(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163054
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】入力保護を有する半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
H01L27/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074697
(22)【出願日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】10 2023 204 159.6
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス ゼーバッハー
(72)【発明者】
【氏名】ヘアヴィック ワッピス
(57)【要約】
【課題】入力保護を有する半導体デバイス。
【解決手段】半導体デバイスは、アナログ入力チャネル12、14によって駆動されるADC10を有し、各々は、入力パッド20および入力ノード22を有し、入力ノードは、スイッチ26を通してADCの入力に接続されている。アナログ入力チャネルは、入力ノードと正の電力レールとの間に接続されたハイサイドクランプトランジスタ62と、入力ノードでの電圧がハイサイド比較電圧を超えるとき、正のクランプトランジスタをオンにして、入力ノードをハイサイドクランプ電圧にクランプするハイサイド比較器66と、入力ノードと負の電力レールとの間に接続されたローサイドクランプトランジスタ42と、入力ノードでの電圧がローサイド比較電圧未満に低下するとき、ローサイドクランプトランジスタをオンにして、入力ノードをローサイドクランプ電圧にクランプするローサイド比較器46と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力を有する共通の回路と、
各々が入力パッドおよび前記入力パッドに接続されている入力ノードを有する複数のアナログ入力チャネルと、
を備える半導体デバイスであって、
前記入力ノードは、それぞれのスイッチを通して前記共通の回路の入力に接続され、前記アナログ入力チャネルは、
前記入力ノードと電力レールとの間に接続されているハイサイドクランプトランジスタと、
前記入力ノードでの電圧がハイサイド比較電圧を超えるとき、前記ハイサイドクランプトランジスタをオンにして、前記入力ノードをハイサイドクランプ電圧にクランプするためのハイサイド比較器と、
前記入力ノードと電力レールとの間に接続されているローサイドクランプトランジスタと、
前記入力ノードでの前記電圧がローサイド比較電圧未満に低下するとき、前記ローサイドクランプトランジスタをオンにして、前記入力ノードをローサイドクランプ電圧にクランプするためのローサイド比較器と、
を備える、
半導体デバイス。
【請求項2】
前記共通の回路は、ADCである、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記スイッチは、CMOS送信ゲートである、
請求項1または2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記半導体デバイスは、
入力パッドと、
前記入力パッドと前記入力ノードとの間の静電放電(ESD)構造と、
をさらに備える、
請求項1から3のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記ハイサイドクランプトランジスタは、正の電力レールに接続され、前記ハイサイドクランプ電圧は、前記正の電力レールの電圧であり、
前記ローサイドクランプトランジスタは、負の電力レールに接続され、前記ローサイドクランプ電圧は、前記負の電力レールの電圧である、
請求項1から4のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記半導体デバイスは、
電力レールと前記ハイサイドクランプトランジスタとの間に接続され、前記ハイサイドクランプ電圧を生成するためのハイサイドクランプ電圧源と、
電力レールと前記ローサイドクランプトランジスタとの間に接続されているローサイドクランプ電圧源と、
をさらに備える、
請求項1から4のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ローサイドクランプトランジスタは、n型MOSFETであり、
前記ローサイド比較器は、前記入力ノードに接続されているその負の入力端子および負の電力レールに接続されているその正の入力端子を有する、
請求項1から6のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記ローサイドクランプトランジスタは、p型MOSFETであり、
前記ローサイド比較器は、前記入力ノードに接続されているその正の入力端子および負の電力レールに接続されているその負の入力端子を有する、
請求項1から6のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記ハイサイドクランプトランジスタは、p型MOSFETであり、
前記ハイサイド比較器は、正の電力レールに接続されているその正の入力端子および前記入力ノードに接続されているその負の入力端子を有する、
請求項1から6のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記ハイサイドクランプトランジスタは、n型MOSFETであり、
前記ハイサイド比較器は、正の電力レールに接続されているその負の入力端子および前記入力ノードに接続されているその正の入力端子を有する、
請求項1から6のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項11】
入力パッドを有するアナログ入力チャネルと、
前記入力パッドに接続されている入力ノードと、
前記入力ノードと正(VDD)または負(VSS)の電力レールとの間に接続されているアクティブクランプ回路と、
を備える半導体デバイスであって、
前記アクティブクランプ回路は、
前記入力ノードと前記電力レールとの間に接続されている被制御端子および制御端子を有するクランプトランジスタであって、MOSトランジスタであるクランプトランジスタと、
前記入力ノードでの電圧を比較電圧と比較するように構成される比較器と、
を備え、
前記比較器は、前記クランプトランジスタの前記制御端子に接続されている出力を有し、前記入力ノードでの前記電圧が前記比較電圧を超えるとき、前記クランプトランジスタをオンにして、クランプ電圧を前記入力ノードに印加する、
半導体デバイス。
【請求項12】
前記半導体デバイスは、前記クランプトランジスタと前記電力レールとの間に接続され、前記クランプ電圧を生成するためのクランプ電圧源をさらに備える、
請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記半導体デバイスは、
正の電力レール(VDD)と、
負の電力レール(VSS)と、
を備え、
前記アクティブクランプ回路は、前記入力ノードと前記正の電力レールとの間に接続されているハイサイドアクティブクランプ回路であり、前記クランプ電圧源は、ハイサイドクランプ電圧源であり、前記クランプトランジスタは、ハイサイドクランプトランジスタであり、前記比較器は、前記入力ノードでの前記電圧がハイサイド比較電圧より大きいとき、前記ハイサイドクランプトランジスタをオンにするために、前記ハイサイドクランプトランジスタに接続されている出力を有するハイサイド比較器であり、
前記半導体デバイスは、前記入力ノードと電力レールとの間に接続されているローサイドアクティブクランプ回路をさらに備え、
前記ローサイドアクティブクランプ回路は、
前記電力レールに接続され、ローサイドクランプ電圧を生成するためのローサイドクランプ電圧源と、
前記入力ノードと前記ローサイドクランプ電圧源との間に接続されている被制御端子および制御端子を有するローサイドクランプトランジスタと、
前記入力ノードでの前記電圧をローサイド比較電圧と比較するように構成されるローサイド比較器と、
を備え、
前記ローサイド比較器は、前記ローサイドクランプトランジスタの前記制御端子に接続されている出力を有し、前記入力ノードでの前記電圧が前記ローサイド比較電圧より小さいとき、前記ローサイドクランプトランジスタをオンにして、前記ローサイドクランプ電圧を前記入力ノードに印加する、
請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記半導体デバイスは、前記入力パッドと前記入力ノードと間の静電放電(ESD)保護回路をさらに備える、
請求項11から13のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記半導体デバイスは、前記入力ノードに接続されているアナログ入力を有するアナログデジタルコンバータ(ADC)モジュールをさらに備える、
請求項11から14のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記半導体デバイスは、前記入力ノードと前記ADCモジュールとの間の送信ゲートをさらに備える、
請求項15に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスに関するものであり、特には、複数の入力を有するデバイスの入力で用いられる保護回路の非限定的な例に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ICは、典型的には、正の電圧VDDと、グラウンドでもよい低電圧VSSと、の間に接続される電力供給によって動作する。正の電圧VDDは、例えば、+5Vでもよく、または、いくつかの現代のデバイスではより低くてもよい。特に入力ピンVinでの電圧がこの範囲外にある場合、過負荷電流は、入力ピンで発生しうる。自動車のバッテリー電圧が典型的には5Vより非常に大きいとき、これはいくつかの用途において、例えば、自動車の場合、比較的容易に発生しうる。
【0003】
複数の入力ピンを有する半導体デバイスの場合、1つの入力ピンの過負荷電流は、漏れ電流として隣接するピンに結合しうる。隣接するピンが入力として用いられる場合、これは、課題および不正確性を生じさせうる。例えば、アナログデジタルコンバータADCに対する入力を有する回路の場合、ADCに複数の方法で接続可能な複数の入力ピンが提供され、ADCが、マルチプレクサによって選択される入力ピンで電圧入力を測定できるようにしてもよい。入力ピンの1つにおいて、過負荷状態が存在する場合、過負荷入力ピンとADCとの間のスイッチがオフの場合であっても、そのピン上の入力電流は、隣接するピン上でADCに結合し、ADC測定に影響を及ぼし、信頼性を損ないうる。
【0004】
この問題に対処するために、入力ピンとADCとの間のダブル送信ゲート(Tゲート)を用いてもよい。ダブル送信ゲートは、直列の2つのTゲートから成る。2つのTゲート間のノードは、供給レールに対してスイッチングされる。これは、原則として、特にカップリング要因に起因した過負荷に関して、良好なロバスト性を与える。負の方向のこの種の過負荷は、KOVANと称されてもよく、KOVANは、ドイツ語の「Koppelfaktor Overload Analog Negativ」、すなわち、アナログ・カップリング・ファクター・ネガティブ・オーバロードの省略に基づく頭字語である。負の過負荷の代わりに正の過負荷は、KOVAP過負荷と称されてもよい。残念なことに、レイアウト効果に起因して、寄生バイポーラ接合トランジスタ(BJT)はまた、KOVAP/Nイベントの間、形成し、導通を開始しうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例において、入力を有する共通の回路と、各々が入力パッドおよび入力パッドに接続されている入力ノードを有する複数のアナログ入力チャネルと、を備える半導体デバイスが提供されてもよく、入力ノードは、それぞれのスイッチを通してADCの入力に接続され、アナログ入力チャネルは、入力ノードと電力レールとの間に接続されているハイサイドクランプトランジスタと、入力ノードでの電圧がハイサイド比較電圧を超えるとき、ハイサイドクランプトランジスタをオンにして、入力ノードをハイサイドクランプ電圧にクランプするためのハイサイド比較器と、入力ノードと電力レールとの間に接続されているローサイドクランプトランジスタと、入力ノードでの電圧がローサイド比較電圧未満に低下するとき、ローサイドクランプトランジスタをオンにして、入力ノードをローサイドクランプ電圧にクランプするためのローサイド比較器と、を備える。
【0006】
一例において、入力パッドを有するアナログ入力チャネルと、入力パッドに接続されている入力ノードと、入力ノードと正(VDD)または負(VSS)の電力レールとの間に接続されているアクティブクランプ回路と、を備える半導体デバイスが提供されてもよく、アクティブクランプ回路は、入力ノードと電力レールとの間に接続されている被制御端子および制御端子を有するクランプトランジスタであって、MOSトランジスタであるクランプトランジスタと、入力ノードでの電圧を比較電圧と比較するように構成される比較器と、を備え、比較器は、クランプトランジスタの制御端子に接続されている出力を有し、入力ノードでの電圧が比較電圧を超えるとき、クランプトランジスタをオンにして、入力ノードにクランプ電圧を印加する。
【0007】
本開示は、添付の図面において、限定するためではなく、例示のために示され、図面では、類似の参照符号は、類似または同一の要素を意味する。図面の要素は、必ずしも、互いに対して一定の比率ではない。さまざまな示された例の特徴は、互いに除外しない限り、組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、半導体デバイスは、アナログデジタルコンバータADC10および複数のアナログ入力チャネル構造12、14を有し、そのうち、第1のアナログ入力チャネル構造12のみが詳細に示される。ADCは、デジタル出力18およびアナログ入力16を有し、アナログ入力16は、アナログ入力チャネル構造12、14に接続されている。回路は、正の電圧レール36(VDD)およびグラウンドであるとみなされてもよい負の電圧レール34(VSS)に接続されている。
【0010】
各アナログ入力構造は、入力パッド20、入力ノード22および入力パッド20と入力ノード22との間の静電放電保護構造24を有する。しばしばCMOS Tゲートと称される送信ゲート26は、入力ノード22にも接続され、入力ノード22をADC10のアナログ入力16に接続する。
【0011】
Tゲート26(
図6)は、nチャネル金属酸化物半導体MOSトランジスタ82およびpチャネルMOSトランジスタ80を並列に備える。アナログ入力チャネル構造12、14のTゲートを制御することによって、それぞれのアナログ入力チャネル構造12、14の入力パッド20の所望の1つをADC10に接続することができる。インバータ86は、2つのトランジスタ80、82の正しい駆動を確実にする。
【0012】
1つのアナログ入力チャネル構造12内の入力パッドの過負荷状態が生じた場合、過負荷のアナログ入力チャネル構造12がADC10に接続されていないときでも、すなわち、アナログ入力チャネル構造12のTゲートがスイッチオフされる場合であっても、そのチャネル構造の電流は、隣接しているアナログ入力チャネル構造14を妨げうる。これは、隣接しているチャネル上の測定を妨げる。この状態は、正の過負荷の場合、KOVAPとして知られ、負の過負荷の場合、KOVANとして知られている。それは、1つまたは複数の入力での過負荷状態が、他の入力ピンまたは出力ピン上の干渉を引き起こすアナログ混合信号回路におけるエラー条件を表現する。
【0013】
これに対処するために、ローサイドクランプ回路40およびハイサイドクランプ回路60が提供され、以下、説明される。ローサイドクランプ回路40は、KOVANクランプを表現し、ハイサイドクランプ回路60は、KOVAPクランプを表現する。
【0014】
最初に、ローサイドクランプ回路40に関して、
図1および
図2を参照して、NMOSFETの形のローサイドクランプトランジスタ42は、入力ノード22と負の電圧レール34との間に接続されている。図面では、ローサイドクランプ電圧源44は、ローサイドクランプトランジスタ42と負の電圧レール34との間に提供されて示される。比較器46は、入力ノード22に結合されたその負の入力と、ローサイドオフセット電圧源48を通してグラウンドに結合された正の入力と、を有する。ローサイドオフセット電圧源48は、ローサイド比較電圧を生成する。本願明細書において、「比較器」という用語は、比較器46の機能を記載し、比較器は、比較器、演算増幅器または動作可能な相互コンダクタンス増幅器でもよいことに留意されたい。
【0015】
使用中、通常動作において、ローサイドクランプトランジスタ42はオフであり、電流は、入力パッド20からESD保護回路24を通り入力ノード22まで流れ、ここから送信ゲート26を通りADC10まで流れる。
【0016】
入力パッド20で過負荷状態の場合、入力ノード22での電圧は、VSS未満に低下し、スイッチは、これを防止するためにクランプする。入力ノード22での電圧は、ローサイド電圧オフセット未満に低下し、これは、比較器46の状態を変化させる。次に、出力は、ローサイドクランプトランジスタ42をオンに制御し、これは、電流を負の電圧レール34に低下させ、このことにより、入力ノード22での電圧は、ローサイドクランプ電圧になるようにクランプされる。
【0017】
多くの場合、ローサイド比較電圧は、単に接地電圧0Vとすることができ、この場合、ローサイド比較電圧を生成するための構成要素は必要ないことに留意されたい。他の場合には、ローサイド比較電圧は、図示するように、グラウンドを参照してローサイドオフセット電圧源48によって生成可能である。さらに他の場合には、ローサイドオフセット電圧源48は、グラウンドの代わりに正の電力レールの電圧VDDとの比較により、参照電圧を生成することができる。
【0018】
多くの場合、必要なローサイドクランプ電圧は、ゼロ、すなわち負の電圧レールの電圧でもよく、この場合、ローサイドクランプ電圧源44は、省略されてもよい。
【0019】
したがって、この回路は、アナログ入力チャネル構造12の入力での電流が、隣接するアナログ入力チャネル構造14またはチップ上の他の場所の実際の構造に影響を及ぼしうることを回避する。
【0020】
ESD構造24は、入力パッド20と入力ノード22との間に提供される抵抗74を含む。入力パッド20側には、第1の対のダイオード70、72が、それぞれ、入力パッド20と正の電圧レール36との間、および、入力パッド20と負の電圧レール34との間に提供される。同様に、入力ノード22側には、第2の対のダイオード76、78が、それぞれ、入力ノード22と正の電圧レール36との間、および、入力ノード22と負の電圧レール34との間に提供される。
【0021】
Tゲート回路26(
図6)は、並列のPMOSFET80およびNMOSFET82を備え、これらは、両方のMOSFET80、82を制御する共通の制御入力84に基づいてスイッチングされ、MOSFET80、82の1つのゲートが、インバータ86を通過して制御される。この種のTゲート回路は、オン/オフ間でスイッチング可能であり、2つのMOSFET80、82の使用により、すべての非過負荷入力電圧のために電流が流れることが確実になる。
【0022】
図3を参照すると、代替のローサイドクランプ回路が提示される。この場合、ローサイドクランプトランジスタ42は、PMOSFETであり、比較器46の入力は、反対に接続され、すなわち、正の入力は、入力ノード22に接続され、負の入力は、ローサイドオフセット電圧源48を通してグラウンドに結合される。必要なローサイド比較電圧がゼロである場合、このローサイドオフセット電圧源48は、省略されてもよい。
【0023】
ハイサイドクランプ回路60は、同様に動作する。
図1および
図4を参照すると、PMOSFETの形のハイサイドクランプトランジスタ62は、入力ノード22と正の電圧レール36との間に接続される。クランプ電圧源64は、ハイサイドクランプトランジスタ62と正の電圧レール36との間に提供される。演算増幅器比較器66は、入力ノード22に結合されたその負の入力と、ハイサイドオフセット電圧源68を通して正の電圧レールに結合された正の入力と、を有する。ハイサイドオフセット電圧源68は、ハイサイド比較電圧を生成し、必要なハイサイド比較電圧が単に正のレール36の電圧である場合、ハイサイドオフセット電圧源は、省略されてもよい。
【0024】
ハイサイドクランプ回路60は、ローサイドクランプ回路40と類似の方法で動作する。通常、ハイサイドクランプトランジスタ62は、ハイサイド比較器66によってオフに制御される。入力ノード22の電圧がハイサイド電圧オフセット超に上昇する場合には、比較器66の出力は、状態を変化させ、ハイサイドクランプトランジスタ62をオンに制御する。これは、入力ノード22での電圧を、ハイサイド電圧オフセット以下に制御する。
【0025】
図5を参照すると、代替のハイサイドクランプ回路が提示される。この場合、ハイサイドクランプトランジスタ62は、NMOSFETであり、比較器66入力は、反対に接続され、すなわち、負の入力は、ハイサイドオフセット電圧源68を通して正の電圧レールに接続され、正の入力は、入力ノード22に接続される。上述したように、比較器が単に入力ノード22での電圧と正のレール36の電圧との間にある場合、ハイサイドオフセット電圧源68は、省略されてもよい。
【0026】
図1から
図5において、ローサイドオフセット電圧源48およびハイサイドオフセット電圧源68は、比較器46、66の端子の1つに接続して示される。しかしながら、オフセットが比較器46、66の他の端子に同等に導入されてもよいことを認識されたい。例えば、比較器66の正の入力と入力ノード22との間にハイサイドオフセット電圧源68を有する
図5に示される構成の代わりに、オフセット電圧源68は、正の電圧レール36(VDD)と比較器66の負の入力との間に提供されてもよい。
【0027】
多くの場合、必要なハイサイドクランプ電圧は、正の電圧レールでもよく、この場合、ハイサイドクランプ電圧源64は、省略されてもよい。
【0028】
特定の例が、本願明細書において図示および記載されてきたが、当業者によってさまざまな代替および/または等価な実施態様が、本発明の要旨を逸脱することなく、図示および記載された特定の例と置換されてもよいことを認識されたい。この出願は、本願明細書において述べられる特定の例の任意の適合または変化もカバーすることを意図するものである。それゆえ、本発明は、請求項およびその均等物のみによって限定されることを意図する。
【0029】
本願明細書において概説されるその好適実施形態を含む方法およびデバイスは、単独で用いられてもよいし、または、本願明細書に開示される他の方法およびデバイスと組み合わせてもよいことに留意されたい。加えて、デバイスの文脈で概説される特徴はまた、対応する方法にも適用でき、逆もまた同じである。さらに、本願明細書において概説される方法およびデバイスのすべての態様は、任意に組み合わせてもよい。特に、請求項の特徴は、任意の方法で互いに組み合わせてもよい。
【0030】
特に、上述した説明は、複数の入力チャネルを有するADC10を含むが、ADCは、複数のスイッチング可能な入力を有する代替の共通回路、例えば、OPAMP、アナログマルチプレクサまたは複数の選択可能な入力によって駆動される任意の回路によって置換されてもよい。
【0031】
説明および図面が単に提案された方法およびシステムの原則を示すのみであることに留意されたい。当業者は、本願明細書において明確には記載または図示されないが、本発明の原理を実施し、その趣旨および範囲内に含まれるさまざまな構成を実施することができる。さらに、本願明細書において概説されるすべての例および実施形態は、主に、読者が提案された方法およびシステムの原則を理解する際に支援するための説明の目的のみのためであることを明示的に意図している。さらに、本発明の原則、態様および実施形態を提供する本願明細書のすべての記載は、その特定の例とともに、その均等物を包含することを意図している。
【外国語明細書】