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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162892
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】盗難判定システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/32 20130101AFI20241114BHJP
   B60R 25/33 20130101ALI20241114BHJP
   G08B 13/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B60R25/32
B60R25/33
G08B13/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078866
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】森林 健
【テーマコード(参考)】
5C084
【Fターム(参考)】
5C084AA04
5C084BB24
5C084CC16
5C084DD77
5C084DD80
5C084EE06
5C084FF02
5C084GG03
5C084HH12
5C084HH13
(57)【要約】
【課題】エンジンの動作状態を検出することなく、より簡単に盗難の発生について判定することが可能な技術を提供する。
【解決手段】盗難判定システム1は、センサ装置100とユーザに携帯されるユーザ端末200とを備える。センサ装置100は、車両10のタイヤ11の回転に伴い変化する物理量を検出するセンサ120と、前記物理量を送信する通信部130とを含む。ユーザ端末200は、前記物理量を受信する通信部252と、前記通信部252が受信した前記物理量に基づいて、前記車両10の移動量を算出する車両移動量算出部201と、ユーザ端末200の位置情報から前記ユーザ端末200の移動量を特定するユーザ移動量特定部203と、前記ユーザ端末200の移動量と、前記車両10の移動量との比較結果に基づいて、前記車両10の盗難が発生したか否かを判定する盗難判定部205とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ装置とユーザに携帯されるユーザ端末とを備え、
前記センサ装置は、車両のタイヤの回転に伴い変化する物理量を検出するセンサと、前記物理量を送信する第1の通信部とを含み、
前記ユーザ端末は、
前記物理量を受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部が受信した前記物理量に基づいて、前記車両の移動量を算出する車両移動量算出部と、
前記ユーザ端末の位置情報から前記ユーザ端末の移動量を特定するユーザ移動量特定部と、
前記ユーザ端末の移動量と、前記車両の移動量との比較結果に基づいて、前記車両の盗難が発生したか否かを判定する盗難判定部と
を有する盗難判定システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末の位置情報と地図データから、前記ユーザ端末が所定の施設内に存在しているか否かを判定する施設判定部をさらに有し、
前記盗難判定部は、前記ユーザ端末の移動量と前記車両の移動量との比較結果と、前記ユーザ端末が前記所定の施設内に存在しているか否かの判定結果とに基づいて、前記車両の盗難が発生したか否かを判定する
請求項1に記載の盗難判定システム。
【請求項3】
前記センサ装置は、前記タイヤのバルブに装着される
請求項1又は2に記載の盗難判定システム。
【請求項4】
前記センサ装置は、前記タイヤ内の空気の排気を行うアクチュエータをさらに備え、
前記ユーザ端末は、前記盗難判定部により前記車両が盗難されたと判定された場合に、前記アクチュエータを制御して、前記タイヤ内の空気を排気する排気制御部をさらに有する
請求項3に記載の盗難判定システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末は、異なるユーザ毎の複数の前記ユーザ端末の移動量を収集する移動量収集部をさらに有し、
前記盗難判定部は、複数の前記ユーザ端末のうちいずれかの前記ユーザ端末の移動量が前記車両の移動量と対応している場合、前記車両は盗難されていないと判定する
請求項1に記載の盗難判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は盗難判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の盗難の発生を判定する技術が知られている。例えば、特許文献1に開示された車両盗難検出装置は、エンジン作動検出手段によりエンジンが停止中であると検出されているにもかかわらずタイヤ回転検出手段によりタイヤが回転していることが検出されたときに車両が盗難されたと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-037031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、車両の盗難の発生を判定するために、エンジンが停止しているか否かを検出する必要がある。エンジンの動作状態を検出することなく、より簡単に、盗難の発生について判定することが可能な技術の提供が求められている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、エンジンの動作状態を検出することなく、より簡単に盗難の発生について判定することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様にかかる盗難判定システムは、
センサ装置とユーザに携帯されるユーザ端末とを備え、
前記センサ装置は、車両のタイヤの回転に伴い変化する物理量を検出するセンサと、前記物理量を送信する第1の通信部とを含み、
前記ユーザ端末は、
前記物理量を受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部が受信した前記物理量に基づいて、前記車両の移動量を算出する車両移動量算出部と、
前記ユーザ端末の位置情報から前記ユーザ端末の移動量を特定するユーザ移動量特定部と、
前記ユーザ端末の移動量と、前記車両の移動量との比較結果に基づいて、前記車両の盗難が発生したか否かを判定する盗難判定部と
を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エンジンの動作状態を検出することなく、より簡単に盗難の発生について判定することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1にかかる盗難判定システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】車両のタイヤに装着されたセンサ装置を示す模式図である。
図3】実施の形態1にかかるセンサ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態1にかかるユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】実施の形態1にかかるユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6A】実施の形態1にかかる盗難判定動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図6B】実施の形態1にかかる盗難判定動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態2にかかるセンサ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8】実施の形態2にかかるユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9】実施の形態3にかかるユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0010】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1にかかる盗難判定システム1の構成の一例を示すブロック図である。盗難判定システム1は、センサ装置100とユーザ端末200を含む。なお、図1に示すように、盗難判定システム1は、さらに車載装置300を含んでもよい。センサ装置100及び車載装置300は、盗難の判定対象である車両10に搭載されている。ユーザ端末200は、センサ装置100及び車載装置300と、無線通信可能に接続する。なお、センサ装置100と車載装置300間も、無線通信可能に接続してもよい。本実施の形態では、一例として、無線通信は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信である。このBLE通信は、Bluetoothバージョン5以降の通信であってもよい。なお、Bluetoothバージョン5の通信の場合、通信距離として、200から250メートル程度の広範囲な通信距離が期待できる。なお、利用される無線通信は、Bluetooth規格の通信に限れず、他の公知の無線通信規格に従った通信であってもよい。例えば、利用される無線通信は、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信規格に従った通信であってもよい。複数種類の無線通信が利用されてもよい。
【0011】
車載装置300は、任意の公知の車載装置であり、例えば、ドライブレコーダであってもよいし、ナビゲーション装置であってもよいし、オーディオ装置などであってもよい。センサ装置100は、車両10の移動を検出するためのセンサを搭載した装置である。本実施の形態では、センサ装置100は、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)の機器としても利用される装置であり、図2に示すように、車両10のタイヤ11に装着される。このように、本実施の形態では、センサ装置100は、TPMSとしての機能も有するため、後述するように、タイヤ11の空気圧を検出するためのセンサも有している。センサ装置100は、車両10の少なくとも一つのタイヤ11に装着されるが、車両10の複数のタイヤ11に装着されてもよい。すなわち、盗難判定システム1は、一つの車両10に対して、複数のセンサ装置100を含んでもよい。センサ装置100は、具体的には、タイヤ11のバルブ12に装着される。近年、タイヤ11のバルブ12に後付け可能なTPMSの機器が販売されている。このようなTPMSの機器の代わりに、センサ装置100を用いることで、センサ装置100は、容易に車両10に後付けすることができる。また、ユーザ端末200は、車両10のユーザが携帯する端末装置である。センサ装置100及びユーザ端末200について、以下で詳述する。
【0012】
図3は、センサ装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、センサ装置100は、空気圧センサ110と、ジャイロセンサ120と、通信部130とを有する。
【0013】
空気圧センサ110は、車両10のタイヤ11内の空気圧を検出するセンサである。ジャイロセンサ120は、車両10のタイヤ11の回転に伴い変化する物理量を検出するセンサの一例であり、タイヤ11の回転を検出する。より詳細には、ジャイロセンサ120は、タイヤ11の角速度を検出する。なお、タイヤ11の回転に伴い変化する物理量を検出するセンサとして、加速度を検出する加速度センサが用いられてもよい。
【0014】
通信部130は、センサ装置100が、ユーザ端末200などの他の装置と無線通信するための送受信回路である。本実施の形態では、通信部130は、BLE通信を行う。特に、通信部130は、センサが検出した物理量をユーザ端末200に送信する。具体的には、通信部130は、空気圧センサ110が検出した空気圧をユーザ端末200に送信する。また、通信部130は、ジャイロセンサ120が検出したタイヤ11の角速度をユーザ端末200に送信する。例えば、通信部130は、定期的にこれらの物理量のデータをユーザ端末200に送信する。なお、通信部130は、車載装置300と無線通信を行ってもよい。この場合、センサが検出した物理量は、車載装置300を介してユーザ端末200に送信されてもよい。すなわち、この場合、通信部130は、車載装置300に物理量を送信してもよい。
【0015】
図4は、ユーザ端末200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、ユーザ端末200は、メモリ250、プロセッサ251、通信部252、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部253、出力部254、及び入力部255を有する。
【0016】
メモリ250は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ250は、プロセッサ251により実行されるプログラム、及びユーザ端末200の各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。メモリ250は、後述する施設判定部204により利用される地図データを記憶していてもよい。
【0017】
プロセッサ251は、メモリ250からプログラムを読み出して実行することで、ユーザ端末200の後述する機能を実現するための処理を行う。プロセッサ251は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などであってもよい。プロセッサ251は、複数のプロセッサを含んでもよい。
このように、ユーザ端末200は、コンピュータとしての機能を備えている。
【0018】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明される1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0019】
通信部252は、ユーザ端末200が、センサ装置100及び車載装置300などの他の装置と無線通信するための送受信回路である。本実施の形態では、通信部252は、BLE通信を行うが、BLE通信に加えてWi-Fi通信を行ってもよいし、BLE通信の代わりにWi-Fi通信を行ってもよい。特に、通信部252は、センサ装置100から送信された物理量のデータを受信する。通信部252は、センサ装置100から送信された物理量を、車載装置300を介して受信してもよい。通信部252は、後述する装置制御部208の処理に応じて、車載装置300を制御するための信号を車載装置300に送信してもよい。上述した通り、通信部252は、BLE通信以外の無線通信を行ってもよい。例えば、通信部252は、センサ装置100から送信された物理量をBLE通信で受信した車載装置300から、Wi-Fi通信により当該物理量を受信してもよい。また、通信部252は、車載装置300を制御するための信号をWi-Fi通信により車載装置300に送信してもよい。
【0020】
GNSS受信部253は、GPS(Global Positioning System)衛星などのGNSS衛星から送信される信号を受信するアンテナである。GNSS受信部253が受信した信号は、後述する位置取得部202によって利用される。
【0021】
出力部254は、情報の出力を行うディスプレイなどの出力装置である。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイであってもよい。また、出力部254は、スピーカを含んでもよい。出力部254は、後述する警告部207の処理に応じて、盗難の発生についての警告を出力する。
【0022】
入力部255は、ユーザが入力を行うための装置であり、例えば、ポインティングデバイスなどの入力装置である。入力部255及び出力部254は、タッチパネルとして一体的に構成されていてもよい。
【0023】
図5は、ユーザ端末200の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、ユーザ端末200は、車両移動量算出部201、位置取得部202、ユーザ移動量特定部203、施設判定部204、盗難判定部205、空気圧判定部206、警告部207、及び装置制御部208を有する。
【0024】
車両移動量算出部201は、センサ装置100から送信され、通信部252が受信した上述の物理量に基づいて、車両10の移動量を算出する。本実施の形態では、具体的には、車両移動量算出部201は、ジャイロセンサ120が検出した角速度から、所定の判定周期におけるタイヤ11の回転数を算出し、この回転数とタイヤ11のサイズから、所定の判定周期における車両10の移動量を算出する。本実施の形態では、タイヤ11のサイズは、予めユーザによって設定されるが、タイヤ11のサイズとして想定される所定のサイズが、移動量の算出に用いられてもよい。
【0025】
位置取得部202は、GNSS受信部253が受信した信号に基づいて、ユーザ端末200の位置情報、換言するとユーザ端末200を携帯するユーザの位置情報を、公知の方法によって取得する。位置取得部202は、ユーザ端末200の位置情報の取得を所定の判定周期で繰り返す。なお、位置取得部202は、ユーザの位置の時間的な変化を正確に補足するために、ユーザ端末200の位置情報の取得を所定の判定周期よりも短い周期で繰り返してもよい。
【0026】
ユーザ移動量特定部203は、位置取得部202により取得されたユーザ端末200の位置情報からユーザ端末200の移動量を特定する。ユーザ移動量特定部203は、所定の判定周期の期間内におけるユーザ端末200の位置の変化から、この所定の判定周期の期間におけるユーザ端末200の移動量、すなわちユーザの移動量を特定する。
【0027】
施設判定部204は、所定の施設の位置が示されている地図データと、ユーザ端末200の位置情報とから、ユーザ端末200が所定の施設内に存在しているか否かを判定する。すなわち、施設判定部204は、所定の判定周期におけるユーザ端末200の位置が、所定の施設内であるか否かを判定する。
【0028】
本実施の形態では、施設判定部204は、ユーザ端末200の位置が、所定の第1の施設内であるか否かを判定する処理と、ユーザ端末200の位置が、所定の第2の施設内であるか否かを判定する処理とを行う。ここで、所定の第1の施設とは、ユーザが施設に滞在中に、当該施設内で移動することが想定される施設である。第1の施設は、例えば、ユーザの自宅、コンビニエンスストア、レストラン、ショッピングモールなどの施設である。本実施の形態では、後述するように、ユーザが車両10に乗車していない際の車両10の移動量と、ユーザの移動量との比較により、車両10の盗難が発生したか否かが判定される。このため、ユーザが第1の施設付近に車両10を駐車して第1の施設内にユーザが滞在している際の車両10の盗難を適切に判定するためには、第1の施設内に滞在中のユーザの移動を無視することが好ましい。よって、施設判定部204は、ユーザ端末200の位置が、所定の第1の施設内であるか否かを判定する。以下、第1の施設を移動補正施設とも称す。
【0029】
また、所定の第2の施設とは、ユーザが車両10に乗車していない状態で車両10が移動することが想定される施設である。第2の施設は、例えば、車両10の点検を行うディーラーなどの車両点検施設であってもよいし、車両10を自動的に運搬する立体駐車場などの機械式駐車場を備えた施設であってもよい。第2の施設内にユーザが滞在している場合、盗難の発生とは無関係に、ユーザの移動量と車両10の移動量に差が生じうる。このため、ユーザが第2の施設内に滞在している場合には、両者の移動量の差に基づく盗難の検知を控えることが好ましい。よって、施設判定部204は、ユーザ端末200の位置が、所定の第2の施設内であるか否かを判定する。以下、第2の施設を判定除外施設とも称す。
【0030】
盗難判定部205は、ユーザ移動量特定部203が特定したユーザ端末200の移動量と、車両移動量算出部201が算出した車両10の移動量との比較結果に基づいて、車両10の盗難が発生したか否かを判定する。盗難判定部205は、両者の移動量が対応していない場合、車両10の盗難が発生したと判定する。ここで、第1の移動量と第2の移動量が対応しているとは、具体的には、第1の移動量と第2の移動量の差が所定の閾値未満であることをいう。したがって、例えば、盗難判定部205は、両者の移動量の差が所定の閾値以上である場合、車両10の盗難が発生したと判定する。
【0031】
より詳細には、本実施の形態では、盗難判定部205は、施設判定部204の判定結果も用いて、車両10の盗難の発生について判定する。すなわち、本実施の形態では、盗難判定部205は、ユーザ端末200の移動量と車両10の移動量との比較結果と、ユーザ端末200が所定の施設内に存在しているか否かの判定結果とに基づいて、車両10の盗難が発生したか否かを判定する。具体的には、盗難判定部205は、ユーザ端末200の位置が判定除外施設内であると施設判定部204により判定された場合、ユーザ端末200の移動量と車両10の移動量との比較結果にかかわらず、車両10の盗難が発生していないと判定する。また、盗難判定部205は、ユーザ端末200の位置が移動補正施設内であると施設判定部204により判定された場合、ユーザ端末200の移動量を補正し、補正された移動量と車両10の移動量との比較結果によって、車両10の盗難の発生について判定する。すなわち、盗難判定部205は、ユーザ端末200についての補正された移動量と車両10の移動量とが対応していない場合、車両10の盗難が発生したと判定する。なお、盗難判定部205は、ユーザ端末200の位置が移動補正施設内である場合、ユーザ移動量特定部203が特定した移動量を、移動していないことを示す値(例えば、0)に補正する。
【0032】
なお、本実施の形態では、盗難判定部205は、施設判定部204の判定結果も用いて、車両10の盗難の発生について判定するが、施設判定部204の判定結果を用いずに、車両10の盗難の発生が判定されてもよい。また、盗難判定部205は、タイヤ11の盗難の発生について判定してもよい。タイヤの盗難は、車両10が備える複数のタイヤ11に対して順番に一つずつ行われることが一般的である。そして、タイヤ11が盗難されると、タイヤ11は車両10の車体を支えなくなるため、タイヤ11の空気圧は減少する。また、タイヤ11が盗難されると、タイヤ11は持ち運ばれるため、タイヤ11に回転などの動きが発生する。よって、一つのタイヤ11だけ空気圧が変化した場合や一つのタイヤ11だけ回転などの動きが検出された場合には、タイヤ11の盗難が発生している可能性がある。したがって、盗難判定部205は、盗難の判定対象のタイヤ11のセンサ装置100が送信する物理量の推移が、他のタイヤ11のセンサ装置100が出力する物理量の推移と異なる場合、タイヤ11の盗難が発生したと判定してもよい。
【0033】
空気圧判定部206は、TPMSとしての判定処理を行う。空気圧判定部206は、センサ装置100から送信されたタイヤ11の空気圧に基づいて、タイヤ11の空気圧を判定する。具体的には、例えば、空気圧判定部206は、検出されたタイヤ11の空気圧が所定の基準レンジに収まっているか否かを判定する。空気圧判定部206は、空気圧が所定の基準レンジに収まっていない場合、空気圧に異常が発生したと判定する。なお、複数のタイヤ11にセンサ装置100が設けられている場合には、空気圧判定部206は、タイヤ11毎に、空気圧を判定する。
【0034】
警告部207は、盗難が発生した場合に、警告を出力する処理を行う。本実施の形態では、警告部207は、盗難判定部205が車両10の盗難が発生したと判定すると、車両10の盗難の発生を通知する警告を出力部254から出力する。警告は、ディスプレイとしての出力部254に表示されてもよいし、スピーカとしての出力部254から音又は音声で出力されてもよい。また、警告部207は、空気圧判定部206により空気圧に異常が発生したと判定された場合、空気圧の異常を通知する警告を出力部254から出力してもよい。また、盗難判定部205がタイヤ11の盗難が発生したと判定した場合には、警告部207は、タイヤ11の盗難の発生を通知する警告を出力部254から出力してもよい。
【0035】
装置制御部208は、盗難判定部205により車両10が盗難されたと判定された場合に、車載装置300を制御する。この制御は、例えば、通信部252を介して、車載装置300に制御信号が送信されることにより行われる。例えば、盗難判定部205は、車載装置300がドライブレコーダである場合、録画の開始及び録画データのユーザ端末200への送信を車載装置300に指示してもよい。また、盗難判定部205は、車載装置300がナビゲーション装置である場合、ナビゲーション装置が取得した位置情報をユーザ端末200へ送信することを車載装置300に指示してもよい。録画データ又は位置情報の送信により、ユーザは、盗難事件を解決するために有益な情報を得ることができる。また、盗難判定部205は、車載装置300がオーディオ装置である場合、大音量(具体的には、所定の音量以上の音量)で、音楽、ラジオ、テレビなどのオーディオコンテンツを再生するよう車載装置300に指示してもよい。これにより、盗難者を威嚇して、盗難行為を妨害することができる。なお、オーディオ装置はナビゲーション装置に含まれていてもよい。
【0036】
次に、盗難判定システム1における車両10の盗難判定動作の流れについて説明する。図6A及び図6Bは、車両10の盗難判定動作の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図6A及び図6Bを参照しつつ、動作の流れを説明する。なお、フローチャートにより示される処理の実行順序は、一例に過ぎず、技術的な矛盾が生じない限り実行順序を適宜入れ替えることが可能である。
【0037】
ステップS100において、ユーザ端末200が、センサ装置100と無線通信接続を確立する。なお、ユーザ端末200は、さらに車載装置300と無線通信接続を確立してもよい。
【0038】
次に、ステップS101において、設定情報が登録済みであるかが確認される。この設定情報は、タイヤのサイズであってもよいし、盗難が発生した場合の処理を設定する情報であってもよい。すなわち、設定情報は、警告部207の警告方法を設定する情報であってもよいし、盗難が発生した場合の装置制御部208の制御内容を設定する情報であってもよい。すでに設定情報が登録済みである場合(ステップS101でYES)、処理はステップS103へ移行し、未だ設定情報が登録されていない場合(ステップS101でNO)、処理はステップS102へ移行する。ステップS102において、ユーザが入力部255を介してユーザ端末200に入力した設定情報を、メモリ250などの記憶装置が記憶する。ステップS102の後、処理はステップS103へ移行する。ステップS103以降の処理は、所定の判定周期で繰り返される。
【0039】
ステップS103において、ユーザ端末200は、センサ装置100から送信されたデータを受信する。特に、本ステップでは、車両10の盗難の判定のために、ユーザ端末200は、ジャイロセンサ120が出力したデータを受信する。
次に、ステップS104において、車両移動量算出部201が、センサ装置100から受信したデータに基づいて、上述した通り、車両10の移動量を算出する。
【0040】
次に、ステップS105において、位置取得部202が、GNSS受信部253が受信した信号に基づいて、ユーザ端末200の位置情報を取得する。
次に、ステップS106において、ユーザ移動量特定部203が、取得されたユーザ端末200の位置情報からユーザ端末200の移動量を特定する。
【0041】
ステップS107において、施設判定部204が、ユーザ端末200の位置が所定の判定除外施設内であるか否かを判定する。ユーザ端末200の位置が判定除外施設内である場合(ステップS107でYES)、処理はステップS103に戻り、そうでない場合(ステップS107でNO)、処理はステップS108へ移行する。このように、ユーザ端末200の位置が所定の判定除外施設内である場合には盗難の発生についての判定を行わないようにすることで、盗難が発生していないにもかかわらず、盗難が発生したと誤判定することを抑制することができる。
【0042】
ステップS108において、施設判定部204が、ユーザ端末200の位置が所定の移動補正施設内であるか否かを判定する。ユーザ端末200の位置が移動補正施設内である場合(ステップS108でYES)、処理はステップS109へ移行し、そうでない場合(ステップS108でNO)、処理はステップS110へ移行する。
ステップS109では、盗難判定部205は、ユーザ端末200の移動量を、移動していないことを示す値に補正する。ステップS109の後、処理はステップS110へ移行する。このように、ユーザ端末200の位置が所定の移動補正施設内である場合には移動量を補正することで、車両10の盗難を適切に判定することができる。
【0043】
ステップS110において、盗難判定部205は、ユーザ端末200の移動量と車両10の移動量とが対応しているか否かを判定する。なお、ステップS109において、ユーザ端末200の移動量が補正された場合には、本ステップでは、補正後のユーザ端末200の移動量と車両10の移動量とが比較される。ユーザ端末200の移動量と車両10の移動量とが対応している場合、処理はステップS111に移行し、ステップS111において、盗難判定部205は、車両10の盗難は発生していないと判定する。ステップS111の後、処理はステップS103へ戻る。これに対し、ユーザ端末200の移動量と車両10の移動量とが対応していない場合、処理はステップS112に移行し、ステップS112において、盗難判定部205は、車両10の盗難が発生したと判定する。ステップS112の後、処理はステップS113へ移行する。
【0044】
ステップS113において、登録された設定情報に従った処理が行われる。具体的には、警告部207が、車両10の盗難の発生を通知する警告を出力する処理を行う。また、装置制御部208が、車載装置300を制御する処理を行う。なお、警告部207の処理と装置制御部208の処理のいずれか一方だけが行われてもよい。
【0045】
以上、実施の形態1について説明した。本実施の形態によれば、センサ装置100から送信されたデータから算出された車両10の移動量と、ユーザ端末200の移動量の比較によって、車両10の盗難の発生が検出される。すなわち、両者の移動量を比較することにより、車両10の移動が、ユーザが乗車した状態での車両10の移動であるか否かを区別することができる。このため、エンジンの動作状態を検出しなくてもよいため、より簡単に盗難の発生について判定することができる。また、特に、センサ装置100は、タイヤ11のバルブ12に後付け可能な装置である。このため、ユーザは、盗難を検出するシステムを容易に構築することができる。
【0046】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態にかかる盗難判定システムは、盗難が発生した場合に、タイヤ11の空気を抜く機能を有する点で、実施の形態1にかかる盗難判定システム1と異なっている。以下、実施の形態1と異なる構成及び処理について説明し、実施の形態1と同様な構成及び処理についての説明を省略する。本実施の形態では、センサ装置100の代わりにセンサ装置100aが用いられる。また、ユーザ端末200の代わりに、ユーザ端末200aが用いられる。
【0047】
図7は、実施の形態2にかかるセンサ装置100aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、センサ装置100aは、アクチュエータ140をさらに有する点で、実施の形態1にかかるセンサ装置100と異なっている。アクチュエータ140は、タイヤ11内の空気の排気を行う。アクチュエータ140は、ユーザ端末200aからの制御信号にしたがって動作して、タイヤ11内の空気の排気を行う。アクチュエータ140は、排気用のバルブを開放してもよいし、タイヤ11に穴を空けてもよい。アクチュエータ140により開放される排気用のバルブはバルブ12であってもよい。
【0048】
図8は、ユーザ端末200aの機能構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、ユーザ端末200aは、排気制御部209をさらに有する点で、実施の形態1にかかるユーザ端末200と異なっている。なお、ユーザ端末200aのハードウェア構成は、ユーザ端末200のハードウェア構成と同じである。
【0049】
排気制御部209は、盗難判定部205により車両10が盗難されたと判定された場合に、アクチュエータ140を制御して、タイヤ11内の空気を排気する。排気制御部209のこの制御は、例えば、通信部252を介して、センサ装置100aに制御信号を送信することにより行われる。
【0050】
なお、本実施の形態にかかる盗難判定動作の流れは、以下の点で、図6A図6Bで示したフローチャートと異なるだけである。本実施の形態では、ステップS113において、上述した排気制御部209の処理が行われる。
【0051】
以上、実施の形態2について説明した。本実施の形態では、車両10が盗難されたと判定された場合に、タイヤ11内の空気が排出される。このため、車両10の走行を妨害して、車両10の盗難を防止することができる。
【0052】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態では、車両10を複数のユーザが利用する場合に好適な盗難判定システムについて説明する。以下、実施の形態1と異なる構成及び処理について説明し、実施の形態1と同様な構成及び処理についての説明を省略する。本実施の形態では、ユーザ端末200の代わりに、ユーザ端末200bが用いられる。本実施の形態では、車両10を利用する複数のユーザのそれぞれが、ユーザ端末200bを携帯する。すなわち、本実施の形態にかかる盗難判定システムは、センサ装置100と、複数のユーザ端末200bを含む。なお、本実施の形態においても、センサ装置100は、一つの車両10に対して、タイヤ11毎に、設けられていてもよい。
【0053】
図9は、ユーザ端末200bの機能構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、ユーザ端末200bは、移動量収集部210をさらに有する点で、実施の形態1にかかるユーザ端末200と異なっている。なお、ユーザ端末200bのハードウェア構成は、ユーザ端末200のハードウェア構成と同じである。
【0054】
移動量収集部210は、異なるユーザ毎の複数のユーザ端末200bの移動量を収集する。移動量収集部210は、例えば、他のユーザ端末200bから送信された当該他のユーザ端末200bの移動量を通信部252を介して受信することにより、各ユーザ端末200bの移動量を収集する。このため、各ユーザ端末200bのユーザ移動量特定部203は、他のユーザ端末200bに対して、特定された移動量を通信部252を介して送信する。なお、移動量収集部210が収集する他のユーザ端末200bの移動量は、補正された移動量であってもよい。この場合、各ユーザ端末200bのユーザ移動量特定部203は、ユーザ端末200bの位置が所定の移動補正施設内である場合には、他のユーザ端末200bに対して、補正された移動量、すなわち、移動していないことを示す値に補正された移動量を送信してもよい。
【0055】
車両10を利用する正当なユーザが複数いる場合、第1のユーザが車両10に乗車している際、第1のユーザの移動量は車両10の移動量と対応するが、車両10に乗車していない第2のユーザの移動量は車両10の移動量とは対応しない。このため、第2のユーザの移動量と車両10の移動量との比較結果だけを用いて、車両10の盗難の発生を判定すると、適切な判定結果が得られない。そこで、本実施の形態にかかる盗難判定部205は、複数のユーザ端末200bのうちいずれかのユーザ端末200bの移動量が車両10の移動量と対応している場合、車両10は盗難されていないと判定する。換言すると、本実施の形態にかかる盗難判定部205は、複数のユーザ端末200bのいずれのユーザ端末200bの移動量とも、車両10の移動量が対応していない場合、車両10が盗難されたと判定する。盗難判定部205は、上述の判定を、移動量収集部210が収集した複数のユーザ端末200bの移動量を用いて行う。このような判定によれば、車両10を利用する正当なユーザが複数いる場合に、盗難が発生していないにもかかわらず、盗難が発生したと誤判定することを抑制することができる。
【0056】
なお、上述した判定方法では、車両10と移動量が比較される対象は、全てのユーザ端末200bであったが、最後に車両10に乗車していたと推定されるユーザのユーザ端末200bだけを車両10と移動量が比較される対象としてもよい。例えば、盗難判定部205は、車両10の移動に同期して移動した最後のユーザ端末200bのユーザを、最後に車両10に乗車していたユーザと推定してもよい。なお、車両10の移動とユーザ端末200bの移動が同期しているか否かは、定期的に観測される車両10とユーザ端末200bの移動量を確認することで判定可能である。このように、盗難判定部205は、複数のユーザ端末200bのうち、車両10の移動に同期して移動した最後のユーザ端末200bの移動量が、車両10の移動量と対応している場合、車両10は盗難されていないと判定してもよい。つまり、盗難判定部205は、複数のユーザ端末200bのうち、車両10の移動に同期して移動した最後のユーザ端末200bの移動量が、車両10の移動量と対応していない場合、車両10が盗難されたと判定してもよい。このような判定によれば、より適切に、盗難の発生を判定することができる。
【0057】
なお、本実施の形態にかかる盗難判定動作の流れは、以下の点で、図6A図6Bで示したフローチャートと異なるだけである。本実施の形態では、ステップS110の前に、移動量収集部210による移動量の収集の処理が行われ、ステップS110において、上述した本実施の形態にかかる盗難判定部205の処理が行われる。
【0058】
本実施の形態は、実施の形態1との差異に着目して説明されたが、本実施の形態の特徴は、実施の形態2の特徴と組み合わされてもよい。また、上述の説明では、ユーザ端末200bが各ユーザ端末200bの移動量を収集し、盗難についての判定を実行したが、サーバなどの他のコンピュータ装置が、各ユーザ端末200bの移動量と車両10の移動量を収集し、上述した盗難についての判定を実行してもよい。
【0059】
以上、実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、センサ装置及びユーザ端末は、TPMSとしての機能を備えていたが、必ずしも、そのような機能を備えていなくてもよい。また、装置制御部は、車両のCAN(Controller Area Network)を介して、ECU(Electronic Control Unit)を制御してもよい。例えば、装置制御部は、盗難が発生したと判定された場合、クラクションを鳴らしてもよいし、ヘッドランプを点滅させてもよい。また、盗難判定部は、ユーザ端末の通信部により測定されたセンサ装置からの電波の強度、すなわちRSSI(Received Signal Strength Indicator)も用いて、盗難が発生したか否かを判定してもよい。
【0060】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
センサ装置とユーザに携帯されるユーザ端末とを備え、
前記センサ装置は、車両のタイヤの回転に伴い変化する物理量を検出するセンサと、前記物理量を送信する第1の通信部とを含み、
前記ユーザ端末は、
前記物理量を受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部が受信した前記物理量に基づいて、前記車両の移動量を算出する車両移動量算出部と、
前記ユーザ端末の位置情報から前記ユーザ端末の移動量を特定するユーザ移動量特定部と、
前記ユーザ端末の移動量と、前記車両の移動量との比較結果に基づいて、前記車両の盗難が発生したか否かを判定する盗難判定部と
を有する盗難判定システム。
(付記2)
前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末の位置情報と地図データから、前記ユーザ端末が所定の施設内に存在しているか否かを判定する施設判定部をさらに有し、
前記盗難判定部は、前記ユーザ端末の移動量と前記車両の移動量との比較結果と、前記ユーザ端末が前記所定の施設内に存在しているか否かの判定結果とに基づいて、前記車両の盗難が発生したか否かを判定する
付記1に記載の盗難判定システム。
(付記3)
前記センサ装置は、前記タイヤのバルブに装着される
付記1又は2に記載の盗難判定システム。
(付記4)
前記センサ装置は、前記タイヤ内の空気の排気を行うアクチュエータをさらに備え、
前記ユーザ端末は、前記盗難判定部により前記車両が盗難されたと判定された場合に、前記アクチュエータを制御して、前記タイヤ内の空気を排気する排気制御部をさらに有する
付記3に記載の盗難判定システム。
(付記5)
前記ユーザ端末は、異なるユーザ毎の複数の前記ユーザ端末の移動量を収集する移動量収集部をさらに有し、
前記盗難判定部は、複数の前記ユーザ端末のうちいずれかの前記ユーザ端末の移動量が前記車両の移動量と対応している場合、前記車両は盗難されていないと判定する
付記1から4のいずれか一項に記載の盗難判定システム。
(付記6)
前記盗難判定部は、複数の前記ユーザ端末のうち、前記車両の移動に同期して移動した最後の前記ユーザ端末の移動量が、前記車両の移動量と対応している場合、前記車両は盗難されていないと判定する
付記5に記載の盗難判定システム。
(付記7)
前記車両は、前記センサ装置以外の他の車載装置を備え、
前記ユーザ端末は、前記盗難判定部により前記車両が盗難されたと判定された場合に、前記他の車載装置を制御する装置制御部をさらに有する
付記1から6のいずれか一項に記載の盗難判定システム。
【符号の説明】
【0061】
1 盗難判定システム
10 車両
11 タイヤ
12 バルブ
100 センサ装置
100a センサ装置
110 空気圧センサ
120 ジャイロセンサ
130 通信部
140 アクチュエータ
200 ユーザ端末
200a ユーザ端末
200b ユーザ端末
201 車両移動量算出部
202 位置取得部
203 ユーザ移動量特定部
204 施設判定部
205 盗難判定部
206 空気圧判定部
207 警告部
208 装置制御部
209 排気制御部
210 移動量収集部
250 メモリ
251 プロセッサ
252 通信部
253 GNSS受信部
254 出力部
255 入力部
300 車載装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9