IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 井上 裕夫の特許一覧

特開2024-162937網点を含む印刷物から線画文字を劣化させずに網点除去する方法。
<>
  • 特開-網点を含む印刷物から線画文字を劣化させずに網点除去する方法。 図1
  • 特開-網点を含む印刷物から線画文字を劣化させずに網点除去する方法。 図2
  • 特開-網点を含む印刷物から線画文字を劣化させずに網点除去する方法。 図3
  • 特開-網点を含む印刷物から線画文字を劣化させずに網点除去する方法。 図4
  • 特開-網点を含む印刷物から線画文字を劣化させずに網点除去する方法。 図5
  • 特開-網点を含む印刷物から線画文字を劣化させずに網点除去する方法。 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162937
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】網点を含む印刷物から線画文字を劣化させずに網点除去する方法。
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/40 20060101AFI20241114BHJP
   H04N 1/409 20060101ALI20241114BHJP
   G06T 5/00 20240101ALI20241114BHJP
【FI】
H04N1/40 075
H04N1/409
G06T5/00 700
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023089195
(22)【出願日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】523199966
【氏名又は名称】井上 裕夫
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕夫
【テーマコード(参考)】
5B057
5C077
【Fターム(参考)】
5B057AA11
5B057CA07
5B057CA12
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE06
5C077LL01
5C077LL06
5C077MP02
5C077PP04
5C077PP49
(57)【要約】      (修正有)
【課題】網点画像を含む印刷物から線画、文字のボケによる品質の劣化を抑制して網点画像を連続調画像に変換する方法を提供する。
【解決手段】方法は、網点を含む印刷物をスキャナやカメラを用いて多値デジタル画像化を行い、この多値デジタル画像データに対して2次元フーリエ変換を行う。そして、パワースペクトル画像に現れる網点の間隔に起因する規則的なパワーをカットし、このパワースペクトル画像を逆フーリエ変換で写真画像に戻すことで網点が除去された連続調画像を得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
網点を含む印刷物を多値デジタル画像化したものに対して、フーリエ変換を用いて、網点配列の周波数に起因するパワースペクトルを削除することにより、文字、線画を劣化させることなく網点除去した連続調画像データを得ることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、網印刷物の網点除去に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の網点画像を連続調画像に変換するには、平滑化処理する方法であった。特許文献0003は、文字、網点、写真が混在する画像領域を画像判別回路で判定し、別個に処理を行うもので、網点部分については、平滑化演算により除去するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61-80969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来の平滑化方法では網点の連続諧調化はできても印刷物に含まれる線画や文字までボケてしまう。特許文献0003の方法では、処理工程が複雑となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、印刷物をスキャナやカメラなどで多値デジタル画像化を行い、このデジタルデータに対して2次元フーリエ変換を行う。パワースペクトル画像に現れる網点の間隔に起因する規則的なパワーをカットし、逆フーリエ変換で写真画像に戻すことで網点除去を行うことを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の方法により線画や文字の品質を良好に保持したまま、網点を連続調画像化することができる。この方法により網点を用いて印刷された印刷物を自由に調子再現性を調整し、画像品質を高めることが可能なデータし、さまざまな出力方法で再利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】〔第一図〕網点印刷物からスキャナで8bitでデジタル画像化した例である。左上白枠部分を拡大したものが次の〔第二図〕である。
図2】〔第二図〕この例では網点が13°方向及びその直角方向103°さらにその45°方向に網点が並んでいる。
図3】〔第三図〕〔第一図〕のデジタルデータを高速フーリエ変換(以後FFT)をなって得られたパワースペクトル図である。網点配列に起因した規則的なパワーのピークが見られる。アメリカ国立衛生研究所の提供するImageJを使用した。
図4】〔第四図〕原点(OHz,DC成分)を除く規則的に並んだピークを削除する。黒で表示される。
図5】〔第五図〕これを逆フーリエ変換すると網点が除去された画像が得られる。線画、文字の品位は劣化してない。
図6】〔第六図〕〔第五図〕の白枠部分を拡大したものである。網点は中間調のグレーになり、線の劣化は見られない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
~構成・具体例~
印刷物をデジタル画像化するためには、スキャナやカメラなどでTIFFやPNGなどの多値画像データにする。
画像データを高速フーリエ変換する手段の一つとしては、ImageJなどのアプリケーションを用いると計算結果をパワースペクトル図として得られる。
アプリケーションの機能を利用して削除すべき網点配列固有のピークを削除する。
その結果を高速逆府フーリエ変換することで網点除去画像が得られる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6