(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163020
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】導光板、面光源装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241114BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20241114BHJP
F21V 7/24 20180101ALI20241114BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20241114BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20241114BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241114BHJP
【FI】
F21S2/00 437
F21V7/00 530
F21V7/24
F21V7/28 230
G02F1/13357
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063603
(22)【出願日】2024-04-10
(31)【優先権主張番号】P 2023078156
(32)【優先日】2023-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023082434
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】小溝 紘平
(72)【発明者】
【氏名】白石 和裕
(72)【発明者】
【氏名】市来 尭記
(72)【発明者】
【氏名】辻 篤樹
(72)【発明者】
【氏名】相良 歩
(72)【発明者】
【氏名】井上 益
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H391AA15
2H391AB02
2H391AB03
2H391AB04
2H391AC25
2H391AC53
2H391AD13
2H391AD35
2H391AD37
2H391CA02
2H391CA06
2H391DA08
2H391EA13
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA11
3K244BA31
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA05
3K244EA02
3K244EA12
3K244EE04
3K244EE05
3K244EE07
3K244JA03
3K244KA07
3K244KA08
3K244KA16
3K244LA07
(57)【要約】
【課題】例えば輝点の発生により、導光板から照射される光の発光品質が損なわれることを抑制できる導光板の提供。
【解決手段】一本実施の形態に係る導光板30は、入光面43および入光面43とは反対の対向面44を含む導光板本体40と、導光板本体40から入射する光を反射させる反射層38と、反射層38の対向面44側の面とは反対の面に設けられた第1被覆層401と、を備え、反射層38は、フィラーと、フィラーを保持するベース樹脂と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入光面および前記入光面とは反対の対向面を含む導光板本体と、
前記導光板本体の前記対向面に設けられ、前記導光板本体から入射する光を反射させる反射層と、
前記反射層の前記対向面側の面とは反対の面に設けられた第1被覆層と、を備え、
前記反射層は、フィラーと、前記フィラーを保持するベース樹脂と、を含む、導光板。
【請求項2】
前記第1被覆層は可視光遮光性を有する、請求項1に記載の導光板。
【請求項3】
前記第1被覆層の全光線透過率は20%以下である、請求項1に記載の導光板。
【請求項4】
前記第1被覆層は、顔料、顔料を含有した粒子、カーボンブラック、およびカーボンブラックを含有した粒子のうちの少なくとも一種を含む着色粒子を含む、請求項2に記載の導光板。
【請求項5】
前記第1被覆層は、粘着性又は接着性を有する接合層として機能するか、あるいは、粘着性又は接着性を有する接合層を含む、請求項1に記載の導光板。
【請求項6】
前記フィラーの含有量は、前記反射層の全量に対して5質量%以上70質量%以下である、請求項1に記載の導光板。
【請求項7】
前記第1被覆層は透明である、請求項1に記載の導光板。
【請求項8】
前記導光板本体は、前記入光面と前記対向面とを接続し、前記入光面および前記対向面とともに前記導光板本体の出光面の輪郭を画定する一対の側面を含み、
前記一対の側面のうちの少なくとも一方の側面に第2被覆層が設けられる、請求項1に記載の導光板。
【請求項9】
前記第2被覆層は透明である、請求項8に記載の導光板。
【請求項10】
前記第2被覆層と前記導光板本体との屈折率差は、0.2以下である、請求項9に記載の導光板。
【請求項11】
前記第2被覆層は白色である、請求項8に記載の導光板。
【請求項12】
前記第2被覆層の拡散反射率は、70%以上である、請求項8に記載の導光板。
【請求項13】
前記第2被覆層の算術平均高さRaは、300nm以下である、請求項8に記載の導光板。
【請求項14】
前記導光板本体の前記側面の算術平均高さRaは、300nm以下である、請求項13に記載の導光板。
【請求項15】
出光面から光を照射する導光板本体であって、入光面および前記入光面の反対に位置する対向面と、前記入光面と前記対向面とを接続し、前記入光面および前記対向面とともに前記出光面の輪郭を画定する一対の側面とを含む導光板本体と、
前記一対の側面のうちの少なくとも一方の側面に設けられた第2被覆層と、を備える、導光板。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項に記載の導光板と、
前記導光板の前記入光面に対面して配置された発光体と、を備える、面光源装置。
【請求項17】
請求項16に記載の面光源装置と、
前記面光源装置に重ねられる液晶表示パネルと、を備える、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導光板、面光源装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
面状に発光する発光面を有した面光源装置が、例えば液晶表示装置に組み込まれ液晶表示パネルを背面側から照明するバックライトとして、広く普及している。本件出願人が提案した特許文献1は、エッジライト型の面光源装置を開示している。エッジライト型の面光源装置においては、発光ダイオード等の光源が、導光板の側面の一部分からなる入光面に対面している。したがって、エッジライト型面光源装置は、薄型化が可能になるといった利点を有している。そして、薄型化が可能なエッジライト型の面光源装置は、スマートフォン、タブレット、パソコン等のモバイル機器に利用されている。
【0003】
また、特許文献1に開示された面光源装置は、導光板において入光面の反対に位置する対向面に反射層を設けている。この反射層は、光源光を反射させることにより、導光板からの光源光の漏れ出しを抑制する。これにより、光源光の利用効率を向上でき、表示装置の輝度を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した反射層は、光反射性を有するフィラーによって、光源光を反射させるように構成されてもよい。しかしながら、この構成では、フィラーの脱落が生じる虞がある。フィラーが反射層から脱落した場合、脱落したフィラーは、例えば導光板の出光面又はこの出光面の反対の裏面に付着することにより、輝点を生じさせることがある。このような輝点は、導光板から照射される光の発光品質を低下させ得る。輝点は、ディスプレイ上で画像を表示した際に、ディスプレイ上で局所的に強く光る等、発光状態を意図しない態様で変化させる箇所を意味する。
【0006】
また、導光板において上記入光面と上記対向面とを接続する一対の側面は、通常、平滑に加工されている。これにより、側面に到達した光源光を全反射させやすくして、光の利用効率を向上できる。しかしながら、平滑化された側面には、例えば製造過程に起因して生じる切削目などの凹凸が生じることがある。そして、このような凹凸は、側面に到達した光源光を拡散反射させることで、輝点を生じさせる虞がある。このような側面での拡散反射に起因する輝点も、導光板から照射される光の発光品質を低下させ得る。
【0007】
本開示は、以上の点を考慮してなされたものであって、例えば輝点の発生により導光板から照射される光の発光品質が損なわれることを抑制できる導光板、面光源装置および表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、以下の[1]~[17]に関連する。
【0009】
[1]
入光面および前記入光面とは反対の対向面を含む導光板本体と、
前記導光板本体の前記対向面に設けられ、前記導光板本体から入射する光を反射させる反射層と、
前記反射層の前記対向面側の面とは反対の面に設けられた第1被覆層と、を備え、
前記反射層は、フィラーと、前記フィラーを保持するベース樹脂と、を含む、導光板。
【0010】
[2]
前記第1被覆層は可視光遮光性を有する、[1]に記載の導光板。
【0011】
[3]
前記第1被覆層の全光線透過率は20%以下である、[1]又は[2]に記載の導光板。
【0012】
[4]
前記第1被覆層は、顔料、顔料を含有した粒子、カーボンブラック、およびカーボンブラックを含有した粒子のうちの少なくとも一種を含む着色粒子を含む、[1]乃至[3]のいずれかに記載の導光板。
【0013】
[5]
前記第1被覆層は、粘着性又は接着性を有する接合層として機能するか、あるいは、粘着性又は接着性を有する接合層を含む、[1]乃至[4]のいずれかに記載の導光板。
【0014】
[6]
前記フィラーの含有量は、前記反射層の全量に対して5質量%以上70質量%以下である、[1]乃至[5]のいずれかに記載の導光板。
【0015】
[7]
前記第1被覆層は透明である、[1]乃至[6]のいずれかに記載の導光板。
【0016】
[8]
前記導光板本体は、前記入光面と前記対向面とを接続し、前記入光面および前記対向面とともに前記導光板本体の出光面の輪郭を画定する一対の側面を含み、
前記一対の側面のうちの少なくとも一方の側面に第2被覆層が設けられる、[1]乃至[7]のいずれかに記載の導光板。
【0017】
[9]
前記第2被覆層は透明である、[8]に記載の導光板。
【0018】
[10]
前記第2被覆層と前記導光板本体との屈折率差は、0.2以下である、[8]又は[9]に記載の導光板。
【0019】
[11]
前記第2被覆層は白色である、[8]に記載の導光板。
【0020】
[12]
前記第2被覆層の拡散反射率は、70%以上である[11]に記載の導光板。
【0021】
[13]
前記第2被覆層の算術平均高さRaは、300nm以下である、[8]乃至[12]のいずれかに記載の導光板。
【0022】
[14]
前記導光板本体の前記側面の算術平均高さRaは、300nm以下である、[1]乃至[13]のいずれかに記載の導光板。
【0023】
[15]
出光面から光を照射する導光板本体であって、入光面および前記入光面の反対に位置する対向面と、前記入光面と前記対向面とを接続し、前記入光面および前記対向面とともに前記出光面の輪郭を画定する一対の側面とを含む導光板本体と、
前記一対の側面のうちの少なくとも一方の側面に設けられた第2被覆層と、を備える、導光板。
【0024】
[16]
[1]乃至[15]のいずれか一項に記載の導光板と、
前記導光板の前記入光面に対面して配置された発光体と、を備える、面光源装置。
【0025】
[17]
[16]に記載の面光源装置と、前記面光源装置に重ねられる液晶表示パネルと、を備える、表示装置。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、導光板から照射される光の発光品質が損なわれることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、一実施の形態を説明するための図であって、表示装置および面光源装置の概略構成を示す縦断面図である。
【
図3】
図3は、
図1の面光源装置の縦断面図であり、導光板の形状を詳細に示す縦断面図である。
【
図4】
図4は、
図1の面光源装置における導光板の一部の拡大図である。
【
図5】
図5は、一般的な導光板の一部の拡大図である。
【
図6】
図6は、他の実施の形態にかかる面光源装置の上面図である。
【
図7】
図7は、他の実施の形態にかかる面光源装置の縦断面図である。
【
図8】
図8は、
図7の面光源装置における導光板の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0029】
図1~
図4は一実施の形態を説明するための図である。このうち、
図1は、液晶表示装置および面光源装置の概略構成を示す縦断面図であり、
図2は面光源装置を一部の構成要素を省略して示す面光源装置の上面図である。
図3は、導光板の形状を詳細に示す面光源装置の縦断面図である。
図4は、面光源装置における導光板の一部の拡大図である。
【0030】
図1に示すように、液晶表示装置10(以下、表示装置10)は、液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15の背面側に配置され液晶表示パネル15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、を備えている。表示装置10は、画像を表示する表示面11を有している。液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、表示面11に像を表示するように構成されている。
【0031】
表示装置10の表示面11となる領域は、額縁部材18によって区画している。額縁部材18は、可視光不透過性の材料によって形成された部材である。額縁部材18は、液晶表示パネル15の周囲となる部分上に設けられている。額縁部材18は、液晶表示パネル15の配線等が形成された領域を隠している。この表示装置10では、正面方向ndへの投影において表示面11と重なる領域がアクティブエリアAaとなる。表示面11における面光源装置20における後述の光学シート50と正面方向ndで重なる部分のうち、正面方向ndへの投影において額縁部材18と重なる領域が非アクティブエリアAbとなる。図示されて例において、非アクティブエリアAbは、アクティブエリアAaに隣接して、アクティブエリアAaを周状に取り囲んでいる。
【0032】
図示された液晶表示パネル15は、出光側に配置された上偏光板13と、入光側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶層12と、を有している。偏光板14,13は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、P波)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
【0033】
液晶層12には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加の有無によって液晶層12中の液晶分子の配向方向が変化するようになる。一例として、入光側に配置された下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分は、電界印加されていない液晶層12を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されている液晶層12を通過する際にその偏光方向を維持する。この場合、液晶層12への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向に振動する偏光成分が、下偏光板14の出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
【0034】
このようにして液晶表示パネル(液晶表示部)15では、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御し得るようになっている。なお、液晶表示パネル15の詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
【0035】
次に、面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状に光を発光する発光面21を有し、本実施の形態では、液晶表示パネル15を背面側から照明する装置として用いられている。
【0036】
図1に示すように、面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板30と、導光板30の一方の側(
図1に於いては左側)の側方に配置された光源24と、導光板30にそれぞれ対面するようにして配置された光学シート(プリズムシート)50および反射シート28と、を有している。図示された例では、光学シート50が、液晶表示パネル15に直面して配置されている。そして、光学シート50の出光面51によって、面光源装置20の発光面21が画成されている。また、面光源装置20は、導光板30および光学シート50を保護する枠体55と、光源24、導光板30、光学シート50、反射シート28および枠体55を収容する主フレーム60と、を更に有している。
【0037】
図示された例において、導光板30の出光面31は、表示装置10の表示面11および面光源装置20の発光面21と同様に、平面視形状(
図2に於いては、上方から見下ろして見た形状)が矩形形状に形成されている。この結果、導光板30は、全体的に、一対の主面(出光面31および裏面32)を有する相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい偏平した直方体状の部材として構成されており、一対の主面間に画成される周辺部は四つの面を含んでいる。
図2に示すように、上記周辺部における4つの面のうちの2つの面は互いに平行に延び、互いに直交する第1方向d1および第2方向d2のうちの第1方向d1に延びている。また、上記周辺部における4つの面のうちの残りの2つの面は互いに平行に延び、第1方向d1および第2方向d2のうちの第2方向d2に延びている。光学シート50および反射シート28も、全体的に、相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい偏平した直方体状の部材として構成されている。なお、
図2に示す平面図では、光学シート50および主フレーム60の図示を省略している。また、上記第1方向d1および第2方向d2、及びこれら第1方向d1および第2方向d2の両方に直交する方向である第3方向d3は、実施の形態の説明に使用する図の適所に示されている。第3方向d3は、表示装置10及び面光源装置20の厚さ方向を示す。
【0038】
導光板30は、上述したように、液晶表示パネル15側の一方の主面によって構成された出光面31と、出光面31に対向するもう一方の主面からなる裏面32と、出光面31および裏面32の間を延びる周辺部と、を有している。ここで、周辺部のうちの第1方向d1に対向する2つの面のうちの一方の面が、入光面33をなしている。
図1に示すように、入光面33に対面して光源24が設けられている。入光面33から導光板30内に入射した光は、第1方向(導光方向)d1に沿って入光面33とは反対側の反対面34に向け、概ね第1方向(導光方向)d1に沿って導光板30内を導光されるようになる。
図1および
図3に示すように、光学シート50は、導光板30の出光面31に対面するようにして配置され、反射シート28は、導光板30の裏面32に対面するようにして配置されている。
【0039】
光源は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、光源24は、入光面33の長手方向となる第2方向d2に沿って、並べて配置された多数の点状発光体25、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。
【0040】
反射シート28は、導光板30の裏面32から漏れ出した光を反射して、再び導光板30内に入射させるための部材である。反射シート28は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。反射シート28での反射は、正反射(鏡面反射)でもよく、拡散反射でもよい。反射シート28での反射が拡散反射の場合には、当該拡散反射は、等方性拡散反射であってもよいし、異方性拡散反射であってもよい。
【0041】
ところで、本明細書において、「出光側」とは、光源24、導光板30、光学シート50、液晶表示パネル15と、表示装置10の構成要素間を逆戻りすることなく進んで、表示装置10から出射して観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、例えば
図1における紙面の上側)のことであり、「入光側」とは、光源24、導光板30、光学シート50、液晶表示パネル15と、表示装置10の構成要素間を逆戻りすることなく進んで、表示装置10から出射して観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
【0042】
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
【0043】
さらに、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、導光板30の板面、後述する導光板本体40の板面、光学シート50のシート面、反射シート28のシート面、液晶表示パネルのパネル面、表示装置10の表示面11、および、面光源装置20の発光面21は、互いに平行となっている。さらに、本明細書において、シート状の部材の法線方向とは、対象となるシート状の部材のシート面への法線方向のことを指す。さらに、本明細書において「正面方向」とは、面光源装置20の発光面21への法線方向のことであり、本実施の形態においては、面光源装置20の発光面21への法線方向、導光板30の板面への法線方向、光学シート50のシート面への法線方向、表示装置10の表示面11への法線方向等にも一致する。
【0044】
次に、
図1乃至
図3を参照して、導光板30についてさらに詳述する。上述したように、導光板30は、出光面31および裏面32を一対の主面として含む板状部材である。出光面31および裏面32を接続する四つの面のうち一つが、光源24に対面する入光面33を形成している。入光面33は、第1方向d1に反対面34と対向している。出光面31は、アクティブエリアAaと非アクティブエリアAbとに区分けされ得る。アクティブエリアAaは、例えば種々の方向から観察したとしても、明るさのむらが視認されない出光面31上の領域に設定されていることが好ましい。図示された例において、アクティブエリアAaは、出光面31の中央を占める矩形形状の領域となっている。非アクティブエリアAbは、出光面31の周辺を含む領域であり、出光面31の四つの辺に沿って延びる周状の領域となっている。
【0045】
本実施の形態において、導光板30は、板状の導光板本体40と、導光板本体40に設けられた反射層38、第1被覆層401および第2被覆層402と、を有している。
【0046】
導光板本体40は、導光板30の大部分を占めており、実質的に導光板30の外輪郭を画成している。導光板本体40は、一対の主面をなす出光面41および裏面42と、出光面41および裏面42を接続する周辺部と、を有している。導光板本体40の出光面41は、導光板30の出光面31の大部分を形成している。導光板本体40の裏面42が、導光板30の裏面32の大部分を形成している。図示された例において、導光板本体40の上記周辺部は、四つの面を有している。四つの面のうちの一つである入光面43が、導光板30の入光面33を形成している。また、導光板本体40は、入光面43と第1方向d1に対向する面として、対向面44を含んでいる。また、導光板本体40は、入光面43と対向面44とを接続する互いに平行に第1方向d1に延びる第1側面45および第2側面46を含む。第1側面45および第2側面46は、入光面43および対向面44とともに導光板本体の出光面41の輪郭を画定している。
【0047】
反射層38は、対向面44に設けられている。とりわけ図示された例において、反射層38は、対向面44の全面を覆うように形成されている。そして、第1被覆層401は、反射層38に設けられている。とりわけ図示された例において、第1被覆層401は、反射層38の全面を覆うように形成されている。ここで、本実施の形態では第1被覆層401が、導光板30の反対面34を形成している。
【0048】
また本実施の形態では、第2被覆層402が導光板本体40における第1側面45および第2側面46のそれぞれに設けられている。とりわけ図示された例において、2つの第2被覆層402のうちの一方の第2被覆層402は、第1側面45の全体を覆うように形成され、2つの第2被覆層402のうちの他方の第2被覆層402は、第2側面46の全体を覆うように形成されている。本実施の形態では、第2被覆層402が、入光面33と反対面34との間で第1方向d1に延びる導光板30の一対の側面の大部分を形成している。
【0049】
導光板本体40は、入光面43から入射してきた光を主として第1方向d1に導光する部位である。したがって、導光板本体40は、可視光透過性を有した材料、具体例として透明な樹脂材料によって形成され得る。
【0050】
図3によく示されているように、導光板30の裏面32をなす導光板本体40の裏面42は凹凸面として形成されている。具体的な構成として、導光板本体40の裏面42の凹凸によって、裏面32が、傾斜面47と、導光板30の法線方向ndに延びる段差面48と、導光板30の板面方向に延びる接続面49と、を有している。導光板本体40内での導光は、導光板本体40の一対の主面(41,42)での全反射作用によっている。その一方で、傾斜面47は、入光面43側から対向面44側へ向かうにつれて出光面41に接近するよう、導光板本体40の板面に対して傾斜している。したがって、傾斜面47で反射した光については、一対の主面41,42に入射する際の入射角度は小さくなる。傾斜面47で反射することにより、一対の主面(41,42)への入射角度が全反射臨界角度未満になると、当該光は、導光板30から出射するようになる。すなわち、傾斜面47は、導光板30から光を取り出すための光取出要素として機能する。
【0051】
傾斜面47は、その長手方向が導光板30による導光方向(導光板30の入光面33と当該入光面に対向する反対面34とを結ぶ第1方向d1)と交差するように、導光板30に対して位置決めされている。より厳密には、傾斜面47の長手方向が、導光板30による導光方向(つまり、第1方向d1)と直交するとともに、傾斜面47の配列方向が導光板30による導光方向(つまり、第1方向d1)と平行になっている。
【0052】
ここで、導光板30および導光板本体40の寸法は、一例として、次のように設定され得る。導光板30および導光板本体40の厚みH(
図1参照)は、例えば、300μm以上800μm以下とすることができる。また、傾斜面47の導光板本体40の板面に対する傾斜角度を、例えば0.1°以上から5°以下、さらには0.1°以上2.0°以下とすることができる。
【0053】
以上のような構成からなる導光板本体40は、一例として、押し出し成型により、作製することができる。導光板本体40をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等の一以上を主成分とする透明樹脂が好適に使用され得る。尚、必要に応じて、導光板本体40中に光を拡散させる機能を有する拡散性分を添加することもできる。拡散成分は、一例として、平均粒子径が0.5~100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を、用いることができる。また、導光板本体40の裏面42の形状は図示の例に限られず、例えば平坦な面であってもよい。
【0054】
一方、反射層38は、導光板本体40内を入光面43から対向面44まで第1方向d1に導光されてきた光を、言い換えると、導光板本体40から反射層38に入射する光(導光板本体40の内部から対向面44を透過する光等)を、第1方向d1における入光面43の側へ反射する層である。反射層38で反射された光は、裏面42での反射や透過により、導光板30から射出することが可能となる。すなわち、反射層38を設けることで、導光板30の反対面34から光源光が漏れ出してしまうことを防止する。これにより、光源光の効率的な利用が可能となり、光源24の出力を増大させることなく導光板30の出光面31上での輝度を改善することが可能となる。
【0055】
反射層38は、光反射性を有した材料をコーティング、印刷等によって導光板本体40の対向面44上に成膜することで作製される。より具体的には、反射層38は、光反射性を有する無数のフィラーと、無数のフィラーを保持するベース樹脂と、を含む。この場合、反射層38の形成材料として、光反射性を有するフィラーと、フィラーを分散させた樹脂組成物とを含む材料が用いられる。そして、このような形成材料を対向面44に設けて硬化させることにより、反射層38が形成される。
【0056】
光反射性を有するフィラーは、光反射性を有する粒子又は粒状体であり、無機材料でもよいし、有機材料でもよいし、無機材料および有機材料の複合材料でもよい。無機材料のフィラーは、アルミニウムや銀などの金属粒子でもよい。本実施の形態では、フィラーとして、銀からなる粒子が用いられている。
【0057】
上記フィラーを分散させる樹脂組成物は、硬化することでベース樹脂を形成する材料である。樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂でもよく、この場合、溶融状態で対向面44に設けられた後、乾燥によって硬化する。また、樹脂組成物は、熱硬化樹脂や、光硬化樹脂などでもよい。また、樹脂塑性物は透明でもよい。透明とは、可視光透過率が、50%以上であることを意味し、80%以上でもよい。可視光透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製「V-730」、JIS K 0115準拠品)を用いて、波長380nm以上780nm以下の1nmごとの波長にて入射角0°で測定した各波長の透過率の平均値として特定される。
【0058】
反射層38におけるフィラーの含有量は、反射層38の全量において5質量%以上70質量%以下でもよい。フィラーの含有量が5質量%未満である場合、反射層38の反射性能を十分に確保できなくなる虞がある。一方、反射層38におけるフィラーの保持力が低下し、フィラーの脱落が生じやすくなる虞を回避する観点では、反射層38の全量におけるフィラーの含有量は、70質量%以下、又は60質量%以下、又は50質量%以下が良い。また、反射層38での反射は、鏡面反射でもよいし、拡散反射でもよい。ただし、反射層38での反射は、導光板30の反対面34の視認を防止する観点から、拡散反射ではなく、鏡面反射であることが好ましい。フィラーの含有量が50質量%以上である場合、反射層38において光を鏡面反射させやすくなる。良好な反射性能の確保の観点では、反射層38の全量におけるフィラーの含有量は、5質量%以上、又は15質量%以上、又は25質量%以上がよく、鏡面反射を行おうとする場合には、15質量%以上、又は25質量%以上が良い。以上の観点から、反射層38の全量におけるフィラーの含有量は、15質量%以上60質量%以下でもよいし、25質量%以上50質量%以下でもよい。また、以上のようなフィラーの含有量において好ましいフィラーの平均粒子径は、例えば1μm以上20μm以下である。フィラーの平均粒子径は、反射層38を溶解してフィラーを溶液に分散させた状態において、JIS Z8828:2019に準拠する動的光散乱法で測定されるフィラーの平均粒子径の値である。反射層38の厚さは、フィラーの平均粒子径よりも大きいことが好ましく、例えば1μm以上20μm以下である。
【0059】
また、反射層38におけるフィラーの含有量は、次のようにして特定する。反射層38の一部を切り出し、当該一部の質量を計測する。その後、当該反射層38の一部を溶解してフィラーのみを取り出し、フィラーのみの質量を計測する。そして、計測したフィラーのみを質量を、測定した反射層38の一部の質量で割ることで、フィラーの含有量(質量%)を特定する。
【0060】
そして、第1被覆層401は、上述のような反射層38の対向面44側の面とは反対の面に設けられる。第1被覆層401は、反射層38に接合することにより、反射層38からフィラーが脱落することを抑制する。第1被覆層401は、樹脂組成物をコーティング、印刷等によって反射層38上に成膜することで作製される。樹脂組成物は、反射層38に設けられた後、硬化することで第1被覆層401を形成する。樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂でもよく、この場合、溶融状態で反射層38に設けられた後、乾燥によって硬化する。ただし、第1被覆層401を形成する樹脂組成物は、熱硬化樹脂や、光硬化樹脂などでもよい。また、本明細書において「層が或る面に設けられる」という表現は、層が或る面に直接的に設けられること又は層が他の層を介在させて或る面に設けられることを意味する。
【0061】
第1被覆層401により、反射層38からのフィラーの脱落を抑制しようとすると、第1被覆層401の第1方向d1に沿った厚みWc1〔μm〕(
図1参照)は、大きく設定されていることが好ましい。この場合、第1被覆層401の第1方向d1に沿った厚みWc1は、1μm以上10μm以下であることが好ましく、3μm以上7μm以下であることが更に好ましい。第1被覆層401の厚みWc1が1μm以上であることにより、第1被覆層401が、反射層38の表面(対向面44側の面とは反対の面)から突出したフィラーを十分に覆いきることができる。このため、フィラーの脱落を抑制できる。また、フィラーが金属粒子からなる場合、第1被覆層401の厚みWc1が1μm以上であることにより、フィラーの酸化を十分に抑制できる。ここで、金属粒子からなるフィラーが酸化した場合、反射層38における反射率が低下する可能性がある。このため、第1被覆層401の厚みWc1が1μm以上であることにより、フィラーの酸化を十分に抑制できるため、反射層38における反射率の低下を抑制できる。さらに、第1被覆層401の厚みWc1が10μm以下であることにより、第1被覆層401を形成する樹脂組成物を乾燥させることにより硬化させる際に、樹脂組成物を十分に乾燥させることができる。また、第1被覆層401を形成する樹脂組成物を乾燥させることにより硬化させる際に、乾燥時間を短縮できる。このため、乾燥時間が長くなることを抑制できるため、導光板30の生産効率を向上できる。
【0062】
本実施の形態では、第1被覆層401が可視光遮光性を有している。可視光遮光性とは、第1被覆層401に入射した可視光の透過を遮る性質であり、光吸収性、光反射性、又はこれら両方を有することを意味する。具体的には、本実施の形態における第1被覆層401は、全光線透過率が20%以下であるという可視光遮光性を有する。全光線透過率は、JIS K 7375:2003に従って測定される値である。第1被覆層401が可視光遮光性を有する場合、第1被覆層401から導光板30の外部に光が漏れ出ることが抑制される。
【0063】
より具体的には、本実施の形態における第1被覆層401は有色であることで、可視光遮光性としての光吸収性を確保することにより、上記20%以下の全光線透過率を確保している。ここで、本明細書において有色とは、無色透明でないことを意味し、白色又は黒色も有色の概念に含まれる。第1被覆層401が有色である場合の色は特に限られないが、光吸収性を高める又は全光線透過率を下げるという観点で、黒色又は黒色に近いことが好ましい。第1被覆層401は、着色粒子と、着色粒子を分散させたベース樹脂とを含むことにより、有色の状態を形成する。着色粒子としては、顔料、顔料を含有した粒子、カーボンブラック、およびカーボンブラックを含有した粒子のうちの少なくとも一種を含む材料が用いられる。
【0064】
なお、本実施の形態では第1被覆層401が有色であるが、第1被覆層401は透明でもよい。透明とは、上述したように、可視光透過率が、50%以上であることを意味し、80%以上でもよい。可視光透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製「V-730」、JIS K 0115準拠品)を用いて、波長380nm以上780nm以下の1nmごとの波長にて入射角0°で測定した各波長の透過率の平均値として特定される。第1被覆層401が透明である場合、第1被覆層401は色を発現する組成物を含まなくもよい。この場合、第1被覆層401を低コストで作製できる。第1被覆層401が透明である場合、反射層38におけるベース樹脂の屈折率と、第1被覆層401の屈折率とは同じでもよいが、異なる値になってもよい。
【0065】
第1被覆層401の吸水率は、0.0%以上0.4%以下であることが好ましく、0.0%以上0.2%以下であることが更に好ましい。これにより、高温高湿環境下において、水分吸収による第1被覆層401の変形を抑制できる。このため、変形した第1被覆層401が、光源24及び枠体55に対して、物理的ダメージを与えてしまうことを抑制できる。また、フィラーが金属粒子からなる場合、第1被覆層401の吸水率が0.0%以上0.4%以下であることにより、フィラーの酸化を十分に抑制できる。このため、反射層38における反射率の低下を抑制できる。ここで、第1被覆層401の吸水率は、導光板本体40の吸水率よりも小さくことが好ましい。例えば、アクリル樹脂の吸水率は、0.0%以上0.4%以下程度であり、ポリカーボネートの吸水率は、0.0%以上0.2%以下程度である。このため、第1被覆層401の吸水率が、導光板本体40の吸水率よりも小さくなるように、第1被覆層401の材料を選択しても良い。吸水率は、JIS K 7209:2000に従って測定される値である。このとき、吸水率の測定において、試験片をさらす条件は、相対湿度50%、24時間とする。
【0066】
また、第2被覆層402は、上述したように導光板本体40における第1側面45および第2側面46のそれぞれに設けられている。第2被覆層402は、第1側面45および第2側面46に接合することにより、導光板30から照射される光の発光品質が損なわれることを抑制する。第2被覆層402は、樹脂組成物をコーティング、印刷等によって第1側面45上および第2側面46上に成膜することで作製される。樹脂組成物は、第1側面45および第2側面46に設けられた後、硬化することで第2被覆層402を形成する。樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂でもよく、この場合、溶融状態で第1側面45および第2側面46に設けられた後、乾燥によって硬化する。ただし、第2被覆層402を形成する樹脂組成物は、熱硬化樹脂や、光硬化樹脂などでもよい。
【0067】
本実施の形態において、第2被覆層402は透明である。透明とは、上述したように、可視光透過率が、50%以上であることを意味し、80%以上でもよい。可視光透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製「V-730」、JIS K 0115準拠品)を用いて、波長380nm以上780nm以下の1nmごとの波長にて入射角0°で測定した各波長の透過率の平均値として特定される。
【0068】
本実施の形態における第2被覆層402は透明である。これにより、第2被覆層402は、導光板本体40の第1側面45又は第2側面46に凹凸が生じた場合に、凹凸で光を拡散反射させずに第2被覆層402に透過させ、透過させた光を第2被覆層402と空気との界面で全反射させるように機能する。したがって、第2被覆層402と導光板本体40との屈折率差は小さいことが好ましく、例えば0.2以下でもよい。第2被覆層402と導光板本体40との屈折率差は、0.1以下でもよいし、0.05以下でもよいし、0.02以下でもよいし、0.01以下でもよいし、0でもよい。また、第2被覆層402の全光線透過率は高いことが好ましく、90%以上であることが好ましく、95%以上が好ましい。
【0069】
第2被覆層402を形成する樹脂組成物としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等の一以上を主成分とする材料が好適に使用され得る。
【0070】
また、第2被覆層402(第2被覆層402の導光板本体40側の面とは反対の面)の算術平均高さRa算術は、本実施の形態において一例として300nm以下である。これにより、導光板本体40から第2被覆層402に進入した光を、第2被覆層402と空気との界面で全反射させるやすくなる。また、導光板本体40の第1側面45および第2側面46の算術平均高さRaは、300nm以下である。算術平均高さRaは、JIS B 0601:2013に従って測定される値である。第2被覆層402の算術平均高さRaは、第1側面45および第2側面46の算術平均高さRaと同じでもよいし、大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0071】
なお、本実施の形態では第2被覆層402が透明であるが、第2被覆層402は、白色でもよく、第1側面45および第2側面46から漏れ出る光を拡散反射させてもよい。この場合、導光板本体40の第1側面45又は第2側面46に凹凸が生じ、凹凸で光が拡散反射し輝点が生じた場合に、白色の第2被覆層402における光の乱反射を利用することで、輝点を目立たなくすることができる。このように第2被覆層402で積極的に光を拡散反射される場合、第2被覆層402の拡散反射率は、70%以上であることが好ましい。この場合、第2被覆層402は必ずしも白色でなくもよい。
【0072】
第2被覆層402の拡散反射率は、第2被覆層402の外部に露出している面、すなわち導光板本体40に接合する面とは反対の面で測定される。拡散反射率は、光線入射角45度条件設定にて、測定波長380nm~780nm範囲の反射スペクトルを測定し、JIS A 5759:2016に従って算出される値である。また、白色とは、本明細書において、L*a*b*表色系で、L*値が65以上であることを意味する。
【0073】
次に、
図3を主に参照して、光学シート(プリズムシート)50についてさらに詳述する。光学シート50は、透過光の進行方向を変化させる機能を有した部材である。
【0074】
図3によく示されているように、光学シート50は、板状に形成された本体部53と、本体部53上に設けられた複数の単位プリズム(単位形状要素、単位光学要素、単位レンズ)54と、を有している。本体部53は、平板状の部材として構成され、一対の平行な主面として出光面53aおよび入光側面53bを有している。複数の単位プリズム54は、本体部53の入光側面53b上に形成されている。導光板30に対面しない側に位置する本体部53の出光面53aによって、光学シート50の出光面51が構成されている。
【0075】
なお、本明細書における「単位プリズム」、「単位形状要素」、「単位光学要素」および「単位レンズ」とは、屈折や反射等の光学的作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素のことを指し、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
【0076】
複数の単位プリズム54は、本体部53の入光側面53b上に並べて配置されている。各単位プリズム54は、柱状に形成され、その配列方向と交差する方向に延びている。
【0077】
図示された例において、各単位プリズム54は直線状に延びている。各単位プリズム54は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。光学シート50に含まれる複数の単位プリズム54は互いに同一に構成されている。さらに、複数の単位プリズム54は、その長手方向に直交する方向に沿って、本体部53の入光側面53b上に隙間無く並べられている。したがって、光学シート50の入光面52は、本体部53上に隙間無く配列された単位プリズム54の表面(プリズム面)54a,54bによって形成されている。
【0078】
なお、上述してきたように、光学シート50は、導光板30に重ねられるようにして配置され、光学シート50の単位プリズム54が導光板30の出光面31に対面するようになっている。また、
図1に示すように、光学シート50は、単位プリズム54の長手方向が導光板30による導光方向(導光板30の入光面33と当該入光面に対向する反対面34とを結ぶ第1方向d1)と交差するように、導光板30に対して位置決めされている。より厳密には、単位プリズム54の長手方向が導光板30による導光方向(つまり、第1方向d1)と直交するとともに、単位プリズム54の配列方向が導光板30による導光方向d1と平行になるように、光学シート50が導光板30に対して位置決めされている。したがって、各単位プリズム54は、傾斜面47の長手方向と平行な第2方向d2に延びている。
【0079】
図3によく示されているように、各単位プリズム54は、単位プリズム54の配列方向、つまり第1方向d1に沿って、互いに対向して配置された第1プリズム面54aおよび第2プリズム面54bを有している。各単位プリズム54の第1プリズム面54aは、第1方向d1における一側(
図1および
図3の紙面における左側)に位置し、第2プリズム面54bは、第1方向d1における他側(
図1および
図3の紙面における右側)に位置している。より詳細には、各単位プリズム54の第1プリズム面54aは、第1方向d1における光源24の側に位置して第1方向d1における一側を向く。各単位プリズム54の第2プリズム面54bは、第1方向d1における光源24から離間する側に位置し、第1方向d1における他側を向く。後述するように、第1プリズム面54aは、主として、第1方向d1における一側に配置された光源24から導光板30内に進み、その後に導光板30から出射した光が、光学シート50へ入射する際の入射面として機能する。一方、第2プリズム面54bは、光学シート50へ入射した光を反射して、当該光の光路を補正する機能を有する。
【0080】
図3に示すように、第1プリズム面54aおよび第2プリズム面54bは、それぞれ本体部53から延び出るとともに互いに接続されている。第1プリズム面54aおよび第2プリズム面54bが互いに接続する位置において、本体部53から最も入光側に突出した単位プリズム54の先端部(頂部)54cが形成されている。
【0081】
上述したように、本体部53のシート面(本体部53の入光側面53b、光学シート50のシート面)への法線方向ndおよび単位プリズム54の配列方向である第1方向d1の両方に平行な断面における各単位プリズム54の断面形状は、当該単位プリズム54の長手方向(直線状に延びている方向)に沿って一定となっている。また、この断面において、各単位プリズム54は、入光側(導光板の側)に向けて先細りしていく形状となっている。つまり、この断面において、本体部53のシート面と平行な単位プリズム54の幅は、本体部53の法線方向ndに沿って本体部53から離間するにつれて小さくなっていく。
【0082】
光学シート50の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、以上のような構成からなる単位プリズム54の具体例として、単位プリズム54の第1方向d1に沿った配列ピッチ(図示された例では、単位プリズム54の幅に相当)を10μm以上200μm以下とすることができる。ただし、昨今においては、単位プリズム54の配列の高精細化が急速に進んでおり、単位プリズム54の第1方向d1に沿った配列ピッチを10μm以上50μm以下とすることが好ましい。また、光学シート50のシート面への法線方向ndに沿った本体部53からの単位プリズム54の突出高さを5.5μm以上180μm以下とすることができる。
【0083】
次に、枠体55および主フレーム60について
図1及び
図2を参照しつつ説明する。まず、主フレーム60は、面光源装置20の構成要素、例えば光源24、反射シート28、導光板30および光学シート50を支持する。また、主フレーム60は、支持した面光源装置20の構成要素を外部から保護する。光源24、反射シート28、導光板30および光学シート50は、主フレーム60に対して位置決めされている。上述した液晶表示パネル15は、主フレーム60に対して位置決めされている。しかしながら、反射シート28、導光板30および光学シート50は、面光源装置20の使用中に昇温して膨張する。このため、反射シート28、導光板30および光学シート50は、膨張および収縮が可能となるよう、主フレーム60によって支持されている。典型的には、光源24が、主フレーム60に固定されるとともに、反射シート28、導光板30および光学シート50は、第1方向d1における光源24に近接する一側において、主フレーム60に固定される。そして、反射シート28、導光板30および光学シート50は、熱膨張時に、第1方向d1における光源24から離間する他側に伸張可能となっている。このような主フレーム60は、アルミニウム、ステンレス、鉄等の金属を用いて形成される。
【0084】
枠体55は、反射シート28、導光板30および光学シート50と、主フレーム60と、の間に設けられている。枠体55は、反射シート28、導光板30および光学シート50が主フレーム60に接触することを防止している。枠体55は、反射シート28、導光板30および光学シート50を主フレーム60から保護する機能を有している。また、枠体55は、
図1に示すように、正面方向ndにおいて、液晶表示パネル15を支持している。枠体55は、液晶表示パネル15と光学シート50の間に隙間を形成している。これにより、光学シート50は、液晶表示パネル15との接触を防止されている。
【0085】
図示された例において、枠体55は、主フレーム60に対して相対移動可能に支持されている。そして、枠体55は、接合層58を介して導光板30の反対面34に固定されている。すなわち、第1方向d1に沿って、導光板30の第1被覆層401と枠体55が、接合層58によって接続されている。そして、枠体55は、導光板30の熱膨張にともなって、主フレーム60に対して相対移動する。接合層58としては、表示装置に用いられている種々の粘着層や接着層を採用することができる。
【0086】
図1に示された例において、第1方向d1において、枠体55と主フレーム60との間には導光板30の熱膨張を許容する隙間Sが形成されている。ただし、導光板30の熱膨張の少なくとも一部分を接合層58によって吸収するようにしてもよい。この場合、第1方向d1に沿った枠体55と主フレーム60との間の隙間Sの幅Ws〔μm〕を、導光板30の想定される熱膨張長さよりも短くすることができる。これにより、導光板30の非アクティブエリアAbの幅を狭くして、ベゼルの狭幅化を実現することができる。ベゼルは、ベゼルとは、表示装置の表示面や面光源装置の発光面を周囲から区画する部分である。ベゼルを狭幅化することで、表示面や発光面を小さくすることなく表示装置や面光源装置を小型化することができる。また、導光板30の膨張を接合層58で吸収しようとすると、接合層58の第1方向d1に沿った厚みWj〔μm〕は、大きく設定されていることが好ましく、例えばノート型のパソコの表示装置やタブレットの表示装置、さらにはスマートフォンの表示装置等を想定すると、100μm以上700μm以下であることが好ましく、200μm以上600μm以下であることがより好ましく、300μm以500μm以下であることが更に好ましい。さらに、接合層58の第1方向d1に沿った厚みWj〔μm〕を、導光板30の想定される熱膨張長さよりも長くしておくことも、導光板30の膨張を接合層58で吸収する上で有効である。
【0087】
次に、以上のような構成からなる表示装置10の作用について説明する。
【0088】
まず、
図3に示すように、光源24をなす発光体25で発光された光は、入光面33を介し、導光板30の導光板本体40に入射する。
図3に示すように、導光板本体40へ入射した光L31,L32は、導光板本体40の出光面41および裏面42において、反射、とりわけ導光板本体40をなす材料と空気との屈折率差に起因して全反射を繰り返し、導光板本体40の入光面43と対向面44とを結ぶ第1方向(導光方向)d1へ進んでいく。
【0089】
ここで、導光板本体40の裏面42は、入光面43から対向面44に向かうにつれて、出光面41に対して接近するように傾斜した傾斜面47を有している。傾斜面47は、段差面48および接続面49とともに、裏面42を形成している。このうち段差面48は、導光板本体40の板面の法線方向ndに延びている。したがって、導光板本体40内を入光面43の側から対向面44の側へと進む光の殆どは、裏面42のうち、段差面48に入射することなく、傾斜面47又は接続面49にて反射するようになる。そして、裏面42のうちの傾斜面47で反射すると、
図3に示された断面における当該光の進行方向は、導光板本体40の板面に対する傾斜角度を増大させる。すなわち、裏面42のうちの傾斜面47で反射すると、以降における、当該光の出光面41および裏面42への入射角度が小さくなる。したがって、導光板本体40内を進む光の出光面41および裏面42への入射角度は、裏面42のうちの傾斜面47での一以上の反射によって、次第に小さくなっていき、全反射臨界角未満となる。この場合、当該光は、導光板本体40の出光面41又は裏面42(導光板30の出光面31又は裏面32)を通過して、導光板30から出射し得るようになる。出光面31から出射した光L31,L32は、導光板30の出光側に配置された光学シート50へと向かう。一方、裏面32から出射した光は、導光板30の背面に配置された反射シート28で反射され再び導光板30内に入射して導光板30内を進むことになる。
【0090】
その後、導光板30から出射した光は、光学シート50へ入射する。上述したように、この光学シート50は、導光板30の側へ向けて先端部54cが突出する単位プリズム54を有している。
図3によく示されているように、単位プリズム54の長手方向は、導光板30による導光方向(第1方向)d1と交差する方向、とりわけ図示された例では導光方向と直交する第2方向d2と、平行になっている。
【0091】
この結果、
図3に示すように、第1方向d1における一側(
図3の紙面における左側)に配置された光源24で発光され導光板30を介して光学シート50へ向かう光L31,L32は、互いに接続された第1プリズム面54aおよび第2プリズム面54bのうちの、第1方向d1における光源24側となる一側に位置する第1プリズム面54aを介して単位プリズム54へ入射する。
図3に示すように、この光L31,L32は、その後、第1方向d1における光源とは反対側の他側(
図3の紙面における右側)に位置する第2プリズム面54bで全反射してその進行方向を変化させるようになる。
【0092】
そして、
図3に示された光学シートの主切断面(第1方向(導光方向)d1と正面方向ndとの両方向に平行な断面)において正面方向ndから大きく傾斜した狭い角度範囲内の方向に進む光L31,L32は、単位プリズム54の第2プリズム面54bでの全反射により、その進行方向が正面方向ndに対してなす角度が小さくなるように、精度良く曲げられる。このような作用により、単位プリズム54は、第1方向(導光方向)d1に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、光学シート50は、第1方向d1に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。
【0093】
そして、面光源装置20の発光面21を形成する光学シート50から出射した一方の偏光成分の光は、その後、液晶表示パネル15へ入射して下偏光板14を透過する。下偏光板14を透過した光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶表示パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
【0094】
そして、本実施の形態では、導光板本体40の対向面44に反射層38が設けられている。
図3に示すように、反射層38は、導光板本体40内を第1方向d1に進んで対向面44に到達した光L61を反射する。反射層38で反射された光L61の光路は、第1方向d1において折り返す。そして、このような光L61は、第1方向d1における入光面43の側に向けて、導光板本体40内を進む。この光L61は、例えば傾斜面47で光路を曲げられることで、出光面41又は裏面42を介して導光板30から出射するようになる。これにより、光源24からの光の効率的な利用が可能となり、光源24の出力を増大させることなく導光板30の出光面31上での輝度を改善することが可能となる。
【0095】
ここで、本実施の形態では反射層38がフィラーとフィラーを保持するベース樹脂とを含む。そのため、反射層38からフィラーが脱落する虞がある。これに対して、本実施の形態では、反射層38が第1被覆層401によって覆われる。そのため、第1被覆層401によってフィラーの脱落が抑制される。これにより、脱落したフィラーによる輝点の発生を抑制でき、発光品質が損なわれることを抑制できる。
【0096】
次に、第2被覆層402周辺での光の動きについて説明する。
図4は第1側面45および第1側面45に設けられた第2被覆層402を示している。本実施の形態では、第2被覆層402が導光板本体40における第1側面45および第2側面46のそれぞれに設けられている。そして、第2被覆層402は透明である。これにより、
図4に示すように、第2被覆層402は、導光板本体40から第2被覆層402に透過した光L91を空気との界面で全反射させるように機能する。これにより、第1側面45および第1側面45から外部に漏れ出る光を抑制し、光源24からの光の効率的な利用が可能となる。
【0097】
ここで、導光板30では第2被覆層402が設けられ無い場合であっても、第1側面45および第2側面46と空気との界面で光を全反射させることができる。しかし、本実施の形態では敢えて第2被覆層402が設けられる。この理由は、導光板本体40の第1側面45又は第2側面46に凹凸が生じた場合に、凹凸で光を拡散反射させずに第2被覆層402に透過させ、この透過した光を第2被覆層402と空気との界面で全反射させる機能を得るためである。
【0098】
従来、一般的な導光板300では、
図5に示すように入光面と反対面との間に位置する導光板300の側面301Sに追加的な層は設けられていなかった。このような従来の構成では、側面301Sに入射した光Lc1を空気との界面で全反射させて、導光板300の内部に戻し、光の有効活用を図っていた。しかしながら、
図5に示すように、例えば凹凸(図示の例では凹所302)が生じた場合、凹所302に入射した光Lc2が拡散反射し、輝点が生じることがあることが分かった。本実施の形態では、この問題を考慮し、第2被覆層402を利用する。なお、凹所302は、例えば導光板300の側面を平滑化するための切削加工時に生じ得る。
【0099】
すなわち、本実施の形態では、
図4に示すように第1側面45に凹所44Cが仮に生じた場合であっても、第2被覆層402が凹所44Cを埋めるように第1側面45に設けられる。これにより、
図4に示すように、光L92が凹所302に入射した際、光L92が凹所302から第2被覆層402に透過し得る。その後、光L92は、第2被覆層402と空気との界面で全反射し得る。これにより、凹所44Cで光L92が拡散反射せず、この拡散反射により輝点が生じることを抑制できる。また、光の利用効率も高めることができる。
【0100】
以上に説明したように、本実施の形態に係る導光板30は、入光面43および入光面43とは反対の対向面44を含む導光板本体40と、導光板本体40の対向面44に設けられ、導光板本体40から入射する光を反射させる反射層38と、反射層38の対向面44側の面とは反対の面に設けられた第1被覆層401と、を備え、反射層38は、フィラーと、フィラーを保持するベース樹脂と、を含む。これにより、第1被覆層401によって、反射層38に含まれるフィラーの脱落が抑制される。したがって、脱落したフィラーによる輝点の発生を抑制でき、これにより、発光品質が損なわれることを抑制できる。
【0101】
また、第1被覆層401は可視光遮光性を有する。この構成では、反射層38を透過した光を遮光することで、導光板30の外部への光の漏れが抑制される。これにより、漏れ出た光による発光品質への影響を抑制できる。特に本実施の形態では、第1被覆層401の全光線透過率が20%以下である。この場合、導光板30の外部への光の漏れが効果的に抑制される。ここで、第1被覆層401は有色であることで、可視光遮光性を確保してもよい。この場合、第1被覆層401は、顔料、顔料を含有した粒子、カーボンブラック、及びカーボンブラックを含有した粒子のうちの少なくとも一種を含む着色粒子を含んでもよい。この場合、第1被覆層401に簡易に色を付けることができることで、導光板30の外部への光の漏れを簡易に抑制できる。
【0102】
また、本実施の形態に係る導光板30は、導光板本体における一対の側面である第1側面45及び第2側面46のそれぞれに設けられた第2被覆層402をさらに備えている。この構成では、導光板本体40の第1側面45又は第2側面46に平滑性に影響を与え得る凹凸が仮に生じた場合であっても、第2被覆層402によって、光が導光板本体40の第1側面45又は第2側面46の上記凹凸で拡散反射し輝点が生じることを抑制できるか、及び/又は、拡散反射によって輝点が生じた場合であっても輝点を目立たなくすることができる。
【0103】
詳しくは、本実施の形態では第2被覆層402が透明である。これにより、導光板本体40の第1側面45又は第2側面46に凹凸が生じた場合に、導光板本体40の第1側面45又は第2側面46の凹凸で光を拡散反射させずに第2被覆層402に透過させることができる。そして、透過させた光を第2被覆層402と空気との界面で全反射させることが可能となる。これにより、凹凸で拡散反射し輝点が生じること抑制できる。
【0104】
そして、本実施の形態では第2被覆層402の算術平均高さRaが、300nm以下である。これにより、導光板本体40から第2被覆層402に進入した光を、第2被覆層402と空気との界面で全反射させるやすくなる。さらに、導光板本体40の第1側面45および第2側面46の算術平均高さRaは、300nm以下である。これにより、導光板本体40内で第1側面45および第2側面46に入射する光を第2被覆層402に透過させやすくなり、第2被覆層402と空気との界面で全反射する光を増加させて、光の利用効率を向上できる。
【0105】
上述のように一実施の形態を具体例により説明してきたが、上述した一実施の形態に係る具体例は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0106】
以下、図面を参照しながら、他の実施の形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0107】
図6は他の実施の形態にかかる面光源装置の上面図である。
図6に示すように、本実施の形態では第1被覆層401が粘着性又は接着性を有する接合層として機能する。言い換えると、第1被覆層401が
図1に示した実施の形態における接合層58を兼ねる。したがって、第1被覆層401は、枠体55に導光板本体40を接続している。
【0108】
この構成では、導光板30を例えば表示装置に組み込む際に、導光板30の位置決め状態の安定性を向上できる。また、第1被覆層401でフィラーを捕捉できるため、フィラーの脱落抑制の効果も得られ得る。さらには、第1被覆層401とは別体の接合層を用いる場合よりも枠体55内における導光板本体40の幅を拡大できることで、表示装置の表示サイズを拡大できる。
【0109】
導光板30は、例えば表示装置に組み込まれる前の状態において第1被覆層401に剥離可能に重ねられる剥離層を設けられてもよい。そして、組み込み時に剥離層を剥離することにより、第1被覆層401を露出させて、枠体55に接合させてもよい。また、導光板30は、例えば表示装置に組み込まれる前の状態において第1被覆層401に重ねられた接合層及び接合層を覆う剥離層を備えていてもよい。ここで、接合層は、粘着層でもよいし、接着層でもよい。
【0110】
図7は他の実施の形態にかかる面光源装置の縦断面図である。また、
図8は
図7の面光源装置における導光板の一部の拡大図である。
図7および
図8に示すように、本実施の形態では第1被覆層401は、反射層38の面のうち、出光面31を構成する面38aおよび裏面32を構成する面38bのうちの少なくとも一方を覆っている。図示された例においては、第1被覆層401は、面38aの全面および面38bの全面を覆っている。しかしながら、これに限られず、第1被覆層401は、面38aおよび面38bのうちの一方のみを覆っていてもよい。
【0111】
この構成では、第1被覆層401が、反射層38の面38aおよび面38bから突出したフィラーを十分に覆いきることができる。このため、フィラーの脱落を抑制できる。また、第1被覆層401が面38aおよび面38bの少なくとも一方を覆うことにより、第1被覆層401と反射層38との密着性を向上できる。また、フィラーが金属粒子からなる場合、第1被覆層401が面38aおよび面38bの少なくとも一方を覆うことにより、フィラーの酸化を十分に抑制できる。このため、反射層38における反射率の低下を抑制できる。
【0112】
また、第1被覆層401は、面38aの一部のみを覆っていてもよく、面38bの一部のみを覆っていてもよい。第1被覆層401が、面38a(面38b)の一部のみを覆っている場合、第1被覆層401のうち、面38a(面38b)を覆う部分の第1方向d1に沿った厚みWc2は、1μm以上であることが好ましい。厚みWc2が1μm以上であることにより、フィラーの脱落を効果的に抑制しつつ、第1被覆層401と反射層38との密着性を効果的に向上できる。また、フィラーが金属粒子からなる場合、厚みWc2が1μm以上であることにより、フィラーの酸化を効果的に抑制できる。
【0113】
また、上述した面光源装置20及び表示装置10の全体構成も種々の変更が可能である。例えば、面光源装置20が、光学シート50に代えて又は光学シート50に加えて、出光側の突出したプリズムシートを更に含むようにしてもよいし、反射型偏光分離シートを更に含むようにしてもよい。また、上述の実施の形態では、導光板30が、第1被覆層401と、第2被覆層402とを備えるが、導光板30は第1被覆層401だけを備えてもよいし、第2被覆層402だけを備えてもよい。
【0114】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0115】
10…液晶表示装置
11…表示面
12…液晶層
13…上偏光板
14…下偏光板
15…液晶表示パネル
20…面光源装置
21…発光面
24…光源
25…点状発光体
28…反射シート
30…導光板
31…出光面
32…裏面
33…入光面
34…反対面
38…反射層
40…導光板本体
41…出光面
42…裏面
43…入光面
44…対向面
44C…凹所
45…第1側面
46…第2側面
47…傾斜面
48…段差面
49…接続面
401…第1被覆層
402…第2被覆層
nd…正面方向