(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163077
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ヒンジを備える多数片バスケットカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024076376
(22)【出願日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】63/501,183
(32)【優先日】2023-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/630,968
(32)【優先日】2024-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】グオ・シュ
(72)【発明者】
【氏名】ホセ・ヒメネス
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ロリック
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK16
4C160KK38
4C160KK39
4C160KL03
4C160MM38
4C160NN01
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】開示された技術は、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備えている、医療用プローブを含む。バスケットアセンブリは、チューブ状シャフトの遠位端に結合された第1の複数のスパインと、第2の複数のスパインと、を含むことができ、第2の複数のスパインのうちの各スパインは、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されている。バスケットアセンブリは、少なくとも第2の複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、第2の複数のスパインの遠位端に接続されたプッシュロッドと、を含むことができる。プッシュロッドは、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成することができる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記バスケットアセンブリが、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された第1の複数のスパインと、
第2の複数のスパインであって、前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されている、第2の複数のスパインと、
少なくとも前記第2の複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、
前記第2の複数のスパインの遠位端に接続されたプッシュロッドであって、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、前記拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成されている、プッシュロッドと、を含む、医療用プローブ。
【請求項2】
前記第1の複数のスパインが、前記拡張可能バスケットアセンブリの近位部分を形成しており、前記第2の複数のスパインが、前記拡張可能バスケットアセンブリの遠位部分を形成している、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記第2の複数のスパインが、前記第1の複数のスパインに対して外向きに回転して、拡張構成に移行するように構成されている、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
前記拡張可能バスケットアセンブリの遠位部分が前記拡張可能バスケットアセンブリの前記近位部分に少なくとも部分的に入れ子になるように、前記第2の複数のスパインが、前記第1の複数のスパインに対して内向きに回転するように構成されている、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記第2の複数のスパインが、単一のスパインアセンブリを形成するように互いに取り付けられている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
前記第2の複数のスパインが、単一片の連続生体適合性材料を含む、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記第1の複数のスパインのうちの各スパインが、その遠位端においてそこを通って延在する第1のアパーチャを含み、
前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、その近位端においてそこを通って延在する第2のアパーチャを含み、
前記医療用プローブが、複数のピンを更に備えており、前記複数のピンのうちの各ピンが、それぞれの第1のアパーチャ及びそれぞれの第2のアパーチャを通って延在して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
前記ピンが、前記第1の複数のスパイン及び前記第2の複数のスパインとスナップフィットを形成して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに固定する、請求項7に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記第1の複数のスパインのうちの各スパインが、突出部を含み、
前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、そこを通って延在するアパーチャを含み、前記アパーチャが、前記突出部を受容して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記突出部が、前記アパーチャとスナップフィットを形成して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに固定する、請求項9に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、突出部を含み、
前記第1の複数のスパインのうちの各スパインが、そこを通って延在するアパーチャを含み、前記アパーチャが、前記突出部を受容して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
前記突出部が、前記アパーチャとスナップフィットを形成して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに固定する、請求項11に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
複数のヒンジ部材を更に備えており、前記複数のヒンジ部材のうちの各ヒンジ部材が、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの遠位端に、かつ前記第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの近位端に結合されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
各ヒンジ部材が、近位アパーチャと、遠位アパーチャと、を含み、前記第1の複数のスパイン、前記第2の複数のスパイン、及び前記複数のヒンジ部材を互いに回転可能に取り付けるために、前記近位アパーチャが、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの突出部を受容するように構成されており、前記遠位アパーチャが、前記第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの突出部を受容するように構成されている、請求項13に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
各ヒンジ部材が、近位突出部と、遠位突出部と、を含み、前記第1の複数のスパイン、前記第2の複数のスパイン、及び前記複数のヒンジ部材を互いに回転可能に取り付けるために、前記近位突出部が、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインのアパーチャに挿入されるように構成されており、前記遠位突出部が、前記第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインのアパーチャに挿入されるように構成されている、請求項13に記載の医療用プローブ。
【請求項16】
前記複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、前記パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項17】
前記拡張可能バスケットアセンブリが、拡張形態にあるときに、ほぼ球形形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項18】
前記拡張可能バスケットアセンブリが、拡張形態にあるときに、ほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項19】
医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記バスケットアセンブリが、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された第1の複数のスパインと、
第2の複数のスパインであって、前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されており、前記第2の複数のスパインが、前記第1の複数のスパインに対して遠位に曲がって、前記拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成に移行させるように付勢される、第2の複数のスパインと、を含む、医療用プローブ。
【請求項20】
医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記バスケットアセンブリが、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合され、かつフック部材を含む、第1の複数のスパインと、
第2の複数のスパインであって、前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、アパーチャを含み、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されている、第2の複数のスパインと、
少なくとも前記第2の複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、
前記第2の複数のスパインの遠位端に接続されたプッシュロッドであって、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、前記拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成されている、プッシュロッドと、を含む、医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119(e)の下で、2023年5月10日に出願された米国仮特許出願第63/501,183号(代理人整理番号:BIO6834USPSP1.253757.000373)に対する優先権及び利益を主張するものであり、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療装置に関するものであり、具体的には、折り畳み構成と拡張構成との間を移行するように構成されたバスケットカテーテルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝導するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導経路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。医療用プローブは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱し得る。いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を使用する。
【0004】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。更に、複数の線形スパインは、概して、線形スパインの両端をチューブ状シャフト(例えば、プッシャチューブ)に取り付けて球形バスケットを形成することによって、一緒に組み立てられる。いくつかのバスケットカテーテルは、多くの空間を占め、挿入カテーテルを通して挿入することが困難であり得る。更に、バスケットの構成に起因して、シースを通して挿入する若しくは後退させるか、又は操作するときにスパインを破損する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、当技術分野では、スパインを破損する可能性を低減するのに役立つバスケットカテーテルの代替的な設計に対する必要性が存在する。この及び他の課題は、本明細書に開示された技術によって対処することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示された技術は、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備えている、医療用プローブを含む。バスケットアセンブリは、チューブ状シャフトの遠位端に結合された第1の複数のスパインと、第2の複数のスパインと、を含むことができ、第2の複数のスパインのうちの各スパインは、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されている。バスケットアセンブリは、少なくとも第2の複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、第2の複数のスパインの遠位端に接続されたプッシュロッドと、を含むことができる。プッシュロッドは、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成することができる。
【0007】
開示された技術は、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトを備えている、医療用プローブを含む。チューブ状シャフトは、長手方向軸に沿って延在することができる。医療用プローブは、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリを含むことができる。バスケットアセンブリは、チューブ状シャフトの遠位端に結合された第1の複数のスパインと、第2の複数のスパインと、を含むことができる。第2の複数のスパインのうちの各スパインは、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合することができる。第2の複数のスパインは、第1の複数のスパインに対して遠位に曲がって、拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成に移行させるように付勢されることができる。
【0008】
開示された技術は、医療用プローブを構築する方法を含むことができる。方法は、チューブ状シャフトに第1の複数のスパインを取り付けることを含むことができる。チューブ状シャフトは、長手方向軸に沿って延在することができる。方法は、第1の複数のスパインの遠位端に第2の複数のスパインを取り付けることを更に含むことができる。第2の複数のスパインは、第1の複数のスパインに回転可能に取り付け可能であり得る。第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインは、拡張可能バスケットアセンブリを形成することができる。方法は、プッシュロッドに第2の複数のスパインの遠位端を取り付けることを更に含むことができる。プッシュロッドは、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成することができる。方法は、少なくとも第2の複数のスパインに複数の電極を取り付けることを含むことができる。
【0009】
開示された技術は、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトを備えている、医療用プローブを含むことができる。チューブ状シャフトは、長手方向軸に沿って延在することができる。医療用プローブは、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリを備えることができる。バスケットアセンブリは、チューブ状シャフトの遠位端に結合され、かつフック部材を含む、第1の複数のスパインと、第2の複数のスパインと、を含むことができる。第2の複数のスパインのうちの各スパインは、アパーチャを含み、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されている。バスケットアセンブリは、少なくとも第2の複数のスパインに取り付けられた複数の電極を含むことができる。医療用プローブは、第2の複数のスパインの遠位端に接続されたプッシュロッドを更に含むことができる。プッシュロッドは、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】開示された技術の一実施形態による、その遠位端が、一緒に結合された電極を備えたバスケットアセンブリを有する医療用プローブを含む、医療システムの概略描画図である。
【
図2A】開示された技術による、拡張構成にある拡張可能バスケットアセンブリの斜視図である。
【
図2B】開示された技術による、組み立て構成にある
図2Aの拡張可能バスケットアセンブリのヒンジの詳細図である。
【
図2C】開示された技術による、分解構成にある拡張可能バスケットアセンブリのヒンジの詳細図である。
【
図2D】開示された技術による、半折り畳み構成にある拡張可能バスケットアセンブリの斜視図である。
【
図2E】開示された技術による、組み立て構成にある
図2Dの拡張可能バスケットアセンブリのヒンジの詳細図である。
【
図2F】開示された技術による、折り畳み構成にある拡張可能バスケットアセンブリの側面図である。
【
図3A】開示された技術による、拡張構成にある拡張可能バスケットアセンブリの別の斜視図である。
【
図3B】開示された技術による、半折り畳み構成にある拡張可能バスケットアセンブリの別の斜視図である。
【
図4A】開示された技術による、拡張可能バスケットアセンブリのスパイン及びピンの分解図である。
【
図4B】開示された技術による、一方のスパインが突出部を有する、拡張可能バスケットアセンブリのスパインの別の分解図である。
【
図5A】開示された技術による、拡張可能バスケットアセンブリのスパイン及びヒンジ部材の分解図である。
【
図5B】拡張可能バスケットアセンブリのスパイン及びヒンジ部材の別の分解図である。
【
図6A】開示された技術による、拡張可能バスケットアセンブリのスパインの別の例の斜視図である。
【
図6B】開示された技術による、拡張可能バスケットアセンブリのスパインの別の例の側面図である。
【
図6C】開示された技術による、拡張可能バスケットアセンブリのスパインの別の例の分解図である。
【
図7A】開示された技術による、拡張構成にある拡張可能バスケットアセンブリの別の斜視図である。
【
図7B】開示された技術による、半折り畳み構成にある拡張可能バスケットアセンブリの別の斜視図である。
【
図8】開示された技術による、拡張可能バスケットアセンブリを組み立てる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を描示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく、例として、本発明の原理を例解する。この説明は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物、及び使用を説明する。
【0012】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に説明される意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。
【0013】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「対象」という用語は、任意のヒト対象又は動物対象を指し、本システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むが、これらに限定されない、様々な任意の適用可能なタイプのものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解するべきである。同様に、「近位」という用語は、オペレータ又は医師により近い方の位置を示す一方、「遠位」は、オペレータ又は医師からより遠い位置を示す。
【0014】
本明細書で論じられるように、「医師」又は「オペレータ」は、医者、外科医、技術者、科学者、又は対象への薬物難治性心房細動を治療するための多電極カテーテルの送達と関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0015】
本明細書で考察されるように、「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成されている、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むが、これらに限定されない、特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0016】
本明細書で考察されるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けされた2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を含む1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を含む第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0017】
本明細書で考察されるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称する)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称する)を含む電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを含む電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への印加を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に説明されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分において本質的に一定の電圧振幅を含む正方形を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0018】
本明細書で考察されるように、「管状」及び「管」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的に直円柱構造として例解され得るが、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ付きの又は湾曲した外面を有し得る。
【0019】
本明細書で使用される「温度定格」という用語は、構成要素が、構成要素の溶融又は熱劣化(例えば、炭化及び崩壊)などの熱損傷を引き起こすことなく、その寿命の間に耐えることができる最大連続温度として定義される。
【0020】
本開示の例示的なシステム、方法、及びデバイスは、心不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションに特に適し得る。アブレーションエネルギーは、典型的には、アブレーションされる組織と並行にアブレーションエネルギーを送達することができる電極によって心臓組織に提供される。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化することができる。
【0021】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。
【0022】
本開示で考察されるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療エリアにおいて熱を生成し、治療エリア内の全ての細胞を無差別に加熱する。したがって、IREは、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで既知である起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスを利用することができる。
【0023】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的(reversable)(一時的)又は不可逆的(永久的)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を印加することによって誘発することができる。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、恒常性の喪失に起因して死滅し、典型的には、プログラムされた細胞死又はアポトーシスによって死滅し、これは、他のアブレーションモダリティと比較して、より少ない瘢痕組織を残すと考えられている。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞はほぼ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0024】
次に、上で考察されるようなIREが可能な医療用プローブの製造及び構築について考察する。本開示の解決策は、バスケットアセンブリを構築するためのシステム及び方法を含む。バスケットアセンブリは、複数のヒンジを形成する複数のスパインストラットを一緒に結合することによって、拡張構成と折り畳み構成との間を移行するように構成することができる。更に、ヒンジは、折り畳み構成にあるときに、バスケットアセンブリがよりコンパクトな形状を形成することを可能にする。更にまた、ヒンジは、スパインに存在し得る応力集中を低減し、それによって、スパインが撓んだときに破損し得る可能性を低減する。
【0025】
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10を示す
図1を参照する。システム10は、患者23の血管系を通って、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の位置の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテルに挿入して、所望の位置に到達させることができる。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含み得る。IEGMを感知するように構成された例示的なカテーテル14が本明細書に例解されている。医師24は、心臓12の標的部位を感知するために、カテーテル14の遠位先端部28を心臓壁と接触させる。アブレーションのために、医師24は、同様に、アブレーションカテーテルの遠位端をアブレーションのための標的部位に運ぶ。
【0026】
カテーテル14は、遠位先端部28(本明細書では、「バスケットアセンブリ」又は「拡張可能バスケットアセンブリ」とも称される)において複数のスパイン22にわたって任意選択で分配され、IEGMを検知するように構成された1つの、好ましくは複数の電極26を含む、例示的なカテーテルである。カテーテル14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するために、遠位先端部28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含むことができる。任意選択的にかつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。
【0027】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む位置パッド25とともに動作し得る。カテーテル14の遠位先端部28のリアルタイム位置は、場所パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって感知される磁場に基づいて追跡され得る。磁気ベースの位置感知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、及び同第6,892,091号に記載されており、それらの各々は、あたかも本明細書に完全に記載され、添付の付属書類に含まれているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
システム10は、位置パッド25の位置基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために配置された1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に方向付けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、それにより、各電極の位置を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの場所追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されており、それらの各々は、あたかも本明細書に完全に記載され、添付の付属書類に含まれているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位
図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)と、を表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0030】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある電極のうちの1つ又は2つ以上にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー生成器50を含み得る。アブレーションエネルギー生成器50によって生成されるエネルギーは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極性若しくは双極性高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。
【0031】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、位置パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー生成器50、及びレコーダ11を含み得る。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの位置のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を追加的に含む。
【0032】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択的に、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデルリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示することと、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイム位置及び向きを表示することと、(4)アブレーションエネルギーが印加された場所などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示することと、を含む、複数の機能を提供し得る。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618,USAから入手可能な、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0033】
図2Aは、開示された技術による、拡張構成にある拡張可能バスケットアセンブリ28の斜視図である。
図2Aに示されるように、バスケットアセンブリ28は、拡張構成にあるときに長手方向軸86から半径方向外向きに曲がっている、複数のスパイン22A、22Bを含むことができる。複数のスパイン22A、22Bは、組織の電気生理学的信号及び/又はアブレーションをマッピングするように構成することができる、その上に配設された複数の電極26を更に含むことができる。
【0034】
スパイン22A、22Bは、チューブ状シャフト84の遠位端に取り付けることができる第1の複数のスパイン22Aと、複数のヒンジ220によって第1の複数のスパイン22Aに回転可能に取り付けることができる第2の複数のスパイン22Bと、を含むことができる。このようにして、第2の複数のスパイン22Bは、第1の複数のスパイン22Aに対して回転し、それによって、拡張構成と折り畳み構成との間の移行を促進するように構成することができる。言い換えれば、第1のスパイン22Aがバスケットアセンブリ28の近位部分を形成することができ、第2のスパイン22Bがバスケットアセンブリ28の遠位部分を形成することができ、第2のスパイン22Bが第1のスパイン22Aに対して外向き及び内向きに回転することができ、よって、バスケットアセンブリ28の遠位部分が近位部分に対して移動することができる。
【0035】
バスケットアセンブリ28は、第2の複数のスパイン22Bの遠位端に配設されたスパイン交差部210に取り付けることができる、プッシュロッド250を更に含むことができる。プッシュロッド250は、バスケットアセンブリ28を折り畳み構成と拡張構成との間で移行させるために、長手方向軸86に沿って摺動するように構成することができる。スパイン交差部210は、組織に損傷を与えることを防止するために、非外傷性先端部を形成することができる。更に、スパイン交差部210は、第2の複数のスパイン22Bの各々を互いに接続して、単一のアセンブリを形成することができる。いくつかの例では、スパイン交差部210及び第2の複数のスパイン22Bは、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、又はポリマー材料などの別の弾性生体適合性材料、などの、単一片の連続材料であり得る。同様に、第1の複数のスパイン22Aは、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、又はポリマー材料などの別の弾性生体適合性材料から作製することができる。第1の複数のスパイン22A及び第2の複数のスパイン22Bは、ほぼ球形形状又はほぼ扁球形状のバスケットアセンブリ28を形成するように構成することができる。
【0036】
電極26は、電気生理学的信号の検知、アブレーション、位置の検知、基準電極、などに適した電極が挙げられるが、これらに限定されない、構成された任意のタイプの電極であり得る。電極26は、リング型電極、バルジング型(bulging-type)電極、長方形電極、円形電極、などであり得る。更に、電極900は、パルスが少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成することができる。
【0037】
図2B及び
図2Cに示されるように、ヒンジ220は、アパーチャ224を通って延在することができる突出部222を含むことができる。
図2B及び
図2Cに示されるように、突出部222は、第2のスパイン22Bから外向きに延在することができ、アパーチャ224は、第1のスパイン22Aを通って延在することができる。代替的に、突出部222は、第1のスパイン22Aから外向きに延在することができ、アパーチャ224は、第2のスパイン22Bを通って延在することができる。突出部222は、一緒に組み立てられたときにアパーチャ224とスナップフィットを形成し、それによって、第1のスパイン22Aを第2のスパイン22Bに固定するが、第1のスパイン22Aに対する第2のスパイン22Bの回転を可能にするように構成することができる。突出部222は、組織に損傷を与え得る鋭利な縁部を低減するように、滑らかな又は丸みのある縁部を有し、かつ第1のスパイン22Aの外側対向面とほぼ面一になるように構成することができる。更に、
図2Cに示されるように、第1のスパイン22A及び第2のスパイン22Bは、バスケットアセンブリ28が組織に損傷を与える可能性を低減するように、及びヒンジ220が拘束される、又は別様に回転できなくなる可能性を低減するように、各々が丸みのある端部228を有することができる。
【0038】
図2Dは、開示された技術による、半折り畳み構成にある拡張可能バスケットアセンブリ28の斜視図である。
図2D及び
図2Eに示されるように、第2のスパイン22Bは、回転することができ、また、第1のスパイン22Aによって形成されたバスケットアセンブリ28の一部分に少なくとも部分的に入れ子にすることができる。例えば、プッシュロッド250が近位に引っ張られると、スパイン交差部210及び第2のスパイン22Bがバスケットアセンブリ28内へ内向きに引っ張られて、最終的に、第1のスパイン22Aに入れ子になる。バスケットアセンブリ28は、例えば、医師24がバスケットアセンブリ28を挿入シース260の中へ後退させて、バスケットアセンブリ28を患者23から取り除くときに、折り畳むことができる。
図2Fは、挿入シース260内の後退位置又は他の位置にあるバスケットアセンブリ28を例解する。示されるように、第2のスパイン22Bは、バスケットアセンブリ28が折り畳み構成にあるときに、第1のスパイン22Aに又はその間に入れ子にすることができる。
【0039】
図3A及び
図3Bは、開示された技術による、拡張構成(
図3A)及び折り畳み構成(
図3B)にある別の拡張可能バスケットアセンブリ328を例解する。バスケットアセンブリ328は、バスケットアセンブリ328がスパイン交差部210を含まないことを除いて、バスケットアセンブリ28と同じ特徴の全てを含むことができる。むしろ、バスケットアセンブリ328の第2のスパイン22Bの遠位端は、直接プッシュロッド250に取り付けられている。第2のスパイン22Bがどのようにプッシュロッド250に取り付けられるかに依存して、スパイン22Bを必然的に外向きに付勢して、プッシュロッド250が遠位に押されたときにバスケットアセンブリ328を拡張状態に拡張させるのに役立ち得る。いくつかの例では、第2のスパイン22Bは、非外傷性先端部を作成するのに役立つように、コーティングするか、又は別様にポリマー材料で覆うことができる。例えば、第2のスパイン22Bの遠位端は、第2のスパイン22Bが組織に損傷を与えることを防止するのに役立つポリマー材料に浸漬することができる。
【0040】
図4Aは、開示された技術による、拡張可能バスケットアセンブリ28の第1のスパイン22A、第2のスパイン22B、及びピン426の分解図である。示されるように、第1のスパイン22A及び第2のスパイン22Bは、第1のスパイン22Aの第1のアパーチャ424A及び第2のスパイン22Bの第2のアパーチャ424Bに挿入することができるピン426によって、互いに取り付けることができる。ピン426は、第1のアパーチャ424A及び第2のアパーチャ424Bによってスナップフィットを形成して、第1のスパイン22Aを第2のスパイン22Bに取り付けるように構成することができる。
【0041】
図4Bは、開示された技術による、拡張可能バスケットアセンブリ28の第1のスパイン22A及び第2のスパイン22Bの別の分解図である。上で説明したように、第1のスパイン22Aを第2のスパイン22Bに取り付ける別の方法は、突出部422をアパーチャ424に通して延在させることである。突出部422が第1のスパイン22Aに存在し得、アパーチャ424が第2のスパイン22Bに存在し得る。代替的に、突出部422が第2のスパイン22Bに存在し得、アパーチャ424が第1のスパイン22Aに存在し得る。突出部424は、アパーチャ424とスナップフィットを形成し、それによって、第1のスパイン22Aを第2のスパイン22Bに固定するが、第1のスパイン22Aに対する第2のスパイン22Bの回転を可能にするように構成することができる。他の例では、突出部422をアパーチャ424に挿入することができ、次いで、突出部422の端部を曲げるか、又は別様に拡張させて、突出部422がアパーチャ424から引き出されるのを防止することができる。
【0042】
図5A及び
図5Bは、開示された技術による、第1のスパイン22A、第2のスパイン22B、及びヒンジ部材540の分解図である。ヒンジ部材540を有することによって、バスケットアセンブリ28は、第1のスパイン22Aに対する第2のスパイン22Bのより大きい動きを可能にすることができる。これは、折り畳み構成と拡張構成との間のより容易な移行を促進するのに役立ち得る。
【0043】
図5Aに示されるように、第1のスパイン22A及び第2のスパイン22Bは、各々がアパーチャ424A、424Bを有することができ、ヒンジ部材540は、第1のスパイン22Aと第2のスパイン22Bとの間に位置決めすることができる。ヒンジ部材540は、第2の突出部542Bよりも近位に位置決めされた第1の突出部542Aを有することができる。上で説明した例と同様に、第1の突出部542Aは、第1のアパーチャ424を通って延在して、第1のスパイン22Aをヒンジ部材540に接続するように構成することができ、第2の突出部542Bは、第2のアパーチャ424Aを通って延在して、ヒンジ部材540を第2のスパイン22Bに接続するように構成することができる。上述のように、突出部542A、542Bは、アパーチャ424A、424Bとスナップフィットを形成するように、又は別様に、アパーチャ424A、424Bから外れるのを防止するように構成することができる。
【0044】
図5Bは、第1のスパイン22A及び第2のスパイン22Bの各々が突出部422A、422Bを有し、ヒンジ部材540がアパーチャ544A、544Bを有することを除いて、
図5Aと同様の構成を示す。上述のように、突出部422A、422Bは、アパーチャ544A、544Bを通って少なくとも部分的に延在して、第1のスパイン22A及び第2のスパイン22Bをヒンジ部材540に取り付けるように構成することができる。
【0045】
図示されていないが、当業者は、
図5A及び
図5Bに示される例がまた、第1のスパイン22A、第2のスパイン22B、及びヒンジ部材540の各々に形成されるアパーチャも含むことができ、ピンが、アパーチャの各々を通って延在して、第1のスパイン22A及び第2のスパイン22Bをヒンジ部材540に接続することを理解するであろう。
【0046】
図6A、
図6B、及び
図6Cは、ヒンジとして構成されたスパイン622A、622Bの別の例を例解する。例えば、開示された技術は、第2のスパイン622Bのアパーチャ624を通して曲げられるように構成されたフック部材670を有する、第1のスパイン622Aを含むことができる。フック部材670は、第1のスパイン622Aが第1のスパイン622Bに対して回転することができるように、第2のスパイン622の周りでいくらか緩んだ状態を維持するように構成することができる。示されるように、フック部材670は、第2のスパイン622Bのアパーチャ624を通ってフィットして第1のスパイン622Aを第2のスパイン622Bに回転可能に接続することができるフック形状に曲げられた、又は別様に形成された、第1のスパイン622Aの端部であり得る。他の例では、本開示の範囲から逸脱することなく、第2のスパイン622Bがフック部材670を有することができ、第1のスパイン622Aがアパーチャ624を含むことができることが理解されるであろう。
【0047】
図7A及び
図7Bは、開示された技術による、拡張構成(
図7A)及び半折り畳み構成(
図7B)にある別の例示的なバスケットアセンブリ728を例解する。バスケットアセンブリ728は、バスケットアセンブリ728がプッシュロッド250を含まないことを除いて、バスケットアセンブリ28に関して説明した同じ特徴の各々を含むことができる。むしろ、第1のスパイン22A及び第2のスパイン22Bのうちの少なくとも1つは、第1のスパイン22A及び第2のスパイン22Bが拡張構成になるよう必然的に付勢されるように、付勢によって形成することができる。したがって、バスケットアセンブリ728が送達シース260から押し出されると、バスケットアセンブリ728は、必然的に拡張構成に移行することができる。例えば、第1のスパイン22A、第2のスパイン22B、又はその両方は、ニチノールから形成して、第1のスパイン22A及び/又は第2のスパイン22Bが拡張構成へと外向きに拡大する自然な傾向を有するような方法で形成することができる。
【0048】
図8は、開示された技術による、拡張可能バスケットアセンブリを組み立てる方法800のフローチャートである。バスケットアセンブリは、本明細書に更に説明されるバスケットアセンブリ28、328、728と同じ特徴の全てを含むことができる。方法800は、第1の複数のスパイン(例えば、第1のスパイン22A)をチューブ状シャフト(例えば、チューブ状シャフト84)に取り付けること(802)を含むことができる。方法800は、第2の複数のスパイン(例えば、第2のスパイン22B)を第1の複数のスパインに取り付けること(804)を含むことができる。第2の複数のスパインを第1の複数のスパインに取り付けること(804)は、本明細書に説明される方法のうちのいずれかを含むことができる。更に、
図8に示されていないが、第2の複数のスパインを第1の複数のスパインに取り付けること(804)は、第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインを、本明細書に図示及び説明されるヒンジ部材(例えば、ヒンジ部材540)取り付けることを含むことができる。方法800は、第2の複数のスパインをプッシュロッド(例えば、プッシュロッド250)に取り付けること(806)と、複数の電極(例えば、電極26)を第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインに取り付けること(808)と、を更に含むことができる。
【0049】
当業者によって理解されるように、方法800は、本明細書に説明される開示された技術の様々な特徴のうちのいずれかを含むことができ、特定の構成に応じて変更することができる。したがって、方法800は、本明細書で明示的に説明される特定の工程及び工程の順序に限定されるものとして解釈されるべきではない。更に、本明細書で提供される工程の順序は、一例として提供されたものであり、工程は、様々な他の順序で実行することができ、又は上に記載した工程の間に他の工程を含むことができる。
【0050】
本明細書に説明される本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
【0051】
条項1:
医療用プローブであって、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、バスケットアセンブリが、チューブ状シャフトの遠位端に結合された第1の複数のスパインと、第2の複数のスパインであって、第2の複数のスパインのうちの各スパインが、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されている、第2の複数のスパインと、少なくとも第2の複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、第2の複数のスパインの遠位端に接続されたプッシュロッドであって、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成されている、プッシュロッドと、を含む、医療用プローブ。
【0052】
条項2:第1の複数のスパインが、拡張可能バスケットアセンブリの近位部分を形成しており、第2の複数のスパインが、拡張可能バスケットアセンブリの遠位部分を形成している、条項1に記載の医療用プローブ。
【0053】
条項3:第2の複数のスパインが、第1の複数のスパインに対して外向きに回転して、拡張構成に移行するように構成されている、条項2に記載の医療用プローブ。
【0054】
条項4:拡張可能バスケットアセンブリの遠位部分が拡張可能バスケットアセンブリの近位部分に少なくとも部分的に入れ子になるように、第2の複数のスパインが、第1の複数のスパインに対して内向きに回転するように構成されている、条項2又は3のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0055】
条項5:第2の複数のスパインが、単一のスパインアセンブリを形成するように互いに取り付けられている、条項1~4のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0056】
条項6:第2の複数のスパインが、単一片の連続生体適合性材料を含む、条項5に記載の医療用プローブ。
【0057】
条項7:第1の複数のスパインのうちの各スパインが、その遠位端においてそこを通って延在する第1のアパーチャを含み、第2の複数のスパインのうちの各スパインが、その近位端においてそこを通って延在する第2のアパーチャを含み、医療用プローブが、複数のピンを更に備えており、複数のピンのうちの各ピンが、それぞれの第1のアパーチャ及びそれぞれの第2のアパーチャを通って延在して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、条項1~6のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0058】
条項8:ピンが、第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインとスナップフィットを形成して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに固定する、条項4に記載の医療用プローブ。
【0059】
条項9:第1の複数のスパインのうちの各スパインが、突出部を含み、第2の複数のスパインのうちの各スパインが、そこを通って延在するアパーチャを含み、アパーチャが、突出部を受容して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、条項1~6のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0060】
条項10:突出部が、アパーチャとスナップフィットを形成して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに固定する、条項9に記載の医療用プローブ。
【0061】
条項11:第2の複数のスパインのうちの各スパインが、突出部を含み、第1の複数のスパインのうちの各スパインが、そこを通って延在するアパーチャを含み、アパーチャが、突出部を受容して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、条項1~6のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0062】
条項12:突出部が、アパーチャとスナップフィットを形成して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに固定する、条項11に記載の医療用プローブ。
【0063】
条項13:複数のヒンジ部材を更に備えており、複数のヒンジ部材のうちの各ヒンジ部材が、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの遠位端に、かつ第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの近位端に結合されている、条項1~6のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0064】
条項14:各ヒンジ部材が、近位アパーチャと、遠位アパーチャと、を含み、第1の複数のスパイン、第2の複数のスパイン、及び複数のヒンジ部材を互いに回転可能に取り付けるために、近位アパーチャが、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの突出部を受容するように構成されており、遠位アパーチャが、第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの突出部を受容するように構成されている、条項13に記載の医療用プローブ。
【0065】
条項15:各ヒンジ部材が、近位突出部と、遠位突出部と、を含み、第1の複数のスパイン、第2の複数のスパイン、及び複数のヒンジ部材を互いに回転可能に取り付けるために、近位突出部が、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインのアパーチャに挿入されるように構成されており、遠位突出部が、第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインのアパーチャに挿入されるように構成されている、条項13に記載の医療用プローブ。
【0066】
条項16:第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインのうちの各スパインが、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンからなる群から選択される材料を含む、条項1~15のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0067】
条項17:第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインのうちの各スパインが、ポリマーを含む、条項1~16のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0068】
条項18:複数の電極の各電極が、リング型電極を含む、条項1~17のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0069】
条項19:複数の電極の各電極が、バルジング型電極を含む、条項1~18のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0070】
条項20:複数の電極の各電極が、長方形電極を含む、条項1~18のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0071】
条項21:複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、条項1~20のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0072】
条項22:拡張可能バスケットアセンブリが、拡張形態にあるときに、ほぼ球形形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~21のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0073】
条項23:拡張可能バスケットアセンブリが、拡張形態にあるときに、ほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~22のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0074】
条項24:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、バスケットアセンブリが、チューブ状シャフトの遠位端に結合された第1の複数のスパインと、第2の複数のスパインであって、第2の複数のスパインのうちの各スパインが、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されており、第2の複数のスパインが、第1の複数のスパインに対して遠位に曲がって、拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成に移行させるように付勢される、第2の複数のスパインと、を備えている、医療用プローブ。
【0075】
条項25:医療用プローブを構築する方法であって、方法が、第1の複数のスパインをチューブ状シャフトに取り付けることであって、チューブ状シャフトが、長手方向軸に沿って延在する、取り付けることと、第2の複数のスパインを第1の複数のスパインの遠位端に取り付けることであって、第2の複数のスパインが、第1の複数のスパインに回転可能に取り付け可能であり、第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインが、拡張可能バスケットアセンブリを形成する、取り付けることと、第2の複数のスパインの遠位端をプッシュロッドに取り付けることであって、プッシュロッドが、近位位置と遠位位置との間で長手方向に摺動して、拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成されている、取り付けることと、複数の電極を少なくとも第2の複数のスパインに取り付けることと、を含む、方法。
【0076】
条項26:第1の複数のスパインが、拡張可能バスケットアセンブリの近位部分を形成しており、第2の複数のスパインが、拡張可能バスケットアセンブリの遠位部分を形成している、条項25に記載の方法。
【0077】
条項27:第2の複数のスパインが、第1の複数のスパインに対して外向きに回転して、拡張構成に移行するように構成されている、条項26に記載の方法。
【0078】
条項28:拡張可能バスケットアセンブリの遠位部分が拡張可能バスケットアセンブリの近位部分に少なくとも部分的に入れ子になるように、第2の複数のスパインが、第1の複数のスパインに対して内向きに回転するように構成されている、条項26又は27のいずれか一項に記載の方法。
【0079】
条項29:第2の複数のスパインが、単一のスパインアセンブリを形成するように互いに取り付けられている、条項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
条項30:第2の複数のスパインが、単一片の連続生体適合性材料を含む、条項29に記載の方法。
【0081】
条項31:第1の複数のスパインのうちの各スパインが、その遠位端においてそこを通って延在する第1のアパーチャを含み、第2の複数のスパインのうちの各スパインが、その近位端においてそこを通って延在する第2のアパーチャを含み、方法が、第1のアパーチャを第2のアパーチャと整列させて、第1のアパーチャ及び第2のアパーチャにピンを挿入することであって、複数のピンが、それぞれの第1のアパーチャ及びそれぞれの第2のアパーチャを通って延在して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、挿入することを更に含む、条項25~30のいずれか一項に記載の医療用。
【0082】
条項32:ピンが、第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインとスナップフィットを形成して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに固定する、条項31に記載の方法。
【0083】
条項33:第1の複数のスパインのうちの各スパインが、突出部を含み、第2の複数のスパインのうちの各スパインが、そこを通って延在するアパーチャを含み、方法が、突出部をアパーチャに挿入して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに回転可能に結合することを更に含む、条項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【0084】
条項34:突出部が、アパーチャとスナップフィットを形成して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに固定する、条項33に記載の方法。
【0085】
条項35:第2の複数のスパインのうちの各スパインが、突出部を含み、第1の複数のスパインのうちの各スパインが、そこを通って延在するアパーチャを含み、方法が、突出部をアパーチャに挿入して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに回転可能に結合することを更に含む、条項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
条項36:突出部が、アパーチャとスナップフィットを形成して、第1の複数のスパインを第2の複数のスパインに固定する、条項35に記載の方法。
【0087】
条項37:第1の複数のスパインのうちの各スパインを複数のヒンジ部材のうちの1つのヒンジ部材に取り付けることと、第2の複数のスパインのうちの各スパインを複数のヒンジ部材のうちの1つのヒンジ部材に取り付けて、第1の複数のスパイン、第2の複数のスパイン、及び複数のヒンジ部材を互いに回転可能に取り付けることと、を更に含む、条項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【0088】
条項38:各ヒンジ部材が、近位アパーチャと、遠位アパーチャと、を含み、近位アパーチャが、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの突出部を受容するように構成されており、遠位アパーチャが、第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの突出部を受容するように構成されている、条項37に記載の方法。
【0089】
条項39:各ヒンジ部材が、近位突出部と、遠位突出部と、を含み、近位突出部が、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインのアパーチャに挿入されるように構成されており、遠位突出部が、第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインのアパーチャに挿入されるように構成されている、条項37に記載の方法。
【0090】
条項40:第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインのうちの各スパインが、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンからなる群から選択される材料を含む、条項25~39のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0091】
条項41:第1の複数のスパイン及び第2の複数のスパインのうちの各スパインが、ポリマーを含む、条項25~40のいずれか一項に記載の方法。
【0092】
条項42:複数の電極の各電極が、リング型電極を含む、条項25~41のいずれか一項に記載の方法。
【0093】
条項43:複数の電極の各電極が、バルジング型電極を含む、条項25~41のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
条項44:複数の電極の各電極が、長方形電極を含む、条項25~41のいずれか一項に記載の方法。
【0095】
条項45:複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、条項25~44のいずれか一項に記載の方法。
【0096】
条項46:拡張可能バスケットアセンブリが、拡張形態にあるときに、ほぼ球形形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項25~45のいずれか一項に記載の方法。
【0097】
条項47:拡張可能バスケットアセンブリが、拡張形態にあるときに、ほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項25~45のいずれか一項に記載の方法。
【0098】
条項48:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、バスケットアセンブリが、チューブ状シャフトの遠位端に結合されており、フック部材を含む、第1の複数のスパインと、第2の複数のスパインであって、第2の複数のスパインのうちの各スパインが、アパーチャを含み、第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されている、第2の複数のスパインと、少なくとも第2の複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、第2の複数のスパインの遠位端に接続されたプッシュロッドであって、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成されている、プッシュロッドと、を含む、医療用プローブ。
【0099】
上に記載される実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示及び記載されるものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、上記に説明及び例解される様々な特徴の組み合わせ及び副次的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むと当業者に想起されるであろう、先行技術で開示されていないそれらの変形例及び修正を含む。
【0100】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記バスケットアセンブリが、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された第1の複数のスパインと、
第2の複数のスパインであって、前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されている、第2の複数のスパインと、
少なくとも前記第2の複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、
前記第2の複数のスパインの遠位端に接続されたプッシュロッドであって、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、前記拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成されている、プッシュロッドと、を含む、医療用プローブ。
(2) 前記第1の複数のスパインが、前記拡張可能バスケットアセンブリの近位部分を形成しており、前記第2の複数のスパインが、前記拡張可能バスケットアセンブリの遠位部分を形成している、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記第2の複数のスパインが、前記第1の複数のスパインに対して外向きに回転して、拡張構成に移行するように構成されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(4) 前記拡張可能バスケットアセンブリの遠位部分が前記拡張可能バスケットアセンブリの前記近位部分に少なくとも部分的に入れ子になるように、前記第2の複数のスパインが、前記第1の複数のスパインに対して内向きに回転するように構成されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(5) 前記第2の複数のスパインが、単一のスパインアセンブリを形成するように互いに取り付けられている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0101】
(6) 前記第2の複数のスパインが、単一片の連続生体適合性材料を含む、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(7) 前記第1の複数のスパインのうちの各スパインが、その遠位端においてそこを通って延在する第1のアパーチャを含み、
前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、その近位端においてそこを通って延在する第2のアパーチャを含み、
前記医療用プローブが、複数のピンを更に備えており、前記複数のピンのうちの各ピンが、それぞれの第1のアパーチャ及びそれぞれの第2のアパーチャを通って延在して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(8) 前記ピンが、前記第1の複数のスパイン及び前記第2の複数のスパインとスナップフィットを形成して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに固定する、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(9) 前記第1の複数のスパインのうちの各スパインが、突出部を含み、
前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、そこを通って延在するアパーチャを含み、前記アパーチャが、前記突出部を受容して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(10) 前記突出部が、前記アパーチャとスナップフィットを形成して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに固定する、実施態様9に記載の医療用プローブ。
【0102】
(11) 前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、突出部を含み、
前記第1の複数のスパインのうちの各スパインが、そこを通って延在するアパーチャを含み、前記アパーチャが、前記突出部を受容して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに回転可能に結合するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(12) 前記突出部が、前記アパーチャとスナップフィットを形成して、前記第1の複数のスパインを前記第2の複数のスパインに固定する、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(13) 複数のヒンジ部材を更に備えており、前記複数のヒンジ部材のうちの各ヒンジ部材が、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの遠位端に、かつ前記第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの近位端に結合されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(14) 各ヒンジ部材が、近位アパーチャと、遠位アパーチャと、を含み、前記第1の複数のスパイン、前記第2の複数のスパイン、及び前記複数のヒンジ部材を互いに回転可能に取り付けるために、前記近位アパーチャが、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの突出部を受容するように構成されており、前記遠位アパーチャが、前記第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの突出部を受容するように構成されている、実施態様13に記載の医療用プローブ。
(15) 各ヒンジ部材が、近位突出部と、遠位突出部と、を含み、前記第1の複数のスパイン、前記第2の複数のスパイン、及び前記複数のヒンジ部材を互いに回転可能に取り付けるために、前記近位突出部が、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインのアパーチャに挿入されるように構成されており、前記遠位突出部が、前記第2の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインのアパーチャに挿入されるように構成されている、実施態様13に記載の医療用プローブ。
【0103】
(16) 前記複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、前記パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(17) 前記拡張可能バスケットアセンブリが、拡張形態にあるときに、ほぼ球形形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(18) 前記拡張可能バスケットアセンブリが、拡張形態にあるときに、ほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(19) 医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記バスケットアセンブリが、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された第1の複数のスパインと、
第2の複数のスパインであって、前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されており、前記第2の複数のスパインが、前記第1の複数のスパインに対して遠位に曲がって、前記拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成に移行させるように付勢される、第2の複数のスパインと、を含む、医療用プローブ。
(20) 医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記バスケットアセンブリが、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合され、かつフック部材を含む、第1の複数のスパインと、
第2の複数のスパインであって、前記第2の複数のスパインのうちの各スパインが、アパーチャを含み、前記第1の複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに回転可能に結合されている、第2の複数のスパインと、
少なくとも前記第2の複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、
前記第2の複数のスパインの遠位端に接続されたプッシュロッドであって、近位位置と遠位位置との間を長手方向に摺動して、前記拡張可能バスケットアセンブリを拡張構成と折り畳み構成との間で移行させるように構成されている、プッシュロッドと、を含む、医療用プローブ。
【外国語明細書】