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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163023
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】無線充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20241114BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20241114BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/12
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024064489
(22)【出願日】2024-04-12
(31)【優先権主張番号】112117102
(32)【優先日】2023-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522466326
【氏名又は名称】亞福儲能股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】APh ePower Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】蘇 修賢
(72)【発明者】
【氏名】李 宗勳
(72)【発明者】
【氏名】曾 ▲ユン▼棋
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線充電時の安定性を向上させる無線充電システムを提供する。
【解決手段】無線充電システム10は、無線給電プラットフォーム100と、第1装置200_1と、第2装置200_2と、を含む。無線給電プラットフォーム100は、無線給電電力WPを出力するするコイルLPを含む。第1装置200_1は、第1受電回路210_1と、第1パワースイッチSW1と、第1制御回路220_1と、を含む。第2装置200_2は、第2受電回路210_2と、第2パワースイッチSW2と、第2制御回路220_2と、を含む。第2制御回路が第1制御回路と通信することで、第1パワースイッチと第2パワースイッチの協調スイッチ状態が決定され、協調スイッチ状態は、第1受電回路が無線給電電力に基づき生成する第1出力電圧値VO1と、第2受電回路が無線給電電力に基づき生成する第2出力電圧値VO2と、を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線給電電力を提供するよう構成された無線給電プラットフォームと、
第1受電回路と、
前記第1受電回路に結合された第1パワースイッチと、
前記第1パワースイッチに結合された第1制御回路と
を含む、
第1装置と、
第2受電回路と、
前記第2受電回路に結合された第2パワースイッチと、
前記第2パワースイッチに結合され、前記第1パワースイッチと前記第2パワースイッチの協調スイッチ状態を決定するため前記第1制御回路と通信するよう構成された、第2制御回路と
を含む、
第2装置と
を含み、
前記協調スイッチ状態は、前記第1受電回路が前記無線給電電力に基づき生成する第1出力電圧値と、前記第2受電回路が前記無線給電電力に基づき生成する第2出力電圧値とを決定する、
無線充電システム。
【請求項2】
前記無線給電プラットフォームはフィールドに無線給電電力を提供し、
前記第1装置と前記第2装置が前記フィールドに進入したとき、前記第2制御回路は前記第1制御回路と通信する、
請求項1に記載の無線充電システム。
【請求項3】
前記第1出力電圧値は、前記第1受電回路が単位時間区間において前記無線給電電力に基づいて生成する平均電圧値であり、
前記第2出力電圧値は、前記第2受電回路が前記単位時間区間において前記無線給電電力に基づいて生成する平均電圧値である、
請求項1に記載の無線充電システム。
【請求項4】
前記第1出力電圧値は、前記第1パワースイッチが前記単位時間区間において遮断状態とされた時間長と正の相関があり、
前記第1出力電圧値は、前記第2パワースイッチが前記単位時間区間において遮断状態とされた時間長と負の相関がある、
請求項3に記載の無線充電システム。
【請求項5】
前記第2出力電圧値は、前記第2パワースイッチが前記単位時間区間において遮断状態とされた時間長と正の相関があり、
前記第2出力電圧値は、前記第1パワースイッチが前記単位時間区間において遮断状態とされた時間長と負の相関がある、
請求項3に記載の無線充電システム。
【請求項6】
前記第1受電回路は、
コイルと、
前記第1パワースイッチと前記コイルとに結合され、前記コイルを介して前記無線給電電力を受け取り、前記無線給電電力を増幅することで変換電力を生成するよう構成された、共振回路と、
前記共振回路に結合され、前記変換電力を整流することで前記第1出力電圧値を有する出力電力を生成するよう構成された、整流回路と
を含む、
請求項1に記載の無線充電システム。
【請求項7】
前記第1受電回路は、
前記第1受電回路に結合され、前記出力電力を蓄えるよう構成された、バッテリモジュール
を更に含む、
請求項6に記載の無線充電システム。
【請求項8】
前記バッテリモジュールはアルミニウムイオン電池を含む、
請求項7に記載の無線充電システム。
【請求項9】
前記第1パワースイッチが遮断されたとき、前記共振回路と前記コイルは第1共振動作を行い、
前記第1パワースイッチが導通されたとき、前記共振回路と前記コイルは第2共振動作を行う、
請求項6に記載の無線充電システム。
【請求項10】
前記共振回路は、
第1コンデンサと、
第2コンデンサと
を含み、
前記第1コンデンサの第1端子は前記コイルの第1コンデンサの第1端子と結合され、前記第1コンデンサの第2端子は前記第1パワースイッチの第1端子に結合され、
前記第2コンデンサの第1端子は前記第1コンデンサの第2端子に結合され、前記第2コンデンサの第2端子は前記コイルの第2端子と前記第1パワースイッチの第2端子に結合される、
請求項6に記載の無線充電システム。
【請求項11】
前記第1パワースイッチが遮断されたとき、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサと前記コイルは第1共振動作を行い、
前記第1パワースイッチが導通されたとき、前記第1コンデンサと前記コイルは第2共振動作を行い、
前記第1受電回路が前記第1共振動作において生成するゲインは、前記第1受電回路が前記第2共振動作において生成するゲインよりも大きい、
請求項10に記載の無線充電システム。
【請求項12】
前記第1制御回路は、
前記第2制御回路と無線通信することで制御信号を生成するよう構成された、処理回路と、
前記処理回路と前記第1パワースイッチの制御端子とに結合され、前記制御信号に応じて前記第1パワースイッチのスイッチ状態を決定するよう構成された、駆動回路と
を含む、
請求項1に記載の無線充電システム。
【請求項13】
前記第1制御回路は、
前記処理回路と前記第1受電回路とに結合され、前記出力電圧値が前記第1装置の電源仕様に準拠するか否かを判定するよう構成された、フィードバック回路
を更に含み、
前記出力電圧値が前記第1装置の電源仕様に準拠しない場合、前記フィードバック回路は前記処理回路にフィードバック信号を提供し、
前記処理回路は、前記フィードバック信号に応じて前記制御信号を調整する、
請求項12に記載の無線充電システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充電システムに関するものであり、特に、無線充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、無線充電システムにおいて、無線給電プラットフォームが充電対象装置に対して無線充電を行うことができる。充電対象装置は、例えば無線充電機能を備えた電子機器又は移動車両である。このため、無線充電システムは充電の利便性を提供する。
【0003】
無線給電プラットフォームは複数の充電対象装置に対して給電を行う可能性がある。注意すべき点として、前記複数の充電対象装置の電源仕様は完全に同一ではない可能性がある。電源仕様は、例えば充電電圧や動作電力である。無線給電プラットフォームが異なる電源仕様を有する前記複数の充電対象装置に給電を行う場合に、前記複数の充電対象装置は互いに干渉して充電対象装置の動作安定性と充電安定性を大幅に低下させる可能性がある。
【0004】
ここから分かるように、充電対象装置の充電時の相互干渉を如何にして低減させるかが当業者による研究の焦点の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、充電対象装置の無線充電時の安定性を向上させることのできる無線充電システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無線充電システムは、無線給電プラットフォームと、第1装置と、第2装置とを含む。無線給電プラットフォームは無線給電電力を提供する。第1装置は、第1受電回路と、第1パワースイッチと、第1制御回路とを含む。第1パワースイッチは第1受電回路に結合される。第1制御回路は第1パワースイッチに結合される。第2装置は、第2受電回路と、第2パワースイッチと、第2制御回路とを含む。第2パワースイッチは第2受電回路に結合される。第2制御回路は第2パワースイッチに結合される。第2制御回路が第1制御回路と通信することで、第1パワースイッチと第2パワースイッチの協調スイッチ状態が決定される。協調スイッチ状態は、第1受電回路が無線給電電力に基づき生成する第1出力電圧値と、第2受電回路が無線給電電力に基づき生成する第2出力電圧値とを決定する。
【発明の効果】
【0007】
上記に基づき、第2制御回路が第1制御回路と通信することで、第1パワースイッチと第2パワースイッチの協調スイッチ状態が決定される。協調スイッチ状態は、第1受電回路の無線給電電力に基づき生成される第1出力電圧値と、第2受電回路の無線給電電力に基づき生成される第2出力電圧値とを決定する。このようにして、第2制御回路と第1制御回路との間の通信に基づいて、第1装置と第2装置のいずれも協調スイッチ状態を用いて電源仕様に準拠する出力電圧値を得ることができる。
【0008】
本発明の上述した特徴及び利点をより理解しやすくするため、以下に実施形態を挙げ、図面と併せて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の1つの実施形態に基づき図示した無線充電システムの概略図である。
図2】本発明の1つの実施形態に基づき図示した無線充電システムの回路図である。
図3】本発明の異なる協調スイッチ状態における変換電力と出力電圧値の概略図である。
図4】本発明の1つの実施形態に基づき図示したゲイン図である。
図5】本発明の1つの実施形態に基づき図示した第1協調スイッチ状態におけるゲイン図である。
図6】本発明の1つの実施形態に基づき図示した第2協調スイッチ状態におけるゲイン図である。
図7】本発明の1つの実施形態に基づき図示した無線充電システムの通信図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態の一部を図面を参照して詳細に説明する。以下の記述で引用する部材符号について、異なる図に出現する同一の部材符号は同一又は類似の部材であると見なされる。これら実施形態は本発明の一部にすぎず、本発明の全ての潜在的な実施方式を開示するものではない。更に正確に述べると、これら実施形態は本発明の特許範囲内の実施例にすぎない。
【0011】
図1を参照し、図1は本発明の1つの実施形態に基づき図示した無線充電システムの概略図である。本実施形態において、無線充電システム10は、無線給電プラットフォーム100と、装置200_1、200_2とを含む。無線給電プラットフォーム100は無線給電電力WPを提供する。装置200_1、200_2はそれぞれ、例えば無線充電機能を備えた電子機器又は移動車両である。例を挙げると、装置200_1は、無線充電機能を備えた携帯型電子機器、電気自動車(Electric Vehicle、EV)、又は無人搬送車(Automated Guided Vehicle、AGV)であってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0012】
本実施形態において、装置200_1は、受電回路210_1と、パワースイッチSW1と、制御回路220_1とを含む。パワースイッチSW1は受電回路210_1に結合される。制御回路220_1はパワースイッチSW1に結合される。装置200_2は、受電回路210_2と、パワースイッチSW2と、制御回路220_2とを含む。パワースイッチSW2は受電回路210_2に結合される。制御回路220_2はパワースイッチSW2に結合される。制御回路220_2が制御回路220_1と通信することで、パワースイッチSW1、SW2の協調スイッチ状態が決定される。また、協調スイッチ状態は、受電回路210_1の無線給電電力WPに基づき生成される第1出力電圧値VO1と、第2受電回路210_2の無線給電電力WPに基づき生成される第2出力電圧値VO2とを決定する。
【0013】
例を挙げると、装置200_1の電源仕様に基づき、装置200_1は出力電圧値VO1を有する出力電力を用いて動作又は充電を行ってよい。装置200_2の電源仕様に基づき、装置200_2は出力電圧値VO2を有する出力電力を用いて動作又は充電を行ってよい。無線給電プラットフォーム100はフィールド(未図示)に無線給電電力WPを提供する。装置200_1、200_2がフィールドに進入したとき、制御回路220_2は制御回路220_1と通信する。このため、制御回路220_1は装置220_2の電源仕様を知ることができる。制御回路220_2も装置220_1の電源仕様を知ることができる。制御回路220_1はパワースイッチSW1のスイッチ状態を制御してよい。制御回路220_2はパワースイッチSW2のスイッチ状態を制御してよい。装置200_1、200_2がフィールドに進入したとき、パワースイッチSW1、SW2のスイッチ状態は受電回路210_1が生成する出力電圧値VO1に影響し、受電回路210_2が生成する出力電圧値VO2にも影響し得る。
【0014】
ここで言及すべき点として、制御回路220_1と制御回路220_2とが通信することで、パワースイッチSW1、SW2の協調スイッチ状態を決定する。協調スイッチ状態は、受電回路210_1の無線充電電力WPが生成する出力電圧値VO1を決定し、受電回路210_2の無線充電電力WPが生成する出力電圧値VO2も決定する。このようにして、制御回路220_1と制御回路220_2との間の通信に基づき、装置200_1、200_2のいずれも協調スイッチ状態を用いて電源仕様に準拠する出力電圧値VO1、VO2を得ることができる。このため、制御回路220_1と制御回路220_2との間の通信に基づき、装置200_1、200_2の充電時の相互の干渉を低減することができる。
【0015】
本実施形態において、装置200_1はバッテリモジュールBT1を更に含む。バッテリモジュールBT1は受電回路210_1に結合される。装置200_1の電源仕様に基づき、バッテリモジュールBT1は出力電圧値VO1を有する電力を蓄える。本実施形態において、バッテリモジュールBT1はアルミニウムイオン電池を含む。アルミニウムイオン電池は高い充放電率(Cレート)を有する。このため、バッテリモジュールBT1は急速充電の利点を達成することができる。また、装置200_1は更に、出力電圧値VO1の出力電力を用いて負荷要素(例えばモータ)を駆動する。
【0016】
装置200_1に類似し、装置200_2はバッテリモジュールBT2を更に含む。バッテリモジュールBT2は受電回路210_2に結合される。装置200_2の電源仕様に基づき、バッテリモジュールBT2は出力電圧値VO2を有する電力を蓄える。本実施形態において、バッテリモジュールBT2はアルミニウムイオン電池を含む。アルミニウムイオン電池は高い充放電率を有する。このため、バッテリモジュールBT2は急速充電の利点を達成することができる。また、装置200_2は更に、出力電圧値VO2の出力電力を用いて負荷要素を駆動する。
【0017】
本実施形態において、無線給電プラットフォーム100は、インバータ110と、共振回路120と、コイルLPとを含む。インバータ110は入力電力PSを受け取り、入力電力PSは変換電力PDに変換される。本実施形態において、インバータ110はフルブリッジインバータ回路であってよい。入力電力PSは直流電源である。変換電力PDは交流電源である。共振回路120はインバータ110に結合される。共振回路120は変換電力PDに共振動作を行うことで変換電力PGを生成する。コイルLPは共振回路120に結合される。コイルLPは変換電力PGを受け取り、変換電力PGに基づいて無線給電電力WPを出力する。本実施形態において、無線給電プラットフォーム100は磁界結合によって無線給電電力WPを受電回路210_1、210_2へ伝送する。
【0018】
本実施形態において、パワースイッチSW1、SW2はそれぞれ当業者の熟知するトランジスタスイッチによって実現されてよい。
【0019】
図2を参照し、図2は本発明の1つの実施形態に基づき図示した無線充電システムの回路図である。本実施形態において、無線充電システム20は、無線給電プラットフォーム300と、装置400_1、400_2とを含む。無線給電プラットフォーム300は、インバータ310と、共振回路320と、制御回路330と、コイルLPとを含む。インバータ310は制御回路330に制御されることで入力電力PSを受け取り、入力電力PSは変換電力PDに変換される。共振回路320はインバータ310に結合される。共振回路320は、変換電力PDに共振動作を行うことで変換電力PGを生成する。コイルLPは共振回路320に結合される。コイルLPは、変換電力PGに基づいて無線給電電力WPを出力する。
【0020】
本実施形態を例とし、共振回路320は、インダクタLRと、コンデンサCR1、CR2とを含む(本発明は共振回路320の回路の様態を限定しない)。インダクタLRの第1端子はインバータ310の第1出力端子に結合される。コンデンサCR1の第1端子はインダクタLRの第2端子に結合される。コンデンサCR1の第2端子はコイルLPの第1端子に結合される。コンデンサCR2の第1端子はインダクタLRの第2端子に結合される。コンデンサCR2の第2端子はコイルLPの第2端子及びインバータ310の第2出力端子に結合される。
【0021】
本実施形態において、装置400_1は、受電回路410_1と、パワースイッチSW1と、制御回路420_1とを含む。受電回路410_1は、コイルLS1と、共振回路411_1と、整流回路412_1とを含む。共振回路411_1はパワースイッチSW1及びコイルLS1に結合される。共振回路411_1はコイルLS1を介して無線給電電力WPを受け取り、無線給電電力WPを増幅することで変換電力PC1を生成する。整流回路412_1は共振回路411_1に結合される。整流回路412_1は、変換電力PC1を整流することで出力電圧値VO1を有する出力電力PO1を生成する。
【0022】
本実施形態を例とし、共振回路411_1はコンデンサCS1_1、CS2_1を含む。コンデンサCS1_1の第1端子はコイルLS1の第1端子に結合される。コンデンサCS1_1の第2端子はパワースイッチSW1の第1端子に結合される。コンデンサCS2_1の第1端子はコンデンサCS1_1の第2端子に結合される。コンデンサCS2_1の第2端子はコイルLS1の第2端子及びパワースイッチSW1の第2端子に結合される。パワースイッチSW1の制御端子は制御回路420_1に結合される。制御回路420_1は、スイッチ信号SSW1を用いてパワースイッチSW1の開閉状態を制御してよい。
【0023】
本実施形態において、パワースイッチSW1が遮断されたとき、共振回路411_1とコイルLS1は第1共振動作を行う。更に説明すると、パワースイッチSW1が遮断されたとき、コンデンサCS1_1、CS2_1とコイルLS1は受電回路410_1の第1共振動作を行う。
【0024】
一方、パワースイッチSW1が導通されたとき、共振回路411_1とコイルLS1は受電回路410_1の第2共振動作を行う。更に説明すると、パワースイッチSW1が導通されたとき、コンデンサCS2_1はバイパスされる。このため、コンデンサCS1_1とコイルLS1が受電回路410_1の第2共振動作を行う。また、受電回路410_1の第2共振動作中、コイルLS1はリレー共振コイルとされる。コイルLS1は、誘導した電力を誘導結合を通じて同一のフィールド内の他の装置(装置400_2を含む)に伝送することができる。
【0025】
なお、パワースイッチSW1の遮断又は導通は、受電回路410_1の共振動作に関与するコンデンサの数を決定する。受電回路410_1の第1共振動作中、2つのコンデンサCS1_1、CS2_1が共振動作に関与する。受電回路410_1の第2共振動作中、コンデンサCS1_1が共振動作に関与する。このため、受電回路410_1が第1共振動作中に生成するゲインは、受電回路410_1が第2共振動作中に生成するゲインよりも大きい。
【0026】
本実施形態において、装置400_2は、受電回路410_2と、パワースイッチSW2と、制御回路420_2とを含む。受電回路410_1は、コイルLS2と、共振回路411_2と、整流回路412_2とを含む。共振回路411_2はパワースイッチSW2とコイルLS2に結合される。共振回路411_2はコイルLS2を介して無線給電電力WPを受け取り、無線給電電力WPを増幅することで変換電力PC2を生成する。整流回路412_2は共振回路411_2に結合される。整流回路412_2は、変換電力PC2を整流することで出力電圧値VO2を有する出力電力PO2を生成する。
【0027】
本実施形態を例とし、共振回路411_2はコンデンサCS1_2、CS2_2を含む。コンデンサCS1_2の第1端子はコイルLS2の第1端子に結合される。コンデンサCS1_2の第2端子はパワースイッチSW2の第1端子に結合される。コンデンサCS2_2の第1端子はコンデンサCS1_1の第2端子に結合される。コンデンサCS2_2の第2端子はコイルLS2の第2端子及びパワースイッチSW2の第2端子に結合される。パワースイッチSW2の制御端子は制御回路420_2に結合される。制御回路420_2は、スイッチ信号SSW2を用いてパワースイッチSW2の開閉状態を制御してよい。
【0028】
本実施形態において、パワースイッチSW2が遮断されたとき、共振回路411_2とコイルLS2は第1共振動作を行う。更に説明すると、パワースイッチSW2が遮断されたとき、コンデンサCS1_2、CS2_2とコイルLS2は受電回路410_2の第1共振動作を行う。
【0029】
一方、パワースイッチSW2が導通されたとき、共振回路411_2とコイルLS2は受電回路410_2の第2共振動作を行う。更に説明すると、パワースイッチSW2が導通されたとき、コンデンサCS2_2はバイパスされる。このため、コンデンサCS1_2とコイルLS2が受電回路410_2の第2共振動作を行う。また、受電回路410_2の第2共振動作中、コイルLS2はリレー共振コイルとされる。コイルLS2は、誘導した電力を誘導結合を通じて同一のフィールド内の他の装置(装置400_1を含む)に伝送することができる。
【0030】
パワースイッチSW2の遮断又は導通は、受電回路410_2の共振動作に関与するコンデンサの数を決定する。受電回路410_2の第1共振動作中、2つのコンデンサCS1_2、CS2_2が共振動作に関与する。受電回路410_2の第2共振動作中、コンデンサCS1_2が共振動作に関与する。このため、受電回路410_2が第1共振動作中に生成するゲインは、受電回路410_2が第2共振動作中に生成するゲインよりも大きい。
【0031】
図2図3を同時に参照し、図3は本発明の異なる協調スイッチ状態における変換電力と出力電圧値の概略図である。本実施形態において、受電回路410_1が生成する出力電圧値VO1は、受電回路410_1が単位時間区間で無線給電電力WPに基づいて生成する平均電圧値である。受電回路410_2が生成する出力電圧値VO2は、受電回路410_2が単位時間区間で無線給電電力WPに基づいて生成する平均電圧値である。
【0032】
本実施形態を例とし、単位時間区間TD1において、スイッチ信号SSW1のデューティサイクルは30%である。スイッチ信号SSW2のデューティサイクルは70%である。パワースイッチSW1は、時点t0と時点t1との間に、第1電圧値(例えば高電圧値)を有するスイッチ信号SSW1に応じて導通される。このため、受電回路410_1は第2共振動作を実行する。受電回路410_1が第2共振動作で生成する変換電力PC1の電圧ピーク値は、概ね0ボルトに等しい(本発明はこれに限定されない)。また、コイルLS1はリレー共振コイルとされる。コイルLS1は、誘導した電力を誘導結合を通じて装置400_2に伝送することができる。
【0033】
パワースイッチSW2は、時点t0と時点t1との間に、第2電圧値(例えば低電圧値)を有するスイッチ信号SSW2に応じて遮断される。このため、受電回路410_2は第1共振動作を実行する。このとき、受電回路410_2が第1共振動作を実行したこととコイルLS1のリレー共振M1とに基づき、変換電力PC2は最大電圧ピーク値を有する。
【0034】
単位時間区間TD1において、パワースイッチSW2は、時点1と時点2との間に、第1電圧値を有するスイッチ信号SSW2に応じて導通される。このため、受電回路410_2は第2共振動作を実行する。受電回路410_2が第2共振動作で生成する変換電力PC2の電圧ピーク値は、概ね0ボルトに等しい(本発明はこれに限定されない)。また、コイルLS2はリレー共振コイルとされる。コイルLS2は、誘導した電力を誘導結合を通じて装置400_1に伝送することができる。
【0035】
パワースイッチSW1は、時点t1と時点t2との間に、第2電圧値を有するスイッチ信号SSW1に応じて遮断される。このため、受電回路410_1は第1共振動作を実行する。このとき、受電回路410_1が第1共振動作を実行したこととコイルLS2のリレー共振M2とに基づき、変換電力PC1は最大電圧ピーク値を有する。
【0036】
出力電圧値VO1_1は、受電回路410_1が単位時間区間TD1で生成する平均電圧値である。出力電圧値VO2_1は、受電回路410_2が単位時間区間TD1で生成する平均電圧値である。単位時間区間TD1において、出力電圧値VO1_1は出力電圧値VO2_1よりも高い。
【0037】
単位時間区間TD2において、スイッチ信号SSW1のデューティサイクルは50%である。スイッチ信号SSW2のデューティサイクルは50%である。パワースイッチSW1は、時点t2と時点t3との間に、第1電圧値を有するスイッチ信号SSW1に応じて導通される。このため、受電回路410_1は第2共振動作を実行する。受電回路410_1が第2共振動作で生成する変換電力PC1の電圧ピーク値は、概ね0ボルトに等しい。また、コイルLS1はリレー共振コイルとされる。コイルLS1は、誘導した電力を誘導結合を通じて装置400_2に伝送することができる。
【0038】
パワースイッチSW2は、時点t2と時点t3との間に、第2電圧値を有するスイッチ信号SSW2に応じて遮断される。このため、受電回路410_2は第1共振動作を実行する。このとき、受電回路410_2が第1共振動作を実行したこととコイルLS1のリレー共振M1に基づき、変換電力PC2は最大電圧ピーク値を有する。
【0039】
単位時間区間TD2において、パワースイッチSW2は、時点t3と時点t4との間に、第1電圧値を有するスイッチ信号SSW2に応じて導通される。このため、受電回路410_2は第2共振動作を実行する。受電回路410_2が第2共振動作で生成する変換電力PC2の電圧ピーク値は、概ね0ボルトに等しい(本発明はこれに限定されない)。また、コイルLS2はリレー共振コイルとされる。コイルLS2は、誘導した電力を誘導結合を通じて装置400_1に伝送することができる。
【0040】
パワースイッチSW1は、時点t3とt4との間に、第2電圧値を有するスイッチ信号SSW1に応じて遮断される。このため、受電回路410_1は第1共振動作を実行する。このとき、受電回路410_1が第1共振動作を実行したこととコイルLS2のリレー共振M2とに基づき、変換電力PC1は最大電圧ピーク値を有する。
【0041】
出力電圧値VO1_2は、受電回路410_1が単位時間区間TD2で生成する平均電圧値である。出力電圧値VO2_2は、受電回路410_2が単位時間区間TD2で生成する平均電圧値である。注意すべき点として、単位時間区間TD1、TD2、出力電圧値VO1_1、VO1_2は同一ではない。出力電圧値VO1_1、VO1_2は、パワースイッチSW1が単位時間区間TD1、TD2において遮断状態とされた時間長と正の相関があり、パワースイッチSW2が単位時間区間TD1、TD2において遮断状態とされた時間長と負の相関がある。同様に、出力電圧値VO2_1、VO2_2は同一ではない。出力電圧値VO2_1、VO2_2は、パワースイッチSW2が単位時間区間TD1、TD2において遮断状態とされた時間長と正の相関があり、パワースイッチSW1が単位時間区間TD1、TD2において遮断状態とされた時間長と負の相関がある。ここから分かるように、出力電圧値VO1_1、VO1_2、VO2_1、VO2_2は、スイッチ信号SSW1、SSW2のデューティサイクルによって決定されてよい。
【0042】
単位時間区間TD3において、スイッチ信号SSW1のデューティサイクルは50%である。スイッチ信号SSW2のデューティサイクルは40%である。このため、単位時間区間TD3はデッドタイム区間を有する。デッドタイム区間の時間長は、単位時間区間TD3の時間長の10%である。パワースイッチSW1は、時点t4と時点t5との間、導通される。このため、受電回路410_1は第2共振動作を実行する。受電回路410_1が第2共振動作で生成する変換電力PC1の電圧ピーク値は、概ね0ボルトに等しい。また、コイルLS1はリレー共振コイルとされる。コイルLS1は、誘導した電力を誘導結合を通じて装置400_2に伝送することができる。
【0043】
パワースイッチSW2は、時点t4と時点t5との間、遮断される。このため、受電回路410_2は第1共振動作を実行する。このとき、受電回路410_2が第1共振動作を実行したこととコイルLS1のリレー共振M1とに基づき、変換電力PC2は最大電圧ピーク値を有する。
【0044】
時点t5と時点t6との間のデッドタイム区間において、スイッチ信号SSW1、SSW2はいずれも遮断される。このため、受電回路410_1、410_2は第1共振動作を実行する。変換電力PC1の電圧ピーク値は、変換電力PC2の電圧ピーク値と概ね同一である(本発明はこれに限定されない)。換言すれば、デッドタイム区間において、無線給電電力WPは受電回路410_1、410_2に均等に分配される。
【0045】
単位時間区間TD3において、パワースイッチSW2は、時点t6と時点t7との間、導通される。このため、受電回路410_2は第2共振動作を実行する。受電回路410_2が第2共振動作で生成する変換電力PC2の電圧ピーク値は、概ね0ボルトに等しい(本発明はこれに限定されない)。また、コイルLS2はリレー共振コイルとされる。コイルLS2は、誘導した電力を誘導結合を通じて装置400_1に伝送することができる。
【0046】
パワースイッチSW1は、時点t6と時点t7との間、遮断される。このため、受電回路410_1は第1共振動作を実行する。このとき、受電回路410_1が第1共振動作を実行したこととコイルLS2のリレー共振M2とに基づき、変換電力PC1は最大電圧ピーク値を有する。
【0047】
単位時間区間TD2と比較し、単位時間区間TD3はデッドタイム区間を有する。このため、出力電圧値VO1_3は出力電圧値VO1_2よりも低い。このため、出力電圧値VO2_3は出力電圧値VO2_2よりも高い。換言すれば、デッドタイム区間の時間長は、出力電圧値VO1_3、VO2_3を決定することができる。
【0048】
単位時間区間TD4において、スイッチ信号SSW1のデューティサイクルは50%である。スイッチ信号SSW2のデューティサイクルは20%である。このため、単位時間区間TD4はデッドタイム区間を有する。デッドタイム区間の時間長は、単位時間区間TD4の時間長の30%である。パワースイッチSW1は、時点t7と時点t8との間、導通される。このため、受電回路410_1は第2共振動作を実行する。受電回路410_1が第2共振動作で生成する変換電力PC1の電圧ピーク値は、概ね0ボルトに等しい。また、コイルLS1はリレー共振コイルとされる。コイルLS1は、誘導した電力を誘導結合を通じて装置400_2に伝送することができる。
【0049】
パワースイッチSW2は、時点t7と時点t8との間、遮断される。このため、受電回路410_2は第1共振動作を実行する。このとき、受電回路410_2が第1共振動作を実行したこととコイルLS1のリレー共振M1とに基づき、変換電力PC2は最大電圧ピーク値を有する。
【0050】
時点t8と時点t9との間のデッドタイム区間において、スイッチ信号SSW1、SSW2はいずれも遮断される。このため、受電回路410_1、410_2は第1共振動作を実行する。変換電力PC1の電圧ピーク値は、変換電力PC2の電圧ピーク値と概ね同一である(本発明はこれに限定されない)。換言すれば、デッドタイム区間において、無線給電電力WPは受電回路410_1、410_2に均等に分配される。
【0051】
単位時間区間TD4において、パワースイッチSW2は、時点t9と時点t10との間、導通される。このため、受電回路410_2は第2共振動作を実行する。受電回路410_2が第2共振動作で生成する変換電力PC2の電圧ピーク値は、概ね0ボルトに等しい(本発明はこれに限定されない)。また、コイルLS2はリレー共振コイルとされる。コイルLS2は、誘導した電力を誘導結合を通じて装置400_1に伝送することができる。
【0052】
パワースイッチSW1は、時点t9と時点t10との間、遮断される。このため、受電回路410_1は第1共振動作を実行する。このとき、受電回路410_1が第1共振動作を実行したこととコイルLS2のリレー共振M2とに基づき、変換電力PC1は最大電圧ピーク値を有する。
【0053】
単位時間区間TD3と比較し、単位時間区間TD4はデッドタイム区間を有する。このため、出力電圧値VO1_4は出力電圧値VO1_3よりも低い。このため、出力電圧値VO2_4は出力電圧値VO2_3よりも高い。
【0054】
本実施形態において、スイッチ信号SSW1、SSW2はそれぞれパルス幅変調(pulse-width modulation、PWM)信号であってよい。スイッチ信号SSW1、SSW2のデューティサイクルは、出力電圧値VO1_1~VO1_4、VO2_1~VO2_4を決定するために用いられることができる。
【0055】
図2の実施形態に戻り、本実施形態において、受電回路410_1はフィルタ回路413_1を更に含む。フィルタ回路413_1は整流回路412_1に結合される。フィルタ回路413_1は、出力電力PO1のノイズをフィルタリングする。フィルタ回路413_1は、ローパスフィルタによって実施されてよい。例を挙げると、フィルタ回路413_1は、インダクタLF1と、コンデンサCF1とを含む。インダクタLF1は、受電回路410_1の第1出力端子と整流回路412_1の第1端子との間に結合される。コンデンサCF1の第1端子は、受電回路410_1の第1出力端子に結合される。コンデンサCF1の第2端子は、受電回路410_1の第2出力端子と整流回路412_1の第2端子に結合される。受電回路410_2はフィルタ回路413_2を更に含む。フィルタ回路413_2は整流回路412_2に結合される。フィルタ回路413_2は、出力電力PO2のノイズをフィルタリングする。フィルタ回路413_2は、ローパスフィルタによって実施されてよい。例を挙げると、フィルタ回路413_2は、インダクタLF2と、コンデンサCF2とを含む。インダクタLF2は、受電回路410_2の第1出力端子と整流回路412_2の第1端子との間に結合される。コンデンサCF2の第1端子は、受電回路410_2の第1出力端子に結合される。コンデンサCF2の第2端子は、受電回路410_2の第2出力端子と整流回路412_2の第2端子に結合される。
【0056】
いくつかの実施形態において、パワースイッチSW1の第1端子はコンデンサCS1_1の第1端子に結合される。パワースイッチSW1の第2端子はコンデンサCS1_1の第2端子に結合される。パワースイッチSW1が導通されたとき、コンデンサCS1_1はバイパスされる。いくつかの実施形態において、パワースイッチSW2の第1端子はコンデンサCS1_2の第1端子に結合される。パワースイッチSW2の第2端子はコンデンサCS1_2の第2端子に結合される。パワースイッチSW2が導通されたとき、コンデンサCS1_2はバイパスされる。
【0057】
いくつかの実施形態において、パワースイッチSW1の第1端子はコンデンサCS2_1の第2端子に結合される。パワースイッチSW1の第2端子はコイルLS1の第2端子に結合される。いくつかの実施形態において、パワースイッチSW2の第1端子はコンデンサCS2_2の第2端子に結合される。パワースイッチSW2の第2端子はコイルLS2の第2端子に結合される。
【0058】
図2図3図4を同時に参照し、図4は本発明の1つの実施形態に基づき図示したゲイン図である。図4は、装置400_1の異なる負荷条件におけるゲインAG1を示している。図4の状況は、装置400_1がフィールド内に存在し、装置400_2がフィールド内に存在しない状況であってよい。本実施形態において、負荷条件CD1の負荷は負荷条件CD2の負荷よりも重い。負荷条件CD2の負荷は負荷条件CD3の負荷よりも重い。負荷条件CD3の負荷は負荷条件CD4の負荷よりも重い。負荷条件CD4において、装置400_1の共振周波数FSにおけるゲインは23倍である。本実施形態の共振周波数FSは、例えば69kHzである(本発明は共振周波数FSを限定しない)。
【0059】
図2図3図5を同時に参照し、図5は本発明の1つの実施形態に基づき図示した第1協調スイッチ状態におけるゲイン図である。図5は、装置400_1の異なる負荷条件におけるゲインAG1と、装置400_2の異なる負荷条件におけるゲインAG2を示している。第1協調スイッチ状態は、装置400_1、400_2のデッドタイム区間における協調スイッチ状態であってよい。デッドタイム区間は時点t5と時点t6との間であってよい。デッドタイム区間は時点t8と時点t9との間であってよい。本実施形態において、負荷条件CD1の負荷は負荷条件CD2の負荷よりも重い。負荷条件CD2の負荷は負荷条件CD3の負荷よりも重い。負荷条件CD3の負荷は負荷条件CD4の負荷よりも重い。負荷条件CD4において、装置400_1の共振周波数FSにおけるゲインは12倍である。
【0060】
図2図3図6を同時に参照し、図6は本発明の1つの実施形態に基づき図示した第2協調スイッチ状態におけるゲイン図である。図6は、装置400_1の異なる負荷条件におけるゲインAG1を示している。第2協調スイッチ状態は、スイッチSW1が遮断され、スイッチSW2が導通されたスイッチ状態であってよい。本実施形態において、負荷条件CD1の負荷は負荷条件CD2の負荷よりも重い。負荷条件CD2の負荷は負荷条件CD3の負荷よりも重い。負荷条件CD3の負荷は負荷条件CD4の負荷よりも重い。負荷条件CD4において、装置400_1の共振周波数FSにおけるゲインは18倍である。
【0061】
ここから分かるように、ゲインAG1、AG2は異なる協調スイッチ状態に基づき調整されてよい。
【0062】
図2図7を同時に参照し、図7は本発明の1つの実施形態に基づき図示した無線充電システムの通信図である。本実施形態において、図7は制御回路330、420_1、420_2を示している。
【0063】
本実施形態において、制御回路420_1は、処理回路421_1と、駆動回路422_1とを含む。処理回路421_1と制御回路420_2は無線通信を行うことで制御信号SC1を生成する。駆動回路422_1は、処理回路421_1と、パワースイッチSW1の制御端子とに結合される。駆動回路422_1は、制御信号SC1に応じてパワースイッチSW1のスイッチ状態を決定する。
【0064】
制御回路420_1はフィードバック回路423_1を更に含む。フィードバック回路423_1は、処理回路421_1と受電回路410_1とに結合される。フィードバック回路423_1は出力電圧値VO1を受け取る。フィードバック回路423_1は、出力電圧値VO1が装置400_1の電源仕様に準拠するか否かを判定する。出力電圧値VO1が装置400_1の電源仕様に準拠しない場合、フィードバック回路423_1は処理回路421_1にフィードバック信号SF1を提供する。処理回路421_1は、フィードバック信号SF1に基づいて制御信号SC1を調整する。このため、パワースイッチSW1のスイッチ状態が対応して調整され、これにより出力電圧値VO1を装置400_1の電源仕様に準拠させることができる。いくつかの実施形態において、フィードバック回路423_1は、出力電圧値VO1及び変換電力PC1の電流値が装置400_1の電源仕様に準拠するか否かを判定する。出力電圧値VO1及び変換電力PC1の電流値のうちの少なくとも一方が装置400_1の電源仕様に準拠しない場合、フィードバック回路423_1は処理回路421_1にフィードバック信号SF1を提供する。
【0065】
本実施形態において、制御回路420_2は、処理回路421_2と、駆動回路422_2とを含む。処理回路421_2と制御回路420_1は無線通信を行うことで制御信号SC2を生成する。駆動回路422_2は、処理回路421_2と、パワースイッチSW2の制御端子とに結合される。駆動回路422_2は、制御信号SC2に応じてパワースイッチSW2のスイッチ状態を決定する。
【0066】
制御回路420_2はフィードバック回路423_2を更に含む。フィードバック回路423_2は、処理回路421_2と受電回路410_2とに結合される。フィードバック回路423_2は出力電圧値VO2を受け取る。フィードバック回路423_2は、出力電圧値VO2が装置400_2の電源仕様に準拠するか否かを判定する。出力電圧値VO2が装置400_2の電源仕様に準拠しない場合、フィードバック回路423_2は処理回路421_2にフィードバック信号SF2を提供する。処理回路421_2は、フィードバック信号SF2に基づいて制御信号SC2を調整する。このため、パワースイッチSW2のスイッチ状態が対応して調整され、これにより出力電圧値VO2を装置400_2の電源仕様に準拠させることができる。いくつかの実施形態において、フィードバック回路423_2は、出力電圧値VO2及び変換電力PC2の電流値が装置400_2の電源仕様に準拠するか否かを判定する。出力電圧値VO2及び変換電力PC2の電流値のうちの少なくとも一方が装置400_2の電源仕様に準拠しない場合、フィードバック回路423_2は処理回路421_2にフィードバック信号SF2を提供する。
【0067】
本実施形態において、制御回路330は、処理回路331と、駆動回路332と、フィードバック回路333とを含む。処理回路331と処理回路421_1、421_2は無線通信を行うことで制御信号SC0を生成する。駆動回路332は処理回路331とインバータ310とに結合される。駆動回路332は、制御信号SC0に応じて動作信号ST1~ST4を提供することでインバータ310を制御する。このため、無線給電プラットフォーム300は、処理回路331と処理回路421_1、421_2との間の無線通信に基づいて、対応する無線給電電力WPを提供してよい。
【0068】
フィードバック回路333は処理回路331に結合される。フィードバック回路423_2は、入力電力PSと変換電力PDのうちの少なくとも一方を受け取る。フィードバック回路423_2は、入力電力PSと変換電力PDのうちの少なくとも一方に基づいてフィードバック信号SF0を提供する。例を挙げると、フィードバック回路423_2は、入力電力PSの電圧値又は変換電力PDの電圧値のうちの少なくとも一方に基づいてフィードバック信号SF0を提供する。処理回路331は、フィードバック信号SF0に基づいて制御信号SC0を調整する。このため、変換電力PDを安定させることができる。
【0069】
本実施形態において、処理回路331、421_1、421_2はそれぞれ、例えば、中央処理装置(CPU)、又は他のプログラム可能な汎用又は特殊用途向けマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、DSP)、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)、又は他の類似のデバイス、又はコンピュータプログラムをロードして実行することのできるデバイスの組合せである。また、処理回路331、421_1、421_2は、任意の無線通信プロトコルを用いて通信してよい。例えば、処理回路331、421_1、421_2は、ブルートゥース(登録商標)通信プロトコルを用いて通信してよい(本発明はこれに限定されない)。
【0070】
上記をまとめると、第1装置は、第1受電回路と、第1パワースイッチと、第1制御回路とを含む。第2装置は、第2受電回路と、第2パワースイッチと、第2制御回路とを含む。第1制御回路と第2制御回路が通信することで、第1パワースイッチ及び第2パワースイッチの協調スイッチ状態を決定する。協調スイッチ状態は、第1受電回路が無線給電電力に基づいて生成した第1出力電圧値と、第2受電回路が無線給電電力に基づいて生成した第2出力電圧値とを決定する。このようにして、第2制御回路と第1制御回路との間の通信に基づいて、第1装置と第2装置はいずれも協調スイッチ状態を用いて電源仕様に準拠する出力電圧値を得ることができる。
【0071】
本発明を実施形態にて上記のように開示したが、本願を限定するために用いられるものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、いくつかの改変と変更を加えることができることは明らかであり、故に本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されるものに準ずる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は無線充電システムを提供し、本発明の無線充電システムは充電される装置の無線充電の際の安定性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0073】
10、20:無線充電システム
100、300:無線給電プラットフォーム
110、310:インバータ
120、320:共振回路
200_1、200_2、400_1、400_2:裝置
210_1、210_2、410_1、410_2:受電回路
220_1、220_2、420_1、420_2:制御回路
330:制御回路
331、421_1、421_2:処理回路
332、422_1、422_2:駆動回路
333、423_1、423_2:フィードバック回路
411_1、411_2:共振回路
412_1、411_2:整流回路
413_1、413_2:フィルタ回路
AG1、AG2:ゲイン
BT1、BT2:バッテリモジュール
CF1、CF2、CR1、CR2、CS1_1、CS2_1、CS1_2、CS2_2:コンデンサ
CD1、CD2、CD3、CD4:負荷条件
LP、LS1、LS2:コイル
LF1、LF2、LR:インダクタ
FS:共振周波数
M1、M2:リレー共振
PC1、PC2、PD:変換電力
PO1、PO2:出力電力
PS:入力電力
SC0、SC1、SC2:制御信号
SF0、SF1、SF2:フィードバック信号
ST1~ST4:動作信号
SSW1、SSW2:スイッチ信号
SW1、SW2:パワースイッチ
t0~t10:時点
TD1、TD2、TD3、TD4:単位時間区間
VO1、VO1_1~VO1_4、VO2、VO2_1~VO2_4:出力電圧値
WP:無線給電電力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】