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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162891
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】鑑定証明システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078864
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】522371581
【氏名又は名称】熊谷 絵美
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 絵美
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】Trusted Webを実現し、真正性の証明を行うことが可能な鑑定証明システムを提供する。
【解決手段】鑑定証明システムは、要鑑定製品の占有権に関する占有者情報をデータベース、分散型ストレージ、又はブロックチェーンに記録すると共に生成されるハッシュ値を出力する専用プラットフォームと、前記要鑑定製品を識別するための第1識別情報を取得する第1取得手段と、前記専用プラットフォームにより出力されたハッシュ値と前記第1取得手段により取得された第1識別情報とに基づく鑑定証明の要素をデータベース、分散型ストレージ、又はブロックチェーンに記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要鑑定製品の占有権に関する占有者情報をデータベース、分散型ストレージ、又はブロックチェーンに記録すると共に生成されるハッシュ値を出力する専用プラットフォームと、
前記要鑑定製品を識別するための第1識別情報を取得する第1取得手段と、
前記専用プラットフォームにより出力されたハッシュ値と前記第1取得手段により取得された第1識別情報とに基づく鑑定証明の要素をデータベース、分散型ストレージ、又はブロックチェーンに記録する記録手段とを備えること
を特徴とする鑑定証明システム。
【請求項2】
前記要鑑定製品を鑑定する鑑定証明者に関する鑑定証明者情報を取得し、取得した前記鑑定証明者情報と前記占有者情報とに基づいて、前記要鑑定製品の占有者の証明を行う占有者証明手段をさらに備えること
を特徴とする請求項1に記載の鑑定証明システム。
【請求項3】
前記記録手段は、前記第1識別情報と前記占有者情報とを紐づけ、
前記要鑑定製品を鑑定する鑑定証明者に関する鑑定証明者情報と、新たに取得した前記要鑑定製品を識別するための第2識別情報とを取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段により取得された第2識別情報に、前記記録手段により紐づけられた前記占有者情報を取得する第3取得手段と、
前記第3取得手段により取得された占有者情報と前記第2取得手段により取得された鑑定証明者情報とに基づいて、前記要鑑定製品の占有者の証明を行う占有者証明手段をさらに備えること
を特徴とする請求項1に記載の鑑定証明システム。
【請求項4】
前記記録手段は、前記要鑑定製品又は前記要鑑定製品の部品の原産地に関する原産地情報と前記要鑑定製品又は前記要鑑定製品の部品の品質に関する品質情報と前記要鑑定製品又は前記要鑑定製品の部品の取引に関するサプライチェーン情報と前記要鑑定製品のセキュリティに対する脅威を判定するための判定情報と前記鑑定証明の要素の評価を示す評価情報とのうちの何れか1以上に紐づく前記鑑定証明の要素をブロックチェーン上に記録すること
を特徴とする請求項1に記載の鑑定証明システム。
【請求項5】
前記専用プラットフォームは、前記要鑑定製品の新たな占有者に関する第2占有者情報を取得し、取得した前記第2占有者情報をデータベース、分散型ストレージ、又はブロックチェーンに記録すること
を特徴とする請求項1に記載の鑑定証明システム。
【請求項6】
前記専用プラットフォームは、前記占有者情報をブロックチェーンに記録し、
前記記録手段は、前記鑑定証明の要素をブロックチェーンに記録すること
を特徴とする請求項1に記載の鑑定証明システム。
【請求項7】
前記第1取得手段は、前記要鑑定製品に関する第1製品情報を取得し、
前記記録手段は、前記第1識別情報と前記第1製品情報とを紐づけて記録し、
前記要鑑定製品に関する第2製品情報を取得する第2取得手段と、
前記記録手段により記録された第1識別情報に紐づく前記第1製品情報と前記第2取得手段により取得された第2製品情報とに基づいて、前記要鑑定製品の真正性証明を行う鑑定証明手段とをさらに備えること
を特徴とする請求項1に記載の鑑定証明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグ、カバン、衣類、時計、美術工芸品、自動車、通信機器、デジタル製品等の鑑定証明が必要とされる製品(以下、要鑑定製品ともいう。)の鑑定証明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バッグ、カバン、衣類、時計、美術工芸品、自動車、通信機器、デジタル製品等の要鑑定製品は、通常、製造メーカー・製造者・著作者等によって製造された後、物流業者、卸売り業者、小売業者等の流通業者を通じて消費者に販売されるといった複雑な流通経路を辿る。このような要鑑定製品は、製造や流通の過程で、真正性証明、すなわち物品が模造品でなく真正品であること、又は物品の占有者や品質等の証明が消費者に求められている。また近年では、インターネットを通じて要鑑定製品が消費者に販売されることが非常に多く、また、要鑑定製品の中古品(二次流通、三次流通、その他n次流通含む)も同様にインターネットを通じて消費者へ販売されている。さらに、消費者間同士で売買されることも多くなってきたため、これら要鑑定製品のより多角的な鑑定証明の必要性が増大している。
【0003】
要鑑定製品には、通常、真正品であることを証明、保証するための証明書(以下、「ギャランティカード」ともいう。)が発行される。ギャランティカードには、物品の商品名、品番、製造メーカー・製造者(著作者)、製造場所、製造年月日等の物品に関する情報(以下、「製品情報」ともいう。)が記載される。このギャランティカードを利用した要鑑定製品の鑑定を行う技術として、特許文献1が開示されている。
【0004】
特許文献1には、秘密鍵、製品情報を含む情報を記録した小型記録媒体が貼着または組み込まれた製品、および秘密鍵、製品情報を含む情報を記録した小型記録媒体が貼着または組み込まれたギャランティカードを用いて鑑定証明を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許6894033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、Trusted Web推進協議会は、「Trusted Web ホワイトペーパー Ver2.0」において、Trustの仕組みを現行のインターネットやウェブの上に重ね合わせ(オーバーレイ)、多様な主体による新たな価値の創出を目指すTrusted Webを具現化するために、例えば下記の4つの機能について記載されている。
【0007】
Identifier管理機能は、識別子を特定のサービスに依拠せず、各主体が発行でき、それを様々な属性(データ)と紐づけることができる。これにより、多数のIdentifierをその都度発行することでプライバシー等の特定リスクを下げることが可能となる。
【0008】
Trustable Communication機能は、識別子とそれに紐づく属性(データ)の組合せを各主体が管理していて、属性(データ)の発行者に都度直接照会することなく、相互に相手の属性(データ)を検証することが可能な仕組みである。これにより、識別子と紐づいた属性(データ)を管理し、開示の範囲や利用期間等を選択して開示できる。また、出し手や属性(データ)の発行者等に対し、トラストアンカーによる属性、第三者によるレビュー結果、ポジティブリスト/ネガティブリスト等の属性が書き込まれ、それを受け手が参照することによって、出し手から送信される属性(データ)のTrustの度合いを確認することができる。
【0009】
Dynamic Consent機能は、合意形成の際に、やりとりする属性(データ)の取扱いについてのきめ細かな条件設定を可能とする。これにより、双方の条件設定が一致すると合意が成立する。
【0010】
Trace機能は、合意の確認(プロセスごとの意思確認)ができる。合意の際の選択により、合意形成後にその条件設定が履行されているか否かについて、検証に必要十分な情報を取捨選択して記録することが可能な状態となっており(トレース)、検証ができる。また、条件が履行されていない場合には、必要に応じて合意の取消し等が可能である。また、属性(データ)について、当事者間のみならず、第三者に「移転」した場合にも、当初の条件設定(履行済みのものを除く。)を付随してトレースできることで検証ができ、条件設定に基づき合意の取消し等のコントロールが可能な仕組みである。
【0011】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、上記のTrusted Webをサプライチェーンの分野において実現するための技術についての言及が不足していた。例えば、特許文献1に開示された技術では、要鑑定製品の真正品であることを証明するためのギャランティカードを、占有者が有しているため、ギャランティカードを有していない他の事業者等は、要鑑定製品の真正性の証明や、第三者に情報を開示することができなかった。このため、特許文献1の技術では、例えば上述したTrustable Communication機能、Trace機能等の機能を実現することができない問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、上述したTrusted Webを実現し、真正性の証明を行うことが可能な鑑定証明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係る鑑定証明システムは、要鑑定製品の占有権に関する占有者情報をデータベース、分散型ストレージ、又はブロックチェーンに記録すると共に生成されるハッシュ値を出力する専用プラットフォームと、前記要鑑定製品を識別するための第1識別情報を取得する第1取得手段と、前記専用プラットフォームにより出力されたハッシュ値と前記第1取得手段により取得された第1識別情報とに基づく鑑定証明の要素をデータベース、分散型ストレージ、又はブロックチェーンに記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第2発明に係る鑑定証明システムは、第1発明において、前記要鑑定製品を鑑定する鑑定証明者に関する鑑定証明者情報を取得し、取得した前記鑑定証明者情報と前記占有者情報とに基づいて、前記要鑑定製品の占有者の証明を行う占有者証明手段をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
第3発明に係る鑑定証明システムは、第1発明において、前記記録手段は、前記第1識別情報と前記占有者情報とを紐づけ、前記要鑑定製品を鑑定する鑑定証明者に関する鑑定証明者情報と、新たに取得した前記要鑑定製品を識別するための第2識別情報とを取得する第2取得手段と、前記第2取得手段により取得された第2識別情報に、前記記録手段により紐づけられた前記占有者情報を取得する第3取得手段と、前記第3取得手段により取得された占有者情報と前記第2取得手段により取得された鑑定証明者情報とに基づいて、前記要鑑定製品の占有者の証明を行う占有者証明手段をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
第4発明に係る鑑定証明システムは、第1発明において、前記記録手段は、前記要鑑定製品又は前記要鑑定製品の部品の原産地に関する原産地情報と前記要鑑定製品又は前記要鑑定製品の部品の品質に関する品質情報と前記要鑑定製品又は前記要鑑定製品の部品の取引に関するサプライチェーン情報と前記要鑑定製品のセキュリティに対する脅威を判定するための判定情報と前記鑑定証明の要素の評価を示す評価情報とのうちの何れか1以上に紐づく前記鑑定証明の要素をブロックチェーン上に記録することを特徴とする。
【0017】
第5発明に係る鑑定証明システムは、第1発明において、前記専用プラットフォームは、前記要鑑定製品の新たな占有者に関する第2占有者情報を取得し、取得した前記第2占有者情報をデータベース、分散型ストレージ、又はブロックチェーンに記録することを特徴とする。
【0018】
第6発明に係る鑑定証明システムは、第1発明において、前記専用プラットフォームは、前記占有者情報をブロックチェーンに記録し、前記記録手段は、前記鑑定証明の要素をブロックチェーンに記録することを特徴とする。
【0019】
第7発明に係る鑑定証明システムは、第1発明において、前記第1取得手段は、前記要鑑定製品に関する第1製品情報を取得し、前記記録手段は、前記第1識別情報と前記第1製品情報とを紐づけて記録し、前記要鑑定製品に関する第2製品情報を取得する第2取得手段と、前記記録手段により記録された第1識別情報に紐づく前記第1製品情報と前記第2取得手段により取得された第2製品情報とに基づいて、前記要鑑定製品の真正性証明を行う鑑定証明手段とをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1発明によれば、鑑定証明システムは、ハッシュ情報と第1識別情報とに基づく鑑定証明NFT等の鑑定証明の要素を記録する。これにより、要鑑定製品の占有者を示すギャランティカードを例えば論理ギャランティNFTとして、電子化することが可能となる。このため、論理ギャランティNFTを特定のサービスや企業に依存することなく各主体が発行することが可能となるため、Identifier管理機能を実現することができ、Trusted Webにおいても真正性の証明を行うことが可能となる。
【0021】
第2発明によれば、鑑定証明者情報と占有者情報とに基づいて、要鑑定製品の占有者の証明を行う。これにより、属性又はデータの発行者に都度直接照会することなく、占有者の証明が可能となるため、Trustable Communication機能を実現することが可能となる。
【0022】
第3発明によれば、第3取得手段により取得された占有者情報と鑑定証明者情報とに基づいて、要鑑定製品の占有者の証明を行う。これにより、第2識別情報に適した占有者情報を選択することが可能となるため、より低コスト且つ短時間で占有者の証明を行うことが可能となる。
【0023】
第4発明によれば、原産地情報と品質情報とサプライチェーン情報と判定情報と評価情報とのうちの何れか1以上に紐づく鑑定証明の要素をブロックチェーン上に記録する。これにより、原産地や品質、要鑑定製品の来歴、及びセキュリティ上の脅威の有無等の情報も管理することが可能となる。
【0024】
第5発明によれば、取得した第2占有者情報をブロックチェーン上に記録する。これにより、要鑑定製品の占有者が変更した場合においても、当初の条件設定を付随してトレースできることで検証ができ、条件設定に基づき合意の取消し等のコントロールが可能となるため、より高精度なTrace機能を実現することが可能となる。
【0025】
第6発明によれば、占有者情報をブロックチェーンに記録し、前記鑑定証明の要素をブロックチェーンに記録する。これにより、占有者情報及び鑑定証明の要素を非中央集権的に管理することがなるため、Web3.0に適応した鑑定証明が可能になる。
【0026】
第7発明によれば、第1製品情報と第2製品情報とに基づいて、要鑑定製品の真正性証明を行う。これにより、例えば要鑑定製品のハードウェア及びソフトウェアの種類やバージョンの情報、又はソフトウェアのセキュリティの情報等の真正性の証明が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明を適用した鑑定証明システムのシステム構成を示す模式図である。
図2図2は、端末の構成を示す模式図である。
図3図3は、鑑定証明システムが鑑定証明NFTをブロックチェーンに記録する動作を示すフローチャートである。
図4図4は、鑑定証明システムが鑑定証明NFTをブロックチェーンに記録する動作を示す模式図である。
図5図5は、鑑定証明システムが真正性の証明を行う動作のフローチャートである。
図6図6は、鑑定証明システムが真正性の証明を行う動作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を適用した鑑定証明システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明を適用した鑑定証明システム1のシステム構成を示している。鑑定証明システム1は、要鑑定製品12の製造メーカー(ベンダー)・製造者・著作者等及び物流業者、卸売り業者、小売業者、要鑑定製品12のシステム開発や運用を行う業者(SIer)、及び公益法人(以下、これらを総称して各種業者等という。)が操作するための端末6と、要鑑定製品12を運用する消費者が操作する端末7と、API(Application Programming Interface)サーバ2と、RDB(Relational Database)サーバ3と、分散型ファイルサーバ5とがインターネット網を始めとする公衆通信網4を介して接続され、この公衆通信網4を介した専用プラットフォーム10を構成している。
【0030】
端末6は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。端末6は、各種業者等が操作し、要鑑定製品12を管理するための各種作業を行うための電子機器である。
【0031】
端末7も同様に、PC等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。端末7は、要鑑定製品12を管理する事業者である消費者が操作し、要鑑定製品12に対して鑑定証明を試みるための電子機器である。
【0032】
分散型ファイルサーバ5は、端末6及び端末7を同じファイルシステムにつなぐことを目的とした分散型ファイルシステムであり、いわゆるIPFS(Inter Planetary File System)等で構成されるが、これに限定されるものではない。分散型ファイルサーバ5は、公衆通信網4に対して端末6及び端末7を介してアクセスする各種業者等がデータの提供を行い、消費者は当該データの要求をP2P(Peer to Peer)形式で行うことができる。分散型ファイルサーバ5は、要鑑定製品12のデジタル画像、デジタル音声、デジタル楽曲、デジタル映像等の鑑定証明が必要とされるあらゆるデジタルコンテンツを保管する場所であり、当該保管と同時に後述の通り識別子と呼ばれる複数桁の文字列が生成される。また、分散型ファイルサーバ5は、分散型ファイルシステムに限らず、データベース等の任意の記録媒体であってもよい。
【0033】
専用プラットフォーム10は、ブロックチェーン10a、10bを参照している。ブロックチェーン10a、10bとしては、分散型台帳等のP2Pネットワークを有するブロックチェーンを利用できる。このブロックチェーン10a上では、要鑑定製品12の占有権に関する占有者情報、又は占有者情報を紐づけた論理ギャランティNFT(Non-fungible token)等が記録される。また、ブロックチェーン10b上では、要鑑定製品12の真正性の証明を行うための鑑定証明NFT等が記録される。また、ブロックチェーン10aとブロックチェーン10bとは、同一のものであってもよいが、異なるものであってもよい。
【0034】
APIサーバ2は、専用プラットフォーム10、端末6、及び端末7等の各構成を繋ぐためのファイルシステムである。APIサーバ2は、例えば端末7と専用プラットフォーム10との間の通信の中継処理を行ってもよい。
【0035】
RDBサーバ3は、各情報を記録するためのデータベースである。RDBサーバ3は、例えばリレーショナルデータベースであってもよい。
【0036】
要鑑定製品12は、鑑定証明システム1を用いて鑑定を行う対象となる製品である。要鑑定製品12は、大きく分類してアナログ財とデジタル財とに分類することができる。例えば、アナログ財は、バッグ、カバン、衣類、時計、美術工芸品、自動車、通信機器等、鑑定証明が必要とされるあらゆる製品が含まれる。デジタル財は、デジタル画像、デジタル音声、デジタル楽曲、デジタル映像等の鑑定証明が必要とされるあらゆるデジタルコンテンツが含まれる。要鑑定製品12は、新品のみならず、中古品(二次流通、三次流通、その他n次流通)も含むものである。要鑑定製品12は、要鑑定製品12に関する製品情報が記録されている図示しないメモリーを備えてもよい。また、要鑑定製品12は、識別情報が記録された小型記録媒体11が付与されてもよい。また、要鑑定製品12は、小型記録媒体11に記録された情報を読み取るための図示しないアンテナを備えてもよい。
【0037】
小型記録媒体11は、電波を介して情報を読み取る非接触型の自動認識を用いて、情報を読み取ることが可能な記録媒体である。小型記録媒体11は、例えばユニークIDを記録するRFID(Radio Frequency Identification)タグ等の記録媒体である。RFIDは、ICと小型アンテナが組み込まれたタグやカード状の小型記録媒体から、電波を介して情報を読み取る非接触型の自動認識技術である。RFIDとして、例えばNFC(Near Field Communication)等の通信プロトコルの国際標準規格を用いてもよい。
【0038】
図2は、端末7の構成を示す模式図である。端末7は、例えば図2に示すように、筐体111と、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、保存部104と、I/F105~107とを備える。CPU101と、ROM102と、RAM103と、保存部104と、I/F105~107とは、内部バス110により接続される。
【0039】
CPU101は、端末7の全体を制御する。ROM102は、CPU101の動作コードを格納する。RAM103は、CPU101の動作時に使用される作業領域である。保存部104は、各種情報が保存される。保存部104は、例えばHDD(Hard Disk Drive)の他、SSD(Solid State Drive)やSDカード等のデータ保存装置が用いられる。なお、例えば端末7は、図示しないGPU(Graphics Processing Unit)を有してもよい。
【0040】
I/F105は、公共通信網4を介して各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。I/F106は、入力部108との情報の送受信を行うためのインターフェースである。入力部108として、例えばキーボードが用いられ、端末7を利用する消費者は、入力部108を介して、各種情報又は端末7の制御コマンド等を入力する。I/F107は、表示部109との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。表示部109は、保存部104に保存された各種情報、または鑑定証明システム1の処理状況等を出力する。表示部109として、ディスプレイが用いられ、例えばタッチパネル式でもよい。
【0041】
また、APIサーバ2と、分散型ファイルサーバ5と、端末6と、要鑑定製品12とは、端末7と同様な構成、又は端末7の構成の一部を備えてもよい。
【0042】
以下、鑑定証明システム1の動作について、図を用いて説明する。図3は、鑑定証明システム1が鑑定証明NFT等の鑑定証明の要素をブロックチェーンに記録する動作を示すフローチャートである。また、図4は、鑑定証明システム1が鑑定証明NFTをブロックチェーンに記録する動作を示す模式図である。
【0043】
まずステップS1において、ベンダー等の事業者は、端末6を介して、要鑑定製品12の製造番号に関するシリアル番号情報を公益法人が操作する端末6に送信する。製造番号は、要鑑定製品12毎に割り振られている唯一無二の文字列である。
【0044】
次に、ステップS2において、公益法人は、端末6を介して、要鑑定製品12の占有権に関する占有者情報を紐づけた論理ギャランティNFT(Non-fungible token)を生成し、生成した論理ギャランティNFTをブロックチェーン10a上に記録すると共に生成されるハッシュ情報を出力する。また、ステップS2において、公益法人は、これに限らず、例えば要鑑定製品12の占有者情報をブロックチェーン10a上に記録すると共に生成されるハッシュ情報を出力してもよい。このハッシュ情報の出力及び、論理ギャランティNFT又は占有者情報のブロックチェーン10a上への記録は、専用プラットフォーム10を介して行ってもよい。このようなブロックチェーン10aに、論理ギャランティNFTをブロックチェーンデータとして記録することにより、論理ギャランティNFTが改竄されることを完全に防止することができる。すなわち、ブロックチェーン10a内の各ブロックには、タイムスタンプと前のブロックへのリンク(ハッシュ値)が含まれており、ブロック内のデータを遡及的に変更することはできない。
【0045】
また、ステップS2において、公益法人は、これに限らず、例えば要鑑定製品12の占有者情報を任意のデータベース、分散型ストレージ上に記録すると共に生成されるハッシュ情報を出力してもよい。分散型ストレージは、例えば分散型ファイルシステムを適用した分散型ファイルサーバ5により管理されるストレージである。
【0046】
ハッシュ情報は、例えばハッシュ値である。また、ハッシュ情報は、ハッシュ値を秘密鍵等により暗号化した電子署名が含まれてもよい。ハッシュ情報は、例えばトランザクションハッシュ、DID(Decentralized Identifier)、ブロックチェーンアドレスである。トランザクションハッシュは、例えばNFTを特定するための文字列であり、イーサリアム等の場合には、64桁程度の文字列で示される。このトランザクションハッシュの代替として、コントラクトアドレスとトークンIDの組み合わせで代替してもよい。かかる場合、コントラクトアドレスは、ブロックチェーン上にコントラクトが展開されている固有アドレスである。トークンIDは、コントラクトアドレスが特定するNFTである。DID、ブロックチェーンアドレスは、例えばハッシュ値を電子署名に暗号化するために用いられた秘密鍵と対となる、当該電子署名を復号化する公開鍵に基づいて生成されてもよい。
【0047】
ここで、「秘密鍵」とは、要鑑定製品12の鑑定証明を実現するための情報を示し、例えば鑑定証明時において「秘密鍵」自体の整合性が判定されてもよい。「秘密鍵」は、特定のユーザ以外が知り得ない情報を示し、例えば小型記録媒体11に記録されるほか、例えば端末6、端末7や、専用プラットフォーム10等のような鑑定証明システム1に用いられる構成内に記録されてもよい。また、秘密鍵は識別情報であってもよい。
【0048】
また、例えば「秘密鍵」の対として「公開鍵」が生成されてもよい。この場合、「秘密鍵」及び「公開鍵」を用いて、公知の暗号化技術や電子署名技術を実施することができる。また、鑑定証明時において、「秘密鍵」の対として生成された「公開鍵」か否か、という点を整合性と見做して判定してもよい。なお、「公開鍵」は、例えば小型記録媒体11に記録されるほか、例えば端末6、端末7や、専用プラットフォーム10等のような鑑定証明システム1に用いられる構成内に、用途に応じて任意に記録することができる。また、「秘密鍵」及び「公開鍵」は、公知の技術を用いて生成することができ、例えば専用プラットフォーム10や分散型ファイルサーバ5等のような鑑定証明システム1に用いられる構成を用いて、用途に応じて任意に生成することができる。
【0049】
占有者情報は、要鑑定製品12の占有権に関する情報である。占有者情報は、要鑑定製品12を占有する占有者の名前やID等の情報であってもよい。占有者情報は、例えばDID(分散型アイデンティティ:Decentralized Identity、又はDecentralized Identifier)、「SSI(自己主権型アイデンティティ:Self-Sovereign Identity)」、その他「DIW(Digital Identity Wallet)」であっても良い。また、占有者情報として、各国政府や公的機関が「検証可能な資格情報 (VC:Verifiable Credentials)」として認証した例えば日本でいうところの「GビズID(gBizID)」又は「マイナンバー(個人番号)」等であってもよい。。占有者情報は、例えば要鑑定製品12を占有する占有者のアカウント等に関する情報であってもよい。占有者情報は、要鑑定製品12を占有する占有者のアカウントであってもよい。また、占有者情報は、要鑑定製品12を過去に占有していた占有者の情報であってもよい。アカウントのIDは、各事業者等が占有する秘密鍵に基づいて生成されてもよい。また、占有者情報は、要鑑定製品12の占有権に関する情報に基づく識別子であってもよい。占有権は、要鑑定製品12の所有権、及び要鑑定製品12の製造、販売、及び流通を行う権利、又は要鑑定製品12を貸し借りする権利である。また、占有者情報は、秘密鍵により電子署名に変換された占有者の情報であってもよい。また、占有者は、所有者、製造、販売、及び流通を行う者、貸し借りを行う者を含む。また、占有者情報は、要鑑定製品12をレンタルした者の情報を示すレンタル情報を含んでもよい。レンタル情報は、例えば要鑑定製品12をレンタルした者の名前やID等の情報であってもよい。秘密鍵により変換された電子署名は、秘密鍵に対応する公開鍵により、元の情報に復号化されてもよい。
【0050】
論理ギャランティNFTは、例えば占有者情報に基づいて生成されるNFTである。また、論理ギャランティNFTは、秘密鍵によりNFTから変換された電子署名を含んでもよい。また、論理ギャランティNFTは、例えば要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の原産地に関する原産地情報と要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の品質に関する品質情報と要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の取引に関するサプライチェーン情報と要鑑定製品12のセキュリティに対する脅威を判定するための判定情報と鑑定証明NFTの評価を示す評価情報とのうちの何れか1以上に基づいて生成されてもよい。かかる場合、論理ギャランティNFTは、原産地情報と品質情報とサプライチェーン情報と判定情報と評価情報とのうちの何れか1以上に紐づく情報の唯一無二の識別子から生成される唯一無二のNFTであってもよい。また、論理ギャランティNFTは、ゼロベースから生成されたNFTであってもよい。また、論理ギャランティNFTは、要鑑定製品12毎の固有な情報を元に生成されたNFTであってもよい。固有な情報は、例えば要鑑定製品12を取引する際に交わされた契約書の名前、番号、契約した日付の情報等である。また、固有な情報は、例えば要鑑定製品12の画像等の関連情報であってもよい。また、論理ギャランティNFTは、占有者のアカウントと紐づけてもよい。論理ギャランティNFTは、占有者情報と紐づいて記録される。
【0051】
原産地情報は、要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の原産地に関する情報である。原産地情報は、例えば要鑑定製品12の各部品の原産地を示す情報であってもよい。原産地情報は、例えば要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品が生産された原産地を示す情報であってもよい。
【0052】
品質情報は、要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の品質に関する情報である。品質情報は、例えば要鑑定製品12のHBOM(Hardware-Bill Of Materials)であり、要鑑定製品12の部品表であってもよい。品質情報は、例えば要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の傷の有無を示す情報であってもよい。また、品質情報は、要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の使用年数を示す情報であってもよい。品質情報は、要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品のスペック、及び動作仕様を示す情報であってもよい。品質情報は、要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の環境規格、環境基準への適合、又はCO2排出量等を示す情報であってもよい。品質情報は、要鑑定製品12のセキュリティに関する情報であってもよい。セキュリティに関する情報は、例えば要鑑定製品12のセキュリティ上の脆弱性に関する状態の情報である。セキュリティ上の脆弱性に関する状態は、例えば要鑑定製品12に内蔵されるICチップ等の型番や要鑑定製品12のソフトウェアのOSSや基本OS、及びバージョン等の情報と脆弱性を指摘されたICチップやソフトウェアを示す脆弱性情報との突合の状態である。また、セキュリティ上の脆弱性に関する状態は、上述した突合に基づく、セキュリティ上の脆弱性及び脅威の有無であってもよい。脆弱性情報は、例えばCommon Vulnerabilities and Exposures(CVE)、National Vulnerability Database(NVD)、Japan Vulnerability Notes(JVN)等に記録されている情報であってもよい。判定情報は、要鑑定製品12のセキュリティ上の脅威の有無を判定あるいは識別する情報であり、例えば脆弱性情報であってもよいし、要鑑定製品12のセキュリティ上の脆弱性に関する状態の情報であってもよい。
【0053】
サプライチェーン情報は、要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の取引に関する情報である。サプライチェーン情報は、要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の来歴に関する情報であってもよい。サプライチェーン情報は、要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の過去の占有者の情報であってもよい。サプライチェーン情報は、要鑑定製品12又は要鑑定製品12の部品の製造者、SIerの情報であってもよい。サプライチェーン情報は、例えば要鑑定製品12の売買契約の情報であってもよい。サプライチェーン情報は、例えば要鑑定製品12の保守契約の情報であってもよい。サプライチェーン情報は、例えば要鑑定製品12の保守の履歴の情報であってもよい。サプライチェーン情報は、例えば要鑑定製品12の製造企業、導入企業、運用企業それぞれの占有履歴の情報であってもよい。
【0054】
評価情報は、鑑定証明の要素の評価を示す情報である。評価情報は、例えば鑑定証明NFTの信憑性を示す情報であってもよい。評価情報は、例えば公益法人により評価された情報であってもよい。
【0055】
ステップS2において、公益法人は、端末6を介して、さらに識別情報を生成する。識別情報は、要鑑定製品12を識別するための唯一無二の識別情報である。識別情報は、例えば、要鑑定製品12に付与されたユニークIDであってもよい。識別情報は、例えば、要鑑定製品12の製造番号をハッシュ化したものであってもよい。公益法人は、出力したハッシュ情報と、識別情報が記録された小型記録媒体11をベンダー又はベンダーが管理する端末6に送る。
【0056】
次にステップS3において、ベンダーは、小型記録媒体11に記録された識別情報と、要鑑定製品12のシリアル番号情報と、ステップS2により生成されたハッシュ情報と、要鑑定製品12に関する情報を含む製品情報とをAPIサーバ2に送信する。
【0057】
製品情報は、要鑑定製品12に関する情報である。製品情報は、例えば製品の商品名、品番、製造メーカ・製造者(著作者)、製造場所、製造年月日等の物品に関する情報であってもよい。また、製品情報は、要鑑定製品12のハードウェアに関するハードウェア情報を含む情報であってもよい。製品情報は、例えば要鑑定製品12のソフトウェアに関するソフトウェア情報を含む。ソフトウェア情報は、例えば要鑑定製品12のソフトウェアのSBOM(Software-Bill Of Materials)であり、ソフトウェアの一覧表であってもよい。また、ソフトウェア情報は、例えば要鑑定製品12の各ソフトウェアの種類を示すソフトウェアタイプ、ソフトウェアのバージョンを示すソフトウェアバージョン、ソフトウェアの情報をハッシュ化したソフトウェアハッシュであってもよい。また、ソフトウェア情報は、ソフトウェアの更新履歴の情報であってもよい。
【0058】
ステップS3において、ベンダーは、例えば要鑑定製品12に記録された製品情報を、ローカル通信を介して取得してもよい。また、ステップS3において、ベンダーは、任意のサーバに記録された製品情報を、公共通信網4を介して取得してもよい。
【0059】
ステップS3において、APIサーバ2は、送信された製品情報と識別情報とシリアル番号情報とをそれぞれ第1製品情報と第1識別情報と第1シリアル番号情報として取得してもよい。第1製品情報と第1識別情報と第1シリアル番号情報とは、それぞれブロックチェーン10bに記録するための製品情報と識別情報とシリアル番号情報とである。
【0060】
次に、ステップS4において、APIサーバ2は、取得した第1製品情報を分散型ファイルサーバ5に送信し、第1製品情報に基づく識別子を生成し、生成した識別子を取得する。識別子は、例えばCID(Character IDentifier)であってもよい。
【0061】
次に、ステップS5において、APIサーバ2は、ステップS3により取得したハッシュ情報と第1識別情報とに基づく鑑定証明NFTをブロックチェーン10b上に記録する。また、ステップS5において、APIサーバ2は、ステップS3により取得したハッシュ情報と第1識別情報とに基づく鑑定証明NFTをステップS4により生成した識別子と紐づけてブロックチェーン10b上に記録してもよい。このようなブロックチェーン10bに、鑑定証明NFTをブロックチェーンデータとして記録することにより、鑑定証明NFTが改竄されることを完全に防止することができる。すなわち、ブロックチェーン10b内の各ブロックには、タイムスタンプと前のブロックへのリンク(ハッシュ値)が含まれており、ブロック内のデータを遡及的に変更することはできない。
【0062】
また、ステップS5において、APIサーバ2は、複数の要鑑定製品12からなる製品群13等を扱う場合、ステップS3により取得した各要鑑定製品12に対するハッシュ情報と第1識別情報とに基づく鑑定証明NFTをブロックチェーン10b上に記録してもよい。製品群13は、例えばサーバラック、又は複数の要鑑定製品12を収納する箱等であってもよい。
【0063】
また、ステップS5において、APIサーバ2は、ステップS3により取得したハッシュ情報と第1識別情報とに基づく鑑定証明の要素を任意のデータベース、又は分散型ストレージに記録してもよい。鑑定証明の要素は、鑑定証明に用いることができる情報である。鑑定証明の要素は、例えば鑑定証明NFT、ハッシュ情報、シリアル番号情報、識別情報等を含んでもよい。
【0064】
また、ステップS5において、APIサーバ2は、各事業者等のブロックチェーン10a、及びブロックチェーン10bにアクセスを行うユーザの情報と公開可能な情報とを紐づけた対応表を記録してもよい。
【0065】
鑑定証明NFTは、ハッシュ情報と第1識別情報とに基づく情報から生成された唯一無二の識別子から生成される唯一無二のNFTである。また、鑑定証明NFTは、ハッシュ情報と第1識別情報と第1シリアル番号情報とに基づいて生成されてもよい。また、鑑定証明NFTは、秘密鍵によりNFTから変換された電子署名を含んでもよい。
【0066】
また、ステップS6において、端末6等を介して送信された第1識別情報とハッシュ情報とを紐づけてRDBサーバ3に記録してもよい。また、ステップS6において、端末6等を介して送信された第1識別情報と第1シリアル番号情報とハッシュ情報と第1製品情報とを紐づけてRDBサーバ3に記録してもよい。また、ステップS6において、端末6等を介して送信された第1識別情報と占有者情報とを紐づけてRDBサーバ3に記録してもよい。
【0067】
次に、ステップS7において、要鑑定製品12がベンダーからSIerに送られる。かかる場合、端末6は、要鑑定製品12の新たな占有者に関する第2占有者情報を取得し、取得した第2占有者情報を紐づけて、論理ギャランティNFTをブロックチェーン10a上に記録すると共に生成されるハッシュ情報を出力する。かかる場合、予め論理ギャランティNFTに紐づいていた占有者情報の履歴を残し、新たに第2占有者情報と紐づけて記録する。第2占有者情報は、新たに要鑑定製品12の占有権を得た占有者に関する情報である。APIサーバ2は、出力されたハッシュ情報を用いて、ステップS3~S5に動作を行うことにより、再び鑑定証明NFTを記録してもよい。
【0068】
次に、ステップS8において、要鑑定製品12がSIerから消費者に送られる、かかる場合、ステップS7と同様に、新たな占有者情報を取得し、取得した占有者情報を紐づけて、論理ギャランティNFTをブロックチェーン10a上に記録すると共に生成されるハッシュ情報を出力する。また、消費者は、複数の要鑑定製品12をひとつにまとめた製品群13等を管理してもよい。製品群13は、複数の要鑑定製品12と製品群13に対して付与された小型記録媒体11を備えてもよい。また、要鑑定製品12の占有者情報を新たに記録する場合、後述するステップS14により要鑑定製品12の占有者の証明を行い、占有者であることが証明された鑑定証明者のみが行える設定にしてもよい。これにより、要鑑定製品12の占有者が変更した場合においても、当初の条件設定を付随してトレースできることで検証ができ、条件設定に基づき合意の取消し等のコントロールが可能となるため、より高精度なTrace機能を実現することが可能となる。
【0069】
また、ステップS8において、要鑑定製品12のレンタルを行ってもよい。かかる場合、新たなレンタル情報を取得し、取得したレンタル情報を紐づけて、論理ギャランティNFTをブロックチェーン10a上に記録すると共に生成されるハッシュ情報を出力する。これにより、要鑑定製品12の貸し借りを行った場合においても、Trace機能を実現することが可能となる。
【0070】
また、要鑑定製品12のソフトウェアが更新された場合、APIサーバ2は、更新されたソフトウェアの情報を含む第1製品情報を新たに取得し、ステップS4において、新たに取得した第1製品情報に基づく識別子を生成し、ステップS5において、生成した識別子と鑑定証明NFTと紐づけて記録してもよい。これにより、要鑑定製品12が消費者に譲渡された後であっても、要鑑定製品12のソフトウェアの真正性の管理が可能となる。
【0071】
上述した各ステップを行うことにより、鑑定証明システム1が鑑定証明NFT等の鑑定証明の要素をブロックチェーン等に記録する動作が終了する。鑑定証明システム1は、上述した各ステップにより記録した鑑定証明NFT等を用いて、鑑定証明等の動作を行う。これにより、例えば要鑑定製品12の占有者を示すギャランティカードを論理ギャランティNFTとして、電子化することが可能となる。このため、論理ギャランティNFTを特定のサービスや企業に依存することなく各主体が発行することが可能となるため、Identifier管理機能を実現することができ、Trusted Webにおいても真正性の証明を行うことが可能となる。
【0072】
次に、鑑定証明システム1が真正性の証明を行う動作について説明する。図5は、鑑定証明システム1が真正性の証明を行う動作のフローチャートである。また、図6は、鑑定証明システム1が真正性の証明を行う動作の模式図である。
【0073】
まずステップS10において、鑑定証明を行う鑑定証明者は、端末7を介して、アカウントにログインする。また、ステップS10において、APIサーバ2は、予め記録されたアカウントに対する鑑定証明者に関する鑑定証明者情報の関係を示す対応表を参照し、入力されたアカウントに対する鑑定証明者情報を取得してもよい。また、ステップS10において、ログイン履歴はブロックチェーン10b上に記録してもよい。
【0074】
次に、ステップS11において、鑑定証明者は、端末7にコマンドを入力することにより、第2識別情報と第2シリアル番号情報とを取得してもよい。また、ステップS11において、鑑定証明者は、端末7にコマンドを入力することにより、第2製品情報を取得してもよい。かかる場合、例えば、端末7は、公共通信網4を介して、RDBサーバ3に記録された第2製品情報と第2シリアル番号情報とを取得してもよい。また、端末7は、ローカル通信等を介して、要鑑定製品12から第2シリアル番号情報と第2製品情報とを取得してもよい。また、端末7は、要鑑定製品12に付与された小型記録媒体11からRFID等を用いて、第2識別情報を取得してもよい。
【0075】
第2識別情報と第2シリアル番号情報と第2製品情報とは、それぞれ要鑑定製品12の真正性の証明を行うために新たに取得された識別情報とシリアル番号情報と製品情報とである。
【0076】
次に、ステップS12において、ステップS11において取得した第2識別情報と第2シリアル番号情報とをAPIサーバ2に送信する。また、ステップS12において、ステップS11において取得した第2識別情報と第2シリアル番号情報と第2製品情報とをAPIサーバ2に送信してもよい。
【0077】
次に、ステップS13において、APIサーバ2は、ステップS12により送信された第2識別情報に紐づけられた占有者情報を取得する。また、APIサーバ2は、第2識別情報と第2シリアル番号情報と第2製品情報とに紐づく論理ギャランティNFTを取得してもよい。また、ステップS13において、APIサーバ2は、ステップS12により送信された第2識別情報と第2製品情報とのうちの何れか1以上に紐づけられ、ステップS6により記録された論理ギャランティNFTを取得してもよい。かかる場合、APIサーバ2は、取得した論理ギャランティNFTに紐づく占有者情報を取得してもよい。
【0078】
次に、ステップS14において、ステップS13により取得した論理ギャランティNFTに紐づく占有者情報とステップS11において取得した鑑定証明者情報とに基づいて、要鑑定製品12の占有者の証明を行う。かかる場合、例えばステップS14において、ステップS13により取得した論理ギャランティNFTに紐づく占有者情報とステップS11において取得した鑑定証明者情報との整合性を判定することにより、要鑑定製品12の占有者の証明を行う。ステップS14において、占有者情報と鑑定証明者情報とが同一であった場合、ステップS15に移行する。また、占有者情報に鑑定証明者情報が含まれている場合、ステップS15に移行してもよい。また、ステップS14において、占有者の証明を行った場合、この履歴を記録してもよい。
【0079】
次に、ステップS15において、APIサーバ2は、ステップS5により記録した鑑定証明NFTと、ステップS11により取得した第2識別情報及びステップS13により取得した論理ギャランティNFTのハッシュ情報との整合性を判定することにより、要鑑定製品12の真正性証明を行う。かかる場合、APIサーバ2は、ステップS5により記録した鑑定証明NFTと、ステップS11により取得した第2識別情報、第2シリアル番号情報及びステップS13により取得した論理ギャランティNFTのハッシュ情報との整合性を判定することにより、要鑑定製品12の真正性証明を行ってもよい。また、ステップS15において、真正性の証明を行った場合、この履歴を記録してもよい。
【0080】
また、ステップS14において、ステップS11において取得した鑑定証明者情報とステップS5において記録したユーザの情報との整合性を判定してもよい。かかる場合、ステップS15において、ステップS5において、ユーザの情報と紐づけて記録された公開可能な情報を鑑定証明者に公開してもよい。これにより、識別子と紐づいた属性又はデータを管理し、開示の範囲や利用期間等を選択して開示することが可能となる。
【0081】
また、ステップS14において、製品群13等を扱う場合、ステップS11において取得した鑑定証明者情報とステップS5において記録した製品群13に含まれる各要鑑定製品12に対応するユーザの情報との整合性を判定してもよい。かかる場合、例えば各要鑑定製品12に対応するユーザの情報のうち、少なくとも2つが揃うことで占有者証明が成立するマルチシグ認証が採用でき、鑑定精度をより確実なものとすることができる。
【0082】
次に、ステップS16において、APIサーバ2は、ステップS5により記録した鑑定証明NFTに紐づく識別子が示す第1製品情報とステップS11により取得された第2製品情報との整合性とを判定することにより、要鑑定製品の真正性証明を行う。かかる場合、第1製品情報と第2製品情報とにそれぞれ含まれるソフトウェアハッシュ、ソフトウェアタイプ、及びソフトウェアバージョンの整合性を判定することにより、真正性の証明を行ってもよい。また、ステップS16において、真正性の証明を行った場合、この履歴を記録してもよい。
【0083】
また、ステップS16において、APIサーバ2は、製品群13等を扱う場合、製品群13に含まれる各要鑑定製品12に対して、ステップS5により記録した鑑定証明NFTに紐づく識別子が示す第1製品情報とステップS11により取得された第2製品情報との整合性とを判定することにより、要鑑定製品の真正性証明を行ってもよい。かかる場合、例えば各要鑑定製品12に対応する製品情報のうち、少なくとも2つが揃うことで鑑定証明が成立するマルチシグ認証が採用でき、鑑定精度をより確実なものとすることができる。
【0084】
また、要鑑定製品12が複数の小型記録媒体11を有する場合、小型記録媒体11の数だけ、ステップS10~16の動作を繰り返してもよい。
【0085】
上述した各ステップを行うことにより、鑑定証明システム1の真正性の証明を行う動作が終了する。これにより、特定のサービスや企業に依存することなく、Trusted Webにおいても真正性の証明を行うことが可能となる。また、ブロックチェーン10aに記録された各種情報に間違いがあった場合、又は要鑑定製品12が偽物であった場合に賠償金を払うための保険のシステムを鑑定証明システム1に適用してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 鑑定証明システム
2 APIサーバ
3 RDBサーバ
4 公衆通信網
5 分散型ファイルサーバ
6 端末
7 端末
10 専用プラットフォーム
10a、10b ブロックチェーン
11 小型記録媒体
12 要鑑定製品
13 製品群
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 保存部
105 I/F
106 I/F
107 I/F
108 入力部
109 表示部
110 内部バス
111 筐体
図1
図2
図3
図4
図5
図6