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特開2024-162896レバー操作ロボット、産業車両及び遠隔操作システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162896
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】レバー操作ロボット、産業車両及び遠隔操作システム
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
B66F9/24 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078874
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅之
(72)【発明者】
【氏名】川内 直人
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 恵
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徳之
(72)【発明者】
【氏名】中島 健策
(72)【発明者】
【氏名】村田 慎治郎
(72)【発明者】
【氏名】片上 順文
(72)【発明者】
【氏名】粉川 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】西脇 忠彦
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AB13
3F333AE02
3F333CA19
3F333CA21
3F333CA30
3F333FA02
3F333FE08
3F333FE09
(57)【要約】
【課題】操作レバーを個別に機械的に動かし、操作することができるレバー操作ロボット、産業車両及び遠隔操作システムを提供する。
【解決手段】レバー操作ロボットは、産業車両の操作レバーを操作するレバー操作ロボットであって、産業車両の前フレームに対して固定された支持部と、操作レバーに隣接して配置されて操作レバーの可動方向に延びる基部と、支持部に基部を可動方向に延びる中心軸線回りに回転可能に取り付ける取付部と、基部の延在方向の両端にそれぞれ取り付けられた2つのローラと、基部及び2つのローラが内側に位置するように設置されるとともに、2つのローラによって内側から支持され、ローラの回転により可動方向に送り出される環状のベルトと、ベルトに取り付けられて操作レバーに係合する係合部とを有する操作部と、2つのローラのうち一方のローラを回転駆動させる駆動部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業車両の操作レバーを操作するレバー操作ロボットであって、
前記産業車両の前フレームに対して固定された支持部と、
前記操作レバーに隣接して配置されて前記操作レバーの可動方向に延びる基部と、前記支持部に前記基部を前記可動方向に延びる中心軸線回りに回転可能に取り付ける取付部と、前記基部の延在方向の両端にそれぞれ取り付けられた2つのローラと、前記基部及び前記2つのローラが内側に位置するように設置されるとともに、前記2つのローラによって内側から支持され、前記ローラの回転により前記可動方向に送り出される環状のベルトと、前記ベルトに取り付けられて前記操作レバーに係合する係合部とを有する操作部と、
前記2つのローラのうち一方の前記ローラを回転駆動させる駆動部と、
を備えるレバー操作ロボット。
【請求項2】
前記操作部は、前記基部に設けられ、前記可動方向に直線状に延びて前記ベルトの幅方向外側から前記ベルトを挟み込むように設けられた一対のガイド片を有するリニアガイドをさらに有し、
前記係合部は、前記ベルトが挿通された係合基部を有し、
前記一対のガイド片は、前記係合基部と前記可動方向に相対移動可能に結合している請求項1に記載のレバー操作ロボット。
【請求項3】
前記係合部は、前記可動方向両側から前記操作レバーを挟み込む一対の操作片をさらに有する請求項1又は2に記載のレバー操作ロボット。
【請求項4】
前記取付部は、
前記支持部に対して前記可動方向に並んで配置され、前記中心軸線を中心とした仮想円に沿った円弧状の取付孔が形成された取付部本体と、
前記取付孔に挿通されて前記取付部本体を前記支持部に固定する固定片と、
を有する請求項1又は2に記載のレバー操作ロボット。
【請求項5】
前記操作レバーは、
前記産業車両の車体から上方に延びる下段部と、
前記下段部の上端から上方に延び、上方に向かうにしたがい車幅方向に傾斜する中段部と、
前記中段部の上端から前記産業車両の操縦席に向かって延びるとともに、前記中段部よりも前後方向に大きく傾斜する上段部と、
を有し、
前記操作部の前記基部は、前記中段部と車幅方向に隣接して配置されている、請求項1又は2に記載のレバー操作ロボット。
【請求項6】
産業車両の操作レバーを操作するレバー操作ロボットであって、
前記産業車両の前フレームに対して固定された支持部と、
前記支持部に取り付けられた基部と、前記基部に取り付けられて前記操作レバーに隣接して配置され、前記操作レバーの可動方向に伸縮するリンク機構と、前記リンク機構の前記可動方向で前記操作レバー側の端部に取り付けられて前記操作レバーと係合する係合部とを有する操作部と、
前記リンク機構を前記可動方向に伸縮駆動させる駆動部と、
を備えるレバー操作ロボット。
【請求項7】
前記駆動部は、回転駆動力を出力する出力軸を有し、
前記リンク機構は、
上下方向及び前記可動方向に延在する仮想面上で上下方向に延びるとともに、一端が前記出力軸に回転駆動力を伝達可能に接続された第1リンクと、
前記第1リンクの他端に回転可能に取り付けられた第1ピンと、
前記第1ピンを介して前記第1リンクに接続された一端を有し、前記可動方向に延びる第2リンクと、
前記第2リンクの他端に回転可能に取り付けられた第2ピンと、
前記第2ピンを介して前記第2リンクに接続された一端を有し、上下方向に延びる第3リンクと、
前記第3リンクの他端と、前記基部とに回転可能に取り付けられた第3ピンと、
を有し、
前記係合部は、前記第2リンクの前記第2ピン側の端部に設けられている、
請求項6に記載のレバー操作ロボット。
【請求項8】
前記係合部は、前記操作レバーを囲むように上下方向視で環状に形成されている、請求項6又は7に記載のレバー操作ロボット。
【請求項9】
前記操作レバーは、
前記産業車両の車体から上方に延びる下段部と、
前記下段部の上端から上方に延び、上方に向かうにしたがい車幅方向に傾斜する中段部と、
前記中段部の上端から前記産業車両の操縦席に向かって延びるとともに、前記中段部よりも前後方向に大きく傾斜する上段部と、
を有し、
前記係合部は、前記操作レバーのうち前記中段部と前記上段部との境界部分に係合している、請求項6又は7に記載のレバー操作ロボット。
【請求項10】
請求項1又は6に記載のレバー操作ロボットと、
車両本体と、
前記車両本体に設けられた前記操作レバーと、
を備える産業車両。
【請求項11】
請求項10に記載の産業車両と、
前記レバー操作ロボットの前記駆動部を無線通信によって遠隔操作可能とする遠隔操作装置と、
を備える遠隔操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レバー操作ロボット、産業車両及び遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
産業車両を操作する操作レバーが複数本設けられる場合、隣接する操作レバーの誤操作を防ぐため、操作レバーのうちオペレータが握る箇所(例えば操作レバーの上段部)には、ある程度のスペースが必要となる。一方で、操作レバーの本数が増えてくると、操作レバーの設置場所が広くなりすぎる。このため、操作レバーのうち根本(下段部)は、近くに配置し、操作レバーを斜めに配置することで、操作性と省スペースとを両立させている。
【0003】
また、操作レバーを自動操作するロボットが知られている。このようなロボットには、操作レバーを介さずに電気信号で自動操作するタイプと、操作レバーを機械的に動かして自動操作するタイプとがある。
【0004】
操作レバーを機械的に動かして自動操作するロボットの例として、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。特許文献1のロボットは、操作レバーの可動方向に沿った軌跡上で移動可能な操作部と、操作部を軌跡上で移動させる駆動部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7136818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のレバー操作ロボットは、隣接する操作レバーが2本以下の場合に対応可能であるが、操作レバーが3本以上だと操作レバーごとに操作部と駆動部の配置スペースを確保することができない。
【0007】
これは、操作レバーの本数が増えるほど、操作レバー間の間隔が小さくなるためである。さらに、操作レバー毎に、操作レバーの傾きが異なる。このため、複数の操作レバーの各々に、操作レバーを機械的に動かす装置を取り付けることは困難とされていた。
【0008】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、操作レバーを個別に機械的に動かし、操作することができるレバー操作ロボット、産業車両及び遠隔操作システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本開示に係るレバー操作ロボットは、産業車両の操作レバーを操作するレバー操作ロボットであって、前記産業車両の前フレームに対して固定された支持部と、前記操作レバーに隣接して配置されて前記操作レバーの可動方向に延びる基部と、前記支持部に前記基部を前記可動方向に延びる中心軸線回りに回転可能に取り付ける取付部と、前記基部の延在方向の両端にそれぞれ取り付けられた2つのローラと、前記基部及び前記2つのローラが内側に位置するように設置されるとともに、前記2つのローラによって内側から支持され、前記ローラの回転により前記可動方向に送り出される環状のベルトと、前記ベルトに取り付けられて前記操作レバーに係合する係合部とを有する操作部と、前記2つのローラのうち一方の前記ローラを回転駆動させる駆動部と、を備える。
【0010】
本開示に係るレバー操作ロボットは、産業車両の操作レバーを操作するレバー操作ロボットであって、前記産業車両の前フレームに対して固定された支持部と、前記支持部に取り付けられた基部と、前記基部に取り付けられて前記操作レバーに隣接して配置され、前記操作レバーの可動方向に伸縮するリンク機構と、前記リンク機構の前記可動方向で前記操作レバー側の端部に取り付けられて前記操作レバーと係合する係合部とを有する操作部と、前記リンク機構を前記可動方向に伸縮駆動させる駆動部と、を備える。
【0011】
本開示に係る産業車両は、上記いずれかのレバー操作ロボットと、車両本体と、前記車両本体に設けられた前記操作レバーと、を備える。
【0012】
本開示に係る遠隔操作システムは、上記の産業車両と、前記レバー操作ロボットの前記駆動部を無線通信によって遠隔操作可能とする遠隔操作装置と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本開示のレバー操作ロボット、産業車両及び遠隔操作システムによれば、操作レバーを個別に機械的に動かし、操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の第1実施形態に係る遠隔操作システムの構成図である。
図2】本開示の第1実施形態に係るレバー操作ロボット斜視図である。
図3】本開示の第1実施形態に係るレバー操作ロボットを上方から見た図である。
図4】本開示の第1実施形態に係る操作部を操縦席側から見た図である。
図5】本開示の第1実施形態に係る操作部の斜視図である。
図6】本開示の第1実施形態に係る取付部を可動方向から見た模式図である。
図7】本開示の第1実施形態に係る係合部及びリニアガイドを可動方向から見た模式図である。
図8】本開示の第1実施形態に係る制御部の機能ブロック図である。
図9】本開示の第1実施形態に係るレバー操作ロボットによる操作レバーの操作手順を示すフローチャートである。
図10】本開示の第2実施形態に係る遠隔操作システムの構成図である。
図11】本開示の第2実施形態に係るレバー操作ロボット斜視図である。
図12】本開示の第2実施形態に係るレバー操作ロボットを上方から見た図である。
図13】本開示の第2実施形態に係る操作部を操縦席側から見た図である。
図14】本開示の第2実施形態に係る操作部の斜視図である。
図15】本開示の第2実施形態に係る制御部の機能ブロック図である。
図16】本開示の第2実施形態に係るレバー操作ロボットによる操作レバーの操作手順を示すフローチャートである。
図17】本開示の実施形態に係るハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
以下、本開示の第1実施形態に係るレバー操作ロボット20、産業車両2、及び遠隔操作システム1について図1から図9を参照して説明する。
【0016】
(遠隔操作システム)
図1図2に示すように、遠隔操作システム1は、産業車両2と、遠隔操作装置70と、中央制御装置80とを備える。遠隔操作システム1では、産業車両2が、遠隔操作装置70によって遠隔操作される。
【0017】
(産業車両)
本実施形態の産業車両2は、有人のフォークリフトである。
産業車両2は、車両本体3と、ステアリング4と、操作レバー5と、レバー操作ロボット20とを備える。
【0018】
以下では、産業車両2の前後方向Ds(進行方向)を単に「前後方向Ds」と称し、前後方向Dsに直交する産業車両2の車幅方向Dwを単に「車幅方向Dw」と称し、前後方向Dsと車幅方向Dwに直交する鉛直上下方向を単に「上下方向Dv」と称する。
【0019】
車両本体3は、車体10と、走行機構6と、作業装置15とを備える。
車体10は、操縦席11と、操作台12と、前フレーム13と有する。操縦席11は、前方を向くように設置されている。操縦席11には、オペレータAが搭乗することができる。オペレータAは、後述する操作レバー5を操作して、車両本体3を操縦する。
【0020】
また、車体10の操縦席11よりも前側には、操作台12が設けられている。操作台12には、後述するステアリング4と操作レバー5とが取り付けられている。また、操作台12よりもさらに前側には、前フレーム13が設けられている。前フレーム13は、車体10の車幅方向Dw両側に離間して一対設けられている。各前フレーム13は、上下方向Dvに延びている。
【0021】
走行機構6は、車両本体3を走行させる。本実施形態では、走行機構6は、車輪6aと、走行駆動源(不図示)とを有する。車輪6aは、車体10本体を支持する。走行駆動源は、車輪6aを回転駆動させる。
【0022】
作業装置15は、産業車両2が担う役割として作業を実行する。本実施形態の作業装置15は、荷役装置15aである。荷役装置15aは、マスト16と、フォーク17とを有する。マスト16は、上下方向Dvに延びている。マスト16は、前後方向Dsに移動可能に取り付けられている。マスト16は、上下方向Dvに対する傾斜角度を調整可能とされている。
【0023】
ステアリング4は、車両本体3に設けられている。具体的には、ステアリング4は、操作台12の車幅方向Dw一方側に取り付けられている。ステアリング4は、車輪6aの角度を調整し、産業車両2の進行方向を決定する。
【0024】
(操作レバー)
操作レバー5は、車両本体3に設けられている。具体的には、操作レバー5は、操作台12の車幅方向Dw他方側(ステアリング4とは反対側)に取り付けられている。本実施形態では、操作レバー5は、車幅方向Dwに隣接して複数(図示の例では4つ)設けられている。各操作レバー5には、産業車両2の動作を切り替える機能が備わっている。例えば、複数の操作レバー5のうち1つの操作レバー5は、マスト16の傾きを調整するためのレバーであり、また別の操作レバー5は、フォーク17を昇降させるためのレバーであり、また別の操作レバー5は、フォーク17を車幅方向Dwに移動(サイドシフト)などをするためのレバーである。操作レバー5は、所定の可動方向D1に移動することができ、操作レバー5は可動方向D1に移動することにより、作業装置15等の産業車両2を構成する各種機構及び装置が操作される。
以下では、操作レバー5の可動方向D1を単に「可動方向D1」と称して説明する場合がある。本実施形態では、可動方向D1は前後方向Dsに沿った方向である。
【0025】
図2から図4に示すように、操作レバー5は、操縦席11側に延びた形状に形成されている。具体的に本実施形態では、操作レバー5は、下段部5aと、中段部5bと、上段部5cとを有する。
【0026】
下段部5aは、産業車両2の車体10から上方に延びている。中段部5bは、下段部5aの上端から上方に延び、上方に向かうにしたがい車幅方向Dwに傾斜する。上段部5cは、中段部5bから上端から産業車両2の操縦席11に向かって延びている。さらに、上段部5cは、中段部5bよりも前後方向Dsに大きく傾斜している。上段部5cは、操縦席11に搭乗したオペレータAが操縦時に把持する把持部である。
また、操作レバー5のうち中段部5bと上段部5cとの境界部分5dは、操作レバー5の傾斜方向が車幅方向Dwからレバーの可動方向D1(本実施形態では、前後方向Ds)に切り替わる湾曲形状に形成されている。
【0027】
操作レバー5毎に、下段部5aから上段部5cまでの長さは異なり、さらに、中段部5bの上下方向Dvに対する車幅方向Dwの傾斜角度が異なっている。図示の例では、車幅方向Dw外側(車幅方向Dwでステアリング4とは反対側)の操作レバー5ほど、操作レバー5の長さが長くなり、中段部5bの上下方向Dvに対する傾斜角度が大きくなる。
これら操作レバー5に対して、レバー操作ロボット20が設けられている。
【0028】
(レバー操作ロボット)
レバー操作ロボット20は、各操作レバー5を機械的に操作する。
図2から図4に示すように、レバー操作ロボット20は、支持部21と、操作部30と、駆動部22とを備える。
【0029】
(支持部)
支持部21は、操作レバー5に対して固定されている。具体的に、支持部21は、車幅方向Dwに延びる梁状に形成されている。支持部21は、車幅方向Dwに離間した一対の前フレーム13に架け渡され、これら一対の前フレーム13に対して固定されている。支持部21の車幅方向両端部には、取付梁21aが1つずつ設けられている。取付梁21aは、前後方向Dsに延びる梁であり、それぞれ対応する前フレーム13に固定されている。
【0030】
(操作部)
操作部30は、操作レバー5毎に1つずつ設けられている。各操作部30は、対応する操作対象の操作レバー5に対して、車幅方向Dw外側(車幅方向Dwでステアリング4とは反対側)に設置されている。このため、隣り合う2つの操作レバー5同士の間には、1つの操作部30が配置されている。図5から図7に示すように、操作部30は、基部31と、第1ブラケット32と、取付部40と、第2ブラケット33と、ローラ34と、ベルト35と、係合部50と、リニアガイド36とを有する。
【0031】
(基部)
基部31は、操作レバー5に隣接して配置されて操作レバー5の可動方向D1に延びている。基部31は、中段部5bと車幅方向Dwに隣接して配置されている。
【0032】
(第1ブラケット)
第1ブラケット32は、基部31の延在方向両端部に設けられている。本実施形態の第1ブラケット32は、基部31と一体形成されている。第1ブラケット32は、第1壁部32aと、第2壁部32bとを有する。第1壁部32aは、基部31に対して可動方向D1から重ねわされた矩形板状の部材である。第2壁部32bは、第1壁部32aから下方に延在した、第1壁部32aと面一の矩形板状に形成されている。第2壁部32bは、第1壁部32aよりも車幅方向Dw両外側に突出するように形成されている。また、第2壁部32bは、第1壁部32aと一体形成されている。
この第1ブラケット32のうち、操作レバー5の可動方向D1で支持部21側の第1ブラケット32には、取付部40が設けられている。
【0033】
(取付部)
取付部40は、支持部21に基部31を可動方向D1に延びる中心軸線O回りに回転可能に取り付ける。中心軸線Oは、第1ブラケット32の第2壁部32bを通るように延びている。取付部40は、取付部本体41と、固定片42と、を有する。
【0034】
(取付部本体)
取付部本体41は、第1ブラケット32の第2壁部32bの車幅方向Dw両側に設けられている。取付部本体41は、車幅方向Dwに離間して一対設けられている。本実施形態では、取付部本体41は、第1ブラケット32と一体形成されている。取付部本体41は、支持部21に対して可動方向D1に並んで設けられている。取付部本体41には、可動方向D1に貫通した取付孔41aが形成されている。取付孔41aは、中心軸線Oを中心とした仮想円Cに沿った円弧状に形成されている。本実施形態では、車幅方向Dwに対向するように一対設けられている。
【0035】
(固定片)
固定片42は、取付孔41aに挿通されて取付部本体41を支持部21に固定する。固定片42として、例えばボルト42a等が挙げられる。本実施形態では、固定片42は、複数の取付孔41aのそれぞれに挿通されている。
【0036】
(第2ブラケット)
第2ブラケット33は、2枚の第1ブラケット32のそれぞれに1つずつ設けられている。第2ブラケット33は、車幅方向Dwから見て、L字状に形成されている。第2ブラケット33は、第3壁部33aと、第4壁部33bとを有する。第3壁部33aは、第1ブラケット32の第2壁部32bに重ね合わされている。第4壁部33bは、第3壁部33aに設けられ、操作レバー5の可動方向D1に延びている。第4壁部33bには、第4壁部33bを上下方向Dvに貫通する円形の貫通孔33cが形成されている。第4壁部33bの上側にはローラ34が配置され、第4壁部33bの下側には駆動部22が配置されている。
【0037】
(ローラ)
ローラ34は、第1ブラケット32及び第2ブラケット33とを介して、基部31の延在方向の両端にそれぞれ取り付けられて、計2つ設けられている。2つのローラ34のうち、一方のローラ34には後述する駆動部22に接続されている。この駆動部22に接続される一方のローラ34を駆動ローラ34aと称し、他方のローラ34を従動ローラ34bと称する。図示の例では、駆動ローラ34aは、基部31の前後方向Ds前側の端部に取り付けられ、従動ローラ34bは、基部31の前後方向Ds後側の端部に取り付けられている。2つのローラ34の回転軸線は、ともに、基部31の延在方向に対して垂直かつ、上下方向Dvに延びている。
【0038】
(ベルト)
ベルト35は、基部31及び2つのローラ34が内側に位置するように設置された環状の部品である。ベルト35は、2つのローラ34によって内側から支持されている。ベルト35は、これら2つのローラ34によって、上下方向Dv(より詳細には、操作レバー5の中段部5bの延在方向)から見て、前後方向Ds(可動方向D1)に延びた細長い円環状となるように撓みなく張られている。ベルト35は、駆動ローラ34aの回転によって、可動方向D1(前後方向Ds)に送り出し可能とされている。ベルト35の操作レバー5側には、係合部50が設けられている。
【0039】
(係合部)
係合部50は、ベルト35に取り付けられて操作レバー5に係合する。本実施形態の係合部50は、係合基部51と、操作片52と有する。
係合基部51は、操作レバー5の中段部5bに対して車幅方向Dwに隣接して設けられている。係合部50は、ベルト35が挿通された状態でベルト35に固定されている。係合基部51は、2枚の係合プレート53と、結合片54を有する。各係合プレート53は、可動方向D1に延在する矩形板状に形成されている。2枚の係合プレート53は、ベルト35の厚さ方向D3両側からベルト35を挟み込んでいる。2枚の係合プレート53は、例えばボルト55によって締結固定されている。結合片54は、2枚の係合プレート53のうち、基部31側の係合プレート53の基部31側の表面に設けられている。結合片54は、後述するリニアガイド36に結合可能とされている。
【0040】
(操作片)
操作片52は、係合基部51の操作レバー5側の表面に設けられている。操作片52は、可動方向D1両側から操作レバー5を挟み込むように一対設けられている。各操作片52は、係合基部51から車幅方向Dwに延びる円柱状に形成されている。
【0041】
(リニアガイド)
リニアガイド36は、基部31の操作レバー5側の表面に設けられている。ベルト35の基部31に対する幅方向D2の位置ずれを防止する。リニアガイド36は、一対のガイド片36aを有する。各ガイド片36aは、基部31から車幅方向Dwで操作レバー5側に突出し、可動方向D1に直線状に延びている。一対のガイド片36aは、ベルト35の幅方向D2外側からベルト35を挟み込むように、ベルト35に対して幅方向D2両外側に設けられている。さらに、一対のガイド片36aは、係合基部51の結合片54と可動方向D1に相対移動可能に結合している。
【0042】
(駆動部)
駆動部22は、操作部30を駆動させる電動モータである。図示の例では、駆動部22は、2つのローラ34のうち一方の駆動ローラ34aの下方に配置されている。駆動部22は、第2ブラケット33の貫通孔33cに下側から嵌め込まれている。駆動部22は、回転駆動力を出力する出力軸22aを有する。出力軸22aは、駆動部22から上方に突出している。出力軸22aは、駆動ローラ34aに直結されている。駆動部22は、出力軸22aからの回転駆動力を駆動ローラ34aに伝達し、駆動ローラ34aを回転駆動させる。
【0043】
(制御部)
制御部60は、例えば車体10内に設けられている。
図8に示すように、制御部60は、受信部61と、駆動制御部62との各機能部を備える。
受信部61は、後述する遠隔操作装置70からの情報を受信する。
駆動制御部62は、受信部61によって受信された遠隔操作装置70からの情報に基づいて、駆動部22を回転駆動させる。
【0044】
(遠隔操作装置)
上述したレバー操作ロボット20は、図1に示す遠隔操作装置70によって遠隔操作される。遠隔操作装置70は、レバー操作ロボット20の駆動部22を無線通信によって遠隔操作する。遠隔操作装置70は、レバー操作ロボット20の制御部60に、駆動部22の回転駆動に係る指令情報を送信する。
遠隔操作装置70は、例えばレバー操作ロボット20ごとに1台ずつ設けられている。なお、遠隔操作装置70は、1台に限らず複数台のレバー操作ロボット20を遠隔操作してもよい。また、遠隔操作装置70は、レバー操作ロボット20に動作手順を含む指令情報を送信し、レバー操作ロボット20を自動で操作させることもできる。
これら複数の遠隔操作装置70を中央制御するため、中央制御装置80が設けられている。
【0045】
(中央制御装置)
中央制御装置80は、複数の遠隔操作装置70にネットワークNを介して無線接続された管理サーバである。中央制御装置80は、各遠隔操作装置70に指令情報を送信し、各遠隔操作装置70にレバー操作ロボット20を制御させる。
【0046】
(操作レバーの操作手順)
以下、レバー操作ロボット20を用いて操作レバー5を無人操作する手順について図9のフローを参照して説明する。
まず、中央制御装置80が、各遠隔操作装置70に指令情報を送信する(ステップS11)。すると、遠隔操作装置70が、中央制御装置80からの指令情報を受信し、対応するレバー操作ロボット20の駆動部22に向けて指令情報を送信する(ステップS12)。その後、受信部61が、遠隔操作装置70からの指令情報を受信する(ステップS13)。この指令情報には、駆動部22の回転方向と回転角度の情報が含まれている。ステップS13の後、駆動制御部62が、受信部61によって受信された指令情報に基づいて、駆動部22を回転駆動させる(ステップS14)。
【0047】
ステップS14では、駆動部22の出力軸22aが、指令情報に基づいて、所定の方向に所定の角度だけ回転する。すると、出力軸22aに直結された駆動ローラ34aが回転駆動する。駆動ローラ34aによってベルト35が基部31に沿って送り出され、係合部50が可動方向D1に移動する。この時、操作片52が操作レバー5の中段部5bに当接して、係合部50の移動方向に操作レバー5が動く。
ステップS14の後、駆動制御部62が駆動部22の回転駆動を停止させる(ステップS15)。
このようにして、操作レバー5が操作される。なお、操作レバー5を反対向きに移動させたい場合には、駆動ローラ34aを反対向きに回転駆動させるように駆動部22を制御すればよい。
【0048】
(作用効果)
上述したレバー操作ロボット20、産業車両2、及び遠隔操作システム1により、以下に示す作用効果を発揮することができる。
【0049】
本実施形態では、レバー操作ロボット20は、支持部21と、操作部30と、駆動部22と、を備える。支持部21は、産業車両2の前フレーム13に対して固定されている。操作部30は、基部31と、取付部40と、2つのローラ34と、ベルト35と、係合部50とを有する。基部31は、操作レバー5に隣接して配置されて操作レバー5の可動方向D1に延びている。取付部40は、支持部21に基部31を可動方向D1に延びる中心軸線O回りに回転可能に取り付ける。2つのローラ34は、基部31の延在方向の両端にそれぞれ取り付けられている。ベルト35は、基部31及び2つのローラ34が内側に位置するように設置された環状の部品である。ベルト35は、2つのローラ34によって内側から支持され、ローラ34の回転により可動方向D1に送り出される。係合部50は、ベルト35に取り付けられて操作レバー5に係合する。駆動部22は、2つのローラ34のうち一方のローラ34(駆動ローラ34a)を回転駆動させる。
【0050】
操作部30の基部31は、取付部40によって、支持部21に対し、操作レバー5の可動方向D1に延びる中心軸線O回りに回転可能に取り付けられる。これにより、操作レバー5の傾きに合わせて傾きを調節して、操作レバー5毎に操作部30を搭載することができる。よって、本実施形態のように、操作レバー5が3本以上の複数本設けられている場合にも、操作レバー5毎に操作部30を容易に取り付けることができる。
駆動部22によってローラ34が回転駆動すると、ベルト35が操作部30の基部31に沿って、操作レバー5の可動方向D1に移動する。この時、係合部50が操作レバー5に係合しているため、操作レバー5がベルト35と一体となって可動方向D1に移動する。このようにして、操作レバー5を個別に操作することができる。
【0051】
また、操作レバー5の傾きに合わせて傾きを調節することにより、操作レバー5間の空きスペースに操作部30を配置しやすくなる。よって、産業車両2内の省スペース化を達成することができる。
【0052】
また、駆動部22の出力軸22aが駆動ローラ34aに直結されている。このため、レバー操作ロボット20を小型化できる。
【0053】
また、本実施形態によれば、レバー操作ロボット20は、駆動部22によって直接ベルト35を駆動させ、ベルト35の動きに合わせて操作レバー5を動かすことができる。これにより、レバー操作ロボット20は、操作レバー5を細かく操作することができる。
【0054】
本実施形態では、操作部30は、基部31に設けられたリニアガイド36をさらに有する。リニアガイド36は、可動方向D1に直線状に延びてベルト35の幅方向D2外側からベルト35を挟み込むように設けられた一対のガイド片36aを有する。係合部50は、ベルト35が挿通された係合基部51を有する。一対のガイド片36aは、係合基部51と可動方向D1に相対移動可能に結合している。
【0055】
これにより、ベルト35が基部31に対して幅方向D2に位置ずれすることを抑制することができる。このため、ベルト35の撓みが防止される。よって、操作レバー5の直線動作がスムーズなものとなる。
【0056】
本実施形態では、係合部50は、可動方向D1両側から操作レバー5を挟み込む一対の操作片52をさらに有する。
【0057】
これにより、操作片52の傾きを上手く調整して設計することで、可動方向D1から見て、操作片52を操作レバー5に対して垂直に交差するように配置することができる。よって操作レバー5に効率良く荷重を伝達することができる。
また、簡素な構成で操作部30を作成できるので、製造効率を向上させることができる。
【0058】
本実施形態では、取付部40は、取付部本体41と、固定片42とを有する。取付部本体41は、支持部21に対して可動方向D1に並んで配置され、中心軸線Oを中心とした仮想円Cに沿った円弧状の取付孔41aが形成されている。固定片42は、取付孔41aに挿通されて取付部本体41を支持部21に固定する。
【0059】
これにより、取付部本体41を所定の角度に傾けた後、取付孔41a本体に固定片42を挿通するだけの簡単な手順で、支持部21に対して基部31を取り付けることができる。また、取付孔41aから固定片42を抜くだけの簡単な手順で、基部31を支持部21から取り外すことができる。よって、基部31の取り外しが容易となる。
また、簡素な構成で取付部40を作成できるので、製造効率を向上させることができる。
【0060】
本実施形態では、操作部30の基部31は、中段部5bと車幅方向Dwに隣接して配置されている。
【0061】
本実施形態によれば、係合部50は操作レバー5の中段部5bと係合する。これにより、例えば係合部50が操作レバー5の上段部5cと係合する場合と比較して、操作レバー5の操作に必要な移動量を小さくし、操作部30の全長を短くすることができる。
また、中段部5bは、下段部5aよりも操作部30の配置スペースを確保し易く、中段部5bに操作部30を配置しても、操作部30が操縦席11上のオペレータAの視界を遮ることがない。また、基部31を中段部5bの傾斜に合わせて傾けて配置することができるため、レバー操作ロボット20を簡単に配置しつつ、オペレータAによる操作性を維持することができる。
【0062】
本実施形態では、遠隔操作システム1は、産業車両2と、レバー操作ロボット20の駆動部22を無線通信によって遠隔操作可能とする遠隔操作装置70と、を備える。
【0063】
本実施形態によれば、遠隔操作装置70がレバー操作ロボット20の駆動部22を遠隔操作し、操作部30を駆動させる。これにより、操作レバー5を可動方向D1に遠隔操作することができる。
【0064】
なお、上記第1実施形態では、係合基部51がベルト35を挟み込むように重ね合わされた2枚の係合プレート53によって構成されるとしたが、これに限れない。例えば、係合基部51は、2枚の係合プレート53ではなく、ベルト35が挿通される挿通孔が形成された塊状の部材であってもよい。すなわち、係合基部51の形状は、板状に限定されない。
【0065】
また、上記第1実施形態では、操作片52が円柱状のピン52aである場合について説明したがこれに限られない。操作片52の形状は適宜変更可能である。操作片52は、例えば、操作レバー5に係合するフックであってもよい。
【0066】
<第2実施形態>
以下、本開示の第2実施形態に係るレバー操作ロボット120、産業車両102、及び遠隔操作システム101について、図10から図16を参照して説明する。第2実施形態に係る構成のうち、第1実施形態と同様の構成については、同一の名称、符号を付す等して説明を適宜省略する。
【0067】
図10図11に示すように、遠隔操作システム101は、産業車両102と、遠隔操作装置170と、中央制御装置180とを備える。
産業車両102は、車両本体3と、ステアリング4と、操作レバー5と、レバー操作ロボット120とを備える。
【0068】
(操作レバー)
本実施形態でも、操作レバー5は、車幅方向Dwに隣接して複数(図示の例では4つ)設けられている。また、操作レバー5は、第1実施形態と同様に、下段部5aと、中段部5bと、上段部5cとを有する。また、操作レバー5のうち中段部5bと上段部5cとの境界部分5dは、操作レバー5の傾斜方向が車幅方向Dwからレバーの可動方向D1(本実施形態では、前後方向Ds)に切り替わる湾曲形状に形成されている。
これら操作レバー5に対して、レバー操作ロボット120が設けられている。
【0069】
(レバー操作ロボット)
本実施形態でも、レバー操作ロボット120は、各操作レバー5を機械的に操作する。
図11から図13示すように、レバー操作ロボット120は、支持部121と、操作部130と、駆動部122とを備える。
【0070】
(支持部)
支持部121は、車体10に対して固定されている。具体的に、支持部121は、車幅方向Dwに延びる梁状に形成されている。支持部121は、車幅方向Dwに離間した一対の前フレーム13に架け渡され、これら一対の前フレーム13に対して固定されている。支持部121の車幅方向Dw両端部には、取付梁121aが1つずつ設けられている。取付梁121aは、前後方向Dsに延びる梁であり、それぞれ対応する前フレーム13に固定されている。
【0071】
(操作部)
操作部130は、操作レバー5毎に1つずつ設けられている。各操作部130は、対応する操作対象の操作レバー5に対して、可動方向D1に並んで設置されている。図示の例では、操作部130は、操作レバー5に対して、前後方向Ds前側に設置されている。図14に示すように、操作部130は、基部131と、リンク機構140と、係合部132と、取付ブラケット133とを有する。
【0072】
(基部)
図14に示すように、基部131は、支持部121に取り付けられている。基部131は、操作レバー5に可動方向D1に(前後方向Ds前側に)隣接して配置されている。基部131は、操作レバー5の可動方向D1に延びている。基部131は、基部本体131aと、接続壁131bとを有する。基部本体131aは、支持部121に固定されている。基部本体131aは、可動方向D1に延びる板状の部材である。基部本体131aには、上方に突出した接続壁131bが設けられている。接続壁131bには、リンク機構140が取り付けられている。
【0073】
(リンク機構)
リンク機構140は、操作レバー5に隣接して配置されている。リンク機構140は、操作レバー5の可動方向D1に伸縮する。リンク機構140は、第1リンク141と、第1ピン141aと、第2リンク142と、第2ピン142aと、第3リンク143と、第3ピン143aとを有する。
【0074】
(第1リンク)
第1リンク141は、上下方向Dv及び可動方向D1に延在する仮想面上で上下方向Dvに延びた直線状に形成されている。第1リンク141の一端(第1リンク141の延在方向両端のうち、下側の端部)は、後述する駆動部122の出力軸122aに回転駆動力を伝達可能に接続されている。
【0075】
(第1ピン)
第1ピン141aは、第1リンク141の他端(第1リンク141の延在方向両端のうち、上側の端部)に回転可能に取り付けられている。本実施形態では、第1ピン141aは、車幅方向Dwに延びている。
【0076】
(第2リンク)
第2リンク142は、操作レバー5の可動方向D1に延びている。第2リンク142の延在方向両端のうち操作レバー5とは反対側の一端は、第1ピン141aを介して第1リンク141に接続されている。第2リンク142は、第1ピン141a回りに回転可能に取り付けられている。
【0077】
(第2ピン)
第2ピン142aは、第2リンク142の延在方向両端のうち操作レバー5側の他端に回転可能に取り付けられている。本実施形態では、第2ピン142aは、車幅方向Dwに延びている。
【0078】
(第3リンク)
第3リンク143は、上下方向Dv及び可動方向D1に延在する仮想面上で上下方向Dvに延びた直線状に形成されている。第3リンク143の一端(第3リンク143の延在方向両端のうち、上側の端部)は、第2ピン142aを介して第2リンク142に接続されている。第3リンク143は、第2ピン142a回りに回転可能に取り付けられている。第3リンク143は、第1リンク141と連動して可動する。
【0079】
(第3ピン)
第3ピン143aは、第3リンク143の他端(第3リンク143の延在方向両端のうち、下側の端部)に回転可能に取り付けられている。さらに、第3ピン143aは、基部131に対しても回転可能に取り付けられている。本実施形態では、第3ピン143aは、車幅方向Dwに延びている。
【0080】
本実施形態では、基部131と、リンク機構140を構成する第1リンク141、第2リンク142、及び第3リンク143とで車幅方向Dwから見て平行四辺形を形成するように配置されている。
【0081】
(係合部)
係合部132は、リンク機構140の可動方向D1で操作レバー5側の端部に取り付けられている。より詳細には、係合部132は、第2リンク142の第2ピン142a側の端部に設けられている。係合部132は、操作レバー5と係合する部材である。本実施形態では、係合部132は、操作レバー5のうち中段部5bと上段部5cとの境界部分5dに係合している。また、係合部132は、操作レバー5を囲むように上下方向Dv視で矩形環状に形成されている。なお、係合部132は、上下方向Dv視で円環状に形成されていてもよい。
【0082】
(取付ブラケット)
取付ブラケット133は、基部本体131aの上面に取付けられている。取付ブラケット133は、第1リンク141と同じ可動方向D1位置(前後方向Ds位置)に配置され、第1リンク141と車幅方向Dwに重なっている。接続ブラケットは、可動方向D1(本実施形態では前後方向Ds)から見て、L字状に形成されている。接続ブラケットは、第1壁部133aと、第2壁部133bとを有する。第1壁部133aは、基部本体131aに上方から重ね合わされて固定されている。第2壁部133bは、第1壁部133aから上方に延在している。第2壁部133bには、駆動部122が取り付けられている。第2壁部133bには、車幅方向Dwに貫通した貫通孔133cが形成されている。
【0083】
(駆動部)
駆動部122は、リンク機構140を可動方向D1に伸縮駆動させる電動モータである。図示の例では、駆動部122は、伸縮機構のうち第1リンク141の一端(第1リンク141の延在方向両端のうち下側の端部)に対して、車幅方向Dwに隣接して配置されている。駆動部122は、取付ブラケット133の貫通孔133cに、車幅方向Dwでリンク機構140と反対側から嵌め込まれている。駆動部122は、回転駆動力を出力する出力軸122aを有する。出力軸122aは、駆動部122から車幅方向Dwに突出している。出力軸122aは、第1リンク141の一端に接続されている。駆動部122は、出力軸122aからの回転駆動力を第1リンク141に伝達し、第1リンク141を回転駆動させる。
【0084】
(制御部)
制御部160は、例えば車体10内に設けられている。
図15に示すように、制御部160は、受信部161と、駆動制御部162との各機能部を備える。
受信部161は、後述する遠隔操作装置170からの情報を受信する。
駆動制御部162は、受信部161によって受信された遠隔操作装置170からの情報に基づいて、駆動部122を回転駆動させる。
【0085】
(遠隔操作装置)
上述したレバー操作ロボット120は、図10に示す遠隔操作装置170によって遠隔操作される。本実施形態の遠隔操作装置170は、レバー操作ロボット120の駆動部122無線通信によって遠隔操作する。遠隔操作装置170は、レバー操作ロボット120の制御部160に、駆動部122の回転駆動に係る指令情報を送信する。
遠隔操作装置170は、例えばレバー操作ロボット120ごとに1台ずつ設けられている。なお、遠隔操作装置170は、1台に限らず複数台のレバー操作ロボット120を遠隔操作してもよい。また、遠隔操作装置170は、レバー操作ロボット120に動作手順を含む指令情報を送信し、レバー操作ロボット120を自動で操作させることもできる。
これら複数の遠隔操作装置170を中央制御するため、中央制御装置180が設けられている。
【0086】
(中央制御装置)
中央制御装置180は、複数の遠隔操作装置170にネットワークNを介して無線接続されたサーバである。中央制御装置180は、各遠隔操作装置170に指令情報を送信し、各遠隔操作装置170にレバー操作ロボット120を制御させる。
【0087】
(操作レバーの操作手順)
以下、レバー操作ロボット120を用いて操作レバー5を無人操作する手順について説明する。
まず、中央制御装置180が、各遠隔操作装置170に指令情報を送信する(ステップS21)。すると、遠隔操作装置170が、中央制御装置180からの指令情報を受信し、対応するレバー操作ロボット120の駆動部122に向けて指令情報を送信する(ステップS22)。その後、受信部161が、遠隔操作装置170からの指令情報を受信する(ステップS23)。この指令情報には、駆動部122の回転方向と回転角度の情報が含まれている。ステップS23の後、駆動制御部162が、受信部161によって受信された指令情報に基づいて、駆動部122を回転駆動させる(ステップS24)。
【0088】
ステップS24では、駆動部122の出力軸122aが、指令情報に基づいて、所定の方向に所定の角度だけ回転する。すると、出力軸122aに直結された第1リンク141が回転駆動する。第1リンク141の回転に合わせて第3リンク143が第3ピン143a回りに回転する。第1リンク141と第3リンク143の回転によって、第2リンク142が、第1リンク141及び第3リンク143の基部131とは反対側の端部と同じ向きに移動する。この時、第2リンク142は、水平面に対して平行な姿勢を保ったまま可動方向D1に前後する。すると、係合部132が操作レバー5の中段部5bと上段部5cとの境界部分5dに当接して、係合部132の移動方向に操作レバー5が動く。
【0089】
ステップS24の後、駆動制御部162が駆動部122の回転駆動を停止させる(ステップS25)。
このようにして、操作レバー5が遠隔操作される。なお、操作レバー5を反対向きに移動させたい場合には、第1リンク141を反対向きに回転駆動させるように駆動部122を制御すればよい。
【0090】
(作用効果)
上述したレバー操作ロボット120、産業車両102、及び遠隔操作システム101により、以下に示す作用効果を発揮することができる。
【0091】
本実施形態では、レバー操作ロボット120は、支持部121と、基部131と、操作部130と、駆動部122とを備える。支持部121は、産業車両2の前フレーム13に対して固定されている。基部131は、支持部121に取り付けられている。操作部130は、リンク機構140と、係合部132とを有する。リンク機構140は、基部131に取り付けられて操作レバー5に隣接して配置され、操作レバー5の可動方向D1に伸縮する。係合部132は、リンク機構140の可動方向D1で操作レバー5側の端部に取り付けられて操作レバー5と係合する。駆動部122は、リンク機構140を可動方向D1に伸縮駆動させる。
【0092】
駆動部122によってリンク機構140が操作レバー5の可動方向D1に伸縮すると、係合部132が操作レバー5に係合しているため、操作レバー5のリンク機構140の伸縮にあわせて可動方向D1に移動する。このようにして、操作レバー5を個別に操作することができる。
【0093】
本実施形態では、駆動部122は、回転駆動力を出力する出力軸122aを有する。リンク機構140は、第1リンク141と、第1ピン141aと、第2リンク142と、第2ピン142aと、第3リンク143と、第3ピン143aとを有する。第1リンク141は、上下方向Dv及び可動方向D1に延在する仮想面上で上下方向Dvに延びるとともに、第1リンク141の一端が出力軸122aに回転駆動力を伝達可能に接続されている。第1ピン141aは、第1リンク141の他端に回転可能に取り付けられている。第2リンク142は、第1ピン141aを介して第1リンク141に接続された一端を有し、可動方向D1に延びている。第2ピン142aは、第2リンク142の他端に回転可能に取り付けられている。第3リンク143は、第2ピン142aを介して第2リンク142に接続された一端を有し、上下方向Dvに延びている。第3ピン143aは、第3リンク143の他端と、基部131とに回転可能に取り付けられている。係合部132は、第2リンク142の第2ピン142a側の端部に設けられている。
【0094】
これにより、簡素な構成でリンク機構140を作成できるので、製造効率を向上させることができる。
本実施形態では、駆動部122によって第1リンク141が出力軸122aを中心として回転すると、第3リンク143が第1リンク141と同じ向きに回転し、第2リンク142が可動方向D1に移動する。このとき、係合部132が第2リンク142と一体に可動方向D1に移動し、係合部132と係合した操作レバー5も、可動方向D1に移動する。このようにして、操作レバー5が可動方向D1に操作される。
このように構成することで、操作レバー5と係合する係合部132よりも下方に、駆動部122を設置することができる。これにより、操作レバー5の下段部5a付近の空きスペースを有効に活用することができる。よって、操作レバー5毎に操作部130を複数台設置することができる。
【0095】
本実施形態では、係合部132は、操作レバー5を囲むように上下方向Dv視で環状に形成されている。
【0096】
これにより、簡素な構成で操作部130を作成できるので、製造効率を向上させることができる。
【0097】
本実施形態では、係合部132は、操作レバー5のうち中段部5bと上段部5cとの境界部分5dに係合している。
【0098】
中段部5bと上段部5cとの境界部分5dは、中段部5bの傾斜が少なく、かつ操縦席11上のオペレータAの視界を遮りにくい。よって、係合部132が操作レバー5と係合し易くしつつ、オペレータAによる操作性を維持することができる。
また、係合部132が上段部5cに近い位置に配置されるため、レバー操作ロボット120の操作量は、オペレータAが手動で操作する場合の操作量に近くなる。
【0099】
本実施形態では、遠隔操作システム101は、産業車両102と、レバー操作ロボット120の駆動部122を無線通信によって遠隔操作可能とする遠隔操作装置170と、を備える。
【0100】
本実施形態によれば、遠隔操作装置170がレバー操作ロボット120の駆動部122を遠隔操作し、操作部130を駆動させる。これにより、操作レバー5を可動方向D1に遠隔操作することができる。
【0101】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の制御部60、160、遠隔操作装置70、170及び中央制御装置80、180は、図17に示すようなコンピュータに実装される。図17は、各実施形態に係る制御部60、160、遠隔操作装置70、170及び中央制御装置80、180が実装されるコンピュータの構成を示す概略ブロック図の一例である。コンピュータ1100は、プロセッサ1110と、メインメモリ1120と、ストレージ1130と、インタフェース1140とを備える。
【0102】
そして、制御部60、160、遠隔操作装置70、170及び中央制御装置80、180の各機能部の動作は、プログラムの形式でストレージ1130に記憶されている。プロセッサ1110は、プログラムをストレージ1130から読み出してメインメモリ1120に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ1110は、プログラムに従って、記憶領域をメインメモリ1120に確保する。
【0103】
プログラムは、コンピュータ1100に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。また、コンピュータ1100は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ1110によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0104】
ストレージ1130の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ1130は、コンピュータ1100のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース1140または通信回線を介してコンピュータ1100に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ1100に配信される場合、配信を受けたコンピュータ1100が当該プログラムをメインメモリ1120に展開し、上記処理を実行してもよい。ストレージ1130は、一時的でない有形の記憶媒体であってもよい。
【0105】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0106】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0107】
上記実施形態では、産業車両2、102は、有人のフォークリフトであるとしたが、これに限られない。産業車両2、102は、例えば油圧ショベルやブルドーザであってもよい。
【0108】
上記実施形態では、操作レバー5の可動方向D1が前後方向Dsに一致している場合ついて説明したが、これに限られない。操作レバー5の可動方向D1が前後方向Dsに交差している場合についても、操作レバー5に対して、レバー操作ロボット20、120の操作部30、130が個別に取り付けられていてもよい。
【0109】
上記実施形態では、制御部60、160が車体10内に設けられているとしたが、これに限られない。制御部60、160は、例えば駆動部22、122内に設けられていてもよく、車体10の外側に取り付けられていてもよい。
【0110】
上記実施形態では、遠隔操作装置70、170が中央制御装置80、180によって管理される場合について説明したが、これに限られない。遠隔操作システム1、101は、中央制御装置80、180を備えず、遠隔操作装置70、170は、作業者によって直接操作されてもよい。
【0111】
<付記>
各実施形態に記載のレバー操作ロボット20、120、産業車両2、102及び遠隔操作システム1、101は、例えば以下のように把握される。
【0112】
(1)第1の態様に係るレバー操作ロボット20は、産業車両2の操作レバー5を操作するレバー操作ロボット20であって、前記産業車両2の前フレーム13に対して固定された支持部21と、前記操作レバー5に隣接して配置されて前記操作レバー5の可動方向D1に延びる基部31と、前記支持部21に前記基部31を前記可動方向D1に延びる中心軸線O回りに回転可能に取り付ける取付部40と、前記基部31の延在方向の両端にそれぞれ取り付けられた2つのローラ34と、前記基部31及び前記2つのローラ34が内側に位置するように設置されるとともに、前記2つのローラ34によって内側から支持され、前記ローラ34の回転により前記可動方向D1に送り出される環状のベルト35と、前記ベルト35に取り付けられて前記操作レバー5に係合する係合部50とを有する操作部30と、前記2つのローラ34のうち一方の前記ローラ34を回転駆動させる駆動部22と、を備える。
産業車両2の例として、例えばフォークリフトが挙げられる。
【0113】
操作部30の基部31は、取付部40によって、支持部21に対し、操作レバー5の可動方向D1に延びる中心軸線O回りに回転可能に取り付けられる。これにより、操作レバー5の傾きに合わせて傾きを調節して、操作レバー5毎に操作部30を搭載することができる。
駆動部22によってローラ34が回転駆動すると、ベルト35が操作部30の基部31に沿って、操作レバー5の可動方向D1に移動する。この時、係合部50が操作レバー5に係合しているため、操作レバー5がベルト35と一体となって可動方向D1に移動する。このようにして、操作レバー5を個別に操作することができる。
【0114】
(2)第2の態様のレバー操作ロボット20は、第1の態様のレバー操作ロボット20であって、前記操作部30は、前記基部31に設けられ、前記可動方向D1に直線状に延びて前記ベルト35の幅方向D2外側から前記ベルト35を挟み込むように設けられた一対のガイド片36aを有するリニアガイド36をさらに有し、前記係合部50は、前記ベルト35が挿通された係合基部51を有し、前記一対のガイド片36aは、前記係合基部51と前記可動方向D1に相対移動可能に結合していてもよい。
【0115】
これにより、ベルト35が基部31に対して幅方向D2に位置ずれすることを抑制することができる。
【0116】
(3)第3の態様のレバー操作ロボット20は、第1又は第2の態様のレバー操作ロボット20であって、前記係合部50は、前記可動方向D1両側から前記操作レバー5を挟み込む一対の操作片52をさらに有してもよい。
【0117】
これにより、操作片52の傾きを上手く調整して設計することで、可動方向D1から見て、操作片52を操作レバー5に対して垂直に交差するように配置することができる。よって操作レバー5に効率良く荷重を伝達することができる。
操作片52の例として、例えばピン52a等が挙げられる。
【0118】
(4)第4の態様のレバー操作ロボット20は、第1から第3のいずれか1つの態様のレバー操作ロボット20であって、前記取付部40は、前記支持部21に対して可動方向D1に並んで配置され、前記中心軸線Oを中心とした仮想円Cに沿った円弧状の取付孔41aが形成された取付部本体41と、前記取付孔41aに挿通されて前記取付部本体41を前記支持部21に固定する固定片42と、を有してもよい。
【0119】
これにより、取付部本体41を所定の角度に傾けた後、取付孔41a本体に固定片42を挿通するだけの簡単な手順で、支持部21に対して基部31を取り付けることができる。また、取付孔41aから固定片42を抜くだけの簡単な手順で、基部31を支持部21から取り外すことができる。よって、基部31の取り外しが容易となる。
固定部の例として、例えばボルト42a等が挙げられる。
【0120】
(5)第5の態様のレバー操作ロボット20は、第1から第4のいずれか1つの態様のレバー操作ロボット20であって、前記操作レバー5は、前記産業車両2の車体10から上方に延びる下段部5aと、前記下段部5aの上端から上方に延び、上方に向かうにしたがい車幅方向Dwに傾斜する中段部5bと、前記中段部5bの上端から前記産業車両2の操縦席11に向かって延びるとともに、前記中段部5bよりも前後方向Dsに大きく傾斜する上段部5cと、を有し、前記操作部30の前記基部31は、前記中段部5bと車幅方向Dwに隣接して配置されていてもよい。
【0121】
本態様によれば、係合部50は操作レバー5の中段部5bと係合する。これにより、例えば係合部50が操作レバー5の上段部5cと係合する場合と比較して、操作レバー5の操作に必要な移動量を小さくし、操作部30の全長を短くすることができる。
【0122】
(6)第6の態様に係るレバー操作ロボット120は、産業車両102の操作レバー5を操作するレバー操作ロボット120であって、前記産業車両2の前フレーム13に対して固定された支持部121と、前記支持部121に取り付けられた基部131と、前記基部131に取り付けられて前記操作レバー5に隣接して配置され、前記操作レバー5の可動方向D1に伸縮するリンク機構140と、前記リンク機構140の前記可動方向D1で前記操作レバー5側の端部に取り付けられて前記操作レバー5と係合する係合部132とを有する操作部130と、前記リンク機構140を前記可動方向D1に伸縮駆動させる駆動部122と、を備える。
【0123】
駆動部122によってリンク機構140が操作レバー5の可動方向D1に伸縮すると、係合部132が操作レバー5に係合しているため、操作レバー5のリンク機構140の伸縮にあわせて可動方向D1に移動する。このようにして、操作レバー5を個別に操作することができる。
【0124】
(7)第7の態様に係るレバー操作ロボット120は、第6の態様のレバー操作ロボット120であって、前記駆動部122は、回転駆動力を出力する出力軸122aを有し、前記リンク機構140は、上下方向Dv及び前記可動方向D1に延在する仮想面上で上下方向Dvに延びるとともに、一端が前記出力軸122aに回転駆動力を伝達可能に接続された第1リンク141と、前記第1リンク141の他端に回転可能に取り付けられた第1ピン141aと、前記第1ピン141aを介して前記第1リンク141に接続された一端を有し、前記可動方向D1に延びる第2リンク142と、前記第2リンク142の他端に回転可能に取り付けられた第2ピン142aと、前記第2ピン142aを介して前記第2リンク142に接続された一端を有し、上下方向Dvに延びる第3リンク143と、前記第3リンク143の他端と、前記基部131とに回転可能に取り付けられた第3ピン143aと、を有し、前記係合部132は、前記第2リンク142の前記第2ピン142a側の端部に設けられていてもよい。
【0125】
これにより、簡素な構成でリンク機構140を作成できるので、製造効率を向上させることができる。
本態様では、駆動部122によって第1リンク141が出力軸122aを中心として回転すると、第3リンク143が第1リンク141と同じ向きに回転し、第2リンク142が可動方向D1に移動する。このとき、係合部132が第2リンク142と一体に可動方向D1に移動し、係合部132と係合した操作レバー5も、可動方向D1に移動する。このようにして、操作レバー5が可動方向D1に操作される。
【0126】
(8)第8の態様に係るレバー操作ロボット120は、第6又は第7の態様のレバー操作ロボット120であって、前記係合部132は、前記操作レバー5を囲むように上下方向Dv視で環状に形成されていてもよい。
【0127】
これにより、簡素な構成で操作部130を作成できるので、製造効率を向上させることができる。
【0128】
(9)第9の態様のレバー操作ロボット120は、第6から第8のいずれか1つの態様のレバー操作ロボット120であって、前記操作レバー5は、前記産業車両102の車体10から上方に延びる下段部5aと、前記下段部5aの上端から上方に延び、上方に向かうにしたがい車幅方向Dwに傾斜する中段部5bと、前記中段部5bの上端から前記産業車両102の操縦席11に向かって延びるとともに、前記中段部5bよりも前後方向Dsに大きく傾斜する上段部5cと、を有し、前記係合部132は、前記操作レバー5のうち前記中段部5bと前記上段部5cとの境界部分5dに係合していてもよい。
【0129】
中段部5bと上段部5cとの境界部分5dは、中段部5bの傾斜が少なく、かつ操縦席11上のオペレータAの視界を遮りにくい。よって、係合部132が操作レバー5と係合し易くしつつ、オペレータAによる操作性を維持することができる。
【0130】
(10)第10の態様の産業車両2、102は、第1から第9のいずれか1つの態様のレバー操作ロボット20、120と、車両本体3と、前記車両本体3に設けられた前記操作レバー5と、を備える。
【0131】
(11)第11の態様の遠隔操作システム1、101は、第10の態様の産業車両2、102と、前記レバー操作ロボット20、120の前記駆動部22、122を無線通信によって遠隔操作可能とする遠隔操作装置70、170と、を備える。
【0132】
本態様によれば、遠隔操作装置70、170がレバー操作ロボット20、120の駆動部22、122を遠隔操作し、操作部30、130を駆動させる。これにより、操作レバー5を可動方向D1に遠隔操作することができる。
【符号の説明】
【0133】
1…遠隔操作システム、2…産業車両、3…車両本体、4…ステアリング、5…操作レバー、5a…下段部、5b…中段部、5c…上段部、5d…境界部分、6…走行機構、6a…車輪、10…車体、11…操縦席、12…操作台、13…前フレーム、15…作業装置、15a…荷役装置、16…マスト、17…フォーク、20…レバー操作ロボット、21…支持部、21a…取付梁、22…駆動部、22a…出力軸、30…操作部、31…基部、32…第1ブラケット、32a…第1壁部、32b…第2壁部、33…第2ブラケット、33a…第3壁部、33b…第4壁部、33c…貫通孔、34…ローラ、34a…駆動ローラ、34b…従動ローラ、35…ベルト、36…リニアガイド、36a…ガイド片、40…取付部、41…取付部本体、41a…取付孔、42…固定片、42a…ボルト、50…係合部、51…係合基部、52…操作片、52a…ピン、53…係合プレート、54…結合片、55…ボルト、60…制御部、61…受信部、62…駆動制御部、70…遠隔操作装置、80…中央制御装置、101…遠隔操作システム、102…産業車両、120…レバー操作ロボット、121…支持部、121a…取付梁、122…駆動部、122a…出力軸、130…操作部、131…基部、131a…基部本体、131b…接続壁、132…係合部、133…取付ブラケット、133a…第1壁部、133b…第2壁部、133c…貫通孔、140…リンク機構、141…第1リンク、141a…第1ピン、142…第2リンク、142a…第2ピン、143…第3リンク、143a…第3ピン、160…制御部、161…受信部、162…駆動制御部、170…遠隔操作装置、180…中央制御装置、1100…コンピュータ、1110…プロセッサ、1120…メインメモリ、1130…ストレージ、1140…インタフェース、A…オペレータ、C…仮想円、Ds…前後方向、Dw…車幅方向、Dv…上下方向、D1…可動方向、D2…幅方向、D3…厚さ方向、N…ネットワーク、O…中心軸線
図1
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