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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162918
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/127 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
G08G1/127 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078907
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 夏軌
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181AA14
5H181AA24
5H181AA25
5H181AA26
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC04
5H181FF05
5H181FF32
5H181MA22
5H181MA32
5H181MA34
(57)【要約】
【課題】公共交通機関の乗り場で待っている人に対し、車両に乗車できる可能性を報知することができる情報処理方法および情報処理装置を提供する。
【解決手段】実施形態の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータによって実行される。コンピュータは、公共交通機関の車両の乗り場で当該車両の到着を待っている人に対して、前記車両の乗車状況を示す乗車状況情報に応じた、前記乗り場での前記乗車可能人数と乗車不可能人数の少なくともいずれかを含む人数情報を報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
公共交通機関の車両の乗り場で当該車両の到着を待っている人に対して、前記車両の乗車状況を示す乗車状況情報に応じた、前記乗り場での乗車可能人数と乗車不可能人数の少なくともいずれかの人数情報を報知する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、
前記人数情報に加えて、当該人数情報で報知する人数の確率情報を報知する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記コンピュータが、
前記報知を行う場合に、当該報知を行う乗り場と前記車両の現在位置との間にある乗り場の個数に関する情報を報知する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、
前記乗車状況情報である前記車両に乗車している人数と、当該車両が前記乗り場に到着するまでに予測される予測乗車人数および予測降車人数とに応じて、当該車両が前記乗り場に到着するときの前記人数情報を推定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、
前記乗り場で前記車両の到着を待っている人が過去に前記車両を利用して移動した履歴を示す移動履歴情報に応じて、前記予測乗車人数および前記予測降車人数を予測する、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記コンピュータが、
前記乗り場に存在する人が前記乗り場に設置された路線図および時刻表へ向ける視線に関する視線情報に応じて、当該人が待っている前記車両を推定する、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記公共交通機関はバスである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
コントローラを備えた情報処理装置であって、
前記コントローラは、
公共交通機関の車両の乗り場で当該車両の到着を待っている人に対して、前記車両の乗車状況を示す乗車状況情報に応じた、前記乗り場での乗車可能人数と乗車不可能人数の少なくともいずれかの人数情報を報知する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バスの走行位置および乗客数を含む運行状況を監視し、運行状況を示す情報を、バスの乗り場で待っている人に対して報知する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。従来技術では、バスの乗り場で待っている待ち人数を計測し、待ち人数とバスの乗客数とから、バスへの乗車ができない可能性があると判定した場合、臨時バスの増便を指示するとともに、増便されたことを示す情報を、乗り場で待っている人に対して報知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-168193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術にあっては、バスなどの公共交通機関の乗り場で待っている人への報知内容として十分ではなかった。すなわち、乗り場で待っている人への報知内容としては、自分が乗車できる可能性があるのかを報知した方が、待っている人は乗車できない場合の対応などがとりやすくなると考えられる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、公共交通機関の乗り場で待っている人に対し、車両に乗車できる可能性を報知することができる情報処理方法および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理方法は、コンピュータによって実行される。コンピュータは、公共交通機関の車両の乗り場で当該車両の到着を待っている人に対して、前記車両の乗車状況を示す乗車状況情報に応じた、前記乗り場での乗車可能人数と乗車不可能人数の少なくともいずれかの人数情報を報知する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、公共交通機関の乗り場で待っている人に対し、車両に乗車できる可能性を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
図2図2は、バス停端末装置を備えた情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、バス停端末装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、乗車状況情報の一例を示す図である。
図5図5は、待機者情報の一例を示す図である。
図6図6は、バス停端末装置が実行する処理を説明するための図である。
図7図7は、乗車不可能人数の確率分布の一例を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係るバス停端末装置のコントローラが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第2実施形態に係る管理サーバの構成例を示すブロック図である。
図10図10は、第2実施形態に係る管理サーバを含む情報処理システムが実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報処理方法および情報処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1実施形態)
<情報処理装置による情報処理方法の概要>
以下では先ず、第1実施形態に係る情報処理装置による情報処理方法の概要について図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
【0011】
第1実施形態に係る情報処理方法は、例えば公共交通機関の乗り場で待っている人に対して種々の情報を報知するなどの各種処理を行うことができる。なお、以下では公共交通機関の一例としてバスを挙げて説明するが、公共交通機関の種類はこれに限定されるものではない。すなわち、公共交通機関は、例えばタクシー、鉄道、航空機、船舶などその他の交通機関であってもよい。詳しくは、公共交通機関は、バス、タクシー、鉄道、航空機、船舶など、不特定多数の人々が、運賃を払えば自由に利用することができる交通機関である。また、公共交通機関は、自治体が地域住民に提供したり、宿泊施設やレジャー施設等の施設が利用者に提供したりする、無料のバス等の交通機関も含む。
【0012】
図1に示すように、バスAが走行する路線には、バスAの乗り場として複数のバス停100が設置される。なお、図1では、理解の便宜のため、バス停100aとバス停100bの2つのバス停100を示したが、これに限られず、バス停100は3つ以上であってもよい。また、バスAは、バス停100a、バス停100bの順で停止する。
【0013】
バス停100付近には人Bが存在するものとする。人Bは、バスAの到着を待っている人であり、バスAへの乗車を所望する人である。以下では、人Bを「ユーザB」と記載する場合がある。また、バス停100aで待っているユーザBを「ユーザBa」、バス停100bで待っているユーザBを「ユーザBb」と記載する場合がある。
【0014】
ところで、例えばバス停100に到着したバスAが満席であった場合、当該バス停100で待っているユーザBは乗車することができない。また、バス停100に到着したバスAの空席数がバス停100で待っているユーザBの人数より少ない場合、ユーザBの中に、乗車することができないユーザBがでてくる。乗車できなかったユーザBは、この乗車できなかった時点から、他の交通手段等で移動するなどその後の対応をとることとなり、対応が遅くなってしまう。従って、バス停100で待っているユーザBに対しては、自分が乗車できる可能性があるのかを、バスAが到着する前に報知した方が、待っているユーザBは乗車できない場合の対応などがとりやすくなると考えられる。
【0015】
そこで、本実施形態に係る情報処理方法では、バス停100で待っているユーザBに対し、バスAに乗車できる可能性を報知することができるように構成した。以下では、バス停100bで待っているユーザBbに対する報知を例に挙げて説明する。
【0016】
具体的に説明すると、バス停100には、バス停端末装置10が設けられる。図1に示すバス停端末装置10は、バス停100bに設けられるが、バス停100aにも図示しないバス停端末装置10が設けられる。なお、バス停端末装置10は、情報処理装置の一例である。
【0017】
なお、バス停100は、電子式のバス停である。すなわち、バス停100に設けられたバス停端末装置10は、電子的な手段によりユーザに情報を提供する。例えばバス停100は、バスAに乗車できる可能性の情報以外にも、例えばバスの時刻表、路線図、現在の時刻、バスの運行状況(例えばバスの現在位置)などを含む各種情報を、バス停100で待っている人(ユーザB)に対して提供(報知)することができる。例えばバス停端末装置10は、各種情報の一部または全部を、バス端末装置200、管理サーバ400およびバス事業者端末装置500(図2参照。後述)などから受信して提供する。
【0018】
バス停端末装置10は、バスAの乗車状況を示す乗車状況情報を取得する(ステップS1)。具体的には、バス停端末装置10は、バスAの現在の乗車状況を示す乗車状況情報をバスAのバス端末装置200(図2参照)から取得する。
【0019】
乗車状況情報には、バスAの現在の乗客数、バスAの現在の空席数などを示す情報が含まれる。このバスAの現在の空席数は、言い換えると、バスAに現在乗車できる人数である。なお、上記では、バスAに現在乗車できる人数が空席数である例を示したが、これに限られず、バスAが立って乗車できる場合、バスAの定員からバスAの現在の乗客数を減算した人数を、バスAに現在乗車できる人数としてもよい。
【0020】
次いで、バス停端末装置10は、自身が設けられるバス停100bと、走行しているバスAとの間に存在するバス停100(ここではバス停100a)から、バス停100aで待っているユーザBaに関する待機者情報を取得する(ステップS2)。待機者情報には、バス停100aで待機しているユーザBaの人数(ここでは2人)を示す情報が含まれる。
【0021】
次いで、バス停端末装置10は、自身が設けられるバス停100bで待っているユーザBbに関する待機者情報を取得する(ステップS3)。待機者情報には、バス停100bで待機しているユーザBbの人数(ここでは3人)を示す情報が含まれる。
【0022】
次いで、バス停端末装置10は、乗車状況情報および待機者情報に応じた、バス停100での乗車可能人数の人数情報を生成する(ステップS4)。言い換えると、バス停端末装置10は、バス停100bで待機しているユーザBbがバスAに乗車できる可能性を示す情報である人数情報を生成する。詳しくは、人数情報は、バスAがバス停100bに到着したとき、到着したバスAにユーザBbが乗車できる乗車可能人数(乗車できる可能性)を示す情報である。
【0023】
具体的には、バス停端末装置10は、取得した乗車状況情報に応じて、バスAにおける乗車可能人数を推定する。例えば、バス停端末装置10は、乗車状況情報に含まれるバスAの現在の空席数と、バス停100aの待機者情報に含まれる待機しているユーザBaの人数とに基づき、バスAがバス停100bに到着したときの乗車可能人数を推定する。一例として、バスAの現在の空席数が「4」、待機しているユーザBaの人数が「2」であった場合、バス停端末装置10は、空席数からユーザBaの人数を減算して、乗車可能人数を「2」として推定(算出)する。そして、バス停端末装置10は、推定した乗車可能人数を示す人数情報を生成する。
【0024】
次いで、バス停端末装置10は、バス停100bでバスAの到着を待っているユーザBbに対し、人数情報を報知する(ステップS5)。例えば、バス停端末装置10は、バス停100bで待機しているユーザBbに対し、人数情報をバス停100bに設けられた表示装置12に表示させることで報知する。具体的には、バス停端末装置10は、バスAに乗車できる人数(乗車可能人数)は2人であることを示すメッセージなどを表示装置12に表示させる。
【0025】
なお、上記では、人数情報が乗車可能人数である例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、人数情報は、乗車可能人数から算出される乗車不可能人数であってもよい。具体的には、バス停端末装置10は、推定した乗車可能人数(2人)と、バス停100bで待機しているユーザBbの人数(3人)とを比較し、バスAがバス停100bに到着したときに乗車できない人数(乗車不可能人数)を算出する。ここでは、3人のユーザBbのうち1人のユーザBbが乗車できないこと、すなわち乗車不可能人数は「1」であることが算出される。そして、バス停端末装置10は、バス停100bで待機しているユーザBbに対し、算出した乗車不可能人数を人数情報として表示装置12に表示させることで報知する。具体的には、バス停端末装置10は、バスAに乗車できない人数(乗車不可能人数)は1人であることを示すメッセージなどを表示装置12に表示させる。
【0026】
なお、人数情報は、乗車可能人数および乗車不可能人数の両方を含んでもよい。すなわち、人数情報は、乗車可能人数および乗車不可能人数の少なくともいずれかを含んでいればよい。
【0027】
このように、本実施形態に係るバス停端末装置10は、バス停100bで待っているユーザBbに対し、バスAに乗車できる可能性を示す人数情報を報知することができる。この人数情報により、待っているユーザBbは、自身がバスAに乗車できるか否かをバスAが到着する前に判断することができ、乗車できない場合の対応(他の交通手段等で移動するなど)がとりやすくなる。
【0028】
なお、上記では、乗車可能人数および乗車不可能人数を具体的な数値で報知する例を示したが、かかる数値を推定するための乗車状況情報、待機者情報は、時間の経過に伴って(バスAの移動に伴って)変動する。すなわち、バスAの乗客数、バス停100の待機するユーザBの人数などは、時間の経過に伴って増減する。そのため、人数情報に加えて、当該人数情報で報知する人数の確率情報(例えば乗車可能人数の確率情報、および、乗車不可能人数の確率情報など)がユーザBに報知されてもよく、これについては後述する。
【0029】
また、上記では、人数情報が表示によって報知される例を示したが、これに限定されるものではなく、表示に加えて、あるいは代えて音声などによって人数情報が報知されてもよい。
【0030】
<情報処理システムの構成>
次に、第1実施形態に係るバス停端末装置10を備えた情報処理システムの構成について、図2を用いて説明する。図2は、バス停端末装置10を備えた情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、情報処理システム1は、上記したバス停端末装置10と、バス端末装置200と、ユーザ端末装置300と、管理サーバ400と、バス事業者端末装置500とを含む。また、バス停端末装置10、バス端末装置200、ユーザ端末装置300、管理サーバ400およびバス事業者端末装置500は、インターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0032】
上記したバスは、複数のバス停100に停車し、バス端末装置200は、複数のバス停100にそれぞれ設けられる。なお、バス停端末装置10の詳細な構成については図3を参照して後述する。
【0033】
バス端末装置200は、バスに搭載される端末装置である。バス端末装置200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。また、バス端末装置200は、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいてバスの位置情報(以下、「バス位置情報」と記載する場合がある)を取得する。バス端末装置200は、取得したバス位置情報をバス停端末装置10、管理サーバ400などへ出力する。
【0034】
また、バス端末装置200は、バス停100でバスに乗車する人数、降車する人数および現在の乗客数を計測するカウンタ210を備える。例えば、バス端末装置200は、バスがバス停100に到着すると、乗降口に設けられたカメラ(図示せず)によってバスに乗降する人を撮像する。バス端末装置200は、撮像された画像を解析して、乗車する人が1人検出された場合、このバス停100で1人乗車したこと、乗客数が1人増加したことをカウンタ210に登録する。また、バス端末装置200は、撮像された画像を解析して、降車する人が1人検出された場合、このバス停100で1人降車したこと、乗客数が1人減少したことをカウンタ210に登録する。また、バス端末装置200は、現在の空席数をカウンタ210に登録する。例えば、バス端末装置200は、予め設定されるバスAの座席数から、現在の乗客数を減算して現在の空席数を求め、求めた現在の空席数をカウンタ210に登録する。バス端末装置200は、バスAの現在の空席数などを含むカウンタ210の情報を乗車状況情報として、バス停端末装置10、管理サーバ400などへ出力する。なお、バス端末装置200は、バスAの座席に設置される着座センサ、光センサなどの出力によりバスAの現在の空席数を検出するなど、その他の手法を用いてもよい。
【0035】
ユーザ端末装置300は、バス停100に存在するユーザが所持して使用する端末装置である。なお、ユーザ端末装置300としては、例えばスマートフォンやタブレット端末、PC(Personal Computer)などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0036】
バス停端末装置10は、ユーザ端末装置300から出力される信号に基づいて、ユーザ端末装置300を所持するユーザの位置を検出することができる。具体的には、ユーザ端末装置300は、例えばWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信用の信号(通信用信号)を数m~数十mの範囲で出力する。かかる通信用信号は、ユーザ端末装置300ごとに異なる識別情報を含む。従って、例えばバス停端末装置10は、ユーザ端末装置300を所持するユーザがバス停100で待機している途中に、一時的にバス停100を離れて戻ってきた場合、かかるユーザを同じユーザとして推定することができる。すなわち、バス停端末装置10は、後述するセンサ11等によってバス停100付近にいるユーザを検出すると、かかるユーザが所持しているユーザ端末装置300から出力される通信用信号を受信する。このとき、バス停端末装置10は、検出したユーザの情報と、受信した通信用信号とを紐付けする。その後、バス停端末装置10は、ユーザが一時的にバス停100を離れて通信用信号が受信できなくなった後に、受信できなくなった識別情報と同じ識別情報を含む通信用信号を受信した場合、当該ユーザが戻ってきたと推定する。すなわち、バス停端末装置10は、今回通信用信号を受信したユーザ端末装置300のユーザを、通信用信号を受信できなくなったユーザ端末装置300のユーザと同じユーザであると推定することができる。これにより、バス停端末装置10は、同じユーザを2人のユーザと誤検知してしまうことを抑制することができる。
【0037】
管理サーバ400は、バス停端末装置10、バス端末装置200などから送信される各種情報を管理するサーバ装置である。各種情報には、バス停端末装置10から送信される待機者情報、人数情報、確率情報、バス端末装置200から送信されるバス位置情報、カウンタ210の情報などが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、管理サーバ400は、各種情報などをバス事業者端末装置500へ提供することができる。また、管理サーバ400は、バスの路線図情報などをバス停端末装置10に出力することができる。
【0038】
バス事業者端末装置500は、バスを運行するバス事業者が使用する端末装置である。バス事業者端末装置500としては、例えばPC、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。かかるバス事業者端末装置500には、管理サーバ400から待機者情報、バス位置情報を含む各種情報などが送信されて表示される。これにより、バス事業者は、バスの運行の管理、運営などを行う。なお、図2では、管理サーバ400とバス事業者端末装置500とが別々である例を示したが、これに限られず、管理サーバ400の機能とバス事業者端末装置500の機能とを有する情報処理装置であってもよい。
【0039】
<バス停端末装置の構成>
次いで、バス停端末装置10の構成について図3を参照して説明する。図3は、バス停端末装置10の構成例を示すブロック図である。なお、図3を含む各ブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0040】
換言すれば、図3等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0041】
図3に示すように、バス停端末装置10は、センサ11と、表示装置12と、通信部13と、コントローラ(制御部)20と、記憶部30とを備える。
【0042】
センサ11は、バス停100でバスの到着を待っている人(ユーザ)を撮像するカメラである。センサ11としては、例えばレンズと、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えるカメラを用いることができるが、これに限定されるものではない。センサ11は、撮像した撮像画像をコントローラ20へ出力する。なお、かかる撮像画像は、ユーザの視線に関する視線情報の取得などに用いられる。
【0043】
表示装置12は、人数情報、確率情報など各種情報を表示するディスプレイである。表示装置12は、バス停100において、バスの到着を待っているユーザが視認可能な位置に設置される。
【0044】
通信部13は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、バス端末装置200、ユーザ端末装置300、管理サーバ400およびバス事業者端末装置500等との間で情報の送受信を行う。また、通信部13は、ユーザ端末装置300との間で通信用信号の送受信、移動履歴情報(後述)の送受信を行う。
【0045】
コントローラ20は、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。なお、コントローラ20は、その一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0046】
記憶部30は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30には、乗車状況情報31、待機者情報32、モデル情報33および各種プログラムなどが記憶される。
【0047】
乗車状況情報31は、上記したように、バスの乗車状況を示す情報である。ここで、図4を用いて乗車状況情報31について説明する。図4は、乗車状況情報31の一例を示す図である。図4に示すように、乗車状況情報31には、「バスID」、「路線」、「乗客数」および「空席数」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0048】
「バスID」は、バスを識別する識別情報である。「路線」は、バスが走行するバス路線を示す情報である。なお、図4に示す例では、便宜上、「路線」を「g1」といったように抽象的な記載とするが、「g1」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0049】
「乗客数」は、バスの乗客数を示す情報であり、詳しくは、バスの現在の乗客数を示す情報である。「空席数」は、バスの空席数を示す情報であり、詳しくは、バスの現在の空席数を示す情報である。
【0050】
図4の例では、バスID「f1」で識別されるバスの乗車状況情報は、路線が「g1」、乗客数が「h1」、空席数が「i1」であることを示している。
【0051】
図3の説明に戻ると、待機者情報32は、バス停100で待機しているユーザに関する情報である。待機者情報32には、例えばバス停100で待機しているユーザの移動履歴情報などが含まれる。移動履歴情報は、ユーザが過去にバスを利用して移動した履歴を示す情報(例えば乗車したバス停、バス(路線)、降車したバス停などの情報)である。具体的に説明すると、バス停100で待機しているユーザの中には、定期利用者など定期的にあるいは日常的に特定のバス停100から乗車し、特定のバス停100で降車するユーザがいる。このような定期利用者であるユーザについては、移動履歴情報に応じて、これから乗車を予定しているバス(路線)、乗車後に降車するバス停100を予測することができるが、これについては後述する。
【0052】
また、待機者情報32には、例えばバス停100に存在するユーザが待っていると推定されるバス(路線)の情報などが含まれる。具体的に説明すると、バス停100にいるユーザのうち、上記した定期利用者以外のユーザについては、どのバスへの乗車を所望しているかを推定するようにする。本実施形態では、バス停100に存在するユーザの視線に関する視線情報に応じて、乗車を所望しているバスを推定するが、これについては後述する。
【0053】
ここで、図5を用いて待機者情報32について説明する。図5は、待機者情報32の一例を示す図である。図5に示すように、待機者情報32には、「ユーザID」、「乗車予定バスID」および「降車予定バス停」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0054】
「ユーザID」は、バス停100でバスの到着を待っているユーザ(待機者)を識別する識別情報である。「乗車予定バスID」は、対応するユーザが乗車を予定していると推定されるバスを識別する識別情報である。言い換えると、「乗車予定バスID」は、対応するユーザが乗車を所望していると推定されるバスを識別する識別情報である。
【0055】
「降車予定バス停」は、対応するユーザが降車を予定していると推定されるバス停100を示す情報である。言い換えると、「降車予定バス停」は、対応するユーザが降車を所望していると推定されるバス停100を示す情報である。
【0056】
図5の例では、ユーザID「m1」で識別されるユーザは、乗車予定バスID「f1」のバスへの乗車を予定し、降車予定バス停が「n1」であることが推定されたことを示している。ここで、降車予定バス停が推定されているため、ユーザID「m1」で識別されるユーザは、定期利用者であるともいえる。また、ユーザID「m2」で識別されるユーザは、乗車予定バスID「f1」のバスへの乗車を予定していることが推定されたことを示している。ここで、降車予定バス停が推定されていないため、ユーザID「m2」で識別されるユーザは、定期利用者以外であるともいえる。
【0057】
図3の説明に戻ると、モデル情報33は、上記した乗車可能人数の推定処理などに用いられるモデル情報である。モデル情報33には、定期利用者(ユーザ)が乗車を所望していると推定されたバスに実際に乗車する乗車確率のモデル、視線情報によりユーザが乗車を所望していると推定されたバスに実際に乗車する乗車確率のモデルが含まれる。これらの乗車確率のモデルは、乗車を所望していると推定されたバスのデータと、実際に乗車したバスのデータとを基に、機械学習によって生成される。
【0058】
モデル情報33には、定期利用者(ユーザ)が降車を所望していると推定されたバス停100で実際に降車する降車確率のモデルが含まれる。降車確率のモデルは、降車を所望していると推定されたバス停100のデータと、実際に降車したバス停100のデータとを基に、機械学習によって生成される。
【0059】
また、モデル情報33には、各バス停100におけるバスの降車人数を予測するための降車人数のモデルが含まれる。降車人数のモデルは、例えば各バス停100における時間帯ごとの降車人数の統計的なデータを基に、機械学習によって生成される。
【0060】
コントローラ20は、バスAの現在の乗車状況を示す乗車状況情報をバスAのバス端末装置200から取得する。例えば、コントローラ20は、バス端末装置200からカウンタ210の情報を取得し、カウンタ210に含まれる、バスAの現在の乗客数、現在の空席数などを記憶部30に乗車状況情報31として登録する。
【0061】
コントローラ20は、センサ11から出力された撮像画像を取得する。コントローラ20は、撮像画像に対する画像解析処理を行って、バス停100にユーザの存在が検出された場合、かかるユーザの人数を検出する。
【0062】
また、コントローラ20は、バス停100に存在するユーザのユーザ端末装置300から、中長期的な移動履歴情報を取得する。そして、コントローラ20は、移動履歴情報に、ユーザが過去にバスを定期的にあるいは日常的に利用して移動した履歴を示す情報(例えば乗車したバス停、バス(路線)、降車したバス停などの情報)が含まれる場合、かかるユーザは定期利用者であると推定する。そして、コントローラ20は、取得した移動履歴情報に基づいて、ユーザが乗車を予定していると推定されるバス、降車を予定していると推定されるバス停100の情報を記憶部30に待機者情報32として登録する。また、コントローラ20は、降車を予定していると推定されるバス停100のバス停端末装置10に対し、降車を予定していると推定されたことを示す降車情報を出力する。
【0063】
コントローラ20は、定期利用者であると推定されないユーザについて、撮像画像に対する画像解析処理を行ってユーザの視線を検出する、言い換えると、視線情報を取得する。例えば、コントローラ20は、ユーザの撮像画像におけるユーザの頭部の向きや目の位置を、予め記憶部30に記憶された基準画像と比較し、ユーザの視線が何処に向いているかを検出してもよい。
【0064】
なお、センサ11が例えば赤外線カメラおよび赤外線LEDを備えるように構成し、コントローラ20は、赤外線カメラで撮像した画像に基づいてユーザの視線を検出してもよい。具体的には、コントローラ20は、赤外線LEDで照らしたユーザの顔を赤外線カメラで撮像することによって得られる赤外画像中の瞳孔と、眼球上に生じる赤外照明反射像との位置関係に基づき、ユーザの視線を検出してもよい。
【0065】
コントローラ20は、検出されたユーザの視線がバス停100に設けられた時刻表、路線図などを向いているか否かを判定する。コントローラ20は、ユーザの視線がバス停100の時刻表を向いていて、特定の乗車時刻を注視している場合、かかる乗車時刻のバスへの乗車を所望していると推定する。コントローラ20は、推定したバスをユーザが乗車を予定しているバスとして、記憶部30に待機者情報32として登録する。
【0066】
また、コントローラ20は、検出されたユーザの視線がバス停100に設けられた路線図を向いていて、特定の路線を注視している場合、かかる路線のバスへの乗車を所望していると推定する。コントローラ20は、推定したバスをユーザが乗車を予定しているバスとして、記憶部30に待機者情報32として登録する。
【0067】
このように、コントローラ20は、バス停100に存在するユーザがバス停100に設置された路線図および時刻表へ向ける視線に関する視線情報に応じて、当該ユーザが待っているバスを推定する。詳しくは、コントローラ20は、ユーザの視線がバス停100の時刻表の特定の乗車時刻を向いている場合、ユーザは、かかる乗車時刻のバスを待っていると推定する。また、コントローラ20は、ユーザの視線がバス停100の路線図の特定の路線を向いている場合、ユーザは、かかる路線のバスを待っていると推定する。
【0068】
これにより、コントローラ20は、路線図および時刻表へ向ける視線に関する視線情報を用いることで、ユーザが待っているバスを精度良く推定することができる。
【0069】
コントローラ20は、待機者情報32とモデル情報33とに基づいて、バス停100においてバスへの乗車を予定している人数、および、降車を予定している人数を算出する。例えば、コントローラ20は、移動履歴情報から定期利用者のユーザが乗車を予定していると推定された人数と、乗車確率のモデルとを用いて、定期利用者のユーザでバス停から乗車を予定している人数とその確率を算出する。
【0070】
コントローラ20は、視線情報からユーザが乗車を予定していると推定された人数と、乗車確率のモデルとを用いて、定期利用者以外のユーザでバス停から乗車を予定している人数とその確率を算出する。
【0071】
コントローラ20は、他のバス停100のバス停端末装置10から降車情報を取得した場合、降車情報(移動履歴情報)からユーザが降車を予定していると推定された人数と、降車確率のモデルとを用いて、バス停100で降車を予定している人数とその確率を算出する。
【0072】
コントローラ20は、現在時刻のデータと、降車人数のモデルを用いて、現在時刻の時間帯においてバス停100で降車を予定している人数とその確率を算出する。
【0073】
ここで、上記のようにして算出された、バス停100で乗車あるいは降車を予定している人数とその確率の例を、図6を参照して説明する。図6は、バス停端末装置10が実行する処理を説明するための図である。
【0074】
図6の例では、バス停100xでは、2人乗車予定である確率が80%であると算出され、1人降車予定である確率が90%であると算出されている。また、バス停100yでは、3人乗車予定である確率が90%であると算出され、0人降車予定である確率が80%であると算出されている。なお、バス停100xに到着する前のバスAにおいては、乗車状況情報に含まれる空席数が「3」であることを示している。
【0075】
バス停100yのコントローラ20は、上記した乗車状況情報、各バス停における乗車予定人数とその確率、降車予定人数とその確率などに基づいて、バスAがバス停100yに到着したときの乗車可能人数を推定する。具体的には、コントローラ20はまず、バスAがバス停100yに到着するまでに予測される予測乗車人数および予測降車人数を算出する。図6の例では、予測乗車人数は、バス停100xの乗車予定人数である「2」、予測降車人数は、バス停100xの降車予定人数である「1」となる。
【0076】
コントローラ20は、乗車状況情報であるバスAに乗車している人数と、予測乗車人数および予測降車人数とに応じて、バスAがバス停100yに到着するときの乗車可能人数を推定する。具体的には、コントローラ20は、バスAに乗車している人数(乗客数。ここでは乗客数から算出される空席数3)と、予測乗車人数「2」および予測降車人数「1」とから、バスAがバス停100yに到着するときの乗車可能人数を「2」と推定する。
【0077】
コントローラ20は、推定した乗車可能人数(ここでは2)、乗車可能人数から算出される乗車不可能人数を含む人数情報を報知する。図6の例では、乗車不可能人数が人数情報として報知されている(表示装置12の表示欄13a参照)。具体的には、コントローラ20は、バス停100yの乗車予定人数が「3」、降車予定人数が「0」であるため、乗車不可能人数は「1」となる。
【0078】
このように、コントローラ20は、バス停100yで待っているユーザBに対し、バスAに乗車できる可能性(人数情報)を報知する。この人数情報により、待っているユーザは、自身がバスAに乗車できるか否かをバスAが到着する前に判断することができ、乗車できない場合の対応(他の交通手段等で移動するなど)がとりやすくなる。
【0079】
このとき、コントローラ20は、人数情報に加え、乗車不可能人数の確率を示す確率情報を報知する。詳説すると、上記したように、各バス停100で乗車を予定している人数、降車を予定している人数は、確定した値ではなく、推定された値であり、その確率も算出されている。そこで、コントローラ20は、バス停100yに到着するまでの、各バス停100で推定された乗車予定人数、降車予定人数を確率的に積み上げて、バス停100yにおける乗車不可能人数の確率分布を生成し、乗車不可能人数の確率を算出する。
【0080】
図7は、乗車不可能人数の確率分布の一例を示す図である。かかる確率分布において、バス停100yで1人以上乗車できない確率は、図7に斜線で示すように、1人以上乗車できない確率の積分値となる。
【0081】
このような確率分布を用い、コントローラ20は、図6に示すように、1人乗車できない確率が90%であること、2人乗車できない確率が70%であることを算出し、確率情報として表示装置12の表示欄13aに表示して報知する。
【0082】
なお、上記では、確率情報が、乗車不可能人数の確率を含む例を挙げたが、乗車可能人数の確率を含んでもよい。
【0083】
このように、コントローラ20は、人数情報に加えて、当該人数情報で報知する人数の確率情報(例えば乗車可能人数の確率情報、乗車不可能人数の確率情報)を報知することで、待っているユーザBは、自身がバスAに乗車できるか否かを、報知された確率情報を確認しながら容易に判断することができる。
【0084】
また、コントローラ20は、上記した乗車可能人数の確率情報、乗車不可能人数の確率情報などの確率情報が推定値であって変動する旨のメッセージを、表示欄13bに表示して報知する。これにより、待っているユーザBに対し、表示されている確率情報が変動することを認識させることが可能になる。
【0085】
また、コントローラ20は、人数情報などの報知を行う場合に、当該報知を行うバス停100yとバスAの現在位置との間にあるバス停100の個数に関する情報を、バス停100yでバスAの到着を待っている人Bに対して報知する。例えば、コントローラ20は、バス位置情報をバス端末装置200から取得するとともに、バスの路線図情報を管理サーバ400から取得する。コントローラ20は、取得したバス位置情報および路線図情報から、バス停100yとバスAの現在位置との間にあるバス停100の個数を算出して報知する。一例としては、コントローラ20は、バス停100yとバスAの現在位置との間にあるバス停100の個数が「1」であることを、表示欄13cに表示して報知する。
【0086】
これにより、コントローラ20は、ユーザBに対し、自身がいるバス停100yとバスAの現在位置との間にあるバス停100の個数を把握させることが可能となる。また、ユーザBは、かかる個数が比較的多ければ、時間の経過に伴って、上記した乗車可能人数の確率情報、乗車不可能人数の確率情報などが変動しやすいことを認識することができる。逆に、ユーザBは、かかる個数が比較的少なければ、上記した乗車可能人数の確率情報、乗車不可能人数の確率情報などが変動しにくいことを認識することができる。
【0087】
また、コントローラ20は、バス停100yに対するバスAの現在位置を、バス停100yでバスAの到着を待っている人Bに対して報知する。例えば、コントローラ20は、バス位置情報をバス端末装置200から取得し、取得したバス位置情報からバス停100yに対するバスAの現在位置を検出して報知する。一例としては、コントローラ20は、バスAがバス停100yに対し、2停前を通過した位置にいることを、表示欄13dに表示して報知する。
【0088】
これにより、コントローラ20は、ユーザBに対し、バス停100yに対するバスAの現在位置を把握させることが可能となる。また、ユーザBは、バス停100yに対するバスAの現在位置が比較的遠ければ、時間の経過に伴って、上記した乗車可能人数の確率情報、乗車不可能人数の確率情報などが変動しやすいことを認識することができる。逆に、ユーザBは、バス停100yに対するバスAの現在位置が比較的近ければ、上記した乗車可能人数の確率情報、乗車不可能人数の確率情報などが変動しにくいことを認識することができる。
【0089】
<第1実施形態に係るバス停端末装置の制御処理>
次に、図8を参照して、第1実施形態に係るバス停端末装置10のコントローラ20が実行する処理について説明する。図8は、第1実施形態に係るバス停端末装置10のコントローラ20が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0090】
コントローラ20は、バスの乗車状況を示す乗車状況情報を取得する(ステップS10)。具体的には、コントローラ20は、バスの現在の乗車状況を示す乗車状況情報をバスのバス端末装置200から取得する。
【0091】
次いで、コントローラ20は、バス停100で待っているユーザに関する待機者情報を取得する(ステップS11)。具体的には、コントローラ20は、自身が設けられるバス停100の待機者情報と、自身が設けられるバス停100とバスとの間に存在するバス停100の待機者情報を取得する。
【0092】
次いで、コントローラ20は、乗車状況情報、待機者情報に応じた、人数情報および確率情報を生成する(ステップS12)。詳しくは、コントローラ20は、バスがバス停100に到着したとき、到着したバスにユーザが乗車できる乗車可能人数と、乗車できない乗車不可能人数の少なくともいずれかの人数情報を生成する。また、コントローラ20は、人数情報で報知する人数の確率情報を生成する。
【0093】
次いで、コントローラ20は、バス停100でバスの到着を待っているユーザに対し、人数情報および確率情報を報知する(ステップS13)。具体的には、コントローラ20は、人数情報および確率情報を表示装置12に表示させることで報知する。
【0094】
上述してきたように、第1実施形態に係る情報処理方法において、バス停端末装置10(コンピュータ。情報処理装置の一例)は、公共交通機関の車両(例えばバス)のバス停100で当該バスの到着を待っている人に対して、バスの乗車状況を示す乗車状況情報に応じた、バス停100での乗車可能人数と乗車不可能人数の少なくともいずれかの人数情報を報知する。これにより、公共交通機関の乗り場で待っている人に対し、バスに乗車できる可能性を報知することができる。
【0095】
コントローラ20は、乗車状況情報であるバスに乗車している人数(乗客数、または乗客数から算出される空席数)と、バスがバス停100に到着するまでに予測される予測乗車人数および予測降車人数とに応じて、バスがバス停100に到着するときの人数情報を推定する。このように、コントローラ20は、予測乗車人数および予測降車人数を用いることで、人数情報を精度良く算出することができる。
【0096】
コントローラ20は、バス停100でバスの到着を待っているユーザが過去にバスを利用して移動した履歴を示す移動履歴情報に応じて、予測乗車人数および予測降車人数を予測する。これにより、コントローラ20は、定期利用者など定期的にあるいは日常的に特定のバス停100から乗車し、特定のバス停100で降車するユーザの移動履歴情報を予測乗車人数および予測降車人数に反映させることが可能となる。そのため、コントローラ20は、予測乗車人数および予測降車人数を精度良く算出することができる。
【0097】
また、第1実施形態において、公共交通機関はバスである。これにより、バスのバス停100で待っているユーザに対し、バスに乗車できる可能性を報知することができる。
【0098】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る情報処理装置による情報処理方法について説明する。第2実施形態にあっては、人数情報を生成する処理などが管理サーバ400によって実行されるようにした。なお、管理サーバ400は、情報処理装置の一例である。
【0099】
図9は、第2実施形態に係る管理サーバ400の構成例を示すブロック図である。なお、以下においては、第1実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
図9に示すように、管理サーバ400は、通信部401と、コントローラ(制御部)410と、記憶部420とを備える。
【0101】
通信部401は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、バス停端末装置10、バス端末装置200、ユーザ端末装置300およびバス事業者端末装置500等との間で情報の送受信を行う。
【0102】
コントローラ410は、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。なお、コントローラ410は、その一部または全部がASICやFPGA等のハードウェアで構成されてもよい。
【0103】
記憶部420は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部420には、乗車状況情報421、待機者情報422、モデル情報423および各種プログラムなどが記憶される。乗車状況情報421、待機者情報422およびモデル情報423は、図3に示す乗車状況情報31、待機者情報32およびモデル情報33と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0104】
コントローラ410は、第1実施形態に係るバス停端末装置10のコントローラ20が行う人数情報および確率情報を生成する処理と、同様の処理を実行する。かかる処理の手順を含め、第2実施形態に係る管理サーバ400を含む情報処理システム1が実行する処理手順について、図10を用いて説明する。
【0105】
図10は、第2実施形態に係る管理サーバ400を含む情報処理システム1が実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
【0106】
図10に示すように、バス端末装置200は、バスの乗車状況を示す乗車状況情報を取得する(ステップS100)。そして、バス端末装置200は、乗車状況情報を管理サーバ400に出力する(ステップS101)。
【0107】
バス停端末装置10は、バス停100で待っているユーザに関する待機者情報を取得する(ステップS102)。バス停端末装置10は、取得した待機者情報を管理サーバ400に出力する(ステップS103)。すなわち、管理サーバ400は、ステップS101およびステップS103により、乗車状況情報および待機者情報を取得する。
【0108】
管理サーバ400は、乗車状況情報および待機者情報に基づいて、人数情報および確率情報を生成する(ステップS104)。詳しくは、管理サーバ400は、バスがバス停100に到着したとき、到着したバスにユーザが乗車できる乗車可能人数と、乗車できない乗車不可能人数の少なくともいずれかの人数情報を生成する。また、管理サーバ400は、人数情報で報知する人数の確率情報を生成する。
【0109】
管理サーバ400は、生成した人数情報および確率情報をバス停端末装置10に出力する(ステップS105)。バス停端末装置10は、バス停100でバスの到着を待っているユーザに対し、人数情報および確率情報を報知する(ステップS106)。具体的には、バス停端末装置10は、人数情報および確率情報を表示装置12に表示させることで報知する。
【0110】
なお、上記した各実施形態では、バス停端末装置10または管理サーバ400が人数情報および確率情報を生成する処理を実行する例を示したが、これに限られず、バス端末装置200、またはバス事業者端末装置500が人数情報および確率情報を生成する処理を実行してもよい。
【0111】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 情報処理システム
10 バス停端末装置
20 コントローラ
200 バス端末装置
300 ユーザ端末装置
400 管理サーバ
500 バス事業者端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10