する。
【0041】
評価エージェント50は、宛先ホスト4のDst推定範囲に着目した場合、Dst推定範囲が許容範囲からはみ出しているため、Dst推定範囲ははみ出し部分ありと判断する。尚、評価エージェント50は、はみ出し部分の属性が2種類、例えば、海と他国のメキシコであるため、重み係数テーブル43に応じて海と他国と判断する。
【0042】
図10は、推定範囲の一例を示す説明図である。評価エージェント50は、送信元ホスト3のSrc推定範囲がP1のプローブノード11Aから半径100km以内とした場合、Src推定範囲の全面積として31400kmを算出する。Src推定範囲のはみ出し面積が0km、すなわち、ペナルティなしである。従って、評価エージェント50は、(31400÷31400)=1.0としてSrc推定範囲の合致率を算出する。
【0043】
評価エージェント50は、R1のルータ5AのR1推定範囲がP1のプローブノード11Aから半径70km以内とした場合、R1推定範囲の全面積として15386kmを算出する。R1推定範囲のはみ出し面積が0km、すなわち、ペナルティなしである。従って、評価エージェント50は、(15386÷15386)=1.0としてR1推定範囲の合致率を算出する。
【0044】
評価エージェント50は、R2のルータ5BのR2推定範囲がP2のプローブノード11Bから半径60km以内とした場合、R2推定範囲の全面積として11304kmを算出する。R2推定範囲のはみ出し面積が0km、すなわち、ペナルティなしである。従って、評価エージェント50は、(11304÷11304)=1.0としてR2推定範囲の合致率を算出する。
【0045】
評価エージェント50は、R3のルータ5CのR3推定範囲がP3のプローブノード11Cから半径80km以内とした場合、R3推定範囲の全面積として20096kmを算出する。R3推定範囲のはみ出し面積が1000km、すなわち、ペナルティありである。はみ出し面積のペナルティ属性は他国であって、重み係数は1.0とする。従って、評価エージェント50は、(20096-(1000×1.0))÷20096=0.95としてR3推定範囲の合致率を算出する。
【0046】
評価エージェント50は、R4のルータ5DのR4推定範囲がP4のプローブノード11Dから半径70km以内とした場合、R4推定範囲の全面積として15386kmを算出する。R4推定範囲のはみ出し面積が0km、すなわち、ペナルティなしである。従って、評価エージェント50は、(15386÷15386)=1.0としてR4推定範囲の合致率を算出する。
【0047】
評価エージェント50は、宛先ホスト4のDst推定範囲がP4のプローブノード11Dから半径120km以内とした場合、Dst推定範囲の全面積として45216kmを算出する。Dst推定範囲のはみ出し部分の属性が2種類あり、他国のはみ出し面積が2000km、海のはみ出し面積が1500kmである。海の重み係数は1.0、他国の重み係数は0.5である。従って、評価エージェント50は、(45216-(2000×1.0)-(1500×0.5))÷45216=0.94としてDst推定範囲の合致率を算出する。
【0048】
そして、評価エージェント50は、((Src推定範囲の合致率+R1推定範囲の合致率+R2推定範囲の合致率+R3推定範囲の合致率+R4推定範囲の合致率+Dst推定範囲の合致率)÷通信経路上の通信機器数)に基づき、通信経路の評価値を算出する。つまり、評価エージェント50は、(1.0+1.0+1.0+0.95+1.0+0.94)÷6≒0.98で通信経路の評価値を算出する。
【0049】
図11は、評価システム1の通信経路の評価に関わる処理動作の一例を示すシーケンス図である。評価システム1は、送信元ホスト3と、送信元ホスト3内の評価エージェント50と、プローブシステム6と、ルータ5と、宛先ホスト4とを有する。
【0050】
図11において送信元ホスト3は、利用者の評価要求を評価エージェント50に通知する(ステップS11)。評価要求は、送信元ホスト3及び宛先ホスト4の位置と、送信元ホスト3から宛先ホスト4への通信経路に利用者が許容する地理的範囲を示す許容範囲とを含む情報である。
【0051】
評価エージェント50は、評価要求を検出した場合、送信元ホスト3及び宛先ホスト4のプローブ要求をプローブシステム6内のプローブ管理装置12に送信する(ステップS12)。プローブシステム6内のプローブ管理装置12は、送信元ホスト3に最も近いプローブノード11Aから送信元ホスト3にプローブパケットを送信する(ステップS13)。尚、プローブパケットは、例えば、pingである。プローブノード11Aは、プローブパケットに対する応答信号を送信元ホスト3から受信する(ステップS14)。プローブノード11Aは、送信元ホスト3から受信した応答信号の遅延時間に基づき、自ノードから送信元ホスト3までの距離を測定し、その測定結果を使用して当該プローブノード11Aから送信元ホスト3までの距離に相当する送信元ホスト3のSrc推定範囲を得る。
【0052】
また、プローブシステム6内のプローブ管理装置12は、宛先ホスト4に最も近いプローブノード11Dから宛先ホスト4にプローブパケットを送信する(ステップS13A)。尚、プローブパケットは、例えば、pingである。プローブノード11Dは、プローブパケットに対する応答信号を宛先ホスト4から受信する(ステップS14A)。プローブノード11Dは、宛先ホスト4から受信した応答信号の遅延時間に基づき、自ノードから宛先ホスト4までの距離を測定し、その測定結果を使用して当該プローブノード11Dから宛先ホスト4までの距離に相当する宛先ホスト4のDst推定範囲を得る。
【0053】
そして、プローブシステム6内のプローブ管理装置12は、送信元ホスト3のSrc推定範囲及び宛先ホスト4のDst推定範囲を含むプローブ結果を評価エージェント50に送信する(ステップS15)。評価エージェント50は、プローブ結果を受信した場合、送信元ホスト3と宛先ホスト4との間の通信経路に使用するルータ5を探索する探索依頼を送信元ホスト3に通知する(ステップS16)。
【0054】
送信元ホスト3は、探索依頼に応じてルータ探索(例えば、IPパケットのTime To Liveを1から4にそれぞれ設定した宛先ホスト4宛のPing要求メッセージ)を送信する(ステップS17)。そして、送信元ホスト3は、各ルータ5からのルータ探索に応じた応答信号(例えば、Ping要求メッセージに対するICMPエラー)を受信する(ステップS18)。送信元ホスト3は、各ルータ5の応答信号に基づき、送信元ホスト3と宛先ホスト4との間の通信経路に使用する各ルータ5のIPアドレスを含む探索結果を評価エージェント50に通知する(ステップS19)。
【0055】
評価エージェント50は、探索結果に基づき、送信元ホスト3と宛先ホスト4との間の通信経路に使用する各ルータ5のプローブ要求をプローブシステム6内のプローブ管理装置12に送信する(ステップS20)。
【0056】
プローブシステム6は、各プローブノード11から通信経路上の各ルータ5にプローブパケットを送信する(ステップS21)。プローブシステム6内の各プローブノード11は、プローブパケットに対する応答信号を各ルータ5から受信する(ステップS22)。プローブ管理装置12は、各プローブノード11の測定結果に基づき、当該プローブノード11からルータ5までの距離に相当する各ルータ5の推定範囲を得る。
【0057】
そして、プローブシステム6内のプローブ管理装置12は、各ルータ5の推定範囲を含むプローブ結果を評価エージェント50に送信する(ステップS23)。評価エージェント50は、プローブ結果を受信した場合、通信経路上の評価値を算出する算出処理を実行し(ステップS24)、評価応答を送信元ホスト3に通知し(ステップS25)、図11に示す処理動作を終了する。尚、評価応答は、通信経路の評価値又は評価NGを含む。
【0058】
図12は、評価処理に関わる評価エージェント50の処理動作の一例を示すフローチャートである。図12において評価エージェント50は、通信経路の許容範囲を含む評価要求を受信したか否かを判定する(ステップS31)。評価エージェント50内の第1の推定部31Aは、評価要求を受信した場合(ステップS31:Yes)、プローブシステム6を通じて送信元ホスト3及び宛先ホスト4の位置(推定範囲)を推定する(ステップS32)。
【0059】
評価エージェント50は、送信元ホスト3及び宛先ホスト4の推定範囲が許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS33)。評価エージェント50は、送信元ホスト3及び宛先ホスト4の推定範囲が許容範囲内の場合(ステップS33:Yes)、通信経路に使用するルータ5を探索する(ステップS34)。
【0060】
評価エージェント50内の第2の推定部31Bは、プローブシステム6を通じて、探索結果で得た通信経路上の各ルータ5の位置(推定範囲)を推定する(ステップS35)。そして、評価エージェント50内の評価部33は、通信経路の評価値を算出する算出処理を実行する(ステップS36)。
【0061】
評価部33は、算出処理を実行した後、通信経路の評価結果を含む、評価要求に対する評価応答を出力し(ステップS37)、図12に示す処理動作を終了する。尚、評価応答は、例えば、通信経路の評価値又は評価NGである。
【0062】
更に、評価エージェント50は、評価要求を検出したのでない場合(ステップS31:No)、図12に示す処理動作を終了する。評価エージェント50は、送信元ホスト3及び宛先ホスト4の推定範囲が許容範囲内でない場合(ステップS33:No)、評価NGと判断し(ステップS38)、通信経路の評価結果を含む評価応答を出力すべく、ステップS37の処理に移行する。
【0063】
図13は、算出処理に関わる評価エージェント50の処理動作の一例を示すフローチャートである。図13において評価エージェント50は、通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト4及びルータ5の未指定の推定範囲の内、一つの推定範囲を指定する(ステップS41)。評価エージェント50内の推定範囲算出部33Aは、指定された推定範囲の全面積を算出する(ステップS42)。
【0064】
評価エージェント50内の許容範囲判定部33Bは、指定の推定範囲の許容範囲に占める面積割合を算出する(ステップS43)。更に、許容範囲判定部33Bは、指定の推定範囲の面積割合が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS44)。
【0065】
評価エージェント50内の属性判定部33Dは、指定の推定範囲の面積割合が閾値以上の場合(ステップS44:Yes)、指定の推定範囲の許容範囲からはみ出し部分の属性を特定する(ステップS45)。評価エージェント50内のはみ出し面積算出部33Cは、はみ出し部分の属性毎のはみ出し面積を算出する(ステップS46)。更に、属性判定部33Dは、はみ出し部分の属性毎の重み係数を重み係数テーブルから決定する(ステップS47)。
【0066】
評価エージェント50内の評価値算出部33Eは、指定の推定範囲の全面積及びはみ出し部分の重み係数に応じたペナルティ面積に基づき、指定の推定範囲の合致率を算出する(ステップS48)。
【0067】
評価値算出部33Eは、指定の推定範囲の合致率を算出した後、通信経路上の未指定の推定範囲があるか否かを判定する(ステップS49)。評価エージェント50は、未指定の推定範囲がある場合(ステップS49:Yes)、未指定の推定範囲を指定すべく、ステップS41の処理に移行する。
【0068】
評価値算出部33Eは、未指定の推定範囲がない場合(ステップS49:No)、通信経路上の全推定範囲の合致率に基づき、通信経路の評価値を算出し(ステップS50)、図13に示す処理動作を終了する。
【0069】
また、評価値算出部33Eは、指定の推定範囲の面積割合が閾値以上でない場合(ステップS44:No)、評価NGと判断し(ステップS51)、図13に示す処理動作を終了する。
【0070】
実施例1の評価エージェント50は、プローブ管理装置12を使用して送信元ホスト3のSrc推定範囲と、宛先ホスト4のDst推定範囲とを推定し、送信元ホスト3から宛先ホスト4までの通信経路に存在するルータ5を探索する。評価エージェント50は、探索結果に基づき、プローブ管理装置12を使用して通信経路上の各ルータ5の推定範囲を推定する。評価エージェント50は、送信元ホスト3、宛先ホスト4及び各ルータ5の推定範囲毎の許容範囲に占める面積の合致率に基づき、通信経路の評価値を算出する。その結果、評価エージェント50では、データ送信時の通信経路が地理的にどこを通るかについて利用者が期待する許容範囲内にあるか否かを評価値として定量的にデータ送信前に判断できる。更に、データ送信前に通信経路の評価値に基づき、利用者が意図しない国や地域をデータが通過する際に起こり得るデータ傍受や改ざん等のセキュリティリスクを回避できる。
【0071】
評価エージェント50は、地理的な位置が取得済のプローブノード11から、通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト4及びルータ5の通信機器毎の応答信号の遅延時間に基づき、送信元ホスト3、宛先ホスト4及びルータ5の位置を含む推定範囲を推定できる。
【0072】
評価エージェント50は、通信経路に許容できる地理的な許容範囲を指定し、指定された許容範囲から推定範囲毎にはみ出す範囲の属性に応じた重み係数及びはみ出し面積に基づき、推定範囲毎のペナルティ面積を算出する。更に、評価エージェント50は、推定範囲毎の全面積及びペナルティ面積に基づき、推定範囲の内、許容範囲が占める面積の割合である合致率を算出する。そして、評価エージェント50は、全ての推定範囲の合致率に基づき、通信経路の評価値を算出する。その結果、データ送信前に通信経路のセキュリティリスク等の信用性を評価できる。
【0073】
評価エージェント50は、はみ出す範囲の属性として、許容範囲が属する国とは異なる地域又は海域を設定する。その結果、利用者は、設定操作に応じて重み係数テーブル43内の地域又は海域を自由に設定できる。
【0074】
評価エージェント50は、設定操作に応じて属性毎の重み係数を変更する。その結果、利用者は、設定操作に応じて重み係数テーブル43内の属性毎の重み係数を自由に設定できる。
【0075】
評価エージェント50は、属性の内、許容範囲の国と異なる他国の重み係数として、設定操作に応じて、許容範囲の国との所定の関係国に比較して許容範囲の国との非関係国の重み係数を大きなるように設定する。その結果、利用者は、関係国に比較して非関係国の重み係数を大きく設定することでペナルティ面積を大きくして非関係国を通過する通信経路の評価を下げることができる。
【0076】
尚、実施例1の評価エージェント50では、通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト4及び各ルータ5の推定範囲と許容範囲とを比較して面積の合致率に基づき、通信経路を評価する場合を例示した。しかしながら、推定範囲に限定されるものではなく、通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト及びルータ5の推定位置と許容範囲とを比較した推定位置が許容範囲内にあるか否かの判定結果に基づき、通信経路を評価しても良く、適宜変更可能である。
【0077】
属性として海の場合、例えば、領海、排他的経済水域や公海等に区分しても良い。また、属性として他国の場合、他国としては、例えば、許容範囲がフランス及びスペインの場合、許容範囲の国と異なるEU(European Union)加盟国は関係国、EU加盟国以外の他国は非関係国とする。そして、非関係国の重み係数は、関係国の重み係数に比較して大きくしても良く、適宜変更可能である。重み係数Xは、0<X≦1とする場合を例示したが、重み係数は1以上にしても良く、適宜変更可能である。尚、重み係数を1以上にした場合、合致率や総合的な評価値が負値になる場合もある。
【0078】
図13に示す算出処理では、ステップS43にて推定範囲の面積割合を算出した後、推定範囲の面積割合が閾値以上であるか否かを判定し、ステップS44にて閾値以上でない場合に評価NGと判断する場合を例示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、ステップS43にて推定範囲の面積割合を算出した後、はみ出し部分の属性を特定すべく、ステップS45の処理に移行しても良い。
【0079】
また、プローブ管理装置12は、通信機器に最も近いプローブノード11から通信機器にプローブパケットを送信し、プローブパケットに対する応答信号を通信機器から受信する。プローブノード11は、通信機器から受信した応答信号の遅延時間に基づき、自ノードから通信機器までの距離を測定し、その測定結果を使用して当該プローブノード11から通信機器までの距離に相当する通信機器の推定範囲を得る場合を例示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、3個のプローブノードからプローブにより遅延を測定し、推定範囲が重なる部分を通信機器の位置推定の範囲としても良い。
【0080】
尚、実施例1の送信元ホスト3内に評価エージェント50の機能を有する場合を例示したが、通信網2内に別個に評価装置を配置しても良く、その実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。
【実施例0081】
図14は、実施例2の評価システム1Aの一例を示す説明図である。尚、実施例1の評価システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図14に示す評価システム1Aと図1に示す評価システム1とが異なるところは、送信元ホスト3内の評価エージェント50の代わりに、評価装置100を配置した点にある。評価装置100は、送信元ホスト3及びプローブシステム6内のプローブ管理装置12と通信接続する情報処理装置である。
【0082】
評価装置100は、図3に示す機能構成と同一の構成を含み、プロセッサ24と、メモリ23とを有し、プロセッサ24は、推定部31と、取得部32と、評価部33とを有する。推定部31は、第1の推定部31Aと、第2の推定部31Bと、連携部31Cとを有する。評価部33は、推定範囲算出部33Aと、許容範囲判定部33Bと、はみ出し面積算出部33Cと、属性判定部33Dと、評価値算出部33Eとを有する。メモリ23は、地図DB41と、位置推定結果テーブル42と、重み係数テーブル43とを有する。
【0083】
実施例2の評価装置100は、プローブ管理装置12を使用して送信元ホスト3のSrc推定範囲と、宛先ホスト4のDst推定範囲とを推定し、送信元ホスト3から宛先ホスト4までの通信経路に存在するルータ5を探索する。評価装置100は、探索結果に基づき、プローブ管理装置12を使用して通信経路上の各ルータ5の推定範囲を推定する。評価装置100は、送信元ホスト3、宛先ホスト4及び各ルータ5の推定範囲毎の許容範囲に占める面積の合致率に基づき、通信経路の評価値を算出する。その結果、評価装置100では、データ送信時の通信経路が地理的にどこを通るかについて利用者が期待する許容範囲内にあるか否かを評価値として定量的にデータ送信前に判断できる。更に、データ送信前に通信経路の評価値に基づき、利用者が意図しない国や地域をデータが通過する際に起こり得るデータ傍受や改ざん等のセキュリティリスクを回避できる。
【0084】
尚、実施例1の送信元ホスト3内に評価エージェント50の機能を有する場合を例示したが、クラウド上に評価エージェント50をサービスとする評価サービスを配置しても良く、その実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
【実施例0085】
図15は、実施例3の評価システム1Bの一例を示す説明図である。尚、実施例1の評価システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図15に示す評価システム1Bと図1に示す評価システム1とが異なるところは、送信元ホスト3内の評価エージェント50の代わりに、クラウド上に評価サービス60Aを配置した点にある。
【0086】
評価サービス60Aは、推定部31と、取得部32と、評価部33との機能サービスを有する。推定部31は、第1の推定部31Aと、第2の推定部31Bと、連携部31Cとを有する。評価部33は、推定範囲算出部33Aと、許容範囲判定部33Bと、はみ出し面積算出部33Cと、属性判定部33Dと、評価値算出部33Eとを有する。更に、評価サービス60Aは、地図DB41、位置推定結果テーブル42及び重み係数テーブル43を記憶している。
【0087】
評価サービス60Aは、送信元ホスト3からの評価要求を検出した場合、送信元ホスト3と宛先ホスト4との間の通信経路の評価値を算出する。
【0088】
実施例3の評価サービス60Aは、プローブ管理装置12を使用して送信元ホスト3のSrc推定範囲と、宛先ホスト4のDst推定範囲とを推定し、送信元ホスト3から宛先ホスト4までの通信経路に存在するルータ5を探索する。評価サービス60Aは、探索結果に基づき、プローブ管理装置12を使用して通信経路上の各ルータ5の推定範囲を推定する。評価サービス60Aは、送信元ホスト3、宛先ホスト4及び各ルータ5の推定範囲毎の許容範囲に占める面積の合致率に基づき、通信経路の評価値を算出する。その結果、評価サービス60Aでは、データ送信時の通信経路が地理的にどこを通るかについて利用者が期待する許容範囲内にあるか否かを評価値として定量的にデータ送信前に判断できる。更に、データ送信前に通信経路の評価値に基づき、利用者が意図しない国や地域をデータが通過する際に起こり得るデータ傍受や改ざん等のセキュリティリスクを回避できる。
【0089】
実施例1~3の評価システム1(1A,1B)では、プローブシステム6を使用して通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト4、ルータ5の地理的な位置を推定する場合を例示した。しかしながら、通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト4及びルータ5の地理的な位置を管理する位置情報DBを参照して通信経路上の送信元ホスト3、宛先ホスト4及びルータ5の地理的な位置を推定しても良く、適宜変更可能である。また、送信元ホスト3、宛先ホスト4及びルータ5内に自装置の現在位置を測定するGPS機能を内蔵し、送信元ホスト3、宛先ホスト4及びルータ5から地理的な現在位置を取得するしても良く、適宜変更可能である。
【0090】
通信網2は、例えば、LANやインターネット等の通信網でも良く、適宜変更可能である。
【0091】
図16は、評価プログラムを実行するコンピュータ110の一例を示すブロック図である。図16に示すコンピュータ110は、インタフェース111と、HDD(Hard Disk Drive)112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、プロセッサ115と、バス116とを有する。インタフェース111は、通信網2と通信接続する通信インタフェースである。ROM113は、例えば、第1の推定プログラム113A、取得プログラム113B、第2の推定プログラム113C及び評価プログラム113Dを格納する。プロセッサ115は、ROM113に記憶中のプログラムを読み出し、読み出したプログラムをRAM114上に展開する。そして、プロセッサ115は、機能として、第1の推定プロセス114A、取得プロセス114B、第2の推定プロセス114C及び評価プロセス114Dを実行することになる。
【0092】
第1の推定プロセス114Aは、データの送信元の位置と、当該データの宛先の位置とを推定する。取得プロセス114Bは、送信元から宛先までの通信経路に存在するルータを取得する。第2の推定プロセス114Cは、取得されたルータの位置を推定する。評価プロセス114Dは、通信経路上の送信元、宛先及びルータの推定された位置に基づき、データが通過する通信経路の評価値を算出する。
【0093】
コンピュータ110は、データの送信元の位置と、当該データの宛先の位置とを推定し、前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在するルータを取得し、取得された前記ルータの位置を推定する。更に、コンピュータ110は、前記通信経路上の前記送信元、前記宛先及び前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する。その結果、データ送信前に通信経路の信用性を評価できる。
【0094】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0095】
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU等で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。
【0096】
各種情報を記憶する領域は、例えば、ROM(Read Only Memory)や、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)やNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)等のRAM(Random Access Memory)で構成しても良い。
【0097】
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0098】
(付記1)データの送信元の位置と、当該データの宛先の位置とを推定し、
前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在するルータを取得し、
取得された前記ルータの位置を推定し、
前記通信経路上の前記送信元、前記宛先及び前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする評価プログラム。
【0099】
(付記2)前記送信元、前記宛先及び前記ルータの位置を推定する処理として、
地理的な位置が取得済のノードから前記送信元、前記宛先及び前記ルータに信号を送信し、前記送信元、前記宛先及び前記ルータからの前記信号に対する応答信号に基づき、前記送信元、前記宛先及び前記ルータの通信機器毎に、当該通信機器の位置を含む推定範囲を推定することを特徴とする付記1に記載の評価プログラム。
【0100】
(付記3)前記評価値を算出する処理として、
前記通信経路として許容できる地理的な許容範囲を指定し、前記推定範囲毎に、当該推定範囲内で指定された前記許容範囲が占める面積の割合を算出し、前記推定範囲毎の面積の割合に基づき、前記通信経路の評価値を算出することを特徴とする付記2に記載の評価プログラム。
【0101】
(付記4)前記推定範囲毎に、当該推定範囲内で指定された前記許容範囲からはみ出す範囲がある場合に、当該はみ出す範囲の属性に応じた係数及び、前記推定範囲毎の前記はみ出す範囲のはみ出し面積に基づき、ペナルティ面積を算出し、前記推定範囲毎の全面積及び前記ペナルティ面積に基づき、前記許容範囲が占める面積の割合を算出することを特徴とする付記3に記載の評価プログラム。
【0102】
(付記5)前記はみ出す範囲の属性として、
前記許容範囲が属する国とは異なる地域又は海域を設定することを特徴とする付記4に記載の評価プログラム。
【0103】
(付記6)前記属性の内、前記許容範囲が属する国とは異なる他国の係数において、設定操作に応じて、前記許容範囲が属する国との所定の関係国に比較して前記許容範囲が属する国との非関係国の係数を大きくすることを特徴とする付記4に記載の評価プログラム。
【0104】
(付記7)設定操作に応じて前記属性毎の係数を変更することを特徴とする付記4に記載の評価プログラム。
【0105】
(付記8)前記送信元、前記宛先及び前記ルータの位置を推定する処理として、
前記送信元、前記宛先及び前記ルータの通信機器毎に、前記送信元、前記宛先及び前記ルータの位置を記憶する記憶部を参照し、前記送信元、前記宛先及び前記ルータの位置を推定することを特徴とする付記1に記載の評価プログラム。
【0106】
(付記9)前記送信元、前記宛先及び前記ルータの位置を推定する処理として、
前記送信元、前記宛先及び前記ルータの現在位置を取得する位置取得機能を備え、前記位置取得機能を使用して前記送信元、前記宛先及び前記ルータの現在位置を推定することを特徴とする付記1に記載の評価プログラム。
【0107】
(付記10)データの送信元の位置と、当該データの宛先の位置とを推定する第1の推定部と、
前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在するルータを取得する取得部と、
取得された前記ルータの位置を推定する第2の推定部と、
前記通信経路上の前記送信元、前記宛先、前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する算出部と、
を有することを特徴とする評価装置。
【0108】
(付記11)通信網に配置された各ノードの位置情報と、前記通信網内のデータの送信元、当該データの宛先及び複数のルータの通信機器毎の信号に対する応答信号とに基づき、前記通信網内に配置された前記送信元、前記宛先、前記ルータの位置を推定するプローブ管理装置と、前記プローブ管理装置と通信接続する評価装置とを有する評価システムであって、
前記評価装置は、
前記プローブ管理装置の推定結果から前記送信元及び前記宛先の位置を推定する第1の推定部と、
前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在する前記ルータを取得する取得部と、
前記プローブ管理装置の推定結果から、取得された前記ルータの位置を推定する第2の推定部と、
前記通信経路上の前記送信元、前記宛先、前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する算出部と、
を有することを特徴とする評価システム。
【0109】
(付記12)コンピュータが、
データの送信元の位置と、当該データの宛先の位置とを推定し、
前記送信元から前記宛先までの通信経路に存在するルータを取得し、
取得された前記ルータの位置を推定し、
前記通信経路上の前記送信元、前記宛先及び前記ルータの推定された位置に基づき、前記データが通過する前記通信経路の評価値を算出する
処理を実行することを特徴とする評価方法。
【符号の説明】
【0110】
1 評価システム
2 通信網
3 送信元ホスト
4 宛先ホスト
5 ルータ
6 プローブシステム
11 プローブノード
12 プローブ管理装置
31A 第1の推定部
31B 第2の推定部
32 取得部
33E 評価値算出部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16