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特開2024-162993永久磁石、デバイス、永久磁石の製造方法、及び永久磁石粉末の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162993
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】永久磁石、デバイス、永久磁石の製造方法、及び永久磁石粉末の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 1/057 20060101AFI20241114BHJP
   H01F 1/059 20060101ALI20241114BHJP
   H01F 41/02 20060101ALI20241114BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20241114BHJP
   B22F 3/00 20210101ALI20241114BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20241114BHJP
   B22F 9/04 20060101ALI20241114BHJP
   B22F 1/07 20220101ALI20241114BHJP
   B82Y 25/00 20110101ALI20241114BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20241114BHJP
   C22C 19/03 20060101ALI20241114BHJP
   C22C 19/07 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01F1/057 170
H01F1/059 130
H01F41/02 G
C22C38/00 303D
B22F3/00 F
B22F1/00 Y
B22F9/04 C
B22F9/04 E
B22F1/07
B82Y25/00
B82Y40/00
C22C19/03 D
C22C19/07 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219272
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2023078603
(32)【優先日】2023-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000134257
【氏名又は名称】株式会社トーキン
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】幕田 裕和
【テーマコード(参考)】
4K017
4K018
5E040
5E062
【Fターム(参考)】
4K017AA04
4K017BA06
4K017BB05
4K017BB09
4K017BB13
4K017CA07
4K017DA04
4K017DA05
4K017EA03
4K017EA09
4K018AA27
4K018BA18
4K018BB04
4K018BB06
4K018BB07
4K018BD01
4K018CA02
4K018CA04
4K018CA11
4K018DA31
4K018FA08
4K018KA45
5E040AA04
5E040AA19
5E040BD01
5E040CA01
5E040HB03
5E040HB11
5E040HB17
5E040NN01
5E040NN12
5E040NN15
5E040NN18
5E062CC05
5E062CD04
5E062CE04
5E062CG02
5E062CG05
(57)【要約】
【課題】保磁力の高い永久磁石、デバイス、永久磁石の製造方法、及び永久磁石粉末の製造方法を提供すること。
【解決手段】本開示にかかる永久磁石は、下記式(1)で表される組成を有する永久磁石であって、
式(1):(R1-xZr(T1-y-zCu
ここで、Rは、希土類元素から選ばれる少なくとも1種を表し、Tは、Fe、Co、及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Mは、C、N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、a、b及びcは各々原子%を示し、x、y及びzは各々Zr、Cu、及びMの比率を示し、かつ、5≦a≦10、b=100-(a+c)、3≦c≦20、0.01≦x≦0.5、0.001≦y≦0.1、0≦z≦0.1、を満たすものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される組成を有する永久磁石であって、
式(1):(R1-xZr(T1-y-zCu
ここで、
Rは、希土類元素から選ばれる少なくとも1種を表し、
Tは、Fe、Co、及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
Mは、C、N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
a、b及びcは各々原子%を示し、x、y及びzは各々Zr、Cu、及びMの比率を示し、かつ、
5≦a≦10、
b=100-(a+c)、
3≦c≦20、
0.01≦x≦0.5、
0.001≦y≦0.1、
0≦z≦0.1、を満たす、
永久磁石。
【請求項2】
ThMn12型の結晶構造を有する主相を含み、
X線回折スペクトルにおいて、前記結晶構造の211面に対応するX線回折ピークにおける半値幅が0.20°以上である、
請求項1に記載の永久磁石。
【請求項3】
前記X線回折スペクトルより算出される前記結晶構造の結晶子サイズが45nm未満である、
請求項2に記載の永久磁石。
【請求項4】
平均フェレ径が20nm未満であるホウ化物、又は炭化物の析出物を有する、
請求項1~3いずれか一項に記載の永久磁石。
【請求項5】
ThMn12型の結晶構造を有する主相結晶粒において、平均フェレ径が100nm未満であり、フェレ径の変動係数が0.4未満である、
請求項4に記載の永久磁石。
【請求項6】
前記Rの50原子%以上がSmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の永久磁石。
【請求項7】
前記Tの50原子%以上がFeである、請求項1~3のいずれか一項に記載の永久磁石。
【請求項8】
保磁力が3kOeを超える、請求項1~3のいずれか一項に記載の永久磁石。
【請求項9】
キュリー温度が400℃を超える、請求項1~3のいずれか一項に記載の永久磁石。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか一項に記載の永久磁石を有するデバイス。
【請求項11】
下記式(1)で表される組成を有する溶湯を準備し、
式(1):(R1-xZr(T1-y-zCu
ここで、
Rは、希土類元素から選ばれる少なくとも1種を表し、
Tは、Fe、Co、及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
Mは、C、N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
a、b及びcは各々原子%を示し、x、y及びzは各々Zr、Cu、及びMの比率を示し、かつ、
5≦a≦10、
b=100-(a+c)、
3≦c≦20、
0.01≦x≦0.5、
0.001≦y≦0.1、
0≦z≦0.1、を満たし、
前記溶湯を50~10K/secで急冷して合金とし、
前記合金を粉砕して粉体とし、
前記粉体を成形して成形体とし、
前記成形体を950℃から1250℃の温度範囲で焼結して焼結体とし、
前記焼結体を700℃から900℃の温度範囲で時効処理し、その後急冷する、
永久磁石の製造方法。
【請求項12】
下記式(1)で表される組成を有する溶湯を準備し、
式(1):(R1-xZr(T1-y-zCu
ここで、
Rは、希土類元素から選ばれる少なくとも1種を表し、
Tは、Fe、Co、及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
Mは、C、N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
a、b及びcは各々原子%を示し、x、y及びzは各々Zr、Cu、及びMの比率を示し、かつ、
5≦a≦10、
b=100-(a+c)、
3≦c≦20、
0.01≦x≦0.5、
0.001≦y≦0.1、
0≦z≦0.1、を満たし、
前記溶湯を50~10K/secで急冷して合金とし、
前記合金を700℃から900℃の温度範囲で結晶析出させ、
前記合金を粉砕して粉体とする、
永久磁石粉末の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は永久磁石、デバイス、永久磁石の製造方法、及び永久磁石粉末の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高残留磁化、高耐熱性を有する永久磁石が求められている。このような磁石材料の候補として、高飽和磁化、高キュリー温度を有するThMn12型正方晶構造を有するSmFe12系化合物が挙げられる。
【0003】
特許文献1は、飽和磁化と保磁力に優れ、かつ、保磁力の温度特性が改善された永久磁石として、ThMn12型正方晶構造を有する硬磁性相と、非磁性相とを含む合金からなる永久磁石が開示している。
【0004】
特許文献2は、飽和磁化を高める磁石材料として、ThMn12型結晶相からなる主相を具備し、特定の組成を有する磁石材料が開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-189206号公報
【特許文献2】特開2018-125512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ThMn12型正方晶構造を有するSmFe12系化合物において、更に、高保磁力化が求められている。
【0007】
本開示は上記課題を解決するものであり、保磁力の高い永久磁石、デバイス、永久磁石の製造方法、及び永久磁石粉末の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示にかかる永久磁石は、下記式(1)で表される組成を有する永久磁石であって、
式(1):(R1-xZr(T1-y-zCu
ここで、Rは、希土類元素から選ばれる少なくとも1種を表し、Tは、Fe、Co、及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Mは、C、N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、a、b及びcは各々原子%を示し、x、y及びzは各々Zr、Cu、及びMの比率を示し、かつ、5≦a≦10、b=100-(a+c)、3≦c≦20、0.01≦x≦0.5、0.001≦y≦0.1、0≦z≦0.1、を満たすものである。
【0009】
また、本開示にかかるデバイスは、当該永久磁石を有するものである。
【0010】
本開示にかかる永久磁石の製造方法は、下記式(1)で表される組成を有する溶湯を準備し、
式(1):(R1-xZr(T1-y-zCu
ここで、Rは、希土類元素から選ばれる少なくとも1種を表し、Tは、Fe、Co、及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Mは、C、N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、a、b及びcは各々原子%を示し、x、y及びzは各々Zr、Cu、及びMの比率を示し、かつ、5≦a≦10、b=100-(a+c)、3≦c≦20、0.01≦x≦0.5、0.001≦y≦0.1、0≦z≦0.1、を満たし、
前記溶湯を50~10K/secで急冷して合金とし、前記合金を粉砕して粉体とし、前記粉体を成形して成形体とし、前記成形体を950℃から1250℃の温度範囲で焼結して焼結体とし、前記焼結体を700℃から900℃の温度範囲で時効処理し、その後急冷するものである。
【0011】
本開示にかかる永久磁石粉末の製造方法は、下記式(1)で表される組成を有する溶湯を準備し、
式(1):(R1-xZr(T1-y-zCu
ここで、Rは、希土類元素から選ばれる少なくとも1種を表し、Tは、Fe、Co、及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Mは、C、N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、a、b及びcは各々原子%を示し、x、y及びzは各々Zr、Cu、及びMの比率を示し、かつ、5≦a≦10、b=100-(a+c)、3≦c≦20、0.01≦x≦0.5、0.001≦y≦0.1、0≦z≦0.1、を満たし、
前記溶湯を50~10K/secで急冷して合金とし、前記合金を700℃から900℃の温度範囲で結晶析出させ、前記合金を粉砕して粉体とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本開示により、保磁力の高い永久磁石、デバイス、永久磁石の製造方法、及び永久磁石粉末の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態に係る永久磁石のX線回折スペクトルのピークの半値幅と結晶子サイズとの相関を示す図である。
図2】実施例及び比較例の永久磁石のX線回折スペクトルである。
図3】実施例の永久磁石のX線回折スペクトルのピークの半値幅と熱処理温度との相関を示す図である。
図4】実施例及び比較例の永久磁石の磁化曲線を示す図である。
図5】実施例及び比較例の永久磁石のX線回折スペクトルである。
図6】実施例及び比較例の永久磁石の走査透過電子顕微鏡像である。
図7】実施例及び比較例の永久磁石の磁化曲線を示す図である。
図8】本実施の形態に係る永久磁石の結晶成長モデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施の形態の永久磁石、製造方法、及びデバイスについて説明する。なお、数値範囲を示す「~」は特に断りがない限り、その下限値及び上限値を含むものとする。
【0015】
[永久磁石]
本実施の形態に係る永久磁石は、下記式(1)で表される組成を有する永久磁石であって、
式(1):(R1-xZr(T1-y-zCu
ここで、
Rは、希土類元素から選ばれる少なくとも1種を表し、
Tは、Fe、Co、及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
Mは、C、N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Hf、Ta、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、
a、b及びcは各々原子%を示し、x、y及びzは各々Zr、Cu、及びMの比率を示し、かつ、
5≦a≦10、
b=100-(a+c)、
3≦c≦20、
0.01≦x≦0.5、
0.001≦y≦0.1、
0≦z≦0.1、を満たすものである。
【0016】
式(1)におけるRは、希土類元素を表す。本実施の形態に係る希土類元素は、La(ランタン)からLu(ルテチウム)までのランタノイドと、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)を含む元素の総称である。Rは上記希土類元素の中から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する。Rの割合が上記式(1)を満たす範囲で含有することにより磁気異方性が高く、かつ、高い保磁力を有する永久磁石が得られる。磁気異方性及び保磁力の観点から、Rは、Sm(サマリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Ce(セリウム)、La(ランタン)より選ばれることが好ましく、Smを含むことがより好ましい。更に、磁気異方性及び保磁力の観点から、Rのうち50原子%以上がSmであることが好ましく、80原子%以上がSmであることが好ましく、Rが実質的にSmであることがより好ましい。
【0017】
本実施の形態に係る永久磁石は、RとZr(ジルコニウム)の比(原子%)が(1-x):xとなる範囲でZrを含有する。Zrを上記範囲内で含有することにより、後述するM元素含有量を抑制させながらThMn12型の結晶構造を安定化することができ、その結果、飽和磁化が向上する。ThMn12型の結晶構造を安定化する観点から、xは0.01~0.5であればよく、更に磁気異方性及び保磁力の点から、0.2以下が好ましい。
【0018】
本実施の形態に係る永久磁石全体に対する、RとZrの合計の含有割合(a)は、ThMn12型結晶構造を主相とする点から、5~10である。磁化を高くする点から、aは9以下が好ましい。
【0019】
式(1)におけるTは、Fe(鉄)、Co(コバルト)、及びNi(ニッケル)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。Tの各元素は永久磁石の磁化に寄与する。磁化を高くする点からは、TがFeを含むことが好ましい。また、キュリー温度を高くする点、及び耐熱性を向上する点からは、TがCoを含むことが好ましい。磁化を高くする点から、Tのうち50原子%以上がFeであることが好ましく、60原子%以上がFeであることが好ましい。また、例えば、FeとCoを組み合わせて用いる場合、FeとCoの比(原子%)は、60:40~95:5が好ましく、70:30~80:20がより好ましい。本実施の形態に係る永久磁石において、Tの含有割合は、(1-y-z)で表される。
【0020】
Cu(銅)は、後述する観点から含有割合(y)が0.001~0.1であればよく、0.005~0.05がより好ましい。
【0021】
式(1)におけるMは、C(炭素)、N(窒素)、Al(アルミニウム)、Si(ケイ素)、P(リン)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブデン)、Hf(ハフニウム)、Ta(タンタル)、及びW(タングステン)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。Mの各元素は、ThMn12型結晶構造安定性を向上させることが可能であるが、本実施の形態に係る永久磁石において必須ではなく、Mの含有割合(z)が0~0.1であればよい。
【0022】
本実施の形態に係る永久磁石全体に対する、TとCuとMの合計の含有割合(b)は、100-(a+c)で表すことができ、ThMn12型結晶構造を主相とする点から、70~92である。磁化を高くする点から、bは75以上が好ましく、77以上がより好ましい。
【0023】
また、本実施の形態に係る永久磁石は、B(ホウ素)を3~20原子%含有する。B及びCuを上記範囲内で含むことにより、結晶子サイズが減少して保磁力が増加する。保磁力を更に増加する点からは、Bの含有割合(c)は3以上が好ましく、5以上がより好ましい。一方、飽和磁化の低下を抑制する点からは、Bの含有割合(c)は20以下が好ましく、15以下がより好ましい。
【0024】
さらに、本実施の形態に係る永久磁石は、式(1)におけるMを含むホウ化物の析出物を含むことができる。例えば、本実施の形態に係る永久磁石がMとしてTiを含む場合、永久磁石は、ホウ化チタンの析出物を含んでもよい。なお、析出物はホウ化物に限らず、例えば、本実施の形態に係る永久磁石がMとしてTi及びCを含む場合、永久磁石は、炭化チタンなどの炭化物を析出物として含んでもよい。
【0025】
本実施の形態に係る永久磁石に含まれるホウ化物、又は炭化物の析出物は、微細である方が1-12相の結晶粒径を小さくできるため好ましく、析出物の平均フェレ径は、20nm未満であることが好ましい。
【0026】
ここで、フェレ径とは、計測対象に外接する2本の平行線間の距離で定義され、その最大値を最大フェレ径と呼ぶ。フェレ径及び最大フェレ径は、例えば走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡から得られた観察像を、画像処理ソフトを用いて解析することによって得られる。したがって、析出物の平均フェレ径は、観察視野内に存在する析出物における最大フェレ径の平均値であり、主相結晶粒の平均フェレ径は、観察視野内に存在する主相結晶粒における最大フェレ径の平均値である。
【0027】
本実施の形態に係る永久磁石は、本開示の効果を奏する範囲で、不可避不純物を含有してもよい。不可避不純物は、原料や製造工程から不可避的に混入する元素であって、式(1)に含まれない元素(R、T、M、Zr、Cu、B以外の元素)である。具体的には、O(酸素)、S(硫黄)、Sn(スズ)等が挙げられるが、これらに限定されない。本実施の形態に係る永久磁石における不可避不純物の割合は、本実施の形態に係る永久磁石全量に対して、5原子%以下であることが好ましく、1原子%以下がより好ましく、0.1原子%以下がさらに好ましい。
【0028】
本実施の形態に係る永久磁石中の各元素の含有割合は、例えば、エネルギー分散型X線分析(EDX:Energy dispersive X-ray spectrometry)を用いて測定することができる。
【0029】
本実施の形態に係る永久磁石は、上記式(1)の組成を満たすことにより、ThMn12型の結晶構造を有する主相からなる結晶粒と、結晶粒の境界となる結晶粒界とを有する永久磁石となる。さらに、BとCuを含むことにより、結晶粒内に微細なCuの偏析が生じ、1-12相の結晶子サイズが小さくなる。これにより、本実施の形態に係る永久磁石は、ThMn12型結晶構造の安定性、飽和磁化、及び耐熱性に優れ、特に高い保磁力を有するようになる。
【0030】
また、本実施の形態に係る永久磁石がホウ化物、又は炭化物の析出物を含む場合には、ThMn12型の結晶構造を有する主相結晶粒において、平均フェレ径(平均結晶粒径)が100nm未満であり、フェレ径の変動係数が0.4未満であることが好ましい。ここで、変動係数は、結晶粒径のサイズのばらつきを表す指標であり、フェレ径の標準偏差を平均フェレ径で割ることによって得られる。
【0031】
本実施の形態に係る永久磁石は、一例として、保磁力(Hcj)が3.0kOeを超えるものを得ることができる。また、本実施の形態に係る永久磁石は、一例として、キュリー温度が400℃を超えるものを得ることができる。なお、結晶粒界の組織は、走査透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)を用いて観察することができる。キュリー温度は振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)を用いて測定することができる。また、保磁力は、直流磁化特性アナライザを用いて得られたJ-H曲線から求めることができる。
【0032】
[デバイス]
本開示は、更に本実施の形態に係る永久磁石を有するデバイスを提供することができる。このようなデバイスの具体例としては、例えば、時計、電動モータ、各種計器、通信機、コンピューター端末機、スピーカー、ビデオディスク、センサ等が挙げられる。また、本開示の永久磁石は、高い環境温度にあっても磁力が劣化しにくいため、自動車のエンジンルームで使用される角度センサ、イグニッションコイル、HEV(Hybrid electric vehicle)等の駆動モータ等にも好適に用いることができる。
【0033】
[永久磁石の製造方法]
本実施の形態に係る永久磁石の製造方法は、上記式(1)で表される組成を有する溶湯を準備する工程(I)と、溶湯を50~10K/secで急冷して合金とする工程(II)と、合金を粉砕して粉体とする工程(III)と、粉体を成形して成形体とする工程(IV)と、成形体を950℃から1250℃の温度範囲で焼結して焼結体とする工程(V)と、焼結体を700℃から900℃の温度範囲で時効処理し、その後急冷する工程(VI)と、を有する。
【0034】
本実施の形態に係る製造方法により、ThMn12型の結晶構造を有する主相からなる微細な結晶子を有した本実施の形態に係る永久磁石を好適に製造することができる。
【0035】
まず、式(1)で表される組成を有する溶湯を準備する(工程(I))。溶湯の準備方法は、所望の組成を有する合金の市販品を入手することにより準備してもよく、各元素を所望の組成となるように配合することにより合金を準備してもよい。なお、後工程で元素が蒸発する可能性がある場合は、永久磁石製造後の組成が式(1)を満たすように調整する。準備した合金を溶解して溶湯とする。溶解方法は、アーク溶解、高周波溶解等から適宜選択すればよい。
【0036】
次に、溶湯を50~10K/secで急冷する(工程(II))。50K/sec以上の冷却速度で溶湯を急冷することで、アモルファス相を形成させることができ、熱処理によって微細な結晶子が得られるため、保磁力の高い永久磁石を得ることができる。
【0037】
急冷後の合金は、組織均一化のために更に熱処理をしてもよい。急冷速度は中でも10~10K/secが好ましい。更に、急冷によってアモルファス相を形成させる点から、上記合金は薄片状にすることが好ましい。薄片の厚みは急冷しやすい点から、1~100μmとすることが好ましく、20~90μmとすることがより好ましい。なお、上記合金はホウ素を含むことで粘度が低くなるため、メルトスパン法等で溶湯を急冷する際に上記厚みの薄片が得られやすい。
【0038】
結晶構造の結晶子サイズは、例えば、θ-2θ法を用いて、X線回折スペクトルにより評価できる。具体的には、永久磁石にCuKαの特性X線をθ=20°~90°の範囲にて入射させ、永久磁石のX線回折スペクトルを測定する。その後、211面を含む複数の1-12相X線スペクトルの半値幅(FWHM)から結晶子サイズを計算し、その平均値を結晶子サイズとする。図1は、1-12相の211面に対応するピークの半値幅(FWHM(211))と結晶子サイズのプロットであり、半値幅が大きいほど、結晶子サイズが小さいことを示している。
【0039】
次に、合金を粉砕する(工程(III))。合金の粉砕方法の一例として、まず、不活性雰囲気中で合金を、ディスクミル等の粉砕機により粗粉砕する。粉砕性が悪い場合は、予め合金に水素吸蔵処理をしてもよい。水素吸蔵処理により合金が脆化し粗粉砕しやすくなる。
【0040】
次に、粗粉砕物を更に微粉砕する。微粉砕は乾式粉砕であっても湿式粉砕であってもよい。乾式粉砕としては、例えば、ジェットミル法等が挙げられる。また湿式粉砕としては、湿式ボールミル法等が挙げられる。粉砕中に粉体に潤滑性を付与するための潤滑剤を添加してもよい。また、粉砕後の有機溶媒と微粉体との混合物は不活性ガス中で乾燥する。微粉砕後の粉体の平均粒径は、後述する焼結工程の焼結時間を短縮することを可能とし、また、均一な永久磁石を製造する点から、平均粒径は1~10μmが好ましい。
【0041】
次に、得られた粉体を加圧成形して所望の形状の成形体とする(工程(IV))。本開示においては、粉体の結晶方位を揃えて磁気特性を向上する点から、一定の磁場中で加圧成形することが好ましい。磁場の方向と、プレス方向との関係は特に限定されず、製品の形状等に応じて適宜選択すればよい。例えば、リング磁石や、薄板状の磁石を製造する場合には、プレス方向に対して、平行方向に磁場を印加する並行磁場プレスとすることができる。一方、磁気特性に優れる点からは、プレス方向に対して、直角に磁場を印加する直角磁場プレスとすることが好ましい。
【0042】
磁場の大きさは特に限定されず、製品の用途等に応じて、例えば、15kOe以下の磁場であってもよく、15kOe以上の磁場であってもよい。中でも磁気特性に優れる点からは、15kOe以上の磁場中で加圧成形することが好ましい。また、加圧成形の際の圧力は、製品の大きさ、形状等に応じて適宜調整すればよい。一例として、0.5~2.0ton/cmの圧力とすることができる。すなわち本実施の形態に係る永久磁石の製造方法においては、磁気特性の観点から、粉体を15kOe以上の磁場中で、磁場に垂直に0.5~2.0ton/cm以下の圧力で加圧成形することが特に好ましい。
【0043】
次に、成形体を焼結して焼結体とする(工程(V))。焼結温度は、950~1250℃が好ましく、950~1100℃がより好ましい。温度が低すぎると、焼結体が緻密化せず、残留磁束密度(Br)が低下する。また、温度が高すぎると、結晶粒が粗大化し、保磁力の低下に繋がる。また、1-12相が分解するおそれがある。また、焼結時間は、20~240分が好ましく、60~120分がより好ましい。なお、酸化を抑制する観点から、焼結工程は1000Pa以下の真空中または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、焼結体の密度を大きくする点から1000Pa以下、好ましくは100Pa以下の真空中で焼結することが好ましい。
【0044】
工程(V)の後、得られた焼結体は連続して時効処理することが好ましい。時効処理により、ThMn12型の結晶構造を形成させる。時効処理温度は、700~900℃が好ましく、800~900℃がより好ましい。温度が低すぎると、時効処理が進行せず、結晶構造が均質化しにくいため、磁気特性の低下に繋がる。また、温度が高すぎると、結晶粒が粗大化し、保磁力の低下に繋がる。また、1-12相が分解するおそれがある。熱処理時間は、例えば、0.5~20時間、好ましくは1~10時間とすることができる。
【0045】
次に、熱処理後の焼結体を急冷する(工程(VI))。急冷により均質化した結晶構造が維持される。工程(VI)における急冷速度は、60~250℃/minであればよく、好ましくは100~250℃/minである。
【0046】
このようにして、ThMn12型の結晶構造を有する主相からなる微細な結晶子を有する本実施の形態に係る永久磁石を製造することができる。
【0047】
[永久磁石粉末の製造方法]
本実施の形態に係る永久磁石粉末の製造方法は、上記式(1)で表される組成を有する溶湯を準備する工程(I)と、溶湯を50~10K/secで急冷して合金とする工程(II)と、合金を700℃から900℃の温度範囲で結晶析出させる工程(III)と、合金を粉砕して粉体とする工程(IV)と、を有する。
【0048】
本実施の形態に係る製造方法により、ThMn12型の結晶構造を有する主相からなる微細な結晶子を有する本実施の形態に係る永久磁石粉末を好適に製造することができる。
【0049】
まず、式(1)で表される組成を有する溶湯を準備する(工程(I))。次に、溶湯を50~10K/secで急冷する(工程(II))。これらの工程は、上述の永久磁石の製造方法の工程(I)及び(II)と同様の手法を用いることが可能であり、繰り返しの説明を避けるため、詳細は省略する。
【0050】
次に、合金を700~900℃の温度範囲で結晶析出させる(工程(III))。永久磁石の保磁力の増加のためには、熱処理温度は高い方が好ましく、特に800℃~900℃で行うことが好ましい。温度が低すぎると、主相結晶が析出しない。一方、温度が高すぎると、結晶粒が粗大化し、保磁力の低下に繋がる。また、1-12相が分解するおそれがある。
【0051】
工程(III)の後、得られた合金を粉砕して粉体とする(工程(IV))。この工程は、上述の永久磁石の製造方法の工程(III)と同様の手法を用いることが可能であり、詳細は省略する。
【0052】
このようにして、ThMn12型の結晶構造を有する主相からなる微細な結晶子を有する本実施の形態に係る永久磁石粉末を製造することができる。
【実施例0053】
以下、実施例および比較例を挙げて本開示を具体的に説明する。なお、これらの記載により本開示を制限するものではない。
【0054】
(実施例1)
表1に示される実施例1の組成となるようにそれぞれ原料元素を所定量秤量し、高周波溶解によって母合金を得た。母合金を再度高周波溶解し、メルトスパン法により液体急冷し、合金薄片を得た。この合金薄片を振動ミルで粗粉砕、湿式ボールミルで微粉砕し、原料粉末を得た。この原料粉末を磁場中プレスにより圧粉体に成形した。圧粉体を950℃で焼結し、連続して900℃で時効処理を行った。時効処理後、急冷して実施例1の焼結体の永久磁石を得た。
【0055】
(実施例2~8)
表1に示される実施例2~8の組成となるようにそれぞれ原料元素を所定量秤量し、実施例1と同様に合金薄片を作製した。この合金薄片を900℃で加熱して結晶析出させた。その後、この合金薄片を振動ミルで粗粉砕し、磁石粉末を得た。
【0056】
(比較例1~3)
表1に示される比較例1~3の組成となるようにそれぞれ原料元素を所定量秤量した以外は、実施例2~8と同様にして磁石粉末を得た。
【0057】
[評価]
上述の実施例及び比較例の永久磁石のX線回折スペクトルを測定し、得られたX線回折スペクトルから、1-12相の結晶構造の211面に対応するピークの半値幅(FWHM)を求め、その結晶子サイズを算出した。また、直流磁化特性アナライザを用いて各永久磁石のJ-H曲線を測定し、保磁力(Hcj)を得た。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に示されるように、上記式(1)の組成を満たす、即ち、Cuの比率(y)が0.001以上であり、かつ、B(ホウ素)を3.0原子%以上含む実施例1~8の永久磁石は、結晶子サイズが45nm未満となり、高い保磁力が得られることが示された。
【0060】
図2(a)~(d)に、急冷後(図中、As-Q:As-Quenched)、700℃、800℃、900℃で加熱を行った実施例2、及び比較例1~3のX線回折スペクトルをそれぞれ示す。なお、加熱時間は、図2(a)~(d)内に記載された通りである。1-12相の211面に対応するピークを▼印にて図中に示している。実施例2は、比較例1~3と比べて、1-12相回折ピークがブロード化した。実施例2は、比較例1~3と比べて、B(ホウ素)の含有量が多いことから、急冷時においてアモルファス相が形成され、熱処理により結晶粒の微細化が起きていることが分かる。
【0061】
図3に、実施例2の試料において、B(ホウ素)の組成を変え、X線回折スペクトルのピーク半値幅と熱処理温度の相関を示す。図3に示されるように、B(ホウ素)の含有量が増加すると、高温の熱処理を行っても半値幅が大きくなる傾向がみられ、結晶成長を抑制していることが分かる。
【0062】
図4(a)、(b)に、実施例2と比較例1の急冷後(As-Q)、700℃、800℃、900℃で60分の加熱を行った試料の磁化曲線を示す。図4(a)に示されるように、実施例2において、熱処理によって保磁力が増加していることが分かる。一方、図4(b)に示されるように、比較例1においては、熱処理による保磁力の増加は少なかった。
【0063】
図5は、B(ホウ素)の添加量と結晶粒径との相関を示す図である。永久磁石に含まれるB(ホウ素)の濃度を0.8原子%、2.0原子%、4.0原子%、5.0原子%、6.0原子%、8.0原子%とした時の永久磁石の永久磁石のX線回折スペクトルである。B(ホウ素)の濃度が0.8原子%である永久磁石と、5.0原子%である永久磁石は、それぞれ比較例2、実施例2に対応する。図5(a)は、急冷後(As-Q)における永久磁石のX線回折スペクトルであり、図5(b)は、900℃で60分の加熱を行った永久磁石のX線回折スペクトルである。得られたX線回折スペクトルより、B(ホウ素)の添加量の増加に伴い、1-12相のピークがブロード化しており、B(ホウ素)の添加によって、高温の熱処理を行っても結晶成長が抑制されることが分かる。
【0064】
図6は、900℃で60分の加熱を行った後の永久磁石の走査透過電子顕微鏡(STEM)像である。図6(a)は、実施例2の永久磁石のSTEM像を、図6(b)は、比較例2のSTEM像をそれぞれ示す。丸印で囲まれている箇所は、Ti-B相(ホウ化物)の析出物が観察された箇所を表している。
【0065】
図7に、900℃で60分の加熱を行った実施例2と比較例2の永久磁石の磁化曲線を示す。B(ホウ素)の添加量の増加によって、保磁力が増加していることが分かる。さらに、実施例2の永久磁石の磁化曲線においては、良好な角形性が得られた。
【0066】
上記のSTEM像及び磁化曲線から、Ti-B相の平均フェレ径、1-12相の平均フェレ径、1-12相のフェレ径変動係数をそれぞれ求めた。結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
表2に示されるように、B(ホウ素)が3.0原子%未満である比較例2の永久磁石は、析出物であるホウ化物の平均フェレ径、及び1-12相の平均フェレ径が大きく、さらに、1-12相のフェレ径の変動係数が大きい、即ち、1-12相のフェレ径(結晶粒径)のサイズのばらつきが大きいことが示された。
【0069】
実施例に示される結果から、本開示に係る永久磁石がホウ化物、又は炭化物の析出物を含む場合において予想される結晶粒の微細化のメカニズムについて、図8を用いて説明する。図8(a)は、実施例2、即ち、急冷後の形態がアモルファスである永久磁石の結晶成長モデルであり、図8(b)は、比較例2、即ち、急冷後の形態が結晶質である永久磁石の結晶成長モデルである。
【0070】
急冷後の形態がアモルファスである場合において、熱処理により微細な1-12相の結晶と、ホウ化物又は炭化物が析出し始める。このホウ化物又は炭化物が1-12相の結晶の成長を抑制するため、熱処理後において、微細かつ均一な結晶粒が形成される。
【0071】
一方、急冷後の形態が結晶質である場合においては、急冷後の時点で結晶及びホウ化物又は炭化物の析出物が生成されている。また、析出物の量が少ないため結晶成長を阻害できず、熱処理において1-12相の結晶粒が増大する。したがって、熱処理後は、粒径が大きく、また粒径サイズのばらつきが大きい結晶粒が形成される。
【0072】
このようにして、本開示に係る永久磁石は、ThMn12型の結晶構造を有する主相からなる微細な結晶子を有することにより、高い保磁力を有することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8