(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163082
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】熱交換器の水平輸送及び垂直設置のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
F28F 9/00 20060101AFI20241114BHJP
F28F 9/26 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
F28F9/00 321
F28F9/26
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024076660
(22)【出願日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】63/465,215
(32)【優先日】2023-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/616,711
(32)【優先日】2024-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591035368
【氏名又は名称】エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー アール.バトラー
(72)【発明者】
【氏名】ポール アイ.デブラー
(72)【発明者】
【氏名】プラサッド エム.サマラジバ
(72)【発明者】
【氏名】ヘザー リン シェンク
(72)【発明者】
【氏名】ケビン イー.ティーマン
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン ルーク ブイチッチ
【テーマコード(参考)】
3L065
【Fターム(参考)】
3L065FA19
(57)【要約】
【課題】熱交換器の水平輸送及び垂直設置のための装置及び方法を提供する。
【解決手段】モジュール式熱交換器アセンブリ用の装置が水平輸送及び垂直配向設置のために提供され、輸送及び設置のために熱交換器を保持するように構成されることができるフレームを含むことができる。フレームは、熱交換器が水平配向にある間の熱交換器の輸送を容易にすることができ、設置及び使用のために熱交換器をその垂直配向に配向するためのフレームの吊り上げも容易にすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置であって、
フレームであって、
頂部、底部、及び前記頂部と前記底部との間に延在する複数の側面を有するケースであって、前記側面、前記頂部、及び前記底部の間に画定される内部チャンバと連通する側面開口部を有するケース、並びに
前記ケースに取り付けられて、前記側面開口部を覆う少なくとも1つの側面キャップ
を備え、前記頂部から前記底部まで長手方向に延在する長さを有する、フレームと、
前記内部チャンバ内部に配置された熱交換器と、を備え、
前記フレームが、輸送のための水平配向での前記装置の輸送をしやすくするようにサイズ決定及び構成され、前記装置が前記水平配向にあるとき、前記長さは、水平に延在し、
前記フレームが、前記装置を現場での設置のための垂直配向に配置しやすくするようにサイズ決定及び構成され、前記装置が前記垂直配向にあるとき、前記長さは、垂直に延在する、装置。
【請求項2】
前記熱交換器は、コイル巻き熱交換器(CWHE)である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの側面キャップが、
外側面、前記外側面から延在するプラットフォーム、並びに前記外側面から延在する階段及び/又ははしごを備え、前記階段及び/又ははしごが、前記内部チャンバ内に配置され、前記プラットフォームが、前記内部チャンバ内に配置され、前記外側面が、前記頂部と前記底部との間に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記熱交換器と係合して前記内部チャンバ内の前記熱交換器の位置を保持するように配置された複数の保持デバイスを前記内部チャンバ内部に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記保持デバイスの各々が、ブロック位置と解放位置との間で調整可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記保持デバイスの各々が、前記保持デバイスを前記ブロック位置から前記解放位置に調整するように取り外し可能である少なくとも1つのブロック要素を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
熱交換器を設置するプロセスであって、
ケース及び少なくとも1つの側面キャップを形成することと、
前記ケースの内部チャンバ内に熱交換器を配置することと、
前記少なくとも1つの側面キャップを前記ケースに取り付けて、フレームを形成し、前記ケースの開放側面を覆い、前記内部チャンバ内部の前記熱交換器を包囲することと、
現場への前記熱交換器の輸送の間、前記フレームを水平配向に維持することと、
前記フレームを垂直配向に動かして、前記熱交換器を前記現場に設置することと、を含む、プロセス。
【請求項8】
前記熱交換器が、コイル巻き熱交換器(CWHE)である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記水平配向が、前記ケースの頂部と前記ケースの底部との間で長手方向に延在する前記ケースの長さが水平に延在する配向である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
前記垂直配向が、前記ケースの頂部と前記ケースの底部との間で長手方向に延在する前記ケースの長さが垂直に延在する配向である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項11】
前記水平配向が、前記ケースの頂部と前記ケースの底部との間で長手方向に延在する前記ケースの長さが水平に延在する配向である、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記熱交換器と係合して前記内部チャンバ内の前記熱交換器の位置を維持するように前記内部チャンバ内に保持デバイスを配置することを含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項13】
前記保持デバイスの位置を第1の位置から第2の位置に調整することを含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの側面キャップを前記ケースに取り付けて前記フレームを形成することが、
前記側面キャップのプラットフォーム並びに階段及び/又ははしごが前記内部チャンバ内に配置されるように、各側面キャップを配置することと、
各側面キャップを前記ケースに溶接又は固定して、前記ケースの前記開放側面を覆うことと、を含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項15】
前記フレームを垂直配向に動かして、前記熱交換器を前記現場に設置することが、前記フレームを少なくとも1つの吊り上げデバイスを介して吊り上げて、前記フレームの前記配向を前記垂直配向に調整することを含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項16】
前記少なくとも1つの吊り上げデバイスが、少なくとも1つのクレーンを含む、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記現場への前記熱交換器の輸送の間、前記フレームを前記水平配向に維持することが、
前記フレームが前記水平配向にある間に前記フレームを輸送手段に搬入することと、
前記フレームが前記水平配向にある間に前記フレームを前記輸送手段から搬出することと、を含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項18】
水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置であって、
フレームであって、
頂部、底部、及び前記頂部と前記底部との間に延在する複数の側面を有するケースであって、前記側面、前記頂部、及び前記底部の間に画定される内部チャンバと連通する側面開口部を有するケース、並びに
前記ケースに取り付けられて、前記側面開口部を覆う少なくとも1つの側面キャップであって、外側面、前記外側面から延在するプラットフォーム、並びに前記外側面から延在する階段及び/又ははしごを有し、前記階段及び/又ははしごが、前記内部チャンバ内に配置されるか、又は前記内部チャンバの外部に配置され、前記プラットフォームが、前記内部チャンバ内に配置され、前記外側面が、前記頂部と前記底部との間に延在する、少なくとも1つの側面キャップ
を備え、前記頂部から前記底部まで長手方向に延在する長さを有する、フレームと、
前記内部チャンバ内部に配置されたコイル巻き熱交換器(CWHE)と、を備え、
前記フレームが、輸送のための水平配向での前記装置の輸送をしやすくするようにサイズ決定及び構成され、前記装置が前記水平配向にあるとき、前記長さは、水平に延在し、
前記フレームが、現場での設置のための垂直配向に前記装置を配置しやすくするようにサイズ決定及び構成され、前記装置が前記垂直配向にあるとき、前記長さは、垂直に延在する、装置。
【請求項19】
前記熱交換器と係合して前記内部チャンバ内の前記熱交換器の位置を保持するように配置された複数の保持デバイスを前記内部チャンバ内部に備え、前記保持デバイスの各々が、ブロック位置と解放位置との間で調整可能である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記保持デバイスの各々が、前記保持デバイスを前記ブロック位置から前記解放位置に調整するように取り外し可能である、少なくとも1つのブロック要素を有する、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年5月9日に出願された米国仮出願第63/465,215号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、熱交換器と、熱交換器の輸送及び設置のための装置及び方法と、に関する。
【背景技術】
【0003】
コイル巻き熱交換器(CWHE)は、多くの場合、メンテナンス及び操作のためにアクセスを必要とする非常に背の高い機器である。歴史的に、CWHEは、CWHE機器から支持されるべく、メンテナンス用のアクセスプラットフォーム、はしご、及び他の付属物を伴って、基礎上で自己支持型であるように設計されている。この従来の方法では、これらの付属物は、CWHEがプロジェクト現場に輸送され、クレーン又は他の機器を介して基礎上に吊り上げられた後に、CWHEに設置されている。典型的には、CWHEが自己支持型でない場合、CWHEは、プロジェクト現場に出荷され、クレーンなどの起重機を介して支持構造に装着される。米国特許第11,391,512号は、CWHEの一実施例及びCWHEを設置するための建設プロセスを開示している。CWHEの外部にあるメンテナンス用アクセス及び相互接続は、多くの場合、プロジェクト場所での建設によって構築又は完成される。建設には、CWHE、CWHE外部付属物、断熱材、及びCWHEへのアクセスを提供するアクセス又は支持構造を現場で組み立てて建設することを可能にするために、大量の足場(例えば、10~100メートルの足場)が必要になる場合がある。この製造及び建設プロセスは、完了するまでに何ヶ月もかかることが多く、大型クレーンの使用、かなりの量の足場、及びかなりの数の建設要員を含む複雑な建設プロセスを必要とする場合がある。
【発明の概要】
【0004】
コイル巻き熱交換器(CWHE)などの熱交換器の製造及び設置のための従来のアプローチは、過度の設置遅延をもたらし、それは、プラントの立ち上げ及び/又は試運転におけるコスト及び遅延の増加につながる場合がある。現場でのより容易かつ迅速な設置を可能にし、より迅速な施設の立ち上げをもたらす一方で、従来の相対的に標準的な出荷及び輸送のデバイス及び方法の使用を容易にもする、大型熱交換器の製造及び設置のための新しい設計及びアプローチが所望されている。水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ並びにそれらを作製及び使用するためのプロセスのための本発明の実施形態は、CWHE若しくは他のタイプの大型熱交換器又は他の機器が、輸送及びその後の設置を容易にするように製造及び出荷されることを可能にするように構成されることができる。例えば、実施形態は、CWHE構造が、輸送のための水平配向で、その長手方向(例えば、最長寸法)に沿って水平に延在するように輸送され、その後、設置されたCWHE構造の高さが、CWHE構造が地面上に垂直に延在する距離であるように、その長手方向に沿って垂直に延在する垂直配向に現場で調整されることができるように適合されることができる。実施形態は、輸送を容易にするために、一般的に利用可能な出荷及び牽引慣行に従ってCWHE構造の輸送を可能にするようにサイズ決定及び構成されることができ、CWHE構造の配向をその垂直配向に調整することを容易にするのに十分に頑丈なフレームを有することができる。実施形態は、大規模な足場構造の使用を必要とせずに、かつ/又は大規模な建設要員チームを関与させることなく、CWHEの設置が実行されることを可能にすることができる。
【0005】
第1の態様では、水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置が提供される。装置の実施形態は、ケースを有するフレームを含むことができる。ケースは、頂部、底部、及び頂部と底部との間に延在する複数の側面を含むことができる。ケースはまた、側面、頂部、及び底部の間に画定される内部チャンバと連通する側面開口部も有することができる。フレームはまた、ケースに取り付けられて、側面開口部を覆う少なくとも1つの側面キャップも含むこともできる。フレームはその上、頂部から底部まで長手方向に延在する長さを有することができる。
【0006】
装置はまた、内部チャンバ内部に配置された熱交換器も含むことができる。フレームは、輸送のための水平配向で、装置が水平配向にあるときに長さが水平に延在するような装置の輸送を容易にするようにサイズ決定及び構成されることができる。フレームはまた、現場での設置のための垂直配向で、装置が垂直配向にあるときに長さが垂直に延在するように装置を配置することを容易にするようにサイズ決定及び構成されることもできる。
【0007】
いくつかの実施形態では、熱交換器は、熱交換器の頂部がフレームの上面又はフレームの端部から延在することができるように内部チャンバ内に配置されることができ、したがって、熱交換器の頂部は、装置がその水平配向にある間の輸送中にフレームの端部から延在し、かつ装置がその垂直配向にあるときにフレームの頂部から延在する。他の実装形態では、熱交換器は、内部チャンバ内に配置されているとき、フレーム内部に完全に内包されることができる。いくつかの実施形態では、熱交換器は、複数のシェルを有し得、輸送又は設置を容易にするように複数のモジュールに分離されることができ得る。
【0008】
第2の態様では、装置の熱交換器は、コイル巻き熱交換器(CWHE)とすることができる。他の実施形態では、熱交換器は、別のタイプの熱交換器であり得る。
【0009】
第3の態様では、少なくとも1つの側面キャップは、各側面キャップが外側面、外側面から延在するプラットフォーム、並びに外側面から延在する階段及び/又ははしごを含むように提供されることができる。階段及び/又ははしごは、内部チャンバ内に配置されることができ、プラットフォームは、内部チャンバ内に配置されることができる。外側面は、頂部と底部との間に延在して、ケースの開放側面を包囲するフレームの側面を画定することができる。
【0010】
他の構成では、各側面キャップは、各側面キャップが外側面と外側面から延在するプラットフォームと、を含むように提供されることができる。プラットフォームは、内部チャンバ内に配置されることができる。外側面は、頂部と底部との間に延在して、ケースの開放側面を包囲するフレームの側面を画定することができる。装置がその垂直配向にあるときにプラットフォーム間のアクセス手段を提供する助けとなるように、外側面上に画定される階段及び/又ははしごも提供することができる。
【0011】
第4の態様では、装置はまた、熱交換器と係合して内部チャンバ内の熱交換器の位置を保持するように配置された複数の保持デバイスも内部チャンバ内部に含むことができる。保持デバイスの各々は、ブロック位置と解放位置との間で調整可能とすることができる。保持デバイスの各々は、保持デバイスをブロック位置から解放位置に調整するために取り外し可能である少なくとも1つのブロック要素を有することができる。
【0012】
第5の態様では、第1の態様の装置の実施形態は、第2の態様、第3の態様、及び/又は第4の態様の1つ以上の特徴を含むことができる。したがって、装置の実施形態は、他の要素及び構成を含むことができることを理解されたい。
【0013】
第6の態様では、熱交換器を設置するプロセスが提供される。プロセスの実施形態は、ケース及び少なくとも1つの側面キャップを形成することと、ケースの内部チャンバ内に熱交換器を配置することと、少なくとも1つの側面キャップをケースに取り付けて、フレームを形成し、ケースの開放側面を覆い、内部チャンバ内部の熱交換器を包囲することと、現場への熱交換器の輸送の間、フレームを水平配向に維持することと、フレームを垂直配向に動かして現場に熱交換器を設置することと、を含むことができる。
【0014】
第7の態様では、プロセスは、熱交換器がCWHE又は他のタイプの熱交換器であるように適合されることができる。
【0015】
第8の態様では、プロセスは、水平配向が、ケースの頂部とケースの底部との間で長手方向に延在するケースの長さが水平に延在する配向であるように適合されることができる。垂直配向は、ケースの頂部とケースの底部との間で長手方向に延在するケースの長さが垂直に延在する配向とすることができる。
【0016】
第9の態様では、プロセスは、他のステップを含むことができる。例えば、プロセスは、保持デバイスを内部チャンバ内に、熱交換器と係合して内部チャンバ内の熱交換器の位置を維持するように配置することを含むことができる。別の実施例として、プロセスは、保持デバイスの位置をブロック位置から解放位置に調整することを含むことができる。そのような位置の調整は、フレームが垂直配向に動かされた後に起こることができる。
【0017】
第10の態様では、少なくとも1つの側面キャップをケースに取り付けてフレームを形成することは、プラットフォームが内部チャンバ内に配置されるように各側面キャップを配置することと、各側面キャップをケースに溶接又は固定して、ケースの開放側面を覆うことと、を含むことができる。取り付けは、装置がその垂直配向にあるときにプラットフォームへのアクセスを提供するために、階段又ははしごがケースの外側面に画定されるように実行されることができる。代替的に、取り付けは、装置がその垂直配向にあるときにプラットフォームへのアクセスを提供するために、階段又ははしごが内部チャンバ内にあるように、階段又ははしごがケースの外側面とは反対側に画定されるように実行されることができる。
【0018】
第11の態様では、フレームを垂直配向に動かして現場に熱交換器を設置することは、少なくとも1つの吊り上げデバイスを介してフレームを吊り上げて、フレームの配向を垂直配向に調整することを含むことができる。少なくとも1つの吊り上げデバイスは、少なくとも1つのクレーン(例えば、複数のクレーン、単一のクレーンなど)を含むことができる。少なくとも1つの吊り上げデバイスはまた、他のタイプの吊り上げデバイス(例えば、1つ以上のジャッキングタワーなど)も含むことができる。
【0019】
第12の態様では、現場への熱交換器の輸送の間、フレームを水平配向に維持することは、フレームが水平配向にある間にフレームを輸送手段に搬入することと、フレームが水平配向にある間にフレームを輸送手段から搬出することと、を含むことができる。輸送手段は、船舶、鉄道車両、自己推進型モジュラトランスポータ(SPMT)、又は他のタイプの輸送手段を含むことができる。搬入及び搬出は、牽引機、クレーン、又は他のタイプの搬入又は搬出デバイスを介して提供されることができる。
【0020】
第13の態様では、第6の態様のプロセスの実施形態は、第7の態様、第8の態様、第9の態様、第10の態様、第11の態様、及び/又は第12の態様の1つ以上の特徴を含むことができる。プロセスの実施形態はまた、本明細書で考察される装置のうちの第1の態様又は任意の他の実施形態の装置を利用することができる。したがって、プロセスの実施形態は、他のプロセスステップ及び他の要素を含むことができることを理解されたい。
【0021】
第14の態様では、水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置が提供される。装置は、ケースを含むフレームを含むことができる。ケースは、頂部と、底部と、頂部と底部との間に延在する複数の側面と、を有することができる。ケースはまた、側面、頂部、及び底部の間に画定される内部チャンバと連通する側面開口部も有することができる。少なくとも1つの側面キャップをケースに取り付けて、側面開口部を覆うことができる。少なくとも1つの側面キャップは、外側面、外側面から延在するプラットフォーム、並びに外側面から延在する階段及び/又ははしごを有することができる。階段及び/又ははしごは、内部チャンバ内に又は内部チャンバの外部に配置されることができ、プラットフォームは内部チャンバ内に配置されることができる。外側面は、頂部と底部との間に延在することができる。フレームは、頂部から底部まで長手方向に延在する長さを有することができる。コイル巻き熱交換器(CWHE)を内部チャンバ内部に配置することができる。フレームは、輸送のための水平配向で、装置がその水平配向にあるときに長さが水平に延在するような装置の輸送を容易にするようにサイズ決定及び構成されることができる。フレームはまた、現場での設置のための垂直配向に装置を配置することを容易にするようにサイズ決定及び構成されることができる。装置が垂直配向にあるとき、長さは、垂直に延在することができる。装置が水平配向にあるとき、熱交換器の長さもまた水平に延在することができ、熱装置が垂直配向にあるときに、熱交換器の長さもまた垂直に延在して、熱交換器の高さを画定することができる。
【0022】
第15の態様では、第14の態様の装置は、熱交換器と係合して内部チャンバ内の熱交換器の位置を保持するように配置された複数の保持デバイスを内部チャンバ内部に含むことができる。保持デバイスの各々は、第1の位置と第2の位置(例えば、ブロック位置と解放位置)との間で調整可能とすることができる。保持デバイスの各々は、例えば、保持デバイスを第1の位置から第2の位置に調整するために取り外し可能である少なくとも1つのブロック要素を有することができる。
【0023】
水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ並びにそれらを作製及び使用する方法のための本発明の他の詳細、目的、及び利点は、その特定の例示的な実施形態の以下の説明が進むにつれて明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置並びにそれらを作製及び使用する方法の例示的な実施形態を本明細書に含まれる図面に示す。図面で使用される同様の参照文字は、同様の構成要素を識別し得ることを理解されたい。
【0025】
【
図1】水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10の第1の例示的な実施形態を形成するための製造プロセスの第1の例示的な実施形態を例解するフローチャートである。
【0026】
【
図2】水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10の第1の例示的な実施形態を形成するための製造プロセスの第1の例示的な実施形態を例解する別のフローチャートである。
【0027】
【
図3】水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10の第1の例示的な実施形態の断面図であって、熱交換器7との緊密な係合を提供して輸送中の振動及び動きを防止又は低減することができるブロック位置と、垂直配向にある間の使用中に熱交換器7が軸方向に膨張又は圧縮することを可能にするような熱交換器7との係合を提供して、熱交換器の動作中に起こり得る膨張及び他の運動に対応する一方で、装置10及び熱交換器7が垂直配向にある間、軸方向に垂直な半径方向における堅固な支持を依然として提供する解放位置との間で調整可能である、装置10の複数の保持デバイス21を例解する断面図である。ブロック位置及び解放位置は、第1及び第2の位置とみなすこともでき、その場合、ブロック位置を第1の位置とみなすことができ、解放位置を第2の位置とみなすことができるし、又はその逆とすることができる(例えば、ブロック位置を第2の位置とみなすことができ、解放位置を第1の位置とみなすことができる)。
【0028】
【
図4】輸送船17を介して輸送するためにその水平配向に配置された、水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10の第1の例示的な実施形態の斜視図である。
【0029】
【
図5】輸送船17を介して輸送するためにその水平配向に配置された、水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10の第1の例示的な実施形態の上面図である。
【0030】
【
図6】陸上牽引のためにその水平配向19に配置された、水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10の第1の例示的な実施形態の側面図である。
【0031】
【
図7】水路を介した輸送のために、水平配向にある装置10を吊り上げプロセスによって輸送手段上に牽引するための例示的なプロセスを描示する概略図である。
【0032】
【
図8】水平配向にある装置10を輸送船又は輸送手段17上に搬入するため、及び/又は水平配向にある装置10を輸送舶又は輸送手段17から搬出するための例示的なプロセスを描示する概略図である。
【0033】
【
図9】水平配向にある装置10を輸送船又は輸送手段17上に搬入するため、及び/又は水平配向にある装置10を輸送船又は輸送手段17から搬出するための例示的なプロセスを描示する概略図である。
【0034】
【
図10】設置後に装置がその垂直配向Vになるように、水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10の第1の例示的な実施形態を設置するための設置プロセスの第1の例示的な実施形態を例解するフローチャートである。
【0035】
【
図11】その垂直配向にある、水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10の第1の例示的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1~
図11を参照すると、水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10は、装置10が、少なくとも1つの輸送デバイス17を介して(例えば、輸送デバイス17が船舶、バージ、又は他のタイプの水上輸送手段であり得る
図4及び
図5に示されるように)その水平配向Hで輸送及び牽引されること、及び/又は、装置10が、
図6に示されるような異なる輸送デバイスでの搬出及び搬入のために垂直に吊り上げ又は牽引されるように水平配向Hにあることができるように、地上支持体19上に配置可能であることを可能にするように提供されることができる。その水平配向にある間の装置10の輸送は、トラック、トレーラ、鉄道車両、船舶、又は他の輸送手段が、設置のために装置を現場まで、より容易に輸送することを可能にすることができる。輸送の容易さは、高度に専門化された機器を使用することなく、はるかに低いコストで輸送が提供されることを可能にすることもできる。装置10のサイズ及び形状は、標準的な輸送及び出荷用のデバイス及びプロトコルが、装置の搬入、搬出、及び製造現場から設置現場への輸送に適用されることを可能にしながらも、好適な設置を容易にするようにサイズ決定及び構成されることができる。
【0037】
いったん装置10の熱交換器7が設置される現場に到着すると、例えば、
図10に示されるように、1つ以上の吊り上げデバイス31(例えば、1つ以上のクレーン33)を利用して、装置10を動かして、その配向をその水平配向Hからその垂直配向Vに調整することができる。
【0038】
いったん吊り上げられ垂直配向Vになると、装置10のフレーム4内に内包された熱交換器7をプラント又は工業施設内に統合するための追加設置作業を、そのような作業が熱交換器の設置のためのより大規模で高い足場構造の形成を必要とせずに、実行することができる。このタイプの大規模な足場は、吊り上げデバイス31の使用と、装置10の配向が垂直配向Vに調整された後に熱交換器7を垂直配向に支持することを容易にするという装置10のフレームの能力とによって回避されることができる。装置が垂直配向Vになった後に実行されることできるタイプの統合作業は、熱交換器をプラント又は施設内に接続して、プラント又は施設の1つ以上のプロセス流体に冷却及び/又は加熱を提供することを含むことができる。作業員は、装置10がその垂直配向になった後に、階段及び/又ははしご5b並びにプラットフォーム5aを利用して、このタイプの設置作業を実行することができる。
【0039】
図1及び
図2から最良に理解され得るように、装置10は、プレハブ要素の使用によって製造されることができる。プレハブ要素は、熱交換器保持ケース3、並びにケース3の内部チャンバ3cを包囲するようにサイズ決定及び構成されている1つ以上の側面キャップ5などの金属加工要素を含むことができる。内部チャンバ3cは、チャンバ3c内部に熱交換器7を保持するようにサイズ決定されることができる。熱交換器7が内部チャンバ3c内部に配置された後、1つ以上の側面キャップ5が開放側面30の上に配置されケース3に取り付けられて、ケース3内に画定された開放側面3oを覆い、内部チャンバ3c内に配置された熱交換器7を包囲するフレーム4を形成することができる。
【0040】
例えば、第1のステップS1では、開放側面3oを有するケース3と側面キャップ5とが製造されることができる。この製造は、独立して又は側面キャップ製造ステップS1bと同時に起こることができるケース製造ステップS1aで起こることができる。1つの金属加工施設が、ケース3及び1つ以上の側面キャップ5の製造を実行することができる。代替的に、異なる施設がケース3及び1つ以上の側面キャップ5を製造することができ、側面キャップ5及び/又はケース3は、熱交換器7をケース3内に挿入し、側面キャップ5をケース3に取り付けて開放側面3oを覆うために、現場に輸送されることができる。
【0041】
1つ以上の側面キャップ5は、開放側面3oを覆うためのフレーム4の包囲側面を画定する一方で、いったん設置のために現場に着くと、熱交換器7の設置、操作、及びメンテナンスを容易にするためにチャンバ3c内に配置される他の構造を含むようにも製造されることができる。各側面キャップ5によって画定される構造は、側面キャップ5の外側面5cから延在することができる、金属製の階段及び/又ははしご5b並びにプラットフォーム5aを含むことができる。いくつかの構成では、ケース3に取り付けられてフレーム4を形成するとき、プラットフォーム5a並びに階段及び/又ははしご5bは、チャンバ3c内部に配置されることができ、外側面5cは、ケース3の開放側面3oを覆うフレーム4の側面を画定するように配置されることができる。他の構成では、ケース3に取り付けられてフレーム4を形成するとき、プラットフォーム5aはチャンバ3c内部に配置されることができ、階段及び/又ははしご5bは、フレーム4の外側面に配置されてチャンバ3cの外部にあることができる。そのような実施形態では、内部階段及び/又ははしご5bが含まれることができ、したがって、いくつかのはしご及び/又は階段はフレームの外側面に存在し、いくつかはフレームの内部であってチャンバ3c内部に存在することが企図される。
【0042】
ケース3は、金属から製造されることができ、頂部3tと底部3bとの間に延在する複数の側面3aを有する本体を含むことができる。ケース3の頂部3tは、装置10が垂直配向Vにあるときにその頂部を画定するように配置されることができる。ケースの底部3bは、装置10が垂直配向Vにあるときにその底部を画定するように配置されることができる。装置10が水平配向にあるとき、底部3b及び頂部3tは、ケース3の本体の反対側の端部とすることができる。本体の複数の側面3aは、頂部3tと底部3bとの間の装置10の長さLに沿って長手方向に延在することができる。底部3b及び頂部3tは、装置10が水平配向にあるときに下方側面から上方側面に延在して、装置10が水平配向Hにあるときにその高さHTを画定することができる。高さHTは、長さLよりも小さい値又は距離とすることができる。
【0043】
長方形のフレーム4の場合、ケース3のために形成された3つの側面3aが存在し得、側面キャップ5は、頂部3tと底部3bとの間の開放側面3oをフレーム4から包囲するための第4の側面を提供するように構成されることができる。他のフレーム4は、他の形状(例えば、六角形、五角形など)を有し得、異なる数の側面を有し得る。
【0044】
熱交換器7もまた、製造され、その後、フレーム4及び1つ以上の側面キャップ5が位置する又は送達されることができる置場又は設置現場に輸送されることができる。熱交換器7は、いくつかの実施形態では、コイル巻き熱交換器又は他の好適な熱交換器とすることができる。熱交換器7は、熱交換器7が吊り上げられてケース3の内部チャンバ3c内に配置されるまで、熱交換器7を保持及び保有するように構成されたスツール上に配置されることができる。
【0045】
ケース3が製造され、熱交換器7が作製された後、熱交換器7は、吊り上げられかつ/又は下降されることによってケースのチャンバ3c内に挿入されることができ、したがって、熱交換器7は、開放側面3oの上方に吊り上げられ、その後、開放側面3oを通過し、チャンバ3c内の、画定されたチャンバ3cの事前定義された熱交換器保持要素内に配置される。
図2は、この熱交換器配置プロセスである
図1のステップS2の一実施例を例解する。例えば、1つ以上のホイスト又はクレーンを使用して、(例えば、
図2のステップA~Bに例解されるように)チャンバ3c内に配置するために、熱交換器7を、開放側面3oを通過させチャンバ3c内まで下降させることができる。
【0046】
プラットフォーム構造3pがケース3のチャンバ3c内に画定されることができ、したがって、プラットフォーム構造3pは、熱交換器7の受容に対応し、また、熱交換器7の長さに沿った異なる離間された場所で熱交換器7の周りにプラットフォームを画定するために、ケースプラットフォーム構造3pに取り付けるように配置及び構成された対応するプラットフォーム5aを有する1つ以上の側面キャップ5を取り付けた後に完全に画定されるプラットフォーム床の一部分を画定する。1つ以上の側面キャップ5bの階段及び/又ははしご5bは、側面キャップ5がケース3に取り付けられた後、階段及び/又ははしごがチャンバ3c内部の底部3bから、側面キャッププラットフォーム5a及び内部ケースプラットフォーム構造3pによって画定される様々なプラットフォームにある上方位置まで延在することができるように構成及び配置されることができる。
【0047】
熱交換器7が所望の位置になった後、製造の第3のステップS3において、1つ以上の側面キャップ5が、熱交換器7の上方の開放側面3oの上方に配置され、隣接側面3a、頂部3t、及び底部3bに取り付けられて、側面キャップ5をケース3に取り付け、チャンバ3cを包囲し、フレーム4を形成することができる。この取り付けは、溶接又は他の好適な取り付け機構(例えば、溶接、留め具など)を介して実行されることができる。上に記載されるように、側面キャップ5は、各側面キャップ5の外側面5cが、頂部3tと底部3bとの間に延在する形成されたフレーム4の側面を少なくとも部分的に画定するように配置されることができる。外側面からチャンバ3c内に内向きに延在する構造が、チャンバ3c内の熱交換器7の周りの配置されることができる。構造は、熱交換器の周り及びそれらに隣接する異なる垂直位置に配置されるように画定されている階段踏面及び/又ははしご踏面並びにプラットフォーム5aを含むことができる。画定された階段及び/又ははしご5b並びにプラットフォーム5aは、熱交換器7が設置されてその垂直配向Vになった後、熱交換器7へのアクセス及び熱交換器7のメンテナンスを容易にするように配置されることができる。例えば、階段及び/又ははしご5bは、チャンバ3cの内側面に沿って走って、熱交換器の様々な上方位置へのアクセスのための経路を提供するように画定されることができる。プラットフォーム5aは、チャンバ3c内まで延在して、側面キャップ5のプラットフォーム5aによって画定される中央開口部と、ケース3のチャンバ3c内に画定される対応する内部プラットフォーム構造3pと、を画定するのを助けて、そのプラットフォーム5aの側面キャップ5の配置及び取り付けを介してチャンバ3c内に配置されている間、熱交換器7がプラットフォーム5aと3pとの間に配置されることを可能にするように画定されることができる。
【0048】
1つ以上の側面キャップ5がケース3に取り付けられてフレーム4を形成した後、及び/又は1つ以上の側面キャップ5を取り付ける前に、複数の熱交換器保持デバイス21を、熱交換器の長さに沿って異なる離間された場所で、チャンバ3c内の熱交換器本体の直径又は周縁の周りに配置することができる。保持デバイス21の配置は、
図3から最良に理解され得る。各保持デバイス21は、デバイスの内側遠位端21aが熱交換器7の本体と係合及び/又は接触して、熱交換器7を固定し、装置10の輸送及びホイスト中に発生する可能性のある動き(例えば、振動、揺動、スライドなど)から熱交換器7を保護するのを助けるように、チャンバ3c内部のフレーム4の内側面に取り付けられることができる。
【0049】
各保持デバイス21は、ブロック位置と解放位置との間で調整可能であるように構成されることができる。例えば、各保持デバイスは、輸送及び設置中に熱交換器7を支持するための内側遠位端21aと熱交換器本体との間の密接な接触のために、保持デバイスが堅固位置にあり、熱交換器7まで堅固に延在することができるように、保持デバイス21内に挿入されることができる少なくとも1つのブロック要素21bを含むことができる。ブロック位置は、保持デバイス21が、軸方向(例えば、熱交換器7の長さLに沿って延在する方向)とすることができる第1の方向、垂直方向上下に作用する半径方向とすることができる第2の方向、及び軸方向及び第2の方向に垂直な方向において左右に作用する別の半径方向とすることができる第3の方向を含む複数の異なる方向で、輸送中の耐荷重性を提供するように構成されることができる。少なくとも1つのブロック要素は、パッキングを含むことができる。いくつかの構成では、パッキングは、1つ以上のシムである又は1つ以上のシムを含むとみなすことができる。しかしながら、ブロック要素21のパッキングはまた、シム構造とみなされるものよりも実質的に大きくなり得る他の要素とすることもできる。
【0050】
装置10が設置のために現場に送達された後に現場で発生する可能性がある熱交換器設置プロセス中に、ブロック要素21bを取り外して、保持デバイス21の位置をそれらの解放位置に調整することができ、したがって、内側遠位端21aは、熱交換器7の軸方向での動作中に発生し得る熱交換器7の動き及び膨張又は収縮に対応することができる。しかしながら、取り外されたブロック要素21bは、遠位端21aが、熱交換器7と係合し、熱交換器7の長さLに垂直な半径方向の支持を提供することによって、熱交換器が垂直配向にあるときに、その水平横向きの動きを防止することを依然として可能にすることができる。これは、熱交換器に横向きの支持を提供して熱交換器の位置を維持するのを助ける結果となり、かつ、熱交換器が設置されて現場にある間に発生する可能性のある極端な気象条件(例えば、極端な風など)又は他の現象に起因して動かされることを回避するのを助けることができる追加の支持を熱交換器に提供して、熱交換器が垂直配向にある間に発生するそのような所望されない横方向の動きから熱交換器が損傷を受けるのを回避する助けとなる。
【0051】
保持デバイス21が内部チャンバ3c内部に取り付けられ、熱交換器7が内部チャンバ3c内部にしっかりと配置された状態でフレームが完全に製造された後、装置10は、保管、牽引、及び現場での設置のための現場への輸送のために、水平配向Hとすることができる。水平配向Hは、装置10及び/又はフレーム4の長さLが頂部3tと底部3bとの間で水平に延在する位置とすることができる。長さLは、フレーム4及び/又は装置10の幅Wよりも長い又は大きいサイズである最長寸法とすることができる。
【0052】
以下にも記載されるように、いくつかの代替的な構成では、ケース3及びフレーム4は、熱交換器7の頂部がケース3の頂部3tから延在することを可能にするように設計されることができ、したがって、
図1に破線で示されるように、熱交換器7の上方部分7tが露出してフレーム4の外部にある。そのような構成は、熱交換器7の上方部分7tを露出させることが、輸送及び設置を介して安全に対応されることができる一方で、熱交換器7が、装置10の垂直配向で、装置10内部で現場に設置されるときに、フレーム4が熱交換器7を支持するのを助けることを依然として可能にする場合に、提供され得る。
【0053】
いくつかの構成では、フレーム4は、それが形成された後に更に修正されることができる。例えば、追加の頂部セクションが頂部3tに隣接して取り付け若しくは配置されることができるか、又は延長底部部分が底部3bに隣接して取り付け若しくは配置されることができる。
【0054】
図6は、輸送手段(例えば、自己推進型モジュラートランスポータ(SPMT)、船舶、鉄道車両、トラックを介して輸送するためのフラットベッドトレーラなど)に搬入することができる支持体19上で、その水平配向にある装置10の一実施例を例解する。
図4及び
図5は、
図4及び
図5の実施例では船舶である輸送手段17を介した輸送のために、その水平配向にある装置10の実施例を例解する。本明細書に記載されるように、輸送手段は、代替的に、鉄道車両、トラック、又は他の好適な輸送手段であり得る。
【0055】
装置10の輸送はまた、複数の異なる輸送手段及び複数の異なる中間保管場所から、設置ための現場への装置の送達輸送の間ずっと、装置10がその水平配向Hで移動されることを含む。例えば、装置10は、その水平配向にある間に、レール又はトラックによって造船所までその水平配向で移動され、その後、吊り上げデバイス31を介して更なる輸送のために船舶上に牽引され、その後、現場で設置されるために、送達及び/又は送達現場までの更なる地上輸送のために船舶から搬出される。
図7~
図9は、そのような中間輸送フェーズの実施例を例解する。装置10は、装置10が設置される現場までの装置10の輸送及び牽引の容易さを促すために、この輸送プロセスの間ずっとその水平配向に維持されることができる。
【0056】
いったん装置10が現場に送達されると、それは、地面上で、又は地面上で装置をその水平配向Hで支持する支持体上で、その水平配向Hにあることができる。
図10は、そのような位置を例解する。第1の設置ステップST1では、例えば1つ以上のSPMT(図示せず)などの1つ以上の吊り上げデバイス31(例えば、1つ以上のクレーン33)を、単独で又は他の輸送手段と組み合わせて使用して、頂部3tが底部3bの上方に上昇するように、装置10を吊り上げることができる。第2の設置ステップST2では、吊り上げデバイス31は、頂部3tが底部3bの上方にあり、かつ底部3bが地面GR上にあるか、又は土台若しくは他の装置支持体によって地面GR上に支持されて、装置はその垂直配向Vにあるように、装置10を動かす。垂直配向では、装置10の長さLは、底部3bから頂部3tまで垂直に延在する。装置10が垂直配向Vにあるとき、頂部3tと底部3bとの間の複数の側面もまた、それらの長さLに沿って長手方向に底部3bから頂部3tまで上向きに延在する。装置10が垂直配向Vにあるとき、側面3aはまた、それらの長さの距離よりも短い距離だけ水平に延在することができる幅Wを有する。
【0057】
熱交換器7もまた長さLを有することを理解されたい。長さLは、装置10がその水平配向Hにあるとき、水平に延在することができる。装置10が垂直配向Vにあるとき、熱交換器7の長さLは、垂直に延在して、熱交換器7の高さを画定することができる。
【0058】
垂直配向Vに動かされた後、装置10は、現場でその配向に固定されることができる。また、フレーム4にアクセスして内部チャンバ3cに進入し、階段及び/又ははしご5b並びにプラットフォーム5aを使用することによって、追加の設置作業を実行することができる。この作業の間、保持デバイス21は、上で考察されるようなそれらのブロック位置からそれらの解放位置に調整されることができる(例えば、ブロック要素21bの取り外し)。
【0059】
例えば、装置がその垂直配向Vに動かされ、装置の長さLが垂直に延在した後、ブロック要素21bを取り外して保持デバイス21の位置をそれらの解放位置に調整することができ、したがって、内側遠位端21aは、熱交換器7の軸方向での動作中に生じ得る熱交換器7の動き及び膨張又は収縮に対応することができる。しかしながら、取り外されたブロック要素21bは、遠位端21aが、熱交換器7と係合し、熱交換器7の長さLに垂直な半径方向の支持を提供することによって、装置10が垂直配向Vにあるときに熱交換器の水平横向きの動きを防止することを依然として可能にすることができる。これは、熱交換器7に横向きの支持を提供して熱交換器の位置を維持するのを助ける結果となり、かつ、熱交換器が設置されて現場にある間に発生する可能性のある気象条件(例えば、極端な風など)又は他の現象に起因して著しく横方向に動かされることを回避するのを助けることができる追加の支持を熱交換器7に提供し、それは、そのような事象による熱交換器の損傷を回避する助けとなることができる。
【0060】
フレーム4内部に配置され装置10に含まれる熱交換器7は、コイル巻き熱交換器(CWHE)とすることができる。CWHEは、細長くて、有意な長さLを有することができる。いくつかの実施形態では、CWHEは、80メートルまでの長さとすることができる。装置10は、CWHEよりも長くすることができ、したがって、フレーム4は内部チャンバ3c内部にCWHEを内包するようにサイズ決定される。
【0061】
代替的な構成では、フレーム4は、CWHEの上方端部7tが装置10のフレーム4を超えて延在することができるように設計及び構造化されることができる。例えば、フレーム4は、CWHEの頂部が、フレーム4の端部から延在し、フレーム4の外部にある部分を有するように設計及び構成されることができ、したがって、CWHEは全体がCWHE内部に内包されているのではなく、CWHEは、水平配向での輸送のためにフレーム4内に配置され、その垂直配向に可動である。そのような構成では、CWHEの露出した上方部分は、輸送及び配向調整のために十分に保護されることができる。
【0062】
非常に長いことに加えて、フレーム4内部のCWHE又は他の熱交換器は、非常に重い場合がある。例えば、熱交換器は、200メトリックトン(MT)を超える場合もあれば、300MTを超える場合さえある。更に、フレーム自体も、非常に重い場合があり、いくつかの実施形態では、200MT又は300MTを超える場合がある。装置10の輸送重量は、非常に重く、多くの実施形態で500MTを超えることができる(例えば、700MTを超える、800MTを超える、900MTを超える、1000MTを超える、500MTと1000MTとの間など)。
【0063】
水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置10の実施形態並びにそれらを作製及び使用するためのプロセスは、CWHE又は他のタイプの熱交換器が、輸送及びその後の設置を容易にするように製造及び出荷されることを可能にするように構成されることができる。例えば、実施形態は、CWHEが、輸送のための垂直配向ではその長手方向(例えば、最長寸法)に沿って水平に延在し、その後、その長手方向に沿って垂直に延在する垂直配向に現場で調整され、したがって、設置されたCWHEの高さは、CWHEが地面上に垂直に延在する距離であるように、製造及び輸送されることができるように適合されることができる。実施形態は、輸送を容易にするために、標準化された輸送及び牽引慣行に従うCWHEの輸送を可能にするようにサイズ決定及び構成されることができ、その水平配向Hからその垂直配向VへのCWHE構造の配向の調整を容易にするのに十分に頑丈なフレームを有することができる。実施形態は、CWHE又は他の大型熱交換器の設置がより迅速かつ容易に実行されることを可能にすることができる。例えば、そのような設置は、大規模な建設要員チームを関与させる大規模な足場構造の使用を必要とせずに行うことができる。また、実施形態は、形成されたフレーム4又は他の支持構造に熱交換器を現場で追加する必要を回避するように適合されることができる。更に、いくつかの実施形態は、設置又は立ち上げ動作を容易にするために、熱交換器動作のための様々な電気的及び機械的要素をケース3の内部チャンバ3c内に統合し、配置することができるように適合されることができる。
【0064】
実施形態は、熱交換器7(例えば、CWHE)の水平配向を介した輸送がより迅速にかつより容易に、かつより低い輸送コストで行われ得るように適合されることができる。例えば、実施形態は、一般的な又は典型的な牽引機、リフト、ローダ、船舶、及び他の輸送手段が現場への熱交換器の輸送に利用されることを可能にするように適合されることができる。いったん現場に到着すると、1つ以上の吊り上げデバイス(例えばジャッキングタワー、クレーン、他の重量物吊り上げ機器など)の使用により、大規模な建設チーム又は他の機器を使用せずに、設置を行うことを可能にすることができる。このタイプの設置オプションは、設置作業に従来必要とされている熱交換器プラットフォーム、はしごなどを現場で構築するよりもはるかに迅速で、かつはるかに安価である。また、大規模な建設要員チーム及び大規模な足場構成の組み立ての必要性を回避する助けとなる。
【0065】
本明細書に明示的に図示及び考察される実施形態への修正は、特定の設計目標セット又は特定の設計基準セットを満たすように行うことができることを理解されたい。例えば、個別に又は一実施形態の一部として説明された特定の特徴は、他の個別に説明された特徴又は他の実施形態の部分と組み合わせることができることが想定される。したがって、本明細書に説明される様々な実施形態の要素及び動作は、更なる実施形態を提供するために組み合わせることができる。それ故に、水平輸送及び垂直配向設置のためのモジュール式熱交換器アセンブリ用の装置並びにそれらを作製及び使用する方法の特定の例示的な実施形態が上で図示及び説明されたが、本発明はそれらに限定されず、以下の特許請求の範囲の範囲内で別様に様々に具現化及び実施され得ることが明確に理解される。
【外国語明細書】