(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162930
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】自動車運転補助装置
(51)【国際特許分類】
B60W 50/12 20120101AFI20241114BHJP
【FI】
B60W50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023087294
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】518297547
【氏名又は名称】引地 卓治
(72)【発明者】
【氏名】引地 卓治
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA70
(57)【要約】
【課題】既存の自動車に簡単に取り付けることが可能で、運転者の視線を大きく動かす必要がなく、自動車が車線からはみ出すことを防止し得る、自動車運転補助装置を提供する。
【解決手段】 自動車の運転席の前のフロントガラス近傍に、運転者の視界の一定範囲を囲む標線枠と、ボンネットの前部の右側の端部と左側の端部の少なくともいずれかに、標線を設置し、前記標線枠の略中央と前記標線とを通過する視線の先に、道路表面に設けられている表示物が配されるように、前記標線枠と前記標線の位置を調整する。夜間の視認性を確保するために、標線枠と標線を対象とする照明装置を設置したり、標線枠と標線自体にLEDなどの発行手段を付加したりすることが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の運転席の前のフロントガラス近傍に設置されてなる、運転者の視界の一定範囲を囲む標線枠と、
ボンネットの前部の右側の端部と左側の端部の少なくともいずれかに設置されてなる、標線と、
を有する自動車運転補助装置において、
前記標線枠の略中央と前記標線とを通過する視線の先に、道路表面に設けられている表示物が配されるように、前記標線枠と前記標線の位置が調整されていることを特徴とする、自動車運転補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の安全運転を補助する装置に関し、特に走行車線における自動車の位置の偏りの抑制に資する補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転において、運転者は、進行方向の状況を確認しながら、サイドミラーやルームミラーを駆使して、運行の安全を図っている。しかし、車線内における自動車の適正な位置の保持は、運転者の勘に頼ることが多く、車線をはみ出すことによる接触事故などを、完全になくすのは困難である。また、近年においては、車載カメラやレーダーによる接触事故防止機能を搭載した自動車が販売されているが、普及には、なお時間を要すると思われる。
【0003】
前記のような問題への対策として、特許文献1には、運転席よりみて、道路前方左右車線中央部に対応させた延長線上の当該運転台、又はバンパーの位置に、当該鍍金電球の表面と内面を、微小の斑点状無色透明部を構成し、又は当該鍍金電球の表面と内面を、一本乃至複数の鉢巻状無色透明帯を構成し、点灯すれば光線が漏れて、鍍金電球に反照するように構成した三個の鍍金電球を、横一列に並べて構成した三位一体の三連結鍍金電球自動伸縮基準ポールの当該中央部鍍金電球の先端部を、道路前方左右車線中央部の前方約7メートルの位置を標的と定めて照準を合わせて運行することを基本として、右側の鍍金電球を道路前方右車線内側に副うて運行することを標準とし、左側鍍金電球を道路前方左車線内側に副うて、運行することを標準としたことを特徴とした自動車の安全運行用三連結鍍金電球自動伸縮基準ポール取付装置が開示されている。
【0004】
しかし、ここに開示されている装置は、構造や使用方法が、やや煩雑で、改善の余地があると思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、既存の自動車に簡単に取り付けることが可能で、使用方法も簡略な自動車運転補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題解決のため、小銃や拳銃に照準器として装備されている、照門と照星の構造の応用を、鋭意検討した結果、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
上記課題を解決するための、本発明の一態様に係る自動車運転補助装置は、自動車の運転席の前のフロントガラス近傍に設置されてなる、運転者の視界の一定範囲を囲む標線枠と、ボンネットの前部の右側の端部と左側の端部の少なくともいずれかに設置されてなる、標線と、を有する自動車運転補助装置において、前記標線枠の略中央と前記標線とを通過する視線の先に、道路表面に設けられている表示物が配されるように、前記標線枠と前記標線の位置が調整されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
片側1車線の道路においては、中央にセンターラインが表示され、片側が2車線以上の道路においては、車線の境界に、車線境界線が表示されている。また車線と路側帯とや境界にも車線境界線が表示されている。
【0010】
運転者は、車線境界線の視認により、自動車が車線の境界からはみ出さないように運転することになるが、本発明の自動車運転補助装置を用いることで、運転者は、視線をあまり動かさなくとも、車線境界線を視認できるので、脇見運転による交通事故の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】 本発明に係る、自動車運転補助装置の使用状態の一例を、運転席側から示した図
【
図2】 本発明に係る、自動車運転補助装置の使用状態の一例を、車外から示した図
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、具体的な図を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る、自動車運転補助装置の使用状態の一例を、運転席側から示した図である。また、
図2は、本発明に係る、自動車運転補助装置の使用状態の一例を、車外から示した図で、
図2(a)は側面図、
図2(b)は平面図である。
【0013】
図1、
図2において、1は標線枠、2は標線、3はフロントガラス、4はボンネット、5は車線境界線である。また、図中に示した破線と矢印は、運転者の視線を示す。ここに示したように、本発明に係る自動車運転補助装置は、標線枠と標線を通過する運転者の視線の先が、道路表面の車線境界線と一致するように設定されているで、運転者は、前記の状態が維持されるように運転することで、車線からのはみ出しを防止できる。
【0014】
図1、
図2においては、運転者から見て右側の車線境界線を対象に、標線枠と標線が設定してあるが、左側についても同様に設定することで対応可能である。また、夜間は、ヘッドライトにより、車線境界線を視認できるが、標線枠と標線の視認が困難となる可能性がある。これには、標線枠と標線を対象とした照明装置を設置するか、標線枠や標線にLEDなどの発光手段を付加することで対応可能である。
【0015】
以上に説明したように、本発明によれば、運転者が視線を大きく動かすことなく、自動車が車線からはみ出さないように運転するための、自動車運転補助装置を提供できる。本発明の自動車運転補助装置は、簡単な構造で、既存の自動車に取り付けることが可能なので、車線からの自動車のはみ出しによる、交通事故の発生を抑制できる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0016】
1・・・標線枠 2・・・標線
3・・・フロントガラス 4・・・ボンネット
5・・・車線境界線