(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163011
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20241114BHJP
A63F 13/816 20140101ALI20241114BHJP
A63F 13/47 20140101ALI20241114BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20241114BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/816
A63F13/47
A63F13/53
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024034611
(22)【出願日】2024-03-07
(62)【分割の表示】P 2023077277の分割
【原出願日】2023-05-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【弁理士】
【氏名又は名称】原 弘晃
(72)【発明者】
【氏名】秋竹 聡志
(72)【発明者】
【氏名】鈴丸 玲司
(57)【要約】
【課題】対戦を観戦するプレーヤの利便性を向上させるプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供する。
【解決手段】対戦を観戦させる観戦演出をフル観戦パターンまたはショート観戦パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、観戦演出をフル観戦パターンで実行する場合、当該観戦演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、当該観戦演出の実行中にスキップ入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップする処理を実行し、観戦演出をショート観戦パターンで実行する場合、当該観戦演出を構成する複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略して当該観戦演出を実行する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのためのプログラムであって、
前記複数のキャラクタのそれぞれに紐付く情報に基づいて、前記対戦に関する演算を行うゲーム演算部と、
前記演算の結果に基づいて、前記対戦を観戦させるゲーム演出を実行する演出実行部として、コンピュータを機能させ、
前記演出実行部が、
前記ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、当該ゲーム演出の実行中に特定入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップする処理を実行し、
前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する前記複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略して当該ゲーム演出を実行するプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記演出実行部が、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、特定条件を満たしたキャラクタに関する特定演出パートを実行中の演出パートに割り込ませて実行可能とし、
前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、前記特定演出パートの実行を省略するプログラム。
【請求項3】
請求項2において、
前記演出実行部が、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、前記特定演出パートの実行の有無を選択する入力を受け付け可能とするプログラム。
【請求項4】
請求項2において、
前記演出実行部が、
前記第1パターンおよび前記第2パターンのいずれであっても、前記特定条件が成立した場合に当該特定条件の成立を示すアイコンを表示するプログラム。
【請求項5】
請求項4において、
前記演出実行部が、
前記特定条件の成立を示すアイコンにおいて、当該特定条件の成立に関係する前記キャラクタを識別する表示を行うプログラム。
【請求項6】
複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのための情報処理システムであって、
前記複数のキャラクタのそれぞれに紐付く情報に基づいて、前記対戦に関する演算を行うゲーム演算部と、
前記演算の結果に基づいて、前記対戦を観戦させるゲーム演出を実行する演出実行部と、を含み、
前記演出実行部が、
前記ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、当該ゲーム演出の実行中に特定入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップする処理を実行し、
前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する前記複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略して当該ゲーム演出を実行する情報処理システム。
【請求項7】
複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのための情報処理方法であって、
前記複数のキャラクタのそれぞれに紐付く情報に基づいて、前記対戦に関する演算を行うゲーム演算ステップと、
前記演算の結果に基づいて、前記対戦を観戦させるゲーム演出を実行する演出実行ステップと、を含み、
前記演出実行ステップでは、
前記ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、当該ゲーム演出の実行中に特定入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップする処理を実行し、
前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する前記複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略して当該ゲーム演出を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのためのプログラム、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、競走馬をモチーフとしたキャラクタを育成し、育成したキャラクタを他のキャラクタとレースで対戦させる競馬ゲームや、野球選手やサッカー選手をモチーフとしたキャラクタを育成し、育成したキャラクタを試合に出場させて対戦するスポーツゲームなどが知られている。これらの対戦を行うゲームにおいて、対戦内容をプレーヤに観戦させる機能を備えた情報処理装置が存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような対戦を行うゲームにおいて、プレーヤに対戦を観戦させる機能を設けても、観戦時間を要することがプレーヤにとっての負担となり、機能の利用を避けられる場合がある。例えば、時間に余裕のあるプレーヤであれば、観戦時間を気にせずに対戦内容を吟味しながら観戦を楽しむことができるが、時間に余裕のないプレーヤにとっては、自身にとって不要と思われる場面についても視聴することがストレスを感じる要因となる。また対戦を観戦する機能において一部の場面をスキップすることができるようにしたとしても場面をスキップするための入力の手間がプレーヤにとってストレスを感じる要因となり得る。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、対戦を観戦するプレーヤの利便性を向上させるプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのためのプログラムであって、前記複数のキャラクタのそれぞれに紐付く情報に基づいて、前記対戦に関する演算を行うゲーム演算部と、前記演算の結果に基づいて、前記対戦を観戦させるゲーム演出を実行する演出実行部として、コンピュータを機能させ、前記演出実行部が、前記ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、当該ゲーム演出の実行中に特定入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップする処理を実行し、前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する前記複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略して当該ゲーム演出を実行するプログラムに関するものである。
【0007】
(2)本発明では、前記演出実行部が、前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、特定条件を満たしたキャラクタに関する特定演出パートを実行中の演出パートに割り込ませて実行可能とし、前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、前記特定演出パートの実行を省略してもよい。
【0008】
(3)本発明では、前記演出実行部が、前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、前記特定演出パートの実行の有無を選択する入力を受け付け可能としてもよい。
【0009】
(4)本発明では、前記演出実行部が、前記第1パターンおよび前記第2パターンのいずれであっても、前記特定条件が成立した場合に当該特定条件の成立を示すアイコンを表示してもよい。
【0010】
(5)本発明では、前記演出実行部が、前記特定条件の成立を示すアイコンにおいて、当該特定条件の成立に関係する前記キャラクタを識別する表示を行ってもよい。
【0011】
(6)本発明は、複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのための情報処理システムであって、前記複数のキャラクタのそれぞれに紐付く情報に基づいて、前記対戦に関する演算を行うゲーム演算部と、前記演算の結果に基づいて、前記対戦を観戦させるゲーム演出を実行する演出実行部と、を含み、前記演出実行部が、前記ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、当該ゲーム演出の実行中に特定入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップする処理を実行し、前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する前記複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略して当該ゲーム演出を実行する情報処理システムに関するものである。
【0012】
(7)本発明は、複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのための情報処理方法であって、前記複数のキャラクタのそれぞれに紐付く情報に基づいて、前記対戦に関する演算を行うゲーム演算ステップと、前記演算の結果に基づいて、前記対戦を観戦させるゲーム演出を実行する演出実行ステップと、を含み、前記演出実行ステップでは、前記ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、当該ゲーム演出の実行中に特定入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップする処理を実行し、前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する前記複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略して当該ゲーム演出を実行する情報処理方法に関するものである。
【0013】
上記本発明のプログラム、情報処理システム、および情報処理方法では、対戦内容を観戦させるゲーム演出を第1パターンで実行する場合、ゲーム演出の実行中に特定入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップすることが可能であり、ゲーム演出を第2パターンで実行する場合、ゲーム演出を構成する複数の演出パートのうち一部の演出パートを省略してゲーム演出を実行する。すなわち第1パターンでは、プレーヤが特定入力を行うことで対戦の観戦に要する時間を短縮することができ、第2パターンでは、特定入力を要することなくゲーム演出の実行完了に要する時間が予め短縮された状態で対戦を観戦することができる。そして本発明のプログラム、情報処理システム、および情報処理方法では、ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能としたことによって、プレーヤにとって適切な所要時間で対戦を観戦することができ、対戦の観戦に関するプレーヤの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】情報処理システムのハードウェア構成を示す図である。
【
図2】情報処理システムにおけるサーバーの機能ブロック図である。
【
図3】イベントパラメータの更新設定テーブルとイベントスキルの設定テーブルとを示す図である。
【
図4】情報処理システムにおけるプレーヤ端末の機能ブロック図である。
【
図5】観戦演出における演出パートの進行を簡易的に説明する図である。
【
図6】対戦レースイベントの概要を説明する図である。
【
図7】対戦レースイベントにおけるメインステージの進行フローを示す図である。
【
図8】プレーヤ端末で表示されるイベントトップ画面の一例を示す図である。
【
図9】プレーヤ端末で表示される出走キャラクタ確認ダイアログの一例を示す図である。
【
図10】プレーヤ端末で実行されるスキル獲得演出の一例を示す図である。
【
図11】プレーヤ端末で表示される出走準備ダイアログの一例を示す図である。
【
図12】プレーヤ端末で表示される出走準備ダイアログの一例を示す図である。
【
図13】プレーヤ端末で表示される出走準備ダイアログの一例を示す図である。
【
図14】プレーヤ端末で表示される出走確認ダイアログの一例を示す図である。
【
図15】プレーヤ端末で表示される拠点画面の一例を示す図である。
【
図16】プレーヤ端末で表示されるレース映像の一場面を示す図である。
【
図17】プレーヤ端末で表示されるレース映像の一場面を示す図である。
【
図18】プレーヤ端末で実行される出走報酬に関する演出表示の一例を示す図である。
【
図19】プレーヤ端末で表示されるセット終了画面の一例を示す図である。
【
図20】プレーヤ端末で実行されるランク昇格演出の一例を示す図である。
【
図21】プレーヤ端末で表示される表記キャラクタ選択ダイアログの一例を示す図である。
【
図22】プレーヤ端末で表示される表記キャラクタ確認ダイアログの一例を示す図である。
【
図23】対戦レースイベントにおけるエクストラステージの開催準備に係る進行フローを示す図である。
【
図24】プレーヤ端末で表示されるランキング発表ダイアログの一例を示す図である。
【
図25】対戦レースイベントにおけるエクストラステージの進行フローを示す図である。
【
図26】プレーヤ端末で表示されるイベントトップ画面の一例を示す図である。
【
図27】プレーヤ端末で表示される出走登録画面の一例を示す図である。
【
図28】プレーヤ端末で表示される出走登録確認ダイアログの一例を示す図である。
【
図29】プレーヤ端末で表示されるEXステージ参加報酬ダイアログの一例を示す図である。
【
図30】プレーヤ端末で表示されるイベントトップ画面の一例を示す図である。
【
図31】プレーヤ端末で表示されるレース一覧画面の一例を示す図である。
【
図32】プレーヤ端末で表示されるレース一覧画面の一例を示す図である。
【
図33】プレーヤ端末で表示される応援報酬受取ダイアログの一例を示す図である。
【
図34】プレーヤ端末で表示されるレース再生確認ダイアログの一例を示す図である。
【
図35】プレーヤ端末で表示される出走直前状態の観戦演出の一場面を示す図である。
【
図36】プレーヤ端末で表示されるカメラ設定ダイアログの一例を示す図である。
【
図37】プレーヤ端末で実行される出走キャラクタの一覧を表示する演出の一例を示す図である。
【
図38】プレーヤ端末で表示されるレース映像の一場面を示す図である。
【
図39】プレーヤ端末で表示されるレース結果表示画面の一例を示す図である。
【
図40】プレーヤ端末で実行される応援対象処理演出の一例を示す図である。
【
図41】プレーヤ端末で表示される観戦報酬受取ダイアログの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0016】
1.情報処理システムの構成
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の全体的なハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム10では、サーバー20とプレーヤ端末40とが、インターネット、携帯電話網、LAN、WANなどのネットワーク30により接続されており、いわゆるクライアント・サーバー方式の通信システムが構築されている。
【0017】
サーバー20は、CPU21(制御部)と、ROM22と、RAM23と、通信部24と、記憶装置25とを含む。
【0018】
CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムやデータを読み出して各種処理を実行する。RAM23は、CPU21の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。通信部24は、通信モジュールや通信インターフェースによって構成され、ネットワーク30を介してプレーヤ端末40やその他の外部装置との通信処理をおこなう。記憶装置25は、フラッシュメモリ、HDD、SDD等の補助記憶装置であって、ゲームに関するプログラムやプレーヤ端末40を使用するプレーヤのIDなどの識別情報や、その他ゲームに必要なプレーヤごとの各種情報が記憶されている。
【0019】
プレーヤ端末40は、本実施形態に係るゲームを行うための装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、携帯ゲーム機、店舗や家庭に設置される据え置きゲーム機等である。プレーヤ端末40は、CPU/GPU41(制御部)と、ROM42と、RAM43と、通信部44と、操作/入力部45と、表示部46と、記憶装置47と、スピーカ48とを含む。
【0020】
CPU/GPU41は、ROM42に記憶されたプログラムやデータをRAM43に読み出して各種処理を実行する。ROM42は、プレーヤ端末40を動作させるために必要なプログラムを記憶する。ROM42に替えてフラッシュメモリ(NVRAM)を採用してもよい。RAM43は、CPU/GPU41の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。通信部44は、通信モジュールや通信インターフェースによって構成され、ネットワーク30を介してサーバー20やその他の外部装置(他のプレーヤ端末40を含む)との通信処理を行う。操作・入力部45は、プレーヤによる各種操作や入力を受け付ける装置であり、タッチパネルやキーボード、マウス、ゲームコントローラ、マイク等が該当する。なお表示部56がタッチパネルを搭載した表示パネルである場合には、タッチパネルは操作・入力部45に含まれる。表示部46は、本実施形態の情報処理システム10によって提供されるゲームの画像など各種情報を表示する液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。記憶装置47は、フラッシュメモリ、HDD、SDD等の補助記憶装置であって、主にゲームに関するプログラムや、ゲームに関連する各種データ等を記憶する。スピーカ48は、本実施形態の情報処理システム10によって提供されるゲームのBGMや各種音声を出力する装置である。
【0021】
なおプレーヤ端末40の機能や処理は、CPU/GPU41がROM22または記憶装置47に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現される。また、CPU/GPU41は、プレーヤ端末40に対して着脱可能な記録媒体に格納されているプログラムを読み出して、このプログラムを実行してもよい。また、プログラムをプレーヤ端末40に供給するための形態は、プログラムを記録したCD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、プログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体であってもよい。本実施形態では、プレーヤ端末40がタッチパネルを搭載した表示パネルを備えたスマートフォンであるものとして説明する。
【0022】
本実施形態の情報処理システム10は、競走馬をモチーフにしたキャラクタ(ゲーム媒体の一例)を育成し、育成したキャラクタをレースに出走させて他のキャラクタと競争させるゲームを、プレーヤ端末40を通じて提供する機能を有している。本実施形態の情報処理システム10は、キャラクタの育成する育成機能、育成したキャラクタと他のキャラクタとをレースで対戦させる対戦機能などを有しており、以下では、育成機能および対戦機能がプレーヤ端末40を主体として実現される場合を説明する。ただし、先に述べた機能が、サーバー20を主体として実現されてもよいし、サーバー20とプレーヤ端末40とにおいて分担されて実現されてもよい。
【0023】
また本実施形態の情報処理システム10では、対戦機能として、期間限定で開催される対戦レースイベントを提供可能であり、対戦レースイベントでは、メインステージ(第1ステージの一例)とエクストラステージ(EXステージ:第2ステージの一例)とが設けられており、メインステージの戦績上位のプレーヤがエクストラステージに進出することができる仕様となっている。
【0024】
図2は、サーバー20の主要な機能を示す機能ブロック図である。
【0025】
情報処理システム10におけるサーバー20は、各種の識別情報によってプレーヤやキャラクタ等を管理する機能、プレーヤ端末40からの要求に応答してゲームの進行に必要な演算を行い、演算結果をプレーヤ端末40に送信する機能を有し、これらの機能を、サーバーデータ記憶部50と、ゲーム演算部60とが協働して実現する。
【0026】
サーバーデータ記憶部50は、プレーヤ管理データベース51を含み、主として記憶装置25により実現される。本実施形態では、プレーヤごとに付与されるプレーヤIDに紐付けて、キャラクタリスト、アイテムリスト、および育成対象リストなどがプレーヤ管理データベース51に記憶されている。
【0027】
キャラクタリストには、例えば、育成済みキャラクタごとに付与されるキャラクタ個体ID、キャラクタの種別を示すキャラクタ種別ID、キャラクタのステータス(レアリティ、評価点、コース適性、距離適正、脚質適正、走法、スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さ、所持スキル、獲得称号、因子情報)、ロック状態(ロック中、非ロック中)、およびキャラクタの育成履歴(育成条件(継承キャラクタの選択情報およびサポートアイテムの編成情報など)、育成時の出走レースの戦績)などが含まれる。
【0028】
本実施形態において「育成済みキャラクタ」とは、本実施形態の情報処理システム10で実現されるゲーム機能の一つである育成機能によってキャラクタを育成して、その育成が終了してステータスが確定されたキャラクタであることを意味する。
【0029】
また本実施形態では、「キャラクタ個体ID」と「キャラクタ種別ID」とが存在するが、その違いは次の通りである。
【0030】
まず「キャラクタ個体ID」は、育成機能においてキャラクタの育成が終了して、その育成済みキャラクタがキャラクタリストに登録される際に付与されるIDであり、プレーヤIDに紐付けられた育成済みキャラクタのそれぞれを識別するためのものである。
【0031】
また本実施形態では、育成機能において複数種類のキャラクタから育成対象をプレーヤが選択する仕様となっており、「キャラクタ種別ID」は、育成対象のキャラクタの種類を識別するために付与されるIDである。
【0032】
また「ロック状態」とは、育成済みのキャラクタの移籍(キャラクタリストからの削除)が禁止されているか否かを示すものであり、非ロック中であれば移籍可能であり、ロック中であれば移籍不可能となっている。このロック中となる状況としては、プレーヤが育成済みのキャラクタの一覧から個別に指定している場合、育成済みのキャラクタがレースに出走登録されている場合などである。
【0033】
育成対象リストには、キャラクタ種別IDに対して解放済みまたは未解放のいずれかの情報が対応づけられたデータが記憶される。本実施形態では、育成対象リストにおいて解放済みの情報が対応づけられたキャラクタが、プレーヤが育成機能において育成対象として選択可能なキャラクタとなる。また本実施形態では、解放アイテムやキャラクタ獲得抽選によって新たにキャラクタを解放することが可能であり、プレーヤによって育成対象として選択可能なキャラクタの数は異なっている。以下では、育成機能において育成対象として選択可能なキャラクタを解放済みキャラクタと称する場合がある。
【0034】
アイテムリストには、プレーヤが所有するアイテム、強化ポイント、トレーナーポイント(TP)、ゲーム内通貨に関するデータが含まれる。本実施形態では、例えば、アイテムの所有内容および所有量、強化ポイントの所有量、トレーナーポイント(TP)の所有量、ゲーム内通貨の所有量、などがアイテムリストとしてプレーヤ管理データベース51に記憶される。
【0035】
本実施形態におけるアイテムは、例えば、キャラクタの育成をサポートするものであったり、レースの出走コンディションを変化させることなどに用いられるものであり、レースの結果に応じて取得したり、ゲーム内通貨を消費して取得したりできるものである。
【0036】
また強化ポイントは、例えば、キャラクタの育成をサポートするアイテムであるサポートアイテムの強化などに用いられるものであり、サポートアイテムを強化するほど有利な育成環境でキャラクタを育成することができる。
【0037】
またトレーナーポイント(TP)は、育成機能を利用してキャラクタを育成するために用いられるポイントであり、育成を開始する際に1回の育成に必要となる消費量に相当するトレーナーポイント(TP)を消費することでキャラクタの育成を開始することができる。
【0038】
因子情報は、育成機能によってキャラクタを育成した場合に、育成済みキャラクタに紐付けられる情報である。本実施形態では、育成機能においてキャラクタを育成する際に、継承キャラクタとして選択された育成済みキャラクタに紐付けられた因子情報に基づいて、スキルの取得レベルの上昇や、性能パラメータの上昇といった育成対象のキャラクタの能力に影響を与えるステータス補強のためのゲームイベントとして因子継承イベントが発生する。
【0039】
因子情報としては、青因子、赤因子、固有因子、白因子の4系統が存在する。各因子情報には3段階の因子レベルの設定があり、因子レベルが高いほどステータス補強に有利な効果が得られるようになっている。また因子タイプは、青因子、赤因子、固有因子、白因子を細かく分類するものである。青因子は、性能パラメータの名称を冠した因子情報であって、性能パラメータに影響し、因子レベルが高いほど性能パラメータの上昇量が高くなる。赤因子は、コース適正、距離適正、または脚質適正の名称を冠した因子情報であって、コース適性、距離適正、または脚質適正に影響し、因子レベルが高いほど因子継承イベントで適正が上昇しやすくなる。固有因子は、固有スキルの名称を冠した因子情報であって、継承キャラクタの固有スキルを取得可能とし、因子レベルが高いほど固有スキルの取得レベルを上げやすくなる。スキルの取得レベルは、スキルを取得する際のスキルポイントの消費量に影響し、取得レベルが高いほどスキルポイントの消費量が少なくなる。白因子は、青因子、赤因子、および固有因子のいずれにも属さない因子情報であり、スキル因子、レース因子、シナリオ因子が存在する。スキル因子は、スキルの名称を冠した因子情報であって、通常スキル(固有スキル以外のスキル)の取得レベルを上げやすくし、スキルの種類毎に存在する。レース因子は、レースの名称を冠した因子情報であって、性能パラメータおよび通常スキルの取得レベルの少なくとも一方を上げやすくし、レースの種類に応じて効果が異なっている。シナリオ因子は、育成シナリオの名称を冠した因子情報であって、キャラクタを育成した育成シナリオに関する因子情報である。因子継承イベントでシナリオ因子を継承する場合、複数の性能パラメータを大きく上昇させることができ、上昇する性能パラメータは、シナリオ因子の種類に応じて異なっている。また先に述べた因子タイプでは、因子情報が、青因子、赤因子、固有因子、スキル因子、レース因子、シナリオ因子の6種類に分類されている。
【0040】
またサーバーデータ記憶部50は、対戦管理データベース52を含み、対戦管理データベース52に対戦レースイベントに関するデータが記憶される。例えば、対戦レースイベントの開催スケジュールに関するデータ、イベントパラメータの更新設定テーブル、ランクポイントの獲得設定テーブル、イベントスキルの設定テーブル、イベントスキルの抽選テーブル、報酬設定テーブル、レースを識別するためのマッチングID、対戦レースイベントに参加しているプレーヤのプレーヤID、対戦レースイベントにおいてプレーヤが出走登録した育成済みキャラクタのキャラクタ個体ID、対戦レースイベントにおけるプレーヤの戦績(出走回数、着順など)、プレーヤのイベントパラメータの獲得状況、ランクポイントの獲得状況(プレーヤのランクポイントの合計獲得量およびキャラクタの種別毎のランクポイントの合計獲得量)、プレーヤのリーグランク、プレーヤの参加チケットの所持数などが記憶される。
【0041】
イベントパラメータ(特定パラメータの一例)は、イベントスキルの獲得に必要となるパラメータであり、レース対戦イベントにおけるメインステージでレースに出走した場合に、イベントパラメータの更新設定テーブルを参照してレース結果に対応するイベントパラメータが算出され、1セット(5レース)を終了した際に、1セット分のイベントパラメータの更新内容がレースへの出走を要求したプレーヤに対して通知される。なおイベントパラメータは、1レース単位で更新され、プレーヤ端末40において各レースのレース結果を表示する毎にイベントパラメータの獲得値が表示されるようにしてもよい。
【0042】
図3(A)は、イベントパラメータの更新設定テーブルの例を示す図である。イベントパラメータの更新設定テーブルでは、対戦結果の優秀度が低いほど評価が高くなる(イベントパラメータの更新量が多くなる)評価基準(所定の評価基準の一例)で、レース結果に対応する獲得条件とイベントパラメータの獲得値との関係が設定されている。例えば、1レースでの最高順位が2着のレース結果である場合よりも1レースでの最高順位が3着である場合の方がイベントパラメータの獲得値が多く設定されている。また例えば、1セット分5レースでの最高順位2着以下が3回の場合よりも1セット分5レースでの最高順位2着以下が4回の方がイベントパラメータの獲得値が多く設定されている。本実施形態では、1セット分5レースにおけるイベントパラメータの獲得値の合計がイベントパラメータの更新量となる。なおイベントパラメータの獲得値を決定するための評価基準は、ゲームの種類に応じて設定することができる。例えば、野球ゲームやサッカーゲームなどの得点により対戦の勝敗が決定されるゲームにおいては、勝者と敗者との得点差が大きいほど、敗者が得られるイベントパラメータの獲得値が多くなるようにイベントパラメータの更新設定テーブルを設定することができる。また例えば、格闘ゲームや他のアクションゲームなどで対戦を行うキャラクタの残り体力が勝敗に関係するゲームにおいては、勝者と敗者との残り体力差が大きいほど、敗者が得られるイベントパラメータの獲得値が多くなるようにイベントパラメータの更新設定テーブルを設定することができる。また例えば、所定本数の勝利を条件として対戦の勝敗が決定されるゲームにおいては、勝者と敗者との勝利本数の差が大きいほど、敗者が得られるイベントパラメータの獲得値が多くなるようにイベントパラメータの更新設定テーブルを設定することができる。
【0043】
またイベントパラメータの更新設定テーブルでは、対戦結果が僅差の敗北であった場合にイベントパラメータを追加で得られるようにレース結果に対応するイベントパラメータの値が設定されている。本実施形態では、1着のキャラクタが自身のキャラクタではなく、1着のキャラクタに対して、ハナ差、アタマ差、またはクビ差という着差で自身のキャラクタが2着となった場合に僅差の敗北として判断され、イベントパラメータの獲得値を追加で得ることができる。なお僅差の敗北についての判断基準は、ゲームの種類に応じて設定することができる。例えば、野球ゲームやサッカーゲームなどの得点により対戦の勝敗が決定されるゲームにおいては、勝者と敗者との得点差が僅か(例えば、1点差)である場合に僅差の敗北であると判断することができる。また例えば、格闘ゲームや他のアクションゲームなどで対戦を行うキャラクタの残り体力が勝敗に関係するゲームにおいては、勝者と敗者との残り体力差が僅か(例えば、最大体力の10%未満)である場合に僅差の敗北であると判断することができる。また例えば、所定本数の勝利を条件として対戦の勝敗が決定されるゲームにおいては、勝者と敗者との勝利本数の差が僅か(例えば、1本差)である場合に僅差の敗北であると判断することができる。
【0044】
またイベントパラメータの更新設定テーブルでは、レースに1回出走したことを獲得条件としてイベントパラメータの獲得値を得ることができる設定が存在し、1セット分5レースのそれぞれで「+1」以上のイベントパラメータの獲得値を得ることができる。
【0045】
イベントスキル(特殊効果の一例)は、イベントパラメータが最大値(例えば、30:所定値の一例)に達した場合に、イベントパラメータが最大値に達したプレーヤに対して複数種類のイベントスキルからランダムに決定されたイベントスキルが設定され、イベントスキルを獲得したプレーヤはメインステージでの1セットの5レースにおいてイベントスキルの効果を発動可能となっている。イベントスキルを獲得した場合、イベントパラメータは初期値(例えば、0)にリセットされる。なお本実施形態では、プレーヤに紐付けてイベントスキルを設定する場合を説明するが、レースに出走する3体の育成済みキャラクタを1チームとしてチームに紐付けてイベントスキルを設定してもよいし、レースに出走する育成済みキャラクタに個別に紐付けてイベントスキルを設定してもよい。
【0046】
図3(B)は、イベントスキルの設定テーブルを示す図である。本実施形態では、イベントスキル1~イベントスキル7の7種類のイベントスキルが用意されており、スキルの種類に応じた効果が設定されている。またイベントスキルには、アイテムの使用によってプレーヤが任意に変更することができるレース条件(やる気、天候、コース状態、および枠番)がスキルの発動に影響するものが存在する。具体的に説明すると、イベントスキル1は、やる気がスキルの発動に影響し、イベントスキル2およびイベントスキル3は、天候およびコース状態がスキルの発動に影響し、イベントスキル4およびイベントスキル5は、枠番がスキルの発動に影響する。このため、イベントスキル1~イベントスキル5については発動条件(特定条件の一例)の成立に関係するイベントスキル対応アイテムが設定されている。一方、イベントスキル6およびイベントスキル7についてはスキルの発動条件がアイテムの使用によって影響を受けるものではないため、イベントスキル対応アイテムが設定されていない。
【0047】
ランクポイント(評価値の一例)は、メインステージにおけるプレーヤのリーグランクを設定するためのパラメータであり、メインステージでレースを出走する毎にレース結果に応じたランクポイントが付与される。ランクポイントはメインステージにおけるマッチング処理において参照され、自身のリーグランクに近い他のプレーヤが対戦相手としてマッチングされる。またランクポイントは、メインステージの開催期間終了後にプレーヤの順位付けに使用され、ランクポイントによる順位がエクストラステージの参加条件を満たしたプレーヤがエクストラステージのレースに参加することができる。ランクポイントの獲得設定テーブルでは、対戦結果の優秀度が高いほど評価が高くなる(ランクポイントの獲得量が多くなる)評価基準(他の評価基準の一例)でレースの着順に対応するランクポイントの値が設定されている。
【0048】
リーグランクは、メインステージの対戦相手の候補についての指標となる情報であり、ランクポイントが昇格条件を満たすとリーグランクが上昇する仕様となっている。リーグランクは、ブロンズ、シルバー、ゴールド、およびプラチナの4種類が設けられており、リーグランクが上昇すると、ランクアップ報酬を獲得することができる。
【0049】
ゲーム演算部60は、プレーヤ端末40からの要求に応答してゲームの進行に必要な演算を行い、演算結果をプレーヤ端末40に送信する処理、プレーヤ端末40からの要求に応答してゲームの進行に必要なデータをプレーヤ端末40に送信する処理などを行い、主としてCPU21および通信部24により実現される。例えば、育成機能においてプレーヤ端末40からトレーニング指示に関する要求を受け取ると、ゲーム演算部60がトレーニングについて成功または失敗のいずれであるかの結果を演算し、プレーヤ端末40に演算結果を送信する。また例えば、育成機能においてレースの出走に関する要求を受け取ると、ゲーム演算部60は、育成対象のキャラクタとノンプレーヤキャラクタ(NPC)とを含む複数のキャラクタによるレースシミュレーションを行い、レースシミュレーションの結果をプレーヤ端末40に送信する。また例えば、対戦機能においてレースの出走に関する要求を受け取ると、ゲーム演算部60は、プレーヤが編成した育成済みキャラクタと対戦相手が編成した育成済みキャラクタとを含む複数のキャラクタによるレースシミュレーションを行い、レースシミュレーションの結果をプレーヤ端末40に送信する。
【0050】
ゲーム演算部60は、マッチング処理部61を含む。マッチング処理部61は、対戦レースイベントにおいてキャラクタの登録が完了したプレーヤの対戦相手を決定する処理を行う。本実施形態の情報処理システム10では、対戦レースイベントのメインステージにおいて、3体のキャラクタの登録を完了するとマッチング要求のための入力(マッチング入力)を行うことが可能となっている。メインステージに参加するプレーヤのプレーヤ端末40においてマッチング入力が行われると、プレーヤ端末40からサーバー20にマッチング要求が送信される。マッチング処理部61は、プレーヤ端末40からのマッチング要求に応答して、対戦相手の候補となる他のプレーヤを抽出したプレーヤリストを作成し、プレーヤリストから1セット分の5レースの対戦相手(各レース1名ずつ)となる他のプレーヤをランダムに抽出する。より詳細には、マッチング処理部62は、対戦相手決定入力を行ったプレーヤのランクポイントを基準とした所定範囲のランクポイントを所持する他のプレーヤをログイン順にソートして100名のプレーヤを抽出したプレーヤリストを作成する。プレーヤリストから抽出された5名のプレーヤを1セット分の5レースに割り当てて、5名のプレーヤに共通するマッチングIDと5名の対戦相手プレーヤの出走対象のレースを識別するレースIDとを付与し、このマッチングIDに5名のレースIDを紐づけて対戦管理データベース52に新たな対戦レコードを作成する。この対戦レコードは対戦レースイベントの1セット分の5レース毎の対戦履歴(対戦相手、出走キャラクタ、着順、タイムなど)を記録するものである。
【0051】
またマッチング処理部61は、メインステージにおける1セット分の5レースについて、対戦を要求したプレーヤと対戦相手との計2名のプレーヤが出走登録をした6体(3体×2)のキャラクタに6体のノンプレーヤキャラクタ(以下、必要に応じてNPCと略す場合がある)を含めた計12体分のキャラクタについて出走番号を割り当てるためのゲート抽選を行う。ゲート抽選では各キャラクタに「1」~「12」のいずれかの出走番号が互いに重複しないように割り当てられる。後述するシミュレーション処理では、12体のキャラクタがレースで使用されるコースの内側から出走番号順に並んでレースをスタートするレースシミュレーションが行われる。
【0052】
またマッチング処理部61は、メインステージにおける1セット分の5レースにおいてレースコンディションを決定するコンディション抽選を行う。本実施形態では、コンディション抽選によって天候(晴れ、曇り、雨、雪の4種類からランダム)とコース状態(良、稍重、重、不良の4種類からランダム)とが決定される。なおコンディション抽選によって決定されたレースコンディションは1セット分の5レースに共通に適用され、後述するシミュレーション処理では、コンディション抽選で決定されたレースコンディションを適用したレースシミュレーションが行われる。
【0053】
また本実施形態の情報処理システム10では、対戦レースイベントのエクストラステージについて、メインステージで獲得した各プレーヤのランクポイントの合計による順位によって対戦相手が決定される。マッチング処理部61は、エクストラステージに参加するプレーヤであるメインステージの上位96名のプレーヤを、Aブロックの第1レース~第12レースとBブロックの第1レース~第12レースの計24レースに対して、1レースにつき4名のプレーヤをランクポイントの順位に従って割り当ててプレーヤのマッチングを行って、対戦管理データベース52に各レースに対応する対戦レコードを作成する。
【0054】
ゲーム演算部60は、シミュレーション処理部62を含む。シミュレーション処理部62は、対戦レースイベントのメインステージにおいて、1セット分の5レースそれぞれについて、2名のプレーヤが出走登録した6体(3体×2)の育成済みキャラクタと6体のノンプレーヤキャラクタ(NPC)とを含む計12体のキャラクタによるレースシミュレーションを行う。またシミュレーション処理部62は、対戦レースイベントのエクストラステージにおいて、Aブロックの第1レース~第12レースおよびBブロックの第1レース~第12レースの計24レースそれぞれについて、4名のプレーヤが出走登録した12体(3体×4)の育成済みキャラクタによるレースシミュレーションを行う。レースシミュレーションにおいては、各キャラクタのステータス(スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さ、コース適正、距離適性、脚質適正、走法、所持スキル)に基づいて、レース展開、走行速度、スタミナ消費量、スキルの発動抽選、スキルの発動条件判定、着順、およびタイムなどの演算を行う。特に本実施形態では、メインステージにおいてイベントスキルを獲得したプレーヤがレースへの出走を要求しており、イベントスキルの発動条件を満たしている場合、シミュレーション処理部62は、そのプレーヤが出走登録した3体の育成済みキャラクタのそれぞれにイベントスキルを適用したレースシミュレーションを実行する。対戦レースイベントのメインステージおよびエクストラステージにおいて実行されたレースシミュレーションの結果は対戦管理データベース52に作成された対戦レコードに記録される。
【0055】
そして本実施形態の情報処理システム10では、サーバー20が、マッチング処理部61が行ったマッチングの結果、シミュレーション処理部62のレースシミュレーションの結果などの各種の処理結果の情報を、プレーヤ端末40に送信する。また本実施形態の情報処理システム10では、プレーヤ端末40が、サーバー20から受信した各種の処理結果の情報に基づいて、レースの様子を表示部46によって観戦可能とする。
【0056】
ゲーム演算部60は、対戦結果評価部63を含む。対戦結果評価部63は、レース対戦イベントのメインステージにおいてレースによる対戦が行われると、対戦管理データベース52に格納されているランクポイントの獲得設定テーブルを参照して、レースへの出走を要求したプレーヤの育成済みキャラクタのレース結果に対応したランクポイントの獲得量を算出し、算出されたランクポイントの獲得量に関する情報を、レースへの出走を要求したプレーヤのプレーヤ端末40に送信する。本実施形態では、対戦管理データベース52において、各プレーヤのランクポイントがプレーヤIDに紐付けて管理され、ランクポイントによって各プレーヤのリーグランクが決定される。また対戦結果評価部63は、メインステージでのレースの出走に対して出走報酬をプレーヤに付与し、ランクポイントがリーグランクの昇格条件を満たしたプレーヤに対してランクアップ報酬を付与する。また対戦結果評価部63は、メインステージにおいて、ランクポイントによる各プレーヤの順位付けを行い、メインステージの開催期間が終了した時点でランクポイントによる順位がエクストラステージの参加条件を満たすプレーヤに対してエクストラステージでの対戦に参加することを許可する。なおエクストラステージに参加するプレーヤを決定する際に、メインステージにおける各プレーヤの戦績を判断する基準は、ランクポイントではなく、メインステージにおけるレースの勝利数であったり、メインステージにおける複数回のレースの中で最も早いタイムであったりしてもよい。すなわちメインステージにおけるプレーヤの戦績を判断するための評価値は、既述のランクポイントだけではなく、勝利数であたりタイムであったりしてもよい。
【0057】
また対戦結果評価部63は、メインステージにおけるキャラクタの種別毎に獲得したランクポイントをプレーヤ毎に集計し、プレーヤIDとキャラクタ種別IDとに紐付けてランクポイントの合計獲得量を対戦管理データベース52に記録する。本実施形態では、キャラクタの種別毎のランクポイントの合計獲得量が、対戦レースイベントで報酬として付与されるイベント限定称号の選択可能条件の判断に用いられる。本実施形態では、プレーヤごとに、自身の称号の設定を行うことができる。プレーヤ毎に設定された称号は、プレーヤの情報を確認する表示画面においてプレーヤ名に併記して表示される。プレーヤに対して設定されている称号は、フレンド登録した他のプレーヤや対戦機能を利用して同じレースに出走する他のプレーヤなどに対しても表示される。称号は、ゲームにおいて、その称号の獲得条件を達成したことを示すものであり、自身が設定した称号を用いて他のプレーヤに対して自身のゲームにおける実績をアピールすることができる。また称号は、ゲームの実績を示す指標であって、基本的には、レースやゲームの進行に影響を与えるものではない。ただし一部のゲーム機能において称号の所持を判断基準として所定の称号を所持するプレーヤを抽出する処理に利用することができる。
【0058】
また対戦結果評価部63は、レース対戦イベントのメインステージの開催期間において、メインステージにおいてレースによる対戦が行われると、対戦管理データベース52に格納されているイベントパラメータの獲得設定テーブルを参照して、レース結果に対応したイベントパラメータの更新量を決定し、対戦管理データベース52に記憶されているプレーヤ毎に管理されているイベントパラメータのうち、レースの出走を要求したプレーヤのイベントパラメータを最大値に近づけるように更新する。なおレース結果が所定の結果である場合に、イベントパラメータが最大値から遠ざかるように更新されてもよい。例えば、メインステージにおける1セット分5レースの結果が、5回とも勝利(プレーヤの出走登録した育成済みキャラクタが1着)であった場合について、イベントパラメータの獲得設定テーブルではイベントパラメータの減算値が設定されており、対戦結果評価部63が、1セット分5レースの全てに勝利したプレーヤのイベントパラメータを最大値から遠ざけるように更新することができる。
【0059】
ゲーム演算部60は、イベントスキル決定部64を含む。イベントスキル決定部64は、イベントパラメータの合計が最大値に達したプレーヤに対して対戦に有利となるイベントスキルを設定する。本実施形態では、メインステージで1セットの5レースを消化した場合にイベントパラメータの更新が行われ、更新後のイベントパラメータが最大値に達した場合にイベントスキル決定部64が、対戦管理データベース52に格納されているイベントスキルの抽選テーブルを参照した抽選を実行してイベントパラメータが最大値に達した参加プレーヤのプレーヤ端末40に抽選で決定されたイベントスキルに関する情報を送信する。
【0060】
図4は、プレーヤ端末40の主要な機能を示す機能ブロック図である。
【0061】
本実施形態の情報処理システム10におけるプレーヤ端末40は、
図3に示すように、端末データ記憶部70と、ゲーム実行部80とが協働して、育成機能および対戦機能を実現する。
【0062】
端末データ記憶部70は、ゲーム実行部80が各種の処理を行うためのデータを記憶するものであり、主として記憶装置47により実現される。
【0063】
端末データ記憶部70は、プレーヤデータ記憶部71を含み、プレーヤデータ記憶部71には、プレーヤIDに対応するキャラクタリスト、育成対象リスト、アイテムリスト、およびフレンドリストに関するデータなどが記憶される。本実施形態では、アプリケーションの起動時および終了時、その他の必要な状況において、プレーヤ端末40のプレーヤデータ記憶部71とサーバー20のプレーヤ管理データベース51との間でプレーヤIDに紐付けられたデータ(キャラクタリスト、育成対象リスト、アイテムリスト、およびフレンドリストなど)に関する同期処理を行い、プレーヤデータ記憶部71に格納されているデータを利用して、各種ゲーム処理を実行する。本実施形態では、各種ゲーム処理の実行に伴ってキャラクタリスト、育成対象リスト、アイテムリスト、フレンドリストの変更が必要となった場合、プレーヤデータ記憶部71の記憶内容が更新されるとともにサーバー20のプレーヤ管理データベース51に更新された記憶内容がバックアップされ、両者の記憶内容の同期が行われる。なおキャラクタリスト、育成対象リスト、アイテムリスト、およびフレンドリスト等のプレーヤIDに紐付けられたデータをアプリケーションの起動時など必要に応じてプレーヤ管理データベース51からプレーヤデータ記憶部71にダウンロードするようにしてもよい。
【0064】
端末データ記憶部70は、育成進行データ記憶部72を含む。育成進行データ記憶部72には、育成機能において育成対象として選択可能なキャラクタ(育成対象リストにおいて解放済みの情報が対応づけられたキャラクタ種別IDのキャラクタ)の育成機能の進行に必要なデータ(育成進行データ)が記憶される。本実施形態では、育成機能に関して育成目標やゲームイベントなどがキャラクタ毎に用意されており、少なくとも育成目標の設定内容およびゲームイベントの設定内容を含む育成進行データがキャラクタ種別IDに紐付けて育成進行データ記憶部72に記憶されている。
【0065】
また端末データ記憶部70は、レース制御データ記憶部73を含む。レース制御データ記憶部73には、育成機能や対戦機能においてキャラクタが出走したレースを観戦させる際にキャラクタの動作やスキル発動の演出などを制御するためのデータや、レース実況のテキストデータおよび音声データなどが記憶されている。
【0066】
また端末データ記憶部70は、イベントデータ記憶部74を含む。イベントデータ記憶部74には、対戦レースイベントに関する制御を行うための各種データが記憶されている。本実施形態では、対戦レースイベントの開催スケジュールに関するデータ、参加チケットの所持数の管理データ、プレーヤIDに紐付くイベントパラメータの管理データ、イベントスキルの発動条件や効果に関するデータ、表示画面やダイアログに関する画像を生成するためのデータ、報酬の獲得状況を管理するデータなどがイベントデータ記憶部74に記憶されている。
【0067】
ゲーム実行部80は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、複数種類のゲームモードのうち選択されたゲームモードを実行する処理、ゲームを進行させる処理、イベント発生条件が満たされた場合にイベントを発生させる処理、ゲーム結果を演算する処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、サーバー20に演算を要求する処理、サーバー20から演算結果や必要なデータを取得する処理、およびサーバー20にプレーヤ端末40の演算結果やデータを送信する処理などを行い、主としてCPU/GPU41および通信部44により実現される。本実施形態では、ゲーム実行部80が、育成機能提供部81と、対戦機能提供部82とを含む。
【0068】
育成機能提供部81は、キャラクタを育成する育成機能を提供する処理を行う。本実施形態では、キャラクタの育成に関して入力を受け付けて、その入力に対する演算結果の表示等を行う。
【0069】
本実施形態では、育成機能においてキャラクタを育成する際に、1ターンごとにターン消費の対象となっている行動を選択することが求められる。ターン消費の対象となっている行動としては、トレーニング、レースへの出走、お出かけ、保健室などが存在し、育成機能提供部81は、ターン消費の対象となる行動の選択を表示部44に表示される育成ホーム画面などを通じて受け付けて、選択された行動に対する結果の演算をサーバー20に要求する。要求を受けたサーバー20では、選択された行動に対する結果の演算を行って演算結果をプレーヤ端末40に送信し、育成機能提供部81は、サーバー20から受信した演算結果に対応する表示画面を表示部44に表示させる。
【0070】
また本実施形態では、育成対象のキャラクタの種別に応じて育成目標が設定されており、育成目標において所定のターンにおいて選択が強制される必須行動が存在する場合がある。例えば、育成目標において所定のレースに出走すること、または所定のレースで所定の着順結果を得ることなどである。この場合、育成目標に関連付けられた所定のレースが設定されているターンにおいては、レースへの出走が必須行動となり、レースへの出走以外のターン消費の対象となる行動は選択することができない。このように育成機能提供部81は、必須行動の選択を受け付けるターンにおいて必須行動とは異なる行動の選択を制限する制御を行う。
【0071】
また育成機能提供部81は、育成が終了したキャラクタに紐付ける因子情報をサーバー20から取得してプレーヤに通知し、プレーヤの承認を経て因子情報が紐付けられたキャラクタを、プレーヤ管理データベース51のキャラクタリストおよびプレーヤデータ記憶部71のキャラクタリストに登録するための処理を行う。
【0072】
具体的に説明すると、育成機能提供部81は、育成が終了したキャラクタに紐付ける因子情報をサーバー20から取得してプレーヤに通知する処理を行う。例えば、育成機能提供部81は、育成機能においてキャラクタの育成が終了したことに基づいてサーバー20に対して因子獲得要求を送信し、キャラクタに紐付ける予定の因子情報をサーバー20から取得する。そして育成機能提供部81は、サーバー20から取得した因子情報を、表示部44を通じてプレーヤに通知する。
【0073】
また育成機能提供部81は、因子情報がプレーヤに通知された後に、因子情報の再獲得を要求する入力を受け付けて、育成が終了したキャラクタに紐付ける因子情報を変更可能とする処理を行う。
【0074】
具体的に説明すると、育成機能提供部81は、因子情報が通知された後に、因子情報を確定する入力と因子情報を再獲得するための入力を受け付けて、因子情報を再獲得するための入力を受け付けたことに基づいてサーバー20に対して因子再獲得要求を送信して、サーバー20から再抽選によって決定された因子情報を取得する。因子情報が再獲得された場合、育成機能提供部81が、育成が終了したキャラクタに関して、先に獲得した因子情報と後に獲得した因子情報とを比較可能に表示し、いずれの因子情報をキャラクタに紐付けるかをプレーヤが選択可能とする。そして育成機能提供部81は、先に獲得した因子情報と後に獲得した因子情報とのいずれをキャラクタに紐付けるかの選択を受け付けて、選択結果に対応する因子情報をキャラクタに紐付ける因子情報として確定する。
【0075】
また育成機能提供部81は、プレーヤに紐付ける因子情報が確定されたことに基づいて、育成済みキャラクタをプレーヤデータ記憶部71のキャラクタリストに登録するとともに、サーバー20に対してキャラクタ登録要求を送信する。キャラクタ登録要求を受信したサーバー20では、プレーヤ管理データベース51のキャラクタリストにキャラクタ登録要求に対応する育成済みキャラクタを登録する。
【0076】
対戦機能提供部82は、プレーヤが所有する育成済みキャラクタを、他のプレーヤの育成済みキャラクタや、ノンプレーヤキャラクタ(NPC)とレースで対戦させる対戦機能を提供する処理を行う。本実施形態では、対戦機能として、常設対戦機能とイベント対戦機能とが存在する。
【0077】
常設対戦機能は、期間の制限がなく利用可能な対戦機能であり、プレーヤが利用できるレースの種類として、チーム競技場、デイリーレース、デイリーレジェンドレースの3種類が存在する。
【0078】
チーム競技場は、短距離、マイル、中距離、長距離、ダートの5種類の距離カテゴリについて、プレーヤの手持ちの育成済みキャラクタから3体ずつ選択して5つのチームを編成し、他のプレーヤが編成したチームと各距離カテゴリに関する5種類のレースで対戦する常設対戦機能である。各距離カテゴリで1着を取ったキャラクタが所属するチームが勝利し、5種類のレースのうち3勝することで対戦相手に勝利したことになる。チーム競技場では、各レースでキャラクタの挙動や着順に応じた競技場ポイントが付与され、5種類のレースにおける競技場ポイントの合計によってプレーヤのランキングが決定され、ランキングに応じた報酬が付与される。
【0079】
デイリーレースは、マイルまたは中距離の距離カテゴリについて報酬および難易度の異なるレースが用意されており、プレーヤの手持ちの育成済みキャラクタから1体を選択し、選択した育成済みキャラクタを出走させてノンプレーヤキャラクタ(NPC)とレースで対戦する常設対戦機能である。デイリーレースでは、プレーヤが出走させた育成済みキャラクタのレースにおける着順に応じた報酬を獲得することができる。
【0080】
デイリーレジェンドレースは、レースの結果に応じてキャラクタピースを報酬として獲得できる常設対戦機能である。キャラクタピースとは、所定数のキャラクタピースを消費することによって、育成対象として未解放のキャラクタを解放する、または解放済みキャラクタのレアリティを上げることを可能とするアイテムである。デイリーレジェンドレースでは、キャラクタごとにレースの条件が設定されており、キャラクタピースの獲得を所望するキャラクタを選択して、プレーヤの手持ちの育成済みキャラクタから1体を選択し、選択した育成済みキャラクタをレースに出走させる。そしてデイリーレジェンドレースでは、プレーヤが出走させた育成済みキャラクタがレースで1着を獲得すると、出走したレースに対応するキャラクタのキャラクタピースを獲得することができる。
【0081】
対戦機能提供部82は、チーム競技場、デイリーレース、およびデイリーレジェンドレースの常設対戦機能において、プレーヤが出走を決定した場合、対戦結果要求をサーバー20に対して送信する。プレーヤ端末40から対戦結果要求を受信したサーバー20では、レースシミュレーションが実行され、対戦機能提供部82は、サーバー20からレースシミュレーションの結果を取得する。レースシミュレーションの結果をサーバー20から受け取ったプレーヤ端末40では、後述するレース演出実行部85が、レース制御データ記憶部73に記憶されている各種データに基づいて、レースシミュレーションの結果に基づくレースの観戦演出に係る映像を生成し、生成された観戦演出に係る映像を表示部44に表示させて、プレーヤがレースの模様を観戦することができる。
【0082】
イベント対戦機能は、期間限定で利用可能な対戦機能であり、対戦レースイベントが存在する。対戦レースイベントでは、メインステージとエクストラステージとが設けられている。対戦機能提供部82は、対戦レースイベントに関するゲーム進行を行う制御部として、第1ステージ制御部83と第2ステージ制御部84とを含む。
【0083】
第1ステージ制御部83は、対戦を繰り返すことで蓄積されるランクポイントに基づき各プレーヤの戦績が評価されるメインステージの進行を制御する。具体的に説明すると、第1ステージ制御部83は、プレーヤが所有する育成済みキャラクタの中からメインステージでのレースに出走させる3体の育成済みキャラクタを選択するための入力を受け付ける処理を行う。また第1ステージ制御部83は、メインステージのレースにおける対戦相手の決定を要求する対戦相手決定入力を受け付けて、対戦相手決定入力が行われたことに基づいてサーバー20にマッチング要求を送信する処理を行う。また第1ステージ制御部83は、サーバー20からマッチング要求に対する対戦相手のマッチング結果を受け取ると、レースの出走を決定する出走決定入力を受け付けて、出走決定入力が行われたことに基づいてサーバー20に出走要求を送信する処理を行う。プレーヤ端末40がサーバー20から出走要求に対する1セット分の5レースのレースシミュレーション結果を受け取ると、後述するレース演出実行部85が、各レースの様子を表示部46によってプレーヤに観戦させる観戦演出を実行する。また第1ステージ制御部83は、レースの観戦演出が終わるとレース結果やレース結果に付随する情報(ランクポイントの獲得量、リーグランクの状況、報酬の獲得内容など)を表示部46に表示させる制御を行う。
【0084】
また第1ステージ制御部83は、イベントパラメータが最大値に達した場合に、イベントスキルを獲得するための処理を行う。具体的には、イベントパラメータが最大値に達した状況でサーバー20に対してマッチング要求が行われる場合に、第1ステージ制御部83は、イベントスキルの獲得要求をサーバー20に対して送信する。イベントスキルの獲得要求を受け取ったサーバー20では、イベントスキル決定部64が、抽選を行って獲得対象のイベントスキルを決定し、獲得対象のイベントスキルの情報がプレーヤ端末40に通知される。イベントスキルには、効果を有効に機能させるための発動条件が設定されており、第1ステージ制御部83は、イベントスキルを獲得している状況において、メインステージでのレースシミュレーションをサーバー20に要求する前に、そのイベントスキルの発動条件を満たすためのアイテムをプレーヤの任意で使用可能とする制御を行う。
【0085】
第2ステージ制御部84は、メインステージの戦績上位のプレーヤの参加が許可され、参加が許可されたプレーヤが対戦を行うエクストラステージの進行を制御する。エクストラステージでは、メインステージの戦績によって、レースに参加するプレーヤとレースに参加しないプレーヤとに区別される。メインステージでは、1セット分の5レースを繰り返す形式で対戦が行われるが、エクストラステージでは、参加を許可された各プレーヤが1レースのみを行う形式で対戦する。第2ステージ制御部84は、レースへの参加が許可されている場合、エクストラステージの出走登録期間においてプレーヤが所有する育成済みキャラクタの中からエクストラステージでのレースに出走させる3体の育成済みキャラクタを選択するための入力を受け付ける処理を行う。エクストラステージのレースはランダムマッチングではなく、メインステージにおけるランクポイントに基づく順位によって決定され、出走登録期間が終了すると育成済みキャラクタの出走登録内容が確定し、サーバー20によってレースシミュレーションが実行される。
【0086】
また第2ステージ制御部84は、エクストラステージにおけるレースの参加の可否に関わらずにエクストラステージにおける対戦を観戦可能とし、対戦を観戦したことに基づいて報酬を獲得可能とする制御を行う。具体的には、全てのプレーヤのプレーヤ端末40に対してエクストラステージのマッチング結果とレースシミュレーションの結果がサーバー20から配布される。サーバー20から受け取ったマッチング結果とレースシミュレーションの結果に基づいて、後述するレース演出実行部85が、エクストラステージのレースの様子を表示部46によって観戦させる観戦演出を実行する。エクストラステージのレースに関する観戦演出が終わると、第2ステージ制御部84は、レース結果や観戦によって獲得した報酬を表示部46に表示させる制御を行う。なお対戦レースイベントのエクストラステージでは、レース期間の開始後に、ホーム画面からイベントトップ画面へ遷移する操作が行われた場合に、エクストラステージのレースに関する観戦演出をレース演出実行部85によって実行可能とし、イベントトップ画面へ遷移する操作が行われていないプレーヤ端末40に対してはサーバー20からレースシミュレーションの結果が送られないようにすることができる。本実施形態では、対戦レースイベントの開催期間において、ホーム画面に対戦レースイベントに対応するイベントアイコンが設けられ、第2ステージ制御部84が、イベントアイコンに対するタップ入力を行われた場合、イベントトップ画面へ遷移する操作が行われたと判断する。また対戦レースイベントにおいてエクストラステージが開始されることに伴って、ホーム画面のイベントアイコンを強調表示することによってホーム画面においてイベントアイコンが目立つようにイベントアイコンの表示態様を変化させるようにしてもよい。
【0087】
また第2ステージ制御部84は、エクストラステージにおける対戦を観戦することができるレース期間が開始されるより前の所定期間において、レースに出走する育成済みキャラクタのうち任意の1体の育成済みキャラクタを応援対象として選択する入力を受け付ける処理を行う。レース期間においてレースの観戦演出が実行される場合、レース演出実行部85が、観戦演出において応援対象として選択された育成済みキャラクタを識別可能な態様で表示する観戦画面を生成する制御を行う。また第2ステージ制御部84は、応援対象を選択したことに基づいて報酬を獲得可能とし、応援対象を選択したことをサーバー20に送信することによってサーバー20から応援対象の選択に対して付与される報酬の情報を受け取り、獲得した報酬内容を表示部46に表示させる制御を行う。
【0088】
レース演出実行部85は、レースシミュレーションの結果に基づいて、レースを観戦させる観戦演出(ゲーム演出の一例)を実行する。レース演出実行部85は、対戦レースイベントのメインステージにおいて観戦演出を実行する場合、その観戦演出をフル観戦パターン(第1パターンの一例)またはショート観戦パターン(第2パターンの一例)のいずれによって実行するかを選択可能とする。本実施形態では、対戦レースイベントのメインステージでは、プレーヤ端末40に拠点画面が表示されている状況で、フル観戦パターンとショート観戦パターンとに関する選択を受け付ける。拠点画面に設けられたフル観戦パターンに対応するボタンに対するタップ入力が行われた場合、レース演出実行部85がフル観戦パターンで観戦演出を実行し、拠点画面に設けられたショート観戦パターンに対応するボタンに対応するタップ入力が行われた場合、レース演出実行部85がショート観戦パターンで観戦演出を実行する。
【0089】
図5は、メインステージの観戦演出における演出パートの進行を簡易的に説明する図である。
【0090】
図5(A)に示すように、フル観戦パターンで観戦演出を実行する場合、「パドック」P1、「再生確認」P2、「出走表」P3、「ファンファーレ」P4、「ゲートイン」P5、「レース第1パート」P6、「レース第2パート」P7、「リザルトカットイン」P8、および「レース結果」P9の各演出パートがP1→P2→P3→P4→P5→P6→P7→P8→P9の順序で実行される。
【0091】
「パドック」P1は、レースの出走キャラクタの3Dモデルとともに、その出走キャラクタのステータス(性能パラメータおよび所持スキル)を1体ずつ確認することができる演出パートである。「パドック」P1では、表示画面に設けられたレースの開始を要求する進行ボタンに対するタップ入力を行うことで、「再生確認」P2に移行する。
【0092】
「再生確認」P2は、レース映像の再生が開始されることをプレーヤに通知し、その再生開始に関する決定入力を受け付ける演出パートである。「再生確認」P2では、既述の再生開始に関する決定入力に対応する決定ボタンが設けられた再生確認ダイアログを表示し、決定ボタンに対するタップ入力が行われると、「出走表」P3の演出パートの実行を開始する。
【0093】
「出走表」P3は、レースの出走キャラクタの一覧をスクロール表示する演出パートである。この演出パートでは、出走キャラクタが出走番号順に並べられて表示され、出走キャラクタのキャラクタアイコンやキャラクタ名の他に、出走キャラクタを出走登録したプレーヤのプレーヤ名や各出走キャラクタの人気などが表示される。「出走表」P3の演出パートの表示画面には進行ボタンが設けられており、進行ボタンに対するタップ入力が行われると、「ファンファーレ」P4以降の一連のレース映像の再生を開始する。
【0094】
「ファンファーレ」P4は、ファンファーレをBGMとして流しながら、表示画面においてレース概要を紹介するアニメーションを表示してレースの開始を盛り上げる演出パートである。本実施形態では、「ファンファーレ」P4以降の演出パートから表示画面にスキップ入力を行うためのボタンが設けられ、スキップ入力が行われると次の演出パートの先頭位置にスキップして、次の演出パートの実行が開始される。「ファンファーレ」P4の演出パートの実行中においてスキップ入力が行われると、スキップ位置SP1にスキップして「ゲートイン」P5の演出パートの実行が開始される。また「ファンファーレ」P4の演出パートの実行中においてスキップ入力が行われなくても、「ファンファーレ」P4の演出パートの実行が完了すると、「ゲートイン」P5の演出パートの実行が開始される。
【0095】
「ゲートイン」P5は、出走キャラクタがスタート地点に設けられたスターティングゲートに入っていくアニメーション演出を行う演出パートである。この演出パート以降からレース終了まで場面に応じた実況データ(実況音声および実況テキスト)と解説データ(解説音声および解説テキスト)とが再生される。「ゲートイン」P5の演出パートの実行中においてスキップ入力が行われると、スキップ位置SP2にスキップして「レース第1パート」P6の演出パートの実行が開始される。また「ゲートイン」P5の演出パートの実行中においてスキップ入力が行われなくても、「ゲートイン」P5の演出パートの実行が完了すると、「レース第1パート」P6の演出パートの実行が開始される。
【0096】
「レース第1パート」P6および「レース第2パート」P7は、サーバー20から受け取ったレースシミュレーションの結果に基づいて、レースのスタートからゴールに至るレースの内容を伝える演出パートである。本実施形態では、レースシミュレーションにおいて、
図5(C)に示すように、スタートからゴールに至るレース全長を「序盤」、「中盤」、および「終盤」に区分してレース中の出走キャラクタの動作が演算される。また「序盤」、「中盤」、および「終盤」の区分は、一部のスキルの発動条件の成立に関係する。また「序盤」、「中盤」、および「終盤」の区分について、それぞれに対応したレースBGM、および実況/解説データ(実況音声、解説音声、実況テキスト、および解説テキスト)などが用意されており、レース演出実行分85は、「レース第1パート」P6および「レース第2パート」P7の実行中に、レースシミュレーションの結果に応じて出走キャラクタが動作するアニメーションを表示部46に表示し、レースの進行状況に応じて、現在の状況に対応する区分のレースBGM、実況/解説データ(実況音声、解説音声、実況テキスト、および解説テキスト)の再生(スピーカ48の音出力、表示部46の表示出力)に関する処理を実行する。また
図5(C)に示す例では、「レース第1パート」P6と「レース第2パート」P7の境界位置となるスキップ位置SP3は、レース全長における「終盤」付近に設けられている。なおレース全長に応じてスキップ位置SP3が「中盤」側である場合と、「終盤」側である場合とが存在し、スキップ位置SP3は任意の位置とすることができる。そして「レース第1パート」P6の実行中にスキップ入力が行われた場合、スキップ位置SP3にスキップして「レース第2パート」P7の演出パートの実行が開始される。「レース第1パート」P6の演出パートの実行中においてスキップ入力が行われなくても、「レース第1パート」P6の演出パートの実行が完了すると、シームレスに「レース第2パート」P7の演出パートの実行が開始される。また「レース第2パート」P7の実行中にスキップ入力が行われた場合、スキップ位置SP4にスキップして「リザルトカットイン」P8の演出パートの実行が開始される。「レース第2パート」P7の演出パートの実行中においてスキップ入力が行われなくても、「レース第2パート」P7の演出パートの実行が完了すると、「リザルトカットイン」P8の演出パートの実行が開始される。
【0097】
「リザルトカットイン」P8は、プレーヤが出走登録した3体の出走キャラクタのそれぞれの着順を通知するアニメーション表示が行われる演出パートである。「リザルトカットイン」P8の演出パートの実行中においてスキップ入力が行われた場合、スキップ位置SP5にスキップして「レース結果」P9の演出パートの実行が開始される。また「リザルトカットイン」P8の演出パートの実行中においてスキップ入力が行われなくても、「リザルトカットイン」P8の演出パートの実行が完了すると、「レース結果」P9の演出パートの実行が開始される。
【0098】
「レース結果」P9は、レースに出走した全ての出走キャラクタの着順を表示する演出パートである。この演出パートでは、出走キャラクタが1着から順に並べられた着順表が表示部46に表示され、出走キャラクタの数が多いことにより、表示画面内に全ての出走キャラクタが表示できない場合でもスクロール表示によって全ての出走キャラクタの着順、着差などのレース結果を知ることができる。また着順表では、タイムについて1着のタイムのみ表示されるが、全ての出走キャラクタのタイムが表示されるようにしてもよい。「レース結果」P9の実行が完了すると、例えば、プレーヤが出走登録した出走キャラクタの最先着順を通知するとともに、今回のレースにおける3体の出走キャラクタの着順に応じたランクポイントの獲得量などを通知する演出(次演出の一例)が実行される。
【0099】
このようにレース演出実行部85は、観戦演出をフル観戦パターンで実行する場合、観戦演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、観戦演出の実行中にスキップ入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップする処理を実行する。
【0100】
図5(B)に示すように、ショート観戦パターンで観戦演出を実行する場合、フル観戦パターンにおける「パドック」P1から「ゲートイン」P5までの各演出パートと、「リザルトカットイン」から「レース結果」P9までの各演出パートとの実行が省略され、「レース第1パートダイジェスト」P6a、「レース第2パートダイジェスト1」P7a、および「レース第2パートダイジェスト2」P7bの各演出パートが、P6a→P7a→P7bの順序で実行される。なおショート観戦パターンでは、フル観戦パターンに対して少なくとも1つ以上の演出パートが省略して実行されればよく、「リザルトカットイン」P8や「レース結果」P9などの演出パートがフル観戦パターンと同様に実行されてもよい。
【0101】
「レース第1パートダイジェスト」P6aは、フル観戦パターンにおける「レース第1パート」P6のダイジェスト版に相当する演出パートである。具体的には、
図5(C)に示すように、レースがスタートしてからカメラ切替地点1まで(例えば、スタート地点から100m経過地点まで)の各出走キャラクタのスタートダッシュの様子のレース映像が再生される。
【0102】
「レース第2パートダイジェスト1」P7aおよび「レース第2パートダイジェスト2」P7bは、フル観戦パターンにおける「レース第2パート」P7のダイジェスト版に相当する演出パートである。具体的には、「レース第2パートダイジェスト1」P7aでは、スキップ位置SP3から開始される「レース第2パート」P7の開始位置からカメラ切替地点2まで(例えば、残り400m地点から残り300m地点)の終盤突入後において出走キャラクタが走行する様子のレース映像が再生され、「レース第2パートダイジェスト2」P7bでは、ゴール直前からゴールまで(例えば、残り200mからゴール地点まで)の各出走キャラクタがラストスパートする様子のレース映像が再生される。
【0103】
ショート観戦パターンでは、「レース第1パートダイジェスト」P6a、「レース第2パートダイジェスト1」P7a、および「レース第2パートダイジェスト2」P7bが一連のレース映像として再生され、その再生中にスキップ入力が行われると、いずれのタイミングで行われた場合もスキップ位置SP6にスキップし、例えば、プレーヤが出走登録した出走キャラクタの最先着順を通知するとともに、今回のレースにおける3体の出走キャラクタの着順に応じたランクポイントの獲得量などを通知する演出(次演出の一例)が実行される。
【0104】
このようにレース演出実行部85は、観戦演出をショート観戦パターンで実行する場合、観戦演出を構成する複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略して観戦演出を実行する。
【0105】
またレース演出実行部85は、観戦演出をフル観戦パターンで実行する場合、固有スキルの発動条件(特定条件の一例)を満たした出走キャラクタに関する「固有スキル発動カットイン」CI(特定演出パートの一例)を実行中の演出パートに割り込ませて実行可能とし、観戦演出をショート観戦パターンで実行する場合、「固有スキル発動カットイン」CIの実行を省略する。例えば、
図5(A)に示すように、フル観戦パターンで観戦演出を実行する場合、プレーヤが出走登録した出走キャラクタが固有スキルの発動条件を満たしたことに基づいて、その固有スキルの発動時点から固有スキルが発動したことを示すアニメーション演出である「固有スキル発動カットイン」CIが、実行中の演出パートである「レース第1パート」P6を中断して実行され、「固有スキル発動カットイン」CIの実行が完了すると、中断された「レース第1パート」P6の実行が再開される。
図5(A)に示す例では、「レース第1パート」P6の実行中において「固有スキル発動カットイン」が割り込み実行されているが、「レース第1パート」P6および「レース第2パート」P7のいずれにおいてもプレーヤが出走登録した出走キャラクタが固有スキルの発動条件を満たした場合、「固有スキル発動カットイン」CIが割り込み実行される。また本実施形態では、「固有スキル発動カットイン」CIの実行中においてはスキップ入力の受け付けが無効となり、表示画面にはスキップ入力を行うためのボタンが表示されない。ただし、「固有スキル発動カットイン」CIの実行中においてもスキップ入力を受け付けることができる仕様であってもよい。一方、ショート観戦パターンで観戦演出を実行する場合、
図5(B)に示す「レース第1パートダイジェスト」P6a、「レース第2パートダイジェスト1」P7a、および「レース第2パートダイジェスト2」P7bのいずれかに該当する地点でプレーヤが出走登録した出走キャラクタが固有スキルの発動条件を満たしても「固有スキル発動カットイン」CIは実行されない。このようにショート観戦パターンで観戦演出を実行する場合、フル観戦パターンで観戦演出を実行する場合に比べて、「固有スキル発動カットイン」CIの割り込み実行が発生しない分だけレースの観戦に要する時間を短縮することができる。特に本実施形態では、プレーヤが出走登録した3体の出走キャラクタがいずれも固有スキルを発動させた場合、3体分の「固有スキル発動カットイン」CIの割り込み実行が発生するため、ショート観戦パターンでは「固有スキル発動カットイン」CIの割り込み実行を無効とすることにより大幅な観戦時間の短縮を図ることができる。本実施形態における固有スキルとは、育成対象となるキャラクタの種別に紐付けて設定されているスキルであり、キャラクタの種別ごとに独自の効果を発揮するスキルである。固有スキルが発動した場合、レース展開に有利となる効果を得ることができ、大別して、バフ効果、デバフ効果、回復効果の3種類が存在する。なお1の固有スキルにおいて、バフ効果、デバフ効果、および回復効果のうち2種類以上の効果が得られる場合がある。バフ効果は、固有スキルを発動したキャラクタについて速度が上がる効果や加速度が上がる効果など、固有スキルを発動したキャラクタ自身に影響する効果である。デバフ効果は、固有スキルを発動したキャラクタ以外のキャラクタについて速度が下がる効果や体力が下がる効果など、固有スキルを発動したキャラクタ以外のキャラクタに影響する効果である。回復効果は、固有スキルを発動したキャラクタについて体力を回復する効果など、固有スキルを発動したキャラクタ自身に影響する効果である。そして既述の「固有スキル発動カットイン」CIは、キャラクタごとの固有のアニメーションを挿入することによって、レース展開を有利にする効果が発動されたことをプレーヤに示す演出である。
【0106】
なおキャラクタ毎の固有スキルの設定と固有スキルの発動に伴う演出の割り込み実行の仕様は、他のジャンルのゲームにおいても適用することが可能である。例えば、格闘ゲームであれば、固有スキルとして対戦相手のキャラクタに大ダメージを当たることができる必殺技のスキルや自身のキャラクタの能力をアップするスキルを設定し、固有スキルが発動した場合に固有スキルを発動したキャラクタに関する演出を割り込み実行することができる。また例えば、サッカーゲームであれば、固有スキルとして、選手のシュートなどのスキルや自身のキャラクタの能力をアップするスキルを設定し、固有スキルが発動した場合に固有スキルを発動したキャラクタに関する演出を割り込み実行することができる。
【0107】
また本実施形態では、フル観戦パターンで観戦演出を実行する場合、「再生確認」P2の演出パートにおいて表示される再生確認ダイアログにおいて、「出走表」P3の演出パートから「レース第2パート」P7までの演出パートにおける表示画面の向きを縦画面または横画面のいずれとするかを、選択可能とするラジオボタンが設けられている。プレーヤは再生確認ダイアログに設けられたラジオボタンを用いて縦画面または横画面を択一的に選択する入力を行うことができる。そして再生確認ダイアログにおいて決定ボタンにタップ入力が行われた時点で選択されているラジオボタンによって、「出走表」P3から「レース第2パート」P7までの演出パートにおける表示画面の向きが決定される。具体的には、縦画面に対応するラジオボタンが有効化されている状況で決定入力が行われると、縦画面で「出走表」P3以降の演出パートの実行が開始され、横画面に対応するラジオボタンが有効化されている状況で決定入力が行われると、横画面で「出走表」P3以降の演出パートの実行が開始される。そして本実施形態では、縦画面が選択された場合、「固有スキル発動カットイン」CIの割り込み実行を有効とし、横画面が選択された場合、「固有スキル発動カットイン」CIの割り込み実行を無効とする。すなわち本実施形態では、再生確認ダイアログを通じて表示画面の向きを選択する入力が、「固有スキル発動カットイン」CIの割り込み実行の有無を選択する入力となっている。なお観戦演出を縦画面または横画面のいずれによって実行するかについては、アプリケーション内の設定メニューから別途選択できるようにしてもよく、設定メニューによって縦画面または横画面の選択を行うことができる場合、再生確認ダイアログを非表示とすることを設定できるようにしてもよい。
【0108】
このようにレース演出実行部85は、観戦演出をフル観戦パターンで実行する場合、出走キャラクタがキャラクタの種類に応じて所持している固有スキルの発動を通知する演出(「固有スキル発動カットイン」CI)の実行の有無を選択する入力を受け付け可能とする。そしてレース演出実行部85は、「再生確認」P2の演出パートで表示される再生確認ダイアログにおいて縦画面を選択することに基づいて、「固有スキル発動カットイン」CIを割り込み実行可能とすることを設定し、再生確認ダイアログにおいて横画面を選択することに基づいて、「固有スキル発動カットイン」CIを割り込み実行しないことを設定する。そして本実施形態では、フル観戦パターンで観戦演出を体験する場合、「固有スキル発動カットイン」CIの割り込み実行を省略するためには、再生確認ダイアログにおいて横画面のラジオボタンを有効化する入力(表示画面の向きを横画面とする入力)を行うことが必要となるが、ショート観戦パターンで観戦演出を体験する場合、表示画面の向きを選択する入力の手間を省いて「固有スキル発動カットイン」CIの割り込み実行を省略することができる。
【0109】
またレース演出実行部85は、フル観戦パターンおよびショート観戦パターンのいずれで観戦演出が実行される場合であっても、スキルの発動条件が成立した場合にスキルの発動に対応したスキルアイコンを表示する。レース演出実行部85は、スキルの発動条件の成立を示すスキルアイコンにおいて、スキルを発動した出走キャラクタを識別するキャラクタアイコンの表示を行う。このように本実施形態では、ショート観戦パターンである場合、フル観戦パターンとは異なり、「固有スキル発動カットイン」CIの割り込み実行が省略されるが、レース演出実行部85は、固有スキルの発動条件が成立した場合にいずれの観戦パターンでも固有スキルの発動に対応したスキルアイコンを表示し、固有スキルの発動条件の成立を示すスキルアイコンにおいて、固有スキルを発動した出走キャラクタを識別する識別するキャラクタアイコンの表示を行う。
【0110】
このように本実施形態の情報処理システム10では、観戦演出をフル観戦パターンで実行する場合、観戦演出の実行中にスキップ入力が行われた場合に、実行中の演出パートから次の演出パートへスキップすることが可能であり、観戦演出をショート観戦パターンで実行する場合、観戦演出を構成する複数の演出パートのうち一部の演出パートを省略して観戦演出を実行する。すなわちフル観戦パターンでは、プレーヤがスキップ入力を行うことでレースの観戦に要する時間を短縮することができ、ショート観戦パターンでは、スキップ入力を要することなく観戦演出の実行完了に要する時間が予め短縮された状態でレースを観戦することができる。そして本実施形態の情報処理システム10では、観戦演出をフル観戦パターンまたはショート観戦パターンのいずれによって実行するかを選択可能としたことによって、プレーヤにとって適切な所要時間でレースを観戦することができ、レースの観戦に関するプレーヤの利便性を向上させることができる。
【0111】
また本実施形態では、観戦演出をフル観戦パターンで実行する場合とショート観戦パターンで実行する場合とでサーバー20側から取得するデータは同一となっているが、レース演出実行部85は、ショート観戦パターンが選択された場合には、RAM43のワーク領域に必要なデータだけを読み込むことによって観戦演出の実行開始までに必要となるロード時間を短縮している。例えば、レース演出実行部85は、フル観戦パターンでは、観戦演出において演出パートに対応してBGMを変化させるが、ショート観戦パターンでは、観戦パターンを選択する拠点画面でのBGMを維持してBGMを変化させずに観戦演出を実行する。このようにレース演出実行部85は、フル観戦パターンが選択された場合、RAM43のワーク領域に各演出パートに対応したBGMを読み込んで演出パートの進行に合わせてBGMを変化させながら観戦演出を実行するが、ショート観戦パターンが選択された場合、RAM43のワーク領域に既に読み込まれているBGMを使用して観戦演出を実行することによりロード時間を短縮して、速やかにショート観戦パターンでの観戦演出の実行を開始することができる。なおショート観戦パターンにおいて拠点画面で流れるBGMを使用する場合、レース観戦の妨げになることを防ぐために観戦演出の実行中はBGM音量を下げる制御を行うようにしてもよい。
【0112】
また本実施形態では、観戦演出の実行に際して、拠点画面への画面遷移時に観戦演出の実行に必要となる情報の取得や共通リソースの読み込み等が実行される。
【0113】
まず拠点画面への初回遷移時に、プレーヤ端末40は、1セット5レース分の情報として、レース開催情報(レース場、時間、天候、コース状態など)、レース出走表(出走キャラクタの詳細情報(性能パラメータ、作戦、所持スキル、距離適正等)、出走キャラクタの出走番号、出走キャラクタの人気・調子、レースシナリオ情報(スタート地点からゴール地点までの出走キャラクタの位置情報の履歴、スキルの発動情報)をサーバー20から取得する。
【0114】
そしてレース演出実行部85は、拠点画面への遷移時に、フル観戦パターンとショート観戦パターンとで共通に使用される観戦演出のリソース(5レースに共通するレース条件のデータ等)をRAM43のワーク領域に読み込む。
【0115】
次に拠点画面においてショート観戦パターンが選択された場合、レース演出実行部85は、出走キャラクタの3Dモデル、砂埃等のレースエフェクト、実況データ、解説データ等のレース中映像の表示に必要なデータをRAM43のワーク領域に読み込み、RAM43のワーク領域に読み込まれたデータに基づいてレース映像のフレーム画像が生成される。
【0116】
一方、拠点画面においてフル観戦パターンが選択された場合、レース演出実行部85は、ショート観戦パターンで必要となるリソースに加えて、「リザルトカットイン」P8や「レース結果」P9の演出パートの実行に必要なリザルト表示用データ、「ファンファーレ」P4の演出パートの実行に必要なファンファーレのBGM、レース中映像や各演出パートにおいて出力されるBGM、注視対象を変更するカメラ制御データなどをRAM43のワーク領域に読み込み、RAM43のワーク領域に読み込まれたデータに基づいて各演出パートのフレーム画像が生成されるとともに演出パートの進行に応じたBGMの出力が行われる。
【0117】
2.本実施形態の制御手法
以下では、本実施形態の制御手法について、本実施形態のゲームプログラムをスマートフォンとして設けられたプレーヤ端末40のゲームアプリケーションに適用した場合を例に挙げて説明する。
【0118】
本実施形態のゲームプログラムは、複数種類のゲーム機能を提供可能に構成されており、主たるゲーム機能の一つである対戦機能では、複数のキャラクタがレースで対戦を行うことができる。この対戦機能では、レース中にキャラクタを操作することはなく、出走する各キャラクタのステータスなどに基づいて行われたレースシミュレーションの結果を、プレーヤ端末40を通じて観戦することができる。そして本実施形態のゲームプログラムが適用された情報処理システム10では、プレーヤ端末40からの要求に応答してサーバー20において対戦相手をマッチングして、プレーヤ端末40のそれぞれから出走登録された育成済みキャラクタをレースで競わせる対戦レースイベントが期間限定でイベント対戦機能として提供される。
【0119】
図6は、対戦レースイベントの実施概要を示す図である。
図6に示すように、対戦レースイベントでは、メインステージとエクストラステージ(EXステージ)とが設けられている。
【0120】
メインステージでは、5レースの1セットを繰り返す形式で対戦を行い、各レースの結果に基づきランクポイントを獲得して、獲得したランクポイントの合計によってプレーヤのリーグランクが決定される。メインステージにおける対戦相手となるプレーヤとのマッチングは、対戦を要求するプレーヤのランクポイントが参照される。具体的には、自身のランクポイントに対して所定範囲内のランクポイントを所持するプレーヤを抽出したプレーヤリストが作成され、自身と同一のリーグランクまたは自身のリーグランクの近傍のリーグランクに属するプレーヤが対戦相手として決定される。
【0121】
メインステージの対戦を行う準備として、プレーヤは自身の所有する育成済みキャラクタから3体のキャラクタによるチームを編成して登録することが必要となる。メインステージの対戦は、対戦を要求するプレーヤと対戦相手となったプレーヤとの各3体の育成済みキャラクタに加えて、NPCが6体の計12体のキャラクタによるレースで行われる。
【0122】
メインステージで獲得したランクポイントの合計によって決定されるリーグランクには、ブロンズ、シルバー、ゴールド、およびプラチナの4区分が設けられている。メインステージにおいて獲得したランクポイントの合計がリーグランクの昇格条件を満たすと、リーグランクが次の段階へ昇格し、ランクアップ報酬が付与される。ランクアップ報酬は、昇格先のリーグランクに応じて報酬内容が変化してもよいし、昇格先のリーグランクに関わらず報酬内容が固定であってもよい。メインステージで対戦を行った場合、各レースを行ったことに対する報酬である出走報酬も付与される。出走報酬はレース結果に応じて変化するようにしてもよいし、レース結果に関わらず報酬内容が固定であってもよいし、プレーヤが所属するリーグランクに応じて出走報酬の報酬内容が変化するようにしてもよい。本実施形態では、ランクアップ報酬および出走報酬として、ゲーム内通貨、交換アイテム(レアアイテムとの交換に必要となるアイテム)、ゲームの進行やレースの進行に影響を与えるアイテムなどが付与される。
【0123】
メインステージにおいてリーグランクには大分類ランクと小分類ランクとが存在するようにしてもよい。大分類ランクを、ブロンズ、シルバー、ゴールド、およびプラチナとして、大分類ランクについて複数段階の小分類ランク(ブロンズ1、ブロンズ2、・・・、シルバー1、シルバー2、・・・など)が設けることができる。なお一部の大分類ランクについては小分類ランクを設けなくてもよい。例えば、プラチナは最高位の区分として小分類ランクを設けなくてもよい。大分類ランクと小分類ランクとを設けた場合、小分類ランクの昇格条件を満たした場合および大分類ランクの昇格条件を満たした場合のいずれにおいてもランクアップ報酬が付与されるようにしてもよいし、いずれか一方の昇格条件を満たした場合にランクアップ報酬が付与されるようにしてもよい。
【0124】
メインステージでは、レース結果に応じて、自身が出走登録した3体の育成済みキャラクタのそれぞれの着順に応じてランクポイント(pt)を獲得することができる。本実施形態では、1着に対して100pt、2着に対して30pt、3着に対して20ptを獲得することができる。なお4着以下については0ptとなっており、4着以下についてはランクポイントの獲得ができない。プレーヤが出走登録した3体の育成済みキャラクタがレースにおいて1着~3着を独占した場合、150ptを獲得することができる。すなわち1レースにつき最大で150ptのランクポイントを獲得することができる。本実施形態では、着順によって獲得できるランクポイントはプレーヤが所属するリーグランクによらず固定となっているが、リーグランクに応じて獲得できるランクポイントが異なっていてもよい。例えば、リーグランクが上位のランクであるほど着順に応じたランクポイントの獲得量が多くなるように設定することができる。またメインステージでは、レースによる対戦を繰り返すことによって、ランクポイントが累積的に加算されていく仕様となっているが、着順が良くない場合、例えば、自身の出走登録した育成済みキャラクタが9着以下の着順であった場合、その着順に対してランクポイントが減算される仕様であってもよい。所定条件下でランクポイントが減算される場合がある仕様では、プレーヤのリーグランクが特定のランク(例えば、プラチナ)である場合に、プレーヤが出走登録した育成済みキャラクタの着順が減算条件を満たす場合にランクポイントの減算が行われるようにしてもよい。
【0125】
メインステージにおける対戦の参加について、1セット当たり1枚の参加チケットが必要となる場合がある。リーグランクがブロンズである場合は、参加チケットの消費による参加制限がなく、ブロンズに所属するプレーヤはシルバーへの昇格条件を満たすまで無制限に対戦に参加することができる。シルバー~プラチナでは、1セットの対戦参加につき参加チケットを1枚消費することが必要となる。参加チケットは、定時(例えば、毎日12:00)に10枚が各プレーヤに付与されて、参加チケットの所持上限は20枚となっている。ただし、定時付与分では所持上限となる20枚を超えて参加チケットを所持することはできないが、報酬などにより参加チケットを獲得する場合、メンテナンスによって参加チケットの補填配布がある場合、その報酬により獲得した参加チケットや補填配布された参加チケットについては所持上限20枚を超えて所持することができる。
【0126】
メインステージでは、1セット(1回の対戦参加)につき、5レース(5回のレース)を行う。5レースの対戦相手は重複することがないようにマッチングが行われる。またレース結果に応じて獲得するランクポイントの更新およびランクポイントの更新結果の表示画面への反映は、1セット分5レースのレース結果をプレーヤ端末40において全て表示した後に行われる。なおランクポイントの更新およびランクポイントの更新結果の表示画面への反映を1レースのレース結果をプレーヤ端末40において表示する毎に行うようにしてもよい。
【0127】
メインステージでは、サーバー20が各プレーヤのランクポイントに基づく順位付けを行い、プレーヤ端末40からは上位300名分を閲覧することができる。ランクポイントが同一のプレーヤについてはランクポイントの獲得記録時間を条件としてソートして、獲得記録時間の早いプレーヤが上位となるように順位を決定する。ランクポイントの獲得記録時間まで同一である場合にはプレーヤIDなどを追加条件としてソートして順位を決定することができる。
【0128】
メインステージの開催期間(例えば、4日間)が終了すると、エクストラステージ(EXステージ)に移行する。エクストラステージに移行する際には、メインステージの開催期間終了時点でのランクポイントの順位によってエクストラステージの対戦に参加できるプレーヤとエクストラステージの対戦に参加できないプレーヤとが決定される。
【0129】
エクストラステージは、メインステージでのランクポイントの合計獲得量のランキングの上位者のみがレースに参加可能なステージである。本実施形態では、上位96名のプレーヤがレースによる対戦参加を許可され、上位96名以外のプレーヤはレースによる対戦に参加することができない。エクストラステージでのレースはNPCを含まないプレーヤのみの4名で対戦する形式で開催される。1レース当たり4名のプレーヤが参加するため、エクストラステージではAブロックの12レース(第1レース~第12レース)とBブロックの12レース(第1レース~第12レース)計24レースが行われる。エクストラステージのレースに対する出走登録は、参加を許可されたプレーヤのみ行うことができる。エクストラステージのレースコンディション(天候、コース状態)は、マッチング時に抽選で決定するが、出走登録期間において非開示となっており、出走登録期間が経過して各プレーヤの育成済みキャラクタの出走登録が完了した後に開示される。
【0130】
エクストラステージのレースに参加するプレーヤは、参加報酬を得ることができる。本実施形態では、参加報酬としてレースに出走登録された育成済みキャラクタに紐付けてイベント限定二つ名を獲得することができる。レースに参加するプレーヤは、自身の出走レースを観戦した後に、各ブロックのメインレース(第11レース)の観戦を行うように誘導される。自身がメインレースに出走する場合、自身の出走レースを観戦した後に、他方のブロックのメインレースの観戦を行うように誘導される。
【0131】
エクストラステージのレースに参加しないプレーヤも、エクストラステージのレースを観戦することができ、観戦に際して、任意の出走キャラクタを応援対象として選択することができる。応援対象の選択はエクストラステージでのレースに関する参加の可否を問わずに全てのプレーヤが行うことができる。
【0132】
エクストラステージでは、レース期間にイベントトップ画面に遷移する操作をプレーヤ端末40で行った場合、レースを観戦するための画面に遷移する仕様となっている。応援対象の選択を行ったプレーヤは、応援対象の選択に対して応援報酬をレースの観戦後に得ることができる。
【0133】
エクストラステージには、出走登録期間、応援受付期間、レース期間が設定される。
【0134】
出走登録期間は、レースの参加を許可されたプレーヤのみ関係する期間であり、レースの参加を許可されたプレーヤがレースに出走させる3体の育成済みキャラクタの出走登録を行うことができる期間である。なおエクストラステージの参加を許可されたプレーヤのメインステージでの最後の出走登録キャラクタの情報はサーバー20側で対戦管理データベース52に記録されているため、出走登録期間にキャラクタの変更が行われなければ、出走登録期間の満了をもって対戦管理データベース52に記録されている育成済みキャラクタで出走登録が行われる。
【0135】
応援受付期間では、全てのプレーヤが、AブロックおよびBブロックの第1レース~第12レースの全ての出走キャラクタを閲覧することができ、1レースにつき、任意の1キャラクタを応援対象として選択することができる。各プレーヤは、AブロックおよびBブロックのそれぞれにおいて、応援報酬を1回ずつ獲得することができる。なおエクストラステージでは、初回の応援対象の選択に対してのみ応援報酬を獲得することができるようにしてもよい。
【0136】
レース期間では、イベントトップ画面へ遷移するための操作が行われた場合、Aブロックのメインレース(第11レース)を再生するための演出を開始する。Aブロックのメインレースの観戦が終わると、Bブロックのメインレース(第11レース)を再生するための演出を開始し、Bブロックのメインレースの観戦が終わると、イベントトップ画面へ遷移することが可能となる。各メインレースの観戦後、具体的には各メインレースのレース結果を表示した後には、観戦報酬が付与される。レースに参加したプレーヤについては自身の出走レースの観戦を行ってから、観戦が済んでいないメインレースの観戦を行い、自身の出走レースの観戦後には観戦報酬に加えて、既述のイベント限定二つ名を参加報酬として追加で獲得することができる。なお参加報酬については、観戦報酬と同時期に付与される必要はなく、エクストラステージの応援受付期間以降にイベントトップ画面へ遷移する操作が行われた場合に参加報酬を付与するようにしてもよい。
【0137】
図7は、対戦レースイベントのメインステージの進行フローを示す図である。
【0138】
まずメインステージを開始するにあたってレースに出走させる3体の育成済みキャラクタの登録を受け付ける(ステップS101)。レースに出走させる3体の育成済みキャラクタの登録は、イベントトップ画面を経由して行われる。
【0139】
図8は、イベントトップ画面の表示例を示す図である。イベントトップ画面には、スキルゲージ101が表示されている。スキルゲージ101はイベントパラメータの獲得状況を示すものであり、本実施形態では、イベントパラメータが最大値に達するという獲得条件を達成することでイベントスキルの獲得に関する専用演出が発生し、プレーヤが出走登録した3体の育成済みキャラクタにイベントスキルの発動に基づくバフ効果を獲得可能とする。イベントスキルの発動によるバフ効果はイベントスキルを獲得した1セットの5レース内で有効であり、1セット内の5レースの全てに反映される。
【0140】
またイベントトップ画面には、編成ボタン102が設けられており、編成ボタン102に対するタップ入力が行われると、プレーヤが所有する育成済みキャラクタの一覧が表示され、レースに出走させる育成済みキャラクタを選択することができる。
【0141】
そしてレースに出走させる3体の育成済みキャラクタの登録が完了すると、イベントトップ画面において対戦相手決定ボタン103が有効化され、対戦相手を決定するマッチングの受け付けが開始される(ステップS102)。イベントトップ画面が表示されている状況で、有効化されている対戦相手決定ボタン103に対するタップ入力が行われると、
図9(A)や
図9(B)に示すように、出走キャラクタ確認ダイアログが表示される。
図9(A)は、イベントパラメータが最大値未満である場合の出走キャラクタ確認ダイアログの表示例であり、
図9(B)はイベントパラメータが最大値である場合の出走キャラクタ確認ダイアログの表示例である。本実施形態では、イベントパラメータの獲得状況によってイベントパラメータが最大値(例えば、30)である場合には出走キャラクタ確認ダイアログにおいてイベントスキルを獲得する旨が通知される。出走キャラクタ確認ダイアログにおいてOKボタン105に対するタップ入力が行われると、マッチング入力が行われたと判断されてプレーヤ端末40からサーバー20に対してマッチング要求が送信される。プレーヤ端末40からマッチング要求を受信したサーバー20では、対戦相手を決定して新たな対戦レコードを作成するマッチング処理を行う(ステップS103)。マッチング処理では、マッチング要求の要求元のプレーヤに対してマッチングIDを付与するとともに、対戦相手の候補となるプレーヤのプレーヤリストを作成し、1セット分5レースのそれぞれについての対戦相手となるプレーヤをプレーヤリストから抽出して5名の対戦相手について出走するレースを識別するためのレースIDを割り当てて、1セット5レース分の対戦レコードを作成する。またマッチング処理では、12体の出走キャラクタの出走番号を決定するゲート抽選とレースコンディション(天候およびコース状態)を決定するコンディション抽選とが実行され、ゲート抽選の結果とコンディション抽選の結果が対戦レコードに記録される。
【0142】
メインステージにおける対戦相手とのマッチングについては、リーグランクに応じて異なる形式で行うことができる。例えば、マッチング要求の要求元のプレーヤのリーグランクがブロンズ~ゴールドのいずれかである場合と、プラチナである場合とで異なる形式で行うことができる。
【0143】
まずプレーヤのリーグランクがブロンズ~ゴールドである場合、5レース分の対戦相手のマッチングについて通常マッチングと格下マッチングとが存在し、3レース分を通常マッチングで行い、残り2レース分を格下マッチングで行うことができる。
【0144】
通常マッチングでは、プレーヤが出走登録した3体の育成済みキャラクタのうち最も評価点の高い育成済みキャラクタの評価点を基準として、その評価点を含む所定範囲内の評価点を有する育成済みキャラクタを編成しているプレーヤによってプレーヤリストを作成して対戦相手をランダムに検索することができる。育成済みキャラクタの評価点とは、育成済みキャラクタのステータスの優秀度合いを数値化したものであり、本実施形態では、育成済みキャラクタの性能パラメータ(スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さ)と育成済みキャラクタの所持スキルとに基づき算出される。格下マッチングでは、プレーヤが出走登録した3体の育成済みキャラクタのうち最も評価点の低い育成済みキャラクタの評価点を基準として、その評価点未満の所定範囲内の評価点を有する育成済みキャラクタを編成しているプレーヤによってプレーヤリストを作成して対戦相手をランダムに検索することができる。検索対象の評価点の範囲については、リーグランクに応じて設定することができ、リーグランクに関わらず共通であってもよいし、リーグランクに応じて異なっていてもよい。
【0145】
次にプレーヤのリーグランクがプラチナである場合、マッチング対象は、リーグランクがプラチナであるプレーヤとし、編成している育成済みキャラクタの評価点を参照せず、リーグランクのみを基準としてプレーヤリストを作成することができる。ただし、プレーヤのリーグランクがプラチナである場合のマッチングにおいて対戦相手が見つからない場合には、対象となるリーグランクをゴールドに下げて対戦相手を検索するようにしてもよい。
【0146】
1セット分5レースの対戦相手のマッチングが完了すると、サーバー20は、ゲート抽選の結果およびコンディション抽選の結果を含むマッチング結果をプレーヤ端末40に送信し、プレーヤ端末40では5レース分の対戦相手と、その対戦相手が編成した育成済みキャラクタが表示部46に表示された後、出走準備ダイアログが表示され、アイテムの使用に関する入力を受け付ける(ステップS104)。なおマッチング要求時にイベントパラメータが最大値であった場合、プレーヤ端末40は、サーバー20からマッチング結果とともにイベントスキルの獲得結果も受信し、マッチング結果の詳細を表示する前に、
図10に示すように、イベントスキルの獲得結果を通知するスキル獲得演出が実行される。スキル獲得演出では、イベントスキルのアイコン107、イベントスキルの効果説明テキスト、イベントスキルの発動に対応するアイテム(イベントスキル対応アイテム)のアイコン109などが表示される。
【0147】
図11~
図13は、出走準備ダイアログの表示例を示す図である。
図11は、イベントスキルを獲得していない状況での出走準備ダイアログの表示例であり、
図12および
図13は、イベントスキルを獲得している状況での出走準備ダイアログの表示例である。出走準備ダイアログでは、レースの出走に際して出走キャラクタのやる気を上昇させるアイテムや、天候やコース状態などのレースコンディションを変更するアイテムの使用選択をすることができる。本実施形態では、1セットにつき2個のアイテムを使用することができ、アイテムを使用するか否かはプレーヤが任意に決定することができる。各アイテムについては、1日につき5回の使用上限が設けられており、使用上限は定時(例えば、12:00)において5回にリセットされる。ただし、イベントスキルの発動条件を満たすために使用されるイベントスキル対応アイテムとなっているアイテムについては、使用上限に達している場合であっても使用することができ、使用上限に達していない場合であっても使用回数を消費しない。また出走準備ダイアログでは、アイテムの使用が有効に機能しない場合、そのアイテムに対応するアイコンはグレーアウト表示され、使用することができないように制御される。例えば、天候が晴れのレースコンディションである場合に、天候を晴れに変更するアイテムは有効に機能しないため、グレーアウト表示される。また例えば、天候を晴れのレースコンディションに変更するアイテムを選択している状態では、天候を雨のレースコンディションに変更するアイテムが有効に機能しないため、同時使用が不可であることを示すアイコンを付してグレーアウト表示される。またイベントスキルを獲得している状況では、出走準備ダイアログにおいて獲得しているイベントスキルの情報が表示され、イベントスキル対応アイテムのアイコンには、残り使用回数の表示欄にイベントスキル対応アイテムである旨の表示が行われる。また本実施形態では、出走準備ダイアログにおいてアイム自動選択機能が設けられており、自動選択機能切替ボタン111によってアイテム自動選択機能のオン/オフを切り替えることができる。
図12に示す表示例では、アイテム自動選択機能がオンとなっているため、イベントスキル対応アイテムが自動選択されている。
図13に示す表示例では、アイテム自動選択機能がオフとなっているため、選択アイテム表示欄112,113が空欄となっており、任意のアイテムの使用を選択することができる。
【0148】
出走準備ダイアログが表示されている状況において出走ボタン114に対するタップ入力が行われると、
図14に示すように、出走確認ダイアログが表示されて出走の最終確認が行われる。なお
図11~
図13に示す出走準備ダイアログの出走ボタン114には、参加チケットの消費数を示す情報も表示され、プレーヤのリーグランクがブロンズである場合には、参加チケットの消費しない旨の情報が表示され、プレーヤのリーグランクがシルバー~プラチナである場合には、参加チケットを1枚消費する旨の情報が表示される。また出走確認ダイアログでは、イベントスキルの発動の有無が通知される。例えば、
図14に示すように、イベントスキルの獲得している状況でイベントスキル対応アイテムが使用されていないことによってイベントスキルが発動しない場合、出走確認ダイアログにおいて、イベントスキルが発動しないこと、およびイベントスキルが現在セットの5レース終了後に消失することを通知する表示が行われる。また出走確認ダイアログには、OKボタン118とキャンセルボタン119があり、キャンセルボタン119に対するタップ入力が行われると、出走確認ダイアログを閉じて出走準備ダイアログが表示される。一方、OKボタン118に対するタップ入力が行われると、プレーヤ端末40からアイテムの使用内容およびイベントスキルの発動有無を示す情報を含む出走要求がサーバー20に送信され、出走要求を受け取ったサーバー20は、1セット5レース分のレースシミュレーション(ステップS105)を行う。
【0149】
レースシミュレーションでは、出走するレースに対応付けられているコースの情報、レースコンディション、出走する12体のキャラクタ(NPCの6体を含む)のステータス(スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さ、所持スキル)などに基づいて、レース展開、着順、タイムなどが演算され、レース結果が対戦レコードに記録される。ここでいうレース展開には、コースのスタート地点からゴール地点までの各キャラクタの移動履歴や、各キャラクタのイベントの発生履歴(スキルの発動、アクシデントの発生)などが含まれる。またサーバー20は、レース結果に基づいてランクポイントの獲得量およびイベントパラメータの更新量の算出を行い、対戦管理データベース52におけるプレーヤの戦績の情報を更新する。
【0150】
そして1セット5レース分のレースシミュレーションがサーバー20側で完了すると、シミュレーション結果、ならびに算出されたランクポイントの獲得量およびイベントパラメータの更新量に関する情報を含む対戦完了応答が出走要求元のプレーヤ端末40に送信される。対戦完了応答を受け取ったプレーヤ端末40では、
図15に示すように、表示画面が拠点画面に遷移してレース観戦やレース結果の確認に関する入力を受け付ける(ステップS106)。拠点画面では、1セット分の5レースに対応するレースアイコン121が表示され、任意のレースアイコン121に対してタップ入力を行うことでレース観戦を行うレースを選択することができる。選択中のレースアイコンには選択マーク122が付与される。また拠点画面では、スキルゲージ123が表示され、現在のイベントパラメータの獲得状況を視認することができる。また本実施形態では、レース観戦の形式として、レース映像を全て再生するフル観戦パターンと、レース映像のダイジェスト版を再生するショート観戦パターンとが設けられている。拠点画面には、フル観戦ボタン125と、ショート観戦ボタン126とが設けられており、フル観戦ボタン125に対してタップ入力が行われると、フル観戦パターンの観戦演出が実行され、ショート観戦ボタン126に対するタップ入力が行われるとショート観戦パターンの観戦演出が実行される。
図16は、フル観戦パターンが選択された場合の観戦演出におけるレース映像の一場面を示す図であり、
図17は、ショート観戦パターンが選択された場合の観戦演出におけるレース映像の一場面を示す図である。レース映像では、プレーヤの育成済みキャラクタに識別マーク130が付与され、自身が出走させた育成済みキャラクタを識別することができる。またレース映像では、スキルが発動した場合、発動中のスキルがスキルアイコン131で表示される。スキルアイコン131では、スキル名の横にキャラクタアイコン132も表示され、いずれのキャラクタがスキルを発動させているかを判別できる。イベントスキルが発動した場合、イベントスキルは出走させた3体の育成済みキャラクタの全てに適用されるため、自身の出走キャラクタのキャラクタアイコン132を伴うイベントスキルのスキルアイコン131が3つ表示される。なおイベントスキルの発動時にはスキルアイコン131を1つだけ表示し、そのスキルアイコン131内に3体分のキャラクタアイコン132を並べて表示するようにしてもよい。
【0151】
また本実施形態では、フル観戦パターンで観戦演出が実行される場合、レース映像を横画面または縦画面のいずれで視聴するかを選択する再生確認ダイアログが表示される。レース映像を横画面で視聴する場合、固有スキルの発動を通知するアニメーション演出を割り込み実行せず、レース映像を縦画面で視聴する場合、レース映像の再生を中断して固有スキルの発動を通知するアニメーション演出が割り込み実行される。またショート観戦パターンでは固有スキルの発動を通知するアニメーション演出の割り込み実行は行われない。ただし、フル観戦パターンおよびショート観戦パターンのいずれの形式で観戦演出が行われる場合でも、固有スキルが発動した場合、他のスキルが発動した場合と同様に、レース映像の表示画面においてスキルアイコン131が表示され、スキルアイコン131において固有スキルを発動した出走キャラクタに対応するキャラクタアイコン132が表示される。
【0152】
また
図16および
図17に示すように、レース映像では、テキスト表示欄133においてレースの進行状況に応じた実況テキストおよび解説テキストの表示が行われる。プレーヤ端末40においてオーディオ出力が有効である場合、実況テキストに対応した実況音声と解説テキストに対応した解説音声とがスピーカ48から出力される。
【0153】
またフル観戦パターンで観戦演出が実行される場合とショート観戦パターンで観戦演出が実行される場合とでは、レース映像において表示される入力インターフェースに違いがある。フル観戦パターンのレース映像では、
図16に示すように、カメラ切替ボタン134、早送りボタン135、スキップボタン136、および一時停止ボタン137が表示される。カメラ切替ボタン136はレース映像を生成するための仮想カメラの注視対象を変更するための入力インターフェースであり、カメラ切替ボタン136に対するタップ入力が行われると、仮想カメラの注視対象が変更されたレース映像に切り替わる。早送りボタン135は、レース映像の再生速度を変更する入力インターフェースであり、早送りボタン135に対してタップ入力することで、レース映像の再生速度を等倍、2倍速、4倍速の順で循環するように変更することができる。スキップボタン136は、現在進行中の演出パートをスキップするスキップ入力を受け付ける入力インターフェースであり、スキップボタン136に対するタップ入力が行われると、現在の演出パートから次の演出パートにスキップすることができる。一時停止ボタン137は、レース映像の再生を一時停止するための入力インターフェースであり、一時停止ボタン137に対するタップ入力が行われると、レース映像の再生が一時停止して、再生設定に関する入力を受け付けるダイアログが表示される。これに対して、ショート観戦パターンのレース映像では、
図17に示すように、カメラ切替ボタン134および一時停止ボタン137が非表示となり、早送りボタン135およびスキップボタン136のみが表示される。このようにショート観戦パターンのレース映像では、一部のボタンを非表示として、表示するボタンを間隔を空けて配置することができるため、ボタンを瞬時に見分けやすくなっている。
【0154】
選択したレースのレース観戦が終了すると、レース結果の表示が行われるとともに今回観戦したレースにおいて獲得したランクポイントが通知されて、拠点画面に復帰する。1セット5レース分のレース観戦が終了すると(ステップS108でY)、セット終了処理が行われる(ステップS109)。セット終了処理では、各種報酬の付与やランクポイントおよびイベントパラメータの表示反映などが行われる。例えば、
図18に示すように、今回の1セットで獲得した出走報酬に関する演出表示を行った後に、
図19に示すように、セット終了画面に遷移してランクポイントおよびイベントパラメータの獲得状況が通知される。
【0155】
また今回の1セットにおいて獲得したランクポイントに基づいてリーグランクの昇格があった場合、出走報酬に関する演出表示に加えて、
図20に示すように、ランク昇格演出が行われ、ランク昇格演出においてランクアップ報酬の付与が通知される。
【0156】
またリーグランクが最高位のプラチナに昇格した場合には、最高位昇格報酬としてキャラクタ名の表記を伴うイベント限定称号が付与される。このイベント限定称号が付与された場合、
図21に示すように、表記キャラクタ選択ダイアログが表示され、表記対象のキャラクタを選択することができる。表記キャラクタ選択ダイアログでは、選択可能条件を満たすキャラクタと選択可能条件を満たさないキャラクタとが区別して表示される。本実施形態では、サーバー20の対戦管理データベース52においてプレーヤ毎にキャラクタ種別IDに紐付けてランクポイントの合計獲得量が管理されており、リーグランクがプラチナに到達したプレーヤについてキャラクタ種別IDに紐付くランクポイントの合計獲得量が所定量に達しているキャラクタについて選択可能条件を満たすと判断される。なお選択可能条件については任意に定めることができる。例えば、育成対象リストにおいて解放済みキャラクタとなっているキャラクタが選択可能条件を満たし、未解放のキャラクタが選択可能条件を満たさないとしてもよい。また例えば、対戦管理データベース52においてメインステージに出走登録したことのある育成済みキャラクタのキャラクタ種別IDに紐付けて出走済みフラグを設定し、出走済みフラグが設定されているキャラクタが選択可能条件を満たし、出走済みフラグが設定されていないキャラクタが選択可能条件を満たさないとしてもよい。
【0157】
表記キャラクタ選択ダイアログにおいて選択可能条件を満たすキャラクタのうち選択中のキャラクタのキャラクタアイコン141には選択マーク142が付与されており、選択可能条件を満たすキャラクタのキャラクタアイコン141が選択されている状態で決定ボタン143に対するタップ入力が行われると、
図22に示すように、表記キャラクタ確認ダイアログが表示される。表記キャラクタ確認ダイアログでは、表記キャラクタ選択ダイアログで選択されたキャラクタアイコン141に対応するキャラクタのキャラクタ名が表記された状態でイベント限定称号145が表示される。表記キャラクタ確認ダイアログには、OKボタン146とキャンセルボタン147とが設けられており、OKボタン146に対するタップ入力が行われると、イベント限定称号145のキャラクタ名の表記が確定し、プレーヤデータ記憶部71に保存される。イベント限定称号145のキャラクタ名の表記に関する情報はOKボタン146に対するタップ入力に基づいて、サーバー20にも送信され、サーバー20では、プレーヤ管理データベース51においてもイベント限定称号145の情報が保存される。また表記キャラクタ確認ダイアログが表示されている状況においてキャンセルボタン147に対するタップ入力が行われると、表記キャラクタ選択ダイアログに復帰して、キャラクタの選択をやり直すことができる。
【0158】
また既述のランクアップ報酬やイベント限定称号の付与があった場合、これらの報酬に関する演出表示が完了すると、
図19に示すセット終了画面に復帰する。セット終了画面には対戦相手決定ボタン138が設けられており、イベントトップ画面に復帰することなく対戦相手を決定するマッチングの受け付けを行うことが可能となっている。なおプレーヤのリーグランクが最高位のプラチナに達している場合には、セット終了画面においてリーグランクが上限に達していることが通知される。またセット終了画面に設けられている進行ボタン139に対するタップ入力が行われた場合、セット終了処理を終えて表示画面がイベントトップ画面に復帰する。
【0159】
このようにメインステージでは、1セット分5レースの対戦を繰り返し行うことが可能であり、メインステージの開催期間(例えば、4日間)が終了すると、エクストラステージ(EXステージ)の開催準備がサーバー20において実行される。
図23は、エクストラステージの開催準備に係る進行フローを示す図である。
【0160】
まずメインステージの開催期間が終了すると(ステップS201でY)、各プレーヤのランクポイントの合計獲得量に基づく各プレーヤの順位の確定(ランキング集計)が行われ(ステップS202)、エクストラステージに参加するプレーヤが決定される。本実施形態では、メインステージにおけるランクポイントの合計獲得量による順位が1位~96位のプレーヤ(上位96名のプレーヤ)がエクストラステージのレースに参加できるプレーヤとして決定される(ステップS203)。
【0161】
エクストラステージの開催準備がサーバー20側で終了した後に、プレーヤ端末40においてイベントトップ画面へ遷移するための操作が行われると、
図24に示すように、ランキング発表ダイアログが表示される。ランキング発表ダイアログにはランキングボタン151が設けられており、ランキングボタン151に対するタップ入力が行われると、サーバー20に対してランキング取得要求が送信される。ランキング取得要求を受け取ったサーバー20では、対戦管理データベース52に記録されているランクポイントに基づく上位300名のランキングデータをプレーヤ端末40に返答する。プレーヤはプレーヤ端末40の表示画面を通じてサーバー20から取得した上位300名のプレーヤを確認することができる。またランキング発表ダイアログに設けられたクローズボタン152に対するタップ入力が行われると、ランキング発表ダイアログを閉じて表示画面がイベントトップ画面に遷移する。
【0162】
続いてエクストラステージの進行フローについて説明する。
図25は、対戦レースイベントのエクストラステージの進行フローを示す図である。
【0163】
まずエクストラステージ(EXステージ)では、出走登録期間(例えば、12時間)と、応援受付期間(例えば、12時間)と、レース期間(例えば、24時間)とが設けられており、既述のようにレースに参加するプレーヤとレースに参加しないプレーヤとに分かれる。
【0164】
出走登録期間では、エクストラステージに参加するプレーヤではない場合(ステップS301でN)、イベントトップ画面に遷移すると、
図26に示すように、応援受付期間が開始される日時が通知され、イベントトップ画面以降には進めないようになっている。一方、エクストラステージに参加するプレーヤである場合(ステップS301でY)、
図8に示す場合と同様に編成ボタンが設けられたイベントトップ画面(図示省略)が表示され、編成ボタン(編成ボタン102と同等の機能を有するボタン)に対するタップ入力を行うことで、出走登録画面に遷移してエクストラステージのレースに出走する3体の育成済みキャラクタの登録を行うことができる(ステップS302)。
【0165】
図27は出走登録画面の表示例を示す図である。出走登録画面では、プレーヤがメインステージにおいて最後に出走させた3体の育成済みキャラクタが初期選択された状態で表示される。エクストラステージに出走させる育成済みキャラクタを変更したい場合には、その育成済みキャラクタに対応するキャラクタアイコン160に対してタップ入力を行うことで、自身の所有する育成済みキャラクタの一覧が表示されて、他の育成済みキャラクタを選択することで、出走する育成済みキャラクタの入れ替えを行うことができる。出走登録画面において編成確定ボタン161に対するタップ入力が行われると、
図28に示すように、出走登録確認ダイアログが表示され、出走登録確認ダイアログに設けられたOKボタン165に対するタップ入力を行うことでサーバー20に対して3体の育成済みキャラクタのキャラクタ個体IDを含む出走登録要求が送信される。出走登録要求を受け取ったサーバー20では、エクストラステージ用の対戦レコードに出走登録要求に含まれる3体分のキャラクタ個体IDを登録して出走登録を完了させる。また出走登録確認ダイアログには、エクストラステージのレースに参加したプレーヤに対する参加報酬としてイベント限定二つ名「SUPER HERO」が獲得できることが通知される。本実施形態では、育成済みキャラクタに対して二つ名を設定することができ、対戦レースイベントにおいてエクストラステージのレースに参加したプレーヤは、そのレースに出走した育成済みキャラクタに対してイベント限定二つ名「SUPER HERO」を設定することが可能となる。本実施形態では、プレーヤが所持する育成済みキャラクタごとに、二つ名の設定を行うことができる。育成済みキャラクタに対して設定された二つ名は、育成済みキャラクタの情報を確認する表示画面においてキャラクタ名に併記して表示することができる。育成済みキャラクタに対して設定されている二つ名は、フレンド登録した他のプレーヤや対戦機能を利用して同じレースに出走する他のプレーヤなどに対しても表示することができる。二つ名は、ゲームにおいて、その二つ名の獲得条件を達成したことを示すものであり、自身が所有する育成済みキャラクタに対して設定した二つ名を用いて他のプレーヤに対して自身のゲームにおける実績をアピールすることができる。また二つ名は、ゲームの実績を示す指標であって、基本的には、レースやゲームの進行に影響を与えるものではない。ただし一部のゲーム機能において二つ名の所持を判断基準としてプレーヤが所有する育成済みキャラクタの中から所定の二つ名を所持する育成済みキャラクタを抽出する処理に利用することができる。また出走登録確認ダイアログに設けられたキャンセルボタン166に対するタップ入力が行われた場合には、出走登録確認ダイアログを閉じて出走登録画面に復帰し、出走登録する3体の育成済みキャラクタの編成をやり直すことができる。
【0166】
出走登録期間が終了すると、メインステージの上位96名のプレーヤをエクストラステージの24レースに割り振って、出走キャラクタの出走番号を決定するゲート抽選と、レースコンディション(天候およびコース状態)を決定するコンディション抽選とを伴うマッチング処理が行われる(ステップS303)。
【0167】
エクストラステージに参加する96名のプレーヤは、Aブロック48名とBブロック48名とに分けられて、Aブロック12レースとBブロック12レースとに割り振られる。具体的には、1位~4位をAブロック、5位~8位をBブロック、9位~12位をAブロックという形式で4名ずつAブロックとBブロックとに交互に振り分けられる。エクストラステージでは、AブロックおよびBブロックにそれぞれメインレースが設定され、各12レースのうち第11レースがメインレースとして設定されている。Aブロックのメインレースは1位~4位のプレーヤが出走し、Bブロックのメインレースは5位~8位のプレーヤが出走する。各ブロックについて、第11レース→第10レース→第9レース→第12レース→第8レース→第7レース→・・・第2レース→第1レースの順に順位が上位のプレーヤから出走するレースが割り当てられる。
【0168】
マッチング処理が完了すると、エクストラステージの24レース分についてレースシミュレーションが行われ(ステップS304)、レースに参加するプレーヤがプレーヤ端末40においてイベントトップ画面に遷移する操作を行うと、
図29に示すように、イベント限定二つ名「SUPER HERO」を獲得したことを通知するEXステージ参加報酬ダイアログが表示される。EXステージ参加報酬ダイアログに設けられたクローズボタン170に対するタップ入力が行われると、EXステージ参加報酬ダイアログを閉じてイベントトップ画面に遷移する。
【0169】
エクストラステージにおいて出走登録期間が終了してサーバー20によるレースシミュレーションが完了すると、応援受付期間となり、イベントトップ画面を経由して応援対象の選択の受け付けが開始される(ステップS305)。
【0170】
図30は、応援受付期間におけるイベントトップ画面の表示例を示す図である。応援受付期間におけるイベントトップ画面には、応援対象の選択を受け付け中である旨の表示を付したレース一覧ボタン180が設けられており、レース一覧ボタン180に対するタップ入力が行われると、サーバー20に対してレース一覧取得要求が送信され、レース一覧取得要求を受け取ったサーバー20では対戦管理データベース52に作成されたエクストラステージの対戦レコードを参照し、マッチング結果を含むレース一覧情報をプレーヤ端末40に送信する。サーバー20からレース一覧情報を取得したプレーヤ端末40では、エクストラステージの24レース分の出走キャラクタを閲覧できるレース一覧画面を表示する。
【0171】
図31および
図32は、レース一覧画面の表示例を示す図である。レース一覧画面では、エクストラステージのAブロックの第1レース~第12レースおよびBブロックの第1レース~第12レースのそれぞれについて各12体の出走キャラクタを1レース単位で閲覧することができる。レース一覧画面においてAブロックとBブロックとの表示の切り替えは、Aブロックタブ191とBブロックタブ192とに対してタップ入力を行うことで可能となっている。表示対象のレースについては送りボタン193と戻しボタン194とを用いて変更することができる。また先頭ボタン195を用いて第1レースを表示対象に変更したり、最後尾ボタン196を用いて第12レースを表示対象に変更したりすることもできる。応援対象の選択が済んでいないレースが表示対象である場合、応援対象表示領域197には、応援対象の選択が済んでいない旨の表示が行われる。
図31に示す表示例では、Aブロックの第11レースを表示対象となっており、第11レースの出走キャラクタが出走キャラクタ表示領域198に表示される。出走キャラクタ表示領域198では、出走キャラクタごとにメインステージにおける出走履歴などの各種情報が表示され、出走キャラクタごとに対応する応援ボタン199が設けられている。現在表示されているレースについて、12体の出走キャラクタのいずれかに対応する応援ボタン199に対してタップ入力が行われると、
図32に示すように、タップ入力が行われた応援ボタン199の表記が「選択済み」に変更され、応援対象表示領域に応援対象として選択された出走キャラクタのキャラクタアイコン200が表示される。また応援対象の選択のために応援ボタン199に対するタップ入力が行われた際には、応援対象の選択情報を含む応援対象設定要求がサーバー20に対して送信され、応援対象設定要求を受け取ったサーバー20では、対戦管理データベース52に応援対象の選択情報をプレーヤIDに紐付けて記録する。
【0172】
なお応援対象の選択は取り消すことも可能であり、「選択済み」と表記されている応援ボタン199に対して再度タップ入力が行われると、未選択の状態に復帰し、応援対象としての選択が解除される。応援対象の選択を取り消すために応援ボタン199に対するタップ入力が行われた場合には、応援対象の取消情報を含む応援対象取消要求がサーバー20に対して送信され、応援対象取消要求を受け取ったサーバー20では、対戦管理データベース52に記録されているプレーヤIDに紐付けられた応援対象の選択情報を取り消す処理を実行する。
【0173】
そして本実施形態では、応援受付期間において、エクストラステージのレースに参加するか否かに関わらずに、全てのプレーヤが1レースにつき1体の出走キャラクタを応援対象として選択することができる。なお応援対象の選択はキャラクタ単位ではなく、プレーヤ単位、またはチーム単位(1名のプレーヤが出走登録した3体の育成済みキャラクタを1チームとする)としてもよい。またレース一覧画面において応援対象の選択を行った場合、応援対象以外の出走キャラクタに対応する応援ボタン199を無効化し、グレーアウト表示する制御を行ってもよい。
【0174】
エクストラステージにおいて応援受付期間が終了すると、少なくとも1レースについて応援対象の選択を行ったプレーヤに対して応援報酬が付与される。例えば、応援受付期間の終了後に、応援対象の選択を行ったプレーヤがプレーヤ端末40においてイベントトップ画面に遷移する操作を行った際に、サーバー20において対戦管理データベース52に記録されているプレーヤIDに紐付く応援対象の選択状況をチェックし、応援対象の選択が行われている場合には、そのプレーヤに対して報酬を付与する制御を行う。応援報酬が付与されたプレーヤのプレーヤ端末40ではイベントトップ画面へ遷移する前に、応援報酬の獲得演出として、
図33に示すように、応援報酬受取ダイアログが表示される。応援報酬受取ダイアログに設けられたクローズボタン205に対するタップ入力が行われると、報酬受取ダイアログを閉じてイベントトップ画面が表示される。
【0175】
エクストラステージでは、応援受付期間の終了後にレース期間に移行する。レース期間では、エクストラステージでのAブロックおよびBブロックの各12レースについてレースの様子を観戦することができ(ステップS306)、レースの観戦に対して報酬を獲得することができる(ステップS307)。本実施形態では、レース期間が開始してから初回のイベントトップ画面への遷移時にエクストラステージのメインレースまたは自身の出走レースの観戦へ誘導する制御が行われる。
【0176】
具体的に説明すると、プレーヤ端末40においてイベントトップ画面へ遷移するための操作が行われた場合に、
図34に示すように、レース再生確認ダイアログが表示される。レース再生確認ダイアログでは観戦対象となるレースが表示され、エクストラステージのレースに参加するプレーヤの場合、自身の出走レースが観戦対象のレースとして表示され、エクストラステージのレースに参加しないプレーヤの場合、Aブロックのメインレース(第11レース)が観戦対象のレースとして表示される。レース再生確認ダイアログに設けられたOKボタン207に対するタップ入力が行われると、サーバー20に対して観戦対象のレースを指定する情報を含むレース情報取得要求が送信される。レース情報取得要求を受け取ったサーバー20では、観戦対象のレースのレースシミュレーション結果を要求元のプレーヤ端末40に送信する。プレーヤ端末40では、サーバー20から受け取ったレースシミュレーション結果に基づいてレース映像を作成して再生する観戦演出が実行される。
【0177】
図35は、観戦演出のうち、出走直前状態(
図5の「パドック」P1に対応)の演出パートを示す図である。出走直前状態では、出走キャラクタの3Dモデル210とステータス情報211とを1体ずつ閲覧することができ、応援対象として選択した出走キャラクタのキャラクタ名表示212に対して応援マーク213が付与される。また応援対象として選択した出走キャラクタが表示されている場合、「カメラ設定中」の表記を伴う注視対象アイコン214が表示される。本実施形態では、応援対象を選択しているレースを観戦する場合、仮想カメラが応援対象の出走キャラクタを注視対象とした仮想カメラ制御でレース映像が作成される。応援対象を選択していないレースを観戦する場合、仮想カメラの注視対象はレースの1番人気に設定されたキャラクタとなる。また自身の育成済みキャラクタが出走するレースにおいては、自身の育成済みキャラクタが仮想カメラの注視対象に設定される。なおレース映像の仮想カメラの注視対象の設定についてはプレーヤが任意に変更することができる。具体的には、注視対象アイコン214に対するタップ入力を行うことで、
図36に示すように、カメラ設定ダイアログが呼び出され、任意の出走キャラクタを選択して決定ボタン220に対するタップ入力を行うことで仮想カメラの注視対象を変更することができる。
【0178】
出走直前状態の演出パートにおいてレース開始ボタン215に対するタップ入力が行われると、
図37に示すように、出走キャラクタの一覧を表示する演出(
図5の「出走表」P3に対応)を行ってから、レース映像の再生を開始する。出走キャラクタの一覧を表示する演出画面では、出走キャラクタに関する情報が簡易表示され、応援対象として選択されている出走キャラクタには応援マーク222が付与される。出走キャラクタの一覧を表示する演出画面においてレース開始ボタン224に対するタップ入力が行われると、レース映像の再生が開始される。なおエクストラステージにおいてもフル観戦パターンとショート観戦パターンとを選択して観戦演出を実行できるようにしてもよい。
【0179】
図38は、レース映像の一場面を示す図である。レース映像では、注視対象に設定された出走キャラクタを主に映すようにレースの様子が表現され、応援対象に選択されている出走キャラクタの3Dモデル230の上部には応援マーク232が付与されて、自身が選択した応援対象の出走キャラクタを認識することができる。レース映像の再生が終了すると、
図39に示すように、レース結果表示画面に遷移して出走キャラクタそれぞれの着順やタイムなどを確認することができる。レース結果表示画面では、応援対象に選択されている出走キャラクタのキャラクタアイコン241に対して応援マーク242が表示される。なお応援対象として選択した出走キャラクタが1着を取った場合には、レース結果表示画面に遷移する際に、
図40に示すように、応援対象として選択したキャラクタが1着でゴールしたことを通知する応援対象勝利演出が実行される。応援対象勝利演出の実行中の画面において進行ボタン250に対するタップ入力が行われると、応援対象勝利演出を終了してレース結果表示画面が表示される。そしてレース結果表示画面に設けられた進行ボタン240に対するタップ入力が行われると、レース観戦が済んでいないメインレースがある場合には、そのメインレースを観戦対象としたレース情報取得要求がサーバー20に対して送信され、以降については、既述の場合と同様のレース観戦に関する処理が実行される。AブロックおよびBブロックのメインレースのレース観戦が完了すると、エクストラステージのレースを観戦したことに対する報酬である観戦報酬が付与される。具体的には、Bブロックのメインレースのレース結果表示画面に設けられた進行ボタン240に対するタップ入力が行われた場合、
図41に示すように、観戦報酬受取ダイアログが表示される。観戦報酬は、エクストラステージのレース期間が開始してから初回のレース観戦において付与され、観戦報酬受取ダイアログは、観戦報酬を獲得したときに限って表示される。観戦報酬受取ダイアログに設けられたクローズボタン260に対するタップ入力が行われると、観戦報酬受取ダイアログを閉じてイベントトップ画面に遷移してエクストラステージにおけるレース期間での一連の処理を終了する。
【0180】
以上に述べた本実施形態の情報処理システム10では、メインステージの戦績上位のプレーヤがエクストラステージのレースに参加可能とすることによって、エクストラステージへの進出を果たしたプレーヤは実力に対する適切な評価を受けることができる。一方、本実施形態の情報処理システム10では、エクストラステージのレースを、エクストラステージの参加の可否に関わらずに観戦可能として、その観戦によって観戦報酬を獲得できるようにしたので、エクストラステージに進出できなかったプレーヤに対して観戦報酬を得るためにエクストラステージのレースを観戦する動機を与えることができる。このように本実施形態の情報処理システム10では、幅広いプレーヤ層の参加意欲を喚起することができる。
【0181】
特に本実施形態の情報処理システム10によってプレーヤに提供される対戦レースイベントでは、メインステージに参加するプレーヤが、ランクアップ報酬、出走報酬、イベント限定称号(最高位ランク昇格報酬)を得ることができる。ランクアップ報酬および出走報酬は、ゲームの進行に影響を与えるアイテムやゲーム内通貨となっている。また本実施形態の情報処理システム10によってプレーヤに提供される対戦レースイベントでは、エクストラステージに参加するプレーヤが、参加報酬(イベント限定二つ名)を得ることができ、この参加報酬は、キャラクタ情報の表示に影響するが、ゲームの進行において参加報酬の獲得の有無がプレーヤ間に有利/不利を生じさせるものではない。仮に、エクストラステージの参加の有無が、その後のゲームに大きく影響する構成である場合、メインステージで戦績上位となれないと感じるプレーヤが対戦レースイベントの参加に消極的となるおそれがある。しかしながら、本実施形態の情報処理システム10では、エクストラステージの参加報酬を名誉的なアイテムのみにすることで、対戦レースイベントにおいてエクストラステージのレースに参加できなかったプレーヤであっても、ゲームを有利に進めるためのアイテムを獲得することができるため、初級プレーヤの対戦レースイベントに対する参加意欲が損なわれることを防いで、対戦レースイベントの参加プレーヤの数を十分に確保することができる。また参加プレーヤの数を十分に確保することができるイベント構造とすることによって、エクストラステージのレースを観戦する可能性のあるプレーヤが増えるため、参加報酬を得る上級プレーヤが自身の名誉を高める機会を得やすくすることができる。
【0182】
また本実施形態の情報処理システム10では、エクストラステージにおけるレースを観戦するに際して、レースの出走キャラクタのうち任意の出走キャラクタを応援対象として選択する入力を受け付けて、出走キャラクタの上部に応援マークを付したレース映像を表示するようにしたので、プレーヤが応援対象として選択した出走キャラクタに対する思い入れを強めてレース観戦を楽しむことができる。
【0183】
なお、エクストラステージの出走キャラクタのそれぞれについて、応援対象として選択された数(被選択数)を集計して、応援対象の被選択数に関するランキングを算出し、そのランキングおよび応援対象の被選択数をエクストラステージのレースを観戦するプレーヤ(エクストラステージのレースに参加するプレーヤおよびエクストラステージのレースに参加しないプレーヤの双方を含む)のプレーヤ端末40において表示するようにしてもよい。また応援対象の被選択数のランキング上位の出走キャラクタを出走登録したプレーヤに対してアイテムやゲーム内通貨などの報酬を付与するようにしてもよい。またプレーヤが応援対象として選択した出走キャラクタがレースで所定の成績(例えば、1着や、3着以内など)となった場合、アイテムやゲーム内通貨などの報酬を、その出走キャラクタを応援対象として選択したプレーヤに付与するようにしてもよい。
【0184】
また本実施形態の情報処理システム10では、応援対象となる出走キャラクタを選択したことに基づいて応援報酬を獲得できるようにしたので、プレーヤに応援対象を選択することに対しての積極的な動機を与えることができる。
【0185】
また本実施形態の情報処理システム10では、レース結果の優秀度が低いほど評価が高くなる評価基準に基づいてイベントパラメータの更新量が決定され、イベントパラメータが最大値に達した場合にレースに有利となるバフ効果が付与されるイベントスキルを獲得可能として対戦バランスを好適に調整可能としたので、初級プレーヤから上級プレーヤまで幅広いプレーヤ層がレースによる対戦を楽しむことができる。特に本実施形態では、メインステージでのレースを繰り返し利用することによってイベントパラメータが徐々に蓄積されていくことによってイベントスキルを獲得可能としたことで、レースに敗北した場合に一律に次回のレースで有利となる効果を付与する仕様に比べてキャラクタの育成に関する重要性が低下しにくくなるため、キャラクタの育成に対するプレーヤのモチベーション低下を防ぐことができる。
【0186】
また本実施形態の情報処理システム10では、レース結果が僅差の敗北であった場合にもイベントパラメータを追加で得られるため、レースに敗北したプレーヤの損失感を軽減することができる。
【0187】
また本実施形態の情報処理システム10では、イベントスキルを有効に機能させるための発動条件が設定されており、イベントスキルの発動条件の達成に関係するイベントスキル対応アイテムをプレーヤの任意で使用可能となっているため、レースの戦略性を高めて、対戦の楽しみを向上させることができる。
【0188】
また本実施形態の情報処理システム10では、レース結果の優秀度が高いほど評価が高くなる評価基準に基づいてランクポイントを算出し、ランクポイントの合計獲得量に応じてリーグランクの昇格条件を満たした場合にランクアップ報酬を付与するようにしたので、対戦レースイベントを提供するイベント対戦機能を繰り返し利用する動機をプレーヤに与えることができる。
【0189】
また本実施形態の情報処理システム10において提供されるイベント対戦機能は、メインステージにおけるレース結果が対戦相手のプレーヤの戦績に影響を与えるものではないため、プレーヤの連敗数に応じて複数回のレースシミュレーションを行う仕様であってもよい。例えば、連敗数に応じて負けたレースの次のレースにおいて複数回のレースシミュレーションを行うか否かの抽選を行うことができる。例えば、連敗数が1の場合、当選率10%、連敗数が2の場合、当選率20%、連敗数が3の場合、当選率33%、連敗数が4以上の場合、当選率100%となる抽選を行い、抽選に当選した場合に複数回のレースシミュレーションを行うことができる。複数回のレースシミュレーションを行うことが決定された場合のレースシミュレーションの回数は、例えば、3回とすることができる。なおリーグランクに応じて複数回のレースシミュレーションを行うことが決定された場合のレースシミュレーションの回数を設定してもよいし、特定のリーグランク(例えば、ブロンズ)では複数回のレースシミュレーションを行わないという仕様としてもよい。このようにすれば、所属プレーヤが多いランクでは複数回のレースシミュレーションを行うことがサーバー20に過大な負荷をかけるおそれがあるため、特定のリーグランクで複数回のレースシミュレーションを行わない仕様とすれば、サーバー20の演算負荷を軽減することができる。
【0190】
また1レースに対して複数回のレースシミュレーションを行う場合、出走を要求したプレーヤの出走登録した育成済みキャラクタが1着を獲得した時点でレースシミュレーションを終了し、全ての回数のレースシミュレーションを行った結果、出走を要求したプレーヤの出走登録した育成済みキャラクタが1着を得ることができなかった場合、最後のレースシミュレーションをレース結果として採用することができる。なお、着順の最も良かったレースシミュレーションをレース結果として採用するようにしてもよい。複数回のレースシミュレーションを行った結果、1着の結果を得ることができなかった場合でも1レース分の負けとして連敗数をカウントすることができる。例えば、連敗数が2の状況で複数回のレースシミュレーションに当選し、その結果、負けとなった場合は、連敗数が1増加して3となる。
【0191】
また対戦レースイベントにおけるエクストラステージのレース情報(出走キャラクタの情報、レースに参加するプレーヤの情報、レース結果、応援対象の被選択数および被選択数ランキングなど)をWebサイトやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に掲載し、プレーヤ端末40において情報処理システム10に係るアプリケーションを経由して、エクストラステージのレース情報を掲載するWebサイトやSNSに誘導する機能が設けられていてもよい。
【0192】
またサーバー20に関して、マッチング機能、シミュレーション機能を1台のサーバー20で実現してもよいし、各機能を複数台のサーバー20に分散して別々のサーバー20で実現していてもよい。またマッチング機能、シミュレーション機能のうち、一部の機能だけを他の機能とは別のサーバー20で実現するようにしてもよい。またマッチング機能を有するサーバー20は複数台用意されていてもよい。
【0193】
本実施形態では、複数のプレーヤが参加して対戦を行うゲームとして、着順を競うレースゲームを例にとり説明をしたが、他のゲームにおいて情報処理システム10の対戦機能を提供する構成としてもよい。例えば、格闘ゲーム、スポーツゲーム(野球ゲーム、サッカーゲームなど)、アクションゲーム、バトルロイヤルゲーム、ロールプレイングゲーム等、複数のプレーヤが参加して対戦を行うものであれば如何なるジャンルでも適用可能である。また対戦の態様については、1対1、複数対複数、1対複数のいずれであってもよい。
【0194】
本実施形態の制御手法をサッカーゲームや野球ゲーム等のチーム対戦形式のゲームに適用する場合、応援対象として特定のチームを設定したことによって、応援対象のチームに所属する選手キャラクタの全員に応援マークが表示されてもよいし、各チームにおいて予め設定されたキャプテンやリーダーなどの特定の選手キャラクタのみに応援マークが表示されてもよい。また試合を観戦する表示画面における応援マークの表示については、サッカーゲームであればボールを保持している選手キャラクタに対して表示したり、野球ゲームであれば打席にいる選手キャラクタやマウンドにいる選手キャラクタに限って応援マークを表示したりするように、応援マークが表示される選手キャラクタを切り替える表示制御を行ってもよい。
【0195】
また複数のプレーヤのそれぞれが育成したキャラクタ同士を対戦させるゲームの場合についても、対戦中の表示画面において、応援対象として選択されたキャラクタの上部などに応援マークを表示する表示制御を行ってもよい。
【0196】
また対戦の観戦中の表示画面では、応援対象のキャラクタに応援マークが表示されるが、観戦中の表示画面とは別にリプレイ映像や対戦のハイライト映像(対戦が盛り上がった場面:サッカーゲームのゴールシーンや野球ゲームのホームランシーン、対戦中のスキルの発動シーンなど)を視聴可能とした場合、リプレイ映像やハイライト映像では応援マークを表示しないことによって、リプレイ映像やハイライト映像の視聴の妨げになることを回避してもよい。
【0197】
また本実施形態の情報処理システム10で提供される対戦レースイベントでは、メインステージにおいてレースの着順に応じてランクポイントを更新したが、サッカーゲームや野球ゲームなどの得点によって対戦の勝敗を決定するスポーツゲームにおいては、試合における得点に応じてランクポイントを更新してもよいし、格闘形式のゲームにおいては対戦相手に与えたダメージ量に応じてランクポイントを更新してもよい。
【符号の説明】
【0198】
10 情報処理システム、
20 サーバー、21 CPU、22 ROM、23 RAM、
24 通信部、25記憶装置、
40 プレーヤ端末、41 CPU/GPU、42 ROM、43 RAM、
44 通信部、45 操作/入力部、46 表示部、47 記憶装置、48 スピーカ、
50 サーバーデータ記憶部、51 プレーヤ管理データベース、
52 対戦管理データベース、
60 ゲーム演算部、61 マッチング処理部、62 シミュレーション処理部、
63 対戦結果評価部、64 イベントスキル決定部、
70 端末データ記憶部、71 プレーヤデータ記憶部、72 育成進行データ記憶部、
73 レース制御データ記憶部、74 イベントデータ記憶部、
80 ゲーム実行部、81 育成機能提供部、82 対戦機能提供部、
83 第1ステージ制御部、84 第2ステージ制御部、85 レース演出実行部、
【手続補正書】
【提出日】2024-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのためのプログラムであって、
前記複数のキャラクタのそれぞれに紐付く情報に基づいて、前記対戦に関する演算を行うゲーム演算部と、
前記演算の結果に基づいて、前記対戦を観戦させるゲーム演出を実行する演出実行部として、コンピュータを機能させ、
前記演出実行部が、
前記ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、前記対戦における所定の途中経過を過ぎる前の演出パートの実行中に特定入力が行われた場合に、当該所定の途中経過から前記対戦が進行する演出パートへスキップする処理を実行し、
前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する前記複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略しつつ前記所定の途中経過を示す演出パートを含むように当該ゲーム演出を実行するプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記演出実行部が、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、特定条件を満たしたキャラクタに関する特定演出パートを実行中の演出パートに割り込ませて実行可能とし、特定演出パートの実行中において前記特定入力を受け付けない制御を行い、
前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、前記特定演出パートの実行を省略するプログラム。
【請求項3】
請求項2において、
前記演出実行部が、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、前記特定演出パートの実行の有無を選択する入力を受け付け可能とするプログラム。
【請求項4】
複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのための情報処理システムであって、
前記複数のキャラクタのそれぞれに紐付く情報に基づいて、前記対戦に関する演算を行うゲーム演算部と、
前記演算の結果に基づいて、前記対戦を観戦させるゲーム演出を実行する演出実行部と、を含み、
前記演出実行部が、
前記ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、前記対戦における所定の途中経過を過ぎる前の演出パートの実行中に特定入力が行われた場合に、当該所定の途中経過から前記対戦が進行する演出パートへスキップする処理を実行し、
前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する前記複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略しつつ前記所定の途中経過を示す演出パートを含むように当該ゲーム演出を実行する情報処理システム。
【請求項5】
複数のキャラクタによる対戦が行われるゲームのための情報処理方法であって、
前記複数のキャラクタのそれぞれに紐付く情報に基づいて、前記対戦に関する演算を行うゲーム演算ステップと、
前記演算の結果に基づいて、前記対戦を観戦させるゲーム演出を実行する演出実行ステップと、を含み、
前記演出実行ステップでは、
前記ゲーム演出を第1パターンまたは第2パターンのいずれによって実行するかを選択可能とし、
前記ゲーム演出を前記第1パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する複数の演出パートを所定の順序で実行し、前記対戦における所定の途中経過を過ぎる前の演出パートの実行中に特定入力が行われた場合に、当該所定の途中経過から前記対戦が進行する演出パートへスキップする処理を実行し、
前記ゲーム演出を前記第2パターンで実行する場合、当該ゲーム演出を構成する前記複数の演出パートのうち、一部の演出パートを省略しつつ前記所定の途中経過を示す演出パートを含むように当該ゲーム演出を実行する情報処理方法。