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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162898
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】警報システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/00 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
G08B13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078876
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】518033624
【氏名又は名称】株式会社ケア・テック
(71)【出願人】
【識別番号】523175579
【氏名又は名称】餘目 正敏
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】餘目 正敏
【テーマコード(参考)】
5C084
【Fターム(参考)】
5C084BB01
5C084CC19
5C084EE10
5C084FF02
5C084FF27
5C084GG03
5C084HH01
5C084HH07
(57)【要約】
【課題】 外部からの侵入者の侵入を迅速に外部に伝達し、また侵入による被害を最小限に抑えるための警報システムを提供する。
【解決手段】 警報システム100は、ユーザの身体に装着可能に構成され、ユーザによる送信操作に対応して起動信号を送信する起動信号送信部1と、起動信号送信部1と通信可能に構成され、起動信号を受信したことに対応して警報を発する複数の警報手段2,3と、を備える。複数の警報手段2,3は、ユーザの居住空間の内側に設置された第1警報手段2と、ユーザの居住空間の外側に設置された第2警報手段3と、を含んでもよい。警報システム100は、警報を停止するための停止信号を、ユーザによる停止操作に対応して、複数の警報手段2,3に対して送信する停止信号送信部4をさらに備えてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの身体に装着可能に構成され、前記ユーザによる送信操作に対応して起動信号を送信する起動信号送信部と、
前記起動信号送信部と通信可能に構成され、前記起動信号を受信したことに対応して警報を発する複数の警報手段と、を備える警報システム。
【請求項2】
前記複数の警報手段が、前記ユーザの居住空間の内側に設置された第1警報手段と、前記ユーザの居住空間の外側に設置された第2警報手段と、を含む、請求項1に記載の警報システム。
【請求項3】
前記警報を停止するための停止信号を、前記ユーザによる停止操作に対応して、前記複数の警報手段に対して送信する停止信号送信部をさらに備える、請求項1に記載の警報システム。
【請求項4】
前記停止信号送信部が、前記起動信号送信部及び前記複数の警報手段からは独立して配置されている、請求項3に記載の警報システム。
【請求項5】
前記複数の警報手段が、前記起動信号を受信して警報音を発する、請求項1に記載の警報システム。
【請求項6】
前記複数の警報手段が、前記起動信号を受信して警報光を発する、請求項1に記載の警報システム。
【請求項7】
前記起動信号送信部が腕時計型端末である、請求項1に記載の警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常時に警報を発するための警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家財金品を奪う強盗目的の住居侵入が増加している。このような強盗は、空き巣狙いの泥棒とは異なり、奪う価値の高いものがどこにあるのかを居住者から聞き出すべく、あえて居住者の在宅時を狙って侵入することが多い。強盗と対面することになれば、争うことによって怪我をすることもあり、最悪の場合、命を落とすこともある。
【0003】
また、女性を狙った性犯罪も増加しており、例えば、帰宅中の女性を見つけて自宅までその女性の跡をつけ、女性が自宅に入るタイミングを狙って玄関から不審者が押し入ってくるケースが多数報告されている。
【0004】
このような非常時に備え、監視カメラや防犯ブザー、護身具といった様々な防犯グッズが販売されている。また、より本格的な防止策として、強盗や不審者の侵入を検知し、非常事態にあることを外部に知らせたりするための警備システムが多数提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-245557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の警備システムでは、強盗や不審者の侵入を検知してそのことを外部に自動的に通報したり、侵入された後に居住者が通報ボタンを押すことによって外部に通報したりしているが、このような仕組みで非常事態にあることが外部に伝えられたとしても、警察や警備会社の人間が現場に到着するまでにはある程度の時間が必要となる。しかしながら、実際のところ、強盗や不審者の侵入というのはほんの一瞬の出来事であり、到着までの時間に命を落としてしまうおそれがある。また、侵入する側は入念な準備のもとで侵入を試みる一方、居住者側が常にそのような事態を警戒し、侵入に気付いた後、瞬時に通報ボタン、警報ボタンのある場所に向かってボタンを押すことは現実的ではなく、より迅速に外部に状況を伝達するためのシステムが求められる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、外部からの侵入者の侵入を迅速に外部に伝達し、また侵入による被害を最小限に抑えるための警報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、ユーザの身体に装着可能に構成され、前記ユーザによる送信操作に対応して起動信号を送信する起動信号送信部と、前記起動信号送信部と通信可能に構成され、前記起動信号を受信したことに対応して警報を発する複数の警報手段と、を備える警報システムを提供する(発明1)。
【0009】
かかる発明(発明1)によれば、警報システムの起動装置が常にユーザの手の届くところにあるので、例えばユーザの居住空間への外部からの侵入者の侵入に対応して迅速に警報システムを起動することができる。そして、複数の警報手段のうち少なくとも1つの警報手段をユーザの居住空間の外側に設置しておくことで、当該警報手段による警報によって、侵入者の侵入を迅速に外部に伝達することができる。また、複数の警報手段のうち少なくとも1つの警報手段をユーザの居住空間の内側に設置しておくことで、当該警報手段による警報によって、侵入者を怯ませたり、驚かせて逃げるように仕向けたりすることができるため、侵入による被害を最小限に抑えることができる。
【0010】
上記発明(発明1)においては、前記複数の警報手段が、前記ユーザの居住空間の内側に設置された第1警報手段と、前記ユーザの居住空間の外側に設置された第2警報手段と、を含むことが好ましい(発明2)。
【0011】
上記発明(発明1,2)においては、前記警報を停止するための停止信号を、前記ユーザによる停止操作に対応して、前記複数の警報手段に対して送信する停止信号送信部をさらに備えることが好ましい(発明3)。
【0012】
上記発明(発明3)においては、前記停止信号送信部が、前記起動信号送信部及び前記複数の警報手段からは独立して配置されていることが好ましい(発明4)。
【0013】
上記発明(発明1-4)においては、前記複数の警報手段が、前記起動信号を受信して警報音を発することが好ましい(発明5)。
【0014】
上記発明(発明1-5)においては、前記複数の警報手段が、前記起動信号を受信して警報光を発することが好ましい(発明6)。
【0015】
上記発明(発明1-6)においては、前記起動信号送信部が腕時計型端末であることが好ましい(発明7)。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る警報システムによれば、外部からの侵入者の侵入を迅速に外部に伝達し、また侵入による被害を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る警報システムの全体構成を示す説明図である。
図2】同システムの起動装置の概略構成を示す説明図である。
図3】同システムの第1警報器の概略構成を示す説明図である。
図4】同システムの第2警報器の概略構成を示す説明図である。
図5】同システムの停止装置の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る警報システムの実施の形態について、適宜図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、何ら本発明を限定するものではない。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の警報システム100は、ユーザの身体に装着可能に構成され、ユーザによる送信操作に対応して起動信号を送信する起動装置1と、起動装置1と通信可能に構成され、起動装置1から送信された起動信号を受信したことに対応して警報を発する複数の警報手段と、警報を停止するための停止信号を、ユーザによる停止操作に対応して、当該複数の警報手段に対して送信する停止信号送信部と、を備える。本実施形態においては、警報システム100は、ユーザの居住空間の内側に設置された第1警報器2と、ユーザの居住空間の外側に設置された第2警報器3と、を備えている。起動装置1と第1警報器2、第2警報器3とは、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等の通信網NW(ネットワーク)に接続されており、これにより、起動装置1は、第1警報器2及び第2警報器3のそれぞれと通信可能に構成されている。
【0020】
なお、ユーザの居住空間とは、例えばユーザの自宅である戸建ての家やマンション、アパート等を意味し、居住空間の内側とは、家やマンション、アパート等の室内空間(玄関、居間、書斎、寝室、台所等)を意味し、居住空間の外側とは、家やマンション、アパート等の外壁や門柱、外構等を意味する。
【0021】
起動装置1は、本発明における起動信号送信部の一例であり、警報システム100によって警報を発するための起動スイッチとして機能するものである。本実施形態の起動装置1は、いわゆる腕時計型端末となっている。具体的には、起動装置1は本体部10aとバンド部10bとから構成されており、ユーザの腕にバンド部10bを巻き付けることにより起動装置1を装着できるようになっている。なお、起動装置1をユーザの身体に装着可能とする構成はこれに限られるものではなく、例えば、ペンダント型の起動装置にして首からぶら下げてもよいし、腕以外の身体の部位に装着できるような構造としてもよい。
【0022】
起動装置1は、外部からの侵入者の侵入に備えて、ユーザが煩わしさを感じることなく長時間装着し続けることができるよう、上述のように腕時計型端末とすることが好ましく、また防水構造とすることによって、入浴時や炊事中においてもユーザが取り外すことなく着けっ放しにすることもできるようになる。一方、起動装置1に侵入者が気づいた際に、侵入者がユーザの身体から簡単に外すことができないよう、バンド部10bを鍵やピン等を用いたロック構造を備えたものとしてもよい。なお、一つの警報システム100に対して複数の起動装置1が用意されていてもよい。
【0023】
起動装置1は、図2に示すように、ユーザが起動操作を行うための起動機構11を有し、本体部10a内には、ユーザの起動操作に応じて起動信号を生成する制御部12と、生成された起動信号を外部に対して送信する送信部13とを備えている。制御部12は、起動機構11を用いてユーザが起動操作を行ったことを認識すると、起動信号を生成し、生成された起動信号が送信部13から外部へと送信される。送信部13は、後述する第1警報器2の通信部23や、第2警報器3の通信部33と、通信網NWを介して通信可能に構成されている。
【0024】
起動機構11は、侵入者に気付かれることなく迅速に操作できるよう、片方の腕だけで操作できるものであることが好ましい。ユーザが行う起動操作は、起動機構11の構成によって変わってくるが、起動機構11及びユーザが行う起動操作の実施態様のバリエーションの一つとして、例えば、起動機構11を起動装置1の本体部10aの表面や側面等に設けた一般的なボタン式スイッチとし、当該スイッチを押すことを起動操作としてもよい。また、誤動作防止のためにボタン式スイッチを二箇所に設け、二つのスイッチを同時に押すことを起動操作としてもよい。さらに、起動機構11を衝撃感知センサとし、起動装置1をユーザの身体、居住空間の壁や床、あるいは家具等に叩きつけることを起動操作としてもよいし、誤動作防止のために、設定した所定値以上の衝撃を感知した場合にのみ起動操作と認識するように構成してもよい。
【0025】
警報システム100は、本発明における複数の警報手段の一例として、ユーザの居住空間の内側に設置された第1警報器2と、ユーザの居住空間の外側に設置された第2警報器3と、を備えている。複数の警報手段のそれぞれは、起動装置1から送信された起動信号を受信したことに対応して警報を発するが、例えば当該起動信号を受信して警報音を発するように構成してもよいし、当該起動信号を受信して警報光を発するように構成してもよいし、警報音及び警報光の両方を発するように構成してもよい。本実施形態においては、第1警報器2は警報音及び警報光の両方を発するように構成されており、第2警報器3も警報音及び警報光の両方を発するように構成されている。なお、警報システム100は、複数の第1警報器2、複数の第2警報器3を有していてもよい。
【0026】
第1警報器2は、本発明における第1警報手段の一例であり、図3に示すように、第1警報器2の各種動作を制御する制御部21と、各種のプログラムや警報音の音データを記憶しておく記憶部22と、起動装置1や停止装置4と通信網NWを介して通信する通信部23と、警報音を発する発音部24と、警報光を発する発光部25と、を備える。
【0027】
制御部21は例えばECUやCPUであり、記憶部22に格納されたプログラム等を実行することによって、各種機能を実現する。制御部21は、記憶部22、通信部23、発音部24及び発光部25と電気的に接続されており、各部間で制御信号又はデータ信号が伝送可能となるように構成されている。
【0028】
記憶部22には、各種プログラムの他、発音部24から出力される警報音の音データが記憶されている。音データは、例えば各種の警報音パターンや音楽(楽曲)、人間の声又は声を模した人工生成音、人間が不快に感じる爆音や轟音等であってよく、必要に応じて新しい音データを追加して記憶することができるようにしてもよい。
【0029】
通信部23は、起動装置1の送信部13や停止装置4の送信部43と通信網NWを介して通信可能に構成されている。通信部23が起動装置1の送信部13から起動信号を受信すると、制御部21が、記憶部22に記憶されている音データに基づいて警報音を発音部24から出力するとともに、発光部25から警報光を出力する。また、通信部23が停止装置4の送信部43から停止信号を受信すると、制御部21が、発音部24からの警報音の出力を停止するとともに、発光部25からの警報光の出力を停止する。
【0030】
発音部24は、例えばスピーカであり、警報音を出力するものである。第1警報器2が出力する警報音は、居住空間内に侵入した侵入者を怯ませたり、驚かせて逃げるように仕向けたりする目的を持って出力するため、なるべく大きな音を出力できることが好ましい。発音部24から出力される警報音の音圧は、例えば80db以上とすることが好ましく、90db以上とすることがより好ましく、100db以上とすることがさらに好ましい。
【0031】
発光部25は、例えばフラッシュライトや回転灯であり、警報光を発光するものである。第1警報器2が出力する警報光は、居住空間内に侵入した侵入者を怯ませたり、驚かせて逃げるように仕向けたりする目的を持って出力するため、なるべく眩しく感じる光を出力できることが好ましい。
【0032】
第1警報器2は、ユーザの居住空間内の侵入者の侵入が懸念される場所に設置されており、例えば玄関や居間、書斎、寝室、台所等に設置することができる。第1警報器2の設置場所は特に限定されるものではないが、第1警報器2が警報を発することにより、居住空間内に侵入した侵入者を怯ませたり、驚かせて逃げるように仕向けたりする役割を果たすことができるように、天井や、壁面の高い位置等、侵入者の手が届かない場所に設置されていることが好ましい。
【0033】
第2警報器3は、本発明における第2警報手段の一例であり、図4に示すように、第2警報器3の各種動作を制御する制御部31と、警報音の音データを記憶しておく記憶部32と、起動装置1や停止装置4と通信網NWを介して通信する通信部33と、警報音を発する発音部34と、警報光を発する発光部35とを備える。
【0034】
制御部31は例えばECUやCPUであり、記憶部32に格納されたプログラム等を実行することによって、各種機能を実現する。制御部31は、記憶部32、通信部33、発音部34及び発光部35と電気的に接続されており、各部間で制御信号又はデータ信号が伝送可能となるように構成されている。
【0035】
記憶部32には、各種プログラムの他、発音部34から出力される警報音の音データが記憶されている。音データは、例えば各種の警報音パターンや音楽(楽曲)、人間の声又は声を模した人工生成音、人間が不快に感じる爆音や轟音等であってよく、必要に応じて新しい音データを追加して記憶することができるようにしてもよい。また、警報音を「強盗だ!強盗だ!強盗だ!」「火事だ!火事だ!火事だ!」「殺される!殺される!殺される!」といった近隣住民の注意を喚起しやすい内容の音声としてもよい。
【0036】
通信部33は、起動装置1の送信部13や停止装置4の送信部43と通信網NWを介して通信可能に構成されている。通信部33が起動装置1の送信部13から起動信号を受信すると、制御部31が、記憶部32に記憶されている音データに基づいて警報音を発音部34から出力するとともに、発光部35から警報光を出力する。また、通信部33が停止装置4の送信部43から停止信号を受信すると、制御部31が、発音部34からの警報音の出力を停止するとともに、発光部35からの警報光の出力を停止する。
【0037】
発音部34は、例えばスピーカであり、警報音を出力するものである。第2警報器3が出力する警報音は、侵入者の侵入を迅速に外部に伝達する目的を持って出力するため、なるべく大きな音を出力できることが好ましい。発音部24から出力される警報音の音圧は、例えば80db以上とすることが好ましく、90db以上とすることがより好ましく、100db以上とすることがさらに好ましい。
【0038】
発光部25は、例えばフラッシュライトや回転灯であり、警報光を発光するものである。第2警報器3が出力する警報光は、侵入者の侵入を迅速に外部に伝達する目的を持って出力するため、なるべく眩しく感じ、かつ到達距離の長い光を出力できることが好ましい。
【0039】
第2警報器3は、ユーザの居住空間の外側に設置されており、例えばユーザが戸建ての一軒家に住んでいる場合、当該一軒家の外壁や門柱、外構等に取り付けて設置することができ、例えばユーザがマンションやアパートのような集合住宅に住んでいる場合、当該集合住宅の外壁や共用廊下、ロビー等に設置することができる。第2警報器3の設置場所は特に限定されるものではないが、第2警報器3が警報を発することにより、居住空間内に外部からの侵入者が侵入したことを迅速に外部に伝達する役割を果たすことができるように、警報が他の構造物等に遮られない場所に設置されていることが好ましい。
【0040】
停止装置4は、本発明における停止信号送信部の一例であり、警報を停止するための停止信号を、ユーザによる停止操作に対応して、複数の警報手段(第1警報器2、第2警報器3)に対して送信する停止スイッチとして機能するものである。
【0041】
停止装置4は、起動装置1や第1警報器2、第2警報器3のいずれかと一体に構成されていてもよいが、侵入者が簡単に警報システム100による警報を停止することができないように、起動装置1、第1警報器2及び第2警報器3からは独立して配置されていることが好ましい。つまり、停止装置4を起動装置1、第1警報器2及び第2警報器3が設置されている場所とは別の場所(例えばテーブルの裏や戸棚の中、床下収納等の居住者しかわからないような場所)に設置することにより、その設置場所を知る人(すなわち居住者)のみが警報を停止することができる仕組みが実現される。
【0042】
停止装置4は、図5に示すように、ユーザが停止操作を行うための停止ボタン41と、ユーザの停止操作に応じて停止信号を生成する制御部42と、生成された停止信号を外部に対して送信する送信部43とを備えている。制御部12は、停止ボタン41を用いてユーザが停止操作を行ったことを認識すると、停止信号を生成し、生成された停止信号が送信部43から外部へと送信される。送信部43は、第1警報器2の通信部23や、第2警報器3の通信部33と、通信網NWを介して通信可能に構成されている。
【0043】
ユーザが行う停止操作は、停止ボタン41を押すことに限られるものではなく、例えば、停止装置4に設けられたテンキーを用いて所定のパスコードを入力することであってもよいし、専用の鍵を停止装置4に差し込んで回すことであってもよい。また、停止装置4を起動装置1と一体に構成されている場合、ユーザが行う起動操作は起動装置1のボタン式スイッチを一度押し込むだけとし、停止操作は同じボタン式スイッチを10秒長押しする、あるいは複数回押すこととしてもよい。
【0044】
以上説明したような警報システム100によれば、警報システム100の起動装置1が常にユーザの手の届くところにあるので、例えばユーザの居住空間への外部からの侵入者の侵入に対応して迅速に警報システム100を起動することができる。そして、複数の警報手段のうち少なくとも1つの警報手段(第2警報器3)をユーザの居住空間の外側に設置しておくことで、当該警報手段による警報によって、外部からの侵入者の侵入を迅速に外部に伝達することができる。また、複数の警報手段のうち少なくとも1つの警報手段(第1警報器2)をユーザの居住空間の内側に設置しておくことで、当該警報手段による警報によって、侵入者を怯ませたり、驚かせて逃げるように仕向けたりすることができるため、侵入による被害を最小限に抑えることができる。ユーザのみで侵入者の侵入に備えるのではなく、侵入者の侵入を迅速に外部に伝達することにより、近隣住民の力も借りながら侵入者の侵入に対処することも警報システム100の特徴の一つである。
【0045】
なお、起動装置1に防犯ブザー機能を持たせてもいい。具体的には、起動装置1に防犯ブザー用のスイッチを設け、当該スイッチを押したときに起動装置1自体が警報音を発することができるように構成してもよい。
【0046】
また、起動装置1を、ユーザの自宅に設置されている第1警報器2及び第2警報器3以外の警報器、具体的には、別のユーザの自宅に設置されている警報器と通信ネットワークを介して接続できるようにしてもよい。
【0047】
例えば、第1ユーザの警報システム100の起動装置1を、第1ユーザの自宅への帰路への途上にあって、第1ユーザの自宅から500m離れた場所に住む第2ユーザの警報システム100や、第1ユーザの自宅への帰路への途上にあって、第1ユーザの自宅から200m離れた場所に住む第3ユーザの警報システム100の警報手段に接続できるように構成されている状態を想定する。第1ユーザが自宅付近まで帰って来ていれば、第1ユーザの身体に装着されている起動装置1は、第1ユーザの自宅に設置されている第1警報器2及び第2警報器3に接続されるが、第1ユーザの自宅まで距離がある位置に第1ユーザがいる場合には、第2ユーザの警報システム100の警報器に接続可能な位置であれば第2ユーザの警報システム100の警報器に接続され、第3ユーザの警報システム100の警報器に接続可能な位置であれば第3ユーザの警報システム100の警報器に接続されるようにする。警報システム100を導入するユーザが増えれば増えるほど、ユーザが身体に装着している起動装置1が、例えば最寄り駅から自宅までの帰路においてシームレスに警報器に接続されている状況を作り出すことができる。
【0048】
ある所定のエリアにおいて警報システム100を導入するユーザを増やすことにより、当該エリアにおける地域見守りシステムへと発展させることも可能である。すなわち、例えば50世帯が集まる居住エリアにおいて、各世帯に警報システム100を導入し、各世帯の警報システム100の起動装置1と警報手段とが相互に接続可能な状態にすることで、あるユーザが当該エリアのどこにいても当該ユーザの起動装置1がどこかの世帯の有する警報システム100に接続されている状況を作り出すことができる。
【0049】
また、街中に設置されている防犯カメラに、警報システム100の起動装置1と接続可能な警報器機能を持たせてもよい。
【0050】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、警報システム100は、起動装置1によって起動信号が送信されたときに、警察や警備会社等へ同時に通報する機能を備えていてもよいし、また、警報システム100を火災等の災害時や発病時の緊急連絡に用いるものとして構成してもよい。
【符号の説明】
【0051】
100 警報システム
1 起動装置(起動信号送信部)
10a 本体部
10b バンド部
11 起動機構
12 制御部
13 送信部
2 第1警報器(第1警報手段)
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 発音部
25 発光部
3 第2警報器(第2警報手段)
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 発音部
35 発光部
4 停止装置(停止信号送信部)
41 停止ボタン
42 制御部
43 送信部
NW 通信網
図1
図2
図3
図4
図5