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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162917
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/127 20060101AFI20241114BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20241114BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20241114BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241114BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20241114BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20241114BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20241114BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241114BHJP
【FI】
G08G1/127 A
G06Q50/30
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y20/40
G16Y40/20
G16Y40/30
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078906
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 夏軌
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181AA14
5H181AA24
5H181AA25
5H181AA26
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC04
5H181EE03
5H181FF05
5H181FF18
5H181MA22
5H181MA23
5H181MA25
5H181MA32
5H181MA34
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】公共交通機関に対する潜在的な需要を推定することができる情報処理方法および情報処理装置を提供する。
【解決手段】実施形態の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータによって実行される。コンピュータは、公共交通機関の乗り場に存在する人の視線に関する視線情報を取得する。また、情報処理装置は、取得した視線情報に応じて、人が乗り場に設けられた時刻表において現在時刻に近い乗車時刻を注視していると判定した場合、当該乗車時刻の車両に対して乗車の需要があると推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
公共交通機関の乗り場に存在する人の視線に関する視線情報を取得し、
取得した前記視線情報に応じて、前記人が前記乗り場に設けられた時刻表において現在時刻に近い乗車時刻を注視していると判定した場合、当該乗車時刻の車両に対して乗車の需要があると推定する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、
前記人が前記時刻表において前記乗車時刻を注視していると判定した後、前記人が前記乗り場から離れたことが検出された場合、当該乗車時刻の車両に対して乗車の需要があると推定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記コンピュータが、
前記乗り場から離れた人が前記乗車時刻の車両に乗らなかった場合、当該乗車時刻の車両に対して乗車の需要があると推定する、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、
前記人の視線が、前記乗り場に設けられた路線図における特定の路線を向いている場合、当該特定の路線の車両に対して乗車の需要があると推定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、
前記人の視線が、前記乗り場に設けられた路線図における特定の乗り場を向いている場合、当該特定の乗り場に対して乗降車の需要があると推定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記コンピュータが、
推定した需要に関する需要情報を表示装置に表示させる、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記コンピュータが、
推定した需要に関する需要情報に応じて、前記公共交通機関の運行計画を設定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記公共交通機関はバスである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
コントローラを備えた情報処理装置であって、
前記コントローラは、
公共交通機関の乗り場に存在する人の視線に関する視線情報を取得し、
取得した前記視線情報に応じて、前記人が前記乗り場に設けられた時刻表において現在時刻に近い乗車時刻を注視していると判定した場合、当該乗車時刻の車両に対して乗車の需要があると推定する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路線バスなどの公共交通機関の運行計画を、公共交通機関に対する乗客の需要に基づいて設定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-022488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来技術には、公共交通機関に対する潜在的な需要を推定することができないという問題があった。これは、公共交通機関に対する需要が実際に車両に乗車した人数に基づいて推定されるからである。このため、従来技術では、車両への乗車を所望していたにもかかわらず、実際には乗車しなかったユーザを、潜在的な需要として推定することはできなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、公共交通機関に対する潜在的な需要を推定することができる情報処理方法および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理方法は、コンピュータによって実行される。コンピュータは、公共交通機関の乗り場に存在する人の視線に関する視線情報を取得する。また、情報処理装置は、取得した前記視線情報に応じて、前記人が前記乗り場に設けられた時刻表において現在時刻に近い乗車時刻を注視していると判定した場合、当該乗車時刻の車両に対して乗車の需要があると推定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、公共交通機関に対する潜在的な需要を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
図2図2は、バス停端末装置を備えた情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、バス停端末装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、需要情報の一例を示す図である。
図5図5は、バス停の路線図に対するユーザの視線を説明するための図である。
図6図6は、バスへの乗車を断念した人を説明するための図である。
図7図7は、需要情報をグラフ化する処理を説明する図である。
図8図8は、第1実施形態に係るバス停端末装置のコントローラが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第2実施形態に係る管理サーバの構成例を示すブロック図である。
図10図10は、第2実施形態に係る管理サーバを含む情報処理システムが実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報処理方法および情報処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1実施形態)
<情報処理装置による情報処理方法の概要>
以下では先ず、第1実施形態に係る情報処理装置による情報処理方法の概要について図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
【0011】
第1実施形態に係る情報処理方法は、例えば公共交通機関に対する潜在的な需要(ニーズ)の推定など各種処理を行うことができる。なお、以下では公共交通機関の一例としてバスを挙げて説明するが、公共交通機関の種類はこれに限定されるものではない。すなわち、公共交通機関は、例えばタクシー、鉄道、航空機、船舶などその他の交通機関であってもよい。詳しくは、公共交通機関は、バス、タクシー、鉄道、航空機、船舶など、不特定多数の人々が、運賃を払えば自由に利用することができる交通機関である。また、公共交通機関は、自治体が地域住民に提供したり、宿泊施設やレジャー施設等の施設が利用者に提供したりする、無料のバス等の交通機関も含む。特に、公共交通機関は、特定の乗り場(バス停、駅、空港等)が設けられ、運行スケジュール(時刻表)に基づいて運行される公共交通機関である。
【0012】
図1に示すように、バスの乗り場としてバス停100があり、バス停100付近に人Aが存在するものとする。人Aは、バスの利用を所望するユーザであるが、必ずしもバスの利用を所望していなくてもよい。以下では、人Aを「ユーザA」と記載する場合がある。
【0013】
ところで、ユーザAは、バスに乗ることを所望する際、バス停100に行って、バス停100に設けられた時刻表110を見て、自身が所望するバスの乗車時刻(到着時刻)を確認することがある。このとき、バスの乗車時刻が現在の時刻から離れていて待ち時間が長い場合、ユーザAによっては、バスへの乗車を断念して(あきらめて)他の交通手段等で移動するという対応をとることがある。すなわち、このユーザAは、バスへの乗車を所望していたにもかかわらず、乗車時刻が合わない等の理由で、実際には乗車しなかったユーザである。従来技術では、このようなユーザAを、公共交通機関(ここではバス)に対する潜在的な需要として推定することはできなかった。
【0014】
そこで、本実施形態に係る情報処理方法では、上記のユーザAを、公共交通機関に対する潜在的な需要として推定することができるように構成した。具体的に説明すると、バス停100には、バス停端末装置10が設けられる。バス停端末装置10は、情報処理装置の一例である。
【0015】
なお、バス停100は、電子式のバス停である。すなわち、バス停100に設けられたバス停端末装置10は、電子的な手段によりユーザに情報を提供する。例えば、バス停100は、バスの時刻表、路線図、現在の時刻、バスの運行状況(例えばバスの現在位置)などを含む各種情報を、バス停100でバスの到着を待っている人(ユーザA)に対して提供することができる。例えばバス停端末装置10は、各種情報の一部または全部を、バス端末装置200、管理サーバ400およびバス事業者端末装置500(図2参照。後述)などから受信して提供する。
【0016】
バス停端末装置10は、センサ11を備える。センサ11は、バス停100でバスの到着を待っている人(ユーザA)を撮像するカメラである。バス停端末装置10は、センサ11によって撮像された撮像画像を解析し、ユーザAの視線Bを検出する。具体的には、バス停端末装置10は、撮像画像を解析し、ユーザAの視線Bに関する視線情報を取得する(ステップS1)。
【0017】
次いで、バス停端末装置10は、取得した視線情報に応じて、ユーザAの目の位置から延ばしたユーザAの視線Bが向いている方向に基づいたラインと、時刻表110の表示面とが交差する位置を判定する、言い換えると、ユーザAが時刻表110において注視している位置を判定する(ステップS2)。
【0018】
具体的には、バス停端末装置10は、時刻表の記載情報と各情報の記載位置とを予め記憶部30(図3参照)に記憶しておき、ユーザAの視線が向いている位置と記憶している記載位置から、ユーザAがどの情報を注視しているかを判断する。なお、バス停端末装置10は、時刻表の記載情報等を予め記憶しておくのではなく、時刻表を撮影するカメラを設けて、カメラの撮影画像から、時刻表の記載情報と記載位置とを取得するようにしてもよい。また、時刻表が表示装置で構成される場合には、バス停端末装置10は、表示制御している内容から時刻表の記載情報と記載位置とを取得するようにしてもよい。
【0019】
ステップS2において、具体的には、バス停端末装置10は、ユーザAが時刻表110において現在時刻に近い乗車時刻を注視しているか否かを判定する。すなわち、ステップS2は、ユーザAが、現在時刻に近い乗車時刻のバス(言い換えると、次に到着するバス)に対して乗車を所望しているか否を判定する処理である。
【0020】
図1の例では、現在時刻が9時6分である。従って、バス停端末装置10は、一点鎖線Cで囲んで示すように、次に到着するバスの時刻を示す「9時25分」の乗車時刻をユーザAが注視していると判定した場合、かかる乗車時刻のバスへの乗車を所望していると判定する。
【0021】
他方、バス停端末装置10は、二点鎖線Dで囲んで示すように、現在時刻から離れた乗車時刻(例えば14時台など)をユーザAが注視していると判定した場合、バスへの乗車を所望していないと判定する。すなわち、バス停端末装置10は、ユーザAがバスの時刻情報を収集するためなどの理由でバス停100に来たと推定し、現在はバスへの乗車を所望していないと判定する。
【0022】
次いで、バス停端末装置10は、ユーザAが現在時刻に近い乗車時刻を注視していると判定した場合、当該乗車時刻のバスに対して乗車の需要があると推定する(ステップS3)。詳しくは、バス停端末装置10は、乗車時刻を注視していると判定した後、ユーザAがバス停100から離れたことが検出された場合、当該乗車時刻のバスに対して乗車の需要があると推定する。
【0023】
例えば、バス停端末装置10は、センサ11によってユーザAが撮像されなくなって、バス停100から離れたことが検出された場合、待ち時間が長く乗車時刻が合わない等の理由で、バスへの乗車を断念したと推定する。そして、バス停端末装置10は、この乗車時刻のバスに対し、ユーザAによる乗車の需要があると推定する。
【0024】
これにより、本実施形態に係るバス停端末装置10は、バス(車両)への乗車を所望していたにもかかわらず、実際には乗車しなかったユーザを、潜在的な需要として推定することができる。
【0025】
また、上記のように推定されたバスに対する潜在的な需要は、後述するように、バスの運行計画を設定する際の情報として利用することが可能となる。
【0026】
<情報処理システムの構成>
次に、第1実施形態に係るバス停端末装置10を備えた情報処理システムの構成について、図2を用いて説明する。図2は、バス停端末装置10を備えた情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、情報処理システム1は、上記したバス停端末装置10と、バス端末装置200と、ユーザ端末装置300と、管理サーバ400と、バス事業者端末装置500とを含む。また、バス停端末装置10、バス端末装置200、ユーザ端末装置300、管理サーバ400およびバス事業者端末装置500は、インターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0028】
上記したバスは、複数のバス停100に停車し、バス端末装置200は、複数のバス停100にそれぞれ設けられる。なお、バス停端末装置10の詳細な構成については図3を参照して後述する。
【0029】
バス端末装置200は、バスに搭載される端末装置である。バス端末装置200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。また、バス端末装置200は、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいてバスの位置情報(以下、「バス位置情報」と記載する場合がある)を取得する。バス端末装置200は、取得したバス位置情報をバス停端末装置10、管理サーバ400などへ出力する。
【0030】
また、バス端末装置200は、バス停100でバスに乗車する人数、降車する人数および現在の乗客数を計測するカウンタ210を備える。例えば、バス端末装置200は、バスがバス停100に到着すると、乗降口に設けられたカメラ(図示せず)によってバスに乗降する人を撮像する。バス端末装置200は、撮像された画像を解析して、乗車する人が1人検出された場合、このバス停100で1人乗車したこと、乗客数が1人増加したことをカウンタ210に登録する。また、バス端末装置200は、撮像された画像を解析して、降車する人が1人検出された場合、このバス停100で1人降車したこと、乗客数が1人減少したことをカウンタ210に登録する。バス端末装置200は、カウンタ210の情報をバス停端末装置10、管理サーバ400などへ出力する。
【0031】
ユーザ端末装置300は、バス停100に存在するユーザが所持して使用する端末装置である。なお、ユーザ端末装置300としては、例えばスマートフォンやタブレット端末、PC(Personal Computer)などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0032】
バス停端末装置10は、ユーザ端末装置300から出力される信号に基づいて、ユーザ端末装置300を所持するユーザの位置を検出することができる。具体的には、ユーザ端末装置300は、例えばWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信用の信号(通信用信号)を数m~数十mの範囲で出力する。かかる通信用信号は、ユーザ端末装置300ごとに異なる識別情報を含む。従って、例えばバス停端末装置10は、視線情報を取得してバス停100付近にいるユーザを検出すると、かかるユーザが所持しているユーザ端末装置300から出力される通信用信号を受信する。このとき、バス停端末装置10は、視線情報を取得したユーザと、受信した通信用信号とを紐付けする。その後、バス停端末装置10は、通信用信号が受信できなくなった場合、ユーザ端末装置300を所持するユーザが、バスへの乗車を断念したあるいはバスに乗車したなどの理由で、バス停100から離れたことを検出することができる。
【0033】
管理サーバ400は、バス停端末装置10、バス端末装置200などから送信される各種情報を管理するサーバ装置である。各種情報には、バス停端末装置10で推定された需要情報、バス端末装置200から送信されるバス位置情報、カウンタ210の情報などが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、管理サーバ400は、各種情報などをバス事業者端末装置500へ提供することができる。
【0034】
バス事業者端末装置500は、バスを運行するバス事業者が使用する端末装置である。バス事業者端末装置500としては、例えばPC、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。かかるバス事業者端末装置500には、管理サーバ400から需要情報を含む各種情報などが送信されて表示される。これにより、バス事業者は、バスの運行の管理、運営などを行う。なお、図2では、管理サーバ400とバス事業者端末装置500とが別々である例を示したが、これに限られず、管理サーバ400の機能とバス事業者端末装置500の機能とを有する情報処理装置であってもよい。
【0035】
<バス停端末装置の構成>
次いで、バス停端末装置10の構成について図3を参照して説明する。図3は、バス停端末装置10の構成例を示すブロック図である。なお、図3を含む各ブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0036】
換言すれば、図3等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0037】
図3に示すように、バス停端末装置10は、センサ11と、通信部12と、コントローラ(制御部)20と、記憶部30とを備える。
【0038】
センサ11は、上記したように、バス停100でバスの到着を待っているユーザを撮像するカメラであり、視線情報の取得に用いられる。センサ11としては、例えばレンズと、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えるカメラを用いることができるが、これに限定されるものではない。センサ11は、撮像した撮像画像をコントローラ20へ出力する。
【0039】
通信部12は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、バス端末装置200、ユーザ端末装置300、管理サーバ400およびバス事業者端末装置500等との間で情報の送受信を行う。また、通信部12は、ユーザ端末装置300との間で通信用信号の送受信を行う。
【0040】
コントローラ20は、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。なお、コントローラ20は、その一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0041】
記憶部30は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30には、需要情報31および各種プログラムなどが記憶される。
【0042】
需要情報31は、バスに対する乗車の需要を示す情報である。ここで、図4を用いて需要情報31について説明する。図4は、需要情報31の一例を示す図である。図4に示すように、需要情報31には、「需要情報ID」、「ユーザID」、「注視乗車時刻」、「注視路線」、「注視バス停」、「到着時刻」、「退出時刻」および「滞在時間」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0043】
「需要情報ID」は、需要情報を識別する識別情報である。「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「注視乗車時刻」は、バス停100の時刻表を見ているユーザが注視している乗車時刻を示す情報である。なお、図4に示す例では、便宜上、「注視乗車時刻」を「h1」といったように抽象的な記載とするが、「h1」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0044】
「注視路線」は、バス停100に設けられた路線図(後述)を見ているユーザが注視している路線を示す情報である。「注視バス停」は、バス停100の路線図を見ているユーザが注視しているバス停(乗り場)を示す情報である。
【0045】
「到着時刻」は、ユーザがバス停100に到着した時刻を示す情報である。言い換えると、「到着時刻」は、ユーザがセンサ11によって検知されて視線が検出されるなどして、ユーザがバス停100に存在することが検出された時刻を示す情報である。
【0046】
「退出時刻」は、ユーザがバス停100から離れた時刻を示す情報である。言い換えると、「退出時刻」は、ユーザがセンサ11によって検知されなくなった、あるいは、ユーザ端末装置300からの通信用信号が受信できなくなって、ユーザがバス停100から離れたことが検出された時刻を示す情報である。
【0047】
「滞在時間」は、ユーザがバス停100に滞在した時間を示す情報である。具体的には、「滞在時間」は、ユーザがバス停100に到着した時刻(到着時刻)から、ユーザがバス停100から離れた時刻(退出時刻)までの時間を示す情報である。
【0048】
図4の例では、需要情報ID「f1」の需要情報は、ユーザID「g1」のユーザに関する情報であり、注視乗車時刻が「h1」、注視路線が「i1」、注視バス停が「j1」、到着時刻が「k1」、退出時刻が「m1」、滞在時間が「n1」であることを示している。また、需要情報ID「f2」の需要情報は、ユーザID「g2」のユーザに関する情報であり、注視乗車時刻が「h2」、到着時刻が「k2」、退出時刻が「m2」、滞在時間が「n2」であることを示している。なお、需要情報ID「f2」の需要情報に「注視路線」および「注視バス停」の情報が含まれていないが、これは、ユーザID「g2」のユーザがバス停100の路線図を見ていないことを示している。
【0049】
図3の説明に戻ると、コントローラ20は、センサ11から出力された撮像画像を取得する。撮像画像には、バス停100に存在するユーザが撮像されている。コントローラ20は、撮像画像に対する画像解析処理を行ってユーザの視線を検出する、言い換えると、視線情報を取得する。例えば、コントローラ20は、ユーザの撮像画像におけるユーザの頭部の向きや目の位置を、予め記憶部30に記憶された基準画像と比較し、ユーザの視線が何処に向いているかを検出してもよい。コントローラ20は、視線が検出されると、ユーザがバス停100に存在する(到着した)として、視線が検出された時刻を到着時刻として記憶部30の需要情報31に登録する。
【0050】
なお、センサ11が例えば赤外線カメラおよび赤外線LEDを備えるように構成し、コントローラ20は、赤外線カメラで撮像した画像に基づいてユーザの視線を検出してもよい。具体的には、コントローラ20は、赤外線LEDで照らしたユーザの顔を赤外線カメラで撮像することによって得られる赤外画像中の瞳孔と、眼球上に生じる赤外照明反射像との位置関係に基づき、ユーザの視線を検出してもよい。
【0051】
コントローラ20は、検出されたユーザの視線がバス停100に設けられた時刻表110、路線図120図5参照)などを向いているか否かを判定する。コントローラ20は、ユーザの視線がバス停100の時刻表110に向いていると判定した場合、視線が時刻表110において現在時刻に近い乗車時刻を向いているか否かを判定する。言い換えると、コントローラ20は、視線情報に応じて、ユーザが時刻表110において現在時刻に近い乗車時刻を注視しているか否かを判定する。
【0052】
コントローラ20は、ユーザが現在時刻に近い乗車時刻、すなわち、次に到着するバスの時刻を注視していると判定した場合、ユーザはかかる乗車時刻のバスへの乗車を所望していると判定する。すなわち、コントローラ20は、かかる乗車時刻のバスに対して乗車の需要があると推定する。また、コントローラ20は、注視している乗車時刻を注視乗車時刻として記憶部30の需要情報31に登録する。
【0053】
次に、ユーザの視線がバス停100の路線図120に向いている場合について、図5を参照して説明する。図5は、バス停100の路線図120に対するユーザの視線を説明するための図である。
【0054】
図5に示すように、コントローラ20は、ユーザの視線がバス停100の路線図120に向いていると判定した場合、視線が向いている路線図120の路線あるいはバス停100を判定する。言い換えると、コントローラ20は、視線情報に応じて、ユーザが路線図120において特定の路線あるいは特定のバス停100を注視しているか否かを判定する。
【0055】
コントローラ20は、一点鎖線Pで囲んで示すように、ユーザの視線が特定の路線121を向いている場合、ユーザはかかる路線121のバスへの乗車を所望していると判定する。すなわち、コントローラ20は、かかる路線121のバスに対して乗車の需要があると推定する。また、コントローラ20は、注視している路線121を注視路線として記憶部30の需要情報31に登録する。
【0056】
これにより、コントローラ20は、バス停100の路線図に対するユーザの視線を示す視線情報から、路線図における特定の路線121のバスに対して乗車の需要があることを推定することができる。
【0057】
コントローラ20は、一点鎖線Qで囲んで示すように、ユーザの視線が特定のバス停Dを向いている場合、ユーザはかかるバス停Dでの乗降車(詳しくは降車)を所望していると判定する。すなわち、コントローラ20は、かかるバス停Dに対して乗降車の需要があると推定する。また、コントローラ20は、注視しているバス停Dを注視バス停として記憶部30の需要情報31に登録する。
【0058】
これにより、コントローラ20は、バス停100の路線図に対するユーザの視線を示す視線情報から、路線図における特定のバス停100に対して乗降車の需要があることを推定することができる。
【0059】
また、コントローラ20は、ユーザがバス停100から離れたか否かを判定する。詳しくは、コントローラ20は、所望するバスへの乗車を断念したあるいはバスに乗車したなどの理由で、バス停100から離れたか否かを判定する。例えば、コントローラ20は、ユーザがセンサ11によって検知されなくなった場合、あるいは、ユーザが所持しているユーザ端末装置300から通信用信号が受信できなくなった場合、バス停100から離れたと判定する。また、コントローラ20は、ユーザがバス停100から離れたことが検出された時刻を退出時刻として記憶部30の需要情報31に登録する。また、コントローラ20は、需要情報31の到着時刻から退出時刻までの時間を滞在時間として記憶部30に登録する。
【0060】
次いで、コントローラ20は、バス停100から離れたユーザのうち、所望するバスへの乗車を断念したユーザの人数を推定する。言い換えると、コントローラ20は、バスへの乗車を所望していたにもかかわらず、実際には乗車しなかったユーザの人数を、潜在的な需要として推定する。すなわち、コントローラ20は、バス停100から離れた人が乗車時刻のバスに乗らなかった場合、当該乗車時刻のバスに対して乗車の需要(潜在的な需要)があると推定する。
【0061】
具体的には、コントローラ20は、バス停100から離れた人数から、バスに乗車した人数を減算することで、所望するバスへの乗車を断念した人数を算出する。例えば、コントローラ20は、バス端末装置200からカウンタ210の情報を取得し、コントローラ20を含むバス停端末装置10を有するバス停100で、バスに乗車した人数を検出する。そして、コントローラ20は、バス停100から離れた人数から、検出した乗車人数を減算して、バスへの乗車を断念した人数を算出する。
【0062】
ここで、理解の便宜のため、バスへの乗車を断念した人について、図6を参照して説明する。図6は、バスへの乗車を断念した人を説明するための図である。なお、図6は、バス停100に到着した人などと、バスへの乗車を断念した人との関係を示す図である。
【0063】
図6に示すように、バス停100に到着した人R1は、時刻表110を見た人R2もいれば、見ない人もいる。時刻表110を見ない人は、バス停100に到着した人R1のうち、時刻表110を見た人R2以外の人である。時刻表110を見た人R2は、現在時刻に近い乗車時刻を見た人R3もいれば、見ない人もいる。現在時刻に近い乗車時刻を見ない人は、時刻表110を見た人R2のうち、現在時刻に近い乗車時刻を見た人R3以外の人である。
【0064】
現在時刻に近い乗車時刻を見た人R3は、当該乗車時刻のバスへの乗車を所望する人であり、いずれはバス停100から離れる。この現在時刻に近い乗車時刻を見た人R3でバス停100から離れた人のうち、バスに乗車した人R4以外の人(すなわち、バスに乗らなかった人。図6で斜線部分)が、所望するバスへの乗車を断念した人R5となる。
【0065】
このように、コントローラ20は、バス停100から離れ、乗車時刻のバスに乗らなかった人R5を、バスへの乗車を断念した人とすることで、乗車時刻のバスに対する乗車の需要(潜在的な需要)を精度良く推定することができる。
【0066】
図3の説明に戻ると、コントローラ20は、バスに対する需要に関する需要情報(例えばバスへの乗車を断念した人数)をグラフ化する処理などを行う。かかる処理について、図7を参照しつつ説明する。図7は、需要情報をグラフ化する処理を説明する図である。
【0067】
図7に示すように、コントローラ20は、バスの到着予定時刻に対する、バスへの乗車を断念した人数を示すグラフを生成する処理を実行する。図7の例では、バスへの乗車を断念した人数は、バスの到着予定時刻から20分前が比較的多く、10分前以降は比較的少ないことを示している。これは、10分程度であれば、人(ユーザ)はバスへの乗車を断念せずに到着を待つことを示している。すなわち、このバス停100では、バスの到着間隔が10分程度であれば、乗車を断念する人を減少させることができることを意味している。
【0068】
また、図7では、バスが到着予定時刻から遅延した例を示している。図7の例では、バスへの乗車を断念した人数は、バスの到着予定時刻から10分後が比較的多くなることを示している。これは、バスの遅延に対し、人(ユーザ)は到着予定時刻から10分程度までは乗車を断念せずに到着を待つことを示している。すなわち、このバス停100では、バスの遅延を10分以内に抑えれば、乗車を断念する人を減少させることができることを意味している。
【0069】
コントローラ20は、このようなバスに対する需要に関する需要情報のグラフなどを管理サーバ400の表示装置やバス事業者端末装置500の表示装置に表示させる。これにより、コントローラ20は、バス事業者や管理サーバ400の管理者に対し、バスに対する潜在的な需要を視覚的に容易に把握させることができる。
【0070】
<第1実施形態に係るバス停端末装置の制御処理>
次に、図8を参照して、第1実施形態に係るバス停端末装置10のコントローラ20が実行する処理について説明する。図8は、第1実施形態に係るバス停端末装置10のコントローラ20が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
コントローラ20は、ユーザの視線情報を取得する(ステップS10)。具体的には、コントローラ20は、センサ11によって撮像された撮像画像を解析し、バス停100に存在するユーザの視線を検出する。より具体的には、コントローラ20は、ユーザの視線に関する視線情報を取得する。
【0072】
次いで、コントローラ20は、取得した視線情報を解析する(ステップS11)。具体的には、コントローラ20は、視線情報に応じて、ユーザの視線が時刻表110において現在時刻に近い乗車時刻を向いているか否かを判定する。より具体的には、コントローラ20は、視線情報に応じて、現在時刻に近い乗車時刻のバスに対して乗車を所望しているか否を判定する。
【0073】
次いで、コントローラ20は、ユーザが現在時刻に近い乗車時刻を注視している場合、当該乗車時刻のバスに対して乗車の需要があると推定する(ステップS12)。具体的には、コントローラ20は、乗車時刻を注視していると判定した後、ユーザがバス停100から離れたことが検出された場合、当該乗車時刻のバスに対して乗車の需要があると推定する。より具体的には、コントローラ20は、バス停100から離れた人が乗車時刻の車両に乗らなかった場合、当該乗車時刻のバスに対して乗車の需要があると推定する。
【0074】
次いで、コントローラ20は、推定した需要に関する需要情報を管理サーバ400の表示装置やバス事業者端末装置500の表示装置に表示させる表示処理を実行する(ステップS13)。
【0075】
上述してきたように、第1実施形態に係る情報処理方法において、バス停端末装置10(情報処理装置の一例)は、公共交通機関(例えばバス)の乗り場に存在する人の視線に関する視線情報を取得する。また、バス停端末装置10は、取得した視線情報に応じて、人が乗り場に設けられた時刻表において現在時刻に近い乗車時刻を注視していると判定した場合、当該乗車時刻の車両に対して乗車の需要があると推定する。これにより、公共交通機関に対する潜在的な需要を推定することができる。
【0076】
また、第1実施形態において、公共交通機関はバスである。これにより、バスへの乗車を所望していたにもかかわらず、実際には乗車しなかったユーザを、潜在的な需要として推定することができる。
【0077】
なお、上記の実施形態では、バス停端末装置10は、1回のケースでのユーザの視線に基づく判定で、バスに対する乗車の需要の有無を判定したが、これに限られず、その需要の有無を判定したケースの回数に応じて、統計的に需要の有無を判定するようにしてもよい。例えば、バス停端末装置10は、予め定められた所定期間において、需要があると判定された回数が閾値より多い場合に、需要があるという判定を確定するようにしてもよい。また、バス停端末装置10は、需要がある/ないと判定された回数を統計的に処理する際に、重み付け(後述)を行ってもよい。
【0078】
また、上記した所定期間は、時間帯ごと、曜日ごと、月ごと、季節ごとなどに設定され、バス停端末装置10は、時間別で統計的にバスに対する乗車の需要を判定してもよい。また、バス停端末装置10は、バスに対する乗車の需要を、例えばバスの路線別、行先別で統計的に判定してもよい。
【0079】
なお、上記の実施形態において、バス停100の時刻表は、金属、樹脂、紙等の板状部材に、時刻等の文字が印字されたものであってもよいし、ディスプレイ等の表示装置に時刻等の各種情報を表示するものであってもよい。
【0080】
また、時刻表が表示装置である場合、バス停端末装置10は、当日、現時点の最新の運行スケジュール(時刻表)を表示装置に表示するようにしてもよい。例えば、曜日や元旦等の特定日によって運行スケジュールが異なる場合には、バス停端末装置10は、当日の時刻表(のみ)を表示装置に表示する。また、混雑状況等に応じて運行スケジュールをリアルタイムに変更する仕組みを取り入れている場合には、バス停端末装置10は、最新の運行スケジュールに応じた時刻表を表示装置に表示する。この場合、バス停端末装置10は、最新の時刻表のみを表示する表示処理を行ってもよいし、元の時刻表の関連時刻に併記する形で、変更後の時刻を表示する表示処理を行ってもよい。
【0081】
また、バス停端末装置10は、時刻表をカメラで撮影する等して、撮影画像における時刻表(すなわち表示された時刻表)と、当日の運行スケジュール(時刻表)とが異なっていないか(古い情報あるいは誤った情報が表示されていないか)を判断する判断処理を行ってもよい。
【0082】
バス停端末装置10は、上記の表示処理、判断処理の情報も考慮して、ユーザの視線に応じた需要を判断するようにしてもよい。具体的には、バス停端末装置10は、バス停100における時刻表の表示が特殊なケースであると判断した場合、需要判断を無効にしたり、需要判断の重み付けを増減したりする。例えば、バス停端末装置10は、上記の表示処理で通常の運行スケジュールと当日の運行スケジュールとが異なっている場合には需要判断を無効にする、または、通常と当日との運行スケジュールの時間差の大きさに応じて、無効や重み付け調整する。例えば、バス停端末装置10は、時間差が大きいほど、需要判断を無効にする、あるいは需要判断の重み付けを小さくする。また、バス停端末装置10は、上記の判断処理において本来の運行スケジュールと表示された運行スケジュールとが異なっていると判断した場合には、需要判断を無効にする、または、本来と表示の運行スケジュールの時間差の大きさに応じて、無効や重み付け調整する。例えば、バス停端末装置10は、時間差が大きいほど、需要判断を無効にする、あるいは需要判断の重み付けを小さくする。
【0083】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る情報処理装置による情報処理方法について説明する。第2実施形態にあっては、バスに対する需要を推定する処理などが管理サーバ400によって実行されるようにした。なお、管理サーバ400は、情報処理装置の一例である。
【0084】
図9は、第2実施形態に係る管理サーバ400の構成例を示すブロック図である。なお、以下においては、第1実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0085】
図9に示すように、管理サーバ400は、通信部401と、表示装置402と、コントローラ(制御部)410と、記憶部420とを備える。
【0086】
通信部401は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、バス停端末装置10、バス端末装置200、ユーザ端末装置300およびバス事業者端末装置500等との間で情報の送受信を行う。表示装置402は、各種情報を表示するディスプレイである。
【0087】
コントローラ410は、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。なお、コントローラ410は、その一部または全部がASICやFPGA等のハードウェアで構成されてもよい。
【0088】
記憶部420は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部420には、需要情報421および各種プログラムなどが記憶される。需要情報421は、図4に示す需要情報31と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0089】
コントローラ410は、バス停端末装置10から視線情報を取得する。そして、コントローラ410は、第1実施形態に係るバス停端末装置10のコントローラ20と同様の処理を実行する。
【0090】
すなわち、例えばコントローラ410は、視線情報に応じて、ユーザが時刻表110において現在時刻に近い乗車時刻を注視しているか否かを判定する。コントローラ410は、現在時刻に近い乗車時刻、すなわち、次に到着するバスの時刻を注視していると判定した場合、ユーザはかかる乗車時刻のバスへの乗車を所望していると判定する。すなわち、コントローラ410は、かかる乗車時刻のバスに対して乗車の需要があると推定する。
【0091】
また、コントローラ410は、ユーザがバス停100から離れたか否かを判定する。コントローラ410は、ユーザがバス停端末装置10において検知されなくなった場合、あるいは、ユーザが所持しているユーザ端末装置300からバス停端末装置10において通信用信号が受信できなくなった場合、バス停100から離れたと判定する。
【0092】
次いで、コントローラ410は、バス停100から離れたユーザのうち、所望するバスへの乗車を断念したユーザの人数を推定する。具体的には、コントローラ410は、例えばバス端末装置200からカウンタ210の情報を取得し、バス停100でバスに乗車した人数を検出する。そして、コントローラ410は、バス停100から離れた人数から、検出した乗車人数を減算して、バスへの乗車を断念した人数を算出する。
【0093】
また、コントローラ410は、バスに対する需要に関する需要情報(例えばバスへの乗車を断念した人数)をグラフ化する処理などを行う。そして、コントローラ410は、バスに対する需要に関する需要情報のグラフなどを管理サーバ400の表示装置402等に表示させる。これにより、コントローラ410は、管理サーバ400の管理者に対し、バスに対する潜在的な需要を視覚的に容易に把握させることができる。
【0094】
<第2実施形態に係る管理サーバを含む情報処理システムの制御処理>
次に、第2実施形態に係る管理サーバ400を含む情報処理システム1が実行する処理手順について、図10を用いて説明する。図10は、第2実施形態に係る管理サーバ400を含む情報処理システム1が実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
【0095】
図10に示すように、バス停端末装置10は、ユーザの視線情報を取得する(ステップS100)。バス停端末装置10は、取得した視線情報を管理サーバ400へ出力する(ステップS101)。
【0096】
管理サーバ400のコントローラ410は、取得した視線情報を解析する(ステップS102)。具体的には、コントローラ410は、視線情報に応じて、ユーザの視線が時刻表110において現在時刻に近い乗車時刻を向いているか否かを判定する。より具体的には、コントローラ410は、視線情報に応じて、現在時刻に近い乗車時刻のバスに対して乗車を所望しているか否を判定する。
【0097】
次いで、コントローラ410は、ユーザが現在時刻に近い乗車時刻を注視している場合、当該乗車時刻のバスに対して乗車の需要があると推定する(ステップS103)。具体的には、コントローラ410は、乗車時刻を注視していると判定した後、ユーザがバス停100から離れたことが検出された場合、当該乗車時刻のバスに対して乗車の需要があると推定する。
【0098】
次いで、コントローラ410は、推定した需要に関する需要情報を表示装置402に表示させる表示処理を実行する(ステップS104)。
【0099】
次いで、コントローラ410は、推定した需要に関する需要情報に応じて、バスの運行計画を設定する(ステップS105)。例えば、コントローラ410は、需要情報から得られたバスへの乗車を断念した人数を示すグラフ(図7参照)などに基づいて、シミュレーションを行い、乗車を断念する人数が減少するようなバスの運行計画を設定する。
【0100】
これにより、コントローラ410は、バスへの乗車を所望していたにもかかわらず、実際には乗車しなかったユーザなど、潜在的な需要を反映させたバスの運行計画を設定することが可能になる。
【0101】
なお、上記では、管理サーバ400においてバスの運行計画を設定される例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、バス事業者端末装置500においてバスの運行計画を設定されてもよい。
【0102】
具体的には、図10に想像線で示すように、管理サーバ400は、推定した需要に関する需要情報をバス事業者端末装置500へ出力する(ステップS106)。そして、バス事業者端末装置500は、取得した需要情報に応じて、バスの運行計画を設定する(ステップS107)。例えば、バス事業者端末装置500は、需要情報から得られたバスへの乗車を断念した人数を示すグラフ(図7参照)などに基づいて、シミュレーションを行い、乗車を断念する人数が減少するようなバスの運行計画を設定する。
【0103】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 情報処理システム
10 バス停端末装置
20 コントローラ
200 バス端末装置
300 ユーザ端末装置
400 管理サーバ
500 バス事業者端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10