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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163016
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電気光学装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20241114BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20241114BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/13 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055567
(22)【出願日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2023078401
(32)【優先日】2023-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】横田 智己
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
2H192
【Fターム(参考)】
2H088EA14
2H088EA15
2H088HA13
2H088HA14
2H088HA24
2H088HA28
2H092GA25
2H092GA26
2H092GA29
2H092JA25
2H092JA48
2H092JB63
2H092JB64
2H092JB66
2H092JB68
2H092JB69
2H092NA07
2H092NA25
2H092RA05
2H192AA24
2H192BC42
2H192CB02
2H192CC02
2H192DA15
2H192DA43
2H192DA52
2H192DA63
2H192DA67
2H192EA13
2H192EA14
2H192EA15
2H192EA22
2H192EA32
2H192JB02
(57)【要約】
【課題】電気光学装置における光の反射を抑制するとともに光の利用効率を高める。
【解決手段】本発明の電気光学装置は、基板と、画素電極と、基板と画素電極との間に配置されるゲート電極層を有するトランジスターと、基板とトランジスターとの間に配置され、定電位が印加される定電位線と、定電位線と基板との間に配置されるとともに定電位線と電気的に接続され、定電位線側に配置される第1容量電極と、定電位線と基板との間に配置されるとともに基板側に配置される第2容量電極と、第1容量電極と第2容量電極との間に配置される容量絶縁膜と、を有する容量素子と、を備える。ゲート電極層は、定電位線の延在方向に沿って延び、定電位線と重なる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
画素電極と、
前記基板と前記画素電極との間に配置されるゲート電極層を有するトランジスターと、
前記基板と前記トランジスターとの間に配置され、定電位が印加される定電位線と、
前記定電位線と前記基板との間に配置されるとともに前記定電位線と電気的に接続され、前記定電位線側に配置される第1容量電極と、前記定電位線と前記基板との間に配置されるとともに前記基板側に配置される第2容量電極と、前記第1容量電極と前記第2容量電極との間に配置される容量絶縁膜と、を有する容量素子と、
を備え、
前記ゲート電極層は、前記定電位線の延在方向に沿って延び、前記定電位線と重なる、
電気光学装置。
【請求項2】
前記ゲート電極層は、前記トランジスターの半導体層の前記基板側の面よりも前記基板側に突出するとともに、前記定電位線とは電気的に接続されない凸部を有する、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記凸部は、前記定電位線の延在方向において前記半導体層を挟んで配置される第1凸部と第2凸部を含む、
請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記基板は凹部を有し、前記容量素子は、前記基板の凹部に沿って配置される、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記トランジスターのゲート電極層と、前記トランジスターの半導体層と、前記定電位線と、前記容量素子とは、平面視において重なる、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記定電位線は第1方向に沿って延在し、
前記ゲート電極層は前記第1方向に沿って延在し、平面視において前記定電位線と重なり、走査線を含む、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項7】
平面視において前記第1容量電極及び前記第2容量電極は前記第1方向に沿って互いに平行に延在し、前記第1方向に交差する方向に突出する凸部を有しない、
請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
平面視において前記ゲート電極層は前記第1容量電極に対して前記第1方向に交差する方向に突出する凸部を有しない、
請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から請求項の何れか一項に記載の電気光学装置を備える、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクター等の電子機器には、液晶装置等の電気光学装置が搭載されている。液晶装置等の電気光学装置には、薄膜トランジスター(thin film transistor;TFT)が使われている。特許文献1には、電気光学装置において、積層数の増加及び開口率の低下の抑制、及び薄膜トランジスターに対する遮光性の向上を図る構成が開示されている。特許文献1に開示されている構成では、前述の目的のために、薄膜トランジスターと基板との間に、基板側から走査線、定電位線、容量素子、遮光層が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-092680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示されている電気光学装置では、容量素子や定電位線、走査線等を薄膜トランジスターと基板との間に配置することによって、各層を電気的に接続する導通部材が画素の開口領域に設けられることを回避している。しかしながら、容量素子が遮光層と定電位線との間に設けられているため、容量素子のサイズが制限され、平面視における画素の開口率及び画素での光の透過率が減少するといった課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様の電気光学装置は、基板と、画素電極と、基板と画素電極との間に配置されるゲート電極層を有するトランジスターと、基板とトランジスターとの間に配置され、定電位が印加される定電位線と、定電位線と基板との間に配置されるとともに定電位線と電気的に接続され、定電位線側に配置される第1容量電極と、定電位線と基板との間に配置されるとともに基板側に配置される第2容量電極と、第1容量電極と第2容量電極との間に配置される容量絶縁膜と、を有する容量素子と、を備える。ゲート電極層は、定電位線の延在方向に沿って延び、定電位線と重なる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態の液晶装置の平面図である。
図2図1の液晶装置の断面図である。
図3図1の液晶装置の等価回路図である。
図4図1の液晶装置の第1基板の断面図である。
図5図1の液晶装置の第1基板の断面図である。
図6図1の液晶装置の第1基板の拡大断面図である。
図7図1の液晶装置の第1基板の平面図である。
図8】本発明の一実施形態の電子機器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。各図面では、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を変えている場合がある。
【0008】
図面には、必要に応じて、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、及びZ軸が図示されている。また、X軸に沿う一方向を+X方向と記載し、+X方向とは反対の方向を-X方向と表記する。同様に、Y軸に沿う一方向を+Y方向と表記し、+Y方向とは反対の方向を-Y方向と記載する。Z軸に沿う一方向を+Z方向と表記し、+Z方向とは反対の方向を-Z方向と記載する。また、X軸とY軸とを含む面を「XY面」と記載し、X軸とZ軸とを含む面を「XZ面」と記載し、XY面をZ軸に沿って見ることを「平面視」と記載する場合がある。
【0009】
以下の説明において、例えば、基板に対して、「基板上に」という記載は、基板の上面に接して配置される場合、基板の上面に基板以外の構造物等の構成要素を介して配置される場合、基板の上面に一部が接して配置され、他の一部が基板以外の構成要素を介して配置される場合の何れかを表す。また、電気光学装置の各々の構成要素の材料や膜厚は、好適な理由等が説明されている場合を除き、例示されている材料や膜厚に限定されない。
【0010】
(電気光学素子)
[基本構成]
本発明の一実施形態では、電気光学装置として、画素毎にスイッチング素子としての薄膜トランジスターを備えるアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。以下では、薄膜トランジスターをTFTと省略して記載する場合がある。液晶装置は、例えば、後述する電子機器としてのプロジェクターにおいて、光変調装置として好適に用いられる。
【0011】
(液晶装置の物理的な構造の概要)
図1は、第1実施形態の液晶装置100の平面図である。図2は、液晶装置100の断面図であり、図1に示すH-H’線で矢視した場合の断面図である。図1及び図2に示すように、液晶装置100は、第1基板10と、第2基板20と、液晶層5と、を備える。第2基板20は、第1基板10と対向するように配置されている。液晶層5は、Z軸で第1基板10と第2基板20との間に挟まれており、液晶装置100の電気光学層として機能する。液晶層5には、不図示の複数の液晶が含まれている。
【0012】
第1基板10の素子基板111及び第2基板20の対向基板112には、液晶装置100に入射する色光を透過可能な材料で形成された基板が用いられ、例えば、ガラス基板、石英基板等の基板が用いられる。
【0013】
平面視したときに、第1基板10のX軸上での幅及びY軸上での幅は、第2基板20よりも大きい。第1基板10と第2基板20とは、第2基板20の外縁に沿って配置されるシール材6を介してZ軸において接合されている。第1基板10と第2基板20とシール材6によって囲まれる空間に、正又は負の誘電異方性を有する液晶が封入され、液晶層5が設けられている。
【0014】
平面視したときに、シール材6の内側には、複数の画素Pを含む表示領域Eが設けられている。複数の画素Pは、X軸及びY軸に沿ってマトリクス状に配列されている。平面視したときに、表示領域Eよりも外側の領域は、周辺領域Fである。平面視したときに、周辺領域Fのうちでシール材6と表示領域Eとの間の第1周辺領域F1には、不図示のダミー画素が設けられている。第1周辺領域F1は、XY面で表示領域Eを囲んでいる。
【0015】
平面視したときに、第1周辺領域F1に、表示領域Eを囲む仕切り材23が設けられている。例えば、第1周辺領域F1のうちでX軸に沿って延在してY軸において+Y方向の前方に配置されている1辺のシール材6と表示領域Eとの間の領域に、検査回路41が設けられている。第1周辺領域F1のうちでX軸に沿って延在する2辺のシール材6のそれぞれと表示領域Eとの間の領域に、走査線駆動回路45が設けられている。第1周辺領域F1のうちでシール材6と検査回路41との間の領域に、2つの走査線駆動回路45同士を繋ぐ複数の配線49が設けられている。
【0016】
周辺領域Fのうちでシール材6よりも外側の第1基板10の第2周辺領域F2には、複数の外部接続端子43が設けられている。複数の外部接続端子43は、例えばX軸に沿って延在してY軸において-Y方向の前方の第2周辺領域F2に、X軸に沿って互いに間隔をあけて配置されている。平面視したときに、第2周辺領域F2において、複数の外部接続端子43が配置されている領域とX軸に沿って延在するシール材6との間に、データ線駆動回路47が設けられている。
【0017】
配線49は、データ線駆動回路47及び走査線駆動回路45に繋がっており、複数の外部接続端子43に接続されている。なお、検査回路41は、上述した領域、すなわちX軸に沿って延在してY軸において+Y方向側に配置されている1辺のシール材6と表示領域Eとの間の領域とは異なる領域に配置されてもよい。
【0018】
図2に示すように、第1基板10の基材としての素子基板110において液晶層5に向く表面に、薄膜トランジスター30と、検査回路41と、配線49と、配向膜12が設けられている。薄膜トランジスター30は、画素P毎に設けられたスイッチング素子である。配向膜12は、画素電極11及び薄膜トランジスター30、配線49を被覆している。薄膜トランジスター30及び画素電極11は、画素Pの構成要素である。第1基板10は、素子基板110、画素電極11、薄膜トランジスター30、配線49、及び配向膜12を含み、これらの構成要素及び検査回路41によって構成されている。
【0019】
第2基板20の基材としての対向基板112において液晶層5に向く表面に、仕切り材23と、絶縁層25と、対向電極21と、配向膜22が設けられている。絶縁層25は、仕切り材23を被覆している。対向電極21は、絶縁層25を被覆して設けられた共通電極として配置されている。配向膜22は、対向電極21を被覆している。第2基板20は、仕切り材23、対向電極21、及び配向膜22を含み、これらの構成要素及び絶縁層25によって構成されている。なお、共通電極である対向電極21は一例として第2基板20に設けられているが、第1基板10に設けられてもよい。例えば、薄膜トランジスター30と、検査回路41と、配線49とを被覆する不図示の絶縁層が設けられ、対向電極21は前述の不図示の絶縁層と配向膜12との間に設けられてもよい。
【0020】
図1に示すように平面視したときに、走査線駆動回路45及び検査回路41は、仕切り材23に重なっている。仕切り材23は、遮光部として機能する。光Lは、不図示の光源装置から射出され、-Y方向に沿って第2基板20から液晶装置100に入射する。仕切り材23は、光Lが走査線駆動回路45等の周辺回路に入射しないように遮光する。仕切り材23が設けられていることによって、周辺回路の誤動作が防止される。また、仕切り材23は、不要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮光する。仕切り材23が設けられていることによって、液晶装置100におけるコントラストの低下が抑制される。
【0021】
絶縁層25は、例えば、光Lに対して透光性を有する酸化シリコン(SiO)等の無機材料によって形成されている。絶縁層25において液晶層5に接する表面は、XY面に平行な平坦面である。
【0022】
導通部材7は、平面視において、シール材6の四隅に設けられ、Z軸に沿って延在している。対向電極21は、導通部材7と電気的に接続されている。導通部材7は、後述する共通配線18と電気的に接続されている。
【0023】
画素電極11及び対向電極21は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide;ITO)やIZO(Indium Zinc Oxide;IZO)等の透明導電膜によって形成されている。配向膜12,22の材料は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜12,22の材料としては、例えば、酸化シリコン等の無機化合物、或いは、ポリイミド等の有機化合物が挙げられる。
【0024】
液晶装置100では、ノーマリーホワイトモード或いはノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。ノーマリーホワイトモードでは、電圧が印加されない状態での画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも大きい。ノーマリーブラックモードでは、電圧が印加されない状態での画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも小さい。以下では、液晶装置100において、ノーマリーブラックモードの光学設計が採用されている場合を想定して説明する。なお、液晶装置100の光学設計に応じて、液晶装置100に対して光Lの入射側の空間及び射出側の空間のそれぞれに、不図示の偏光素子が配置されている。
【0025】
(液晶装置の電気的な構造の概要)
図3は、液晶装置100の等価回路図である。図3に示すように、液晶装置100では、第1基板10の素子基板111上に、複数の走査線13、複数のデータ線16、複数の共通配線18が設けられている。複数の走査線13は、X軸と平行に延在している。複数のデータ線16及び複数の共通配線18は、Y軸と平行に延在している。複数のデータ線16は、少なくとも複数の走査線13と交差している。すなわち、走査線13が延在する方向とデータ線16が延在する方向とは、互いに異なる。なお、複数の共通配線18は必ずしもY軸に沿って延在している必要はなく、共通配線18が延在する方向は特定の方向に限定されない。
【0026】
画素Pは、X軸に沿って延在する走査線13と、Y軸に沿って延在するデータ線16によって、区画されている。画素Pには、画素電極11、薄膜トランジスター30及び容量素子60が設けられている。
【0027】
走査線13は、薄膜トランジスター30のゲートに電気的に接続されている。データ線16は、薄膜トランジスター30のソースに電気的に接続されている。走査線13は、同一行に設けられた薄膜トランジスター30のオン、オフを一斉に制御する。画素電極11は、薄膜トランジスター30のドレインに電気的に接続されている。
【0028】
データ線16は、データ線駆動回路47に電気的に接続されており、データ線駆動回路47から供給される画像信号D1,D2,・・・,Dnを画素Pに供給する。走査線13は、走査線駆動回路45に電気的に接続されており、走査線駆動回路45から供給される走査信号SC1,SC2,・・・,SCmを各画素Pに供給する。
【0029】
データ線駆動回路47からデータ線16に供給される画像信号D1から画像信号Dnは、順次供給されてもよく、互いに隣り合う複数のデータ線16同士のグループ毎にまとめて供給されてもよい。走査線駆動回路45は、走査線13に対して、走査信号SC1から走査信号SCmを、所定のタイミングでパルスとして順次供給する。
【0030】
薄膜トランジスター30に走査信号SC1が入力されると、TFT30は、一定期間だけオン状態になる。このことによって、データ線16から供給される画像信号D1は、所定のタイミングで画素電極11に書き込まれる。画素電極11を介して液晶層5に書き込まれた所定レベルの画像信号D1は、画素電極11と液晶層5とを介して対向配置されている対向電極21との間で一定期間保持される。
【0031】
画素電極11と対向電極21との間に設けられた液晶容量に対して、容量素子60が並列に、且つ電気的に接続されている。このことによって、液晶層5に保持された画像信号D1のリークが防止される。容量素子60の一端は、TFT30のドレインと画素電極11とに電気的に接続している。容量素子60の他端は、定電位が印加される共通配線18に電気的に接続している。
【0032】
図3では省略されているが、データ線16には、検査回路41が接続されている。そのため、液晶装置100の製造工程において、画像信号D1,D2,・・・,Dnを検出することによって、液晶装置100の動作不具合等の確認が可能である。
【0033】
(液晶素子の電気的な構造の概要)
図4は、画素Pの第1基板10のX軸に沿った、XZ面での断面概略図である。図5は、画素Pの第1基板10のY軸に沿った、YZ面での断面概略図である。なお、図4及び図5では、配向膜12やゲート絶縁膜等は、省略され、走査線13やデータ線16を含む各種配線を構成する導電層の配置や電気的なつながりが示されている。
【0034】
図4から図5に示すように、素子基板111上に、第1導電層121、第2導電層122、第3導電層123、第4導電層124、第5導電層125、第6導電層126、第7導電層127及び画素電極11が+Z方向に順次積層されている。
【0035】
第1導電層121は、容量素子60の第2容量電極62を含む。第2導電層122は、容量素子60の第1容量電極61を含む。第3導電層123は、定電位線19を構成し、コンタクトホールCNT31によって画素Pの第1容量電極61に接続され、第1容量電極61に電気的に接続されている。第3導電層123は、遮光層を兼ねている。Z軸において、第1導電層121と第2導電層122との間に、絶縁膜63が形成されている。なお、図4及び図5では、絶縁膜63のZ軸での厚みは、省略されている。
【0036】
第4導電層124は、薄膜トランジスター30のゲート電極32を含む。図5に示すように、第4導電層124は、-Z方向側の第1層124Aと、第1層124Aの+Z方向側に積層された第2層124Bとの2層構造を有する。第4導電層124は、第3導電層123に接続されていないが、X軸においてゲート電極32を挟んで両側に設けられるハーフコンタクトHC,HCによって部分的に第3導電層123近くまで形成されている。図4ではハーフコンタクトHC,HCの-Z方向側の底面は、半導体層31の-Z方向側の底面31bよりも、さらに-Z方向側に位置している。すなわち、ハーフコンタクトHC,HCにおいて、第4導電層124は半導体層31よりも-Z方向に突出している。
【0037】
ハーフコンタクトHCの最小深さは、第4導電層124の壁が半導体層31の底まで確実に遮光するという条件を満たす範囲内で、製造工程でのバラつきも考慮して決まる。図6は、画素Pの第1基板10のX軸に沿った断面概略図であり、図4の一部を拡大した図である。図6に示すように、例えば、第3導電層123の最も+Z方向側の面とハーフコンタクトHC以外のXY面に平坦な部分の半導体層31の-Z方向側の面とのZ軸での距離h1が4500[Å]であり、半導体層31と第4導電層124との間の層間絶縁膜の厚みt1が800[Å]であり、第4導電層124の厚みが2000[Å]である場合では、ハーフコンタクトHCの最小深さは2800[Å]である。10%のバラつきを考慮すると、ハーフコンタクトHCの最小深さは、3080[Å]程度であることが好ましい。
【0038】
半導体層31の-X方向側及び+X方向側の第4導電層124に、段差が生じていてもよい。第4導電層124の段差のZ方向での高さt2は、半導体層31と第4導電層124との間の層間絶縁膜の厚みt1と同程度であり、例えば、800[Å]である。
【0039】
なお、ハーフコンタクトHCの部分の第4導電層124の第2層124Bの+Z方向側の表面124aは、半導体層31の基板側の底面31bとZ方向で同じ位置にある、或いは、半導体層31のの底面31bよりもさらに-Z方向側、すなわち、基板側に位置する。
【0040】
ハーフコンタクトHCの最大深さは、第4導電層124と第3導電層123との間の容量が過度に大きくならないという条件の範囲内で決まる。
【0041】
第4導電層124の一部は、コンタクトホールCNT32によって画素Pの第1容量電極61に接続されている。第4導電層124の他の一部は、X軸に沿って延在する走査線13及びゲート電極32を構成する。第4導電層124の他の一部は、平面視で第3導電層123と同じくX軸に沿って延在し、第3導電層123と重なっている。第5導電層125は、コンタクトホールCNT33によって第4導電層124に接続されている。第6導電層126は、データ線16を含む。第7導電層127は、共通配線18を含む。
【0042】
第6導電層126は、アルミニウム等を含む中継電極の役割を担い、第6導電層126Aと、126Bと、を含む。図4及び図5に示すように、第6導電層126Aは、コンタクトホールCNT34によって半導体層31に接続され、薄膜トランジスター30のソース領域と電気的に接続されている。第6導電層126Bは、コンタクトホールCNT35によって第5導電層125に接続され、薄膜トランジスター30のドレイン領域と電気的に接続されている。
【0043】
第7導電層127は、コンタクトホールCNT36によって第6導電層126Bに接続され、薄膜トランジスター30のドレイン領域と電気的に接続されている。画素電極11は、コンタクトホールCNT37によって第7導電層127に接続され、薄膜トランジスター30のドレイン領域と電気的に接続されている。
【0044】
なお、走査線13,共通配線18等の信号配線、薄膜トランジスター30、及び中継電極81等の電極は、平面的に複数の画素Pを区画する遮光領域SDに設けられている。遮光領域SDは、X軸に沿って延在する走査線13を含む直線状の部分と、Y軸に沿って延在するデータ線16を含む直線状の部分とを含み、平面視したときに格子状に設けられている。
【0045】
図7は、液晶装置100の要部の平面図である。図7では、液晶装置100の上述説明した電気的な構造のうちでZ方向において容量素子60を構成する第1導電層121から第4導電層124の第2層124Bとまでの構造が示されている。本実施形態の液晶装置100では、第3導電層123が共通配線の役割を担い、第4導電層124が走査線の役割を担っている。
【0046】
図7に示すように、コンタクトホールCNT31が形成される第3導電層123においてX軸に沿って延在する延在部123Xは、Y軸において第4導電層124においてX軸に沿って延在する延在部124Xと重なっている。第3導電層123の延在部123XのY軸での幅は、第4導電層124の延在部124XのY軸での幅と同等である。また、コンタクトホールCNT31で第3導電層123が接する第2導電層122においてX軸に沿って延在する延在部122X、及び、第2導電層122にZ軸で接する第1導電層121においてX軸に沿って延在する延在部121Xは、Y軸において第4導電層124においてX軸に沿って延在する延在部124Xと重なっている。第1導電層121の延在部121XのY軸での幅、及び、第2導電層122の延在部122XのY軸での幅は、第4導電層124の延在部124XのY軸での幅と同等である。
【0047】
すなわち、Z軸に沿う平面視において、画素PをX軸に沿って囲む光Pの不透過領域である第1導電層121の延在部121X、第2導電層122の延在部122X、及び、第3導電層123の延在部123Xは、互いに-Y方向又は+Y方向に突出せず、-Y方向又は+Y方向に突出する凸部を有さず、第4導電層124の延在部124Xに対しても-Y方向又は+Y方向に突出する凸部を有さない。
【0048】
従来の液晶装置では、最下層すなわち-Z方向側の第1導電層121及び第2導電層122に相当する導電層に保持容量が形成され、第4導電層124よりも上層すなわち+Z方向側の第7導電層127すなわち共通配線18から共通電位が供給される。このような従来の構成では、第7導電層127から第2導電層122及び第1導電層121まで導通する電気的な中継経路において、X軸に沿って延在する第4導電層124との短絡を防ぐために、一部の中継電極をなす導電層がX軸に沿って延在する第4導電層124の延在部124Xよりも二点鎖線で例示されているように画素領域に突出する凸部TGを有する必要がある。凸部TGが形成されると、画素領域に入射する光の透過率及び透過光量が低下してしまう。
【0049】
本実施形態の液晶装置100では、第1導電層121の延在部121X、第2導電層122の延在部122X、及び、第3導電層123の延在部123Xが互いに-Y方向又は+Y方向に突出する凸部を有さず、第4導電層124の延在部124Xに対しても-Y方向又は+Y方向に突出する凸部を有さないため、画素Pに入射する光Pが遮られることなく、従来のように凸部TGが形成される構成に比べて、画素Pの開口率、画素Pにおける光Lの透過率、透過光量が向上する。
【0050】
(電子機器)
次に、液晶装置100を備えた電子機器として、プロジェクター1000を例に挙げて説明する。図8は、プロジェクター1000の概略図である。図8に示すように、プロジェクター1000は、光源装置1001と、ダイクロイックミラー1011,1012と、液晶装置100B,100G,100Rと、反射ミラー1111,1112,1113と、リレーレンズ1121,1122,1123と、クロスダイクロイックプリズム1130と、投射レンズ1140と、を備える。
【0051】
光源装置1001は、白色光Wを射出する。光源装置1001は、例えば、放電型のランプユニットであるが、発光ダイオード、レーザー等であってもよく、青色光を射出する発光体と発光体から発せられる青色光の一部を黄色光に変換して射出する蛍光体とを組み合わせた装置であってもよく、特定の光源装置に限定されない。
【0052】
光源装置1001から射出される白色光Wは、2個のダイクロイックミラー1011,1012によって、互いに異なる波長域の3色の色光に分離される。3色の色光は、赤色光Rと、緑色光Gと、青色光Bと、を含む。ダイクロイックミラー1011は、赤色光Rを透過し、赤色光Rよりも波長が短い緑色光G及び青色光Bを反射する。ダイクロイックミラー1011を透過する赤色光Rは、反射ミラー1111で反射され、液晶装置100Rに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射される緑色光Gは、ダイクロイックミラー1012によって反射された後、液晶装置100Gに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射される青色光Bは、ダイクロイックミラー1012を透過し、リレーレンズ系1120へ射出される。
【0053】
リレーレンズ系1120は、リレーレンズ1121,1122,1123と、反射ミラー1112,1113と、を有する。ダイクロイックミラー1011から液晶装置100Bまでの青色光Bの光路は、ダイクロイックミラー1011から液晶装置100Gまでの緑色光Gの光路や、ダイクロイックミラー1011から液晶装置100Rまでの赤色光Rの光路と比べて長い。そのため、青色光Bの光束は、緑色光Gや赤色光Rの光束よりも大きくなり易い。リレーレンズ1122が用いられることによって、青色光Bの光束の拡大が抑えられている。リレーレンズ系1120に入射する青色光Bは、反射ミラー1112で反射され、リレーレンズ1121によってリレーレンズ1122の近傍で収束する。青色光Bは、反射ミラー1113及びリレーレンズ1123を経て、液晶装置100Bに入射する。
【0054】
液晶装置100R,100G,100Bは、プロジェクター1000における光変調装置である。液晶装置100R,100G,100Bには、上述した電気光学装置としての液晶装置100が適用されている。
【0055】
液晶装置100R,100G,100Bのそれぞれは、プロジェクター1000の外部制御装置に電気的に接続されている。赤色光R、緑色光G、青色光Bのそれぞれの階調レベルを指定する画像信号は、それぞれの色光の外部制御装置から供給され、液晶装置100R,100G,100Bのそれぞれに付属する集積回路で処理される。液晶装置100R,100G,100Bは、それぞれの集積回路から受信する画像信号に従って駆動される。液晶装置100Rは、入射する赤色光Rを変調する。液晶装置100Gは、入射する緑色光Gを変調する。液晶装置100Bは、入射する青色光Bを変調する。
【0056】
液晶装置100R,100G,100Bによって変調された赤色光R、緑色光G、青色光Bは、クロスダイクロイックプリズム1130に3方向から入射する。クロスダイクロイックプリズム1130は、プロジェクター1000における色合成光学系であり、入射する赤色光R、緑色光G、青色光Bを合成する。クロスダイクロイックプリズム1130において、赤色光R及び青色光Bはそれぞれの入射方向に対して90度反射され、緑色光Gは透過する。その結果、互いに合成される赤色光R、緑色光G、青色光Bは、同じ方向に射出される。赤色光R、緑色光G、青色光Bは、カラー画像を表示する表示光として合成され、クロスダイクロイックプリズム1130から投射レンズ1140に向かって射出される。
【0057】
投射レンズ1140は、プロジェクター1000の外側を向いて配置されている。表示光は、投射レンズ1140を介して拡大されて射出され、投射対象であるスクリーンSCRに投射される。
【0058】
(作用効果)
以上説明した本実施形態の液晶装置100は、素子基板111と、画素電極11と、薄膜トランジスター30と、第3導電層123と、容量素子60と、を備える。素子基板111は、液晶装置100の「基板」に相当する。薄膜トランジスター30は、液晶装置100の「トランジスター」に相当する。薄膜トランジスター30は、素子基板111と画素電極11との間に配置され、走査線駆動回路45と電気的に接続されるゲート電極層を有するトランジスターである。ゲート電極32を含む第4導電層124は、液晶装置100の「ゲート電極層」を含む。第3導電層123は、液晶装置100の「定電位線」を含む。第3導電層123は、Z軸において素子基板111と薄膜トランジスター30との間に配置され、定電位が印加される。容量素子60は、容量素子60は、第1容量電極61と、第2容量電極62と、絶縁膜63と、を有する。第1容量電極61は、Z軸において定電位線と基板との間に配置され、定電位線と電気的に接続されている。第2容量電極62は、Z軸において定電位線と基板との間に配置され、Z軸において第1容量電極61よりも基板側に配置されている。絶縁膜63は、液晶装置100の「容量絶縁膜」に相当し、Z軸において、第1容量電極61と第2容量電極62との間に配置されている。第4導電層124は、第3導電層123と同じくX軸に沿って延びている。第4導電層124は、図4に示すように、平面視で、すなわちXY面で、第3導電層123と重なっている。すなわち、本実施形態の液晶装置100において、ゲート電極層は、定電位線の延在方向であるX軸に平行な方向に延び、定電位線と重なっている。
【0059】
本実施形態の液晶装置100では、薄膜トランジスター30と素子基板111との間に容量素子60の第1容量電極61が形成された電気光学装置において、第3導電層123は、薄膜トランジスター30と素子基板111との間の遮光層として配置され、薄膜トランジスター30のゲート電極32を走査線13とする。本実施形態の液晶装置100によれば、薄膜トランジスター30の下部に設けられた第3導電層123と第1容量電極61とを他の配線をよけることなく、配置することができる。また、容量素子60を基板側に配置することができ、液晶装置100における保持容量及び開口領域を確保しやすくなる。
【0060】
本実施形態の液晶装置100では、ゲート電極32を含む第4導電層124は、薄膜トランジスター30の半導体層31の基板側の底面31bよりも基板側に突出するとともに、第3導電層123とは電気的に接続されない-Z方向側への凸部としてハーフコンタクトHCを有する。
【0061】
本実施形態の液晶装置100によれば、ゲート電極32を含む第4導電層124による遮光性を確保し、走査線13への信号遅延への影響を抑えることができる。
【0062】
本実施形態の液晶装置100では、第4導電層124の凸部は、第3導電層123の延在方向、すなわちX軸に平行な方向において、半導体層31を挟んで配置される第1凸部と第2凸部として、2つのハーフコンタクトHCを有する。
【0063】
本実施形態の液晶装置100によれば、ゲート電極32に対する第4導電層124の遮光性を高めることができる。
【0064】
本実施形態の液晶装置100では、素子基板111には凹部としてトレンチ201が形成されている。容量素子60の第1容量電極61は、トレンチ201に沿って形成されている。
【0065】
本実施形態の液晶装置100によれば、第4導電層124のハーフコンタクトHCをトレンチ201に合わせて形成することができる。
【0066】
本実施形態の液晶装置100では、薄膜トランジスター30のゲート電極層と、薄膜トランジスター30の半導体層31と、定電位線と、容量素子とは、平面視において互いに重なっている。
【0067】
本実施形態の液晶装置100では、第3導電層123及び第4導電層124にアクセスするためのコンタクトホールや導電部材、定電位線を含む第3導電層123の要部、及び容量素子60を画素Pの開口領域に突出させずに済むため、開口領域をより広く確保することができる。
【0068】
本実施形態の液晶装置100では、定電位線19を含む第3導電層123はX軸に平行な方向(第1方向)に沿って延在し、X軸に平行に延在する延在部123Xを有する。ゲート電極層を含むゲート電極32及び第4導電層124はX軸に平行な方向に沿って延在し、X軸に平行に延在する延在部124Xを有し、平面視において定電位線19と重なり、走査線13を含む。ゲート電極層の一部は、TFTのゲート電極32である。
【0069】
本実施形態の液晶装置100によれば、第3導電層123と第1容量電極61とを他の配線をよけることなく、配置するとともに、容量素子60を基板側に配置し、液晶装置100における保持容量及び開口領域を確保することができる。
【0070】
本実施形態の液晶装置100では、平面視において、第1容量電極61を含む第2導電層122、及び、第2容量電極62を含む第1導電層121は、X軸に平行な方向に沿って互いに平行に延在し、X軸に平行に延在する延在部121X,122Xを有し、X軸に平行な方向に交差する方向に突出する凸部を有しない。
【0071】
本実施形態の液晶装置100によれば、画素Pの開口率を高め、画素Pに入射する光Lの透過率及び透過光量を向上させることができる。
【0072】
本実施形態の液晶装置100では、平面視において、ゲート電極層を含む第4導電層124の延在部124Xは第1容量電極61を含む第2導電層122の延在部122Xに対してX軸に平行な方向に交差する方向に突出する凸部を有しない。
【0073】
本実施形態の液晶装置100によれば、画素Pの開口率を高め、画素Pに入射する光Lの透過率及び透過光量を向上させることができる。
【0074】
本実施形態のプロジェクター1000は、光変調装置として本実施形態の液晶装置100を備え、赤色光Rに対応する液晶装置100Rと、緑色光Gに対応する液晶装置100Gと、青色光Bに対応する液晶装置100Bと、を備える。
【0075】
第1実施形態のプロジェクター1000では、色光を変調して画像光に変換する光変調装置として、液晶装置100が用いられる。第1実施形態のプロジェクター1000によれば、各液晶装置における保持容量を確保しやすくなる。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0077】
例えば、上述の実施形態の液晶装置100には、第4導電層124の2つのハーフコンタクトHC,HCがX軸においてゲート電極32を挟んで、ゲート電極32の両側に設けられている。しかしながら、上述の実施形態の液晶装置100の変形例として、液晶装置に、1つのみのハーフコンタクトHCが設けられていてもよく、ハーフコンタクトHCが設けられていなくてもよい。
【0078】
例えば、上述の実施形態では、電気光学装置としての液晶装置として透過型の液晶装置を例示したが、液晶装置は、反射型の液晶装置又はLCOS(Liquid crystal on silicon)型の液晶装置であってもよい。また、電気光学装置は、電気光学層として有機化合物からなる層を有する有機EL装置であってもよく、液晶装置や有機EL装置以外の電気光学層を有する装置であってもよい。
【0079】
例えば、上述の実施形態では、電子機器としてプロジェクターを例示したが、電子機器は、プロジェクターに限定されない。上述の電気光学装置を備える電子機器は、例えば、光造形装置であってもよく、プロジェクターや光造形装置以外で電気光学装置によって変換される画像光を活用する装置であってもよい。
【0080】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
基板と、画素電極と、前記基板と前記画素電極との間に配置されるゲート電極層を有するトランジスターと、前記基板と前記トランジスターとの間に配置され、定電位が印加される定電位線と、前記定電位線と前記基板との間に配置されるとともに前記定電位線と電気的に接続され、前記定電位線側に配置される第1容量電極と、前記定電位線と前記基板との間に配置されるとともに前記基板側に配置される第2容量電極と、前記第1容量電極と前記第2容量電極との間に配置される容量絶縁膜と、を有する容量素子と、を備え、前記ゲート電極層は、前記定電位線の延在方向に沿って延び、前記定電位線と重なる、電気光学装置。
【0081】
付記1の構成によれば、トランジスターの下部に設けられた定電位線と容量素子とを他の配線をよけることなく、配置することができる。また、容量素子を基板側に配置することができ、電気光学素子における保持容量及び開口領域を確保しやすくなる。
【0082】
(付記2)前記ゲート電極層は、前記トランジスターの半導体層の前記基板側の面よりも前記基板側に突出するとともに、前記定電位線とは電気的に接続されない凸部を有する、付記1の電気光学装置。
【0083】
付記2の構成によれば、ゲート電極層による遮光性を確保し、走査線への信号遅延への影響を抑えることができる。
【0084】
(付記3)前記凸部は、前記定電位線の延在方向において前記半導体層を挟んで配置される第1凸部と第2凸部を含む、付記1又は付記2の電気光学装置。
【0085】
付記3の構成によれば、ゲート電極層による遮光性を高めることができる。
【0086】
(付記4)前記基板は凹部を有し、前記容量素子は、前記基板の凹部に沿って配置される、付記1から付記3の何れかの電気光学装置。
【0087】
付記4の構成によれば、例えばゲート電極の凸部を凹部に形成される容量素子に合わせて形成することができる。
【0088】
(付記5)前記トランジスターのゲート電極層と、前記トランジスターの半導体層と、前記定電位線と、前記容量素子とは、平面視において重なる、付記1から付記4の何れかの電気光学装置。
【0089】
付記5の構成によれば、画素の開口領域に、ゲート電極等にコンタクトするためのコンタクトホールや導電部材、定電位線、及び容量素子を配置せずに済み、開口領域を広く確保することができる。
【0090】
(付記6)前記定電位線は第1方向に沿って延在し、前記ゲート電極層は前記第1方向に沿って延在し、平面視において前記定電位線と重なり、走査線を含む、付記1から付記5の何れかの電気光学装置。
【0091】
付記6の構成によれば、容量素子を基板側に配置することができ、電気光学素子における保持容量及び開口領域を確保しやすくなる。
【0092】
(付記7)平面視において前記第1容量電極及び前記第2容量電極は前記第1方向に沿って互いに平行に延在し、前記第1方向に交差する方向に突出する凸部を有しない、付記6の電気光学装置。
【0093】
付記7の構成によれば、画素領域の開口率、透過率、及び、画素に入射する光の透過光量を高めることができる。
【0094】
(付記8)平面視において前記ゲート電極層は前記第1容量電極に対して前記第1方向に交差する方向に突出する凸部を有しない、付記6の電気光学装置。
【0095】
付記8の構成によれば、画素領域の開口率、透過率、及び、画素に入射する光の透過光量を高めることができる。
【0096】
(付記9)付記1から付記8の何れか電気光学装置を備える、電子機器。
【0097】
付記6の構成によれば、電子機器に上述の電気光学素子が用いられるため、保持容量を確保しやすくなる。
【符号の説明】
【0098】
10…第1基板、11…画素電極、30…薄膜トランジスター(トランジスター)、60…容量素子、100…液晶装置(電気光学素子)、111…素子基板、123…第3導電層(定電位線)、1000…プロジェクター(電子機器)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8