IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -冷却具 図1
  • -冷却具 図2
  • -冷却具 図3
  • -冷却具 図4
  • -冷却具 図5
  • -冷却具 図6
  • -冷却具 図7
  • -冷却具 図8
  • -冷却具 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163045
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】冷却具
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/10 20060101AFI20241114BHJP
   A61F 9/04 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61F7/10 300C
A61F9/04 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024073840
(22)【出願日】2024-04-30
(31)【優先権主張番号】P 2023077441
(32)【優先日】2023-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 拓也
【テーマコード(参考)】
4C099
【Fターム(参考)】
4C099AA02
4C099CA06
4C099EA04
4C099HA09
4C099LA04
4C099NA10
(57)【要約】
【課題】着用者の目及び/又は目の周辺を冷却すると共に、着用者の耳及びその周辺を冷却することが可能な冷却具に関する。
【解決手段】着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺を覆う本体部と、本体部に設けられる冷却体と、本体部の幅方向の両端部に設けられ、該本体部により着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺が覆われるように該本体部を着用者の顔に保持させることが可能な耳掛け部とを備え、本体部、冷却体及び耳掛け部が防水性を有する包装体に封入された状態で保存される冷却具であって、冷却体は、包装体に封入された状態において水を保有する保水層を有し、冷却体は、着用時において、少なくとも一部が着用者の目及び/又は目の周辺と直接的又は間接的に接触するよう本体部に配置されており、本体部は、折り畳まれた状態で包装体に封入されており、耳掛け部は、本体部が包装体に封入された状態において、前記冷却体と直接的又は間接的に接触するように、折り畳まれた本体部に挟まれている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺を覆う本体部と、
前記本体部に設けられる冷却体と、
前記本体部の幅方向の両端部に設けられ、該本体部により着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺が覆われるように該本体部を着用者の顔に保持させることが可能な耳掛け部と
を備え、
前記本体部、前記冷却体及び前記耳掛け部が防水性を有する包装体に封入された状態で保存される冷却具であって、
前記冷却体は、前記包装体に封入された状態において水を保有する保水層を有し、
前記冷却体は、着用時において、少なくとも一部が着用者の目及び/又は目の周辺と直接的又は間接的に接触するよう前記本体部に配置されており、
前記本体部は、折り畳まれた状態で前記包装体に封入されており、
前記耳掛け部は、前記本体部が前記包装体に封入された状態において、前記冷却体と直接的又は間接的に接触するように、折り畳まれた前記本体部に挟まれている
冷却具。
【請求項2】
前記本体部は、
着用時において、着用者の肌側に向く内面シートと、
前記冷却体を介して前記内面シートと対向するよう配された外面シートと
を有し、
前記冷却体は、着用時において、少なくとも一部が前記内面シートを介して着用者の目及び/又は目の周辺と接触するよう前記本体部に配置されており、
前記内面シートは、少なくとも一部に透湿性を有しており、
前記本体部は、前記内面シートが内側となるように折り畳まれた状態で前記包装体に封入されており、
前記耳掛け部は、前記本体部が前記包装体に封入された状態において、折り畳まれた前記内面シートに挟まれている
請求項1に記載の冷却具。
【請求項3】
前記耳掛け部は、それぞれ、接合部によって前記本体部に接合されており、
前記耳掛け部は、前記本体部に挟まれた状態において、前記接合部を除いた部分の開封時保水率が、0.2%以上40%以下である
請求項1又は2に記載の冷却具。
【請求項4】
前記耳掛け部は、不織布、織布、紙などの繊維シート、樹脂発泡シート、金属シート、フィルムシート及び伸縮性を有する紐から選択される1種又は2種以上の材料で構成されている
請求項1又は2に記載の冷却具。
【請求項5】
前記耳掛け部は、それぞれ、接合部によって前記本体部に接合されており、
前記耳掛け部は、前記接合部を除いた部分の面積が5000mm以上13000mm以下である
請求項1又は2に記載の冷却具。
【請求項6】
前記耳掛け部は、それぞれ、接合部によって前記本体部に接合されており、
前記耳掛け部のうち、前記本体部に挟まれた状態において、前記冷却体と直接的又は間接的に対向する部分の面積は、前記接合部を除いた部分の面積に対して30%以上100%以下である
請求項1又は2に記載の冷却具。
【請求項7】
前記保水層は、水の初期含有量が1cmあたり0.04ml以上0.40ml以下である
請求項1又は2に記載の冷却具。
【請求項8】
前記耳掛け部は、前記本体部の幅方向に対して、着用時における前記本体部の下方側に傾斜して設けられている
請求項1又は2に記載の冷却具。
【請求項9】
前記耳掛け部は、それぞれ、着用時における前記本体部の上下方向に対して傾斜した接合部によって前記本体部に接合されており、
前記接合部に沿う仮想線は、それぞれ、前記本体部を幅方向に二分する縦中心線の中心よりも着用時における前記本体部の下方側において収束するよう、前記縦中心線に対して傾斜しており、
前記縦中心線に対する前記仮想線の傾斜角度は、それぞれ1°以上25°以下である
請求項1又は2に記載の冷却具。
【請求項10】
前記本体部は、
着用時において、着用者の額側に位置する上縁部と、
着用時において、着用者の鼻側に位置する下縁部と、
前記上縁部から前記下縁部側に向けて形成された上側スリットと、
前記下縁部から前記上縁部側に向けて形成された下側スリットと
を有しており、
前記上側スリット及び前記下側スリットは、該本体部を幅方向に二分する縦中心線上に形成されている
請求項1又は2に記載の冷却具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、着用者の顔の少なくとも目を覆う本体部と、本体部に設けられる冷却体と、本体部の幅方向の両端部に設けられ、該本体部により着用者の顔の少なくとも目が覆われるように該本体部を着用者の顔に保持させることが可能な耳掛け部とを備える冷却具が知られている(特許文献1等)。この冷却具は、着用者の目の疲れや目の腫れ等を緩和するために用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-28176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の冷却具では、着用者の耳及びその周辺(例えば、こめかみ及び頬等)を冷却することについては検討されていない。このように、着用者の耳及びその周辺を冷却することにより、着用者により一層の冷却感を与える観点において、従来の冷却具には改善の余地がある。
【0005】
本発明は、着用者の目及び/又は目の周辺を冷却すると共に、着用者の耳及びその周辺を冷却することが可能な冷却具に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺を覆う本体部と、前記本体部に設けられる冷却体と、前記本体部の幅方向の両端部に設けられ、該本体部により着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺が覆われるように該本体部を着用者の顔に保持させることが可能な耳掛け部とを備え、前記本体部、前記冷却体及び前記耳掛け部が防水性を有する包装体に封入された状態で保存される冷却具であって、前記冷却体は、前記包装体に封入された状態において水を保有する保水層を有し、前記冷却体は、着用時において、少なくとも一部が着用者の目及び/又は目の周辺と直接的又は間接的に接触するよう前記本体部に配置されており、前記本体部は、折り畳まれた状態で前記包装体に封入されており、前記耳掛け部は、前記本体部が前記包装体に封入された状態において、前記冷却体と直接的又は間接的に接触するように、折り畳まれた前記本体部に挟まれている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の冷却具によれば、着用者の目及び/又はその周辺を冷却すると共に、着用者の耳及びその周辺を冷却することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る冷却具を示す図である。
図2】本実施形態に係る冷却具を示す図である。
図3】本実施形態に係る冷却具の概略断面図である。
図4】本実施形態に係る下側スリットを示す部分拡大図である。
図5】本実施形態に係る冷却体を示す図である。
図6図5のII-II´線に沿った概略断面図である。
図7図7(a)は、耳掛け部の引張時の状態を示す図であり、図7(b)は、耳掛け部の装着時の状態を示す図である。
図8】本実施形態に係る冷却具が、包装体に封入された状態を示す図である。
図9】水蒸気発生量を測定する装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
【0010】
[冷却具の全体構成]
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る冷却具1は、着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺を覆う本体部10と、本体部10に設けられる冷却体20と、本体部10の幅方向の両端部に設けられる耳掛け部30とを備えている。なお、図1は、着用者の非目元側の面(外面)が上を向くよう本体部10を展開させた状態における平面図である。また、図2は、着用者の目元側の面(内面)が上を向くよう本体部10を展開させた状態、かつ、耳掛け部30が本体部10の内側に折り込まれた状態における平面図である。
【0011】
本実施形態において、本体部10、冷却体20及び耳掛け部30は、防水性を有する包装体200に封入された状態で保存されている。すなわち、本実施形態に係る冷却具1は、包装体200に封入された状態で保存されている(図8参照)。
【0012】
本明細書において、「幅方向」とは、本体部10を平面方向から見た状態(図1及び図2の状態)における後述する第1パネル部10A及び第2パネル部10Bの並び方向に一致する方向をいう。「本体部10の幅方向両端部」とは、第1パネル部10Aの耳掛け部30側の端部と第2パネル部10Bの耳掛け部30側の端部とを意味する。
【0013】
[本体部の基本的構成]
図3に示すように、本体部10は、冷却具1の着用時において、着用者の肌側(図3の上側)に向く内面シート11と、冷却体20を介して内面シート11と対向するよう配された外面シート12とを備えており、全体としてシート状に形成されている。内面シート11及び外面シート12は、同形同大に形成されており、内面シート11と外面シート12との間に冷却体20が配された状態において、互いに接合されている。なお、本実施形態では、内面シート11及び外面シート12が同形同大に形成されているものとして説明したが、これに限定されず、内面シート11と外面シート12とで形状が異なっていても良いし、大きさが異なっていても良い。
【0014】
ここで、内面シート11と外面シート12の接合方法について説明する。本実施形態においては、外面シート12には、接着剤(図示せず)が塗布されており、該接着剤を介して冷却体20及び内面シート11が接着されている。接着剤としては、ホットメルト型接着剤を用いることが好ましいが、これに限定されず、種々の公知の固定手段を用いることができる。例えば、ホットメルト型以外の接着剤、縫製、熱融着等が可能であるが、固定できれば限定されない。
【0015】
なお、外面シート12に接着剤を塗布する構成に代えて、又はこれに加えて、内面シート11に接着剤を塗布する構成を採用することも可能である。また、内面シート11と外面シート12とを局所的に非接着とすることにより、内面シート11と外面シート12との間に冷却体20を挿脱可能な開口及び収納空間を形成する構成としても良い。
【0016】
[本体部の具体的構成]
以下、本実施形態に係る本体部10の具体的な構成として、透湿性、防水性、坪量、最大保水率、伸縮性、形状及び材料等について、それぞれ説明する。
【0017】
[内面シート・外面シートの透湿性]
内面シート11は、少なくとも一部に透湿性を有している。本実施形態では、内面シート11は、全部に透湿性を有している。ここで、内面シート11は、少なくとも着用者の目と冷却体20の後述する保水層22との間の領域における透湿度が、12000g/m・24hr以下であることが好ましく、11000g/m・24hr以下であることがより好ましく、10000g/m・24hr以下であることが更に好ましい。内面シート11がこのような透湿度を有することにより、耳掛け部30に水分が移りすぎることによって着用者に蒸れや濡れによる不快感が生じることを抑制することができるという利点がある。
【0018】
また、内面シート11は、少なくとも着用者の目と保水層22との間の領域における透湿度が、2000g/m・24hr以上であることが好ましく、2500g/m・24hr以上であることがより好ましく、3000g/m・24hr以上であることが更に好ましい。内面シート11がこのような透湿度を有することにより、冷却具1が包装体200に封入された状態において、内面シート11を通過した水蒸気により包装体200内が高湿度になると共に、保水層22から放出された水蒸気が内面シート11を通過して耳掛け部30へと向かうので、保水層22が保有する水を耳掛け部30に移行させることが容易になるという利点がある。そのため、内面シート11は、少なくとも着用者の目と冷却体20の後述する保水層22との間の領域における透湿度が、2000g/m・24hr以上12000g/m・24hr以下であることが好ましく、2500g/m・24hr以上11000g/m・24hr以下であることがより好ましく、3000g/m・24hr以上10000g/m・24hr以下であることが更に好ましい。こうした透湿度を満足すれば、内面シート11は、その一部が透湿性を有しない構成であってもよい。
【0019】
ここで、透湿性とは、水蒸気を通す性質のことをいう。透湿度は、JIS L1099:2012のA-1法によって測定される値であり、1mあたりにおける24時間で透過する水分を数値(g)として定義される。したがって、透湿度の数値が大きいことは透湿性が高いことを意味し、逆に、透湿度の数値が小さいことは透湿性が低いことを意味している。本明細書中においては、100g/m・24h以上の透湿度を「透湿性」と定義し、100g/m・24hr未満30g/m・24hr以上の透湿度を「難透湿性」と定義し、30g/m・24hr未満の透湿度を「非透湿性」と定義する。
【0020】
本実施形態において、外面シート12の透湿性は特に指定されず、製品の性能を損なわない限り、製品の設計に応じて任意の材料を用いることができる。具体的には、外面シート12は、透湿性シート、難透湿性シート及び非透湿性シートのいずれであっても良い。
【0021】
[内面シート・外面シートの防水性]
本実施形態に係る内面シート11は、透湿性と防水性とを兼ね備えた透湿防水性シートであっても良い。具体的には、内面シート11は、少なくとも着用者の目と保水層22との間の領域における耐水度が、着用者の目及び/又は目の周辺の濡れを防ぐ観点から、300mm以上であることが好ましく、400mm以上であることがより好ましく、500mm以上であることが更に好ましい。さらに、1000mm以上であることが最も好ましい。こうした耐水度を満足すれば、内面シート11は、その一部が防水性を有しない構成であってもよい。また、内面シート11は、防水性を有するシートであるものとして説明したが、これに限定されず、非防水性シート(透水性シート)であっても良い。
【0022】
ここで、防水性とは、水の透過を防ぐ性質のことをいう。防水性は、耐水度によって評価することができ、この耐水度は、JIS L 1092 A法により測定することができる。この耐水度は、水の透過に耐えることができる1cmあたりの水柱の高さ(mm)として定義される。したがって、耐水度の数値が大きいことは防水性が高いことを意味し、逆に、耐水度の数値が小さいことは防水性が低いことを意味している。本明細書中においては、300mm以上の耐水度を「防水性」と定義し、300mm未満の耐水度を「非防水性」又は「透水性」と定義する。
【0023】
このような透湿防水性シートとしては、例えば、合成樹脂製の多孔性シートが好適である。具体的には、ポリエチレン又はポリプロピレン等に炭酸カルシウムを含有させ延伸したフィルムが挙げられる。かかる多孔性シートを用いる場合には、多孔性シートの外面に不織布を積層して、該透湿防水性シートの風合いを高めてもよい。不織布としては、例えば、ニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及びスパンボンド不織布などが挙げられる。水は通さないが酸素や水蒸気を通すシートであって、且つ防漏性が考慮されていれば多孔性シート以外のものであってもよい。例えば、ポリアミド、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル等の人工繊維や、パルプ、綿、麻、絹及び獣毛等の天然繊維から選ばれた1種又は2種以上を混合した織布、不織布、紙、合成紙等を、透湿防水性シートとして用いることができる。
【0024】
本実施形態において、外面シート12は、防水性シートからなることが好ましい。
【0025】
[内面シート・外面シートの坪量]
内面シート11の坪量は、5g/m以上であることが好ましく、10g/m以上であることがより好ましく、15g/m以上であることが更に好ましく、20g/m以上であることがより更に好ましい。内面シート11がこのような坪量を有することにより、厚み、シート強度をバランスよく高めることができると共に、着用者の目及び/又は目の周辺へのフィット感を良好にすることができるという利点がある。
【0026】
また、内面シート11の坪量は、80g/m以下であることが好ましく、60g/m以下であることがより好ましく、40g/m以下であることが更に好ましく、30g/m以下であることがより更に好ましい。内面シート11がこのような坪量を有することにより、保水層22から放出された水蒸気を通過させることが容易になると共に、冷却具1の着用時に着用者が冷却感を感じやすくなるという利点がある。そのため、内面シート11の坪量は、5g/m以上80g/m以下であることが好ましく、10g/m以上60g/m以下であることがより好ましく、15g/m以上40g/m以下であることが更に好ましく、20g/m以上30g/m以下であることがより更に好ましい。
【0027】
外面シート12の坪量は、本体部10の形状を安定に保ち、冷却体20を安定に保持し、更に冷却体20が透けて外観が損なわれることを防止する観点等から決定される。かかる観点から、10g/m以上であることが好ましく、15g/m以上であることがより好ましく、20g/m以上であることが更に好ましく、25g/m以上であることがより更に好ましい。また、外面シート12の坪量は、冷却具の冷感を肌に伝わりやすくし、心地よいつけ心地を持たせる観点から、200g/m以下であることが好ましく、160g/m以下であることがより好ましく、120g/m以下であることが更に好ましく、80g/m以下であることがより更に好ましい。そのため、外面シート12の坪量は、10g/m以上200g/m以下であることが好ましく、15g/m以上160g/m以下であることがより好ましく、20g/m以上120g/m以下であることが更に好ましく、25g/m以上80g/m以下であることがより更に好ましい。
【0028】
[内面シートの最大保水率]
内面シート11は、少なくとも着用者の目と保水層22との間の領域における最大保水率が、10%以上2500%以下であることが好ましく、30%以上2000%以下であることがより好ましく、50%以上1500%以下であることが更に好ましい。内面シート11がこのような最大保水率を有することにより、保水層22から放出された水蒸気を通過させ、水を耳掛け部30に移行させることができると共に、内面シート11も水を吸収することで着用した際に目及び/又は目の周辺に心地よい冷却感を付与できるという利点がある。
【0029】
ここで、最大保水率とは、部材がどれだけ水を保水できるかを割合で表したものである。最大保水率は、例えば、JIS L 1913:2010の「6.9.2 保水率」の項目に従い、以下の式により求めることができる。
m=(m-m)/m×100
ここで、mは、内面シート11の最大保水率(%)であり、mは、試験片の標準状態での質量(mg)であり、mは、試験片を湿潤し、水をしたたり落とした後の質量(mg)である。なお、JIS L 1913:2010の「6.9.2 保水率」に記載の寸法(100mm×100mm)で試験片を採取できない場合は、当該寸法に可能な限り近い寸法で試験片を採取する。
【0030】
[内面シート・外面シートの伸縮性]
本実施形態において、内面シート11は、伸縮性を有していることが好ましく、外面シート12よりも伸縮性を有していることが好ましい。また、外面シート12は、伸縮性を有していても良いし、非伸縮性であっても良い。伸縮性を有するシートとしては、構成繊維として弾性繊維を含むシート、弾性フィラメントを含むシート、ゴム編等の構造により伸縮性を発現するシート等が挙げられる。
【0031】
具体的には、内面シート11は、着用者の目及び/又は目の周辺へのフィット感を良好にする観点から、内面シート11の幅方向の引張強さが5N以上80N以下であることが好ましく、10N以上60N以下であることがより好ましく、20N以上40N以下であることが更に好ましい。また、外面シート12は、着用者の目及び/又は目の周辺へのフィット感を良好にすると共に、着用者の額部中央と内面シート11との間に冷却体20から放出された水蒸気の通り道となる隙間を設ける観点から、外面シート12の幅方向の引張強さが15N以上115N以下であることが好ましく、30N以上95N以下であることがより好ましく、45N以上75N以下であることが更に好ましい。引張強さの値が小さいことは、測定に供されるシートが高伸縮であることを示しており、引張強さの値が大きいことは、測定に供されるシートが低伸縮であることを示している。
【0032】
ここで、引張強さは、例えば、JIS L 1913:2010の「6.3 引張強さ及び伸び率(ISO法)」の項目に準拠し、以下の方法によって測定をすることができる。
(1) シートから幅方向の長さが50mm、幅方向と直交する方向の長さが300mmとなる試験片を5枚採取する。なお、上記の寸法で試験片を採取できない場合は、上記の寸法に可能な限り近い寸法で試験片を採取する。
(2) 採取した試験片を初荷重で引張試験機につかみ間隔を200mmで取り付ける。なお、つかみ間隔を上記の値に設定することができない場合は、上記の値に可能な限り近い値に設定する。
(3) 300mm/minの引張速度で、試験片が切断するまで荷重を加え、引張荷重が最大値となる値を引張強さとし、引張強さを読み取る。
(4) 5枚の試験片について、それぞれ引張強さを測定し、引張強さの平均値を求め、小数点以下1けたに丸める。
【0033】
[内面シート・外面シートの材料]
内面シート11及び外面シート12の材料は、着用者の目及び/又は目の周辺を覆う冷却具の技術分野において従来から用いられているものを用いることができる。例えば、不織布、織布、紙などの繊維シート、樹脂発泡シート、金属シート、フィルムシート又はこれらの組み合わせ等が用いられる。なかでも、加工のしやすさや経済性の観点から不織布を用いることが好ましい。不織布の繊維素材としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル;PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、エチレンプロピレン共重合体等のポリオレフィン;レーヨン;コットン等から選択される1種又は2種以上の繊維で構成されるものが好ましい。また、不織布としては、前記の1種又は2種以上の素材の繊維を用いて、エアスルー法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、メルトブローン法、カード法、熱融着法、水流交絡法、溶剤接着法等により製造されたものを用いることができ、単層でも多層構造でもよい。なお、不織布は、目的に応じ化学処理を行ってもよい。
【0034】
また、内面シート11及び外面シート12は、それぞれ、単層及び多層を問わない一枚のシート材のみからなる単層の構造であってもよく、二種以上のシート材を重ね合わせた多層の構造であってもよい。さらに、内面シート11と外面シート12とで構成材料が異なる構成としても良い。具体的には、着用した際に外側に配される外面シート12は、冷却具に保形性を与える上で適した構成材料を選択してもよく、また、外面の風合いを良くするために適した構成材料を選択してもよい。一方、着用した際に内側に配される内面シート11は、肌あたり改善を目的とした構成材料を選択してもよい。また、内面シート11及び外面シート12は、任意の色に着色されていても良く、印刷等により任意の模様(柄)が施されていても良い。このような構成によれば、風合いや趣向性が向上し、使用者の好みの冷却具とすることが可能となる。
【0035】
[本体部の形状等]
図1図3に示すように、本体部10は、本体部10を幅方向に二分する縦中心線100と、縦中心線100を境とした幅方向の一方側を構成する第1パネル部10Aと、縦中心線100を境とした幅方向の他方側を構成する第2パネル部10Bとを有している。
【0036】
縦中心線100は、着用者の非目元側の面(外面)又は目元側の面(内面)が上を向くよう本体部10を展開させた状態(図1又は図2の状態)における本体部10の幅方向の中央部において、該幅方向と直交する方向に延びる線である。
【0037】
第1パネル部10Aは、冷却具1の着用時において、着用者の一方の目(例えば右目)を覆うように構成されている。第2パネル部10Bは、冷却具1の着用時において、着用者の他方の目(例えば左目)を覆うように構成されている。第1パネル部10A及び第2パネル部10Bは、それぞれ略正方形状に形成されており、本体部10の幅方向両端部の周縁は、外側に突出する円弧状に形成されている。なお、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bは、正方形状に形成されていても良いし、矩形状に形成されていても良いし、他の形状を有していても良い。
【0038】
また、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bは、縦中心線100を境として左右対称の形状を有しており、かつ、縦中心線100において一体的に連続している。換言すれば、本体部10は、同形同大の第1パネル部10A及び第2パネル部10Bを左右対称に配したシート状部材からなる。なお、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bが当初から一体として形成された構成に代えて、例えば、別体として形成された第1パネル部10A及び第2パネル部10Bを機械的に結合させる構成であっても良い。
【0039】
第1パネル部10A及び第2パネル部10Bは、縦中心線100の後述する上縁部13近傍及び後述する下縁部14近傍がそれぞれ接続されておらず、縦中心線100においてのみ接続されている。これにより、本体部10は、縦中心線100を中心として第1パネル部10A及び第2パネル部10Bを展開させた際に、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bが平面方向に並列する平面形状となるよう構成されている。すなわち、本体部10は、図3に示すように、第1パネル部10Aと第2パネル部10Bとのなす角が180度となるよう、縦中心線100を中心として第1パネル部10A及び第2パネル部10Bを展開させることが可能に構成されている。なお、ここでいう「接続」には、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bが一体として形成されることにより当初から接続されている構成と、別体として形成された第1パネル部10A及び第2パネル部10Bを機械的に接続させる構成との双方が含まれる。
【0040】
[スリット]
図1及び図2に示すように、本体部10は、冷却具1の着用時において、着用者の額側に位置する上縁部13と、冷却具1の着用時において、着用者の鼻側に位置する下縁部14と、上縁部13から下縁部14側に向けて形成された上側スリット15と、下縁部14から上縁部13側に向けて形成された下側スリット16とを有している。
【0041】
また、本体部10は、第1パネル部10A側の下縁部14から縦中心線100に向けて傾斜する第1内側辺部17と、第2パネル部10B側の下縁部14から縦中心線100に向けて傾斜する第2内側辺部18とを有している。
【0042】
上側スリット15及び下側スリット16は、縦中心線100上に形成されている。なお、本実施形態において、「上側スリット及び下側スリットが縦中心線上に形成されている」とは、上側スリット15の幅方向の中央部と、下側スリット16の幅方向の中央部とが、それぞれ、縦中心線100の延長線上に位置するように、上側スリット15及び下側スリット16が形成されていることをいう。
【0043】
上側スリット15は、上縁部13から下縁部14側に向けて先細りとなるよう形成された略三角状の切り欠きである。また、上側スリット15は、冷却具1の着用時において、着用者の眉間又はその近傍に位置するよう構成されている。
【0044】
下側スリット16は、下縁部14から上縁部13側に向けて先細りとなるよう形成された略逆三角状の切り欠きである。具体的には、下側スリット16は、第1内側辺部17及び第2内側辺部18により画定された切り欠きである。また、下側スリット16の先端は、上縁部13側に向けて湾曲する円弧状に形成されている。下側スリット16が切り欠きであることにより、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bが幅方向外側に広がる動作や幅方向内側に重なる動作等、本体部10の動作がよりスムーズになるため、着用者の目及び/又は目の周辺に対する本体部10のフィット性を向上させることができ、ひいては、着用者の耳及びその周辺に対する耳掛け部30のフィット性も向上させることができるという利点がある。また、着用者の耳及びその周辺に対する耳掛け部30のフィット性が向上することで、着用者の耳及びその周辺に対して、より一層の冷却感を与えることができるという利点もある。
【0045】
ここで、図4に示すように、下側スリット16の切り欠き角度、すなわち、第1内側辺部17に沿う第1仮想線VL1と第2内側辺部18に沿う第2仮想線VL2との開き角度θは、本体部10により着用者の目及び/又は目の周辺を覆う観点から、36°以下であることが好ましく、26°以下であることがより好ましく、16°以下であることが更に好ましい。また、下側スリット16の切り欠き角度、すなわち、第1内側辺部17に沿う第1仮想線VL1と第2内側辺部18に沿う第2仮想線VL2との開き角度θは、着用者の鼻部へのフィット性を良好にする観点から、1°以上であることが好ましく、4°以上であることがより好ましく、8°以上であることが更に好ましい。そのため、下側スリット16の切り欠き角度、すなわち、第1内側辺部17に沿う第1仮想線VL1と第2内側辺部18に沿う第2仮想線VL2との開き角度θは、1°以上36°以下であることが好ましく、4°以上26°以下であることがより好ましく、8°以上16°以下であることが更に好ましい。なお、図4において、縦中心線100の図示を省略している。
【0046】
なお、本実施形態において、「第1内側辺部に沿う第1仮想線」とは、第1内側辺部17の縦中心線100に向けて収束する直線部分に沿って延びる仮想線である。また、「第2内側辺部に沿う第2仮想線」とは、第2内側辺部18の縦中心線100に向けて収束する直線部分に沿って延びる仮想線である。
【0047】
下側スリット16は、冷却具1の着用時において、着用者の鼻梁又はその近傍に位置するよう構成されている。また、本実施形態において、下側スリット16は、上側スリット15よりも長く形成されている。
【0048】
本体部10の上縁部13、下縁部14、上側スリット15及び下側スリット16の形状は、着用者の目及び/又は目の周辺にフィットしやすくなるよう適宜調整されるものであり、それぞれ、直線、円弧状、局所的に凸部や曲線部を有する形状等の種々の任意の形状を採用することが可能である。例えば、上述した実施形態では、上側スリット15及び下側スリット16が切り欠きであるものとして説明したが、これに限定されず、上側スリット15及び下側スリット16が切開線であっても良い。
【0049】
[本体部の包装形態]
以上の構成を備える本体部10は、冷却具1の使用前においては、折り畳まれた状態で包装体200に封入されている。具体的には、本体部10は、内面シート11が内側となるよう、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bが縦中心線100に沿って二つ折りされることで、平面状に折り畳まれている。なお、この状態において、後述するように耳掛け部30を本体部10の内側に折り込んで収納することで(図2図3及び図8参照)、コンパクト化することが可能である。一方、本体部10は、冷却具1の使用時においては、縦中心線100とは反対側の縁部から開かれ、本体部10が折り畳まれていた内側の面(内面シート11)が着用者側の面となるようにして、着用される。
【0050】
また、本体部10は、冷却具1の着用時において、着用者の顔の目及び目の周辺を覆うように構成されている。本明細書において、「目の周辺」とは、例えば、額、眉毛、頬、こめかみ、鼻等である。なお、本実施形態では、本体部10が着用者の顔の目及び目の周辺を覆うように構成されているものとして説明したが、これに限定されず、少なくとも着用者の顔の目の周辺を覆うように構成されていれば良い。すなわち、本体部10は、冷却具1の着用時において、着用者の目と対向する領域が開口していても良い。また、本体部10は、着用者の顔の全部を覆うように構成されていても良い。
【0051】
なお、本実施形態では、本体部10が内面シート11及び外面シート12を有しているものとして説明したが、これに限定されず、内面シート11と冷却体20との間に他のシートを有していても良いし、外面シート12と冷却体20との間に他のシートを有していても良い。また、内面シート11及び外面シート12のいずれか一方又は双方を有さない構成であってもよい。
【0052】
[冷却体の構成]
図1図6に示すように、冷却体20は、包装体200に封入された状態において水を保有する保水層22を有している。
【0053】
冷却体20の形態として、例えば、以下に示す(1)及び(2)の形態が挙げられる。
(1) 冷却体20の一形態として、保水層22をもつシート状物である形態が挙げられる。この場合、保水層22は、粉末状または繊維状の保水材に水を含有させ混合することで得られるペーストを、シートの一方の面に塗布することで得られるものである。シートとは、後述する第一シート23、第二シート24及び基材層21のいずれであってもよい。
(2) また、冷却体20の別の形態として、保水材自体が形状を保持しており、保水層22である形態が挙げられる。この場合、保水材を好みのサイズに切断し、水を含有させることで得られるものである。
なお、本明細書において、保水材とは、保水能(吸水作用又は除水作用)を有するものであり、水の保持が可能なものであればその種類に特に制限はないが、水放散性に優れたものであることが好ましい。
【0054】
上記(1)及び(2)のいずれの形態においても、冷却体20は、第一シート23及び第二シート24の周縁部を互いに接合することにより形成された袋体の中に、保水材が封入された構成を有していてもよい。冷却体20は、このように第一シート23及び第二シート24が袋体を構成することにより、構成材料の意図しない脱落を防いで製造効率を更に高めることができる。
【0055】
冷却体20の一形態としては、矩形状の扁平体であり、基材層21と、基材層21上に積層された保水層22とを備えている。また、冷却体20は、冷却具1の着用時において、着用者の肌側に向く第一シート23と、保水層22を介して第一シート23と対向するよう配された第二シート24とを更に備えている。
【0056】
[保水層]
上記(1)の形態の場合、保水層22は、基材層21の上に散布された保水材と、該保水材に保持された水とを有している。保水材としては、例えば、炭素成分、繊維材料及び吸水性の粉体等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
【0057】
また、上記(2)の形態の場合(保水層22が保水材の役割も担う場合)、保水層22及び保水材としては、たとえば、種々の繊維素材により構成が可能であるが、親水性繊維や、親水性繊維と合成繊維の混紡とすることで構成できる。繊維素材として例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、コットン、パルプ等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
【0058】
炭素成分は、保水能を有するものであり、例えば、活性炭、アセチレンブラック、及び黒鉛から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。また、繊維材料としては、親水性繊維、中でもセルロース繊維を用いることがより好ましい。セルロース繊維としては、化学繊維(合成繊維)や天然繊維を用いることができる。さらに、前記以外の吸水性の粉体としては、バーミキュライト、おがくず、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、パルプ粉末、及び吸水性ポリマーから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
【0059】
吸水性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収、保持できる架橋構造を有する親水性のポリマーが挙げられる。吸水性ポリマーの形状は、球状、塊状、ブドウ房状、及び繊維状のいずれでもよい。吸水性ポリマーの質量平均粒径は、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。また、吸水性ポリマーの質量平均粒径は、1000μm以下であることが好ましく、700μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらにより好ましい。吸水性ポリマーの粒径はレーザー回折法により測定される。
【0060】
吸水性ポリマーの具体例としては、例えば、デンプン、架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。これらのなかでも、担持される水の量を特定の範囲に維持しやすいことから、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体が好ましい。
【0061】
吸水性ポリマーを使用した場合の保水層の態様としては、例えば、(a)吸水性ポリマーが2枚の透湿性シート間に挟持されて形成された単一層を有する態様、(b)吸水性ポリマーが、基材層21に直接積層されており、単一層状に配された態様、あるいは(c)吸水性ポリマーが隣接して層状に配された第1吸水性ポリマー層と、第1吸水性ポリマー層に隣接し、吸水性樹脂の粉末が2枚の透湿性シート間に挟持されて形成された第2吸水性ポリマー層とが配された積層構造をとる態様等が挙げられる。
【0062】
保水材に保持される水は、電解質水溶液(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水溶液)由来のものであっても良く、また、例えばエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の防腐剤、静菌剤、殺菌剤や酸化防止剤が添加されていても良い。
【0063】
保水層22に保有される水の初期含有量は、冷却具1の着用初期の冷却効果を高めると共に、冷却体20から放出される蒸気の持続性を高め、冷却体20による冷却効果を長時間に亘り維持する観点から、保水層22の最大吸水量の1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、4質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、水の初期含有量は、冷却体20の重さを抑え、顔に対する冷却具1のずれ落ちを防止する観点から、保水層22の最大吸水量の20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、7質量%以下であることがよりさらに好ましい。
【0064】
[保水層の最大吸水量の測定方法]
保水層22の最大吸水量は、例えば、次の方法により測定することができる。すなわち、まず、250メッシュ(61μm)のナイロン製織物袋(100mm×150mm)と試料を秤量し、メッシュ袋の風袋重量と試料の重量を量る。次に、上記メッシュ袋内に試料を入れ、300mLビーカー内に立てて入れ、イオン交換水をメッシュ袋に直接当たらないように300mL加え、30分間浸せきし、充分膨潤させる。その後、10分間吊り下げて水切りを行い、化学天秤で小数点以下2桁まで秤量する。そして、以上により求めた「メッシュ袋総重量」、「メッシュ袋の風袋重量」及び「試料の重量」を用いて、以下の式により最大吸水量を求める。
「最大吸水量」=「メッシュ袋総重量」-「メッシュ袋の風袋重量」-「試料の重量」
【0065】
保水層22に保有される水の初期含有量(すなわち、酸素遮断袋等の包材を開封させた直後の水含有量)は、上述の観点から、1cmあたり0.04ml以上であることが好ましく、1cmあたり0.08ml以上であることがより好ましく、1cmあたり0.10ml以上であることがさらに好ましく、また、1cmあたり0.40ml以下であることが好ましく、1cmあたり0.30ml以下であることがより好ましく、1cmあたり0.25ml以下であることがさらに好ましい。
【0066】
[水の初期含有量の定義]
なお、冷却体20の保水層22における水の初期含有量は、以下の手順で定義する。
すなわち、まず、包材を開封し、冷却具1を包材から取り出し、冷却具1の水を含有している部位、すなわち、冷却体20を取り出した後、水分計(ケット水分計 FD-240、(株)ケット科学研究所製)に冷却体20を設置する。そして、包材開封開始から30秒後に冷却体20の水分計の測定を開始する。
上記方法において、水分計にて70℃、10時間加熱乾燥した際の、乾燥前重量から乾燥後重量の差分を水の初期含有量として定義する。
【0067】
[基材層]
基材層21は、保水層22の第一シート23又は第二シート24とは反対側の表面を被覆するよう設けられている。本実施形態では、基材層21は、保水層22の第一シート23とは反対側の表面を被覆している。
【0068】
基材層21が保水層22の第一シート23とは反対側の表面を被覆するよう設けられている場合には、冷却具1が包装体200に封入された状態において、保水層22から放出された水蒸気の第一シート23及び内面シート11へと向かう流れが促進されるため、第一シート23及び内面シート11を通過した水蒸気により包装体200内が高湿度になる共に、保水層22から放出された水蒸気が第一シート23及び内面シート11を通過して耳掛け部30へと向かうので、保水層22が保有する水を耳掛け部30に移行させることが容易になるという利点がある。また、基材層21の上に保水層22を積層させることで、本体部10に冷却体20を設置する際の生産性が向上するという利点もある。
【0069】
この場合において、基材層21は、難透湿性又は非透湿性を有することが好ましい。
【0070】
このような基材層21としては、例えば、合成樹脂フィルムを用いることができ、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。合成樹脂フィルムは、単層でも、複数層の積層体であってもよい。不織布、紙若しくはフィルム又はこれらの2種以上の積層体を用いることができる。
【0071】
なお、本実施形態では、基材層21は、保水層22の第一シート23とは反対側の表面を被覆しているものとして説明したが、これに限定されず、基材層21が保水層22の第二シート24とは反対側の表面を被覆するよう設けられているものや、基材層21を有しない構成としても良い。
【0072】
[第一シート23及び第二シート24]
第一シート23は、着用者の目元側に配されている。本実施形態において、第一シート23は、少なくとも一部に透湿性を有している。本実施形態では、第一シート23は、全部に透湿性を有している。ここで、第一シート23は、少なくとも着用者の目と保水層22との間の領域における透湿度が、2000g/m・24hr以上であることが好ましく、2500g/m・24hr以上であることがより好ましく、3000g/m・24hr以上であることが更に好ましい。第一シート23がこのような透湿度を有することにより、冷却具1が包装体200に封入された状態において、第一シート23及び内面シート11を通過した水蒸気により包装体200内が高湿度になると共に、保水層22から放出された水蒸気が第一シート23及び内面シート11を通過して耳掛け部30へと向かうので、保水層22が保有する水を耳掛け部30に移行させることが容易になるという利点がある。
【0073】
また、第一シート23は、少なくとも着用者の目と保水層22との間の領域における透湿度が、12000g/m・24hr以下であることが好ましく、11000g/m・24hr以下であることがより好ましく、10000g/m・24hr以下であることが更に好ましく、8000g/m・24hr以下であることがより一層好ましい。第一シート23がこのような透湿度を有することにより、冷却具1の着用時に蒸れや濡れを抑制することができるという利点がある。こうした透湿度を満足すれば、第一シート23は、その一部が透湿性を有しない構成であってもよい。
【0074】
第二シート24は、着用者の非目元側に配されている。本実施形態において、第二シート24の透湿性は特に指定されず、製品の性能を損なわない限り、製品の設計に応じて任意の材料を用いることができる。具体的には、第二シート24は、透湿性シート、難透湿性シート及び非透湿性シートのいずれであっても良い。
【0075】
また、第一シート23は、透湿性と防水性とを兼ね備えた透湿防水性シートであっても良い。具体的には、第一シート23は、少なくとも着用者の目と保水層22との間の領域における耐水度が、着用時に蒸れや濡れを抑制する観点から、300mm以上であることが好ましく、400mm以上であることがより好ましく、500mm以上であることが更に好ましい。さらに、1000mm以上であることが最も好ましい。こうした耐水度を満足すれば、第一シート23は、その一部が防水性を有しない構成であってもよい。また、第一シート23は、防水性を有するシートであるものとして説明したが、これに限定されず、非防水性シート(透水性シート)であっても良い。
【0076】
このような透湿防水性シートとしては、例えば、合成樹脂製の多孔性シートが好適である。具体的には、ポリエチレン又はポリプロピレン等に炭酸カルシウムを含有させ延伸したフィルムが挙げられる。かかる多孔性シートを用いる場合には、多孔性シートの外面に不織布を積層して、該透湿防水性シートの風合いを高めてもよい。不織布としては、例えば、ニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及びスパンボンド不織布などが挙げられる。水は通さないが酸素や水蒸気を通すシートであって、且つ防漏性が考慮されていれば多孔性シート以外のものであってもよい。例えば、ポリアミド、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル等の人工繊維や、パルプ、綿、麻、絹及び獣毛等の天然繊維から選ばれた1種又は2種以上を混合した織布、不織布、紙、合成紙等を、透湿防水性シートとして用いることができる。
【0077】
本実施形態において、第二シート24は、防水性シートからなることが好ましい。
【0078】
第一シート23及び第二シート24の材料は、内面シート11及び外面シート12と同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0079】
本実施形態では、冷却体20が第一シート23及び第二シート24を有しているものとして説明したが、これに限定されず、第一シート23及び第二シート24のいずれか一方のみを有する構成としても良い。また、第一シート23及び第二シート24を有しておらず、基材層21及び保水層22を内面シート11又は外面シート12に固定させる構成としても良いし、基材層21及び保水層22を内面シート11と外面シート12との間に封入させる構成としても良い。さらに、冷却体20が第一シート23及び第二シート24に加えて基材層21も有していない場合には、保水層22を内面シート11又は外面シート12に固定させる構成としても良いし、保水層22を内面シート11と外面シート12との間に封入させる構成としても良い。
【0080】
[香料成分]
冷却体20は、例えば「合成香料化学と商品知識」(印藤元一著 化学工業日報社)に記載の香料成分を、本発明の効果を妨げない範囲で配合又は任意の箇所に付加することもできる。具体的には、ミルセン、ファルネセン、ピネン、リモネン、カンフェン、フェランドレン、ターピネン、ターピノレン、p-サイメン、セドレン、カリオフィレン等のテルペン系炭化水素;ヘキシルシンナミックアルデヒド、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、バニリン等のアルデヒド類;ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、パンプルフルール(2-メチル-4-フェニルペンタノール)、ジメチルベンジルカルビノール、フェニルヘキサノール(3-メチル-5-フェニルペンタノール)等の芳香族アルコール類;アネトール、オイゲノール等のフェノール類;γ-ノナラクトン、γ-ウンデカラクトン等のラクトン類が挙げられる。
【0081】
[冷涼成分]
冷却体20は、より一層の冷涼感を付与する観点から、冷涼成分を発明の効果を妨げない範囲で配合又は任意の箇所に付加することもできる。身体に存在する温度感受性TRPチャネルのうち、冷受容体であるTRPM8に作用するアゴニストを含有するものが良い。例えば、L-メントール、DL-メントール等のメントール、メンタンジオール、シネオール、メンチルグリセリルエーテル、メントングリセリンアセタール、ブチルシクロヘキサノン、イソプレゴール、トリメチルイソプロピルブタンアミド、メントキシプロパンジオール、カンフル等が挙げられ、TRPM8アゴニストを含有するハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油等の植物や精油等を使用してもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、使用時の心地よさ及び実効感、安全性の観点から、メントール、乳酸メンチル、コハク酸メンチル、グルタル酸メンチル、トリメチルイソプロピルブタンアミド、メントキシプロパンジオール、及びカンフルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、メントールがより好ましい。
【0082】
[冷却体の水蒸気発生量]
以上の構成を備える冷却体20は、着用者の目元側への水蒸気発生量が、2.5mg/(cm・時)以上であることが好ましく、5.0mg/(cm・時)以上であることがより好ましく、7.5mg/(cm・時)以上であることが更に好ましい。このような水蒸気発生量とすることにより、耳掛け部30が着用者の耳及びその周辺(例えば、こめかみ及び頬等)を冷却するのに十分な水分を保水層22から耳掛け部30に素早く移行させることができるという利点がある。
【0083】
また、冷却体20は、上記水蒸気発生量が、20.0mg/(cm・時)以下であることが好ましく、15.0mg/(cm・時)以下であることがより好ましく、10.0mg/(cm・時)以下であることが更に好ましい。このような水蒸気発生量とすることにより、冷却具1の着用時において、湿度を抑え、蒸れを抑制することができるという利点がある。
【0084】
着用者の目元側への水蒸気発生量は、図9に示す測定装置40を用いて、次のように測定される数値である。なお、以下の説明では防水性の包材等に封入されて密封状態となっている冷却体20を対象とし、該防水性の包材等の開封を開始し、開封開始から図9に示す測定装置40に設置するまでに要する時間、つまり開封開始から5秒後の時点を「水蒸気発生開始時点」と定義する。図9に示す測定装置40は、アルミニウム製の測定室(容積4.2L)41と、測定室41の下部に除湿空気(湿度2%未満、流量2.1L/分)を流入させる流入路42と、測定室41の上部から空気を流出させる流出路43と、流入路42に設けられた入口温湿度計44及び入口流量計45と、流出路43に設けられた出口温湿度計46及び出口流量計47と、測定室41内に設けられた温度計(サーミスタ)48とを備えている。温度計48としては、温度分解能が0.01℃程度のものを使用する。なお、本明細書における蒸気発生量とは、冷却体20の「水蒸気発生開始時点」を起点とし、1時間後までに測定された総量をいう。
【0085】
[冷却体の配置]
冷却体20は、冷却具1の着用時において、少なくとも一部が着用者の目及び/又は目の周辺と直接的又は間接的に接触するよう本体部10に配置されている。具体的には、本実施形態に係る冷却体20は、冷却具1の着用時において、少なくとも一部が着用者の目及び目の周辺と内面シート11を介して間接的に接触するよう本体部10に配置されている。
【0086】
なお、本実施形態では、冷却体20の少なくとも一部が着用者の目及び目の周辺と内面シート11を介して接触するものとして説明したが、これに限定されず、冷却体20の少なくとも一部が着用者の目又は目の周辺と直接的又は間接的に接触すれば良い。例えば、冷却体20は、冷却具1の着用時において、着用者の目と対向する領域が開口した環状の形態を有し、着用者の目の周辺にのみ間接的に接触する構成であっても良い。また、本体部10が内面シート11を有さない構成の場合には、冷却体20は、冷却具1の着用時において、少なくとも一部が着用者の目及び/又は目の周辺と直接的に接触する構成であっても良い。さらに、冷却体20は、少なくとも一部が着用者の顔の全域と直接的又は間接的に接触しても良い。
【0087】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る冷却体20は、縦中心線100を境として左右対称となるよう、第1パネル部10Aと第2パネル部10Bとにそれぞれ設けられている。図示の例においては、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bに1つずつ、計2つの冷却体20が設置されている。
【0088】
本実施形態では、冷却体20が第1パネル部10A及び第2パネル部10Bに1つずつ設けられているものとして説明したが、これに限定されず、例えば、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bに2つずつ設けられていても良いし、本体部10全体で1つの冷却体20が設けられていても良い。また、冷却体20が複数設けられる場合において、複数の冷却体20の冷却特性は同じであっても良いし、異なっても良いが、同じであることがより好ましい。
【0089】
[冷却体の形状・大きさ]
冷却体20の平面形状は、特に限定されず、円形、多角形等であってもよい。製造効率、取り扱い易さ、冷却効果の観点から、長方形、略正方形等の四角形が好ましく、取り扱いやすさの観点から略正方形がより好ましい。
【0090】
[耳掛け部の構成]
耳掛け部30は、本体部10の幅方向の両端部に設けられており、該本体部10により着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺が覆われるように該本体部10を着用者の顔に保持させることが可能に構成されている(図7参照)。具体的には、耳掛け部30は、本体部10により着用者の顔の少なくとも目及び目の周辺が覆われるように該本体部10を着用者の顔に保持させることが可能に構成されている。
【0091】
なお、耳掛け部30は、本体部10により着用者の顔の少なくとも目の周辺が覆われるように該本体部10を着用者の顔に保持させることが可能に構成されていれば良い。また、耳掛け部30は、本体部10により着用者の顔の全部が覆われるように該本体部10を着用者の顔に保持させることが可能に構成されていても良い。
【0092】
[耳掛け部の配置・大きさ・形状]
耳掛け部30は、冷却具1の使用前においては、本体部10が包装体200に封入された状態において、冷却体20と直接的又は間接的に接触するように、折り畳まれた本体部10(本実施形態では内面シート11)に挟まれている。すなわち、図2図3及び図8に示すように、耳掛け部30は、冷却具1の使用前においては、内面シート11を介して冷却体20と間接的に接触するように、本体部10の内側に折り込んで収納されている。なお、本体部10が内面シート11を有さない構成の場合には、耳掛け部30は、冷却体20と直接的に接触するように、本体部10の内側に折り込んで収納されてもよい。また、図1及び図7に示すように、耳掛け部30は、冷却具1の使用時においては、本体部10の幅方向外側に展開されている。
【0093】
図1図3に示すように、耳掛け部30は、それぞれ、接合部50によって本体部10に接合されている。具体的には、耳掛け部30は、それぞれ、着用時における本体部10の上下方向に対して傾斜した接合部50によって本体部10に接合されている。そのため、本実施形態において、耳掛け部30は、本体部10の幅方向に対して、着用時における本体部10の下方側に傾斜して設けられている。
【0094】
ここで、図2に示すように、接合部50に沿う第3仮想線VL3は、それぞれ、縦中心線100の中心よりも着用時における本体部10の下方側において収束するよう、縦中心線100に対して傾斜している。すなわち、第3仮想線VL3は、本体部10の幅方向外側から内側かつ下方に向けて傾斜している。なお、「接合部に沿う第3仮想線」とは、接合部50の縦中心線100側の端部に沿って延びる仮想線である。すなわち、耳掛け部30を展開させた状態において、耳掛け部30の折り曲げ線に沿って延びる仮想線である(図1及び図2参照)。
【0095】
本実施形態において、縦中心線100に対する第3仮想線VL3の傾斜角度は、着用者の耳上部への圧迫感を低減する観点から、それぞれ25°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましく、15°以下であることが更に好ましい。また、縦中心線100に対する第3仮想線VL3の傾斜角度は、着用者の額部と内面シート11との間に冷却体20から放出された水蒸気の通り道となる隙間を作る観点から、それぞれ1°以上であることが好ましく、3°以上であることがより好ましく、5°以上であることが更に好ましい。そして、縦中心線100に対する第3仮想線VL3の傾斜角度は、それぞれ1°以上25°以下であることが好ましく3°以上20°以下であることがより好ましく、5°以上15°以下であることが更に好ましい。
【0096】
本実施形態に係る接合部50の構成としては、例えば、以下の(1)及び(2)の構成が挙げられる。
(1) 本体部10と耳掛け部30とが接着剤(例えば、ホットメルト型接着剤)等の他の部材により相互に接続されている場合には、当該接着剤等の他の部材が接合部50として機能する。
(2) 本体部10と耳掛け部30とが熱融着により相互に接続されている場合等、本体部10と耳掛け部30とが他の部材を介することなく相互に接合されている場合には、本体部10における耳掛け部30が接合される接合領域と耳掛け部30における本体部10が接合される接合領域とが、それぞれ接合部50として機能する。
【0097】
本実施形態において、耳掛け部30は、耳及びその周辺を効果的に冷却する観点から、接合部50を除いた部分の面積が5000mm以上13000mm以下であることが好ましく、6000mm以上12000mm以下であることがより好ましく、7000mm以上11000mm以下であることが更に好ましい。
【0098】
なお、本実施形態において、耳掛け部30における「接合部を除いた部分の面積」とは、上記(1)の場合においては、耳掛け部30における接着剤が塗布されていない領域(本体部10と接着していない領域)の面積であり、上記(2)の場合においては、接合部50として機能しない領域の面積である。具体的には、図2の状態において、第3仮想線VL3よりも縦中心線100側に存在する領域の面積である。
【0099】
また、耳掛け部30のうち、本体部10(本実施形態では内面シート11)に挟まれた状態において、冷却体20と直接的又は間接的に対向する部分の面積は、耳及びその周辺を効果的に冷却する観点から、接合部50を除いた部分の面積に対して30%以上100%以下であることが好ましく、50%以上95%以下であることがより好ましく、70%以上90%以下であることが更に好ましい。
【0100】
なお、本実施形態において、「耳掛け部のうち、本体部に挟まれた状態において、冷却体20と直接的又は間接的に対向する部分の面積」は、以下の状態で測定する。すなわち、まず、着用者の目元側の面(内面)が上を向くよう本体部10を展開すると共に、耳掛け部30を本体部10の内側に折り込む。次に、耳掛け部30をたるみがない状態にすると共に、耳掛け部30と冷却体20とを直接的又は間接的に面接触させる。この状態(図2の状態)において、耳掛け部30における冷却体20と直接的又は間接的に対向する部分の面積を測定する。なお、耳掛け部30と冷却体20とを間接的に面接触させた状態とは、例えば、内面シート11を介して耳掛け部30と冷却体20とを面接触させた状態である。
【0101】
図1及び図2に示すように、各耳掛け部30は、耳掛け部本体31と、着用者の耳が挿通可能な耳掛け孔32とを有している。耳掛け部本体31は、上辺31aと、下辺31bと、本体部10に接合されていない耳掛け部30の開放側の開放縁31cと、本体部10に接合されている接合縁31dとを有している。
【0102】
本実施形態において、耳掛け部本体31は、平面形状を有しており、かつ略四角形状を有している。具体的には、上辺31a及び下辺31bが接合縁31d側から開放縁31cに向けて先細りとなっており、開放縁31cと連結する部分において湾曲している。また、接合縁31dが第1パネル部10A又は第2パネル部10Bの周縁に沿った形状を有している。
【0103】
耳掛け孔32は、耳掛け部本体31の接合縁31d近傍から耳掛け部本体31の開放縁31c近傍に亘って形成された円弧状の切開線である。この耳掛け孔32は、着用者の耳を挿通可能に構成されている。なお、耳掛け孔32の形状は何ら限定されるものではなく、直線状の切開線であっても良いし、着用者の耳を挿通可能な開口であっても良い。しかしながら、耳掛け孔32は、耳掛け部本体31の冷却体20と対向する面積を大きくすると共に、耳掛け部本体31と着用者の耳及びその周辺との接触面積を大きくし、冷却体20が保有する水分を耳掛け部30に十分に移行させつつ、水分の蒸発に伴う気化放熱を効果的に発生させる観点から、切開線であることが好ましい。
【0104】
本実施形態において、耳掛け部30の幅方向の長さD1は、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bの幅方向の長さD2と同じであるか、又は第1パネル部10A及び第2パネル部10Bの幅方向の長さD2よりも短いことが好ましい。これにより、冷却具1を縦中心線100で二つ折りにした際に、耳掛け部30が本体部10と重なり、本体部10の内部で不自然に折りたたまれ、厚みが増えたり、耳掛け部30どうしが絡まったりすることを抑制し、冷却具1をよりコンパクトにまとめることができる。また、耳掛け部30が本体部10の内側に折り畳まれる場合は、耳掛け部30が汚染されにくくなり、さらに衛生面を向上できる。
【0105】
なお、本実施形態において、「耳掛け部の幅方向の長さ」とは、図2に示すように、耳掛け部本体31の開放縁31cの中央点と、耳掛け部本体31の接合縁31dの中央点とを結んだ直線の初期の長さをいう。また、「初期の長さ」とは、耳掛け部30を伸縮させる外力が付与される前の伸縮前の長さのことをいう。
【0106】
また、本実施形態において、「第1パネル部の幅方向の長さ」とは、第1パネル部10Aの幅方向外側の周縁が縦中心線100と平行である場合には、幅方向における縦中心線100から第1パネル部10Aの幅方向外側の周縁までの直線長さをいう。一方、第1パネル部10Aの幅方向外側の周縁が縦中心線100に対して傾斜している場合や、図1及び図2に示すように、第1パネル部10Aの幅方向外側の周縁が円弧状に形成されている場合等、第1パネル部10Aの幅方向外側の周縁が縦中心線100と平行ではない場合には、幅方向における縦中心線100から第1パネル部10Aの幅方向外側の周縁の接線(縦中心線100に平行な接線)までの直線長さをいう。これらの点は、「第2パネル部の幅方向の長さ」に対しても同様である。なお、図1においては、第2パネル部10Bの幅方向の長さのみを示している。
【0107】
耳掛け部30の幅方向の長さD1は、着用者の耳及びその周辺を冷却する観点及び装着時における耳へのフィット性を高める観点から、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bの幅方向の長さD2に対して、60%以上100%以下であることが好ましく、70%以上98%以下であることがより好ましく、80%以上96%以下であることが更に好ましい。
【0108】
例えば、耳掛け部30の幅方向の長さD1は、着用者の耳及びその周辺を冷却する観点及び装着時における耳へのフィット性を高める観点から、55mm以上93mm以下であることが好ましく、65mm以上90mm以下であることがより好ましく、75mm以上88mm以下であることが更に好ましい。
【0109】
また、本実施形態において、耳掛け部30の幅方向の長さD1は、冷却体20の幅方向の長さと同じであるか、又は冷却体20の幅方向の長さよりも長いことが好ましい。これにより、冷却具1を縦中心線100で二つ折りにした際に、耳掛け部30が冷却体20と重なるため、冷却体20における保水層22が保有する水分を耳掛け部30に充分に移行することができる。なお、本実施形態において、「冷却体の幅方向の長さ」とは、冷却体20の幅方向の一端から他端までの直線長さである。
【0110】
また、本実施形態において、耳掛け部30の幅方向の長さD1は、保水層22の幅方向の長さD3と同じであるか、又は保水層22の幅方向の長さD3よりも長いことが好ましい。これにより、冷却具1を縦中心線100で二つ折りにした際に、耳掛け部30が保水層22と重なるため、保水層22が保有する水分を耳掛け部30に充分に移行することができる。なお、本実施形態において、「保水層の幅方向の長さ」とは、図6に示すように、保水層22の幅方向の一端から他端までの直線長さである。
【0111】
耳掛け部30の幅方向の長さD1は、保水層22との対向面積を大きくする観点から、保水層22の幅方向の長さD3に対して、100%以上240%以下であることが好ましく、110%以上220%以下であることがより好ましく、120%以上200%以下であることが更に好ましい。
【0112】
なお、耳掛け部30は、本体部10を着用者の目前に保持することが可能な構成であれば、上述した平面状(シート状)の耳掛けに限定されず、冷却具を固定するために通常用いることが可能なものを任意に用いることが可能であり、例えば、ゴム紐状の耳掛けや、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bの幅方向両端部に亘って架け渡された1又は複数のバンド等の種々の構成を採用可能である。また、耳掛け部30は、本体部10の幅方向両端部に接合される別部材の構成に限定されず、本体部10と一体的に形成された構成であっても良い。
【0113】
[耳掛け部の材料]
耳掛け部30は、本体部10と同様な材料であってもよく、異なる材料であってもよい。例えば、不織布、織布、紙などの繊維シート、樹脂発泡シート、金属シート、フィルムシート及び伸縮性を有する紐又はこれらの組み合わせ等が用いられる。耳掛け部30の材料は、着用者の耳及びその周辺を冷却する観点及び着用者の目及び/又は目の周辺に対する本体部10のフィット性と着用者の耳及びその周辺に対する耳掛け部30のフィット性とを向上させる観点に加え、保水能(吸水作用又は除水作用)から決定されることが好ましい。かかる観点から、耳掛け部30は、保水能を有する不織布であることが好ましく、保水能に加えて伸縮性を有する不織布であることがより好ましく、本体部10の幅方向に伸長しやすいものが更に好ましい。このような不織布の繊維素材としては、例えば、レーヨン、綿、リヨセル(登録商標)、PET、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリウレタン等から選択される1種又は2種以上の繊維で構成されるものが好ましい。また、耳掛け部30は、保水能を高める観点から、不織布の繊維素材に親水性を付与させて、耳掛け部30の少なくとも一部が親水性を有するものとなるように構成されていても良い。さらに、耳掛け部30は、伸縮性や保水能を更に高める観点から、前記の不織布にエラストマーフィルムを積層させた多層構造であっても良い。このように、耳掛け部30は、単層及び多層を問わない一枚のシート材のみからなる単層の構造であってもよく、二種以上のシート材を重ね合わせた多層の構造であってもよい。
【0114】
また、耳掛け部30は、着用者の耳及びその周辺を冷却するために適切な保水性を有することが好ましい。また、本体部10との結合性の観点から、構成繊維として熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。また更に、加工のし易さの観点から、ポリプロピレンを含むことがより好ましい。なお、耳掛け部30は、ポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂を更に含んでも良く、例えば、ウレタン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる一種以上を更に含むことが好ましく、ウレタンからなる合成繊維を用いることがより好ましい。
【0115】
[耳掛け部の最大保水率]
耳掛け部30は、本体部10に挟まれた状態において冷却体20と直接的又は間接的に対向する領域の最大保水率が、20%以上4000%以下であることが好ましく、50%以上3500%以下であることがより好ましく、80%以上3000%以下であることが更に好ましい。耳掛け部30がこのような最大保水率を有することにより、着用者の耳及びその周辺の冷却時間を延ばすことができるという利点がある。
【0116】
ここで、最大保水率とは、部材がどれだけ水を保水できるかを割合で表したものである。最大保水率は、例えば、JIS L 1913:2010の「6.9.2 保水率」の項目に従い、以下の式により求めることができる。
m=(m-m)/m×100
ここで、mは、耳掛け部30の最大保水率(%)であり、mは、試験片の標準状態での質量(mg)であり、mは、試験片を湿潤し、水をしたたり落とした後の質量(mg)である。なお、JIS L 1913:2010の「6.9.2 保水率」に記載の寸法(100mm×100mm)で試験片を採取できない場合は、当該寸法に可能な限り近い寸法で試験片を採取する。
【0117】
なお、「本体部に挟まれた状態において、冷却体20と直接的又は間接的に対向する領域」とは、着用者の目元側の面(内面)が上を向くよう本体部10を展開させた状態、耳掛け部30を本体部10の内側に折り込ませた状態、耳掛け部30にたるみがない状態及び耳掛け部30と冷却体20とを直接的又は間接的に面接触させた状態(図2の状態)において、耳掛け部30における冷却体20と直接的又は間接的に対向する領域である。なお、耳掛け部30と冷却体20とを間接的に面接触させた状態とは、例えば、内面シート11を介して耳掛け部30と冷却体20とを面接触させた状態である。
【0118】
[耳掛け部の開封時保水率]
耳掛け部30は、本体部10に挟まれた状態において、接合部50を除いた部分の開封時保水率が、0.2%以上40%以下であることが好ましく、0.5%以上30%以下であることがより好ましく、0.8以上25%以下であることが更に好ましい。耳掛け部30がこのような開封時保水率を有することにより、着用者が耳及びその周辺に冷却感を感じるのに十分な水を保有することができるという利点がある。
【0119】
ここで、開封時保水率とは、防水性を有する包材(本実施形態では包装体200)を開封させた直後において、部材がどれだけ水を保水しているかを割合で表したものである。耳掛け部30の開封時保水率は、例えば、次の方法により測定することができる。すなわち、まず、包装体200を開封して冷却具1を取り出し、耳掛け部30の接合部50を除いた部分(以下、本段落では、「被測定物」という。)を冷却具1から切り離す。包装体200を開封してから15秒後に秤量瓶に入れ、被測定物の重量を測定する。切り離した被測定物を水分計(ケット水分計 FD-240、(株)ケット科学研究所製)に設置する。その後、水分計にて被測定物を100℃で10分間加熱し、加熱後の被測定物の重量を測定する。なお、当該加熱処理は、被測定物中の水分が完全になくなるまで(被測定物の重量変化がなくなるまで)行われることが好ましく、10分の加熱処理で被測定物中の水分が完全になくならない場合には、更に加熱処理を行うことが好ましい。そして、以上の方法により測定された被測定物の「加熱前重量」及び「加熱後重量」を用いて、以下の式により開封時保水率を求める。
開封時保水率=(加熱前重量-加熱後重量)/加熱前重量×100
【0120】
[耳掛け部の100%伸長時荷重]
本実施形態において、耳掛け部30は、100%伸長時荷重が、着用者の耳及びその周辺へのフィット感を良好にする観点から、50N以上400N以下であることが好ましく、100N以上350N以下であることがより好ましく、150N以上300N以下であることが更に好ましい。なお、上記の100%伸長時荷重は、耳掛け部30の素材の伸縮物性としての値である。
【0121】
ここで、100%伸長時荷重とは、耳掛け部30を本体部10の幅方向に100%伸長させたときの荷重を意味する。耳掛け部30の素材における100%伸長時荷重は、例えば、ASTMD882を参考にした方法により測定することができる。具体的には、まず、耳掛け部30から25mm×150mmの試験片を採取する。次に、当該試験片を引張試験器での引張り長さを100mmに設定し、引張速度500mm/minにて、引張り長さを伸長させた際の引張強さを測定し、引張り長さが100mm時の荷重を100%伸長時荷重とする。ここで、「引張り長さ」とは、伸長させた際の全長から、初期の長さを引いた長さのことをいう。なお、上記の寸法で試験片を採取できない場合は、上記の寸法に可能な限り近い寸法で試験片を採取する。また、引張試験器での引張り長さを上記の値に設定することができない場合は、上記の値に可能な限り近い値に設定する。
【0122】
上記の100%伸長時荷重は、例えば、耳掛け部30に用いる不織布の坪量等の物性を調整することにより、実現することができる。例えば、耳掛け部30の坪量は、着用者の耳への心地よい着け心地を実現させる観点から、20g/m以上100g/m以下であることが好ましく、30g/m以上80g/m以下であることがより好ましく、40g/m以上60g/m以下であることが更に好ましい。
【0123】
[冷却具の使用方法]
次に、本実施形態に係る冷却具1の使用方法について、説明する。本実施形態において、図8に示すように、冷却具1は、包装体200に封入された状態で保存されている。この保存状態において、本体部10は、内面シート11が内側となるよう縦中心線100を中心として折り畳まれている。また、耳掛け部30は、折り畳まれた本体部10(本実施形態では、内面シート11)に挟まれている。さらに、この保存状態(包装体200に封入された状態)において、保水層22には、既に水が含侵されている。
【0124】
保水層22からは常時水蒸気が放出されているところ、本実施形態に係る内面シート11は透湿性を有しているため、保水層22から放出された水蒸気は、内面シート11を通過して耳掛け部30へと向かう。また、内面シート11を通過した水蒸気により包装体200内が高湿度になる。そうすると、耳掛け部30の表面に水滴が付着したり、耳掛け部30により水滴が吸水されたりする。このように、保水層22が保有する水を耳掛け部30に移行させることができる。
【0125】
冷却具1の使用時においては、まず、着用者は、装着時に包装体200を開封し、冷却具1を包装体200から取り出す。また、包装体200から冷却具1を取り出した後、着用者は、二つ折りになっている本体部10を幅方向両端部側から開き、本体部10の内側から一対の耳掛け部30を取り出す。そして、図7(a)に示すように、本体部10を目に当てた状態において耳掛け部30を指で引張り、耳掛け孔32に耳を挿通させる。このようにして一対の耳掛け部30を着用者の左右の耳に引っ掛けることにより、図7(b)に示すように、本体部10によって着用者の目が覆われた状態が維持されるよう、該本体部10を着用者の顔に保持させることができる。
【0126】
なお、本実施形態に係る冷却具1は、包装体200に封入された状態において既に保水層22に水が含侵されているため、包装体200から取り出した後に水に浸ける等して湿潤させる必要はない。そのため、開封のみで使用が可能で簡便に使用ができる。また、冷却具1が包装体200に1個のみ封入されている場合は、衛生的であるという利点もある。
【0127】
そして、このように本体部10により着用者の目及び目の周辺が覆われた状態において、冷却体20の少なくとも一部が着用者の目及び目の周辺に接触することで、着用者の目及び目の周辺から冷却体20に熱が伝導され、着用者の目及び目の周辺が冷却される。
【0128】
また、耳掛け部30が着用者の耳及びその周辺に接触することで、着用者の耳及びその周辺から耳掛け部30に熱が伝導され、着用者の耳及びその周辺が冷却される。さらに、耳掛け部30が着用者の耳及びその周辺の熱で温められると、耳掛け部30に付着した水滴や耳掛け部30が吸水した水が蒸発するため、水分の蒸発に伴う気化熱によって耳掛け部30から放熱されることとなる。また、耳掛け部30から外気への熱伝導によって、耳掛け部30から放熱されることとなる。そのため、着用者の耳及びその周辺への冷却効果を更に高めることができる。
【0129】
[本実施形態に係る冷却具の利点]
このように、本実施形態に係る冷却具1は、着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺を覆う本体部10と、本体部10に設けられる冷却体20と、本体部10の幅方向の両端部に設けられ、該本体部10により着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺が覆われるように該本体部10を着用者の顔に保持させることが可能な耳掛け部30とを備え、本体部10、冷却体20及び耳掛け部30が防水性を有する包装体200に封入された状態で保存される冷却具1であって、冷却体20は、包装体200に封入された状態において水を保有する保水層22を有し、冷却体20は、着用時において、少なくとも一部が着用者の目及び/又は目の周辺と直接的又は間接的に接触するよう本体部10に配置されており、本体部10は、折り畳まれた状態で包装体200に封入されており、耳掛け部30は、本体部10が包装体200に封入された状態において、冷却体20と直接的又は間接的に接触するように、折り畳まれた本体部10に挟まれている。
【0130】
このような構成を備える冷却具1によれば、冷却具1の着用時において、冷却体20の少なくとも一部が直接的又は間接的に着用者の目及び/又は目の周辺と接触するため、着用者の目及び/又は目の周辺を冷却することができる。また、冷却具1が包装体200に封入された状態において、耳掛け部30の表面に水滴が付着したり、耳掛け部30により水滴が吸水されたりして、耳掛け部30が水を保有することになる。そのため、冷却具1の着用時において、耳掛け部30が着用者の耳及びその周辺に接触することにより、着用者の耳及びその周辺を冷却することができる。このように、本実施形態に係る冷却具1には、着用者の目及び/又は目の周辺を冷却すると共に、着用者の耳及びその周辺を冷却することができるという利点がある。
【0131】
また、本実施形態に係る冷却具1において、耳掛け部30は、不織布、織布、紙などの繊維シート、樹脂発泡シート、金属シート、フィルムシート及び伸縮性を有する紐から選択される1種又は2種以上の材料で構成されている。このような構成を備える冷却具1によれば、耳掛け部30の吸水性を高めることができるという利点がある。
【0132】
さらに、本実施形態に係る冷却具1において、耳掛け部30は、本体部10の幅方向に対して、着用時における本体部10の下方側に傾斜して設けられている。このような構成を備える冷却具1によれば、耳掛け部30を着用者の耳に装着させたときに、本体部10が耳掛け部30に引っ張られて幅方向外側に伸長しようとするため、着用者の目及び/又は目の周辺に対して適度な圧迫感が加わる。そのため、着用者の目及び/又は目の周辺に対する本体部10のフィット性を向上させることができ、ひいては、着用者の目及び/又は目の周辺に対する冷却体20のフィット性も向上させることができるので、着用者の目及び/又は目の周辺に対して、より一層の冷却感を与えることができるという利点がある。また、冷却具1の着用時において、耳掛け部30が伸長するため、着用者の耳及びその周辺に対する耳掛け部30のフィット性を向上させることができ、着用者の耳及びその周辺に対して、より一層の冷却感を与えることができるという利点がある。
【0133】
また、本実施形態に係る冷却具1において、本体部10は、着用時において、着用者の額側に位置する上縁部13と、着用時において、着用者の鼻側に位置する下縁部14と、上縁部13から下縁部14側に向けて形成された上側スリット15と、下縁部14から上縁部13側に向けて形成された下側スリット16とを有しており、上側スリット15及び下側スリット16は、該本体部10を幅方向に二分する縦中心線100上に形成されている。このような構成を備える冷却具1によれば、上側スリット15及び下側スリット16により本体部10の動きの自由度が増すため、着用者の目及び/又は目の周辺に対する本体部10のフィット性を向上させることができ、ひいては、着用者の目及び/又は目の周辺に対する冷却体20のフィット性も向上させることができるので、着用者の目及び/又は目の周辺に対して、より一層の冷却感を与えることができるという利点がある。また、着用者の目及び/又は目の周辺に対する本体部10のフィット性が向上すると、着用者の耳及びその周辺に対する耳掛け部30のフィット性も向上するため、着用者の耳及びその周辺に対して、より一層の冷却感を与えることができるという利点もある。
【0134】
[変形例]
本発明に係る冷却具は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
【0135】
例えば、上述した実施形態では、本体部10が上側スリット15及び下側スリット16を有しているものとして説明したが、これに限定されず、上側スリット15及び下側スリット16を有しない構成としても良い。
【0136】
また、上述した実施形態では、下側スリット16が上側スリット15よりも長く形成されているものとして説明したが、これに限定されず、上側スリット15及び下側スリット16の長さが同じであっても良いし、上側スリット15の方が下側スリット16よりも長く形成されていても良い。
【0137】
さらに、上述した実施形態では、耳掛け部30が本体部10の幅方向に対して、着用時における本体部10の下方側に傾斜して設けられているものとして説明したが、これに限定されず、例えば、耳掛け部30が本体部10の幅方向に沿って設けられていても良い。
【0138】
また、上述した実施形態では、内面シート11の材料として不織布を用いることが好ましいものとして説明をしたが、さらに、当該不織布が親水性を有していても良い。すなわち、内面シート11の材料として親水性不織布を用いても良い。内面シート11の材料として親水性不織布を用いることにより、蒸発した水が内面シート11に吸収及び保持されるため、着用者に与える冷却感を向上させることができるという利点がある。
【0139】
親水性不織布としては、例えば、親水性繊維により形成された不織布や、親水化剤により親水化処理が施された不織布等を用いることができる。親水性繊維としては、例えば、セルロース繊維やポリアクリロニトリル繊維を含むことが好ましい。セルロース繊維としては、レーヨン、リヨセル(登録商標)、テンセル(登録商標)、コットンの繊維などが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、親水性の合成繊維を用いることも好ましい。親水性の合成繊維としては、アクリル繊維や、繊維油剤などの親水化剤による処理で親水化されたポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などを用いることが好ましい。親水化処理の方法としては、親水化剤による表面付着処理や練り込みなどが挙げられる。親水化剤としては、一般的な繊維用界面活性剤や親水性油剤などを用いることができる。
【0140】
なお、本明細書では、親水度が1%以上の不織布を「親水性不織布」と定義する。この親水度は、例えば、以下の(1)~(7)の方法により測定することができる。
(1)不織布サンプルを温度25℃湿度25%環境下で24時間置き、乾燥させる。
(2)不織布サンプルに1cm×1cmのマス目を100マス分記入する。
(3)不織布サンプルの裏面が作業台に触れないよう、不織布サンプルを任意の枠に固定する。この時、不織布サンプルは、弛みおよび伸びの無いこととする。
(4)3μLのイオン交換水をマイクロピペットでとり、不織布サンプルに着滴する。着滴は、1マスに1滴とする。1個目の着滴から時間を計測し、5秒ごとに1滴のペースで着滴を行う。
(5)10回の着滴が終わったら、1個目の着滴から60秒後に1個目の水滴の評価を行い、続けて5秒ごとに1滴のペースで2個目以降の水滴の状態を順番に評価する。評価内容は、以下のa~cの3通りで行う。
a:球状のままの水滴
b:球状を保てずに不織布上で広がった水滴
c:不織布にしみ込んでいる水滴
(6)10個の水滴の評価が終わったら、上記(4)及び(5)を10回繰り返し、計100個の水滴の評価を行う。
(7)上記a~cの内、aを0点,bを0.5点、cを1点とする。また、評価がaだった水滴の個数を「A」、評価がbだった水滴の個数を「B」、評価がcだった水滴の個数を「C」とし、次の式で親水度を求める。
親水度(%)={(0×A+0.5×B+1×C)/100}×100
【0141】
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0142】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の冷却具を開示する。
<1>
着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺を覆う本体部と、
前記本体部に設けられる冷却体と、
前記本体部の幅方向の両端部に設けられ、該本体部により着用者の顔の少なくとも目及び/又は目の周辺が覆われるように該本体部を着用者の顔に保持させることが可能な耳掛け部と
を備え、
前記本体部、前記冷却体及び前記耳掛け部が防水性を有する包装体に封入された状態で保存される冷却具であって、
前記冷却体は、前記包装体に封入された状態において水を保有する保水層を有し、
前記冷却体は、着用時において、少なくとも一部が着用者の目及び/又は目の周辺と直接的又は間接的に接触するよう前記本体部に配置されており、
前記本体部は、折り畳まれた状態で前記包装体に封入されており、
前記耳掛け部は、前記本体部が前記包装体に封入された状態において、前記冷却体と直接的又は間接的に接触するように、折り畳まれた前記本体部に挟まれている
冷却具。
【0143】
<2>
前記本体部は、
着用時において、着用者の肌側に向く内面シートと、
前記冷却体を介して前記内面シートと対向するよう配された外面シートと
を有し、
前記冷却体は、着用時において、少なくとも一部が前記内面シートを介して着用者の目及び/又は目の周辺と接触するよう前記本体部に配置されており、
前記内面シートは、少なくとも一部に透湿性を有しており、
前記本体部は、前記内面シートが内側となるように折り畳まれた状態で前記包装体に封入されており、
前記耳掛け部は、前記本体部が前記包装体に封入された状態において、折り畳まれた前記内面シートに挟まれている
前記<1>に記載の冷却具。
<3>
前記耳掛け部は、それぞれ、接合部によって前記本体部に接合されており、
前記耳掛け部は、前記本体部に挟まれた状態において、前記接合部を除いた部分の開封時保水率が、0.2%以上40%以下である
前記<1>又は<2>に記載の冷却具。
<4>
前記耳掛け部は、不織布、織布、紙などの繊維シート、樹脂発泡シート、金属シート、フィルムシート及び伸縮性を有する紐から選択される1種又は2種以上の材料で構成されている
前記<1>~<3>のいずれか1項に記載の冷却具。
<5>
前記耳掛け部は、それぞれ、接合部によって前記本体部に接合されており、
前記耳掛け部は、前記接合部を除いた部分の面積が5000mm以上13000mm以下である
前記<1>~<4>のいずれか1項に記載の冷却具。
<6>
前記耳掛け部は、それぞれ、接合部によって前記本体部に接合されており、
前記耳掛け部のうち、前記本体部に挟まれた状態において、前記冷却体と直接的又は間接的に対向する部分の面積は、前記接合部を除いた部分の面積に対して30%以上100%以下である
前記<5>に記載の冷却具。
<7>
前記保水層は、水の初期含有量が1cmあたり0.04ml以上0.40ml以下である
前記<1>~<6>のいずれか1項に記載の冷却具。
【0144】
<8>
前記耳掛け部は、前記本体部の幅方向に対して、着用時における前記本体部の下方側に傾斜して設けられている
前記<1>~<7>のいずれか1項に記載の冷却具。
<9>
前記耳掛け部は、それぞれ、着用時における前記本体部の上下方向に対して傾斜した接合部によって前記本体部に接合されており、
前記接合部に沿う仮想線は、それぞれ、前記本体部を幅方向に二分する縦中心線の中心よりも着用時における前記本体部の下方側において収束するよう、前記縦中心線に対して傾斜しており、
前記縦中心線に対する前記仮想線の傾斜角度は、それぞれ1°以上25°以下である
前記<1>~<8>のいずれか1項に記載の冷却具。
<10>
前記本体部は、
着用時において、着用者の額側に位置する上縁部と、
着用時において、着用者の鼻側に位置する下縁部と、
前記上縁部から前記下縁部側に向けて形成された上側スリットと、
前記下縁部から前記上縁部側に向けて形成された下側スリットと
を有しており、
前記上側スリット及び前記下側スリットは、該本体部を幅方向に二分する縦中心線上に形成されている
前記<1>~<9>のいずれか1項に記載の冷却具。
【0145】
<11>
前記上側スリットは、前記上縁部から前記下縁部側に向けて先細りとなるよう形成された切り欠きである
前記<10>に記載の冷却具。
<12>
前記下側スリットは、前記下縁部から前記上縁部側に向けて先細りとなるよう形成された切り欠きである
前記<9>又は<11>に記載の冷却具。
<13>
前記本体部は、前記縦中心線を境とした幅方向の一方側を構成する第1パネル部側の前記下縁部から前記縦中心線に向けて傾斜する第1内側辺部と、前記縦中心線を境とした幅方向の他方側を構成する第2パネル部側の前記下縁部から前記縦中心線に向けて傾斜する第2内側辺部とを備え、
前記下側スリットは、前記第1内側辺部及び前記第2内側辺部により画定された切り欠きであり、
前記第1内側辺部に沿う第1仮想線と前記第2内側辺部に沿う第2仮想線との開き角度は、1°以上36°以下である
前記<9>~<12>のいずれか1項に記載の冷却具。
【0146】
<14>
前記本体部は、
該本体部を幅方向に二分する縦中心線と、
前記縦中心線を境とした幅方向の一方側を構成する第1パネル部と、
前記縦中心線を境とした幅方向の他方側を構成する第2パネル部と
を有しており、
前記冷却体は、前記第1パネル部と前記第2パネル部とにそれぞれ設けられる
前記<1>~<13>のいずれか1項に記載の冷却具。
<15>
前記本体部は、前記縦中心線を中心として前記第1パネル部及び前記第2パネル部を展開させた際に、前記第1パネル部及び前記第2パネル部が平面方向に並列する平面形状となるよう構成されている
前記<14>に記載の冷却具。
<16>
前記内面シートは、少なくとも着用者の目と前記保水層との間の領域における透湿度が、2000g/m・24hr以上12000g/m・24hr以下である
前記<1>~<15>のいずれか1項に記載の冷却具。
<17>
前記内面シートは、防水性を有している
前記<1>~<16>のいずれか1項に記載の冷却具。
<18>
前記内面シートは、少なくとも着用者の目と前記保水層との間の領域における耐水度が、300mm以上である
前記<17>に記載の冷却具。
【0147】
<19>
前記内面シートの坪量が5g/m以上80g/m以下である
前記<1>~<18>のいずれか1項に記載の冷却具。
<20>
前記外面シートの坪量が10g/m以上200g/m以下である
前記<1>~<19>のいずれか1項に記載の冷却具。
<21>
前記内面シートは、少なくとも着用者の目と保水層22との間の領域における最大保水率が、10%以上2500%以下である
前記<1>~<20>のいずれか1項に記載の冷却具。
<22>
前記内面シートは、前記外面シートよりも伸縮性を有している
前記<1>~<21>のいずれか1項に記載の冷却具。
【0148】
<23>
前記内面シートは、該内面シートの幅方向の引張強さが5N以上80N以下である
前記<1>~<22>のいずれか1項に記載の冷却具。
<24>
前記外面シートは、該外面シートの幅方向の引張強さが15N以上115N以下である
前記<1>~<23>のいずれか1項に記載の冷却具。
<25>
前記冷却体は、
着用者の目元側に配された第一シートと、
少なくとも前記保水層を介して前記第一シートと対向するよう配された第二シートと
を有しており、
前記第一シートは、少なくとも一部に透湿性を有している
前記<1>~<24>のいずれか1項に記載の冷却具。
<26>
前記第一シートは、少なくとも着用者の目と前記保水層との間の領域における透湿度が、2000g/m・24hr以上12000g/m・24hr以下である
前記<25>に記載の冷却具。
【0149】
<27>
前記第一シートは、防水性を有している
前記<25>又は<26>に記載の冷却具。
<28>
前記第一シートは、少なくとも着用者の目と前記保水層との間の領域における耐水度が、300mm以上である
前記<27>に記載の冷却具。
<29>
前記冷却体は、前記保水層の前記第一シートとは反対側の表面を被覆する基材層を有しており、
前記基材層は、難透湿性又は非透湿性を有している
前記<24>~<28>のいずれか1項に記載の冷却具。
<30>
前記冷却体は、着用者の目元側への水蒸気発生量が、2.5mg/(cm・時)以上20.0mg/(cm・時)以下である
前記<1>~<29>のいずれか1項に記載の冷却具。
【0150】
<31>
前記耳掛け部は、それぞれ、耳掛け部本体と、着用者の耳が挿通可能な耳掛け孔とを有しており、
前記耳掛け部本体は、平面形状を有しており、
前記耳掛け孔は、切開線である
前記<1>~<30>のいずれか1項に記載の冷却具。
<32>
前記本体部は、
該本体部を幅方向に二分する縦中心線と、
前記縦中心線を境とした幅方向の一方側を構成する第1パネル部と、
前記縦中心線を境とした幅方向の他方側を構成する第2パネル部と
を有しており、
前記耳掛け部の幅方向の長さは、前記第1パネル部及び前記第2パネル部の幅方向の長さと同じであるか、又は前記第1パネル部及び前記第2パネル部の幅方向の長さよりも短い
前記<1>~<31>のいずれか1項に記載の冷却具。
<33>
前記耳掛け部の幅方向の長さは、前記第1パネル部及び前記第2パネル部の幅方向の長さに対して、60%以上100%以下である
前記<32>に記載の冷却具。
【0151】
<34>
前記耳掛け部の幅方向の長さは、前記保水層の幅方向の長さと同じであるか、又は前記保水層の幅方向の長さよりも長い
前記<1>~<33>のいずれか1項に記載の冷却具。
<35>
前記耳掛け部の幅方向の長さは、前記保水層の幅方向の長さに対して、100%以上240%以下である
前記<1>~<34>のいずれか1項に記載の冷却具。
<36>
前記耳掛け部の幅方向の長さは、55mm以上93mm以下である
前記<1>~<35>のいずれか1項に記載の冷却具。
<37>
前記耳掛け部は、前記本体部に挟まれた状態において前記冷却体と直接的又は間接的に対向する領域の最大保水率が、20%以上4000%以下である
前記<1>~<36>のいずれか1項に記載の冷却具。
【0152】
<38>
前記耳掛け部は、100%伸長時荷重が、50N以上400N以下である
前記<1>~<37>のいずれか1項に記載の冷却具。
<39>
前記耳掛け部の坪量が20g/m以上100g/m以下である
前記<1>~<38>のいずれか1項に記載の冷却具。
<40>
前記内面シートの材料は、親水性不織布である
前記<2>~<44>のいずれか1項に記載の冷却具。
<41>
前記親水性不織布は、親水度が1%以上の不織布である
前記<40>に記載の冷却具。
【符号の説明】
【0153】
1 :冷却具
10 :本体部
10A :第1パネル部
10B :第2パネル部
11 :内面シート
12 :外面シート
13 :上縁部
14 :下縁部
15 :上側スリット
16 :下側スリット
17 :第1内側辺部
18 :第2内側辺部
20 :冷却体
21 :基材層
22 :保水層
23 :第一シート
24 :第二シート
30 :耳掛け部
31 :耳掛け部本体
31a :上辺
31b :下辺
31c :開放縁
31d :接合縁
32 :耳掛け孔
40 :測定装置
41 :測定室
42 :流入路
43 :流出路
44 :入口温湿度計
45 :入口流量計
46 :出口温湿度計
47 :出口流量計
48 :温度計
50 :接合部
100 :縦中心線
200 :包装体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9