(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163043
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ケーブル加工機及びケーブル加工機の運転方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/052 20060101AFI20241114BHJP
H02G 1/14 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01R43/052
H02G1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024073788
(22)【出願日】2024-04-30
(31)【優先権主張番号】23172297.6
(32)【優先日】2023-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506058451
【氏名又は名称】コマックス ホルディング アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】KOMAX HOLDING AG
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ ウェバー
【テーマコード(参考)】
5E063
5G355
【Fターム(参考)】
5E063CA07
5E063CB09
5E063CB19
5E063CC04
5G355BA08
5G355CA04
5G355CA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】圧着端子におけるケーブル端部の確実な位置合わせを保証できるケーブル加工機を提供する。
【解決手段】ケーブル加工機100は、圧着プレス150であって、圧着プレスに配置された圧着端子の圧着操作をケーブルの端部領域に対して実行することができる加工位置を備える圧着プレスと、ケーブルの端部領域を把持するケーブルホルダ125を有するケーブル供給装置120と、検出位置で圧着プレスに固定されたケーブル先端センサであって、検出位置は加工位置とは異なり、加工位置と既知の位置関係を有し、センサ面において、ケーブル先端を検出するように構成されたケーブル先端センサと、を有し、ケーブル供給装置は、ケーブルの端部領域を検出位置に移動させ、そこでケーブル先端がセンサ面で検出されるまでケーブル先端をセンサ面に向かって前進させ、その後、ケーブルの端部領域を圧着プレスの加工位置に移動させるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧着プレス(150)であって、前記圧着プレス(150)に配置された圧着端子(20)の圧着操作をケーブル(10)の端部領域(11)に対して実行することができる加工位置(P)を備える圧着プレス(150)と、
前記ケーブル(10)の前記端部領域(11)を把持するように構成されたケーブルホルダ(125)を有するケーブル供給装置(120)と、
検出位置(E)で前記圧着プレス(150)に固定されたケーブル先端センサ(160)であって、前記検出位置(E)は前記加工位置(P)とは異なり、前記加工位置(P)と既知の位置関係を有し、前記ケーブル先端センサ(160)のセンサ面(162)において、前記ケーブル(10)の前記端部領域(11)のケーブル先端(15)を検出するように構成されたケーブル先端センサ(160)と、を有し、
前記ケーブル供給装置(120)は、前記ケーブル(10)の前記端部領域(11)を前記検出位置(E)に移動させ、そこで前記ケーブル先端(15)が前記センサ面(162)で検出されるまで前記ケーブル先端(15)を前記ケーブル先端センサ(160)の前記センサ面(162)に向かって前進させ、その後、前記ケーブル(10)の前記端部領域(11)を前記圧着プレス(150)の前記加工位置(P)に移動させるように構成されている、ケーブル加工機(100)。
【請求項2】
前記ケーブル供給装置(120)はピボットアーム(121)を備える、請求項1に記載のケーブル加工機(100)。
【請求項3】
前記検出位置(E)への移動および前記加工位置(P)への移動はそれぞれ、前記ピボットアーム(121)によって前記ケーブル(10)の前記端部領域(11)を回転させることを含む、請求項2に記載のケーブル加工機(100)。
【請求項4】
前記圧着プレス(150)は、固定圧着工具部(151)と可動圧着工具部(152)とを備える、請求項1に記載のケーブル加工機(100)。
【請求項5】
前記ケーブル先端センサ(160)は、廃棄チャネル(170)に一体化されており、前記廃棄チャネル(170)は、圧着操作中に生じる圧着端子の廃棄片を収容するように構成されている、請求項1に記載のケーブル加工機(100)。
【請求項6】
前記ケーブル先端センサ(160)は、挿入されたケーブル先端(15)を前記センサ面(162)に向けて誘導するように設計された挿入外形(161)を有する、請求項1に記載のケーブル加工機(100)。
【請求項7】
前記ケーブル先端センサ(160)は、静電容量またはインダクタンスを測定するための接触面(163)を前記センサ面(162)に備える、請求項1に記載のケーブル加工機(100)。
【請求項8】
前記ケーブル先端センサ(160)は、前記ケーブル先端(15)を検出するための光検出器を前記センサ面(162)に備える、請求項1に記載のケーブル加工機(100)。
【請求項9】
請求項1に記載のケーブル加工機(100)を運転する方法であって、
前記ケーブル(10)の前記端部領域(11)を前記検出位置(E)に移動、特に回転させ、
前記検出位置(E)において、前記ケーブル先端(15)を前記ケーブル先端センサ(160)の前記センサ面(162)の方向に前進させ、
前記ケーブル(10)の前記端部領域(11)を前記加工位置(P)に移動、特に回転させることを含む方法。
【請求項10】
前記検出位置に移動する前に、
外形接触面(191)および外形側面(192)を備えた検出外形(190)を有するセットアップゲージ(180)を前記加工位置(P)に取り付け、
前記ケーブル供給装置(120)の前記ケーブルホルダ(125)に検出マンドレル(80)を取り付け、
前記ケーブル供給装置(120)によって、前記検出マンドレル(80)を前記外形接触面(191)に到達するまで移動させ、前記加工位置(P)における供給終了点を決定し、
前記ケーブル供給装置(120)によって、前記検出マンドレル(80)を前記外形側面(192)に到達するまで移動させ、前記加工位置(P)における前記ケーブル供給装置(120)の角度を決定し、
前記ケーブル供給装置(120)によって、前記検出マンドレル(80)を前記検出位置(E)に移動させ、特に、前記検出マンドレルを前記ケーブル先端センサ(160)の前記センサ面(162)の方向に前進させて、前記検出位置(E)における供給終了点を決定することを、さらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル加工機及びケーブル加工機の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧着接続の品質のためには、圧着される圧着端子に挿入されるケーブル端部のケーブル先端が、圧着端子とまたは圧着端子内に、比較的正確に位置合わせされることが望ましい。特に、ケーブル先端は長手方向(いわゆる挿入深さ)にできるだけ正確に位置決めされることが望ましい。長手方向に許容できる偏差は、例えば0.1mmの範囲である。
【0003】
EP3247007B1には、圧着工具を保持し、調整ゲージに対して固定された所定の位置に圧着工具を位置合わせするためのアダプタプレート調整ゲージシステムが開示されている。既知のシステムのアダプタプレートは、ケーブル先端が圧着工具内にある程度の精度で配置されるように、手動で移動されて固定される。
【0004】
WO2021148981A1には、ケーブル加工機構を備えたケーブル機械が開示されており、ケーブル端部の画像認識支援による位置決めを行うことができるようにするために、挿入されたケーブルのケーブル端部の画像を検出するための撮像センサ装置が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP3247007B1
【特許文献2】WO2021148981A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
挿入深さは生産中にある程度変化するだけでなく、時間に依存した位置の変化(ドリフト)も起こることが示されている。このドリフトは、機械フレームの熱による膨張によるものと考えられる。
【0007】
EP3247007B1で知られているアダプタプレート調整ゲージシステムでは、このようなドリフトを考慮することができない。なぜなら、既知のアダプタプレート調整ゲージシステムは、生産動作中のケーブル先端の空間的位置の変化を検出して修正するのに適していないためである。
【0008】
WO2021148981A1で知られている技術は、光学センサとそれに関連する複雑な照明を、信頼性の高い検出を確実にする位置の十分近くに取り付けるには非常に費用がかかるため、実際に実施するのは困難である。画像認識支援による位置決めの過程での画像評価も計算量が多く時間がかかり、高性能なハードウェアの追加が必要になる。
【0009】
したがって、本発明の目的は、変化する環境条件下でも、圧着端子におけるケーブル端部の確実な位置合わせ、特に長手方向の位置合わせが保証される、ケーブル加工機またはケーブル加工機の運転方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載のケーブル加工機及び請求項9に記載のケーブル加工機の運転方法が提供される。
【0011】
一態様によれば、ケーブル加工機は、圧着プレス、ケーブル供給装置、およびケーブル先端センサを備える。圧着プレスは、圧着プレス内(例えば、圧着プレスの圧着工具または圧着工具部内)に配置された圧着端子の圧着操作をケーブルの端部に対して実行できる加工位置を備える。ケーブル供給装置は、ケーブルの端部領域を保持するケーブルホルダを備える。例えば、ケーブルホルダは、ケーブルを把持するためのケーブルグリッパとして設計されている。特に、ケーブルの端部領域は、ケーブルの長手方向軸が実質的に平面内に延びるケーブルの領域を含む。ケーブル先端センサは検出位置に固定されており、検出位置は加工位置とは異なる。検出位置は、加工位置に対して既知の位置関係を有し、その位置関係は、例えば、方向および距離を含み、したがって、ベクトル量を表す。ケーブル先端センサは、ケーブル先端センサのセンサ面において、ケーブルの端部領域に位置するケーブル先端の有無を検出するように構成されている。ケーブル供給装置は、ケーブルの端部領域を検出位置まで移動させ、ケーブル先端がセンサ面内で検出されるまでケーブル先端をケーブル先端センサのセンサ面の方向に移動させ、その後、ケーブルの端部領域を圧着プレスの加工位置まで移動させるように構成されている。ケーブル先端のセンサ面方向への移動は、特に、ケーブルの端部領域の長手方向軸に沿った実質的に直線的な移動を含む。
【0012】
加工位置は、例えば、加工点または複数の点からなる加工領域を含み、圧着工具は、圧着端子がケーブル端部に固定(圧着)されるように、加工位置で圧着端子に作用する。セットアップ位置は、例えば、セットアップ点または複数の点からなるセットアップ領域を含み、ケーブル端部のケーブル先端の初期位置は、その後の圧着工程のためにセットアップ位置に設定または確保される。
【0013】
加工位置とセットアップ位置との間の既知の位置関係によって、例えば、加工位置への移動の目標値を決定または修正することが可能である。
【0014】
一態様によれば、本明細書に記載されるように構成されたケーブル加工機を運転する方法は、ケーブルの端部領域を検出位置に移動、特に回転させること、ケーブルの先端をケーブル先端センサのセンサ面の方向に移動、特に前進させること、およびケーブルの端部領域を加工位置に移動、特に回転させることを含む。
【0015】
有利なさらなる展開は従属請求項に記載されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、ケーブル供給装置はピボットアームを備える。検出位置への移動および加工位置への移動はそれぞれ、例えば、ピボットアームによる回転を含む。ただし、本開示は、ピボットアーム型のケーブル加工機に限定されない。例えば、搬送型のケーブル加工機も使用可能である。搬送型ケーブル加工機の場合、検出位置への移動および加工位置への移動は、例えば、ケーブル軸に垂直な直線移動を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、圧着工具は、固定圧着工具部と可動圧着工具部とを含む。言い換えれば、圧着工具は分割型であってもよい。ただし、本開示は分割型の圧着工具に限定されない。例えば、一体型の圧着工具や圧着プレスも提供できる。
【0018】
いくつかの実施形態では、ケーブル先端センサは、ケーブル加工機の廃棄チャネルと一体化することができる。廃棄チャネルは、圧着工程中に蓄積される、端子片を保持する部分(contact strip carrier pieces)などの圧着端子廃棄片を収容するために使用される。ここで、例えば、ピボット型ケーブル加工機では、圧着端子が設けられたケーブルの端部領域は、圧着工程後に、ケーブル先端センサの上方に離れるように回転させることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、ケーブル先端センサは、挿入されたケーブル先端をセンサ面に向かって誘導するように設計された挿入外形を備える。例えば、挿入外形は漏斗状になっており、例えばケーブルが端部領域でわずかに曲がっている場合でも、ケーブル先端がセンサ面に安全に到達する。この場合は検出が行われないため、端部領域が曲がり過ぎているかどうかを簡単に確認することもできる。
【0020】
いくつかの実施形態では、ケーブル先端センサはセンサ面内に接触面を備える。接触面は、例えば、導電性接触面に接続された適切な測定電子機器による、静電容量またはインダクタンスの測定のために構成される。特に、ケーブル先端センサは、接触面を使用して、ケーブル先端の接触面との接触に伴う静電容量またはインダクタンスの変化を検出する。静電容量またはインダクタンスの変化が検出された時には、ケーブル先端がセンサ面に到達している。
【0021】
あるいは、いくつかの実施形態では、ケーブル先端センサは、ケーブル先端を検出するためのセンサ面内の光検出器、例えば、ラインセンサまたは光バリアを含むが、これらに限定されない。ケーブル先端が検出された時には、ケーブル先端がセンサ面に到達している。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法は、検出位置に移動する前に、較正工程をさらに含み、較正工程は、加工位置にセットアップゲージを取り付けること、ケーブル供給装置のケーブルホルダに検出マンドレルを取り付けること、検出マンドレルを移動させて加工位置での供給終了点を決定すること、検出マンドレルを移動させて加工位置でのケーブル供給装置の角度を決定すること、および検出マンドレルを移動させて検出位置での供給終了点を決定することを含む。セットアップゲージは、外形接触面と外形側面を備えた検出外形を有する。加工位置での供給終了点を決定するために、検出マンドレルは、接触面に到達するまで、特に接触面と接触するまで、外形接触面の方向に移動、特に前進させられる。加工位置におけるケーブル供給装置の角度を決定するために、検出マンドレルは、それぞれの外形側面に到達するまで、特に接触するまで、各外形側面の方向に移動される。検出位置での供給終了点を決定するために、検出マンドレルは、センサ面に到達するまで、特にセンサ面と接触するまで、センサ面の方向に移動、特に前進させられる。
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施形態に係るケーブル加工機の斜視図である。
【
図2】ケーブルの端部領域が挿入された圧着端子の平面図である。
【
図3】
図1のケーブル加工機の一部の斜視図である。
【
図4】
図1のケーブル加工機の一部の上面図である。
【
図5】
図1のケーブル加工機の一部の斜視図である。
【
図6】較正工程中の
図1のケーブル加工機の一部の斜視図である。
【
図7】較正工程中の
図1のケーブル加工機の一部の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面は例示であり、縮尺通りではない。同一または同様に動作する機能は、図面中に同一の参照符号を付しており、それらの重複した説明は省略する。実施形態の特徴は、必要に応じて適宜組み合わせたり省略したりすることができる。
【0026】
図1は、ケーブル加工機100の斜視図を示す。機械フレーム110にはケーブル供給装置120が固定されており、このケーブル供給装置120は、本実施形態では、限定するものではないが、一例として、ピボットアーム121として設計されている。ピボットアーム121にはケーブルホルダ125が固定されており、このケーブルホルダ125は、本実施形態では、限定するものではないが、一例として、ケーブルグリッパとして設計されている。ケーブルホルダ125は、挿入されたケーブル10をその端部領域11で保持する。端部領域11では、ケーブル先端15がケーブル10の終端を形成する。ケーブル加工機100は、圧着プレス150をさらに備えており、この圧着プレス150は、ここでは、固定(下部)工具部151と可動(上部)工具部152とを備えた2部構成のプレスとして例示的に設けられている。可動工具部152は、ケーブル10の端部領域11に圧着端子を固定(圧着)するために、圧着プレス150によって固定工具部151に向かって移動させることができる。
【0027】
図2は、圧着端子20に挿入されたケーブル10のケーブル端部11の拡大図を示す。圧着領域21は、ケーブル端部11と圧着端子20との間を押圧して接続(圧着)するために使用される。ケーブル端部11の終端を形成するケーブル先端15は、圧着領域21に対して挿入深さTの位置に配置される。圧着端子20が使用可能に圧着されるには、例えば、挿入深さTの精度が0.1mm以下であることが求められる。
【0028】
図3は、
図1のケーブル加工機100の一部を拡大した斜視図である。一例として、限定するものではないが、図示の例では、ケーブル先端センサ160は、圧着プレス150の廃棄チャネル170上の圧着プレス150に取り付けられている。
図4の平面図から分かるように、ケーブル先端センサは、挿入外形161(ここでは一例として漏斗状)と、センサ面162(ここでは一例として接触面163)とを備えている。検出位置E(例えば検出点)は、ケーブル10の長手方向ケーブル軸Aとセンサ面162との交点によって定められる。ケーブル先端センサ160が、センサ面162に到達したことを検出するまで、すなわち、この例では、接触面163にケーブル先端15が接触したことを検出するまで、ケーブル先端15は、ケーブルホルダ125によってケーブル10またはその端部領域11をセンサ面162に向かって移動させることによって検出点Eに位置決めされる。このような検出は、例えば、インダクタンスまたは静電容量の変化を検出することによって行うことができる。ケーブル先端センサ160は適切な感度を備えているため、センサ面162に到達することが、ケーブル先端15が変形することなく実質的に確実に検出される。接触面163の代わりに、光検出器(例えば、ラインセンサまたは光バリア(図示せず))を使用することもできる。
【0029】
図示の例では、挿入外形161は漏斗状であるが、これに限定されるものではない。挿入外形161により、ケーブル10のわずかに曲がった端部領域11をセンサ面162に安全に誘導することも可能になる。ケーブル10が端部領域11で過度に曲がっていれば、この場合には検出が行われないため、これを認識することができる。
【0030】
図4は、圧着が行われる加工位置にあるケーブル10も示している。ケーブル先端15は、加工位置P、例えば加工点に配置される。加工位置Pと検出位置Eの位置関係(検出位置Eから加工位置Pへのベクトル)は既知である。その結果、検出位置Eでケーブル先端15を検出した後、加工位置Pに確実かつ正確に接近することができる。図示のピボット型ケーブル加工機100の場合、ケーブルホルダ125は、回転運動とケーブル方向への直線移動とを行う。搬送型ケーブル加工機(図示せず)の場合、関連するケーブルホルダは、回転運動の代わりに、ケーブルの長手方向軸Aに対して実質的に垂直な直線移動を行う。
【0031】
ケーブルホルダ125の位置を制御するために、ピボット型ケーブル加工機100の場合、例えば、ピボットアーム121にエンコーダ付きのセンサモータが設けられ、そこからケーブルホルダ125の位置と必要な軌道を計算することができる。加工位置Pは、圧着端子20の種類に応じて変化する可能性があるが、これは移動工程を実行するために使用される機械制御装置には既知である。
【0032】
上述のように、
図3はケーブル10のケーブル端部11が検出位置Eの位置にあることを示しているが、
図5の斜視図はケーブル10のケーブル端部11が加工位置Pの位置にあることを示している。
【0033】
図6は、
図3に類似したケーブル加工機100の一部を示すが、ケーブル端部11がセットアップ工程または較正工程のための検出マンドレル80に置き換えられ、圧着工具151の固定部分がセットアップゲージ180に置き換えられている。この構成は、ケーブル先端センサ160を設定(セットアップ)し、機械100上の圧着プレス150の位置、つまり加工位置を決定するために使用することができる。セットアップゲージは、圧着工具151の固定部分の代わりに圧着プレス150の工具ホルダに挿入され、溝状の検出外形190を備える。検出外形190は、そこに仮想的に挿入されたケーブルの長手方向ケーブル軸Aの方向の外形接触面と、2つの横方向接触面(外形側面)192とを備える。検出マンドレル80は、ケーブルホルダ125に取り付けられており、ケーブル先端センサ160上のケーブル先端15のように機能する。
【0034】
検出マンドレル80は、検出外形190に挿入され、外形接触面191に到達するまで、ケーブルホルダ125によって、仮想的に挿入されたケーブルの長手方向ケーブル軸Aの方向に移動される。この接触は、例えば、モーター電流を検出し、および/またはピボットアームの長手方向の移動を担うサーボモーターのトルクを検出することによって適切に検出される。接触が検出されると、加工位置Pでの供給終了点が決定される。
【0035】
また、各場合において、検出マンドレル80も、外形側面192に到達するまで移動される。それぞれの外形側面192との接触は、例えば、回転運動を担うピボットアーム121の回転モーターのモーター電流を検出することによって検出される。接触が検出されると、加工位置Pにおけるケーブル供給装置120の角度が決定される。
【0036】
このようにして加工位置が決定された後、ケーブル先端センサ160が検出マンドレル80によって作動させられる。これにより、検出位置Eが決定される。
【外国語明細書】