(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162995
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】温度管理のためのフレキシブルプリント回路の銅オーバーレイ
(51)【国際特許分類】
G11B 5/60 20060101AFI20241114BHJP
G11B 33/12 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G11B5/60 P
G11B33/12 313C
G11B33/12 304
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000714
(22)【出願日】2024-01-05
(31)【優先権主張番号】18/195,375
(32)【優先日】2023-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中宮 光裕
(72)【発明者】
【氏名】ナガオカ カズヒロ
(72)【発明者】
【氏名】中村 聡
(72)【発明者】
【氏名】奥永 信之
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フレキシブルプリント回路(FPC)積層体の様々な層にわたる最大温度を低減させ、FPCへの損傷を防止し、製造収率を改善するFPCを提供する。
【解決手段】ハードディスクドライブのFPC355は、主要部分から延在する複数のフィンガを備える。それぞれのフィンガは、第1の導電性トレースレイアウトを含む第1の配線層362と、第2の導電性トレースレイアウトを含む第2の配線層366と、第1の配線層と第2の配線層との間に介在するベースフィルムと、を含む。第1の導電性トレースレイアウトは、ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、第2のトレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランド372を含む。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要部分から延在する複数のフィンガであって、それぞれのフィンガが、
第1の導電性トレースレイアウトを含む第1の配線層と、
第2の導電性トレースレイアウトを含む第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在するベースフィルムと、を含む、複数のフィンガを備え、
前記第1の導電性トレースレイアウトは、前記ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、前記第2のトレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを含む、フレキシブルプリント回路(FPC)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの保護アイランドは、ビアによって前記第2の配線層に電気的に接続されている、請求項1に記載のFPC。
【請求項3】
それぞれのフィンガは、
前記第1の配線層の上部電気パッドを、隣接する特定の保護アイランドに接続する上部の狭い導電性トレースと、
前記第1の配線層の対向する電気パッドを、前記隣接する特定の保護アイランドに接続し、それによって、前記上部電気パッドを前記下部電気パッドに電気的に接続する、下部の狭い導電性トレースと、をさらに含む、請求項1に記載のFPC。
【請求項4】
前記第1の配線層上の非透明カバーフィルムをさらに備える、
請求項1に記載のFPC。
【請求項5】
前記第1の配線層上の白色カバーフィルムをさらに備える、
請求項1に記載のFPC。
【請求項6】
前記第1の配線層上の透明カバーフィルムと、
それぞれのフィンガの前記透明カバーフィルムの少なくとも一部分上の白色の第2のカバーフィルムと、をさらに備える、
請求項1に記載のFPC。
【請求項7】
請求項1に記載のFPCを備える、ハードディスクドライブ。
【請求項8】
フレキシブルプリント回路(FPC)積層体組成物を製造する方法であって、
下側導電性トレースレイアウトを含む下側配線層を形成することと、
前記下側配線層上にベースフィルムを形成することと、
前記ベースフィルム上に上側導電性トレースレイアウトを含む上側配線層を形成することであって、前記ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、前記下側トレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを形成することを含む、上側配線層を形成することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記上側配線層の前記少なくとも1つの保護アイランドを前記下側配線層に接続するビアを形成することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記上側配線層の上部電気パッドを、隣接する特定の保護アイランドに接続する上部の狭い導電性トレースを形成することと、
前記上側配線層の対向する電気パッドを、前記隣接する特定の保護アイランドに接続し、それによって、前記上部電気パッドを前記下部電気パッドに電気的に接続する、下部の狭い導電性トレースを形成することと、をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記上側配線層の少なくとも一部分上に非透明カバーフィルムを形成することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記上側配線層の少なくとも一部分上に白色カバーフィルムを形成することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記上側配線層上に透明カバーフィルムを形成することと、
前記透明カバーフィルムの少なくとも一部分上に白色の第2のカバーフィルムを形成することと、をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
請求項8に記載の方法に従って製造された、FPC。
【請求項15】
スピンドルに回転可能に取り付けられた複数の記録媒体と、
前記複数の記録媒体の少なくとも1つの記録媒体との間で読み取り及び書き込みを行うように構成された対応の読み書き変換器を、それぞれが収容する複数のヘッドスライダと、
前記複数のヘッドスライダを、前記少なくとも1つの記録媒体の部分にアクセスするように移動させるための手段と、
前記複数のヘッドスライダからHDD電子機器に信号を伝達するための手段であって、前記伝達するための手段は、
主要部分から延在する複数のフィンガであって、それぞれのフィンガが、
第1の導電性トレースレイアウトを含む第1の配線層と、
第2の導電性トレースレイアウトを含む第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在するベースフィルムと、を含む、複数のフィンガを含み、
前記第1の導電性トレースレイアウトは、前記ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、前記第2のトレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを含む、伝達するための手段と、を備える、ハードディスクドライブ(HDD)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの保護アイランドは、ビアによって前記第2の配線層に電気的に接続されている、請求項15に記載のHDD。
【請求項17】
それぞれのフィンガは、
前記第1の配線層の上部電気パッドを、隣接する特定の保護アイランドに接続する上部導電性トレースと、
前記第1の配線層の対向する電気パッドを、前記隣接する特定の保護アイランドに接続し、それによって、前記上部電気パッドを前記下部電気パッドに電気的に接続する、下部導電性トレースと、をさらに備える、請求項15に記載のHDD。
【請求項18】
前記伝達するための手段は、
前記第1の配線層上の非透明カバーフィルムをさらに含む、請求項15に記載のHDD。
【請求項19】
前記伝達するための手段は、
前記第1の配線層上の白色カバーフィルムをさらに含む、請求項15に記載のHDD。
【請求項20】
前記伝達するための手段は、
前記第1の配線層上の透明カバーフィルムと、
それぞれのフィンガの前記透明カバーフィルムの少なくとも一部分上の白色の第2のカバーフィルムと、をさらに含む、請求項15に記載のHDD。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、ハードディスクドライブに関し得、特に、相互接続手順中にフレキシブルプリント回路(FPC)にわたる温度を管理するための手法に関し得る。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(HDD)は、保護エンクロージャ内に収容され、かつデジタル的に符号化されたデータを、磁気表面を有する1つ以上の円形ディスクに記憶する、不揮発性記憶装置である。HDDが動作中である場合、各磁気記録ディスクは、スピンドルシステムによって急速に回転される。データは、アクチュエータによってディスクの特定の位置の上に位置決めされた読み書きヘッド(又は「変換器」)を用いて磁気記録ディスクから読み取られ、磁気記録ディスクに書き込まれる。読み書きヘッドは、磁場を利用して、磁気記録ディスクの表面にデータを書き込み、この表面からデータを読み取る。書き込みヘッドは、それ自身のコイルを通って流れる電流を利用して磁場を生成することによって機能する。電気パルスは、正負の電流の異なるパターンで書き込みヘッドに送られる。書き込みヘッドのコイル内の電流は、ヘッドと磁気ディスクとの間の間隙にわたって局所的な磁場を生成し、次いでこの磁場が記録媒体上の小さい領域を磁化する。
【0003】
データを媒体に書き込むために、又は媒体からデータを読み取るために、ヘッドは、コントローラから命令を受信する必要がある。したがって、ヘッドは、当該ヘッドがデータを読み取る/書き込むための命令を受信するだけでなく、読み取られたデータ及び/又は書き込まれたデータに関する情報をコントローラに送り返すこともできるように、いくつかの電気的な方法でコントローラに接続される。典型的には、フレキシブルプリント回路(FPC)積層体は、読み書きヘッドからの信号を、サスペンションテールを介してHDD内の他の電子機器に電気的に伝送するために用いられる。FPC及びサスペンションテールは、典型的には、ヘッドスタックアセンブリ(HSA)の櫛又は「Eブロック」部分(例えば、
図1のキャリッジ134を参照)に一緒にはんだ付けされる。それらをはんだで接続するために、サスペンション電気パッド及びFPC電気パッドが加熱される。はんだ付け温度が低いと、はんだが溶融しない場合があるが、はんだ付け温度が高いと、これらの構成要素が熱によって損傷する場合がある。例えば、FPC積層体を構成する1つ以上の層は、はんだ付け手順によって生成される熱に反応して剥離するか、又は気泡を発生させる可能性がある。したがって、電気的相互接続手順中にFPCを過熱させないことが望ましく、そうでなければ、FPCが損なわれ、対応する生産収率が低下する可能性がある。
【0004】
本セクションに記載され得るいずれの手法も、追求され得る手法であるが、必ずしも以前に考案又は追求された手法ではない。したがって、別段の指示がない限り、本セクションに記載された手法のいずれも、単にそれらが本セクションに含まれることによって、先行技術として適格であると仮定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施形態は、添付図面の図において、限定としてではなく、例として示されており、同様の参照番号は類似の要素を指す。
【0006】
【
図1】実施形態による、ハードディスクドライブを示す平面図である。
【0007】
【
図2A】実施形態による、アクチュエータアセンブリを示す斜視図である。
【0008】
【
図2B】実施形態による、サスペンションテールとフレキシブルプリント回路(FPC)との間の電気的相互接続を示す斜視図である。
【0009】
【
図2C】実施形態による、FPCを示す平面図である。
【0010】
【
図2D】実施形態による、
図2CのFPCを示す断面図である。
【0011】
【
図3A】実施形態による、FPCフィンガを示す平面図である。
【0012】
【
図3B】実施形態による、オーバーレイされたFPCフィンガを示す平面図である。
【0013】
【
図3C】実施形態による、
図3BのFPCを示す断面図である。
【0014】
【
図4】実施形態による、オーバーレイされたFPCフィンガを示す平面図である。
【0015】
【
図5】実施形態による、フレキシブルプリント回路(FPC)を示す平面図である。
【0016】
【
図6】実施形態による、フレキシブルプリント回路(FPC)積層体組成物を製造する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
一般に、相互接続手順中にフレキシブルプリント回路(FPC)にわたって実質的に均一な温度を提供するための手法が記載されている。以下の説明では、説明を目的として、本明細書に記載された本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本明細書に記載された本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施され得ることは明らかであろう。他の例では、本明細書に記載された本発明の実施形態を不必要に不明瞭にすることを回避するために、周知の構造及び装置がブロック図の形態で示され得る。
序論
用語
【0018】
本明細書における「実施形態(an embodiment)」、「一実施形態(one embodiment)」などへの言及は、記載されている特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することを意図する。しかしながら、そのような語句の例は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。
【0019】
「実質的に」という用語は、大部分又はほぼ構造化された、構成された、寸法決めされたなどの特徴を説明するように理解されるが、製造公差などにより、実際には、構造、構成、寸法などが、常に又は必ずしも述べられているように精確ではない状況をもたらす可能性がある。例えば、1つの構造を「実質的に垂直」と記載すれば、側壁が全ての実用上の目的で垂直であるが、全体で精確に90度ではない場合があるように、その用語にその明白な意味が割り当てられる。
【0020】
「最適」、「最適化」、「最小」、「最小化」、「最大」、「最大化」などの用語は、それらに関連付けられた特定の値を有し得ないが、そのような用語が本明細書で使用される場合、当業者が、そのような用語を、本開示の全体と一致する有益な方向に、値、パラメータ、メトリックなどに影響を及ぼすことを含むように理解することが意図されている。例えば、何かの値を「最小」として記載することは、その値が実際に何かの理論上の最小値(例えば、ゼロ)に等しいことを必要としないが、対応する目標が有益な方向に理論上の最小値に向かってその値を移動させることであるという点で、実際的な意味で理解されるべきである。
コンテキスト
【0021】
サスペンションの遠位端には、データを読み取り、書き込むための読み書き変換器(又は「ヘッド」)が存在する。サスペンションの他方の近位端には、フレキシブルプリント回路(FPC)上の対応する導電性パッドに電気的に接続するための導電性パッド(又は、単に「電気パッド」)が存在する。サスペンションパッド及びFPCパッドは、典型的には、接合手順で材料を加熱するために使用され得るはんだリフロー、熱風、又はレーザーを使用するはんだによって、電気的に(この例では、直交して)相互接続される。
【0022】
図2Aは、実施形態による、アクチュエータアセンブリを示す斜視図である。アクチュエータアセンブリ200は、ピボット軸受アセンブリ(ここでは図示せず、例えば、
図1のピボット軸受アセンブリ152を参照)によって中央ピボット軸(ここでは図示せず、例えば、
図1のピボット軸148を参照)に回転可能に結合され、ここではボイスコイル204が図示されているボイスコイルモータ(VCM)によって回転駆動される、キャリッジ201(例えば、
図1のキャリッジ134を参照)を備える。アクチュエータアセンブリ200は、1つ以上のアクチュエータアーム206(例えば、
図1のアーム132を参照)をさらに備え、各アクチュエータアーム206は、読み書きヘッド210(例えば、
図1の読み書きヘッド110aを参照)を収容し、典型的には、スエージ加工されたベースプレート208a、ロードビーム208b(例えば、
図1のロードビーム110dを参照)、及びサスペンションテール208cを含む、サスペンションアセンブリ208(例えば、
図1のリードサスペンション110cを参照)に結合される。それぞれのサスペンションアセンブリ208は、サスペンションテール208cによって、キャリッジ201と結合されたフレキシブルプリント回路(FPC)212と電気的に接続されている。
【0023】
図2Bは、実施形態による、サスペンションテールとフレキシブルプリント回路(FPC)との間の電気的相互接続を示す斜視図である。
図2Bは、はんだ211(又は、いくつかの他の電気接続手段)によって、FPC212の対応するFPCフィンガ212aに機械的かつ電気的に結合されたサスペンションテール208c(
図2A)のサスペンションテール先端208eを示す。特に、サスペンションテール先端208e上の電気パッド208dは、FPC212の電気パッド212dに電気的に接続されている。前述のとおり、はんだ付け及びその他の同様の接続技術では、サスペンション電気パッド及びFPC電気パッドが加熱され、はんだ付け温度が低すぎると、はんだが溶融しない場合があり、はんだ付け温度が高すぎると、FPCが熱によって損傷する場合がある。最悪の場合には、FPCに気泡が発生することがある。すなわち、FPC積層体を構成する1つ以上の層は、はんだ付け/相互接続手順によって生成される熱に反応して剥離する可能性がある。例えば、層間剥離は、対応する接着剤層の不具合などにより、1つ以上の配線層と隣接する絶縁フィルム層との間で生じ得る。したがって、FPCを損傷させ得る過剰な熱を発生させることを回避するために、FPCを均一に加熱することが望ましい。
【0024】
図2Cは、実施形態による、フレキシブルプリント回路を示す平面図である。ここで、FPC212は、複数のFPCフィンガ212aを含み、各フィンガ212aは、上側及び下側のそれぞれに複数の電気パッド212dを含む。それぞれのFPCフィンガ212aは、典型的には、UPヘッド(対応するディスクの底面にサービスを供給するために上方を向いた読み書きヘッド)及びDNヘッド(同じディスクの上面にサービスを供給するために下方を向いた読み書きヘッド)の両方にサービスを供給し、それぞれ対応するUPサスペンション及びDNサスペンションを、FPC212に取り付けられたプリアンプ220(又はそれ以上)に電気的に接続する。FPCフィンガ212aの断面は、A-Aとラベル付けされている。
【0025】
図2Dは、実施形態による、
図2CのFPCを示す断面図である。断面
図A-Aは、上部の第1の配線層252(例えば、銅トレースを含む)と下部の第2の配線層256(例えば、銅トレースを含む)との間に介在するベースフィルム254(例えば、ポリイミド絶縁層)を含み、それによって、第1の配線層252及び第2の配線層256の各々が、UPヘッド及びDNヘッドの両方に使用され得、実装形態ごとに変化し得る、FPC212などのFPCの層を示す。第1の配線層252は、第1のカバーフィルム250(例えば、ポリイミド絶縁層)によって覆われており、第2の配線層256は、第2のカバーフィルム258(例えば、ポリイミド絶縁層)によって覆われている。これらの配線層252、256は、1つ以上のビアによって電気的に接続され得る。さらに、典型的には、配線層252、256及び隣接するフィルム層250、254、258のそれぞれの間に接着剤層が存在する。最後に、前述の全ての層は、底部補強材層260(例えば、アルミニウム、又はいくつかの他の剛性及び耐久性のある材料を含む)と結合され、底部補強材層260によって支持される。FPC212の正確なレイアウトは実装形態ごとに変化し得るため、
図2Dのレイアウトは一例として表示される。しかしながら、本明細書に記載された技術は、代替のFPCレイアウトに広く適用可能である。
フレキシブルプリント回路フィンガの熱管理のためのオーバーレイされた銅
【0026】
図3Aは、実施形態による、FPCフィンガを示す平面図である。ここで、FPC300の白色領域/パターンは、上部の第1の配線層352(
図2Dの第1の配線(例えば、銅)層252のレイアウトと同様)を表し、斜交平行領域/パターンは、下部の第2の配線(例えば、銅)層356(
図2Dの第2の配線層256のレイアウトと同様)を表す。FPC300の温度を比較的低く保つために、一般に銅の面積を比較的小さくすることが効果的であり、これは銅が熱を吸収するからである。
図3Aは、比較的に小さい第1の配線層352と比較して、比較的に大きい第2の配線層356を示す。これらの配線層352、356が加熱されると、より大きな第2の配線層356がより高温になる。したがって、比較的小さい第2の配線層356の方が、熱吸収の点でより良好である。しかしながら、第2の配線層356の領域を、特定の点を超えて最小化し、依然としてその意図された目的を達成することは実行できない場合がある。
【0027】
図3Bは、オーバーレイされたFPCフィンガを示す正面図であり、
図3Cは、
図3BのFPCを示す断面図であり、いずれも実施形態によるものである。ビア374を有するFPC355の一部の断面は、
図3Bにおいて断面B-Bとラベル付けされており、
図3Cの断面B-Bを参照して、底部補強材層370、第2のカバーフィルム368(例えば、ポリイミド絶縁層)、第2の配線層366、ベースフィルム364(例えば、ポリイミド絶縁層)、ビア374によって第2の配線層366に接続された第1の配線層362、及びカバーフィルム360(例えば、ポリイミド絶縁層)を含むFPC積層体組成物を示す。ここで、熱伝導性保護アイランド372(例えば、銅)は、第2の配線層366の部分をオーバーレイするように第1の配線層362に追加されており、第2の配線層366並びに第2の配線層366を取り囲む他の層(例えば、ベースフィルム364、第2のカバーフィルム368)に熱障壁を提供し、それによって第2の配線層366並びに第2の配線層366を取り囲む他の層を過剰な熱から保護する。ここでも、FPC355の白色領域/パターンは、上側又は第1の配線層362(
図2Dの第1の配線層252のレイアウトと同様)を表し、斜交平行領域/パターンは、下側又は第2の配線層366(
図2Dの第2の配線層256のレイアウトと同様)を表す。
図3Bは、第1の配線層362を構成し、第2の配線層366の部分を保護的にオーバーレイするか又は覆うように位置決めされた、複数の熱伝導性保護アイランド372を示す。好ましくは、第1の配線層362のそれぞれの保護アイランド372は、対応のビア374によって第2の配線層366に熱的に接続されている。この接続により、保護アイランド372内の過剰な熱の蓄積を防止し、そうでなければ、他の層(例えば、第1のカバーフィルム360、ベースフィルム364、第2のカバーフィルム368)を損傷し得る。
【0028】
それらの機能により、及び/又はそれぞれが対応する各信号により、FPC355の上側電気パッド及び下側電気パッドのペアのいくつかは、互いに電気的に接続されていることに留意されたい。そのように、上側パッド380aは下側パッド380bに接続され、上側パッド382aは下側パッド382bに接続され、上側パッド384aは下側パッド384bに接続され、上側パッド386aは下側パッド386bに接続されている。したがって、隣接する保護アイランド372によってパッド384aとパッド384bとを接続することを考慮することができる。しかしながら、これは、隣接する保護アイランドの大きな面積及び該保護アイランドが吸収する熱を原因として、適切なはんだ接続に対してパッド384a、384bの温度が低すぎることを示している。
図4の実施形態は、この問題に対処することができる。
【0029】
図4は、実施形態による、オーバーレイされたFPCフィンガを示す平面図である。ここでも同様に、熱伝導性保護アイランド372(例えば、
図3BのFPC355と同様)は、第2の配線層466の部分をオーバーレイするように第1の配線層462に追加されており、第2の配線層466並びに他の層に熱障壁を提供し、当該第2の配線層466並びに他の層を過剰な熱から保護する。同様に、FPC400の白色領域/パターンは、第1の配線層462(
図3B、
図3Cの第1の配線層362のレイアウトと同様)を表し、斜交平行領域/パターンは、第2の配線層466(
図3B、
図3Cの第2の配線層366のレイアウトと同様)を表す。
図4は、上側パッド484aを保護アイランド372と電気的に接続する狭い配線トレース401a、及び下側パッド484bを同じ保護アイランド372と電気的に接続する同様の狭い配線トレース401bを示す。これらの配線トレース401a、401bは、隣接する保護アイランド372によるパッド484a及び484bのより直接的な接続と比較して耐熱性を高め、それによって、それぞれのパッド484a、484bに適切なはんだ接続のために十分な熱を生じさせることを可能にするように利用される。実施形態によれば、「狭い」は、本明細書では、それぞれの配線トレース401a、401bが、対応する上側パッド484a及び下側パッド484bの幅の5分の1(1/5)以下の幅を有することとして特徴付けられる。したがって、非限定的な例では、配線トレース401a、401bのそれぞれは、おおよそ150μmの幅を有する上側パッド484a及び下側パッド484bのそれぞれに対して、おおよそ30μm以下の幅を有し得る。
【0030】
図5は、実施形態による、フレキシブルプリント回路(FPC)を示す平面図である。FPC512は、複数のFPCフィンガ512aを含み、各FPCフィンガ512aは、上側及び下側のそれぞれに複数の電気パッド512dを含む。ここで、着色カバーフィルム(例えば、白色)は、典型的に透明なカバーフィルムよりも多くの光及び多くの熱を反射するため、カバーフィルム(
図2Dのカバーフィルム250又は
図3Cのカバーフィルム360のレイアウトと同様)の少なくとも一部分513は、着色材料で構成されている。実施形態によれば、カバーフィルムの着色部分513は白色である。
【0031】
要約すると、前述の実施形態はそれぞれ、記載された様々な技術を単独で又は組み合わせて使用して、電気パッドの相互接続手順(例えば、はんだ付け)中など、フレキシブルプリント回路にわたる温度を管理するための手法を特徴付ける。したがって、FPC積層体の様々な層にわたる最大温度を低減することができ、FPCへの損傷が防止され、製造収率が改善される。
フレキシブルプリント回路を製造する方法
【0032】
図6は、実施形態による、フレキシブルプリント回路(FPC)積層体組成物を製造する方法を示すフローチャートである。
【0033】
ブロック602において、下側導電性トレースレイアウトを含む下側配線層が形成される。例えば、第2の配線層366(
図3B、
図3C)、466(
図4)は、ベース補強材370(
図3C)及び第2のカバーフィルム368(
図3C)上などに、導電性トレースレイアウトで形成される。
【0034】
ブロック604において、下側配線層上にベースフィルムが形成される。例えば、ベースフィルム364(
図3C)は、第2の配線層366、466上に形成される。
【0035】
ブロック606において、上側導電性トレースレイアウトを含む上側配線層がベースフィルム上に形成され、ベースフィルムに熱障壁を提供するために、下側トレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを形成することが含まれる。例えば、上側導電性トレースレイアウトを含む第1の配線層362(
図3B、
図3C)、462(
図4)がベースフィルム364上に形成され、ベースフィルム364に熱障壁を提供するために、第2の配線層366、466の下側トレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランド372(
図3B、
図4)を形成することが含まれる。実施形態によれば、第1の配線層362、462は、ビア374(
図3C)によって第2の配線層366、466に電気的に接続されている。
例示的な動作コンテキストの物理的説明
【0036】
実施形態は、ハードディスクドライブ(HDD)などのデジタルデータ記憶装置(DSD)のコンテキストで使用され得る。したがって、従来のHDDが典型的にどのように動作するかを説明するのを助けるために、実施形態に従って、従来のHDD100を例示する平面図が
図1に示されている。
【0037】
図1は、磁気読み書きヘッド110aを含むスライダ110bを含むHDD100の構成要素の機能的配置を示す。まとめて、スライダ110b及びヘッド110aはヘッドスライダと称され得る。HDD100は、ヘッドスライダと、典型的にはフレクシャを介してヘッドスライダに取り付けられたリードサスペンション110cと、リードサスペンション110cに取り付けられたロードビーム110dとを含む少なくとも1つのヘッドジンバルアセンブリ(HGA)110を含む。HDD100はまた、スピンドル124上に回転可能に取り付けられた少なくとも1つの記録媒体120と、媒体120を回転させるためにスピンドル124に取り付けられた駆動モータ(図示せず)とを含む。変換器とも称され得る読み書きヘッド110aは、HDD100の媒体120に記憶された情報を書き込むための書き込み要素、及び当該情報を読み取るための読み取り要素を含む。媒体120又は複数のディスク媒体は、ディスククランプ128によりスピンドル124に固定され得る。
【0038】
HDD100は、HGA110に取り付けられたアーム132と、キャリッジ134と、キャリッジ134に取り付けられたボイスコイル140を含む電機子136、及びボイスコイル磁石(図示せず)を含むステータ144を含むボイスコイルモータ(VCM)と、をさらに備える。VCMの電機子136は、キャリッジ134に取り付けられ、アーム132及びHGA110を移動させて媒体120の一部にアクセスするように構成され、これらはすべて、介在するピボット軸受アセンブリ152でピボット軸148に集合的に搭載されている。複数のディスクを有するHDDの場合、キャリッジ134は「Eブロック」又は櫛と称され得るが、その理由は、キャリッジが、それに櫛の外観を与えるギャングされたアームアレイを持つように配置されるからである。
【0039】
ヘッドスライダが結合されたフレクシャを含むヘッドジンバルアセンブリ(例えば、HGA110)と、フレクシャが結合されたアクチュエータアーム(例えば、アーム132)及び/又はロードビームと、アクチュエータアームが結合されたアクチュエータ(例えば、VCM)とを含むアセンブリは、ヘッドスタックアセンブリ(HSA)と総称され得る。しかしながら、HSAは、記載された構成要素よりも多い又は少ない構成要素を含み得る。例えば、HSAは、電気的相互接続構成要素をさらに含むアセンブリを指し得る。一般に、HSAは、読み取り及び書き込み動作のために、ヘッドスライダを移動させて媒体120の一部にアクセスするように構成されたアセンブリである。
【0040】
図1をさらに参照して、ヘッド110aへの書き込み信号及びヘッド110aからの読み取り信号を含む電気信号(例えば、VCMのボイスコイル140への電流)は、フレキシブルケーブルアセンブリ(FCA)156(又は「フレックスケーブル」、又は「フレキシブルプリント回路」(FPC))によって伝送される。フレックスケーブル156とヘッド110aとの間の相互接続は、読み取り信号用のオンボードプリアンプ、並びに他の読み取りチャネル及び書き込みチャネル電子部品を有し得る、アーム電子機器(AE)モジュール160を含み得る。AEモジュール160は、図示のようにキャリッジ134に取り付けられ得る。フレックスケーブル156は、いくつかの構成では、HDDハウジング168によって提供された電気フィードスルーを介して電気通信を提供する電気コネクタブロック164に結合され得る。HDDハウジング168(又は「エンクロージャベース」又は「ベースプレート」又は単に「ベース」)は、HDDカバーとともに、HDD100の情報記憶構成要素のための半封止された(又は、いくつかの構成では気密封止された)保護エンクロージャを提供する。
【0041】
ディスクコントローラと、デジタル信号プロセッサ(DSP)を含むサーボ電子機器とを含む、その他の電子部品は、駆動モータ、VCMのボイスコイル140、及びHGA110のヘッド110aに電気信号を提供する。駆動モータに提供された電気信号により、駆動モータが回転できるようになり、これにより、スピンドル124にトルクが与えられる。このトルクが次いでスピンドル124に固定された媒体120に伝達される。その結果、媒体120は方向172に回転する。回転している媒体120は、スライダ110bの空気軸受表面(ABS)を載せる空気軸受として働く空気のクッションを生成し、これによって、スライダ110bは、情報が記録された薄い磁気記録層と接触することなく媒体120の表面上に浮動する。同様に、非限定的な例としてヘリウムなどの空気より軽い気体を利用しているHDDにおいて、回転している媒体120は、スライダ110bを載せる気体又は流体軸受として働く気体のクッションを生成する。
【0042】
VCMのボイスコイル140に提供される電気信号により、HGA110のヘッド110aは、情報が記録されているトラック176にアクセスできるようになる。したがって、VCMの電機子136が弧180を描いて揺れ、これによって、HGA110のヘッド110aが媒体120上の種々のトラックにアクセスすることが可能となる。情報は、セクタ184のような媒体120上のセクタに配置された、径方向にネストされた複数のトラック内の媒体120に記憶される。それに対応して、各トラックは、セクタ化されたトラック部分188などの複数のセクタ化されたトラック部分(又は「トラックセクタ」)から構成される。各セクタ化されたトラック部分188は、記録された情報、並びにエラー訂正符号情報、及びトラック176を識別する情報であるABCDサーボバースト信号パターンなどのサーボバースト信号パターンを含むヘッダを含み得る。トラック176にアクセスする際に、HGA110のヘッド110aの読み取り要素は、VCMのボイスコイル140に提供される電気信号を制御するサーボ電子機器に位置誤差信号(PES)を提供するサーボバースト信号パターンを読み取り、これにより、ヘッド110aがトラック176に追従することを可能にする。トラック176を見出し、かつ特定のセクタ化されたトラック部分188を識別すると、ヘッド110aは、外部エージェント、例えばコンピュータシステムのマイクロプロセッサからディスクコントローラによって受信された命令に応じて、トラック176から情報を読み取るか、又はトラック176に情報を書き込む。
【0043】
HDDの電子アーキテクチャは、ハードディスクコントローラ(「HDC」)、インターフェースコントローラ、アームエレクトロニクスモジュール、データチャネル、モータドライバ、サーボプロセッサ、バッファメモリなど、HDDの動作のためにそれぞれの機能を実行するための多数の電子部品を含む。そのような部品のうちの2つ以上は、「システムオンチップ」(「SOC」)と称される単一の集積回路基板上で組み合わされ得る。全てではないが、そのような電子部品のいくつかは、典型的には、HDDハウジング168など、HDDの底部側に結合されたプリント回路基板上に配置される。
【0044】
図1を参照して図示され説明されたHDD100などの、本明細書におけるハードディスクドライブへの言及は、「ハイブリッドドライブ」と呼ばれることもある情報記憶装置を包含し得る。ハイブリッドドライブとは、一般に、従来のHDD(例えば、HDD100を参照)と、フラッシュ又は他のソリッドステート(例えば、集積回路)メモリなどの電気的に消去可能でプログラム可能である不揮発性メモリを用いたソリッドステート記憶装置(SSD)との両方の機能を併せ持つ記憶装置を指す。異なるタイプの記憶媒体の動作、管理、及び制御は、典型的には異なるため、ハイブリッドドライブのソリッドステート部分は、それ自体の対応するコントローラ機能を含み得、このコントローラ機能がHDD機能とともに単一のコントローラに統合され得る。ハイブリッドドライブは、非限定的な例として、頻繁にアクセスされるデータを記憶するために、I/O集約データを記憶するためになど、ソリッドステートメモリをキャッシュメモリとして使用することによってなど、ソリッドステート部分をいくつかの方法で動作させて利用するように設計及び構成され得る。さらに、ハイブリッドドライブは、ホスト接続のための1つ又は複数のインターフェースを有する、単一のエンクロージャ内の2つの記憶装置、すなわち従来のHDD及びSSDとして本質的に設計及び構成され得る。
拡張物及び代替物
【0045】
前述の説明において、本発明の実施形態は、実装形態ごとに変化し得る多数の具体的な詳細を参照して記載されてきた。したがって、実施形態のより広い趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができる。こうして、本発明が何であるか、出願人が何を本発明として意図しているかについての唯一かつ排他的な指標は、後続のいずれかの修正を含む、請求項が発行される特定の形態で、本出願から発行される請求項のセットである。そのような請求項に包含される用語について本明細書に明示的に記載されるいかなる定義は、請求項で使用されるような用語の意味を支配するものとする。それゆえ、請求項に明示的に記載されていない限定、要素、特性、特徴、利点又は属性は、決してそのような請求項の範囲を限定すべきでない。これにより、本明細書及び図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味と見なされるものである。
【0046】
また、この記述において、特定のプロセス工程が特別の順序で記載されてもよく、アルファベット及び英数字のラベルを使用して、特定の工程を識別することができる。記述において特記されない限り、実施形態は、そのような工程を実施する任意の特別の順序に必ずしも限定されない。特に、ラベルは単に工程の簡便な識別に使用されるものであり、そのような工程を実施する特別の順序を指定又は要求することを意図したものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要部分から延在する複数のフィンガであって、それぞれのフィンガが、
第1の導電性トレースレイアウトを含む第1の配線層と、
第2の導電性トレースレイアウトを含む第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在するベースフィルムと、を含む、複数のフィンガを備え、
前記第1の導電性トレースレイアウトは、前記ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、前記第2の導電性トレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを含む、フレキシブルプリント回路(FPC)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドは、ビアによって前記第2の配線層に電気的に接続されている、請求項1に記載のFPC。
【請求項3】
それぞれのフィンガは、
前記第1の配線層の上部電気パッドを、隣接する特定の保護アイランドに接続する上部の狭い導電性トレースと、
前記第1の配線層の下部電気パッドを、前記隣接する特定の保護アイランドに接続し、それによって、前記上部電気パッドを前記下部電気パッドに電気的に接続する、下部の狭い導電性トレースと、をさらに含む、請求項1に記載のFPC。
【請求項4】
前記第1の配線層上の非透明カバーフィルムをさらに備える、
請求項1に記載のFPC。
【請求項5】
前記第1の配線層上の白色カバーフィルムをさらに備える、
請求項1に記載のFPC。
【請求項6】
前記第1の配線層上の透明カバーフィルムと、
それぞれのフィンガの前記透明カバーフィルムの少なくとも一部分上の白色の第2のカバーフィルムと、をさらに備える、
請求項1に記載のFPC。
【請求項7】
請求項1に記載のFPCを備える、ハードディスクドライブ。
【請求項8】
フレキシブルプリント回路(FPC)積層体組成物を製造する方法であって、
下側導電性トレースレイアウトを含む下側配線層を形成することと、
前記下側配線層上にベースフィルムを形成することと、
前記ベースフィルム上に上側導電性トレースレイアウトを含む上側配線層を形成することであって、前記ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、前記下側導電性トレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを形成することを含む、上側配線層を形成することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記上側配線層の前記少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを前記下側配線層に接続するビアを形成することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記上側配線層の上部電気パッドを、隣接する特定の保護アイランドに接続する上部の狭い導電性トレースを形成することと、
前記上側配線層の下部電気パッドを、前記隣接する特定の保護アイランドに接続し、それによって、前記上部電気パッドを前記下部電気パッドに電気的に接続する、下部の狭い導電性トレースを形成することと、をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記上側配線層の少なくとも一部分上に非透明カバーフィルムを形成することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記上側配線層の少なくとも一部分上に白色カバーフィルムを形成することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記上側配線層上に透明カバーフィルムを形成することと、
前記透明カバーフィルムの少なくとも一部分上に白色の第2のカバーフィルムを形成することと、をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
請求項8に記載の方法に従って製造された、FPC。
【請求項15】
スピンドルに回転可能に取り付けられた複数の記録媒体と、
前記複数の記録媒体の少なくとも1つの記録媒体との間で読み取り及び書き込みを行うように構成された対応の読み書き変換器を、それぞれが収容する複数のヘッドスライダと、
前記複数のヘッドスライダを、前記少なくとも1つの記録媒体の部分にアクセスするように移動させるための手段と、
前記複数のヘッドスライダからHDD電子機器に信号を伝達するための手段であって、
前記伝達するための手段は、
主要部分から延在する複数のフィンガであって、それぞれのフィンガが、
第1の導電性トレースレイアウトを含む第1の配線層と、
第2の導電性トレースレイアウトを含む第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在するベースフィルムと、を含む、複数のフィンガを含み、
前記第1の導電性トレースレイアウトは、前記ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、前記第2の導電性トレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを含む、伝達するための手段と、を備える、ハードディスクドライブ(HDD)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドは、ビアによって前記第2の配線層に電気的に接続されている、請求項15に記載のHDD。
【請求項17】
それぞれのフィンガは、
前記第1の配線層の上部電気パッドを、隣接する特定の保護アイランドに接続する上部導電性トレースと、
前記第1の配線層の下部電気パッドを、前記隣接する特定の保護アイランドに接続し、それによって、前記上部電気パッドを前記下部電気パッドに電気的に接続する、下部導電性トレースと、をさらに備える、請求項15に記載のHDD。
【請求項18】
前記伝達するための手段は、
前記第1の配線層上の非透明カバーフィルムをさらに含む、請求項15に記載のHDD
。
【請求項19】
前記伝達するための手段は、
前記第1の配線層上の白色カバーフィルムをさらに含む、請求項15に記載のHDD。
【請求項20】
前記伝達するための手段は、
前記第1の配線層上の透明カバーフィルムと、
それぞれのフィンガの前記透明カバーフィルムの少なくとも一部分上の白色の第2のカバーフィルムと、をさらに含む、請求項15に記載のHDD。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
また、この記述において、特定のプロセス工程が特別の順序で記載されてもよく、アルファベット及び英数字のラベルを使用して、特定の工程を識別することができる。記述において特記されない限り、実施形態は、そのような工程を実施する任意の特別の順序に必ずしも限定されない。特に、ラベルは単に工程の簡便な識別に使用されるものであり、そのような工程を実施する特別の順序を指定又は要求することを意図したものではない。
本明細書は、以下の項目を開示する。
(項目1)
主要部分から延在する複数のフィンガであって、それぞれのフィンガが、
第1の導電性トレースレイアウトを含む第1の配線層と、
第2の導電性トレースレイアウトを含む第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在するベースフィルムと、を含む、複数のフィンガを備え、
前記第1の導電性トレースレイアウトは、前記ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、前記第2の導電性トレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを含む、フレキシブルプリント回路(FPC)。
(項目2)
前記少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドは、ビアによって前記第2の配線層に電気的に接続されている、項目1に記載のFPC。
(項目3)
それぞれのフィンガは、
前記第1の配線層の上部電気パッドを、隣接する特定の保護アイランドに接続する上部の狭い導電性トレースと、
前記第1の配線層の下部電気パッドを、前記隣接する特定の保護アイランドに接続し、それによって、前記上部電気パッドを前記下部電気パッドに電気的に接続する、下部の狭い導電性トレースと、をさらに含む、項目1に記載のFPC。
(項目4)
前記第1の配線層上の非透明カバーフィルムをさらに備える、
項目1に記載のFPC。
(項目5)
前記第1の配線層上の白色カバーフィルムをさらに備える、
項目1に記載のFPC。
(項目6)
前記第1の配線層上の透明カバーフィルムと、
それぞれのフィンガの前記透明カバーフィルムの少なくとも一部分上の白色の第2のカバーフィルムと、をさらに備える、
項目1に記載のFPC。
(項目7)
項目1に記載のFPCを備える、ハードディスクドライブ。
(項目8)
フレキシブルプリント回路(FPC)積層体組成物を製造する方法であって、
下側導電性トレースレイアウトを含む下側配線層を形成することと、
前記下側配線層上にベースフィルムを形成することと、
前記ベースフィルム上に上側導電性トレースレイアウトを含む上側配線層を形成することであって、前記ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、前記下側導電性トレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを形成することを含む、上側配線層を形成することと、を含む、方法。
(項目9)
前記上側配線層の前記少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを前記下側配線層に接続するビアを形成することをさらに含む、
項目8に記載の方法。
(項目10)
前記上側配線層の上部電気パッドを、隣接する特定の保護アイランドに接続する上部の狭い導電性トレースを形成することと、
前記上側配線層の下部電気パッドを、前記隣接する特定の保護アイランドに接続し、それによって、前記上部電気パッドを前記下部電気パッドに電気的に接続する、下部の狭い導電性トレースを形成することと、をさらに含む、
項目8に記載の方法。
(項目11)
前記上側配線層の少なくとも一部分上に非透明カバーフィルムを形成することをさらに含む、
項目8に記載の方法。
(項目12)
前記上側配線層の少なくとも一部分上に白色カバーフィルムを形成することをさらに含む、
項目8に記載の方法。
(項目13)
前記上側配線層上に透明カバーフィルムを形成することと、
前記透明カバーフィルムの少なくとも一部分上に白色の第2のカバーフィルムを形成することと、をさらに含む、
項目8に記載の方法。
(項目14)
項目8に記載の方法に従って製造された、FPC。
(項目15)
スピンドルに回転可能に取り付けられた複数の記録媒体と、
前記複数の記録媒体の少なくとも1つの記録媒体との間で読み取り及び書き込みを行うように構成された対応の読み書き変換器を、それぞれが収容する複数のヘッドスライダと、
前記複数のヘッドスライダを、前記少なくとも1つの記録媒体の部分にアクセスするように移動させるための手段と、
前記複数のヘッドスライダからHDD電子機器に信号を伝達するための手段であって、
前記伝達するための手段は、
主要部分から延在する複数のフィンガであって、それぞれのフィンガが、
第1の導電性トレースレイアウトを含む第1の配線層と、
第2の導電性トレースレイアウトを含む第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に介在するベースフィルムと、を含む、複数のフィンガを含み、
前記第1の導電性トレースレイアウトは、前記ベースフィルムに保護熱障壁を提供するために、前記第2の導電性トレースレイアウトの対応の部分をオーバーレイする少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドを含む、伝達するための手段と、を備える、ハードディスクドライブ(HDD)。
(項目16)
前記少なくとも1つの熱伝導性保護アイランドは、ビアによって前記第2の配線層に電気的に接続されている、項目15に記載のHDD。
(項目17)
それぞれのフィンガは、
前記第1の配線層の上部電気パッドを、隣接する特定の保護アイランドに接続する上部導電性トレースと、
前記第1の配線層の下部電気パッドを、前記隣接する特定の保護アイランドに接続し、それによって、前記上部電気パッドを前記下部電気パッドに電気的に接続する、下部導電性トレースと、をさらに備える、項目15に記載のHDD。
(項目18)
前記伝達するための手段は、
前記第1の配線層上の非透明カバーフィルムをさらに含む、項目15に記載のHDD
。
(項目19)
前記伝達するための手段は、
前記第1の配線層上の白色カバーフィルムをさらに含む、項目15に記載のHDD。
(項目20)
前記伝達するための手段は、
前記第1の配線層上の透明カバーフィルムと、
それぞれのフィンガの前記透明カバーフィルムの少なくとも一部分上の白色の第2のカバーフィルムと、をさらに含む、項目15に記載のHDD。
【外国語明細書】