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特開2024-162955情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162955
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147805
(22)【出願日】2023-09-12
(62)【分割の表示】P 2023077019の分割
【原出願日】2023-05-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年3月6日、ウェブサイト(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000045379.html)への掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年3月6日、ウェブサイト(https://findy-code.io/openai-career-summarize/lp)への掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年3月6日、ウェブサイト(htpps://findy-code.io/ai-interview /lp)への掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年4月5日、ウェブサイト(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000045379.html)への掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年3月7日、ウェブサイト(https://thebridge.jp/2023/03/internet-services-to-change-radically-with-chatgpt-the-second-part)への掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年4月6日、ウェブサイト(https://thebridge.jp/2023/04/findy-releases-automatic-job-history-with-chatgpt?fbclid=IwAR3uB_WOnjXDflz90mQZVgzela8po_Gv2nTODmUdQ7o8vUbVDleluLNoZg)への掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年4月26日、ウェブサイト(https://thebridge.jp/2023/04/how-does-startup-think-about-a-new-chat-gpt-era-interview-w-findy-yamada-san-and-sato-san)への掲載
(71)【出願人】
【識別番号】516291402
【氏名又は名称】ファインディ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】志賀 優毅
(72)【発明者】
【氏名】笹野 翔太
(72)【発明者】
【氏名】向 晃弘
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L049CC17
5L050CC17
(57)【要約】
【課題】求職者の負担を少なくとも軽減しながら、当該求職者の採用に有用な情報を入手可能とする。
【解決手段】本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、求職者に関する求職者情報を取得する手段、求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のレジュメ情報を取得する手段、レジュメ情報を出力する手段、として機能させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
求職者に関する求職者情報を取得する手段、
前記求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された前記求職者のレジュメ情報を取得する手段、
前記レジュメ情報を出力する手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記求職者情報は、前記求職者の属性、経歴、特性、または意思の少なくとも1つに関する情報を含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記求職者情報は、前記求職者が次の職に求める事項に関する情報を含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1モデル入力情報は、特定の求人情報にさらに基づく、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、ユーザが所属する企業の求人情報から前記特定の求人情報を特定する手段として、さらに機能させ、
前記求職者のレジュメ情報を取得する手段は、前記求職者情報と、前記特定の求人情報とに基づく前記第1モデル入力情報を前記自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された前記求職者のレジュメ情報を取得し、
前記出力する手段は、前記レジュメ情報を前記ユーザに提示する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記求職者は、前記特定の求人情報に対して推奨された者である、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記求職者は、前記特定の求人情報に応募した者である、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項8】
前記特定の求人情報は、募集対象の職種に関する情報、または求人企業が求める人物像の要件に関する情報の少なくとも1つを含む、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項9】
前記特定の求人情報は、前記求職者によって指定された求人情報である、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項10】
前記求職者情報を取得する手段は、前記求職者に対して1以上の項目のそれぞれについて質問を出力し、当該質問に対する回答を受け付け、当該回答に基づいて前記求職者情報を取得する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記1以上の項目のそれぞれに少なくとも1つの質問が関連付けられており、
前記求職者情報を取得する手段は、前記質問に対する回答が適切であるか否かを前記自然言語モデルに判定させ、いずれかの項目に関する質問に対する回答が適切でないと判定された場合に、当該項目に関する質問の表現を変更して前記求職者に対して出力する、
請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記求職者情報を取得する手段は、前記1以上の項目に含まれる第1項目に複数の質問が関連付けられている場合に、前記第1項目に関連付けられた前記複数の質問のいずれかをランダムに選択して前記求職者に対して出力する、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記求職者情報を取得する手段は、前記質問に対する回答が適切であるか否かを前記自然言語モデルに判定させ、いずれかの項目に関して出力した質問に対する回答が適切であると判定された場合に、当該回答を当該項目に関する前記求職者情報として取得する、
請求項10に記載のプログラム。
【請求項14】
前記第1モデル入力情報は、前記レジュメ情報の態様を制約する情報にさらに基づく、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項15】
前記求職者情報は、前記求職者が外部システムを利用することで当該外部システムに蓄積された情報を含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項16】
前記コンピュータを、
前記レジュメ情報に基づく第2モデル入力情報を前記自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された前記求職者のキャッチフレーズを取得する手段、
前記キャッチフレーズを出力する手段、
として機能させ、
前記キャッチフレーズは、前記レジュメ情報に比べて文章量が少ない、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項17】
前記自然言語モデルは、対話型の大規模言語モデルであり、
前記第1モデル入力情報は、前記求職者情報を含む指示文である、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項18】
コンピュータが、
求職者に関する求職者情報を取得するステップと、
前記求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された前記求職者のレジュメ情報を取得するステップと、
前記レジュメ情報を出力するステップと
を実行する、方法。
【請求項19】
求職者に関する求職者情報を取得する手段と、
前記求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された前記求職者のレジュメ情報を取得する手段と、
前記レジュメ情報を出力する手段と
を具備する情報処理装置。
【請求項20】
第1情報処理装置と第2情報処理装置とを具備するシステムであって、
前記第1情報処理装置は、
求職者に関する求職者情報を取得する手段と、
前記求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された前記求職者のレジュメ情報を取得する手段と、
前記レジュメ情報を前記第2情報処理装置へ出力する手段と
を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
転職活動では、求職者が、自身の経験やスキルを活かして応募先企業においてどのように貢献できるか、を記述したレジュメ(職務経歴書ともいう)を作成する必要がある。求職者は、過去に作成したレジュメを流用できる場合もあるとはいえ、応募先企業毎にレジュメを作成する必要があり、煩雑に感じることがある。他方、求人企業の採用担当者が、求職者が人材マッチングプラットフォームに登録したプロフィール情報を元に採用候補となる(例えばスカウト文書を送付する対象となる)求職者を探索しようとする場合がある。このとき、プロフィール情報には当該企業が重要視する要素とそうでない要素とが混在しているため、プロフィール情報の確認負担は小さくない。
【0003】
特許文献1には、ユーザが登録したレジュメデータに基づいて、企業側が登録したサマリー項目に応じたサマリーを生成する技術的思想について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-142939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術的思想によれば、生成されるサマリーの品質は、企業側が登録したサマリー項目に大きく依存する。故に、企業側の担当者が適切でないサマリー項目を設定した場合に、当該企業における採用と関連性の高い情報がサマリーから欠落したり、関連性の低い情報がサマリーに残存したりするおそれがある。
【0006】
本開示の目的は、求職者の負担を少なくとも軽減しながら、当該求職者の採用に有用な情報を入手可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、求職者に関する求職者情報を取得する手段、求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のレジュメ情報を取得する手段、レジュメ情報を出力する手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態の一態様の説明図である。
図5】本実施形態の情報処理のフローチャートである。
図6】変形例1の一態様の説明図である。
図7】変形例1の情報処理のフローチャートである。
図8】変形例1の求職者情報の取得の詳細のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30とを備える。
クライアント装置10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0012】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスを当該クライアント装置10に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。サーバ30は、求職者および求人企業(スカウトを含み得る)が参加する人材マッチングサービス(「人材マッチングプラットフォーム」と呼ぶこともできる)を管理することができる。人材マッチングサービスは、求職者と求人企業とを結びつける場に相当する。本明細書において、求職者とは、求職の意向がある者を含み、少なくとも人材マッチングサービス上に求職者情報を登録、または登録の準備(例えば、履歴書ファイルもしくは職務経歴書ファイルのアップロード、または求職者情報の入力)をする者を含む。同様に、求人企業とは、求人の意思のある法人または個人を含み、少なくとも人材マッチングサービスを利用して直接または(スカウトを介して)間接的に採用活動(例えば、スカウト文書の送付、求人情報の登録、または登録の準備)を行う者を含む。
【0013】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。クライアント装置10のユーザは、求職者、求人企業に属する人物(例えば、求人企業の採用担当者)、または求人企業にふさわしいと思われる求職者を紹介する者(いわゆる転職エージェント)である。ここで、求人企業の採用担当者は、人事部門の担当者に限られず、例えば求人によって人を採用しようとしている部門の担当者であってもよい。求職者は、転職活動または(再)就職活動を行っている者、またはこれらの活動に興味のある者である。
【0014】
ここで、人材マッチングサービスの管理に関するサーバ30の挙動の例について説明する。具体的には、サーバ30は、求職者から提供されたプロフィール情報を、例えば求人企業の採用担当者が閲覧可能な状態(例えば匿名かつ検索可能な状態で公開)とする。採用担当者は、自社にふさわしいと思われる求職者に対して、スカウト文書を作成し、送付することができる。或いは、サーバ30は、求人企業から提供された求人情報を、例えば求職者が閲覧可能な状態で公開する。求職者は、自身にふさわしいと思われる求人企業に対して、レジュメを作成し、求人に応募することができる。このようにして、求人企業と、求職者とを結びつけることができる。
【0015】
(1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置の構成について説明する。図2は、本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。クライアント装置10は、ディスプレイ21に接続される。
【0017】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0018】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ、または専用アプリケーション)のプログラム
【0019】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0020】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0021】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ21、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0022】
通信インタフェース14は、クライアント装置10と外部装置(例えば、サーバ30)との間の通信を制御するように構成される。
【0023】
ディスプレイ21は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0024】
(1-2)サーバの構成
サーバの構成について説明する。図3は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0025】
図3に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0026】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0027】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0028】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0029】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0030】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0031】
通信インタフェース34は、サーバ30と外部装置(例えば、クライアント装置10)との間の通信を制御するように構成される。
【0032】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。図4は、本実施形態の一態様の説明図である。
【0033】
図4に示すように、求人企業の採用担当者に相当するユーザUS1は、クライアント装置10を操作し、自身が所属する企業の求人情報のうち特定の求人情報(「対象求人情報」の一例)を入力または指定する。対象求人情報は、求職者のレジュメ情報の作成に用いられる求人情報である。クライアント装置10は、対象求人情報、または対象求人情報を特定可能な情報(例えばURL、識別情報など)をサーバ30へ送信する。
【0034】
同様に、ユーザUS1は、クライアント装置10を操作し、特定の求職者に関する求職者情報(「対象求職者情報」の一例)を入力または指定する。対象求職者情報は、求職者のレジュメ情報の作成に用いられる、当該求職者の求職者情報である。クライアント装置10は、対象求職者情報、または対象求職者情報を特定可能な情報(例えばURL(Uniform Resource Locator)、識別情報など)をサーバ30へ送信する。
【0035】
サーバ30は、クライアント装置10から受信した情報に基づいて対象求人情報および対象求職者情報を取得する。サーバ30は、対象求人情報および対象求職者情報に基づくモデル入力情報を自然言語モデルML5に入力することで、当該自然言語モデルML5によって生成された上記特定の求職者のレジュメ情報を取得する。
【0036】
ここで、自然言語モデルML5は、例えば指示文に応じた自然言語処理を行い、応答文を生成する学習済みモデルである。指示文は、対象求人情報または対象求職者情報の少なくとも一方を含み得る。自然言語モデルML5は、指示文の受け付けと、応答分の生成とを交互に行う対話型(チャット型または会話形と呼ぶこともできる)のモデルであってよい。自然言語モデルML5は、大量のテキストデータで学習した大規模言語モデル、または当該大規模言語モデルを転移学習したモデルであってよい。また、自然言語モデルML5は、情報処理システム1の外部のシステムにおいて構築されていてもよい。
【0037】
サーバ30は、取得したレジュメ情報をクライアント装置10へ送信する。クライアント装置10は、サーバ30から受信したレジュメ情報をユーザUS1に提示する。
【0038】
これにより、サーバ30は、特定の求職者(対象求人情報に対応する求職者)のレジュメを当該求職者に作成させることなく、ユーザUS1に当該求職者のレジュメ情報を提供することができる。つまり、求職者によるレジュメの作成負担を少なくとも軽減しながら、求人企業の採用担当者であるユーザUS1は当該求職者のレジュメ情報を入手することができる。また、ユーザUS1は、対象求人情報を考慮して生成されたレジュメ情報を閲覧可能となるので、対象求職者情報を閲覧する場合に比べて上記特定の求職者を採用候補とするか否かの判断材料となる情報を効率的に確認することができる。例えば、ユーザUS1がインフラエンジニアの採用担当であり、かつ求職者がインフラエンジニアとバックエンドエンジニアの両方の職歴がある場合に、例えばバックエンドエンジニアとしての経歴の記載を控えめとする一方でインフラエンジニアとしての経歴の記載を厚めにしたレジュメ情報を提供することで、当該求職者を採用候補とするか否かの判断に必要な情報を残しながら、ユーザUS1の確認負担を減らすことができる。
【0039】
(3)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。図5は、本実施形態の情報処理のフローチャートである。
【0040】
図5の処理は、例えばクライアント装置10が、人材マッチングサービスにアクセスし、求職者のレジュメ情報の作成を開始する指示をユーザ(例えば求人企業の採用担当者)から受け付けることで開始してもよい。
【0041】
図5に示すように、サーバ30は、求人情報の取得(S130)を実行する。
具体的には、サーバ30は、対象求人情報、または対象求人情報を特定可能な情報をクライアント装置10から受信する。サーバ30は、受信した情報に基づいて対象求人情報を取得する。
第1例として、ユーザは、クライアント装置10のディスプレイ21に表示されている、人材マッチングサービスのUI(User Interface)画面上に配置された求人情報を受け付けるオブジェクトに、自身が属する企業による求人情報のうち関心のあるものを入力する。クライアント装置10は、このオブジェクトへの入力内容を対象求人情報としてサーバ30へ送信する。
第2例として、ユーザは、クライアント装置10のディスプレイ21に表示されている、人材マッチングサービスのUI画面上で、自身が属する企業による求人情報のリストから関心のある求人情報を指定する。クライアント装置10は、指定された求人情報を識別する情報(例えば、指定された求人情報に対応する求人を識別する求人ID、または指定された求人情報を閲覧可能なURL)を、対象求人情報を特定可能な情報としてサーバ30へ送信する。
【0042】
対象求人情報は、例えば以下のいずれかであってもよい。
・求職者の推奨がなされた求人情報
・求職者からの応募があった求人情報
・人材マッチングサービス上で閲覧可能な自社の求人情報のうち、ユーザが選択、またはリアクション(例えば、いいね、コメント、またはタグ付け等)した求人情報
ここで、求人情報に対する求職者の推奨は、情報処理システム1(特にサーバ30)によって例えばルールベースで、または学習済みモデルを用いて行われてもよいし、人間(スカウト)によって行われてもよい。
【0043】
対象求人情報は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・募集対象の職種に関する情報
・求人企業が求める人物像の要件(例えば、必須スキル、歓迎スキル、または利用技術など)に関する情報
・採用後に予定されている処遇に関する情報
・求人企業に関する情報(例えば、企業名、または企業情報など)
【0044】
ステップS130の後に、サーバ30は、求職者情報の取得(S131)を実行する。
具体的には、サーバ30は、特定の求職者に関する対象求職者情報、または当該対象求職者情報を特定可能な情報をクライアント装置10から受信する。サーバ30は、受信した情報に基づいて対象求職者情報を取得する。
第1例として、ユーザは、クライアント装置10のディスプレイ21に表示されている、人材マッチングサービスのUI画面上に配置された求職者情報を受け付けるオブジェクトに、関心のある求職者の求職者情報を例えばコピーアンドペーストにより入力する。クライアント装置10は、このオブジェクトへの入力内容を対象求職者情報としてサーバ30へ送信する。
第2例として、ユーザは、クライアント装置10のディスプレイ21に表示されている、人材マッチングサービスのUI画面上で閲覧した求職者情報を指定する。例えば、人材マッチングサービスには、求職者によって本人の求職者情報が閲覧可能に登録されており、ユーザ(求人企業の担当者)は閲覧した求職者情報のうち関心のあるものを指定することができる。クライアント装置10は、指定された求職者情報を識別する情報(例えば、指定された求職者情報に対応する求職者を識別するユーザID、または指定された求職者情報を閲覧可能なURL)を、対象求職者情報を特定可能な情報としてサーバ30へ送信する。
【0045】
対象求職者情報に対応する求職者は、例えば以下のいずれかであってもよい。
・ユーザが属する企業による求人情報(例えばステップS130において取得した対象求人情報)に対して採用候補として推奨された求職者
・ユーザが属する企業による求人情報(例えばステップS130において取得した対象求人情報)に対して応募した求職者
・人材マッチングサービス上で閲覧可能な求職者情報を参考に、ユーザが選択、またはリアクション(例えば、いいね、コメント、またはタグ付け等)した求職者
【0046】
求職者情報は、求職者の氏名、属性、経歴、特性、または意思の少なくとも1つに関する情報を含むことができる。
求職者の属性は、例えば、性別、年齢、または居住地の少なくとも1つを含むことができる。
求職者の経歴は、例えば、職種、役職、勤務先、職務経歴(例えば、在籍期間、または経験したプロジェクトの概要を含み得る)、または学歴の少なくとも1つを含むことができる。
求職者の特性は、例えば、スキル、英語力、使用技術、嗜好、長所、または短所の少なくとも1つを含むことができる。
求職者の意思は、例えば、将来取り組みたいこと(具体的には、希望職種、希望業務、または希望キャリアなどの次の職に求める事項)、将来取り組みたくないこと、または希望収入の少なくとも1つを含むことができる。
【0047】
また、対象求職者情報は、求職者が作成したレジュメに相当してもよい。この場合に、サーバ30によって作成されるレジュメ情報は、求職者が作成したレジュメを、対象求人情報向けにリバイズ(例えば要約)した結果に相当し得る。
【0048】
サーバ30は、求人情報の取得(S130)および求職者情報の取得(S131)を以下に例示する態様で行うことができる。
第1例として、サーバ30は、ユーザが所属する企業(求人企業)による求人情報のいずれかにマッチする求職者情報を探索し、発見した求職者情報に対応する求職者をユーザに推奨してもよい。そして、サーバ30は、推奨の対象である求人情報(例えば、推奨された求職者の求職者情報にマッチすると判定された求人情報)を取得し、推奨された求職者の求職者情報を取得してもよい。
第2例として、サーバ30は、ユーザが所属する企業(求人企業)による求人情報のいずれかに対応する応募またはリアクションを求職者から受け付けてもよい。そして、サーバ30は、応募またはリアクションの対象である求人情報を取得し、応募またはリアクションを行った求職者の求職者情報を取得してもよい。
【0049】
ステップS131の後に、サーバ30は、レジュメ情報の取得(S132)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS130において取得した対象求人情報と、ステップS131において取得した対象求職者情報とに基づくモデル入力情報を生成する。一例として、サーバ30は、対象求人情報および対象求職者情報に基づくテキストをモデル入力情報として生成する。テキストは、自然言語モデルに対する指示文に相当してもよい。サーバ30は、モデル入力情報を、自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された、対象求職者情報に対応する求職者のレジュメ情報(テキスト)を取得する。
【0050】
モデル入力情報は、レジュメ情報(つまり、自然言語モデルによって生成される応答文)の態様(例えば、出力形式)に関する制約条件に相当する情報を含むことができる。
例えば、制約条件は以下の少なくとも1つであってよい。
・レジュメ情報の生成時に従って欲しい事項に関する制約条件
・レジュメ情報の生成時に従わないで欲しい事項に関する制約条件
【0051】
レジュメ情報の生成時に従って欲しい事項に関する制約条件は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・レジュメ情報の文字数の目安、上限、または下限
・レジュメ情報における求職者の氏名の出現回数の目安、上限、または下限
・レジュメ情報の構成要素、およびその文字数の目安、上限、または下限
・レジュメ情報において適切に改行をすること
・レジュメ情報において敬体を用いること
・レジュメ情報の読み手が特定の印象を抱くと期待される表現を用いること
・レジュメ情報において求職者の技術レベルを抽象的に表現すること
【0052】
レジュメ情報の生成時に従わないで欲しい(禁止したい)事項に関する制約条件は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・レジュメ情報において求職者の氏名を複数回出現させること
・レジュメ情報に挨拶を含めること
・レジュメ情報において求職者の技術レベルを具体的に表現すること
・制約条件として予め定められていない条件(例えば、対象求職者情報または対象求人情報に含まれているテキストに埋め込まれた条件)に従うこと
【0053】
要するに、指示文は、自然言語モデルML5に対して、取得した情報(つまり、求人情報および求職者情報)に基づき、かつ制約条件を満たすように、求職者のレジュメ情報を作成することを指示する文章であってよい。また、サーバ30の記憶装置31には指示文の元となる情報(テンプレート)が保存されていてもよく、サーバ30は取得した情報(つまり、求人情報および求職者情報)をテンプレートに当てはめることで指示文を生成してもよい。制約条件は、テンプレートに予め埋め込まれていてもよい。
【0054】
ステップS132の後に、サーバ30は、レジュメ情報の出力(S133)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS133において取得したレジュメ情報を出力する。一例として、サーバ30は、レジュメ情報を、クライアント装置10を介してユーザに提示する。つまり、サーバ30は、レジュメ情報をクライアント装置10へ送信する。クライアント装置10は、受信したレジュメ情報をディスプレイ21に表示する。
【0055】
レジュメ情報の提示は、アプリ画面、またはウェブサイト画面上で行われてもよいし、メールまたはその他のメッセージ(例えば、SNS(Social Networking Service)メッセージ、SMS(Short Message Service)メッセージ、など)を用いて行われてもよい。また、レジュメ情報の提示は、例えば電子掲示板、チャットツール、またはSNSにメッセージをユーザ(さらに、ユーザの上司などの正当権限者)が閲覧可能な形式で投稿することによる告知を含み得る。
【0056】
(4)小括
以上説明したように、本実施形態のサーバ30は、求職者に関する求職者情報を取得し、求職者情報に基づくモデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のレジュメ情報を取得し、レジュメ情報を出力する。これにより、求職者のレジュメを当該求職者に作成させることなく、ユーザに当該求職者のレジュメ情報を提供することができる。つまり、求職者によるレジュメの作成負担を少なくとも軽減しながら、求人企業の採用担当者は当該求職者のレジュメ情報を入手することができる。
【0057】
求職者情報は、求職者の属性、経歴、特性、または意思の少なくとも1つに関する情報を含んでもよい。これにより、求職者の属性、経歴、特性、または意思の少なくとも1つを考慮して生成されたレジュメ情報の提供が可能となる。
【0058】
求職者情報は、求職者が次の職に求める事項に関する情報を含んでもよい。これにより、求職者が次の職に求める事項を考慮して生成されたレジュメ情報の提供が可能となる。
【0059】
モデル入力情報は、特定の求人情報(つまり、対象求人情報)にさらに基づいてもよい。これにより、特定の求人情報を考慮して生成されたレジュメ情報の提供が可能となる。
【0060】
サーバ30は、ユーザが所属する企業の求人情報から特定の求人情報を特定し、求職者情報と、特定の求人情報とに基づくモデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のレジュメ情報を取得し、レジュメ情報をユーザに提示してもよい。これにより、ユーザは、自身が所属する企業の求人情報を考慮して生成されたレジュメ情報を閲覧可能となるので、求職者情報そのものを閲覧する場合に比べて、対応する求職者を採用候補とするか否かの判断材料となる情報を効率的に確認することができる。
【0061】
求職者は、特定の求人情報に対して推奨された者であってもよい。これにより、ユーザに、当該ユーザが所属する企業の求人情報に対して推奨された者のレジュメ情報を提供することができる。
【0062】
求職者は、特定の求人情報に応募した者であってもよい。これにより、ユーザに当該ユーザが所属する企業の求人情報に対して応募した者のレジュメ情報を提供することができる。
【0063】
特定の求人情報は、募集対象の職種に関する情報、または求人企業が求める人物像の要件に関する情報の少なくとも1つを含んでもよい。これにより、募集対象の職種に関する情報、または求人企業が求める人物像の要件に関する情報の少なくとも1つを考慮して生成されたレジュメ情報の提供が可能となる。
【0064】
モデル入力情報は、レジュメ情報の態様を制約する情報にさらに基づいてもよい。これにより、適切な態様のレジュメ情報を安定的に取得することが可能となる。
【0065】
(5)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0066】
(5-1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、求職者との質疑応答を通じて求職者情報を収集し、当該求職者のレジュメ情報を提供可能とする例である。
【0067】
(5-1-1)変形例1の一態様
変形例1の一態様について説明する。図6は、変形例1の一態様の説明図である。
【0068】
図6に示すように、求職者に相当するユーザUS2は、クライアント装置10を操作し、自身のレジュメ情報の作成を開始する。サーバ30は、ユーザUS2に対して、レジュメ情報に関する1以上の項目のそれぞれについて質問を出力し、当該質問に対する回答を受け付ける(質疑応答)。そして、サーバ30は、ユーザUS2からの回答に基づいて、当該ユーザUS2の求職者情報を取得する。ただし、サーバ30は、ユーザUS2からの回答のみに基づいて求職者情報を取得する必要はなく、他の情報源からの情報(例えば、ユーザが自主的に入力したプロフィール情報などの求職者情報)にさらに基づいて求職者情報を取得してもよい。
【0069】
サーバ30は、ユーザUS2の求職者情報に基づくモデル入力情報を自然言語モデルML5に入力することで、当該自然言語モデルML5によって生成されたユーザUS2のレジュメ情報を取得する。サーバ30は、オプションとして、ユーザUS2の求職者情報に加えて特定の求人情報(例えば、ユーザUS2の関心のある求人情報)にモデル入力情報を自然言語モデルML5に入力することで、当該自然言語モデルML5によって生成されたユーザUS2のレジュメ情報を取得してもよい。
【0070】
サーバ30は、取得したレジュメ情報をクライアント装置10へ送信する。クライアント装置10は、サーバ30から受信したレジュメ情報をユーザUS2に提示する。
【0071】
これにより、サーバ30は、ユーザUS2のレジュメの文章そのものを当該ユーザUS2に作成させることなく当該ユーザUS2に本人のレジュメ情報を提供することができる。つまり、ユーザUS2によるレジュメの作成負担を少なくとも軽減しながら、当該ユーザUS2は自身のレジュメ情報を入手することができる。
【0072】
(5-1-2)情報処理
変形例1の情報処理について説明する。図7は、変形例1の情報処理のフローチャートである。図8は、変形例1の求職者情報の取得の詳細のフローチャートである。
【0073】
図7の処理は、例えばクライアント装置10が、人材マッチングサービスにアクセスし、求職者のレジュメ情報の作成を開始する指示をユーザ(例えば求職者本人)から受け付けることで開始してもよい。
【0074】
図7に示すように、サーバ30は、求人情報の取得(S230)を実行する。
具体的には、サーバ30は、対象求人情報、または対象求人情報を特定可能な情報をクライアント装置10から受信する。サーバ30は、受信した情報に基づいて対象求人情報を取得する。なお、求人情報の取得(S230)は省略可能であり、この場合にサーバ30は、レジュメ情報の取得(S132)において対象求人情報に基づかないモデル入力情報を用いる。
第1例として、ユーザは、クライアント装置10のディスプレイ21に表示されている、人材マッチングサービスのUI画面上に配置された求人情報を受け付けるオブジェクトに、自身が関心のある企業による求人情報を入力する。クライアント装置10は、このオブジェクトへの入力内容を対象求人情報としてサーバ30へ送信する。
第2例として、ユーザは、クライアント装置10のディスプレイ21に表示されている、人材マッチングサービスのUI画面に含まれる求人情報のリストから関心のある求人情報を指定する。クライアント装置10は、指定された求人情報を識別する情報(例えば、指定された求人情報に対応する求人を識別する求人ID、または指定された求人情報を閲覧可能なURL)を、対象求人情報を特定可能な情報としてサーバ30へ送信する。
【0075】
対象求人情報は、例えば以下のいずれかであってもよい。
・ユーザが採用候補として推奨された求人情報
・求職者が応募した、または応募を予定している求人情報
・人材マッチングサービス上で閲覧可能な求人情報のうち、ユーザが選択、またはリアクション(例えば、いいね、コメント、またはタグ付け等)した求人情報
【0076】
ステップS230の後に、サーバ30は、求職者情報の取得(S231)を実行する。
具体的には、サーバ30は、特定の求職者に関する対象求職者情報、または当該対象求職者情報を特定可能な情報をクライアント装置10から受信する。サーバ30は、受信した情報に基づいて対象求職者情報を取得する。一例として、サーバ30は、図8の処理を実行する。
【0077】
図8に示すように、サーバ30は、質問の選択(S2310)を実行する。
具体的には、レジュメ情報に関する1以上の項目のそれぞれに少なくとも1つの質問が関連付けられている。サーバ30は、この1以上の項目のうち処理中の項目に関連付けられている質問から、いずれかを選択する。一例として、サーバ30は、処理中の項目に関連付けられている質問のいずれかをランダムに選択してもよい。
【0078】
ステップS2310の後に、サーバ30は、質問の出力(S2311)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS2310において選択した質問(質問文)をクライアント装置10へ送信する。なお、後述するステップS2315の後に質問の出力(S2311)を実行する場合に、サーバ30は表現を変更した質問をクライアント装置10へ送信する。
クライアント装置10は、受信した質問をディスプレイ21に表示する。クライアント装置10は、質問に対する回答をユーザから受け付け、当該回答をサーバ30へ送信する。
【0079】
ステップS2311の後に、サーバ30は、回答の取得(S2312)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS2311において出力した質問に対する回答をクライアント装置10から受信する。
【0080】
ステップS2312の後に、サーバ30は、回答の適切性の判定(S2313)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS2312において取得した回答が、処理中の項目に対して妥当であるか否かを判定する。一例として、サーバ30は、自然言語モデルにステップS2312において取得した回答が、処理中の項目に対して妥当であるか否かの判定を依頼する指示文を生成し、当該自然言語モデルに入力する。サーバ30は、自然言語モデルによって生成された応答文に基づいて、ステップS2312において取得した回答の適切性を判定する。
【0081】
ステップS2313において回答が適切と判定されなかった場合に、サーバ30は、質問表現の変更(S2315)を実行する。
具体的には、サーバ30は、処理中の項目に関してステップS2310において選択した質問についてユーザに問い直すために、当該質問の表現を変更する。一例として、サーバ30は、質問に基づくモデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、表現の変更された質問を取得する。例えば、サーバ30は、「直近のプロジェクトの概要について教えて下さい」という質問を「すみません、適切な回答を得られなかったため、改めて直近のプロジェクトの概要について教えて下さい」という質問に変更し得る。ステップS231の後、サーバ30は、質問の出力(S2311)を再実行する。これにより、処理中の項目について、異なる表現の質問をユーザに提示することができる。
【0082】
ステップS2313において回答が適切と判定され、かつ全項目の質疑応答が終了していない場合に、サーバ30は、次項目の選択(S2314)を実行する。
具体的には、サーバ30は、適切と判定された回答を、処理中の項目に関する求職者情報として取得する。そして、サーバ30は、質疑応答が終了していない項目のいずれかを、次の処理項目として選択する。ステップS2314の後に、サーバ30は、質問の選択(S2310)を再実行する。れにより、質疑応答が終了していない項目について、質問をユーザに提示することができる。
【0083】
ステップS2313において回答が適切と判定され、かつ全項目の質疑応答が終了している場合に、サーバ30は、図8の処理を終了する。
【0084】
さらに、サーバ30は、図8の処理とは異なる方法で取得した求職者情報を、対象求職者情報の一部として用いてもよい。
第1例として、ユーザは、クライアント装置10のディスプレイ21に表示されている、人材マッチングサービスのUI画面上に配置された求職者情報を受け付けるオブジェクトに、自身の求職者情報を入力する。クライアント装置10は、このオブジェクトへの入力内容を対象求職者情報の一部としてサーバ30へ送信する。
第2例として、ユーザは、クライアント装置10のディスプレイ21に表示されている、人材マッチングサービスのUI画面上で、登録済みの自身の求職者情報を指定する。クライアント装置10は、指定された求職者情報を識別する情報(例えば、ユーザを識別するユーザID、または指定された求職者情報を閲覧可能なURL)を、対象求職者情報の一部を特定可能な情報としてサーバ30へ送信する。
【0085】
ステップS231の後に、サーバ30は本実施形態と同様に、レジュメ情報の取得(S132)~レジュメ情報の出力(S133)を実行する。
【0086】
(5-1-3)小括
以上説明したように、変形例1のサーバ30は、求職者に対して1以上の項目のそれぞれについて質問を出力し、当該質問に対する回答を受け付け、当該回答に基づいて求職者情報を取得してもよい。これにより、サーバ30は、求職者のレジュメの文章そのものを当該求職者に作成させることなく当該求職者に本人のレジュメ情報を提供することができる。つまり、求職者によるレジュメの作成負担を少なくとも軽減しながら、当該求職者は自身のレジュメ情報を入手することができる。
【0087】
1以上の項目のそれぞれに少なくとも1つの質問が関連付けられていてもよい。サーバ30は、質問に対する回答が適切であるか否かを自然言語モデルに判定させ、いずれかの項目に関する質問に対する回答が適切でないと判定された場合に、当該項目に関連付けられる質問の表現を変更して求職者に対して出力してもよい。これにより、求職者が質問の趣旨を誤解して適切でない回答をした場合にも、異なる表現での質問を再提示し、適切な回答の取得可能性を高めることができる。
【0088】
サーバ30は、1以上の項目に含まれる第1項目に複数の質問が関連付けられている場合に、当該第1項目に関連付けられた複数の質問のいずれかをランダムに選択して求職者に対して出力してもよい。これにより、各項目について求職者に提示される質問が分散する。つまり、仮に一部の質問がユーザの誤解を招くなどの適切な表現でなかったとしても、当該質問が提示される頻度が極端に高くなることはないので、当該質問が頻繁に提示されることによる悪影響を緩和できる。
【0089】
サーバ30は、質問に対する回答が適切であるか否かを自然言語モデルに判定させ、いずれかの項目に関して出力した質問に対する回答が適切であると判定された場合に、当該回答を当該項目に関する求職者情報として取得してもよい。これにより、求職者情報の質を高め、結果的にレジュメ情報の質を高めることができる。
【0090】
対象求人情報は、求職者によって指定された求人情報であってよい。これにより、求職者の関心のある求人情報を考慮したレジュメ情報を提供することができる。
【0091】
なお、変形例1の情報処理は、本実施形態の情報処理と適宜組み合わせることができる。例えば、変形例1の情報処理と同様に求職者と自然言語モデルとの対話により取得した対象求人情報を用いて、本実施形態の情報処理と同様に、求人企業の採用担当者向けに、当該求人企業の特定の求人に適したレジュメ情報を取得し、提供してもよい。
【0092】
(6)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。ディスプレイ21は、クライアント装置10に内蔵されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。
【0093】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10及びサーバ30の何れでも実行可能である。また、上記説明では、情報処理において各ステップを特定の順序で実行する例を示したが、各ステップの実行順序は、依存関係がない限りは説明した例に制限されない。
【0094】
上記説明では、自然言語モデルを用いて求職者のレジュメ情報を取得する例を示した。この自然言語モデル、または別の自然言語モデルを用いて、求職者のキャッチフレーズを取得するようにしてもよい。キャッチフレーズは、レジュメ情報に比べて文章量が少なく、求職者の特徴を簡潔な言葉で表現する。サーバ30は、レジュメ情報の代わりにキャッチフレーズを出力(ユーザに提供)してもよいし、レジュメ情報とともにキャッチフレーズを出力してもよい。このようにして作成したキャッチフレーズを提供することで、求人企業の採用担当者が求職者情報のスクリーニング作業を効率化したり、求職者が自己アピールの素材の1つとして用いたりすることができる。
具体的には、サーバ30は、ステップS132において取得したレジュメ情報に基づくモデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のキャッチフレーズ(テキスト)を取得してもよい。一例として、サーバ30は、レジュメ情報に基づくテキストをモデル入力情報として生成する。テキストは、自然言語モデルに対する指示文に相当してもよい。また、モデル入力情報は、キャッチフレーズ(つまり、自然言語モデルによって生成される応答文)の態様(例えば、出力形式)に関する制約条件に相当する情報を含むことができる。
例えば、制約条件は以下の少なくとも1つであってよい。
・生成するキャッチフレーズの数
・キャッチフレーズの生成時に従って欲しい事項に関する制約条件
・キャッチフレーズの生成時に従わないで欲しい事項に関する制約条件
キャッチフレーズの生成時に従って欲しい事項に関する制約条件は、例えば、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・キャッチフレーズの文字数の目安、上限、または下限
・キャッチフレーズにおいて体言止めを用いること
・キャッチフレーズの読み手が特定の印象を抱くと期待される表現を用いること
キャッチフレーズの生成時に従わないで欲しい(禁止したい)事項に関する制約条件は、例えば、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・キャッチフレーズを文章とすること
・キャッチフレーズにおいて敬体を用いること
・キャッチフレーズにおいて人間にとって不快な表現を用いること
・キャッチフレーズに、当該キャッチフレーズを付けた理由の説明を含めること
【0095】
求職者情報は、求職者が外部システムを利用することで当該外部システムに蓄積された情報を含んでもよい。この場合に、サーバ30は、求職者情報の取得(S131)または求職者情報の取得(S231)において、外部システムから求職者情報を取得してもよい。これにより、求職者に入力負担をかけることなく取得可能な求職者情報を補強し、より高品質なレジュメ情報を提供することができる。
具体的には、サーバ30は、外部システムによって提供されるサービス(以下、「外部サービス」という)における求職者のアカウント情報(例えば、アカウント名、ログイン情報、またはそれらの組み合わせ)を用いて、外部システムから求職者情報を取得してもよい。サーバ30は、外部サービスのAPI(Application Programming Interface)を用いて求職者情報を取得してもよいし、外部サービスのWebページをクローリングすることで求職者情報を取得してもよい。サーバ30は、求職者が投稿したコンテンツに関する情報、イシュー管理サービスにおける求職者の活動を表すログ情報、または求職者が外部サービスに登録しているプロフィールに関する情報を取得し得る。外部サービスは、例えば、Qiita(登録商標)、Zenn(登録商標)、LinkedIn(登録商標)、note(登録商標)、Slide Share、またはSpeaker Deckを含み得るがこれらに限られない。
【0096】
サーバ30は、取得したキャッチフレーズまたはレジュメ情報に基づいて求職者に推奨する求人情報を探索し、探索された求人情報を出力してもよい。これにより、求職者と求人企業とのマッチング率を高めることができる。
具体的には、サーバ30は、キャッチフレーズまたはレジュメ情報と、求人情報とのマッチング処理を行い、スコアの降順に選択した所定数の求人情報、またはスコアが閾値を超えた求人情報を出力(求職者に提示)し得る。
【0097】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【0098】
(7)付記
実施形態および変形例で説明した事項を、以下に付記する。
【0099】
(付記1)
コンピュータ(30)を、
求職者に関する求職者情報を取得する手段(S131,S231)、
求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のレジュメ情報を取得する手段(S132)、
レジュメ情報を出力する手段(S133)、
として機能させるプログラム。
【0100】
(付記2)
求職者情報は、求職者の属性、経歴、特性、または意思の少なくとも1つに関する情報を含む、
付記1に記載のプログラム。
【0101】
(付記3)
求職者情報は、求職者が次の職に求める事項に関する情報を含む、
付記1に記載のプログラム。
【0102】
(付記4)
第1モデル入力情報は、特定の求人情報にさらに基づく、
付記1に記載のプログラム。
【0103】
(付記5)
コンピュータを、ユーザが所属する企業の求人情報から特定の求人情報を特定する手段(S130,S230)として、さらに機能させ、
求職者のレジュメ情報を取得する手段は、求職者情報と、特定の求人情報とに基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のレジュメ情報を取得し、
出力する手段は、レジュメ情報をユーザに提示する、
付記4に記載のプログラム。
【0104】
(付記6)
求職者は、特定の求人情報に対して推奨された者である、
付記4に記載のプログラム。
【0105】
(付記7)
求職者は、特定の求人情報に応募した者である、
付記4に記載のプログラム。
【0106】
(付記8)
特定の求人情報は、募集対象の職種に関する情報、または求人企業が求める人物像の要件に関する情報の少なくとも1つを含む、
付記4に記載のプログラム。
【0107】
(付記9)
特定の求人情報は、求職者によって指定された求人情報である、
付記4に記載のプログラム。
【0108】
(付記10)
求職者情報を取得する手段(S231)は、求職者に対して1以上の項目のそれぞれについて質問を出力し、当該質問に対する回答を受け付け、当該回答に基づいて求職者情報を取得する、
付記1に記載のプログラム。
【0109】
(付記11)
1以上の項目のそれぞれに少なくとも1つの質問が関連付けられており、
求職者情報を取得する手段は、質問に対する回答が適切であるか否かを自然言語モデルに判定させ、いずれかの項目に関する質問に対する回答が適切でないと判定された場合に、当該項目に関連付けられる質問の表現を変更して求職者に対して出力する、
付記10に記載のプログラム。
【0110】
(付記12)
求職者情報を取得する手段は、1以上の項目に含まれる第1項目に複数の質問が関連付けられている場合に、当該第1項目に関連付けられた複数の質問のいずれかをランダムに選択して求職者に対して出力する、
付記11に記載のプログラム。
【0111】
(付記13)
求職者情報を取得する手段は、質問に対する回答が適切であるか否かを自然言語モデルに判定させ、いずれかの項目に関して出力した質問に対する回答が適切であると判定された場合に、当該回答を当該項目に関する求職者情報として取得する、
付記10に記載のプログラム。
【0112】
(付記14)
第1モデル入力情報は、レジュメ情報の態様を制約する情報にさらに基づく、
付記1に記載のプログラム。
【0113】
(付記15)
求職者情報は、求職者が外部システムを利用することで当該外部システムに蓄積された情報を含む、
付記1に記載のプログラム。
【0114】
(付記16)
コンピュータを、
レジュメ情報に基づく第2モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のキャッチフレーズを取得する手段、
キャッチフレーズを出力する手段、
として機能させ、
キャッチフレーズは、レジュメ情報に比べて文章量が少ない、
付記1に記載のプログラム。
【0115】
(付記17)
自然言語モデルは、対話型の大規模言語モデルであり、
前記第1モデル入力情報は、前記求職者情報を含む指示文である、
付記1に記載のプログラム。
【0116】
(付記18)
コンピュータ(30)が、
求職者に関する求職者情報を取得するステップ(S131,S231)と、
求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のレジュメ情報を取得するステップ(S132)と、
レジュメ情報を出力するステップ(S133)と
を実行する、方法。
【0117】
(付記19)
求職者に関する求職者情報を取得する手段(S131,S231)と、
求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のレジュメ情報を取得する手段(S132)と、
レジュメ情報を出力する手段(S133)と
を具備する情報処理装置。
【0118】
(付記20)
第1情報処理装置(30)と第2情報処理装置(10)とを具備するシステム(1)であって、
第1情報処理装置は、
求職者に関する求職者情報を取得する手段(S131,S231)と、
求職者情報に基づく第1モデル入力情報を自然言語モデルに入力することで、当該自然言語モデルによって生成された求職者のレジュメ情報を取得する手段(S132)と、
レジュメ情報を第2情報処理装置へ出力する手段(S133)と
を備える、
システム。
【符号の説明】
【0119】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
21 :ディスプレイ
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8