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  • 特開-方向検出器 図1
  • 特開-方向検出器 図2
  • 特開-方向検出器 図3
  • 特開-方向検出器 図4
  • 特開-方向検出器 図5
  • 特開-方向検出器 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162888
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】方向検出器
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/00 20240101AFI20241114BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G05D1/00 B
H04Q9/00 331Z
H04Q9/00 341A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078859
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】300038435
【氏名又は名称】▲吉▼川 英之
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼川 英之
【テーマコード(参考)】
5H301
5K048
【Fターム(参考)】
5H301AA02
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD06
5H301DD16
5K048BA41
5K048DA01
5K048DB04
5K048EB02
5K048EB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】走行体の遠隔操縦システムにおいて、操縦器の発する赤外線の飛来方向θを検出し、遠隔操縦システムを少数部品、低コストで作る。
【解決手段】コマンド信号を送信する第1赤外LEDを有する操縦器と、操縦器からのコマンド信号を受信する第1リモコン受信モジュールと、受信したコマンド信号に同期して、それぞれ異なるタイミングで漸増信号を出力する複数の第2赤外LEDを有する走行体とを備える。操縦器は、走行体の複数の第2赤外LEDからの漸増信号を受光し、受光した漸増信号の強度に応じてハイ信号又はロー信号を出力する第2リモコン受信モジュールを備え、第2リモコン受信モジュールから出力される信号は、複数の第2赤外LEDの放射方向の向きに対応して、所定のタイミングでハイからロウに変化し、それぞれの漸増信号に対応して時間軸データーを生成し、当該時間軸データーから、操縦器からの受光光線の飛来方向θを算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操縦器から発せられる光信号の方向を検出する方向検出器であって、
コマンド信号を送信する第1赤外LEDを有する操縦器と、
前記操縦器からのコマンド信号を受信する第1リモコン受信モジュールと、受信した前記コマンド信号に同期して、それぞれ異なるタイミングで漸増信号を出力する複数の第2赤外LEDを有する走行体とを備え、
前記リモコン受信モジュールの前記複数の第2赤外LEDは、疑似水平面状であって、赤外線の放射方向が異なる方向を向くように配置されており、
前記操縦器は、前記走行体の前記複数の第2赤外LEDからの漸増信号を受光し、受光した漸増信号の強度に応じてハイ信号又はロー信号を出力する第2リモコン受信モジュールを備え、
前記漸増信号は、時間と共に振幅が変化する漸増信号であり、
前記第2リモコン受信モジュールから出力される信号は、前記複数の第2赤外LEDの放射方向の向きに対応して、所定のタイミングでハイからロウに変化し、それぞれの漸増信号に対応して時間軸データーを生成し、当該時間軸データーから、前記操縦器からの受光光線の飛来方向θを算出することを特徴とする方向検出器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光線を使用した方向検出器および方向検出器付きの遠隔操縦システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行模型の遠隔操縦システムは、舵の動き自体を、遠隔で操作することが基本であったため、向きの操縦が大変難しい欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】W001/095001 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを改善するために、被操縦物体に、操縦器の位置の方向検出機能を設けて、フィードバック制御する手法が試されたが、部品数も多く、コストも高かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る方向検出器は、操縦器から発せられる光信号の方向を検出する方向検出器であって、コマンド信号を送信する第1赤外LEDを有する操縦器と、
前記操縦器からのコマンド信号を受信する第1リモコン受信モジュールと、受信した前記コマンド信号に同期して、それぞれ異なるタイミングで漸増信号を出力する複数の第2赤外LEDを有する走行体とを備える。前記リモコン受信モジュールの前記複数の第2赤外LEDは、疑似水平面状であって、赤外線の放射方向が異なる方向を向くように配置されている。また、前記操縦器は、前記走行体の前記複数の第2赤外LEDからの漸増信号を受光し、受光した漸増信号の強度に応じてハイ信号又はロー信号を出力する第2リモコン受信モジュールを備える。前記漸増信号は、時間と共に振幅が変化する漸増信号であり、前記第2リモコン受信モジュールから出力される信号は、前記複数の第2赤外LEDの放射方向の向きに対応して、所定のタイミングでハイからロウに変化し、それぞれの漸増信号に対応して時間軸データーを生成し、当該時間軸データーから、前記操縦器からの受光光線の飛来方向θを算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明により、少ない部品でコストが安くて、使いやすい遠隔操縦システムが作成できた。また、量産部品を多く使用しているので、性能も安定している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る遠隔操縦システムの上面図を概略的に示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る遠隔操縦システムの側面図を概略的に示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る操縦器1から発せられる「操縦信号」を生成するためのブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る走行体2のブロック図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る操縦器1から発せられる赤外線信号の波形を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るリモコン受信モジュールの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの実施形態に係る方向検出器および遠隔操縦システムを、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付する。
【0009】
以下に、第1の実施形態に係る方向検出器および遠隔操縦システムについて、いくつかの実施例を用いて説明する。
【0010】
本発明のサッカーゲーム機の概略を、図1:平面図、図2:側面図に示す。
操縦器1を使って、走行体2を操縦し、サッカーゲーム等を行う。本実施形態において、走行体2が、本発明における被操縦物体に相当する。
図1において、走行体2のほぼ中央に、リモコン受信モジュール3Aが配置されている。また、走行体2の下方には、リモコン受信モジュール3Aに操縦信号を送信し、遠隔操作する操縦器1が示されている。操縦器1の左側にある円記号は、ジョイスティック17であり、このつまみを倒す方向αで、α方向に、走行体2を操縦できることを表す。また、操縦器1の右側には、複数の操縦用スイッチ18を表し、任意の操縦ができることを、意味する。様々なスイッチ18等を使い、前進、後進、走行操縦やシュートなど操縦を行う。「操縦信号」は赤外線信号または電波信号などとして走行体2に向けて放出される。また、走行体2の「左右の車輪」を、「キャタピラー」に変更すれば、動作は、同じであるが、キャタピラーの方が、動作が、ダイナミックに見える。
これらの操縦内容は、操縦器1に取り付けられた赤外線LED16から、赤外線のコマンド信号として走行体2に向けて送信される。
また、操縦器1に取り付けられたリモコン受信モジュール3は、前方を向いて、走行体2からの赤外線信号を受信できるように取り付けられている。
【0011】
次に、走行体2(被操縦物体)について、詳細に説明する。図1において、走行体2のリモコン受信モジュール3Aの上部には、半球反射鏡が設けられており、操縦器1の赤外線LED16から送信された赤外線のコマンド信号を半球反射鏡により反射させて、走行体2のリモコン受信モジュール3Aにより受信可能に構成されている。なお、本実施形態では、半球反射鏡を設けて、全方位からの操縦器1の赤外線LED16から送信された赤外線のコマンド信号を受信できるように構成している。しかし、限定されず、半球反射鏡を設けずに、受光面を異なる方向に向けたリモコン受信モジュール3Aを複数設けるようにしてもよい。これらは、すべて異なる方向を向いて取り付けられており、走行体2がどちらを向いていても、操縦器1の赤外線LED16からの赤外線(コマンド信号)を受信できる。
【0012】
走行体2の中央には、6個の赤外線LED(90,91,92,93,94,95)が、全方位に向けて取り付けられており、ここから全ての方向に切り替えて出る赤外線(漸増信号)の複数組の信号は、操縦器1のリモコン受信モジュール3が受信できるようになる。
【0013】
また、図1図2の走行体2には、モータ付きの右車輪13と左車輪14が備えられ、走行体2の向きを自由に変えながら、左右・前進、後進して自由に走行できる。走行体2の前部には、ボールを操るためのシュート機構12を備えている。(詳細は省略)
【0014】
次に、操縦器1について説明する。図3は、操縦器1から発せられる「操縦信号」を生成するためのブロック図を説明するための図である。図3において、操縦器1には、マイコンが内蔵されており、このマイコンに接続されたジョイスティック17と操作スイッチ18を操縦者が操作して、操縦器1の操縦を行う。
操縦器1の操縦結果は、左上のマイコンに内蔵されたシリアルデータ送信器を通って、マイコンに内蔵された搬送波発振器からの搬送波と組み合わされ、増幅器で増幅されて、赤外LED16を通って、赤外線(コマンド)として、走行体2の方へ送信される。
又、走行体2からの赤外線(漸増信号)は、図3の右上のリモコン受信モジュール3に入力され、マイコンの入出力ポートを経由して、マイコンに取り込まれる。その際、リモコン受信モジュール3に、AGC機能が付いている場合は、その機能は、邪魔になるので、赤外線受信の度に、その直前に電源をローに落とし、AGCの初期化を行う。詳細説明は図6で行う。
【0015】
次に、走行体2について説明する。図4は、走行体2のブロック図である。走行体2には、図4の中央付近に表したマイコン40が内蔵されており、細かい制御を行う。操縦器1から送信された赤外線(コマンド)(図4の左上を参照)は、リモコン受信モジュール3Aにより受信される。本実施形態では、図1図2を見るとわかるように、半球反射鏡が設けられており、操縦器1から送信された赤外線(コマンド)を半球反射鏡により、リモコン受信モジュール3Aに向けて反射することで、全方位からの赤外線を受信可能に構成されている。
但し、ここを通る赤外線は、普通のシリアル信号なので、電波の通信に変えることなど自由に変更が可能である。
また、マイコン40には、PWM生成器45,46,47などが、複数並んで配置されており、各種モーターがPWM制御できるように接続されている。
また、走行体2には、赤外LED(発光ダイオード)(90,91,92,93,94,95)が複数個搭載されており、漸増信号を任意の形で操縦器1に向けて放射するようにプログラムされている。
用途は、操縦器1からみた走行体2の向きを測定することである。
【0016】
次に、操縦器1から発せられる赤外線信号について説明する。図5は、第1の実施形態に係る操縦器1から発せられる赤外線信号の波形を示す図である。図5に示した各波形を示す図において、横軸は時間、縦軸は信号光強度を模式的に示している。
図5を参照すると、まず左上で、操縦器1から走行体2のリモコン受信モジュールに向けた赤外線の信号波形である。これは、シリアルのコマンドの波形である((1)(操縦器1)赤外LED16)。
次に続く波形は、振幅が0から次第に大きくなっていく「漸増信号」であり、走行体2の円状に置かれた6個の赤外LED90,91,92,93,94,95を順々に同じ波形を送信していくことを表している((2)走行体2)赤外LED―90、(3)(走行体2)赤外LED―91、(4)(走行体2)赤外LED―92,(5)(走行体2)赤外LED―93、(6)(走行体2)赤外LED―94、(7)(走行体2)赤外LED―95)。
【0017】
次に、リモコン受信モジュールの動作について説明する。図6は、本実施形態に係るリモコン受信モジュールの動作を説明するための図である。
図6は、走行体2から送信された赤外線信号が操縦器1に到達したところを示している。走行体2の赤外LED(90,91,92,93,94,95)は円形に外側を向いて並んでいるので、図6の上段に示すように、これらの赤外LED(90,91,92,93,94,95)からの赤外光信号の振幅が大きくなるところと小さくなるところがある。この状態でリモコン受信モジュールに取り込まれる。
図6の下段の図において、(8)入力((操縦器1)リモコン受信モジュール3の「電源端子」)は、リモコン受信モジュール3の電源オンオフでAGCの初期化をしている図である。
(9)出力(同上(操縦器1)リモコン受信モジュール3の[出力端子])はリモコン受信モジュール3の出力端子の波形である。まず、操縦器1のリモコン受信モジュール3の「電源端子」がオンになることで、操縦器1のリモコン受信モジュール3の「出力端子」がオンになる。また、リモコン受信モジュール3の「電源端子」がオフになることで、操縦器1のリモコン受信モジュール3の「出力端子」がオフになる。一方、(2)(走行体2)赤外LED―90、(3)(走行体2)赤外LED―91、(4)(走行体2)赤外LED―92,(5)(走行体2)赤外LED―93、(6)(走行体2)赤外LED―94、(7)(走行体2)赤外LED―95)からの赤外信号光の強度が所定の値(しきい値)以上になったとき、操縦器1のリモコン受信モジュール3の「出力端子」がローレベルに遷移する(オフ状態)になるように構成されている。図6の上段に示すように、赤外LED(90,91,92,93,94,95)からの赤外光信号の振幅が大きくなるところと小さくなるところがあり、この赤外光信号の振幅が大きに対応して、操縦器1のリモコン受信モジュール3の「出力端子」がローレベルに遷移する(オフ状態)になるタイミングが変化する。この状態を(10)操縦器1のCPUプログラムによる結果に示すT(0)、T(1)、T(2)、T(3)、T(4)、及びT(5)が得られる。このT(0)、T(1)、T(2)、T(3)、T(4)、及びT(5)から方向θを計算することができる。
【符号の説明】
【0018】
1:操縦器
2:走行体
3,3A:リモコン受信モジュール
13:右車輪
14:左車輪
15:ボール
16:赤外線LED
17:ジョイスティック
18:操縦用スイッチ
90,91,92,93,94,95:赤外線LED
40:走行体のマイコン
44:走行体CPU
45、46、47: 走行体のPWM生成器
48、49、50:走行体の増幅器
51:左モータ
52:右モータ
53:シュートモータ
α:ジョイスティックを倒した方向、または、ロータリーエンコーダ―の示す方向、操縦角
β:走行体の向き
θ:赤外線飛来方向
γ:赤外線入力感度角

図1
図2
図3
図4
図5
図6