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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016292
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】搬送システム、搬送方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240130BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20240130BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G1/00 501H
B65G47/46 H
B65G47/52 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204589
(22)【出願日】2023-12-04
(62)【分割の表示】P 2022580845の分割
【原出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】521293800
【氏名又は名称】株式会社LexxPluss
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】阿蘓 将也
(72)【発明者】
【氏名】三浦 康幸
(72)【発明者】
【氏名】小山 修史
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンベアと搬送車の間で受け渡される単位時間当たりの荷物を増加させる。
【解決手段】コンベアにより荷物を搬送するコンベア装置と、荷物を荷台部に搭載して走行し、コンベア装置との間で荷物の受渡しを行う複数の搬送車と、を備える搬送システムであって、コンベア装置は、コンベアの隣接位置に設けられ、コンベア部により搬送される複数の荷物を保管可能なスペースを有する荷物保管部と、コンベアにより搬送される荷物を荷物保管部に搬送する荷物案内部と、備え、搬送システムは、荷物案内部と搬送車の動作を制御する協調制御部を備え、協調制御部は、荷物保管部の荷物保管状況に応じて、荷物が保管されていない荷物保管部の空きスペースに荷物を案内するよう荷物案内部を制御し、荷物保管部の荷物保管状況に応じて荷物の受渡位置を判断し、搬送車を受渡位置に移動させる、搬送システムが提供される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアにより荷物を搬送するコンベア装置と、荷物を荷台部に搭載して走行し、前記コンベア装置との間で荷物の受渡しを行う複数の搬送車と、を備える搬送システムであって、
前記コンベア装置は、
前記コンベアの隣接位置に設けられ、前記コンベア部により搬送される複数の荷物を保管可能なスペースを有する荷物保管部と、
前記コンベアにより搬送される荷物を前記荷物保管部に搬送する荷物案内部と、備え、
前記搬送システムは、
前記荷物案内部と前記搬送車の動作を制御する協調制御部を備え、
前記協調制御部は、
前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて、荷物が保管されていない前記荷物保管部の空きスペースに荷物を案内するよう前記荷物案内部を制御し、
前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて荷物の受渡位置を判断し、前記搬送車を前記受渡位置に移動させる、搬送システム。
【請求項2】
前記搬送システムが前記コンベア装置から前記搬送車へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記荷物保管部に複数の荷物が隣接する位置に保管されている場合に、前記協調制御部は、前記荷台部に当該複数の荷物を搭載するスペースを有する前記搬送車を、前記複数の荷物が隣接して配置されている位置に移動させる、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記搬送システムが前記コンベア装置から前記搬送車へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記荷物保管部に一つの荷物が保管されている場合に、前記協調制御部は、前記荷物の隣接位置にコンベア上を流れる次の荷物を搬送するよう前記荷物案内部を制御する、請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記搬送システムが前記コンベア装置から前記搬送車へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記荷台部に荷物を搭載するスペースを有する前記搬送車が前記荷物保管部の近傍に待機している場合に、前記協調制御部は、前記搬送車の待機位置に対応する前記荷物保管部上の位置に前記コンベア上の荷物を搬送するよう前記荷物案内部を制御する、請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記搬送システムが前記コンベア装置から前記搬送車へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記協調制御部は、前記荷物保管部の荷物保管状況と前記搬送車の動作状態に応じて、前記コンベアの搬送動作の停止、又は搬送速度を調整する、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記搬送システムが前記搬送車から前記コンベア装置へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記協調制御部は、前記荷台部に複数の荷物を搭載する前記搬送車を、前記複数の荷物を保管可能なスペースを有する前記荷物保管部上の位置に移動させる、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記搬送システムが前記搬送車から前記コンベア装置へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記荷物保管部に複数の荷物が保管されている場合に、前記協調制御部は、前記荷物保管部の空きスペースの隣接位置に保管された荷物を優先してコンベア上に搬送するよう前記荷物案内部を制御する、請求項1又は6に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記コンベア装置の前記荷物保管部と前記搬送車の前記荷台部は、複数の長手形状の部材が水平方向に空間を空けて配置された櫛歯状で構成され、
前記荷物保管部の前記空間を前記荷台部の前記部材が上下方向に通り抜けるように、前記荷物保管部と前記荷台部を相対的に移動させることで、前記荷物保管部と前記荷台部との間で荷物の受け渡しを行う、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記荷物保管部は、前記コンベアによる荷物搬送方向の横の位置に配置される、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記搬送車の前記荷台部は、複数の荷物を搭載可能に構成され、前記荷物保管部との荷物受渡しを行う際に、一度に複数の荷物の受け渡しを行う、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項11】
前記コンベア装置は、前記荷物保管部に保管される荷物の有無を検出する第1の荷物検出部を備え、
前記協調制御部は、前記第1の荷物検出部の検出情報に基づいて前記荷物保管部の荷物保管状況を取得する、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項12】
前記搬送車は、前記荷台部に保管される荷物の有無を検出する第2の荷物検出部を備え、
前記協調制御部は、前記第2の荷物検出部の検出情報に基づいて前記荷台部の荷物搭載状況を取得する、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項13】
前記搬送システムで制御する前記荷物保管部と前記無人搬送車の少なくともいずれかの数を変更した場合には、前記協調制御部は、入出力装置を介して取得するユーザの入力情報、前記コンベア装置からの取得情報、前記搬送車からの取得情報の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記荷物保管部と前記無人搬送車の変更後の数を把握する、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項14】
コンベアにより荷物を搬送するコンベア装置と、荷物を荷台部に搭載して走行し、前記コンベア装置との間で荷物の受渡しを行う複数の搬送車と、を備える搬送システムを用いた搬送方法であって、
前記コンベア装置は、
前記コンベアの隣接位置に設けられ、前記コンベア部により搬送される複数の荷物を保管可能なスペースを有する荷物保管部と、
前記コンベアにより搬送される荷物を前記荷物保管部に搬送する荷物案内部と、備え、
前記搬送方法は、
前記荷物保管部の荷物保管状況を取得するステップと、
前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて、荷物が保管されていない前記荷物保管部の空きスペースに荷物を案内するよう前記荷物案内部を制御するステップと、
前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて荷物の受渡位置を判断し、前記搬送車を前記受渡位置に移動させるステップと、を備える搬送方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送システム、搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場や倉庫内などの施設内における荷物の運搬に、自律走行可能な無人搬送車を活用することが実用化されている。また、倉庫内に設けられたベルトコンベアと無人搬送車が連携して、荷物を搬送するシステムが知られている。
【0003】
特許文献1には、物品の入出庫を行う自動倉庫における物品の搬送を行う無人搬送車を有し、無人搬送車は、コンベアの積載場所にて積載部に物品を積載し、無軌道の走行領域を走行して、コンベアの荷下ろし場所まで移動し、荷下ろし場所に到着すると、積載した物品を下ろす入出荷支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019―189463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、1台のコンベアから単位時間当たりに搬送される荷物の数をより増加させることができ、荷物の搬送効率を向上させることが求められている。
【0006】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンベアと搬送車の間で受け渡される単位時間当たりの荷物を増加させることができる搬送システム、搬送方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、コンベアにより荷物を搬送するコンベア装置と、荷物を荷台部に搭載して走行し、前記コンベア装置との間で荷物の受渡しを行う複数の搬送車と、を備える搬送システムであって、前記コンベア装置は、前記コンベアの隣接位置に設けられ、前記コンベア部により搬送される複数の荷物を保管可能なスペースを有する荷物保管部と、前記コンベアにより搬送される荷物を前記荷物保管部に搬送する荷物案内部と、備え、前記搬送システムは、前記荷物案内部と前記搬送車の動作を制御する協調制御部を備え、前記協調制御部は、前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて、荷物が保管されていない前記荷物保管部の空きスペースに荷物を案内するよう前記荷物案内部を制御し、前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて荷物の受渡位置を判断し、前記搬送車を前記受渡位置に移動させる、搬送システムが提供される。
【0008】
また、本開示によれば、コンベアにより荷物を搬送するコンベア装置と、荷物を荷台部に搭載して走行し、前記コンベア装置との間で荷物の受渡しを行う複数の搬送車と、を備える搬送システムを用いた搬送方法であって、前記コンベア装置は、前記コンベアの隣接位置に設けられ、前記コンベア部により搬送される複数の荷物を保管可能なスペースを有する荷物保管部と、前記コンベアにより搬送される荷物を前記荷物保管部に搬送する荷物案内部と、備え、前記搬送方法は、前記荷物保管部の荷物保管状況を取得するステップと、前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて、荷物が保管されていない前記荷物保管部の空きスペースに荷物を案内するよう前記荷物案内部を制御するステップと、前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて荷物の受渡位置を判断し、前記搬送車を前記受渡位置に移動させるステップと、を備える搬送方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コンベアと搬送車の間で受け渡される単位時間当たりの荷物を増加させることができる搬送システム、コンベアシステム、及び無人搬送車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送システムの全体構成図を示す図である。
図2】同実施形態に係る無人搬送車の機能構成図の一例を示す図である。
図3】同実施形態に係る無人搬送車の構成図の一例を示す図である。
図4】同実施形態に係るコンベア装置の機能構成図の一例を示す図である。
図5】同実施形態に係るコンベア装置の平面構成図の一例を示す図である。
図6】同実施形態に係るコンベア装置の側面構成図の一例を示す図である。
図7】同実施形態に係る統括システムの機能構成図の一例を示す図である。
図8】同実施形態に係るコンベア装置から無人搬送車へ荷物受渡しを行う際のシーケンス図である。
図9】同実施形態に係る無人搬送車からコンベア装置へ荷物受渡しを行う際のシーケンス図である。
図10】同実施形態に係るコンベア装置が荷物保管部へ荷物を搬送する際の第1動作状態を示す図である。
図11】同実施形態に係るコンベア装置が荷物保管部へ荷物を搬送する際の第2動作状態を示す図である。
図12】同実施形態に係るコンベア装置が荷物保管部へ荷物を搬送する際の第3動作状態を示す図である。
図13】同実施形態に係るコンベア装置から無人搬送車へ荷物受渡しを行う際の動作状態を示す図である。
図14】同実施形態に係る無人搬送装置からコンベア装置へ荷物受渡しを行う際の動作状態を示す図である。
図15】他の実施形態に係るコンベア装置から無人搬送車へ荷物受渡しを行う際の動作状態を示す図である。
図16】他の実施形態に係るコンベア装置が荷物保管部へ荷物を搬送する際の第1動作状態を示す図である。
図17】他の実施形態に係るコンベア装置が荷物保管部へ荷物を搬送する際の第2動作状態を示す図である。
図18】他の実施形態に係るコンベア装置が荷物保管部へ荷物を搬送する際の第3動作状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(システム構成)
図1は、第1の実施形態に係る搬送システムの全体構成図を示す図である。搬送システム1000は、無人搬送車100a、100b、コンベア装置200、統括システム300、入出力装置400を備え、各要素は通信ネットワーク500を介して互いに通信可能に接続されている。また、搬送システム1000は通信ネットワーク500を介して外部システム600と接続されている。図1では、一例として2台の無人搬送車を有する搬送システムを記載しているが、無人搬送車の数は1台であっても、また3台以上であっても良い。
【0012】
図2は、第1の実施形態に係る無人搬送車の機能構成図の一例を示す図である。無人搬送車は、通信部101、記録部102、緊急停止入力部103、表示部104、検出部110、制御部120、搬送車駆動部130、昇降駆動部140を備えている。
通信部101は、通信ネットワーク500と有線又は無線で通信可能に接続され、搬送システムの各要素と信号の送受信を行うことができる。また、搬送物に通信デバイスが取り付けられている場合には、通信部101は当該通信デバイスと通信を行うことにより、搬送物に関する情報を取得することもできる。
記録部102は、通信部101で受信した情報、後述する検出部110で検出する各種検出情報、制御部120の制御情報を記録する。
【0013】
緊急停止入力部103は、無人搬送車を緊急停止するための入力手段であり、物理ボタンなどで構成されることができる。
表示部104は、検出部の各種検出情報や制御部120の制御情報など、無人搬送車の状態を示す情報を表示することができる。
搬送車駆動部130は、搬送車に設けられた駆動輪と、当該駆動輪を駆動するモータを有し、無人搬送車を任意の位置に移動させ、機首を任意の方向に調整することができる。
昇降駆動部140は、後述する無人搬送車の荷台部160の位置を昇降させる昇降アクチュエータを有し、荷台部160の上に保持する搬送物(荷物)の位置を任意の高さに上下移動させることができる。
【0014】
検出部110は、荷物検出部111、自車位置検出部112、姿勢検出部113、充電量検出部114を備える。
荷物検出部111は、荷台部160の上に荷物が積まれたか否かを検出する検出手段である。例えば、荷台部160に設置される圧力センサ、光学センサ、レーザ式センサ等で構成することができ、荷台部160の上に荷物が積まれた状態を圧力増加や、光やレーザの遮断により検出することができる。
【0015】
自車位置検出部112は、無人搬送車100の位置を検出する検出手段である。例えば、衛星から受信する衛星信号により自車位置を測位する方式、レーザ式センサやカメラにより検出した無人搬送車の回りの障害物の位置情報に基づいて自車位置を推定する方式、地上に設けられた位置情報を示すマーカを検出することにより自車位置を検出する方式などが適用可能であるが、これらに限られず、その他の方式を適用しても良い。
姿勢検出部113は、無人搬送車100の姿勢(向き)を検出する検出手段である。例えば、衛星から受信する衛星信号により姿勢を測位する方式、レーザ式センサやカメラにより検出した無人搬送車の回りの障害物の位置情報に基づいて自車の姿勢を推定する方式などが適用可能であるが、これらに限られず、その他の方式を適用しても良い。
充電量検出部114は、無人搬送車100の動力源であるバッテリーの充電残量を検出する手段である。
【0016】
制御部120は、走行制御部121、表示制御部122、昇降制御部123を有する。走行制御部121は、搬送車駆動部130のモータを制御して、無人搬送車100を任意の姿勢で任意の位置に移動することができる。例えば、統括システムから通信部101を介して、所定の姿勢で所定の荷物保持部220の位置に移動する移動指令を受信した場合に、走行制御部121は、当該移動指令で指定された位置と姿勢となるように無人搬送車の位置と姿勢を制御する。更に、緊急停止入力部103から入力信号がある場合には、走行制御部121はモータの駆動を止めて、無人搬送車の駆動を停止する。
表示制御部122は、表示部104の表示を制御する。具体的には、検出部の各種検出情報や制御部120の制御情報など、無人搬送車の状態を示す情報を表示する。
【0017】
昇降制御部123は、昇降駆動部140の昇降アクチュエータを制御して、荷台部160の位置を任意の高さに上下移動させることができる。昇降アクチュエータによる荷台部を昇降動作させることにより、後述する荷物保管部220と無人搬送車との間で搬送物の受け渡しを行うことができる。図13は、コンベア装置から無人搬送車へ荷物受渡しを行う際の動作状態を示す図である。無人搬送車はコンベア装置から荷物を受取る場合には、図13に示すように、昇降アクチュエータにより荷台部160を荷物保持部の上面よりも下げた状態でコンベア装置の荷物保管部220の下側に移動し、昇降アクチュエータにより荷台部160を上昇させて荷物を荷物保管部220から荷台部160に移す。
【0018】
図14は、無人搬送装置からコンベア装置へ荷物受渡しを行う際の動作状態を示す図である。無人搬送車はコンベア装置へ荷物を渡す場合には、図14に示すように、昇降アクチュエータにより荷台部160の位置を荷物保管部220よりも上側に上げた状態でコンベア装置の荷物保管部220の位置に移動し、昇降アクチュエータにより荷台部160を下降させて荷物を荷台部から荷物保管部220に移す。
【0019】
図3は、無人搬送車の構成図の一例を示す図である。図3aは無人搬送車の斜視図を示し、図3bは無人搬送車の上面図、図3cは、搬送物10を4つ搭載した状態の無人搬送車の上面図を示している。無人搬送車は、本体部150、荷台部160、昇降部170を備える。本体部150の底面には、走行制御部121により制御される駆動輪が設けられている。また、昇降部170の内部には、昇降駆動部140が設けられており、昇降部170が上下方向に延び縮みすることで荷台部160の位置が上下に移動する。荷台部160は、櫛馬上の部材で構成されており、同じく櫛馬上に構成された荷物保管部220を上下方向にすり抜けることができる。
【0020】
さらに、図3bに示す通り、荷台部160には、前述した荷物検出部111を設けることができる。図3cに示すように、荷台部160の上に搬送物10が乗せられた場合に、荷物検出部111により、荷物の存在を検出することができる。
【0021】
図4は、コンベア装置の機能構成図の一例を示す図である。コンベア装置200は、コンベア装置通信部201、記録部202、コンベア部210、荷物保管部220、検出部230を備えている。
コンベア装置通信部201は、通信ネットワーク500と有線又は無線で通信可能に接続され、搬送システムの各要素と信号の送受信を行うことができる。また、搬送物に通信デバイスが取り付けられている場合には、通信部101は当該通信デバイスと通信を行うことにより、搬送物に関する情報を取得することもできる。
記録部202は、コンベア装置通信部201で受信した情報、後述する検出部230で検出する各種検出情報、コンベア部210及び荷物保管部220の制御情報を記録する。
【0022】
コンベア部210は、コンベア制御部211、荷物ストッパ制御部212、荷物案内制御部213、コンベア駆動部214、荷物ストッパ215、荷物案内部216を備える。
コンベア駆動モータ214は、例えば、コンベアを構成するローラーコンベア等を駆動してコンベア上の荷物を搬送する機能を有し、コンベア制御部211は、コンベア駆動モータ214の動作状態と停止状態の切替え、及びコンベア駆動ローラー214(モータ)の回転速度を制御する。具体的には、通信部201を介して取得した統括システムからのコンベア速度指令に基づいて、コンベア駆動ローラー214(モータ)の速度を調整し、又は動作停止させる。
【0023】
荷物ストッパ215は、荷物保管部220と隣接する位置に設けられ、コンベアを構成するローラーの間からコンベア上を移動する搬送物を止める板状の部材である。また、荷物ストッパ制御部212は、当該荷物ストッパ215の上下移動を制御して、任意のタイミングで荷物ストッパ215をローラーの間からコンベア上部に荷物ストッパを突き出すことができる。具体的には、統括システムの生成する次荷物の保管位置の指令に基づいて、指定された荷物保管部220に隣接する荷物ストッパをコンベア上部に上昇させて、荷物保管部220に案内する荷物をコンベア上で止める。
【0024】
荷物案内部216は、荷物をコンベア流れ方向とは略直交する横方向に移動させる装置である。例えば、モータにより駆動されるベルトコンベアで構成可能である。また、荷物案内部216は、荷物を横移動させる場合に、前記ローラーの間からコンベア上部に上昇し、前記荷物ストッパ215でコンベア上に止められている荷物を横方向の荷物保管部220へ移動させる。荷物案内制御部213は、荷物案内部216の上下移動を制御すると共に、上昇させた荷物案内部216の駆動方向を制御して、コンベア上の搬送物を右と左の任意の方向に移動させるように制御する。ここで、荷物案内部216を構成する他の例として、左右の任意の方向に傾斜した傾斜部材を荷物下側から上昇させて荷物を持ち上げることで、重力を利用して荷物を傾斜方向に移動させて所望の荷物保管部220の方向へ移動させることができる。
【0025】
荷物保管部220は、傾斜制御部221、傾斜変更アクチュエータ222を備える。傾斜制御部221は、傾斜変更アクチュエータ222の伸縮を制御することで、保管部上面部223の傾斜を調整することができる。また、保管部上面部223は、櫛歯状の構造となっている。
【0026】
検出部230は、荷物検出部231を備える。荷物検出部231は、荷物保管部220の保管部上面部223に設けられて、荷物保管部220の上部に積まれた搬送物の有無を検出することができる。当該荷物検出部231は、前述した荷物検出部111と同様に任意のセンサを採用することができる。
【0027】
図5は、コンベア装置の平面構成図の一例を示す図である。また、図6は、コンベア装置の側面構成図の一例を示す図である。図5に示す通り、コンベア装置は、コンベア駆動ローラー214により搬送物が搬送されるコンベア搬送エリア240と、コンベア搬送エリアの横側エリア(左右位置)に設けられた複数の荷物保管部を備える。また、コンベア上を搬送される荷物を任意の荷物保管部に移動させるために、荷物ストッパ215と、荷物案内部216と、傾斜変更アクチュエータ222協調して動作させる。
【0028】
図5及び図6に示す通り、荷物ストッパ215と荷物案内部216は、コンベアローラーの間からコンベア上部に上昇することができ、コンベア上を流れる任意の荷物を左右いずれかの荷物保管部220に移動させる。傾斜変更アクチュエータ222は、荷物案内部216により荷物がコンベア搬送エリアから送られてきた場合に、保管部上面部223を外側に傾斜させて、荷物10を傾斜により荷物保管部220の奥に移動させる。
【0029】
図7は、統括システムの機能構成図の一例を示す図である。統括システム300は、統括システム通信部301、記録部302、協調制御部310、状態取得部320を備えている。
統括システム通信部301は、通信ネットワーク500と有線又は無線で通信可能に接続され、搬送システムの各要素と信号の送受信を行うことができる。
記録部302は、統括システム通信部301で受信した情報、状態取得部320で取得する各種取得情報、協調制御部310で生成する制御情報を記録する。
【0030】
状態取得部320は、荷物保管状態取得部321、搬送車状態取得部322、コンベア状態取得部313を備える。
荷物保管状態取得部321は、荷物保管部における荷物の保管状態に関する情報を取得する機能を有し、荷物保管部において荷物が保管されているスペースと、荷物が保管されていない空きスペースに関する情報を取得する。これらの情報は、荷物保管部に設置された荷物検出部231により荷物の有無の検出結果を取得しても良いし、記録部302に記録された荷物案内部216、搬送車100の動作履歴情報から荷物が保管されているスペースと、荷物が保管されていない空きスペースを推定しても良い。また、荷物保管状態取得部321は、荷物保管部に保管可能な荷物の総数に関するキャパシティー情報を、荷物検出部231や傾斜制御部221などのコンベア装置200からの取得情報、または入出力装置400を介してユーザから取得する入力情報に基づいて生成することができ、荷物保管部の数を変更させる場合にも変更後の荷物保管部の数を把握することができる。
【0031】
搬送車状態取得部322は、無人搬送車100の動作状態に関する情報を取得する機能を有し、例えば、複数の無人搬送車の位置、荷物の搭載数、充電残量に関する情報を取得する。無人搬送車の位置に関する情報としては、自車位置検出部112により検出した自車位置情報を各無人搬送車から取得することができる。荷物の搭載数に関する情報としては、荷物検出部111による検出結果を取得することで、各無人搬送車における荷物積載数を把握することができる。また、充電残量に関する情報としては、充電量検出部114で検出した各無人搬送車の充電残量を取得することができる。また、搬送車状態取得部322は、運行対象の無人搬送車100の数の情報と、無人搬送車100の荷台部に搭載可能な荷物の総数の情報を、荷物検出部111等の無人搬送車100からの取得情報、または入出力装置400を介してユーザから取得する入力情報に基づいて把握することができ、運行する無人搬送車100の数を変更させる場合にも変更後の無人搬送車の数と荷台部に搭載可能な荷物総数を把握することができる。
【0032】
コンベア状態取得部323は、コンベアの動作状態に関する情報を取得する機能を有し、例えば、コンベアの稼働/停止の状態、コンベアの搬送速度情報をコンベア制御部211から取得することができる。荷物ストッパ215と荷物案内部216の動作状態(異常状態を含む)をそれぞれ荷物ストッパ制御部212と荷物案内制御部213から取得することができる。また、荷物保管部の動作状態(異常状態を含む)を傾斜制御部221から取得することができる。
【0033】
協調制御部310は、コンベア速度指定部311、荷物受渡位置指定部312、荷物受渡搬送車指定部313、荷物保管位置指定部314、荷物送出し順序指定部315を備える。
【0034】
コンベア速度指定部311は、状態取得部320により取得した荷物保管情報、搬送車の状態情報、コンベアの状態情報の少なくともいずれかに基づいてコンベアの速度指令を生成する機能を有する。例えば、コンベア装置から搬送車へ荷物を受け渡す場合であって、荷物保管部の全スペースに荷物が保管されており、荷物を保管するスペースが無いことを荷物保管情報として取得した場合には、コンベアの稼働を停止、又は速度を低速に変更する。他の例として、稼働中の搬送車の数を搬送車の状態情報として取得し、稼働中の搬送車による単位時間のコンベア-搬送車間の受渡し荷物の数量を推定し、当該荷物数量とコンベアによる単位時間の搬送荷物数量が略同一となるようにコンベア速度を変更する。つまり、稼働中の搬送車の数の増減に対応して、コンベアの速度を増減させる。また、他の例として、コンベアの状態情報として荷物ストッパ215や荷物案内部216の動作異常の有無の情報を取得し、正常に稼働している荷物ストッパ215や荷物案内部216により荷物搬送な可能な荷物保管部のスペースの空き情報を取得し、荷物搬送な可能な荷物保管部のスペースに荷物を保管可能な空きスペースが無いことを荷物保管情報として取得した場合には、コンベアの稼働を停止、又は速度を低速に変更する。
【0035】
荷物受渡位置指定部312は、状態取得部320により取得した荷物保管情報、搬送車の状態情報、コンベアの状態情報の少なくともいずれかに基づいて、コンベア装置と搬送車の間で荷物を受け渡す荷物受渡位置を指定する指令を生成する機能を有する。コンベア装置から搬送車へ荷物を受け渡す場合には、例えば、荷物保管情報として荷物が保管されている荷物保管部上の位置取得し、当該位置を無人搬送車の荷物受渡位置とする移動指令を生成する。あるいは、無人搬送車が荷物保管部に隣接して並んで保管されている複数の荷物を一度に受け取ることができる場合には、一度の受渡動作で複数の荷物を受け渡すことが効率向上のために望ましいため、隣接して複数の荷物が保管されている荷物保管部の位置を荷物受渡位置とする移動指令を生成する。
【0036】
一方、無人搬送車からコンベア装置へ荷物を受け渡す場合には、上述した内容とは逆に、荷物保管情報として取得した荷物が保管されていない位置を無人搬送車の荷物受渡位置とする移動指令を生成する。あるいは、無人搬送車が荷台部に搭載した複数の荷物を荷物保管部に一度に渡すことができる場合には、隣接して複数の荷物が保管できる空きスペースがある荷物保管部上の位置を荷物受渡位置とする移動指令を生成する。
【0037】
荷物受渡搬送車指令部313は、状態取得部320により取得した搬送車の状態情報に基づいて、上述した荷物受渡位置に移動して荷物受渡動作を行う無人搬送車を指定する機能を有する。コンベア装置から搬送車へ荷物を受け渡す場合には、荷台部に荷物を搭載していない無人搬送車が指定され、逆に、無人搬送車からコンベア装置へ荷物を受け渡す場合には、荷台部に荷物を搭載している無人搬送車が指定される。また、充電量検出部114で検出された充電残量が、荷物受渡位置に移動して荷物の受渡し動作を行い元の位置まで戻る一連の作業を行うのに十分な所定の充電残量未満である無人搬送車は、指定対象から除外する。
【0038】
荷物保管位置指定部314は、状態取得部320により取得した荷物保管情報、搬送車の状態情報、コンベアの状態情報の少なくともいずれかに基づいて、コンベア上を搬送される荷物を保管する荷物保管部の位置を指定する機能を有する。例えば、コンベア装置から無人搬送車へ荷物を受け渡す動作モードの場合に、荷物保管情報として取得した荷物保管部の荷物保管位置に基づいて、荷物が保管されていない空きスペースの位置を次の荷物の保管位置として指定する。更には、複数の空きスペースがある場合に、荷物が既に保管されているスペースに隣接する空きスペースを次の荷物の保管位置として指定する。この処理により、荷物が優先的に隣接する位置に保管されるため、無人搬送車が複数の荷物を一度に受け取れる状態をより早く作ることができるようになり、荷物受渡しの効率が向上する。
【0039】
あるいは、荷物を受取る無人搬送車が、荷物保管部の近傍位置に待機している場合には、この無人搬送車の待機している位置に近い荷物保管部上の空きスペースを次の荷物の保管位置として指定する。この処理により、既に近くで待機している無人搬送車の近い位置を荷物受取位置となるため、無人搬送車による荷物受渡し効率が向上する。
【0040】
荷物送出し順序指定部315は、状態取得部320により取得した荷物保管情報、搬送車の状態情報、コンベアの状態情報の少なくともいずれかに基づいて、荷物保管部に保管されている複数の荷物をコンベア上に搬送する順序を指定する機能を有する。例えば、荷物保管情報として荷物保管部に保管されている複数の荷物の位置情報を取得し、荷物保管部の空きスペースの隣接位置に保管された荷物を優先してコンベア上に搬送する荷物に指定する。この処理により、空きスペースの隣接するスペースの荷物が優先的に搬送されていくため、無人搬送車が複数の荷物を荷物保管部に一度に受け渡すことができる状態をより早く作ることができるようになり、荷物受渡しの効率が向上する。
【0041】
また、コンベア装置が通信部を介して搬送物10から搬送物の識別情報を取得している場合には、荷物送出し順序指定部315は、当該識別情報から当該搬送物の搬送優先度を判定して、荷物送出しの順序を指定することもできる。なお、搬送物の優先度は荷物の属性に応じて予め決められた優先度であっても良いし、外部システム600や入出力装置400により指定される優先度であっても良い。
【0042】
図8は、コンベア装置から無人搬送車へ荷物受渡しを行う際のシーケンス図である。図8を用いて、無人搬送車100、コンベア装置200、統括システム300の間で行われる通信と各装置における処理フローを説明する。
【0043】
まず、搬送車は、荷物を荷物検出部111の検出結果と、自車位置検出部112で検出した自車位置情報を統括システムに送信する(S101)。次に、荷物を荷物検出部111の検出結果に基づいて、荷台部に空きスペースがあるか否かを判断し、荷物を搭載して荷台部に空きスペースが無い場合にはS101の処理を繰り返し、荷台部に空きスペースがある場合にはS103の処理に遷移する(S102)。コンベア装置は、荷物検出部231で検出した荷物保管部の保管状態を統括システムに送信する(S201)
【0044】
統括システムは、搬送車とコンベア装置から受信した情報に基づいて、コンベア上を流れる次の荷物を保管する荷物保管部における保管位置、荷物保管部から無人搬送車へ荷物受渡しを行う荷物受渡位置、コンベアの動作速度、の各指令情報をそれぞれ判定する(S301)。次に、統括システムは、判定した各指令情報のうち、荷物保管部における保管位置と、コンベアの動作速度の指令をコンベア装置に送信する(S302)。
【0045】
コンベア装置は、受信したコンベアの動作速度の指令に応じて、コンベアの速度を調整する(S202)。次に、コンベア装置は、受信した保管位置の指令情報により指定された保管位置が空きスペースか否かを、荷物検出部231で検出した荷物保管部の保管状態に基づいて判定し(S203)、空いていない場合はS201の処理に戻る。指定位置が空いている場合には、コンベア上を流れる次の荷物を指定された保管位置に移動させる(S204)。
【0046】
統括システムは、判定した各指令情報のうち、荷物保管部から無人搬送車へ荷物受渡しを行う荷物受渡位置の情報を、荷物を搭載していないことを送信してきた無人搬送車に送信する(S303)。無人搬送車は、受信した荷物受渡位置の情報に基づいて、指定された荷物受渡位置に移動して、荷物保管部から荷物を受取る(S103)。
【0047】
図9は、無人搬送車からコンベア装置へ荷物受渡しを行う際のシーケンス図である。図9を用いて、無人搬送車100、コンベア装置200、統括システム300の間で行われる通信と各装置における処理フローを説明する。
【0048】
まず、搬送車は、荷物を荷物検出部111の検出結果と、自車位置検出部112で検出した自車位置情報を統括システムに送信する(S111)。次に、荷物を荷物検出部111の検出結果に基づいて、荷台部に空きスペースがあるか否かを判断し、荷物を搭載していない場合にはS111の処理を繰り返し、荷物を搭載している場合にはS113の処理に遷移する(S112)。コンベア装置は、荷物検出部231で検出した荷物保管部の保管状態を統括システムに送信する(S211)
【0049】
統括システムは、搬送車とコンベア装置から受信した情報に基づいて、荷物保管部からコンベアに次に送り出す荷物の保管位置、無人搬送車から荷物保管部へ荷物受渡しを行う荷物受渡位置、コンベアの動作速度、の各指令情報をそれぞれ判定する(S311)。次に、統括システムは、判定した各指令情報のうち、次に送り出す荷物の保管位置と、コンベアの動作速度の指令をコンベア装置に送信する(S312)。
【0050】
コンベア装置は、受信したコンベアの動作速度の指令に応じて、コンベアの速度を調整する(S212)。次に、コンベア装置は、受信した保管位置の指令情報により指定された保管位置が荷物が保管されているか否かを、荷物検出部231で検出した荷物保管部の保管状態に基づいて判定し(S213)、荷物が保管されていない場合はS211の処理に戻る。指定位置に荷物が保管されている場合には、指定位置に保管されている荷物をコンベア上に送り出す(S214)。
【0051】
統括システムは、判定した各指令情報のうち、無人搬送車から荷物保管部へ荷物受渡しを行う荷物受渡位置の情報を、荷物を搭載していることを送信してきた無人搬送車に送信する(S313)。無人搬送車は、受信した荷物受渡位置の情報に基づいて、指定された荷物受渡位置に移動して、荷物保管部へ荷物を受け渡す(S113)。
【0052】
図10~13に、コンベア装置が荷物保管部へ荷物を搬送する際の時系列の動作状態の変化を示す。図10の状態は、搬送物10がコンベア部を図面下側へ搬送されている第1の動作状態を示している。なお、搬送物の保管位置としては荷物保管部のスペース220bが指定されているものとする。そのため、220bの隣接位置に到着するまで、荷物ストッパ215や荷物案内部216は動作せず、コンベア部を搬送物が移動する。
【0053】
図11の状態は、搬送物10が保管位置である220bの隣接位置に到着した第2の動作状態を示している。この状態では、荷物ストッパ215がコンベア部の上側に突き出して搬送物10のコンベアによる図面下側へ移動を止めて、更に、荷物案内部216のコンベア部の上側に突き出して搬送物10をコンベア部から荷物保管部220bの位置へ移動させている。
【0054】
図12の状態は、搬送物10が保管位置220bの入り口まで移動した際の第3の動作状態を示している。この状態では、荷物案内部216による荷物の搬送が完了しているが、傾斜変更アクチュエータ222を制御して保管位置220bの保管部上面部223を外側に向けて傾斜させることにより、保管位置220bの奥まで搬送物10を移動させることができる。ここで、傾斜変更アクチュエータ222を制御して保管位置220bの保管部上面部223を外側に向けて傾斜させる機構に替えて、荷物保管部220にベルトコンベアを設けて保管位置220bの奥まで搬送物10を移動させるようにしても良い。
【0055】
図13は、コンベア装置から無人搬送車へ荷物受渡しを行う際の動作状態を示す図である。図13cに記載されている通り、荷台部160は複数の長手形状の部材が水平方向に空間を空けて配置された櫛歯状形状で構成されており、荷物保管部220の保管部上面部223も同様に、複数の長手形状の部材が水平方向に空間を空けて配置された櫛歯状形状で構成されている。そのため、荷台部160と保管部上面部223の櫛馬状の部材が、他方の櫛馬の空間に入り込み、上下方向に通り抜けるように互いに上下方向に相対的に移動させることができる。
【0056】
そのため、コンベア装置から無人搬送車へ荷物受渡しを行う際には、無人搬送車100は、図13aに示すように、昇降部170を下げて荷台部160の位置を荷物保管部220の保管部上面部223よりも低い位置に下げた状態で、荷物保持部のエリアの下側に進入する。次に、図13bに示すように、昇降部170を上げて荷台部160の位置を荷台保管部220の保管部上面部223よりも高い位置に移動させることで、保管部上面部223に搭載されていた荷物10を荷台部160で受け取ることができる。
【0057】
図14は、無人搬送装置からコンベア装置へ荷物受渡しを行う際の動作状態を示す図である。無人搬送装置からコンベア装置へ荷物受渡しを行う際には、無人搬送車100は、図14aに示すように、昇降部170を上げて荷台部160の位置を荷物保管部220の保管部上面部223よりも高い位置に上げた状態で、荷物保持部のエリアの上側に進入する。次に、図14bに示すように、昇降部170を下げて荷台部160の位置を荷台保管部220の保管部上面部223よりも低い位置に移動させることで、荷台部160に搭載された荷物を保管部上面部223に渡すことができる。更に、荷台保持部は、荷物を受取った後、図14cに示すように、傾斜変更アクチュエータ222を制御して保管位置220bの保管部上面部223を内側に向けて傾斜させることにより、荷物保管部に搭載された荷物10をコンベア部に移動させることができる。
【0058】
本実施形態では、無人搬送車に昇降部170を設けて、荷物を搭載する荷台部160の位置を上下方向に移動させる動作により、荷物保管部と無人搬送車の間で荷物の受渡を行う例を示したが、上下移動を行う機構を荷物保管部側に設けて、当該機構により荷物の受渡を行うようにしても良い。
【0059】
また本実施形態では、荷物を搭載する荷台部160と荷物保管部の保管部上面部223の位置を上下方向に相対移動させる動作により、荷物保管部と無人搬送車の間で荷物の受渡を行う例を示したが、荷物保管部と無人搬送車がそれぞれコンベア機構を設けて水平方向に荷物を受渡し可能な構成を採用しても良い。図15は、荷物保管部と無人搬送車がそれぞれコンベア機構を設けて、コンベア機構により搬送物の受渡を行う時系列の動作の一例を示す図である。図15aに示す状態は、搬送物が荷物保管部上に保管されている時に搬送車が荷物保管部に隣接する位置であって、荷物保管部から搬送物を受取るために十分近接した位置まで搬送車が移動する。次に、図15bに示す状態では、荷物保管部に設けられたコンベア機構710と、搬送車に設けられたコンベア機構720により、搬送物10が荷物保管部から搬送車側に移動する。次に、図15cに示す状態では、各コンベア機構710,720により搬送物10が搬送車の荷台部に完全に受け渡される。このように、荷物保管部と無人搬送車がそれぞれコンベア機構が設けられる場合には、搬送車の昇降駆動部140や荷物保管部の傾斜変更アクチュエータを省略することが可能である。
【0060】
また、図15に示すように、荷物保管部にコンベア機構710を設ける場合の、コンベアから荷物保管部へ荷物を搬送する時系列の搬送システムの動作例を図16~18を用いて説明する。なお図10~12と重複する部分は説明を省略する。図16に示す状態では、搬送物10がコンベア部上を移動している状態を示す。220bの隣接位置に到着するまで、荷物ストッパ215や荷物案内部216はコンベア部の下側から移動しない。次に、図17に示す状態では、搬送物10が保管位置である220bの隣接位置に到着した第2の動作状態を示している。この状態では、荷物ストッパ215がコンベア部の上側に突き出して搬送物10のコンベアによる図面下側へ移動を止めて、更に、荷物案内部216のコンベア部の上側に突き出して搬送物10をコンベア部から荷物保管部220bの位置へ移動させている。次に、図18に示す状態では、搬送物10が保管位置220bの入り口まで移動した状態を示している。この状態では、荷物案内部216による荷物の搬送が完了しているが、荷物保管部にコンベア機構710を駆動させることにより、保管位置220bの奥まで搬送物10を移動させることができる。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0062】
本明細書において説明した、無人搬送車、コンベア装置、統括システム、外部システムの各機能は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、無人搬送車の制御部120やコンベア装置のコンベア制御部211、荷物ストッパ制御部212、荷物案内制御部213、傾斜制御部221は、無人搬送車と通信ネットワークで接続されたサーバにより実現されてもよい。また、本明細書において説明した搬送システムでは、無人搬送車、コンベア装置、統括システム、入出力装置、外部システムがそれぞれネットワークを介して接続された別個のハードウェアで構成される例を説明したが、無人搬送車、コンベア装置、統括システムの機能の一部又は全部が無人搬送車に実装されていても良いし、コンベア装置や統括システムに実装されていても良い。
【0063】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係る制御部120、コンベア制御部211、荷物ストッパ制御部212、荷物案内制御部213、傾斜制御部221、協調制御部310の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0064】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0065】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0066】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
コンベアにより荷物を搬送するコンベア装置と、荷物を荷台部に搭載して走行し、前記コンベア装置との間で荷物の受渡しを行う複数の搬送車と、を備える搬送システムであって、
前記コンベア装置は、
前記コンベアの隣接位置に設けられ、前記コンベア部により搬送される複数の荷物を保管可能なスペースを有する荷物保管部と、
前記コンベアにより搬送される荷物を前記荷物保管部に搬送する荷物案内部と、備え、
前記搬送システムは、
前記荷物案内部と前記搬送車の動作を制御する協調制御部を備え、
前記協調制御部は、
前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて、荷物が保管されていない前記荷物保管部の空きスペースに荷物を案内するよう前記荷物案内部を制御し、
前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて荷物の受渡位置を判断し、前記搬送車を前記受渡位置に移動させる、搬送システム。
(項目2)
前記搬送システムが前記コンベア装置から前記搬送車へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記荷物保管部に複数の荷物が隣接する位置に保管されている場合に、前記協調制御部は、前記荷台部に当該複数の荷物を搭載するスペースを有する前記搬送車を、前記複数の荷物が隣接して配置されている位置に移動させる、項目1に記載の搬送システム。
(項目3)
前記搬送システムが前記コンベア装置から前記搬送車へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記荷物保管部に一つの荷物が保管されている場合に、前記協調制御部は、前記荷物の隣接位置にコンベア上を流れる次の荷物を搬送するよう前記荷物案内部を制御する、項目1又は2に記載の搬送システム。
(項目4)
前記搬送システムが前記コンベア装置から前記搬送車へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記荷台部に荷物を搭載するスペースを有する前記搬送車が前記荷物保管部の近傍に待機している場合に、前記協調制御部は、前記搬送車の待機位置に対応する前記荷物保管部上の位置に前記コンベア上の荷物を搬送するよう前記荷物案内部を制御する、項目1又は2に記載の搬送システム。
(項目5)
前記搬送システムが前記コンベア装置から前記搬送車へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記協調制御部は、前記荷物保管部の荷物保管状況と前記搬送車の動作状態に応じて、前記コンベアの搬送動作の停止、又は搬送速度を調整する、項目1に記載の搬送システム。
(項目6)
前記搬送システムが前記搬送車から前記コンベア装置へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記協調制御部は、前記荷台部に複数の荷物を搭載する前記搬送車を、前記複数の荷物を保管可能なスペースを有する前記荷物保管部上の位置に移動させる、項目1に記載の搬送システム。
(項目7)
前記搬送システムが前記搬送車から前記コンベア装置へ荷物を受け渡す動作モード時において、前記荷物保管部に複数の荷物が保管されている場合に、前記協調制御部は、前記荷物保管部の空きスペースの隣接位置に保管された荷物を優先してコンベア上に搬送するよう前記荷物案内部を制御する、項目1又は6に記載の搬送システム。
(項目8)
前記コンベア装置の前記荷物保管部と前記搬送車の前記荷台部は、複数の長手形状の部材が水平方向に空間を空けて配置された櫛歯状で構成され、
前記荷物保管部の前記空間を前記荷台部の前記部材が上下方向に通り抜けるように、前記荷物保管部と前記荷台部を相対的に移動させることで、前記荷物保管部と前記荷台部との間で荷物の受け渡しを行う、項目1に記載の搬送システム。
(項目9)
前記荷物保管部は、前記コンベアによる荷物搬送方向の横の位置に配置される、項目1に記載の搬送システム。
(項目10)
前記搬送車の前記荷台部は、複数の荷物を搭載可能に構成され、前記荷物保管部との荷物受渡しを行う際に、一度に複数の荷物の受け渡しを行う、項目1に記載の搬送システム。
(項目11)
前記コンベア装置は、前記荷物保管部に保管される荷物の有無を検出する第1の荷物検出部を備え、
前記協調制御部は、前記第1の荷物検出部の検出情報に基づいて前記荷物保管部の荷物保管状況を取得する、項目1に記載の搬送システム。
(項目12)
前記搬送車は、前記荷台部に保管される荷物の有無を検出する第2の荷物検出部を備え、
前記協調制御部は、前記第2の荷物検出部の検出情報に基づいて前記荷台部の荷物搭載状況を取得する、項目1に記載の搬送システム。
(項目13)
前記搬送システムで制御する前記荷物保管部と前記無人搬送車の少なくともいずれかの数を変更した場合には、前記協調制御部は、入出力装置を介して取得するユーザの入力情報、前記コンベア装置からの取得情報、前記搬送車からの取得情報の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記荷物保管部と前記無人搬送車の変更後の数を把握する、項目1に記載の搬送システム。
(項目14)
コンベアにより荷物を搬送するコンベア装置と、荷物を荷台部に搭載して走行し、前記コンベア装置との間で荷物の受渡しを行う複数の搬送車と、を備える搬送システムを用いた搬送方法であって、
前記コンベア装置は、
前記コンベアの隣接位置に設けられ、前記コンベア部により搬送される複数の荷物を保管可能なスペースを有する荷物保管部と、
前記コンベアにより搬送される荷物を前記荷物保管部に搬送する荷物案内部と、備え、
前記搬送方法は、
前記荷物保管部の荷物保管状況を取得するステップと、
前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて、荷物が保管されていない前記荷物保管部の空きスペースに荷物を案内するよう前記荷物案内部を制御するステップと、
前記荷物保管部の荷物保管状況に応じて荷物の受渡位置を判断し、前記搬送車を前記受渡位置に移動させるステップと、を備える搬送方法。
【符号の説明】
【0067】
10 搬送物
100 無人搬送車
101、201、301 通信部
102、202、302 記録部
103、203 緊急停止入力部
104 表示部
110、230 検出部
120 制御部
130 車輪駆動モータ
140 昇降駆動部
200 コンベア装置
210 コンベア部
220 荷物保管部
300 統括システム
310 協調制御部
320 状態取得部
400 入出力装置
500 通信ネットワーク
600 外部システム
1000 搬送システム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18