(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162915
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/76 20230101AFI20241114BHJP
H04N 25/78 20230101ALI20241114BHJP
H04N 25/42 20230101ALI20241114BHJP
H04N 23/54 20230101ALI20241114BHJP
H04N 23/745 20230101ALI20241114BHJP
【FI】
H04N25/76
H04N25/78
H04N25/42
H04N23/54
H04N23/745
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078902
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】前田 真一
【テーマコード(参考)】
5C024
5C122
【Fターム(参考)】
5C024CY16
5C024CY45
5C024GY39
5C024GY41
5C122EA13
5C122EA52
5C122FC01
5C122FC02
5C122FC06
5C122FH08
5C122HB01
5C122HB02
(57)【要約】
【課題】 実装面積及び消費電力の両方の観点に基づき、撮像素子と処理部間の伝送を制御する。
【解決手段】 第一の読み出しと第二の読み出しで読み出された画像データを設定された圧縮率に従って符号化する符号化部と、前記符号化部で得たデータを転送する送信側I/F部とを有し、前記第一の読み出しと前記第二の読み出しで前記符号化部を共有し、前記第一の読み出しと前記第二の読み出しで前記符号化部の圧縮率が異なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が行列状に配置され、各画素列に複数の列出力線を備えた画素アレイと、
前記画素アレイから読み出された信号に基づく画像データを圧縮符号化する符号化部と、
前記画像データを出力する出力部と、
前記画素アレイの第1の画素行から第1の列出力線を介して読み出した信号に基づく第1の画像データを前記出力部から出力するとともに、前記画素アレイの前記第1の画素行と異なる第2の画素行から前記第1の列出力線と異なる第2の列出力線を介して読み出した信号に基づく第2の画像データを前記第1の画像データと並行して前記出力部から出力するように制御する制御手段と、を有し、
前記第1の画像データを出力する際に使用する前記出力部のレーン数の方が前記第2の画像データを前記出力部から出力する際に使用する前記出力部のレーン数よりも多く、前記符号化部における前記第1の画像データに対する圧縮率の方が前記符号化部による前記第2の画像データに対する圧縮率よりも高いことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記符号化部は、前記第1の画像データと前記第2の画像データを時分割で圧縮符号化することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記符号化部は、前記第2の画像データを圧縮符号化しないことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記符号化部で圧縮符号化された前記第1の画像データと前記第2の画像データのそれぞれのデータ量に応じた前記出力部のレーンを活性化するように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の画像データの圧縮符号化される前のデータ量に基づく前記出力部のレーン数と、前記第1の画像データの圧縮符号化された後のデータ量に基づく前記出力部のレーン数とを比較して前記符号化部による圧縮率を設定し、前記第2の画像データの圧縮符号化される前のデータ量に基づく前記出力部のレーン数と、前記第2の画像データの圧縮符号化された後のデータ量に基づく前記出力部のレーン数とを比較して前記符号化部による圧縮率を設定することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の画像データはライブビューに用いられ、前記第2の画像データはフリッカ検出に用いられることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置に備えられる撮像素子の中には、画素部のライン単位で領域ごとに独立して読み出しタイミングを変更し、フレームレートや露出の異なる画像データを並列して出力(所謂マルチストリーム出力)できるものがある。マルチストリーム出力による読み出し画素数の増加に伴い、読み出しデータ量が増加するため、読み出し速度が低下する要因となる。そこで、撮像素子内部で画像データを圧縮処理することによりデータ量を削減することで、読み出し速度低下を抑制することができる。その一方で、圧縮回路の回路規模による撮像素子の面積増大や消費電力が問題となる。
【0003】
撮像素子と画像処理回路のI/F部は、高速な転送速度の要求に対してシリアルの差動信号を転送するように構成される。このシリアルの差動信号は、正負2線のペアを1レーンとして実装し、複数レーンで1つのチャンネルを構成するように定義される。I/F部の伝送路帯域は一定であることから、画像データのデータ量が増加することで相対的に全画像信号の転送時間が長くなるという問題がある。
【0004】
転送時間を短縮するためにレーン数を増やすなど高速転送する構成にすると、I/F部の消費電力、撮像素子と画像処理回路間の伝送路の実装面積などが問題になり、小規模な撮像装置では実現が困難となる。
【0005】
特許文献1では、R/B画素信号とGr/Gb画素信号をマルチストリームで出力する場合に、各経路に符号化回路をそれぞれ備え、R/B画素信号とGr/Gb画素信号の符号化回路における圧縮率と出力レーン数を異ならせることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、R/B画素信号とGr/Gb画素信号をそれぞれに対応して設けられた符号化回路で圧縮符号化するように構成されている。そのため、2つの符号化回路の実装面積が必要であり、さらに消費電力も大きくなるという課題がある。
【0008】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路実装面積と消費電力の観点から、撮像された画像データの画像処理部への伝送を適切に制御可能な撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、複数の画素が行列状に配置され、各画素列に複数の列出力線を備えた画素アレイと、前記画素アレイから読み出された信号に基づく画像データを圧縮符号化する符号化部と、前記画像データを出力する出力部と、前記画素アレイの第1の画素行から第1の列出力線を介して読み出した信号に基づく第1の画像データを前記出力部から出力するとともに、前記画素アレイの前記第1の画素行と異なる第2の画素行から前記第1の列出力線と異なる第2の列出力線を介して読み出した信号に基づく第2の画像データを前記第1の画像データと並行して前記出力部から出力するように制御する制御手段と、を有し、前記第1の画像データを出力する際に使用する前記出力部のレーン数の方が前記第2の画像データを前記出力部から出力する際に使用する前記出力部のレーン数よりも多く、前記符号化部における前記第1の画像データに対する圧縮率の方が前記符号化部による前記第2の画像データに対する圧縮率よりも高いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、回路実装面積と消費電力の観点から撮像画像データの画像処理部への伝送を適切に制御可能な撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る撮像素子の構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る画像処理回路のブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る符号化部のブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る復号部のブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るI/F送受信部のブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るライブビューとフリッカ検出モードにおける撮像素子の読み出し行を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るライブビュー中にフリッカ検出モードを行う際のタイミング図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る動作フローを示すフローチャートである。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る動作フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
(実施例1)
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置100の構成例を示す図である。
【0014】
本実施形態による撮像装置100は、デジタルカメラである。
図1に示すように、結像光学系の先端部に第1レンズ群101が配置されており、第1レンズ群101は光軸方向に進退可能に保持されている。
【0015】
絞り兼用シャッター102は、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行うほか、静止画撮影時には露光秒時調節用シャッターとしても機能する。絞り兼用シャッター102と第2レンズ群103とは一体となって光軸方向に進退し、第1レンズ群101の進退動作との連動によって、変倍作用(ズーム機能)を奏する。第3レンズ群104は、光軸方向の進退によって焦点調節を行う。
【0016】
光学的ローパスフィルタ105は、撮影画像の偽色やモアレを軽減するための光学素子である。撮像素子106は、2次元CMOSイメージセンサと周辺回路とを含み、結像光学系の結像面に配置される。
【0017】
ズームアクチュエータ111は、図示しないカム筒を回動することで、第1レンズ群101乃至第3レンズ群104を光軸方向に進退駆動し、変倍操作を行う。絞りシャッターアクチュエータ112は、絞り兼用シャッター102の開口径を制御して撮影光量を調節するとともに、静止画撮影時の露光時間制御を行う。フォーカスアクチュエータ113は、第3レンズ群104を光軸方向に進退駆動して焦点調節を行う。
【0018】
制御部121は、撮像装置100における種々の制御を司るものであり、図示しないCPU(演算部)、通信インタフェース回路等を有している。そして、メモリ134の有するROMに記憶された所定のプログラムに基づいて、撮像装置100の各種回路を駆動し、AF、撮影、画像処理、記録等の一連の動作を実行する。また、後述するフリッカの周波数を算出するフリッカ演算も行う。
【0019】
画像処理回路122は、撮像素子106が取得した画像の被写体検出、γ変換、カラー補間、JPEG圧縮等の処理を行う。メモリ134はRAM、ROM等であり、所定のプログラムの記憶や、画像処理中の画像データや画像処理に必要なパラメータデータの保持等を行っている。
【0020】
フォーカス駆動回路123は、焦点検出結果に基づいてフォーカスアクチュエータ113を駆動制御し、第3レンズ群104を光軸方向に進退駆動して焦点調節を行う。絞りシャッター駆動回路124は、絞りシャッターアクチュエータ112を駆動制御して絞り兼用シャッター102の開口を制御する。ズーム駆動回路125は、撮影者によるズーム操作に応じてズームアクチュエータ111を駆動する。
【0021】
表示装置131は、例えば背面液晶や電子ビューファインダー等により構成されており、撮像装置100の撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像、撮影後の確認用画像、焦点検出時の合焦状態の表示画像等を表示する。操作スイッチ群132は、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮影モード選択スイッチ等を含む。
【0022】
記録媒体133は、着脱可能なフラッシュメモリ等であり、撮影により取得した画像ファイルを記録する。
【0023】
図2は、撮像素子106の回路構成の一例を示す図である。
【0024】
撮像素子106は、画素アレイ210と、画素アレイ210における画素行を選択する垂直走査回路203、画素アレイ210における画素列を選択する水平走査回路202を備える。列回路201は、画素アレイ210中の画素のうち垂直走査回路203及び水平走査回路202によって選択される画素の信号を読み出し、画素信号の増幅、アナログデジタル変換(以下、AD変換と称す)等の処理を行う。
【0025】
画素アレイ210には、複数の単位画素205が行列状に配置されている。単位画素205の各々は、入射光を光電変換により電気信号に変換する光電変換素子と、複数のトランジスタ素子を有する。単位画素205の各々に付されている符号Rは赤色、符号Gr及び符号Gbは緑色、符号Bは青色のカラーフィルタが画素上に配置されることを意味する。
【0026】
参照信号発生回路205は、複数の列回路201を構成する回路に基準電圧を供給する。そして列回路201内にあるAD変換回路で画素信号と基準電圧の比較を行う。レジスタ群208は、制御部121等の外部制御装置からの通信により、各動作モードの設定を記憶する。タイミングジェネレータ209は、レジスタ群208に記憶された設定に基づき、垂直走査回路203や水平走査回路202を動作させる。
【0027】
垂直走査回路203は、画素アレイ210の画素行を選択し、制御部121から出力される水平同期信号に基づいて出力される読み出しパルスを、選択画素行において有効にする。列回路201は、列毎の信号を増幅するアンプ、単位画素205の出力をデジタル信号に変換するAD変換回路、AD変換結果を保持するメモリ、AD変換結果またはAD変換前の信号の加算減算処理回路等を含む。そして、選択行の画素信号はアンプを介してメモリに格納される。
【0028】
メモリに格納された1行分の画素信号は、水平走査回路202によって列方向に順に選択され、デジタル値となった画素値データが符号化部211へ送られる。符号化部211では、画素値データを圧縮符号化し、符号化部211で符号化された符号化データはラインメモリ212に一度保持される。ラインメモリ212から画素値データを読み出し、出力部である送信側I/F部213を介して出力アンプ214から外部に出力される。この動作を行数分繰り返し、全ての画素値データが外部に出力される。
【0029】
画素Rが配置される画素列(1列目)を例に説明すると、画素Rの画素行は列出力線206と接続され、画素Gbの画素行は列出力線207と接続される。画素Grが配置される列(2列目)では、画素Grの画素行は列出力線206と接続され、画素Bの画素行は列出力線207と接続される。この接続パターンが3列目以降の画素においても繰り返される。
【0030】
この構成により、例えば静止画像の読み出しにおいては、画素Rの画素行の信号読み出しでは、列出力線206を使用し、画素Gbの画素行の信号読み出しでは列出力線207を使用する。一方、ライブビュー画像の信号読み出しにおいては、同じ列出力線206に接続された画素Rの信号を同時に読み出して加算し、同様に列出力線207に接続された画素Gbの信号を同時に読み出して加算することが可能となる。
【0031】
また、ライブビュー画像に使用する画素の信号を列出力線206で読み出すと同時に、ライブビュー画像に使用されない間引かれた画素の信号を列出力線207で読み出すことが可能である。同様に、ライブビュー画像に使用する画素の信号を列出力線207で読み出すと同時に、ライブビュー画像に使用されない間引かれた画素の信号を列出力線206で読み出すことが可能である。
【0032】
ここでは一例として、1画素列あたりに2本の列出力線を有する構成としているが、1画素列あたりに3本以上の列出力線206、207を有し、複数行の画素信号を同時に読み出す構成でも良い。例えば、12本以上の列出力線206、207を各列に設ける場合には、1回の読み出し動作で12行分の画像データの読み出しが可能となる。このような列出力線206、207の多線構成をとる場合には、光の入射面に対して反対側に回路実装が可能な裏面照射型または積層型の構成が好ましい。
【0033】
後段の画像処理回路122へ画像データを出力するインタフェースは、LVDS方式やSLVS方式等の差動対を用いる高速通信方式が好ましい。なお、画像データを出力するインタフェースとして複数のレーンを備える構成の場合には、レーンごとに異なる信号を出力するようにしてもよい。
【0034】
図3は、画像処理回路122の回路構成の一例を示す図である。画像処理回路122は、受信部である受信側I/F部301と、ラインメモリ302と、復号部303と、画像補正処理部304と、現像処理部305を備える。
【0035】
受信側I/F部301は、撮像素子106から転送された符号化データを受信し、ラインメモリ302に一度保持する。ラインメモリから符号化データを読み出して、復号部303で符号化データを復号する。画像補正処理部304では、復号された画素値に対して撮像素子のプロセス特性の諸問題(暗電流、シェーディング、画素欠陥等)を補正した後、補正処理された画素信号に対してノイズ処理や偽色対策等の画像処理も行う。
【0036】
画像処理としてレンズ特性(回折や、収差の影響)の補正を実施しても良い。現像処理部305で現像した画像データは、制御部121を介して表示装置131や記録媒体133、メモリ134等へ出力される。
【0037】
図4は、本実施形態における符号化部211のブロック図である。本実施形態における符号化部211は、入力画像データを所定の画素数単位に分割した「符号化ブロック」毎に符号化を行う。
【0038】
図4における量子化部401は、列回路201で量子化されたデジタル値の画像データを設定された量子化パラメータ(以下、QPと称す)に従って再量子化する。このQPは、符号量計測部404で過去のブロックの符号化データ量の計測及び目標データ量に対する大小判断をして、符号量制御部405で次期QP値を決定(若しくは更新)する。本実施形態では、符号化ブロックの処理中はQP値を変更しないので、符号化ブロックの処理前に次期QP値を決定する。勿論、符号化ブロック処理の途中でQP値を可変とする様な仕様を採択しても良い。
【0039】
予測部402は、符号化ブロックのデータ処理中に上記QP値が固定であれば単に遅延素子で良い。加算器(減算器)407は、量子化された注目画素データと、1処理前の量子化された画素データとの差分値を求め、エントロピー符号化部403にその差分値を出力する。
【0040】
エントロピー符号化部403は、入力データ値の出現頻度に基づいて符号を割り当てる符号化データ生成を行うエントロピー符号化方式を採る。エントロピー符号化方式の種類は特に問わないが、例えばゴロム符号化やハフマン符号化等である。
【0041】
多重化部406は、エントロピー符号化部403が生成した符号化データと、符号量制御部405が決定したQPとを多重化してストリームデータとして出力する。
【0042】
図5は、本実施形態における復号部303のブロック図である。分離部501は、ストリームデータからQP値と符号化データとを分離し、符号化データをエントロピー復号部502に供給し、QP値を逆量子化部505に供給する。エントロピー復号部502は、符号化データを符号化とは逆の処理で復号する。
【0043】
加算器503は、エントロピー復号部502で得た復号結果と、予測部504からの予測値とを加算する加算器である。この加算器503の出力値は、符号化部211における注目画素の量子化結果値と等価の値となる。逆量子化部505は、この加算器503の出力値を、分離部501から供給されたQP値に従って逆量子化し、復号画素データを得る。
【0044】
図6は、実施形態におけるI/F送受信部のブロック図である。ここでは、送信側I/F部213(出力部)と受信側I/F部301(受信部)との通信について説明する。本実施形態では、プロトコルを持った高速差動I/FとしてSLVS(Scalable Low Voltage Signaling)等のエンベデッドクロック方式を例示する。勿論、LVDS(Low voltage differential signaling)等他の方式を適宜採用して構わない。
【0045】
図6において、送信側I/F部213は、変換処理部602と、ペイロード化部603と、レーン分割部604を有する。変換処理部602は、符号化部211の出力ストリームデータをバイト単位のデータに変換する。ペイロード化部603は、センサデータを1水平期間毎にペイロード化する。レーン分割部604は、シリアルデータとして複数伝送レーンに分割する。
【0046】
参照符号部601は、これら各処理部の制御設定を記憶しておくレジスタ部である。レーン分割部604では、バイト単位のままペイロードデータを複数のレーンに分配する。このとき、ライン毎に各レーンの先頭にパケットヘッダ情報を付加する。
【0047】
受信側I/F部301は、レーン結合部606と、ペイロードデータ処理部607と、変換部608を含む。レーン結合部606は、複数レーンのシリアルデータを結合する。ペイロードデータ処理部607は、レーン結合後のパケットデータから有効データを抽出する。変換部608は、バイト単位のペイロードデータから出力ストリームデータへと変換する。
【0048】
また、参照符号部605は、これら処理部の制御設定を記憶するレジスタ部である。送信側I/F部213や受信側I/F部301のレジスタ部夫々を更新することで、ライブビュー表示時と撮影時とでデータ転送レーン割当を適宜変更し、レーンの活性・非活性を制御する。
【0049】
次に
図7を参照して、ライブビューモードでの動作とフリッカ検出モードの動作について説明する。
図7は、撮像素子106における単位画素205の配列と共に、ライブビューモードでの動作とフリッカ検出モードでの動作において、いずれの行の信号を読み出しの対象とするのかを示している。
【0050】
本実施形態では、マルチストリームの例としてライブビューモードとフリッカ検出モードの組合せを例に説明するが、組合せや用途はこれらに限定されるものではない。例えば、ライブビューモードと調光モード、静止画モードとライブビューモード、動画モードと位相差検出モードといった組合せでも構わない。
【0051】
まず、ライブビューモードでの動作時に信号を読み出す画素行について説明する。ライブビュー動作とは、表示装置131に含まれる背面液晶や電子ビューファインダーに画像を表示するものであり、ユーザによる画角の決定や露出条件等の撮影条件の決定のために供されるものである。つまり、記録媒体133等に保存されるものではなく、かつ撮像素子106に含まれる単位画素205の数よりも背面液晶等の画素数は少ないため、すべての単位画素205から画像データを読み出す必要はない。そのため、背面液晶等の画素数または行数と同程度に低画素数化して読み出すのが一般的である。
【0052】
一例として、撮像素子106に含まれる有効画素数として水平8000画素、垂直5400画素を有する場合に、表示装置131に表示するために十分なFullHD相当の解像度を得るためには垂直方向に少なくとも3分の1の画素数で足りる。本実施例においては3行周期で読み出し行を間引く例を示す。
【0053】
より詳細には、
図7においてRのカラーフィルタを有する単位画素205を含むRed行と、Bのカラーフィルタを有する単位画素205を含むBlue行のそれぞれにおいて、行方向に3行周期で間引くことで低画素化する例を示す。また、3行周期の内、2行を加算し、1行を読み出さない(間引く)例を示す。
【0054】
3行周期やその内の2行を加算平均する読み出し方法は一例であり、例えば5行周期でその内3行を加算平均して読み出すなど、その他の周期でも良い。また、加算の方式としては単純に加算する動作としてもよいし、加算平均をする動作としてもよい。また、2行の信号を加算する方法は異なる行を同時に列出力線206、207へ接続する加算平均方法を想定しているが、行間の加算平均方法はこれに限らない。
【0055】
次にフリッカ検出モードでの動作時に信号を読み出す画素行について説明する。フリッカ検出モードでの動作では、フレーム内全面での高周波/低周波フリッカの検出が実現できる様にフレームレートや読み出し行を設定することが好ましい。そのため、本実施例において、撮像素子106はRed行、Blue行それぞれ行方向に9行周期に1行読み出す構成としている。
【0056】
また、フリッカ検出モードでの動作時に信号を読み出す画素行は、
図3に示すようにライブビューモードでの動作時に信号を読み出さない画素行を用いる。このように、ライブビューモードでの動作時に信号を読み出さない画素行を用いることで、ライブビューモードとフリッカ検出モードを同時に設定することが可能となる。つまり、それぞれのモードについての蓄積とリセットの動作を独立して制御することが可能となる。
【0057】
なお、本実施例において、ライブビューモードでの動作の対象となる画素行と、フリッカ検出モードでの動作の対象となる画素行の夫々から出力する信号は、共通の読み出し回路201を用いて処理される。そのため、読み出し回路201への読み出しタイミングについて排他で制御される。
【0058】
なお、
図7においてはライブビューモードとフリッカ検出モードで動作の対象となる画素行の数について説明したが、水平方向(画素列)の信号読み出し画素数を異ならせても良い。一例として、ライブビューモードでの動作時は、水平方向に間引きや加算をせずに全画素の信号を読み出し、フリッカ検出モードでの動作時は3列周期で1列のみ信号を読み出す構成としても良い。このような構成とすることでフリッカ検出モードでの動作時の読み出しレートを向上させることができる。
【0059】
なお、画像処理回路122での処理負荷を優先する場合には、ライブビューモードとフリッカ検出モードでの動作の対象となる画素列の数について同じにするようにしてもよい。画像処理回路122は画素行単位で逐次処理を行うため、両モードでの画素数が同一であれば処理パラメータを共通化することも可能となり、処理負荷を下げることも可能となる。
【0060】
図8を参照して、ライブビューモードとフリッカ検出モードを並列動作させる例について説明する。
【0061】
図8においては、フレームレートと対応する1VD周期において、1枚のライブビュー画像を読み出しつつ、12フレームのフリッカ検出用画像の読み出しを行う例を示している。
図8に示す動作シーケンスによって、撮像素子106のライブビューモードでの動作を停止させることなくフリッカ検出モードでの動作を行うことが可能となる。
【0062】
垂直同期信号VDは、制御部121から送信され、撮像素子106へ入力される信号であり、フレームの開始タイミングを示している。ここでは30fpsのフレームレートでライブビュー画像を読み出す例を示す。
【0063】
図8において、時刻T801で撮像素子106に垂直同期信号VDが入力され、当該垂直同期信号VDに合わせてライブビューモードでの信号読み出し動作が開始され、M番目のフレーム画像が読み出される。そして、時刻T803にてフリッカ検出モードでのN番目のフレームの信号読み出し動作が開始される。
【0064】
本実施例においては、
図2の列出力線206でライブビューモードでの信号読み出しを、列出力線207でフリッカ検出モードでの信号読み出しを行う。異なる列出力線で信号を読み出すため、ライブビューモードでの信号読み出しとフリッカ検出モードでの信号読み出しを並行して行うことを可能としている。
【0065】
ライブビューモードでの読み出し動作の終了を待つことなく、フリッカ検出モードでの読み出し動作を開始することによって、1周期内でのフリッカ検出モードでの読み出し回数を増せる。さらには、撮像素子106が動作する期間を短くして省電力化も実現することができる。また、フリッカ検出モードでの読み出し速度の向上を目的とした場合、ライブビューモードでの読み出し範囲より狭い範囲の画素行からのみ信号を読み出す動作を行うようにしてもよい。
【0066】
フリッカ検出モードでの信号読み出し動作は時刻T806まで繰り返される。本実施例においてはN番目のフレームから(N+11)番目のフレームの12フレーム分についてフリッカ検出モードでの読み出し動作を行う。このとき、フリッカ検出モードの読み出しは、ライブビューモードの1VD周期(33.3msec)内に収まっている必要はなく、また、両モードにおける蓄積期間は、所定の露出演算結果に基づいて、それぞれ独立に決定される。
【0067】
例えば、直前のフレームまたは直前までの数フレームを用いて被写体が適正露出となるように蓄積期間は決定される。なお、フリッカ検出モードでの動作によって取得された画像はフリッカ演算に用いられ、表示装置131等に表示されない。そのため、ライブビューモードでの動作に設定される蓄積期間810よりも短い蓄積期間820を設定可能である。
【0068】
また、ライブビューモードでの最終画素行における読み出し動作のタイミングよりも前の時刻T802で、フリッカ検出モードでの読み出し動作に対応するリセット動作を行う。リセット動作において列回路201は用いる必要がないため、ライブビューモードでの読み出し動作とフリッカ検出モードでのリセット動作を時間的に重複させることが可能である。また同様に、時刻T804において、フリッカ検出モードでの読み出し動作を行っている最中に時刻T805のライブビューモードの読み出し動作に対応するリセット動作を行う。
【0069】
図9は、本実施例の撮像装置100における撮像動作フローを示すフローチャートである。各ステップの処理は制御部121が行う。
【0070】
なお、理解を容易にするため、本実施形態における列回路201は、画素アレイ部210による撮像信号をデジタルデータに変換する際に1画素につき14ビットのデジタルデータに変換するものとする。つまり、撮像直後のベイヤ配列のR,B,Gr,Gbそれぞれの画素は14ビットで表現される。
【0071】
また、非記録時(シャッターボタンが全押し以外の場合=非押下、もしくは半押しの場合)のライブビューモードでは、画素を符号化する符号化部211は、1画素当たり10ビットを目標に圧縮符号化を行うものとする。このとき、送信側I/F部213は、3レーンを活性化(該当する電源供給スイッチをONにする)して転送を行い、受信側I/F部301も該当する3レーンを活性化して受信を行う。
【0072】
また、フリッカ検出モードでは、符号化部211では画像データを符号化せず、送信側I/F部213は、非圧縮のデータを画像処理回路122に伝送する。このとき送信側I/F部213は、本実施形態では2レーンを用いてフリッカ検出用画像データ(非圧縮の画像データ)転送する。つまり、残りの1レーンは非活性化(該当する電源供給スイッチをOFFにする)とすることで、電力消費を抑える。すなわち、送信側I/F部211は、5レーンを活性化して転送を行い、受信側I/F部301も該当する5レーンを活性化して受信を行う。つまり、残りの1レーンは非活性化状態にする。
【0073】
上記を踏まえ、
図9のフローチャートに従って本実施例の撮像装置100における撮像動作フローについて説明する。
【0074】
まず、撮像動作が開始された後にステップS901にて、制御部121は、撮像素子106および画像処理回路122に対して、ライブビューモードの各種パラメータの設定を行い、さらに垂直同期信号VDの供給を開始する。撮像素子106に供給される垂直同期信号VDの周期は、撮像素子106が動作するフレームレートに相当し、本実施例においては1/30secであるとする。
【0075】
制御部121は、送信側I/F部213、および受信側I/F部301に対して、予め設定された3レーンを活性化し、残りの3レーンを非活性化状態となるように設定する。
【0076】
なお、各種パラメータとしては、撮像素子106が動作するための駆動モードの設定パラメータ、蓄積期間やゲイン設定などの露出パラメータを含む。さらに、符号化部211の目標圧縮率を「10/14」とする情報、送信側I/F部211に予め設定された3レーンを活性化し、残りの3レーンを非活性化させる情報を少なくとも含む。撮像素子106の送信側I/F部213における送信に用いるレーンと、画像処理回路122の受信側I/F部301における受信に用いるレーンは互いに一致する。
【0077】
次にステップS902にて、フリッカ検出モードの読み出しを行うかを判定して、フリッカ検出モードの読み出しを行わない場合は、ステップS903に進む。
【0078】
ステップS903にて、制御部121は、撮像素子106においてライブビューモードでの動作を開始する制御を行い、予め設定されたフレームレートで撮像を行い、ライブビュー用の画像データを読み出す。
【0079】
ステップS904で、各フレームのライブビュー画像については、圧縮率「10/14」で圧縮符号化された符号化データがラインメモリ212に保持された後、送信側I/F部213の3レーンを用いて画像処理回路122に伝送される。ラインメモリ212に符号化データを保持することで、符号化部211をライブビュー画像とフリッカ検出用画像との符号化で共有して時分割処理を行うことができる。画像処理回路122は、このようにして送信された符号化データを受信し、復号処理を行う。
【0080】
ステップS905で、ライブビューモードで必要な全画素行の読み出しが完了したかを判定する。そして、ライブビューモードの画像データの出力は垂直同期信号VDの供給タイミングに同期して繰り返し実行して表示装置131に表示することで、ライブビュー表示が行われる。
【0081】
ステップS902にて、フリッカ検出モードの読み出しを行うかを判定して、フリッカ検出モードの読み出しを行う場合は、ステップS906に進む。
【0082】
ステップS906にて、制御部121は、ステップS901と同様に、撮像素子106および画像処理回路122に対して、フリッカ検出モードの各種パラメータの設定を行う。そして、ステップS907に処理を進める。
【0083】
なお、各種パラメータとしては、蓄積期間やゲイン設定などの露出パラメータ、符号化部211の目標圧縮率を「14/14」(または非圧縮)とする情報、送信側I/F部213、および受信側I/F部301に2レーンを活性化させる情報を少なくとも含む。設定パラメータのうち、絞り値については、絞り兼用シャッター102がライブビューモードとフリッカ検出モードで共通のため同一の値となる。
【0084】
ステップS907にて、制御部121は、撮像素子106においてフリッカ検出モードでの動作を開始する制御を行い、予め設定されたフレームレートで撮像を行い、フリッカ検出用の画像データを読み出す。
【0085】
ステップS908で、各フレームのフリッカ検出用画像については、符号化部211で符号化を行われていないデータがラインメモリ212に保持された後、送信側I/F部213の2レーンを用いて画像処理回路122に伝送される。このとき、フリッカ検出用画像のデータ転送に使用される2レーンは、ライブビュー画像のデータ転送に使用される3レーンとは異なるレーンに割り当てられる。画像処理回路122は、このようにして送信されたデータを受信する。符号化部211で符号化されていないため、復号部303でも復号は行われない。
【0086】
ステップS909で、フリッカ検出モードで必要な全画素行の読み出しが完了したかを判定し、フリッカ検出モードの画像データの出力はVDの供給タイミングに同期して繰り返し実行して制御部121でフリッカ演算が行われることになる。
【0087】
制御部121は、ステップS910において露光動作を行うか否かの判定を行う。ここでは操作スイッチ群132に含まれるシャッターボタンの全押し(以下、SW2のONと表記)がなされたか否かの判定を行う。SW2のONが行われていない場合、制御部121はステップS901からステップS909までの動作を、フレーム毎に繰り返し行う。ステップS910でSW2のONが行われていた場合、制御部121はステップS911へと進む。
【0088】
ステップS911にて、制御部121は、ステップS901、ステップS906と同様に、撮像素子106および画像処理回路122に対して、静止画モードの各種パラメータの設定を行う。なお、各種パラメータとしては、蓄積期間やゲイン設定などの露出パラメータ、符号化部211の目標圧縮率を「14/14」(もしくは非圧縮)とする情報を含む。さらに、送信側I/F部213、および受信側I/F部301に5レーンを活性化させる情報を少なくとも含む。つまり、残りの1レーンは非活性化状態にする。
【0089】
次に、ステップS912において、設定された露光時間が経過したか否かを判定し、経過するまで繰り返す。
【0090】
ステップS913にて、制御部121は、撮像素子106において静止画モードでの動作を開始する制御を行い、静止画用の画像データを読み出す。
【0091】
ステップS914で、静止画画像については、圧縮率「14/14」で圧縮符号化された符号化データがラインメモリ212に保持された後、送信側I/F部213の5レーンを用いて画像処理回路122に伝送される。画像処理回路122は、このようにして送信された符号化データを受信し、復号処理を行う。
【0092】
ステップS915で、静止画モードで必要な全行を読み出しが完了したかを判定し、全行の読み出しを完了して静止画撮影を行う。
【0093】
本実施形態では、フリッカ検出モードでの読み出しが12フレームの場合について説明したが、フリッカ検出モード、および調光モード等のその他のモードでの読み出しフレーム数は限定されるものではない。例えば、画像処理回路122で単位時間に処理可能な範囲内で、任意のフレーム数を読み出す構成としてもよい。さらに、フリッカ検出モードを非圧縮として、2レーンを活性化する構成としたが、レーン数を削減できる場合は符号化部211で圧縮して転送する構成としてもよい。
【0094】
また、本実施形態では、ライブビューモードの圧縮率を「10/14」として、3レーンを活性化する構成としたが、さらにレーン数を削減できる場合は圧縮率を高くして転送する構成としてもよい。勿論、圧縮率は、背面液晶や電子ビューファインダーでの表示に耐えうるライブビュー画質を確保した範疇となる。
【0095】
同様に、本実施形態では、静止画時に撮像素子106で撮像した画像データを非圧縮で画像処理回路122に転送する構成としたが、これに限るものではない。例えば、電子シャッターの幕速向上、伝送路帯域削減による高速連写の実施、熱対策等で任意の圧縮率で圧縮した画像データを撮像素子106の出力として画像処理回路122で受信しても良い。それに合わせてレーンの活性状態も変えてよい。勿論、記録画像となる画像データに対する圧縮は、画質を確保した範疇となる。
【0096】
以上のように、ライブビューモードでは、符号化部211を用いた符号化による圧縮し、且つ、使用する伝送に係るレーン数を制限する。ライブビューモードと同時に動作するフリッカ検出モードでは、符号化部211を用いた符号化による圧縮を行わず、圧縮回路の消費電力を削減する。同様に、静止画モードでは、符号化部211を用いた符号化による圧縮を行わず、圧縮回路の消費電力を削減する。
【0097】
この結果、ライブビューモードとフリッカ検出モードの同時動作時には、5レーンを活性状態に、静止画モードの動作時には、5レーンを活性状態にして、残りの1レーンは非活性化状態にすることで省電力での伝送ができる。符号化部の圧縮率に応じたI/F上のドライバ、レシーバの活性状態を制御することで、バッテリー消耗を抑えることができる。
【0098】
また、ライブビューモード時も静止画モード時も活性化するレーン数が最大5レーンとなる場合は、撮像素子106と画像処理回路122の伝送レーン数を5レーンとして、伝送フレキや基板配線を設計してもよい。そのように設計することで、実装面積を削減することができ、撮像装置の小型化に貢献できる。
【0099】
(実施例2)
第1の実施形態では、送信側I/F部213と受信側I/F部301のレーン数を予め設定している場合について説明した。第2の実施形態では、送信側I/F部213と受信側I/F部301のレーン数を符号化後のデータ量に応じて決定する場合について説明する。
【0100】
図10のフローチャートを用いて本実施例の撮像装置100における撮像動作フローについて説明する。各ステップの処理は制御部121が行う。
【0101】
まず、撮像動作が開始された後にステップS1001にて、制御部121は、撮像素子106および画像処理回路122に対して、ライブビューモードの各種パラメータの設定を行い、さらに垂直同期信号VDの供給を開始する。撮像素子106に供給される垂直同期信号VDの周期は、撮像素子106が動作するフレームレートに相当し、本実施例においては1/30secであるものとする。
【0102】
なお、各種パラメータにおいては、撮像素子106が動作するための駆動モードの設定パラメータ、蓄積期間やゲイン設定などの露出パラメータ、符号化部211に目標圧縮率を「10/14」とする情報を少なくとも含む。
【0103】
次に、ステップS1002にて、フリッカ検出モードの読み出しを行うかを判定して、フリッカ検出モードの読み出しを行わない場合は、ステップS1003に進む。
【0104】
ステップS1003にて、制御部121は、撮像素子106においてライブビューモードでの動作を開始する制御を行い、予め設定されたフレームレートで撮像を行い、ライブビュー用の画像データを読み出す。
【0105】
ステップS1004で、各フレームのライブビュー画像については、符号化部211の符号量計測部404で、符号化前のデータ量と、圧縮率「10/14」で圧縮符号化された符号化後のデータ量とを比較する。符号化前のデータ量の場合に送信側I/F部213で使用するレーン数が4レーン、符号化後のデータ量の場合に送信側I/F部213で使用するレーン数が3レーンと計測されたとする。この場合、符号化後のデータ量で使用されるレーン数が符号化前のデータ量で使用されるレーン数よりも少ないため、送信側I/F部213、および受信側I/F部301の3レーンを活性化する。
【0106】
ステップS1005で、ライブビュー画像の画像データについて圧縮率「10/14」で圧縮符号化された符号化データがラインメモリ212に保持された後、送信側I/F部213の3レーンを用いて画像処理回路122に伝送される。画像処理回路122は、このようにして送信された符号化データを受信し、復号処理を行う。
【0107】
ステップS1006で、ライブビューモードで必要な全行を読み出しが完了したかを判定し、ライブビューモードの画像データの出力はVDの供給タイミングに同期して繰り返し実行して表示装置131に表示することで、ライブビュー表示が行われることになる。
【0108】
ステップS1002にて、フリッカ検出モードの読み出しを行うかを判定して、フリッカモードの読み出しを行う場合は、ステップS1007に進む。
【0109】
ステップS1007にて、制御部121は、ステップS1001と同様に、撮像素子106および画像処理回路122に対して、フリッカ検出モードの各種パラメータの設定を行う。なお、フリッカ検出モード各種パラメータにおいては、ライブビューモードの設定パラメータと同様に、蓄積期間やゲイン設定などの露出パラメータ、符号化部211に非圧縮(もしくは目標圧縮率を「14/14」)とする情報を少なくとも含む。設定パラメータのうち、絞り値については、絞り兼用シャッター102がライブビューモードとフリッカ検出モードで共通のため同一の値となる。
【0110】
ステップS1008にて、制御部121は、撮像素子106においてフリッカ検出モードでの動作を開始する制御を行い、予め設定されたフレームレートで撮像を行い、フリッカ検出用の画像データを読み出す。
【0111】
ステップS1009で、各フレームのフリッカ検出用画像については、符号化部211の符号量計測部404で、符号化前のデータ量と、圧縮率「14/14」で圧縮符号化された符号化後のデータ量とを比較する。圧縮率「14/14」は非圧縮であるため、符号化前のデータ量と符号化後のデータ量は等しくなる。送信側I/F部213で使用するレーン数が2レーンと計測されたとする。この場合、送信側I/F部213、および受信側I/F部301の2レーンを活性化する。
【0112】
ステップS1010で、各フレームのフリッカ検出用画像については、符号化部211で符号化されていないデータがラインメモリ212に保持された後、送信側I/F部213の2レーンを用いて画像処理回路122に伝送される。このとき、フリッカ検出用画像のデータ転送に使用される2レーンは、ライブビュー画像のデータ転送に使用される3レーンとは異なるレーンに割り当てられる。画像処理回路122は、このようにして送信されたデータを受信する。符号化部211で符号化されていないため、復号部303でも復号は行われない。
【0113】
ステップS1011で、フリッカ検出モードで必要な全行を読み出しが完了したかを判定し、フリッカ検出モードの画像データの出力は垂直同期信号VDの供給タイミングに同期して繰り返し実行して制御部121でフリッカ演算が行われることになる。
【0114】
制御部121は、ステップS1012において露光動作を行うか否かの判定を行う。ここでは操作スイッチ群132に含まれるシャッターボタンの全押し(以下、SW2のONと表記)がなされたか否かの判定を行う。SW2のONが行われていない場合、制御部121はステップS1001からステップS1011までの動作を、フレーム毎に繰り返し行う。ステップS1012でSW2のONが行われていた場合、制御部121はステップS1013へと進む。
【0115】
ステップS1013にて、制御部121は、ステップS1001、ステップS1007と同様に、撮像素子106および画像処理回路122に対して、静止画モードの各種パラメータの設定を行う。なお、各種パラメータとしては、蓄積期間やゲイン設定などの露出パラメータ、符号化部211の目標圧縮率を「14/14」(もしくは非圧縮)とする情報を含む。さらに、送信側I/F部213、および受信側I/F部301に5レーンを活性化させる情報を少なくとも含む。つまり、残りの1レーンは非活性化状態にする。
【0116】
次に、ステップS1014において、設定された露光時間が経過したか否かを判定し、経過するまで繰り返す。
【0117】
ステップS1015にて、制御部121は、撮像素子106において静止画モードでの動作を開始する制御を行い、静止画用の画像データを読み出す。
【0118】
ステップS1016で、静止画画像については、符号化部211の符号量計測部404で、符号化前のデータ量と、圧縮率「14/14」で圧縮符号化された符号化後のデータ量とを比較する。圧縮率「14/14」は非圧縮であるため、符号化前のデータ量と符号化後のデータ量は等しくなる。送信側I/F部213で使用するレーン数が5レーンと計測されたとする。この場合、送信側I/F部213、および受信側I/F部301の5レーンを活性化する。
【0119】
ステップS1017で、静止画画像については、符号化部211で符号化されていないデータがラインメモリ212に保持された後、送信側I/F部213の2レーンを用いて画像処理回路122に伝送される。画像処理回路122は、このようにして送信されたデータを受信する。符号化部211で符号化されていないため、復号部303でも復号は行われない。
【0120】
ステップS1018で、静止画モードで必要な全行を読み出しが完了したかを判定し、全行の読み出しを完了して静止画撮影を行う。
【0121】
以上のように、本実施形態では、ライブビューモード、フリッカ検出モード、静止画モードそれぞれで使用するレーン数を事前にパラメータ設定することなく、符号化部211での目標圧縮率のパラメータ設定を行う。そのようにすることで、各動作モードに適したレーン数を活性化して消費電力を削減することができる。
【0122】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0123】
106 撮像素子
206 列出力線
211 符号化部
213 送信側I/F部