IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 現代自動車株式会社の特許一覧 ▶ 起亞自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-車両充電システム及び車両充電方法 図1
  • 特開-車両充電システム及び車両充電方法 図2
  • 特開-車両充電システム及び車両充電方法 図3
  • 特開-車両充電システム及び車両充電方法 図4
  • 特開-車両充電システム及び車両充電方法 図5
  • 特開-車両充電システム及び車両充電方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163048
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】車両充電システム及び車両充電方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/06 20060101AFI20241114BHJP
   F17C 13/02 20060101ALI20241114BHJP
   B60K 8/00 20060101ALI20241114BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20241114BHJP
   H01M 8/0438 20160101ALI20241114BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20241114BHJP
【FI】
F17C5/06
F17C13/02 301A
B60K8/00
H01M8/04 J
H01M8/0438
H01M8/04746
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074516
(22)【出願日】2024-05-01
(31)【優先権主張番号】10-2023-0060601
(32)【優先日】2023-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】シン、イウン
【テーマコード(参考)】
3D235
3E172
5H127
【Fターム(参考)】
3D235CC24
3D235HH63
3E172AA05
3E172AA06
3E172AA07
3E172AB01
3E172BA01
3E172BA04
3E172BB12
3E172BB18
3E172DA87
3E172EA02
3E172EA12
3E172EA13
3E172EA14
3E172EA22
3E172EA24
3E172EA35
3E172JA08
5H127AB04
5H127BA02
5H127BA22
5H127DB82
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両の種類に応じて適切な充電モードで車両を充電することができる車両充電システム及び車両充電方法を提供する。
【解決手段】車両と締結される複数個のノズルと連結される複数個の充電ホースと、前記複数個の充電ホースに設けられる複数個の流量制御バルブと、前記複数個の流量制御バルブを制御する充電制御部と、を備え、前記充電制御部は、前記車両の特性情報及び前記複数個のノズルの利用可能情報に基づいて複数の充電モードのうちいずれか1つを決定し、前記決定された充電モードに基づいて充電速度及び前記車両の燃料タンクの目標圧力を決定し、前記決定された充電速度及び目標圧力に基づいて前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と締結される複数個のノズルと連結される複数個の充電ホースと、
前記複数個の充電ホースに設けられる複数個の流量制御バルブと、
前記複数個の流量制御バルブを制御する充電制御部と、を備え、
前記充電制御部は、
前記車両の特性情報及び前記複数個のノズルの利用可能情報に基づいて複数の充電モードのうちいずれか1つを決定し、
前記決定された充電モードに基づいて充電速度及び前記車両の燃料タンクの目標圧力を決定し、
前記決定された充電速度及び目標圧力に基づいて前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整する、車両充電システム。
【請求項2】
前記複数個の流量制御バルブは、
前記複数個の充電ホースのそれぞれに配置されて前記充電ホースの流量を制御する複数個のバルブと、
前記複数個のバルブ及び前記燃料貯蔵部の間に配置される供給配管の流量を制御する統合バルブと、を含む、請求項1に記載の車両充電システム。
【請求項3】
前記車両の特性情報は、
前記複数個のノズルのうち少なくともいずれか1つと締結されるレセプタクルの個数と、
前記車両の燃料タンクと前記レセプタクルとの間に配置される充電モジュールの個数と、を含み、
前記充電制御部は、
前記レセプタクル及び充電モジュールの個数が少なくとも1つ以上と認識され、利用可能な前記ノズルの個数が1個と判断される場合、前記充電モードを単一充電モードとして決定し、
前記レセプタクルの個数が複数個であり、前記充電モジュールの個数が前記レセプタクルの個数より少ないものと認識され、利用可能な前記ノズルの個数が複数個と判断される場合、前記充電モードを第1マルチ充電モードとして決定し、
前記レセプタクル及び充電モジュールのそれぞれの個数が複数個で利用可能な前記ノズルの個数が複数個と判断される場合、前記充電モードを第2マルチ充電モードとして決定する、請求項2に記載の車両充電システム。
【請求項4】
前記充電ホースの周辺に配置され、前記単一充電モード、前記第1マルチ充電モード及び前記第2マルチ充電モードのそれぞれに該当するアイコンを選択することができる画面を提供するインターフェースをさらに備える、請求項3に記載の車両充電システム。
【請求項5】
前記充電制御部は、
前記インターフェースを介して前記単一充電モード、前記第1マルチ充電モード又は前記第2マルチ充電モードのうちいずれか1つに該当する前記アイコンが選択されたものとして判断されると、前記選択されたアイコンに該当する充電モードに基づいて充電速度及び前記車両の燃料タンクの目標圧力を決定し、
前記決定された充電速度及び目標圧力に基づいて前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整する、請求項4に記載の車両充電システム。
【請求項6】
前記複数個のノズルのそれぞれに設けられる通信装置をさらに備え、
前記充電制御部は、前記通信装置を介して前記車両の特性情報を獲得し、
前記車両のレセプタクルと前記複数個のノズルの締結状態に基づいて前記ノズルの利用可能情報を獲得する、請求項3に記載の車両充電システム。
【請求項7】
前記複数個の充電ホースに設けられる複数個の圧力センサと、
前記複数個の充電ホースに設けられる複数個の流量センサと、をさらに備え、
前記充電制御部は、
前記複数個の圧力センサ又は前記複数個の流量センサのうち少なくともいずれか1つを介して前記複数個の充電ホースのそれぞれの圧力又は流量のうち少なくともいずれか1つを感知する、請求項3に記載の車両充電システム。
【請求項8】
前記充電制御部は、
前記第1マルチ充電モードで前記車両を充電時に前記複数個の充電ホース間の圧力差又は流量差のうちいずれか1つが基準値以上である場合、前記統合バルブを閉鎖するように前記統合バルブを制御する、請求項7に記載の車両充電システム。
【請求項9】
前記充電制御部は、
前記単一充電モードで前記車両を充電中に充電中断が必要な場合、前記複数個のバルブのうち前記車両と連結されたバルブを閉鎖するように前記複数個のバルブのうちいずれか1つを制御し、
前記第1マルチ充電モードで前記車両を充電中に充電中断が必要な場合、前記統合バルブを閉鎖するように前記統合バルブを制御し、
前記第2マルチ充電モードで前記車両を充電中に前記充電中断が必要な場合、前記複数個のバルブを閉鎖するように前記複数個のバルブを制御する、請求項3に記載の車両充電システム。
【請求項10】
車両の特性情報及び前記車両と締結される複数個のノズルの利用可能情報に基づいて複数の充電モードのうちいずれか1つを決定する段階と、
前記決定された充電モードに基づいて充電速度及び前記車両の燃料タンクの目標圧力を決定する段階と、
前記決定された充電速度及び前記目標圧力に基づいて前記複数個のノズルと連結された複数個の充電ホースに設けられた複数個の流量制御バルブの開度率を調整する段階と、を含む、車両充電方法。
【請求項11】
前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整する段階は、
前記複数個の充電ホースのそれぞれに配置されて前記充電ホースの流量を制御する複数個のバルブと、前記複数個のバルブ及び前記燃料貯蔵部の間に配置される供給配管の流量を制御する統合バルブの開度率を調整する段階を含む、請求項10に記載の車両充電方法。
【請求項12】
前記複数の充電モードのうちいずれか1つを決定する段階は、
前記車両の特性情報に含まれる前記車両のレセプタクル及び前記車両の充電モジュールの個数が少なくとも1つ以上と認識され、利用可能な前記ノズルの個数が1個と判断される場合、前記充電モードを単一充電モードとして決定する段階と、
前記レセプタクルの個数が複数個であり、前記充電モジュールの個数が前記レセプタクルの個数より少ないものと認識され、利用可能な前記ノズルの個数が複数個と判断される場合、前記充電モードを第1マルチ充電モードとして決定する段階と、
前記レセプタクル及び充電モジュールのそれぞれの個数が複数個で利用可能な前記ノズルの個数が複数個と判断される場合、前記充電モードを第2マルチ充電モードとして決定する段階と、を含む、請求項11に記載の車両充電方法。
【請求項13】
前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整する段階は、
前記充電ホースの周辺に配置されるインターフェースを介して前記単一充電モード、前記第1マルチ充電モード又は前記第2マルチ充電モードのうちいずれか1つに該当するアイコンが選択されたものとして判断されると、前記選択されたアイコンに該当する充電モードに基づいて充電速度及び前記車両の燃料タンクの目標圧力を決定する段階と、
前記決定された充電速度及び目標圧力に基づいて前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整する段階と、を含む、請求項12に記載の車両充電方法。
【請求項14】
前記複数の充電モードのうちいずれか1つを決定する段階は、
前記複数個のノズルのそれぞれに設けられる通信装置を介して前記車両の特性情報を獲得する段階と、
前記車両のレセプタクルと前記複数個のノズルの締結状態に基づいて前記ノズルの利用可能情報を獲得する段階と、を含む、請求項12に記載の車両充電方法。
【請求項15】
前記第1マルチ充電モードで前記車両を充電時に前記複数個の充電ホース間の圧力差又は流量差のうちいずれか1つが基準値以上である場合、前記統合バルブを閉鎖するように前記統合バルブを制御する段階をさらに含む、請求項12に記載の車両充電方法。
【請求項16】
前記単一充電モードで前記車両を充電中に充電中断が必要な場合、前記複数個のバルブのうち前記車両と連結されたバルブを閉鎖するように前記複数個のバルブのうちいずれか1つを制御する段階と、
前記第1マルチ充電モードで前記車両を充電中に充電中断が必要な場合、前記統合バルブを閉鎖するように前記統合バルブを制御する段階と、
前記第2マルチ充電モードで前記車両を充電中に前記充電中断が必要な場合、前記複数個のバルブを閉鎖するように前記複数個のバルブを制御する段階と、をさらに含む、請求項12に記載の車両充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両充電システム及び車両充電方法に関し、より詳細には、車両の種類に応じて適切な充電モードで車両を充電することができる車両充電システム及び車両充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池車両(Fuel Cell Electric Vehicle、FCEV)の代表的な水素燃料電池車両は、スタックで酸素と水素を用いて電気化学的に電気を発生し、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変化させて動力源として用いる。このような水素燃料電池車両は、燃料と空気を外部から供給して電池の容量に関係なく続けて発電することができ、効率が高く、汚染物質が殆ど排出されない理想的な技術であって、現在、多くの開発の試みが進められている。
【0003】
水素燃料電池車両は、動力源である水素を充電するために道路周辺などの必要な位置に水素充電所が設けられてよい。水素充電所に貯蔵された水素は、水素充電所に配置されたディスペンサーの充電ノズルを介して車両に供給され、車両の燃料タンクに充電されてよい。
【0004】
水素燃料電池車両は、車両の特性(燃料収容方法及び燃料収容量など)に応じて多様な種類があってよい。しかし、水素充電所は、車両の種類を考慮せずに車両に水素を供給する。
【0005】
したがって、最近では、車両の特性及び充電状況を考慮して充電方式及び充電速度を選択することができる充電システムの開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、車両の特性及び充電状況に応じて適切な充電モードで車両を充電することができる車両充電システム及び車両充電方法の提供を図る。
【0007】
本発明の他の実施形態は、車両を高速充電することができ、複数の車両を同時に充電することができる充電システム及び車両充電方法の提供を図る。
【0008】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態による車両充電システムは、車両と締結される複数個のノズルと連結される複数個の充電ホースと、前記複数個の充電ホースに設けられる複数個の流量制御バルブと、前記複数個の流量制御バルブを制御する充電制御部と、を備え、前記充電制御部は、前記車両の特性情報及び前記複数個のノズルの利用可能情報に基づいて複数の充電モードのうちいずれか1つを決定し、前記決定された充電モードに基づいて充電速度及び前記車両の燃料タンクの目標圧力を決定し、前記決定された充電速度及び目標圧力に基づいて前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整することができる。
【0010】
一実施形態において、前記複数個の流量制御バルブは、前記複数個の充電ホースのそれぞれに配置されて前記充電ホースの流量を制御する複数個のバルブと、前記複数個のバルブ及び前記燃料貯蔵部の間に配置される供給配管の流量を制御する統合バルブと、を含むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記車両の特性情報は、前記複数個のノズルのうち少なくともいずれか1つと締結されるレセプタクルの個数と、前記車両の燃料タンクと前記レセプタクルとの間に配置される充電モジュールの個数と、を含み、前記充電制御部は、前記レセプタクル及び充電モジュールの個数が少なくとも1つ以上と認識され、利用可能な前記ノズルの個数が1個と判断される場合、前記充電モードを単一充電モードとして決定し、前記レセプタクルの個数が複数個であり、前記充電モジュールの個数が前記レセプタクルの個数より少ないものと認識され、利用可能な前記ノズルの個数が複数個と判断される場合、前記充電モードを第1マルチ充電モードとして決定し、前記レセプタクル及び充電モジュールのそれぞれの個数が複数個であり、利用可能な前記ノズルの個数が複数個と判断される場合、前記充電モードを第2マルチ充電モードとして決定することができる。
【0012】
一実施形態において、車両充電システムは、前記充電ホースの周辺に配置され、前記単一充電モード、前記第1マルチ充電モード及び前記第2マルチ充電モードのそれぞれに該当するアイコンを選択することができる画面を提供するインターフェースをさらに備えることができる。
【0013】
一実施形態において、前記充電制御部は、前記インターフェースを介して前記単一充電モード、前記第1マルチ充電モード又は前記第2マルチ充電モードのうちいずれか1つに該当する前記アイコンが選択されたものとして判断されると、前記選択されたアイコンに該当する充電モードに基づいて充電速度及び前記車両の燃料タンクの目標圧力を決定し、前記決定された充電速度及び目標圧力に基づいて前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整することができる。
【0014】
一実施形態において、車両充電システムは、前記複数個のノズルのそれぞれに設けられる通信装置をさらに備え、前記充電制御部は、前記通信装置を介して前記車両の特性情報を獲得し、前記車両のレセプタクルと前記複数個のノズルの締結状態に基づいて前記ノズルの利用可能情報を獲得することができる。
【0015】
一実施形態において、車両充電システムは、前記複数個の充電ホースに設けられる複数個の圧力センサと、前記複数個の充電ホースに設けられる複数個の流量センサと、をさらに備え、前記充電制御部は、前記複数個の圧力センサ又は前記複数個の流量センサのうち少なくともいずれか1つを介して前記複数個の充電ホースのそれぞれの圧力又は流量のうち少なくともいずれか1つを感知することができる。
【0016】
一実施形態において、前記充電制御部は、前記第1マルチ充電モードで前記車両を充電時に前記複数個の充電ホース間の圧力差又は流量差のうちいずれか1つが基準値以上である場合、前記統合バルブを閉鎖するように前記統合バルブを制御することができる。
【0017】
一実施形態において、前記充電制御部は、前記単一充電モードで前記車両を充電中に充電中断が必要な場合、前記複数個のバルブのうち前記車両と連結されたバルブを閉鎖するように前記複数個のバルブのうちいずれか1つを制御し、前記第1マルチ充電モードで前記車両を充電中に充電中断が必要な場合、前記統合バルブを閉鎖するように前記統合バルブを制御し、前記第2マルチ充電モードで前記車両を充電中に前記充電中断が必要な場合、前記複数個のバルブを閉鎖するように前記複数個のバルブを制御することができる。
【0018】
本発明の実施形態による車両充電方法は、車両の特性情報及び前記車両と締結される複数個のノズルの利用可能情報に基づいて複数の充電モードのうちいずれか1つを決定する段階と、前記決定された充電モードに基づいて充電速度及び前記車両の燃料タンクの目標圧力を決定する段階と、前記決定された充電速度及び前記目標圧力に基づいて前記複数個のノズルと連結された複数個の充電ホースに設けられた複数個の流量制御バルブの開度率を調整する段階と、を含むことができる。
【0019】
一実施形態において、前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整する段階は、前記複数個の充電ホースのそれぞれに配置されて前記充電ホースの流量を制御する複数個のバルブと、前記複数個のバルブ及び前記燃料貯蔵部の間に配置される供給配管の流量を制御する統合バルブの開度率を調整する段階を含むことができる。
【0020】
一実施形態において、前記複数の充電モードのうちいずれか1つを決定する段階は、前記車両の特性情報に含まれる前記車両のレセプタクル及び前記車両の充電モジュールの個数が少なくとも1つ以上と認識され、利用可能な前記ノズルの個数が1個と判断される場合、前記充電モードを単一充電モードとして決定する段階と、前記レセプタクルの個数が複数個であり、前記充電モジュールの個数が前記レセプタクルの個数より少ないものと認識され、利用可能な前記ノズルの個数が複数個と判断される場合、前記充電モードを第1マルチ充電モードとして決定する段階と、前記レセプタクル及び充電モジュールのそれぞれの個数が複数個で利用可能な前記ノズルの個数が複数個と判断される場合、前記充電モードを第2マルチ充電モードとして決定する段階と、を含むことができる。
【0021】
一実施形態において、前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整する段階は、前記充電ホースの周辺に配置されるインターフェースを介して前記単一充電モード、前記第1マルチ充電モード又は前記第2マルチ充電モードのうちいずれか1つに該当するアイコンが選択されたものとして判断されると、前記選択されたアイコンに該当する充電モードに基づいて充電速度及び前記車両の燃料タンクの目標圧力を決定する段階と、前記決定された充電速度及び目標圧力に基づいて前記複数個の流量制御バルブの開度率を調整する段階と、を含むことができる。
【0022】
一実施形態において、前記複数の充電モードのうちいずれか1つを決定する段階は、前記複数個のノズルのそれぞれに設けられる通信装置を介して前記車両の特性情報を獲得する段階と、前記車両のレセプタクルと前記複数個のノズルの締結状態に基づいて前記ノズルの利用可能情報を獲得する段階と、を含むことができる。
【0023】
一実施形態において、前記車両充電方法は、前記第1マルチ充電モードで前記車両を充電時に前記複数個の充電ホース間の圧力差又は流量差のうちいずれか1つが基準値以上である場合、前記統合バルブを閉鎖するように前記統合バルブを制御する段階をさらに含むことができる。
【0024】
一実施形態において、前記車両充電方法は、前記単一充電モードで前記車両を充電中に充電中断が必要な場合、前記複数個のバルブのうち前記車両と連結されたバルブを閉鎖するように前記複数個のバルブのうちいずれか1つを制御する段階と、前記第1マルチ充電モードで前記車両を充電中に充電中断が必要な場合、前記統合バルブを閉鎖するように前記統合バルブを制御する段階と、前記第2マルチ充電モードで前記車両を充電中に前記充電中断が必要な場合、前記複数個のバルブを閉鎖するように前記複数個のバルブを制御する段階と、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本技術は、車両の特性(例:レセプタクルの個数、燃料タンクの個数、充電モジュールの個数など)及び充電状況(例:充電所の設備、充電所のノズル利用可能情報)を考慮して適切な充電モードで車両を充電することができる。
【0026】
また、本技術は、燃料タンクを複数個備える車両を高速充電することができ、複数の車両を同時に充電することができる。
【0027】
それだけでなく、本技術は、個人の車両だけではなく自律走行が可能な車両(例:自律走行基盤のロボットタクシー)などを充電する充電所に全て適用されてよい。
【0028】
これ以外に、本文書を介して直接的又は間接的に把握される多様な効果が提供されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態による車両充電システムの構成を示す図面である。
図2】本発明の一実施形態による充電システムを用いた車両の充電方法を説明するための図面である。
図3】本発明の一実施形態による単一充電モードで動作する充電システムの充電方法を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態による第1マルチ充電モードで動作する充電システムの充電方法を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による第2マルチ充電モードで動作する充電システムの充電方法を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態によるコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一部実施形態を例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されていても可能な限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明することにおいて、関連される公知の構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0031】
本発明の実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。また、異なって定義されない限り、技術的であるか科学的な用語を含め、ここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願において明白に定義しない限り、理想的であるか過度に形式的な意味として解釈されない。
【0032】
以下、図1から図6を参照し、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態による車両充電システムの構成を示す図面である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による車両充電システムは、充電所の燃料を車両に供給することができる車両充電システムであってよい。本発明の一実施形態による充電システムは、ディスペンサー210、充電制御部260及び燃料貯蔵部270を含むことができる。
【0035】
燃料貯蔵部270は、燃料を貯蔵することができ、貯蔵された燃料は、ディスペンサー210を介して車両に伝達されてよい。例えば、燃料は、気体、液体又はLOHC(Liquid organic hydrogen carriers)のうち少なくとも1つの形態を有する水素であってよい。一方、燃料の範囲が水素にだけ限定されるのではなく、通常の技術者に容易な範囲で変更されてよい。以下では、燃料が水素である場合を例に挙げて説明する。
【0036】
ディスペンサー210は、充電所内に少なくとも1つ配置されてよい。ディスペンサー210は、複数個のノズル220、複数個の充電ホース211、212、複数個の流量制御バルブ241、242、243及び複数個のインターフェース231、232を含むことができる。
【0037】
複数個のノズル220のそれぞれは、車両のレセプタクル120と締結されてよい。複数個のノズル220のうち少なくともいずれか1つは、少なくともいずれか1つの燃料タンクと連結された少なくとも1つのレセプタクル120と締結されてよい。一例として、複数個のノズル220のうちいずれか1つは、単一タンクを備える車両の単一レセプタクル120と締結されてよい。他の例として、複数個のノズル220のうちいずれか1つは、複数個の燃料タンクを備える車両の複数個のレセプタクル120のうちいずれか1つと締結されてよい。また他の例として、複数個のノズル220は、複数個の燃料タンクを備える車両の複数個のレセプタクル120と一対一で締結されてよい。
【0038】
複数個のノズル220は、第1ノズル221及び第2ノズル222を含むことができる。第1ノズル221及び第2ノズル222のそれぞれは、車両に配置されるレセプタクル120と連結されてよい。第1ノズル221は、第1充電ホース211の末端部に配置され、第2ノズル222は、第2充電ホース212の末端部に配置されてよい。
【0039】
第1ノズル221及び第2ノズル222のそれぞれの一側には、第1通信装置251、252が形成されてよい。例えば、第1通信装置251、252は、有線通信装置又は/及び無線通信装置を含むことができ、第1通信装置251、252は、送信装置又は/及び受信装置を含むことができる。好ましい例示として、第1通信装置251、252は、赤外線IR受信機を含むことができる。第1通信装置251、252は、車両の燃料充電時にノズル220と結合されるレセプタクル120の周辺に配置される第2通信装置151、152とデータ通信することができる。例えば、第2通信装置151、152は、有線通信装置又は/及び無線通信装置を含むことができ、第2通信装置151、152は送信装置又は/及び受信装置を含むことができる。好ましい例示として、通信装置151、152は、IR送信機を含むことができる。第2通信装置151、152と通信可能に連結された第1通信装置251、252は、車両から車両の特性情報を受信することができる。車両の特性情報は、車両のタンク温度、車両のタンク圧力、レセプタクルの数量、充電モジュールの数量、充電圧力、タンクの大きさ、充電速度情報を含む燃料充電情報であってよい。
【0040】
第1充電ホース211は、燃料貯蔵部270と連結された供給配管213と第1ノズル221の間に配置され、燃料貯蔵部270と第1ノズル221を連結することができる。第1充電ホース211は、第1圧力センサP1及び第1流量センサF1を含むことができる。第1圧力センサP1は、第1充電ホース211の内部圧力又は/及び第1充電ホース211を介して第1ノズル221に供給される燃料の圧力を測定することができる。第1流量センサF1は、第1充電ホース211を介して第1ノズル221に供給される燃料の流量を測定することができる。
【0041】
第2充電ホース212は、燃料貯蔵部270と連結された供給配管213と第2ノズル222の間に配置され、燃料貯蔵部270と第2ノズル222を連結することができる。第2充電ホース212は、第2圧力センサP2及び第2流量センサF2を含むことができる。第2圧力センサP2は、第2充電ホース212の内部圧力又は/及び第2充電ホース212を介して第2ノズル222に供給される燃料の圧力を測定することができる。第2流量センサF2は、第2充電ホース212を介して第2ノズル222に供給される燃料の流量を測定することができる。
【0042】
インターフェース231、232は、車両の使用者が選択することができる各種ボタン233、タッチスクリーンなどで提供されてよい。インターフェース231、232は、充電モード、充電開始及び充電中止などを選択することができる画面を提供(出力)することができる。例えば、インターフェース231、232は、単一充電モード、第1マルチ充電モード又は第2マルチ充電モードのうち車両の特性情報及びノズルの利用可能情報に基づいて車両に適した充電モードを選択することができるアイコンが表示される画面を提供することができる。
【0043】
インターフェース231、232は、複数個で備えるものとして説明されているが、複数個が1つに統合された1つのインターフェースで構成されてもよい。
【0044】
第1マルチ充電モードは、複数個のレセプタクル120より少ない個数の充電モジュールを備える第1マルチレセプタクル車両を高速で充電するのに適した充電モードであってよい。第2マルチ充電モードは、複数個のレセプタクル120と一対一で対応される複数個の充電モジュールを備える第2マルチレセプタクル車両を高速で充電するのに適した充電モードであってよい。単一充電モードは、レセプタクル120及び充電モジュールのそれぞれを1個ずつ備える単一レセプタクル車両を定速で充電するのに適した充電モードであってよい。単一充電モードは、ノズルの利用可能情報に基づいて第1及び第2マルチレセプタクル車両の充電時に選択されてよい。単一充電モードは、第1及び第2マルチレセプタクル車両のレセプタクル120の個数より少ない数のノズルを用いて充電しなければならない場合、第1及び第2マルチレセプタクル車両を定速で充電するのに適した充電モードであってよい。
【0045】
インターフェース231、232を介して車両使用者により選択された充電モードに該当する車両の特性情報は、充電制御部260に提供されてよい。これにより、車両(例:第2通信装置151、152)と充電所(例:第1通信装置251、252)の間の非通信時にも、充電制御部260は、インターフェース231、232を介して車両の特性情報を獲得することができる。
【0046】
複数個の流量制御バルブ241、242、243は、第1バルブ241、第2バルブ242及び統合バルブ243を含むことができる。
【0047】
第1バルブ241は、燃料貯蔵部270と連結された供給配管213と第1充電ホース211の間に配置され、供給配管213から第1充電ホース211に供給される燃料の流量を制御することができる。
【0048】
第2バルブ242は、供給配管213と第2充電ホース212の間に配置され、供給配管213から第2充電ホース212に供給される燃料の流量を制御することができる。
【0049】
統合バルブ243は、燃料貯蔵部270及び供給配管213の間に配置され、燃料貯蔵部270から供給配管213に供給される燃料の流量を制御することができる。統合バルブ243は、燃料貯蔵部270からの燃料を第1バルブ241に向かう供給配管213の一部及び第2バルブ242に向かう供給配管213の残りの一部に分配することができる。統合バルブ243は、燃料貯蔵部270からの燃料を第1バルブ241及び第2バルブ242に分配して供給することができる。
【0050】
充電制御部260は、車両の特性情報及びノズル利用可能情報に基づいて複数の充電モードのうちいずれか1つの充電モードを決定し、決定された充電モードに基づいて流量制御バルブ241、242、243の開度率を決定して制御することができる。
【0051】
充電制御部260は、インターフェース231、232又は第1通信装置251、252のうち少なくともいずれか1つを介して車両の特性情報(例:レセプタクル、充電モジュール及び燃料タンクそれぞれの状態情報)を獲得することができる。
【0052】
一例として、車両のレセプタクル120とノズル220の締結時、充電制御部260は、第2通信装置151、152から伝達される車両の特性情報を第1通信装置251、252を介して獲得することができる。車両のレセプタクル120とノズル220の締結時、車両のレセプタクル120とノズル220の締結数量を介して、充電制御部260は、ノズル利用可能情報を獲得することができる。充電制御部260は、獲得された車両の特性情報(例:単一レセプタクル車両、第1マルチレセプタクル車両又は第2マルチレセプタクル車両)及びノズル利用可能情報に基づいて充電モードを選択することができる。充電制御部260は、獲得された車両の特性情報が単一レセプタクル車両、第1マルチレセプタクル車両又は第2マルチレセプタクル車両のうちいずれか1つであり、1つのノズルを利用可能であれば、単一充電モードを選択することができる。充電制御部260は、獲得された車両の特性情報が第1マルチレセプタクル車両であり、複数のノズルを利用可能であれば、第1マルチ充電モードを選択することができる。充電制御部260は、獲得された車両の特性情報が第2マルチレセプタクル車両であり、複数のノズルを利用可能であれば、第2マルチ充電モードを決定することができる。
【0053】
他の例として、充電制御部260は、充電所で実時間に充電中の車両に応じて異なるノズル利用可能情報に基づいてインターフェースに表示されるアイコンの活性化可否を決定することができる。充電制御部260は、1つのノズルを利用可能な場合、単一充電モードに該当するアイコンが活性化されるようにインターフェース231、232を制御することができる。充電制御部260は、複数のノズルを利用可能な場合、第1及び第2マルチ充電モードのそれぞれに該当するアイコンが活性化されるようにインターフェース231、232を制御することができる。充電制御部260は、インターフェースを介して車両の使用者が単一充電モード、第1マルチ充電モード又は第2マルチ充電モードのうちいずれか1つに該当するアイコンを選択すると、充電制御部260は、選択されたアイコンに該当する充電モードを決定することができる。
【0054】
充電制御部260は、決定された充電モードに基づいて充電速度及び目標圧力を決定し、決定された充電速度及び目標圧力に基づいて流量制御バルブ241、242、243の開度率を決定して制御することができる。
【0055】
このような充電制御部260は、プロセッサ261及びメモリ262を含むことができる。プロセッサ261は、充電制御部260の全般的な動作を制御することができる。プロセッサ261は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、PLD(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、CPU(Central Processing unit)、マイクロコントローラ(microcontrollers)及びマイクロプロセッサ(microprocessors)のうち少なくとも1つに具現されてよい。メモリ262は、プロセッサ261により実行される命令語(instructions)を格納する格納媒体(non-transitory storage medium)であってよい。メモリ262は、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスク(hard disk)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、EPROM(Erasable and Programmable ROM)又はレジスタ(register)などの格納媒体(記録媒体)のうち少なくとも1つに具現されてよい。例えば、メモリ262は、圧力センサP1、P2又は流量センサF1、F2で測定されたディスペンサー210の状態情報に基づいて流量制御バルブ241、242、243の開度率が定義されたマップ、充電モード及び車両の充電環境による水素充電注入速度及び目標圧力が定義された充電マップを格納することができる。
【0056】
充電制御部260は、統合バルブ243の開度率を調節して供給配管213に供給される燃料の流量を制御することができる。充電制御部260は、第1バルブ241の開度率を調節して第1充電ホース211に供給される燃料の流量を制御することができる。充電制御部260は、第2バルブ242の開度率を調節して第2充電ホース212に供給される燃料の流量を制御することができる。
【0057】
充電制御部260は、車両を単一充電モード又は第2マルチ充電モードで充電時に第1バルブ241の開度率及び第2バルブ242の開度率をそれぞれ調整することができる。すなわち、充電制御部260は、第1圧力センサP1又は第1流量センサF1のうち少なくともいずれか1つを介して獲得された情報に基づいて第1バルブ241の開度率を調整し、第2圧力センサP2又は第2流量センサF2のうち少なくともいずれか1つを介して獲得された情報を介し、第2バルブ242の開度率を調整することができる。
【0058】
充電制御部260は、車両を第1マルチ充電モードで充電時に第1及び第2ノズル221、222間の動作タイミング又は/及び第1及び第2充電ホース211、212間の動作タイミングが一致するように統合バルブ243を制御することにより流量不均衡が発生することを防止することができる。
【0059】
充電制御部260は、複数の圧力センサP1、P2又は複数の流量センサF1、F2のうち少なくともいずれか1つを用いてディスペンサー210の状態情報(例:充電ホースの流量情報)を獲得することができる。充電制御部260は、獲得された情報に基づいて複数の充電ホース211、212の流量不均衡発生可否を判断し、判断結果に基づいて流量制御バルブ241、242、243の開度率を制御することができる。
【0060】
充電制御部260は、車両を第1マルチ充電モードで充電時に第1及び第2圧力センサP1、P2を介して獲得された情報を介し、第1及び第2ノズル221、222間又は/及び第1及び第2充電ホース211、212間の圧力差値を算出することができる。充電制御部260は、車両を第1マルチ充電モードで充電時に第1及び第2流量センサF1、F2を介して獲得された情報を介し、第1及び第2ノズル221、222間又は/及び第1及び第2充電ホース211、212間の流量差値を算出することができる。充電制御部260は、車両を第1マルチ充電モードで充電中、算出された圧力差値又は/及び流量差値が既設定された基準値以上である場合、統合バルブ243が一時的に閉鎖されるように統合バルブ243を制御することができる。これにより、第1及び第2ノズル221、222間又は/及び第1及び第2充電ホース211、212間の圧力を同期化させることができる。第1及び第2ノズル221、222間又は/及び第1及び第2充電ホース211、212間の内部圧力は同一圧で均一に形成されてよい。第1及び第2ノズル221、222又は/及び第1及び第2充電ホース211、212を介して供給される燃料の流量が均一に合わせることができる。
【0061】
充電制御部260は、車両を充電中に充電が中断しなければならない状況の発生時に第1バルブ241、第2バルブ242又は統合バルブ243のうち少なくともいずれか1つが完全に閉鎖されるように第1バルブ241、第2バルブ242及び統合バルブ243を制御することができる。充電制御部260は、車両を第1マルチ充電モードで充電中に充電が中断しなければならない状況の発生時に統合バルブ243を制御することができる。充電制御部260は、車両を単一充電モード又は第2マルチ充電モードで充電中に充電が中断しなければならない状況の発生時に車両と連結された少なくとも1つの充電ホース211、212に設けられる第1バルブ241又は第2バルブ242のうち少なくともいずれか1つを制御することができる。これにより、緊急状況又は充電が難しい状況で充電が中断されるので、安定性を確保することができる。例えば、充電が中断しなければならない状況は、燃料貯蔵部270のバンクの交替時、車両の燃料タンク又は充電所のうち少なくともいずれか1つに問題が発生したとき、第1通信装置251、252を介して充電中断信号受信時の状況であってよい。
【0062】
図2は、本発明の一実施形態による充電システムを用いた車両の充電方法を説明するための図面である。
【0063】
図2を参照すると、車両300、400、500は、燃料収容方法及び燃料貯蔵量に基づいて区分されてよい。車両300、400、500は、第1車両300、第2車両400及び第3車両500に区分されてよい。車両300、400、500に含まれる燃料タンク311、411、412、511、512は、それぞれ1つの燃料タンク又はそれぞれ複数の燃料タンクであってよい。
【0064】
第1車両300は、第1レセプタクル311及び第1充電モジュール330それぞれを1個ずつ備える単一レセプタクル車両であってよい。第2車両400は、複数個の第2レセプタクル421、422より少ない個数の第2充電モジュール430を備える第1マルチレセプタクル車両であってよい。第3車両500は、複数個の第3レセプタクル521、522及び複数個の第3燃料タンク511、512のそれぞれと一対一で対応される複数個の第3充電モジュール530を備える第2マルチレセプタクル車両であってよい。
【0065】
単一レセプタクル車両である第1車両300は、第1レセプタクル321と第1燃料タンク311の間に位置する第1充電モジュール330を備えることができる。第1充電モジュール330は、第1レセプタクル321と連結された1つ(又は、単一)の第1充電流路331を含むことができる。
【0066】
第1車両300には、単一充電モードで動作するディスペンサー210を介して水素燃料が定速で充電されてよい。第1インターフェース231又は第2インターフェース232のうち少なくともいずれか1つの単一充電モードに該当するアイコンが活性化された状態であるとき、第1車両300の使用者は、単一充電モードを選択することができる。単一充電モードに動作されるディスペンサー210の第1充電ホース211又は第2充電ホース212のうちいずれか1つは第1車両300の第1レセプタクル321に締結されてよい。第1レセプタクル321に締結された第1充電ホース211又は第2充電ホース212のうちいずれか1つを介して第1車両300には水素燃料が供給されてよい。水素燃料は、第1レセプタクル321と連結された第1充電モジュール330の第1充電流路331を介して第1燃料タンク311に貯蔵されてよい。
【0067】
第1マルチレセプタクル車両である第2車両400は、複数個の第2レセプタクル421、422と、複数個の第2燃料タンク411、412と、少なくとも1つの第2充電モジュール430を備えることができる。第2レセプタクル421、422及び第2燃料タンク411、412は個数が同一であるか、第2燃料タンク411、412は第2レセプタクル421、422より個数が多くてよい。
【0068】
第2充電モジュール430は、複数個の第2レセプタクル421、422と複数個の第2燃料タンク411、412の間に配置される少なくとも1つの第2充電流路431を含むことができる。第2充電モジュール430は、複数個の第2レセプタクル421、422のそれぞれと連結された1つの第2充電流路431を介して供給された水素燃料を複数個の第2燃料タンク411、412のそれぞれに分岐して供給することができる。
【0069】
第2車両400には、単一充電モード又は第1マルチ充電モードのうちいずれか1つで動作するディスペンサー210を介して水素燃料が供給されてよい。
【0070】
第1インターフェース231又は第2インターフェース232のうち少なくともいずれか1つの単一充電モード、第1マルチ充電モード及び第2マルチ充電モードに該当するアイコンが活性化された状態であるとき、第2車両400の使用者は、第1マルチ充電モードを選択することができる。第1マルチ充電モードに動作されるディスペンサー210の第1及び第2充電ホース211、212は、複数個の第2レセプタクル421、422に締結されてよい。複数個の第2レセプタクル421、422に締結された第1及び第2充電ホース211、212を介して第2車両400には水素燃料が高速で充電されてよい。
【0071】
第1及び第2インターフェース231、232の第1マルチ充電モード及び第2マルチ充電モードのアイコンが非活性化された状態であり、単一充電モードのアイコンが活性化された状態であるとき、第2車両400の使用者は、単一充電モードを選択することができる。単一充電モードで動作するディスペンサー210の第1充電ホース211又は第2充電ホース212のうちいずれか1つは複数個の第2レセプタクル421、422のうちいずれか1つと締結され、第1充電ホース211又は第2充電ホース212のうち残り1つは複数個の第2レセプタクル421、422のうち残り1つと締結されないことがある。複数個の第2レセプタクル421、422のうちいずれか1つと締結された第1充電ホース211又は第2充電ホース212のうちいずれか1つを介して第2車両400には水素が定速で充電され得る。
【0072】
例えば、第1車両300が第1充電ホース211を介して単一充電モードで水素燃料を定速で充電している場合、第2車両400は第1車両300と同一のディスペンサー210の第2充電ホース212を介して単一充電モードで水素燃料を定速で充電することができる。これにより、単一レセプタクル車両である第1車両300及び第1マルチレセプタクル車両である第2車両400は同時に充電され得る。
【0073】
第2マルチレセプタクル車両である第3車両500は、複数個の第3レセプタクル521、522と、複数個の第3燃料タンク511、512と、複数個の第3充電モジュール530とを備えることができる。第3充電モジュール530、第3レセプタクル521、522及び第3燃料タンク511、512は、個数が同一であってよい。複数個の第3充電モジュール530のそれぞれは、複数個の第3レセプタクル521、522のそれぞれと、複数個の第3燃料タンク511、512のそれぞれとを一対一で連結することができる。複数個の第3充電モジュール530のそれぞれは、第3レセプタクル521、522と第3燃料タンク511、512の間に配置される複数個の第3充電流路531、532のそれぞれを含むことができる。
【0074】
第3車両500には、単一充電モード又は第2マルチ充電モードのうちいずれか1つで動作するディスペンサー210を介して水素燃料が供給されてよい。
【0075】
第1インターフェース231又は第2インターフェース232のうち少なくともいずれか1つの単一充電モード、第1マルチ充電モード及び第2マルチ充電モードに該当するアイコンが活性化された状態であるとき、第3車両500の使用者は、第2マルチ充電モードに該当するアイコンを選択することができる。第2マルチ充電モードに動作されるディスペンサー210の第1及び第2充電ホース211、212は、複数個の第3レセプタクル521、522に締結されてよい。複数個の第3レセプタクル521、522に締結された第1及び第2充電ホース211、212を介して第3車両500には水素燃料が高速で充電されてよい。
【0076】
第1及び第2インターフェース231、232の第1マルチ充電モード及び第2マルチ充電モードのアイコンが非活性化された状態であり、単一充電モードのアイコンが活性化された状態であるとき、第3車両500の使用者は、単一充電モードを選択することができる。単一充電モードで動作するディスペンサー210の第1充電ホース211又は第2充電ホース212のうちいずれか1つは複数個の第3レセプタクル521、522のうちいずれか1つと締結されてよい。第1充電ホース211又は第2充電ホース212のうち残り1つは複数個の第3レセプタクル521、522のうち残り1つと締結されないことがある。複数個の第3レセプタクル521、522のうちいずれか1つと締結された第1充電ホース211又は第2充電ホース212のうちいずれか1つを介して第2車両400には水素燃料が定速で充電され得る。
【0077】
例えば、第1車両300が第1充電ホース211を介して単一充電モードで水素燃料を定速で充電している場合、第3車両500は、第1車両300と同一のディスペンサー210の第2充電ホース212を介して単一充電モードで水素燃料を定速で充電することができる。これにより、単一レセプタクル車両である第1車両300及び第2マルチレセプタクル車両である第3車両500は同時に充電され得る。
【0078】
以下、図3から図5を参照し、本発明の一実施形態による充電システムの動作方法を説明する。図3から図5に図示された充電システムの充電方法は、図1及び図2を紐付けして説明する。
【0079】
以下では、図1の充電システムが図3から図5のプロセスを遂行することを仮定する。また、図3から図5の説明において、装置により遂行されると記述された動作は、充電システムの充電制御部260によって制御されるものと理解されてよい。
【0080】
図3は、本発明の一実施形態による単一充電モードで動作する充電システムの充電方法を説明するためのフローチャートである。
【0081】
動作S100において、単一レセプタクル車両である第1車両300の使用者が第1インターフェース231又は第2インターフェース232のうちいずれか1つで単一充電モードを選択することにより、ディスペンサー210は単一充電モードで動作することができる。例えば、第1車両300の使用者は、第1インターフェース231の単一充電モードを選択することができる。
【0082】
動作S101において、充電制御部260は、第1充電ホース211又は第2充電ホース212のうち少なくともいずれか1つの使用可否を確認することができる。充電制御部260は、第1車両300の使用者が選択したインターフェースを除いた残りのインターフェースと連結された充電ホースの使用可否を確認することができる。例えば、充電制御部260は、第1車両300の使用者が選択しない第2インターフェース232と連結された第2充電ホース212の使用可否を確認することができる。
【0083】
動作S102において、充電制御部260は、第1車両300の使用者が選択したインターフェースを除いた残りのインターフェースの表示環境を制御することができる。充電制御部260は、第1車両300の使用者が選択しない第2インターフェース232の単一充電モードを除いた第1マルチ充電モード及び第2マルチ充電モードに該当するアイコンが非活性化状態に表示されてよい。これにより、第1車両の充電中、第1車両300と同一のディスペンサーの第2充電ホースを用いて充電しようとする追加車両の使用者は、単一充電モードを選択することができるが、第1マルチ充電モード及び第2マルチ充電モードを選択することができない。
【0084】
その他にも、第1車両300の第1レセプタクル321と第1ノズル221の締結時、充電制御部260は、第1通信装置251を介して受信された第1車両300の特性情報を獲得し、インターフェースを介した第1車両300の使用者の選択がなくとも単一充電モードで動作することもできる。
【0085】
動作S103において、単一充電モードで動作するディスペンサー210の第1充電ホース211は、第1車両300の第1レセプタクル321と締結されてよい。一方、第1車両300の使用者は、第2充電ホース212を選択することもでき、選択された第2充電ホース212は、第1レセプタクル321に締結されてよい。以下では、第1充電ホース211と第1車両300の第1レセプタクル321が締結された構造を例に挙げて説明する。
【0086】
動作S104において、第1車両300の第1レセプタクル321に第1充電ホース211の第1ノズル221が締結されると、充電制御部260は、第1車両300の充電環境を点検することができる。充電制御部260は、統合バルブ243及び第1バルブ241を瞬間開放後に閉じることにより第1ノズル221を用いた単一充電モードの充電環境を初期化することができる。充電制御部260は、第1ノズル221と第1レセプタクル321の連結状態、通信状態及び水素漏出有無などを点検することができる。充電制御部260は、第1車両300との通信を介して第1車両300の要求水素充電量及び第1車両300の第1燃料タンク311内の水素圧力及び温度を確認することができる。
【0087】
動作S105及び動作S106において、第1車両300の充電環境に問題がないと判断されると、充電制御部260は、充電環境に基づいて第1充電プロトコルデータを決定することができる。第1充電プロトコルデータは、充電環境の点検時に確認された第1車両300及びディスペンサー210の初期パラメータに基づいて算出されてよい。例えば、充電制御部260は、第1車両300及びディスペンサー210のパラメータ(例:充電所の大気温度、水素冷却温度、第1車両300のタンク設計圧力、初期圧力)に基づいて充電速度(昇圧率)APRP及び第1ノズル221の目標圧力を計算して安全な充電プロファイルガイドを提示することができる。目標圧力及び充電速度は、充電所の設備特性により変わり得るので、目標圧力及び充電速度は、充電所ごとに異なって設定されてよい。
【0088】
動作S107において、充電制御部260は、統合バルブ243を完全に開放した状態で第1ノズル221の充電速度及び第1ノズル221の目標圧力に基づいて第1バルブ241を開放し、第1バルブ241の開度率を実時間に調整することができる。すなわち、算出された充電速度で第1車両300に算出された目標圧力まで水素を充電するように第1バルブ241を制御することができる。
【0089】
動作S108において、第1ノズル221の目標圧力PN1と第1圧力センサP1で測定された測定圧力PS1を比較することができる。比較の結果、測定圧力PS1が目標圧力PN1未満であると、第1圧力センサP1で測定された測定圧力PS1に基づいて第1バルブ241の開度率を実時間に調整する充電プロセッサを遂行することができる。
【0090】
動作S109において、比較の結果、測定圧力PS1が目標圧力PN1以上に到達するようになると、第1バルブ241を完全に閉鎖されてよい。その後、第1レセプタクル321と第1ノズル221が分離することにより第1車両300の充電プロセッサは終了されてよい。
【0091】
一方、動作S101において、充電制御部260は、第2充電ホース212を使用不可能とし、第1充電ホース211を使用可能なものと判断することができる。充電制御部260は、第1車両300より充電を先に開始した他の車両の使用者が第2充電ホース212を用いている場合、第2充電ホース212を使用不可能な状態として判断することができる。
【0092】
動作S110において、第2充電ホース212の使用が不可能であるため(動作S101-No)、単一充電モードで動作するディスペンサー210の第1充電ホース211は、第1車両300の第1レセプタクル321と締結されてよい。
【0093】
動作S111において、第1車両300の第1レセプタクル321に第1充電ホース211の第1ノズル221が締結されると、充電制御部260は、第1車両300の充電環境を点検することができる。充電制御部260は、第1バルブ241を瞬間開放後に閉じることにより第1ノズル221を用いた単一充電モードの充電環境を初期化することができる。このとき、第1車両300を除いた他の車両に第2充電ホース212を介して充電を進行しているので、統合バルブ243は開放された状態であり、第2バルブ242は開度率が実時間に調整されている状態であってよい。
【0094】
充電制御部260は、第1ノズル221と第1レセプタクル321の連結状態、通信状態及び水素漏出有無などを点検することができる。充電制御部260は、第1車両300との通信を介して第1車両300の要求水素充電量及び第1車両300の第1燃料タンク311内の水素圧力及び温度を確認することができる。
【0095】
動作S112及び動作S113において、第1車両300の充電環境が初期化されると、充電制御部260は、充電環境に基づいて単一充電プロトコルデータ(又は、第1充電プロトコル)を決定することができる。単一充電プロトコルデータは、充電環境点検時に確認された第1車両300及びディスペンサー210の初期パラメータに基づいて算出されてよい。例えば、充電制御部260は、第1車両300及びディスペンサー210のパラメータ(例:充電所の大気温度、水素冷却温度、第1車両300のタンク設計圧力、初期圧力)に基づいて充電速度(昇圧率)APRP及び第1ノズル221の目標圧力を計算して安全な充電プロファイルガイドを提示することができる。目標圧力及び充電速度は充電所の設備特性により変わり得るので、目標圧力及び充電速度は充電所ごとに異なって設定されてよい。
【0096】
動作S114において、充電制御部260は、第1ノズル221の充電速度及び第1ノズル221の目標圧力に基づいて第1バルブ241を開放し、第1バルブ241の開度率を実時間に調整することができる。すなわち、算出された充電速度で第1車両300に算出された目標圧力まで水素を充電するように第1バルブ241を制御することができる。統合バルブ243が完全に開放されながら第1ノズル221と第2ノズル222への流量を伝達することができる。
【0097】
動作S115において、第1ノズル221の目標圧力PN1と第1圧力センサP1で測定された測定圧力PS1を比較することができる。比較の結果、測定圧力PS1が目標圧力PN1未満であると、第1圧力センサP1で測定された測定圧力PS1に基づいて第1バルブ241の開度率を実時間調整する充電プロセッサを遂行することができる。
【0098】
動作S116において、比較の結果、測定圧力PS1が目標圧力PN1以上に到達するようになると、第1バルブ241は完全に閉鎖されてよい。その後、第1レセプタクル321と第1ノズル221が分離することにより第1ノズル221を介して低速で水素燃料を充電した第1車両300の充電プロセッサは終了してよい。
【0099】
図4は、本発明の実施形態による第1マルチ充電モードで動作する充電システムの充電方法を説明するためのフローチャートである。
【0100】
動作S201において、第1マルチレセプタクル車両である第2車両400の使用者により第1インターフェース231又は第2インターフェース232のうちいずれか1つで第1マルチ充電モードが選択されることにより、ディスペンサー210は第1マルチ充電モードで動作することができる。このとき、第1及び第2インターフェース231、232は、単一充電モード、第1マルチ充電モード及び第2マルチ充電モードのそれぞれに該当するアイコンが活性化された状態に表示された画面を提供することができる。
【0101】
動作S202において、ディスペンサー210の第1充電ホース211の第1ノズル221及び第2ノズル222のそれぞれは、第2車両400の複数の第2レセプタクル421、422と締結されてよい。一方、動作S201がなく、動作S202において第2車両400とディスペンサー210の連結時に第2車両400の特性情報は、第1通信装置251、252を介して充電制御部260に伝達されてよい。
【0102】
動作S203において、第2車両400の第2レセプタクル421、422とノズル221、222が締結されると、充電制御部260は、第2車両400の充電環境を点検することができる。充電制御部260は、統合バルブ243、第1バルブ241及び第2バルブ242を瞬間開放後に閉鎖することにより第1ノズル221及び第2ノズル222を用いた第1マルチ充電モードの充電環境を初期化することができる。充電制御部260は、第1ノズル221及び第2ノズル222のそれぞれと、複数の第2レセプタクル421、422の連結状態、通信状態及び水素漏出有無などを点検することができる。充電制御部260は、第2車両400との通信を介して第2車両400の要求水素充電量及び第2車両400の第2燃料タンク411、412内の水素圧力及び温度を確認することができる。
【0103】
動作S204及び動作S205において、第2車両400の充電環境が初期化されると、充電制御部260は、充電環境に基づいて第1マルチ充電プロトコルデータ(又は、第2充電プロトコルデータ)を決定することができる。第1マルチ充電プロトコルデータは、充電環境の点検時に確認された第2車両400及びディスペンサー210の初期パラメータに基づいて算出されてよい。例えば、充電制御部260は、第2車両400及びディスペンサー210のパラメータ(例:充電所の大気温度、水素冷却温度、第2車両400のタンク設計圧力、初期圧力)に基づいて充電速度(昇圧率)APRPと、第1ノズル221及び第2ノズル222の目標圧力を計算して安全な充電プロファイルガイドを提示することができる。充電制御部260は、充電所の設備特性を反映して目標圧力及び充電速度を計算することができる。例えば、充電制御部260は、充電所の設備特性を反映して計算された充電速度より2倍高く変更された充電速度で選定することができる。
【0104】
動作S206において、充電制御部260は、第1及び第2バルブ241、242を完全に開放した状態で、第1圧力センサP1及び第2圧力センサP2で測定された測定圧力PS1、PS2、第1及び第2ノズル221、222の充電速度又は第1及び第2ノズル221、222の目標圧力のうち少なくともいずれか1つに基づいて統合バルブ243を開放し、統合バルブ243の開度率を実時間に調整することができる。算出された充電速度で第2車両400に算出された目標圧力まで水素を充電するように第1及び第2バルブ241、242を開放した状態で統合バルブ243の開度率を制御することができる。
【0105】
動作S207において、充電制御部260は、第1圧力センサP1を介して測定された第1ノズル221の第1測定圧力PS1と、第2圧力センサP2を介して測定された第2ノズル222の第2測定圧力PS2を比較することができる。充電制御部260は、第1測定圧力PS1及び第2測定圧力PS2間の差の絶対値を算出し、算出された絶対値が基準圧力PTH以上であるかを判断することができる。基準圧力は、充電所の設備特性により変わり得るので、基準圧力は充電所ごとに異なって設定されてよい。
【0106】
動作S208において、算出された絶対値が基準圧力PTH以上である場合(動作S207-Yes)、充電制御部260は、第1ノズル221と連結された第1充電ホース211及び第2ノズル222と連結された第2充電ホース212間の流量不均衡が発生したものと判断することができる。その他にも、充電制御部260は、第1及び第2流量センサF1、F2のそれぞれを介して測定された測定流量間の差の絶対値が基準流量以上である場合、流量不均衡が発生したものと判断することができる。
【0107】
充電制御部260は、流量不均衡が発生したものと判断すると、統合バルブ243を閉鎖することができる。充電制御部260は、統合バルブ243を一時的に閉鎖することにより第1及び第2ノズル221、222間の圧力を同期化することができる。第1充電ホース211及び第2充電ホース212の間の内部圧力は同一圧を形成することができる。これにより、第1充電ホース211及び第2充電ホース212を介して供給される水素の流量は同一又は類似に調節されてよい。
【0108】
充電制御部260は、流量不均衡が発生されないものと判断すると、動作S206を維持しながら動作S209に進行することができる。
【0109】
動作S209において、充電制御部260は、第1ノズル221の目標圧力PN1と第1圧力センサP1で測定された測定圧力PS1を比較することができる。比較の結果、測定圧力PS1が目標圧力PN1未満であると(動作S209-No)、第1バルブ241及び第2バルブ242を開放した状態で統合バルブ243の開度率を実時間に調整する第2車両400の充電プロセッサを続けて遂行することができる。
【0110】
動作S210において、比較の結果、測定圧力PS1が目標圧力PN1以上に到達するようになると(動作S209-Yes)、第1バルブ241、第2バルブ242及び統合バルブ243は完全に閉鎖されてよい。その後、複数個の第2レセプタクル421、422のそれぞれと第1及び第2ノズル221、222が分離されてよい。第1及び第2ノズル221、222を介して高速で水素燃料を充電した第2車両400の充電プロセッサは終了されてよい。
【0111】
図5は、本発明の実施形態による第2マルチ充電モードで動作する充電システムの充電方法を説明するためのフローチャートである。
【0112】
動作S301において、第2マルチレセプタクル車両である第3車両500の使用者が第1インターフェース231又は第2インターフェース232のうちいずれか1つで第2マルチ充電モードを選択することにより、ディスペンサー210は、第2マルチ充電モードで動作することができる。このとき、第1及び第2インターフェース231、232は、単一充電モード、第1マルチ充電モード及び第2マルチ充電モードのそれぞれに該当するアイコンが活性化された状態に表示された画面を提供することができる。
【0113】
動作S302において、ディスペンサー210の第1充電ホース211の第1ノズル221及び第2ノズル222のそれぞれは、第3車両500の複数の第3レセプタクル521、522と締結されてよい。一方、動作S301がなく、動作S302において第3車両500とディスペンサー210の連結時に第3車両300の特性情報は、第1通信装置251、252を介して充電制御部260に伝達されてよい。
【0114】
動作S303において、複数の第3レセプタクル521、522とノズル221、222が締結されると、充電制御部260は、第3車両500の充電環境を点検することができる。一例として、充電制御部260は、バルブ243を完全開放してから、第1バルブ241を瞬間開放後に閉鎖し、第2バルブ242を瞬間開放後に閉鎖し、統合バルブ243を完全閉鎖することができる。他の例として、充電制御部260は、統合バルブ243を完全開放してから、第2バルブ242を瞬間開放後に閉鎖し、第1バルブ241を瞬間開放後に閉鎖し、統合バルブ243を完全閉鎖することができる。これにより、第1ノズル221及び第2ノズル222を用いた第2マルチ充電モードの充電環境が初期化されてよい。充電制御部260は、第1ノズル221及び第2ノズル222のそれぞれと、複数の第2レセプタクル421、422の連結状態、通信状態及び水素漏出有無などを点検することができる。充電制御部260は、第3車両500との通信を介して第3車両500の要求水素充電量及び第3車両500の第3燃料タンク511、512内の水素圧力及び温度を確認することができる。
【0115】
動作S304及び動作S305において、第3車両500の充電環境が初期化されると、充電制御部260は、充電環境に基づいて第2マルチ充電プロトコルデータ(又は、第3充電プロトコルデータ)を決定することができる。第2マルチ充電プロトコルデータは、充電環境の点検時に確認された第3車両500及びディスペンサー210の初期パラメータに基づいて算出されてよい。例えば、充電制御部260は、第3車両500及びディスペンサー210のパラメータ(例:充電所の大気温度、水素冷却温度、第3車両500のタンク設計圧力、初期圧力)に基づいて充電速度(昇圧率)APRPと、第1及び第2ノズル221、222の目標圧力を計算して安全な充電プロファイルガイドを提示することができる。第1及び第2ノズル221、222別に充電速度及び目標圧力が計算されてよい。第1及び第2ノズル221、222別に充電速度及び目標圧力は互いに異なって計算されてよい。目標圧力及び充電速度は、充電所の設備特性により変わり得るので、目標圧力及び充電速度は充電所ごとに異なって設定されてよい。
【0116】
動作S306において、充電制御部260は、統合バルブ243を完全に開放した状態で、第1圧力センサP1及び第2圧力センサP2で測定された測定圧力PS1、PS2、第1及び第2ノズル221、222の充電速度又は第1及び第2ノズル221、222の目標圧力PN1、PN2のうち少なくともいずれか1つに基づいて第1バルブ241及び第2バルブ242のそれぞれの開度率を実時間に調整することができる。算出された充電速度で第3車両500に算出された目標圧力まで水素を充電するように第1及び第2バルブ241、242を開放した状態で第1及び第2バルブ241、242のそれぞれの開度率を制御することができる。
【0117】
動作S307において、第1圧力センサP1を介して測定された第1ノズル221の第1測定圧力PS1と第1ノズル221の第1目標圧力PN1とを比較し、第2圧力センサP2を介して測定された第2ノズル222の第2測定圧力PS2と第2ノズル222の第2目標圧力PN2とを比較することができる。比較の結果、第1測定圧力PS1が第1目標圧力PN1未満であると(動作S307-No)、第1バルブ241の開度率を実時間に調整しながら第3車両500の充電プロセッサを遂行することができる。複数個の第3燃料タンク511、512のうち第1ノズル221と連結された第3燃料タンク511の充電プロセッサを続けて遂行することができる。
【0118】
第2測定圧力PS2が第2目標圧力PN2未満であると(動作S307-No)、第2バルブ242の開度率を実時間に調整して第3車両500の充電プロセッサを続けて遂行することができる。複数個の第3燃料タンク511、512のうち第2バルブ242を介して第2ノズル222と連結された第3燃料タンク511、512の充電プロセッサを続けて遂行することができる。
【0119】
動作S308において、第1測定圧力PS1が第1目標圧力PN1以上に到達すると(動作S307-Yes)、第1バルブ241は完全に閉鎖され、第3車両500の第1レセプタクル521と第1ノズル221の間の締結は解除されてよい。第2測定圧力PS2が第2目標圧力PN2以上に到達すると(動作S307-Yes)、第2バルブ242は完全に閉鎖され、第3車両500の第2レセプタクル522と第2ノズル222間の締結は解除されてよい。
【0120】
動作S309において、第1バルブ241及び第2バルブ242の閉鎖可否が確認されてよい。第1バルブ241又は第2バルブ242のうち少なくともいずれか1つが閉鎖されない場合(S309-No)、動作S307を遂行することができる。
【0121】
動作S310において、第1バルブ241及び第2バルブ242が全て完全に閉鎖された場合(S309-Yes)、統合バルブ243は完全に閉鎖されてよい。これにより、第1及び第2ノズル221、222を介して高速で水素燃料を充電した第3車両400の充電プロセッサは終了されてよい。
【0122】
図6は、本発明の一実施形態による車両充電システムを用いた車両充電方法を行うためのコンピュータシステムを示す図である。
【0123】
図6を参照すると、本発明の一実施形態による車両充電システムの充電方法は、コンピュータシステム1000を介して具現されてよい。コンピュータシステム1000は、バス1200を介して連結される少なくとも1つのプロセッサ1100、メモリ1300、使用者インターフェース入力装置1400、使用者インターフェース出力装置1500、ストレージ1600、及びネットワークインターフェース1700を含むことができる。
【0124】
プロセッサ1100は、中央処理装置CPU又はメモリ1300及び/又はストレージ1600に格納された命令語に対する処理を実行する半導体装置を含むことができる。メモリ1300及びストレージ1600は、多様な種類の揮発性又は不揮発性格納媒体を含むことができる。例えば、メモリ1300は、ROM(Read Only Memory)及び/又はRAM(Random Access Memory)を含むことができる。
【0125】
したがって、本明細書に開示された実施形態に関して説明された方法又はアルゴリズムの段階は、プロセッサ1100により実行されるハードウェア、ソフトウェアモジュール、又はその2つの結合に直接具現されてよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、着脱型ディスク、CD-ROMのような格納媒体(すなわち、メモリ1300及び/又はストレージ1600)に常駐することもできる。
【0126】
例示的な格納媒体は、プロセッサ1100にカップリングされ、そのプロセッサ1100は、格納媒体から情報を読み取ることができ、格納媒体に情報を書き込むことができる。他の方法として、格納媒体は、プロセッサ1100と一体型であってもよい。プロセッサ及び格納媒体は、注文型集積回路ASIC内に常駐することもできる。ASICは、使用者端末機内に常駐することもできる。他の方法として、プロセッサ及び格納媒体は、使用者端末機内に個別コンポーネントとして常駐することもできる。
【0127】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能である。
【0128】
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護の範囲は、下記の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6