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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162890
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】天井搬送車
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20241114BHJP
   B61B 3/02 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B61B3/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078863
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】安部 健史
(72)【発明者】
【氏名】坂田 匠
(72)【発明者】
【氏名】冨田 大地
(72)【発明者】
【氏名】田中 芳孝
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022CC02
3F022EE05
3F022KK12
3F022LL12
3F022MM51
(57)【要約】
【課題】物品の揺れ、傾きを抑制する。
【解決手段】天井搬送車(1)は、本体部(21)と、物品Pを把持する把持部(22)と、把持部(22)を弾性支持する弾性部(23)と、弾性部(23)の動作を許容しないロック状態とするロック機構(24)とを有する昇降体(20)、およびロック機構(24)のロック状態とアンロック状態とを切り替える切替部(30)を備え、切替部(30)は、揺れ抑制部(40)による物品Pの挟持が完了した後、ロック機構(24)をロック状態からアンロック状態に切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する天井搬送車であって、
軌道に沿って走行する走行部と、
前記走行部から昇降可能に吊り下げられ、物品を把持する昇降体と、
前記物品を挟持することで前記物品の揺れを抑える揺れ抑制部と、を備え、
前記昇降体は、
本体部と、
前記物品を把持する把持部と、
前記本体部に対して前記把持部を弾性支持する弾性部と、
前記弾性部による前記本体部に対する前記把持部の動作を許容しないロック状態とするロック機構と、を有し、
さらに、
前記ロック機構のロック状態とアンロック状態とを切り替える切替部を備え、
前記切替部は、前記物品が吊り上げられ、前記揺れ抑制部による前記物品の挟持が完了した後、前記ロック機構を前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替える、天井搬送車。
【請求項2】
前記走行部は、前記ロック機構がロック状態のときに走行を開始し、
前記揺れ抑制部は、前記走行の開始と同時、または開始後に、前記物品の挟持の動作を開始する、請求項1に記載の天井搬送車。
【請求項3】
突出部を前記物品の底面の下方に突出させることで前記物品の落下を防止する落下防止部を備え、
前記落下防止部は、前記揺れ抑制部と同時に動作する、請求項1に記載の天井搬送車。
【請求項4】
前記物品を把持して走行後、所定の停止位置で停止する場合、
前記切替部は、自車が前記停止位置から所定距離だけ前の地点で、前記ロック機構を前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替える、請求項2に記載の天井搬送車。
【請求項5】
前記切替部による前記ロック機構の前記アンロック状態から前記ロック状態への切り替え後、または同時に、前記揺れ抑制部による前記物品の挟持の解除が行われる、請求項4に記載の天井搬送車。
【請求項6】
前記昇降体が前記物品を把持して下降している場合、前記切替部は、前記物品が移載先に到達したとき、前記ロック機構を前記アンロック状態とする、請求項5に記載の天井搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する天井搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
昇降部によって物品を吊り上げて保持し、搬送を行う天井搬送車が知られている。天井搬送車による搬送、移載時には、物品が揺れることがあり、この揺れの影響を軽減するために、様々な工夫がなされている。例えば、特許文献1には、吊持部材取付部と把持部が設けられるベース部との相対位置関係をロックするロック機構を有し、昇降時にロック機構をロックし、走行時にロック機構をアンロックする天井搬送車が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、物品の側面に当接して揺れを抑制する揺れ抑制機構に備えられた当接部が上下方向に弾性支持されていることにより、横揺れを抑制しつつ、上下方向の振動の伝達を緩和する物品搬送車が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2021/0429203号
【特許文献2】特開2022-125650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、
従来技術では、天井搬送車は、物品を収容したと同時に走行開始し、物品の側面に接触して揺れを抑制する揺れ抑制機構が動作するとともに、物品の底面に突出して落下を防止する落下防止機構が動作していた。よって、走行開始直後に物品が揺れて傾いてしまう問題、傾いた状態で落下防止機構にひっかかり、傾いたまま走行してしまう問題があった。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、物品の揺れ、傾きを抑制する天井搬送車を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る天井搬送車は、物品を搬送する天井搬送車であって、軌道に沿って走行する走行部と、前記走行部から昇降可能に吊り下げられ、物品を把持する昇降体と、前記物品を挟持することで前記物品の揺れを抑える揺れ抑制部と、を備え、前記昇降体は、本体部と、前記物品を把持する把持部と、前記本体部に対して前記把持部を弾性支持する弾性部と、前記弾性部による前記本体部に対する前記把持部の動作を許容しないロック状態とするロック機構と、を有し、さらに、前記ロック機構のロック状態とアンロック状態とを切り替える切替部を備え、前記切替部は、前記物品が吊り上げられ、前記揺れ抑制部による前記物品の挟持が完了した後、前記ロック機構を前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、揺れ抑制部による物品の挟持が完了した後、ロック機構がアンロック状態となるので、揺れ抑制部による物品の挟持が完了する前に、ロック機構がアンロック状態となって物品が揺れる、傾くということを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る天井搬送車を示す正面図である。
図2】天井搬送車の昇降体の正面図である。
図3】昇降体の動作を説明するための図である。
図4】揺れ抑制部および落下防止部が動作している状態を示す図である。
図5】物品を掬って搬送するときのロック機構の切り替えタイミングを示す図である。
図6】物品を掬って搬送するときのロック機構の切り替えタイミングを示す図である。
図7】搬送中の物品を移載するときのロック機構の切り替えタイミングを示す図である。
図8】搬送中の物品を移載するときのロック機構の切り替えタイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態に係る天井搬送車1は、天井等の床面よりも高い位置に設けられた軌道に沿って走行することにより、FOUP(Front Opening Unified Pod)等の物品Pを搬送するものである。FOUPには、例えば複数枚の半導体ウェハ等が収容される。
【0011】
図1は、天井搬送車1の正面図である。図1に示すように、天井搬送車1は、軌道(図示せず)に沿って走行する走行部10と、走行部10から昇降可能に吊り下げられ、物品Pを把持する昇降体20と、ロック機構24の切り替えを行う切替部30とを備える。さらに、天井搬送車1は、物品Pを搬送するときに揺れを抑える揺れ抑制部40、および、物品Pの落下を防ぐ落下防止部50を備える。
【0012】
本実施形態では、天井搬送車1が走行する方向をX方向、走行方向に対して水平面で垂直な方向をY方向、昇降体20が昇降する方向をZ方向とする。図1に示す天井搬送車1では、図に対して左から右がX方向、手前から奥がY方向、下から上がZ方向となる。
【0013】
昇降体20は、本体部21と、物品Pを把持する把持部22と、本体部21に対して把持部22を弾性支持する弾性部23と、弾性部23による本体部21に対する把持部22の動作を許容しないロック状態とするロック機構24とを有する。
【0014】
把持部22は、物品Pを把持するものであり、一対の部材により物品Pの一部を挟むようにして物品Pを把持する。
【0015】
弾性部23は、把持部22の一対の部材それぞれに対して設けられ、本体部21に対して把持部22を上下方向に弾性支持するものであってよい。把持部22を弾性支持することにより、把持部22の上下方向(Z方向)の揺れを緩和できる。すなわち、把持部22により把持されている物品Pが上下方向に揺れることを緩和できる。
【0016】
また、弾性部23は、把持部22の一対の部材それぞれに対して設けられるとともに、水平方向に並んで配置されている。すなわち、上下方向に弾性支持する弾性部23が、水平方向に並んで配置されている。これにより、把持部22により把持されている物品Pが傾いて把持されることを抑制できる。ここで、水平方向とは水平面(XY平面)に平行な方向である。
【0017】
図2に、ロック機構24の一例を示す。図2は、天井搬送車1の昇降体20の正面図であす。図2の201は、弾性部23による本体部21に対する把持部22の動作を許容しないロック状態を示し、図2の202は、弾性部23による本体部21に対する把持部22の動作が許容されるアンロック状態を示す。
【0018】
ロック機構24は、弾性部23が伸び縮みできないように、本体部21に対する把持部22の相対位置を固定することによりロック状態とする。一方、弾性部23が自在に伸び縮みできるように、本体部21に対する把持部22の相対位置を固定しないことにより、アンロック状態とする。
【0019】
図3に、昇降体20の動作を示す。図3に示すように、昇降体20はZ方向に降下し、把持部22をX方向に開閉することにより、物品Pを把持する。より詳細には、昇降体20は、Z方向に降下し、物品Pの近傍で把持部22を開く。そのままさらにZ方向に降下し、物品Pの一部を把持部22で把持できる位置で把持部22を閉じる。これにより、把持部22で物品Pを把持できるので、昇降体20は物品Pを把持した状態で上昇する。これにより、天井搬送車1は、昇降体20により物品Pの移載および搬送を行うことができる。
【0020】
図4に、揺れ抑制部40および落下防止部50が動作している状態を示す。図4に示すように、揺れ抑制部40は、動作した場合、走行部10の側壁から物品Pを挟持するように突出する。換言すれば、揺れ抑制部40は、X方向において、物品Pを挟持するように走行部10の側壁から突出する。天井搬送車1の走行時は、加速、減速により物品Pが走行方向の前後に揺れる可能性がある。揺れ抑制部40が動作することにより、走行方向の前後から物品Pを挟持できるので、天井搬送車1が物品Pを搬送しているときに、物品Pが走行方向の前後に揺れることを抑制できる。
【0021】
また、落下防止部50は、動作した場合、走行部10の側壁の下部から、突出部が物品Pの底面側に突出する。落下防止部50の突出部は、Z方向から見て、物品Pの底面の少なくとも一部と重なるように突出するので、万が一、把持部22による把持が外れたとしても、物品Pが天井搬送車1から落下することを防止できる。
【0022】
また、揺れ抑制部40および落下防止部50は、相互にリンク機構(図示せず)で接続され、共通の駆動部(図示せず)で同時に動作するように構成されていてもよい。これにより、揺れ抑制部40および落下防止部50の動作を同時にすることができる。
【0023】
換言すれば、落下防止部50は、突出部を物品Pの底面の下方に突出させることで物品Pの落下を防止する。そして、落下防止部50は、揺れ抑制部40と同時に動作する。これにより、揺れ抑制部40に加え、落下防止部50の突出が完了した後、ロック機構24をアンロック状態とすることができる。
【0024】
切替部30は、ロック機構24のロック状態とアンロック状態とを切り替える。切替部30は、物品Pが吊り上げられ、揺れ抑制部40による物品Pの挟持完了後、ロック機構24をロック状態からアンロック状態に切り替える。物品Pを吊り上げられるとは、物品Pを把持した昇降体20を上限位置まで上昇させることである。上限位置とは、天井搬送車1が走行するときの昇降体20の位置である。すなわち、物品Pを把持した昇降体20を天井搬送車1が走行するときの位置まで上昇させることである。
【0025】
切替部30によるロック機構24の切り替えタイミングの詳細については後述する。
【0026】
〔切替部30による切り替えタイミング〕
次に、図5図7を参照して、切替部30によるロック機構24の切り替えタイミングについて説明する。
【0027】
切替部30は、ロック機構24の切り替えを機械的に行ってもよいし、ソフトウェアにより実現してもよい。ソフトウェアにより実現する場合、切替部30は、CPU(Centra1 Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる電子制御ユニットを含んでよい。
【0028】
まず、図5および図6を参照して、空の天井搬送車1が物品Pを掬って搬送する場合について説明する。図5および図6は、物品Pを掬って搬送するときのロック機構24の切り替えタイミングを示す図である。
【0029】
図5の501に示すように、物品Pを搬送していない、すなわち空の天井搬送車1では、ロック機構24はアンロック状態となっている。このまま移載対象である物品Pの位置まで走行すると、図5の502に示すように、天井搬送車1は、昇降体20を降下させ、把持部22を開閉させて物品Pを把持する。物品Pを把持するまでは、ロック機構24はアンロック状態である。
【0030】
そして、図5の503に示すように、把持部22により物品Pを把持すると、切替部30はロック機構24をロック状態とする。図5の504に示すように、ロック機構24をロック状態としたまま、昇降体20を上限位置まで上昇させると、図6の505に示すように、ロック機構24のロック状態を維持したまま、揺れ抑制部40および落下防止部50を動作させる。また、天井搬送車1は、この時点で走行を開始して、物品Pの搬送を始める。そして、図6の506に示すように、揺れ抑制部40および落下防止部50の動作完了後、切替部30はロック機構24をアンロック状態とする。
【0031】
換言すれば、走行部10は、ロック機構24がロック状態のときに天井搬送車1の走行を開始し、揺れ抑制部40は、走行の開始と同時または開始後に、物品Pの挟持の動作を開始する。したがって、走行開始時はまだロック状態となり、走行により物品Pが揺れることを抑制できる。
【0032】
以上のように、切替部30は、物品Pが吊り上げられ、揺れ抑制部40による物品Pの挟持が完了した後、ロック機構24をロック状態からアンロック状態に切り替える。これにより、揺れ抑制部40による物品Pの挟持が完了した後、ロック機構24がアンロック状態となるので、揺れ抑制部40による物品Pの挟持が完了前に、ロック機構24がアンロック状態となり物品Pが揺れる、傾くということを抑制することができる。
【0033】
次に、図7を参照して、搬送中の物品Pを移載先に載置する場合について説明する。図7は、搬送中の物品Pを移載先に載置する場合のロック機構24の切り替えタイミングを示す図である。
【0034】
図7の701に示すように、物品Pの搬送中は、ロック機構24はアンロック状態となっている。この状態で、物品Pの移載先に近づくと、すなわち、移載先となる所定の停止位置から所定距離だけ前の地点に到達すると、図7の702に示すように、切替部30はロック機構24をアンロック状態からロック状態に切り替える。
【0035】
換言すれば、移載先となる所定の停止位置で停止する場合、切替部30は、天井搬送車1が停止位置から所定距離だけ前の地点で、ロック機構24をアンロック状態からロック状態に切り替える。これにより、停止する場合に停止位置の所定距離前の地点で、ロック機構24をアンロック状態からロック状態へと切り替えるので、停止位置に到着したときには、ロック機構24がロック状態となっており、速やかに次の動作に入ることができる。
【0036】
なお、切替部30によるロック機構24のアンロック状態からロック状態への切り替えと、揺れ抑制部40による物品Pの挟持の解除の開始は、同時であってもよいし、切替部30によるロック機構24のアンロック状態からロック状態への切り替え後に、揺れ抑制部40による物品Pの挟持の解除の開始が行われてもよい。何れの構成であっても、ロック状態で、揺れ抑制部40による物品Pの挟持の解除が行われるので、物品に揺れが生じる状況を減らすことができる。
【0037】
その後、図7の703に示すように、ロック機構24がロック状態となっている状態で、揺れ抑制部40および落下防止部50を解除する。そして、図7の704に示すように、昇降体20を降下させて、物品Pを移載先に載置する。物品Pの底面が移載先に載置されれば、図8の705に示すように、切替部30は、ロック機構24をロック状態からアンロック状態に切り替える。
【0038】
すなわち、昇降体20が物品Pを把持して下降している場合、切替部30は、物品Pが移載先に到達したとき、ロック機構24をアンロック状態とする。これにより、物品Pを把持して昇降体20が下降している場合、物品が移載先に到達するまでロック状態となるので、移載先の載置位置に正確に物品Pを載置できる。仮に、昇降体20が物品Pを把持して下降しているときに、ロック機構24がアンロック状態となった場合、物品Pの重量により把持部22が上下に揺れ、物品Pの高さ方向(Z方向)の位置を正確に把握することが難しくなり、物品Pを移載先の載置位置に正確に載置できなくなる。上記の構成によれば、このような弊害を抑制することができる。
【0039】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る天井搬送車は、物品を搬送する天井搬送車であって、軌道に沿って走行する走行部と、前記走行部から昇降可能に吊り下げられ、物品を把持する昇降体と、前記物品を挟持することで前記物品の揺れを抑える揺れ抑制部と、を備え、前記昇降体は、本体部と、前記物品を把持する把持部と、前記本体部に対して前記把持部を弾性支持する弾性部と、前記弾性部による前記本体部に対する前記把持部の動作を許容しないロック状態とするロック機構と、を有し、さらに、前記ロック機構のロック状態とアンロック状態とを切り替える切替部を備え、前記切替部は、前記物品が吊り上げられ、前記揺れ抑制部による前記物品の挟持が完了した後、前記ロック機構を前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替える。
【0040】
前記の構成によれば、揺れ抑制部による物品の挟持が完了した後、ロック機構がアンロック状態となるので、揺れ抑制部による物品の挟持が完了前に、ロック機構がアンロック状態となり、物品が揺れる、傾くということを抑制することができる。
【0041】
本開示の態様2に係る天井搬送車は、前記態様1において、前記走行部は、前記ロック機構がロック状態のときに走行を開始し、前記揺れ抑制部は、前記走行の開始と同時、または開始後に、前記物品の挟持の動作を開始する。
【0042】
前記の構成によれば、走行開始時はまだロック状態なので、走行により物品が揺れることを抑制できる。
【0043】
本開示の態様3に係る天井搬送車は、前記態様1または2において、突出部を前記物品の底面の下方に突出させることで前記物品の落下を防止する落下防止部を備え、前記落下防止部は、前記揺れ抑制部と同時に動作する。
【0044】
前記の構成によれば、揺れ抑制部に加え、落下防止部による突出部の突出が完了した後、ロック機構をアンロック状態とすることができる。
【0045】
本開示の態様4に係る天井搬送車は、前記態様1~3の何れかにおいて、前記物品を把持して走行後、所定の停止位置で停止する場合、前記切替部は、自車が前記停止位置から所定距離だけ前の地点で、前記ロック機構を前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替える。
【0046】
前記の構成によれば、停止する場合に停止位置の所定距離前の地点で、ロック機構をアンロック状態からロック状態へと切り替えるので、停止位置に到着したときには、ロック機構がロック状態となっており、速やかに次の動作に入ることができる。
【0047】
本開示の態様5に係る天井搬送車は、前記態様4において、前記切替部による前記ロック機構の前記アンロック状態から前記ロック状態への切り替え後、または同時に、前記揺れ抑制部による前記物品の挟持の解除が行われる。
【0048】
前記の構成によれば、ロック状態で、揺れ抑制部による物品の挟持の解除が行われるので、物品に揺れが生じる状況を減らすことができる。
【0049】
本開示の態様6に係る天井搬送車は、前記態様4または5において、前記昇降体が前記物品を把持して下降している場合、前記切替部は、前記物品が移載先に到達したとき、前記ロック機構を前記アンロック状態とする。
【0050】
前記の構成によれば、物品を把持して昇降体が下降している場合、物品が移載先に到達するまではロック状態となるので、移載先の載置位置に正確に物品を載置できる。
【0051】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 天井搬送車
10 走行部
20 昇降体
21 本体部
22 把持部
23 弾性部
24 ロック機構
30 切替部
40 揺れ抑制部
50 落下防止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8