IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162954
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20241114BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20241114BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K3/46 N
H05K3/46 Q
H05K1/03 610B
H05K3/46 T
H05K1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147584
(22)【出願日】2023-09-12
(31)【優先権主張番号】10-2023-0060636
(32)【優先日】2023-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 治鉉
(72)【発明者】
【氏名】李 晟煥
(72)【発明者】
【氏名】郭 鉉想
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316CC09
5E316CC18
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD33
5E316DD47
5E316EE31
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG18
5E316GG23
5E316GG28
5E316JJ02
5E338AA03
5E338AA16
5E338AA18
5E338BB19
5E338BB75
5E338EE23
5E338EE27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガラス材料を用いるにもかかわらず、配線層の密着問題を解決することができ、このような配線層が形成されたガラス層を多層として含むプリント回路基板を提供する。
【解決手段】それぞれのガラス層にパターン溝と貫通孔を形成した後、めっきで充填して埋め込みパターンを形成し、このような複数のガラス層を上下に接合して実現するプリント回路基板100Aであって、第1ガラス層111と、第1ガラス層111の上側及び下側にそれぞれ埋め込まれた第1配線層121及び第2配線層122と、第1ガラス層111を貫通し、第1配線層121及び第2配線層122と連結された第1ビア層131と、第1ガラス層111の上面上に配置された第2ガラス層112と、第2ガラス層112の上側に埋め込まれた第3配線層123と、第2ガラス層112を貫通し、第1配線層121及び第3配線層123と連結された第2ビア層132と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガラス層と、
前記第1ガラス層の上側及び下側にそれぞれ埋め込まれた第1配線層及び第2配線層と、
前記第1ガラス層を貫通し、前記第1配線層及び前記第2配線層と連結された第1ビア層と、
前記第1ガラス層の上面上に配置された第2ガラス層と、
前記第2ガラス層の上側に埋め込まれた第3配線層と、
前記第2ガラス層を貫通し、前記第1配線層及び前記第3配線層と連結された第2ビア層と、
を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1ガラス層及び前記第2ガラス層はそれぞれ板ガラス(plate glass)を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1ガラス層は前記第2ガラス層よりも厚い、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1ガラス層の上面及び下面は、それぞれ前記第1配線層の上面及び前記第2配線層の下面と同一平面をなし、
前記第2ガラス層の上面は、前記第3配線層の上面と同一平面をなす、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第2ガラス層は前記第1ガラス層と直接接触し、
前記第2ビア層は前記第1配線層と直接接触する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1ガラス層及び前記第2ガラス層のそれぞれの二酸化ケイ素(SiO)が直接接合され、
前記第1配線層及び前記第2ビア層のそれぞれの銅(Cu)が直接接合される、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1ガラス層及び前記第2ガラス層の間に配置された第1接着層をさらに含み、
前記第2ビア層は前記第1接着層をさらに貫通し、
前記第1接着層は前記第1配線層の露出した上面を覆う、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第2ガラス層の上面上に配置され、前記第3配線層の少なくとも一部を露出させる第1開口を有する第1レジスト層と、
前記第1レジスト層の前記第1開口上に配置され、接続部材を介して前記第3配線層の露出した少なくとも一部と連結された半導体チップと、
をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第1ガラス層の下面上に配置された第3絶縁層と、
前記第3絶縁層の下側に配置された第4配線層と、
前記第3絶縁層を貫通し、前記第2配線層及び前記第4配線層と連結された第3ビア層と、
をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第3絶縁層は板ガラス(plate glass)を含む、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第3絶縁層は有機絶縁層(organic insulating layer)を含む、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記第3絶縁層は前記第1ガラス層と直接接触し、
前記第3ビア層は前記第2配線層と直接接触する、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記第1ガラス層及び前記第3絶縁層の間に配置された第2接着層をさらに含み、
前記第3ビア層は前記第2接着層をさらに貫通し、
前記第2接着層は前記第2配線層の露出した下面を覆う、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記第3絶縁層の下面上に配置され、前記第4配線層の少なくとも一部を露出させる第2開口を有する第2レジスト層と、
前記第2レジスト層の前記第2開口上に配置され、前記第4配線層の露出した少なくとも一部と連結された電気連結金属と、
をさらに含む、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
上面及び下面にそれぞれ第1パターン溝及び第2パターン溝が形成され、前記第1パターン溝及び前記第2パターン溝の間に前記第1パターン溝及び前記第2パターン溝を連結する第1貫通孔が形成された第1ガラス層と、
前記第1パターン溝及び前記第2パターン溝と前記第1貫通孔を充填する第1金属層と、
前記第1ガラス層の上面上に配置され、上面に第3パターン溝が形成され、前記第3パターン溝の下側に第2貫通孔が形成された第2ガラス層と、
前記第3パターン溝及び前記第2貫通孔を充填する第2金属層と、
を含む、プリント回路基板。
【請求項16】
前記第1ガラス層及び前記第2ガラス層は互いに直接接触し、
前記第1金属層及び前記第2金属層は互いに直接接触する、請求項15に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージ技術は絶えず発展しており、特に伝統的な基板作製方式である有機(organic)材料から脱却してガラス(glass)材料を使用しようとする試みが続いている。一方、伝統的なパッケージはコストが安く、技術が成熟しており信頼性が高いが、有機材料の特性上、平坦度を下げにくく、トレースの微細化に限界がある。逆に、ガラス材料を用いる場合、平坦度が低くトレースの微細化が可能であるが、パターニング時に銅(Cu)が付着しにくいため、洗浄過程で銅が剥離することがあり、またガラス材料を単層ではなく多層に適用するには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のいくつかの目的の一つは、ガラス材料を用いるにもかかわらず、配線層の密着問題を解決することができ、このような配線層が形成されたガラス層を多層として含むプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち一つは、それぞれのガラス層にパターン溝と貫通孔を形成した後、めっきで充填して埋め込みパターンを形成し、このような複数のガラス層を上下に接合して多層プリント回路基板を実現することである。
【0005】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、第1ガラス層と、上記第1ガラス層の上側及び下側にそれぞれ埋め込まれた第1配線層及び第2配線層と、上記第1ガラス層を貫通し、上記第1配線層及び上記第2配線層と連結された第1ビア層と、上記第1ガラス層の上面上に配置された第2ガラス層と、上記第2ガラス層の上側に埋め込まれた第3配線層と、上記第2ガラス層を貫通し、上記第1配線層及び上記第3配線層と連結された第2ビア層と、を含むものであることができる。
【0006】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、上面及び下面にそれぞれ第1パターン溝及び第2パターン溝が形成され、上記第1パターン溝及び上記第2パターン溝の間に上記第1パターン溝及び上記第2パターン溝を連結する第1貫通孔が形成された第1ガラス層と、上記第1パターン溝及び上記第2パターン溝及び上記第1貫通孔を充填する第1金属層と、上記第1ガラス層の上面上に配置され、上面に第3パターン溝が形成され、上記第3パターン溝の下側に第2貫通孔が形成された第2ガラス層と、上記第3パターン溝及び上記第2貫通孔を充填する第2金属層と、を含むものであってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の様々な効果のうち一効果として、ガラス材料を用いるにもかかわらず、配線層の密着問題を解決することができ、このような配線層が形成されたガラス層を多層として含むプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子機器システムの一例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
図4a図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図4b図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図4c図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図4d図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図4e図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図4f図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図4g図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図4h図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図5】プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図6a図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図6b図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図6c図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図6d図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図6e図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図6f図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図6g図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図6h図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図6i図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
図7図3のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
図8図5のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0010】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されても又はされなくてもよい他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0017】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0018】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されても又はされなくてもよい他の部品が内部に収容されている。部品1120のうち一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されるプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0019】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【0020】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板100Aは、第1ガラス層111、第1ガラス層111の上側及び下側にそれぞれ埋め込まれた第1及び第2配線層121、122、第1ガラス層111を貫通して第1及び第2配線層121、122と連結された第1ビア層131、第1ガラス層111の上面上に配置された第2ガラス層112、第2ガラス層112の上側に埋め込まれた第3配線層123、第2ガラス層112を貫通して第1及び第3配線層121、123と連結された第2ビア層132、第1ガラス層111の下面上に配置された第3ガラス層113、第3ガラス層113の下側に埋め込まれた第4配線層124、及び/又は第3ガラス層113を貫通して第2及び第4配線層122、124と連結された第3ビア層133を含むことができる。
【0021】
必要に応じて、第2ガラス層112の上面上に配置され、第3配線層123の少なくとも一部を露出させる第1開口o1を有する第1レジスト層141、第3ガラス層113の下面上に配置され、第4配線層124の少なくとも一部を露出させる第2開口o2を有する第2レジスト層142、第1開口o1上に配置され、接続部材152を介して第3配線層123の露出した少なくとも一部と連結された半導体チップ151、第1開口o1内で半導体チップ151の下側を固定するアンダーフィル153、及び/又は第2レジスト層141の第2開口o2上に配置され、第4配線層124の露出した少なくとも一部と連結された電気連結金属154をさらに含むことができる。
【0022】
第1ガラス層111の上面及び下面にはそれぞれ第1及び第2パターン溝g1、g2が形成されることができ、第1及び第2パターン溝g1、g2の間には第1及び第2パターン溝g1、g2を連結する第1貫通孔h1が形成されることができる。第1及び第2パターン溝g1a、g2と第1貫通孔h1は、第1金属層m1で充填されることができる。第2ガラス層112の上面には第3パターン溝g3が形成されることができ、第3パターン溝g3の下側には第2貫通孔h2が形成されることができる。第3パターン溝g3及び第2貫通孔h2は、第2金属層m2で充填されることができる。第3ガラス層113の下面には第4パターン溝g4が形成されることができ、第4パターン溝g4の下側には第3貫通孔h3が形成されることができる。第4パターン溝g4及び第3貫通孔h3は、第3金属層m3で充填されることができる。第1~第3金属層m1、m2、m3は、互いに区分される別途の層であってもよい。
【0023】
第1ガラス層111の上面は第2ガラス層112の下面と直接接触することができ、第1ガラス層111の下面は第3ガラス層113の上面と直接接触することができる。例えば、第1及び第2ガラス層111、112のそれぞれの二酸化ケイ素(SiO)と第1及び第3ガラス層111、113のそれぞれの二酸化ケイ素(SiO)とが直接接合されることができる。また、第1配線層121は第2ビア層132と直接接触することができ、第2配線層122は第3ビア層133と直接接触することができる。例えば、第1配線層121及び第2ビア層132のそれぞれの銅(Cu)が直接接合されることができ、第2配線層122及び第3ビア層133のそれぞれの銅(Cu)が直接接合されることができる。例えば、第1金属層m1と第2金属層m2とが直接接合されることができ、第1金属層m1と第3金属層m3とが直接接合されることができる。例えば、銅(Cu)-二酸化ケイ素(SiO)ハイブリッド接合により第1~第4配線層121、122、123、124及び第1~第3ビア層131、132、133が形成された第1~第3ガラス層111、112、113が上下に接合されることができる。
【0024】
このように、一例に係るプリント回路基板100Aは、第1~第3ガラス層111、112、113に第1~第4パターン溝g1、g2、g3、g4及び第1~第3貫通孔h1、h2、h3を形成した後、これらを第1~第3金属層m1、m2、m3で充填することができ、その結果、第1~第3ガラス層111、112、113に埋め込みパターンの形態で第1~第4配線層121、122、123、124及び第1~第3ビア層131、132、133を形成することができる。したがって、平坦度によって第1~第4配線層121、122、123、124が第1~第3ガラス層111、112、113と密着しないという問題を解決することができる。また、このような第1~第3ガラス層111、112、113が上下に接合された構造を有することにより、別途の蒸着工程がなくても多層形態のプリント回路基板を実現することができる。さらに、ガラス材料を含む多層基板であるため、従来の有機材料を用いた多層基板に比べて、誘電損失及び表面粗さによる損失などを減らすことができ、ファインパターニングにおいてより有利であり得る。また、高い誘電率でデバイスサイズをより減少させることができる。
【0025】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0026】
第1~第3ガラス層111、112、113はそれぞれ非結晶質固体であるガラスを含むことができる。ガラスは、例えば、純粋な二酸化ケイ素(約100%SiO)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、代案のガラス材料である、例えば、フッ素ガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなども材料として使用することができる。なお、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含むこともできる。このような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、このような元素、並びに他の元素の炭酸塩及び/又は酸化物を含むことができる。
【0027】
第1~第3ガラス層111、112、113は、ガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などを含む有機絶縁材料、例えば、CCL(Copper Clad Laminate)、PPG(Prepreg)などとは区別される層であってもよい。例えば、第1~第3ガラス層111、112、113はそれぞれ板ガラス(plate glass)を含むことができる。第1ガラス層111はコア層であってもよく、第2及び第3ガラス層112、113はビルドアップ層であってもよい。したがって、第1ガラス層111は第2及び第3ガラス層112、113のそれぞれより厚いことができる。
【0028】
第1~第4パターン溝g1、g2、g3、g4は、それぞれ第1~第3ガラス層111、112、113のうちいずれか一つの上面又は下面から、厚さ方向に第1~第3ガラス層111、112、113のうちいずれか一つの一部を貫通することができる。例えば、第1パターン溝g1は、第1ガラス層111の上面から第1ガラス層111の一部を厚さ方向に貫通することができ、第2パターン溝g2は、第1ガラス層111の下面から第1ガラス層111の一部を厚さ方向に貫通することができ、第3パターン溝g3は、第2ガラス層112の上面から第2ガラス層112の一部を厚さ方向に貫通することができ、第4パターン溝g4は、第3ガラス層113の下面から第3ガラス層113の一部を厚さ方向に貫通することができる。第1~第4パターン溝g1、g2、g3、g4は、それぞれライン(又はトレース)形態、プレーン(又はプレート)形態、パッド(又はランド)形態などで様々に形成されてもよい。第1~第4パターン溝g1、g2、g3、g4は、それぞれ一つ以上の溝、好ましくは、複数の溝を有することができる。第1~第4パターン溝g1、g2、g3、g4は、それぞれ断面形状が四角形であってもよいが、これに限定されるものではなく、円形又は楕円形に形成されてもよい。
【0029】
第1~第3貫通孔h1、h2、h3は、それぞれ第1~第3ガラス層111、112、113を厚さ方向に貫通することができる。例えば、第1貫通孔h1は第1ガラス層111を貫通して第1及び第2パターン溝g1、g2と連結されることができ、第2貫通孔h2は第2ガラス層112を貫通して第1及び第3パターン溝g1、g3と連結されることができ、第3貫通孔h3は第3ガラス層113を貫通して第2及び第4パターン溝g2、g4と連結されることができる。第1~第3貫通孔h1、h2、h3はそれぞれ一つ以上のホール、好ましくは、複数のホールを有することができる。第1~第3貫通孔h1、h2、h3は、それぞれ断面形状がテーパ形状であってもよいが、これに限定されるものではなく、楕円形状、砂時計形状など、他の形態で形成されてもよい。限定されない一例として、第1貫通孔h1と第2貫通孔h2とは、互いに同じ方向にテーパ形状を有することができ、第3貫通孔h3は、第1及び第2貫通孔h1、h2とは反対方向にテーパ形状を有することができる。
【0030】
第1~第3金属層m1、m2、m3は、それぞれ第1~第4パターン溝g1、g2、g3、g4及び第1~第3貫通孔h1、h2、h3を充填することができる。例えば、第1金属層m1は第1及び第2パターン溝g1、g2と第1貫通孔h1を充填することができ、第2金属層m2は第3パターン溝g3及び第2貫通孔h2を充填することができ、第3金属層m3は第4パターン溝g4及び第3貫通孔h3を充填することができる。第1~第3金属層m1、m2、m3は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができ、好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第3金属層m1、m2、m3は、互いに境界を有する区分された層であってもよい。第1~第3金属層m1、m2、m3はそれぞれシード金属層をさらに含むことができる。第1~第3金属層m1、m2、m3のそれぞれのシード金属層は、第1~第4パターン溝g1、g2、g3、g4及び第1~第3貫通孔h1、h2、h3のそれぞれの壁面と底面に薄い厚さで配置されることができる。
【0031】
第1~第4配線層121、122、123、124はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第4配線層121、122、123、124は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンは、それぞれライン(又はトレース)、プレーン(又はプレート)、パッド(又はランド)などの様々な形態を有することができる。第1~第4配線層121、122、123、124は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、両方を含んでもよい。
【0032】
第1ガラス層111の上面及び下面は、それぞれ第1配線層121の上面及び第2配線層122の下面と実質的に同一平面をなすことができる。第2ガラス層112の上面は、第3配線層123の上面と実質的に同一平面をなすことができる。第3ガラス層113の下面は、第4配線層124の下面と実質的に同一平面をなすことができる。例えば、第1~第4配線層121、122、123、124は、第1~第3ガラス層111、112、113に実質的にETS(Embedded Trace Substrate)の形態で埋め込まれてもよい。したがって、平坦度による密着問題を容易に解決することができ、微細回路の形成がより容易となる可能性があり、基板の全厚を容易に減少させることができる。
【0033】
第1~第3ビア層131、132、133はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第3ビア層131、132、133は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第1~第3ビア層131、132、133は、それぞれ断面形状がテーパ形状であってもよいが、これに限定されるものではなく、楕円形状、砂時計形状など、他の形態で形成されてもよい。第1~第3ビア層131、132、133は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、両方を含んでもよい。
【0034】
第1ビア層131は、第1及び第2配線層121、122と同じ第1金属層m1を含むことができ、これにより第1ビア層131は第1及び第2配線層121、122のそれぞれの少なくとも一部と境界なしに一体化することができる。第2ビア層132は、第3配線層123と同じ第2金属層m2を含むことができ、これにより第2ビア層132は、第3配線層123の少なくとも一部と境界なしに一体化することができる。第3ビア層133は、第4配線層124と同じ第3金属層m3を含むことができ、これにより第3ビア層133は、第4配線層124の少なくとも一部と境界なしに一体化することができる。
【0035】
第1及び第2レジスト層141、142は、それぞれ液状又はフィルムタイプの半田レジスト(Solder Resist)を含むことができるが、これに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材を含むこともできる。第1開口o1及び/又は第2開口o2に露出するパターン上には、必要に応じて表面処理層が形成されてもよい。また、第1開口o1及び/又は第2開口o2に露出するパターン上には金属バンプが形成されてもよい。
【0036】
半導体チップ151は、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化された集積回路(IC:Integrated Circuit)ダイ(Die)を含むことができる。このとき、集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、アプリケーションプロセッサ(例えば、AP)、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップであってもよいが、これらに限定されるものではなく、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、HBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ、又はPMIC(Power Management IC)のような他の種類であってもよいことは勿論である。半導体チップ151は複数個であってもよく、この場合、互いに同一又は異なってもよい。
【0037】
半導体チップ151はアクティブウエハに基づいて形成されたものであってもよく、この場合、本体をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが使用されることができる。本体には様々な回路が形成されていてもよい。本体には接続パッドが形成されることができ、接続パッドはアルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含むことができる。半導体チップ151はベアダイ(bare die)であってもよく、この場合、接続パッド上には金属バンプが配置されてもよい。半導体チップ151は、パッケージ化されたダイ(packaged die)であってもよく、この場合、接続パッド上にさらに再配線層が形成され、再配線層上に金属バンプが配置されることができる。
【0038】
接続部材152は、低融点金属、例えば、錫(Sn)-アルミニウム(Al)-銅(Cu)などの半田などで形成されてもよいが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれに限定されるものではない。接続部材152はボールなどであってもよい。接続部材152は多重層又は単一層で形成されてもよい。多重層で形成される場合には銅柱及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合には錫-銀半田や銅を含むことができるが、これに限定されるものではない。接続部材152は複数個であってもよく、その数は特に限定されない。
【0039】
アンダーフィル153は、絶縁材、例えば、エポキシ絶縁材を含むことができるが、これに限定されるものではない。アンダーフィル153は、第2ガラス層112の上面と半導体チップ151の下面との間に配置されることができ、接続部材152を覆うことができる。
【0040】
電気連結金属154は、プリント回路基板100Aを電子機器のメインボードや他の基板などに連結させることができる。電気連結金属154は、導電性物質、例えば、半田などで形成されてもよいが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれに限定されるものではない。電気連結金属154はボール、ピンなどであってもよい。電気連結金属154は多重層又は単一層で形成されてもよい。多重層で形成される場合には銅柱及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合には、錫-銀半田や銅を含むことができるが、これに限定されるものではない。電気連結金属154は複数個であってもよく、その数は特に限定されない。
【0041】
図4a~図4hは、図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【0042】
図4aを参照すると、第1ガラス層111を準備する。第1ガラス層111は板ガラス(plate glass)の形態であってもよい。
【0043】
図4bを参照すると、第1ガラス層111の上面上に溝210Hを有するマスク210を付着する。溝210Hは、マスク210を厚さ方向に貫通する形態であってもよく、複数個であってもよい。それぞれの溝210Hは、ライン(又はトレース)、プレーン(又はプレート)、パッド(又はランド)などの様々な形態を有することができる。
【0044】
図4cを参照すると、第1ガラス層111の上面に第1パターン溝g1を形成する。例えば、マスク210の溝210Hを介して露出する第1ガラス層111の上面をエッチング処理して第1パターン溝g1を形成することができる。
【0045】
図4b及び図4cを参照して説明した工程と実質的に同じ工程によって、第1ガラス層111の下面に第2パターン溝g2を形成することができる。
【0046】
図4dを参照すると、第1ガラス層111に第1貫通孔h1を形成する。例えば、第1及び第2パターン溝g1、g2の間の第1ガラス層111をドリリング等を用いて貫通することで第1貫通孔h1を形成することができる。
【0047】
図4eを参照すると、第1ガラス層111に第1金属層m1を形成する。例えば、めっき工程で第1及び第2パターン溝g1、g2と第1貫通孔h1を充填して第1金属層m1を形成することができる。めっき工程は、無電解めっき、電解めっきなどを順次に行うことができる。必要に応じて、他の導電体プラグ工程を用いることができる。これにより、第1ガラス層111に第1及び第2配線層121、122と第1ビア層131が形成されることができる。
【0048】
図4a~図4eを参照して説明した工程と実質的に同じ工程によって、第2及び第3ガラス層112、113に第3及び第4パターン溝g3、g4と第2及び第3貫通孔h2、h3と第2及び第3金属層m2、m3を形成することができる。これにより、第2及び第3ガラス層112、113に第3及び第4配線層123、124と第2及び第3ビア層132、133が形成されることができる。
【0049】
図4f及び図4gを参照すると、第1~第3ガラス層111、112、113を上下に接合する。例えば、第1金属層m1が形成された第1ガラス層111の上部及び下部に第2金属層m2が形成された第2ガラス層112、及び第3金属層m3が形成された第3ガラス層113をそれぞれ配置した後、第1~第3金属層m1、m2、m3と第1~第3ガラス層111、112、113とを上下に接合させることができる。例えば、銅(Cu)-二酸化ケイ素(SiO)ハイブリッド接合を用いることができる。例えば、第1~第3ガラス層111、112、113のそれぞれの二酸化ケイ素(SiO)が接合された後、次いで第1~第3金属層m1、m2、m3のそれぞれの銅(Cu)が接合されることができる。
【0050】
図4hを参照すると、第2及び第3ガラス層112、113上にそれぞれ第1及び第2開口o1、o2を有する第1及び第2レジスト層141、142を形成する。第1及び第2レジスト層141、142は、半田レジスト材料の塗布及び乾燥で形成することができるが、これに限定されるものではなく、フィルム状態の半田レジスト層をラミネートする方法により形成することもできる。必要に応じて、第1レジスト層141上に上述の半導体チップ151を実装することができ、半導体チップ151の実装には接続部材152とアンダーフィル153が用いられることができる。一連の過程を通じて、上述した一例に係るプリント回路基板100Aが製造できる。
【0051】
その他の内容は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複説明は省略する。
【0052】
図5は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0053】
図面を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板100Bは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aにおいて、第1及び第2ガラス層111、112の間に配置された第1接着層161、及び/又は第1及び第3ガラス層111、113の間に配置された第2接着層162をさらに含むことができる。第2貫通孔h2、例えば、第2ビア層132は第1接着層161をさらに貫通することができ、第3貫通孔h3、例えば、第3ビア層133は第2接着層162をさらに貫通することができる。第1接着層161は第1配線層121の露出した上面を覆うことができ、第2接着層162は第2配線層122の露出した下面を覆うことができる。このように、他の一例では、第1~第4配線層121、122、123、124及び第1~第3ビア層131、132、133が形成された第1~第3ガラス層111、112、113が第1及び第2接着層161、162を介して上下に接合されることができる。第1及び第2接着層161、162は、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂を含む接着フィルムなどを含むことができるが、これに限定されるものではなく、その他にも異なる接合材料を含むことができる。第1及び第2接着層161、162のそれぞれの厚さは特に限定されないが、少なくとも第1~第3ガラス層111、112、113のそれぞれよりも薄くてもよい。
【0054】
その他の内容は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複説明は省略する。
【0055】
図6a~図6iは、図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【0056】
図6a~図6eは、上述した図4a~図4eで説明した工程と実質的に同じである。これにより、第1~第3ガラス層111、112、113に第1~第4パターン溝g1、g2、g3、g4を形成することができる。また、第1ガラス層111には、第1貫通孔h1及び第1金属層m1をさらに形成することができる。例えば、第1ガラス層111に第1及び第2配線層121、122と第1ビア層131を形成することができる。
【0057】
図6fを参照すると、第1ガラス層111の上面及び下面上にそれぞれ第1及び第2接着層161、162を付着する。第1及び第2接着層161、162はそれぞれフィルムの形態で付着することができるが、これに限定されるものではない。
【0058】
図6gを参照すると、第1接着層161の上面上に第3パターン溝g3が形成された第2ガラス層112を付着する。また、第2接着層162の下面上に第4パターン溝g4が形成された第3ガラス層113を付着する。次に、第2ガラス層112と第1接着層161とを貫通する第2貫通孔h2、及び第3ガラス層113と第2接着層162とを貫通する第3貫通孔h3を形成する。例えば、第3パターン溝g3の下側の第2ガラス層112と第1接着層161、及び第4パターン溝g4の上側の第3ガラス層113と第2接着層162をそれぞれドリリング等を用いて貫通することで、第2及び第3貫通孔h2、h3を形成することができる。
【0059】
図6hを参照すると、第2及び第3ガラス層112、113にそれぞれ第2及び第3金属層m2、m3を形成する。例えば、めっき工程で第3及び第4パターン溝g3、g4と第2及び第3貫通孔h2、h3を充填して第2及び第3金属層m2、m3を形成することができる。めっき工程は、無電解めっき、電解めっきなどを順次に行うことができる。必要に応じて、他の導電体プラグ工程を用いることができる。これにより、第2ガラス層112に第3配線層123及び第2ビア層132を形成することができる。また、第3ガラス層113に第4配線層124及び第3ビア層133を形成することができる。
【0060】
図6iを参照すると、第2及び第3ガラス層112、113上にそれぞれ第1及び第2開口o1、o2を有する第1及び第2レジスト層141、142を形成する。必要に応じて、第1レジスト層141上に上述の半導体チップ151を実装することができ、半導体チップ151の実装には接続部材152及びアンダーフィル153が用いられることができる。一連の過程を通じて、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bが製造できる。
【0061】
その他の内容は、上述した一例に係るプリント回路基板100A、他の一例に係るプリント回路基板100B、及び上述した一例に係るプリント回路基板100Aの製造方法で説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複説明は省略する。
【0062】
図7及び図8は、それぞれ図3及び図5のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0063】
図面を参照すると、変形例に係るプリント回路基板100C、100Dは、それぞれ上述した一例及び他の一例に係るプリント回路基板100A、100Bにおいて、第3絶縁層である第3ガラス層113が第3有機絶縁層113’で代替されることができる。例えば、変形例に係るプリント回路基板100C、100DがBGA(Ball Grid Array)基板等に適用される場合、底面側には相対的にファインパターンが不要であることがある。よって、この場合には、下側に一般的な有機絶縁層(organic insulating layer)、例えば、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などがビルドアップ層として適用されることができる。例えば、第3有機絶縁層113’は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む有機絶縁材を含むことができる。第3有機絶縁層113’の下側に配置される第4配線層124は、第3有機絶縁層113’の下側に埋め込まれてもよいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、第3有機絶縁層113’の下面上に突出して配置されてもよい。
【0064】
その他の内容は、上述した一例及び他の一例に係るプリント回路基板100A、100Bで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複説明は省略する。また、上述した一例及び他の一例に係るプリント回路基板100A、100Bの製造工程において、一般的なビルドアップ工程を組み合わせる場合、上述した変形例に係るプリント回路基板100C、100Dが製造されることができ、これに対する重複説明は省略する。
【0065】
本発明において、「覆う」とは、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく、間接的に覆う場合も含むことができる。また、「充填する」とは、完全に充填する場合だけでなく、ほぼ充填する場合を含むことができ、例えば、一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。
【0066】
本発明において、実質的には、製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、「実質的に同一平面をなす」とは、完全に同一平面に存在する場合だけでなく、ほぼ同一平面に存在する場合も含むことができる。
【0067】
本発明において、「同じ絶縁材」とは、全く同一の絶縁材である場合だけでなく、同じタイプの絶縁材を含む意味であることができる。したがって、絶縁材の組成は実質的に同一であるものの、それらの具体的な組成比は少しずつ異なることがある。
【0068】
本発明において、断面上における意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物を垂直に切断したときの断面形状、あるいは対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上における意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、あるいは対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0069】
本発明において、下側、下部、下面などは、便宜上、図面の断面を基準として下方向を意味するものとして使用し、上側、上部、上面などは、その反対方向を意味するものとして使用している。但し、これは、説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論であり、上/下の概念はいつでも変更することができる。
【0070】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用するものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0071】
本発明で使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例に説明されている事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0072】
本発明で使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0073】
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラ
1060:アンテナ
1070:ディスプレイ
1080:バッテリ
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:マザーボード
1120:部品
1121:部品パッケージ
1130:カメラモジュール
1140:スピーカ
100A、100B、100C、100D:プリント回路基板
111、112、113:ガラス層
g1、g2、g3、g4:パターン溝
h1、h2、h3:貫通孔
m1、m2、m3:金属層
121、122、123、124:配線層
131、132、133:ビア層
141、142:レジスト層
151:半導体チップ
152:接続部材
153:アンダーフィル
154:電気連結金属
161、162:接着層
210:マスク
210H:溝
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図6g
図6h
図6i
図7
図8